JP7429486B2 - ガラス溶融炉 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス溶融炉に係り、さらに詳しくは、坩堝内においてガラス原料を溶融するガラス溶融炉の改良に関する。
医療用又は光学用のガラスは、耐熱性や化学的安定性などについて一定の品質が求められる。この様なガラスは、ペレット状のガラス原料を坩堝に投入し、加熱して溶解した後、坩堝内に所定時間滞留させて、脱泡、均質化などを行うことにより得られる。
ガラス溶融炉には、1つの坩堝を用いて、溶解、脱泡、均質化などを時系列に処理するバッチ式の装置と、連結された2以上の坩堝を用いる連続式の装置とがある。また、1つの坩堝の内部空間を仕切り板で分割した連続式のガラス溶融炉も知られている(例えば、特許文献1)。
図9は、従来のガラス溶融炉の概略構成の一例を示した図である。坩堝60内は、仕切り板61によって溶解室20a及び溶融室20bに仕切られている。溶融室20b内には、排出ノズル65と連通するオーバーフロー管62が設けられ、所定の液面高さを越えるガラス融液が、オーバーフロー管62内を通って坩堝60外に排出される。オーバーフロー管62及び排出ノズル65は、坩堝60と一体的に形成され、坩堝60の底部を貫通する排出経路を形成する。排出ノズル66は、素地抜き時に坩堝60内の残留ガラスを排出する素地抜き専用の排出経路である。
ガラス原料は、溶解室20aで加熱されてガラス融液になり、仕切り板61と坩堝60の底部との隙間を潜り、溶融室20bに移動する。その後、溶融室20bを浮上しながら、脱泡及び均質化され、所定の液面高さに到達する。この浮上時間が、ガラス融液の滞留時間であり、オーバーフロー管62は、滞留時間が所望の時間になるように液面高さを規定している。ガラス生成物の品質は、滞留時間によって変化し、滞留時間は、長過ぎても短過ぎても、所定の品質を得ることができない。
従来のガラス溶融炉では、ガラス原料を坩堝60内に投入する際の単位時間当たりの投入量及びオーバーフロー管61の高さによって滞留時間が決まる。例えば、1日当たりの生産量からガラス原料の投入量が決定され、坩堝のサイズと滞留時間とからオーバーフロー管の高さが定められる。
ガラス融液の適切な滞留時間は、ガラスの生産品種によって異なる。しかし、オーバーフロー管61は、坩堝60と一体的に形成されていることから、ガラス原料の投入量を変えることなく、滞留時間を変更することができないという問題があった。例えば、ガラス原料の単位時間当たりの投入量を減らせば、滞留時間を長くすることができるが、ガラス生成物の1日当たりの生産量が減少してしまうという問題があった。
特開2016-238684号
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガラス生成物の生産効率を向上させることができるガラス溶融炉を提供することを目的とする。特に、ガラス融液の滞留時間を容易に変更可能なガラス溶融炉を提供することを目的とする。また、ガラス溶融炉を安価に提供し、ガラス生成物を安価に提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によるガラス溶融炉は、底部に排出ノズルが設けられた坩堝と、前記坩堝内に投入されたガラス原料を加熱する加熱手段と、前記坩堝内に上下動可能に配置され、所定の液面高さを越えるガラス融液が管内空間に流入するオーバーフロー管と、を備え、前記オーバーフロー管の底部が、ガラス生産時に前記坩堝の底部に配置され、前記管内空間を前記排出ノズルに連通させる一方、ガラス素地抜き時に前記坩堝の底部から離間して配置されるように構成される。
このような構成を採用することにより、オーバーフロー管を上下動させることにより、ガラス生産時には管内空間を排出ノズルに連通させ、管内空間を介して、坩堝内のガラス融液を排出する一方、ガラス素地抜き時には、管内空間を介することなく、坩堝内の残留ガラスを排出することができる。従って、同一の排出ノズルを用いて、ガラス生産時におけるガラス生成物の排出と、素地抜き時における残留ガラスの排出を行うことができる。
