JPWO2007122857A1 - 発光装置 - Google Patents

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均 熊
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Abstract

支持基板(10)上に、蛍光媒体(20)と、蛍光媒体(20)を被覆する発光素子(30)とを有し、発光素子(30)は互いに平行でない2以上の発光面を有し、発光素子(30)から発する光と、蛍光媒体(20)が発する光を、混合して発する発光装置(1)。

Description

本発明は、一般照明、液晶用バックライト等に使用される発光装置に関し、特に、蛍光媒体と組み合わされた、比較的大きな面積を有する白色発光装置に関する。また、本発明は、一般照明、液晶用バックライト等の照明分野で利用される発光装置、特に有機エレクトロルミネッセンス(EL)発光装置に関する。
一般照明又は(液晶用)バックライトに使用される発光装置には、薄型、構成簡易、大面積化可能、均一な面発光、高効率、高耐久性が望まれる。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、薄型かつ均一な面発光の発光装置が得られる。特に、青色EL素子の光と蛍光層の蛍光を混合して白色発光が簡易に得られることは、特許文献1等にて公知である。
特許文献2には、図23に示すような青色発光の発光素子(薄膜EL素子)130と蛍光媒体(色変換層)120を備える発光装置100が開示されている。この発光装置100は、支持基板110上に、蛍光媒体(色変換層)120、発光素子130をこの順に有し、蛍光媒体120及び発光素子130は支持基板110に対して平行である。色変換層120は、青色の光エネルギーの一部を緑色の光エネルギーに変換する青/緑色光変換材料と、青色及び緑色の光エネルギーの夫々の一部を赤色の光エネルギーに変換する緑/赤色光変換材料とを混合分散した単層膜で構成されている。
図23の発光装置では、発光素子130から発する光(a1+b1,a2+b2)は、発光素子内の光干渉効果の影響で、見る角度によって発光スペクトルが異なっていた。
さらに、発光素子の光が、色変換層120を正面から透過する場合(a1)と、斜めから透過する場合(a2)では、色変換層120における発光素子の光の透過距離が異なった。そのため、色変換層120に吸収される光の量が異なり、発光素子130から発する光が色変換層120透過するときの透過光強度は、見る角度によって異なっていた。
このように、たとえ、色変換層120から発する蛍光(b1,b2)が、見る角度によって、蛍光スペクトル、強度が変わらない等方的な発光であっても、発光素子130から発する光(透過光)(a1,a2)に、発光スペクトル及び発光強度の視野角依存性が生じるため、発光素子の光と色変換層から生じる光を混合した白色光(a1+b1,a2+b2)の色合いには、視野角依存性が生じる。その結果、図23の発光装置では必ずしも均一な面発光が得られるとは言えなかった。
特許文献3には青緑色発光の有機EL発光素子体と、青色透過層と、緑色透過層と、青緑色を吸収し赤色光を含む光を発光する蛍光変換層と、赤色透過層とを有する有機ELカラーディスプレイが開示されている。特許文献3において、EL発光素子体は少なくとも蛍光変換層を覆うように形成されている。
この文献に示す装置はカラーディスプレイであるため、発光素子の光と蛍光変換層を混合した光(例えば白色光)を外部に取り出すことは意図していない。従って、蛍光変換層に発光素子の光を十分吸収させるか、赤色透過層を配置して、発光素子のもれ光を赤色透過層にて遮断している。さらに、発光素子の陽極(電極)を発光領域全面に被覆することはありえない。即ち、各発光色が選択して発光するように、発光素子の陽極(透明電極)は各透過層又は蛍光変換層上ごとにパターンされる。従って、本従来技術では、EL光の透過光と蛍光変換層の蛍光を混合した発光装置(例えば白色発光装置)を得ることはできない上、視野角依存性に関する課題は生じない。
特許文献4及び5には有機EL素子の発光部に隣接(並置)して形成される蛍光媒体(光変換部)にて白色発光装置が開示されている。いずれも発光素子の電極が蛍光媒体を被覆していない上、光変換部から発生する水分等のデガスによって、有機EL素子が劣化したり、白色発光の視野角依存性に対する問題があった。
また、有機EL素子は自発光素子であること、完全固体素子であり、軽量化、薄膜化が図れること、直流低電圧での駆動ができること等の特徴を有するため、次世代ディスプレイ技術だけでなく大面積照明技術としても技術開発が進められている。有機EL素子の光取出し方式として、ボトムエミッション方式とトップエミッション方式がある。前者は、透過性支持基板上に透明電極を形成し、その上に、有機発光層、対向電極を積層した構成であり、有機発光層で発した光は透明支持基板の方向に取り出される。一方、後者は支持基板上に反射電極を形成し、有機発光層、透明性の対向電極を積層した構成であり、有機発光層で発した光は透明性対向電極の方向に取り出される。
照明技術開発のためには、白色発光を得る技術が必要である。その技術の一つとして、有機発光層として、異なる複数の色の発光層を積層して、白色発光させる技術がある。特許文献6には赤、緑、青の3色発光層を積層して、白色発光素子を得ている。また特許文献7には補色関係にある2色を積層した白色発光素子が開示されている。一方、有機発光素子からの発光と、その発光の一部を色変換させた発光とを混色させて白色発光を得る技術がある。特許文献2には青色発光素子の外側に色変換層を備え、色変換層は、青色を緑に変換する青/緑色変換材料と、青色を赤色に変換する青/赤色変換材料とを混合分散した単層膜の技術が開示されている。特許文献8には第1のスペクトルを有する光を放出する有機発光素子と、前記有機発光素子によって放出された光の一部を吸収しかつ第2のスペクトルを有する光を放出する蛍光体層とを含んでいて、前記蛍光体層によって吸収される部分の光は前記有機発光素子によって放出された光の全部ではないことを特徴とする光源が開示されている。
一般に有機発光層の外側には、例えば透明電極や、キャップ層や、透明パッシベーション層等の幾つかの薄層が設けられている。このことから、従来の有機EL装置では、有機発光層の発生する光が観察者の目に到達するまでに、有機発光層の外側に設けられた上述の複数層の薄膜を通過することとなる。光が複数層の薄膜を通過する際に、分光(各波長の屈折率の差異による)や集光(多層膜またはブラッグ反射膜)が生じる。その結果、使用者の観察する角度によって、光強度の差異や色ずれ(color shift)が生じることとなる。その利用面において制約を受けることになる(視野角依存性)。
特許文献9では、有機EL発光層を凸状部に形成し、発光層より発生する光の法線方向は、球形突出部の表面に対して垂直となるような発光装置を開示している。そのため発光の強度は突出部表面のいずれの方向においても均一となるため、観察者が本発光装置をいずれの方向から観察しても、色または光強度に差異が生じないとしている。
また、有機ELにおいて、発光媒体からの発光のうち、支持基板と空気との屈折率差が大きいためにその全反射成分及び上下電極の面方向へ伝播する成分とが大きく、屈折率をITO:2.00、ガラス:1.45、発光層:1.60として計算すると、上記成分に伴う損失は80%に及ぶ。光取出し効率改善のために特許文献4では、有機EL発光部に隣接して光変換部を具備した自発光装置を開示している。この発明によると前面照射照度において、光変換部を隣接することにより120〜140%の照度を高めることができたとしている。
特許文献5では発光媒体の光取出し方向とは異なる方向に蛍光膜を設置した複合発光装置を開示している。この文献では、発光媒体の光取出し方向に対して垂直方向にある実施形態と、発光媒体を蛍光膜が囲んでいる実施形態を開示している。
特開平3−152897号公報 特開平9−213478号公報 特開平10−177895号公報 特開平2005−56813号公報 特開平2005−71920号公報 特開2004−6165号公報 特開2002−272857号公報 特開2001−223078号公報 特開2005−174914号公報
本発明の目的は、視野角依存性が小さい白色発光装置を提供することである。
本発明の他の目的は、視野角依存性、発光効率及び光取り出し効率を改善した有機EL発光装置を提供することである。
本発明によれば、以下の発光装置が提供される。
1.支持基板上に、蛍光媒体と、前記蛍光媒体を被覆する発光素子とを有し、
前記発光素子は互いに平行でない2以上の発光面を有し、
前記発光素子から発する光と、前記蛍光媒体が発する光を、混合して発する発光装置。
2.前記互いに平行でない2以上の発光面から発する、発光面に対して法線方向の光が蛍光媒体を透過するときに、蛍光媒体内の透過距離が略等しい1記載の発光装置。
3.前記蛍光媒体が、凸状である1又は2記載の発光装置。
4.前記発光素子の一部が前記蛍光媒体を被覆し、一部が被覆しない1〜3のいずれかに記載の発光装置。
5.さらに支持基板に凸状部又は凹状部が設けられ、
前記蛍光媒体を被覆しない発光素子が、前記凸状部又は凹状部の上に、形成されている4記載の発光装置。
6.さらに支持基板上に凸状部を有し、
前記蛍光媒体が、前記凸状部の上に、略均一の厚みで形成されている1〜5のいずれかに記載の発光装置。
7.さらに、前記発光素子と前記蛍光媒体の間に透明バリア層を有する1〜6のいずれかに記載の発光装置。
8.前記発光素子の透明電極が、透明バリア層として機能する1〜7のいずれかに記載の発光装置。
9.支持基板上に凹状部が設けられ、
前記発光素子及び蛍光媒体が、前記凹状部に形成されている1〜8のいずれかに記載の発光装置。
10.前記発光素子から発する光及び前記蛍光媒体から発する光が、支持基板側から取り出される1〜9のいずれかに記載の発光装置。
11.前記発光素子から発する光及び前記蛍光媒体から発する光が、支持基板の反対側から取り出される1〜9のいずれかに記載の発光装置。
12.前記蛍光媒体が、ナノクリスタル蛍光体を含む1〜11のいずれかに記載の発光装置。
13.前記ナノクリスタル蛍光体が、半導体ナノクルスタルである12記載の発光装置。
14.前記発光素子が、有機EL素子である1〜13のいずれかに記載の発光装置。
15.前記発光素子から発する光と前記蛍光媒体から発する光を混合した光が、白色である1〜14のいずれかに記載の発光装置。
16.支持基板上に、互いに平行でない2以上の発光面を有する発光素子と、蛍光媒体を有し、
前記蛍光媒体が、前記発光素子が発する光を取り出す方向と異なる方向に配置され、
前記発光素子が発する光と、前記蛍光媒体が発する光を混合して発する発光装置。
17.前記発光素子の表面が、凸状である16記載の発光装置。
18.前記蛍光媒体の表面が、凸状である16又は17記載の発光装置。
19.前記凸状が、半球状である17又は18記載の発光装置。
20.前記蛍光媒体が、前記発光素子が発する光を取り出す方向に対して垂直方向に配置されている16〜19のいずれかに記載の発光装置。
21.前記支持基板上に、前記発光素子が2以上並置されていて、
前記発光素子の間に前記蛍光媒体がある16〜20のいずれかに記載の発光装置。
22.前記蛍光媒体が、前記発光素子を包埋する16〜21のいずれかに記載の発光装置。
23.前記発光素子が、2以上積層されている16〜22のいずれかに記載の発光装置。
24.前記発光素子が発する光と前記蛍光媒体が発する光を、前記支持基板側から取り出す16〜23のいずれかに記載の発光装置。
25.前記発光素子が発する光と前記蛍光媒体が発する光を、前記支持基板の反対側から取り出す16〜23のいずれかに記載の発光装置。
26.前記蛍光媒体が、ナノクリスタル蛍光体を含む16〜25のいずれかに記載の発光装置。
27.前記ナノクリスタル蛍光体が半導体ナノクルスタルである26記載の発光装置。
28.前記発光素子が発する光と、蛍光媒体が発する光を、混合した光が白色である16〜27のいずれかに記載の発光装置。
本発明によれば、視野角依存性が小さい発光装置が提供できる。
