JP3005210B2 - 溶融ガラスの減圧脱泡装置用炉材および減圧脱泡装置 - Google Patents

溶融ガラスの減圧脱泡装置用炉材および減圧脱泡装置

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JP3005210B2
JP3005210B2 JP23274498A JP23274498A JP3005210B2 JP 3005210 B2 JP3005210 B2 JP 3005210B2 JP 23274498 A JP23274498 A JP 23274498A JP 23274498 A JP23274498 A JP 23274498A JP 3005210 B2 JP3005210 B2 JP 3005210B2
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vacuum degassing
refractory
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furnace material
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淳史 谷垣
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/225Refining
    • C03B5/2252Refining under reduced pressure, e.g. with vacuum refiners
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/20Bridges, shoes, throats, or other devices for withholding dirt, foam, or batch
    • C03B5/205Mechanical means for skimming or scraping the melt surface

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続的に供給され
る溶融ガラスから気泡を除去する溶融ガラスの減圧脱泡
装置に用いる炉材およびこれを用いる溶融ガラスの減圧
脱泡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、成形されたガラス製品の品質
を向上させるために、溶融炉で溶融した溶融ガラスを成
形装置で成形する前に溶融ガラス内に発生した気泡を除
去する減圧脱泡装置が用いられている。このような従来
の減圧脱泡装置を図5に示す。図5に示す減圧脱泡装置
100は、溶解槽112中の溶融ガラスGを減圧脱泡処
理して、次の処理槽に連続的に供給するプロセスに用い
られるものであって、真空吸引されている。減圧ハウジ
ング102内に水平に減圧脱泡槽104が収納配置さ
れ、その両端に垂直に取り付けられる上昇管106およ
び下降管108が収納配置されている。
【0003】上昇管106は減圧脱泡槽104に連通
し、脱泡処理前の溶融ガラスGを溶解槽112から上昇
させて減圧脱泡槽104に導入する。下降管108は、
減圧脱泡槽104に連通し、脱泡処理後の溶融ガラスG
を減圧脱泡槽104から下降させて、次の処理槽(図示
せず)に導出する。そして、減圧ハウジング102内に
おいて、減圧脱泡槽104、上昇管106および下降管
108の周囲には、これらを断熱被覆する断熱用レンガ
などの断熱材110が配設されている。なお、減圧ハウ
ジング102は、金属製、例えばステンレス製であり、
外部から真空ポンプ(図示せず)等によって真空吸引さ
れ、内部が減圧され、内設される減圧脱泡槽104内を
所定の減圧、例えば1/20〜1/3気圧の減圧状態に
維持する。
【0004】従来の減圧脱泡装置100においては、高
温、例えば1200〜1400℃の温度の溶融ガラスG
を処理するように構成されているので、本出願人の出願
に係る特開平2−221129号公報に開示しているよ
うに、減圧脱泡槽104、上昇管106および下降管1
08などのように溶融ガラスGと直接接触する部分は、
通常白金または白金ロジウムのような白金合金などの貴
金属製円管で構成されている。本出願人は、これらを白
金合金製円管を用いることによって、減圧脱泡装置を実
用化している。
【0005】ここで、これらを白金合金などの貴金属製
円管で構成するのは、溶融ガラスGが高温であるばかり
でなく、貴金属が溶融ガラスとの高温反応性が低く、溶
融ガラスとの反応による不均質化を生じさせることがな
く、高温での温度がある程度確保できるからである。特
に、減圧脱泡槽104を貴金属製円管で構成するのは、
上記理由に加え、貴金属製円管自体に電流を流して自己
発熱させ、円管内の溶融ガラスGを均一に加熱し、溶融
ガラスGの温度を所定の温度に保持するためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、減圧脱泡槽
104を貴金属で構成すると、機械的強度の点から円管
とするのがよいが、白金などの貴金属は高価であるた
め、肉厚を厚くできないため、コストおよび強度の両方
の点から円管の直径には限界があり、あまり大きくでき
ず、減圧脱泡槽104で脱泡処理できる溶融ガラスGの
流量にも限界があり、大流量の減圧脱泡装置を構築でき
ないという問題があった。もちろん、円管状減圧脱泡槽
104の全長を長くして容量を大きくし、脱泡処理量を
増加させることも考えられるが、装置が長大化し、高価
になるという問題があるため、減圧脱泡装置100にお
ける溶融ガラスGの脱泡処理量(流量)を大きくできな
いという問題があった。
【0007】また、溶融ガラスGは、粉体原料を溶解反
応させることによって得られるので、溶解の点では、溶
解槽112の温度は高い方が好ましく、また、減圧脱泡
の点でも溶融ガラスの粘度は低く、従って温度は高い方
が好ましい。しかしながら、従来の減圧脱泡装置110
は、高温強度の点から、減圧脱泡槽104などに貴金属
合金を用いる必要がある一方で、貴金属は高価なもので
あり、コストの点から円管の厚みをあまり厚くできない
ため、白金などの貴金属を用いると、減圧脱泡装置10
0の入口での溶融ガラスの温度は、上述した所定温度
(1200〜1400℃)に制限されてしまっていた。
【0008】一方、成形機(成形処理槽)において、脱
泡処理済の溶融ガラスを成形するのに適した温度は、成
形対象物、例えば板材や瓶材などによって異なるが、所
定温度に制限されている。このため、減圧脱泡槽104
に貴金属が用いられると、減圧脱泡装置100の入口で
の溶融ガラスGの温度は1400℃程度に制限され、そ
の流量(処理量)も大きくできず、溶融ガラスG自体が
