JP2010236063A - 熱交換器用銅合金管 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ加工を施しても、しわ、破断、断面変形等の形状不良が発生しにくく、曲げ加工性に優れる熱交換器用銅合金管を提供する。
【解決手段】本発明の熱交換器用銅合金管は、Sn:0.1乃至2.0質量%、P:0.005乃至0.1質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する。引張強さσBと0.5%耐力σ0.5との比(σ0.5/σB)は0.2乃至0.6である。引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときの管軸方向の伸びΔElと外径の縮み率ΔDより求めた比(r値=ΔD/(ΔD+ΔEl))は0.28以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、曲げ加工性が優れた熱交換器用銅合金管に関する。
例えば、エアコンの熱交換器は、ヘアピン状に曲げ加工したU字形銅管(以下、銅管という場合は銅合金管も含む)をアルミニウム又はアルミニウム合金板からなるフィン(以下、アルミニウムフィンという)の貫通孔に通し、前記銅管を銅管内に治具を挿入して拡管することにより、銅管とアルミニウムフィンとを密着させ、更に、銅管の開放端を拡管し、この拡管開放端部にU字形に曲げ加工(ヘアピン曲げ加工)したベンド銅管を挿入し、りん銅ろう等のろう材によりベンド銅管をU字形銅管の拡管開放端部にろう付けすることにより、複数個のU字形銅管がベンド銅管により接続されて、熱交換器が製作される。
このため、熱交換器に使用される銅管としては、曲げ加工性、熱伝導率及びろう付け性が優れていることが要求される。従来、このような熱交換器用銅合金管としては、熱伝導率が高く、ろう付け性が優れたりん脱酸銅が広く使用されている。
しかしながら、りん脱酸銅は、引張強さが低いため、冷媒の運転圧力の増大に対応するためには、管の肉厚を厚くする必要があり、伝熱管としてりん脱酸銅を使用すると、熱交換器の質量が増大し、価格が上昇するという難点がある。
そこで、本願出願人は、耐圧破壊強度及び加工性が優れた熱交換器用銅合金管を提供することを目的として、Sn:0.1乃至2.0質量%、P:0.005乃至0.1質量%、S:0.005質量%以下、O:0.005質量%以下、及びH:0.0002質量%以下を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有し、引張強さが255N/mm以上であり、管軸直交断面において、管の肉厚方向と垂直な方向に測定した平均結晶粒径が30μm以下であり、引張強さをσa、破壊圧力をPFa、対応するリン脱酸銅管の引張強さをσd、破壊圧力をPFdとしたとき、(PFa)/(σa)>(PFd)/(σd)である熱交換器用銅合金管を提案した(特許文献1)。
しかしながら、リン脱酸銅は、曲げ加工性が低く、ベンド銅管のヘアピン曲げ加工時に、管の表面にしわが発生したり、管の断面形状が扁平に変形したりするという問題点がある。
一方、本願出願人は、このリン脱酸銅管のヘアピン曲げ加工時のしわの発生を、加工方法及び曲げ形状を規定することにより改善したヘアピン曲げ銅管及びヘアピン曲げ加工方法を提案した(特許文献2)。この技術は、ヘアピン曲げ加工が終了される側である曲げ部分の平均曲げ半径が、ヘアピン曲げ加工が開始される側である他方の曲げ部分の平均曲げ半径よりも大きくなるようにしたものである。
特開2008−174785号公報 特開2004−322141号公報
しかし、特許文献2に記載の技術では、ヘアピン曲げ加工が終了される側である曲げ部分の平均曲げ半径が、ヘアピン曲げ加工が開始される側である他方の曲げ部分の平均曲げ半径よりも大きくなるように銅合金管を曲げ加工するために、曲げ加工装置が複雑になり、装置コストが上昇すると共に、ベンド管の形状が限定されてしまうという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、曲げ形状の特定及び装置コストの上昇をもたらすことなく、素材の改良により、曲げ加工時に、U字形曲げ部分に、しわ、破断、断面変形等の形状不良が発生しにくく、曲げ加工性が優れた熱交換器用銅合金管を提供することを目的とする。