また、坩堝及びオーバーフロー管が分離可能に構成されているため、一方を交換した後も、他方と組み合わせて用いることができる。特に、坩堝を定期的に交換しても、オーバーフロー管は継続して使用することができ、ガラスの生産コストを抑制することができる。
また、坩堝及びオーバーフロー管が分離可能に構成されているため、オーバーフロー管を交換することにより、液面高さを容易に変更することができる。このため、単位時間当たりの生産量を維持しつつ、ガラス融液の滞留時間を調整することができる。
本発明の第2の態様によるガラス溶融炉は、上記構成に加えて、前記オーバーフロー管の底部には、管内空間の流出口を有する係合凸部が形成され、前記坩堝の底部には、前記係合凸部に対応する形状を有し、前記排出ノズルが連結された係合凹部が形成され、前記係合凸部及び前記係合凹部を互いに嵌合することにより、前記流出口を介して前記管内空間を前記排出ノズルに連通させ、前記ノズルを前記オーバーフロー管の外側空間から遮蔽するように構成される。
このような構成を採用することにより、ガラス生産時に、坩堝内のガラス融液が管内空間を介することなく排出されるのを防止することができる。
本発明の第3の態様によるガラス溶融炉は、上記構成に加えて、前記係合凸部は、先端に向かって窄まり、先端に流出口が形成される円錐台からなり、前記係合凹部は、前記坩堝の外側に向かって窄まり、先端に前記排出ノズルが連結される円錐台の孔であるように構成される。
本発明の第4の態様によるガラス溶融炉は、上記構成に加えて、前記オーバーフロー管に連結され、前記坩堝の上部開口を通って前記坩堝外に延び、前記オーバーフロー管を上下動可能に支持するプランジャーを備える。このような構成を採用することにより、坩堝外からオーバーフロー管を上下動させることができる。
本発明の第5の態様によるガラス溶融炉は、上記構成に加えて、前記オーバーフロー管が、前記係合凸部を有する底部ブロックと、前記底部ブロックから上方に延び、前記液面高さを規定する流入開口を有する液面規定管とを備え、前記プランジャーは、一端が前記液面規定管内において前記底部ブロックに連結され、他端が前記流入開口及び前記上部開口を通り、前記坩堝外に延びるように構成される。
本発明の第6の態様によるガラス溶融炉は、上記構成に加えて、前記坩堝は、白金からなり、前記底部ブロックは、再結晶アルミナからなる。このような構成により、係合凸部と係合凹部が、溶着して分離不能になるのを防止することができる。
本発明の第7の態様によるガラス溶融炉は、上記構成に加えて、前記プランジャーに支持され、底部を開口させ、天蓋部を閉鎖した有蓋筒体からなる仕切り管を備え、前記仕切り管が、前記オーバーフロー管を覆うとともに、前記坩堝の底部から離間して配置されるように構成される。このような構成を採用することにより、坩堝内における水平面内での温度勾配の発生を抑制し、生産効率を向上させることができる。
本発明によれば、ガラス生成物の生産効率を向上させるガラス溶融炉を提供することができる。特に、ガラス融液の滞留時間を容易に変更可能なガラス溶融炉を提供することができる。また、ガラス溶融炉を安価に提供し、ガラス生成物を安価に提供することができる。
本発明の実施の形態1によるガラス溶融炉10Aを含むガラス溶融システム100の一構成例を示したシステム図である。 図1のA-A切断線でガラス溶融炉10Aを切断した場合の断面を示した図である。 図2のB-B切断線でガラス溶融炉10Aを切断した場合の断面を示した図である。 図2の坩堝20を拡大して示した図である。 ガラス素地抜き処理についての説明図である。 本発明の実施の形態2によるガラス溶融炉10Bの一構成例を示した図である。 図6のC-C切断線でガラス溶融炉10Bを切断した場合の断面を示した図である。 図6の坩堝20を拡大して示した図である。 従来のガラス溶融炉の概略構成の一例を示した図である。
実施の形態1.
