JPWO2008026606A1 - 溶融ガラスの導管構造および該導管構造を用いた減圧脱泡装置 - Google Patents

溶融ガラスの導管構造および該導管構造を用いた減圧脱泡装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008026606A1
JPWO2008026606A1 JP2008532080A JP2008532080A JPWO2008026606A1 JP WO2008026606 A1 JPWO2008026606 A1 JP WO2008026606A1 JP 2008532080 A JP2008532080 A JP 2008532080A JP 2008532080 A JP2008532080 A JP 2008532080A JP WO2008026606 A1 JPWO2008026606 A1 JP WO2008026606A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
molten glass
vacuum degassing
flow
downstream
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008532080A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5067371B2 (ja
Inventor
道人 佐々木
道人 佐々木
伊賀 元一
元一 伊賀
伊藤 肇
肇 伊藤
山田 和彦
和彦 山田
正博 斎藤
正博 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2008532080A priority Critical patent/JP5067371B2/ja
Publication of JPWO2008026606A1 publication Critical patent/JPWO2008026606A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5067371B2 publication Critical patent/JP5067371B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/225Refining
    • C03B5/2252Refining under reduced pressure, e.g. with vacuum refiners
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/42Details of construction of furnace walls, e.g. to prevent corrosion; Use of materials for furnace walls
    • C03B5/43Use of materials for furnace walls, e.g. fire-bricks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/167Means for preventing damage to equipment, e.g. by molten glass, hot gases, batches
    • C03B5/1672Use of materials therefor
    • C03B5/1675Platinum group metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/225Refining
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Abstract

溶融ガラスの導管を構成する耐火レンガから溶出した成分、溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物、表層に残存する気泡、揮散により異質化したガラス等を効果的に除去することができる溶融ガラスの導管構造、溶融ガラスの導管構造体、減圧脱泡装置および該減圧脱泡装置を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供する。白金製または白金合金製の中空管からなる溶融ガラスの導管構造であって、前記導管構造は、少なくとも下流端側が内管および外管からなる二重管構造をなしており、前記内管は、上流端および下流端が開放端であり、前記外管は、下流端において、前記二重管構造中、前記外管と内管との隙間に属する領域が閉止端であって、前記内管に属する領域が開放端であり、前記導管構造の上流端が開放端であり、前記外管の前記下流端側には開口部が設けられている。

Description

本発明は、溶融ガラスの導管構造に関する。本発明の溶融ガラスの導管構造は、減圧脱泡装置の下降管、もしくは該下降管に接続する延長管として用いることができる。
また、本発明は、該導管構造と、ドレインアウトと、を有する溶融ガラスの導管構造体に関する。
また、本発明は、減圧脱泡装置および該減圧脱泡装置を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法に関する。
減圧脱泡装置のようなガラス製造装置において、溶融ガラスの流路をなす減圧脱泡槽、上昇管および下降管のような、中空管からなる溶融ガラスの導管の構成材料は、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れていることが求められる。これを満たす材料として、白金または白金ロジウム合金のような白金合金を使用することもあるが(特許文献1参照)、白金に比べて安価であることから、電鋳レンガのような耐火レンガが広く使用されている(特許文献2参照)。
しかしながら、電鋳レンガのような耐火レンガを溶融ガラスの導管に使用した場合、耐火レンガに含まれる成分が溶出して溶融ガラスに混入するおそれがあった。このような成分の具体例としては、ジルコニア系電鋳レンガから溶出するジルコニア、アルミナシリカ系電鋳レンガやジルコニア系電鋳レンガから溶出するアルミナ等が挙げられる。
これらの成分が溶融ガラス中に均一に分散した場合、製造されるガラスに悪影響が及ぶ可能性はほとんどない。しかしながら、これらの成分が溶融ガラス中に偏在した場合、製造されるガラスにリームのような欠点を生じさせる可能性がある。
一方、溶融ガラスの導管が白金製または白金合金製の場合、白金壁面と溶融ガラスとの界面で白金や白金合金起因の異物が発生する場合がある。溶融ガラス中に残留した白金や白金合金起因の異物は、製造されるガラスに欠点を生じさせる。
また、溶融ガラスの導管が耐火レンガ製、白金製または白金合金製のいずれの場合においても、導管壁面と、溶融ガラスと、の界面で泡が発生する場合がある。このような導管壁面と溶融ガラスとの界面での泡の発生が減圧脱泡装置の減圧脱泡槽や下降管(や減圧脱泡装置よりも下流側の溶融ガラスの導管)で発生した場合、溶融ガラスから除去することが困難となるため、製造されるガラスに欠点を生じさせる。
溶融ガラスの導管構造には、溶融ガラス中に混入している異物を除去するための機構、例えば、ドレインアウト、オーバーフロー等が設けられている。しかしながら、これら従来の異物除去機構では、溶融ガラスの導管を構成する耐火レンガから溶出した成分や、溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物、および導管壁面と溶融ガラスとの界面で発生した泡(以下、これを総称して「溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物等」または単に「異物等」という。)を十分除去することができなかった。
また、減圧脱泡槽内を移動する溶融ガラス流中には、破泡していない気泡や揮散により異質化したガラスが存在する場合がある。これらが製造されるガラスに混入すると、製造されるガラスの欠点となるので除去する必要がある。しかしながら、溶融ガラス流中に存在する破泡していない気泡や揮散により異質化したガラスは、ドレインアウトやオーバーフローといった従来の異物除去機構では十分除去することができなかった。
特開平2−221129号公報 特開平11−139834号公報
本発明は、上記した従来技術における問題点を解決するため、耐火レンガから溶出した成分、溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物等を効果的に除去することができる溶融ガラスの導管構造を提供することを目的とする。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、減圧脱泡装置の下降管または該下降管に接続する延長管として好適である。
また、本発明は、該導管構造と、ドレインアウトと、を有する溶融ガラスの導管構造体を提供することを目的とする。
また、本発明は、溶融ガラスの下降管または該下降管に接続する延長管として、本発明の溶融ガラスの導管構造を用いた減圧脱泡装置、および該減圧脱泡装置を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、減圧脱泡槽、上昇管および下降管を構成する耐火レンガから溶出した成分や、減圧脱泡槽、上昇管および下降管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物や、溶融ガラスの表層に残存した気泡や、溶融ガラス表面での揮散により異質化したガラス等を効果的に除去することができる減圧脱泡装置を提供することを目的とする。
また、本発明の減圧脱泡装置を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明者らは、耐火レンガから溶出した成分、溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物等が混入した溶融ガラスの流動について鋭意検討した結果、耐火レンガから溶出した成分、白金壁面との界面で発生した異物等が混入した溶融ガラスは層流状態で導管の内壁近辺に留まった状態で流動することを見出した。以下、本明細書において、これを境界層流という。
すなわち、耐火レンガから溶出した成分、白金壁面との界面で発生した異物等は、溶融ガラス中に均一に拡散することなく、導管の壁面に沿ってある厚さの境界層流、例えば、層厚3〜5mm程度の境界層流として流れる。
本発明は、上記の知見に基づくものであり、白金製または白金合金製の中空管からなる溶融ガラスの導管構造であって、
前記導管構造は、少なくとも下流端側が内管および外管からなる二重管構造をなしており、
前記内管は、上流端および下流端が開放端であり、
前記外管は、下流端において、前記二重管構造中、前記外管と内管との隙間に属する領域が閉止端であって、前記内管に属する領域が開放端であり、
前記導管構造の上流端が開放端であり、
前記外管の前記下流端側には開口部が設けられていることを特徴とする溶融ガラスの導管構造(以下、「本発明の導管構造」という。)を提供する。
本発明の導管構造は、前記導管構造の前記下流端側において、前記内管が前記外管の閉止端から突出していることが好ましい。
本発明の導管構造において、前記内管上流端から前記開口部上流端までの距離Lin(mm)と、前記内管の内径Din(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
in ≧ Din/2
本発明の導管構造において、前記外管の内径と前記内管の外径との差Dout-in(mm)と、前記内管の内径Din(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
out-in/2 ≧ 0.02×Din
本発明の導管構造において、前記内管上流端から前記開口部上流端までの距離Lin(mm)と、前記外管の内径と前記内管の外径との差Dout-in(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
in ≧ (Dout-in/2)×3
本発明の導管構造において、前記外管の流路の断面積から前記内管の流路の断面積を引いた断面積差Sout-in(mm2)と、前記内管の流路の断面積Sin(mm2)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
out-in ≦ Sin
本発明の導管構造において、前記開口部の面積S(mm2)と、前記外管の内径Dout(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
S ≧ 9×Dout
本発明の導管構造は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置の下降管として用いることが好ましい。
また、本発明の導管構造は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置において、前記下降管に接続する延長管として用いることが好ましい。
また、本発明は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、
前記下降管として、本発明の導管構造を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供する。
また、本発明は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、
前記下降管に接続する延長管として、本発明の導管構造を用いた溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供する。
また、本発明は、白金製または白金合金製の中空管からなる導管構造と、前記導管構造の下流端側に設けられ、少なくとも1つの開口部を有するドレインアウトと、を有する溶融ガラスの導管構造体であって、
前記導管構造は、少なくとも下流端側が内管および外管からなる二重管構造をなしており、
前記内管は、上流端および下流端が開放端であり、
前記外管は、下流端において、前記二重管構造中、前記外管と内管との隙間に属する領域が閉止端であって、前記内管に属する領域が開放端であり、
前記導管構造の上流端が開放端であり、
前記外管の下流端側には開口部が設けられており、前記外管に設けられた開口部の上流端が前記ドレインアウトの開口部の上流端よりも0〜500mm下流側に位置していることを特徴とする溶融ガラスの導管構造体を提供する。
また、本発明は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置において、前記下降管として、本発明の導管構造を用いた減圧脱泡装置を提供する。
また、本発明は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置において、前記下降管に接続する延長管として、本発明の導管構造を用いた減圧脱泡装置を提供する。
以下、本明細書において、上記の減圧脱泡装置のことを第1の態様の減圧脱泡装置という。
第1の態様の減圧脱泡装置において、前記下降管または前記下降管に接続する延長管として用いられる溶融ガラスの導管構造が、少なくとも前記二重管構造の上流端において、下記式を満たすことが好ましい。
downstream > wupstream