持ち込む熱量もあまり大きくないため、減圧脱泡装置1
00内での溶融ガラスGの温度低下によって、減圧脱泡
装置100の出口での溶融ガラスGの温度が成形に必要
な温度より低下してしまうという問題があった。このた
め、上述したように、減圧脱泡槽104内の溶融ガラス
Gを均一に加熱する必要が生じ、この均一加熱のために
減圧脱泡槽104自体を貴金属製円管とせざるを得ず、
その結果、上述したように処理量を多くできないという
問題があった。
【0009】そこで、上述の問題点の克服のために、減
圧脱泡槽104や上昇管106や下降管108の管路に
高価でコストのかかる白金合金などの貴金属製材料を用
いる替わりに、これらに比べて安価でコストもかからな
い耐火物製炉材を用いることが考えられる。一般に耐火
物製炉材を溶融炉に用いる場合、炉材として使用する耐
火物が溶融ガラスと直接接触する初期時に、耐火物の表
面から細かい気泡が発生する発泡現象が知られている。
これらの気泡には、溶融ガラスと接触する耐火物の表面
が還元状態になっているため、耐火物表面の不純物であ
る炭素、炭化物や窒化物が酸素と結びつき、二酸化炭素
(CO2 )ガスや窒素(N2 )ガスとなって発生する気
泡と、また、耐火物に存在する気孔内の気体が、溶融ガ
ラスと接触することで耐火物表面から発生する気泡との
2種類がある。
【0010】また、一般に、耐火物に存在する気孔とし
ては、気孔が外表面に通じている開気孔(見かけ気孔)
と、気孔が外表面に通じておらず独立に存在する閉気孔
とが存在し、このような2種類の気孔の少なくとも一方
を持つ耐火物を減圧脱泡装置100の炉材として用いた
場合、開気孔の場合には、気孔内に含まれる気体が溶融
ガラスとの接触初期時に一気に気泡となり、それ以降は
気孔からの発泡は少なく、また閉気孔の場合には、溶融
ガラスとの接触初期時に気孔内に含まれる気体が一気に
気泡になることはないものの、耐火物の侵食により表面
が徐々に削られるに従って、耐火物内部の閉気孔が新た
に溶融ガラスと接触することで、徐々に気孔内に含まれ
る気体が気泡となって発泡することが考えられる。その
ため、減圧脱泡装置100の流路に耐火物製炉材を使用
すると、使用開始以降も断続的に長期にわたって、炉材
から気泡が発生するおそれがある。
【0011】また、耐火物製炉材を減圧脱泡装置の流路
に使用した場合、溶融ガラスGの温度は、白金を炉材と
して用いた際の従来の減圧脱泡処理条件を変えないため
にも、また、高温に上げて炉材の侵食を早めることのな
いためにも、溶融ガラスGの温度を約1200〜140
0℃に設定することが考えられる。しかし、この脱泡処
理温度、約1200〜1400℃は、清澄剤のみを用い
た従来の脱泡処理工程、すなわち、清澄剤によって気泡
を成長させ、その気泡を溶融ガラス内で上昇させ、最終
的に溶融ガラス液表面で破泡させて脱泡する工程の脱泡
処理温度、約1400〜1500℃に比べて相対的に低
い。このため、耐火物製炉材を溶融ガラスの流路に用い
た減圧脱泡装置では、流路に用いた耐火物製炉材の侵食
速度は小さく、侵食によって耐火物内部の閉気孔が表面
に現れて気泡を発生させることは少ないことも考えられ
る。しかしながら、耐火物製炉材を流路に用いる減圧脱
泡装置では、上述のように、従来の清澄剤のみを用いた
清澄工程の脱泡処理温度に比べて相対的に低い温度で脱
泡処理を行うため、清澄剤を用いて脱泡処理する場合に
比べて溶融ガラスGの粘度は高くなり、一旦耐火物表面
で発生した気泡の溶融ガラスG中での浮上速度が小さく
なり、脱泡が十分に行われないおそれを払拭できないと
いう問題があった。
【0012】本発明の第1の目的は、上記従来技術の問
題点を解消し、高価な白金等の貴金属材料に比べて安価
でコストもかからず、自身からの気泡の発生が少なく、
たとえ気泡の発生があっても溶融ガラスの減圧脱泡処理
中に同様に確実に脱泡され、溶融ガラスを確実に脱泡す
ることができ、ガラスの品質を高品質に維持することの
できる最適な溶融ガラスの減圧脱泡装置用炉材を提供す
ることにある。また、本発明の第2の目的は、低コスト
で大流量、例えば15トン/日以上の流量の溶融ガラス
を脱泡処理することができ、大型のガラス溶解炉や溶解
槽および成形炉や成形処理槽に配設して用いることがで
き、これらに比してコンパクトな溶融ガラスの減圧脱泡
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは、溶
融ガラスの減圧脱泡装置において、白金合金などの貴金
属製材料の替わりに用いることのできる耐火物製炉材に
ついて鋭意検討を行った結果、以下の知見を得て、本発
明に至ったものである。
【0014】まず、白金合金などの貴金属製材料を用い
る替わりに、減圧脱泡槽に耐火物を用いた炉材を使用し
た場合、耐火物の種類によらず貴金属製材料に比べコス
トがかからず、大流量の溶融ガラスを処理できる減圧脱
泡装置が製作でき、溶融炉で発生した気泡を溶融ガラス
中から脱泡できるということ、および、装置をコンパク
トにし作業性をよくするため減圧脱泡槽の体積は小さく
されるので、溶融ガラスの流量に対する溶融ガラスに接
触する耐火物表面の面積が相対的に大きくなり、そのた
め、耐火物を炉材として使用する場合、耐火物によって
は、耐火物の侵食が速く、閉気孔から発生する気泡の量
は無視できないことを知見した。しかも、このような耐
火物の気孔から発生する気泡は、清澄剤を用いて溶融ガ
ラス内を浮上させて脱泡させる程の気泡の大きさでない
ため、粘度の高い溶融ガラス内を浮上することはなく、
溶融ガラス内に残存し、また、化学反応によって発生す
る気泡に比べて視認され得る程の大きさであるため、製
品としてのガラスの品質を著しく低下させることを知見
した。
【0015】このため、溶融ガラスと直接接触する炉材
となる耐火物の表面から発生する、開気孔を起因とする
気泡の発生量およびこの耐火物の侵食によって溶融ガラ
スと接触する閉気孔を起因とする気泡の発生量と、減圧
脱泡後溶融ガラス中に残存する気泡の個数との関係を研
究した結果、減圧脱泡装置用炉材として用いる耐火物の
気孔率を所定値、すなわち5%以下とすることにより、
直接溶融ガラスと接触する耐火物の表面および侵食表面
から発生する気泡の総量は長期間にわたって少なく、た
とえ、これらの気泡が完全に脱泡されなくても、気泡の
残存個数はガラス製品として許容される残存気泡個数の
範囲に入り、減圧脱泡装置用炉材として適していること
を知見するとともに、その炉材を用いて、大流量の溶融
ガラスを脱泡処理することができ、大型のガラス溶解炉
や溶解槽および成形炉や成形処理槽に配設して用いるこ
とができることを知見し、本発明に至ったものである。
【0016】すなわち、本発明の第1の態様は、溶融ガ
ラスの脱泡処理を行う減圧脱泡装置の流路の少なくとも