(1)ガラス溶融システム100
図1は、本発明の実施の形態1によるガラス溶融炉10Aを含むガラス溶融システム100の一構成例を示したシステム図である。図中の(a)には、ガラス溶融システム100の正面が示され、(b)には、ガラス溶融システム100の右側面が示されている。
このガラス溶融システム100は、ガラス原料を溶解した後、脱泡及び均質化することにより、所望のガラス生成物を生産する装置であり、ガラス溶融炉10A、原料投入装置11、粉砕装置12及び昇降装置13により構成される。
ガラス溶融炉10Aは、ガラス原料が継続的に投入され、ガラス生成物が継続的に排出される連続式のガラス生産炉である。ガラス溶融炉10Aに投入されたガラス原料は、加熱されて溶解し、ガラス融液となる。ガラス融液は、ガラス溶融炉10A内に所定時間滞留することにより脱泡及び均質化された後、ガラス溶融炉10Aから排出され、冷却及び粉砕することにより、所望のガラス生成物が得られる。
原料投入装置11は、原料供給管11pを介して、ガラス原料をガラス溶融炉10Aに供給する原料供給装置である。原料投入装置11は、ガラス原料を計量して投入する動作を短い周期で繰り返し、単位時間当たりの投入量が予め定められた値になるようにガラス原料を継続的に投入する。投入されるガラス原料は、例えば、所望の組成からなるガラス原料を適切な大きさに成形したペレット状原料と、投入時に発生する粉体原料との混合物である。
粉砕装置12は、2組のローラ12Rを用いて、ガラス融液を冷却及び粉砕する装置である。ガラス溶融炉10Aから排出されたガラス融液は、ローラ12Rとの接触によって急速に冷却され、ローラ12Rの応力によって粉砕される。
昇降装置13は、ガラス溶融炉10Aから上方に突出するプランジャー53を支持する装置である。プランジャー53は、昇降装置13に取り付けられ、昇降装置13によって上下動する。また、プランジャー53は、昇降装置13に対し着脱可能であり、交換可能である。昇降装置13は、ハンドル操作などを必要とする手動式の装置であってもよいし、駆動源を利用した装置であってもよい。
(2)ガラス溶融炉10A
図2及び図3は、図1のガラス溶融炉10Aの詳細構成の一例を示した図である。図2には、図1のA-A切断線で示される鉛直面でガラス溶融炉10Aを切断した場合の断面が示されている。図3には、図2のB-B切断線で示される水平面でガラス溶融炉10Aを切断した場合の断面が示されている。ガラス溶融炉10Aは、電気加熱方式の溶融炉であり、坩堝20、鞘坩堝31、発熱体32及び断熱材33を備える。
坩堝20は、ガラス原料を溶融するための白金製の容器であり、上部を開口させた有底円筒形からなる。坩堝20の内部空間は、仕切り板21により溶解室20aと溶融室20bに仕切られている。溶解室20aは、投入されたガラス原料を加熱して溶解させる空間であり、溶融室20bは、溶解後のガラス融液を滞留させる空間である。
仕切り板21は、坩堝20と一体的に形成された白金製の部材であり、両端が坩堝20に連結された円弧状の断面を有し、坩堝20の側壁の内面と対向するように配置される。仕切り板21と、坩堝20の底部との間には隙間21gが形成され、溶解室20aと溶融室20bを連通させている。また、坩堝20の底部には、ガラス融液を排出するための排出ノズル40が設けられ、坩堝20の内部には、滞留時間を規定するオーバーフロー管50が設けられている。
鞘坩堝31は、坩堝20を収容し、坩堝20を保護する保護容器であり、アルミナセラミックなどの耐火材からなる。
発熱体32は、坩堝20内に投入されたガラス原料を加熱するための加熱手段であり、電気抵抗式の加熱ヒータからなる。この発熱体32は、上下方向に延びるU字形状であり、鞘坩堝31の外周面と断熱材33の内周面との間に配置されている。また、複数の発熱体32が鞘坩堝31の外周面に沿って周方向に概ね一定の間隔を空けて配置されている。
断熱材33は、坩堝20及び鞘坩堝31を外囲する円筒状の部材である。鞘坩堝31は、断熱材33の底部上に設置されている。また、断熱材33の天蓋部は、坩堝20の上部開口20Uに対向する断熱蓋である。
排出ノズル40は、坩堝20内のガラス融液を排出するための白金製のパイプであり、坩堝20の底部に設けられたテーパーソケット22を介して、坩堝20に連結される。排出ノズル40は、鞘坩堝31の底部及び断熱材33の底部を貫通して下方に延びる細長い形状を有する。また、排出ノズル40には、ノズル内のガラス融液を加熱するためのノズル加熱ヒータ41及び直通電部42が設けられている。ノズル加熱ヒータ41は、電気抵抗式の発熱体であり、断熱材33の底部内において、排出ノズル40の外周面を取り囲むように配置されている加熱手段である。直通電部42は、断熱材33よりも外側に設けられている加熱手段である。直通電部42は、排出ノズル40に直接電流を流して発熱させる加熱手段であり、排出ノズル40の先端まで加熱することができる。これらの加熱手段により、排出ノズル40内においてガラス融液の流動性が低下するのを防止している。