(式中、wdownstreamは水平方向の溶融ガラス流における下流側での前記外管と前記内管との隙間の幅(mm)であり、wupstreamは水平方向の溶融ガラス流における上流側での前記外管と前記内管との隙間の幅(mm)である。)
第1の態様の減圧脱泡装置において、前記wdownstreamおよび前記wupstreamが下記式を満たすことが好ましい。
downstream ≧ 2×wupstream
また、本発明は、上昇管、減圧脱泡槽および下降管を含む減圧脱泡装置であって、
前記下降管と連通して接続される下流側ピットを有し、
前記下流側ピットが、外管をなすピット本体と、前記ピット本体内に位置し下流方向に延びる内管と、の二重管構造であり、前記ピット本体にはドレインアウトが設置されていることを特徴とする減圧脱泡装置を提供する。
以下、本明細書において、上記の減圧脱泡装置のことを第2の態様の減圧脱泡装置という。
第2の態様の減圧脱泡装置において、前記下降管の内径D1(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
1 > D2
第2の態様の減圧脱泡装置において、前記下降管の内径と前記内管の外径との差ΔD(mm)と、前記内管の内径D3(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
ΔD ≧ 0.04×D3
第2の態様の減圧脱泡装置において、前記下降管の流路の断面積から前記内管の流路の断面積を引いた断面積差ΔS(mm2)と、前記内管の流路の断面積S1(mm2)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
ΔS ≦ S1
第2の態様の減圧脱泡装置において、前記下降管と、前記内管とが、オーバーラップしている部分を有し、
前記オーバーラップしている部分の長さL(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
L ≦ 5×D2
第2の態様の減圧脱泡装置において、前記下降管の下流端と前記内管の上流端との距離dと、前記内管の外径D2と、が下記式で表される関係を満たすことが好ましい。
0.5×D2 ≦ d ≦ 5×D2
第2の態様の減圧脱泡装置において、前記下降管と、前記内管と、が少なくとも前記内管の上流端において、下記式を満たすことが好ましい。
ldownstream > wlupstream
(式中、wldownstreamは水平方向の溶融ガラス流における下流側での前記下降管と前記内管との隙間の幅(mm)であり、wlupstreamは水平方向の溶融ガラス流における上流側での前記下降管と前記内管との隙間の幅(mm)である。)
第2の態様の減圧脱泡装置において、前記wldownstreamおよび前記wlupstreamが下記式を満たすことが好ましい。
ldownstream ≧ 2×wlupstream
第1および第2の態様の減圧脱泡装置において、少なくとも一部が溶融ガラスの表層に浸漬するように前記減圧脱泡槽内に設置され、かつ前記溶融ガラスの表層の流れを前記減圧脱泡槽の側壁方向に誘導する流れ制御部材が設けられていることが好ましい。
前記流れ制御部材は、溶融ガラスの表層で且つ溶融ガラスの流れに直交する方向における幅が下記式を満たすことが好ましい。
1 < W2
(式中、W1は最上流側における前記流れ制御部材の幅(mm)であり、W2は最下流側における前記流れ制御部材の幅(mm)である。)
前記溶融ガラスの流れ方向を軸とした場合に、前記流れ制御部材の平面形状が該軸に対して略線対称であることが好ましい。
前記流れ制御部材の最下流側が、前記下降管の管軸よりも前記溶融ガラスの流れ方向の上流側に位置することが好ましい。
前記流れ制御部材の平面形状のうち、前記溶融ガラスの表層の流れを前記減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するのに寄与する部分と、前記溶融ガラスの流れ方向と、がなす角度の最大値αが下記式を満たすことが好ましい。
15°≦ α ≦ 85°
前記流れ制御部材が、下記式を満たすことが好ましい。
20mm ≦ X
50mm ≦ h
(式中、Xは前記流れ制御部材が前記溶融ガラスの表層に浸漬された深さであり、hは前記減圧脱泡槽の底面から前記流れ制御部材の底面までの高さである。)
前記流れ制御部材の最下流側と、前記減圧脱泡槽の側壁と、の、溶融ガラスの表層で且つ溶融ガラスの流れに直交する方向における二つの間隙Y1、Y2(mm)が下記式を満たすことが好ましい。
Z ≦ Y1 ≦ φ/4
Z ≦ Y2 ≦ φ/4
(式中、φは溶融ガラスの表層で且つ溶融ガラスの流れに直交する水平方向における前記減圧脱泡槽の内径であり、Zはφ/30またはX/2(Xは前記流れ制御部材が前記溶融ガラスの表層に浸漬された深さ)のうち、いずれか小さい方の値である。)
また、本発明は第1および第2の態様の減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法を提供する。
本発明の導管構造によれば、耐火レンガから溶出した成分や溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物等を含んだ境界層流を溶融ガラスのメインフローから分離することができる。その後、境界層流をドレインアウトから排出することにより、これら異物等を含まない溶融ガラスを成形装置に供給することができる。この結果、欠点の少ない高品質のガラス製品を製造することができる。
本発明の減圧脱泡装置によれば、耐火レンガから溶出した成分や溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物等を含んだ境界層流を溶融ガラスのメインフローから分離することができる。その後、境界層流をドレインアウトから排出することにより、これら異物等を含まない溶融ガラスを成形装置に供給することができる。この結果、欠点の少ない高品質のガラス製品を製造することができる。
また、本発明の減圧脱泡装置によれば、減圧脱泡槽内を移動する溶融ガラス流の表層をなす、破泡していない気泡や揮散により異質化したガラスを含んだ境界層流を溶融ガラスのメインフローから分離することができる。その後、境界層流をドレインアウトから排出することにより、これら異質等を含まない溶融ガラスを成形装置に供給することができる。この結果、欠点の少ない高品質のガラス製品を製造することができる。
本発明の減圧脱泡装置において、減圧脱泡槽内に流れ制御部材を設けることにより、溶融ガラスのメインフローからの境界層流の分離をより効果的に行うことができる。
図1は、本発明の溶融ガラスの導管構造を備えた減圧脱泡装置の断面図である。 図2は、図1に示す減圧脱泡装置100の導管構造1およびその周辺を示した部分拡大図である。 図3は、図2と同様の図であり、導管構造1において特定の部分の寸法を示している。 図4は、本発明の導管構造の別の態様を示した断面図であり、二重管構造の幅が図2に示す導管構造1とは異なっている。 図5は、本発明の導管構造の別の態様を示した断面図であり、外管の閉止端の形状が図2に示す導管構造1とは異なっている。 図6は、本発明の導管構造の別の態様を示した断面図であり、内管の形状が図2に示す導管構造1とは異なっている。 図7は、本発明の導管構造の別の態様を示した断面図である。 図8は、本発明の第2の態様の減圧脱泡装置を示した断面図である。 図9は、図8に示す減圧脱泡装置100’の下流側ピット180およびその周辺を示した部分拡大図である。 図10は、図9と同様の図であり、図中特定部分の寸法を示す符号が記載されている。 図11は、第2の態様の減圧脱泡装置の別の実施形態の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図であり、延長管の内壁と内管の外壁との間の空隙部分の幅が図9に示す形態とは異なっている。 図12は、第2の態様の減圧脱泡装置の別の実施形態の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図であり、延長管と内管との関係が図9に示す形態とは異なっている。 図13は、図12と同様の図である。但し、内管上端(上流端)の形状が図12とは異なっている。 図14(a)は本発明の減圧脱泡装置の断面図である。但し、減圧脱泡槽、上昇管および下降管のみを示している。図14(b)は図14(a)の減圧脱泡装置の平面図である。但し、図14(b)において、減圧脱泡槽上部の壁面は省略されている。 図15は、図14(b)を同様の図である。但し、流れ制御部材の形状が図14(b)とは異なっている。
符号の説明
1,2,3,4,5:導管構造
1a,2a,3a,4a,5a:内管
1b,2b,3b,4b,5b:外管
6:導管
11,21,31,41,51:開口部
100,100’:減圧脱泡装置
110:減圧ハウジング
120:減圧脱泡槽
122,122’:流れ制御部材
130:上昇管
140:下降管
150,160,160’:延長管
170:断熱材
180,180’,180’’,180’’’:下流側ピット
181:ピット本体
182,181’,182’’,182’’’:内管
183,600:ドレインアウト
300:溶解槽
400:上流ピット
500:下流ピット
700:導管
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明の溶融ガラスの導管構造を備えた減圧脱泡装置、すなわち、本発明の第1の態様の減圧脱泡装置の断面図である。図1に示す減圧脱泡装置100は、溶解槽300中の溶融ガラスGを減圧脱泡して、次の処理槽(図示していない)に連続的に供給するプロセスに用いられるものである。
減圧脱泡装置100は、金属製、例えばステンレス鋼製であって、使用時その内部が減圧状態に保持される減圧ハウジング110を有する。減圧ハウジング110内には、減圧脱泡槽120がその長軸が水平方向に配向するように収納配置されている。減圧脱泡槽120の一端の下面には垂直方向に配向する上昇管130が、他端の下面には下降管140が取り付けられている。
減圧脱泡装置100において、減圧脱泡槽120、上昇管130および下降管140は、電鋳レンガのような耐火レンガ製、または白金製若しくは白金合金製の中空管である。
減圧脱泡槽120が耐火レンガ製の中空管である場合、減圧脱泡槽120は、外形が矩形断面を有する耐火レンガ製の中空管であり、溶融ガラスの流路をなす内部形状は矩形断面を有することが好ましい。
上昇管130および下降管140が耐火レンガ製の中空管である場合、上昇管130および下降管140は、円形断面や矩形を含む多角形断面を有する耐火レンガ製の中空管であり、溶融ガラスの流路をなす内部形状が円形状断面を有することが好ましい。
一方、減圧脱泡槽120が白金製または白金合金製の中空管である場合、減圧脱泡槽120における溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が、円形または楕円形を有することが好ましい。
上昇管130および下降管140が白金製または白金合金製の中空管である場合、上昇管130および下降管140における溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が、円形または楕円形を有することが好ましい。
上昇管130および下降管140の下端(下流端)には、それぞれ延長管150,160が取り付けられている。延長管150,160は、白金製または白金合金製の中空円筒管である。
なお、上昇管130および下降管140が白金製または白金合金製の中空管である場合、延長管150,160を持たず、図1で延長管150,160と記載されている部分まで上昇管130および下降管140が延びていてもよい。このような場合、以下本明細書における延長管150,160に関する記載は、白金製または白金合金製の上昇管および下降管に関する記載として理解される。
減圧ハウジング110内において、減圧脱泡槽120、上昇管130および下降管140の周囲には断熱材170が配設されている。
上昇管130は、減圧脱泡槽120と連通しており、溶解槽300からの溶融ガラスGを減圧脱泡槽120に導入する。このため、上昇管130に取り付けられた延長管150の下端(下流端)は、溶解槽300と導管700を介して接続された上流ピット400の開口端に嵌入され、該上流ピット400内の溶融ガラスGに浸漬されている。
下降管140は、減圧脱泡槽120に連通しており、減圧脱泡後の溶融ガラスGを次の処理槽(図示せず)に導出する。このため、下降管140に取り付けられた延長管160の下端(下流端)は、下流ピット500の開口端に嵌入され、該下流ピット500内の溶融ガラスGに浸漬されている。下流ピット500にはドレインアウト600が接続している。なお、ドレインアウトとは、溶融ガラスの均質性を高めるために、溶融ガラスの一部、具体的には、異物等を含んだ溶融ガラスを外部へ流出させるための流出管などからなる装置を意味する。
図1に示す減圧脱泡装置100において、下降管140に取り付けられた延長管160が本発明の導管構造1である。図2は、図1に示す減圧脱泡装置100において、導管構造1およびその周辺を示した部分拡大図である。
図2に示す導管構造1は、下流端側が内管1aおよび外管1bからなる二重管構造となっている。内管1aおよび外管1bは、いずれも白金製または白金合金製の中空円筒管である。ここで、白金合金の具体例としては、白金−金合金、白金−ロジウム合金が挙げられる。白金または白金合金と言った場合、白金または白金合金に金属酸化物を分散させてなる強化白金であってもよい。分散される金属酸化物としては、Al23、またはZrO2若しくはY23に代表される、長周期表における3族、4族若しくは13族の金属酸化物が挙げられる。
図2に示す導管構造1において、内管1aは、上端(上流端)および下端(下流端)が開放端となっている。
外管1bは、下端(下流端)において、二重管構造中、外管1bと内管1aとの隙間に属する領域、すなわち、内管1aの外壁と外管1bの内壁との間の空隙部分の下端(下流端)が閉止端となっている。一方、外管1bの下端(下流端)のうち、二重管構造中、内管1aに属する領域、すなわち、図2中で内管1aの内側に位置する部分は、開放端となっている。内管1aの下端(下流端)は、外管1bの下端(下流端)(閉止端)から突出している。外管1bの上端(上流端)は開放端となっている。なお、内管1aは、その下端(下流端)が外管1bの下端(下流端)(閉止端)から突出しているが、内管1aの下端(下流端)が外管1bの下端(下流端)(閉止端)から突出することは必須ではない。すなわち、本発明の導管構造の二重管構造において、内管の下端(下流端)が外管の下端(下流端)(閉止端)から突出していなくてもよい。
外管1bの下端(下流端)(閉止端)側には開口部11が設けられている。より具体的には、外管1bの下端(下流端)(閉止端)側の側壁に、外管1bの長手方向の一辺よりも外管1bの周方向の一辺のほうが長い横長な矩形形状をした開口部11が設けられている。図2において、開口部11は下流ピット500と接続するドレインアウト600の開口部とほぼ同じ高さ位置に位置している。なお、開口部11は下流ピット500と接続するドレインアウト600の開口部とほぼ同じ高さ位置か、または開口部11の上端(上流端)がドレインアウト600の開口部の上端(上流端)よりも下側(下流側)に位置することが好ましい。