前記溶融ガラスと直接接触する部分に用いる炉材であっ
て、気孔率が5%以下である耐火物を用いることを特徴
とする溶融ガラスの減圧脱泡装置用炉材を提供するもの
である。
【0017】その際、前記耐火物は気孔率が3%以下で
あることが好ましく、またその耐火物は、電鋳耐火物あ
るいは緻密質焼成耐火物であることが好ましく、また、
前記電鋳耐火物は、アルミナ系電鋳耐火物、ジルコニア
系電鋳耐火物、およびアルミナ−ジルコニア−シリカ系
電鋳耐火物の少なくとも1種の電鋳耐火物であり、前記
緻密質焼成耐火物は、緻密質アルミナ系耐火物、緻密質
ジルコニア−シリカ系耐火物、および緻密質アルミナ−
ジルコニア−シリカ系耐火物の少なくとも1種の焼成耐
火物であることが好ましい。さらに、前記耐火物は、所
定の形状に鋳込み成形した電鋳耐火物の少なくとも溶融
ガラスと直接接触する面の表層を研磨したものであるこ
とが好ましく、また、前記電鋳耐火物の表層の研磨は、
少なくとも5mm以上であり、この表層が少なくとも5
mm以上研磨された前記電鋳耐火物の見かけ気孔率は1
%以下である溶融ガラスの減圧脱泡装置用炉材であるこ
とが好ましい。
【0018】また、本発明の第2の態様は、減圧吸引さ
れる減圧ハウジングと、この減圧ハウジング内に収容さ
れ、上記第1の態様の減圧脱泡装置用炉材で構成され
た、大流量の溶融ガラスを流す流路および脱泡空間を有
し、溶融ガラスを減圧脱泡する減圧脱泡槽と、この減圧
脱泡槽に連通され、脱泡処理前の溶融ガラスを前記減圧
脱泡槽に導入する導入手段と、前記減圧脱泡槽に連通さ
れ、脱泡処理後の溶融ガラスを前記減圧脱泡槽から導出
する導出手段とを有する溶融ガラスの減圧脱泡装置を提
供するものである。
【0019】ここで、前記減圧脱泡槽の流路は、矩形断
面を有するのが好ましい。また、前記導入手段および前
記導出手段はそれぞれ上昇管および下降管であり、前記
上昇管および前記下降管の少なくともいずれか一方は、
前記炉材で構成されるのが好ましく、また、矩形断面流
路を有する管であってもよく、さらに、前記減圧脱泡槽
とともに前記減圧ハウジング」内に収容されるのが好ま
しい。また、前記減圧脱泡槽の流路における溶融ガラス
の流量は、15トン/日以上であるのが好ましい。ま
た、前記減圧脱泡装置には、溶融ガラスを冷却するため
の冷却装置を有することが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る溶融ガラスの減圧脱
泡装置用炉材は、気孔率が5%以下である耐火物を用い
ることを特徴とするが、本発明における気孔は、大きさ
が10mm以下の空隙であり、電鋳耐火物の引け巣(v
oid)のような大きさが10mmを超える空隙は含ま
ない。ここで引け巣とは、電鋳耐火物鋳造時に体積収縮
によって生じる空隙である。以下、本発明に係る溶融ガ
ラスの減圧脱泡装置用炉材およびこれを用いる溶融ガラ
スの減圧脱泡装置を添付の図面に示す好適実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1は、本発明の第2の態様の
溶融ガラスの減圧脱泡装置の一実施例の断面模式図であ
る。図3は、図1に示す溶融ガラスの減圧脱泡装置のII
−II線矢視図であり、減圧脱泡槽の横断面を示す。
【0021】同図に示すように、本発明の第2の態様の
溶融ガラスの減圧脱泡装置10は、溶解槽24内の溶融
ガラスGを減圧脱泡処理して、図示しない次の処理槽、
例えば、フロートバスなどの板材の成形処理槽や瓶など
の成形作業槽などに連続的に供給するプロセスに用いら
れるもので、略門型のステンレス製減圧ハウジング12
と、減圧ハウジング12内に水平に収納配置され、矩形
断面をもつ減圧脱泡槽14と、減圧ハウジング12内に
垂直に収納配置され、減圧脱泡槽14の左右両端部にそ
れぞれ、各上端部が取り付けられる上昇管16および下
降管18とを有する。また、図示例の減圧脱泡装置10
においては、減圧脱泡槽14,上昇管16および下降管
18と、減圧ハウジング12との間には断熱材20が充
填され、減圧脱泡槽14,上昇管16および下降管18
の各々の周囲を断熱被覆している。さらに、図示例の溶
融ガラスの減圧脱泡装置10では、減圧ハウジング12
内の下降管18の上側部分においては、下降管18の外
周に沿って冷却管22が配設されている。
【0022】図示例においては、上昇管16の上側部分
は、減圧ハウジング12の脚部12aに収納配置され
る。また、上昇管16の下側部分は、減圧ハウジング1
2の脚部12aから突出し、上流案内ダクト26の開放
端に嵌入され、上流案内ダクト26内の溶融ガラスG内
に浸漬されている。そして、上流案内ダクト26は、溶
解槽24に連通されている。一方、下降管18の上側部
分は、減圧ハウジング12の脚部12bに収納配置され
る。また、下降管18の下側部分は、減圧ハウジング1
2の脚部12bから突出し、下流案内ダクト28の開放
端に嵌入され、下流案内ダクト28内の溶融ガラスG内
に浸漬されている。そして下流案内ダクト28は、図示
しない次の処理槽に連通されている。
【0023】減圧ハウジング12は、図示例では、両脚
部12aおよび12bを有する略門型をなすステンレス
製ハウジングであり、減圧脱泡槽14、上昇管16およ
び下降管18を収納し、これら、特に減圧脱泡槽14の
内部を所定の減圧条件(後述する)に維持するための圧
力容器として機能するもので、図中右上部に内部を真空
吸引して減圧するための吸引口12Cを有する。この減
圧ハウジング12の吸引口12Cは図示しない真空ポン
プ等に接続される。なお、減圧ハウジング12の形状お
よび材質は、その機能を阻害するものでなければ、何ら
限定されるものではない。
【0024】減圧脱泡槽14は、図1中左下側において
上昇管16の上端に連通し、右下側において下降管18
の上端に連通し、その左上側および右上側に、減圧脱泡
槽14内を所定の減圧状態(設定減圧条件)に維持する
ための吸引口14a,14bを有している。減圧脱泡槽
14内においては、上昇管16から導入された溶融ガラ
スGが図中右側に向って流れ、下降管18に導出される
が、減圧脱泡槽14の上部には溶融ガラスG中の気泡を
浮上させて破泡させるための上部空間14sが設けられ
る。さらに、減圧脱泡槽14内には溶融ガラスG中を浮
上してきた気泡を堰止め、破泡を促進するとともに、下
流への気泡の流出を低減し、もしくは防止するために、
溶融ガラスG中にその一部が浸漬され、その余が上部空
間14sに突出するバリヤ30a,30bが配設され
る。
【0025】ここで、減圧脱泡槽14内での減圧条件
は、溶融ガラスGの粘度(温度)などの条件に応じて1
/20〜1/3気圧に設定される。また、溶解槽24の
溶融ガラスGと減圧脱泡槽14の溶融ガラスGとのレベ
ル差Hは、設定された減圧条件に応じて、溶融ガラスG
