JPWO2008016079A1 - 核酸保護基の導入方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、3’位水酸基と5’位水酸基がケイ素保護基で保護されているリボ核酸誘導体について、リボースの2’位水酸基に下記置換基(I)を安価に簡便に導入する方法を提供することにある。式(I)中、WG1は、電子吸引性基を表す。次の一般式(1)で表されるリボ核酸誘導体に次の一般式(2)で表されるモノチオアセタール化合物を反応させて次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する方法において、酸存在下、モノチオアセタール化合物(2)の硫黄原子をハロゲン化するための試薬としてヨウ素を用いることによって、次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する。式(1)、(2)及び(3)中、Bzは、保護基を有していてもよい核酸塩基を表し、WG1は、電子吸引性基を表し、R3は、アルキル又はアリールを表し、Aはケイ素置換基を表す。

Description

本発明は、3’位水酸基と5’位水酸基がケイ素保護基で保護されているリボ核酸誘導体において、リボースの2’位水酸基に下記置換基(I)を導入する方法に関するものである。
Figure 2008016079
式(I)中、WGは、電子吸引性基を表す。
WGに係る「電子吸引性基」としては、例えば、シアノ、ニトロ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ハロゲンを挙げることができる。なかでも、シアノが好ましい。
WGに係る「アルキルスルホニル」の「アルキル」部分としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜5のアルキルを挙げることができる。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチルを挙げることができる。
WGに係る「アリールスルホニル」の「アリール」部分としては、例えば、炭素数6〜12のアリールを挙げることができる。具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニルを挙げることができる。当該アリールは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されていてもよい。
WGに係る「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
WGに係る「アリール」の置換基である「ハロゲン」および「アルキル」としては、前記「ハロゲン」と同じものを挙げることができる。WGに係る「アリール」の置換基である「アルコキシ」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜4のアルコキシを挙げることができる。具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。なかでも炭素数1〜3の該アルコキシが好ましい。
オリゴRNAは、遺伝子解析のRNAプローブ、RNA医薬品素材(アンチセンスRNA、リボザイム、RNAiを利用した遺伝子発現制御)、人工酵素、アプタマーとして有用である。このオリゴRNAの製造過程で使用される試薬として、リボースの2’位水酸基が中性条件において脱離可能な2−シアノエトキシメチル(CEM)基で置換されているホスホロアミダイト化合物が知られている(非特許文献1、特許文献1)。
該ホスホロアミダイト化合物を製造する工程として、リボースの2’位の水酸基に保護基としてCEMを導入する工程があるが、従来、当該工程は、リボースの3’位と5’位の水酸基をケイ素保護基(例えば、テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)で保護されたリボ核酸誘導体(原料化合物)に、トリフルオロメタンスルホン酸やトリフルオロメタンスルホン酸銀等の酸存在下、アルキル化試薬としてメチルチオメチル2−シアノエチルエーテルを、アルキル化試薬の硫黄原子をハロゲン化するための試薬(酸化剤)としてN−ヨードスクシンイミド(NIS)やN−ブロモスクシンイミド(NBS)を作用させて実施されていた(特許文献1)。
上記のようなアルキル化試薬の硫黄原子をハロゲン化するための試薬、及び上記のような酸、即ち、NIS、NBS、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸銀は、非常に反応性の高い化合物であるので、反応温度を0℃付近に下げてもなお、原料化合物であるリボ核酸誘導体の核酸塩基もハロゲン化されてしまうおそれがある。したがって、当該工程では、核酸塩基のハロゲン化を防ぐべく−50℃〜−40℃という極めて低い温度条件において実施する必要がある。但し、原料化合物のリボ核酸誘導体が100mg〜2g程度の小量スケールの場合には、反応温度が0℃付近であっても、きれいに反応が進行する場合がある。
また、NISやNBSを使用した場合には、スクシンイミド由来の副生成物を生じる。当該副生成物は抽出操作により除去することは困難であり、通常、大量に精製するのに不向きなカラムクロマトグラフィーを使用して除去する必要がある。
さらに、NIS、NBS、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸銀は、非常に高価な試薬であり、経済的に不利である。
このようなNISやNBS等を用いる従来の製法は、上記ホスホロアミダイト化合物を大量に生産するには適さない。
国際公報WO2006/022323 A1パンフレット 大木ら,ORGANIC LETTERS,Vol.7,3477(2005)
本発明の目的は、主として、3’位水酸基と5’位水酸基がケイ素保護基で保護されているリボ核酸誘導体において、リボースの2’位水酸基に下記置換基(I)(例えば、CEM基)を安価に簡便に導入する方法を提供することにある。
Figure 2008016079
式(I)中、WGは、前記と同義である。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明として、例えば、次の一般式(1)で表されるリボ核酸誘導体に次の一般式(2)で表されるモノチオアセタール化合物を反応させて次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する方法において、酸存在下、モノチオアセタール化合物(2)の硫黄原子をハロゲン化するための試薬としてヨウ素を用いることを特徴とする、次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体の製造方法を挙げることができる。
Figure 2008016079
式(1)、(2)及び(3)中、Bzは、保護基を有していてもよい核酸塩基を表し、WGは、前記と同義であり、Rは、アルキル又はアリールを表し、Aは、次の一般式(4a)又は(4b)で表されるケイ素置換基を表す。
Figure 2008016079
式(4a)及び(4b)中、Rは、アルキルを表す。
Bzに係る「核酸塩基」としては、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシン、ウラシル等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基又はそれらの修飾体を挙げることができる。
Bzに係る「核酸塩基」は、保護されていてもよく、なかでもアミノ基を有する核酸塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシンは、該アミノ基が保護されているのが好ましい。かかる「アミノ基の保護基」としては、核酸の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。
Bzの「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されているものであり、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されているものをいう。
Bzの「修飾体」に係る「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
Bzの「修飾体」に係る「アシル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜6のアルカノイル、炭素数7〜13のアロイルを挙げることができる。具体的には、例えば、ホルミル、アセチル、n−プロピオニル、イソプロピオニル、n−ブチリル、イソブチリル、tert−ブチリル、バレリル、ヘキサノイル、ベンゾイル、ナフトイル、レブリニルを挙げることができる。
Bzの「修飾体」に係る「アルキル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜5のアルキルを挙げることができる。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチルを挙げることができる。当該アルキルは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されていてもよい。
Bzの「修飾体」に係る「アリールアルキル」、「アルコキシアルキル」、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」及び「アルキルスルホニル」の「アルキル」部分は、上記の「アルキル」と同じものを挙げることができる。
Bzの「修飾体」に係る「アルコキシ」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜4のアルコキシを挙げることができる。具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを挙げることができる。なかでも炭素数1〜3の該アルコキシが好ましく、とりわけメトキシが好ましい。
Bzの「修飾体」に係る「アルコキシアルキル」の「アルコキシ」部分は、上記の「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。
Bzの「修飾体」に係る「アリールアルキル」の「アリール」としては、例えば、炭素数6〜12のアリールを挙げることができる。具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニルを挙げることができる。当該アリールは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されていてもよい。
Bzの「修飾体」に係る「アルキル」、「アリール」の置換基である「ハロゲン」、「アルキル」及び「アルコキシ」としては、各々上記と同じものを挙げることができる。
に係る「アルキル」、「アリール」としては、前記Bzの修飾体に係る「アルキル」、「アリール」と同じものを挙げることができる。
モノチオアセタール化合物(11)の具体例としては、2−シアノエチル メチルチオメチルエーテルを挙げることができる。
に係る「アルキル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜5のアルキルを挙げることができる。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチルを挙げることができる。
また、本発明として、次の一般式(1)で表されるリボ核酸誘導体に次の一般式(2)で表されるモノチオアセタール化合物を反応させて次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する方法において、酸存在下、モノチオアセタール化合物(2)の硫黄原子をハロゲン化するための試薬としてヨウ素を用いることによって、次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程を含む、下記一般式(A)で表されるホスホロアミダイト化合物(以下、「ホスホロアミダイト化合物(A)」という。)の製造方法も挙げることができる。
Figure 2008016079
式(1)、(2)及び(3)中、A、Bz、R、WGは、前記と同義である。
Figure 2008016079
式(A)中、Bz、WGは、前記と同義である。R2a、R2bは、同一若しくは異なって、アルキルを表すか、又は、R2a、R2bが隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5〜6員の飽和アミノ環基を表す。かかる飽和アミノ環基は、窒素原子の他に環構成原子として酸素原子又は硫黄原子を1個有していてもよい。WGは、同一又は異なって、電子吸引性基を表し、Rは、次の一般式(5)で表される置換基を表す。
Figure 2008016079
式(5)中、R11、R12、R13は、同一又は異なって、水素又はアルコキシを表す。

