JPWO2008038344A1 - ガス放電表示デバイス - Google Patents
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Abstract
PDP等のガス放電表示デバイスにおいて、誘電体層からのガス放出を低減して長寿命を実現できる技術である。本PDPは、放電ガスが封入される放電空間を挟む一対の基板構造体の前面側基板構造体に、表示電極群と、誘電体層と、保護層とがこの順に形成され、当該誘電体層の光透過率が、放電発光の波長172nmにおいて80%以上とする。これに対応してパネル寿命が4000時間以上確保される。
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)やプラズマアドレス液晶装置(PALC)等の放電のための電極群及びそれを覆う誘電体層を有したガス放電表示デバイスに関し、特に、誘電体層に関する。
PDPは、セルを構成する電極間、即ち対をなす表示電極(X,Y電極)間に電界をかけると、放電空間内の放電ガスが励起されてイオン化することにより真空紫外線が放出される。そしてその放出された真空紫外線が蛍光体に当たることにより蛍光体から可視光が放出される。この可視光がセルの表示に利用されユーザに輝度として視認される。
また、従来のPDPにおいて、ガラス基板上の表示電極群を覆うように、低融点ガラス等からなる誘電体層が形成されている。また、一方の当該誘電体層の表面にはMgO等による保護層(保護膜)が形成されており、保護層に対向して放電空間の反対側に蛍光体(その底面)が配置されている。汎用の誘電体層は、低融点ガラスを含んで構成されるガラスペーストやガラスシートを焼成することによりその樹脂分をバーンアウトさせて低融点ガラスを溶解させることにより形成されている。
最近では、PDPの性能を向上させるために、上記低融点ガラスからなる誘電体層に代えて、CVD(化学気相成長)法などの気相成長法により誘電体層を形成する技術が知られている。このような技術(CVD法の例)について、特開2004−247068号公報(特許文献1)に記載されている。
また、PDPの誘電体層の形成において、誘電体層から不純物ガスのガス放出(脱ガスともいう)が発生することが知られている。特開2005−243380号公報(特許文献2)では、PDPの誘電体層からのガス放出による放電電圧上昇及び放電遅れを防ぐことを目的として、誘電体層中に存在するH2Oの結合密度を制限することが提案されている。
特開2004−247068号公報
特開2005−243380号公報
PDPでは、製造速度を向上させるために、誘電体層の成膜速度を上げることが望まれている。しかしながら、単純にその成膜速度を上げて形成した構成では、前記誘電体層からの不純物ガスのガス放出が増加することになる。セルでの放電を通じて、この不純物ガスにより、蛍光体及び/又は保護層(MgO)が劣化する問題がある。
上記問題に対して、誘電体層に含まれる、ガス放出の要因である不純物を減少させることが考えられる。しかしながら、それだけでは、不純物の量と、放出される不純物ガスの量との対応関係がとれず、そのこととパネル寿命との相関関係がはっきりしない。
本発明は以上のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、PDP等のガス放電表示デバイスにおいて、誘電体層からのガス放出を低減して長寿命を実現できる技術を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。前記目的を達成するために、本発明は、PDP等の電極群とそれを覆う誘電体層を有したガス放電表示デバイスの技術であって、特に誘電体層の構造を特徴とする。
本発明のガス放電表示デバイスでは、デバイス寿命と強い相関関係を持つと考えられる誘電体層の光学特性及びそれに影響を与える内部構造を利用することにより、誘電体層からのガス放出を低減して長寿命を実現するものである。
本発明者は、研究における様々な分析から以下を見出した。前述した蛍光体及び/又は保護層の劣化に関して、誘電体層からのガス放出が大きく関係しており、このガス放出を抑えることにより、ガス放電表示デバイスの寿命が長くなる。誘電体層からのガス放出は、単に誘電体を構成している原子や分子に起因するものではなく、その特性は、誘電体層の光学特性及びそれに影響を与える内部構造(結合状態)に依存しそれが大きな役割を果たしている。即ち、誘電体層における結合状態が変わると、ガス放出のし易さが変わる。