また、本発明の発光装置は、発光素子の入力電圧が制限されていても、単位面積あたりの発光輝度を向上させることができる。
さらに、本発明の発光装置は、発光素子の電極が蛍光媒体を連続的に被覆しているので、蛍光媒体から発生する水分等の発光素子への悪影響を低減することができる。
本発明によれば、視野角依存性、発光効率及び光取り出し効率を改善した有機EL発光装置が提供できる。
本発明の第1の態様の発光装置の実施形態1を示す断面図である。 CIE−色度図である。 本発明の第1の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第1の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第1の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第1の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第1の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第1の態様の発光装置の実施形態2を示す断面図である。 本発明の第1の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第1の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第1の態様の発光装置の実施形態3を示す断面図である。 本発明の第1の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図であり、(a)は、トップエミッション型、(b)は、ボトムエミッション型を示す。 (a)は、図1の発光装置1を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置を示す断面図であり、(b)は、図4の発光装置3を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置を示す断面図であり、(c)は、図8の発光装置7を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置を示す断面図であり、(d)は、図9の発光装置8を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置を示す断面図であり、(e)は、図10の発光装置9を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置を示す断面図である。 (a)は本発明の第2の態様の発光装置の実施形態1を示す断面図であり、(b)は実施形態1の発光装置の発光面を示す断面図である。 本発明の第2の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第2の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第2の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の第2の態様の発光装置の実施形態2を示す断面図である。 本発明の第2の態様の発光装置の他の実施形態を示す断面図である。 (a)は、図14(a)の発光装置1を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置を示す断面図であり、(b)は、図17の発光装置2を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置を示す断面図であり、(c)は、図18の発光装置3を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置を示す断面図であり、(d)は、図19の発光装置4を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置を示す断面図である。 実施例10で作成した凸部と蛍光媒体のパターン図である。 実施例15で作成した発光装置の縦方向を示す図である。 従来の発光装置を示す断面図である。
以下、本発明の第1の態様の発光装置について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の態様の発光装置の実施形態1を示す断面図である。
図1に示すように、発光装置1は、支持基板10上に、半円状の断面形状の蛍光媒体(色変換層)20を配置し、さらに、発光素子30にて蛍光媒体20を被覆している。蛍光媒体の形状は半円の断面を有するものであればよく、半球状でもかまぼこ状でもよい。本発明において、「被覆する」とは発光素子30が、蛍光媒体20の上面と側面に対向して密着又は近接して連続的に配置されていることをいう。
発光素子30は、第一の電極31、有機発光媒体32、第二の電極33からなる有機EL素子である。好ましくは第一の電極31を、蛍光媒体20からガスや水分等が発光素子30に侵入するのを防ぐ透明電極とする。即ち、発光素子30の透明電極が蛍光媒体20を完全に被覆することにより、蛍光媒体20中の劣化成分をより完全に遮断し、発光素子30の耐久性を高めることができる。
このような透明電極としては、非晶質の膜が好ましい。緻密な膜が形成でき、バリア性が高まる。
発光装置1において、発光素子30は一断面が半円状の蛍光媒体20を被覆しているため、発光素子30は、互いに平行にはならない発光面を、A,B等、多数有する。本発明において、「発光面」とは、蛍光媒体20に対し直角に発光を入射する発光素子30の面であり、発光素子30と蛍光媒体20が接している場合は、発光素子30の蛍光媒体20に対する接面である。
この発光装置1は、発光素子30が発するそのままの光(x1,x2)と、発光素子30からの光を変換して蛍光媒体20が発する光(蛍光)(y1,y2)を混合して、支持基板10側から発光する(x1+y1,x2+y2)。混合された発光色は、好ましくは白である。白色であることにより一般照明、液晶バックライト等への適用が可能である。
ここで、白色とは、図2に示すCIE色度図における白色領域である。
発光装置1では、半円状の断面形状を有する蛍光媒体20上を発光素子30が被覆するため、発光素子30は、見る角度を変えても、発光素子30の発光スペクトルの変化が少ない。
さらに、また、図1の構成にすることで、例えば、発光面Aから発する光(x2)が蛍光媒体20を通過する距離と、発光面Bから発する光(x1)が蛍光媒体20を通過する距離は、ほぼ等しく(略等しく)なる。ここで「略等しい」とは2以上の発光面から発する光が蛍光媒体20を通過する距離の比が0.8〜1.2であることをいう。この範囲を外れると発光素子の透過光強度のばらつきが大きくなって視野角依存性が大きくなる(色度変化が0.01を超える)恐れがある。蛍光媒体20を通過する距離を略等しくすることにより、発光面Aから発する光(x2)が蛍光媒体20を通過した後の透過光強度と、発光面Bから発する光(x1)が蛍光媒体20を通過した後の透過光強度は、ほぼ等しくなる。
さらに、発光素子30から発せられた光で励起された蛍光媒体20から発する蛍光(y1,y2)はおおよそスペクトル及び強度が等しい(等方的である)ので、発光素子30から発する光(蛍光媒体を透過した光)(x1,x2)と、蛍光媒体20から発する蛍光(y1,y2)を混合した光(x1+y1,x2+y2)は、見る角度によるスペクトル変化及び発光強度変化が、小さいので、色変化は小さい(視野角依存性は小さい)。よって、ほぼ均一な面発光を行える発光装置が得られる。
蛍光媒体20の蛍光体として、有機蛍光体、無機蛍光体のいずれでも可能であるが、特にナノクリスタル蛍光体が好ましい。
ナノクリスタル蛍光体とは、ナノ粒子(粒径1〜約50nm)からなる蛍光体である。粒子が小さいため、透明性が高く、光散乱損失が小さいので、発光装置の発光効率が高くなる。
ナノクリスタル蛍光体は、好ましくは、半導体ナノクリスタルである。
半導体ナノクリスタルは、吸収係数が大きく、蛍光効率が高い。そのため、蛍光媒体を薄膜化することが可能であり、蛍光媒体上の発光素子の歪を小さくすることができる。そのため、欠陥の少ない発光装置が得られる。
上記の発光装置1は、光を取り出す方向が支持基板側(ボトムエミッション型)である。このようなボトムエミッション型の場合、発光素子30の支持基板10の反対側には、反射層(反射電極)(図示せず)が存在するのが好ましい。例えば第二の電極33が反射電極を兼ねてもよい。
尚、本実施形態においては、蛍光媒体の断面形状は半円状であるが、以下の実施形態で例示するように、蛍光媒体の形状はこれに限定されない。蛍光媒体の断面形状は、半円、台形、ドーナツ状等の凸状となる部分を有すればよい。これにより、少なくとも2つの違う角度において、蛍光媒体を透過しうる発光素子の発光スペクトルを揃えることができる。
例えば、図3に示すように、発光装置2は、蛍光媒体20の断面形状が台形状であり、3つの発光面A,B,Cがある。これらの発光面は互いに平行でないため、3つの違う角度において、蛍光媒体を透過しうる発光素子の発光スペクトルを揃えることができる。
また、図4に示すように、発光装置3は、蛍光媒体20が、発光素子30と共に支持基板10の面に対して、さらに平行に延出して形成されている。蛍光媒体20の一部が半円の断面形状であるため、発光装置3の視野角依存性を低減できる。また、蛍光媒体20の存在面積が大きくなるので、発光装置の発光において、蛍光媒体20の発する光を相対的に強くでき、発光色の調整が可能になる。
さらに、図5に示すように、発光装置4は、支持基板10上に、断面が半円形状の凸部40が設けられている。凸部40上に形成された蛍光媒体20の厚さは略均一である。
ここで、「略均一」とは、蛍光媒体20の厚みのばらつきが±20%以内であることをいう。蛍光媒体20の厚みのばらつきが±20%を超えると発光素子の透過光強度のばらつきが大きくなって視野角依存性が大きくなる(色度変化が0.01を超える)恐れがある。
また、図6に示すように、発光装置5は、凸部40、蛍光媒体20、発光素子30の断面が台形状である。凸部40上に形成された蛍光媒体20の厚さは略均一である。
発光装置4,5において、蛍光媒体20の厚さを略均一にすることにより、蛍光媒体20を透過する発光素子30の発光スペクトルのみならず、透過強度の均一化(透過距離の均一化)もさせることができるので、好ましい。
さらに、図7に示すように、発光装置6は、蛍光媒体20と発光素子30の間に透明バリア層50を有する。透明バリア層50を設けることにより、蛍光媒体20中に含まれる水分、酸素、低分子成分等の発光素子の劣化成分を遮断し、発光素子30の耐久性を高めることができるので好ましい。
本実施形態においては、発光素子は蛍光媒体が形成されていない支持基板上には形成されていないが、以下の実施形態で例示するように、発光素子を蛍光媒体が形成されていない支持基板上に形成してもよい。
図8は、本発明の第1の態様の発光装置の実施形態2を示す断面図である。
図8に示すように、発光装置7は、発光素子30が、蛍光媒体20が形成されていない支持基板10上にも形成されている点が、実施形態1の発光装置1と異なる。即ち、発光素子30の一部は蛍光媒体20を被覆しているが、一部は被覆していない。
支持基板10に向かって発光素子30が発した光が、発光素子30の干渉効果により発光色の視野角依存性を導いたとしても、発光素子30の発光面Aと発光面Bは、平行でないので、発光装置7全体の視野角依存性は低減される(少なくとも、発光面が平行である場合よりも、視野角依存性は改善される)。
さらに、発光装置1と同様に蛍光媒体20の側面から入射する光の一部は、蛍光媒体20の光変換に利用されるが、発光装置1よりも側面から入射する光は多くなるので、蛍光媒体20から発する蛍光強度が高まる。
また、図9に示すような発光装置8は、支持基板10上の、蛍光媒体20に隣接する箇所に、凹部70を設け、その結果、発光素子30の形状が凹状である。この装置8では、発光素子30が、支持基板10の凹部70、並びに蛍光媒体20の上に形成されている。
また、図10に示すように、発光装置9は、支持基板10上の、蛍光媒体20に近接する箇所に、凸部80を設け、その結果、発光素子30の形状が凸状である。この装置9では、発光素子30が、支持基板10の凸部80、並びに蛍光媒体20の上に形成されている。