11、R12、R13に係る「アルコキシ」としては、前記Bzの修飾体に係る「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。
2a、R2bに係る「アルキル」としては、前記Bzの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。
2a、R2bに係る「5〜6員の飽和アミノ環基」としては、例えば、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル又はチオモルホリン−4−イルを挙げることができる。
WGに係る「電子吸引性基」としては、前記WGに係る「電子吸引性基」と同じものを挙げることができる。
ホスホロアミダイト化合物(A)は、リボースの2’位水酸基が下記置換基(I)で保護されているホスホロアミダイト化合物である。また、2’位の水酸基に導入された基が直鎖状の置換基であり、3’位の水酸基に結合するリン原子の周りにおける立体が混み合っていないため、従来から使用されているホスホロアミダイト化合物と比較して、オリゴRNAを合成する際、非常に短時間に縮合反応が進行し、縮合収率がよいという特徴を有する。ホスホロアミダイト化合物(A)を使用することにより、オリゴDNAの製造とほぼ同様の手法により、高純度のオリゴRNAの製造することができる。
Figure 2008016079
式(I)中、WGは、前記と同義である。
ここで、本発明において「オリゴRNA」とは、少なくとも1つはオリゴ核酸の構成モノマーとしてリボ核酸(RNA)を含有するオリゴ核酸をいう。また、「オリゴDNA」とは、オリゴ核酸の構成モノマーとしてリボ核酸(RNA)を含有しないオリゴ核酸をいう。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下に示す製法において、原料が反応に影響を及ぼす置換基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ)を有する場合は、原料をあらかじめ公知の方法に従い、適当な保護基で保護した後に反応を行う。保護基は、最終的に、接触還元、アルカリ処理、酸処理などの公知の方法に従い保護基を脱離することができる。
I.リボ核酸誘導体(3)の製法
本製法は、酸及びヨウ素の存在下で、次の一般式(1)で表されるリボ核酸誘導体と次の一般式(2)で表されるモノチオアセタール化合物とを反応させることによって実施することができる。
Figure 2008016079
式(1)、(2)及び(3)中、A、Bz、R、WGは、前記と同義である。
モノチオアセタール化合物(2)は、公知の方法(例えば、国際公開公報WO2006/022323A1パンフレット)により製造することができる。
本製法は、酸存在下、市販品として入手可能な又は文献記載の方法に従い合成可能なリボ核酸誘導体(1)に、モノチオアセタール化合物(2)とヨウ素とを作用させることにより実施することができる。本製法で使用する「ヨウ素」の量は、リボ核酸誘導体(1)に対して、モル比で0.8倍量〜20倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。反応温度は、−20℃〜20℃の範囲内が適当であり、好ましくは、−10℃〜10℃の範囲内であり、より好ましくは、−5℃〜5℃の範囲内である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常5分間〜5時間の範囲内が適当である。本製法で使用しうる「モノチオアセタール化合物(2)」の使用量は、リボ核酸誘導体(1)に対して、モル比で0.8倍量〜5倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜3倍量の範囲内である。酸としては、リボースの2’位へのアルキル化反応を活性化することができ、また核酸塩基の部分と塩を形成することができる程度の酸性度を有する有機酸であれば特に限定されない。例えば、このような酸として、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸又はそれらの混合物を挙げることができる。特に、メタンスルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸とメタンスルホン酸との混合酸が好ましい。かかる「酸」の使用量は、リボ核酸誘導体(1)に対して、モル比で0.01倍量〜10倍量の範囲内が適当であり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲内である。トリフルオロメタンスルホン酸とメタンスルホン酸との混合酸の場合、トリフルオロメタンスルホン酸がメタンスルホン酸に対して、モル比で0.01倍量〜0.9倍量の範囲内が適当であり、好ましくは0.02倍量〜0.5倍量の範囲内、より好ましくは、0.05倍量〜0.2倍量の範囲内である。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(以下、「THF」という。)、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド又はこれら任意の混合溶媒を挙げることができる。特に、THFが好ましい。

