JPWO2008029873A1 - 抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬 - Google Patents

抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008029873A1
JPWO2008029873A1 JP2008533196A JP2008533196A JPWO2008029873A1 JP WO2008029873 A1 JPWO2008029873 A1 JP WO2008029873A1 JP 2008533196 A JP2008533196 A JP 2008533196A JP 2008533196 A JP2008533196 A JP 2008533196A JP WO2008029873 A1 JPWO2008029873 A1 JP WO2008029873A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antigen
antibody
sample
reagent
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008533196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5177677B2 (ja
Inventor
良 小島
良 小島
井上 聡
聡 井上
敏史 新井
敏史 新井
片山 勝博
勝博 片山
健太 野田
健太 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Boseki Co Ltd filed Critical Nitto Boseki Co Ltd
Priority to JP2008533196A priority Critical patent/JP5177677B2/ja
Publication of JPWO2008029873A1 publication Critical patent/JPWO2008029873A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5177677B2 publication Critical patent/JP5177677B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6854Immunoglobulins
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54313Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals the carrier being characterised by its particulate form

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

試料中の抗原またはその抗原に対する抗体を測定するため、測定用試薬として、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原を用い、かつ、該抗原および該抗体のいずれか一方が微細粒子に担持されており、試料と、その測定用試薬とを混合し、抗原抗体反応による凝集の上昇または下降の度合いから、試料中の抗原または抗体を測定することにより、試料中の抗原またはその抗原に対する抗体のいずれをも、同一試薬を用いて正確に測定することができる。

Description

本発明は、抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬に関する。更に詳細には、本発明は、試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも、同一の試薬を用いて、免疫凝集測定法により測定する方法であり、例えば、IgAなどの抗原、および抗IgA抗体などのその抗原に対する抗体のいずれをも、同一の試薬を用いて測定することができる方法、並びにそれに用いる測定用試薬に関する。
血液中のIgAは、慢性炎症、慢性肝炎、肝硬変、IgA腎症、リウマチなどの膠原病、IgA型骨髄腫などで高値を示すことから、臨床検査の分野でルーチン的に測定されている。IgAの測定方法としては、通常、免疫比濁法(TIA法)によるものが用いられている(特許文献1)。TIA法とは、検体中のIgAなどの抗原を測定する方法で、検体中の抗原と、試薬としての抗体とにより、抗原抗体反応をさせ、生じる濁度の度合いにより、その抗原の量を測定する方法である。この方法は、IgAなどの高濃度に存在する抗原を測定する場合、試料を希釈せず測定できるという長所がある。しかし、抗体を多量に使用するので、測定試薬の値段が高価になるという問題があった。
ところで、一部の人は、IgAがほとんど含まれておらず、IgAが欠損している場合もあることが知られている。また、そのIgA欠損の人には、IgAに対する抗体、すなわち、抗IgA抗体を有している人も存在するとされている。抗IgA抗体を有している人が、万一、病気や事故により輸血が必要となった場合、抗IgA抗体保有患者に、一般人、すなわち、IgAを有している人由来の血液を用いて輸血すると、患者血液内で、抗IgA抗体とIgAとにより抗原抗体反応が起こり、その結果、アナフィキラシー反応、すなわち、ショックを呈し危険な状態になることが報告されている(非特許文献2)。なお、抗IgA抗体を有していないIgA欠損の人でも、一般人、すなわち、IgAを有している人由来の血液で輸血を受けると、体内で抗IgA抗体が産生されて、その抗体を有するようになる。そのため、そのような人は、二度目に、一般人の血液で輸血を受けると、ショック反応が起こることになる。
このようなショック反応をなくすためには、抗IgA抗体を含む患者には、輸血血液として、IgAを含まない人の血液が必要とされる。そのため、患者側、輸血側の両方の血液に対し、抗IgA抗体が含まれているかどうかを検査する必要がある。しかし、現状では、抗IgA抗体を測定する試薬は、臨床検査の分野では、提供されていないので、どの人が抗IgA抗体を有しているか測定されておらず、早急に対応することが必要であるとされている。
久保信彦ら、日本臨床、第57巻、1999年増刊号、10−12頁 右田孝子ら、日本輸血学会雑誌、第50巻、第3号、419−424頁(2004)
本発明は、従来、試料中の抗原や抗体を測定することには、ほとんど用いられなかった競合的均一系免疫凝集測定法と、通常の免疫凝集測定法を適用して、抗原を測定できるとともに、試料中のその抗原に対する抗体をも測定できる方法および測定用試薬を提供することにある。