発光装置8,9においては、支持基板10上の発光素子30から発した光は、見る角度を変えても、発光スペクトル変化が小さいので、発光装置8,9全体の発光の視野角依存性は発光装置7に比べて改善される。
これまでの実施形態においては、発光装置はボトムエミッション型であるが、以下の実施形態で例示するように、光を支持基板と反対側から取り出すトップエミッション型でもよい。トップエミッション型の場合、発光素子の支持基板側には、反射層が存在するのが好ましい。
図11は、本発明の第1の態様の発光装置の実施形態3を示す断面図である。
図11に示すように、発光装置11は、支持基板10上に反射層90を設け、蛍光媒体20及び発光素子30からの発光を反射層90で反射させて支持基板10と反対側から取り出している(トップエミッション型)点が、実施形態1、2の発光装置(ボトムエミッション型)と異なる。
このようなトップエミッション型の場合、発光素子は、両面発光素子が好ましい。
発光素子30の発光面Aと発光面Bは互いに平行でないので、支持基板10と反対側に発光した光は、角度によって発光スペクトルが異ならない均一な等方的な発光となる。
一方、発光面Aと発光面Bの支持基板10側に発光した光は、蛍光媒体20を励起して、蛍光媒体20は蛍光を発する。この蛍光は反射層90にて反射して、支持基板10と反対側に放射される。
少なくとも、発光素子30の光と蛍光媒体20の蛍光を混合した光は、発光面Aと発光面Bが平行な場合に比べて、視野角依存性は低減される。
さらに、図12(a)に示す発光装置12のように、支持基板10に凹部72を設け、発光素子30及び蛍光媒体20をこの順に支持基板10内に埋め込ませるようにして、支持基板10の反対側から光を取り出してもよい(トップエミッション型)。また、図12(b)に示す発光装置13のように発光装置12において発光素子30を両面発光素子とし、反射層90を設けて、支持基板10側から光を取り出してもよい(ボトムエミッション型)。
さらに、以上の実施形態においては、発光素子は有機EL素子であるが、これに限定されず、無機EL、LED等でもよい。しかしながら、発光素子を有機EL素子にすることで、低電圧で、発光材料及び周辺材料、素子構成等を選択することにより、発光スペクトルの調整が容易となる。
尚、これまでの発光装置は、本発明の特徴部分のみを図示しており、この他、封止材等を含むことができる。
本発明の第1の態様の発光装置は、実施形態1〜3に示す発光装置1〜9,11〜13を基本ユニットとして少なくとも1つは含むものであり、この基本ユニットを繰り返す構成になるのが通常である。具体例を図13に示す。
図13(a)は、図1の発光装置1を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置である。
図13(b)は、図4の発光装置3を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置である。
図13(c)は、図8の発光装置7を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置である。
図13(d)は、図9の発光装置8を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置である。
図13(e)は、図10の発光装置9を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置である。
ここで、各ユニットの蛍光媒体は同一でもよいし、異なってもよい。
これらの各ユニットの繰り返しにより、トータルで視野角依存性のない発光装置が得られる。
この他、上記の発光装置は、発光装置の駆動電圧が限られたとしても、単位表示面積あたりの発光素子の発光面積が大きくなるので、単位面積あたりの発光輝度を向上させることができる。
以下、本発明の第2の態様について説明する。
本発明の第2の態様の発光装置は、支持基板上に、互いに平行でない2以上の発光面を有する発光素子と、蛍光媒体を有する。発光素子を、凹凸状に形成すると、互いに平行でない2以上の発光面を有するようにできる。蛍光媒体は、発光素子が発する光を取り出す方向と異なる方向に配置される。異なる方向は2以上でもよい。また、蛍光媒体は、少なくとも光を取り出す方向と異なる方向に配置されていれば、光を取り出す方向にも配置されていてもよい。発光装置は、発光素子が発する光と、蛍光媒体が発する蛍光を混合して発する。
以下、本発明の第2の態様の発光装置について図面を参照して詳細に説明する。
図14(a)は、本発明の第2の態様の発光装置の実施形態1を示す断面図である。
図14(a)に示すように、発光装置1は、支持基板10上に、凸部20が設けられ、この凸部20の上に下部電極32、発光媒体34、上部電極36の順に積層されてなる発光素子30が設けられている。さらに、支持基板10上の凸部20以外の部分に、蛍光媒体40が設けられている。
発光素子30の表面は、凸部20により形成され、発光素子30は、図14(b)に示すように、互いに平行でない発光面を、A,B等、多数有する。即ち、この実施形態では、互いに平行でない発光面を有する発光素子30を、支持基板10に凸部20を形成することにより形成している。
本発明の第2の態様において、「発光面」とは、凸部20に対し直角に発光を入射する発光素子30の面であり、発光素子30と凸部20が接している場合は、発光素子30の凸部20に対する接面である。
この発光装置1では、発光素子30が等方向に光を発する。支持基板10側に発せられた光xはそのまま外に取り出される。蛍光媒体40側に発せられた光x,xは、蛍光媒体40で変換され、変換光は等方向に発せられる。支持基板10側に発せられた変換光yが外に取り出される。発光素子30が発する光xと、蛍光媒体40が発する光(蛍光)yが混合されて、支持基板10側から発せられる。混合色は好ましくは白である。白色であることにより一般照明、液晶バックライト等へ好適に適用できる。
発光素子30及び蛍光媒体40が青色、緑色及び赤色を発光すると、混合光を白色にできる。発光素子30及び蛍光媒体40が発する光の色の組み合わせは特に限定されないが、好ましくは、発光素子が青緑色を発光し、蛍光媒体が赤色を発光する。
図14(a)に示す発光装置1では、発光媒体34、上部電極36が凸部20以外の部分まで形成されているが、凸部20の上だけでもよい。逆に、下部電極32が、支持基板上に延長されていてもよい。この場合、下部電極と上部電極の間に絶縁性の蛍光媒体を挟むので、発光素子は、凸部上でしか発光しない。
蛍光媒体40の蛍光体として、有機蛍光体、無機蛍光体のいずれでも可能であるが、特にナノクリスタル蛍光体が好ましい。
ナノクリスタル蛍光体とは、ナノ粒子(粒径1〜約50nm)からなる蛍光体である。粒子が小さいため、透明性が高く、光散乱損失が小さいので、発光装置の発光効率が高くなる。
ナノクリスタル蛍光体は、好ましくは、半導体ナノクリスタルである。
半導体ナノクリスタルは、吸収係数が大きく、蛍光効率が高い。そのため、蛍光媒体を薄膜化することが可能であり、蛍光媒体上の発光素子の歪を小さくすることができる。そのため、欠陥の少ない発光装置が得られる。
発光装置1は、光を取り出す方向(x,y)が支持基板側(ボトムエミッション型)である。このようなボトムエミッション型の場合、発光素子30の支持基板10の反対側には、反射層(図示せず)が存在するのが好ましい。通常、支持基板10を透明基板、下部電極32を透明電極、上部電極36を反射電極とする。
本実施形態では、凸部20の断面は、半円状であり、例えば半球状、かまぼこ状である。好ましくは、凸部20は半球状である。
凸部20の形状、即ち、発光素子の形状は半円状に限定されず、発光素子の断面形状は、台形、ドーナツ状等の凸状となる部分を有することができる。
例えば、図15に示すように、発光素子30は、断面形状が台形状であり、3つの発光面A,B,Cがある。これらの発光面は互いに平行でないため、3つの違う角度において、発光素子の発光スペクトルを揃えることができる。
発光装置1は、発光素子30が1つの積層体30で構成されているが、図16に示すように、2つ以上の積層体32,34で構成されていてもよい。2つ以上の積層体で構成されることによって、2色以上の発光素子の混色も可能となる。また、発光素子30は同一の発光色でも2以上の発光色でもよい。
本実施形態の発光装置1は、ボトムエミッション型であるが、例えば、図17に示すような、支持基板10の反対側から光を取り出すトップエミッション型にすることもできる。図17に示す装置2では、下部電極32を反射電極として、支持基板10上に形成する。下部電極32の上に、蛍光媒体40を形成し、さらに、発光媒体34と上部電極36を形成して発光素子30を形成する。トップエミッション型の場合、通常上部電極36は透明電極である。
図17に示す発光装置2では、発光媒体34、上部電極36が凸部20の上だけに形成されているが、発光媒体34又は上部電極36は、凸部20以外の部分まで形成されていてもよい。
大面積での照明用途の技術としては、EL素子の視野角の改善と光取出しの改善が合わせて行なわれることが肝要である。本実施形態のように、発光素子の発光面を突起状、好ましくは球形状とすることにより、視野角の改善が図られ、合わせて、突起状発光素子周囲に蛍光媒体を並置することにより、面方向に伝播する成分を取り出すことが可能となる。
図18は、本発明の第2の態様の発光装置の実施形態2を示す断面図である。
この装置3では、蛍光媒体40を凸状に形成しその上に発光素子30を形成することにより、互いに平行でない発光面を有する発光素子30を形成している。
さらに、上部電極36で平坦化している。
尚、この発光装置3はボトムエミッション型であるが、トップエミッション型にしたのが、図19に示す発光装置4である。
この図に示す発光装置4は、蛍光媒体40が発光素子30を包埋している点が実施形態1と大きく異なる。
この装置では、反射性の下部電極を凸状に形成しその上に発光素子を形成することにより、互いに平行でない発光面を有する発光素子30を形成している。
上記の発光装置4のように、発光素子を蛍光媒体に包埋する構成とすることにより、発光素子全体を蛍光媒体が覆うことになるため、素子全体としての効率改善が図られる。
発光装置は、上記の実施形態に示す発光装置1,2,3,4を基本ユニットとして少なくとも1つ含み、この基本ユニットを繰り返す構成になるのが通常である。具体例を図20に示す。
図20(a)は、図14(a)の発光装置1を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置である。
図20(b)は、図17の発光装置2を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置である。
図20(c)は、図18の発光装置3を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置である。
図20(d)は、図19の発光装置4を基本ユニットにして、連続的に配列した発光装置である。
ここで、各ユニットの蛍光媒体は同一でもよいし、異なってもよい。
これらの各ユニットの繰り返しにより、トータルで視野角依存性のない発光装置が得られる。
この他、上記の発光装置は、発光装置の駆動電圧が限られたとしても、単位表示面積あたりの発光素子の発光面積が大きくなるので、単位面積あたりの発光輝度を向上させることができる。
次に、本発明の発光装置を構成する各部材について説明する。
1.発光素子
発光素子として、面状発光が得られるEL素子が好ましい。
EL素子とは、2つの電極の間に発光層を挟持した構成となっている。電極間に電圧を印加することにより、発光層が発光する、面状発光素子である。EL素子として無機EL素子と有機EL素子があるが、本発明では、駆動電圧が低く、発光層の種類によって、種々の発光色が得られる有機EL素子がより好ましい。
以下、有機EL素子について説明する。
有機ELは、以下に示す構成を基本構造とする。
第一電極/有機発光媒体/第二電極
各構成について以下に説明する。
(1)有機発光媒体
