JP5817726B2 - 溶融ガラスの導管構造とそれを備えた減圧脱泡装置および溶融ガラスの減圧脱泡方法とガラス製品の製造方法 - Google Patents

溶融ガラスの導管構造とそれを備えた減圧脱泡装置および溶融ガラスの減圧脱泡方法とガラス製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融ガラスの導管構造とそれを備えた減圧脱泡装置および溶融ガラスの減圧脱泡方法とガラス製品の製造方法に関する。
従来、成形されたガラス製品の品質向上のため、溶融槽でガラス原料を溶融した後、溶融ガラスを成形装置で成形する前に、溶融ガラス内に発生した気泡を除去する目的で減圧脱泡装置が用いられている。
前記減圧脱泡装置は、内部が所定の減圧度に保持された減圧脱泡槽内に溶融ガラスを通過させることにより、溶融ガラス内に含まれる気泡を比較的短時間に成長させ、大きく成長した気泡の浮力を利用して気泡を溶融ガラスの表面に浮上させ、溶融ガラスの表面で気泡を波泡させることで、効率良く溶融ガラスから気泡を除去する装置である。
そして、減圧脱泡装置のような溶融ガラスの製造装置において、溶融ガラスの流路をなす減圧脱泡槽、上昇管および下降管のような、中空管からなる溶融ガラスの導管の構成材料は、耐熱性および溶融ガラスに対する耐食性に優れている必要がある。このような条件を満たす材料として、従来、白金または白金ロジウム合金のような白金合金を使用する技術(特許文献1参照)と、電鋳レンガのような耐熱レンガを使用する技術(特許文献2参照)が知られている。
前記の技術において、電鋳レンガのような耐熱レンガを用いて溶融ガラスの導管を構成した場合、耐熱レンガに含まれる成分が溶出して溶融ガラスに混入することがあり、たとえば、ジルコニア系電鋳レンガから溶出するジルコニア、アルミナシリカ系電鋳レンガやジルコニア系レンガから溶出するアルミナ等が挙げられる。しかし、前記溶出成分は溶融ガラス中に均一に分散した場合、製造されるガラスに悪影響が及ぶ可能性は低いとされている。
一方、溶融ガラスの導管を白金製あるいは白金合金製とした場合、白金壁面と溶融ガラスとの界面で白金や白金合金起因の異物が発生する場合がある。そして、その異物が溶融ガラスの内部に残留した場合、製造されるガラスに欠点を生じさせるおそれがある。なお、白金製または白金合金製以外の金属であっても、同様の問題が発生する。また、溶融ガラスの導管がいずれの材料で形成されている場合であっても、導管壁面と溶融ガラスとの界面で泡が発生する場合があり、前記の異物や泡を除去するための構造が溶融ガラスの導管構造には必要とされている。
溶融ガラスの導管構造において、溶融ガラス中に混入している異物や泡を除去するための従来構造として、ドレインアウト構造、オーバーフロー構造などが採用されているが、充分な除去効果は容易には得られない問題がある。そこで本出願人は先に、溶融ガラスの減圧脱泡槽から溶融ガラスを外部に排出するための導管構造の一例として、導管の終端部近くの部分に内管と外管とからなる二重管構造を採用し、内管と外管との間を通過する溶融ガラスの一部を溶融ガラスの主流路(メインフロー)の系外に排出可能な構造を提案している(特許文献3参照)。
特開平2−221129号公報 特開平11−139834号公報 再公表WO2008/026606号公報
上述の二重管構造の導管によれば、外管と溶融ガラスとの接触部分において発生し易いとされる異物や気泡を含む可能性の高い溶融ガラスの境界層流を外管と内管の間の流路に導入し、該流路の下流側に閉止端を設けてそこに排出路を形成することにより、気泡と異物を含む溶融ガラスの境界層流のみを効率良く分離し排出できる効果がある。なお、この効果は、減圧脱泡装置に二重管構造を採用した場合に限られない。
このような二重管構造を採用した場合、たとえば、外管を溶融ガラスの減圧脱泡槽の出口側で支持した構造とすると、外管の内側に内管を何らかの構造で支持する必要があるため、外管の内側にリブを介して内管を吊下支持する構造を採用することが考えられる。また、逆に内管を何らかの支持構造で支持した場合、内管の外側にリブを介して外管を支持した構造を採用することが考えられる。
このように、溶融ガラスの導管構造において二重管構造を採用した場合、リブにより内管あるいは外管を支持する構造を適用できるが、本発明者らがその二重管構造について検討したところ、二重管構造を大型化した場合、白金や白金合金製等のリブの支持構造として種々の問題を発生する可能性を有することが判明した。
たとえば、リブは内管の自重を支えるために内管と外管の間に溶接等の接合方法により固定され、内管と外管の間に架設されるが、長方形板状のリブを内管と外管の間にブリッジ状に複数架設した場合、二重管構造の大型化に伴い、内管重量が増加すると、接合部やリブに局所的に大きな応力を作用させた状態のまま高温の溶融ガラスに接触するため、リブと外管あるいは内管の接合部およびリブに対して局所的に大きな応力が作用しないようなリブ形状を採用する必要がある。しかし、溶融ガラスの導管となる二重管構造においてリブに作用する応力の状態を詳細に解析してリブの形状を工夫した構造は従来から提案されていないのが現状である。
たとえば、リブと内管との接合部あるいはリブと外管との接合部に過大な応力が作用したまま高温の溶融ガラスの流動を長時間受け続けると、接合部やリブに亀裂を生じたり、接合部やリブを破損するおそれがあり、減圧脱泡装置に利用した場合には溶融ガラスに異物が混入し、異質ガラスを流出させてしまう問題を生じる。これらの問題は、減圧脱泡装置の大型化に伴い顕在化するので、現状規模の5倍〜10倍、あるいは、それ以上の規模に減圧脱泡装置を大型化しようとした場合、導管構造の部分が装置大型化の制限となるおそれがある。
また、リブの部分的な破損に対し、リブと外管との接合部に大きな応力が作用して外管に損傷を与えると、減圧脱泡装置によらず、ガラスの実生産の面では大問題となるおそれがあるため、リブに対して多少の応力が作用しても、リブと外管との接合部に過大な応力が作用しないような構造を採用する必要もある。
さらに、溶融ガラスの導管構造において二重管構造を採用した場合、支持する側の管の肉厚を支持される側の管の肉厚より大きく設定するが、肉厚の大きな管よりも肉厚の小さな管の方が自重による応力の影響により変形を受け易いため、内管と外管の厚さの差異も考慮してリブの形状を規定することが好ましい。
なお、減圧脱泡装置のようなガラス製造装置は一旦ガラスの生産が始まると、長時間連続運転する装置であるため、装置を大型化した上で上述のような異物の混入が発生すると、高品質のガラスの製造効率を低下させる原因となり、さらに、外管が損傷することはガラスの生産そのものの停止につながるおそれがあるなど、ガラスの生産に重大な悪影響を及ぼすおそれがある。
以上のような背景から、本発明者は、溶融ガラスの導管構造において内管と外管による二重管構造を採用した場合、内管と外管を接続する支持リブの構造において、内管の自重による応力負荷を受けた状態において内管接合部と外管接合部とリブのいずれにおいても過度の応力集中が生じ難い構造を発案し、長時間の運転によっても問題を生じ難いようにした溶融ガラスの導管構造の提供を目的とする。また、本発明は支持リブに多少の応力が作用しても、支持リブと外管との接合部に過度の応力集中が発生しないような導管構造の提供を目的とする。
本願発明は、応力集中等の問題を生じ難い溶融ガラスの導管構造を採用し、長時間の運転においても支障を生じない減圧脱泡装置の提供を目的とする。
本願発明は、上述の減圧脱泡装置を用いる溶融ガラスの減圧脱泡方法とガラス製品の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、金属製の中空管からなる溶融ガラスの導管構造であって、前記導管構造が少なくとも下流端を内管および外管からなる二重管構造とされ、前記内管と外管との間に前記内管と外管に接続された支持リブが架設されてなり、
前記支持リブが、前記内管の外面に該内管の長さ方向に沿って接合され、その接合面の略法線方向に幅を有する内ストレート部と、前記外管の内面に該外管の長さ方向に沿って接合され、その接合面の略法線方向に幅を有する外ストレート部と、前記内ストレート部および外ストレート部から延出形成されてこれらを一体化する接続壁部とを具備して構成され、
前記内ストレート部の一側端部と前記外ストレート部の一側端部との間に位置する接続壁部の一側縁に前記各ストレート部の一側端部までアール部を介して前記一側縁の両端を到達させる凹部が形成され、前記内ストレート部の他側端部と前記外ストレート部の他側端部との間に位置する接続壁部の他側縁に前記各ストレート部の一側端部までアール部を介して前記一側縁の両端を到達させる凹部が形成されるとともに、前記内ストレート部の両端側と前記外ストレート部の両端側にそれぞれ前記アール部に連続する突出部が形成されてなり、前記凹部の深さが、前記支持リブの内ストレート部の全長あるいは外ストレート部の全長のうち、長い方の全長に対し10%以上、42%以下の範囲とされてなる溶融ガラスの導管構造を提供する。
本発明における金属は、溶融ガラスの導管構造に利用される高温での利用が可能な金属であればよく、白金製、白金合金製、モリブデン製、またはイリジウム製が好ましい。