の突沸、減圧槽からの素地のオーバフローなどを防止す
るようなレベル差に設定される。従って、減圧脱泡槽1
4内の圧力を1/20〜1/3気圧に設定すると、溶解
槽24と減圧脱泡槽14との溶融ガラスGのレベル差H
は約2.5〜3.5m必要となる。
【0026】減圧脱泡槽14は、図3に示されるよう
に、所定寸法の流路断面形状、好ましくは矩形断面を有
し、所定長さの管、好ましくは角筒状管(角管)であっ
て、嵩密度が高く稠密な耐火物、つまり本発明の第1の
態様の減圧脱泡装置用炉材である気孔率5%以下、好ま
しくは3%以下、の耐火物製炉材で構成される。本発明
において、減圧脱泡槽14の流路の断面形状は、また制
限的ではなく、どのような形状でもよく、例えば図3に
示す矩形、円形、楕円形、多角形などを挙げることがで
きるが、図3に示すように矩形とするのが好ましい。従
って、以下では、流路断面は矩形を代表例として説明す
る。ここにおいて、気孔率とは、耐火物に含まれる気孔
容積の全容積に対する割合で、(1−嵩比重/真比重)
×100(%)であり、耐火物内部に占める気孔の体積
が大きいものは気孔率は高くなり、内部に占める気孔の
体積が小さいものは気孔率が小さいことを示すものであ
る。なお、嵩比重および真比重はJIS R2205に
したがって測定される。また、ここでいう気孔は開気孔
および閉気孔を含む。
【0027】次に、本発明の第1の態様の減圧脱泡装置
用炉材について説明する。なお、本発明の第1の態様の
減圧脱泡装置用炉材は、本発明の第2の態様の減圧脱泡
槽、上昇管および下降管にも好適に使用される。本態様
の炉材は、気孔率が5%以下の耐火物を用いることを特
徴とするものである。本態様において、炉材として用い
る耐火物の気孔率を5%以下にするのは、耐火物の気孔
率が5%以下であれば、耐火物製炉材を減圧脱泡槽等の
流路に使用した場合でも、耐火物の気孔内の気体によっ
て発生する溶融ガラス内の気泡の個数を許容範囲内に維
持することができるとともに、耐蝕性も高く、流路の寿
命、すなわち減圧脱泡装置の寿命も要求レベルを満足す
るものとなるからである。
【0028】以下に、本態様の炉材として用いる耐火物
の気孔率を5%以下に限定する理由について詳細に説明
する。前述したように、溶融ガラス中に混入する泡のう
ち、耐火物の気孔によるものは、開気孔起因のものと、
閉気孔起因の2つがあり、前者は減圧脱泡処理の初期に
ほとんど発生し、稼働するにつれ発生しなくなるのに対
し、後者は稼働中に徐々に発生してくる。また、閉気孔
起因の泡は、化学反応による泡よりも径が大きく、溶融
ガラス中から脱泡されないと致命的になりやすいという
問題があったことは前述した通りである。
【0029】ところで、通常の清澄剤等を用いる脱泡清
澄処理では、高温では溶融ガラスの粘度が低く、容易に
抜け出て脱泡してしまうし、低温では侵食が極めて少な
く、泡の発生量自体が問題にならない。このため、処理
される溶融ガラスの温度が低い減圧脱泡清澄処理におい
ても、泡の発生量は全く問題にならないと考えられてい
た。しかしながら、減圧脱泡処理においては、装置をコ
ンパクトにし作業性を良くするために減圧脱泡槽の体積
を小さくすることが好ましい。そのため、耐火物製炉材
への負荷は、上述の通常の脱泡清澄処理の場合の10倍
程度になり、稼働中に発生する閉気孔起源の泡を無視で
きないという問題があったことも前述した通りである。
【0030】すなわち、減圧して溶融ガラスG内の気泡
を脱泡する減圧脱泡槽14の流路に耐火物製炉材を使用
した場合、溶融ガラスGと直接接触する耐火物製炉材
は、減圧下にさらされて、その耐火物中に含まれる気孔
内の気体が減圧脱泡槽14内に吸引され、その気体は耐
火物から溶融ガラスGに放出されて、溶融ガラスG中に
約0.1〜0.2mm程度の細かい気泡を発生させるこ
とになる。減圧によって耐火物の気孔から放出されて溶
融ガラスG内に発生した気泡には、粘度の高い溶融ガラ
スを浮上して減圧脱泡槽外部へ吸引されることなく、溶
融ガラスG内に残存する気泡が存在する。
【0031】減圧脱泡処理される前の溶融ガラスG内に
発生する気泡は、ガラスを溶解する際に原料として使用
する炭酸ソ−ダや清澄剤として使用する硫酸ナトリウム
や硝酸ナトリウム等を原因として発生する二酸化炭素
(CO2 )や二酸化硫黄(SO 2 )ガスさらには、窒素
(N2 )ガスを成分としており、これらのガスの気泡は
減圧脱泡処理によってほとんど除去される。そのため、
溶融ガラスG内に残存する気泡は、減圧脱泡槽14の耐
火物製炉材の気孔から発生する気泡が支配的となる。そ
のため、耐火物製炉材の気孔から発生する気泡を押さえ
る必要がある。
【0032】ところで、耐火物製炉材は、溶融ガラスが
通過するにつれて侵食が進むが、侵食が進むことによ
り、さらに加速的に気孔、すなわち閉気孔が露出し、消
失して気泡が生成される。このため、耐火物製炉材の耐
蝕性、すなわち溶融ガラスによる侵食速度が問題になる
が、本態様においては、この耐蝕性(侵食速度)も気孔
率に依存することが判明している。
【0033】例えば、アルミナ−ジルコニア−シリカ系
電鋳耐火物を本態様の減圧脱泡装置用炉材として用いる
場合の、耐火物の気孔率と溶融ガラスによる耐火物の侵
食速度の関係を図2に示す。ここで、耐火物製炉材の見
かけ気孔率は、開気孔の気孔率であり、JIS R22
05にしたがって測定される。また、侵食速度は、一定
時間の溶融ガラスを流した後、耐火物製炉材の侵食量を
測る侵食促進試験により求めている。なお、ここで、使
用したアルミナ−ジルコニア−シリカ系電鋳耐火物の組
成はジルコニア(ZrO2 )40% 、シリカ(SiO
2 )11.5%、アルミナ(Al2 3 )47%、酸化
ナトリウム(Na2 O)1.1%、その他0.4%であ
る。また、使用したガラスは、ソーダライムシリカガラ
スであり、侵食温度は1300℃である。
【0034】図2に示すように、耐火物の見かけ気孔率
と侵食速度とは線型的な関係にあり、1次関数で近似で
きる。そこで、減圧脱泡槽の表面積を50m2 、溶融ガ
ラスの流量( 脱泡処理量) を100ton/dayとす
ると、図2に示す関数から見かけ気孔率0.5%(気孔
率1.5%)での侵食速度は0.1mm/day、見か
け気孔率1%(気孔率2.5%)での侵食速度は、0.
2mm/dayとなり、図2に示す関数から外挿するこ
とにより、見かけ気孔率3%(気孔率5%)での侵食速
度は0.6mm/day、見かけ気孔率5%での侵食速
度は、1.0mm/dayとして求めることができる。
【0035】ここで、見かけ気孔率0.5%(気孔率
1.5%)での侵食速度0.1mm/dayを用いて、
気孔量を計算すると、75cm3 /day(=0.01
cm/day×50×104 cm2 ×0.015)とな
るので、直径0.5mmの気泡の個数に換算すると1.