そのような状況下、本発明者は、試料中のIgAを測定する方法を検討した。その結果、従来、臨床検査の分野では、あまり用いられることがなかった競合的均一系免疫凝集測定法を用いるとその目的を達成することが判明した。また、その試薬によりIgAを測定しようとすると、検体によっては、IgA値がマイナスになる場合があることを発見した。さらに、そのような検体は、IgAを含まず、かつ、抗IgA抗体を含んでいることがわかった。その結果、驚くべきことに、この試薬が、試料中のIgAを測定できるとともに、抗IgA抗体をも測定できていることが判明した。さらに、この知見をもとに試料中の抗原および抗体を同一の試薬で同時に測定できる方法の開発を目指し鋭意検討した。本発明は、かかる経過により達成されたものである。
従って、本発明は、以下に記載した(1)から(11)の発明に関する。
(1)試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも、同一の試薬を用いて測定する方法であって、
(i)測定用試薬として、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原とを用い、かつ、該抗原および該抗体のいずれか一方が微細粒子に担持されており、
(ii)試料と、その測定用試薬とを混合し、
(iii)抗原抗体反応による凝集の上昇または下降の度合いから、試料中の抗原または抗体を測定する
ことを含む上記方法。
(2)試料として、抗原を含みその抗原に対する抗体を含まない試料、抗原を含まずその抗原に対する抗体を含む試料、または抗原とその抗原に対する抗体のいずれをも含まない試料を測定対象とする上記(1)の方法。
(3)試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも、同一の試薬を用いて測定する方法であって、
(i)測定用試薬として、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原とを用い、かつ、試薬中の抗原が微細粒子に担持されており、
(ii)試料と、その測定用試薬とを混合し、
(iii)試料中に抗原が含まれる場合には、測定用試薬としての抗体と、試料中の抗原および測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原との間で、抗原抗体反応を競合させて、抗原抗体反応による凝集の下降の度合いから、試料中の抗原を測定し、
(iv)試料中に抗体が含まれる場合には、測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原と、試料中の抗体および測定試薬としての抗体とを抗原抗体反応させて抗原抗体反応による凝集の上昇の度合いから、試料中の抗体を測定する、
上記(1)または(2)記載の測定方法。
(4)試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも、同一の試薬を用いて測定する方法であって、
(i)測定用試薬として、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原とを用い、かつ、試薬中の抗体が微細粒子に担持されており、
(ii)試料と、その測定用試薬とを混合し、
(iii)試料中に抗原が含まれる場合には、測定用試薬としての微細粒子が担持された抗体と、試料中の抗原および測定用試薬としての抗原とを、抗原抗体反応させて、抗原抗体反応による凝集の上昇の度合いから、試料中の抗原を測定し、
(iv)試料中に抗体が含まれる場合には、測定試薬の抗原と、試料中の抗体および測定用試薬として微細粒子に担持された抗体との間で、抗原抗体反応を競合させて、抗原抗体反応による凝集の下降の度合いから、試料中の抗体を測定する、
上記(1)または(2)記載の上記方法。
(5)抗原が、通常一般のヒトまたは動物由来の生体試料中には存在するが、極限られた一部のヒトまたは動物由来の生体試料には存在せず逆にその抗原に対する抗体を有している特徴をもつ抗原である、上記(1)から(4)のいずれかの方法。
(6)試料中の抗原がIgAで、試料中の抗体が抗IgA抗体である請求項1から5のいずれかの方法。
(7)測定用試薬として抗体と微細粒子に担持された抗原とを用いて、プロゾーン現象を回避して、試料を希釈することなく実施する上記(1)から(3)および(5)から(6)のいずれかの方法。
(8)試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも測定するための測定用試薬であって、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原を含み、かつ、該抗原および該抗体のいずれか一方が微細粒子に担持されている、測定用試薬。
(9)試料として、抗原を含みその抗原に対する抗体を含まない試料、抗原を含まずその抗原に対する抗体を含む試料、または抗原とその抗原に対する抗体のいずれをも含まない試料を測定対象とする上記(8)の測定用試薬。
(10)抗原が、通常一般のヒトまたは動物由来の生体試料中には存在するが、極限られた一部のヒトまたは動物由来の生体試料には存在せず逆にその抗原に対する抗体を有している特徴をもつ抗原である、上記(8)または(9)の測定用試薬。
(11)試料中の抗原がIgAで、試料中の抗体が抗IgA抗体である上記(8)から(10)のいずれかの測定用試薬。
本発明の測定方法および測定用試薬により、競合的均一系免疫凝集測定法と、通常の免疫凝集測定法を適用して、試料中に抗原を含む場合は、その抗原を測定でき、試料中にその抗原に対する抗体が存在する場合には、その抗体を測定することもできる。加えて、測定用試薬として用いる高価な抗体の量を少なく用いて、同一の試薬で、一回の測定で、試料中に抗原が存在する場合には、抗原を測定でき、抗体が存在する場合には、抗体を測定でき、試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれをも測定できる。また、試料中に、抗原およびその抗原に対する抗体のいずれもが存在しない場合でも、本発明の測定方法および測定用試薬により、それらが存在しないことを確認することもできる。
また、IgAなどの通常の生体試料中では高濃度で存在する抗原を測定する場合には、測定用試薬として、その抗原に対する抗体と、微細粒子に担持させた抗原とを用いることにより、プロゾーン現象を回避して、試料を希釈することなく、試料中の抗原を測定することができる。