なお、図2において、ドレインアウト600は、本発明の導管構造1の下端(下流端)側に位置している。本発明において、導管構造1とドレインアウト600とを有する構造を、溶融ガラスの導管構造体という。
上記したように、異物等は、溶融ガラス中に均一に拡散することなく、導管の壁面に沿って厚さ3〜5mm程度の境界層流として流れるので、境界層流を含んだ溶融ガラス流が図2に示す導管構造1の二重管構造に到達すると、異物等を含んだ境界層流は、内管1aの外壁と外管1bの内壁との間の空隙部分(以下、「二重管構造の空隙部分」ともいう。)に移動する。一方、境界層流を除いた溶融ガラス流のメインフロー(以下、「メインフロー」という。)は内管1a内側の空隙(以下、「内管1a内部」という。)に移動する。これにより、境界層流とメインフローとが物理的に分離される。なお、メインフローとは、異物等を含まないガラス流であって、最終的には製品となるものを意味する。
内管1a内部を移動するメインフローは、図中矢印A方向に移動する。すなわち、内管1aの下端(下流端)(開放端)を通過して、下流ピット500内を下流方向へと移動する。一方、二重管構造の空隙部分を移動する境界層流は、図中矢印B方向に移動する。すなわち、外管1b内壁(側壁)に設けられた開口部11から下流ピット500を経て、ドレインアウト600へと移動する。
この結果、異物等を含んだ境界層流から分離されたメインフローのみが成形装置へと供給される。一方、ドレインアウト600へと移動した境界層流は廃棄されカレット化される。
本発明の導管構造において、境界層流と、メインフローと、を適切に分離するために以下に述べる点について留意すべきである。以下に述べる点については図3を参照のこと。なお、図3は、各部の寸法を示す符号が追加されている点を除いて図2と同一である。
図3に示す導管構造1において、開口部11からの境界層流(図2中、矢印Bで示す)と内管1aからの溶融ガラスのメインフロー(図2中、矢印Aで示す)と、が再び合流することを防止するため、図3に示す内管1aが外管1bの下端(下流端)(閉止端)から突出していることが好ましい。
外管1bの側壁に設けられた開口部11の位置および形状にもよるが、境界層流の出口である開口部11と、メインフローの出口である内管1a下端(下流端)と、の距離が近いと、二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流するおそれがある。内管1aが外管1bの下端(下流端)(閉止端)から突出していれば、内管1a下端(下流端)が開口部11から十分離れているので、境界層流とメインフローとが再び合流するおそれがなく、両者を確実に分離することができる。
境界層流とメインフローとを確実に分離することができる点で、開口部11下端(下流端)から内管1a下端(下流端)までの距離Lexitは、10〜200mmであることが好ましい。
境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、前記内管上端(上流端)から前記開口部上端(上流端)までの距離Lin(mm)と、前記内管の内径Din(mm)と、が下記式(1)に表す関係を満たすことが好ましい。
in ≧ Din/2・・・(1)
inおよびDinが、上記式(1)に示す関係を満たしていれば、開口部11からの二重管構造の長さ、より具体的には、開口部11からの二重管構造の空隙部分の長さが、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。
inは、減圧脱泡装置の規模、特に該装置を通過する溶融ガラスの流量(t/日)によって異なるが、通常は50〜900mmであり、より好ましくは100〜700mmである。Linは50mm以上であることが好ましく、100mm以上であることがより好ましく、200mm以上1500mm以下であることが特に好ましい。但し、コスト面で問題がなければ、導管構造1は全長にわたって二重管構造であってもよい。一方、Linが50mm未満であると、開口部11までの距離が不十分となり、境界層流とメインフローとの分離に支障をきたす可能性がある。
本発明の導管構造において、LinおよびDinが下記式(2)で示す関係を満たすことがより好ましく、下記式(3)で示す関係を満たすことがさらに好ましい。
in ≧ 1.0×Din・・・(2)
1.0×Din ≦ Lin ≦ 4×Din・・・(3)
図1および図2に示すように、導管構造1が下降管140の下端(下流端)に取り付けられた延長管160である場合、導管構造1全体の長さは、通常は100〜3000mmであり、より好ましくは200〜1500mmである。減圧脱泡装置100の使用時、減圧脱泡槽120内における溶融ガラスGの液面の高さを調節するため、減圧脱泡槽120を最大で600mm程度上下させる。この際、延長管160(導管構造1)の先端が下流ピット500内の溶融ガラスGに常に浸漬している必要である。延長管160(導管構造1)の長さが上記範囲であれば、減圧脱泡槽120を最大限に上下させても、延長管160(導管構造1)の先端が下流ピット500内の溶融ガラスGに常に浸漬した状態となる。
境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、外管1bの内径と内管1aの外径との差Dout-in(mm)が、内管1aの内径Din(mm)との間で下記式(4)で表される関係を満たすことが好ましい。ここで、Dout-in/2は二重管構造の空隙部分の幅(外管1bと内管1aとの隙間の幅)にあたる。
out-in/2 ≧ 0.02×Din・・・(4)
out-inおよびDinが、上記式(4)で示す関係を満たしていれば、二重管構造の空隙部分の幅が、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。
境界層流は、溶融ガラスの温度や粘度、流路を構成する材料などによっても若干変動するが、3〜5mm程度の厚さを有する。これらの境界層流をメインフロー中に流入させないためには、上記のような関係が必要であることを、本発明者らは知見した。
out-in/2は、具体的には5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、また100mm以下であることが好ましい。Dout-in/2を100mm超とした場合、境界層流の厚さに対して二重管構造の空隙部分の幅が大きくなりすぎるため、メインフローのうち、分離されて二重管構造の空隙部分に移動する量が増加して、製造されるガラスの歩留まりを低下させるので好ましくない。
図2に示す導管構造1において、境界層流のみが分離されて、二重管構造の空隙部分に移動することが好ましく、これを達成するためには二重管構造の空隙部分の幅を境界層流の層厚と実質的に同一にすることが理想的である。本発明者らは、耐火レンガから溶出した成分や白金壁面との界面で発生した異物、および導管壁面と溶融ガラスとの界面で発生した泡は、溶融ガラス中に均一に拡散することなく、導管の壁面に沿ってある厚さの境界層流、例えば、層厚3〜5mm程度の境界層流として流れることを見出した。
しかしながら、減圧脱泡の実施時における境界層流の層厚は、必ずしも一定ではなく、変動する場合もある。ゆえに、境界層流を確実に分離して、二重管構造の空隙部分に移動させるためには、二重管構造の空隙部分の幅を境界層流の層厚よりもある程度大きいことが好ましい。この場合、メインフローの一部も分離されて、二重管構造の空隙部分に移動する。
したがって、二重管構造の空隙部分の幅が境界層流の層厚よりも大きすぎる場合、メインフローのうち、分離されて二重管構造の空隙部分に移動する量が増加して、製造されるガラスの歩留まりを低下させるので好ましくない。
本発明の導管構造において、Dout-inおよびDinが下記式(5)で示す関係を満たすことがより好ましく、下記式(6)で示す関係を満たすことがさらに好ましい。
out-in/2 ≧ 0.04×Din・・・(5)
0.04×Din ≦ Dout-in/2 ≦ 0.25×Din・・・(6)
ここで、Dinは、上記したように通常は50〜900mmであり、より好ましくは100〜700mmである。白金製または白金合金製の内管1aおよび外管1bの肉厚は、0.4〜6mmであることが好ましく、0.8〜4mmであることがより好ましい。
以上の点から、内管1aの外径は、55〜905mmであることが好ましく、より好ましくは105〜705mmである。外管1bの外径は、70〜1200mmであることが好ましく、より好ましくは100〜1000mmである。
また、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、内管上端(上流端)から開口部上端(上流端)までの距離Lin(mm)と、外管の内径と内管の外径との差Dout-in(mm)と、が下記式(7)で表される関係を満たすことが好ましい。
in ≧ (Dout-in/2)×3・・・(7)
inおよびDout-inが上記の関係を満たしていれば、二重管構造の空隙部分の幅(Dout-in/2)との関係で見た場合に、開口部11からの二重管構造の空隙部分の長さLinが、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。
また、Dout-in×20 ≧ Linであることが好ましい。
また、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、外管1bの流路の断面積から内管1aの流路の断面積を引いた断面積差Sout-in(mm2)と、内管1aの流路の断面積Sin(mm2)と、が下記式(8)で表される関係を満たすことが好ましい。
out-in ≦ Sin・・・(8)
ここで、外管1bおよび内管1aの流路の断面積とは、外管1bおよび内管1aの流路の長手方向に対して直交する方向の断面積を指す。Sout-inおよびSinが式(8)で表される関係を満たしていれば、境界層流の厚さに対して二重管構造の空隙部分の幅が大きくなりすぎないため、メインフローのうち、分離されて二重管構造の空隙部分に移動する量が増加することがない。したがって、製造されるガラスの歩留まりが低下することがない。
out-inおよびSinが下記式(9)で表される関係を満たすことが好ましく、下記式(10)で表される関係を満たすことがさらに好ましい。
out-in ≦ 0.90 ×Sin・・・(9)
out-in ≦ 0.80 ×Sin・・・(10)
また、 0.50×Sin ≦ Sout-inであることが好ましい。
また、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、開口部11の面積S(mm2)と、外管の内径Dout(mm)と、が下記式(11)で表される関係を満たすことが好ましい。
S ≧ 9 × Dout・・・(11)
ここで、開口部11の面積Sは、該開口部11の平面上への投影面積である。SおよびDoutが上記式(11)で示す関係を満たしていれば、開口部11が外管1bと内管1aとの空隙部を通る溶融ガラスを流出させることができる程度に大きいため、該開口部11を通過する際の境界層流の流動抵抗が顕著に増加することがない。開口部11が非常に小さい場合、該開口部11を通過する際の境界層流の流動抵抗が顕著に増加する。この結果、二重管構造の空隙部を移動する境界層流と、内管1aの内部を移動するメインフローと、の間で流動性に著しい差が生じ、境界層流とメインフローとを分離する効果が低下する。なお、上記式(11)は、境界層流の厚さが3mmの場合には、3mm以上の厚さの溶融ガラスを開口部から流出させる必要があり、その点に着目して求められた数式である。
本発明の導管構造において、SおよびDoutが下記式(12)で示す関係を満たすことがより好ましく、下記式(13)で示す関係を満たすことがさらに好ましい。
S ≧ 12×Dout・・・(12)
20 ×Dout ≦ S ≦ 90 ×Dout・・・(13)
Sが90×Doutよりも大きい場合、外管1bの内径に対して開口部11の大きさが大きくなりすぎるため、二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流するおそれがある。
なお、開口部11は、閉止端近傍に設けられることが好ましい。なお、閉止端近傍とは、外管1aの閉止端の部分のみならず、図2に示すように、外管1aの閉止端に近い部分の内壁(側壁)部分をも含む。ここでいう「閉止端に近い部分」とは、外管1aの閉止端から200mm以内の範囲のことを意味する。
開口部11を閉止端近傍に設けることにより、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離することができる距離を長くとることができ、結果的に均質性の良好なガラスを得ることが可能となる。
また、開口部11は必ずしも一つである必要はなく、複数あってもよい。開口部が複数の場合、少なくとも1つの開口部が外管1aの閉止端から200mm以内にあればよい。
また、開口部11が矩形形状である場合、外管1bの長手方向に長い矩形形状(すなわち、縦長の矩形形状)ではなく、外管1bの周方向に長い矩形形状(すなわち、横長の矩形形状)であることが、該開口部11を境界層流が通過する際の流動抵抗が小さいことから好ましい。
開口部11の形状は、矩形形状に限定されず、他の形状であってもよい。例えば、正方形であってもよく、円形もしくは楕円形であってもよい。また、三角形、五角形、六角形、八角形等の他の多角形であってもよい。
開口部11は、外管1bの周方向の長さ(すなわち、開口部11の幅)が、ドレインアウト600の開口部の幅よりも小さいことが好ましい。開口部11の幅がドレインアウト600の開口部の幅よりも大きいと、二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流するおそれがある。
ここで、開口部11の幅は、該開口部11を平面上へ投影した形状における幅である。なお、ドレインアウト600が曲面形状である場合、ドレインアウト600の幅も該ドレインアウト600を平面上へ投影した形状における幅である。
図2において、外管1bに設けられた開口部11は、ドレインアウト600の開口部付近、より具体的には、ドレインアウト600の開口部とほぼ同じ高さに位置している。但し、開口部11の上端(上流端)がドレインアウト600の開口部の上端(上流端)からさらに下側(下流側)、具体的には、開口部11の上端がドレインアウトの開口部の上端よりも0〜500mm下側(下流側))に位置することが好ましい。二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流することを防止するためには、開口部11の上端(上流端)がドレインアウト600の開口部の上端(上流端)からさらに下側(下流側)に位置することは好ましい構成である。
上記したように、図1に示す減圧脱泡装置100の使用時、減圧脱泡槽120を最大で600mm程度上下させるため、開口部11とドレインアウト600の開口部との位置関係は、図2に示した位置関係からある程度変化する。しかしながら、減圧脱泡槽120を上下動させた場合であっても、開口部11は、ドレインアウト600の開口部から離れすぎないことが、二重管構造によって分離された境界層流と、メインフローと、が再び合流することを防止するために好ましい。開口部11の上端(上流端)と、ドレインアウト600の開口部の上端(上流端)と、が最も離れた状態において、両者の距離は400mm以下であることが好ましく、200mm以下であることがより好ましい。