有機発光媒体とは、電子と正孔とが再結合して、EL発光が可能な有機発光層を含む媒体と定義することができる。かかる有機発光媒体は、例えば、第一電極上に、以下の各層を積層して構成することができる。
(i) 有機発光層
(ii) 正孔注入層/有機発光層
(iii) 有機発光層/電子注入層
(iv) 正孔注入層/有機発光層/電子注入層
(v) 有機半導体層/有機発光層
(vi) 有機半導体層/電子障壁層/有機発光層
(vii) 正孔注入層/有機発光層/付着改善層
これらの中で、(iv)の構成が、より高い発光輝度が得られ、耐久性にも優れていることから通常好ましく用いられる。
(a)青色発光層
青系発光層は、通常ホスト材料と青色系ドーパントからなる。ホスト材料は、スチリル誘導体、アントラセン誘導体又は芳香族アミンであることが好ましい。スチリル誘導体は、ジスチリル誘導体、トリスチリル誘導体、テトラスチリル誘導体及びスチリルアミン誘導体の中から選ばれる少なくとも一種類であることが特に好ましい。アントラセン誘導体は、非対称アントラセン系化合物であることが好ましい。芳香族アミンは、芳香族置換された窒素原子を2〜4個有する化合物であることが好ましく、芳香族置換された窒素原子を2〜4個有し、かつアルケニル基を少なくとも一つ有する化合物が特に好ましい。青色系ドーパントとしては、青色系ドーパントは、スチリルアミン、アミン置換スチリル化合物、アミン置換縮合芳香族環及び縮合芳香族環含有化合物の中から選ばれる少なくとも一種類であることが好ましい。そのとき、青色系ドーパントは異なる複数の化合物から構成されていてもよい。上記スチリルアミン及びアミン置換スチリル化合物としては、例えば下記一般式〔1〕〜〔2〕で示される化合物が、上記縮合芳香族環含有化合物としては、例えば下記一般式〔3〕で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007122857
〔式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、炭素原子数6〜40の置換もしくは無置換の芳香族基を示し、それらの中の少なくとも一つはスチリル基を含み、pは1〜3の整数を示す。〕
Figure 2007122857
〔式中、Ar15及びAr16は、それぞれ独立に、炭素原子数6〜30のアリーレン基、E及びEは、それぞれ独立に、炭素原子数6〜30のアリール基もしくはアルキル基、水素原子又はシアノ基を示し、qは1〜3の整数を示す。U及び/又はVはアミノ基を含む置換基であり、該アミノ基がアリールアミノ基であると好ましい。〕
Figure 2007122857
〔式中、Aは炭素原子数1〜16のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアリール基、炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、又は炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアリールアミノ基、Bは炭素原子数10〜40の縮合芳香族環基を示し、rは1〜4の整数を示す。〕
(b)緑色系発光層
緑色系発光層は、連続点灯時の色変化を抑えるという観点で、ホスト材料としては、青色系発光層で使用するホスト材料と同一のものを使用することが好ましい。
ドーパントとしては、下記式〔4〕で表される、置換アントラセン構造と置換基を有するベンゼン環で置換されたアミン構造が連結した芳香族アミン誘導体であることが好ましい。
Figure 2007122857
(式中、A及びAは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50のアリール基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルコキシル基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキルアミノ基、又はハロゲン原子を表し、p及びqはそれぞれ1〜5の整数であり、sは1〜9の整数である。p及びqがそれぞれ2以上の場合、複数のA,Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに連結して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。ただし、A及びAの両方が水素原子である場合はない。
は、置換もしくは無置換の炭素数3〜10の2級又は3級のアルキル基を表し、tは1〜9の整数である。tが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50のアリール基、置換もしくは無置換の核炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルコキシル基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数5〜50のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキルアミノ基、又はハロゲン原子を表し、uは0〜8の整数である。uが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。s+t+uは2〜10の整数である。)
(c)橙色〜赤色系発光層
連続点灯時の色変化を抑えるという観点で、ホスト材料としては、青色系発光層で使用するホスト材料と同一のものを使用することが好ましい。
ドーパントとしては、少なくとも一つのフルオランテン骨格又はペリレン骨格を有する蛍光性化合物が使用でき、例えば下記式〔5〕に示す化合物が挙げられる。
Figure 2007122857
〔式中、X21〜X24は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基であり、X21とX22及び/又はX23とX24は、炭素−炭素結合又は−O−、−S−を介して結合していてもよい。X25〜X36は、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルキル基、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜30のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は置換もしくは無置換炭素原子数8〜30のアルケニル基であり、隣接する置換基及びX25〜X36は結合して環状構造を形成していてもよい。各式中の置換基X25〜X36の少なくとも一つがアミン又はアルケニル基を含有すると好ましい。〕
青色系発光層の膜厚は、好ましくは5〜30nm、より好ましくは5〜20nmである。5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となる恐れがあり、30nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
緑色系発光層の膜厚は、好ましくは5〜30nm、より好ましくは5〜20nmである。5nm未満では発光効率が低下する恐れがあり、30nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
橙色〜赤色系発光層の膜厚は、好ましくは5〜40nm、より好ましくは10〜30nmである。5nm未満では発光効率が低下する恐れがあり、30nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
(d)正孔注入層
また、有機発光媒体における正孔注入層には、1×10〜1×10V/cmの範囲の電圧を印加した場合に測定される正孔移動度が、1×10−6cm/V・秒以上であって、イオン化エネルギーが5.5eV以下である化合物を使用することが好ましい。このような正孔注入層を設けることにより、有機発光層への正孔注入が良好となり、高い発光輝度が得られたり、あるいは、低電圧駆動が可能となる。
このような正孔注入層の構成材料としては、具体的に、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、縮合芳香族環化合物、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPDと略記する。)や、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATAと略記する。)等の有機化合物が挙げられる。
また、正孔注入層の構成材料として、p型−Siやp型−SiC等の無機化合物を使用することも好ましい。尚、上述した正孔注入層と、陽極層との間、あるいは、上述した正孔注入層と、有機発光層との間に、導電率が1×10−10S/cm以上の有機半導体層を設けることも好ましい。このような有機半導体層を設けることにより、さらに有機発光層への正孔注入がより良好となる。
(e)正孔輸送層
正孔輸送層の材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報等に開示のもの)、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報等参照)、芳香族第三級アミン化合物を用いることもできる。また米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、また特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4’’−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン等を挙げることができる。さらに、発光層の材料として示した前述の芳香族ジメチリディン系化合物の他、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔輸送層の材料として使用することができる。
この正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる一層で構成されてもよいし、また、正孔輸送層とは別種の化合物からなる正孔輸送層を積層したものであってもよい。正孔輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、20〜200nmである。
(f)有機半導体層
有機半導体層は、発光層への正孔注入又は電子注入を助ける層であって、10−10S/cm以上の導電率を有するものが好適である。このような有機半導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマーや特開平8−193191号公報に記載の含アリールアミンオリゴマー等の導電性オリゴマー、含アリールアミンデンドリマー等の導電性デンドリマー等を用いることができる。有機半導体層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、10〜1,000nmである。
(g)電子輸送層
陰極と黄色〜赤色系発光層の間に、電子輸送層等を設けることができる。電子輸送層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きい。電子輸送層はエネルギーレベルの急な変化を緩和する等、エネルギーレベルを調整するために設ける。電子輸送層に用いられる材料としては、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを用いることができる。そして、オキサジアゾール誘導体としては、下記一般式〔6〕〜〔8〕で表される電子伝達化合物が挙げられる。
Figure 2007122857
(式中、Ar17、Ar18、Ar19、Ar21、Ar22及びAr25は、それぞれ置換基を有する若しくは有しないアリール基を示し、Ar17とAr18、Ar19とAr21、Ar22とAr25は、たがいに同一でも異なっていてもよい。Ar20、Ar23及びAr24は、それぞれ置換基を有する若しくは有しないアリーレン基を示し、Ar23とAr24は、たがいに同一でも異なっていてもよい。)
