JPWO2008016171A1 - 腎機能障害予防・治療剤 - Google Patents

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Abstract

シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とを組み合わせてなる腎機能障害予防・治療剤を提供する。この併用剤は、優れた腎機能障害予防・治療効果を奏する。

Description

本発明は、シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とを組み合わせてなる腎機能障害予防・治療剤に関する。
(発明の背景)
腎機能障害は、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、膠原病など種々の病因によって引き起こされまた、バリオマイシン、ネオマイシンといった抗生物質やシスプラチン、シクロフォスファミド、メトトレキセートといった抗癌剤の投与によっても引き起こされるものである。腎機能の障害により生じる病態としては、尿細管障害、糸球体基底膜におけるカルシウムの集積、間質の石灰化、線維化、近位尿細管障害(壊死)、尿細管萎縮、糸球体基底膜の肥厚などさまざまな病態が知られている。
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、腎機能障害の進展抑制作用を有する薬物として知られている。
また、L型カルシウムチャネル及びN型カルシウムチャネルを共に阻害する、L/N型カルシウムチャネルブロッカー(CCB)であるシルニジピンは、L型カルシウムチャネルを選択的に阻害するL型CCBであるアムロジピンに比べ、優れた腎機能障害進展抑制効果を示すとの報告がある(非特許文献1)。
ARBであるカンデサルタンとL型CCBであるベニジピン又はアムロジピンとの併用が、腎機能障害発症の予防に有効であるとの報告もある(非特許文献2)。
しかしながら、ARBとL/N型CCBであるシルニジピンとを併用した場合に、L型CCBと併用した場合に比べ、格別優れた腎機能障害の予防・治療効果が得られることは知られていなかった。
Tomoyuki Kondaら、「Nephron Physiology」、2005年、第101巻、p.1−13 Kozo Yaoら、「Hypertension research」、2003年、第26巻、第8号、p.635−641
本発明は、優れた腎機能障害予防・治療剤を提供することを課題とした。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を行い、アンジオテンシンII受容体拮抗薬に、カルシウムチャネルブロッカーの1つであるシルニジピンを併用することによって、予想外の優れた腎機能障害の予防・治療効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕 シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とを組み合わせてなる腎機能障害予防・治療剤。
〔2〕 シルニジピン及びアンジオテンシンII受容体拮抗薬を有効成分として含有する配合剤である、上記〔1〕に記載の腎機能障害予防・治療剤。
〔3〕 シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とが別個の製剤とされてなる、上記〔1〕に記載の腎機能障害予防・治療剤。
〔4〕 アンジオテンシンII受容体拮抗薬がバルサルタンである、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の腎機能障害予防・治療剤。
〔5〕 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.5〜16が組み合わされている、上記〔4〕記載の腎機能障害予防・治療剤。
〔6〕 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜5が組み合わされている、上記〔4〕記載の腎機能障害予防・治療剤。
〔7〕 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜1.5が組み合わされている、上記〔6〕記載の腎機能障害予防・治療剤。
〔8〕 アンジオテンシンII受容体拮抗薬と併用されるものである、シルニジピンを有効成分とする腎機能障害予防・治療剤。
〔9〕 シルニジピンと併用されるものである、アンジオテンシンII受容体拮抗薬を有効成分とする腎機能障害予防・治療剤。
〔10〕 アンジオテンシンII受容体拮抗薬がバルサルタンである、上記〔8〕又は〔9〕に記載の腎機能障害予防・治療剤。
〔11〕 腎機能障害予防・治療剤を製造するためのシルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬の使用。
〔12〕 アンジオテンシンII受容体拮抗薬がバルサルタンである、上記〔11〕に記載の使用。
〔13〕 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.5〜16が組み合わされて使用されている、上記〔12〕に記載の使用。