本発明に係る熱交換器用銅合金管は、Sn:0.1乃至2.0質量%、P:0.005乃至0.1質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する熱交換器用銅合金管であって、前記熱交換器用銅合金管の引張強さσBと0.5%耐力σ0.5との比(σ0.5/σB)が0.2乃至0.6であり、引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときの管軸方向の伸びΔElと外径の縮み率ΔDより求めた比(r値=ΔD/(ΔD+ΔEl))が0.28以上であることを特徴とする。
この熱交換器用銅合金管において、更に、Zn:0.01乃至1.0質量%を含有することが好ましい。
また、この熱交換器用銅合金管は、例えば、内面溝付管である。
本発明の熱交換器用銅合金管は、Snを適量含有すると共に、引張強さσBと0.5%耐力σ0.5との比(σ0.5/σB)及びr値を適切に定めたので、曲げ加工時に、しわ、破断、断面変形等の形状不良が発生しにくく、曲げ加工性が優れている。
r値の算出方法を示す図である。 K材及び比較例材を曲げ加工したときの扁平率を示すグラフ図である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明者等が種々実験研究した結果、Sn含有量、P含有量、引張強さσBと0.5%耐力σ0.5との比(σ0.5/σB)、及び、引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときの管軸方向の伸びΔElと外径の縮み率ΔDより求めた比(r値=ΔD/(ΔD+ΔEl))を適切に規定することにより、本発明の課題を解決できる熱交換器用銅合金管を得ることができることを見出した。
以下、本発明の熱交換器用伝熱管の成分添加理由及び組成限定理由について説明する。
「Sn:0.1乃至2.0質量%」
Snは、りん脱酸銅管に添加すると、銅合金管の引張り強さ及び伸びを向上させると共に、曲げ加工性を向上させる。Sn含有量が2.0質量%を超えると、鋳塊における凝固偏析が激しくなり、押出時の均質化処理が不十分になり易く、銅合金管の金属組織、機械的性質、曲げ加工性、ろう付け後の組織及び機械的性質が不均一となる。また、押出圧力が高くなり、Sn含有量が2質量%以下の銅合金と同一の押出圧力で押出成形するためには、押出温度を上げることが必要になり、それにより押出材の表面酸化が増加し、生産性の低下及び銅合金管の表面欠陥が増加する。一方、Snが0.1質量%未満であると、曲げ加工性が不十分になると共に、焼鈍後及びろう付け加熱後に、十分な引張強さ及び細かい結晶粒径を得ることができなくなる。従って、Snの含有量は、0.1乃至2.0質量%である。
「P:0.005乃至0.1質量%」
銅合金管のP含有量が0.1質量%を超えると、熱間押出時に割れが生じやすくなり、応力腐食割れ感受性が高くなると共に、熱伝導率の低下が大きくなる。P含有量が0.005質量%未満であると、脱酸不足により酸素量が増加してSnの酸化物が発生し、鋳塊の健全性が低下し、銅合金管として曲げ加工性が低下する。従って、Pの含有量は、0.005乃至0.1質量%である。
「Zn:0.01乃至1.0質量%」
Znを添加することにより、銅合金管の熱伝導率を大きく低下させることなく、強度、耐熱性及び疲れ強さを向上させることができる。また、Znの添加により、冷間圧延、抽伸及び転造等に用いる工具の磨耗を低減させることができ、抽伸プラグ及び溝付プラグ等の寿命を延命させる効果があり、生産コストの低減に寄与する。このため、本発明の銅合金管は、必要に応じて、Znを添加する。Znの含有量が1.0質量%を超えると、応力腐食割れ感受性が高くなる。また、Znの含有量が0.01質量%未満であると、上述の効果が十分得られなくなる。従って、Znの含有量を0.001乃至1.0質量%とすることが好ましい。
次に、本発明の熱交換器用銅合金管の特性等の限定理由について説明する。
「熱交換器用銅合金管の引張強さσBと0.5%耐力σ0.5との比(σ0.5/σB)が0.2乃至0.6」
