JPWO2008001837A1 - オリゴペプチドの精製方法 - Google Patents

オリゴペプチドの精製方法 Download PDF

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Abstract

オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を有効pH範囲でイオン交換樹脂に接触させる工程を含む該オリゴペプチドの精製方法;(a)オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を、イオン交換樹脂を充填したカラムに通塔する工程、および(b)イオン交換樹脂に接触した該オリゴペプチドを溶出溶媒で流出させる工程を含む該オリゴペプチドの精製方法;弱酸性陽イオン交換樹脂を用いた上記の方法;弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いた上記の方法などを提供する。

Description

本発明は、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含有する溶液からオリゴペプチドを単離・精製する方法に関する。
オリゴペプチドを製造する方法としては、例えば(a)無保護のL−アミノ酸から枯草菌由来のペプチド合成酵素を用いて製造する方法(非特許文献1参照)、(b)L−アミノ酸アミドおよびL−アミノ酸からL−アミノ酸アミドハイドラーゼ活性を有する酵素または酵素含有物を用いて製造する方法(特許文献1参照)、(c)L−アミノ酸エステルおよびL−アミノ酸からジペプチドを生成する活性を有するタンパク質を用いて製造する方法(特許文献2〜4参照)、(d)アミノ酸エステルハイドラーゼを用いて製造する方法(特許文献5参照)、(e)エンペドバクター属に属する細菌から得られた酵素を用いて製造する方法(特許文献6〜9参照)などが知られている。また上記(a)の例として、(f)枯草菌由来のジペプチド合成酵素遺伝子ywfeとアラニンデヒドロゲナーゼ遺伝子aldを発現した大腸菌をグルコースおよびアンモニア塩を含む培地中で基質アミノ酸の存在下に培養してジペプチドを生成する方法(例えば特許文献10参照)なども知られている。さらに(g)化学合成により製造する方法(非特許文献2参照)、上記(a)〜(f)の方法に化学合成の手法を組み合わせて製造する方法などが知られている。これらの方法では、生成するオリゴペプチドと残留する不純物(例えば基質など)との分離が必要となる。特に、酵素を用いた製造法(例えば、上記(a)〜(f))においては、生成するオリゴペプチドと基質の分離がしばしば問題となる。
生成したオリゴペプチドと基質のアミノ酸との分離精製方法としては、例えばゲルクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、合成吸着樹脂を用いたクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどの各種クロマトグラフィーによる分離精製方法、生成したオリゴペプチドの結晶化による精製方法などが知られている(例えば非特許文献2参照)。しかしながら、クロマトグラフィーによる精製方法では、担体や溶媒の選択に十分な検討が必要となったり、また満足いく精製を行うことが困難であることがしばしばある。さらに、一般に担体として用いる合成吸着樹脂などが高価であり、大スケールの商用生産には不向きである。また、結晶化による精製法では、中性アミノ酸を含む粗生成物からオリゴペプチドを単離・精製する場合、例えばロイシンなどの溶解度が低く結晶性の良いアミノ酸が含有している場合には、該アミノ酸を除去することが困難となることがある。
比較的安価なイオン交換樹脂を用いたイオン交換クロマトグラフィーを用いる精製方法も知られている(例えば非特許文献2〜4など参照)。しかしながら、等電点が大きく異なる酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸を基質としたオリゴペプチドの分離精製には強酸性カチオン交換樹脂や強塩基性アニオン交換樹脂に該アミノ酸のみを吸着させることができるので有効であるが[例えば、イミノジカルボン酸およびグリシンを含む水溶液を弱塩基性陰イオン交換樹脂で処理し、酸性物質であるイミノジカルボン酸を樹脂に吸着させ、グリシンを単離する方法(特許文献11参照)が知られている]、等電点が近似している中性アミノ酸で構成されるオリゴペプチドと該中性アミノ酸との分離は難しい。
一方、(1)数種のアミノ酸を含有する中性の水溶液を弱酸性陽イオン交換樹脂で処理し、塩基性アミノ酸を樹脂に吸着させ、塩酸で溶出することにより塩基性アミノ酸を分離する方法(特許文献12参照)、(2)カツオ煮汁より、塩基性アミノ酸を含有するアンセリン(N−β−アラニル−L−1−メチル−ヒスチジン)およびカルノシン(N−β−アラニル−L−ヒスチジン)を弱酸性陽イオン交換樹脂に吸着させ、アンモニアで溶出することによりアンセリンおよびカルノシンを単離・精製する方法(特許文献13参照)が知られている。これらは、塩基性アミノ酸または塩基性アミノ酸を含むジペプチドが該弱酸性陽イオン交換樹脂に吸着する性質を利用した方法である。
国際公開第2003/010187号パンフレット 国際公開第2003/010189号パンフレット 国際公開第2003/010307号パンフレット 特開2005−040034号公報 特開2005−168405号公報 特開2005−269905号公報 国際公開第2004/011652号パンフレット 国際公開第2004/011653号パンフレット 国際公開第2004/022733号パンフレット 国際公開第2006/001379号パンフレット 特開2005−298366号公報 米国特許第2549378号明細書 特公平第6−93827号公報 「ファインケミカル 平成17年6月号」、シーエムシー出版、2005年、vol.34 No.6、p.25〜35 「ペプチド合成の基礎と実験」、丸善株式会社、泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典 著、1985年 「生物化学実験のてびき2 タンパク質の分離・分析法」、化学同人、泉美治、中川八郎、三輪谷俊夫共編、1985年、p.1〜20 「ダイヤイオンI基礎編(第18版)」、三菱化学株式会社 イオン交換樹脂事業部、平成15年11月1日、p.15