II.ホスホロアミダイト化合物(A)の製法
ホスホロアミダイト化合物(A)は、公知化合物又は容易に製造可能な中間体から、例えば、次の工程a〜工程dを実施することにより製造することができる。
以下、詳細に説明する。
(1)工程a:
本工程は、前述Iの製法と同じものである。
(2)工程b:
本工程は、工程aにおいて製造されるリボ核酸誘導体(3)を適当な溶媒に溶解し、ケイ素置換基を脱離するための試薬を作用させることによって、次の一般式(7)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程である。
Figure 2008016079
式(3)及び(7)中、A、Bz、WGは、前記と同義である。
本工程で使用しうる「ケイ素置換基を脱離するための試薬」としては、テトラブチルアンモニウムフロリド、アミンとフッ化水素酸との塩又は適当な溶媒中においてアミンとフッ化水素酸とを任意の比で混合したものを挙げることができる。
また、場合によっては、アミンとフッ化水素酸との塩又は適当な溶媒中においてアミンとフッ化水素酸とを任意の比で混合したものに、さらに適当な酸を添加した混合試薬を使用して本工程を実施することもできる。その時に使用することができる酸としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸を挙げることができる。かかる酸の使用量としては、アミンに対して、モル比で0.01倍量〜10倍量の範囲内が適当であり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲内である。
使用する溶媒としては、例えば、THF、アセトニトリル、メタノール、イソプロパール、トルエン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド又はこれら任意の混合溶媒を挙げることができる。特に、THF、メタノールが好ましい。
リボ核酸誘導体(3)の種類、用いるケイ素置換基を脱離するための試薬、使用する溶媒等によって異なるが、本工程で使用しうる「ケイ素置換基を脱離するための試薬」の使用量としては、リボ核酸誘導体(3)に対して、モル比で等倍量〜10倍量の範囲内が適当であり、好ましくは1.2倍量〜1.5倍量の範囲内である。反応温度は、0℃〜80℃の範囲内が適当である。反応時間は、リボ核酸誘導体の種類、用いるケイ素置換基を脱離するための試薬、使用する溶媒等によって異なるが、反応温度等によって異なるが、通常30分間〜10時間の範囲内が適当である。
反応終了後、そのまま又は反応混合物に適量の水を加えて冷却することにより、リボ核酸誘導体(7)を析出物として得ることができる。添加する水の使用量としては、使用する溶媒に対して、容量比で0.05倍量〜5倍量の範囲内が適当であり、好ましくは0.06倍量〜等倍量の範囲内であり、より好ましくは0.07倍量〜0.1倍量の範囲内である。
本工程で使用しうる「アミンとフッ化水素酸との塩」としては、具体的には、アンモニウムフロリド、トリメチルアミンヒドロフロリド、トリメチルアミンジヒドロフロリド、トリメチルアミントリスヒドロフロリド、トリメチルアミンテトラヒドロフロリド、トリメチルアミンペンタヒドロフロリド、トリメチルアミンヘキサヒドロフロリド、トリエチルアミンヒドロフロリド、トリエチルアミンジヒドロフロリド、トリエチルアミントリスヒドロフロリド、トリエチルアミンテトラヒドロフロリド、トリエチルアミン26ヒドロフロリド、キヌクリジントリスヒドロフロリド、トリエチレンジアミンテトラヒドロフロリド等を挙げることができる(例えば、Journal Molecular Structure,193,247(1989)、Pol.J.Chem,67(2),281(1993)、Chem.Europ.J.,4(6),1043(1998)、J.Fluorine.Chem.,118(1−2),123,(2002)を参照)。とりわけ、アンモニウムフロリド、トリエチルアミントリスヒドロフロリドが好ましい。
また、本工程で使用しうる「適当な溶媒中においてアミンとフッ化水素酸とを任意の比で混合したもの」としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、トリエチルアミン、キヌクリジン、トリエチレンジアミン等のアミンとフッ化水素酸とを、適当な溶媒中(例えば、THF、アセトニトリル、メタノール、イソプロパール、トルエン)、例えば、1:1〜1:30(アミン:フッ化水素酸)の混合比(モル比)で混合したものを挙げることができる。
(3)工程c:
本工程は、工程bにおいて製造されるリボ核酸誘導体(7)に、公知の方法に従い、次の一般式(8)で表されるRを作用させ、リボ核酸案誘導体(7)の5’位の水酸基に酸性条件下において脱離する保護基(R)を導入することによって、次の一般式(9)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程である。
Figure 2008016079
式(7)、(8)及び(9)中、Bz、R、WGは、前記と同義である。Xは、ハロゲンを表す。
に係る「ハロゲン」としては、前記Bzの修飾体に係る「ハロゲン」と同じものを挙げることができる。
(8)の使用量は、リボ核酸誘導体(7)に対して、モル比で0.8倍量〜20倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、THF等を挙げることができる。「塩基」としては、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、N−メチルイミダゾール、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機塩基を挙げることができる。かかる「塩基」の使用量は、リボ核酸誘導体(7)に対して、モル比で0.8倍量〜20倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。反応温度は、0℃〜120℃の範囲内が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分間〜24時間の範囲内が適当である。
(4)工程d:
本工程は、工程cにおいて製造されるリボ核酸誘導体(9)にホスホロアミダイト化試薬と、必要に応じて活性化剤とを作用させ、3’位の水酸基がホスホロアミダイト化させることによって、ホスホロアミダイト化合物(A)を製造する工程である。
Figure 2008016079
式(9)及び(A)中、Bz、R、R2a、R2b、WG、WGは、前記と同義である。
「ホスホロアミダイト化試薬」としては、例えば、次の一般式(10a)、(10b)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008016079
式(10a)及び(10b)中、R2a、R2b、WGは、前記と同義である。Xは、ハロゲンを表す。
に係る「ハロゲン」としては、前記Bzの修飾体に係る「ハロゲン」と同じものを挙げることができる。
使用する溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、THF等を挙げることができる。
本工程で使用しうる「ホスホロアミダイト化試薬」の使用量は、リボ核酸誘導体(9)に対して、モル比で0.8倍量〜20倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。「活性化剤」としては、例えば、1H−テトラゾール、5−エチルチオテトラゾール、4,5−ジクロロイミダゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、ベンゾトリアゾールトリフラート、イミダゾールトリフラート、ピリジニウムトリフラート、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、2,4,6−コリジン/N−メチルイミダゾールを挙げることができる。かかる「活性化剤」の使用量は、リボ核酸誘導体(9)に対して、モル比で0.8倍量〜20倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。反応温度は、0℃〜120℃の範囲内が適当である。反応時間は、使用する原料の種類、反応温度等によって異なるが、通常30分間〜24時間の範囲内が適当である。
このようにして、製造されるホスホロアミダイト化合物(A)は、それ自体公知の手段、例えば、濃縮、液性変換、転溶、溶媒抽出、結晶化、再結晶、分留、クロマトグラフィー等により分離精製することができる。
III.オリゴRNAの製法
上記製法により製造されるホスホロアミダイト化合物(A)を使用することによって、次の一般式(B)で表されるオリゴRNA(以下、「オリゴRNA(B)」という。)を製造することができる。
以下に詳述する。
Figure 2008016079
式(B)中、各Bは、それぞれ独立して、核酸塩基又はその修飾体を表す。各Qは、それぞれ独立して、O又はSを表す。各Rは、それぞれ独立して、H、水酸基、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ又はアルコキシアルキルオキシを表すが、少なくとも1つは水酸基を表す。各Yはアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、O、S、NR2a2b(R2a、R2bは、前記と同義である。)を表す。但し、オリゴRNA(B)を構成する核酸モノマーユニットのRが水酸基である場合、YはOを表す。Zは、H、リン酸基又はチオリン酸基を表す。nは、1〜200の範囲内にある整数を表す。
nは、10〜100の範囲内にある整数が好ましく、また、より好ましくは、15〜50の範囲内にある整数である。
Bで表される核酸塩基としては特に限定されるものではなく、例えば、シトシン、ウラシル、チミン等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基又はそれらの修飾体を挙げることができる。
Bの「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されている化合物であり、Bの修飾体に係る置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されている。
Bの修飾体に係る「ハロゲン」、「アシル」、「アルキル」、「アリールアルキル」、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「アミノ」、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」としては、前記Bzの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。
Yに係る「アルキル」、「アルコキシ」、「アルキルチオ」の「アルキル」としては、前記Bzの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。
Rに係る「ハロゲン」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」又は「ジアルキルアミノ」としては、前記Bzの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。
Rに係る「アルコキシアルキルオキシ」、「アルキルチオ」の「アルキル」としては、前記Bzの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。
Rに係る「アルコキシアルキルオキシ」の「アルコキシ」としては、前記Bzの修飾体に係る「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。
Rに係る「アルケニルオキシ」、「アルケニルチオ」、「アルケニルアミノ」、「ジアルケニルアミノ」の「アルケニル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜6のアルケニルを挙げることができる。具体的には、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニルを挙げることができる。
Rに係る「アルキニルオキシ」、「アルキニルチオ」、「アルキニルアミノ」、「ジアルキニルアミノ」の「アルキニル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2〜4のアルキニルを挙げることができる。具体的には、例えば、エチニル、2−プロピニル、1−ブチニルを挙げることができる。
ここで、本発明において「核酸モノマーユニット」とは、オリゴRNA(B)及び各(オリゴ)核酸誘導体を構成する各核酸モノマーの部分をいう。
ホスホロアミダイト化合物(A)を用いるオリゴRNA(B)の製法は、公知の方法に従い行うことができるが、例えば、次に示す工程A〜工程Gを繰り返し実施することにより、段階的に3’から5’の方向へ核酸モノマー化合物を縮合させていくことができる。
オリゴRNAの製法において、各Rのうち少なくとも1つが水酸基であるオリゴRNA(B)を製造することができる。例えば、下記工程Bにおいて、核酸モノマー化合物として全てホスホロアミダイト化合物(A)を使用することにより、各Rが全て水酸基であるオリゴRNA(B)を製造することができる。
下記各工程で使用される化合物及び試薬のうち、ホスホロアミダイト化合物(A)以外については、オリゴRNA又はオリゴDNAの合成に一般的に使用されているものを特に限定することなく用いることができる。また、既存の核酸合成試薬を用いた場合と同様、すべての工程をマニュアルで又は市販のDNA自動合成機を用いて製造することができる。操作法の簡便化、また合成の正確性の点から自動合成機を用いるのが望ましい。
(1)工程A:
本工程は、次の一般式(11)で表される(オリゴ)核酸誘導体にRを脱離するための酸を作用させ、5’位の水酸基の保護基を脱離することによって、次の一般式(12)で表されるオリゴ核酸誘導体を製造する工程である。
Figure 2008016079
式(11)及び(12)中、n、各Q、Rはそれぞれ前記と同義である。各Bxは、それぞれ独立して、保護基を有していてもよい核酸塩基又はその修飾体を表す。各Rは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、保護されていてもよいアミノ保護されていてもよいアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、保護されていてもよいアルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、保護されていてもよいアルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ又は次の一般式(13)で表される置換基を表すが、少なくとも1つは次の一般式(13)で表される置換基を表す。