誘電体層からの不純物ガスのガス放出は、放電空間で発生した放電ガスの発光を誘電体層が吸収することにより発生する。その詳しいメカニズムとしては、誘電体層中の結晶構造(結合状態)における欠陥や不純物が、放電ガスであるXeの発光の波長172nm(または173nm)を吸収することにより、不純物ガスを放出する。これが蛍光体及び/又は保護層を劣化させる。上記結晶構造における欠陥や不純物は従来も存在したが、制御はなされていなかった。
誘電体層がXeの発光(波長172nm)を吸収せずに透過すれば、ガス放出を無くすことが原理的に可能である。よって、このことから、本ガス放電表示デバイスでは、誘電体層の光透過率とデバイス寿命との関係を用い、誘電体層の組成における結合状態によって光透過率を上げること(または光吸収率を下げること)によりデバイス寿命を長くする。
本ガス放電表示デバイスの誘電体層は、放電空間内に封入された放電ガスの発光を十分に透過すること、特に、Xeの発光の波長172nmの光透過率が特定範囲、例えば80%以上に規定されることを特徴とする。
また例えば、誘電体層は、その窒素含有量が3.8×1019個/cm3以下である。また、誘電体層の光透過率を変える1つの手段として、誘電体中に少量のフッ素をドープ(添加)する構成により、光透過率を向上させる。また例えば、誘電体層は、プラズマCVD法などの気相成長法により形成される。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明によれば、PDP等のガス放電表示デバイスにおいて、誘電体層からのガス放出を低減して長寿命を実現できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本実施の形態のガス放電表示デバイス及びその製造方法では、PDPを例に採り、その誘電体層(特に前面部201側の誘電体層17)が、放電ガスの特定の発光波長(172nm)を透過する材料からなる特定の構造を持つ構成である。この誘電体層の特定の発光波長(172nm)についての光透過率が、特定の範囲(80%以上)に規定される。また、それに対応して、誘電体層の窒素含有量が、特定の範囲(3.8×1019個/cm3以下)に規定される。
<PDP>
まず、図1,図2において、本実施の形態のPDP10の基本的な構造{AC型・面放電、(X,Y,A)三電極、ストライプリブ構成}を説明する。本PDP10は、実用化されている従来の代表的なPDPの構造と概略同じものであり、保護層13を用いる一例である。なお、PDPの詳しい構造は、駆動方式などに応じて各種が可能であり、本発明及び実施の形態の特徴は、これらに対しても同様に適用できる。
まず、図1,図2において、本実施の形態のPDP10の基本的な構造{AC型・面放電、(X,Y,A)三電極、ストライプリブ構成}を説明する。本PDP10は、実用化されている従来の代表的なPDPの構造と概略同じものであり、保護層13を用いる一例である。なお、PDPの詳しい構造は、駆動方式などに応じて各種が可能であり、本発明及び実施の形態の特徴は、これらに対しても同様に適用できる。
図1において、PDP10は、主に、前面側と背面側の一対の基板構造体である前面部(前面基板構造体)201と背面部(背面基板構造体)202が対向して組み合わされ、その間の放電空間(S)に放電ガスが封入されることにより構成される。PDP10の表示領域50は、複数の表示セル(セル)の行列により構成される。第1(横)方向のR(赤),G(緑),B(青)の各色に対応するセル(Cr,Cg,Cb)のセットで画素(P)が構成される。
前面部201は、一般的に、前面ガラス基板11、表示電極(31,32)、誘電体層(第1誘電体層)12、及び保護層(保護膜)13からなる。複数本の表示電極(31,32)は、前面ガラス基板11上で第1(横)方向に平行に伸びて形成される。誘電体層12は、前面ガラス基板11上に表示電極(31,32)を覆うように形成される。更に、保護層13は、誘電体層12上で放電空間(S)に露出する面側に形成される。
表示電極(31,32)は、維持用のX電極31と、維持及び走査用のY電極32とで構成される。表示電極(31,32)は、例えば、透明電極(透明電極膜)41とバス電極(金属電極)42とで構成される。透明電極41は、例えば直線状あるいはセル単位に突出する形であり、列方向に隣接の透明電極41間で放電ギャップを形成する。バス電極42は、透明電極41の抵抗を下げるもので、透明電極41上に積層され、直線状で透明電極41よりも幅狭であり、駆動回路側と接続される。透明電極41の形成の方法としては、透明電極41を構成する材料となる、金属の有機化合物を含むペーストを、塗布及び焼成することにより形成する方法が挙げられる。