本発明の目的は、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液からオリゴペプチドを簡便に単離・精製する方法を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(21)に関する。
(1) オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を有効pH範囲でイオン交換樹脂に接触させる工程を含む該オリゴペプチドの精製方法。
(2) (a)オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を、イオン交換樹脂を充填したカラムに通塔する工程、および(b)イオン交換樹脂に接触した該オリゴペプチドを溶出溶媒で流出させる工程を含む(1)記載の方法。
(3) イオン交換樹脂が弱酸性陽イオン交換樹脂である(1)または(2)記載の方法。
(4) イオン交換樹脂がカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する樹脂である(3)記載の方法。
(5) オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液のpHが4〜14の範囲である(3)または(4)記載の方法。
(6) オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液のpHが5〜12の範囲である(3)または(4)記載の方法。
(7) イオン交換樹脂が弱塩基性陰イオン交換樹脂である(1)または(2)記載の方法。
(8) イオン交換樹脂がアミノ基、低級アルキルアミノ基およびジ低級アルキルアミノ基からなる群から選択される基を有する樹脂である(7)記載の方法。
(9) イオン交換樹脂がアミノ基、メチルアミノ基およびジメチルアミノ基からなる群から選択される基を有する樹脂である(7)記載の方法。
(10) オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液のpHが0〜9の範囲である(7)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11) オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液のpHが1〜7の範囲である(7)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(12) 中性アミノ酸がL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−システイン、L−チロシン、L−アスパラギンおよびL−グルタミンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、その光学異性体であるD−アミノ酸、およびそれらのラセミ混合物、グリシンならびにβ−アラニンからなる群から選ばれるアミノ酸である(1)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13) 中性アミノ酸がL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−チロシン、D−アラニン、D−バリン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−チロシン、DL−アラニン、DL−バリン、DL−ロイシン、DL−イソロイシン、DL−チロシンおよびグルタミンからなる群から選ばれるアミノ酸である(1)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(14) オリゴペプチドがジペプチドまたはトリペプチドである(1)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15) オリゴペプチドがジペプチドである(1)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(16) ジペプチドがX−Y(式中、Xはアラニンを表し、YはL−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−チロシン、D−バリン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−チロシン、DL−バリン、DL−ロイシン、DL−イソロイシン、DL−チロシンまたはグルタミンを表す)で表されるジペプチドである(14)または(15)記載の方法。
(17) オリゴペプチドを構成するアミノ酸がL−アミノ酸である(1)〜(16)のいずれかに記載の方法。
(18) オリゴペプチドが(A)無保護のL−アミノ酸に枯草菌由来のペプチド合成酵素を作用させて製造する方法で得られたオリゴペプチド、(B)L−アミノ酸アミドおよびL−アミノ酸にL−アミノ酸アミドハイドラーゼ活性を有する酵素または酵素含有物を作用させて製造されたオリゴペプチド、(C)L−アミノ酸エステルおよびL−アミノ酸にジペプチドを生成する活性を有するタンパク質を作用させて製造されたオリゴペプチド、(D)アミノ酸エステルハイドラーゼを作用させて製造されたオリゴペプチド、(E)エンペドバクター属に属する細菌から得られた酵素を作用させて製造されたオリゴペプチド、および(F)化学合成により得られたオリゴペプチドからなる群から選ばれるオリゴペプチドである(1)〜(17)のいずれかに記載の方法。