1×106 個/day(=75cm3 /day/((4
/3)×3.14×0.0253 cm3 ))となり、ガ
ラス1kgあたりの気泡の個数は約11個(=1.1×
106 個/day/105 kg/day)となる。同様
にして、見かけ気孔率1%および3%における計算結果
を見かけ気孔率0.5%の場合も含めて表1に示す。
【0036】
【0037】表1から、アルミナ−ジルコニア−シリカ
系電鋳耐火物の場合、見かけ気孔率3%(気孔率5%)
で、ガラス1kg当たりの個数が約230個となり、ビ
ンガラス等で許容限度ぎりぎりの範囲となる。なお、見
かけ気孔率1.0%(気孔率2.5%)で、ガラス1k
g当たりの気泡個数が約38個となり、十分に高品質な
ガラスということができる。従って、耐火物製炉材を用
いて溶融ガラスの減圧脱泡処理を安定して実用化するた
めには、気孔率5%以下、好ましくは気孔率3%以下の
耐火物製炉材を少なくとも減圧脱泡槽に、好ましくはこ
れに加えてさらに下降管にも、より好ましくはさらにこ
れらに加えて上昇管にも用いることが必要となる。
【0038】このように、気孔率5%以下の耐火物を溶
融ガラスの流路に用いた場合、溶融ガラスの減圧脱泡処
理の機能を十分に発揮し、さらには侵食速度の低下によ
り減圧脱泡槽14の寿命も要求する寿命を満足する。と
くに、ガラスの品質が高く気泡許容個数の値が小さい値
に厳しく制限される光学用や電子用ガラスの場合、好ま
しくは気孔率3%以下、より好ましくは0.5%以下の
耐火物製炉材を使用することで、許容範囲内に気泡個数
を押さえることができ、かつ、耐火物の侵食を押さえて
減圧脱泡槽14の寿命も維持することができる。このよ
うに、製品としてのガラスの用途に応じて気孔率の異な
る耐火物を流路の炉材として選択的に使い分けるのが好
ましい。
【0039】本発明の第1の態様の炉材に用いられる耐
火物は、気孔率5%以下の耐火物、より好ましくは、気
孔率3%以下であり、溶融ガラスGに溶出しても品質を
劣化、例えば、着色や異質化など生じさせることがな
く、好ましくは、溶融ガラスGとの反応性が小さく、耐
火物の材料自体も溶融ガラスに侵食されにくい、耐火物
であればどのようなものでもよい。このような耐火物と
しては、緻密質耐火物、例えば、気孔率5%以下の電鋳
耐火物および気孔率5%以下の焼成耐火物を挙げること
ができ、好ましくは、気孔率3%以下の電鋳耐火物およ
び気孔率3%以下の焼成耐火物であることが好ましい。
電鋳耐火物とは、耐火原料を電気溶融した後に、所定の
形状に鋳込み成形して作られた耐火物で、焼成耐火物と
は、耐火原料を成形した後、所定の強度等の性質を持た
せるために、所定の温度で熱処理した耐火物をいう。
【0040】ここで、電鋳耐火物としては気孔率が5%
以下の電鋳耐火物であればどのようなものでもよく、よ
り好ましくは、気孔率が3%以下の高嵩密度で、減圧脱
泡槽14の真空を保つことのできる、緻密な電鋳耐火物
であればよい。このような電鋳耐火物としては、例え
ば、ジルコニア系電鋳耐火物、アルミナ系電鋳耐火物、
アルミナ−ジルコニア−シリカ(AZS;Al2 3
ZrO2 −SiO2 )系電鋳耐火物などを挙げることが
できる。一方、通常の焼成耐火物は気孔率が約20%程
度であるのに対し、本発明の第1の態様の炉材に用いら
れる緻密質焼成耐火物は、気孔率が5%以下である。本
発明に用いられる緻密質焼成耐火物は、気孔率が5%以
下であればどのようなものでもよく、好ましくは、気孔
率が3%以下の高嵩密度で、減圧脱泡槽14の真空を保
つことのできる、稠密な焼成耐火物であればよい。例え
ば、緻密質ジルコニア−シリカ系焼成耐火物、緻密質ア
ルミナ系焼成耐火物や、緻密質アルミナ−ジルコニア−
シリカ系焼成耐火物を挙げることができる。α、β−ア
ルミナ系電鋳耐火物は気孔率が気孔率5%以下であり、
この耐火物から構成される炉材は、本発明の第1の態様
の減圧脱泡装置用炉材として用いることができる。
【0041】また、電鋳耐火物を減圧脱泡槽14の流路
に使用する場合、耐火物表面の表層を所定厚み、好まし
くは5mm以上予め研磨(スカルピング)したものを耐
火物製炉材として使用することが好ましい。電鋳耐火物
は、その成形工程の鋳造時において、大気の巻き込みに
より耐火物の表面の気孔が多くなる傾向があり、それよ
り深い内部は気孔が殆どなくなり、気孔率が1%以下と
なるからである。表2に、アルミナ−ジルコニア−シリ
カ系電鋳耐火物の耐火物表層0〜6mmの見かけ気孔率
と、耐火物表層6〜20mmの見かけ気孔率を、1個の
耐火物の5ヶ所(サンプリング部位A〜E)からサンプ
リングして調べた結果を示している。サンプリング部位
Bおよびサンプリング部位Cは表層0〜6mmにおいて
1.0%以上の見かけ気孔率を有しているものの、表層
から6〜20mmにおいては、サンプリング部位A〜E
のいずれの見かけ気孔率も1.0%以下となっているこ
とが判る。表層6〜20mmの5ヶ所の見かけ気孔率の
平均は0.81%、偏差が0.07%であるのに対し、
表層0〜6mmでは見かけ気孔率の平均0.87%、偏
差0.34%である。したがって、表層0〜6mmを研
磨(スカルピング)することにより、表層の局部的な気
孔率のばらつきを除去でき、その結果、内部の気孔率と
同程度にすることができる。 このように耐火物の表層を研磨(スカルピング)するこ
とで、溶融ガラスGが耐火物と直接接触する初期に発生
する発泡現象を抑制することができ、減圧脱泡装置10
の立ち上げ初期から溶融ガラスGの脱泡処理をスムーズ
に行うことができるのである。また、研磨(スカルピン
グ)は、公知のグラインダーやダイヤモンド研磨機を用
いて行なう。なお、研磨(スカルピング)を行うのは、
電鋳耐火物に限られる。焼成耐火物は、電鋳耐火物と異
なり、表層の気孔率が特に内部に比べて高いことはない
からである。
【0042】このような気孔率が5%以下の耐火物を用
いて所定の断面形状、例えば矩形断面を持つ所定長の減
圧脱泡槽を構築する方法は、特に制限的ではなく、例え
ば小さい直方体の電鋳耐火物を互い違いに3次元的に、
すなわちラビリンス構造に積み上げ、その間の目地の部
分を目地材で埋めて、所定長の管、例えば角筒状管を形
成してもよいし、長さの短かい筒状、例えば角筒状の電
鋳耐火物を一列に積み重ねて、その間の目地の部分を目
地材で埋め、所定長の管、例えば角管を形成してもよ
い。
【0043】ところで、前述したように、図5に示すよ
うな従来の減圧脱泡装置100においては、溶融ガラス
Gと接触する部分を高温反応性の低さや高温における強
度の点から白金合金等の貴金属製円管(円筒)を用いて
いるが、貴金属で構成するため、装置入口での溶融ガラ
スの温度が所定温度(例えば1400℃)以下に制限さ
れてしまうし、また、コストや高温強度の点から脱泡処
理槽104の管径を所定直径より大きくできず、その結
果、溶融ガラスGの流量、従って脱泡処理量を多くでき
ない。また、従来装置では、貴金属を用いた結果、装置
入口での溶融ガラスGの温度が制限され、かつ流量を多
くできない一方、装置内での冷却を補償して装置出口で
