JPWO2007114389A1 - 光ピックアップ及び情報機器 - Google Patents

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Abstract

光ピックアップ(100)は、(i)レーザ光を照射する光源と、(ii)照射された前記レーザ光を、複数の記録層のうちの一の記録層に導く光学系(108等)と、(iii)一の記録層で発生する信号光と他の記録層で発生する迷光とを含む戻り光における、中央付近の部分である内径光の光路と、内径光の外側の部分である外径光の光路とを分岐させる光路分岐手段と、(iv)外径光を受光するように配置された第1受光手段(PD1)と、(v)内径光を受光するように配置された第2受光手段(PD2)と、(vi)受光された外径光、及び内径光に基づいて、レーザ光を一の記録トラック、又は、一のデータピット列に導くように光学系を制御する制御手段(314等)と、を備える。

Description

本発明は、例えばDVD等の情報記録媒体に対してデータの記録又は再生を行う際にレーザ光を照射する光ピックアップ、及び当該光ピックアップを備える情報機器の技術分野に関する。
例えば2層型のBlu-rayや、2層型のDVD等のように、レーザ光等を用いて光学的に情報信号(データ)の記録又は再生を行う、多層型の光ディスク等の情報記録媒体が開発されている。このような多層型の光ディスクにおいては、記録層と、記録層との間隔が広いと、球面収差の影響により選択された記録層からの信号が劣化する可能性があるため、記録層と記録層との間隔を狭くする傾向にある。しかしながら、記録層と記録層との間隔が狭くなると、所謂、層間クロストークにより、多層型の光ディスクからの戻り光には、選択された所望の記録層(以下、適宜「一の記録層」と称す)において発生する反射光(以下、適宜「一の戻り光」と称す)の成分だけでなく、一の記録層以外の他の記録層において発生する反射光(以下、適宜「迷光」と称す)の成分も、高いレベルで含まれている。よって、例えば再生信号等の信号成分のS/N比が低下する可能性がある。
詳細には、多層型の光ディスクにおける一の戻り光の信号成分と、迷光の成分とは、トレードオフの関係にあることが一般的に知られている。即ち、受光手段の受光領域の面積を小さくした場合、迷光の成分を相対的に低いレベルにさせ、迷光の影響を小さくすることは可能であるが、同時に、一の戻り光の信号成分も相対的に低いレベルになり、S/N比も低下してしまう。他方、受光領域の面積を大きくした場合、一の戻り光の信号成分を相対的に高いレベルにさせることは可能であるが、同時に、迷光の成分も相対的に高いレベルになり、やはり、S/N比も低下してしまうという技術的な問題点が生じてしまう。
そこで、非特許文献1においては、2層型のブルーレイディスク(Blu-ray Disc)の記録又は再生の際のトラッキング方式において、ホログラム素子によって、プッシュプル信号を信号光から分離させることで、迷光の受光素子への入射を回避するための技術について記載されている。
或いは、非特許文献2においては、多層型の情報記録媒体の各記録層からの信号成分に含まれる迷光の影響を低減するために、共焦点光学系において、固定したピンホールによって、空間的にフィルタリング(空間的に除去)する技術について記載されている。
或いは、特許文献1においては、2層型の光ディスクの各記録層からの戻り光の光軸の角度の違いを利用して、各記録層からの反射光を高精度に分離する技術について記載されている。
或いは、非特許文献3においては、例えば直交する光軸に夫々対応される、複数の受光手段を備えた、多層型の情報記録媒体の光ピックアップについて記載されている。
他方で、ビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式のフォーカス制御が、一般的に行われている。ここで、図11及び図12を参照して、スポットサイズ方式のフォーカス制御について説明する。図11に示されるように、集光レンズ108又は109から集光された信号光の一部は、例えば光透過率と光反射率とが略0.5であるハーフミラーを介して受光部(PD3)に受光される。加えて、信号光の他部は、このハーフミラーを介して受光部(PD4)に受光される。特に、図12の中段に示されるように、所望の記録層に、集光した場合、受光部PD3に照射される信号光の一部の光径と、受光部PD4に照射される信号光の他部の光径とは、略等しくなる。そして、(i)領域「3a」と、領域「3c」とで受光された信号光の一部の信号成分と、領域「4b」で受光された信号光の他部の信号成分との和は、(ii)領域「4a」と、領域「4c」とで受光された信号光の他部の信号成分と、領域「3b」で受光された信号光の一部の信号成分との和に略等しくなるように領域「3b」と領域「4b」の幅「d3」が規定される。