さらに、開口部11から流出された境界層流が、メインフローと再び合流することを防止するために、ドレインアウト600の開口部の面積をある程度大きくとる必要がある。具体的には、ドレインアウト600の開口部の面積をSdrainとした場合、開口部11の面積Sと、の間で下記式(14)で示す関係を満たすことが好ましい。
drain ≧ S・・・(14)
上述したように、耐火レンガから溶出した成分や溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物等は、溶融ガラス中に均一に拡散することなく、導管の壁面に沿ってある厚さの境界層流として流れる。
しかしながら、図1に示す減圧脱泡装置100において、減圧脱泡槽120から下降管140を経て延長管160、すなわち、図2に示す導管構造1に到達する境界層流の厚さは、導管構造1に部位によって異なる場合がある。
溶融ガラスGの表面では、破泡していない気泡や揮散により異質化したガラスが存在し、これらが減圧脱泡槽120内を移動する溶融ガラス流Gの表層をなす。このような破泡していない気泡や揮散により異質化したガラスを含む溶融ガラスGの表層もまた、減圧脱泡槽120の側壁または減圧脱泡槽120の下流側端部の壁面につきあたり、本明細書における、壁面に沿った境界層流と一体化する。
したがって、溶融ガラスGが下降管140へと移動する際には、減圧脱泡槽120の下流端の壁面に沿って折り返す形で下降管140へと移動する傾向がある。この結果、水平方向における溶融ガラス流の流れ方向における上流側(以下、「水平方向上流側」という。)の下降管140壁面に沿って流れる境界層流よりも、水平方向における溶融ガラス流の流れ方向における下流側(以下、「水平方向下流側」という。)の下降管140壁面に沿って流れる境界層流のほうが多くなる傾向がある。言い換えると、水平方向上流側の下降管140壁面に沿って流れる境界層流の厚さよりも、水平方向下流側の下降管140壁面に沿って流れる境界層流の厚さのほうが大きくなる傾向がある。下降管140から延長管160へと移動した境界層流においてもこの状態が維持されるので、水平方向上流側の延長管160壁面に沿って流れる境界層流の厚さよりも水平方向下流側の延長管160壁面に沿って流れる境界層流の厚さのほうが大きくなる傾向がある。
本発明の導管構造において、二重管構造の空隙部分の幅を設定する際、上述したような減圧脱泡装置1内での境界層流の流動傾向、すなわち、下降管140および延長管160内を移動する境界層流の厚さが水平方向上流側よりも水平方向下流側のほうが大きくなる傾向がある点を考慮することが好ましい。
図4は、本発明の導管構造の別の実施形態を示した断面図である。図4に示す導管構造2では、二重管構造の空隙部分の幅が、図中左側、すなわち、水平方向における溶融ガラスGの流動方向における上流側、の空隙部分の幅wupstreamよりも、図中右側、すなわち、水平方向における溶融ガラスGの流動方向における下流側、の空隙部分の幅wdownstreamのほうが大きくなっており、下記式(15)を満たす関係となっている。
downstream > wupstream・・・(15)
本発明の導管構造において、二重管構造の空隙部分の幅を上記式(15)を満たすように設定することにより、延長管160、すなわち本発明の導管構造内を移動する境界層流の厚さが水平方向上流側よりも水平方向下流側のほうが大きい場合であっても、境界層流と、メインフローと、を適切に分離することができる。
図4に示す導管構造2において、二重管構造の空隙部分の幅は、下記式(16)を満たすように設定することがより好ましい。
downstream ≧ 2×wupstream・・・(16)
なお、図4に示す導管構造2において、意図した機能を発揮するためには、すなわち、導管構造内を移動する境界層流の厚さが水平方向上流側よりも水平方向下流側のほうが大きい場合であっても、境界層流と、メインフローと、を適切に分離するためには、二重管構造の上流端において、該二重管構造の空隙部分の幅が上記式(15)を満たしていればよく、二重管構造の他の部分では空隙部分の幅が上記式(15)を満たしていなくてもよい。但し、この場合、二重管構造の空隙部分の幅が、溶融ガラス流の流動方向に沿って変化することになるので、空隙部分を移動する境界層流で圧損が発生するおそれがある。したがって、二重管構造の空隙部分の幅は、溶融ガラス流の流動方向全体にわたって上記式(15)を満たすことが好ましい。
本発明の導管構造において、二重管構造の空隙部分の幅が上記式(15)を満たすように設定する方法としては、外管1a内に内管1bを水平方向上流側に偏心させて配置する方法、二重管構造の空隙部分の幅が水平方向下流側において部分的に拡大するように、溶融ガラスの流れに直交する方向の断面形状が部分的に拡径または縮径した外管1aまたは内管1bを用いる方法が挙げられる。
なお、図4に示す導管構造2においても、上記した式(1)〜(14)の関係が適用される。
本発明の導管構造において、二重管構造をなす内管1aおよび外管1bは、白金または白金合金製の中空管であって、下記(1)〜(3)の条件を満たしている限り、その形状はこれに限定されない。
(1)内管1aは上流端および下流端が開放端である。
(2)外管1bは、二重管構造中、外管1bと内管1aとの隙間に属する領域(内管1aの外壁と外管1bの内壁との間の空隙部分)の下流端が閉止端となっており、内管1aに属する領域(内管1aの内側に位置する部分)の下流端が開放端となっている。
(3)外管1bの下流端側に開口部が設けられている。
したがって、内管1aおよび外管1bは、断面形状が楕円形状のものや、四角形、六角形、八角形等、多角形形状のものであってもよい。
また、図2では、外管1bの閉止端(下端(下流端))が水平端であるが、外管の閉止端の形状はこれに限定されない。図5は、本発明の導管構造の別の態様を示した断面図であり、外管の閉止端の形状が図2に示す導管構造1とは異なっている。図5に示す導管構造3において、内管3aと外管3bとが二重管構造をなしている点は、図2に示す導管構造1と同様であるが、外管3bの閉止端(下端(下流端))が斜めに傾斜した形状になっている。
より具体的には、外管3bの長手方向において、下流ピット500に設けられたドレインアウト600に面する側の下端(下流端)(図中左側の下端(下流端)。以下、「長端」ともいう。)の長さが、該長端に対して裏面側の下端(下流端)(図中右側の下端(下流端)。以下、「短端」ともいう。)よりも長く、長端と短端とを結ぶ下端(下流端)が斜めに傾斜している。外管3bの長端付近の側壁には開口部31が設けられている。図5に示す導管構造3では、二重構造の空隙部分を移動する境界層流を外管3bの斜めに傾斜した下端(下流端)に沿って開口部31方向に誘導することができる。
なお、内管3aの開口端、すなわち、上端(上流端)や下端(下流端)が斜めに傾斜した形状になっていてもよい。例えば、図5において、開口部31から遠い側の内管3aの上端(上流端)が、開口部31に近い側の内管3aの上端(上流端)よりも低くなるように傾斜した形状であった場合、以下の効果が生じる。開口部31に到達するまでに境界層流が二重構造の空隙部分を移動する距離に関して、内管3aの上端(上流端)が傾斜していなかった場合、開口部31から遠い側の空隙部分を境界層流が移動する距離のほうが、開口部31に近い側の空隙部分を移動する距離よりも長くなるので、空隙部分を移動する境界層流で圧損が生じるおそれがある。開口部31から遠い側の内管3aの上端(上流端)が、開口部31に近い側の内管3aの上端(上流端)よりも低くなるように傾斜した形状であった場合、開口部31から遠い側の空隙部分を境界層流が移動する距離と、開口部31に近い側の空隙部分を境界層流が移動する距離と、の差が小さくなるため、空隙部分を移動する境界層流で圧損が発生するおそれが少なくなる。
図5に示す導管構造3においても、上記した式(1)〜(16)の関係が適用される。なお、図5に示す導管構造3において、開口部下端(下流端)から内管下端(下流端)までの距離Lexitは、開口部31下端(下流端)から内管3aの下端(下流端)までの距離である。内管3a上端(上流端)から開口部31上端(上流端)までの距離Lin、内管3aの内径Din、外管3bの内径と内管3aの外径との差Dout-in、内管3aおよび外管3bの流路の断面積、開口部31の面積Sおよびドレインアウト600の開口部の面積Sdrainについては、図2に示す導管構造1と同様である。
また、図2〜図5において、内管1a,2a,3aは、全ての部位で径(内径、外径)同一の単なる直管形状をした中空円筒管が示されているが、内管の形状はこれに限定されない。図6は、本発明の導管構造の別の実施形態を示した断面図であり、内管の形状が図2〜図5に示す導管構造1,2,3とは異なっている。図6に示す導管構造4において、内管4aと外管4bとが二重管構造をなしている点は、図2〜図5に示す導管構造1,2,3と同様である。但し、図6に示す導管構造4では、内管4aの一部(図面では下端(下流端)近傍部分)が拡径しておりテーパ管形状をなしている。テーパ管形状をなす内管4aの下端(下流端)が、外管4bの内壁と接合することによって、内管4aの外壁と外管4bの内壁との間の空隙部分の下端(下流端)が閉止端となっている。したがって、内管4aの下端(下流端)は、外管4bの閉止端から突出していない。図6に示す導管構造4では、二重構造の空隙部分を移動する境界層流をテーパ管形状をなす内管4aの外壁に沿って開口部41方向に誘導することができる。
図6に示す導管構造4においても、上記した式(1)〜(16)の関係が適用される。なお、図6に示す導管構造4において、内管4aの内径Dinは、内管4aのうち、拡径していない部分の内径である。内管4a上端(上流端)から開口部41上端(上流端)までの距離Lin、外管4bの内径と内管4aの外径との差Dout-in、内管4aおよび外管4bの流路の断面積、開口部41の面積Sおよびドレインアウト600の開口部の面積Sdrainについては、図2に示す導管構造1と同様である。
また、図2〜図6に示す導管構造1〜4は、外管1b,2b,3b,4bの下端側(下流端側)に設けられた開口部11,21,31,41をドレインアウト600の開口部付近に位置させることにより、開口部11,21,31,41から流出された境界層流が、メインフローと再び合流することを防止しているが、図7に示す導管構造5のように、開口部51から流出された境界層流をそのままドレインアウト600の開口部まで導くための導管6を設けてもよい。なお、図7に示す導管構造5では、開口部51が外管5bの側壁ではなく、閉止端の一部に設けられている。
図7に示す導管構造5は、装置的に複雑にはなるが、確実にメインフローと境界層流とを分離できる点で優れている。
図7に示す導管構造のように、開口部51から流出された境界層流をそのままドレインアウト600の開口部まで導くための導管6を設けた場合、ドレインアウト600の開口部の位置は必ずしも下流側ピット500の側面でなくてもよく、例えば、図7において、下流側ピット500の下面左隅であってもよい。
図2〜図6に示す導管構造1,2,3,4では、外管1b,2b,3b,4bの下端(下流端)付近の側壁に開口部11,21,31,41が1つ設けられており、図7に示す導管構造5では、外管5bの閉止端の一部に開口部51が1つ設けられている。但し、開口部の数はこれに限定されず、複数でもよい。この場合、複数の開口部は、外管1bの同一の高さ位置に並列するように(すなわち、左右に)設けられていてもよく、または外管1bの周方向同一の位置に高さ位置を変えて(すなわち、上下に)設けられていてもよい。また、これらの二つの態様を組み合わせた形で(すなわち、上下左右に)設けられていてもよい。
また、図2において、下流ピット500が、ドレインアウト600に対して反対側(図中下流ピット500右側の壁面)にもドレインアウトを有している場合、開口部11の反対側の外管1b側壁にも開口部を設けてもよい。これらと対応するように、外管の下端(下流端)付近の側壁に複数の開口部が設けられていてもよい。
なお、開口部が複数存在する場合、Lexitは最も下側(下流側)に位置する開口部下端(下流端)から内管1a下端(下流端)までの距離とする。Linは最も上側(上流側)に位置する開口部上端(上流端)と内管上端(上流端)との間の距離とする。Sは全ての開口部の面積の合計とする。但し、上記式(14)については、互いに対応関係にある開口部(外管下端側の開口部とドレインアウトの開口部)について適用される。
以上、本発明の導管構造を下降管の下端(下流端)に接続する延長管として使用する場合について説明した。但し、本発明の導管構造は、下降管自体としても使用することができる。
減圧脱泡装置において、白金製または白金合金製の中空管を下降管として使用する場合がある。この場合、白金製または白金合金製の下降管として、本発明の導管構造を使用してもよい。
白金製または白金合金製の中空管を下降管として使用する場合、通常は複数本の中空管を接合して1本の下降管とする。本発明の導管構造は、下降管を構成する複数本の中空管のうち、下端側(下流端側)の中空管として使用する。但し、白金製または白金合金製の1本の中空管からなる下降管として、本発明の導管構造を使用してもよい。
なお、導管構造の寸法等については、下降管の延長管として使用する場合について上述したのと同様である。
本発明の導管構造の用途は、減圧脱泡装置の下降管および該下降管の下端(下流端)に接続する延長管に限定されず、ガラス製造装置に含まれる、下降管およびその延長管以外の溶融ガラスの導管構造としても用いることができる。
ガラス製造装置の溶融ガラスの導管構造は、いずれも耐火レンガ製、または、白金若しくは白金合金製である。したがって、耐火レンガから溶出した成分の溶融ガラスGへの混入や、白金壁面と溶融ガラスとの界面での異物等の発生は、ガラス製造装置を構成する全ての溶融ガラスの導管構造で生じる可能性がある。
内部が減圧された減圧脱泡槽120、ならびに、該減圧脱泡槽120と接続する上昇管150および下降管140は、溶融ガラスの成分が揮発しやすく、ガラス製造装置における、耐火レンガからの成分の溶出や、白金壁面と溶融ガラスとの界面での異物等の発生源の一つである。
一方、ガラス製造装置にはこれら以外にも、溶融ガラスの成分の揮発が起こり、耐火レンガからの成分の溶出や、白金壁面と溶融ガラスとの界面での異物等の発生のおそれがある部位が存在する。
このような部位としては、例えば、図1に示す構成中、溶解槽300が挙げられる。また、ガラス製造装置において、溶融ガラスの流路途中に設けられる攪拌槽が挙げられる。
本発明の導管構造は、これらの部位で発生した異物等を含む境界層流を溶融ガラスのメインフローから物理的に分離する目的でも用いることができる。例えば、溶解槽300と上流側ピット400とを接続する導管700として本発明の導管構造を用いることができる。
本発明の第1の態様の減圧脱泡装置では、本発明の導管構造が耐火レンガ製の下降管に接続する延長管、または白金製または白金合金製の下降管自体として使用されている。したがって、図1に示す減圧脱泡装置100は、本発明の第1の態様の減圧脱泡装置の一例である。
本発明の第1の態様の減圧脱泡装置において、本発明の導管構造、すなわち、耐火レンガ製の下降管に接続する延長管、または白金製もしくは白金合金製の下降管、以外の構成は特に限定されない。
次に、本発明の第2の態様の減圧脱泡装置について説明する。