の温度を一定に維持するために加熱しなければならず、
そのために自己発熱させることができる金属、すなわち
貴金属を用いなければならない結果となっていた。
【0044】これに対し、本発明においては、少なくと
も、減圧脱泡槽14に本発明の第1の態様の減圧脱泡装
置用炉材を用いることにより、円管にする必然性をなく
して、好ましくは角管(角筒状管)で構成することで、
図3に示すように、流量の増大を図るとともに、角管の
サイズの制限をなくしてさらなる流量の増大を図ること
ができる。図4に示すように、従来の減圧脱泡装置10
0の減圧脱泡槽104を直径Dの円管で構成した場合の
流量Qcと本発明の減圧脱泡装置10の減圧脱泡槽14
を幅D、高さDの矩形(正方形)で構成した場合の流量
Qとを比較すると、破泡のための上部空間Sが管の断面
積の半分であるとして、 Q/Qc=(D2 /2/{π(D/2)2 /2}=4/
π=1.27 となるので、角管を用いる本発明の場合は、円管を用い
る従来の場合に比べ、同サイズで、従って、同じ圧損で
その流量Qを1.27倍にすることができる。
【0045】また、図示例のように角管を用いることに
より、高さDを変更せず、幅をDから(1+p)D(p
>0)に拡げることにより、流量をさらに(1+p)2
倍に、従って円管を用いる従来の場合に比して、1.2
7(1+p)2 倍に容易に増大させることができる。こ
れに加え、円管を用いる場合は、円断面において溶融ガ
ラスGの流路の深さを直径の半分以上にすると、上部空
間Sおよびその幅は急激に減少するため、十分な破泡空
間をとることができなくなるが、角管を用いる場合は、
矩形断面では溶融ガラスGの流路深さを高さの半分以上
にしても上部空間Sの幅は変らないので、破泡量に応じ
て適切な空間を設定することができ、適切な深さを設定
することができるので、さらなる流量増大を図ることも
可能である。なお、円管を用いる従来例では、流量増大
のために円管のサイズを大きくしても、サイズ増大に比
して流量の増大効果が角管を用いる図示例の場合より小
さいことはいうまでもない。なお、本発明に用いられる
所定断面形状、例えば矩形断面の減圧脱泡槽14の長さ
Lは、特に制限的ではないが、減圧脱泡槽14内におけ
る溶融ガラスGの深さ、種類、粘度(温度)、流量(処
理量)および流速などに応じて、溶融ガラスG中の気泡
が十分に浮上し、かつ破壊されて除去される時間だけ流
下する溶融ガラスGが減圧脱泡槽14内に留まれる長
さ、すなわち十分に脱泡処理される時間が得られる長さ
に設定すればよい。
【0046】上昇管16および下降管18は、それぞれ
減圧脱泡槽14内の溶融ガラスGと溶解槽24内の溶融
ガラスGとのレベル差Hを保つために,用いられるもの
である。上昇管16は、脱泡処理されていない溶融ガラ
スGを減圧によって溶解槽24から上流室内ダクト26
を経て持ち上げ、減圧脱泡槽14内に導入する。また下
降管18は、脱泡処理された溶融ガラスGを減圧脱泡槽
14から導出して下降させ、下流案内ダクト28を経由
して図示しない次の処理槽へ送り出す。
【0047】ここで、上昇管16および下降管18は、
従来装置の如く、白金合金等の貴金属円管で構成しても
よいが、溶融ガラスGの処理量および導入(入口)温度
の点からは、両者は、特に上昇管16は、減圧脱泡槽1
4と同様に気孔率が5%以下の耐火物製とするのが好ま
しく、例えば気孔率5%以下の耐火物製円筒状管または
気孔率5%以下の耐火物製角筒状管を用いることができ
るが、さらに、好ましくは、減圧脱泡槽14と全く同様
に気孔率5%以下の耐火物製角筒状管で構成するのがよ
い。なお、上昇管16および下降管18の寸法は、減圧
脱泡槽14内における溶融ガラスGの流量、従って減圧
脱泡装置10における脱泡処理量に応じて適宜選択すれ
ばよい。
【0048】ところで、本発明においては、減圧脱泡槽
14を所定断面形状の気孔率5%以下の耐火物製管、例
えば矩形断面の気孔率5%以下の耐火物製角管で構成す
ることにより、減圧脱泡槽14内における溶融ガラスG
の流量、従って減圧脱泡装置10における脱泡処理量を
増大させることができるが、脱泡処理量が増大すると、
すなわち上昇管16に流入する溶融ガラスGの量が増大
すると、溶融ガラスGが減圧脱泡装置10に持ち込む顕
熱も当然増大する。このため、従来装置で流量が制限さ
れていたために、減圧脱泡装置10の出口温度を所定の
温度にするのに必要だった加熱装置による減圧脱泡槽1
4などの加熱、特に自己加熱を不要とすることができ
る。さらに、本発明においては、少なくとも減圧脱泡槽
14では白金合金等の貴金属を用いる必要がないので、
減圧脱泡装置10の溶融ガラスGの入口(導入)温度、
すなわち溶解槽24の出口温度を上昇させることもで
き、溶融ガラスGが減圧脱泡装置10に持ち込む顕熱は
ますます増大し、その結果、加熱装置による減圧脱泡槽
14などの加熱を不要なものとすることができる。
【0049】このため、本発明においては、脱泡処理
量、従って、減圧脱泡槽14(の矩形断面流路)におけ
る溶融ガラスGの流量を、15トン/日以上、好ましく
は20トン/日以上として、脱泡処理時の溶融ガラスG
の加熱を不要とし、そのための加熱装置を不要とするの
がよい。ここで、かかる加熱装置を設けない場合の脱泡
処理量を、15トン/日以上に限定する理由は、流入ガ
ラス量が少ないと最小規模の減圧脱泡装置全体の温度を
望ましい温度域に維持できないからである。
【0050】さらに脱泡処理量を増大させると、溶融ガ
ラスGが減圧脱泡装置10に持ち込む顕熱もますます増
大するので、減圧脱泡装置10の出口温度、従って次の
処理槽、特に成形処理槽の入口温度が所定の温度より高
くなってしまうことがある。この場合には、次の処理槽
である成形処理槽の入口温度が所定の温度となるよう
に、減圧脱泡装置10内外において溶融ガラスGを冷却
する必要がある。このため、本発明においては、脱泡処
理量、すなわち溶融ガラスGの流量が、30トン/日以
上、より好ましくは35トン/日以上の場合には、減圧
脱泡装置10内に冷却装置を設けるのが好ましい。ここ
で、冷却装置を設ける場合の脱泡処理量を、30トン/
日以上に限定する理由は、減圧脱泡装置の大きさをコス
トおよび建設の難易度から極力最小にすると、素地流入
量が大きくなると温度が上がり過ぎて、耐火物の侵食が
大きくなったり、減圧脱泡装置で成形に適正な温度に下
げきれないからである。
【0051】なお、本発明においては、減圧脱泡槽14
内における脱泡処理には溶融ガラスGの粘度は低い、従
って温度は高い方が好ましいので、冷却装置22は、減
圧脱泡槽14の出口側や下降管18、例えば図示例の減
圧脱泡装置10のように下降管18の上方部分の外周に
設けるのが好ましい。しかし、本発明においては、減圧
脱泡槽14の全体や入口側やその他の一部や上昇管16
などに冷却装置22を設けてもよいし、上昇管16、減
圧脱泡槽14および下降管18の2つまたは全部に冷却
装置22を設けてもよいことはもちろんである。また、
本発明に用いる冷却装置22は、図示例のように水など
を冷媒として用いる冷却管22aを巻回したものを用い