発明の溶融ガラスの導管構造は、前記突出部の先端側の接合面の略接線方向に均一幅の突出片が形成されてなることが好ましい。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、前記突出片の先端形状が、前記内管外面あるいは前記外管内面への当接により前記外面上あるいは内面上に段部を形作る形状とされてなることが好ましい。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、前記外管と内管の間の領域が外管の内側を流れる溶融ガラスにおいて異物や気泡を含む可能性の高い境界層流を主体に通過させる領域であり、前記外管と内管の間の領域の終端側に前記境界層流を溶融ガラス流の中心側のメインフローから分離する手段が設けられてなることが好ましい。
本発明の溶融ガラスの導管構造において、前記外管の肉厚と内管の肉厚が異なり、前記外ストレート部と内ストレート部のうち、肉厚の大きな方の管に接続された側のストレート部の長さが他方のストレート部よりも長く形成されてなることが好ましい。
本発明の溶融ガラスの導管構造において、前記外管の肉厚が内管の肉厚よりも大きく形成されることが好ましい。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、前記支持リブが前記内管の周方向に所定の間隔で複数架設されてなることが好ましい。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、前記内ストレート部と外ストレート部を一体化する接続壁部の延在方向が前記内管側から前記外管側にかけて溶融ガラスの流動方向上流側あるいは下流側に向いて傾斜され、前記内ストレート部が前記内管に接合される部分の長さ方向中央位置と、前記外ストレート部が前記外管に接合される部分の長さ方向中央位置とが溶融ガラスの流れ方向に沿って異なる位置とされてなることを特徴とする。
本発明の溶融ガラスの導管構造は、前記内ストレート部の両端側に形成された突出片において、前記内管の上流側の突出片の長さよりも前記内管の下流側の突出片の長さの方が長く形成されてなることが好ましい。
本発明は、減圧脱泡槽、該減圧脱泡槽に溶融ガラスを供給する上昇管、および該減圧脱泡槽から減圧脱泡後の溶融ガラスを排出する下降管を有する減圧脱泡装置において、前記下降管の終端側あるいは下降管に続く延長管に先のいずれかに記載の溶融ガラスの導管構造が適用されてなる減圧脱泡装置を提供する。
本発明は、減圧脱泡槽、該減圧脱泡槽に溶融ガラスを供給する上昇管、および該減圧脱泡槽から減圧脱泡後の溶融ガラスを排出する下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、前記下降管の終端側あるいは下降管に続く延長管に先のいずれかに記載の導管構造を用いて前記溶融ガラスの一部を分離する溶融ガラスの減圧脱泡方法を提供する。
本発明は、先に記載の減圧脱泡装置と、該減圧脱泡装置よりも上流側に設けられたガラス原料を溶融して溶融ガラスを製造する溶融手段と、前記減圧脱泡装置よりも下流側に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段とを備えるガラス製品の製造装置を提供する。
本発明は、先に記載の溶融ガラスの減圧脱泡方法により溶融ガラスを脱泡処理する工程と、前記減圧脱泡装置よりも上流側でガラス原料を溶融して溶融ガラスを製造する溶融工程と、前記減圧脱泡装置よりも下流側で溶融ガラスを成形する成形工程と、成形後のガラスを徐冷する徐冷工程とを含むガラス製品の製造方法を提供する。
内管と外管からなる二重管構造の導管構造において、内管と外管を接続する支持リブについて、内管に接合される内ストレート部と外管に接合される外ストレート部と接続壁部からなる構造を採用し、接続壁部の両側縁に内ストレート部と外ストレート部にその幅方向両側を到達させる凹部を形成したことにより、内管接合部と外管接合部と支持リブのいずれにおいても過度の応力集中が発生することを防ぐことができ、更には、内ストレート部と外ストレート部の両端側に突出部を設けたことにより、突出部において外管あるいは内管に対し支持リブが変形追従することができ、支持リブと内管接合部および外管接合部に加え、支持リブ自体への過度の応力集中を生じ難い導管構造を実現できる。
支持リブにおいて、凹部の内側から連続するアール部を介して凹部を内ストレート部あるいは外ストレート部に連続させ、それらの外側に均一厚さの突出片を設ける構造とするならば、各突出部において外管あるいは内管に対し支持リブがしなやかに変形追従することができ、内管接合部と外管接合部への過度の応力集中を生じ難い導管構造を実現できる。
支持リブにおいて突出片の先端部分を内管外面に対し、あるいは、外管内面に対し段部を形作るような形状とすることにより、突出片の先端側に先の尖った部分を無くすることができるため、溶接などによる接合後、内管の自重により支持リブに応力が作用し、応力により支持リブが回転する方向に変形しようとした場合、内管あるいは外管を突出片の先端が突き破るような方向に応力が作用しない。よって、突出片を設けた支持リブの構造であっても内管あるいは外管を損傷させるおそれがない。
支持リブに形成する凹部の深さを内ストレート部と外ストレート部のうち、長い方の全長に対し10〜42%の範囲にしておくならば、内ストレート部と外ストレート部の両端側に形成される各突出部において外管あるいは内管に対し支持片が変形追従することが容易であり、内管と外管への過度の応力集中を生じ難い導管構造を実現できる。
外管が内管よりも厚く形成され、外ストレート部が内ストレート部よりも長く形成されている場合、支持リブの回転変位は剛性の高い外管に支配されるため、支持リブの外ストレート部の両端側に変形追従性の高い突出部が形成されていることで前記の突出部が外管と支持リブとの接合部に過度に応力集中することを抑制する。これにより、支持リブと外管接合部に生じる応力の大幅な削減に寄与する。
上述の導管構造を備えた減圧脱泡装置あるいは減圧脱泡方法であるならば、支持リブ周りの導管構造の部分に過度の応力集中を無くし、長時間の安全運転を実現できる効果がある。
また、上述の減圧脱泡装置を用いるガラス製品の製造装置と製造方法であるならば、高品質のガラスを長い時間製造しても安定した品質を維持しつつ生産できる。
図1は本発明に係る導管構造を適用した減圧脱泡装置の一例の概略断面構造と該装置に成形装置が接続された状態を示す構成図。 図2は図1に示す減圧脱泡装置に適用される導管構造の要部を示す斜視説明図。 図3は図2に示す導管構造に適用された支持リブの第1実施形態を示すもので、図3(A)は斜視図、図3(B)は接続状態を示す部分断面図。 図4は図3に示す支持リブを内管と外管に接合した状態で負荷が作用した場合のシミュレーション解析結果(変形モード)の一例を示す説明図。 図5は図2に示す導管構造に適用される支持リブの各実施形態を示すもので、図5(A)は第2の形態を示す側面図、図5(B)は第3の形態を示す側面図、図5(C)は第4の形態を示す側面図、図5(D)は第4の形態の部分説明図、図5(E)は第5の形態を示す側面図、図5(F)は第6の形態を示す側面図。 図6は内管が外管よりも厚い導管構造の場合の支持リブの各形態を示すもので、図6(A)は第7の形態を示す側面図、図6(B)は第8の形態を示す側面図、図6(C)は第9の形態を示す側面図、図6(D)は第10の形態を示す側面図。 図7は本発明に係るガラス製品の製造方法に係る工程の一例を示すフロー図。 図8は応力とアール部寸法との相関関係を示すグラフ。 図9は応力と外管側上と内管側下のアール部各寸法との相関関係を示すグラフ。 図10は応力と外管側のアール部各寸法との相関関係を示すグラフ。 図11は応力と突出片長さの相関関係を示すグラフ。 図12は応力と高さの差について相関関係を示す図。 図13は応力と凹部深さの相関関係を示すグラフ。
以下、本発明に係る溶融ガラスの導管構造とそれを備えた減圧脱泡装置の一実施形態について説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に制限されるものではない。また、本発明の導管構造は、管の軸が垂直方向となる形態に限定されるものではない。
図1は本発明に係る溶融ガラスの導管構造を備えた減圧脱泡装置の一例構造を模式的に示す断面図である。図1に示す減圧脱泡装置100は、溶融槽1から供給される溶融ガラスGを減圧脱泡して、後工程の成形装置200に連続的に供給するプロセスに用いられる装置である。
本実施形態の減圧脱泡装置100は、使用時にその内部を減圧状態に保持できる金属製、たとえば、ステンレス鋼製の減圧ハウジング2を有している。該減圧ハウジング2の内部には減圧脱泡槽3がその長軸を水平方向に向けるように収容配置されている。減圧脱泡槽3の一端側の下面には垂直方向に配向する上昇管5が導入口3aを介し接続され、他端側の下面には垂直方向に配向する下降管6が導出口3bを介し接続されている。前記上昇管5と下降管6は減圧ハウジング2の底部側に形成された導入口2aまたは導出口2bを介しそれぞれ外部に連通できるように配置されている。また、減圧ハウジング2の内部側において減圧脱泡槽3の周囲と上昇管5の周囲および下降管6の周囲にはそれぞれ断熱材7が配設されていて、減圧脱泡槽3と上昇管5と下降管6の外部側が断熱材7により取り囲まれた構造とされている。