図8は、本発明の第2の態様の減圧脱泡装置を示した断面図である。図8に示す減圧脱泡装置100’は、以下の相違点以外は図1に示す減圧脱泡装置100と同じである。
・下降管140の下端側(下流端)に接続する延長管160’が二重管構造を有していない。
・下流側ピット180が後述する構造を有する。
図9は、図8に示す減圧脱泡装置100’の下流側ピット180およびその周辺を示した部分拡大図である。
図9に示す下流側ピット180は、外管をなすピット本体181と、該ピット本体181内に位置し、下流方向に延びる内管182と、の二重管構造となっている。上記のような二重管構造とすることで、耐火レンガから溶出した成分、白金壁面との界面で発生した異物等を含んだ境界層流、より具体的には、下降管160’から下流側ピット180へと移動する溶融ガラスにおいて、境界層流を溶融ガラスのメインフローから分離することができる。
ピット本体181は、上端(上流端)が開口した有底筒状体であり、上端(上流端)の開口部の形状は、例えば四角形等の方形または円形である。ピット本体181の底部にはドレインアウト183が設けられている。
内管182は、両端が開口した中空筒状管であり、その断面形状は例えば円形である。内管182は、その一端が溶融ガラスの流動方向における上流側、すなわち、下降管140側、より具体的には下降管140の下端(下流端)に取り付けられた延長管160’側、に位置しており、他端は、ピット本体181の側面を貫通して溶融ガラスの流動方向における下流方向に延びている。内管182は、その全体形状が略L字状をなしている。
ピット本体181、内管182およびドレインアウト183は、通常は白金製または白金合金製である。ピット本体181、内管182およびドレインアウト183が白金製または白金合金製の場合、その断面形状は、円形または楕円形状であることが、作製の容易さや変形の困難性等の理由により好ましい。
但し、ピット本体、内管182およびドレインアウト183は、電鋳レンガのような耐火レンガ製であってもよい。ピット本体181、内管182およびドレインアウト183が耐火レンガ製の場合、その断面形状は、四角形等の多角形、円形または楕円形状であることが、作製の容易さや耐火レンガの侵食の防止等の理由により好ましい。
図9において、延長管160’と、内管182と、がオーバーラップしている部分を有する。より具体的には、内管182の上端(上流端)が延長管160’の内部に位置することで両者がオーバーラップしている。但し、延長管160’と、内管182と、がオーバーラップしている部分を有することは必須ではなく、両者がオーバーラップしなくてもよい。
図8に示す減圧脱泡装置100’では、下降管140が耐火レンガ製であるため、該下降管140の下端(下流端)に取り付けられた白金製または白金合金製の延長管160’が下流側ピット180内(ピット本体181内)の溶融ガラスに浸漬しているが、減圧脱泡装置によっては、白金製または白金合金製の下降管が下流側ピット内の溶融ガラスに浸漬している場合もある。このような場合、白金製または白金合金製の下降管と、下流側ピットの内管と、が直接オーバーラップする。
以下、本明細書において、「下降管と、下流側ピットの内管と、がオーバーラップしている」と言った場合、下記(a),(b)の両方を包含する。
(a)耐火レンガ製の下降管の下端(下流端)に取り付けられた白金製または白金合金製の延長管と、下流側ピットの内管と、がオーバーラップしている。
(b)白金製または白金合金製の下降管と、下流側ピットの内管と、が直接オーバーラップしている。
第2の態様の減圧脱泡装置において、境界層流と、メインフローと、を適切に分離するために以下に述べる点について留意すべきである。以下に述べる点については図10を参照のこと。なお、図10は、各部の寸法を示す符号が追加されている点を除いて図9と同一である。
図10において、延長管160’の内径D1と、内管182の外径D2と、は下記式(17)で表される関係を満足することが好ましい。
1 > D2・・・(17)
すなわち、第2の態様の減圧脱泡装置において、延長管(下降管である場合も含む)と、下流側ピットの内管と、がオーバーラップしている場合、下流側ピットの内管の上端(上流端)が延長管内部に位置する関係となる。
第2の態様の減圧脱泡装置において、延長管と、内管とが上記のような関係になっていることにより、以下に述べる効果が発揮される。
上記したように、耐火レンガからの溶出成分や白金壁面との界面で発生した異物等は、溶融ガラス中に均一に拡散することなく、導管の壁面に沿って厚さ3〜5mm程度の境界層流として流れるので、境界層流を含んだ溶融ガラス流が、図9中、延長管160’と、内管182と、がオーバーラップしている部分に到達すると、耐火レンガからの溶出成分や白金壁面との界面で発生した異物等を含んだ境界層流は、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の隙間に属する領域、すなわち、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分に移動する(図中、矢印Bで表す。)。一方、境界層流を除いたメインフローは内管182の内部に移動する(図中、矢印Aで表す。)。この結果、境界層流とメインフローとが物理的に分離される。
内管182の内部を移動するメインフローは、図中矢印A方向に沿って移動する。すなわち、内管182内部を下流方向へと移動する。一方、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分を移動する境界層流は、図中矢印B方向に沿って移動し、ドレインアウト183から排出される。
このようにして、耐火レンガからの溶出成分や白金壁面との界面で発生した気泡を含んだ境界層流から分離されたメインフローのみが成形装置へと供給される。一方、ドレインアウト183から排出された境界層流は廃棄されカレット化される。
境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、延長管160’の内径D1と内管182の外径D2との差ΔD(mm)が、内管182の内径D3(mm)との間で下記式(18)で表される関係を満たすことが好ましい。
ΔD ≧ 0.04×D3・・・(18)
ΔDおよびD3が、上記式(18)で示す関係を満たしていれば、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅、すなわち、ΔD/2が、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。
ΔDは、具体的には10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましく、40mm以上200mm以下であることが特に好ましい。ΔDを200mm超とした場合、境界層流の厚さに対して、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅が大きくなりすぎるため、メインフローの流量が減少し好ましくない。
図9に示す導管構造1において、境界層流のみが分離されて、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分に移動することが好ましく、これを達成するためには延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅を境界層流の層厚と実質的に同一にすることが理想的である。
しかしながら、減圧脱泡の実施時における境界層流の層厚は、必ずしも一定ではなく、変動する場合もある。ゆえに、境界層流を確実に分離して、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分に移動させるためには、該空隙部分の幅を境界層流の層厚よりもある程度大きいことが好ましい。この場合、メインフローの一部も分離されて、該空隙部分に移動する。
したがって、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅が境界層流の層厚よりも大きすぎる場合、メインフローのうち、分離されて該空隙部分に移動する量が増加して、製造されるガラスの歩留まりを低下させるので好ましくない。
第2の態様の減圧脱泡装置において、ΔDおよびD3が下記式(19)で示す関係を満たすことがより好ましく、下記式(20)で示す関係を満たすことがさらに好ましい。
ΔD ≧ 0.08×D3・・・(19)
0.1×D3 ≦ ΔD ≦0.6×D3・・・(20)
ここで、D3は、通常は50〜900mmであり、より好ましくは100〜700mmである。白金製または白金合金製の内管182および延長管160’の肉厚は、0.4〜6mmであることが好ましく、0.8〜4mmであることがより好ましい。
以上の点から、内管182の外径D2は、51〜912mmであることが好ましく、より好ましくは102〜708mmである。延長管160’の外径は、60〜1300mmであることが好ましく、より好ましくは123〜1000mmである。
また、境界層流と、メインフローと、を物理的に分離するために、延長管160’の流路の断面積から内管182の流路の断面積を引いた断面積差ΔS(mm2)と、内管182の流路の断面積S1(mm2)と、が下記式(21)で表される関係を満たすことが好ましい。
ΔS ≦ S1・・・(21)
ここで、延長管160’および内管182の流路の断面積とは、延長管160’および内管182の流路の長手方向に対して直交する方向の断面積を指す。ΔSおよびS1が式(21)で表される関係を満たしていれば、境界層流の厚さに対して、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅が大きくなりすぎないため、メインフローのうち、分離されて該空隙部分に移動する量が増加することがない。したがって、製造されるガラスの歩留まりが低下することがない。
また、 0.50×S1 ≦ ΔSであることが好ましい。
第2の態様の減圧脱泡装置において、オーバーラップ部分を有していることが好ましい。オーバーラップ部分を有していることで、境界層流とメインフローとを分離する効果が増大するため好ましい。
オーバーラップ部分の長さL(mm)と、内管182の外径D2(mm)と、が下記式(22)で表される関係を満たすことが好ましい。
L ≧ 0.5×D2・・・(22)
減圧脱泡装置100’の使用時、減圧脱泡槽120内における溶融ガラスGの液面の高さを調節するため、減圧脱泡槽120を最大で500mm程度上下させる。この際、延長管160’は、減圧脱泡槽120の変位にしたがって上下に移動する。このためオーバーラップ部分の長さLは、減圧脱泡槽120の変位にしたがって変化し、減圧脱泡槽120を最大限上昇させた際にLが最小となる。
Lが最小となるこの状態を含めた全ての状態において、LおよびD2が上記式(22)に表す関係を満たすことが好ましい。但し、上記したとおり、Lはゼロ(つまり、延長管160’と、内管182と、がオーバーラップしていない)であってもよい。
また、内管の上端(上流端)が延長管(下降管)内に入り込みすぎる可能性があることから、Lは、下記式(23)を満たすことが好ましい。
L ≦ 5 × D2・・・(23)
Lが最小となる状態を含めた全ての状態でLおよびD2が上記式(23)に表す関係を満たしていれば、減圧脱泡槽120の変位にかかわらず、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の長さが境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。また、減圧脱泡槽120を最大限に上下させても、延長管160’の先端が下流側ピット180(ピット本体181)内の溶融ガラスGに常に浸漬した状態となる。
2は、減圧脱泡装置の規模、特に減圧脱泡装置を通過する溶融ガラスの流量(t/日)によって異なるが、通常は51〜912mmであり、より好ましくは102〜708mmである。Lは30mm以上1000mm以下であることが好ましく、50mm以上700mm以下であることがより好ましい。Lを1000mm超としても、境界層流とメインフローとの分離にはもはや寄与が少なく、オーバーラップしている部分の長さが非常に長くなるのでコスト増となる。
なお、延長管160’自体の長さは、通常は200〜3000mmであり、より好ましくは400〜1500mmである。内管182は、図中下流方向に延びているため、その長さは特に限定されない。但し、内管182の長さは、50mm〜600mmであることが好ましく、100mm〜500mmであることがより好ましい。
上述したように、耐火レンガから溶出した成分や溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物等を含む境界層流は、減圧脱泡槽120内を移動する溶融ガラスGの表層をなす。したがって、溶融ガラスGが下降管140へと移動する際には、減圧脱泡槽120の下流端の壁面に沿って折り返す形で下降管140へと移動する傾向がある。この結果、水平方向上流側の下降管140壁面に沿って流れる境界層流よりも、水平方向下流側の下降管140壁面に沿って流れる境界層流のほうが多くなる傾向がある。言い換えると、上流側の下降管140壁面に沿って流れる境界層流の厚さよりも、下流側の下降管140壁面に沿って流れる境界層流の厚さのほうが大きくなる傾向がある。下降管140から延長管160’へと移動した境界層流においてもこの状態が維持されるので、水平方向上流側の延長管160’の壁面に沿って流れる境界層流の厚さよりも水平方向下流側の延長管160’の壁面に沿って流れる境界層流の厚さのほうが大きくなる傾向がある。
第2の態様の減圧脱泡装置において、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅を設定する際、上述したような減圧脱泡装置1’内での境界層流の流動傾向、すなわち、下降管140および延長管160’内を移動する境界層流の厚さが水平方向上流側よりも水平方向下流側のほうが大きくなる傾向がある点を考慮することが好ましい。
図11は、第2の態様の減圧脱泡装置の別の実施形態を示した断面図である。図11では、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅が、図中左側、すなわち、水平方向における溶融ガラスG(図8参照)の流動方向における上流側、の空隙部分の幅w1upstreamよりも、図中右側、すなわち、水平方向における溶融ガラスGの流動方向における下流側、の空隙部分の幅w1downstreamのほうが大きく、下記式(24)を満たす関係となっている。
1downstream > w1upstream・・・(24)
第2の態様の減圧脱泡装置において、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅を上記式(24)を満たすように設定することにより、延長管160’内を移動する境界層流の厚さが水平方向上流側よりも水平方向下流側のほうが大きい場合であっても、境界層流と、メインフローと、を適切に分離することができる。
図11において、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅が下記式(25)を満たすように設定することがより好ましい。
1downstream ≧ 2×w1upstream・・・(25)