引張強さσBと0.5%耐力σ0.5との比(σ0.5/σB)が0.2未満であると扁平率が大きくなりやすく曲げ加工性が悪化する。ここで扁平率は、銅合金管の曲げ頂部の扁平率であり、(長径−短径)/基準外径で定義される。一方、(σ0.5/σB)が0.6を超えると曲げ加工時にしわが発生しやすい。従って、(σ0.5/σB)は0.2乃至0.6である。
「引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときの管軸方向の伸びΔElと外径の縮み率ΔDより求めた比(r値=ΔD/(ΔD+ΔEl))が0.28以上」
銅合金管の曲げ加工時のしわ及び扁平には、銅合金管の長手方向の伸び及び周方向の縮みが関係しており、銅合金管の曲げ加工性は、引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときの管軸方向の伸びΔElと外径の縮み率ΔDより求めた比(r値=ΔD/(ΔD+ΔEl)と相関があることを本発明者は見出した。即ち、銅合金管の曲げ加工においてΔD及びΔElはかなり大きな変形量であるので、銅合金管の曲げ加工性をr値で評価するには銅合金管に大きな引張変形を与えたときのΔD及びΔElを使用すればよい。この場合に、大きな引張変形とは、引張破断応力の80%の荷重の引張変形である。引張破断応力の80%の荷重で引張試験した場合は、一様の伸びにより銅合金管が変形することで曲げ試験結果とr値との間にばらつきが出にくいからである。一方、例えば引張破断応力の90%以上の荷重の場合は銅合金管にくびれが発生し、引張破断応力の70%未満の荷重の場合は変形量が小さいので、曲げ試験結果とr値との間にばらつきが出やすくなる。引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときのr値が0.28以上であると、曲げ加工時の扁平が抑制され、且つしわが発生しにくい。なお、r値は0.28以上0.4以下であることが好ましい。
なお、このr値は、以下のようにして求める。図1に示すように、管外径がD、評点間の距離がδの銅合金管を引張試験に供する。この銅合金管を引張破断応力の80%の荷重で引張試験し、評点間の距離がδに伸び、管外径がDに縮小したとする。このとき、管外径の変化量ΔDはΔD=(D−D)/Dの式で算出される。また、伸び変化量ΔElはΔEl=(δ−δ)/δの式で算出される。そして、r値は、前述の如く、このΔD及びΔElを使用して、r=ΔD/(ΔD+ΔEl)の式で算出される。
図2はK材及びりん脱酸銅比較例材を曲げ加工して扁平率を求めた結果を、横軸に曲げピッチをとり、縦軸に扁平率をとって示す。K材は本発明の組成及び比(σ0.5/σB)の範囲を満たすものであり、調質はO材又は中間焼鈍材である。これらの銅管の曲げピッチは、銅管を180°曲げ加工したときの平行な直管部の中心間の距離である。また、扁平率は、曲げ頂部の扁平率を、扁平率=(長径−短径)/基準外径の式で算出した。但し、基準外径とは、曲げ加工前の銅管の外径であり、長径は、扁平化した部分の長寸の外径であり、短径は短寸の外径である。この図2及び後述の実施例からわかるように、r値が高いK材は、扁平率が低い。そして、r値が0.28以上である場合は、広範囲の曲げピッチにおいて、扁平率が低い。そこで、本発明においては、扁平率を低くするために、r値を0.28以上とする。
「銅合金管が内面溝付管」
本発明の銅合金管は、りん脱酸銅管に比べて引張り強さと伸びを大きく、且つ結晶粒径を小さくすることができるので転造加工による内面溝付管の製造に好適である。特に、引張り強さが大きいことから、転造加工時に引抜き方向に伸びにくいので溝付プラグの溝部への合金管の肉の充填が円滑であり、良好なフィン形状を有する内面溝付管を高速で加工することが可能になる。
次に、本発明の銅合金管の製造方法の一例について、平滑管又は内面溝付管の場合を例として以下に説明する。
先ず、原料の電気銅を木炭被覆の状態で溶解し、銅が溶解した後、Sn及びZnを所定量添加し、更に、脱酸を兼ねてCu−15質量%P中間合金としてPを添加する。成分調整が終了した後、半連続鋳造により所定の寸法のビレットを作製する。得られたビレットを加熱炉で加熱し、均質化処理を行なう。なお、熱間押出前に、ビレットを750乃至950℃に1分乃至2時間程度保持して均質化による偏析改善を行うことが望ましい。