このことによって、図12の上段に示されるように、光軸の一方向を基準にして、所望の記録層から離れた位置に、集光した場合、受光部PD3に照射される信号光の一部の光径は、受光部PD4に照射される信号光の他部の光径より、小さくなる。そして、(i)領域「3a」と、領域「3c」とで受光された信号光の一部の信号成分と、領域「4b」で受光された信号光の他部の信号成分との和は、(ii)領域「4a」と、領域「4c」とで受光された信号光の他部の信号成分と、領域「3b」で受光された信号光の一部の信号成分との和より、小さくなる。
更に、図12の下段に示されるように、光軸の一方向を基準にして、所望の記録層に近い位置に、集光した場合、受光部PD3に照射される信号光の一部の光径は、受光部PD4に照射される信号光の他部の光径より、大きくなる。(i)領域「3a」と、領域「3c」とで受光された信号光の一部の信号成分と、領域「4b」で受光された信号光の他部の信号成分との和は、(ii)領域「4a」と、領域「4c」とで受光された信号光の他部の信号成分と、領域「3b」で受光された信号光の一部の信号成分との和より、大きくなる。
このようにして、信号光の信号成分に基づいて、スポットサイズ方式のフォーカス制御が行われている。
特開2005−228436号公報 「2層Blu-rayディスクに適した1ビームトラッキング方式の開発」 松下電器産業(株)AVコア技術開発センター オプトデバイスグループ 信学技報(IEICE Technical Report CPM2005-149(2005-10)) 社団法人電子情報通信学会 p31−34 「3次元多層ビット記録型メモリ」 川田 善正(静岡大学工学部) レーザシンポジウム 2005 「SONY Experimental Setup」 ISOM(International Symposium on Optical Memory)講演会2004
しかしながら、上述した非特許文献1によれば、図10に示されるように、フォーカスエラー信号、又は、RF信号を受光するための受光素子において、迷光(図10中の「Stray light」と「Transmitted beam」との重なりを参照)が入射してしまい、迷光の影響によって、所望の記録層からの戻り光の信号成分のS/N比が低下してしまうという技術的な問題点が生じてしまう。
或いは、上述した非特許文献2によれば、共焦点光学系を含む有限光学系においては、記録層の位置、又は、トラッキングが行われる位置によって、ピンホールの最適な、例えばZ軸方向の位置が変化するため、迷光の影響を適切に空間的にフィルタリングすることが困難となってしまうという技術的な問題点が生じてしまう。
或いは、上述した特許文献1等によれば、各種の収差を管理又は制御することが困難であるという技術的な問題点が生じてしまう。或いは、記録層を変更した際に、受光器、又は、戻り光を集光する集光レンズのZ軸方向の位置を最適化する必要があるという技術的な問題点が生じてしまう。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば多層型の光ディスク等の情報記録媒体において、迷光の影響を低減させつつ、データを、より高精度に再生又は記録することを可能ならしめる光ピックアップ、及びこのような光ピックアップを備える情報機器を提供することを課題とする。
(光ピックアップ)
上記課題を解決するために、本発明の光ピックアップは、複数の記録層を備える記録媒体に対するデータの記録及び再生のうち少なくとも一方を行う光ピックアップであって、レーザ光を照射する光源と、前記レーザ光を、前記複数の記録層のうち一の記録層に導く光学系(対物レンズ等)と、導かれた前記レーザ光が、前記一の記録層に集光した場合、前記一の記録層で反射する信号光と前記複数の記録層のうち他の記録層で反射する迷光とを含む戻り光における、前記戻り光の光軸を含む中央付近の部分である内径光の光路と、前記戻り光における、前記内径光の外側の部分である外径光の光路とを分岐させる光路分岐手段(例えば、内径光が照射される領域だけ反射膜のついたプリズム)と、基準方向に沿って、少なくとも3つの領域を有し、前記外径光を受光するように配置された第1受光手段(PD1)と、前記基準方向に沿って、少なくとも3つの領域を有し、前記内径光を受光するように配置された第2受光手段(PD2)と、前記外径光の信号成分に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録層における一の記録トラック、又は、一のデータピット列に導くように前記光学系を制御する制御手段(トラッキング制御手段)と、を備える。
