JP5404139B2 - 熱交換器用銅合金管 - Google Patents
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Snは、りん脱酸銅管に添加すると、銅合金管の引張り強さ及び伸びを向上させると共に、曲げ加工性を向上させる。Sn含有量が2.0質量%を超えると、鋳塊における凝固偏析が激しくなり、押出時の均質化処理が不十分になり易く、銅合金管の金属組織、機械的性質、曲げ加工性、ろう付け後の組織及び機械的性質が不均一となる。また、押出圧力が高くなり、Sn含有量が2質量%以下の銅合金と同一の押出圧力で押出成形するためには、押出温度を上げることが必要になり、それにより押出材の表面酸化が増加し、生産性の低下及び銅合金管の表面欠陥が増加する。一方、Snが0.1質量%未満であると、曲げ加工性が不十分になると共に、焼鈍後及びろう付け加熱後に、十分な引張強さ及び細かい結晶粒径を得ることができなくなる。従って、Snの含有量は、0.1乃至2.0質量%である。
銅合金管のP含有量が0.1質量%を超えると、熱間押出時に割れが生じやすくなり、応力腐食割れ感受性が高くなると共に、熱伝導率の低下が大きくなる。P含有量が0.005質量%未満であると、脱酸不足により酸素量が増加してSnの酸化物が発生し、鋳塊の健全性が低下し、銅合金管として曲げ加工性が低下する。従って、Pの含有量は、0.005乃至0.1質量%である。
Znを添加することにより、銅合金管の熱伝導率を大きく低下させることなく、強度、耐熱性及び疲れ強さを向上させることができる。また、Znの添加により、冷間圧延、抽伸及び転造等に用いる工具の磨耗を低減させることができ、抽伸プラグ及び溝付プラグ等の寿命を延命させる効果があり、生産コストの低減に寄与する。このため、本発明の銅合金管は、必要に応じて、Znを添加する。Znの含有量が1.0質量%を超えると、応力腐食割れ感受性が高くなる。また、Znの含有量が0.01質量%未満であると、上述の効果が十分得られなくなる。従って、Znの含有量を0.001乃至1.0質量%とすることが好ましい。
引張強さσBと0.5%耐力σ0.5との比(σ0.5/σB)が0.2未満であると扁平率が大きくなりやすく曲げ加工性が悪化する。ここで扁平率は、銅合金管の曲げ頂部の扁平率であり、(長径−短径)/基準外径で定義される。一方、(σ0.5/σB)が0.6を超えると曲げ加工時にしわが発生しやすい。従って、(σ0.5/σB)は0.2乃至0.6である。
銅合金管の曲げ加工時のしわ及び扁平には、銅合金管の長手方向の伸び及び周方向の縮みが関係しており、銅合金管の曲げ加工性は、引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときの管軸方向の伸びΔElと外径の縮み率ΔDより求めた比(r値=ΔD/(ΔD+ΔEl)と相関があることを本発明者は見出した。即ち、銅合金管の曲げ加工においてΔD及びΔElはかなり大きな変形量であるので、銅合金管の曲げ加工性をr値で評価するには銅合金管に大きな引張変形を与えたときのΔD及びΔElを使用すればよい。この場合に、大きな引張変形とは、引張破断応力の80%の荷重の引張変形である。引張破断応力の80%の荷重で引張試験した場合は、一様の伸びにより銅合金管が変形することで曲げ試験結果とr値との間にばらつきが出にくいからである。一方、例えば引張破断応力の90%以上の荷重の場合は銅合金管にくびれが発生し、引張破断応力の70%未満の荷重の場合は変形量が小さいので、曲げ試験結果とr値との間にばらつきが出やすくなる。引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときのr値が0.28以上であると、曲げ加工時の扁平が抑制され、且つしわが発生しにくい。なお、r値は0.28以上0.4以下であることが好ましい。
本発明の銅合金管は、りん脱酸銅管に比べて引張り強さと伸びを大きく、且つ結晶粒径を小さくすることができるので転造加工による内面溝付管の製造に好適である。特に、引張り強さが大きいことから、転造加工時に引抜き方向に伸びにくいので溝付プラグの溝部への合金管の肉の充填が円滑であり、良好なフィン形状を有する内面溝付管を高速で加工することが可能になる。
(a)電気銅を原料として、溶湯中に所定のSnを添加し、更に必要に応じて、Znを添加した後、Cu−P母合金を添加することにより、所定組成の溶湯を作製した。
(b)鋳造温度1200℃で、直径320×長さ6500mmの鋳塊を半連続鋳造した。
(c)得られた鋳塊から、長さ450mmのビレットを切り出した。
(d)ビレットをビレットヒーターで650℃に1時間加熱した後、インダクションヒーターで850℃に加熱し、850℃に到達した後2分経過後、熱間押出機でビレット中心に直径80mmのピアシング加工し、その後、熱間押出により、外径96mm、肉厚9.5mmの押出素管を作製した(断面減少率:96.6%)。押出素管の300℃までの平均冷却速度は40℃/秒であった。
(e)押出素管を圧延して、外径35mm、肉厚2.3mmの圧延素管を作製した。
(f)圧延素管を、1回の抽伸工程における断面減少率が35%以下になるように、引き抜き抽伸加工を繰り返し、外径9.52mm、肉厚0.80mmの銅合金管を得た。
(g)焼鈍炉にて、還元性ガス雰囲気中で、前記抽伸管を450乃至650℃に加熱し(平均昇温速度12℃/分)、この温度に30分保持し、冷却帯を通過させて室温まで徐冷し、所望の機械的性質(引張強さσB、0.5%耐力σ0.5)を有する供試材とした。この供試材は、平滑管の銅管である。
押出素管を圧延して圧延素管を作製する工程までは、上述の平滑管についての(a)乃至(e)の工程と同様である。
(h)次に、圧延素管を抽伸加工して、溝付転造用の素管を製作した。
(i)溝付転造用の素管をインダクションヒーターにより中間焼鈍した。
(j)中間焼鈍した溝付転造用素管に溝付転造加工を行い、外径7mm、底肉厚0.23mmの内面溝付管を製作した。この内面溝はフィン高さ0.16mm、リード角35°、フィン山数55である。
(k)内面溝付管を焼鈍炉にて、還元性ガス雰囲気中で、前記抽伸管を450乃至500℃に加熱し(平均昇温速度12℃/分)、この温度に30分保持し、冷却帯を通過させて室温まで徐冷し、所望の機械的性質(引張強さσB、0.5%耐力σ0.5)を有する供試材とした。
Claims (2)
- Sn:0.1乃至2.0質量%、P:0.005乃至0.1質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する内面溝付熱交換器用銅合金管であって、
引張強さσBと0.5%耐力σ0.5との比(σ0.5/σB)が0.2乃至0.6であり、引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときの管軸方向の伸びΔElと外径の縮み率ΔDより求めた比(r値=ΔD/(ΔD+ΔEl))が0.28以上であることを特徴とする熱交換器用銅合金管。 - 更に、Zn:0.01乃至1.0質量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用銅合金管。
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