Figure 2008016079
式(13)中、WGは、前記と同義である。
各Yはアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、NR2a2b(R2a、R2bは、前記と同義である。)又は次の一般式(14)で表される置換基を表す。
Figure 2008016079
式(14)中、WGは、前記と同義である。
但し、(オリゴ)核酸誘導体(11)及び(12)を構成する核酸モノマーユニットのRが上記一般式(13)で表される置換基である場合、Yは上記一般式(14)で表される置換基を表す。
Eは、アシル又は次の一般式(15)で表される置換基を表す。
Figure 2008016079
式(15)中、Eは、単結合又は次の一般式(16)で表される置換基を表す。
Figure 2008016079
式(16)中、Q、Yは、前記と同義である。
Tは、H、アシルオキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、保護されていてもよいアミノ、保護されていてもよいアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、保護されていてもよいアルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、保護されていてもよいアルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ、上記一般式(13)で表される置換基又は上記一般式(15)で表される置換基を表す。但し、E又はTのどちらか一方は、置換基(15)を表す。
Bxに係る「核酸塩基」としては、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシン、ウラシル、チミン等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基又はそれらの修飾体を挙げることができる。
Bxに係る「核酸塩基」は、保護されていてもよく、なかでもアミノ基を有する核酸塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシンは、アミノ基が保護されているのが好ましい。
かかる「アミノ基の保護基」としては、核酸の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、例えば、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。
Bxの「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されている化合物であり、Bxの「修飾体」に係る置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されている。
Bxの修飾体に係る「ハロゲン」、「アシル」、「アルキル」、「アリールアルキル」、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」としては、前記Bzの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。
に係る「ハロゲン」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」部分としては、前記Bzの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。
に係る「アルコキシアルキルオキシ」及び「アルキルチオ」の「アルキル」部分としては、前記Bzの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。
に係る「アルコキシアルキルオキシ」の「アルコキシ」部分としては、前記Bzの修飾体に係る「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。
に係る「アルケニルオキシ」、「アルケニルチオ」、「アルケニルアミノ」、「ジアルケニルアミノ」の「アルケニル」部分としては、前記Rに係る「アルケニル」と同じものを挙げることができる。
に係る「アルキニルオキシ」、「アルキニルチオ」、「アルキニルアミノ」、「ジアルキニルアミノ」の「アルキニル」部分としては、前記Rに係る「アルキニル」と同じものを挙げることができる。
に係る「アミノ」、「アルキルアミノ」、「アルケニルアミノ」、「アルキニルアミノ」は保護されていてもよく、かかる保護基はアミノ基の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、例えば、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。特に、トリフルオロアセチルが好ましい。
Eに係る「アシル」としては、前記Bzの修飾体に係る「アシル」と同じものを挙げることができる。
Tに係る「アシルオキシ」の「アシル」部分は、前記Bzの修飾体に係る「アシル」と同じものを挙げることができる。
Tに係る「ハロゲン」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」としては、前記Bzの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。
Tに係る「アルコキシアルキルオキシ」及び「アルキルチオ」の「アルキル」部分としては、前記Bzの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。
Tに係る「アルコキシアルキルオキシ」の「アルコキシ」部分としては、前記Bzの修飾体に係る「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。
Tに係る「アルケニルオキシ」、「アルケニルチオ」、「アルケニルアミノ」、「ジアルケニルアミノ」の「アルケニル」部分としては、前記Rに係る「アルケニル」と同じものを挙げることができる。
Tに係る「アルキニルオキシ」、「アルキニルチオ」、「アルキニルアミノ」、「ジアルキニルアミノ」の「アルキニル」部分としては、前記Rに係る「アルキニル」と同じものを挙げることができる。
に係る「アルキル」、「アルコキシ」、「アルキルチオ」の「アルキル」としては、前記Bzの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。
本工程は、固相担体に担持された次の一般式(17a)、(17b)で表される核酸誘導体(n=1である核酸誘導体(11)に相当)、又は、工程A〜工程Dの操作を行うことにより製造される固相担体に担持されたオリゴRNA若しくはオリゴDNA(n=2〜100であるオリゴ核酸誘導体(11)に相当)(以下、「固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体」という。)に酸を作用させることにより実施することができる。
Figure 2008016079
式(17a)及び(17b)中、B、Rは、前記と同義である。R2L、R4Lは、置換基(15)を表す。Rは、アシルオキシを表す。R4aは、H、アシルオキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、保護されていてもよいアミノ、保護されていてもよいアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、保護されていてもよいアルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、保護されていてもよいアルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ又は置換基(13)を表す。
、R4aの「アシルオキシ」に係る「アシル」部分としては、前記Bzの修飾体に係る「アシル」と同じものを挙げることができる。
4aに係る「ハロゲン」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」部分としては、前記Bzの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。
4aに係る「アルコキシアルキルオキシ」及び「アルキルチオ」の「アルキル」部分としては、前記Bzの修飾体に係る「アルキル」と同じものを挙げることができる。
4aに係る「アルコキシアルキルオキシ」の「アルコキシ」部分としては、前記Bzの修飾体に係る「アルコキシ」と同じものを挙げることができる。
4aに係る「アルケニルオキシ」、「アルケニルチオ」、「アルケニルアミノ」、「ジアルケニルアミノ」の「アルケニル」部分としては、前記Rに係る「アルケニル」と同じものを挙げることができる。
4aに係る「アルキニルオキシ」、「アルキニルチオ」、「アルキニルアミノ」、「ジアルキニルアミノ」の「アルキニル」部分としては、前記Rに係る「アルキニル」と同じものを挙げることができる。
4aに係る「アミノ」、「アルキルアミノ」、「アルケニルアミノ」、「アルキニルアミノ」は保護されていてもよく、かかる保護基はアミノ基の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、例えば、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。特に、トリフルオロアセチルが好ましい。
「固相担体」としては、例えば、定孔ガラス(controlled pore glass;CPG)、オキサリル化−定孔ガラス(例えば、Alulら,Nucleic Acids Research,Vol.19,1527(1991)を参照)、TentaGel支持体−アミノポリエチレングリコール誘導体化支持体(例えば、Wrightら,Tetrahedron Letters,Vol.34,3373(1993)を参照)、Poros−ポリスチレン/ジビニルベンゼンのコポリマーを挙げることができる。
「リンカー」としては、例えば、3−アミノプロピル、スクシニル、2,2’−ジエタノールスルホニル、ロングチェーンアルキルアミノ(LCAA)を挙げることができる。
核酸誘導体(17a)、核酸誘導体(17b)は、公知の方法に従い製造される化合物又は市販品として入手できる固相担体に担持された化合物であり、好ましい態様としては、例えば、次の一般式(18)、(19)で表される核酸誘導体を挙げることができる。
Figure 2008016079
式(18)及び(19)中、B、Q、R、R、WGは、前記と同義である。
が置換基(13)である核酸誘導体(19)は、ホスホロアミダイト化合物(A)から公知の方法に従い製造することができる。
本工程で使用しうる「Rを脱離するための酸」としては、例えば、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸を挙げることができる。かかる「酸」は、1〜5%の濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することもできる。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ジクロロメタン、トルエン、アセトニトリル、メタノール、水又はこれら任意の混合溶媒を挙げることができる。本工程で使用しうる「酸」の使用量は、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して、モル比で0.8倍量〜100倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。上記反応における反応温度は、20℃〜50℃の範囲内が好ましい。反応時間は、(オリゴ)核酸誘導体(11)の種類、使用する酸の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分間〜1時間の範囲内が適当である。
(2)工程B:
本工程は、工程Aにおいて製造されるオリゴ核酸誘導体(12)に、活性化剤を用いて核酸モノマー化合物を縮合させることによって、次の一般式(20)で表されるオリゴ核酸誘導体を製造する工程である。
Figure 2008016079
式(12)及び(20)中、各B、E、n、各Q、R、各R、T、各Yは、前記と同義である。但し、(オリゴ)核酸誘導体(12)及び(20)を構成する核酸モノマーユニットのRが上記一般式(13)で表される置換基である場合、Yは上記一般式(14)で表される置換基を表す。
「核酸モノマー化合物」としては、ホスホロアミダイト化合物(A)又は次の一般式(21)で表される核酸誘導体を挙げることができる。
Figure 2008016079
式(21)中、R、R2a、R2b、R4a、Yは、前記と同義である。Bは、保護基を有していてもよい核酸塩基又はその修飾体を表す。
に係る「核酸塩基」としては、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシン、ウラシル、チミン等のピリミジン塩基、アデニン、グアニン等のプリン塩基又はそれらの修飾体を挙げることができる。
に係る「核酸塩基」は、保護されていてもよく、なかでもアミノ基を有する核酸塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシンは、アミノ基が保護されているのが好ましい。
かかる「アミノ基の保護基」としては、核酸の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。
の「修飾体」とは、核酸塩基が任意の置換基で置換されている化合物であり、Bの「修飾体」に係る置換基としては、例えば、ハロゲン、アシル、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが任意の位置に1〜3個置換されている。
の修飾体に係る「ハロゲン」、「アシル」、「アルキル」、「アリールアルキル」、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」としては、前記Bzの修飾体に係るそれらと同じものを挙げることができる。