前記構造の減圧脱泡装置100において、減圧脱泡槽3、上昇管5および下降管6は電鋳レンガのような耐熱レンガ製、または白金若しくは白金合金製の中空管からなる構造とされる。減圧脱泡槽3が耐熱レンガ製の中空管である場合、減圧脱泡槽3は外形が矩形断面を有する耐熱レンガ製の中空構造であり、溶融ガラスの流路をなす内部形状は矩形断面を有することが好ましい。減圧脱泡槽3が白金製あるいは白金合金製の中空管である場合、減圧脱泡槽3における溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が円形または楕円形を有することが好ましい。
上昇管5および下降管6が耐熱レンガ製の中空管である場合、上昇管5および下降管6は円形断面や矩形を含む多角形断面を有する耐熱レンガ製の中空管であり、溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が円形状断面を有することが好ましい。
上昇管5および下降管6が白金製または白金合金製の中空管である場合、上昇管5または下降管6における溶融ガラスの流路をなす内部断面形状が円形または楕円形を有することが好ましい。
上昇管5および下降管6の寸法の具体例は、長さ0.2〜6m、好ましくは0.4〜5m、内部断面形状における幅0.05〜1.0m、好ましくは0.1〜0.8mである。
なお、減圧脱泡装置100において、200トン/日以上の処理能力、あるいは500トン/日以上の処理能力に達成するような大型の装置の場合、電鋳レンガのような耐熱レンガにより減圧脱泡槽3が構成されていることが好ましい。
上昇管5の下端(下端部)には延長用の外管8が取り付けられ、下降管6の下端(下端部)には延長用の外管9が取り付けられ、外管8、9が白金製または白金合金製とされている。なお、上昇管5および下降管6が白金製または白金合金製の中空管である場合、延長用の外管8、9を別途設けることなく、図1において外管8、9と記載されている部分まで上昇管5と下降管6が一体的に延長された構造とされていても良い。このような構造とする場合、以下本願明細書における外管8、9に関する説明は、白金製または白金合金製の上昇管および下降管に関する記載として読み替えて適用できる。
上昇管5は減圧脱泡槽3の一側底部と連通され、溶融槽1からの溶融ガラスGを減圧脱泡槽3に導入する。このため、上昇管5に取り付けられた外管8の下端(下流端)8aは溶融槽1と導管11を介し接続された上流ピット12の開口端から嵌入され、該上流ピット12内の溶融ガラスGに浸漬されている。また、下降管6は減圧脱泡槽3の他側底部に連通され、減圧脱泡後の溶融ガラスGを次の処理槽(図示略)に導出する。このため、下降管6に取り付けられた外管9の下端(下流端)は、下流ピット15の開口端に嵌入され、該下流ピット15内の溶融ガラスGに浸漬されている。下流ピット15の一側部にはドレインアウト16が接続されている。ドレインアウト16とは、溶融ガラスGの均質性を高めるために、溶融ガラスの一部、具体的には、異物等を含む可能性の高い溶融ガラスの境界層流を外部へ流出させるための流出管などからなる構造を意味する。すなわち、ドレインアウト16は、前記外管と内管との間を流れる異物や気泡を含む可能性の高い境界層流が主体に通過する前記外管と内管の間の領域の終端側において設けられる。このドレインアウト16は、前記境界層流を溶融ガラス流の中心側のメインフローから分離する手段となる。
また、下流ピット15の下流側に成形装置200が接続されている。
図1に示す減圧脱泡装置100において、下降管6の下に設けられている外管9の終端側に外管9よりも若干径の小さな内管19が外管9の内側に同軸位置に支持されていて二重管構造とされている。内管19は外管9と同等材料からなり、内管19と外管9とを接続する形で架設されている後述の支持リブ20を介して内管19が外管9により吊り下げ支持された構造とされている。外管9の終端部9aは本実施形態では内管19の周面を取り囲むように延設されて閉止端とされ、閉止端の側部側には前記ドレインアウト16側に望むように開口部9bが形成されていて、外管9と内管19の間の領域を通過した溶融ガラスGの一部を、前記開口部9bを介しドレインアウト16側に導くことができるようになっている。
本実施形態において外管9および内管19は、いずれも白金製または白金合金製の中空円筒管からなる。白金合金の具体例としては、白金−金合金、白金−ロジウム合金などが挙げられる。白金または白金合金と記載した場合、白金または白金合金に金属酸化物を分散させてなる強化白金であっても良い。分散される金属酸化物として、Al、またはZrO若しくはYに代表される、長周期表における3族、4族若しくは13族の金属酸化物が挙げられる。
先に説明したように、下降管6に沿って下降する溶融ガラス中に含まれる異物や気泡等は、溶融ガラス中に均一に拡散するのではなく、下降管6および外管9の内壁面に沿って厚さ3〜5mm程度の境界層流に沿って流れる傾向があるため、境界層流を含んだ溶融ガラス流が外管9と内管19の二重管構造部分に到達すると、境界層流は外管9と内管19の間の領域に流れ込んで開口部9bからドレインアウト16側に排出されるとともに、境界層流を除いた溶融ガラス流のメインフロー(中心側の溶融ガラス流)は内管19を通過して下流ピット15の下流側に流動する。この結果、異物や気泡等を含んだ境界層流から分離されたメインフローの溶融ガラス流のみが後工程の成形装置200へと供給される。一方、ドレインアウト16側に移動してメインフローの系外に排出された境界層流の溶融ガラスは廃棄され、カレット化される。
内管19の上端(上流端)および下端(下流端)はそれぞれ解放端とされ、内管19の下端は本実施形態では外管9の終端部9aよりも若干下方に突出されている。なお、内管19の下端が外管9の下方に突出している構造は必須ではなく、下降管6と外管9の中心側に沿って流動する溶融ガラスGのメインフローを内管19が下流ピット15の下流側に円滑に導入できる構成であれば内管19の下端位置は問わない。また、外管9の終端部9aと開口部9bの構造については、外管9と内管19の間の領域を流動する境界層流としての溶融ガラスGを溶融ガラスのメインフローから分離してドレインアウト16側に導くことができる構成であれば図1に示す構造に限らないのは勿論である。
また、図2に示すように、本実施形態の外管9と内管19においては、外管9が内管19を複数の支持リブ20を介し吊り下げる構造となることから、外管9の方が内管19よりも肉厚に形成されている。
図1に示す減圧脱泡装置100において、外管9と内管19からなる二重管構造の部分に本発明に係る支持リブ20が設けられている。支持リブ20は、図2に示すように外管9と内管19の間の部分に周回りに等間隔で複数個(本実施形態では周回り90゜おきに合計4個)設置されている。支持リブ20を構成する材料については、外管9と内管19を構成する材料と同じ材料、例えば白金または白金合金を用いる。図3に示すように、支持リブ20は、外管9の内面側に外管20の長さ方向に沿って溶接により固定される脚型の外ストレート部21と、内管19の外面側に内管19の長さ方向に沿って溶接により固定される脚型の内ストレート部22と、外ストレート部21および内ストレート部22とを一体的に接続する接続壁部23とから板状に一体形成されている。支持リブ20の厚さt1は、外管9が支持リブ20を介して内管19を支持する構造の場合、外管9の厚さをt2、内管19の厚さをt3とすると、外管9が内管19よりも肉厚に形成されるので、t3<t1<t2の関係を満たすことが好ましい。また、場合によっては内管19が支持リブ20を介し外管9を支持する構造となる場合もあり、その場合は、内管19が外管9よりも肉厚とされるので、t2<t1<t3の関係を満たすことが好ましい。
より詳細には、支持リブ20において外ストレート部21の表面には、外管9のうち、直管部分の内面側に外管9の長さ方向に沿って当接可能な幅の狭い縦長長方形状の接合面24が形成されるとともに、内ストレート部22の表面には、内管19のうち、直管部分の外面側に当接可能な幅の狭い縦長長方形状の接合面25が形成されている。また、支持リブ20において接続壁部23の幅方向両側部分、即ち、外ストレート部21の一端と内ストレート部22の一端の間に延在する接続壁部23の縁部、および、外ストレート部21の他端と内ストレート部22の他端の間に延在する接続壁部23の縁部のそれぞれに、凹部26が形成されている。
図3に示すように、本実施形態の支持リブ20において、凹部26の内面は、内ストレート部22の一端側(図示した例では上端側)において画成される小さな曲率半径R1の円の輪郭と外ストレート部21の一端側において画成される大きな曲率半径R2の円の輪郭を各円の輪郭の最下端において連続一体化してなる凹曲面型の輪郭形状とされている。さらに、内ストレート部22の他端(図示した例では下端側)と外ストレート部21の他端(図示した例では下端側)の間の接続壁部23の縁部にも同様な曲率半径R1、R2の円の合成輪郭形状とされた凹部26が先の凹部26と反対向きに形成されているため、本実施形態の支持リブ20においては接続壁部23の中央部側に幅狭部が形成されていて、支持リブ20の全体の側面視輪郭形状は略ラッパ型に形成されている。なお、図3に示す支持リブ20において各部の寸法は、一例として、外ストレート部21の全長aが117.5mm、外ストレート部21における突出片21cの先端(上端)から上側の凹部26の最下点までの長さ(すなわち、凹部の深さ)bが38.75mm、内ストレート部22における突出片22cの先端(上端)から上側の凹部26の最下点までの長さcが11.25mm、内ストレート部22における突出片22dの先端(下端)から下側の凹部26の最上点までの長さdが21.25mmと設定できる。なお、支持リブ20の凹部26においてその底面を構成する凹曲面は図3に示す形態の如く滑らかな連続曲面に沿って画成されているものに限らず、凹曲面が階段状あるいは波状または複数の傾斜面の連続によって画成されたものでも良い。