従って、本発明の測定方法および測定用試薬は、輸血の際のショック反応をなくすために、輸血をする側および受ける側の両方の血液に対し、抗IgA抗体が含まれているかどうかを検査するために用いることができる。また、慢性炎症、慢性肝炎、肝硬変、IgA腎症、リウマチなどの膠原病、IgA型骨髄腫などをIgAレベルに基き診断する臨床検査の分野でも用いることができる。
本発明において、試料とは、例えば、生体由来の液体試料であり、具体的には、血漿、血清、尿等を例示できるが、血漿、血清等の血液由来の試料が好適である。本発明において、試料としては、抗原を含みその抗原に対する抗体を含まない試料、抗原を含まずその抗原に対する抗体を含む試料、抗原とその抗原に対する抗体のいずれも含まない試料の3種が想定され、いずれの試料も測定対象とすることができる。なお、試料に抗原とその抗原に対する抗体のいずれも含む場合には、そのような試料が得られる生体内で抗原抗体反応が起こり、ショック反応が起こるので、そのような試料はあり得ない。
本発明の測定方法および測定用試薬に好適な試料中の抗原としては、「通常一般のヒトまたは動物由来の生体試料中には存在するが、極限られた一部のヒトまたは動物由来の生体試料には存在せず逆にその抗原に対する抗体を有している特徴をもつ抗原」である。そのような抗原として、免疫グロブリンA(IgA)、ハプトグロブリン、α2−マクログロブリン、補体C9、補体C4等を例示できる。
本発明の測定方法および測定用試薬に好適な試料中の抗体は、上記した試料中の抗原に対する抗体であり、例えば、それぞれ、抗IgA抗体、抗ハプトグロブリン抗体、抗α2−マクログロブリン抗体、抗補体C9抗体、抗補体C4抗体等を例示できる。
本発明の測定方法および測定用試薬に用いる試薬中の抗体としては、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体であれば特に限定しない。測定すべき抗原がIgA、ハプトグロブリン、α2−マクログロブリン、補体C9、補体C4のときは、それぞれ、試薬の抗体として抗IgA抗体、抗ハプトグロブリン抗体、抗α2−マクログロブリン抗体、抗補体C9抗体、抗補体C4抗体を例示できる。そのような抗体の由来としては、例えば、ヒトの試料中の抗原およびその抗原に対する抗体を測定する場合には、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体であればいずれの由来でもよく、例えば、ヤギ由来抗体、ウサギ由来抗体、ラット由来抗体等を例示できる。また、本発明に用いる試薬の抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体等のいずれをも使用することができる。また、本発明に用いる試薬の抗体として、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体であれば、これらの抗体の断片であってもよい。
本発明の測定方法および測定用試薬に用いる試薬中の抗原としては、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原であれば特に限定しない。試薬の抗体として抗IgA抗体、抗ハプトグロブリン抗体、抗α2−マクログロブリン抗体、抗補体C9抗体、抗補体C4抗体を用いるときは、測定用試薬の抗原として、それぞれIgA、ハプトグロブリン、α2−マクログロブリン、補体C9、補体C4を例示できる。また、試薬中の抗原は、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原であれば、その由来、製造法などはいずれでもよく、例えば、ヒトの試料中のIgAまたは抗IgA抗体を測定する場合には、ヤギ由来IgA、ウサギ由来IgA、ラット由来IgA等を例示でき、また、組換えIgAなどが挙げられる。また、試薬中の抗原は、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原であれば、これらの抗原の断片であってもよい。
本発明の測定方法および測定用試薬に用いる微細粒子は、免疫凝集反応に通常使用される微細粒子をそのまま使用することができる。最も一般的な微細粒子は、ラテックス粒子である。微細粒子は、通常0.01〜0.5ミクロンのものが使用される。本発明において、抗原または抗体を微細粒子に担持させるには、担持の方法は、疎水性相互作用による物理的吸着法や共有結合法等の通常の担持する方法を用いることができる。
本発明の測定方法は、免疫凝集反応で、反応物および生成物のうちの、1個のみが濁りを有し、他の成分が水に溶解するか濁りがほとんどないということに基づいており、その原理を、測定用試薬として、抗体および微細粒子に担持された抗原を用いた場合について、以下に説明する。
まず、反応物として混合する対象は、試料中に抗原が存在する場合には、(i−1)試料由来の抗原、試料中に抗体が存在する場合には、(i−2)試料由来の抗体、(ii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原、および(iii)測定用試薬としての抗体であり、これら(i)から(iii)の反応物は、すべて水に可溶あるいは均一分散可能である。
次いで、これらを混合して抗原抗体反応をさせると、試料中に抗原が存在する場合には、(iii)測定用試薬としての抗体と、(i−1)試料由来の抗原、および(ii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原との2つの抗原抗体反応物が競合して生成する。(iii)測定用試薬としての抗体と(ii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原との抗原抗体反応物は水に不溶性で濁りが生じるのに対し、(iii)測定用試薬としての抗体と(i−1)試料由来の抗原との抗原抗体反応物はほとんど濁らない。従って、(iii)測定用試薬としての抗体と(ii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原との抗原抗体反応物が多く形成されればされるほど、反応液の濁度が増加する。
この競争反応では、(i−1)の試料由来の抗原は、(ii)測定用試薬として微細粒子に担持された抗原と、一定量の(iii)測定用試薬としての抗体に対して、競争反応し、それによって、生じる、(iii)測定用試薬としての抗体と(ii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原との不溶性の抗原抗体反応物の量を減少させると同時に、反応溶液中の濁度を低下させる。そのため、試料中の抗原が高濃度になればなるほど、反応液の濁りが小さくなる。従って、濁りの下降の度合いから試料中の抗原を測定することができる。