(19) (1)〜(18)のいずれかに記載の方法を用いる工程を含むオリゴペプチドの製造方法。
(20) (19)記載の方法で製造されたオリゴペプチド。
(21) 不純物としてアミノ酸を含有しない(20)記載のオリゴペプチド。
本発明により、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液からオリゴペプチドを簡便に単離・精製する方法が提供される。
本発明の中性アミノ酸としては、水に溶解した場合に中性付近のpHを示すアミノ酸であれば特に限定されないが、例えばL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−システイン、L−チロシン、L−アスパラギンおよびL−グルタミンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、それらの光学異性体であるD−アミノ酸、またはそれらのラセミ混合物、グリシン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、カルニチンなどがあげられる。
本発明の精製方法に適応できるオリゴペプチドとしては、例えば2〜10個のアミノ酸が直鎖または環状に繋がったオリゴペプチドがあげられ、具体的には、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド、デカペプチド、シクロテトラペプチド、シクロペンタペプチド、シクロヘキサペプチド、シクロヘプタペプチド、シクロオクタペプチド、シクロノナペプチド、シクロデカペプチドなどがあげられる。2〜3個のアミノ酸からなるジペプチド、トリペプチドなどが好ましい。
本発明の精製方法を適応できるオリゴペプチドを構成するアミノ酸の種類は、特に限定されないが、天然に存在するL−アミノ酸、それらの異性体であるD−アミノ酸、それらのラセミ混合物、グリシン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、カルニチンなどがあげられ、これらのうち中性のアミノ酸が1つ以上含有していることが好ましく、中性のL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、それらのラセミ混合物、グリシン、β−アラニンなどが1つ以上含有していることがより好ましい。構成されるアミノ酸は同一でも異なっていてもよい。具体的には、例えばL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−システイン、L−チロシン、L−アスパラギンおよびL−グルタミンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、またはそれらのラセミ混合物、グリシン、β−アラニンなどを1つ以上含有していることが好ましい。
本発明のオリゴペプチドとしては、これら好ましい中性アミノ酸を同一または異なって1〜10個含有するオリゴペプチドが好ましく、これら中性アミノ酸を同一または異なって1つ以上含有するジペプチド、トリペプチドなどがより好ましい。より具体的には、例えば式(1)Xa−YY−ZZ(式中、XaはL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−システイン、L−チロシン、L−アスパラギンおよびL−グルタミンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、またはそれらのラセミ混合物、グリシンまたはβ−アラニンを表し、YYおよびZZは同一または異なって天然に存在するL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、それらのラセミ混合物、グリシン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、カルニチンなどを表す)で表されるトリペプチド、式(2)Xa−YY(式中、XaおよびYYはそれぞれ前記と同義である)で表されるジペプチド、式(3)Xa−Ya−ZZ(式中、XaおよびZZはそれぞれ前記と同義であり、YaはL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−システイン、L−チロシン、L−アスパラギンおよびL−グルタミンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、またはそれらのラセミ混合物、グリシンまたはβ−アラニンを表す)で表されるトリペプチド、式(4)Xa−Ya(式中、XaおよびYaはそれぞれ前記と同義である)で表されるジペプチド、式(5)Xa−Ya−Za(式中、XaおよびYaはそれぞれ前記と同義であり、ZaはL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−システイン、L−チロシン、L−アスパラギンおよびL−グルタミンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、またはそれらのラセミ混合物、グリシンまたはβ−アラニンを表す)で表されるトリペプチド、式(6)Xa−YY−Za(式中、Xa、YYおよびZaはそれぞれ前記と同義である)、式(7)XX−Ya−Za(式中、XXは天然に存在するL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、それらのラセミ混合物、グリシン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、カルニチンなどを表し、YaおよびZaはそれぞれ前記と同義である)表されるトリペプチドまたは式(8)XX−Ya(式中、XXおよびYaはそれぞれ前記と同義である)で表されるジペプチドが好ましく、