(3)オーバーフロー管50
図4は、図2の坩堝20を拡大して示した図である。坩堝20の溶融室20bには、オーバーフロー管50が配置されている。オーバーフロー管50は、液面規定管51及び底部ブロック52を備えた有底円筒体であり、プランジャー53を介して上下動可能に支持されている。
液面規定管51は、溶融室20bの液面高さの上限を規定する白金製の円筒体である。液面規定管51は、鉛直方向に延び、上端部が開放され、下端部に底部ブロック52が配置されている。流入開口51Uは、ガラス融液を管内空間51iに流入させる開口であり、液面規定管51の上縁部により形成される。液面規定管51の下縁部は、底部ブロック52を取り囲むように、底部ブロック52の側面に連結されている。
底部ブロック52は、液面規定管51の下端部に配置される再結晶アルミナ製の部材である。底部ブロック52の下面には、テーパーボス520が形成され、底部ブロック52の内部には貫通孔521が設けられている。また、底部ブロック52の上面には、プランジャー53が連結されている。
テーパーボス520は、テーパーソケット22に対応する係合凸部であり、テーパーソケット22に対し着脱自在に連結される。テーパーボス520は、鉛直下方に向かって延びる突出部であり、先端に向かって窄まる形状からなる。図示したテーパーボス520は、円錐台の形状からなり、傾斜した側面を有し、先端に流出口523が形成される。
貫通孔521は、液面規定管51の内部空間からガラス融液を流出させる経路であり、液面規定管51の管内空間51iに設けられた1又は2以上の流入口522と、テーパーボス520の先端に設けられた流出口523とを連結する。流入口522は、底部ブロック52の側面であって、液面規定管51の下縁部よりも上側の位置に形成され、それぞれが流出口523と連通する。
プランジャー53は、オーバーフロー管50を支持する手段であり、白金製のパイプが用いられる。プランジャー53は、下端が底部ブロック52に螺合され、鉛直上方に向かって延び、液面規定管51の流入開口51U及び坩堝20の上部開口20Uを横切り、さらに断熱材33の天蓋部を貫通し、昇降装置13により上下動可能に支持される。
(4)テーパーソケット22
テーパーソケット22は、テーパーボス520に対応する形状を有する係合凹部であり、坩堝20の底部に形成される。テーパーソケット22は、溶融室20bに露出する上部開口から鉛直下方に向かって延びる凹部であり、底部に向かって窄まる形状からなる。図示したテーパーボス520の内部空間は、円錐台の形状からなり、傾斜した側面を有し、底部が、排出ノズル40に連結されている。
このため、オーバーフロー管50を坩堝20の底部に配置し、テーパーボス520をテーパーソケット22と嵌合させると、貫通孔521を介して、管内空間51iが排出ノズル40と連通する。このとき、テーパーボス520及びテーパーソケット22は、互いの側面が密着し、排出ノズル40をオーバーフロー管50の外側空間から遮蔽する。このため、溶融室20bに滞留するガラス融液は、オーバーフロー管50を経由して排出ノズル40に流入し、オーバーフロー管50を経由することなく、排出ノズル40に流入することはない。
ガラス原料は、原料供給管11pを介して、溶解室20aに投入され、発熱体32により加熱されて溶解する。溶解後のガラス融液は、仕切り板21の下側の隙間を潜り、溶融室20bに移動する。溶融室20bに移動したガラス融液は、溶融室20b内をゆっくりと浮上しながら、脱泡及び均質化され、液面に到達するとオーバーフロー管50の流入開口51Uから管内空間51iへ流入する。管内空間51i内のガラス融液は、貫通孔521を通って、排出ノズル40から排出され、ガラス生成物が得られる。
(5)素地抜き処理
図5は、ガラス素地抜き処理についての説明図である。素地抜き処理は、坩堝20内に残留するガラス融液をすべて排出する処理であり、生産の停止時、生産品種の変更時などに行われる。
素地抜き時には、昇降装置13を操作し、オーバーフロー管50を上昇させて、オーバーフロー管50の底部を坩堝20の底部から離間させる。このとき、テーパーボス520がテーパーソケット22から抜け出し、溶融室20bが排出ノズル40と連通し、オーバーフロー管50を経由することなく、坩堝20内の残留ガラスを排出することができる。