また、試料中に抗体が存在する場合には、(i−2)試料由来の抗体、および(iii)測定用試薬としての抗体と、(ii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原とが反応して、抗原抗体反応物が生成する。従って、試料中の抗体が高濃度になればなるほど、(i−2)試料由来の抗体と(ii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原との抗原抗体反応物の量は上昇し、反応溶液中の濁度が上昇する。そのため、試料中の抗体が高濃度になればなるほど、反応液の濁りが上昇する。従って、濁りの上昇の度合いから試料中の抗体を測定することができる。
次いで、測定用試薬として、抗原および微細粒子に担持された抗体を用いた場合について、以下に説明する。
まず、反応物として混合する対象は、試料中に抗原が存在する場合には、(i−1)試料由来の抗原、試料中に抗体が存在する場合には、(i−2)試料由来の抗体、(ii)測定用試薬としての抗原、および(iii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗体であり、これら(i)から(iii)の反応物は、すべて水に可溶あるいは均一分散可能である。
次いで、これらを混合して抗原抗体反応をさせると、試料中に抗原が存在する場合には、(iii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗体と、(i−1)試料由来の抗原、および(ii)測定用試薬としての抗原との2つの抗原抗体反応物が生成する。これら2つの抗原との抗原抗体反応物は水に不溶性で濁りが生じる。従って、試料中の抗原が高濃度になればなるほど、(i−1)試料由来の抗原と(iii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗体との抗原抗体反応物の量は上昇し、反応溶液中の濁度が上昇する。そのため、試料中の抗原が高濃度になればなるほど、反応液の濁りが上昇する。従って、濁りの上昇の度合いから試料中の抗原を測定することができる。
試料中に抗体が存在する場合には、(ii)測定用試薬としての抗原と、(i−2)試料由来の抗体、および(iii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗体との2つの抗原抗体反応物が競合して生成する。この競争反応では、(i−2)の試料由来の抗体は、一定量の(iii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗体と、(ii)測定用試薬としての抗原に対して、競争反応し、それによって、生じる、(iii)測定用試薬としての微細粒子に担持された抗体と(ii)測定用試薬としての抗原との不溶性の抗原抗体反応物の量を減少させると同時に、反応溶液中の濁度を低下させる。そのため、試料中の抗体が高濃度になればなるほど、反応液の濁りが小さくなる。従って、濁りの下降の度合いから試料中の抗体を測定することができる。
本発明においては、抗原抗体反応に基く凝集による濁度の度合いを測定する方法としては、通常、生成する濁りを吸光度で測定するのが一般的であるが、凝集塊を肉眼で観察したり、凝集をしなかった微細粒子を計数することによっても実施することができる。
本発明の測定方法を実施するには、例えば、次の具体的な方法が挙げられる。
測定用試薬として、抗体および微細粒子に担持された抗原を用いた場合には、まず、測定用試薬として、抗体(例えば、抗IgA抗体)を緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)に均一分散した液(第一試薬)および測定すべき抗原(例えば、IgA)と同じ抗原(例えば、IgA)を担持した微細粒子(例えば、ラテックス粒子)を緩衝液(例えば、リン酸緩衝液)に均一分散した液(第二試薬)を調製する。次いで、自動分析装置(例えば、日立7180型自動分析装置)を用いて、測定すべき抗原または抗体を含む試料に、第一試薬、次いで第二試薬を加えて抗原抗体反応をさせ、生じる凝集割合を特定波長(例えば、340nmから800nm)にて2ポイントエンド法により吸光度変化量として測定し、得られた測定値から、あらかじめ抗原または抗体濃度が既知の標準試料を用いて作成した検量線に基づいて、目的とする試料中の抗原または抗体を定量することができる。
作成する検量線は、後述する実施例3において図3に示されるように、例えば、横軸がプラスのときは抗原(例えば、IgA)濃度を表し、横軸がマイナスのときは抗体(例えば抗IgA抗体)濃度を表し、縦軸は、吸光度変化量を表すように作成することが好適である。なお、例えば、図3の検量線に基づき測定する場合に、測定吸光度変化量(OD×10000)が、約1400を示す場合には、すなわち、検量線が横切る濃度ゼロの位置における吸光度値である場合には、試料中には、抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも含まれないと判断することができる。
また、測定方法を実施する際に用いる、測定用試薬としての抗体および抗原を担持した微細粒子の使用量は、通常、測定対象の抗原や抗体、使用する試料の量によって異なるが、基本的には、それらの試薬を用いた競合的均一系免疫凝集測定法で検量線を作成でき、その結果、抗原を測定できるように設定するだけでよい。抗原としてIgA、抗体として抗IgA抗体を自動分析装置(例えば、日立7180)で測定する場合、例えば、以下のとおりである。
試料を1.5〜35μl、好ましくは5〜25μlを用いたとき、第一試薬に含まれる抗IgA抗体濃度は、最終濃度(試料と第一試薬と第二試薬とを混合したときの濃度)として0.5〜50μg/ml(ベッカータイターとして)、好ましくは1.5〜15μg/mlに、第二試薬に含まれるIgA感作ラテックス濃度は、0.005〜0.5%、好ましくは0.015〜0.15%に、ラテックスに感作したIgA濃度(IgA重量換算)は、0.005〜0.5mg/ml、好ましくは0.015〜0.15mg/mlになるように設定すると良い。なお、このとき、第一試薬と第二試薬の量は、おのおの30〜250μl、好ましくは50〜150μlの範囲で、かつ、サンプルと第一試薬と第二試薬とを併せた量は120〜300μl、好ましくは150〜250μlになるように設定すると良い。