その後、ビレットにピアシングによる穿孔加工を行い、750乃至950℃で熱間押出を行う。更に熱間押出後の素管を水冷等の方法により、表面温度が300℃になるまでの冷却速度が10℃/秒以上、望ましくは15℃/秒以上、更に望ましくは20℃/秒以上となるように冷却することが好ましい。
次に、押出素管に圧延加工を行ない、外径と肉厚を低減させる。このときの加工率を断面減少率で92%以下とすることにより、圧延時の製品不良を低減できる。
また、圧延素管に抽伸加工を行なって所定の寸法の素管を製造する。通常、抽伸加工は複数台の抽伸機を用いるか、又は同一の抽伸機においてダイス及び/又はプラグのサイズを変更して複数回抽伸加工するが、各抽伸工程による加工率(断面減少率)は35%以下にすることにより、素管における表面欠陥及び内部割れを低減できる。
その後、需要家において管に曲げ加工を行う場合及び抽伸管を使用して内面溝付管を製造する場合等には、抽伸管に焼鈍処理を行う。本発明の銅合金管を連続的に焼鈍するには、銅管コイル等の焼鈍に通常使用されるローラーハース炉、又は高周波誘導コイルに通電しながら銅管を前記コイルに通す高周波誘導コイルによる加熱を利用することができる。ローラーハース炉によって本発明の銅合金管を製造するには、抽伸管の実体温度が400乃至600℃となり、その温度で抽伸管が1分乃至120分間程度加熱されるように焼鈍することが望ましい。また、室温から所定温度までの平均昇温速度が5℃/分以上、望ましくは10℃/分以上となるように加熱することが望ましい。
抽伸管の実体温度が400℃より低いと完全な再結晶組織にならず(繊維状の加工組織が残存)、需要家における曲げ加工及び内面溝付管の加工が困難になる。また、600℃を超える温度では、結晶粒が粗大化し、管の曲げ加工性が却って低下し、また内面溝付加工においては管の引張り強さが低下してしまうため、管長手方向の伸びが大きく、管内面のフィンを正しい形状に形成することが難しくなる。このため、抽伸管の実体温度が400乃至600℃の範囲で焼鈍することが望ましい。また、この温度範囲における加熱時間が1分より短いと、完全な再結晶組織にならないため、前述の問題が発生する。また、120分を超えて焼鈍を行っても、結晶粒径に変化がなく、焼鈍の効果は飽和してしまうため、前記温度範囲における加熱時間は1分乃至120分が適当である。また、結晶粒を粗大化させないためには、室温から所定温度までの平均昇温速度が速いほうが望ましい。昇温速度が5℃/分より遅いと、同じ温度に加熱しても結晶粒が粗大化しやすく、耐圧破壊強度及び曲げ加工性の点から望ましくないと共に、生産性を阻害することになる。従って、室温から所定温度までの平均昇温速度は5℃/分以上が望ましい。
なお、上記のローラーハース炉による連続焼鈍に変えて、高周波誘導加熱炉を使用し、高速昇温、高速冷却、及び短時間加熱の焼鈍を行ってもよい。以上が平滑管の製造方法である。また、このように焼鈍した平滑管に、必要に応じて各種加工率の抽伸加工を行い、引張り強さを向上させた加工管としてもよい。
内面溝付管の場合は、焼鈍した平滑管に溝付転造加工を行う。このようにして、内面溝付管を製造した後、通常更に焼鈍を行う。また、このように焼鈍した内面溝付管に、必要に応じて軽加工率の抽伸加工を行い、引張り強さを向上させてもよい。
以下、本発明の効果を実証するための試験結果について説明する。先ず、平滑管についての実施例1〜7、比較例1〜6の製造方法について説明する。
(a)電気銅を原料として、溶湯中に所定のSnを添加し、更に必要に応じて、Znを添加した後、Cu−P母合金を添加することにより、所定組成の溶湯を作製した。
(b)鋳造温度1200℃で、直径320×長さ6500mmの鋳塊を半連続鋳造した。
(c)得られた鋳塊から、長さ450mmのビレットを切り出した。
(d)ビレットをビレットヒーターで650℃に1時間加熱した後、インダクションヒーターで850℃に加熱し、850℃に到達した後2分経過後、熱間押出機でビレット中心に直径80mmのピアシング加工し、その後、熱間押出により、外径96mm、肉厚9.5mmの押出素管を作製した(断面減少率:96.6%)。押出素管の300℃までの平均冷却速度は40℃/秒であった。
(e)押出素管を圧延して、外径35mm、肉厚2.3mmの圧延素管を作製した。
(f)圧延素管を、1回の抽伸工程における断面減少率が35%以下になるように、引き抜き抽伸加工を繰り返し、外径9.52mm、肉厚0.80mmの銅合金管を得た。