核酸誘導体(21)としては、市販品として入手可能な核酸化合物又は文献公知(Protocols foroligonucleotides and analogs;S.Agrawal,Eds.:Humann Press Inc.:Totowa,NJ,1993.)の方法に従い合成可能な核酸化合物を挙げることができる。
「活性化剤」としては、前記と同じものを挙げることができる。かかる「活性化剤」の使用量は、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して、モル比で0.8倍量〜100倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。反応溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、THFを挙げることができる。上記反応における反応温度は、20℃〜50℃の範囲内が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(12)の種類、使用する活性化剤の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分間〜1時間の範囲内が適当である。
(3)工程C:
本工程は、工程Bにおいて未反応であるオリゴ核酸誘導体(12)の5’位の水酸基を保護するために、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体(12)にキャップ化剤を作用させる工程である。
Figure 2008016079
式(12)及び(22)中、各B、E、n、各Q、各R、T、各Yは、前記と同義である。Rは、メチル、フェノキシメチル、4−tert−ブチルフェノキシメチルを表す。但し、(オリゴ)核酸誘導体(12)及び(22)を構成する核酸モノマーユニットのRが上記一般式(13)で表される置換基である場合、Yは上記一般式(14)で表される置換基を表す。

「キャップ化剤」としては、例えば、無水酢酸、フェノキシ酢酸無水物又は4−tert−ブチルフェノキシ酢酸無水物を挙げることができる。キャップ化剤は、0.05〜1Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することもできる。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ピリジン、ルチジン、ジクロロメタン、アセトニトリル、THF又はこれら任意の混合溶媒を挙げることができる。本工程で使用しうる「キャップ化剤」の使用量は、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して、モル比で0.8倍量〜100倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。また、本工程において必要に応じて、例えば、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、2−ジメチルアミノピリジンのような「反応促進剤」を使用することができる。かかる「反応促進剤」の使用量は、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して、モル比で0.01倍量〜100倍量の範囲内が適当であり、好ましくは0.1倍量〜10倍量の範囲内である。上記反応における反応温度は、20℃〜50℃の範囲内が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(12)の種類、使用するキャップ化剤の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分間〜30分間の範囲内が適当である。
(4)工程D:
本工程は、工程Bにおいて製造されるオリゴ核酸誘導体(20)に酸化剤を作用させることによって亜リン酸基(3価のリン)をリン酸基又はチオリン酸基(5価のリン)に変換する工程である。
Figure 2008016079
式(20)及び(23)中、各B、E、n、各Q、R、各R、T、各Yは、前記と同義である。但し、オリゴ核酸誘導体(20)及び(23)を構成する核酸モノマーユニットのRが上記一般式(13)で表される置換基である場合、Yは上記一般式(14)で表される置換基を表す。
リンを酸素で酸化する場合の「酸化剤」として、例えば、ヨウ素、tert−ブチルヒドロペルオキシドを使用することができる。かかる「酸化剤」は、0.05〜2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。反応に使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ピリジン、THF、水又はこれら任意の混合溶媒を挙げることができる。例えば、ヨウ素/水/ピリジン―THFあるいはヨウ素/ピリジン―酢酸や過酸化剤(t−ブチルヒドロパーオキシド/ジクロロメタンなど)を用いることができる。
また、リンを硫黄で酸化する場合の「酸化剤」として、例えば、硫黄、Beaucage試薬(3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド)、3−アミノ−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(ADTT)を使用することができる。該酸化剤は、0.05〜2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。反応に使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、ピリジン又はこれら任意の混合溶媒が挙げられる。
本工程で使用しうる「酸化剤」の使用量は、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して、モル比で0.8倍量〜100倍量の範囲内が適当であり、好ましくは10倍量〜50倍量の範囲内である。反応温度は、20℃〜50℃の範囲内が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(20)の種類、使用する酸化剤の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分間〜30分間の範囲内が適当である。
(5)工程E:
本工程は、工程Dにおいて製造されるオリゴ核酸誘導体(23)を固相担体から切り出し、各核酸塩基部及び各リン酸基の保護基を脱離する工程である。
Figure 2008016079
式(23)及び(24)中、各B、各B、E、各Q、R、R、各R、n、T、各Y、各Y、Zは、前記と同義である。但し、オリゴ核酸誘導体(23)及び(24)を構成する核酸モノマーユニットのRが上記一般式(13)で表される置換基である場合、Y又はYは、それぞれ上記一般式(14)で表される置換基又はOを表す。
切り出し工程は、所望の鎖長のオリゴRNAを切り出し剤によって、固相担体及びリンカーから外す反応であり、所望の鎖長のオリゴRNAが担持された固体担体に切り出し剤を添加することにより実施することができる。本工程において、核酸塩基部の保護基を脱離することができる。
「切り出し剤」としては、例えば、濃アンモニア水、メチルアミンを挙げることができる。本工程で使用しうる「切り出し剤」は、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、THF又はこれら任意の混合溶媒で希釈して使用することもできる。なかでも、エタノールが好ましい。脱保護に使用される溶液中の水酸化アンモニウムの濃度は、20重量%〜30重量%の範囲内が適当であり、好ましくは25重量%〜30重量%の範囲内であり、より好ましくは28重量%〜30重量%の範囲内である。
本工程で使用しうる「切り出し剤」の使用量は、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して、モル比で0.8倍量〜100倍量の範囲内が適当であり、好ましくは10倍量〜50倍量の範囲内である。反応温度は、15℃〜75℃の範囲内が適当であり、好ましくは15℃〜30℃の範囲内であり、より好ましくは18℃〜25℃の範囲内である。脱保護反応時間は、10分間〜30時間の範囲内が適当であり、好ましくは30分間〜24時間の範囲内であり、より好ましくは1〜4時間の範囲内である。
(6)工程F:
本工程は、工程Eにおいて製造されるオリゴ核酸誘導体(24)に、各リボースの2’位水酸基の保護基を脱離するための試薬を作用させることによって、次の一般式(25)で表されるオリゴ核酸誘導体を製造する工程である。
Figure 2008016079
式(24)及び(25)中、各B、n、各Q、各Y、各R、R、各R、Zは、前記と同義である。但し、オリゴ核酸誘導体(24)及び(25)を構成する核酸モノマーユニットのRが上記一般式(13)で表される置換基である場合、YはOを表す。
「2’位の水酸基の保護基を脱離する試薬」として、例えば、TBAF、トリエチルアミントリヒドロフロリドを挙げることができる。かかる「2’位の水酸基の保護基を脱離する試薬」の使用量は、除去される保護基に対して、モル比で等倍量〜500倍量の範囲内が適当であり、好ましくは5倍量〜10倍量の範囲内である。使用する溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、THF、N−メチルピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド又はこれら任意の混合溶媒を挙げることができる。反応溶媒の使用量は、「2’位の水酸基の保護基を脱離する試薬」に対して、モル比で0.8倍量〜100倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。反応温度は、20℃〜80℃の範囲内が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(24)の種類、使用する2’位の水酸基の保護基を脱離する試薬の種類、反応温度等によって異なるが、通常1時間〜100時間の範囲内が適当である。
必要であれば、本工程における副生成物であるアクリロニトリルを捕捉するため、アクリロニトリルの捕捉剤として、例えば、ニトロアルカン、アルキルアミン、アミジン、チオール、チオール誘導体又はこれら任意の混合物を添加することができる。「ニトロアルカン」としては、例えば、直鎖状の炭素数1〜6のニトロアルカンを挙げることができる。具体的には、例えば、ニトロメタンを挙げることができる。「アルキルアミン」としては、例えば、直鎖状の炭素数1〜6のアルキルアミンを挙げることができる。具体的には、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミンを挙げることができる。「アミジン」としては、例えば、ベンズアミジン、ホルムアミジンを挙げることができる。「チオール」としては、例えば、直鎖状の炭素数1〜6のチオールを挙げることができる。具体的には、例えば、メタンチオール、エタンチオール、1−プロパンチオール、1−ブタンチオール、1−ペンタンチオール、1−ヘキサンチオールを挙げることができる。「チオール誘導体」としては、例えば、同一又は異なる直鎖状の炭素数1〜6のアルキルチオール基を有するアルコール又はエーテルを挙げることができる。具体的には、例えば、2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール、6−メルカプト−1−ヘキサノール、メルカプトメチルエーテル、2−メルカプトエチルエーテル、3−メルカプトプロピルエーテル、4−メルカプトブチルエーテル、5−メルカプトペンチルエーテル、6−メルカプトヘキシルエーテルを挙げることができる。かかる「アクリロニトリルの捕捉剤」の使用量としては、オリゴ核酸誘導体(24)の種類等によって異なるが、オリゴ核酸誘導体(24)の各リボースの2’位水酸基を保護している2−シアノエトキシメチルに対して、モル比で0.8〜500倍量の範囲内が適当であり、好ましくは1〜10倍量の範囲内である。
上記反応混合物から通常の分離精製手段、例えば、抽出、濃縮、中和、濾過、遠心分離、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、逆層ODSカラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、透析、限界ろ過などの手段を用いることにより、5’位が保護されたオリゴRNAを単離精製することができる。
(7)工程G:
本工程は、工程Fにおいて製造されるオリゴ核酸誘導体(25)に酸を作用させることにより、5’位の水酸基を脱離する工程である。
Figure 2008016079
式(25)及び(B)中、各B、n、各Q、各Y、各R、R、Zは、前記と同義である。但し、オリゴ核酸誘導体(25)及びオリゴRNA(B)を構成する核酸モノマーユニットのRが水酸基である場合、YはOを表す。
本工程で使用しうる「酸」としては、例えば、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、酢酸を挙げることができる。本工程で使用しうる「酸」は、適当な溶媒で希釈して使用することもできる。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ジクロロメタン、アセトニトリル、水、pHが2〜5の緩衝液又はこれら任意の混合溶媒を挙げることができる。緩衝液としては、例えば、酢酸緩衝液を挙げることができる。本工程で使用しうる「酸」の使用量は、固相担体に担持されているオリゴ核酸誘導体に対して、モル比で0.8倍量〜100倍量の範囲内が適当であり、好ましくは等倍量〜10倍量の範囲内である。上記反応における反応温度は、20℃〜50℃の範囲内が好ましい。反応時間は、オリゴ核酸誘導体(25)の種類、使用する酸の種類、反応温度等によって異なるが、通常1分間〜5時間の範囲内が適当である。
(7)工程H:
本工程は、工程Gにおいて製造されるオリゴRNA(B)を分離精製する工程である。
「分離精製工程」とは、上記反応混合物から通常の分離精製手段、例えば、抽出、濃縮、中和、濾過、遠心分離、再結晶、CからC18の逆相カラムクロマトグラフィー、CからC18逆相カートリッジカラム、陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、透析、限界ろ過などの手段を単独若しくは組み合わせて用いることにより、所望のオリゴRNA(B)を単離精製する工程である。
「溶出溶媒」としては、例えば、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水の単独溶媒もしくは任意の比率の混合溶媒を挙げることができる。この場合添加物として、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、トリス塩酸、エチレンジアミン四酢酸を1mM〜2Mの範囲の濃度で添加し、溶液のpHを1〜9の範囲で調整することもできる。
工程A〜工程Dの操作を繰り返すことにより、所望の鎖長のオリゴRNA(B)を製造することができる。なお、本製法においてオリゴRNA(B)を製造するための出発原料として、R4aが置換基(13)である核酸誘導体(17a)、R4aがH若しくはアシルオキシである核酸誘導体(17a)、又はRがアシルである核酸誘導体(17b)等を使用することができる。但し、出発原料として、R4aがH若しくはアシルオキシである核酸誘導体(17a)、又はRがアシルである核酸誘導体(17b)を使用した場合、核酸モノマー化合物として、少なくとも1つは本発明ホスホロアミダイト化合物を使用する必要がある。
また、本製法において、工程Eの操作を行う前に工程Gの操作を行い、その後工程Eの操作を行い、次いで工程F及び工程Hの操作を行うことによりオリゴRNA(B)を単離精製することもできる。
以下に実施例を揚げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
参考例1 メチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル
32gの3−ヒドロキシプロピオニトリル(450mmol)を450mLのジメチルスルホキシドに溶解し、324mLの無水酢酸、231mLの酢酸を加え室温で24時間攪拌した。990gの炭酸水素ナトリウムを4.5Lの水に溶解したものを調製し、これに反応液を一時間かけて滴下した。そのまま一時間攪拌し、反応液を酢酸エチルにて抽出し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色油状物の目的化合物を41g得た(収率70%)。
H−NMR(CDCl):δ 2.18(s,3H);2.66(t,2H,J=6.3Hz);3.77(t,2H,J=6.3Hz);4.69(s,2H)

参考例2 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン
工程1 3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンの製造
アルゴン雰囲気下、150mgの3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)ウリジン(0.3mmol)を7mLのTHFに溶解し、54mgのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(0.4mmol)、100mgのモレキュラーシーブス4Aを加え10分間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、10mgのトリフルオロメタンスルホン酸(0.06mmol)を含有する2mLのTHF溶液を加え攪拌した後、92mgのN−ヨードスクシンイミド(0.4mmol)を加え1時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ジクロロメタンにて洗浄した後、有機層を1Mのチオ硫酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣を薄層クロマトグラフィーにて精製し、3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンを得た(150mg;収率85%)。
H−NMR(CDCl):δ 0.97−1.12(m,28H);2.68−2.73(m,2H);3.78−3.86(m,1H);3.96−4.05(m,2H);4.12−4.30(m,4H);5.0−5.04(m,2H);5.70(d,1H,J=8.2Hz);5.75(s,1H);7.90(d,1H,J=8.2Hz);9.62(br.s,1H)
ESI−Mass:570[M+H]