測定用試薬として、抗原および微細粒子に担持された抗体を用いた場合には、まず、測定用試薬として、抗原を緩衝液(例えば、Tris緩衝液)に均一分散した液(第一試薬)および測定すべき抗原に対する抗体を担持した微細粒子(例えば、ラテックス粒子)を緩衝液(例えば、Tris緩衝液)に均一分散した液(第二試薬)を調製する。次いで、自動分析装置(例えば、日立7180型自動分析装置)を用いて、測定すべき抗原または抗体を含む試料に、第一試薬、次いで第二試薬を加えて抗原抗体反応をさせ、生じる凝集割合を特定波長(例えば、350nmから800nm)にて2ポイントエンド法により吸光度変化量として測定し、得られた測定値から、あらかじめ抗原または抗体濃度が既知の標準試料を用いて作成した検量線に基づいて、目的とする試料中の抗原または抗体を定量することができる。
作成する検量線は、後述する実施例4において図4に示されるように、例えば、横軸がプラスのときは抗原濃度を表し、横軸がマイナスのときは抗体濃度を表し、縦軸は、吸光度変化量を表すように作成することが好適である。なお、例えば、図4の検量線に基づき測定する場合に、測定吸光度変化量(OD×10000)が、約2000を示す場合には、すなわち、検量線が横切る濃度ゼロの位置における吸光度値である場合には、試料中には、抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも含まれないと判断することができる。
また、測定方法を実施する際に用いる、測定用試薬としての抗原および抗体を担持した微細粒子の使用量は、通常、測定対象の抗原や抗体、使用する試料の量によって異なるが、基本的には、それらの試薬を用いた競合的均一系免疫凝集測定法で検量線を作成でき、その結果、抗原を測定できるように設定するだけでよい。自動分析装置(例えば、日立7180)で抗原および抗体を測定する場合、例えば、以下のとおりである。
試料を1.5〜35μl、好ましくは5〜25μlを用いたとき、第一試薬に含まれる抗体濃度は、最終濃度(試料と第一試薬と第二試薬とを混合したときの濃度)として0.5〜50μg/ml(ベッカータイターとして)、好ましくは1.5〜15μg/mlに、第二試薬に含まれる抗体感作ラテックス濃度は、0.005〜0.5%、好ましくは0.015〜0.15%に、ラテックスに感作した抗体濃度は、0.05〜10mg/ml、好ましくは0.5〜5mg/mlになるように設定すると良い。なお、このとき、第一試薬と第二試薬の量は、おのおの30〜250μl、好ましくは50〜150μlの範囲で、かつ、サンプルと第一試薬と第二試薬とを併せた量は120〜300μl、好ましくは150〜250μlになるように設定すると良い。
以上の説明から明らかなとおり、本発明の測定方法を行うための測定用試薬は、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原を含み、かつ、該抗原および該抗体のいずれか一方が微細粒子に担持されている。更に、通常使用される、希釈緩衝液、コート緩衝液、ブロッキング試薬、保存剤、安定化剤などを必要に応じて含んでいてもよい。
以下に実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
ヒト免疫グロブリンA(IgA)の測定
実施例1〜3は測定用試薬として、抗体と微細粒子に担持された抗原とを用い、抗原(IgA)と抗体(抗IgA抗体)のいずれをも測定する方法を示した例である。
1)IgA感作ラテックス粒子(微細粒子に担持された抗原)の調製
ラテックス粒子へのIgAの吸着は以下のように行った。
1%濃度とした粒径98nm のポリスチレン製ラテックス粒子溶液4 mLに、ヒト血清IgAをりん酸緩衝液に0.5mg/mLとなるように溶解した溶液4 mLを混合し、室温にて1 時間攪拌した。そして、20,000 rpmで45分間遠心分離を行い、上清を廃棄し沈殿物を回収した。この沈殿物にコート緩衝液4 mLを加え、沈殿物を懸濁し超音波処理を行い、ラテックス粒子を完全に分散させた。このラテックス濃度1 %のヒトIgA感作ラテックス粒子懸濁液は、冷蔵にて保存した。
2)IgA測定用試薬の調製
IgAを吸着させたラテックス粒子および抗ヒトIgA抗体を用いて、以下のように第一試薬および第二試薬を調製した。
第一試薬は、ヤギ抗ヒトIgA抗血清(ベッカータイター8.8mg/mL)を0.2%含む希釈緩衝液を用いた。
第二試薬は、1)記載のラテックス濃度1 %のヒトIgA感作ラテックス粒子懸濁液を希釈緩衝液により10倍に希釈して用いた。
各試薬の組成は以下の通りである。
りん酸緩衝液組成
りん酸二水素ナトリウム二水和物 20 mM pH 7.50
EDTA・2Na 1 mM
コート緩衝液組成
りん酸二水素ナトリウム二水和物 20 mM pH 7.50
EDTA・2Na 1 mM
ウシ血清アルブミン(BSA) 1 %
ブロッキング試薬 5 %
希釈緩衝液組成
りん酸二水素ナトリウム二水和物 20 mM pH 7.50
EDTA・2Na 1 mM
BSA 1 %
ブロッキング試薬 5 %
第一試薬
りん酸二水素ナトリウム二水和物 20 mM pH 7.50
EDTA・2Na 1 mM
BSA 1 %
ブロッキング試薬 5 %
ヤギ抗ヒトIgA抗血清 0.2 %(v/v)
第二試薬組成
りん酸二水素ナトリウム二水和物 20 mM pH 7.50
EDTA・2Na 1 mM
BSA 1 %
ブロッキング試薬 5 %
ヒトIgA感作ラテックス粒子 0.1 %(v/v)
3)IgAの測定用検量線
標準試料は、IgA濃度既知の血清を希釈緩衝液で希釈して使用した。IgA濃度は、蛋白標準血清CRM470から伝達されたものである。
測定は日立7170S型自動分析装置を用い、試料として血清15 μLに対し第一試薬100 μL、第二試薬100 μLを反応させ、主波長505 nm、副波長800 nmにて19〜26測光ポイント間(R2添加直後から2.5分後に相当)において、2ポイントエンド法による吸光度変化量を測定した。
4)測定結果
上記に示した試薬を用いて、標準試料を測定した際の吸光度変化量を表1に、またそれをグラフ化したもの(検量線)を図1に示した。
Figure 2008029873
表1および図1に示したように、試料中のIgA濃度が高くなるに従って吸光度が減少する。すなわち、本発明の測定方法では、試料中の抗原であるIgAと第一試薬中のヤギ抗ヒトIgA抗体との反応後、反応余剰分のヤギ抗ヒトIgA抗体が第二試薬中のIgA感作ラテックス粒子と反応することを利用した方法である。つまり試料中のIgA濃度が低いときには第一試薬中の抗IgA抗体が多く余剰し、第二試薬中のIgA感作ラテックス粒子との反応が大きくなる。しかし、試料中のIgA濃度が高くなるに従い第一試薬中に余剰する抗IgA抗体が減少するため第二試薬中のIgA感作ラテックスとの反応が少なくなり吸光度が低くなる。