本発明の光ピックアップによれば、制御手段の制御下で、光源から照射されたレーザ光は、例えば対物レンズ、ビームスプリッタ、又は、プリズム等の光学系により、複数の記録層のうち一の記録層に導かれ、集光される。と共に、一の記録層に集光した場合、一の記録層において発生する信号光は、第1及び第2受光手段によって受光される。従って、一の記録層に導かれ、集光されたレーザ光は、一の記録層に形成されたデータピット列やマークを再生することが可能である。よって、記録媒体から所定の情報を再生することが可能である。或いは、集光されたレーザ光は、一の記録層にデータピット列やマークを形成することが可能である。よって、記録媒体に対して所定の情報を記録することが可能である。
特に、本発明によれば、光路分岐手段は、導かれたレーザ光が、一の記録層に集光した場合、一の記録層で発生する信号光と他の記録層で発生する迷光とを含む戻り光における、当該戻り光の光軸を含む中央付近の部分である内径光の光路と、前記戻り光における、前記内径光の外側の部分であり、ドーナツ形状である外径光の光路とを分岐させる。この光路分岐手段の一具体例としては、例えば内径光が照射される領域だけ反射膜のついたプリズムを挙げることができる。尚、内径光と外径光との分岐については、例えば反射膜の大きさ等の光路分岐手段の光学的な性質、若しくは物理的な形状によって、理論的、経験的、実験的、又は、シミュレーション等によって規定可能である。
加えて、第1受光手段(PD1)は、基準方向に沿って、少なくとも3つの領域を有し、これらの3つの領域を介して、外径光を受光するように配置されている。また、第2受光手段(PD2)は、基準方向に沿って、少なくとも3つの領域を有し、これらの3つの領域を介して、内径光を受光するように配置されている。即ち、第1受光手段は、少なくとも3つの領域を介して、一の記録層で発生する信号光を相対的に高いレベルで含むとともに、他の記録層で発生する迷光を相対的に低いレベルで含む、外径光を受光することが可能である。加えて、第2受光手段は、少なくとも3つの領域を介して、一の記録層で発生する信号光、及び他の記録層で発生する迷光を含む、内径光を受光することが可能である。
従って、制御手段の制御下で、第1受光手段の少なくとも3つの領域を介して受光される外径光の信号成分に基づいて、他の記録層で発生する迷光の影響を、顕著に低減させた、例えばプッシュプル方式に基づく、トラッキング制御を高精度に実現することが可能である。
加えて、制御手段の制御下で、第2受光手段の少なくとも3つの領域を介して受光される内径光の信号成分に基づいて、他の記録層で発生する迷光の影響を定量的又は定性的に把握し、例えば、迷光の信号成分のレベルに相当するレベルだけ、第1受光手段で受光される外径光の信号成分から差し引きこと(差分をキャンセルすること)等により、迷光の影響を積極的に利用することが可能である。従って、定量的又は定性的な迷光の影響の把握によって、信号光における理想的な信号成分、即ち、迷光の影響を殆ど又は完全に無くした品質を向上させた信号成分に基づいて、上述したトッキング制御に加えて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御を高精度に実現することも可能である。尚、信号成分は、RF信号、ウォブル信号、及び、アドレス信号(LPP)のうち少なくとも一つであるようにしてもよい。
この結果、迷光の影響を顕著に低減させることに加えて、迷光の影響を定量的又は定性的に把握し、積極的に利用することで、信号光における理想的な信号成分、即ち、迷光の影響を殆ど又は完全に無くした品質を向上させた信号成分を算出可能であり、多層型の記録媒体に対する再生又は記録の際に、データの再生又は記録を、より高精度に実現することが可能である。
本発明の光ピックアップの一の態様は、前記光路分岐手段は、前記内径光の光路上に、反射膜を有する。
この態様によれば、内径光の光路と、この内径光の外側の部分である外径光の光路とを反射膜の光学的な性質、若しくは物理的な形状に基づいて、高精度に分岐させることが可能である。
本発明の光ピックアップの他の態様は、前記基準方向は、前記記録媒体の半径方向(プッシュプル信号を受光するための方向:Rad方向)に基づいて規定される。
この態様によれば、制御手段の制御下で、第1受光手段において、基準方向に沿って位置する3つの領域のうち両端の領域を介して受光される外径光の信号成分に基づいて、迷光の影響を、顕著に低減させた、例えばプッシュプル方式に基づく、トラッキング制御をより高精度に実現することが可能である。
本発明の光ピックアップの他の態様は、前記第1受光手段(PD1)は、前記基準方向に沿って、第1中心領域(1b)を中心として並んで位置する第1左領域(1a)、及び、第1右領域(1c)を有し、前記第2受光手段(PD2)は、前記基準方向に沿って、第2中心領域(2b)を中心として並んで位置する、第2左領域(2a)、及び、第2右領域(2c)を有し、前記制御手段(トラッキング制御)は、前記第1左領域及び前記第1右領域で受光された前記外径光の信号成分に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録トラック、又は、前記一のデータピット列に導くように前記光学系を制御する。
この態様によれば、第1受光手段(PD1)は、基準方向に沿って、第1中心領域(1b)を中心として並んで位置する第1左領域(1a)、及び、第1右領域(1c)を有し、これらの第1中心領域、第1左領域、及び第1右領域を介して、外径光を受光するように配置されている。また、第2受光手段(PD2)は、基準方向に沿って、第2中心領域(2b)を中心として並んで位置する、第2左領域(2a)、及び、第2右領域(2c)を有し、これらの第2中心領域、第2左領域、及び第2右領域を介して、内径光を受光するように配置されている。即ち、第1受光手段は、第1中心領域、第1左領域、及び第1右領域を介して、一の記録層で発生する信号光を相対的に高いレベルで含むとともに、他の記録層で発生する迷光を相対的に低いレベルで含む、外径光を受光することが可能である。また、第2受光手段は、第2中心領域、第2左領域、及び第2右領域を介して、一の記録層で発生する信号光、及び他の記録層で発生する迷光を含む、内径光を受光することが可能である。
本発明の光ピックアップの他の態様は、(i)受光された前記外径光に含まれる、前記信号光の信号成分と、(ii)受光された前記内径光に含まれる、前記迷光の信号成分との差分を演算する演算手段を更に備え、前記制御手段は、演算された前記差分に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録層に導くように前記光学系を制御する。
この態様によれば、演算手段によって演算された、信号光の信号成分と、迷光の信号成分との差分に基づいて、制御手段の制御下で、迷光の影響が定量的又は定性的に把握され、信号光における理想的な信号成分、即ち、迷光の影響を殆ど又は完全に無くした品質を向上させた信号成分に基づいて、上述したトラッキング制御に加えて、上述したフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
本発明の光ピックアップの他の態様は、前記制御手段は、受光された前記外径光に含まれる、前記信号光の信号成分に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録層に導くように前記光学系を制御する。
この態様によれば、受光された外径光に含まれる、信号光の信号成分に基づいて、制御手段の制御下で、迷光の影響を殆ど又は完全に無くした品質を向上させた信号成分に基づいて、上述したフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
本発明の光ピックアップの他の態様は、前記第1受光手段で受光された前記外径光の信号成分に基づいて、前記データに含まれるRF信号を演算する第1演算手段を更に備える。
この態様によれば、第1演算手段によって、第1受光手段の3つの領域を介して受光される外径光の信号成分に基づいて、他の記録層で発生する迷光の影響を、顕著に低減させつつ、RF信号を適切に検出することが可能である。
上述した第1演算手段に係る態様では、(i)前記第1受光手段で受光された前記外径光の信号成分、及び、(ii)前記第2受光手段で受光された前記内径光の信号成分との差分を演算する第2演算手段を更に備え、前記制御手段は、前記差分に基づいて、前記RF信号を演算するための所定係数を算出し、前記所定係数に基づいて、前記RF信号を演算するように前記第1演算手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、第2演算手段によって演算された、信号光の信号成分と、迷光の信号成分との差分に基づいて、制御手段の制御下で、RF信号を演算するための所定係数が算出される。ここに、本発明に係る「所定係数」とは、迷光の影響を、定量的又は定性的に把握し、迷光の影響を低減するように、信号処理上、補正するための補正係数である。加えて、制御手段の制御下で、第1演算手段によって、算出された所定係数に基づいて、迷光の影響が定量的又は定性的に把握され、信号光における理想的な信号成分、即ち、迷光の影響を殆ど又は完全に無くした品質を向上させた、より高精度なRF信号の演算を実現することが可能である。
上述した制御手段に係る態様では、前記制御手段(フォーカス制御)は、(i)前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記外径光の両端部の信号成分と、前記第2中心領域で受光された前記内径光の中央部の信号成分との和、及び、(ii)前記第2左領域と、前記第2右領域とで受光された前記内径光の両端部の信号成分と、前記第1中心領域で受光された前記外径光の中央部の信号成分との和に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録層に導くように前記光学系を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、第1左領域と、第1右領域とで受光された外径光の両端部の信号成分を利用することによって、迷光の影響を顕著に低減させる。ここに、本発明に係る外径光の両端部とは、ドーナツの形状の外径光のうち第1左領域、及び第1右領域で受光される部分を意味する。加えて、第2中心領域で受光された内径光の中央部の信号成分を利用することによって、ここに、本発明に係る内径光の中央部とは、円の形状の内径光のうち第2中心領域で受光される部分を意味する。外径光、及び内径光を含む戻り光の信号成分を殆ど又は完全に利用することが可能である。概ね同様にして、第2左領域と、第2右領域とで受光された内径光の両端部の信号成分を利用することによって、一の記録層で発生する信号光、及び他の記録層で発生する迷光を含む、内径光を光量の損失を殆ど又は完全に無くして受光することが可能である。ここに、本発明に係る内径光の両端部とは、円の形状の内径光のうち第2左領域、及び第2右領域で受光される部分を意味する。加えて、第1中心領域で受光された外径光の中央部の信号成分を利用することによって、外径光、及び内径光を含む戻り光の信号成分を殆ど又は完全に利用することが可能である。ここに、本発明に係る外径光の中央部とは、ドーナツの形状の外径光のうち第1中心領域で受光される部分を意味する。
従って、迷光の影響を顕著に低減させることに加えて、光量の損失を殆ど又は完全に無くした、信号光の信号成分に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
上述した第1受光手段に係る態様では、前記第1中心領域の前記基準方向における幅(d1)は、(i)前記一の記録層に集光した場合、当該第1中心領域で受光された前記外径光の両端部の受光量と、前記第2左領域と、前記第2右領域とで受光された前記外径光の中央部の受光量との和と、(ii)前記第2中心領域で受光された前記外径光の中央部の受光量と、前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記外径光の両端部の受光量との和とが略等しくなるように規定されるように構成してもよい。
このように構成すれば、上述した受光量の規則性によって規定された第1中心領域の幅(後述される「d1」)に基づいて、迷光の影響を顕著に低減させることに加えて、光量の損失を殆ど又は完全に無くした、信号光の信号成分に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
上述した第2受光手段に係る態様では、前記第2中心領域の前記基準方向における幅は、(i)前記一の記録層に集光した場合、当該第2中心領域で受光された前記内径光の中央部の受光量と、前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記内径光の両端部の受光量との和と、(ii)前記第2中心領域で受光された前記内径光の両端部の受光量と、前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記内径光の中央部の受光量との和とが略等しくなるように規定されるように構成してもよい。
このように構成すれば、上述した受光量の規則性によって規定された第2中心領域の幅(後述される「d2」)に基づいて、迷光の影響を顕著に低減させることに加えて、光量の損失を殆ど又は完全に無くした、信号光の信号成分に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
本発明の光ピックアップの他の態様は、前記第1受光手段と、前記第2受光手段とは、前記レーザ光が前記第1記録層に集光した際の共役的な集光点位置を基準にして、光学的な距離が等しい位置関係にある。
この態様によれば、第1受光手段と、前記第2受光手段とにおける、共役的な集光点位置を基準にして、光学的な距離が等しい位置関係に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
上述した第1及び第2受光手段に係る態様では、前記第1中心領域の前記基準方向における幅は、前記一の記録層に集光した場合、前記外径光の光径と、前記内径光の光径とが略等しい場合、前記第2中心領域の前記基準方向における幅と略等しくなるように規定されるように構成してもよい。
このように構成すれば、外径光の光径と、内径光の光径とが略等しい場合に、基準方向における幅が略等しい第1中心領域、及び第2中心領域に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。ここに、本願発明に係る「光径」とは、レーザ光の光学軸に基づいて測定可能な直径(若しくは半径)等の物理的な長さを意味する。特に、この「光径」は、例えば集光レンズ等の他の光学系における光学的な特性(例えば光学倍率や、回折角度や、主点の位置や、焦点距離等)に基づいて、一義的に決定されるようにしてもよい。
上述した第1及び第2受光手段に係る態様では、(i)前記第1中心領域の前記基準方向における幅は、当該第1中心領域で受光された前記外径光の受光量と、前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記外径光の受光量とが略等しくなるように規定される、又は、(ii)前記第2中心領域の前記基準方向における幅は、当該第2中心領域で受光された前記内径光の受光量と、前記第2左領域と、前記第2右領域とで受光された前記内径光の受光量とが略等しくなるように規定されるように構成してもよい。
このように構成すれば、上述した受光量によって幅が規定される第1中心領域、及び第2中心領域に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
(情報機器)
上記課題を解決するために、本発明の情報機器は、上述した本発明の光ピックアップ(但し、その各種態様を含む)と、前記レーザ光を前記記録媒体に照射することで、前記データの記録又は再生を行う記録再生手段とを備える。
本発明の情報機器によれば、上述した本発明の光ピックアップが有する各種利益と同様の利益を享受しながら、記録媒体に対してデータを記録し、又は記録媒体に記録されたデータを再生することができる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、本発明の光ピックアップによれば、光源、光学系、光路分岐手段、第1受光手段、第2受光手段、及び制御手段を備える。この結果、迷光の影響を顕著に低減させることに加えて、迷光の影響を定量的又は定性的に把握し、積極的に利用することで、信号光における理想的な信号成分、即ち、迷光の影響を殆ど又は完全に無くした品質を向上させた信号成分を算出可能であり、多層型の記録媒体に対する再生又は記録の際に、データの再生又は記録を、より高精度に実現することが可能である。
或いは、本発明の情報機器によれば、光源、光学系、光路分岐手段、第1受光手段、第2受光手段、制御手段、及び、記録再生手段を備える。この結果、迷光の影響を顕著に低減させることに加えて、迷光の影響を定量的又は定性的に把握し、積極的に利用することで、信号光における理想的な信号成分、即ち、迷光の影響を殆ど又は完全に無くした品質を向上させた信号成分を算出可能であり、多層型の記録媒体に対する再生又は記録の際に、データの再生又は記録を、より高精度に実現することが可能である。
本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置、及び、ホストコンピュータの基本構成を示したブロック図である。 本実施例に係る情報記録再生装置300のうち特にピックアップ100のより詳細な構成を概略的に示すブロック図である。 本実施例に係る、光ピックアップに有される、プリズムと、受光部との配置を図式的に示す光軸上の断面図、及び、受光部の受光面を、図式的に示す平面図である。 本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部の受光面、及びトラッキング制御を、概念的に示す平面図である。 本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部の受光面、及びフォーカス制御を、概念的に示す平面図である。 本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部PD1と、集光点位置との相対的な位置関係を概念的に示す光軸上の平面図、及び、受光部の受光面上の光径を、図式的に示す平面図である。 本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部PD2と、集光点位置との相対的な位置関係を概念的に示す光軸上の平面図、及び、受光部の受光面上の光径を、図式的に示す平面図である。 本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部の受光面の他の具体例を、図式的に示す平面図(図8(a)、図8(b)及び図8(c))である。 