〔14〕 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜5が組み合わされて使用されている、上記〔12〕に記載の使用。
〔15〕 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜1.5が組み合わされて使用されている、〔14〕に記載の使用。
〔16〕 シルニジピンを含有する、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の腎機能障害予防・治療作用の増強剤。
〔17〕 アンジオテンシンII受容体拮抗薬を含有する、シルニジピンの腎機能障害予防・治療作用の増強剤。
〔18〕 アンジオテンシンII受容体拮抗薬がバルサルタンである、上記〔16〕又は〔17〕に記載の増強剤。
〔19〕 シルニジピン及びバルサルタンを有効成分として含有する配合剤である医薬組成物。
〔20〕 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.5〜16を含有する、上記〔19〕に記載の医薬組成物。
〔21〕 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.5〜5を含有する、上記〔19〕に記載の医薬組成物。
〔22〕 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜1.5を含有する、請求項21に記載の医薬組成物。
(発明の効果)
本発明のシルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とを組み合わせてなる腎機能障害予防・治療剤によれば、L型カルシウムチャネルブロッカーをアンジオテンシンII受容体拮抗薬と併用した場合に比べ、格別優れた腎機能障害の予防・治療効果が得られる。また、本発明によれば、シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬それぞれを単独で投与するよりも、効果的な優れた腎機能障害の予防・治療が期待できる。また、各薬物の投与量を減少させることができるため、副作用発生の低減を期待することができる。
本発明は、シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とを組み合わせてなる腎機能障害予防・治療剤を提供する。
本発明において、腎機能障害とは、正常な状態に比べ、腎臓の機能が低下し、腎臓が正常に働くことができなくなること又はそうなった状態のことを意味する。通常、正常な状態のヒトにおいては、尿中アルブミン及び血清クレアチニンの値は各々13.6mg/g・Cr(クレアチニン補正した尿中アルブミン値)及び1.2mg/dL以下であり、腎機能障害が発症するとその値は増加する。本発明は、糸球体機能障害や尿細管機能障害などに基づく尿中アルブミン排泄量の増加といった腎機能障害の予防・治療に特に効果的である。
腎機能障害を生じる具体的な疾患としては、例えば、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、腎盂腎炎、腎硬化症、多発性嚢胞腎、IgA腎症、ループス腎炎などが挙げられるが、本発明における腎機能障害がこれらに限定されるわけではない。
本発明において使用されるシルニジピン((±)−1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 2−メトキシエチルエステル 3−フェニル−2(E)−プロペニルエステル)は、L型カルシウムチャネル及びN型カルシウムチャネルを共に阻害するL/N型カルシウムチャネルブロッカーとして公知の化合物であり、公知の製造方法により製造することが可能である。また、市販でその製剤を入手することも可能である。さらには、シルニジピンは該製剤から抽出等により取得することもできる。本発明において使用されるシルニジピンは必要に応じ、薬理的に許容される塩、水和物、溶媒和物としてもよい。薬理学的に許容される塩としては、例えば、無機酸との塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩など)、有機酸との塩(酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩など)などが挙げられる。さらに、本発明において使用されるシルニジピンは必要に応じ、適当なその光学活性体を用いてもよい。
アンジオテンシンII受容体拮抗薬とは、昇圧物質であるアンジオテンシンIIと拮抗し、アンジオテンシンIIがアンジオテンシンII受容体に結合するのを妨げることにより血圧の降下作用を示す薬物である。本発明において使用されるアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、シルニジピンと併用することによってそれぞれを単独で使用するよりも優れた腎機能障害の予防・治療効果を示すものであれば特に限定されないが、例えば、バルサルタン、カンデサルタン、ロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、イルベサルタンなどが挙げられ、なかでも、バルサルタン、カンデサルタン、テルミサルタンが好ましく、バルサルタンが特に好ましい。