実施例2
本発明の測定方法とTIA法との相関
1)IgA測定試薬の調製および測定条件
実施例1と同様の試薬および測定条件を用いた。
2)自動分析装置の検量
実施例1記載の標準試料を用い日立7170S型自動分析装置の多点検量線作成機能により行った。
3)血清試料の測定
試料は、血清を希釈緩衝液で適宜希釈したものを使用した。市販TIA法の「N−アッセイ TIA IgA−SH」(日東紡績)を対照試薬として相関性の確認を行った。TIA法は同様に日立7170S型自動分析装置を使用し、指定パラメーターにしたがって行った。
4)測定結果
本発明の測定方法とTIA法との相関性の結果を図2に示した。図2に示すように、TIA法をX、本発明法をYとして、相関性を確認したところ、Y=1.02X+0.7、相関係数 0.998(N=30)と良好な結果が得られた。これにより、本発明法は血清IgA濃度を正確に測定し得ることが示される。
実施例3
IgAおよび抗IgA抗体の測定
1)測定試薬の調製および測定条件
実施例1と同様の試薬および測定条件を用いた。
2)測定試料
試料は、IgAまたは抗IgA抗体を含む検体を希釈緩衝液で適宜連続希釈して使用した。
3)自動分析装置の検量
実施例1記載の標準試料のうち、0および1mg/dLを用い日立7170S型自動分析装置の2点検量線作成機能により行った。
3)測定結果
試料中のIgAおよび抗IgA抗体の測定結果を表2および図3に示した。
Figure 2008029873
表2および図3に示されるように、連続希釈した試料中のIgAおよび抗IgA抗体の測定結果は、原点を挟んで良好な直線関係を示した。これは本発明の測定方法において、原点および既知濃度のIgA標準試料により作成した検量線を用いて、試料中のIgA濃度を測定するばかりではなく、試料中に抗IgA抗体が存在する場合においては、その抗IgA抗体濃度はマイナスのIgA濃度として定義され、正確に測定されることを示すものである。
実施例4
ヒトCRPと抗ヒトCRP抗体の測定
測定用試薬として、抗原と微細粒子に担持された抗体とを用い、抗原と抗体のいずれをも測定できることを確認した。
具体的には、測定用試薬として、抗ヒトCRP抗体感作ラテックス(微細粒子に担持された抗体)とヒトCRP(抗原)を用い、検体中のヒトCRP(抗原)または抗ヒトCRP抗体(抗体)の濃度を測定した。なお、検体が抗ヒトCRP抗体を含む場合は、モデルサンプルとしてヤギ由来抗ヒトCRP抗体を含む検体を使用した。
1)抗ヒトCRP抗体感作ラテックス粒子の調製
ラテックス粒子への抗ヒトCRP抗体の吸着は以下のように行った。
1%濃度とした粒径120 nmのポリスチレン製ラテックス粒子溶液100mLに、抗ヒトCRP抗体をTris緩衝液に3.0mg/mLとなるように溶解した溶液100mLを混合し、室温にて1時間撹拌した。そして、20,000rpmで45分間遠心分離を行い、上清を廃棄し沈殿物を回収した。この沈殿物にコート緩衝液100mLを加え、沈殿物を懸濁し超音波処理を行い、ラテックス粒子を完全に分散させた後、室温にて1時間撹拌した。次いで遠心分離を行い得られた沈殿物にTris緩衝液100mL加えて懸濁し、超音波処理を行い完全に分散させ1%濃度抗ヒトCRP抗体感作ラテックス粒子懸濁液を得た。
2)ヒトCRPおよび抗ヒトCRP抗体測定試薬の調製
抗ヒトCRP抗体感作ラテックス粒子及びヒトCRPを用いて、以下のように第一試薬及び第二試薬を調製した。
第一試薬は、ヒトCRPを0.10 mg/dL含むTris緩衝液を用いた。
第二試薬は、上記1)記載の1%濃度抗ヒトCRP抗体感作ラテックス粒子懸濁液をTris緩衝液により5倍に希釈して用いた。
各試薬の組成は以下の通りである。
Tris緩衝液組成
Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン)
50mM pH7.5
塩化ナトリウム 150mM
コート緩衝液組成
Tris 50mM pH7.5
塩化ナトリウム 150mM
BSA(ウシ血清アルブミン) 1.0%
第一試薬
Tris緩衝液
ヒトCRP 0.10 mg/dL
第二試薬
Tris緩衝液
抗ヒトCRP抗体感作ラテックス粒子 0.2%(v/v)
3)測定方法
測定は日立7180型自動分析装置を用い、試料2.4 μLに対し第一試薬120 μL、第二試薬120 μLを反応させ、主波長570 nm、副波長800 nmにて18〜28測光ポイント間(R2添加直後から2.9分後に相当)において、2ポイントエンド法により吸光度変化量を測定した。
試料は、ヒトCRP及び抗ヒトCRP抗体を含む検体を生理食塩水で適宜希釈して使用した。
4)測定結果
上記に示した試薬を用いて、試料中のヒトCRP及び抗ヒトCRP抗体の測定結果を表3及び図4に示した。
Figure 2008029873
表3および図4に示した、試料中のヒトCRP及び抗ヒトCRP抗体の測定結果から分かるように、試料中のヒトCRP濃度が高くなるに従って吸光度が増加し、抗ヒトCRP抗体濃度が高くなるに従って吸光度が減少した。これは本発明法において、CRP0mg/dL及び既知濃度のヒトCRP標準試料により作成した検量線を用いることによって、試料中のヒトCRP濃度を測定できるばかりではなく、試料中に抗ヒトCRP抗体が存在する場合においてはその抗ヒトCRP抗体濃度はマイナスのヒトCRP濃度として測定することが可能であることを意味する。
本発明の測定方法および測定用試薬により、免疫凝集測定系を適用して、試料中の抗原を測定でき、試料中にその抗原に対する抗体が存在する場合には、同一の試薬を用いて、その抗体を測定することもできる。加えて、測定用試薬として用いる高価な抗体の量を少なく用いて、同一の試薬で、一回の測定で、試料中に抗原が存在する場合には、抗原を測定でき、抗体が存在する場合には、抗体を測定でき、試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれをも測定できる。また、試料中に、抗原およびその抗原に対する抗体のいずれもが存在しない場合でも、本発明の測定方法および測定用試薬により、それらが存在しないことを確認することもできる。
実施例1において標準試料を測定した際の吸光度変化量を示すグラフである。 本発明の測定方法とTIA法との相関性を示すグラフである。 実施例3において試料中のIgAおよび抗IgA抗体を測定した結果を示すグラフである。 実施例4において試料中のCRPおよび抗CRP抗体を測定した結果を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも、同一の試薬を用いて測定する方法であって、
