JP6795112B1 - 金型用工具鋼の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明の目的は、従来よりネット状炭化物を低減することにより同等以上に優れた耐衝撃性を有する工具鋼を製造することができる製造方法を提供することである。
本発明は、C:0.25〜0.45質量%を含有する工具鋼用素材を、表面温度が1300〜1050℃となるように加熱した後、熱間加工を行い、表面温度が1100〜600℃である熱間加工素材を得る熱間加工工程と、
6℃/min以上の冷却速度で前記熱間加工素材を水中に浸漬する水冷をして、表面温度が400〜100℃である水冷素材を得る水冷工程と、
を備える、金型用工具鋼の製造方法である。
本発明は、C:0.25〜0.45質量%を含有する工具鋼用素材を、表面温度が1300〜1050℃となるように加熱した後、熱間加工を行い、表面温度が1100〜600℃である熱間加工素材を得る熱間加工工程と、6℃/min以上の冷却速度で前記熱間加工素材を水中に浸漬する水冷をして、表面温度が400〜100℃である水冷素材を得る水冷工程と、を備える金型用工具鋼の製造方法である。
なお、本発明は、好ましくは熱間工具鋼に適用でき、さらに好ましくは、熱間ダイス鋼に適用できる。
このような金型用工具鋼の製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
本発明の製造方法において、熱間加工工程では、初めに、C含有率が0.25〜0.45質量%である工具鋼用素材を用意する。具体的な素材としては、SKD61が挙げられる。
ここで工具鋼用素材は、その表面だけではなく、その内部(部材の中心部分等)についても同程度の温度となるように加熱することが好ましい。
熱間加工には熱間鍛造、熱間圧延(熱延)が含まれる。
熱間鍛造として、具体的にはプレス機での据込みや鍛伸という加工が例示される。
熱間加工素材の表面温度は700℃以上であることが好ましい。
なお、表面温度が1100〜600℃である熱間加工素材の内部(部材の中心部分等)の温度は1200〜800℃程度であると推定される。
次に、本発明の製造方法における水冷工程について説明する。
水冷工程では、前述の熱間加工工程によって得られた表面温度が1100〜600℃である熱間加工素材を、6℃/min以上の冷却速度で水冷する。
なお、表面温度が400〜100℃である水冷素材の内部(部材の中心部分等)の温度は300〜800℃程度であると推定される。
なお、水冷工程と空冷工程の間に、例えば、焼ならし等の中間熱処理工程を含んでも良い。
本発明の製造方法は、上記の熱間加工工程および水冷工程の次に、さらに空冷工程を備えることが好ましい。
次に、本発明の製造方法が備えることが好ましい空冷工程について説明する。
空冷工程では、前述の水冷工程によって得られた表面温度が400〜100℃である水冷素材を空冷する。
水冷素材の空冷を始めると、当初、その表面温度は例えば250〜600℃程度まで上昇するが、その後、下降して行く。
なお、表面温度が250〜100℃である空冷素材の内部(部材の中心部分等)の温度は、表面温度と同程度であると推定される。
本発明の製造方法は、上記の熱間加工工程、水冷工程および空冷工程の次に、さらに球状化焼なまし工程を備えることが好ましい。
次に、本発明の製造方法が備えることが好ましい球状化焼なまし工程について説明する。
球状化焼なまし工程では、前述の空冷工程によって得られた、表面温度が250〜100℃である空冷素材に、球状化焼なまし処理を施す。
ここで球状化焼なまし処理は、空冷素材を1000〜800℃(好ましくは850〜930℃)にて10〜3h保持した後、炉冷し、空冷する処理であればよい。
例えば炉冷は≦45℃/hという処理であってよい。
例えば空冷は単純放冷という処理であってよい。
したがって、本発明の製造方法は、従来法による場合と同等以上に優れた耐衝撃性を有する工具鋼を製造することができるといえる。
溶鋼を1000kgのインゴットに鋳込み、工具鋼用素材を得た。
その後、得られた熱間加工素材の表面温度を測定したところ、750℃であった。
なお、本実施例において素材等の表面温度は、放射温度計を用いて測定した。
そして、水中から取り出して得られた水冷素材の表面温度を測定したところ、200℃であった。
このような処理によって、実施例1に係る金型用工具鋼を得た。別途、5種類の実施例2〜6について、実施例1と同様の試験を実施した。それらの合金組成を表1に示す。
実施例1では熱間加工素材を水冷するときの冷却速度を6℃/minとしたが、比較例1では冷却速度を1℃/minとした。そして、それ以外は全て実施例1と同じ処理を施した。
このような処理によって、比較例1に係る金型用工具鋼を得た。
また、シャルピー衝撃試験用の試験片を切り出し、シャルピー衝撃値を測定した。これらの試験結果を表1に示す。
光学顕微鏡を用いて得た断面写真を図1に例示する。図1(a)は実施例1に係る金型用工具鋼の拡大写真であり、図1(b)は比較例1に係る金型用工具鋼の拡大写真である。
これに対して図1(a)から明らかなように、実施例1に係る金型用工具鋼の場合、粒界析出が発生しなかった。そして、その結果として、実施例1に係る金型用工具鋼のシャルピー衝撃値は45J/cm2と高くなったと考えられる。
実施例2〜6に係る金型用工具鋼の場合のシャルピー衝撃値も、36〜55J/cm2と高くなった。
Claims (1)
- C:0.25〜0.45質量%を含有する工具鋼用素材を、表面温度が1300〜1050℃となるように加熱した後、熱間加工を行い、表面温度が1100〜600℃である熱間加工素材を得る熱間加工工程と、
6℃/min以上の冷却速度で前記熱間加工素材を水中に浸漬する水冷をして、表面温度が400〜100℃である水冷素材を得る水冷工程と、
前記水冷工程の後、前記水冷素材を空冷して、表面温度が250〜100℃にまで下がった空冷素材を得る空冷工程と、
前記空冷素材を1000〜800℃にて10〜3h保持した後、炉冷し、空冷する球状化焼なまし工程と、
を備える、金型用工具鋼の製造方法。
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JP2020047502A JP6795112B1 (ja) | 2020-03-18 | 2020-03-18 | 金型用工具鋼の製造方法 |
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