本発明で使用されるシルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、製剤時に予め混合された状態の配合剤の態様であってもよいし、別個に製剤化され、用時に混合する態様であってもよいし、用時にも別々に投与する態様であってもよい。
本発明の腎機能障害予防・治療剤は、シルニジピンを含有してなる薬剤とアンジオテンシンII受容体拮抗薬を含有してなる薬剤とからなるキットとしてもよい。
本発明の腎障害予防・治療剤を投与するに際しては、シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とは同時に投与してもよいし、両者の併用効果、特に相乗的増強効果が得られる限り、どちらか一方を先に投与した後に他方を投与してもよく、その際のそれぞれの薬剤の投与間隔も特に限定されない。
本発明の腎機能障害予防・治療剤では、シルニジピン及びアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、別々に又は同時に、そのまま又は医薬として許容される担体などと混合し、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの固形製剤、シロップ剤、乳剤、注射剤(皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、点滴剤を含む)などの液剤、舌下錠、バッカル剤、トローチ剤、マイクロカプセルや徐放性コーティングを施した製剤、坐剤などの薬剤として、経口又は非経口的に投与することができる。なかでも、錠剤として経口的に投与するのが好ましい。
薬学的に許容される担体としては、製剤材料として慣用の各種有機又は無機の担体物質を用いることができ、固形製剤の場合には、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが、液状製剤の場合には、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などが適宜用いられる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、香料などの添加物を加えてもよい。
特に、シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とを同時に投与する場合には、シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とを有効成分として含有する配合剤である医薬組成物として投与するのが好ましい。該医薬組成物の剤形としては、好ましくは、上記剤形が挙げられる。
上記剤形の製剤は、当該分野で公知の製剤方法に準じ、製造することができる。
本発明の腎機能障害予防・治療剤及び医薬組成物におけるシルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬の組み合わせ量の割合は、それらを組み合わせることにより、効果的な腎機能障害の予防・治療効果が得られる範囲であり、例えば重量比で、シルニジピン1に対して、アンジオテンシンII受容体拮抗薬が通常0.1〜100、好ましくは0.3〜30、より好ましくは0.5〜10である。特に、アンジオテンシンII受容体拮抗薬としてバルサルタンを組み合わせる場合には、重量比で、シルニジピン1に対して、バルサルタンが通常0.1〜100、好ましくは0.3〜30、より好ましくは0.5〜16、特により好ましくは1〜10である。
シルニジピンとバルサルタンの好ましい重量比としては更に、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜10が挙げられる。ここで更に好ましくは、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜5、更には0.2〜1.5、更には0.8〜1.2が挙げられ、特にシルニジピン1に対してバルサルタン1であるのが好ましい。なおここで、シルニジピンとバルサルタンが1つの製剤中に含まれているのが好ましい。
本発明の各種薬剤の投与対象としては、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなどの哺乳動物が挙げられる。
本発明の腎障害予防・治療剤及び医薬組成物の一日投与量は、投与対象の症状の程度、年齢、性別、体重、薬物に対する感受性、投与時期、間隔、投与経路などによって異なるが、通常、経口投与で一日量が、哺乳動物1kg体重あたりシルニジピン約0.1〜100mgとアンジオテンシンII受容体拮抗薬約0.1〜500mgとの組み合わせであり、好ましくはシルニジピン約0.5〜50mgとアンジオテンシンII受容体拮抗薬約0.3〜300mgとの組み合わせであり、さらに好ましくはシルニジピン約1〜20mgとアンジオテンシンII受容体拮抗薬約1〜100mgとの組み合わせであり、これを必要に応じて1〜3回に分割して投与すればよい。特に、シルニジピン約1〜20mg、より好ましくは約1〜10mg、特に好ましくは約4〜9mgに、シルニジピン1重量部に対してバルサルタンを0.2〜10重量部の割合で併用するのが好ましく、さらに0.2〜5重量部の割合で併用するのが好ましく、特に0.2〜1.5重量部の割合で併用するのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