    (i)測定用試薬として、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原とを用い、かつ、該抗原および該抗体のいずれか一方が微細粒子に担持されており、
    (ii)試料と、その測定用試薬とを混合し、
    (iii)抗原抗体反応による凝集の上昇または下降の度合いから、試料中の抗原または抗体を測定する
    ことを含む上記方法。
  2. 試料として、抗原を含みその抗原に対する抗体を含まない試料、抗原を含まずその抗原に対する抗体を含む試料、または抗原とその抗原に対する抗体のいずれをも含まない試料を測定対象とする請求項1の方法。
  3. 試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも、同一の試薬を用いて測定する方法であって、
    (i)測定用試薬として、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原とを用い、かつ、試薬中の抗原が微細粒子に担持されており、
    (ii)試料と、その測定用試薬とを混合し、
    (iii)試料中に抗原が含まれる場合には、測定用試薬としての抗体と、試料中の抗原および測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原との間で、抗原抗体反応を競合させて、抗原抗体反応による凝集の下降の度合いから、試料中の抗原を測定し、
    (iv)試料中に抗体が含まれる場合には、測定用試薬としての微細粒子に担持された抗原と、試料中の抗体および測定試薬としての抗体とを抗原抗体反応させて抗原抗体反応による凝集の上昇の度合いから、試料中の抗体を測定する、
    請求項1または2記載の測定方法。
  4. 試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも、同一の試薬を用いて測定する方法であって、
    (i)測定用試薬として、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原とを用い、かつ、試薬中の抗体が微細粒子に担持されており、
    (ii)試料と、その測定用試薬とを混合し、
    (iii)試料中に抗原が含まれる場合には、測定用試薬としての微細粒子が担持された抗体と、試料中の抗原および測定用試薬としての抗原とを、抗原抗体反応させて、抗原抗体反応による凝集の上昇の度合いから、試料中の抗原を測定し、
    (iv)試料中に抗体が含まれる場合には、測定試薬の抗原と、試料中の抗体および測定用試薬として微細粒子に担持された抗体との間で、抗原抗体反応を競合させて、抗原抗体反応による凝集の下降の度合いから、試料中の抗体を測定する、
    請求項1または2記載の上記方法。
  5. 抗原が、通常一般のヒトまたは動物由来の生体試料中には存在するが、極限られた一部のヒトまたは動物由来の生体試料には存在せず逆にその抗原に対する抗体を有している特徴をもつ抗原である、請求項1から4のいずれかの方法。
  6. 試料中の抗原がIgAで、試料中の抗体が抗IgA抗体である請求項1から5のいずれかの方法。
  7. 測定用試薬として抗体と微細粒子に担持された抗原とを用いて、プロゾーン現象を回避して、試料を希釈することなく実施する請求項1から3および5から6のいずれかの方法。
  8. 試料中の抗原およびその抗原に対する抗体のいずれも測定するための測定用試薬であって、試料中の抗原と抗原抗体反応しうる抗体と、試料中および試薬中のいずれの抗体とも抗原抗体反応しうる抗原を含み、かつ、該抗原および該抗体のいずれか一方が微細粒子に担持されている、測定用試薬。
  9. 試料として、抗原を含みその抗原に対する抗体を含まない試料、抗原を含まずその抗原に対する抗体を含む試料、または抗原とその抗原に対する抗体のいずれをも含まない試料を測定対象とする請求項8の測定用試薬。
  10. 抗原が、通常一般のヒトまたは動物由来の生体試料中には存在するが、極限られた一部のヒトまたは動物由来の生体試料には存在せず逆にその抗原に対する抗体を有している特徴をもつ抗原である、請求項8または9の測定用試薬。
  11. 試料中抗原がIgAで、試料中抗体が抗IgA抗体である請求項8から10のいずれかの測定用試薬。
JP2008533196A 2006-09-08 2007-09-06 抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬 Expired - Fee Related JP5177677B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008533196A JP5177677B2 (ja) 2006-09-08 2007-09-06 抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006244389 2006-09-08
JP2006244389 2006-09-08
JP2008533196A JP5177677B2 (ja) 2006-09-08 2007-09-06 抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬
PCT/JP2007/067385 WO2008029873A1 (fr) 2006-09-08 2007-09-06 procédé de détermination d'antigène et d'anticorps dirigé contre l'antigène et réactif de détermination utilisé à cet effet

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008029873A1 true JPWO2008029873A1 (ja) 2010-01-21
JP5177677B2 JP5177677B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=39157298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008533196A Expired - Fee Related JP5177677B2 (ja) 2006-09-08 2007-09-06 抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20100248393A1 (ja)