なお、図11において、意図した機能を発揮するためには、すなわち、延長管160’内を移動する境界層流の厚さが水平方向上流側よりも水平方向下流側のほうが大きい場合であっても、境界層流と、メインフローと、を適切に分離するためには、オーバーラップ部分の上流端において、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅が上記式(24)を満たしていればよく、オーバーラップ部分の他の部分では該空隙部分の幅が上記式(24)を満たしていなくてもよい。但し、この場合、空隙部分の幅が、溶融ガラス流の流動方向に沿って変化することになるので、空隙部分を移動する境界層流で圧損が発生するおそれがある。したがって、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅は、オーバーラップ部分の溶融ガラス流の流動方向全体にわたって上記式(24)を満たすことが好ましい。
第2の態様の減圧脱泡装置において、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅が上記式(24)を満たすように設定する方法としては、内管182内に延長管160’を水平方向上流側に偏心させて配置する方法、延長管160’の内壁と内管182の外壁との間の空隙部分の幅が水平方向下流側において部分的に拡大するように、溶融ガラスの流れに直交する方向の断面形状が部分的に拡径した延長管160’または溶融ガラスの流れに直交する方向の断面形状が部分的に縮径した内管182を用いる方法が挙げられる。
なお、図11に示す実施形態においても、上記した式(17)〜(23)の関係が適用される。
第2の態様の減圧脱泡装置においては、下流側ピットが、外管をなすピット本体と、ピット本体内に位置し下流方向に延びる内管と、の二重管構造であればよく、図9に示すような延長管160’と内管182とがオーバーラップしているものに限定されない。
図12は、第2の態様の減圧脱泡装置の別の実施形態の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図である。本実施形態は、延長管と、内管と、の関係が異なる点以外は、図9に示す実施形態と同じである。
図12に示す実施形態では、延長管160’と、内管182’’と、がオーバーラップしておらず、延長管160’の下端(下流端)と、内管182’’の上端(上流端)と、が離れている。オーバーラップしていないことで、白金導管自体を簡素化することができるとともに、設備上の設計を容易化することが可能となる。
なお、オーバーラップをしないことは、単なる設計変更であると認定されるおそれもあるが、そうではない。そこには溶融ガラスの装置特有の困難性を有していることを念頭に置く必要がある。
ガラス製造設備は、一度組み立てて溶融ガラスを流し始めると、非常に長期間(2〜15年程度)連続運転される。そうすると、もし何らかの失敗があった場合には、修理はほとんど効かず、全面的な建替えが必要になる。また、溶融ガラスは1200℃以上という非常な高温であるから、その流れを直接見ることは非常に困難である。そう考えた場合、溶融ガラス装置の設計は、後で問題が生じないような設備であると同時に、簡易な設備であることが好ましい場合がある。
このオーバーラップをしない導管構造は、オーバーラップをさせなくとも、本発明の目的を達成できる、という点で非常に大きい貢献を有している。
図12に示す延長管160’に境界層流を含む溶融ガラス流を流した場合、耐火レンガからの溶出成分や白金壁面との界面で発生した異物等を含んだ境界層流は、延長管160’の下端(下流端)に到達すると、矢印B方向に沿って移動する。すなわち、延長管160’の下端(下流端)から外側に広がりピット本体181の内壁と内管182’’の外壁との間の空隙を移動する。一方、メインフローは矢印A方向に沿って移動し、内管182’’内部を移動する。この結果、境界層流と、メインフローと、が物理的に分離される。
図12に示す実施形態において、境界層流が矢印B方向に沿って移動する理由について以下に説明する。
下降管160’の下端(下流端)と内管182’’の上端(上流端)との間の部分では、メインフローが流れるピット本体181の中心付近と、ピット本体181の外周付近(内壁付近)と、で圧力差が生じ、ピット本体181の外周付近(内壁付近)はピット本体181の中心付近に比べて圧力が低い状態となる。この圧力差によって、境界層流は矢印B方向に沿って移動する。
図12に示す実施形態において、内管182’’内部を移動するメインフローは、図中矢印A方向に沿って移動し、下流方向へと移動する。一方、ピット本体181の内壁と内管182’’の外壁との間の空隙部分を移動する境界層流は、図中矢印B方向に沿って移動し、ドレインアウト183から排出される。このようにして、耐火レンガからの溶出成分や白金壁面との界面で発生した気泡を含んだ境界層流から分離されたメインフローのみが成形装置へと供給される。一方、ドレインアウト183から排出された境界層流は廃棄処分される。
図12に示す実施形態において、延長管160’の下端(下流端)と内管182’’の上端(上流端)との距離dと、内管182’’の外径D2と、が下記式(26)で表される関係を満たすことが好ましい。
0 < d ≦ 5×D2・・・(26)
dおよびD2が上記式(26)を満たしていれば、延長管160’の下端(下流端)と内管182’’の上端(上流端)との距離が、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに十分である。より具体的には、dおよびD2が上記式(26)を満たしていれば、境界層流が矢印B方向に沿って移動する一方で、メインフローは矢印A方向に沿って移動する。したがって、メインフローの一部が矢印B方向に沿って移動するおそれがなく、矢印B方向に沿って移動する境界層流の一部が再びメインフローに合流するおそれもない。
dおよびD2が、下記式(27)を満たしていることがより好ましく、下記式(28)を満たしていることがさらに好ましい。
0.5×D2 ≦ d ≦ 4×D2・・・(27)
0.5×D2 ≦ d ≦ 2×D2・・・(28)
2は、図10に示す実施形態について記載したのと同様であり、通常は51〜912mmであり、より好ましくは102〜708mmである。dは30mm以上1000mm以下であることが好ましく、50mm以上700mm以下であることがより好ましい。
なお、延長管160’および内管182’’の寸法については、図10に示す実施形態について記載したのと同様である。
図13は、第2の態様の減圧脱泡装置のさらに別の実施形態の下流側ピットおよびその周辺を示した部分拡大図である。但し、内管182’’’上端(上流端)の形状が図12とは異なっている。図13において、内管182’’’上端(上流端)には拡径部が設けられている。図13に示す内管182’’’は、上端(上流端)に拡径部が設けられていることにより、設備的な設計変更を最小限に抑えつつ、メインフローの流量を増大させることが可能となる。
なお、拡径部は、図13のように急峻に径を小さくするのみならず、傾斜的にまたは階段状に径を小さくするものであってもよい。
図12または図13に示す実施形態において、延長管160’の内径D1と、内管182’’,182’’’の外径D2と、が下記式(29)で表される関係を満たすことが好ましい。
0.98×D2 ≦ D1 ≦ 2.5×D2・・・(29)
ここで、図13のように、内管182’’’上端(上流端)に拡径部が設けられている場合、内管182’’’の外径D2は拡径部の外径を意味する。
延長管160’の内径D1と、内管182’’,182’’’の外径D2と、が上記式(29)に示す関係を満たしていれば、延長管160’の内径と、内管182’’,182’’’の外径と、の差が顕著に大きくないため、境界層流とメインフローとを物理的に分離するのに好適である。延長管160’の内径と、内管182’’,182’’’の外径と、の差が顕著に大きい場合、境界層流をメインフローから十分分離することができないおそれがある(内管182’’,182’’’の外径が大きい場合)。また、メインフローのうち境界層流側に分離される量が増加して、製造されるガラスの歩留まりを低下させるので好ましくない(延長管の160’の内径が大きい場合)。
本発明の第1および第2の減圧脱泡装置は、減圧脱泡槽内を移動する溶融ガラス流、より具体的には、減圧脱泡槽内を移動する溶融ガラス流の表層、の流れを該減圧脱泡槽の側壁方向に誘導する流れ制御部材が減圧脱泡槽内に設けられていることが好ましい。
上述したように、本発明の第1の減圧脱泡装置では下降管または該下降管の下端(下流端)に接続する延長管が有する二重管構造を利用して、該下降管若しくは延長管内を移動する溶融ガラスの境界層流と、メインフローと、を分離する。本発明の第2の減圧脱泡装置では、下降管若しくは該下降管の下端(下流端)に接続する延長管と、下流側ピットが有する内管と、がなすオーバーラップ部分(但し、オーバーラップしない場合もある)を利用して、該下降管若しくは延長管内を移動する溶融ガラスの境界層流と、メインフローと、を分離する。
上述したように、耐火レンガから溶出した成分や溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物等を含む境界層流は、減圧脱泡槽内を移動する溶融ガラス流の表層をなす。
したがって、減圧脱泡槽内を移動する溶融ガラス流の表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導することにより、本発明の第1および第2の減圧脱泡装置における、溶融ガラスの境界層流とメインフローとの分離をより効果的に行うことができる。
図14(a)は、図1および図7と同様の減圧脱泡装置の断面図である。但し、減圧脱泡装置のうち、減圧脱泡槽120、および該減圧脱泡槽120に接続する上昇管130および下降管140のみが示されている。図14(b)は、図14(a)に示す減圧脱泡装置の平面図である。但し、減圧脱泡槽120の内部構造が見えるように、減圧脱泡槽120上部の壁面が省略されている。
図14(a)に示すように、減圧脱泡槽120内には、その一部が溶融ガラスGの表層に浸漬するように、流れ制御部材122が設けられている。図14(b)に示すように、流れ制御部材122は、その平面形状が、溶融ガラスGの流動方向上流側の幅W1が狭く、下流側の幅W2が広い略V字状である。図14(b)に示すように、流れ制御部材122を設けることにより、減圧脱泡槽120内を移動する溶融ガラスGの表層の流れが、図中矢印で示すように、減圧脱泡槽120の両方の側壁方向に誘導される。
なお、流れ制御部材122はその一部が溶融ガラスGの表層に浸漬されるため、耐火レンガ製、または、白金若しくは白金合金製である。
流れ制御部材によって、溶融ガラス流の表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するために以下に述べる点について留意すべきである。
流れ制御部材122は、溶融ガラス流の表層で且つ溶融ガラス流の流れに直交する水平方向における幅、すなわち、平面形状における幅、が下記式(30)を満たすことが好ましい。
1 < W2・・・(30)
上記式(30)中、W1は最上流側における前記流れ制御部材の幅(mm)であり、W2は最上流側における流れ制御部材の幅である。
上記式(30)を満たしていれば、流れ制御部材122の幅が溶融ガラスGの流れ方向の下流側に向かって大きくなるので、すなわち、流れ制御部材122の平面形状が、溶融ガラスGの流れ方向の下流側に向かって広がった形状となるので、溶融ガラスGの表層を矢印で示すように減圧脱泡槽120の側壁方向に誘導することができる。
1およびW2は下記式(31)を満たすことがより好ましい。
1 < W2/2・・・(31)
したがって、流れ制御部材はその平面形状が溶融ガラスGの流れ方向の下流側に向かって広がった形状であればよく、図14(b)に示すような略V字状に限定されない。例えば、溶融ガラスGの流れ方向の下流側に向かって広がった略U字状や略人の字状であってもよく、溶融ガラスGの流れ方向の上流側が上底、下流側が下底になるように配置した略台形状であってもよい。また、図14(b)に示す流れ制御部材は、溶融ガラスGの表層を減圧脱泡槽120の側壁方向に誘導するのに寄与する部分、すなわち、略V字状の部分のみからなり、溶融ガラスGの下流側は中空構造になっているが、この部分が中実構造となった略三角形状の構造であってもよい。
減圧脱泡槽120内における溶融ガラスGの流れ方向を軸とした場合に、流れ制御部材122の平面形状が該軸に対して略線対称であると、溶融ガラスGの表層が、図14(b)中、減圧脱泡槽120の両方の側壁方向に均等に誘導されるので好ましい。なお、溶融ガラスGの表層を減圧脱泡槽120の両方の側壁方向に均等に誘導するためには、減圧脱泡槽120の幅方向における中央付近を流れる溶融ガラスGの流れ方向を軸とした場合に、流れ制御部材122の平面形状が該軸に対して略線対称であることが好ましい。
但し、溶融ガラス流の表層を減圧脱泡槽の側壁方向に誘導する上で不都合がない限り、流れ制御部材の平面形状は該軸に対して非対称であってもよい。
流れ制御部材122の最下流側が、下降管140の管軸(図14(a)中、破線で示す。)よりも溶融ガラスGの流れ方向の上流側に位置することが好ましい。流れ制御部材122の最下流側が、下降管140の管軸よりも溶融ガラスGの流れ方向の下流側に位置していると、下降管140に到達する前に、溶融ガラスGの表層を減圧脱泡槽120の側壁方向に誘導することができないおそれがある。
また、流れ制御部材122を減圧脱泡槽120の上流側に設けると、減圧脱泡槽120の側壁方向に誘導された溶融ガラスGの表層の一部が、減圧脱泡槽120内を下流方向に移動する間に、減圧脱泡槽120の中央付近に戻るおそれがあるので、図14(a),(b)に示すように、流れ制御部材122は、減圧脱泡槽120において、溶融ガラスGの下流側に設けることが好ましい。
流れ制御部材122の平面形状のうち、溶融ガラスGの表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するのに寄与する部分と、溶融ガラスGの流れ方向(図14(b)中、G0で示す。)と、がなす角度の最大値αが下記式(32)を満たすことが好ましい。
15°≦ α ≦ 85°・・・(32)
ここで、溶融ガラスGの表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するのに寄与する部分とは、図14(b)に示す流れ制御部材122の場合、略V字状をなす2本の腕を指す。流れ制御部材の平面形状が、溶融ガラスGの流れ方向の下流側に向かって広がった略U字状や略人の字状の場合、略U字状または略人の字状をなす2本の腕を指す。これらの平面形状の場合、溶融ガラスGの表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するのに寄与する部分と、溶融ガラスGの流れ方向G0と、がなす角度が変化するが、そのうちの最大値が上記式(32)を満たしていればよい。また、流れ制御部材の平面形状が略台形状の場合、溶融ガラスGの流れ方向G0に直交し、溶融ガラスGの表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するのに寄与しない上底、下底ではなく、溶融ガラスGの流れ方向G0に対して傾斜して配置され、溶融ガラスGの表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するのに寄与する、上底と下底とをつなぐ2本の腕を指す。また、流れ制御部材の平面形状が略三角形状の場合、溶融ガラスGの流れ方向G0に直交し、溶融ガラスGの表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するのに寄与しない底辺部分ではなく、溶融ガラスGの流れ方向G0に対して傾斜して配置され、溶融ガラスGの表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するのに寄与する、溶融ガラスGの流れ方向の上流側に位置する略三角形状の頂点と、略三角形状の底辺と、をつなぐ2本の腕を指す。