前記構造の支持リブ20は、内ストレート部22よりも外ストレート部21の方が長い形状とされているが、この形状とすることが好ましいのは、外管9により内管19を、支持リブ20を介して支持する構造とした場合、外管9の厚さを内管19の厚さよりも厚く形成することが一般的であり、この場合、支持リブ20の外ストレート部21と外管9の溶接部に作用する応力を大幅に減少できることによっている。外管9の内側に支持リブ20を介して内管19を吊り下げ支持することを考慮すると、支持リブ20の回転変位は、概ね、高剛性の外管9によって支配される。たとえば、外管9の厚さが内管19の厚さの2倍程度であると、剛性比は外管対内管が12対1にほぼ等しくなる。
支持リブ20において接続壁部23の高さ方向両側(図3において上下両側)に上述の凹部26が形成されていることから、外ストレート部21の両端側(図3において上下両端側)には一定の厚みと幅を有して外ストレート部21の先端側に向いて順次細くなる突出部21a、21bが形成され、内ストレート部22の上下両端側にも一定の厚みと幅を有して内ストレート部22の先端側に向いて順次細くなる突出部22a、22bが形成されている。この形態において突出部21a、21bの長さは等しくされているが、突出部21a、21bの方が突出部22a、22bよりも長く形成されている。また、突出部21aの先端側に一定の厚さで略均一幅の突出片21cが延設され、突出部21bの先端側に一定の厚さで略均一幅の突出片21dが延設され、突出部22aの先端側に一定の厚さで略均一幅の突出片22cが延設され、突出部22bの先端側に一定の厚さで略均一幅の突出片22dが延設されている。
突出片21c、21d、22c、22dの先端部は、図3(B)に示す如く外管9と内管19との間に支持リブ20を介在させて接合面24を外管9の内面に溶接により接合し、接合面25を内管19の外面に溶接により接合した状態において、突出片21c、21dの先端部が外管19の内面側に段部を形成し、突出辺22c、22dが内管19の外面側に段部を形成するように、換言すると、各突出片21c、21d、22c、22dの先端面が接合面24あるいは接合面25に直角あるいは直角に近い角度の端面とされている。突出片21c、21d、22c、22dの先端面が接合面24、25に直角あるいは直角に近い角度に形成されている場合、これらの先端部に先鋭部が形成されていないため、接合面24、25を溶接すると、これらの段部の部分に溶接の肉盛りがなされて溶接部が形成される。そして、後述のシミュレーション解析の如く内管19の重量が作用して支持リブ20が回転した場合、これらの先端部に先鋭部が形成されていないので、突出片21c、21d、22c、22dの先端が外管9あるいは内管19の壁面を貫くように作用することがない。また、突出片21c、21d、22c、22dの先端が仮に先鋭部となっていると、先鋭部において溶接不良を生じやすいので、突出片21c、21d、22c、22dの先端が外管9あるいは内管19の壁面を貫くように作用する傾向が強い。上述の作用効果を得るためには、突出片21c、21d、22c、22dの先端面を接合面に対して直角あるいは直角に近い角度とするか、先端面を僅かに膨出する曲面とするなどして、支持リブ20の変形時に外管9あるいは内管19の壁面を傷付けないような形状にすることが必要である。
本実施形態の支持リブ20において、外ストレート部21とは、外管9に接合するための接合面24を有し、一方の突出片21cの先端から、他方の突出辺21dの先端までの脚部状の部分を示し、内ストレート部22とは、内管19に接合するための接合面25を有し、一方の突出片22cの先端から、他方の突出辺22dの先端までの脚部状の部分を示す。そして、突出片21cと突出片22cの間に形成されている凹部26について説明すると、凹部26はその幅方向一側を曲率半径R1のアール部27を介して内ストレート部22の非接合面側の突出部22aに連続され、凹部26はその幅方向他側を曲率半径R2のアール部28を介して外ストレート部21の非接合面側の突出部21a側に連続されている。また、突出片21dと突出片22dの間に形成されている凹部26について説明すると、凹部26はその幅方向一側を曲率半径R1のアール部27を介して内ストレート部22の非接合面側の突出部22bに連続され、凹部26はその幅方向他側を曲率半径R2のアール部28を介して外ストレート部21の非接合面側の突出部21bに連続されている。なお、前記凹部26の幅方向とは、図3(B)に示す如く支持リブ20を側面視した状態において左右方向とする。
内ストレート部22の両端側の突出片22c、22dのうち、支持リブ20の内管19への取り付け状態において下流側(図3において下側)に位置する突出片22dの方が反対側の突出片22cよりも長く(例えば、2倍程度長く)形成されている。この実施形態の構成において、突出片22dの方が反対側の突出片22cよりも長いことが好ましい。これは、支持リブ20と内管19との接合部に内管19の重量負荷が作用して内管19が変形しようとした場合、内管19の剛性に負けて突出片22dが変形追従し、応力集中を逃がすため、突出片22dの方が反対側の突出片22cよりも長く形成されて変形し易い点に意義を有する。また、内ストレート部22の方が反対側の外ストレート部21よりも短く形成されていることにより、支持リブ20の内管19側の剛性を落とすことができ、これにより内管19の変形に対する追従性を確保し、支持リブ20と内管19との接合部の応力を小さくできる。
支持リブ20の接続壁部23において、凹部26の深さは、それぞれ、外管9と内管19の間に図2、図3に示す如く支持リブ20を配置した状態、換言すると、支持リブ20の内ストレート部22および外ストレート部21を上下方向に向けた状態において、外ストレート部21の全長(接合面24の全長)に対し、10%以上42%以下の範囲(10〜42%の範囲)であることが好ましい。凹部26の深さが10%未満であると、支持リブ20の全体が変形し難くなり、外管9と内管19との間で支持リブ20が突っ張る形態となるので、外管9と支持リブ20との溶接部の応力が高くなる傾向となり、凹部26の深さが42%を超えると、支持リブ20の全体剛性が低下し支持リブ20自体に作用する応力が増加するか、外管9と支持リブ20との接合部の応力が高くなる傾向となる。
次に、本実施形態の支持リブ20において、肉厚の外管9と肉薄の内管19に対し、内ストレート部22よりも外ストレート部21を長くすることの構造的な意義について再度説明する。単純な長方形状の支持リブと、外管側と内管側とで幅の異なる台形状の支持リブを仮想モデルとして比較すると、内管を支持するための各リブの回転変位が同じと仮定すると、長方形状の支持リブであると支持リブの剛性が内管側と外管側とで同じであるため、支持リブが回転変位した変位量がそのままに外管に伝わり易く、外ストレート部の溶接部に大きな応力を負荷する。しかし、本実施形態の如く内管側の内ストレート部22が短く、外管側の外ストレート部21が長く、しかも凹部26が形成されていて外ストレート部21の両端部が変形できる突出形状とされている本実施形態の支持リブ20の場合、外管接合部分における突出部21a、21b部分における支持リブの剛性が低下し、外管接合部分がしなやかに変形追従できるため、支持リブ21の外ストレート部21と外管9との接合部に作用する応力を大幅に削減できる。また、内ストレート部22の上端と下端の左右方向の変位差は内ストレート部22の長さが短い程小さくなるため、内ストレート部の溶接部に作用する応力を低減できる。さらに、剛性の高い外管9側の外ストレート部21の突出部21a、21bを長くすることで、外ストレート部21の回転も抑制できる結果、外ストレート部21に作用する応力を大幅に削減することができる。
図4は、上述の構造の支持リブ20を内管19と外管9の間に図2または図3(B)に示す如く接合した状態において、内管19の荷重による負荷が生じた状態をシミュレーション解析した場合の変形を拡大したいわゆる変形モード図である。このシミュレーション解析の内容については後に詳述するが、外管9の厚さが内管19の厚さよりも厚く、外管9の剛性が内管19の剛性よりも高い場合のシミュレーション解析結果として、外管接合部分における突出部21a、21b部分と突出片21c、21dにおける支持リブ20の剛性が低下し、その結果として外管接合部分がしなやかに外管9に対し変形追従できていることがわかる。また、内ストレート部22の長さが外ストレート部21の長さよりも短く、内管19の自重により支持リブ20が回転した場合に内管19に対する接合部分の長さが短いため、内管19に対する影響も少ないことがわかる。