本実施例では、高食塩負荷Dahl salt−sensitive hypertensive(Dahl S)ラットモデルにおいて、異なる機序を持つ降圧薬の併用が腎障害進展にどのような影響をもたらすか、N/L型CCBであるシルニジピン(C:1mg/kg、p.o.)及びL型CCBであるアムロジピン(A:1mg/kg、p.o.)をARBであるバルサルタン(V:10mg/kg、p.o.)と併用して検証した。
〈方法〉
1)群構成
高食塩摂餌群:
Veh群;Vehicle(0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース、以下同じ)、n=13
C群;シルニジピン (1mg/kg/日、p.o.)、n=10
A群;アムロジピン (1mg/kg/日、p.o.)、n=10
V群;バルサルタン (10mg/kg/日、p.o.)、n=12
CV群;シルニジピン (1mg/kg/日、p.o.)+ バルサルタン (10mg/kg/日、p.o.)、n=12
AV群;アムロジピン (1mg/kg/日、p.o.) + バルサルタン (10mg/kg/日、p.o.)、n=12
低食塩摂餌群:
Control群;Vehicle、n=10
2)試験方法
被験物質投与群には5週齢から8%高食塩食を摂餌させ、2週間後に群分けした。群分け後、各被験物質を1日1回連日経口投与した。11週齢の時点で24時間蓄尿を行い、尿中アルブミン排泄量(Ualb)を測定した。被験物質投与開始4週間後に剖検を行い、臓器採取を行った。Control群は5週齢から低食塩食(0.1% NaCl)の給餌を開始し、7週齢からVehicleの投与を行い、被験物質投与群と同様に剖検を行った。糸球体硬化Score(GS)は、Periodic acid−Schiff(PAS)染色を行った左腎組織を用い、顕微鏡下にて1個体につき50個の糸球体を評価することで算出した。評価方法は、糸球体面積のうち、病変領域が0%の場合を0、0%より大きく25%未満の場合を+1、25%以上50%未満の場合を+2、50%以上75%未満の場合を+3、75%以上の場合を+4とスコア化し、糸球体50個の合計スコアをその個体のGSとした。
〈結果〉
1)尿中アルブミン排泄量(Ualb)
Ualbは11週齢において、Control群では56.6±7.5mgであったが、Veh群では123.7±10.7mgであり、高食塩負荷によるUalbの増加が見られた。それに対し、Veh群に比べて、CV群(90.6±9.5mg)は高食塩負荷によるUalbの増加を有意に抑制した(図1)。
2)糸球体硬化Score(GS)
GSは、Control群では4±1であったが、Veh群では38±3であり、高食塩負荷によるGSの増加が見られた。Veh群に比べて、CV群(23±4)はGSの増加を有意に抑制した(図2)。
これらの結果から、シルニジピンとバルサルタンとの併用は、それぞれの単独投与群に比べ、優れた腎保護作用(Ualb、GS)を示し、腎機能障害予防・治療剤として有用であることが分かった。
実施例2
本実施例では、高食塩負荷Dahl salt−sensitive hypertensive(Dahl S)ラットモデルにおいて、異なる機序を持つ降圧薬の併用比率が腎障害進展にどのような影響をもたらすか、N/L型CCBであるシルニジピン(C:0.1mg/kg〜10mg/kg、p.o.)とARBであるバルサルタン(V:1mg/kg〜10mg/kg、p.o.)を併用して検証した。
〈方法〉
1)群構成
高食塩摂餌群:
Veh群;Vehicle(0.5 % ヒドロキシプロピルメチルセルロース、以下同じ)、n=21
C10V1群;シルニジピン(10mg/kg/日、p.o.)+バルサルタン(1mg/kg/日、p.o.)、n=10
C9V1.8群;シルニジピン(9mg/kg/日、p.o.)+バルサルタン(1.8mg/kg/日、p.o.)、n=9
C7V3.5群;シルニジピン(7mg/kg/日、p.o.)+バルサルタン(3.5mg/kg/日、p.o.)、n=9
C5.5V5.5群;シルニジピン(5.5mg/kg/日、p.o.)+バルサルタン(5.5mg/kg/日、p.o.)、n=9
C4.2V6.3群;シルニジピン(4.2mg/kg/日、p.o.)+バルサルタン(6.3mg/kg/日、p.o.)、n=8
C1V10群;シルニジピン(1mg/kg/日、p.o.)+バルサルタン(10mg/kg/日、p.o.)、n=7
C0.1V10群;シルニジピン(0.1mg/kg/日、p.o.)+バルサルタン(10mg/kg/日、p.o.)、n=10
低食塩摂餌群:
Control群;Vehicle、n=14
2)試験方法
被験物質投与群には5週齢から8%高食塩食を摂餌させ、2週間後に群分けした。群分け後、各被験物質を1日1回連日経口投与した。11週齢の時点で24時間蓄尿を行い、尿中アルブミン排泄量(Ualb)を測定した。Control群は5週齢から低食塩食(0.1% NaCl)の給餌を開始し、7週齢からVehicleの投与を行い、被験物質投与群と同様に採尿を行った。