背面部201は、一般的に、背面ガラス基板21、アドレス電極33、誘電体層(第2誘電体層)22、隔壁(ストライプ状のリブ)23、及び蛍光体(蛍光体層)24{24r,24g,24b}からなる。複数本のアドレス電極33は、背面ガラス基板21上で表示電極(31,32)と交差するように第2(縦)方向に平行に直線状に伸びて形成される。誘電体層22は、背面ガラス基板21上でアドレス電極33を覆うように形成される。
隔壁23は、誘電体層22上、アドレス電極33間で、第2方向に帯状(ストライプ状)に形成される。隔壁23は、例えば、低融点ガラスとバインダとからなるガラスペーストを、誘電体層22上に膜状に塗布し、焼成した後、サンドブラスト法により所定形状のマスクを介して切削することにより形成することができる。また、バインダに感光性の樹脂を使用した場合、所定形状のマスクを使用して露光及び現像した後、焼成することにより形成することも可能である。
R,G,Bの各色の蛍光体24{24r,24g,24b}は、放電空間(S)における隔壁23間において、誘電体層22面上及び隔壁23側面に形成される。蛍光体24は、例えば、バインダが溶解された溶液に粒子状の蛍光体物質を分散させた蛍光体ペーストを、隔壁23間に塗布し、不活性雰囲気下で焼成することにより形成することができる。また、背面側基板には、誘電体層を形成せず、隔壁29をガラス基板21上に形成してもよい。
上記前面部201と背面部202を、表示電極(31,32)とアドレス電極33が直交してそれらが内側向きになるように対向配置し、それらの基板周辺部をシールガラス等により封止し、隔壁23により区切られる空間に、例えばNe−Xeガスによる放電ガスを充填及び封入することにより、PDP10が構成される。各セル(Cr,Cg,Cb)は、それぞれ対応するR,G,Bの色の単位発光領域となる。
上記構造のPDP10において、表示電極(31,32)及びアドレス電極33間、例えば維持動作のために表示電極(31,32)間に電界をかけると、放電ガスが励起されてイオン化することにより、真空紫外線が放出される。そしてこの放出された真空紫外線が蛍光体28に当たることにより、蛍光体28から対応する色(例えばR)の可視光が放出される。この可視光がセルでの表示に利用されユーザに輝度として認識される。
誘電体層(12,22)は、例えばCVD法などの気相成長法により形成される。第1誘電体層12は、本発明で特徴的な構造を有する。なお第2誘電体層22にも同様の特徴を適用することが可能である。本特徴に関係が大きい部分は、特に誘電体層(12,22)、保護層13、及び蛍光体24の構成である。
なお、図1のPDP10の構成に限らず、放電を行わせる電極を被覆する誘電体層を有するガス放電表示デバイス、例えば前述したPALCにも、同様に適用可能である。また、対向放電型、前面基板構造体側に蛍光体を配置した透過型、三電極構造以外、メッシュ状(格子状)隔壁構成などでもよい。
<ガス放出>
図2のPDP10のセル(C)の横及び面垂直方向の断面の構成において、第1誘電体層12からの不純物ガスのガス放出(303)のメカニズムについて説明する。例えば駆動回路からの表示電極(31,32)間の駆動電圧の印加により、放電空間(S)における放電301により真空紫外線が放出さる。その真空紫外線が蛍光体24に当たると、蛍光体28から対応する色(例えばR)の可視光302が放出される。この可視光(放電発光)302が、保護層13及び第1誘電体層12を通過して前面側へ抜ける。この可視光302が、誘電体層12で化学反応して、ガス放出(脱ガス)現象が発生する。これにより放出されるガス(不純物ガス)303が、保護層13や蛍光体24に影響して、それらを劣化させる。
図2のPDP10のセル(C)の横及び面垂直方向の断面の構成において、第1誘電体層12からの不純物ガスのガス放出(303)のメカニズムについて説明する。例えば駆動回路からの表示電極(31,32)間の駆動電圧の印加により、放電空間(S)における放電301により真空紫外線が放出さる。その真空紫外線が蛍光体24に当たると、蛍光体28から対応する色(例えばR)の可視光302が放出される。この可視光(放電発光)302が、保護層13及び第1誘電体層12を通過して前面側へ抜ける。この可視光302が、誘電体層12で化学反応して、ガス放出(脱ガス)現象が発生する。これにより放出されるガス(不純物ガス)303が、保護層13や蛍光体24に影響して、それらを劣化させる。
Xeを含んだ放電ガスにおける、Xeのエキシマ発光の波長が約172nmである。
<誘電体層の光透過率とパネル寿命の関係>
次に、図3において、PDP10の誘電体層12の光透過率[%]とパネル寿命[時間]との関係を示している。ここで、光透過率を測定した誘電体層12の膜厚は、約5μmである。また、パネル寿命とは、PDP10の初期輝度に対して輝度70%となる点灯時間のことである。光透過率の条件とパネル寿命とに相関がとれる。