図5は本発明に係る支持リブの他の形態を示すもので、図5(A)は第2実施形態の支持リブ30を示し、図5(B)は第3実施形態の支持リブ40を示し、図5(C)は第4実施形態の支持リブ50を示し、図5(E)は第5実施形態の支持リブ60を示し、図5(F)は第6実施形態の支持リブ70を示す。
図5(A)に示す支持リブ30は、点対称あるいは上下対称形状の略H型に形成されている。即ち、外管9に接合される外ストレート部31と、内管19に接合される内ストレート部32が同じ長さとされ、それらの両端部に同一幅(F)で、突出部31a、31b、32a、32bの先端に同一長さ(H)の突出片31c、31d、32c、32dが形成され、それらの間に接続壁部33が形成されている。外ストレート部31の外面側には外管9の内面に接合するための細長い長方形状の接合面34が形成され、内ストレート部32の外面側には内管19の外面に接合するための細長い長方形状の接合面35が形成されている。接続壁部33の両側縁側には凹部36がそれぞれ形成され、この形態において凹部36は4箇所とも同じ曲率半径Rのアール部37を介して突出部側に連続されるとともに、凹部36の内底面中央部は平面状に形成されている。
図5(A)に示す構造の支持リブ30においても先の実施形態の支持リブ20と同様に外管9と内管19との間に架設して設けることで、内管19との接合部および外管9との接合部に過度の応力集中することのない導管構造を提供できる。
図5(B)に示す構造の支持リブ40は、図5(A)に示す構造の支持リブ30に対し、凹部36より深い凹部46を形成し、外ストレート部41の突出部41aと突出片41cの部分を先の形態より長く形成し、内ストレート部42の突出部42aと突出片42cの部分を先の形態より長く形成するとともに、凹部46の幅方向両側部分と突出部41a、42aとが接続する部分に曲率半径の小さいアール部47を形成したものである。
図5(B)に示す構造の支持リブ40においても先の実施形態の支持リブ30と同様に外管9と内管19との間に架設して設けることで、内管19との接合部および外管9との接合部に過度の応力集中することのない導管構造を提供できる。
図5(C)に示す構造の支持リブ50は、図5(A)に示す構造の支持リブ30の凹部36に対し、図5(D)に示すように凹部の内面を曲率半径R1と曲率半径R2の2つの円の合成輪郭曲面とした凹部56を備えた点対称型の構造例である。この形態の支持リブ50において、外管9に接合される外ストレート部51を有する点、内管19に接合される内ストレート部52を有する点、それらの両端部に突出部51a、51b、52a、52bが形成されている点、更に外側に突出片51c、51d、52c、52dが形成されている点、それらの間に接続壁部53が形成されている点、外ストレート部51の外面側に接合面54が形成されている点、内ストレート部52の外面側に接合面55が形成されている点について先の形態と同等である。上述の如く凹部56の内面を構成する2つの円の曲率半径R1、R2が異なるため、この形態の支持リブ50は、突出部51a、52bの長さが突出部51b、52aよりも長くなるように延出形成されている。
図5(C)に示す構造の支持リブ50においても先の実施形態の支持リブ30と同様に外管9と内管19との間に架設して設けることで、内管19との接合部および外管9との接合部に過度に応力集中することのない導管構造を提供できる。
図5(E)に示す構造の支持リブ60は、図5(C)に示す構造の支持リブ50の凹部56に対し、凹部の内面を構成する曲率半径R1と曲率半径R2の2つの円の合成輪郭曲面を左右逆とした凹部66を備えた点対称型の構造例である。この形態の支持リブ60において、外管9に接合される外ストレート部61を有する点、内管19に接合される内ストレート部62を有する点、それらの両端部に突出部61a、61b、62a、62bが形成されている点、それらの先端側に突出片61c、61d、62c、62dが形成されている点、それらの間に接続壁部63が形成されている点、外ストレート部61の外面側に接合面64が形成されている点、内ストレート部62の外面側に接合面65が形成されている点については先の形態と同等である。
図5(E)に示す構造の支持リブ60においても先の実施形態の支持リブ50と同様に外管9と内管19との間に架設して設けることで、内管19との接合部および外管9との接合部に過度に応力集中することのない導管構造を提供できる。
図5(F)に示す構造の支持リブ70は、図5(A)に示す構造の支持リブ30の凹部36に対し、内面を平面とした角型の凹部76にするとともに、凹部76の幅方向両側部分を、アール部77、78を介して内ストレート部72、外ストレート部71に接続させ、内管側の内ストレート部72を外管側の外ストレート部71よりも高くなるように接続壁部73を傾斜構造とした点対称型の例である。この形態の支持リブ70において、外管9に接合される外ストレート部71を有する点、内管19に接合される内ストレート部72を有する点、それらの両端部に突出部71a、71b、72a、72bが形成されている点、それらの先端側に突出片71c、71d、72c、72dが形成されている点、それらの間に接続壁部73が形成されている点、外ストレート部71の外面側に接合面74が形成されている点、内ストレート部72の外面側に接合面75が形成されている点については先の形態と同等である。
図5(F)に示す構造の支持リブ70においても先の実施形態の支持リブ60と同様に外管9と内管19との間に架設して設けることで、内管19との接合部および外管9との接合部に過度に応力集中することのない導管構造を提供できる。
図6(A)〜(D)は内管と外管の厚さがこれまでの例と逆転し、内管80が厚く、外管81が薄く形成された場合の構造例を示す。内管80と外管81の厚さが先の形態の構造と逆転した場合、図6(A)に示す如く先の形態の支持リブ20とは左右逆形状の支持リブ90を適用する。この形態の支持リブ90の場合、外ストレート部91が短く、内ストレート部92が長く、従って接続壁部93は図3の構造とは逆向きに拡張する形状に形成されている。図6(B)に示す支持リブ30の場合は左右対称形状であるため、先の形態の支持リブ30をそのまま適用することができる。また、先の形態の支持リブ50、60にあってもそのまま内管80と外管81との接合に利用することができる。また、その他、図5(B)、図5(F)に示した形態の支持リブ40、70についても内管80と外管81との接合に利用することができるのは勿論である。
前記構造の如く、内管80が厚く、外管81が薄い場合の導管構造であっても各実施形態の支持リブを適用することができ、内管80との接合部および外管81との接合部に過度に応力集中することのない導管構造を提供できる。
次に、上述のいずれかの導管構造を備えた図1に示す減圧脱泡装置100の動作について説明する。減圧脱泡装置100にあっては、減圧脱泡槽3の内部を所定の減圧状態に保持した状態で、該減圧脱泡槽3に溶融ガラスGを供給する。減圧脱泡槽3はその内部を例えば51〜613hPa(38〜460mmHg)に減圧されている。減圧脱泡槽3の内部は、80〜338hPa(60〜253mmHg)に減圧されていることがより好ましい。本実施形態の減圧脱泡装置100を用いて減圧脱泡する溶融ガラスGは、加熱溶融法により製造されるガラスである限り、組成的には制約されない。従って、ソーダライムガラスに代表されるソーダライムシリカ系ガラスやアルカリホウケイ酸ガラスのようなアルカリガラスであっても良い。
建築用または車両用の板ガラスに使用されるソーダライムガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:65〜75%、Al:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、NaO:10〜20%、KO:0〜3%、LiO:0〜5%、Fe:0〜3%、TiO:0〜5%、CeO:0〜3%、Ba0:0〜5%、SrO:0〜5%、B:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO:0〜5%、SnO:0〜3%、SO:0〜0.3%という組成を有することが好ましい。
液晶ディスプレイ用の基板に使用される無アルカリガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:39〜70%、Al:3〜25%、B:1〜20%、MgO:0〜10%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、Ba0:0〜30%という組成を有することが好ましい。プラズマディスプレイ用の基板に使用される混合アルカリ系ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:50〜75%、Al:0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、NaO+KO:6〜24%、という組成を有することが好ましい。