式(9)Xb−YY−ZZ(式中、XbはL−アラニン、L−メチオニン、L−セリンおよびL−トレオニンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、またはそれらのラセミ混合物、グリシンまたはβ−アラニンを表し、YYおよびZZはそれぞれ前記と同義である)で表されるトリペプチド、式(10)Xb−YY(式中、XbおよびYYはそれぞれ前記と同義である)で表されるジペプチド、式(11)Xb−Ya−ZZ(式中、Xb、YaおよびZZはそれぞれ前記と同義である)で表されるトリペプチド、式(12)Xb−Ya(式中、XbおよびYaはそれぞれ前記と同義である)で表されるジペプチド、式(13)Xb−YY−Za(式中、Xb、YYおよびZaはそれぞれ前記と同義である)で表されるトリペプチドまたは式(14)Xb−Ya−Za(式中、Xb、YaおよびZaはそれぞれ前記と同義である)で表されるトリペプチドがより好ましく、
式(15)Xc−YY−ZZ(式中、XcはL−アラニンを表し、YYおよびZZはそれぞれ前記と同義である)で表されるトリペプチド、式(16)Xc−YY(式中、XcおよびYYはそれぞれ前記と同義である)で表されるジペプチド、式(17)Xc−Ya−ZZ(式中、Xc、YaおよびZZはそれぞれ前記と同義である)で表されるトリペプチド、式(18)Xc−Ya(式中、XcおよびYaはそれぞれ前記と同義である)で表されるジペプチド、式(19)Xc−YY−Za(式中、Xc、YYおよびZaはそれぞれ前記と同義である)で表されるトリペプチドまたは式(20)Xc−Ya−Za(式中、Xc、YaおよびZaはそれぞれ前記と同義である)で表されるトリペプチドがさらに好ましく、
式(21)Xc−Yb−ZZ(式中、XcおよびZZはそれぞれ前記と同義であり、Ybは同一または異なってL−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−チロシンまたはL−グルタミンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、またはそれらのラセミ混合物、グリシンまたはβ−アラニンを表す)で表されるトリペプチド、式(22)Xc−Yb(式中、XcおよびYbはそれぞれ前記と同義である)で表されるジペプチド、式(23)Xc−Yc(式中、Xcは前記と同義であり、YcはL−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−チロシン、D−バリン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−チロシン、DL−バリン、DL−ロイシン、DL−イソロイシン、DL−チロシンまたはグルタミンを表す)で表されるジペプチド、式(24)Xc−YY−Zb(式中、XcおよびYYはそれぞれ前記と同義であり、Zbは同一または異なってL−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−チロシンまたはL−グルタミンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、その異性体であるD−アミノ酸、またはそれらのラセミ混合物、グリシンまたはβ−アラニンを表す)で表されるトリペプチド、式(25)Xc−Yb−Za(式中、Xc、YbおよびZaはそれぞれ前記と同義である)、または式(26)Xc−Yb−Zb(式中、Xc、YbおよびZbはそれぞれ前記と同義である)で表されるトリペプチドがさらにより好ましい。
また、上記式(1)〜(26)で表されるオリゴペプチドのうち、構成されるアミノ酸がすべてL−アミノ酸であるオリゴペプチドがより好ましい。より具体的には、アラニルバリン、アラニルロイシン、アラニルイソロイシン、アラニルチロシン、アラニルグルタミンなどが好ましく、L−アラニル−L−バリン、L−アラニル−L−ロイシン、L−アラニル−L−イソロイシン、L−アラニル−L−チロシン、L−アラニル−L−グルタミンなどがより好ましい。
本発明で用いられるオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液は、上記のオリゴペプチドに上記の中性アミノ酸を1つ以上含有する溶液であり、さらに他のアミノ酸、タンパク質、無機塩などのイオン性物質、糖あるいは色素などの非イオン性物質などを含有していても良い。しかしながら、本発明の精製方法を実施するにはイオン性物質の含有量は少ない方が好ましい。また、該溶液は、水溶液またはメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールなどを含有したアルコール性水溶液であることが好ましく、水溶液であることがより好ましい。
該オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液は、例えば前記の(a)無保護のL−アミノ酸から枯草菌由来のペプチド合成酵素を用いて製造する方法、(b)L−アミノ酸アミドおよびL−アミノ酸からL−アミノ酸アミドハイドラーゼ活性を有する酵素または酵素含有物を用いて製造する方法、(c)L−アミノ酸エステルおよびL−アミノ酸からジペプチドを生成する活性を有するタンパク質を用いて製造する方法、(d)アミノ酸エステルハイドラーゼを用いて製造する方法、(e)エンペドバクター属に属する細菌から得られた酵素を用いて製造する方法、(f)枯草菌由来のジペプチド合成酵素遺伝子ywfeとアラニンデヒドロゲナーゼ遺伝子aldを発現した大腸菌をグルコースおよびアンモニア塩を含む培地中で基質アミノ酸の存在下に培養してジペプチドを生成する方法などにより得られる酵素反応溶液または培養液を遠心分離、膜分離またはろ過などにより菌体を除去した後、電気透析または強酸性陽イオン交換樹脂などにより脱塩することにより得ることができる。また、(g)化学合成により製造する方法、上記(a)〜(f)の方法に化学合成の手法を組み合わせて製造する方法などにより得られる粗生成物を水またはメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールなどのアルコールと水との混合溶媒に溶解することにより得ることもできる。