次に、図3において、PDP10の誘電体層12の光透過率[%]とパネル寿命[時間]との関係を示している。ここで、光透過率を測定した誘電体層12の膜厚は、約5μmである。また、パネル寿命とは、PDP10の初期輝度に対して輝度70%となる点灯時間のことである。光透過率の条件とパネル寿命とに相関がとれる。
図3から、誘電体層12の光透過率が高いとパネル寿命も長くなることがわかる。製品としての寿命性能を満足させるためには例えば4000時間が必要である。この寿命評価方法において、パネル寿命の4000時間以上の条件から、光透過率が80%以上であることが必要である。蛍光体24及び保護層13に対する不純物ガス(303)の影響を少なくするためには、成膜条件により不純物ガス(303)のガス放出の少ない誘電体層12を形成するか、あるいは、多少の不純ガス(303)を放出する誘電体層12であってもその膜厚が薄いセル設計をすればよい。本実施の形態では、前者の手法を用いる。
<誘電体層中の窒素含有量と波長172nmの光透過率の関係>
次に、図4において、PDP10の誘電体層12中の窒素含有量[個/cm3]と、誘電体層12の波長172nmにおける光透過率[%]との関係を示している。図4から、誘電体層12中の窒素含有量が増加すると、波長172nmにおける光透過率が低くなることがわかる。図3で示した誘電体層12の光透過率とパネル寿命との関係から、即ち光透過率80%以上から、誘電体層12の窒素含有量は、3.8×1019[個/cm3]以下であることが必要である。
次に、図4において、PDP10の誘電体層12中の窒素含有量[個/cm3]と、誘電体層12の波長172nmにおける光透過率[%]との関係を示している。図4から、誘電体層12中の窒素含有量が増加すると、波長172nmにおける光透過率が低くなることがわかる。図3で示した誘電体層12の光透過率とパネル寿命との関係から、即ち光透過率80%以上から、誘電体層12の窒素含有量は、3.8×1019[個/cm3]以下であることが必要である。
以上から、本実施の形態のPDP10の製造方法では、プラズマCVD法により、特定の結晶構造を持ち、波長172nmにおける光透過率が80%以上の範囲となり、窒素含有量が3.8×1019[個/cm3]以下である誘電体層12を形成することにより、不純物ガス(303)のガス放出を少なくして、パネル寿命を4000時間以上確保する。
<条件>
図3におけるパネル寿命の測定は、次のような条件で行った。PDP10は、以下の構成とした。
図3におけるパネル寿命の測定は、次のような条件で行った。PDP10は、以下の構成とした。
表示電極(31,32)の透明電極41の幅: 300μm
表示電極(31,32)のバス電極42の幅: 100μm
表示電極(31,32)間の放電ギャップ: 100μm
誘電体層12の厚み: 10μm
隔壁23の高さ: 100μm
Ne−Xe(8%)による放電ガスのガス圧: 500Torr
蛍光体層24の厚み: 20μm
蛍光体層−赤(24r)の材料: (Y,Gd)BO3:Eu3+
蛍光体層−緑(28g)の材料: Zn2SiO4:Mn2+
蛍光体層−青(28b)の材料: BaMgAl10O17:Eu2+
駆動周波数: 60kHz
<プラズマCVD法>
本実施の形態では、誘電体層12をプラズマCVD法により形成する。プラズマCVD法の使用は、基板の反りの制御及び低コストなどの理由から好ましい。それ以外でも、上記特定の水素及び/又は窒素含有量の誘電体層12を形成することができさえすれば、プラズマCVD法以外のCVD法、スパッタ法、及び蒸着法などの気相成長法を使用することも可能である。
表示電極(31,32)のバス電極42の幅: 100μm
表示電極(31,32)間の放電ギャップ: 100μm
誘電体層12の厚み: 10μm
隔壁23の高さ: 100μm
Ne−Xe(8%)による放電ガスのガス圧: 500Torr
蛍光体層24の厚み: 20μm
蛍光体層−赤(24r)の材料: (Y,Gd)BO3:Eu3+
蛍光体層−緑(28g)の材料: Zn2SiO4:Mn2+
蛍光体層−青(28b)の材料: BaMgAl10O17:Eu2+
駆動周波数: 60kHz
<プラズマCVD法>
本実施の形態では、誘電体層12をプラズマCVD法により形成する。プラズマCVD法の使用は、基板の反りの制御及び低コストなどの理由から好ましい。それ以外でも、上記特定の水素及び/又は窒素含有量の誘電体層12を形成することができさえすれば、プラズマCVD法以外のCVD法、スパッタ法、及び蒸着法などの気相成長法を使用することも可能である。