本発明に係るガラス製品の製造装置は、前述した減圧脱泡装置100と、該減圧脱泡装置100よりも上流側に設けられたガラス原料を溶融して溶融ガラスを製造する溶融手段と、前記減圧脱泡装置100よりも下流側に設けられた溶融ガラスGを成形する成形手段(成形装置)200と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段と、を備える装置である。なお、溶融手段、成形手段、徐冷手段については、公知技術の範囲である。たとえば、溶融手段は、所望の組成になるように調整したガラス原料を溶融槽に投入し、ガラスの種類に応じた所定の温度、たとえば、建築用や車両用等のソーダライムガラスの場合、約1400〜1600℃に加熱してガラス原料を溶融して溶融ガラスを得る。たとえば、成形手段としては、フロート法、フュージョン法またはダウンドロー法などによる成形装置が挙げられる。
前記の中でもフロート法のためのフロートバスを用いた成形手段が、薄板状ガラスから厚板状ガラスまでの広範囲の厚さの高品質なガラス板を大量に製造できる理由から好ましい。また、徐冷手段としては、成形後のガラス板の温度を徐々に下げるための機構を備えた徐冷炉が一般的に用いられる。徐々に温度を下げる機構は、燃焼ガスまたは電気ヒータにより、その出力が制御された熱量を、炉内の必要位置に供給して成形後のガラス板を徐冷する。これによって、成形後のガラス板に内在する残留応力を無くすることができる。
次に、本発明の板ガラス製品の製造方法について説明する。図7は、本発明のガラス製品の製造方法の一実施形態のフロー図である。本発明の板ガラス製品の製造方法は、前述の減圧脱泡装置100を用いることを特徴とする。本発明の板ガラス製品の製造方法は、一例として、前述の減圧脱泡装置100の前段の溶融手段により溶融ガラスを溶融して溶融ガラスを製造する溶融工程K1と、前述の減圧脱泡装置100により溶融ガラスの減圧脱泡を行う脱泡工程K2と、前述の減圧脱泡装置100よりも下流側で溶融ガラスを成形する成形工程K3と、その後工程において溶融ガラスを徐冷する徐冷工程K4と、徐冷後のガラスを切断する切断工程K5と、ガラス製品K6を得るガラス製品の製造方法である。
本発明のガラス製品の製造方法は、前述した減圧脱泡装置100と2重管構造を利用することの他は、公知技術の範囲である。また、本発明のガラス製品の製造方法で利用する装置については、前述の通りである。図7では、本発明のガラス製品の製造方法の構成要素である溶融工程、および成形工程ならびに徐冷工程に加えて、さらに必要に応じて用いる切断工程、その他の後工程も示している。
「支持リブの構造シミュレーション」
以下に、本発明に係る導管構造に適用される支持リブの構造シミュレーション解析結果について説明するが、本願発明は以下のシミュレーション解析結果に限定されるものではない。
ここでは、MSC社製非線形構造解析プログラムMSC.MARC version2005r3を用いて外管と内管を支持リブにより支持した場合の応力解析シミュレーションを行った。
シミュレーション解析条件として詳しくは、白金製の外管の外径500mm、肉厚2.3mm、白金製の内管の外径400mm、肉厚1.0mmに設定し、外管と内管の間の50mmの間隙に内管周回り36゜おきに10枚の白金製の支持リブ(肉厚2.0mm)を取り付けた導管構造を半割状としたハーフモデルを想定し、外管は減圧脱泡槽の底部側に固定支持されていると仮定し、この外管でもって支持リブを介し内管を支持した場合のシミュレーションとした。内管の重量についてはハーフモデルにおいて10kgf、支持リブの重量については1.2kgに設定した。
なお、以下のシミュレーションに際し、高さ90mm、幅50mm、厚さ2.0mmの白金製の長方形板を支持リブに代えて上記と同等の条件にて内管周回り36゜おきに10枚 取り付けた導管構造についてシミュレーション解析した。この結果得られた長方形板と外管との接合部に発生する最大主応力の2倍を基準として、以降の各条件で発生する最大主応力の割合を表記する。
図5(A)に示す4箇所同一の曲率半径のアール部を有する略H型の支持リブにおいて、突出片の幅Fを3.75mm、突出片の長さHを3.75mm、全長90mm(外ストレート部あるいは内ストレート部において、一方の突出片の先端から他方の突出片の先端までの長さ)、幅50mm(外ストレート部の接合面と内ストレート部の接合面との距離)と設定し、アール部の曲率半径Rを6.85mm、10mm、20.9mmと変更したそれぞれのモデルにおいて、支持リブのアール部の曲率半径に対する感度解析を行った。このシミュレーション解析結果から求めた、アール部の曲率半径(R寸法)と応力との相関関係を図8に示す。応力については、支持リブの母材(すなわち、支持リブの本体部分に相当)に作用する応力、支持リブと外管との接合部に作用する応力、支持リブと内管との接合部に作用する応力に分けて求めた。
前記のシミュレーション解析結果から、支持リブの母材および支持リブと外管との接合部に生じる応力は、アール部の曲率半径を大きくする程小さくなることが判明した。これは、アール部の曲率半径によって応力集中が低減されている結果と思われる。支持リブと内管接合部に作用する応力は、アール部の曲率半径を大きくする程、若干大きくなることが判明した。これは、アール部の曲率半径が大きい程、支持リブの全体剛性が低下し、支持リブがより大きく回転することによって、内管が外側に引っ張られる力が増すためであると考えられる。
また、曲率半径については、6.85〜20.9mmの範囲において支持リブ母材の理想値よりも応力値が小さく、外管接合部、内管接合部共に低い範囲とすることができたが、特に外管接合部においては10〜20.9mmの範囲で接合部の理想的な範囲内に応力が収まっているので、この範囲を選択することで外管接合部の応力集中を確実に抑制できる導管構造を提供できることが分かる。
図5(C)に示す形状であり、異なる曲率半径R1、R2の円の合成輪郭形状のアール部を有する点対称型の支持リブについて、突出片の幅Fを3.75mm、突出片の長さHを3.75mmと設定し、アール部の曲率半径をR1+R2=41.85mmとして、アール部の曲率半径を変更したそれぞれのモデルにおいて、支持リブにおけるアール部の曲率半径に対する感度解析を行った。条件は、内管側を左側として、外管側を右側として、それぞれ、左上と右下のR1を6.85mmかつ右上と左下のR2を35mm、左上と右下のR1を16.85mmかつ右上と左下のR2を25mm、左上と右下のR1を20.9mmかつ右上と左下のR2を20.9mm、左上と右下のR1を25mmかつ右上と左下のR2を16.85mm、左上と右下のR1を35mmかつ右上と左下のR2を6.85mmとした。
前記のシミュレーション解析結果から求めた、アール部の曲率半径(R寸法)と応力との相関関係を図9に示す。応力については、支持リブの母材に作用する応力、支持リブと外管との接合部に作用する応力、支持リブと内管との接合部に作用する応力に分けて求めた。
図9に示す結果から、図8に示す結果と同等の傾向があることを把握できた。即ち、支持リブの母材および支持リブと外管との接合部に生じる応力は、アール部の曲率半径を大きくする程(6.85〜35mmの範囲において)小さくなることが判明した。また、支持リブと内管との接合部に作用する応力は、アール部の曲率半径を大きくする程若干大きくなることが判明した。なお、図9に示す如く、支持リブと外管との接合部に生じる応力は、アール部の曲率半径を大きくする程大幅に小さくなることが判明した。
次に、支持リブにおいて内管に接合する内ストレート部の長さと外管に接合する外ストレート部の長さが異なる場合のモデルにおいて、内管荷重による応力負荷状態をシミュレーション解析した。
このシミュレーション解析においては、長方形状の支持リブと本発明による支持リブについて比較し、応力値を求めた。本発明によるリブの形状は、外管に接合される外ストレート部の長さを90.0mm、内管に接合される内ストレート部の長さを42.5mm、外管と内管との距離を50.0mm、外管側と内管側の上下のRをすべて5mm、内外ストレート部に続く突出片の幅は10.0mmの支持リブ(厚さ2.0mm)について、底辺側、即ち、外ストレート部を外管に、頂辺側、即ち、内ストレート部を内管に接合した場合を想定した原形図である。その他のシミュレーション解析条件は先の例と同等である。
また、前記本発明の支持リブを内管側と外管側とで逆向きに接合した場合の解析モデルも作成し解析を実施した。さらに、上述のシミュレーション解析は、内管よりも外管が肉厚の場合(外管2.3mm、内管1mm)を想定したシミュレーション解析であるが、逆のシミュレーション解析モデルとして、内管よりも外管が肉薄の場合(内管2.3mm、外管1mm)を想定したシミュレーション解析も行った。
以下の表1に得られたシミュレーション解析結果の最大主応力値(ここでは前述のリブが長方形の場合の長方形板と外管との接合部に発生する最大主応力の2倍を基準とした割合)を纏めて記載する。
Figure 0005817726
表1に示す結果から、外管が厚い場合は外管側の外ストレート部を内ストレート部より長くすると、大幅に応力値を低減できるとともに、内管が厚い場合は内管側の内ストレート部を外ストレート部より長くすると、大幅に応力値を低減できることが判明した。
即ち、外管が厚い場合でも、内管が厚い場合でも、厚い側の外管あるいは内管に接合する外ストレート部の長さあるいは内ストレート部の長さを他側のストレート部よりも長くすることで、応力値を大幅に低減できることが判明した。