ることができ、冷却管22aを設ける位置や方向や間隔
やサイズなどは必要に応じて適宜設定すればよく、冷媒
として水以外の液体や気体をもちいてもよいが、本発明
はこれに限定されない。また、本発明では、減圧脱泡装
置10には冷却装置を設けず、下降管18の出口と成形
処理槽(図示せず)の入口との間、例えば、下流案内ダ
クト28や必要に応じて設けられる脱泡処理済溶融ガラ
スGの均質化を促進するスターラ(図示せず)等に冷却
装置を設けて、次の処理槽である成形処理槽の入口温度
を所定の温度となるようにしてもよいのはもちろんであ
る。
【0052】ところで、本発明においても、脱泡処理を
開始する際、すなわち溶融ガラスGを流し始める際に
は、減圧脱泡装置10の各部、すなわち上昇管16、減
圧脱泡槽14および下降管18の温度は適温から低下し
ているので、運転開始のために加熱が必要であり、この
ために、図示されていない運転開始用加熱装置が設けら
れている。さらに、図示されていないが、運転開始のた
めには、サイホンの原理を働かせる必要があり、上流案
内ダクト26のみならず下流案内ダクト28にも溶融ガ
ラスGがなければならないので、上流案内ダクト26か
ら下流案内ダクト28に溶融ガラスGを流すためのバイ
パス(図示せず)を設けておくのが好ましい。
【0053】なお、本発明の減圧脱泡装置10は、溶融
ガラスGの流量が、15トン/日未満であっても適用可
能なことはもちろんである。この場合には、従来装置と
同様に溶融ガラスGが持ち込む顕熱が小さく、減圧脱泡
装置10内での冷却によってその出口温度が所定設定温
度より低下してしまうこともあるので、運転中溶融ガラ
スGを常に加熱するための加熱装置32を設けておくの
がよい。このような加熱装置32は、上昇管16の上側
部分の外周に図1に点線で示すように加熱ヒータ32a
を巻回したものが挙げられるが、本発明はこれに限定さ
れず従来公知の加熱装置は全て用いることができる。ま
た、加熱装置32を設ける位置は、図1に示すように、
上昇管16および減圧脱泡槽14の入口側のいずれか、
またはその両方であるのが好ましいが、本発明はこれに
限定されず、これとは別にもしくはこれらに加え、減圧
脱泡槽14の全部や一部、例えば出口側および下降管1
8などのいずれか、もしくは両者であってもよい。加熱
装置32を設ける場合には、溶融ガラスGの脱泡処理量
が、15トン/日未満、特に10トン/日以下である場
合に必要になる。
【0054】また、本発明においては、減圧脱泡装置1
0の溶融ガラスGの入口(導入)温度、すなわち溶解槽
24の出口温度は、従来より上昇させることもでき、特
に限定されるものではないが、脱泡処理する溶融ガラス
Gの種類(処理温度での粘度)や処理量や、減圧脱泡装
置10の各部を構成する材料、例えば電鋳耐火物の種類
やサイズなどに応じて適宜選択すればよい。しかしなが
ら、溶解槽24における加熱溶解コストや減圧脱泡装置
10の脱泡効率やその装置内外での加熱や冷却のコスト
などを考慮すると、溶解槽24での溶融ガラスGの出口
温度は、1300〜1450℃とするのが好ましい。
【0055】ここで、本発明の減圧脱泡装置10の処理
対象となる溶融ガラスGは、特に制限的ではなく、例え
ば、ソーダ石灰ガラスやホウケイ酸ガラスなどを挙げる
ことができるが、本発明の減圧脱泡装置10は多量の溶
融ガラスを処理することができることから、多量の処理
が必要とされるソーダ石灰ガラスを処理対象とするのが
よい。
【0056】本発明に係る溶融ガラスの減圧脱泡装置
は、基本的に以上のように構成されるが、以下にその作
用について説明する。
【0057】まず、減圧脱泡装置10の運転を開始する
に先立って、流路40を十分加熱後、溶解槽24内の溶
融ガラスGを減圧脱泡装置10内、すなわち図示しない
バイパスを開放して上流案内ダクト26から下流案内ダ
クト28内に導入し、上昇管16および下降管18の両
下端部を溶融ガラスG中に浸漬する。浸漬完了後、図示
しない真空ポンプを作動して、減圧ハウジング12内を
吸引口12cから真空引きして、従って減圧脱泡槽14
内を吸引口14aおよび14bから真空引きして、減圧
脱泡槽14内を1/20〜1/3気圧に減圧する。その
結果、溶融ガラスGが上昇管16および下降管18内を
上昇し、減圧脱泡槽14内に導入され、溶解槽24と減
圧脱泡槽14との溶融ガラスGのレベル差Hが所定値と
なるように、減圧脱泡槽14内に所定の深さまで満たさ
れ、真空引きされた上部空間14sが形成される。この
後に、バイパスが閉止される。
【0058】この後、溶融ガラスGは、溶解槽24から
上流案内ダクト26を経由し、上昇管16内を上昇し
て、減圧脱泡槽14内に導入される。そして溶融ガラス
Gは、減圧脱泡槽14内を流れる間に、所定の減圧条件
下で脱泡処理される。すなわち、所定の減圧条件下の減
圧脱泡槽14内において、溶融ガラスG中の気泡は、溶
融ガラスG中を浮上し、バリヤ30aおよび30bに堰
止められて破泡し、また、上部空間14sまで浮上し
て、破泡する。こうして、溶融ガラスG中から気泡が除
去される。このようにして、脱泡処理された溶融ガラス
Gは、減圧脱泡槽14内から下降管18に導出され、下
降管18内を下降して下流案内ダクト28内に導入さ
れ、下流案内ダクト28から、図示しない次の処理槽
(例えば成形処理槽)に導出される。
【0059】ここにおいて、本発明の第1の態様の気孔
率5%以下の耐火物を減圧脱泡槽14の流路の炉材とし
て使用することで、減圧脱泡槽14の耐火物製炉材から
発生する気泡の個数を許容範囲内に抑え、さらに耐火物
製炉材の侵食を押さえ、減圧脱泡装置10の寿命も要求
レベルを充たすものとなる。また、図示例では、少なく
とも減圧脱泡槽14は、矩形断面を有し、気孔率5%以
下の耐火物、例えば電鋳耐火物製であるので、従来の円
形断面を有し、貴金属製減圧脱泡槽104に比べ、同じ
サイズで同じ圧損でも、溶融ガラスGの流量、すなわち
脱泡処理量を増大させることができるし、また、図示例
のものは、高さを変えないでも幅のみを拡げることがで
きるので、装置規模をあまり大型化することなく、さら
なる大幅な流量増大や、脱泡処理量の増大を図ることが
できる。また、本発明においては、脱泡処理量の増大を
図ることができるので、従来必要であった脱泡処理中の
溶融ガラスGの加熱を不要とし、そのための加熱装置を
不要な物とすることができる。また、本発明において、
冷却装置22を設け、溶融ガラスGの冷却、特に脱泡処
理済溶融ガラスGの冷却を行うことにより、溶解槽24
や成形処理槽などの装置規模に対して、装置規模を大型
化することなく、脱泡処理量をさらに増大させることも
できる。
【0060】ところで、本発明の溶融ガラスの減圧脱泡
装置は、図1に示すサイフォン方式減圧脱泡装置のみな
らず、特開平5−262530号公報、特開平7−29
1633号公報に示す水平式減圧脱泡装置にも適用して
もよいのはもちろんである。本発明に係る溶融ガラスの
減圧脱泡装置に用いる炉材および溶融ガラスの減圧脱泡
装置について、種々の実施例を挙げて説明したが、本発