工程2 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンの製造
工程1で得た3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン200mg(0.35mmol)を2mLのメタノールに溶解し、65mgのアンモニウムフロリド(1.76mmol)を加え50℃にて5時間加熱攪拌した。放冷後、アセトニトリルを加え攪拌し、ろ過濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(108mg;収率94%)。
H−NMR(CDOD):δ 2.72−2.76(t,2H,J=6.2Hz);3.68−3.92(m,4H);4.00−4.03(m,1H);4.26−4.32(m,2H);4.81−4.95(m,2H);5.71(d,1H, J=8.1Hz);6.00(d,1H,J=3.3Hz);8.10(d,1H,J=8.1Hz)
ESI−Mass:350[M+Na]

参考例3 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン
工程1 3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンの製造
アルゴン雰囲気下、50.2gの3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)ウリジン(103mmol)を400mLのTHFに溶解し、21.0gのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(160mmol)、40gのモレキュラーシーブス4Aを加え乾燥した。反応液を−45℃に冷却し、24.0gのトリフルオロメタンスルホン酸(160mmol)を加え攪拌した後、36.1gのN−ヨードスクシンイミド(161mmol)を100mLのTHFに溶解して加え15分間攪拌した。冷却下、トリエチルアミンを加えて中和し、室温にて反応液をろ過し、ジクロロメタンにて希釈し、チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、溶媒留去した。得られた反応混合物を酢酸エチルに溶解し、水とチオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水にて洗浄を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を留去し、3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンを得た(64.2g;収率 定量的)

工程2 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジンの製造
工程2で得た3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン64.2g(103mmol)を500mLのメタノールに溶解し、15.3gのアンモニウムフロリド(413mmol)を加え50℃にて5時間加熱攪拌した。放冷後、溶媒を留去した。残渣にアセトニトリルを加え攪拌した後ろ過した。ろ液をヘキサンにて洗浄した後、濃縮し、目的化合物を得た(40.5g;収率 定量的)。

参考例4 −アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン
工程1 −アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジンの製造
1.00gのN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)シチジン(1.89mmol)と500mgのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(3.79mmol)を混合し、10mLのトルエンと10mLのTHFの混合溶媒に溶解した。次いで、975mgのトリフルオロメタンスルホン酸銀(3.79mmol)を加え、モレキュラーシーブス4Aを加え、乾燥した。氷冷下、370mgのN−ブロモスクシンイミド(2.08mmol)を加え、反応容器を遮光し、10分間撹拌した。さらに70mgのN−ブロモスクシンイミド(0.39mmol)を追加し、25分間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンを加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジンを得た(936mg;収率81%)。
H−NMR(CDCl):δ 0.90−1.11(m,28H);2.28(s,3H);2.62−2.79(m,2H);3.78−3.89(m,1H);3.96−4.04(m,2H);4.19−4.23(m,3H);4.30(d,1H,J=13.6Hz);5.00(d,1H,J=6.8Hz);5.09(d,1H,J=6.8Hz);5.77(s,1H);7.44(d,1H,J=7.5Hz);8.30(d,1H,J=7.5Hz);10.13(s,1H)
ESI−Mass:611[M+H]

工程2 −アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジンの製造
工程1で得たN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン500mg(0.819mmol)を2.5mLのTHFとメタノール2.5mLの混合溶媒に溶解し、150mgのアンモニウムフロリド(4.10mmol)を加え、50℃で4時間反応させた。反応終了後、アセトニトリルにて希釈、濾過し、溶媒を留去し得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(210mg;収率70%)。
H−NMR(DO):δ 2.13(s,3H);2.66−2.71(m,2H);3.72−3.78(m,3H);3.90(dd,1H,13.0,2.6Hz);4.06−4.11(m,1H);4.20(dd,1H,J=7.1,5.2Hz);4.29(dd,1H,J=5.1,2.9Hz);4.83(d,1H,J=7.2Hz);4.94(d,1H,J=7.2Hz);5.95(d,1H,J=2.9Hz);7.25(d,1H,J=7.6Hz);8.25(d,1H,J=7.6Hz)
ESI−Mass:391[M+Na]

参考例5 −アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン
アルゴン雰囲気下、50gのN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)シチジン(95mmol)を500mLのTHFに溶解し、18.64gのメチルチオメチル2−シアノエチルエーテル(142mmol)、40gのモレキュラーシーブス4Aを加え、−45℃で30分間攪拌した。21.41gのトリフルオロメタンスルホン酸(142mmol)を滴下した後、31.97gのN−ヨードスクシンイミド(142mmol)を加え、30分間攪拌した。反応液にトリエチルアミン80mLを加え、ろ過後酢酸エチルにて抽出、有機層を1Mのチオ硫酸水素ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒留去した。
得られた残渣を300mLのTHFに溶解し、18.3gのトリエチルアミントリスヒドロフロリド(110mmol)を加え45℃で2時間攪拌した。生じた沈殿をろ過し、冷却したTHFで洗浄、乾燥し目的化合物を得た。(27g;収率78%)。

参考例6 −アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン
工程1 −アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンの製造
245mgのN−ヨードスクシンイミド(1.09mmol)と280mgのトリフルオロメタンスルホン酸銀(1.09mmol)を8mLのジクロロメタンに懸濁させ、モレキュラーシーブス4Aを加え乾燥した。ここに、400mgのN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(0.73mmol)と145mgのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(1.11mmol)を4mLのジクロロメタンに溶解し、氷冷下で加えた。そのまま3時間撹拌した。反応終了後、ジクロロメタンを加えて希釈し、チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンを得た(201mg;収率45%)。
H−NMR(CDCl):δ 0.98−1.11(m,28H);2.62(s,3H);2.69(td,2H,6.5,J=1.5Hz);3.81−3.89(m,1H);4.02−4.09(m,2H);4.17(d,1H,J=9.4Hz);4.28(d,1H,J=13.4Hz);4.50(d,1H,J=4.5Hz);4.67(dd,1H,J=8.8,4.5Hz);5.02(d,1H,J=7.0Hz);5.08(d,1H,J=7.0Hz);6.10(s,1H);8.34(s,1H);8.66(s,1H);8.67(s,1H)
ESI−Mass:636[M+H]

工程2 −アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンの製造
工程1で得たN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン300mg(0.47mmol)を、0.1mLの酢酸と2mLの0.5MテトラブチルアンモニウムフロリドのTHF溶液に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応終了後、得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(160mg;収率86%)。
H−NMR(DMSO−d6):δ 2.25(s,3H);2.53−2.68(m,2H);3.41−3.46(m,1H);3.56−3.64(m,2H);3.69−3.73(m,1H);4.00−4.01(m,1H);4.36−4.37(m,1H);4.72−4.78(m,3H);5.20(bt,2H);5.41(d,1H,J=5.2Hz);6.17(d,1H,J=5.7Hz);8.66(s,1H);8.72(s,1H);10.72(s,1H)
ESI−Mass:415[M+Na]

参考例7 −アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン
工程1 −アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−メチルチオメチルアデノシンの製造
15gのN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(27.4mmol)を100mLのジメチルスルホキシド、80mLの無水酢酸、80mLの酢酸の混合溶液に溶解し、室温で終夜撹拌した。150gの炭酸水素ナトリウムを1Lの水に懸濁したものを調製し、ここに反応混合物を注いだ後、酢酸エチルにて抽出を行い、溶媒留去した。残渣を再度酢酸エチルに溶解し、水にて洗浄を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濃縮した。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−メチルチオメチルアデノシンを得た。(7.2g;収率52%)
H−NMR(CDCl):δ 0.96−1.11(m,28H);2.20(s,3H);2.61(s,3H);4.03(dd,1H,13.4,2.4Hz);4.18(d,1H,J=9.1Hz);4.27(d,1H,J=13.4Hz);4.63−4.71(m,2H);5.00(d,1H,J=11.5Hz);5.07(d,1H,J=11.5Hz);6.09(s,1H);8.31(s,1H);8.65(s,1H);8.69(s,1H)
ESI−Mass:634[M+Na]

工程2 −アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンの製造
49.0gの工程1で得たN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−メチルチオメチルアデノシン(80.1mmol)と142gの3−ヒドロキシプロピオニトリル(2.00mol)とを混合し、500mLのTHFに溶解した。モレキュラーシーブス4Aを加えて乾燥し、−45℃に冷却した。21.6gのN−ヨードスクシンイミド(96.1mmol)を加え、次いで24.2gのトリフルオロメタンスルホン酸(161mmol)を加えた後、−45℃で20分間撹拌した。反応終了後、冷却したままトリエチルアミンを加えて中和し、ジクロロメタンにて希釈、チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、溶媒留去した。得られた反応混合物を酢酸エチルに溶解し、水と飽和食塩水にて洗浄を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒留去し、ヘキサンと酢酸エチルを用いた再結晶、及びシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、N−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンを得た。(45.6g;収率90%)。
H−NMR(CDCl):δ 0.98−1.11(m,28H);2.62(s,3H);2.69(td,2H,6.5,1.5Hz);3.81−3.89(m,1H);4.02−4.09(m,2H);4.17(d,1H,J=9.4Hz);4.28(d,1H,J=13.4Hz);4.50(d,1H,J=4.5Hz);4.67(dd,1H,J=8.8,4.5Hz);5.02(d,1H,J=7.0Hz);5.08(d,1H,J=7.0Hz);6.10(s,1H);8.34(s,1H);8.66(s,1H);8.67(s,1H)
ESI−Mass:635.5[M+H]