これら一般式〔6〕〜〔8〕におけるアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基等が挙げられる。また、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基等が挙げられる。そして、これらへの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。この電子伝達化合物は、薄膜形成性の良好なものが好ましく用いられる。そして、これら電子伝達性化合物の具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2007122857
上記式において、Meはメチル基、tBuはt−ブチル基である。
電子注入層又は電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、1〜100nmである。
陽極に最も近い有機層である青色系発光層、正孔輸送層又は正孔注入層は、酸化剤を含有していることが好ましい。発光層、正孔輸送層又は正孔注入層に含有される好ましい酸化剤は、電子吸引性又は電子アクセプターである。好ましくはルイス酸、各種キノン誘導体、ジシアノキノジメタン誘導体、芳香族アミンとルイス酸で形成された塩類である。特に好ましいルイス酸は、塩化鉄、塩化アンチモン、塩化アルミニウム等である。
陰極に最も近い有機層である黄色〜赤色系発光層、電子輸送層又は電子注入層は、還元剤を含有していることが好ましい。好ましい還元剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、アルカリ金属と芳香族化合物で形成される錯体である。特に好ましいアルカリ金属はCs、Li、Na、Kである。
(h)無機化合物層
陽極及び/又は陰極に接して無機化合物層を有していてもよい。無機化合物層は、付着改善層として機能する。無機化合物層に使用される好ましい無機化合物としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、C等各種酸化物、窒化物、酸化窒化物である。特に陽極に接する層の成分としては、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、Cが安定な注入界面層を形成して好ましい。また、特に陰極に接する層の成分としては、LiF、MgF、CaF、MgF、NaFが好ましい。無機化合物層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、0.1nm〜100nmである。
発光層を含む各有機層及び無機化合物層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の公知の方法を適用することができる。また、得られる有機EL素子の特性が均一となり、また、製造時間が短縮できることから、電子注入層と発光層とは同一方法で形成することが好ましく、例えば、電子注入層を蒸着法で製膜する場合には、発光層も蒸着法で製膜することが好ましい。
(i)電子注入層
また、有機発光媒体における電子注入層には、1×10〜1×10V/cmの範囲の電圧を印加した場合に測定される電子移動度が、1×10−6cm/V・秒以上であって、イオン化エネルギーが5.5eVを超える化合物を使用することが好ましい。このような電子注入層を設けることにより、有機発光層への電子注入が良好となり、高い発光輝度が得られたり、あるいは、低電圧駆動が可能となる。このような電子注入層の構成材料としては、具体的に、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体(Alキレート:Alq)、又はその誘導体、あるいは、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
(j)付着改善層
また、有機発光媒体における付着改善層は、かかる電子注入層の一形態とみなすことができ、即ち、電子注入層のうち、特に陰極との接着性が良好な材料からなる層であり、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体又はその誘導体等から構成することが好ましい。尚、上述した電子注入層に接して、導電率が1×10−10S/cm以上の有機半導体層を設けることも好ましい。このような有機半導体層を設けることにより、さらに有機発光層への電子注入性が良好となる。
また、有機発光媒体の厚さについては、好ましくは5nm〜5μmの範囲内で設定することができる。この理由は、有機発光媒体の厚さが5nm未満となると、発光輝度や耐久性が低下する場合があり、一方、有機発光媒体の厚さが5μmを超えると、印加電圧の値が高くなる場合があるためである。従って、有機発光層の厚さを10nm〜3μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20nm〜1μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)第一又は第二電極
第一又は第二の電極を陽極として用いる場合には、正孔注入に必要とされる仕事関数を満たす金属が用いられる。仕事関数の値としては4.6eV以上が望ましく、具体的には、金、銀、銅、イリジウム、モリブデン、ニオブ、ニッケル、オスミウム、パラジウム、白金、ルテニウム、タンタル、タングステン又はアルミニウム等の金属やそれらの合金、インジウム及び/又はスズの酸化物(ITOと以下略す)、インジウム及び/又は亜鉛の酸化物(IZOと以下略す)等の金属酸化物、ヨウ化銅、ポリピロール、ポリアニリン、ポリ(3−メチルチオフェン)等の導電性高分子、及びこれらの積層体が挙げられる。
また、第二又は第一の電極を陰極として用いる場合には、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム/リチウム合金、インジウム、希土類金属等の1種又は2種以上が挙げられる。
各電極の膜厚は、5〜1000nm、好ましくは10〜500nmの範囲とする。また、低仕事関数層については、1〜100nm、好ましくは5〜50nmの範囲、より好ましくは5〜30nmの範囲で設定される。それぞれについて、上限の膜厚を越えると、有機発光層からの発光を効率よく取出すという観点で好ましくない。また、下限の膜厚未満では、導電性が著しく低下するので、好ましくない。
有機EL素子の各層の形成方法は、従来公知の方法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。
2.支持基板
本発明の発光装置における基板(支持基板と称する場合がある。)は、発光素子や、蛍光体層を支持するための部材であり、そのため機械的強度や、寸法安定性に優れていることが好ましい。
このような基板としては、無機材料からなる基板、例えば、ガラス板、金属板、セラミックス板等が挙げられるが、好ましい無機材料としては、ガラス材料、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化鉛、酸化ナトリウム、酸化ジルコニア、酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化硼素、窒化シリコン、ソ−ダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス等を挙げることができる。
また、基板を構成する好ましい有機材料としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコ−ン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シアネ−ト樹脂、メラミン樹脂、マレイン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアセタ−ル樹脂、セルロ−ス樹脂等を挙げることができる。
また、これらの材料からなる基板は、有機EL表示装置内への水分の侵入を避けるために、さらに無機膜を形成したり、フッ素樹脂を塗布したりして、防湿処理や疎水性処理を施してあることが好ましい。
特にポリマー等の有機材料を用いる時に効果的である。
また、有機発光媒体への水分の侵入を避けるために、基板における含水率及びガス透過係数を小さくすることが好ましい。具体的に、支持基板の含水率を0.0001重量%以下の値及びガス透過係数を1×10−13cc・cm/cm・sec.cmHg以下の値とすることがそれぞれ好ましい。
尚、基板を介してEL発光を取り出す場合には(封止用部材として用いる場合も含む)、例えば、上述した基板材料の中でも、特に波長400〜700nmにおいて、光透過率が70%以上である基板材料を使用することが好ましい。
3.蛍光媒体
蛍光媒体は、有機EL素子からの光を受けてより長波長の光(蛍光)を発するものである。
蛍光媒体は、蛍光体又は、蛍光体及びマトリクス樹脂を含む。
蛍光体は、無機蛍光体と有機蛍光体が挙げられる。
(1)無機蛍光体
無機蛍光体には、金属化合物等の無機化合物からなり、可視光を吸収し、吸収した光よりも長い蛍光を発するもの用いることができる。特に透明性が高く、散乱損失の小さいナノクリスタル蛍光体が好ましい。このようなナノクリスタル蛍光体表面には、後述するマトリクス樹脂への分散性向上のため、例えば、長鎖アルキル基や燐酸等の有機物で表面を修飾してあってもよい。
具体的には、以下のナノクリスタル蛍光体を用いることができる。
(a)金属酸化物に遷移金属イオンをドープしたナノクリスタル蛍光体
金属酸化物に遷移金属イオンをドープしたナノクリスタル蛍光体としては、Y、Gd、ZnO、YAl12、ZnSiO等の金属酸化物に、Eu2+、Eu3+、Ce3+、Tb3+等の、可視光を吸収する遷移金属イオンをドープしたものが挙げられる。
(b)金属カルコゲナイド物に遷移金属イオンをドープしたナノクリスタル蛍光体
金属カルコゲナイド物に遷移金属イオンをドープしたナノクリスタル蛍光体としては、ZnS、CdS、CdSe等の金属カルコゲナイド化物に、Eu2+、Eu3+、Ce3+、Tb3+等の可視光を吸収する遷移金属イオンをドープしたものが挙げられる。SやSe等が、後述するマトリクス樹脂の反応成分により引き抜かれることを防止するため、シリカ等の金属酸化物や有機物等で表面修飾してもよい。
(c)半導体のバンドギャップを利用し、可視光を吸収、発光するナノクリスタル蛍光体(半導体ナノクリスタル)
半導体ナノクリスタルは、例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、InP等が挙げられる。これらは、特表2002−510866号公報等の文献で知られているように、粒径をナノサイズ化することにより、バンドギャップを制御し、その結果、吸収−蛍光波長を変えることができる。SやSe等が、後述するマトリクス樹脂の反応成分により引き抜かれることを防止するため、シリカ等の金属酸化物や有機物等で表面修飾してもよい。
例えば、CdSeナノクリスタル蛍光体の表面を、ZnSのような、よりバンドギャップエネルギーの高い半導体材料のシェルで被覆してもよい。これにより中心微粒子内に発生する電子の閉じ込め効果を発現しやすくなる。
尚、上記のナノクリスタル蛍光体は、一種単独で使用してもよく、また、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
このような半導体ナノクリスタルは、吸収係数が大きく、蛍光効率が高い。そのため、蛍光媒体を薄膜化することが可能であり、蛍光媒体上の発光素子の歪を小さくすることができる。そのため、欠陥の少ない発光装置が得られる。
(2)有機蛍光体
有機蛍光体としては、具体的には、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン(以下Bis−MSB)、トランス−4,4’−ジフェニルスチルベン(以下DPS)等のスチルベン系色素、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン(以下クマリン4)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフロルメチルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン(以下クマリン153)、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(以下クマリン6)、3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(以下クマリン7)等のクマリン系色素、ベーシックイエロー51等のクマリン色素系染料、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等のナフタルイミド色素、ペリレン系色素を挙げることができる。
また、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン(以下DCM)等のシアニン系色素、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジニウム−パークロレート(以下ピリジン1)等のピリジン系色素、ローダミンB、ローダミン6G等のローダミン系色素、オキサジン系色素も使用できる。
さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料等)も蛍光性があれば選択することが可能である。
尚、上記の蛍光色素をポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の顔料樹脂中に、あらかじめ練りこんで顔料化したものでもよい。
また、これらの蛍光色素又は顔料は、必要に応じて、単独又は混合して用いてもよい。
本発明の発光装置の蛍光媒体として使用する場合、特に、ペリレン系色素を含むことが好ましい。ペリレン系色素は蛍光性が高く、高光耐久性の色素であり、しかも、分子内に反応性の高い不飽和結合を有していない。このため、マトリクス樹脂等の周囲から受ける影響が小さいので、発光装置の不均一な劣化(焼き付き)を抑制できる。その結果、高変換効率で、高耐久性の蛍光媒体が得られる。
ペリレン系色素の具体例としては、下記式(I)〜(III)の化合物が挙げられる。
Figure 2007122857
(式中、R〜Rは、各々、水素、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基のいずれかであり、置換されていてもよい。R〜Rは、フェニル基、ヘテロ芳香族基、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基のいずれかであり、置換されていても良い。R、R10は、各々、水素、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基のいずれかであり、置換されていてもよい。R11〜R14は、各々、水素、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基のいずれかであり、置換されていてもよい。)
(3)マトリクス樹脂
マトリクス樹脂は、蛍光体を分散する樹脂であり、非硬化型樹脂、熱硬化型樹脂又は光硬化型樹脂を用いることができる。具体的には、オリゴマー又はポリマー形態のメラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド系樹脂、又はポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロール等及びこれらを形成するモノマーを構成成分とする共重合体が挙げられる。
さらに、光硬化型樹脂を使用することができる。光硬化型樹脂としては、通常感光剤を含む反応性ビニル基を有するアクリル酸、メタクリル酸系の光重合型や、ポリケイ皮酸ビニル等の光架橋型等が用いられる。尚、感光剤を含まない場合は、熱硬化型のものを用いてもよい。
これらのマトリクス樹脂は、一種類の樹脂を単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
蛍光媒体の作製は、蛍光体とマトリクス樹脂を、ミル法や超音波分散法等の公知の方法を用いて、混合・分散した分散液を使用することによって行う。この際、マトリクス樹脂にとっての良溶媒を用いることができる。この分散液を、公知の成膜方法、例えば、フォトリソグラフィー法と、スクリーン印刷法、インクジェット法等によって、支持基板上に蛍光媒体を作製する。
蛍光媒体の厚さは、0.1μm〜1mm、好ましくは、0.5μm〜500μm、より好ましくは、1μm〜100μm、である。
蛍光体の材質、粒径及びマトリクス樹脂との配合比は、有機EL素子の発光に応じて、種々最適化される。
4.透明バリア層
発光素子、特に有機EL素子への、水分、酸素、モノマー等の低分子有機成分の侵入による、劣化を防止するために配置される。好ましくは、無機酸化物、無機窒化物、無機酸窒化物の膜が選ばれる。
具体的には、SiO,SiN,SiO,AlO,TiO,TaO,ZnO,ZrO,CeO,ZrSiO(式中、xは0.1〜2、yは0.5〜1.3を示す)が例示される。
膜厚は、1nm〜10μmが好ましく、10nm〜5μmがより好ましい。
1nm未満であると、バリア性が不十分であり、10μmを超えると内部応力が大きくなり、クラックが生じる恐れがある。
可視光透過率は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%である。
この膜は、電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法にて成膜できる。
5.反射層
可視光反射率の高い層が好ましい。例えば、Ag,Al,Mg,Au,Cu,Fe,In,Ni,Pb,Pt,W,Zn又はそれらを含む合金等の膜が好ましい。特にAg,Al,Mg又はそれらを含む合金の膜の可視光反射率は約80%以上なので、より好ましい。
膜厚は、1nm〜10μmが好ましく、10nm〜5μmがより好ましい。
1nm未満であると、膜の均一性が不十分であり、10μmを超えると内部応力が大きくなり、クラックが生じる恐れがある。
この膜は、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法にて成膜できる。
6.凸部
凸部は、好ましくは、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等の透明な材料からなり、支持基板の材料又は蛍光媒体のマトリクス樹脂材料が選ばれる。
通常、これらの材料を適当な溶媒に分散してインク化し、フォトリソグラフィー法、スクリーン印刷法、インクジェット法等の手段にて支持基板上に凸部の前駆体パターンを形成し、焼成することにより、硬化させ、凸部を形成する。
7.その他
このように得られた発光装置において、光取り出し側の最外部に、光拡散層や輝度向上フィルムを配置して、光取り出し効率を向上させたり、面内発光均一性を一層高めたりすることができる。
[実施例]
製造例1
半導体ナノクリスタル蛍光媒体材料1の調製
酢酸カドミウム二水和物0.5g、テトラデシルホスホン酸(TDPA)1.6gを5mlのトリオクチルホスフィン(TOP)に加えた。窒素雰囲気のもと溶液を230℃に加熱し、1時間撹拌した。60℃まで冷却後、セレン0.2gを含むTOP溶液2mlを加え原料溶液とした。
トリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)10gを三口フラスコにとり、195℃で1時間真空乾燥した。窒素ガスにて大気圧に戻し、窒素雰囲気のまま270℃まで加熱し、系を撹拌しながら上記の原料溶液1.5mlを加えた。反応(コア成長反応)は、反応溶液の蛍光スペクトルを随時確認しながら進行させた。ナノクリスタルが615nmに蛍光ピークを有するところで、反応溶液を60℃まで冷却し反応の進行を停止させた。
ブタノール20mlを加えて半導体ナノクリスタル(コア)を沈殿させ、遠心分離により分離して減圧乾燥した。
TOPO5gを三口フラスコにとり、195℃で1時間真空乾燥した。窒素ガスにて大気圧に戻し、窒素雰囲気のまま60℃まで冷却してTOP0.5ml及びヘキサン0.5mlに懸濁させた上記半導体ナノクリスタル(コア)0.05gを加えた。減圧下、100℃で1時間撹拌した後、160℃に昇温し窒素ガスにて大気圧に戻した(溶液A)。
別途調製した溶液B(ジエチル亜鉛の1N濃度n−ヘキサン溶液0.7mlとビス(トリメチルシリル)スルフィド0.13gをTOP3mlに溶解した)を30分かけて160℃に保った溶液Aに滴下した。90℃に降温しさらに2時間撹拌を続けた。60℃に降温しブタノール20mlを加えて半導体ナノクリスタル(コア:CdSe/シェル:ZnS)を沈殿させ、遠心分離により分離して減圧乾燥した。
次に、得られた半導体ナノクリスタルを、マトリクス樹脂として、ウレタン系熱硬化型樹脂(十条ケミカル製MIG2500)に分散させ、半導体ナノクリスタルの対固形分濃度が9wt%(体積比率2vol%)になるように分散し、半導体ナノクリスタル:(CdSe)ZnSを用いた赤色蛍光媒体材料1を調製した。
製造例2
半導体ナノクリスタル蛍光媒体材料2の調製
リン化インジウム(InP)半導体ナノクリスタルを合成するために、アルゴン気流下約200℃で、HPA0.5g(3mmol)及びTOPO3.5gに、新しいIn(OH)0.02g(0.1mmol)を溶解させた。続いて、溶液を120〜130℃まで冷却し、反応系にアルゴンを流し込み、20から30分間減圧した後、さらにアルゴンを10から15分間流した。反応系に吸収されたすべての水と酸素を除去するために、このアルゴン気流と減圧の手順を3回繰り返した。反応混合物を300℃まで加熱した後、P(TMS)0.0277g(0.1mmol)、TOP1.8g、及びトルエン0.2gを含有するストック溶液2gを注入した。ナノクリスタルを成長させるために、反応混合物を250℃に冷却した。ナノクリスタルが所望の粒径に到達した後、マントルヒーターを迅速に取り外して反応溶媒を冷却し、反応を停止させた。溶液の温度が80℃未満になってから、メタノール10mlを加えて反応混合物からナノクリスタルを沈殿させた。沈殿物を遠心分離とデカンテーションで分離した。ナノクリスタルは沈殿物としての保存、又は減圧乾燥を行った。この反応を使用したナノクリスタルの粒径分布は広く、標準偏差は20%を超える。
次に、得られた半導体ナノクリスタルを、マトリクス樹脂として、ウレタン系熱硬化型樹脂(十条ケミカル製MIG2500)に分散させ、半導体ナノクリスタルの対固形分濃度が9wt%(体積比率2vol%)になるように分散し、半導体ナノクリスタル:InPを用いた蛍光媒体材料2を調製した。
製造例3
有機蛍光体(ペリレン系色素)を用いた蛍光媒体材料3の調製
ペリレン系色素として、下記式(Ia)に示す化合物0.3wt%(対固形分)、下記式(IIa)に示す化合物0.6wt%(対固形分)、及び下記式(IIIa)に示す化合物0.6wt%(対固形分)を、それぞれ製造例1と同じマトリクス樹脂に溶解させ、ペリレン系色素を用いた蛍光媒体材料3を調製した。
Figure 2007122857
製造例4
有機蛍光体(ペリレン系色素)を用いた蛍光媒体材料4の調製
式(IIa)に示す化合物を0.6wt%(対固形分)を、製造例1と同じマトリクス樹脂に溶解させ、ペリレン系色素を用いた蛍光媒体材料4を調製した。
実施例1
100mm×100mm×1.1mm厚の青板ガラス基板(ジオマティック社製)上に、製造例1で調製した蛍光媒体材料1を、30μmライン、10μmギャップのストライプパターン版にて、スクリーン印刷して、80℃で乾燥後、180℃で硬化させた。180℃処理を行うことにより、蛍光媒体が流れて、図13(a)に示す断面形状を有する蛍光媒体パターンが形成された。
次に、この基板をスパッタリング装置に移動し、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)層を約2000Åの膜厚で全面に形成した。IZOは非晶質であり、緻密な膜となるので、蛍光媒体からの水分等のデガスを十分遮断する。
次に、イソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行った後、UVオゾン洗浄を30分間行った。