(g)焼鈍炉にて、還元性ガス雰囲気中で、前記抽伸管を450乃至650℃に加熱し(平均昇温速度12℃/分)、この温度に30分保持し、冷却帯を通過させて室温まで徐冷し、所望の機械的性質(引張強さσB、0.5%耐力σ0.5)を有する供試材とした。この供試材は、平滑管の銅管である。
次に、内面溝付管についての実施例8及び比較例7の製造方法について説明する。
押出素管を圧延して圧延素管を作製する工程までは、上述の平滑管についての(a)乃至(e)の工程と同様である。
(h)次に、圧延素管を抽伸加工して、溝付転造用の素管を製作した。
(i)溝付転造用の素管をインダクションヒーターにより中間焼鈍した。
(j)中間焼鈍した溝付転造用素管に溝付転造加工を行い、外径7mm、底肉厚0.23mmの内面溝付管を製作した。この内面溝はフィン高さ0.16mm、リード角35°、フィン山数55である。
(k)内面溝付管を焼鈍炉にて、還元性ガス雰囲気中で、前記抽伸管を450乃至500℃に加熱し(平均昇温速度12℃/分)、この温度に30分保持し、冷却帯を通過させて室温まで徐冷し、所望の機械的性質(引張強さσB、0.5%耐力σ0.5)を有する供試材とした。
下記表1は、実施例1〜8及び比較例1〜7の成分組成、焼鈍条件、測定された機械的性質、r値及び曲げ加工性評価結果を示す。引張試験においては、引張破断応力の80%の荷重で停止し、材料を取り出して管軸方向の伸びΔEl(評点間距離50mm)及び管周方向の縮み率ΔDを測定した。曲げ加工性の評価については、曲げ半径R=19mmでマンドレルを使用せずに180°曲げ加工を行い、しわ有無の確認と、曲げ頂部の長径と短径を測定して扁平率((長径−短径)/基準外径(=9.52mm))を算出した。扁平率は10.0%以下が合格と判断した。成分、機械的性質、r値、曲げ加工によるしわ発生有無と、扁平率を、表1に示す。なお、焼鈍タイミングで1パス前と記載しているものは、抽伸加工により、外径が10mm、厚さが0.78mmの銅管に仕上げた後、焼鈍し、更に抽伸して外径が9.52mm、厚さが0.8mmの銅管としたものである。実施例8及び比較例7において、焼鈍タイミングの最終※は、溝付転造前にも転造加工のための焼鈍工程があることを示す。
Figure 2010236063
比較例1はSnの含有量が2.30質量%であり、且つr値が0.248であるので、曲げ加工において扁平率が大きくなると共にしわが発生した。比較例2は(σ0.5/σB)が0.90であり、且つr値が0.254であるので、座屈が発生した。比較例3はr値が0.283であるが、(σ0.5/σB)が0.19であるので、曲げ加工において扁平率が大きかった。比較例4及び7はSnが含有されておらず、且つr値が0.274であるので、曲げ加工において扁平率が大きかった。比較例5はr値が0.275であるので、曲げ加工において扁平率が大きかった。比較例6はPの含有量が0.110質量%であるので熱間押出で割れが発生した。一方、本発明の実施例1〜8に示されるように、r値が0.28以上である場合は扁平率が低かった。なお、本発明の実施例1〜7は平滑管であり、実施例8は内面溝付管である。このように、本発明の実施例1〜8は、曲げ加工性評価において、しわ及び座屈の発生がなく、扁平率が小さいので、曲げ加工性が優れていた。

Claims (3)

  1. Sn:0.1乃至2.0質量%、P:0.005乃至0.1質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する熱交換器用銅合金管であって、
    引張強さσBと0.5%耐力σ0.5との比(σ0.5/σB)が0.2乃至0.6であり、引張破断応力の80%の荷重で引張試験したときの管軸方向の伸びΔElと外径の縮み率ΔDより求めた比(r値=ΔD/(ΔD+ΔEl))が0.28以上であることを特徴とする熱交換器用銅合金管。
  2. 更に、Zn:0.01乃至1.0質量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用銅合金管。
  3. 前記銅合金管が内面溝付管であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器用銅合金管。
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