プラズマCVD法で誘電体層12を形成する場合、使用する原料ガスは、シラン(SiH4)、テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)、メチルトリメトキシシラン(CH3Si(OCH3)3)等のシリコンソースと、それに加える、N2O、CO2、CO、H2O、O2等の、酸素を含む非シリコンソースと、が挙げられる。本例では特に、SiH4とN2Oとを用いる。
プラズマCVD法の成膜条件としては、形成を望む基板の大きさ及び誘電体層12の性質などにより異なるが、サセプタ面積2000〜15000cm2、RF出力が2000〜20000W、容器内温度が360〜450℃、容器内ガス気圧が1.5〜4Torr等の条件が挙げられる。
本実施の形態では、図3,図4において、誘電体層12は、プラズマCVD法により、サセプタ面積が2000〜15000cm2、RF出力が2000〜20000W、ガス流量比:SiH4/N2Oを約1/10に固定して、SiH4の流量を2800〜8800cm3まで変化させて形成した。酸素を含む非シリコンソースとしてN2Oに窒素が入っているが、本実施の形態ではこの窒素含有量を制御することにより、光透過率を上げる。
(実施の形態1)
以上の基本構成等を踏まえて、本発明の実施の形態1のPDP10及びその製造方法の構成は以下である。
以上の基本構成等を踏まえて、本発明の実施の形態1のPDP10及びその製造方法の構成は以下である。
前面部(前面基板構造体)201の形成において、まず、前面ガラス基板11上に、公知の方法により、透明電極41及びバス電極42からなる表示電極(31,32)を形成する。
次に、サセプタ面積が15000cm2のプラズマCVD装置(プラズマCVD法により成膜する装置)を用いて、RF出力が5.0kW、容器内温度が450℃、容器内ガス気圧が3.0Torrの条件で、原料ガスとしてSiH4とN2Oをそれぞれ3000sccmと30000sccmの流量(流量比:1/10)でプラズマCVD装置内に流す。これにより、表示電極(31,32)を覆う厚さ5μmの誘電体層12を形成する。
上記により得られた誘電体層12の波長172nmにおける光透過率は、89.4%であり、窒素含有量は、1.3×1019[個/cm3]であった。
次に、更に保護層13として、公知の方法により、1.0μmの膜厚のMgOを、電子ビーム蒸着法により、誘電体層12上に形成する。これにより、前面部201が構成される。
次に、背面部(背面基板構造体)202の形成において、まず、公知の方法により、背面ガラス基板21上にアドレス電極33を形成し、それを覆って誘電体層22を形成し、その上に、隣接のアドレス電極33間に帯状の隔壁23を形成し、更に、隔壁23間に、セル列ごとに区別してR,G,Bの各色の蛍光体24{244,24g,24b}を形成する。これにより、背面部202が構成される。
最後に、上記前面部201と背面部202とを貼り合わせて封止し、さらに放電ガスを封入すること等により、PDP10を得る。得られたPDP10の初期輝度に対して70%の輝度となった時間は、およそ7500時間であり、パネル寿命としては十分であることがわかった。
<比較例>
上記実施の形態1との比較例を説明する。この比較例の条件において、ガス圧力を2.5Torrとすること以外は、実施の形態1と同様にして、誘電体層12を形成した。これにより得られた誘電体層12の波長172nmにおける光透過率は、約5%であり、窒素含有量は、2.2×1020[個/cm3]であった。この場合、得られたPDP10の初期輝度に対して70%の輝度となった時間は、およそ500時間であり、輝度が大きく低下していた。
上記実施の形態1との比較例を説明する。この比較例の条件において、ガス圧力を2.5Torrとすること以外は、実施の形態1と同様にして、誘電体層12を形成した。これにより得られた誘電体層12の波長172nmにおける光透過率は、約5%であり、窒素含有量は、2.2×1020[個/cm3]であった。この場合、得られたPDP10の初期輝度に対して70%の輝度となった時間は、およそ500時間であり、輝度が大きく低下していた。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2のPDP10の構成は以下である。条件において、ガス圧力を4.0Torrとすること以外は、実施の形態1と同様にして、誘電体層12を形成した。これにより得られた誘電体層12の波長172nmにおける光透過率は、87.2%であり、窒素含有量は、1.9×1019[個/cm3]であった。次に、実施の形態1と同様の製造工程によって、PDP10を得た。得られたPDP10の初期輝度に対して70%の輝度となった時間は、およそ5800時間であり、パネル寿命は十分であることがわかった。