なお、表1に示すシミュレーション解析結果から、薄い内管に接合する内ストレート部の長さよりも厚い外管に接合する外ストレート部の長さを長くすることにより、長方形状の支持リブに対し、支持リブと内管との接合部における応力値の上昇を抑えつつ、支持リブと外管との接合部における応力値を半分程度に大幅に削減できることが判明した。これは、外管により支持リブを介して内管を吊り下げる構造とした場合、内管の重量により支持リブに作用する力の影響によって発生する支持リブの回転変位は、概ね、剛性の高い方の管により支配されることになる。このため、リブのストレート部を逆に接合し内管を厚くした場合、厚い内管の方が重量が大きく、短い外ストレート部が薄い外管に接合されるため、支持リブは大きな回転変位を起こすので、外管接合部と内管接合部のいずれにおいても高い応力が発生したものと推定できる。
次に、上下対称型の支持リブ(図5の(A)をモデルとする支持リブ)について、突出片の幅Fを3.75mm、突出片の長さHを3.75mmと設定し、アール部の曲率半径RをR1にR2を加算した41.85mmとして、アール部の曲率半径を変更したそれぞれのモデルにおいて、支持リブのアール部の曲率半径に対する感度解析を行った。条件は、それぞれ、外管側のRを20.9mmかつ内管側のRを20.9mm、外管側のRを25mmかつ内管側のRを16.85mm、外管側のRを35mmかつ内管側のRを6.85mmとした。前記のシミュレーション解析結果から求めた、外管側のアール部の曲率半径と応力との相関関係を図10に示す。応力については、支持リブの母材に作用する応力、支持リブと外管との接合部に作用する応力、支持リブと内管との接合部に作用する応力に分けて求めた。
図10に示す結果から、外管側のアール部の曲率半径を大きくすると支持リブと外管との接合部の応力、支持リブの母材の応力、支持リブと内管との接合部の応力のいずれの値も減少できることが判明した。これは、支持リブの内ストレート部が外ストレート部よりも短いこと、接続壁部も内ストレート部側よりも外ストレート部側に向けて徐々に広くなっていること、各ストレート部の両端部に突出片があること、外ストレート部の両端が特に細くなって突出片に繋がっているため、この細い部分においてしなやかに変形追従できていることなどが総合的に作用していることによるものと想定できる。
これまでの図10に示すシミュレーション解析結果を総合すると、外管側のRを35mmかつ内管側のRを6.85mmとした条件が、支持リブが各部に作用する応力を最も効率良く低減できて、最も好ましい形状であると想定できる。この条件は、先に図3を基に説明した第1実施形態の支持リブ20に近い形状に相当する。この条件の形状の支持リブと図3に示す支持リブ20の相違点は、内ストレート部22の下端側に形成されている突出片22bの長さが異なる点のみである。
次に、支持リブの形状において、内管と外管に接合する長さを90mm、外管と内管との距離を50mm、突出片の幅を5mm、突出片の長さBを10mm、凹部の深さ10mmの矩形状とした略H型形状の支持リブモデルに対し、突出片の長さに対する感度解析を行った。ただし、ここでは後述するように計算モデルの簡略化のため、凹部の幅方向両側のアール部を略してモデル化した。このため、突出部の長さは存在せず、ここでいう突出片の長さBは、凹部の深さに等しい。
解析は、突出片の長さBを0〜30mmで変えた支持リブの場合で行った。シミュレーション解析結果から求めた、突出片長さと応力との相関関係を図11に示す。応力については、支持リブの母材に作用する応力、支持リブと外管との接合部に作用する応力、支持リブと内管との接合部に作用する応力に分けて求めた。
図11に示す結果から、突出片の長さBが0〜15mmの間において、突出片の長さBが大きい程、支持リブと外管の接合部の応力が小さくなっている。これは、突出片の長さBが大きい時、支持リブの4隅の突出片の剛性が弱くなることによって、外管を引っ張る力が弱くなっているためであると考えられる。突出片の長さBが大きい程、支持リブと内管の接合部の応力は若干大きくなる。これは、突出片の長さBが大きい時、支持リブの全体的な剛性が弱まり、これによって、支持リブが大きく回転し、内管の下端を外側に強く引っ張るためである。
なお、支持リブの母材には突出片の長さBが大きい程、大きな応力が負荷されるが、内管と外管の間に10個の支持リブが接合されている場合、支持リブに多少多くの応力が作用しても、内管との接合部および外管との接合部の方に負荷される応力を低減する方が有利と考えると、前記の構造にも優位性がある。
また、シミュレーション解析においては、凹部の幅方向両側のアール部を略して構成し、突出片の感度解析のみに焦点を絞ってシミュレーション解析した結果であるので、実際に適用する支持リブにおいては、アール部を設けておかないと、突出片の基端部側に応力が過度に集中して突出片を剪断する方向に応力が集中しないようにすることが好ましい。
特に、支持リブと外管との接合部に作用する応力を下げることを最重要視すると、突出片の長さは10〜30mmの範囲が好ましく、15〜30mmの範囲がより好ましいと思われる。
次に、支持リブの形状において、支持リブの内端と外端の高さに差がある場合、即ち、支持リブを傾斜構造とした場合についてシミュレーションにより構造解析した。
支持リブの形状において、外管と内管の接合長さ90mm、外管と内管との距離50mm、突出片の幅5mm、突出片の長さ10mm、凹部の深さ10mmの矩形板状とした略H型形状の傾斜構造となっていない支持リブモデルを基本構造として、これを傾斜構造とした場合のシミュレーションによる構造解析を行った。
解析条件は、内管側の突出片の高さよりも外管側の突出片の高さを16.25mm低くした支持リブ、内管側の突出片の高さと外管側の突出片の高さの差を0mmとした支持リブ、内管側の突出片の高さを外管側の突出片の高さよりも16.25mm低くした支持リブ、内管側の突出片の高さを外管側の突出片の高さよりも32.5mm低くした支持リブ、の場合とした。前記のシミュレーション解析結果から求めた、突出片の高さの差と応力との相関関係を図12に示す。応力については、支持リブの母材に作用する応力、支持リブと外管との接合部に作用する応力、支持リブと内管との接合部に作用する応力に分けて求めた。
図12に示す結果から、支持リブを傾斜構造とすることによって、支持リブの母材および外管との接合部の応力は、内管側が低い程、若干小さくなることが分かった。これは、接合部角度が90゜より大きくなる程、応力の集中が弱くなるためであると考えられる。また、内管との接合部の応力は、内管側が低い程、若干大きくなる。これは、支持リブの回転角はほぼ同じであるが、支持リブ左下端側の変位量は内管側が低い程、大きくなることによると思われる。従って、支持リブの傾斜構造については、応力値を大きく低減できる要因としての効果は少ないが、応力値の傾向を変えることができるとの知見を得ることができた。従って、支持リブの形状を傾斜構造としても本発明の目的を達成することができるため、支持リブの形状については傾斜構造を採用してもよい。この観点から、図5(C)、(E)、(F)に示す構造の支持リブ50、60、70においても本発明の実施形態として採用することができる。
次に支持リブの形状において、凹部の深さを変更した略H型の支持リブモデルに対し、シミュレーションによる構造解析を行った。
具体的には、内ストレート部の全長と外ストレート部の全長を何れも90mm、幅を50mmとした略H型の支持リブをモデルとして想定し、凹部の深さを6.85mmとした支持リブの場合と、凹部の深さを10.6mmとした支持リブの場合と、凹部の深さを15.6mmとした支持リブの場合と、凹部の深さを20.6mmとした支持リブの場合と、凹部の深さを30.6mmとした支持リブの場合と、凹部の深さを38.1mmとした支持リブの場合と、の応力負荷状態のシミュレーション解析結果を行った。なお、ここでは図11のモデルとは異なり、凹部の幅方向両側のアール部を略さずにモデル化した。よって、凹部の深さとは、突出片の長さと突出片の長さを加算した値である。本モデルでは、アール部のRをすべての場合で6.85mmとした。
前記のシミュレーション解析結果から求めた、凹部深さと応力との相関関係を図13に示す。なお、ここでもリブが長方形の場合の長方形板と外管との接合部に発生する最大主応力の2倍を基準とした割合、すなわち相対応力で示す。
応力については、支持リブの母材に作用する応力、支持リブと外管接合部に作用する応力、支持リブと内管接合部に作用する応力に分けて求めた。なお、図13に示す各応力値の値を以下の表2に纏めて明記する。
Figure 0005817726
図13と表2に示す結果から、凹部深さを大きくする程、支持リブの母材に対する応力は増加するが、支持リブと内管接合部に作用する応力は殆ど変化することが無く一定であり、支持リブと外管接合部に作用する応力は凹部深さ9mm(全長に対し10%)〜38.1mm(全長に対し42%)の範囲において内管接合部側の応力と同等か低い値を示した。しかし、支持リブと外管接合部の応力について言えば、凹部深さ10.6mm(全長に対し11%)と6.85mm(全長に対し8%)のシミュレーション解析結果では凹部深さが浅くなるにつれて応力値が大きく上昇する傾向を示すことから、凹部深さの下限については9mm(全長の9%)が好ましいと思われる。また、凹部深さの上限については、30.6mm(全長の34%)と38.1mm(全長の42%)のシミュレーション解析結果から応力値の上昇傾向が確認でき、38.1mm(全長の42%)で内管接合部と同じ応力値を示すことから、38.1mm(全長の42%)が上限と思われる。