EP (1) EP2060915B1 (ja)
JP (1) JP5177677B2 (ja)
CN (1) CN101512339B (ja)
AT (1) ATE520985T1 (ja)
WO (1) WO2008029873A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107741493A (zh) * 2017-09-30 2018-02-27 湖南海源医疗科技股份有限公司 一种采用免疫竞争比浊法测定尿微量白蛋白的试剂盒
CN108414479A (zh) * 2018-01-19 2018-08-17 祝胜郎 一种免疫组合物在制备IgA肾病无创检测用试剂中的用途

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4210622A (en) * 1977-09-07 1980-07-01 National Research Development Corporation Kit for assay of immune complexes
US4184849A (en) * 1977-12-05 1980-01-22 Technicon Instruments Corporation Mixed agglutination
JPS55162059A (en) * 1979-06-05 1980-12-17 Mochida Pharmaceut Co Ltd Measuring method for antigen, antibody or their complex and measurement reagent kit
US4851329A (en) * 1986-06-06 1989-07-25 Massachusetts Institute Of Technology Immunoassay employing optical pulse particle size analysis
JPH032565A (ja) * 1989-05-30 1991-01-08 Olympus Optical Co Ltd 免疫学的分析方法
JP2763615B2 (ja) * 1989-09-26 1998-06-11 東亜医用電子株式会社 検量線作成方法
JPH0448265A (ja) * 1990-06-18 1992-02-18 Hitachi Chem Co Ltd 免疫測定法
JP2001504572A (ja) * 1992-04-09 2001-04-03 アボツト・ラボラトリーズ Hiv抗原及びhiv抗体を検出するためのアッセイ
JP2005172546A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Sysmex Corp 免疫測定方法、免疫測定装置、及び免疫測定用試薬
CN101517412B (zh) * 2006-07-24 2013-11-27 积水医疗株式会社 凝集抑制测定法以及凝集抑制测定用试剂

Also Published As

Publication number Publication date
JP5177677B2 (ja) 2013-04-03
EP2060915B1 (en) 2011-08-17
ATE520985T1 (de) 2011-09-15
EP2060915A4 (en) 2010-03-10
CN101512339B (zh) 2015-04-08
US20100248393A1 (en) 2010-09-30
CN101512339A (zh) 2009-08-19
EP2060915A1 (en) 2009-05-20
WO2008029873A1 (fr) 2008-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030180806A1 (en) Method of assay by immunoreaction and reagent for use in the immunoreaction assay
JPH04350559A (ja) 特異抗体の測定法
CN106461662A (zh) 肌酸激酶mb同工酶的测定方法以及其中使用的试剂盒
JP3899029B2 (ja) 免疫学的分析方法
JP2022033286A (ja) ヘモグロビンの測定試薬、測定キット及び測定方法
JPH06300761A (ja) 免疫比濁測定試薬及び測定方法
JP5786188B2 (ja) 試料中のc反応性蛋白質の測定試薬、測定方法及び測定範囲の拡大方法
JP5085736B2 (ja) 複合体の測定方法およびそれに用いるキット
JP5177677B2 (ja) 抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬
CN102369441B (zh) 免疫分析方法及用于该方法的试剂
JPH04248465A (ja) 結合可能なアナライトを測定するための免疫沈降法、およびこの方法を実施するための試薬
JP2000221196A (ja) 免疫測定方法
JP2007212343A (ja) 抗原の測定法およびそれに用いるキット
JP3220546B2 (ja) 免疫複合体存在下の抗原または抗体の測定方法
JPH02257063A (ja) 免疫測定試薬および免疫測定法
JP2009031252A (ja) 物質の測定法およびそれに用いるキット
JPH0712818A (ja) 免疫学的検出方法
JPH04329357A (ja) 免疫学的測定方法
JP2002303630A (ja) ラテックス免疫比濁測定法及びそれに用いるキット
IE55316B1 (en) Method for measuring igg in a neonatal foal or calf and in colostrum
JPH08292192A (ja) 免疫測定法
JPH08193999A (ja) 免疫測定法
JPH02238361A (ja) 免疫反応測定法および免疫反応測定用試薬
JPH09304388A (ja) ヒトイムノグロブリンeの定量法および測定キット
JPH0552846A (ja) 免疫測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5177677

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160118

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees