JPWO2007119370A1 - アミノ酸の精製方法 - Google Patents

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Abstract

オルニチンまたはアルギニンを含有する培養液から該アミノ酸を分離、精製する方法において、オルニチンまたはアルギニンおよび微生物の菌体を含む培養液を、粒子径が350μm以上であり、かつオルニチンまたはアルギニンを吸着する能力のある粒子担体を充填したカラムの上部から通塔した後、溶出液を通塔することにより、オルニチンまたはアルギニンを分離、精製することができる。

Description

本発明は、アミノ酸の精製方法に関する。
発酵法によって生産されたオルニチンまたはアルギニンを培養液から分離、精製する方法としては、遠心分離、高分子凝沈剤を用いた凝縮沈殿または限外ろ過等の手段により、微生物の菌体等の固形成分が除去された培養液をイオン交換樹脂に通塔してアミノ酸を樹脂に吸着させた後、該アミノ酸を溶出する方法が知られている(特許文献1など)。しかしながら、該方法ではイオン交換樹脂と培養液とを接触させる前に培養液中から微生物の菌体を除去するという前処理が必須である。
微生物の菌体を含む培養液を、強酸性カチオン交換樹脂が充填されたカラムに上方から通塔してアミノ酸を樹脂に吸着させた後、カラム下方から水を逆送することにより樹脂に付着した菌体を浮遊させカラム上方から該浮遊菌体を取り除き、アミノ酸を溶出させる方法(特許文献2)も知られているが、該方法ではアミノ酸と共に培養液に含まれていた菌体の大部分が樹脂に付着するためアミノ酸の精製効率が悪いという問題がある。
特公昭39−5050号 特公平4−53509号
本発明の目的は、微生物の菌体を含む培養液から簡便かつ効率よく高純度のオルニチンまたはアルギニンを精製する方法を提供することにある。
本発明は以下の(1)〜(3)に関する。
(1)オルニチンまたはアルギニンを含有する培養液から該アミノ酸を分離、精製する方法において、オルニチンまたはアルギニンおよび微生物の菌体を含む培養液を、粒子径が350μm以上であり、かつオルニチンまたはアルギニンを吸着する能力がある粒子担体を充填したカラムの上部から通塔した後、溶出液を通塔することにより、オルニチンまたはアルギニンを分離、精製することを特徴とする方法。
(2)粒子担体が強酸性カチオン交換樹脂である上記(1)の方法。
(3)カラムに通塔する培養液のpHが1〜10であることを特徴とする上記(1)または(2)の方法。
本発明により、容易かつ安価に高純度のアミノ酸を精製することができる。
本発明におけるオルニチンまたはアルギニンおよび微生物の菌体を含む培養液としては、オルニチンまたはアルギニンを生産する能力を有する微生物を培地で培養し、該培地中にオルニチンまたはアルギニンを生成、蓄積させて得られる培養液をあげることができる。
上記した微生物としては、オルニチンまたはアルギニンを生産する能力を有する微生物であればどのようなものでもよく、好ましくは原核生物、より好ましくは細菌をあげることができる。原核生物としては、エシェリヒア(Escherichia)属、セラチア(Serratia)属、バチルス属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、シュードモナス(Pseudomonas)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、アリシクロバチルス属(Alicyclobacillus)、アナベナ(Anabena)属、アナシスティス(Anacystis)属、アスロバクター(Arthrobacter)属、アゾトバクター(Azotobacter)属、クロマチウム(Chromatium)属、エルビニア(Erwinia)属、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属、フォルミディウム(Phormidium)属、ロドバクター(Rhodobacter)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属、ロドスピリウム(Rhodospirillum)属、セネデスムス(Scenedesmus)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、シネコッカス(Synechoccus)属、ザイモモナス(Zymomonas)属等に属する微生物、例えば、エシェリヒア・コリ、バチルス・サチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)、ブレビバクテリウム・イマリオフィルム(Brevibacterium immariophilum)、ブレビバクテリウム・サッカロリティカム(Brevibacterium saccharolyticum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトアシドフィルム(Corynebacterium acetoacidophilum)、ミクロバクテリウム・アンモニアフィルム(Microbacterium ammoniaphilum)、セラチア・フィカリア(Serratia ficaria)、セラチア・フォンチコラ(Serratia fonticola)、セラチア・リケファシエンス(Serratia liquefaciens)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)、アグロバクテリウム・リゾジーンズ(Agrobacterium rhizogenes)、アグロバクテリウム・ルビ(Agrobacterium rubi)、アナベナ・シリンドリカ(Anabaena cylindrica)、アナベナ・ドリオルム(Anabaena doliolum)、アナベナ・フロスアクア(Anabaena flos-aquae)、アースロバクター・オーレッセンス(Arthrobacter aurescens)、アースロバクター・シトレウス(Arthrobacter citreus)、アースロバクター・グロブフォルミス(Arthrobacter globformis)、アースロバクター・ヒドロカーボグルタミカス(Arthrobacter hydrocarboglutamicus)、アースロバクター・ミソレンス(Arthrobacter mysorens)、アースロバクター・ニコチアナ(Arthrobacter nicotianae)、アースロバクター・パラフィネウス(Arthrobacter paraffineus)、アースロバクター・プロトフォルミエ(Arthrobacter protophormiae)、アースロバクター・ロセオパラフィナス(Arthrobacter roseoparaffinus)、アースロバクター・スルフレウス(Arthrobacter sulfureus)、アースロバクター・ウレアファシエンス(Arthrobacter ureafaciens)、クロマチウム・ブデリ(Chromatium buderi)、クロマチウム・テピダム(Chromatium tepidum)、クロマチウム・ビノサム(Chromatium vinosum)、クロマチウム・ワーミンギ(Chromatium warmingii)、クロマチウム・フルビアタティレ(Chromatium fluviatile)、エルビニア・ウレドバラ(Erwinia uredovora)、エルビニア・カロトバラ(Erwinia carotovora)、エルビニア・アナス(Erwinia ananas)、エルビニア・ヘリコラ(Erwinia herbicola)、エルビニア・パンクタタ(Erwinia punctata)、エルビニア・テレウス(Erwinia terreus)、メチロバクテリウム・ロデシアナム(Methylobacterium rhodesianum)、メチロバクテリウム・エクソトルクエンス(Methylobacterium extorquens)、フォルミディウム・エスピー(Phormidium sp.) ATCC29409、ロドバクター・カプスラタス(Rhodobacter capsulatus)、ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)、ロドシュードモナス・ブラスチカ(Rhodopseudomonas blastica)、ロドシュードモナス・マリナ(Rhodopseudomonas marina)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ロドスピリウム・リブラム(Rhodospirillum rubrum)、ロドスピリウム・サレキシゲンス(Rhodospirillum salexigens)、ロドスピリウム・サリナラム(Rhodospirillum salinarum)、ストレプトマイセス・アンボファシエンス(Streptomyces ambofaciens)、ストレプトマイセス・オーレオファシエンス(Streptomyces aureofaciens)、ストレプトマイセス・アウレウス(Streptomyces aureus)、ストレプトマイセス・フンジシディカス(Streptomyces fungicidicus)、ストレプトマイセス・グリセオクロモゲナス(Streptomyces griseochromogenes)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトマイセス・オリボグリセウス(Streptomyces olivogriseus)、ストレプトマイセス・ラメウス(Streptomyces rameus)、ストレプトマイセス・タナシエンシス(Streptomyces tanashiensis)、ストレプトマイセス・ビナセウス(Streptomyces vinaceus)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)等をあげることがでる。
好ましい原核生物としては、エシェリヒア属、セラチア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、シュードモナス属またはストレプトマイセス属等に属する細菌、より好ましくはコリネバクテリウム属に属する細菌をあげることができ、例えば上記したエシェリヒア属、セラチア属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、シュードモナス属またはストレプトマイセス属等に属する種、好ましくはコリネバクテリウム属に属する種をあげることがでる。
より好ましい細菌としてはエシェリヒア・コリ、コリネバクテリウム・グルタミクム、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス、コリネバクテリウム・ラクトファーメンタム、コリネバクテイルム・フラバム、コリネバクテリウム・エフィカシス、バチルス・サチルス、バチルス・メガテリウム、セラチア・マルセッセンス、シュードモナス・プチダ、シュードモナス・エルギノーサ、ストレプトマイセス・セリカラーまたはストレプトミセス・リビダンスをあげることができ、さらに好ましい細菌としてはコリネバクテリウム・グルタミクムをあげることができる。
本発明においてオルニチンまたはアルギニンはL体、DL体、D体およびそれらの混合物のいずれでもよい。
上記した微生物を培養する培地としては、該微生物が資化し得る炭素源、窒素源および無機塩類等を含有し、該微生物の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、該微生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノールなどのアルコール類等を用いることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、ならびに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体およびその消化物等を用いることができる。
無機塩としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
培養は、振盪培養または深部通気攪拌培養などの好気的条件下で行う。培養温度は15〜40℃がよく、培養時間は、通常6時間〜14日間である。培養中のpHは4.0〜10.0に保持することが好ましい。
本発明に用いる粒子担体は、該粒子担体を充填したカラム内において、その粒子間を微生物の細胞、好ましくは原核生物の細胞、より好ましくは細菌の細胞、さらに好ましくはコリネバクテリウム属に属する細菌の細胞、特に好ましくはコリネバクテリウム・グルタミクムの細胞が通過できる程度の空隙ができる粒子径を有する粒子担体であればよく、その粒子径は不均一であってもよい。
該粒子担体としては、粒子径が350μm以上、好ましくは400μm以上、より好ましくは420μm以上、さらに好ましくは500μm以上、最も好ましくは600μm以上の粒子担体をあげることができる。前記した粒子径を有する粒子担体としては、粒子径が不均一な粒子担体を、目開きが0.35mm、0.40mm、0.42mm、0.50mmまたは0.60mmの篩いにかけて取得することができる粒子担体をあげることができる。
また粒子間の空隙が大きいほど微生物の細胞は粒子間を通過しやすいので、本発明で用いられる粒子担体は、粒子径が350μm以上の粒子担体であればその粒子径に特に上限はないが、取扱いの容易性、およびアミノ酸の精製効率がよい担体としては、粒子径2000μm以上の粒子含量が10%以下、好ましくは粒子径1500μm以上の粒子含量が10%以下、さらに好ましくは粒子径1180μm以上の粒子含量が10%以下の担体をあげることができる。
本発明に用いられるオルニチンまたはアルギニンを吸着する能力がある粒子担体は、オルニチンまたはアルギニンと副生アミノ酸、硫酸イオン、塩素イオンおよび色素等の夾雑物とを含む培養液から、それらの吸着性の相違に基づき、オルニチンまたはアルギニンを選択的に分離、精製できる粒子担体であれば特に制限はなく、好ましくは強酸性カチオン交換樹脂をあげることができる。
上記した粒子担体としては、強酸性カチオン交換樹脂である、ダウ・ケミカルズ社製のダウエックスシリーズ(HCR-S、HCR-W2、マラソンC、モノスフィアー650C、MSC-1、モノスフィアー88、50W×2、50W×4および50W×8等)、三菱化学社製のダイヤイオンSKシリーズ(SK1B、SK102、SK104、SK110、SK112およびSK116等)およびダイヤイオンPKシリーズ(PK204、PK208およびPK212等)およびローム・アンド・ハース社製のアンバーライトシリーズ(IR120B、IR122、IR124およびXE-100等)から粒子径を調整して得られる粒子担体をあげることができる。
強酸性カチオン交換樹脂のイオン型は、分離、精製するアミノ酸に応じて適宜選択することができる。
上記の粒子担体の粒子径の調整法としは、該粒子担体を目開きが0.35mm、好ましくは0.40mm、より好ましくは0.42mm、さらに好ましくは0.50mm、最も好ましくは0.60mmの篩で篩い分けし、篩い目を通過しない粒子担体を採取する方法等をあげることができる。上記粒子担体中、マラソンCのように、市販の製品が粒子径350μm以上の粒子からなる担体である場合は粒子径を調整することなく、本発明に使用することができる。
強酸性カチオン交換樹脂は、ゲル型でもポーラス型でもよく、また樹脂の架橋度は特に制限されないが、好ましくは4〜16%、より好ましくは6〜10%の架橋度をあげることができる。
粒子担体が充填されたカラムに通塔する培養液中のオルニチンまたはアルギニンの濃度は特に制限されず、オルニチンまたはアルギニンが溶解している状態であればよい。培養終了後の培地中にオルニチンまたはアルギニンの結晶が析出している場合は、該アミノ酸の結晶を加水、加温もしくは酸を添加することにより溶解した後、または該アミノ酸結晶を分離した培養液を通塔することができる。
カラムに通塔する培養液のpHは、本発明に用いられる粒子担体がオルニチンまたはアルギニンを吸着できるpHであればその範囲は限定されないが、好ましくは1〜10、より好ましくは2〜7、さらに好ましくは2〜4であり、必要に応じて培養液の pHを、塩酸、硫酸、酢酸、リンゴ酸等の無機または有機の酸、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニアなどを用いて上記範囲内に調整することができる。
本発明に用いられるカラムは、通常化学物質の精製に用いられるカラムであればどのようなものでもよい。
本発明で用いられる粒子担体の量は、通塔する培養液のオルニチンまたはアルギニンの濃度、またはpHに応じて適宜設定することができ、例えば該培養液中のオルニチンまたはアルギニン濃度が10%程度である場合、該培養液量の1〜2倍量をあげることができる。
本発明の方法では、オルニチンまたはアルギニンおよび微生物の菌体を含む培養液を、粒子径が350μm以上であり、かつオルニチンまたはアルギニンを吸着する能力を有する粒子担体を充填したカラムの上部、いわゆるカラムベッド上層から通塔する。
通塔速度としては、線速0.3〜10m/hが好ましく、0.5〜7m/hがより好ましい。
培養液の通塔後、必要に応じてカラム上部または下部から水などを通塔することによりカラム内に残留する培養液を押し出し洗浄することができる。
溶出液はカラム上部から好ましくは連続的に通塔し、オルニチンまたはアルギニンを溶出させることにより、オルニチンまたはアルギニンを分離、精製することができる。
本発明で用いられる溶出液としては、粒子担体に結合しているオルニチンまたはアルギニンを溶出することができる溶液であればその種類および濃度には特に制限はないが、例えば濃度が0.2〜6 mol/L、より好ましくは0.5〜3 mol/Lのアンモニア水溶液、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ性水溶液をあげることができる。
溶出液の通塔速度としては、線速0.3〜10m/hが好ましく、0.5〜7m/hがより好ましい。
上記で分離、精製したオルニチンまたはアルギニンは、さらに脱色、濃縮および晶析等の手段により精製することができる。
オルニチンまたはアルギニンを溶出した後のカラム内の粒子担体は、カラム上部から水等の適当な溶媒を通塔してカラム内部の溶出液を押し出すことにより再生することができる。粒子担体として強酸性カチオン交換樹脂を用いた場合、水を通塔することにより、カラム内部の溶出液を押し出すだけで、特別の樹脂再生操作を行うことなく、繰返して本発明の方法に使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
L-アルギニンの精製
L-アルギニン 50g/lおよびコリネバクテリウム属に属する微生物を湿菌体重量で2160gを含む培養液24L を硫酸でpH3.0に調整した後、篩い分けにより粒子径420μm未満の粒子を除いたSK-1B(三菱化学社製。アンモニア型)12Lを充填したカラム(充填高さ6m)に30℃、線速6m/hでカラム上方から通塔することによりL-アルギニンを吸着させた。次に10Lの水を上方から通塔することによりカラム中に残存する培養液を押し出した。この時点における菌体除去率は90%であった。カラム下方から水を通塔することによりカラムを洗浄した後、2mol/Lのアンモニア水溶液でL-アルギニンを溶出し、溶出画分30Lを得た。