前述のシミュレーション解析は、外管2.3mm、内管1.0mm、支持リブ厚さ2.0mmの結果であり、内管厚さ(1mm)<支持リブ厚さ(2mm)<外管厚さ(2.3mm)の関係となる。これに対して、内管厚さ<支持リブ厚さ<外管厚さの関係についても、シミュレーション解析を実施した。
具体的には、図13と表2の支持リブ厚さ2mmに対して、支持リブ厚さ1.2mmの場合のシミュレーション解析を、その他の条件を図13の場合と同じにして実施した。表3に、凹部深さと応力との相関関係を示す。応力については、支持リブの母材に作用する応力、支持リブと外管接合部に作用する応力、支持リブと内管接合部に作用する応力に分けて求めた。なお、ここでもリブが長方形の場合の長方形板と外管との接合部に発生する最大主応力の2倍を基準とした割合、すなわち相対応力で示す。
表3に示す結果から、支持リブの厚さが1.2mmの場合にも、表2と同様の傾向であることが分かった。
Figure 0005817726
本発明によれば、ガラス製造設備における溶融ガラスの流路において、内管と外管とを有する二重管構造の導管を採用することにより、泡と異物を含む溶融ガラスの境界層流のみを効率良く分離できるようにした溶融ガラスの導管構造において、内管と外管を接続する特定構造の支持リブを設けることにより、支持リブと内管および外管との接合部における過度の応力集中による変形、破損、損傷を防ぐことができ、ガラス製造設備の長時間の運転を可能にすることができる。本発明の溶融ガラスの導管構造は、各種のガラス製造設備における溶融ガラスの流路において広く適用でき、有用である。また、本発明の溶融ガラスの導管構造を溶融ガラスの減圧脱泡装置における流路に適用すれば、減圧脱泡装置の長時間の運転を可能にすることができ、有用である。
本発明の減圧脱泡装置、およびガラス製品の製造装置、並びにガラス製品の製造方法は、建築用、車両用、フラットパネルディスプレー用、光学用、医療用、その他幅の広いガラス製品の製造に利用できる。
なお、2010年8月4日に出願された日本特許出願2010−175504号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
100…減圧脱泡装置、G…溶融ガラス、200…成形装置、1…溶融槽、2…ハウジング、3…減圧脱泡槽、5…上昇管、6…下降管、8、9…外管(延長管)、12…上流ピット、15…下流ピット、16…ドレインアウト、19…内管、20…支持リブ、21…外ストレート部、21a、21b…突出部、21c、2d…突出片、22…内ストレート部、22a、22b…突出部、22c、22d…突出片、23…接続壁部、24、25…接合面、26…凹部、27、28…アール部、30、40、50、60、70…支持リブ、31、41、51、61、71、91…外ストレート部、32、42、52、62、72、92…内ストレート部、31a、31b、32a、32b…突出部、31c、31d、32c、32d…突出片、41a、41b、42a、42b…突出部、41c、41d、42c、42d…突出片、51a、51b、52a、52b…突出部、51c、51d、52c、42d…突出片、61a、61b、62a、62b…突出部、61c、61d、62c、52d…突出片、71a、71b、72a、72b…突出部、71c、71d、72c、72d…突出片、91a、91b、92a、92b…突出部、91c、91d、92c、92d…突出片、80…内管、81…外管。

Claims (14)

  1. 金属製の中空管からなる溶融ガラスの導管構造であって、前記導管構造が少なくとも下流端を内管および外管からなる二重管構造とされ、前記内管と外管との間に前記内管と外管に接続された支持リブが架設されてなり、
    前記支持リブが、前記内管の外面に該内管の長さ方向に沿って接合され、その接合面の略法線方向に幅を有する内ストレート部と、前記外管の内面に該外管の長さ方向に沿って接合され、その接合面の略法線方向に幅を有する外ストレート部と、前記内ストレート部および外ストレート部から延出形成されてこれらを一体化する接続壁部とを具備して構成され、
    前記内ストレート部の一側端部と前記外ストレート部の一側端部との間に位置する接続壁部の一側縁に前記各ストレート部の一側端部までアール部を介して前記一側縁の両端を到達させる凹部が形成され、前記内ストレート部の他側端部と前記外ストレート部の他側端部との間に位置する接続壁部の他側縁に前記各ストレート部の一側端部までアール部を介して前記一側縁の両端を到達させる凹部が形成されるとともに、前記内ストレート部の両端側と前記外ストレート部の両端側にそれぞれ前記アール部に連続する突出部が形成されてなり、
    前記凹部の深さが、前記支持リブの内ストレート部の全長あるいは外ストレート部の全長のうち、長い方の全長に対し10%以上、42%以下の範囲とされてなる溶融ガラスの導管構造。
  2. 前記突出部の先端側の接合面の略法線方向に均一幅の突出片が形成されてなる請求項1に記載の溶融ガラスの導管構造。
  3. 前記突出片の先端形状が、前記内管外面あるいは前記外管内面への当接により前記外面上あるいは内面上に段部を形作る形状とされてなる請求項に記載の溶融ガラスの導管構造。
  4. 前記外管と内管の間の領域が外管の内側を流れる溶融ガラスにおいて異物や気泡を含む可能性の高い境界層流を主体に通過させる領域であり、前記外管と内管の間の領域の終端側に前記境界層流を溶融ガラス流の中心側のメインフローから分離する手段が設けられてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の溶融ガラスの導管構造。
  5. 前記外管の肉厚と内管の肉厚が異なり、肉厚の大きな方の管により他方の管が前記支持リブを介し支持されてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の溶融ガラスの導管構造。
  6. 前記外管の肉厚と内管の肉厚が異なり、前記外ストレート部と内ストレート部のうち、肉厚の大きな方の管に接続された側のストレート部の長さが他方のストレート部よりも長く形成されてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の溶融ガラスの導管構造。
  7. 前記外管の肉厚が内管の肉厚よりも大きく形成される請求項に記載の溶融ガラスの導管構造。
  8. 前記支持リブが前記内管の周方向に所定の間隔で複数架設されてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の溶融ガラスの導管構造。
  9. 前記内ストレート部と外ストレート部を一体化する接続壁部の延在方向が前記内管側から前記外管側にかけて溶融ガラスの流動方向上流側あるいは下流側に向いて傾斜され、前記内ストレート部が前記内管に接合される部分の長さ方向中央位置と、前記外ストレート部が前記外管に接合される部分の長さ方向中央位置とが、溶融ガラスの流れ方向に沿って異なる位置とされてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の溶融ガラスの導管構造。
  10. 前記内ストレート部の両端側に形成された突出片において、前記内管の上流側の突出片の長さよりも前記内管の下流側の突出片の長さの方が長く形成されてなる請求項またはに記載の溶融ガラスの導管構造。
  11. 減圧脱泡槽、該減圧脱泡槽に溶融ガラスを供給する上昇管、および該減圧脱泡槽から減圧脱泡後の溶融ガラスを排出する下降管を有する減圧脱泡装置において、前記下降管の終端側あるいは下降管に続く延長管に請求項1〜10のいずれか1項に記載の溶融ガラスの導管構造が適用されてなる減圧脱泡装置。
  12. 減圧脱泡槽、該減圧脱泡槽に溶融ガラスを供給する上昇管、および該減圧脱泡槽から減圧脱泡後の溶融ガラスを排出する下降管を有する減圧脱泡装置を用いて溶融ガラスを減圧脱泡する方法であって、前記下降管の終端側あるいは下降管に続く延長管に請求項1〜10のいずれか1項に記載の導管構造を用いて前記溶融ガラスの一部を分離する溶融ガラスの減圧脱泡方法。
  13. 請求項11に記載の減圧脱泡装置と、該減圧脱泡装置よりも上流側に設けられたガラス原料を溶融して溶融ガラスを製造する溶融手段と、前記減圧脱泡装置よりも下流側に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段とを備えたガラス製品の製造装置。
  14. 請求項12に記載の溶融ガラスの減圧脱泡方法により溶融ガラスを脱泡処理する工程と、前記減圧脱泡装置よりも上流側でガラス原料を溶融して溶融ガラスを製造する溶融工程と、前記減圧脱泡装置よりも下流側で溶融ガラスを成形する成形工程と、成形後のガラスを徐冷する徐冷工程とを含むガラス製品の製造方法。
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