まずIZO電極上に正孔注入層として機能するHI膜を膜厚25nmで蒸着した。HI膜の成膜に続けて、正孔輸送層として機能するHT膜を膜厚10nmで蒸着した。HT膜の成膜に続けて、青色発光層として、化合物BHと化合物BDを10:0.5の膜厚比になるように膜厚10nmで共蒸着した。次に、緑色発光層として、化合物BHと化合物GDを10:0.8の膜厚比になるように膜厚10nmで共蒸着した。この膜上に電子輸送層として膜厚10nmのトリス(8−キノリノール)アルミニウム膜(以下「Alq膜」と略記する。)を成膜した。この後LiFを電子注入層として1nm蒸着し、さらにAlを陰極として150nm蒸着し、青緑発光の有機EL素子を積層した。この青緑発光有機EL素子の発光スペクトルを測定したところ、青領域457nmと、緑領域528nmに発光ピークを有した。
さらに、この有機EL素子上に、0.3mm厚のガラス基板(前出)を接着材にて貼り付けて、有機EL素子を封止して、発光装置を得た(図13(a)、封止材は図示されていない)。
次に、この装置のIZO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(IZO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01以内であった。
実施例2
実施例1において、製造例1で調製した蛍光媒体材料1を、30μmライン、30μmギャップのストライプパターン版を用いたこと以外は同様に、図13(c)に示すパターンを有する(封止材は図示されていない)発光装置を得た。
次に、この装置のIZO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(IZO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01以内であった。
実施例3
実施例1において、製造例2で調製した蛍光媒体材料2を用いたこと以外は同様に、図13(a)に示すパターンを有する(封止材は図示されていない)発光装置を得た。
次に、この装置のIZO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(IZO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01以内であった。
実施例4
実施例1において、製造例3で調製した蛍光媒体材料3を用いたこと以外は同様に、図13(a)に示すパターンを有する(封止材は図示されていない)発光装置を得た。
次に、この装置のIZO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(IZO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01以内であった。
実施例5
実施例1において、製造例3で調製した蛍光媒体材料3を用い、有機EL素子の発光層として、化合物BHと化合物BDを10:0.5の膜厚比になるように膜厚10nmで共蒸着して、青領域457nmに発光ピークを有する有機EL素子としたこと以外は同様に、図13(a)に示すパターンを有する(封止材は図示されていない)の発光装置を得た。
次に、この装置のIZO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(IZO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01以内であった。
実施例6
実施例1において、製造例4で調製した蛍光媒体材料4を用い、有機EL素子の発光層として、青色発光層に、化合物BHと化合物BDを10:0.5の膜厚比になるように膜厚10nmで共蒸着して、次に、赤色発光層として、化合物BHと化合物RDを20:3の膜厚比になるように膜厚20nmで共蒸着して、青領域457nmと、赤領域615nmに発光ピークをする有機EL素子としたこと以外は同様に、図13(c)に示すパターンを有する(封止材は図示されていない)発光装置を得た。
次に、この装置のIZO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(IZO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01以内であった。
実施例7
実施例1において、2000Å膜厚のAl膜を成膜した100mm×100mm×1.1mm厚の青板ガラス基板(ジオマティック社製)を用い、IZOを陰極に用い、さらに、SiON膜にて封止したこと以外は同様に図13(a)に示すパターン(封止材は図示されていない)であって、トップエミッション型の発光装置を得た。
次に、この装置のIZO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(下部IZO電極:(+)、上部IZO電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01以内であった。
実施例8
実施例1において、製造例1で調製した蛍光媒体材料1を、30μmライン、30μmギャップのストライプパターン版を用いて、支持基板上に、図13(c)に示すパターンを有する蛍光媒体を形成した。
次に、蛍光媒体上と、蛍光媒体を形成した支持基板面以外の支持基板を市販のフォトレジストで覆い、フッ酸処理し、蛍光媒体パターンのギャップに凹状のくぼみを形成した。
フォトレジストを有機アルカリ(エタノールアミン)処理にて除去後、実施例1と同様に、IZO成膜、有機EL形成、封止を行って、図13(d)の(封止材は図示されていない)発光装置を得た。
次に、この装置のIZO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(IZO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01以内であった。
実施例9
実施例1において、製造例1で調製した蛍光媒体材料1を、30μmライン、30μmギャップのストライプパターン版を用いて、支持基板上に、図13(c)に示すパターンを有する蛍光媒体を形成した。
次に、蛍光媒体パターンのギャップに、ウレタン系熱硬化型樹脂(十条ケミカル製MIG2500)インクを用いて、30μmライン、30μmギャップのストライプパターン版にて、スクリーン印刷して、80℃で乾燥後、180℃で硬化させ、蛍光媒体のギャップに透明な凸部を形成した。以下、実施例1と同様に、IZO成膜、有機EL形成、封止を行って、図13(e)の(封止材は図示されていない)発光装置を得た。
次に、この装置のIZO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(IZO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01以内であった。
比較例1
実施例1において、蛍光媒体材料をスピンコートして、平坦な蛍光媒体とし、陽極として、2000Å膜厚のITO電極(結晶質)を用いたこと以外は同様に発光装置を得た。
次に、この装置のITO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(ITO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
ここで、正面色度と斜め45°から、それぞれ色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて測定したところ、見たCIE色度の違いは、0.01を超え、発光の均一性は、実施例に劣った。これは、有機EL発光素子の発光のスペクトルと、蛍光媒体を透過する有機EL素子光の透過強度が、角度によって異なるためと考えられる。
さらに、白色発光輝度は、実施例1の80%程度であった。これは、実施例1よりも、有機EL素子の発光面積が小さいためと考えられる。
さらに、発光素子には、水分等の影響によるダークスポットが多かった。ITO膜(結晶質)のバリア性がIZO(非晶質)よりも悪いことがわかった。
Figure 2007122857
製造例5(赤色蛍光材料1の調製)
酢酸カドミウム二水和物(0.5g)、テトラデシルホスホン酸(TDPA)(1.6g)を5mlのトリオクチルホスフィン(TOP)に加えた。窒素雰囲気のもと溶液を230℃に加熱し、1時間撹拌した。60℃まで冷却後、セレン0.2gを含むTOP溶液2mlを加え原料溶液とした。
トリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)(10g)を三口フラスコにとり、195℃で1時間真空乾燥した。窒素ガスにて大気圧に戻し、窒素雰囲気のまま270℃まで加熱し、系を撹拌しながら前記原料溶液1.5mlを加えた。反応(コア成長反応)は、反応溶液の蛍光スペクトルを随時確認しながら進行させた。ナノクリスタルが615nmに蛍光ピークを有するところで、反応溶液を60℃まで冷却し反応の進行を停止させた。ブタノール20mlを加えて半導体ナノクリスタル(コア)を沈殿させ、遠心分離により分離して減圧乾燥した。
TOPO(5g)を三口フラスコにとり、195℃で1時間真空乾燥した。窒素ガスにて大気圧に戻し、窒素雰囲気のまま60℃まで冷却してTOP(0.5ml)及び0.5mlのヘキサンに懸濁させた上記半導体ナノクリスタル(コア)(0.05g)を加えた。減圧下、100℃で1時間撹拌した後、160℃に昇温し窒素ガスにて大気圧に戻した(溶液A)。
別途調製した溶液B(ジエチル亜鉛の1N濃度n−ヘキサン溶液0.7mlとビス(トリメチルシリル)スルフィド(0.13g)をTOP3mlに溶解した)を30分かけて160℃に保った溶液Aに滴下した。90℃に降温しさらに2時間撹拌を続けた。60℃に降温しブタノール20mlを加えて半導体ナノクリスタル(コア:CdSe/シェル:ZnS)を沈殿させ、遠心分離により分離して減圧乾燥した。
次に、得られた半導体ナノクリスタルを、マトリクス樹脂として、アクリル系ネガ型紫外線熱硬化性樹脂(新日鉄化学製V259)に分散させ、半導体ナノクリスタルの対固形分濃度が9wt%(体積比率2vol%)になるように分散し、半導体ナノクリスタル:(CdSe)ZnSを用いた赤色蛍光材料1を調製した。
製造例6(赤色蛍光材料2の調製)
製造例5において、マトリクス樹脂をウレタン系熱硬化樹脂(十条ケミカル製MIG2500)とした以外は同じ方法にて赤色蛍光材料2を調製した。
製造例7(緑色蛍光材料3の調製)
製造例5において、ナノクリスタルが530nmに蛍光ピークを有するところまでコア成長反応を行なった以外は、同じ製造法にて半導体ナノクリスタル(コア:CdSe/シェル:ZnS)を合成し、緑色蛍光材料3を得た。
製造例8(緑色蛍光材料4の調製)
製造例6において、ナノクリスタルが530nmに蛍光ピークを有するところまでコア成長反応を行なった以外は、同じ製造法にて半導体ナノクリスタル(コア:CdSe/シェル:ZnS)を合成し、緑色蛍光材料4を得た。
実施例10
25mm×75mm×0.7mm厚の青板ガラス基板上に、製造例5で得られた赤色蛍光材料1を、100μm角内に外周15μm幅の枠を残し70μm角の開口部が得られるように、フォトマスクを介して露光/現像処理を行い、180℃で加熱して硬化させ膜厚5μmの蛍光変換部を作製した。その後、スクリーンパターン版を用いて、70μmの開口部にウレタン系熱硬化型樹脂(十条ケミカル製MIG2500)を印刷した。80℃で乾燥後、180℃で熱処理を行うことにより、樹脂が流れて、図21のような断面形状を有する中央部膜厚10μm樹脂パターンが形成された。
次に、この基板をスパッタリング装置に移動し、ITO(インジウム−錫酸化物)層を約2000Åの膜厚で全面に形成した。この上にポジ型レジスト(HPR204:富士フィルムアーチ製)をスピンコートし、樹脂パターン部のみITOが残るように、フォトマスクを介して、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像し、130℃でベークし、レジストパターンを得た。次に、47%臭化水素酸からなるITOエッチャントにて、露出している部分のITOをエッチングした。次に、レジストをエタノールアミンを主成分とする剥離液(N303:長瀬産業製)で処理して、ITOパターン(下部透明電極:陽極)を得た。