明は上述した実施例に限定されるわけではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良や設計の変
更などが可能なことはもちろんである。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の第1の態
様によれば、白金等の貴金属合金に替えて、気孔率が5
%以下の耐火物製炉材を減圧脱泡槽等の流路に使用する
ことで、白金等の貴金属に比べてコストのかからない減
圧脱泡装置を製作することができるとともに、耐火物中
の気孔から発生する気泡個数を抑えて、溶融ガラス内の
気泡個数を許容範囲内とし、製品としてのガラスの品質
の低下を防ぎ、さらに溶融ガラスによる流路の侵食を押
さえて減圧脱泡装置に要求される流路寿命をも満足させ
ることが可能となる。また、本発明の第2の態様によれ
ば、従来のものに比べ、同じサイズで同じ圧損でも、溶
融ガラスの流量、従って脱泡処理量を増大させることが
できるし、また、減圧脱泡槽の高さを変えないで幅のみ
を拡大できるので、装置規模をあまり大型化することな
く、さらなる大幅な流量増大や、脱泡処理量の増大を図
ることができる。
【0062】また、本発明の第2の態様によれば、脱泡
処理量の増大を図ることができるので、従来必要であっ
た脱泡処理中の溶融ガラスの加熱を不要とし、そのため
の加熱装置を不要なものとすることができる。また、本
発明の第2の態様において、冷却装置を設け、溶融ガラ
ス、特に脱泡処理済溶融ガラスの冷却を行うものでは、
溶解槽や成形処理槽などの装置規模に対して、装置規模
を大型化することなく、溶融ガラスの流量や、脱泡処理
量を、さらに増大させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る溶融ガラスの減圧脱泡装置の一
実施例の断面模式図である。
【図2】 耐火物の見かけ気孔率と溶融ガラスによる耐
火物の侵食速度との関係をグラフによって示した説明図
である。
【図3】 図1に示す減圧脱泡装置の減圧脱泡槽のII−
II線矢視図である。
【図4】 本発明に用いられる減圧脱泡槽と従来の減圧
脱泡槽の断面形状と流量との関係を説明するための説明
図である。
【図5】 従来の減圧脱泡装置の断面模式図である。
【符号の説明】
10 減圧脱泡装置 12 減圧ハウジング 12a,12b 脚部 12c 吸引口 14 減圧脱泡槽 14a,14b 吸引口 14s 上部空間 16 上昇管 18 下降管 20 断熱材 22 冷却装置 22a 冷却管 24 溶解槽 26 上流案内ダクト 28 下流案内ダクト 30a,30b バリア 32 加熱装置 32a 加熱ヒータ 40 流路 G 溶融ガラス
フロントページの続き (72)発明者 木島 駿 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目1番 地 旭硝子株式会社京浜工場内 (72)発明者 谷垣 淳史 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目1番 地 旭硝子株式会社京浜工場内 (72)発明者 石野 利弘 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平8−48561(JP,A) 特開 平7−237933(JP,A) 特開 平11−130444(JP,A) 特開 平11−139834(JP,A) 特開 昭54−81321(JP,A) 特開 平9−156932(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 5/00 - 5/44 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融ガラスの脱泡処理を行う減圧脱泡装置
    の流路の少なくとも前記溶融ガラスと直接接触する部分
    に用いる炉材であって、気孔率が5%以下である耐火物
    を用いることを特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡装置用
    炉材。
  2. 【請求項2】前記耐火物は、電鋳耐火物あるいは緻密質
    焼成耐火物である請求項1に記載の溶融ガラスの減圧脱
    泡装置用炉材。
  3. 【請求項3】前記電鋳耐火物は、アルミナ系電鋳耐火
    物、ジルコニア系電鋳耐火物、およびアルミナ−ジルコ
    ニア−シリカ系電鋳耐火物の少なくとも1種の電鋳耐火
    物であり、前記緻密質焼成耐火物は、緻密質アルミナ系
    耐火物、緻密質ジルコニア−シリカ系耐火物、および緻
    密質アルミナ−ジルコニア−シリカ系耐火物の少なくと
    も1種の緻密質焼成耐火物である請求項2に記載の溶融
    ガラスの減圧脱泡装置用炉材。
  4. 【請求項4】前記耐火物は、電鋳耐火物の少なくとも溶
    融ガラスと直接接触する面の表層を研磨したものである
    請求項1〜3のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧脱泡
    装置用炉材。
  5. 【請求項5】前記電鋳耐火物の表層の研磨は、少なくと
    も5mm以上であり、この表層が少なくとも5mm以上
    研磨された前記電鋳耐火物の見かけ気孔率は1%以下で
    ある請求項4に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置用炉
    材。
  6. 【請求項6】減圧吸引される減圧ハウジングと、 この減圧ハウジング内に収容され、溶融ガラスを流す流
    路を有し、該流路の溶融ガラスと直接接触する部分が、
    請求項1〜5のいずれかに記載の減圧脱泡装置用炉材で
    構成された、溶融ガラスを減圧脱泡する減圧脱泡槽と、 この減圧脱泡槽に連通され、脱泡処理前の溶融ガラスを
    前記減圧脱泡槽に導入する導入手段と、 前記減圧脱泡槽に連通され、脱泡処理後の溶融ガラスを
    前記減圧脱泡槽から導出する導出手段とを有することを
    特徴とする溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  7. 【請求項7】前記減圧脱泡槽の流路は、矩形断面を有す
    る請求項6に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  8. 【請求項8】前記導入手段および前記導出手段はそれぞ
    れ上昇管および下降管であり、前記上昇管および前記下
    降管の少なくともいずれか一方は、請求項1〜5のいず
    れかに記載の減圧脱泡装置用炉材によって構成される請
    求項6または7に記載の溶融ガラスの減圧脱泡装置。
  9. 【請求項9】溶融ガラスを冷却するための冷却装置を有
    する請求項6〜8のいずれかに記載の溶融ガラスの減圧
    脱泡装置。
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