本発明で用いられるイオン交換樹脂としては、特に限定されず、各種イオン交換樹脂を適宜用いることができるが、弱酸性陽イオン交換樹脂または弱塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。弱酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば樹脂上に官能基としてカルボキシル基、フェノール性水酸基などを有する樹脂があげられ、より具体的には、例えばダイヤイオンWK−40(三菱化学社製)、MAC3(ダウケミカル社製)、CNP80wsおよびCNPLF(バイエル社製)、IRC50およびIRC76(アンバーライト社製)などのアクリル系またはメタクリル系の樹脂、および該樹脂から調製される樹脂があげられる。これら弱酸性陽イオン交換樹脂のイオン形としては、H形が好ましい。弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、例えば樹脂上に官能基として1級アミノ基、2級アミノ基または3級アミノ基を有する樹脂があげられる。具体的には、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基などを有する樹脂があげられ、より具体的には、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などを有する樹脂があげられ、さらに具体的には、例えばダイヤイオンWA−10、21、30(三菱化学社製)などのアクリル系またはスチレン系の樹脂、および該樹脂から調製される樹脂があげられる。これら弱塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形としては、Cl形が好ましい。また、本発明のオリゴペプチドの精製方法は、これらイオン交換樹脂を通常1種用いて行われるが、必要に応じ、上記の弱酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂に加え強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂などから選ばれる2〜4種の複数のイオン交換樹脂を適宜組み合わせて用いることもできる。該組み合わせの例としては、樹脂上に有する官能基が異なる2〜4種のイオン交換樹脂の組み合わせなどがあげられ、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせ、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせ、強塩基性陰イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせ、強酸性陽イオン交換樹脂および弱酸性陽イオン交換樹脂の組み合わせ、強塩基性陰イオン交換樹脂および弱酸性陽イオン交換樹脂の組み合わせ、強酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせ、強塩基性陰イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせ、弱酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせなどがあげられる。
本発明のオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を有効pH範囲でイオン交換樹脂に接触させる工程とは、例えば、イオン交換樹脂を充填したカラムにオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を有効pH範囲で通塔する、イオン交換樹脂を分散させた水溶液などにオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を添加し有効pH範囲で混合する、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液にイオン交換樹脂を添加し有効pH範囲で混合するなどの手法により実施することができるが、イオン交換樹脂を充填したカラムにオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を有効pH範囲で通塔することにより実施することが好ましい。
イオン交換樹脂を充填したカラムにオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を通塔する場合には、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液は含有するオリゴペプチドや中性アミノ酸の濃度が低いことが好ましく、必要により水を加えて用いられる。
有効pH範囲とは、イオン交換樹脂を利用するための適当なpH範囲のことで、用いるイオン交換樹脂の種類に応じ適当なpH範囲が設定される。例えば弱酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合の該溶液のpHは4〜14、好ましくは5〜14、より好ましくは5〜12、さらに好ましくは6〜12、さらにより好ましくは7〜10の範囲内である。また、例えば弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いる場合の該溶液のpHは0〜9、好ましくは1〜9、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは2〜7、さらにより好ましくは2〜6の範囲内である。
用いるオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液のpHは、用いるイオン交換樹脂の種類に応じ最適なpH(有効pH範囲)に調製するのがよく、例えば弱酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合の該溶液のpHは4〜14、好ましくは5〜14、より好ましくは5〜12、さらに好ましくは6〜12、さらにより好ましくは7〜10の範囲内である。塩基性状態であることが好ましい。また、例えば弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いる場合の該溶液のpHは0〜9、好ましくは1〜9、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは2〜7、さらにより好ましくは2〜6の範囲内である。酸性状態であることが好ましい。従って、必要に応じて溶液のpHを、塩酸、硫酸、酢酸、リンゴ酸などの酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水などの塩基を用いて上記の好ましい範囲内に調整することが好ましい。
本発明で用いられるイオン交換樹脂の量は、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液中の総イオン量に対しイオン交換樹脂上の官能基(イオン交換基)の量が十分多くなるような量を用いるのが好ましく、例えば弱酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合は、溶液中の総カチオンの量に対しイオン交換基の量が多くなるように設定することが好ましく、弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いる場合は、溶液中の総アニオンの量に対しイオン交換基の量が多くなるように設定することが好ましい。
本発明の精製方法に用いられるオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液をイオン交換樹脂を充填したカラムに通塔する場合に用いられるカラムとしては、化学物質の精製に用いられるカラムであればどのようなものでもよいが、イオン交換樹脂をカラムに充填した際に、樹脂層高さ/カラム内径が大きくなるように選択することが好ましく、樹脂層高さ/カラム内径が3.5以上になるように選択することがより好ましい。
本発明の精製方法に用いられるオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液をイオン交換樹脂を充填したカラムに通塔するには、例えば該溶液をイオン交換樹脂を充填したカラムの上部、いわゆるカラムベッド上層から通塔しても、カラムの下部、いわゆるカラムベッド下層から通塔しても良く、カラムベッド上層から通塔するのがより好ましい。通塔速度としては、空間速度2[1/時間]以下が好ましく、1[1/時間]以下がより好ましい。
オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液をイオン交換樹脂を充填したカラムに通塔し、溶出溶媒で溶出させる場合の溶出溶媒としては、特に限定されないが、例えば水(脱イオンされていてもされていなくても良い)、濃度が0.02〜6mol/Lの塩酸、硫酸、酢酸、リンゴ酸などの酸性水溶液、濃度が0.02〜6mol/Lの水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどの塩基性水溶液、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液の溶媒と同じ組成の溶媒などが好ましい。とりわけ、弱酸性陽イオン交換樹脂を用いる場合には、濃度が0.02〜6mol/Lの塩酸、硫酸、酢酸、リンゴ酸などの酸性水溶液が好ましく、弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いる場合には、0.02〜6mol/Lの水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどの塩基性水溶液が好ましい。
本発明の精製方法に従えば、例えば、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液をイオン交換樹脂を充填したカラムに通塔し、上記の溶出液を好ましくは連続的に通塔し、該オリゴペプチドをイオン交換樹脂に接触させ、該オリゴペプチドを溶出することにより、該オリゴペプチドを単離・精製することができる。オリゴペプチドを構成するアミノ酸が中性アミノ酸である場合には特に有効で、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液から中性アミノ酸を除去し、該オリゴペプチドを精製することができる。溶出液の通塔速度としては、空間速度0.3〜10[1/時間]が好ましく、0.5〜2[1/時間]がより好ましい。
本発明の精製方法は、上述したようにオリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液からオリゴペプチドとアミノ酸、塩、金属イオンなどを有効に分離することができ、特に構成されるアミノ酸に中性アミノ酸を含むオリゴペプチド、好ましくは中性アミノ酸から構成されるオリゴペプチドと中性アミノ酸との分離に有効である。