次に、本発明の実施の形態2のPDP10の構成は以下である。条件において、ガス圧力を4.0Torrとすること以外は、実施の形態1と同様にして、誘電体層12を形成した。これにより得られた誘電体層12の波長172nmにおける光透過率は、87.2%であり、窒素含有量は、1.9×1019[個/cm3]であった。次に、実施の形態1と同様の製造工程によって、PDP10を得た。得られたPDP10の初期輝度に対して70%の輝度となった時間は、およそ5800時間であり、パネル寿命は十分であることがわかった。
なお、実施の形態2の成膜条件において、ガス圧力が2.5Torrとすると、得られた誘電体層12の波長172nmにおける光透過率は約5%であり、窒素含有量は2.2×1020[個/cm3]であった。この場合、得られたPDP10の初期輝度に対して70%の輝度となった時間は、およそ500時間であり、輝度が大きく低下していた。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3のPDP10の構成は以下である。実施の形態3では、実施の形態2の製造方法に対して、流量3000sccmのCF4(フッ化炭素)を追加して、ガス圧力を2.5Torrとして、誘電体層12を形成した。これにより得られた誘電体層12の波長172nmにおける光透過率は、約84%であり、フッ素含有量は、約1.0重量%であった。同条件でCF4を追加しない場合の光透過率は、約5%であったことから、大幅な光透過率の改善を実現した。本実施の形態では、フッ素系ガスの添加により、SiとFの結合状態の光学特性を利用している。
次に、本発明の実施の形態3のPDP10の構成は以下である。実施の形態3では、実施の形態2の製造方法に対して、流量3000sccmのCF4(フッ化炭素)を追加して、ガス圧力を2.5Torrとして、誘電体層12を形成した。これにより得られた誘電体層12の波長172nmにおける光透過率は、約84%であり、フッ素含有量は、約1.0重量%であった。同条件でCF4を追加しない場合の光透過率は、約5%であったことから、大幅な光透過率の改善を実現した。本実施の形態では、フッ素系ガスの添加により、SiとFの結合状態の光学特性を利用している。
以上説明したように、各実施の形態によれば、ガス放電表示デバイス(PDP10)の誘電体層12の光透過率が特定の範囲に規定されていることから、デバイス寿命に影響するガス放出が抑制されるので、高信頼性・長寿命の表示デバイスを提供することができる。
なお、以上の構成は、光透過率を制御するものであるが、その他、光吸収率を制御する形態としてもよい。なお、光透過率は、100%から、光吸収率(ガス放出と関係する)と光反射率(相対的に少ない)とを引いたものとして計算できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、PDPやPALC等のガス放電表示デバイスに利用可能である。
Claims (6)
- 基板上に配列された複数の電極を覆って表示領域の全域に拡がる誘電体層を有したガス放電表示デバイスであって、
前記誘電体層は、光透過率が波長172nmにおいて80%以上であることを特徴とするガス放電表示デバイス。 - 請求項1記載のガス放電表示デバイスにおいて、
前記誘電体層は、プラズマCVD法で形成されることを特徴とするガス放電表示デバイス。 - 請求項1記載のガス放電表示デバイスにおいて、
前記誘電体層は、その窒素含有量が3.8×1019個/cm3以下であることを特徴とするガス放電表示デバイス。 - 請求項1記載のガス放電表示デバイスにおいて、
前記誘電体層は、その形成の原料としてSiH4が使用されていることを特徴とするガス放電表示デバイス。 - 請求項1記載のガス放電表示デバイスにおいて、
前記誘電体層は、その主成分がSiO2であることを特徴とするガス放電表示デバイス。 - 請求項5記載のガス放電表示デバイスにおいて、
前記誘電体層は、フッ素を含んで構成されることを特徴とするガス放電表示デバイス。
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-
2006
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- 2006-09-27 WO PCT/JP2006/319129 patent/WO2008038344A1/ja active Application Filing
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