〈結果〉
尿中アルブミン排泄量(Ualb)
Ualbは11週齢において、Veh群のUalbを100%とした場合、Control群のUalbは22.6±1.2%であり、高食塩負荷によるUalbの増加が見られた。それに対し、C9V1.8群(27.6±2.7%)、C7V3.5群(26.8±2.9%)、C5.5V5.5群(25.2±3.2%)、およびC4.2V6.3群(32.9±5.8%)は高食塩負荷にもかかわらず、Ualb排泄量をcontrol群と同等レベルに改善した(図3)。
シルニジピンとバルサルタンとの併用による腎保護効果は、その併用比率により異なる。シルニジピンとバルサルタンの併用比率がシルニジピン1に対しバルサルタン0.2から10未満の範囲での比率である場合に正常と同等の腎保護効果を示し、特にシルニジピン1に対しバルサルタン0.2〜1.5で優れた効果を示し、中でもバルサルタン1の場合に顕著な効果を示した。
実施例1のDSラット11週齢における尿中アルブミン排泄量を示すグラフである。 実施例1のDSラット11週齢における腎糸球体硬化Scoreを示すグラフである。 実施例2のDSラット11週齢における尿中アルブミン排泄量を、vehicle群を100%として補正した値を示すグラフである。(Dunnett’s test、vs control、*: P<0.05、**: P<0.01、***: P<0.001)

Claims (22)

  1. シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とを組み合わせてなる腎機能障害予防・治療剤。
  2. シルニジピン及びアンジオテンシンII受容体拮抗薬を有効成分として含有する配合剤である、請求項1に記載の腎機能障害予防・治療剤。
  3. シルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬とが別個の製剤とされてなる、請求項1に記載の腎機能障害予防・治療剤。
  4. アンジオテンシンII受容体拮抗薬がバルサルタンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の腎機能障害予防・治療剤。
  5. 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.5〜16が組み合わされている、請求項4記載の腎機能障害予防・治療剤。
  6. 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜5が組み合わされている、請求項4記載の腎機能障害予防・治療剤。
  7. 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜1.5が組み合わされている、請求項6記載の腎機能障害予防・治療剤。
  8. アンジオテンシンII受容体拮抗薬と併用されるものである、シルニジピンを有効成分とする腎機能障害予防・治療剤。
  9. シルニジピンと併用されるものである、アンジオテンシンII受容体拮抗薬を有効成分とする腎機能障害予防・治療剤。
  10. アンジオテンシンII受容体拮抗薬がバルサルタンである、請求項8又は9に記載の腎機能障害予防・治療剤。
  11. 腎機能障害予防・治療剤を製造するためのシルニジピンとアンジオテンシンII受容体拮抗薬の使用。
  12. アンジオテンシンII受容体拮抗薬がバルサルタンである、請求項11に記載の使用。
  13. 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.5〜16が組み合わされて使用されている、請求項12に記載の使用。
  14. 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜5が組み合わされて使用されている、請求項12に記載の使用。
  15. 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜1.5が組み合わされて使用されている、請求項14に記載の使用。
  16. シルニジピンを含有する、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の腎機能障害予防・治療作用の増強剤。
  17. アンジオテンシンII受容体拮抗薬を含有する、シルニジピンの腎機能障害予防・治療作用の増強剤。
  18. アンジオテンシンII受容体拮抗薬がバルサルタンである、請求項16又は17に記載の増強剤。
  19. シルニジピン及びバルサルタンを有効成分として含有する配合剤である医薬組成物。
  20. 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.5〜16を含有する、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜5を含有する、請求項19に記載の医薬組成物。
  22. 重量比で、シルニジピン1に対してバルサルタン0.2〜1.5を含有する、請求項21に記載の医薬組成物。
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