本発明の精製方法は、上述したカラムを利用した方法の他、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液とイオン交換樹脂の混合物を、必要により水などで希釈し、混合した後、ろ過などによりイオン交換樹脂を分離することによっても実施することができる。
また、本発明の精製方法は、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−チロシン、L−グルタミンなどの結晶性のよいアミノ酸を含有する溶液でも容易に実施できる。さらに、本発明の精製方法により得られた上記の溶出液やろ液は、ペプチドの製造で通常実施されている公知の方法、例えば脱塩、濃縮、結晶化などの操作を行うことによりオリゴペプチドを純度よく取得することができる。
以上述べたように、本発明の精製方法は、中性アミノ酸をその構成アミノ酸として含むオリゴペプチドの製造方法において、1つの工程として含ませることができる。また、本発明の精製方法を1つの工程として含む製造方法により製造されたオリゴペプチドは、中性アミノ酸などの不純物の含有量が著しく小さいことが特徴である。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Ala−Ileの精製
Ala−Ile 2.75g、Ala 2.50g、Ile 0.40gおよびAla−Ala 1.89gを溶解した水溶液1000mlをWK−40(三菱化学社製)1000mlを充填したカラムに空間速度0.5[1/時間]でカラムベッド上層から通塔した後、連続的にカラムベッド上層から水を通塔した。分離の様子は、カラム出口部にUVセンサーを取り付け、モニタリングにより観察した。Ala−Ileが溶出される画分を集め、成分を分析したところ、Ala−Ileが83.1%の収率で含まれていた。IleおよびAlaの除去率は、それぞれ98.1%、100.0%であった。
Ala−Leuの精製
Ala−Leu 10.0g、Ala 0.80g、Leu 0.99gおよびAla−Ala 1.49gを溶解した水溶液1000mlをWK−40(三菱化学社製)720mlを充填したカラムに空間速度0.5[1/時間]でカラムベッド上層から通塔した後、連続的にカラムベッド上層から0.02mol/Lの塩酸を通塔した。分離の様子は、カラム出口部にUVセンサーを取り付け、モニタリングにより観察した。Ala−Leuが溶出される画分を集め、成分を分析したところ、Ala−Leuが85.9%の収率で含まれていた。LeuおよびAlaの除去率は、それぞれ99.0%、99.9%であった。
Ala−Valの精製
Ala−Val 7.84g、Ala 0.53g、Val 1.49およびAla−Ala 1.27gを溶解した水溶液800mlをWK−40(三菱化学社製)1000mlを充填したカラムに空間速度0.5[1/時間]でカラムベッド上層から通塔した後、連続的にカラムベッド上層から水を通塔した。分離の様子は、カラム出口部にUVセンサーを取り付け、モニタリングにより観察した。Ala−Valが溶出される画分を集め、成分を分析したところ、Ala−Valが86.0%の収率で含まれていた。ValおよびAlaの除去率は、それぞれ95.0%、96.7%であった。
Ala−Tyrの精製
Ala−Tyr 7.88g、Ala 0.57g、Tyr 0.21およびAla−Ala 1.30gを溶解した水溶液800mlをWK−40(三菱化学社製)1000mlを充填したカラムに空間速度0.5[1/時間]でカラムベッド上層から通塔した後、連続的にカラムベッド上層から水を通塔した。分離の様子は、カラム出口部にUVセンサーを取り付け、モニタリングにより観察した。Ala−Tyrが溶出される画分を集め、成分を分析したところ、Ala−Tyrが84.6%の収率で含まれていた。TyrおよびAlaの除去率は、それぞれ96.2%、97.7%であった。
Ala−Valの精製
Ala−Val 5.32g、Ala 0.86g、Val 1.18およびAla−Ala 3.73gを溶解した水溶液500mlをWA−21(三菱化学社製)1000mlを充填したカラムに空間速度0.5[1/時間]でカラムベッド上層から通塔した後、連続的にカラムベッド上層から水を通塔した。分離の様子は、カラム出口部にUVセンサーを取り付け、モニタリングにより観察した。Ala−Valが溶出される画分を集め、成分を分析したところ、Ala−Valが74.5%の収率で含まれていた。ValおよびAlaの除去率は、それぞれ100.0%、100.0%であった。
Ala−Leuの製造方法
WO2004/058960に記載の方法に従い得たAla−Leu(44.7g/l)ならびにAla、Leuなどの不純物および枯草菌由来のジペプチド合成酵素を発現させた大腸菌の細胞を含有する培養液4Lに硫酸を加えpHを3.0に調製した後、遠心分離により菌体を沈降させた。菌体が沈降した上澄み液を強酸性陽イオン交換樹脂SK−1B(H)(三菱化学社製)9Lを充填したカラムに空間速度1.0[1/時間]でカラムベッド上層から通塔後、連続的にカラムベッド上層から水を通塔して該樹脂にAla−Leuを吸着させた。さらに、カラムベッド上層から0.7mol/Lの水酸化ナトリウムを通塔し、該樹脂に吸着したAla−Leuを溶出した。溶出液のうちAla−Leuを含む画分を分取した。得られた画分には、上記培養液中の92%のAla−Leuが含まれていたが、含有するAla、Leuなどの各不純物のAla−Leuに対する割合に変化は見られなかった。この画分を、WK−40(H)(三菱化学社製)12Lを充填したカラムに空間速度0.5[1/時間]でカラムベッド上層から通塔後、連続的にカラムベッド上層から水を通塔した。カラム出口部にUVセンサーを取り付け、モニタリングを行い、Ala−Leuを含む画分を分取した。この操作により不純物であるLeuおよびAlaを、それぞれ98.3%および99.4%除去できた。この画分を晶析することにより、Ala−Leuを98.7g得た。