本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部の分割された受光面の具体例を、図式的に示す平面図である。 比較例に係る受光手段の平面図である。 一般例に係るビームサイズ法のフォーカス制御を行う光ピックアップに有される、プリズムと、受光部との配置を図式的に示す光軸上の断面図、及び、受光部の受光面を、図式的に示す平面図である。 一般例に係るビームサイズ法のフォーカス制御を行う光ピックアップに有される、受光部と、集光点位置との相対的な位置関係を概念的に示す光軸上の平面図、及び、受光部の受光面上の光径を、図式的に示す平面図である。
符号の説明
10 光ディスク
100 光ピックアップ
101 半導体レーザ
103等 集光レンズ
105 偏光ビームスプリッタ
106 反射ミラー
107 1/4波長板
110 プリズム
PD1等 受光部
300 情報記録再生装置
302 信号記録再生手段
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。
(1)情報記録再生装置の実施例
先ず、図1を参照して、本発明の情報記録装置の実施例の構成及び動作について詳細に説明する。特に、本実施例は、本発明に係る情報記録装置を光ディスク用の情報記録再生装置に適用した例である。
(1−1)基本構成
先ず、図1を参照して、本発明の情報記録装置に係る実施例における情報記録再生装置300及び、ホストコンピュータ400の基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置、及び、ホストコンピュータの基本構成を示したブロック図である。尚、情報記録再生装置300は、光ディスク10に記録データを記録する機能と、光ディスク10に記録された記録データを再生する機能とを備える。
図1を参照して情報記録再生装置300の内部構成を説明する。情報記録再生装置300は、ドライブ用のCPU(Central Processing Unit)314の制御下で、光ディスク10に情報を記録すると共に、光ディスク10に記録された情報を読み取る装置である。
情報記録再生装置300は、光ディスク10、光ピックアップ100、信号記録再生手段302、アドレス検出部303、CPU(ドライブ制御手段)314、スピンドルモータ306、メモリ307、データ入出力制御手段308、及びバス309を備えて構成されている。
また、ホストコンピュータ400は、CPU(ホスト制御手段)401、メモリ402、操作制御手段403、操作ボタン404、表示パネル405、データ入出力制御手段406、及びバス407を備えて構成される。
特に、情報記録再生装置300は、例えばモデム等の通信手段を備えたホストコンピュータ400を同一筐体内に収めることにより、外部ネットワークと通信可能となるように構成してもよい。或いは、例えばi−link等の通信手段を備えたホストコンピュータ400のCPU(ホスト制御手段)401が、データ入出力制御手段308、及びバス309を介して、直接情報記録再生装置300を制御することによって、外部ネットワークと通信可能となるように構成してもよい。
光ピックアップ100は光ディスク10への記録再生を行うもので、半導体レーザ装置とレンズから構成される。より詳細には、光ピックアップ100は、光ディスク10に対してレーザービーム等の光ビームを、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。
信号記録再生手段302は、光ピックアップ100とスピンドルモータ306とを制御することで光ディスク10に対して記録又は再生を行う。より具体的には、信号記録再生手段302は、例えば、レーザダイオードドライバ(LDドライバ)及びヘッドアンプ等によって構成されている。レーザダイオードドライバは、光ピックアップ100内に設けられた図示しない半導体レーザを駆動する。ヘッドアンプは、光ピックアップ100の出力信号、即ち、光ビームの反射光を増幅し、該増幅した信号を出力する。より詳細には、信号記録再生手段302は、OPC(Optimum Power Control)処理時には、CPU314の制御下で、図示しないタイミング生成器等と共に、OPCパターンの記録及び再生処理により最適なレーザパワーの決定が行えるように、光ピックアップ100内に設けられた図示しない半導体レーザを駆動する。特に、信号記録再生手段302は、光ピックアップ100と共に、本発明に係る「記録再生手段」の一例を構成する。
アドレス検出部303は、信号記録再生手段302によって出力される、例えばプリフォーマットアドレス信号等を含む再生信号から光ディスク10におけるアドレス(アドレス情報)を検出する。