角度αが15°未満だと、溶融ガラスGの表層を減圧脱泡槽120の側壁方向に誘導する作用が不十分になるおそれがある。一方、角度αが85°超だと、溶融ガラスGの流れ方向に対する角度が大きくなり過ぎるため、溶融ガラスGの流れを阻害するおそれがある。
角度αは下記式(33)を満たすことがより好ましい。
30°≦ α ≦80°・・・(33)
流れ制御部材122が、下記式(34),(35)を満たすことが好ましい。
20mm ≦ X・・・(34)
50mm ≦ h・・・(35)
式(34)中、Xは流れ制御部材122が溶融ガラスGの表層に浸漬された深さである。式(35)中、hは減圧脱泡槽120の底面から流れ制御部材122の底面までの高さである。
Xが20mm未満だと、溶融ガラスGの表層の一部が流れ制御部材122の下方に回りこんでしまい、該表層を減圧脱泡槽120の側壁方向に誘導する作用が不十分になるおそれがある。
hが50mm未満だと減圧脱泡槽120の底面と流れ制御部材122の底面との距離が小さくなりすぎるため、両者の間を通過する溶融ガラスGの流速が大きくなり、溶融ガラスGの表層を巻き込んでしまい、該表層を減圧脱泡槽120の側壁方向に誘導する作用が不十分になるおそれがある。
Xは30mm以上であることがより好ましく、40mm以上であることがさらに好ましい。
hは60mm以上であることがより好ましく、70mm以上であることがさらに好ましい。
流れ制御部材122の最下流側と、減圧脱泡槽120の側壁と、の、溶融ガラスGの表層で且つ溶融ガラスGの流れに直交する方向における二つの間隙Y1、Y2(mm)が下記式(36),(37)を満たすことが好ましい。
Z ≦ Y1 ≦ φ/4・・・(36)
Z ≦ Y2 ≦ φ/4・・・(37)
式(36),(37)中、φは溶融ガラスGの表層で且つ溶融ガラスGの流れに直交する水平方向における減圧脱泡槽120の内径であり、Zはφ/30またはX/2のうち、いずれか小さい方の値である。
1,Y2がφ/4よりも大きいと、間隙が広くなり過ぎるため、溶融ガラスGの表層を減圧脱泡槽120の側壁方向に誘導する作用が不十分になるおそれがある。一方、Y1,Y2がφ/30よりも小さい場合、間隙が狭くなり過ぎるため、溶融ガラスGの流れを阻害するおそれがある。一方、Y1,Y2がX/2よりも小さい場合、流れ制御部材122が溶融ガラスGに浸漬している部分の深さが、減圧脱泡槽120の側壁との間隙に比べて小さいため、溶融ガラスGの表層の一部が流れ制御部材122の下方に回りこんでしまい、該表層を減圧脱泡槽120の側壁方向に誘導する作用が不十分になるおそれがある。
以上、流れ制御部材について、溶融ガラスGの表層を減圧脱泡槽の両方の側壁方向に誘導する形態について図示して説明したが、流れ制御部材は、少なくとも一部が溶融ガラス流の表層に浸漬するように減圧脱泡槽内に設置され、溶融ガラス流の表層の流れを減圧脱泡槽の側壁方向に誘導することができればよく図示した形態に限定されない。したがって、流れ制御部材は溶融ガラスGの表層を減圧脱泡槽の一方の側壁方向に誘導するものであってもよい。
図15は、図14(b)と同様、減圧脱泡装置の平面図である。図15では、流れ制御部材122’が溶融ガラスGの流れ方向G0に対して傾斜して直線状に配置されており、減圧脱泡槽120内を移動する溶融ガラスGの表層を減圧脱泡槽120の一方の側壁方向に誘導する。
なお、図15に示す実施形態においても、上記した式(32)〜(37)の関係が適用される。但し、図15に示す実施形態では、溶融ガラスGの表層を誘導する側の減圧脱泡槽の側壁との間に間隙Y1があればよく、溶融ガラスGの表層を誘導しない側の側壁との間には間隙Y2が存在しなくてもよい。この場合、式(36),(37)のうち、式(36)の関係のみが適用される。
本発明の溶融ガラスの減圧脱泡方法では、電鋳レンガ製の下降管に接続する延長管、または白金製または白金合金製の下降管自体として、本発明の導管構造を用いた減圧脱泡装置、すなわち、本発明の第1の態様の減圧脱泡装置を使用し、溶解槽から供給される溶融ガラスを所定の減圧度に減圧された減圧脱泡槽を通過させて減圧脱泡を行う。
または、本発明の溶融ガラスの減圧脱泡方法では、本発明の第2の態様の減圧脱泡装置を使用し、溶解槽から供給される溶融ガラスを所定の減圧度に減圧された減圧脱泡槽を通過させて減圧脱泡を行う。
本発明の溶融ガラスの減圧脱泡方法では、耐火レンガからの溶出成分、溶融ガラスの導管を構成する白金壁面と溶融ガラスとの界面で発生した異物等が分離除去された溶融ガラスを成形装置に供給することができる。この結果、欠点の少ない高品質のガラス製品を製造することができる。
本発明の溶融ガラスの減圧脱泡方法において、溶融ガラスは、減圧脱泡槽に連続的に供給・排出されることが好ましい。
溶解槽から供給される溶融ガラスとの温度差が生じることを防止するために、減圧脱泡槽は、内部が1100℃〜1500℃、特に1150℃〜1450℃の温度範囲になるように加熱されていることが好ましい。なお、溶融ガラスの流量が1〜1000トン/日であることが生産性の点から好ましい。
溶融ガラスの流量は、メインフローとドレインアウトとの合計量となるが、メインフローの流量は、ドレインアウトの流量の1倍以上、特に2倍以上、さらには5倍以上であることが好ましい。メインフローの流量が少なすぎると生産性が劣り、多すぎるとメインフローと境界層流との分離が不十分になるおそれがある。
減圧脱泡方法を実施する際、減圧ハウジングを外部から真空ポンプ等によって真空吸引することによって、減圧ハウジング内に配置された減圧脱泡槽の内部を、所定の減圧状態に保持する。ここで減圧脱泡槽内部は、51〜613hPa(38〜460mmHg)に減圧されていることが好ましく、より好ましくは、減圧脱泡槽内部は80〜338hPa(60〜253mmHg)に減圧されていることが好ましい。
本発明によって脱泡されるガラスは、加熱溶融法により製造されるガラスである限り、組成的には制約されない。したがって、ソーダライムガラスに代表されるソーダライムシリカ系ガラスやアルカリホウケイ酸ガラスのようなアルカリガラスであってもよい。
減圧脱泡装置の各構成要素の寸法は、使用する減圧脱泡装置に応じて適宜選択することができる。図1,7に示す減圧脱泡槽120の場合、その寸法の具体例は以下の通りである。
水平方向における長さ:1〜20m
内部断面形状における幅:0.2〜5m
上昇管130および下降管140の寸法の具体例は以下の通りである。
長さ:0.2〜6m、好ましくは0.4〜4m
内部断面形状における幅:0.05〜0.8m、好ましくは0.1〜0.6m
上昇管130に接続する延長管150の寸法は、本発明の導管構造の外管について記載したのと同様である。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、減圧脱泡装置の下降管、もしくは該下降管に接続する延長管として用いることができ、溶融ガラスから異物等を効果的に除去できる溶融ガラスの減圧脱泡装置に好適である。

なお、2006年8月29日に出願された日本特許出願2006−231831の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (32)

  1. 白金製または白金合金製の中空管からなる溶融ガラスの導管構造であって、
    前記導管構造は、少なくとも下流端側が内管および外管からなる二重管構造をなしており、
    前記内管は、上流端および下流端が開放端であり、
    前記外管は、下流端において、前記二重管構造中、前記外管と内管との隙間に属する領域が閉止端であって、前記内管に属する領域が開放端であり、
    前記導管構造の上流端が開放端であり、
    前記外管の前記下流端側には開口部が設けられていることを特徴とする溶融ガラスの導管構造。
  2. 前記導管構造の前記下流端側において、前記内管が前記外管の閉止端から突出していることを特徴とする請求項1に記載の溶融ガラスの導管構造。
  3. 前記内管上流端側から前記開口部の上流端までの距離Lin(mm)と、前記内管の内径Din(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の溶融ガラスの導管構造。
    in ≧ Din/2
  4. 前記外管の内径と前記内管の外径との差Dout-in(mm)と、前記内管の内径Din(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
    out-in/2 ≧ 0.02×Din
  5. 前記内管上流端から前記開口部の上流端までの距離Lin(mm)と、前記外管の内径と前記内管の外径との差Dout-in(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
    in ≧ (Dout-in/2)×3
  6. 前記外管の流路の断面積から前記内管の流路の断面積を引いた断面積差Sout-in(mm2)と、前記内管の流路の断面積Sin(mm2)と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
    out-in ≦ Sin
  7. 前記開口部の面積S(mm2)と、前記外管の内径Dout(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
    S ≧ 9×Dout
  8. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置の下降管として用いられる請求項1ないし7のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
  9. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置の前記下降管に接続する延長管として用いられる請求項1ないし7のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造。
  10. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、
    前記下降管として、請求項1ないし7のいずれかに記載の導管構造を用いることを特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡方法。
  11. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、
    前記下降管に接続する延長管として、請求項1ないし7のいずれかに記載の導管構造を用いることを特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡方法。
  12. 白金製または白金合金製の中空管からなる導管構造と、前記導管構造の下流端側に設けられ、少なくとも1つの開口部を有するドレインアウトと、を有する溶融ガラスの導管構造体であって、
    前記導管構造は、少なくとも下流端側が内管および外管からなる二重管構造をなしており、
    前記内管は、上流端および下流端が開放端であり、
    前記外管は、下流端において、前記二重管構造中、前記外管と内管との隙間に属する領域が閉止端であって、前記内管に属する領域が開放端であり、
    前記導管構造の上流端が開放端であり、
    前記外管の下流端側には開口部が設けられており、前記外管に設けられた開口部の上流端が前記ドレインアウトの開口部の上流端よりも0〜500mm下流側に位置していることを特徴とする溶融ガラスの導管構造体。
  13. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置において、前記下降管として、請求項1ないし7のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造を用いることを特徴とする減圧脱泡装置。
  14. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を有する減圧脱泡装置において、前記下降管に接続する延長管として、請求項1ないし7のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造を用いることを特徴とする減圧脱泡装置。
  15. 前記下降管または前記下降管に接続する延長管として用いられる溶融ガラスの導管構造が、少なくとも前記二重管構造の上流端において、下記式を満たすことを特徴とする請求項13または14に記載の減圧脱泡装置。
    downstream > wupstream
    (式中、wdownstreamは、水平方向の溶融ガラス流における下流側での前記外管と前記内管との隙間の幅(mm)であり、wupstreamは水平方向の溶融ガラス流における上流側での前記外管と前記内管との隙間の幅(mm)である。)
  16. 前記wdownstreamおよび前記wupstreamが下記式を満たすことを特徴とする請求項15に記載の減圧脱泡装置。
    downstream ≧ 2×wupstream
  17. 上昇管、減圧脱泡槽および下降管を含む減圧脱泡装置であって、
    前記下降管と連通して接続される下流側ピットを有し、
    前記下流側ピットが、外管をなすピット本体と、前記ピット本体内に位置し下流方向に延びる内管と、の二重管構造であり、前記ピット本体にはドレインアウトが設置されていることを特徴とする減圧脱泡装置。
  18. 前記下降管の内径D1(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項17に記載の減圧脱泡装置。
    1 > D2
  19. 前記下降管の内径と前記内管の外径との差ΔD(mm)と、前記内管の内径D3(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項17または18に記載の減圧脱泡装置。
    ΔD ≧ 0.04×D3
  20. 前記下降管の流路の断面積から前記内管の流路の断面積を引いた断面積差ΔS(mm2)と、前記内管の流路の断面積S1(mm2)と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項17ないし19のいずれかに記載の減圧脱泡装置。
    ΔS ≦ S1
  21. 前記下降管と、前記内管とが、オーバーラップしている部分を有し、
    前記オーバーラップしている部分の長さL(mm)と、前記内管の外径D2(mm)と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項17ないし20のいずれかに記載の減圧脱泡装置。