本実施の形態によるガラス溶融炉10Aでは、オーバーフロー管50を坩堝20内に上下動可能に配置している。そして、オーバーフロー管50の底部を坩堝20の底部に配置すれば、オーバーフロー管50を介してガラス融液を排出することができる一方、坩堝20の底部から離間して配置すれば、オーバーフロー管50を介することなくガラス融液を排出することができる。このため、1つの排出ノズル40をガラス生成物の排出と素地抜き時の残留ガラスの排出とに兼用することができる。
従来のガラス溶融炉は、オーバーフロー管50と坩堝20が一体的に形成されているため、ガラス生成物用の排出ノズルとは別に、素地抜き専用のノズルとを備える必要があった。これに対し、本実施の形態によるガラス溶融炉10Aは、素地抜き専用のノズルを設ける必要がなく、当該ノズルのためのノズル加熱ヒータや直通電部を設ける必要もない。従って、ガラス溶融炉を安価に提供することができる。
また、本実施の形態によるガラス溶融炉10Aは、オーバーフロー管50を坩堝20とは別部品として形成することにより、坩堝の交換後もオーバーフロー管50を継続して使用することができる。坩堝20は、定期的に交換する必要があり、坩堝20の交換後も同じオーバーフロー管50を利用することができるので、ガラスの生産コストを低減することができる。
また、オーバーフロー管50を交換することにより、液面高さを容易に変更することができるので、生産品種に応じた効率的な生産を行うことができる。溶融室20bの滞留時間は、ガラス原料の投入速度と、溶融室20bの容量によって決まる。このため、滞留時間が長い生産品種の場合、ガラス原料の投入速度を低下させれば、滞留時間を長くすることができる。しかし、ガラス原料の投入速度は、単位時間当たりの生産量であるため、滞留時間が長くなれば、生産量が減少する。
このような場合に、オーバーフロー管50を交換し、液面高さを増大し、あるいは、管径を低減することにより、ガラス原料の投入速度を低下させることなく、滞留時間を長くすることができる。滞留時間は、ガラスの生産品種によって異なることから、オーバーフロー管50を交換することにより、生産品種に応じた効率的な生産を行うことができる。
なお、底部ブロック52は、ガラスの粘度が高い場合には、白金を用いることができる。高温下において白金同士を密着させた場合、両者が溶着され、素地抜き時にテーパーボス520をテーパーソケット22から分離できなくなることが考えられる。しかし、ガラスの粘度が高い場合であれば、表面にガラスの膜が形成されるため、両者がともに白金で形成されていてもよい。一方、ガラスの粘度が低い場合には、互いに溶着し分離できないおそれがあるため、いずれか一方を別の素材、例えば、再結晶アルミナで形成することが望ましい。
また、テーパーボス520及びテーパーソケット22の形状は、円錐台に限定されず、様々な形状を採用することができる。ガラス生産時に、排出ノズル40を管内空間51iと連通させるとともに、溶融室20bから遮蔽する一方、素地抜き時には、排出ノズル40を溶融室20bと連通することができる形状であれば、任意の形状を採用することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、坩堝20と一体的に形成された仕切り板21により、溶解室20a及び溶融室20bが形成されるガラス溶融炉10Aの例について説明した。これに対し、本実施の形態では、プランジャー53に支持された仕切り管54により、溶解室20a及び溶融室20bが形成されるガラス溶融炉10Bについて説明する。
図6~図8は、本発明の実施の形態2によるガラス溶融炉10Bの一構成例を示した図である。ガラス溶融炉10Bを含むガラス溶融システムの構成は、図1(実施の形態1)の場合と同様であり、図6には、図1のA-A切断線で示される鉛直面でガラス溶融炉10Bを切断した場合の断面が示されている。図7には、図6のC-C切断線で示される水平面でガラス溶融炉10Bを切断した場合の断面が示されている。また、図8は、図6の坩堝20を拡大して示した図である。
ガラス溶融炉10Bは、図2~図4に示したガラス溶融炉10A(実施の形態1)と比較すれば、仕切り板21に代えて、仕切り管54を備えている点で異なる。その他の構成は、図2~図4の場合と同様であるため、対応する構成に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
坩堝20の内部空間は、仕切り管54により溶解室20aと溶融室20bに仕切られている。仕切り管54は、底部が開放され、天蓋部を閉鎖した有蓋円筒体からなる白金製の部材である。仕切り管54は、プランジャー53に支持され、坩堝20内において、オーバーフロー管50とともに上下動可能に配置されている。