本発明により提供される、オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を有効pH範囲でイオン交換樹脂に接触させる工程を含む該オリゴペプチドの精製方法は、オリゴペプチドの単離・精製方法として有用である。

Claims (21)

  1. オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を有効pH範囲でイオン交換樹脂に接触させる工程を含む該オリゴペプチドの精製方法。
  2. (a)オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液を、イオン交換樹脂を充填したカラムに通塔する工程、および(b)イオン交換樹脂に接触した該オリゴペプチドを溶出溶媒で流出させる工程を含む請求項1記載の方法。
  3. イオン交換樹脂が弱酸性陽イオン交換樹脂である請求項1または2記載の方法。
  4. イオン交換樹脂がカルボキシル基またはフェノール性水酸基を有する樹脂である請求項3記載の方法。
  5. オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液のpHが4〜14の範囲である請求項3または4記載の方法。
  6. オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液のpHが5〜12の範囲である請求項3または4記載の方法。
  7. イオン交換樹脂が弱塩基性陰イオン交換樹脂である請求項1または2記載の方法。
  8. イオン交換樹脂がアミノ基、低級アルキルアミノ基およびジ低級アルキルアミノ基からなる群から選択される基を有する樹脂である請求項7記載の方法。
  9. イオン交換樹脂がアミノ基、メチルアミノ基およびジメチルアミノ基からなる群から選択される基を有する樹脂である請求項7記載の方法。
  10. オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液のpHが0〜9の範囲である請求項7〜9のいずれかに記載の方法。
  11. オリゴペプチドおよび中性アミノ酸を含む溶液のpHが1〜7の範囲である請求項7〜9のいずれかに記載の方法。
  12. 中性アミノ酸がL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニン、L−トリプトファン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−システイン、L−チロシン、L−アスパラギンおよびL−グルタミンからなる群から選ばれるL−アミノ酸、その光学異性体であるD−アミノ酸、およびそれらのラセミ混合物、グリシンならびにβ−アラニンからなる群から選ばれるアミノ酸である請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 中性アミノ酸がL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−チロシン、D−アラニン、D−バリン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−チロシン、DL−アラニン、DL−バリン、DL−ロイシン、DL−イソロイシン、DL−チロシンおよびグルタミンからなる群から選ばれるアミノ酸である請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  14. オリゴペプチドがジペプチドまたはトリペプチドである請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. オリゴペプチドがジペプチドである請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  16. ジペプチドがX−Y(式中、Xはアラニンを表し、YはL−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−チロシン、D−バリン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−チロシン、DL−バリン、DL−ロイシン、DL−イソロイシン、DL−チロシンまたはグルタミンを表す)で表されるジペプチドである請求項14または15記載の方法。
  17. オリゴペプチドを構成するアミノ酸がL−アミノ酸である請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. オリゴペプチドが(A)無保護のL−アミノ酸に枯草菌由来のペプチド合成酵素を作用させて製造する方法で得られたオリゴペプチド、(B)L−アミノ酸アミドおよびL−アミノ酸にL−アミノ酸アミドハイドラーゼ活性を有する酵素または酵素含有物を作用させて製造されたオリゴペプチド、(C)L−アミノ酸エステルおよびL−アミノ酸にジペプチドを生成する活性を有するタンパク質を作用させて製造されたオリゴペプチド、(D)アミノ酸エステルハイドラーゼを作用させて製造されたオリゴペプチド、(E)エンペドバクター属に属する細菌から得られた酵素を作用させて製造されたオリゴペプチド、および(F)化学合成により得られたオリゴペプチドからなる群から選ばれるオリゴペプチドである請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の方法を用いる工程を含むオリゴペプチドの製造方法。
  20. 請求項19記載の方法で製造されたオリゴペプチド。
  21. 不純物としてアミノ酸を含有しない請求項20記載のオリゴペプチド。
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