    L ≦ 5×D2
  22. 前記下降管の下流端と前記内管の上流端との距離dと、前記内管の外径D2と、が下記式で表される関係を満たすことを特徴とする請求項17に記載の減圧脱泡装置。
    0.5×D2 ≦ d ≦ 5×D2
  23. 前記下降管と、前記内管と、が少なくとも前記内管の上流端において、下記式を満たすことを特徴とする請求項21に記載の減圧脱泡装置。
    ldownstream ≧ wlupstream
    (式中、wldownstreamは水平方向の溶融ガラス流における下流側での前記下降管と前記内管との隙間の幅(mm)であり、wlupstreamは水平方向の溶融ガラス流における上流側での前記下降管と前記内管との隙間の幅(mm)である。)
  24. 前記wldownstreamおよび前記wlupstreamが下記式を満たすことを特徴とする請求項23に記載の減圧脱泡装置。
    ldownstream ≧ 2×wlupstream
  25. 少なくとも一部が溶融ガラスの表層に浸漬するように前記減圧脱泡槽内に設置され、かつ前記溶融ガラスの表層の流れを前記減圧脱泡槽の側壁方向に誘導する流れ制御部材が設けられていることを特徴とする請求項13ないし24のいずれかに記載の減圧脱泡装置。
  26. 前記流れ制御部材は、溶融ガラスの表層で且つ溶融ガラスの流れに直交する水平方向における幅が下記式を満たすことを特徴とする請求項25に記載の減圧脱泡装置。
    1 < W2
    (式中、W1は最上流側における前記流れ制御部材の幅(mm)であり、W2は最下流側における前記流れ制御部材の幅(mm)である。)
  27. 前記溶融ガラスの流れ方向を軸とした場合に、前記流れ制御部材の平面形状が該軸に対して略線対称であることを特徴とする請求項25または26に記載の減圧脱泡装置。
  28. 前記流れ制御部材の最下流側が、前記下降管の管軸よりも溶融ガラスの流れ方向の上流側に位置することを特徴とする請求項25ないし27のいずれかに記載の減圧脱泡装置。
  29. 前記流れ制御部材の平面形状のうち、前記溶融ガラスの表層の流れを前記減圧脱泡槽の側壁方向に誘導するのに寄与する部分と、前記溶融ガラスの流れ方向と、がなす角度の最大値αが下記式を満たすことを特徴とする請求項25ないし28のいずれかに記載の減圧脱泡装置。
    15°≦ α ≦ 85°
  30. 前記流れ制御部材が、下記式を満たすことを特徴とする請求項25ないし29のいずれかに記載の減圧脱泡装置。
    20mm ≦ X
    50mm ≦ h
    (式中、Xは前記流れ制御部材が前記溶融ガラスの表層に浸漬された深さであり、hは前記減圧脱泡槽の底面から前記流れ制御部材の底面までの高さである。)
  31. 前記流れ制御部材の最下流側と、前記減圧脱泡槽の側壁と、の、溶融ガラスの表層で且つ溶融ガラスの流れに直交する方向における二つの間隙Y1、Y2(mm)が下記式を満たすことを特徴とする請求項25ないし30のいずれかに記載の減圧脱泡装置。
    Z ≦ Y1 ≦ φ/4
    Z ≦ Y2 ≦ φ/4
    (式中、φは溶融ガラスの表層で且つ溶融ガラスの流れに直交する水平方向における前記減圧脱泡槽の内径であり、Zはφ/30またはX/2(Xは前記流れ制御部材が前記溶融ガラスの表層に浸漬された深さ)のうち、いずれか小さい方の値である。)
  32. 請求項13ないし31のいずれかに記載の減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法。
JP2008532080A 2006-08-29 2007-08-28 溶融ガラスの導管構造および該導管構造を用いた減圧脱泡装置 Active JP5067371B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008532080A JP5067371B2 (ja) 2006-08-29 2007-08-28 溶融ガラスの導管構造および該導管構造を用いた減圧脱泡装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006231831 2006-08-29
JP2006231831 2006-08-29
PCT/JP2007/066690 WO2008026606A1 (fr) 2006-08-29 2007-08-28 Structure de conduit pour verre fondu et dégazéificateur sous vide utilisant ladite structure
JP2008532080A JP5067371B2 (ja) 2006-08-29 2007-08-28 溶融ガラスの導管構造および該導管構造を用いた減圧脱泡装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008026606A1 true JPWO2008026606A1 (ja) 2010-01-21
JP5067371B2 JP5067371B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=39135888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008532080A Active JP5067371B2 (ja) 2006-08-29 2007-08-28 溶融ガラスの導管構造および該導管構造を用いた減圧脱泡装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US8136373B2 (ja)
EP (1) EP2060545B1 (ja)
JP (1) JP5067371B2 (ja)
KR (1) KR101117999B1 (ja)
CN (1) CN101506110B (ja)
TW (1) TWI404685B (ja)
WO (1) WO2008026606A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101265397B1 (ko) * 2008-02-27 2013-05-20 아사히 가라스 가부시키가이샤 용융 유리의 감압 탈포 장치 및 감압 탈포 방법
WO2009151034A1 (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 旭硝子株式会社 溶融ガラスの脱泡装置
JP2013199385A (ja) * 2010-07-21 2013-10-03 Asahi Glass Co Ltd 溶融ガラスの搬送装置、およびそれを用いたガラス製造方法
WO2012017963A1 (ja) 2010-08-04 2012-02-09 旭硝子株式会社 溶融ガラスの導管構造とそれを備えた減圧脱泡装置および溶融ガラスの減圧脱泡方法とガラス製品の製造方法
JP5510748B2 (ja) * 2010-11-12 2014-06-04 日本電気硝子株式会社 溶融ガラス移送管
EP2692702B1 (en) * 2011-03-31 2018-10-03 AGC Inc. Vacuum degassing apparatus, apparatus for producing glassware, and method for producing glassware
KR101583372B1 (ko) * 2013-09-03 2016-01-07 주식회사 엘지화학 이질 유리 제거 장치 및 이를 포함하는 유리 제조 장치
TWI666184B (zh) * 2014-06-20 2019-07-21 日商Agc股份有限公司 熔融玻璃之異質基體材料排出構造、玻璃物品之製造裝置及製造方法
JP6589876B2 (ja) * 2014-09-30 2019-10-16 Agc株式会社 ガラス溶融物製造装置、ガラス溶融物製造方法、ガラス物品製造装置およびガラス物品製造方法
CN105565644B (zh) * 2014-10-31 2018-07-06 安瀚视特控股株式会社 玻璃基板的制造方法、及玻璃基板的制造装置
TWI826432B (zh) * 2018-04-06 2023-12-21 美商康寧公司 玻璃熔融系統的排放導管
US11912608B2 (en) 2019-10-01 2024-02-27 Owens-Brockway Glass Container Inc. Glass manufacturing
JP7429486B2 (ja) 2021-02-03 2024-02-08 株式会社モトヤマ ガラス溶融炉

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1872477A (en) * 1928-05-21 1932-08-16 Libbey Owens Ford Glass Co Furnace construction
US4504302A (en) * 1982-05-24 1985-03-12 Carman Justice N Homogenizing apparatus glass making furnace and method of homogenizing glass
JPS62297221A (ja) * 1986-06-17 1987-12-24 Toshiba Glass Co Ltd 溶融ガラス表底面層の分離除去装置
JP2817168B2 (ja) 1989-02-21 1998-10-27 旭硝子株式会社 ガラスの清澄装置
US6119484A (en) * 1997-10-06 2000-09-19 Asahi Glass Company Ltd. Vacuum degassing apparatus for molten glass
JP3817868B2 (ja) 1997-11-07 2006-09-06 旭硝子株式会社 溶融ガラスの減圧脱泡装置
JP3005210B2 (ja) * 1997-10-06 2000-01-31 旭硝子株式会社 溶融ガラスの減圧脱泡装置用炉材および減圧脱泡装置
US6405564B1 (en) * 1997-10-06 2002-06-18 Asahi Glass Company Ltd. Vacuum degassing apparatus for molten glass
JPH11240726A (ja) * 1998-02-25 1999-09-07 Nippon Electric Glass Co Ltd 溶融ガラス中の気泡の除去方法および除去装置
JP3785810B2 (ja) 1998-06-19 2006-06-14 旭硝子株式会社 溶融ガラスの減圧脱泡装置
JP3861459B2 (ja) * 1998-06-19 2006-12-20 旭硝子株式会社 溶融ガラスの減圧脱泡装置
US6294005B1 (en) * 1998-09-22 2001-09-25 Asahi Glass Company Ltd. Vacuum gas releasing system
JP4110663B2 (ja) * 1999-04-13 2008-07-02 旭硝子株式会社 溶融ガラス流の減圧脱泡方法
US6854290B2 (en) 2001-07-18 2005-02-15 Corning Incorporated Method for controlling foam production in reduced pressure fining
DE10141585C2 (de) * 2001-08-24 2003-10-02 Schott Glas Edelmetallrohr zum Führen einer Glasschmelze
EP1293487A1 (en) * 2001-09-14 2003-03-19 Asahi Glass Co., Ltd. Vacuum degassing apparatus for molten glass
KR100847717B1 (ko) * 2001-09-28 2008-07-23 아사히 가라스 가부시키가이샤 용융유리의 진공탈가스 장치
JP3827015B2 (ja) * 2003-02-04 2006-09-27 旭硝子株式会社 溶融ガラス用導管、溶融ガラス用接続導管および減圧脱泡装置
JP4564379B2 (ja) 2005-02-28 2010-10-20 大日本印刷株式会社 保護ラベル付きシート体
JP2006306662A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Asahi Glass Co Ltd 溶融ガラスの減圧脱泡方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2060545A4 (en) 2011-05-11
EP2060545B1 (en) 2013-03-20
CN101506110A (zh) 2009-08-12
WO2008026606A1 (fr) 2008-03-06
US8136373B2 (en) 2012-03-20
TW200829526A (en) 2008-07-16
EP2060545A1 (en) 2009-05-20
TWI404685B (zh) 2013-08-11
KR20090052854A (ko) 2009-05-26
US20090165501A1 (en) 2009-07-02
JP5067371B2 (ja) 2012-11-07
CN101506110B (zh) 2012-09-26
KR101117999B1 (ko) 2012-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5067371B2 (ja) 溶融ガラスの導管構造および該導管構造を用いた減圧脱泡装置
KR101265397B1 (ko) 용융 유리의 감압 탈포 장치 및 감압 탈포 방법
US8196434B2 (en) Molten glass delivery apparatus for optical quality glass
JP5817726B2 (ja) 溶融ガラスの導管構造とそれを備えた減圧脱泡装置および溶融ガラスの減圧脱泡方法とガラス製品の製造方法
CN107683264A (zh) 具有流通能力的玻璃制造设备和方法
JP6589876B2 (ja) ガラス溶融物製造装置、ガラス溶融物製造方法、ガラス物品製造装置およびガラス物品製造方法
WO2015194642A1 (ja) 溶融ガラスの異質素地排出構造、ガラス物品の製造装置および製造方法
JP4821165B2 (ja) 溶融ガラスの減圧脱泡装置、および該減圧脱泡装置を用いた溶融ガラスの清澄方法
JP4058935B2 (ja) 減圧脱泡装置
JP2000178029A (ja) 溶融ガラスの減圧脱泡装置
JP4513248B2 (ja) 減圧脱泡装置および減圧脱泡方法
KR20190079410A (ko) 유리 제조 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120730

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5067371

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250