次に、イソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行った後、UVオゾン洗浄を30分間行った。
まず正孔注入層として機能するHI膜を膜厚25nmで蒸着した。HI膜の成膜に続けて、正孔輸送層として機能するHT膜を膜厚10nmで蒸着した。HT膜の成膜に続けて、青色発光層として、化合物BHと化合物BDを10:0.5の膜厚比になるように膜厚10nmで共蒸着した。次に、緑色発光層として、化合物BHと化合物GDを10:0.8の膜厚比になるように膜厚10nmで共蒸着した。この膜上に電子輸送層として膜厚10nmのトリス(8−キノリノール)アルミニウム膜(以下「Alq膜」と略記する。)を成膜した。この後LiFを電子注入層として1nm蒸着し、さらにAlを陰極(上部反射電極)として150nm蒸着し、青緑発光の有機EL素子を積層した。この青緑発光有機EL素子を別途単独にガラス基板上に作製し、発光スペクトルを測定したところ、青領域457nmと、緑領域528nmに発光ピークを有した。
さらに、この有機EL素子上に、0.3mm厚のガラス基板(前出)を接着材にて貼り付けて、有機EL素子を封止して、有機EL発光装置を得た(図20(a)、封止部は図示せず)。
次に、この装置のITO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(ITO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて、各実施例の正面輝度及び色度を基準にして、色度のずれ及び輝度の相対値を表1に示す。
比較例2
実施例10において、発光素子部を作製する前に突起形状の樹脂パターンを作製しなかったこと以外は実施例10と同じ方法にて有機EL発光装置を作製した。実施例10と同様に有機EL発光装置の色度及び輝度を評価した。結果を表1に示す。表1の結果から、実施例10と比較して、視野角により、色度及び輝度が変化していることがわかった。
実施例11
25mm×75mm×0.7mm厚の青板ガラス基板(ジオマティック社製)上に、ウレタン系熱硬化型樹脂(十条ケミカル製MIG2500)を、70μm角形状に、100μmピッチのスクリーン版を用いて印刷した。80℃で乾燥後、180℃で熱処理を行い形状を整えた。その後、全面にスパッタリングにより、Alを100nm成膜した。
その後、製造例7による調製した緑色蛍光材料3を用いて、実施例10と同様のフォトマスクを使って、露光/現像を行い蛍光変換部を作製した。
次に、有機EL蒸着装置とITO成膜用イオンプレーティング装置チャンバーが連結したクラスタ型の成膜装置を用いて成膜した。有機EL発光装置の各層については、実施例10と同じように真空蒸着にて各層を成膜した。但し、本実施例では、緑色発光層の代わりに、赤色発光層として化合物BHと化合物RDを20:3の膜厚比となるように膜厚20nmで共蒸着し、青赤色発光素子を作製した。また、Al電極の代わりにMg:Ag(9:1組成)金属を10nm蒸着した。その後、真空一貫にて、イオンプレーティングチャンバーに基板を移動し、ITOを成膜した。さらに封止膜としてSiON膜を同じチャンバーにてイオンプレート源を変更することにより成膜し、トップエミッション型の有機EL発光装置を得た(図20(b)、封止部は図示せず)。尚、この青赤発光素子を別途単独にガラス基板上に作製し、発光スペクトルを測定すると、青領域457nm、赤領域615nmに発光ピークを有した。
次に、この装置のITO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(ITO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて正面及び斜め45度から色度及び輝度を測定した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例11において、発光素子部を作製する前の突起形状の樹脂パターンを作製しなかったこと以外は同じ方法にて有機EL発光装置を作製した。得られた有機EL発光装置について実施例11と同様に色度と輝度を評価した。結果を表1に示す。表1の結果から、実施例11と比較して視野角により色度及び輝度が変化していることがわかった。
実施例12
25mm×75mm×0.7mm厚の青板ガラス基板上に、製造例6により得られた赤色蛍光材料2を、素子作製領域全面に塗布し、80℃で乾燥後、180℃で熱硬化させた。その後、同じ材料を用いて、70μm角形状に、100μmピッチのスクリーン版を用いて印刷した。80℃で乾燥後、180℃で熱処理を行い、突起形状を整えた。
その後は実施例10と同じ方法で有機EL発光装置を作製した(図20(c)、封止部は図示せず)。
次に、この装置のITO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(ITO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて正面及び斜め45度から色度及び輝度を測定した。結果を表1に示す。
比較例4
実施例12において、発光素子部を作製する前の突起形状の蛍光樹脂パターンを作製しなかったこと以外は同じ方法にて有機EL発光装置を作製した。得られた有機EL発光素子について実施例12と同様に色度及び輝度の評価を行った。結果を表1に示す。表1の結果から、実施例12と比べて視野角により色度及び輝度が変化していることがわかった。
実施例13
25mm×75mm×100μm厚のポリイミドシート上に、製造例8で得られた緑色蛍光材料4を、素子作製領域全面に塗布し、80℃にて乾燥後、180℃にて熱硬化させた。その後、100μm角内の外周15μm幅の枠形状に70μm角形状に、同じ材料を用いてスクリーン版を用いて印刷した。80℃で乾燥後、180℃で熱処理を行い、枠(土手)を形成した。
その後は実施例10と同じ手順にて枠の内部に発光素子を作製した。その後、窒素置換されたグローブボックスに本発光装置を移動し、転写用基板上に上記発光装置を転写し、有機EL発光装置を作製した(図20(d)、封止部は図示せず)。転写用基板として、エチレン−エチルアクリレート樹脂8重量%、エチレン酢酸ビニル樹脂8重量%のトルエン溶液を用いて、ガラス基板(25mm×75mm×0.7mm厚)上に塗布し、150℃30分間加熱することにより、溶剤乾燥を行い、熱可塑性樹脂層(2μm)を形成し準備したものを使用した。
次に、この装置のITO電極とAl電極にDC7Vの電圧を印加(ITO電極:(+)、Al電極:(−))したところ、有機EL素子の発光と蛍光媒体の蛍光が混合して、白色発光が得られた。
色彩色差計(CS100、ミノルタ製)にて正面及び斜め45度から色度及び輝度を測定した。結果を表1に示す。表1の結果から、比較例2と比べて、視野角依存性が低減し、光取出し効率が向上したことがわかった。
比較例5
実施例13において、発光素子部を作製する前の突起形状の蛍光樹脂パターンを作製しなかったこと以外は同じ方法にて有機EL発光装置を作製した。実施例13と同様に有機EL発光装置の色度及び輝度の評価を行った。結果を表1に示す。表1の結果より、視野角により、色度及び輝度が変化したことがわかった。
実施例14
実施例11に従って発光素子を作製し、さらにその上部に連続しての発光素子を作製し、トップエミッション型の発光装置を作製した。
実施例15
実施例11に従って有機EL発光装置を作製した。発光素子を作製する際、最終工程の上部電極(ITO)を成膜する際に、隣の発光素子の下部電極と接続できるように、あらかじめ下部電極のパターニングと有機層のマスキングを変更した。横方向は図20(b)に示し、縦方向は図22に示す。
Figure 2007122857
本発明の発光装置は、一般照明、(液晶用)バックライトの光源として利用できる。

Claims (28)

  1. 支持基板上に、蛍光媒体と、前記蛍光媒体を被覆する発光素子とを有し、
    前記発光素子は互いに平行でない2以上の発光面を有し、
    前記発光素子から発する光と、前記蛍光媒体が発する光を、混合して発する発光装置。
  2. 前記互いに平行でない2以上の発光面から発する、発光面に対して法線方向の光が蛍光媒体を透過するときに、蛍光媒体内の透過距離が略等しい請求項1記載の発光装置。
  3. 前記蛍光媒体が、凸状である請求項1又は2記載の発光装置。
  4. 前記発光素子の一部が前記蛍光媒体を被覆し、一部が被覆しない請求項1〜3のいずれか一項記載の発光装置。
  5. さらに支持基板に凸状部又は凹状部が設けられ、
    前記蛍光媒体を被覆しない発光素子が、前記凸状部又は凹状部の上に、形成されている請求項4記載の発光装置。
  6. さらに支持基板上に凸状部を有し、
    前記蛍光媒体が、前記凸状部の上に、略均一の厚みで形成されている請求項1〜5のいずれか一項記載の発光装置。
  7. さらに、前記発光素子と前記蛍光媒体の間に透明バリア層を有する請求項1〜6のいずれか一項記載の発光装置。
  8. 前記発光素子の透明電極が、透明バリア層として機能する請求項1〜7のいずれか一項記載の発光装置。
  9. 支持基板上に凹状部が設けられ、
    前記発光素子及び蛍光媒体が、前記凹状部に形成されている請求項1〜8のいずれか一項記載の発光装置。
  10. 前記発光素子から発する光及び前記蛍光媒体から発する光が、支持基板側から取り出される請求項1〜9のいずれか一項記載の発光装置。
  11. 前記発光素子から発する光及び前記蛍光媒体から発する光が、支持基板の反対側から取り出される請求項1〜9のいずれか一項記載の発光装置。
  12. 前記蛍光媒体が、ナノクリスタル蛍光体を含む請求項1〜11のいずれか一項記載の発光装置。
  13. 前記ナノクリスタル蛍光体が、半導体ナノクルスタルである請求項12記載の発光装置。
  14. 前記発光素子が、有機EL素子である請求項1〜13のいずれか一項記載の発光装置。
  15. 前記発光素子から発する光と前記蛍光媒体から発する光を混合した光が、白色である請求項1〜14のいずれか一項記載の発光装置。
  16. 支持基板上に、互いに平行でない2以上の発光面を有する発光素子と、蛍光媒体を有し、
    前記蛍光媒体が、前記発光素子が発する光を取り出す方向と異なる方向に配置され、
    前記発光素子が発する光と、前記蛍光媒体が発する光を混合して発する発光装置。
  17. 前記発光素子の表面が、凸状である請求項16記載の発光装置。
  18. 前記蛍光媒体の表面が、凸状である請求項16又は17記載の発光装置。
  19. 前記凸状が、半球状である請求項17又は18記載の発光装置。
  20. 前記蛍光媒体が、前記発光素子が発する光を取り出す方向に対して垂直方向に配置されている請求項16〜19のいずれか一項記載の発光装置。
  21. 前記支持基板上に、前記発光素子が2以上並置されていて、
    前記発光素子の間に前記蛍光媒体がある請求項16〜20のいずれか一項記載の発光装置。
  22. 前記蛍光媒体が、前記発光素子を包埋する請求項16〜21のいずれか一項記載の発光装置。
  23. 前記発光素子が、2以上積層されている請求項16〜22のいずれか一項記載の発光装置。
  24. 前記発光素子が発する光と前記蛍光媒体が発する光を、前記支持基板側から取り出す請求項16〜23のいずれか一項記載の発光装置。
  25. 前記発光素子が発する光と前記蛍光媒体が発する光を、前記支持基板の反対側から取り出す請求項16〜23のいずれか一項記載の発光装置。
  26. 前記蛍光媒体が、ナノクリスタル蛍光体を含む請求項16〜25のいずれか一項記載の発光装置。
  27. 前記ナノクリスタル蛍光体が半導体ナノクルスタルである請求項26記載の発光装置。
  28. 前記発光素子が発する光と、蛍光媒体が発する光を、混合した光が白色である請求項16〜27のいずれか一項記載の発光装置。
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