工程3 −アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシンの製造
44gの工程2で得たN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン(69mmol)を、150mLのTHFに溶解し、13.4gのトリエチルアミントリスヒドロフロリド(83mmol)を50mLのTHFに溶解したものを調製し、これを加え、45℃で1時間撹拌した。反応終了後、50mLのヘキサンを加えて氷冷下で撹拌し、析出した物を吸引ろ過し、目的化合物を得た。(29g;収率 定量的)。

参考例8 −フェノキシアセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン
工程1 −フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンの製造
アルゴン雰囲気下、2.0gのN−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)グアノシン(3.0mmol)を16mLのTHFに溶解し、0.99gのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(7.6mmol)、1.0gのモレキュラーシーブス4Aを加え、−45℃で10分間攪拌した。0.68gのトリフルオロメタンスルホン酸(4.5mmol)の5mLのTHF溶液を加え攪拌した後、1.02gのN−ヨードスクシンイミド(4.5mmol)を加え、15分間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ろ過後酢酸エチルにて抽出、有機層を1Mのチオ硫酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄、水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、N−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンを得た(2.0g;収率89%)。
H−NMR(CDCl):δ 0.99−1.11(m,28H);2.59−2.77(m,2H);3.82−4.05(m,3H);4.15(d,1H,J=9.3Hz);4.25−4.35(m,2H);4.52−4.56(dd,1H,J=9.3,4.3Hz);5.00,5.07(2d,2H,J=7.2Hz);5.95(s,1H)6.99−7.12(m,3H);7.35−7.40(m,2H);8.09(s,1H);9.38(br.s,1H);11.85(br.s,1H)
ESI−Mass:766[M+Na]

工程2 −フェノキシアセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンの製造
2.83mLの1MテトラブチルアンモニウムフロリドのTHF溶液(2.83mmol)に0.14mLの酢酸(0.14mmol)を加え、ケイ素置換基を脱離するための試薬を調整した。工程1で得たN−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン1.0g(1.35mmol)を2.83mLのTHFに溶解し、調整したケイ素置換基を脱離するための試薬を加え、アルゴン雰囲気下室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、ジクロロメタンに溶解しシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製し、目的化合物を得た(0.67g;収率99%)。
H−NMR(DMSO−d6):δ 2.59−2.66(m,2H);3.41−3.63(m,4H);3.98(m,1H);4.32(m,1H);4.58−4.62(t,1H,J=5.3Hz);4.71−4.78(dd,2H,J=13.1,6.8Hz);4.87(s,2H);5.12(s,1H)5.37(s,1H);5.97(d,1H,J=6.1Hz)6.96−6.99(m,3H);7.28−7.34(m,2H);8.30(s,1H);11.78(br.s,2H)
ESI−Mass:500[M−H]

参考例9 −フェノキシアセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン
工程1 −フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンの製造
アルゴン雰囲気下、36gのN−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)グアノシン(55mmol)を380mLのTHFに溶解し、17.2gのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(131mmol)、36gのモレキュラーシーブス4Aを加え、−45℃で10分間攪拌した。12.3gのトリフルオロメタンスルホン酸(82mmol)を滴下した後、18.4gのN−ヨードスクシンイミド(82mmol)を加え、20分間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ろ過後酢酸エチルにて抽出、有機層を1Mのチオ硫酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄、水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、N−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンを得た(32g;収率79%)。

工程2 −フェノキシアセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシンの製造
47gの工程1で得たN−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン(63m0.563mol)を280mLのアセトニトリルに溶解し、15.3gのトリエチルアミントリスヒドロフロリド(95m0.563mol)を加え、35℃で2時間攪拌した。反応液を100mLのヘキサンにて抽出し、残ったアセトニトリル層に30mLの水を加え、室温で5分間攪拌した。生じた沈殿をろ過し、冷却した水とアセトニトリルとの混合溶媒(1:1)で洗浄、乾燥し目的化合物を得た(22g;収率69%)。
実施例1 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)ウリジン
50.6gの3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)ウリジン(104mmol)を104mLのTHFに溶解し、アルゴン雰囲気下0℃で、0.76mLのメタンスルホン酸(10.4mmol)、158gのヨウ素(624mmol)、16.4gのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(125mmol)を加えた。45分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶媒に反応溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して粗生成物を得た。
得られた粗生成物に300mLのメタノールを加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌しながら、11.6gのアンモニウムフロリドを加えた。50℃に昇温し、7.5時間撹拌した。反応終了後、アセトニトリルを加えて不溶物をろ去した。ろ液をヘキサンで洗浄した後、減圧濃縮し、目的化合物を得た(21.5g;収率63%)。

実施例2 −アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)シチジン
70gのN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)シチジン(133mmol)を133mLのTHFに溶解し、アルゴン雰囲気下0℃で、10.3mLのメタンスルホン酸(160mmol)、201gのヨウ素(798mmol)、19.9gのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(200mmol)を加えた。30分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶媒に反応溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して粗生成物を得た。
得られた粗生成物に266mLのTHFを加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌しながら、25.9mLのトリエチルアミントリスヒドロフロリドを加えた。45℃に昇温し、1時間撹拌した。反応終了後、室温まで放冷して析出した沈殿物をTHFで洗浄し、目的化合物を得た(42.0g;収率86%)。

実施例3 −アセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)アデノシン
60gのN−アセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)アデノシン(109mmol)を109mLのTHFに溶解し、アルゴン雰囲気下0℃で、撹拌しながら1.04gのメタンスルホン酸(10.9mmol)、165.6gのヨウ素(654mmol)、21.3gのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(164mmol)を加えた。2時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶媒に反応溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して粗生成物を得た。
得られた粗生成物に218mLのTHFを加え、アルゴンガス雰囲気下室温で撹拌しながら、21.3mLのトリエチルアミントリスヒドロフロリドを加えた。45℃に昇温し、3時間撹拌した。反応終了後、室温まで放冷して析出した沈殿物をろ取し、THFおよびメタノールと酢酸エチルとの混合溶媒(1:9)で洗浄し、目的化合物を得た(28.4g;収率67%)。

実施例4 2 −フェノキシアセチル−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)グアノシン
52.8gのN2−フェノキシアセチル−3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)グアノシン(80mmol)を180mLのTHFに溶解し、アルゴン雰囲気下0℃で、撹拌しながら7.69gのメタンスルホン酸(80mmol)、1.20gのトリフルオロメタンスルホン酸(8mmol)、203.0gのヨウ素(800mmol)、31.5gのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(240mmol)を加えた。1時間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶媒に反応溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して粗生成物を得た。
得られた粗生成物に170mLのTHFを加え、アルゴンガス雰囲気下室温で撹拌しながら、15.6mLのトリエチルアミントリスヒドロフロリドを加えた。35℃に昇温し、2時間撹拌した。反応終了後、室温まで放冷して水17mLを加え、析出した沈殿物をろ取し、目的化合物を得た(16.7g;収率42%)。

実施例5 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)−5−メチルウリジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)
工程1 3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−5−メチルウリジンの製造
27gの5−メチルウリジン(105mmol)に300mlのピリジンを加え、氷冷下35gの1,3−ジクロロテトライソプロピルジシロキサン(110mmol)を滴下し室温で4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、酢酸エチルで抽出し飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して粗生成物の3’,5’−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−5−メチルウリジンを54.6g得た。

工程2 2’−O−(2−シアノエトキシメチル)−5−メチルウリジンの製造
アルゴン雰囲気下、45gの工程1で得た粗生成物(89.9mmol)を90mLのTHFに溶解し、0℃で0.58mLのメタンスルホン酸(8.99mmol)、137gのヨウ素(539mmol)、14.1gのメチルチオメチル 2−シアノエチルエーテル(107.8mmol)を加えた。30分後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶媒に反応溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して粗生成物を得た。
得られた粗生成物に250mLのメタノールを加え、アルゴンガス雰囲気下、室温で撹拌しながら、10.0gのアンモニウムフロリドを加えた。50℃に昇温し、11時間撹拌した。反応終了後減圧濃縮し、残渣にアセトニトリル(300ml)とメタノール(90ml)を加えて不溶物をろ去した。ろ液をヘキサンで洗浄した後、減圧濃縮しエタノール(150ml)を用いて、2’−O−(2−シアノエトキシメチル)−5−メチルウリジンを析出した(23.3g;収率76%)。

H−NMR(DO):δ 1.79(s,3H);2.58−2.74(m,2H);3.68−3.84(m,4H);3.99−4.03(m,1H);4.23−4.32(m,2H);4.74−4.83(m,2H);5.93(d,1H,J=3Hz);7.62(s,1H)

工程3 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)−5−メチルウリジンの製造
工程2で得た20.7gの2’−O−(2−シアノエトキシメチル)−5−メチルウリジン(60.6mmol)に脱水テトラヒドロフラン(150ml)、脱水ピリジン(150ml)を加えた後、活性化したモレキュラーシーブス4A(50g)、4、4’−ジメトキシトリチルクロリド(22.6g、66.7mmol)を加えて室温下終夜攪拌した。反応終了後、反応液にメタノール(5ml)を加え、15分間攪拌した後、反応液を吸引ろ過し、酢酸エチルで洗浄し、ろ液を濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出操作を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)−5−メチルウリジンを得た(35.6g;収率91.2%)。

H−NMR(CDCl):δ 2.05(s,1H);2.62−2.68(m,3H);3.41−3.58(m,2H);3.79(s,6H);3.84(t,2H,J=6.1Hz);4.03−4.13(m,2H);4.38−4.41(m,1H);4.48−4.54(m,1H);4.91,5.05(2d,2H,J=6.9Hz);6.04(d,1H,J=3.2Hz);6.83−6.86(m,4H);7.22−7.42(m,10H);7.63(d,1H,J=1.1Hz);8.96(br.s,1H)