得られた溶出画分を6Lまで濃縮し、アンモニアを除去した。濃縮液に活性炭120gを添加して、30分間攪拌することにより脱色、ろ過を行った後、1.5Lまで濃縮することによりL-アルギニン結晶スラリーを取得した。
バスケット型分離機を用いて該結晶スラリーから結晶を分離後、該結晶を水で洗浄し、乾燥した。その結果、600gのL-アルギニン結晶(収率50%、純度99%、菌体の混入なし)を取得した。
L-オルニチンの精製(1)
L-オルニチン 50g/lおよびコリネバクテリウム属に属する微生物を湿菌体重量で1320gを含む培養液24L を硫酸でpH3.0に調整し、篩い分けにより粒子径420μm未満の粒子を除いたSK-1B(アンモニア型)12Lを充填したカラム(充填高さ6m)に30℃、線速4.2m/hで通塔することによりL-オルニチンを吸着させた。次に10Lの水を上方から通塔することによりカラム中に残存する培養液を押し出した。この時点における菌体除去率は90%であった。カラム下方から水を通塔することによりカラムを洗浄した後、2mol/Lのアンモニア水溶液で溶出し、溶出画分20Lを得た。
得られた溶出画分を15Lまで濃縮し、アンモニアを除去した。濃縮液に塩酸を添加し、pH4.6に調整後、活性炭100gを添加して、30分間攪拌することにより脱色、ろ過を行った。その後、1.3Lまで濃縮することによりL-オルニチン塩酸塩結晶スラリーを取得した。
バスケット型分離機を用いて該結晶スラリーから結晶を分離後、該結晶を水で洗浄し、乾燥した。その結果、700gのL-オルニチン塩酸塩結晶(収率47%、純度99%、菌体の混入なし)を取得した。
L-オルニチンの精製(2)
L-オルニチン 50g/lおよびコリネバクテリウム属に属する微生物を湿菌体重量で1320gを含む培養液24Lを硫酸でpH3.0に調整した後、強酸性カチオン交換樹脂であるマラソンC(ダウ・ケミカルズ社製。粒子径535〜635μm。均一係数1.1以下。アンモニア型)12Lを充填したカラム(充填高さ6m)に30℃、線速4.2m/hで通塔することによりL-オルニチンを吸着させた。次に10Lの水を上方から通塔することによりカラム中に残存する培養液を押し出した。この時点における菌体除去率は90%であった。カラム下方から水を通塔することによりカラムを洗浄した後、2mol/Lのアンモニア水溶液で溶出し、溶出画分20Lを得た。
得られた溶出画分を15Lまで濃縮し、アンモニアを除去した。濃縮液に塩酸を添加し、pH4.6に調整後、活性炭100gを添加して、30分間攪拌することにより脱色、ろ過を行った。その後、1.3Lまで濃縮することによりL-オルニチン塩酸塩スラリーを取得した。
バスケット型分離機を用いて該結晶スラリーから結晶を分離後、該結晶を水で洗浄し、乾燥した。その結果、700gのL-オルニチン塩酸塩結晶(収率47%、純度99%、菌体の混入なし)を取得した。
比較例1
L-アルギニンの精製
実施例1と同様の方法でpH調整した培養液24L を、篩い分けによる粒子調整していないSK-1B(三菱化学社製。粒子径297〜1190μm。アンモニア型)12Lを充填したカラム(充填高さ6m)に実施例1と同様の条件で通塔したが、7L通塔したところで、カラムが閉塞した。
比較例2
L-オルニチンの精製
実施例1と同様の方法でpH調整した培養液24L を、篩い分けによる粒子調整していないSK-1B(アンモニア型)12Lを充填したカラム(充填高さ6m)に実施例2と同様の条件で通塔したが、3L通塔したところで、カラムが閉塞した。
本発明により、オルニチンまたはアルギニンおよび微生物の菌体を含む培養液からオルニチンまたはアルギニンを簡便に精製することができる。

Claims (3)

  1. オルニチンまたはアルギニンを含有する培養液から該アミノ酸を分離、精製する方法において、オルニチンまたはアルギニンおよび微生物の菌体を含む培養液を、粒子径が350μm以上であり、かつオルニチンまたはアルギニンを吸着する能力がある粒子担体を充填したカラムの上部から通塔した後、溶出液を通塔することにより、オルニチンまたはアルギニンを分離、精製することを特徴とする方法。
  2. 粒子担体が強酸性カチオン交換樹脂である請求項1記載の方法。
  3. カラムに通塔する培養液のpHが1〜10であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
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