仕切り管54は、液面規定管51の流入開口51Uから離間する高さで、オーバーフロー管50を覆うように配置されている。また、仕切り管54の側壁は、坩堝20の側壁及び液面規定管51の間に配置され、その下端部は坩堝20の底部から離間して配置されている。
仕切り管54よりも外側の溶解室20aにおいて溶融されたガラス融液は、仕切り管54の下端部を潜り、仕切り管54よりも内側の溶融室20bに移動することができる。また、溶融室20bをゆっくりと浮上することにより、脱泡及び均質化され、液面規定管51の流入開口51Uから管内空間51iへ流入し、排出ノズル40から排出される。
図7に示した通り、ガラス溶融炉10Bは、鞘坩堝31,坩堝20の側壁、仕切り管54及び液面規定管51が同心円となるように配置され、溶解室20aが、坩堝20の側壁に沿って全周に形成されている。一方、発熱体32は、鞘坩堝21の外周面を取り囲むように配置され、坩堝内を加熱する熱は、坩堝20の中心軸に向かって径方向に伝達される。このため、溶解室20aを円環形状にすることにより、溶解室20a全体を効率的に加熱することができ、溶解室20a内において水平面内での温度勾配の発生を抑制することができる。円弧状の仕切り板61により溶解室20aが形成される従来のガラス溶融炉では、坩堝60の側壁近傍(外側)の温度に比べて、仕切り板61近傍(内側)の温度が低く、溶解室20a内において水平面内での温度勾配が生じていたが、ガラス溶融炉10Bでは、この様な温度勾配の発生を抑制することができる。
10A,10B ガラス溶融炉
11 原料投入装置
11p 原料供給管
12 粉砕装置
12R ローラ
13 昇降装置
20 坩堝
20a 溶解室
20b 溶融室
20U 上部開口
21 仕切り板
21g 隙間
22 テーパーソケット
31 鞘坩堝
32 発熱体
33 断熱材
40 排出ノズル
41 ノズル加熱ヒータ
42 直通電部
50 オーバーフロー管
51 液面規定管
51U 流入開口
51i 管内空間
52 底部ブロック
53 プランジャー
54 仕切り管
100 ガラス溶融システム
520 テーパーボス
521 貫通孔
522 流入口
523 流出口

Claims (7)

  1. 底部に排出ノズルが設けられた坩堝と、
    前記坩堝内に投入されたガラス原料を加熱する加熱手段と、
    前記坩堝内に上下動可能に配置され、所定の液面高さを越えるガラス融液が管内空間に流入するオーバーフロー管と、を備え、
    前記オーバーフロー管の底部は、ガラス生産時に前記坩堝の底部に配置され、前記管内空間を前記排出ノズルに連通させる一方、ガラス素地抜き時に前記坩堝の底部から離間して配置されることを特徴とするガラス溶融炉。
  2. 前記オーバーフロー管の底部には、管内空間の流出口を有する係合凸部が形成され、
    前記坩堝の底部には、前記係合凸部に対応する形状を有し、前記排出ノズルが連結された係合凹部が形成され、
    前記係合凸部及び前記係合凹部を互いに嵌合することにより、前記流出口を介して前記管内空間を前記排出ノズルに連通させ、前記排出ノズルを前記オーバーフロー管の外側空間から遮蔽することを特徴とする請求項1に記載のガラス溶融炉。
  3. 前記係合凸部は、先端に向かって窄まり、先端に流出口が形成される円錐台からなり、
    前記係合凹部は、前記坩堝の外側に向かって窄まり、先端に前記排出ノズルが連結される円錐台の孔であることを特徴とする請求項2に記載のガラス溶融炉。
  4. 前記オーバーフロー管に連結され、前記坩堝の上部開口を通って前記坩堝外に延び、前記オーバーフロー管を上下動可能に支持するプランジャーを備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のガラス溶融炉。
  5. 前記オーバーフロー管は、
    前記係合凸部を有する底部ブロックと、
    前記底部ブロックから上方に延び、前記液面高さを規定する流入開口を有する液面規定管と、を備え、
    前記プランジャーは、一端が前記液面規定管内において前記底部ブロックに連結され、他端が前記流入開口及び前記上部開口を通り、前記坩堝外に延びることを特徴とする請求項4に記載のガラス溶融炉。
  6. 前記坩堝は、白金からなり、
    前記底部ブロックは、再結晶アルミナからなることを特徴とする請求項5に記載のガラス溶融炉。
  7. 前記プランジャーに支持され、底部を開口させ、天蓋部を閉鎖した有蓋筒体からなる仕切り管を備え、
    前記仕切り管が、前記オーバーフロー管を覆うとともに、前記坩堝の底部から離間して配置されることを特徴とする請求項4~6のいずれかに記載のガラス溶融炉。
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