工程4 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)−5−メチルウリジン 3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
工程3で得た38gの5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−(2−シアノエトキシメチル)−5−メチルウリジン(59mmol)を脱水アセトニトリル(350ml)に溶解し、活性化したモレキュラーシーブス4A(15g)、ジイソプロピルアミノテトラゾリド(11.1g、64.9mmol)、ビス(N、N−ジイソプロピルアミノ)シアノエチルホスファイト(19.6g、64.9mmol)を加え、40℃で3時間攪拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物を得た(44g;収率88%)。

31P NMR(CDCl):δ 152.072;153.108
本発明によれば、安価に簡便に大量に種々リボ核酸誘導体を製造するための中間体として有用なリボ核酸誘導体(3)を製造することができる。また、従来法よりも高濃度において反応を実施することが可能であるので、反応溶媒の使用量を減らすことができる。
したがって、本発明によれば、遺伝子解析のRNAプローブ、RNA医薬品素材(アンチセンスRNA、リボザイム、RNAiを利用した遺伝子発現制御)、人工酵素、アプタマーとして有用なオリゴRNA(B)の製造に使用することができるホスホロアミダイト化合物(A)を安価に製造することができる。

Claims (15)

  1. 次の一般式(1)で表されるリボ核酸誘導体に次の一般式(2)で表されるモノチオアセタール化合物を反応させて次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する方法において、酸存在下、モノチオアセタール化合物(2)の硫黄原子をハロゲン化するための試薬としてヨウ素を用いることを特徴とする、次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体の製造方法。
    Figure 2008016079
    式(1)、(2)及び(3)中、Bzは、保護基を有していてもよい核酸塩基を表し、WGは、電子吸引性基を表し、Rは、アルキル又はアリールを表し、Aは、次の一般式(4a)又は(4b)で表されるケイ素置換基を表す。
    Figure 2008016079
    式(4a)及び(4b)中、Rは、アルキルを表す。
  2. 酸がメタンスルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸とメタンスルホン酸との混合酸である、請求項1記載のリボ核酸誘導体の製造方法。
  3. がメチルである、請求項1又は2のいずれかに記載のリボ核酸誘導体の製造方法。
  4. WGがシアノである、請求項1〜3のいずれかに記載のリボ核酸誘導体の製造方法。
  5. 下記工程を含む、次の一般式(A)で表されるホスホロアミダイト化合物の製造方法。
    Figure 2008016079
    式(A)中、Bzは、保護基を有していてもよい核酸塩基を表し、R2a、R2bは、同一又は異なって、アルキルを表すか、又は、R2a、R2bが隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5〜6員の飽和アミノ環基を表す。かかる飽和アミノ環基は、窒素原子の他に環構成原子として酸素原子又は硫黄原子を1個有していてもよい。WG、WGは、同一又は異なって、電子吸引性基を表す。Rは、次の一般式(5)で表される置換基を表す。
    Figure 2008016079
    式(5)中、R11、R12、R13は、同一又は異なって、水素又はアルコキシを表す。

    工程:
    次の一般式(1)で表されるリボ核酸誘導体に次の一般式(2)で表されるモノチオアセタール化合物を反応させて次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程において、酸存在下、モノチオアセタール化合物(2)の硫黄原子をハロゲン化するための試薬としてヨウ素を用いることによって、次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程。
    Figure 2008016079
    式(1)、(2)及び(3)中、Bzは、保護基を有していてもよい核酸塩基を表し、WGは、電子吸引性基を表し、Rは、アルキル又はアリールを表し、Aは、次の一般式(4a)又は(4b)で表されるケイ素置換基を表す。
    Figure 2008016079
    式(4a)及び(4b)中、Rは、アルキルを表す。
  6. 酸がメタンスルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸とメタンスルホン酸との混合酸である、請求項5記載のホスホロアミダイト化合物の製造方法。
  7. がメチルである、請求項5又は6のいずれかに記載のホスホロアミダイト化合物の製造方法。
  8. WGがシアノである、請求項5〜7のいずれかに記載のホスホロアミダイト化合物の製造方法。
  9. 下記工程a〜dを含む、次の一般式(A)で表されるホスホロアミダイト化合物の製造方法。
    Figure 2008016079
    式(A)中、Bzは、保護基を有していてもよい核酸塩基を表し、R2a、R2bは、同一又は異なって、アルキルを表すか、又は、R2a、R2bが隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5〜6員の飽和アミノ環基を表す。かかる飽和アミノ環基は、窒素原子の他に環構成原子として酸素原子又は硫黄原子を1個有していてもよい。WG、WGは、同一又は異なって、電子吸引性基を表す。Rは、次の一般式(5)で表される置換基を表す。
    Figure 2008016079
    式(5)中、R11、R12、R13は、同一又は異なって、水素又はアルコキシを表す。

    工程a:
    次の一般式(1)で表されるリボ核酸誘導体に次の一般式(2)で表されるモノチオアセタール化合物を反応させて次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程において、酸存在下、モノチオアセタール化合物(2)の硫黄原子をハロゲン化するための試薬としてヨウ素を用いることによって、次の一般式(3)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程、
    Figure 2008016079
    式(1)、(2)及び(3)中、Bz、WGは、前記と同義である。Rは、アルキル又はアリールを表し、Aは、次の一般式(4a)又は(4b)で表されるケイ素置換基を表す。
    Figure 2008016079
    式(4a)及び(4b)中、Rは、アルキルを表す。
    工程b:
    工程aにおいて製造されるリボ核酸誘導体(3)に、ケイ素置換基を脱離するための試薬を作用させることによって、次の一般式(7)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程、
    Figure 2008016079
    式(3)及び(7)中、A、Bz、WGは、前記と同義である。
    工程c:
    工程bにおいて製造されるリボ核酸誘導体(7)の5’位の水酸基に、次の一般式(8)で表されるRを作用させ、酸性条件下において脱離する保護基(R)を導入することによって、次の一般式(9)で表されるリボ核酸誘導体を製造する工程、
    Figure 2008016079
    式(7)、(8)及び(9)中、Bz、R、WGは、前記と同義である。Xは、ハロゲンを表す。
    工程d:
    工程cにおいて製造されるリボ核酸誘導体(9)にホスホロアミダイト化試薬と、必要に応じて活性化剤とを作用させることによって、3’位の水酸基がホスホロアミダイト化された、次の一般式(A)で表されるホスホロアミダイト化合物を製造する工程。
    Figure 2008016079
    式(9)及び(A)中、Bz、R、R2a、R2b、WG、WGは、前記と同義である。
  10. 酸がメタンスルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸とメタンスルホン酸との混合酸である、請求項9記載のホスホロアミダイト化合物の製造方法。
  11. がメチルである、請求項9又は10のいずれかに記載のホスホロアミダイト化合物の製造方法。
  12. WGがシアノである、請求項9〜11のいずれかに記載のホスホロアミダイト化合物の製造方法。
  13. ホスホロアミダイト化試薬が、次の一般式(10a)又は(10b)で表される化合物である、請求項9〜12のいずれかに記載のホスホロアミダイト化合物の製造方法。
    Figure 2008016079
    式(10a)及び(10b)中、R2a、R2bは、同一又は異なって、アルキルを表すか、又は、R2a、R2bが隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5〜6員の飽和アミノ環基を表す。かかる飽和アミノ環基は、窒素原子の他に環構成原子として酸素原子又は硫黄原子を1個有していてもよい。WGは、電子吸引性基を表し、Xは、ハロゲンを表す。
  14. 工程dにおいて使用する活性化剤が、1H−テトラゾール、5−エチルチオテトラゾール、5−ベンジルメルカプト−1H−テトラゾール、4,5−ジクロロイミダゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、ベンゾトリアゾールトリフラート、イミダゾールトリフラート、ピリジニウムトリフラート、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又は2,4,6−コリジン/N−メチルイミダゾールである、請求項9〜13のいずれかに記載のホスホロアミダイト化合物の製造方法。
  15. 請求項5〜14のいずれかに記載の製造方法において製造されるホスホロアミダイト化合物を使用することを特徴とする、次の一般式(B)で表されるオリゴRNAの製造方法。
    Figure 2008016079
    式(B)中、各Bは、それぞれ独立して、核酸塩基又はその修飾体を表し、各Qは、それぞれ独立して、O又はSを表し、各Yは、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、O、S、NR2a2b(R2a、R2bは、同一又は異なって、アルキルを表すか、又は、R2a、R2bが隣接する窒素原子と一緒になって形成する、5〜6員の飽和アミノ環基を表す。かかる飽和アミノ環基は、窒素原子の他に環構成原子として酸素原子又は硫黄原子を1個有していてもよい。)を表し、各Rは、それぞれ独立して、H、水酸基、ハロゲン、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルチオ、アルケニルアミノ、ジアルケニルアミノ、アルキニルオキシ、アルキニルチオ、アルキニルアミノ、ジアルキニルアミノ又はアルコキシアルキルオキシを表すが、少なくとも1つは水酸基を表す。但し、オリゴRNA(B)を構成する核酸モノマーユニットのRが水酸基である場合、YはOを表す。Zは、H、リン酸基又はチオリン酸基を表し、nは、1〜200の範囲内にある整数を表す。
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