CPU(ドライブ制御手段)314は、バス309を介して、各種制御手段に指示を行うことで、情報記録再生装置300全体の制御を行う。尚、CPU314が動作するためのソフトウェア又はファームウェアは、メモリ307に格納されている。特に、CPU314は、本発明に係る「制御手段」の一例を構成する。
スピンドルモータ306は光ディスク10を回転及び停止させるもので、光ディスクへのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ306は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク10を回転及び停止させるように構成されている。
メモリ307は、記録再生データのバッファ領域や、信号記録再生手段302で使用出来るデータに変換する時の中間バッファとして使用される領域など情報記録再生装置300におけるデータ処理全般及びOPC処理において使用される。また、メモリ307はこれらレコーダ機器としての動作を行うためのプログラム、即ちファームウェアが格納されるROM領域と、記録再生データの一時格納用バッファや、ファームウェアプログラム等の動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
データ入出力制御手段308は、情報記録再生装置300に対する外部からのデータ入出力を制御し、メモリ307上のデータバッファへの格納及び取り出しを行う。情報記録再生装置300と、SCSIやATAPI等のインターフェースを介して接続されている外部のホストコンピュータ400(以下、適宜ホストと称す)から発行されるドライブ制御命令は、当該データ入出力制御手段308を介してCPU314に伝達される。また、記録再生データも同様にして、当該データ入出力制御手段308を介して、ホストコンピュータ400に対して送受信される。
ホストコンピュータ400における、CPU(ホスト制御手段)401、メモリ402、データ入出力制御手段406、及びバス407は、これらに対応される、情報記録再生装置300内の構成要素と、概ね同様である。
操作制御手段403は、ホストコンピュータ400に対する動作指示受付と表示を行うもので、例えば記録又は再生といった操作ボタン404による指示をCPU401に伝える。CPU401は、操作制御手段403からの指示情報を元に、データ入出力手段406を介して、情報記録再生装置300に対して制御命令(コマンド)を送信し、情報記録再生装置300全体を制御するように構成してもよい。同様に、CPU401は、情報記録再生装置300に対して、動作状態をホストに送信するように要求するコマンドを送信することができる。これにより、記録中や再生中といった情報記録再生装置300の動作状態が把握できるためCPU401は、操作制御手段403を介して蛍光管やLCDなどの表示パネル405に情報記録再生装置300の動作状態を出力することができる。
以上説明した、情報記録再生装置300とホストコンピュータ400を組み合わせて使用する一具体例は、映像を記録再生するレコーダ機器等の家庭用機器である。このレコーダ機器は放送受信チューナや外部接続端子からの映像信号をディスクに記録し、テレビなど外部表示機器にディスクから再生した映像信号を出力する機器である。メモリ402に格納されたプログラムをCPU401で実行させることでレコーダ機器としての動作を行っている。また、別の具体例では、情報記録再生装置300はディスクドライブ(以下、適宜ドライブと称す)であり、ホストコンピュータ400はパーソナルコンピュータやワークステーションである。パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータとドライブはSCSIやATAPIといったデータ入出力制御手段308(406)を介して接続されており、ホストコンピュータにインストールされているライティングソフトウェア等のアプリケーションが、ディスクドライブを制御する。
(2) 光ピックアップ
次に、図2を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置300が備える光ピックアップ100のより詳細な構成について説明する。ここに、図2は、本実施例に係る情報記録再生装置300に有される光ピックアップ100のより詳細な構成を概念的に示すブロック図である。
図2に示すように、光ピックアップ100は、半導体レーザ101と、集光レンズ103と、偏光ビームスプリッタ105と、反射ミラー106と、1/4波長板107と、集光レンズ108と、集光レンズ109と、プリズム110と、受光部PD1やPD2と、受光部PD2と、を備えて構成されている。従って、レーザ光LBは、次の順番で、半導体レーザ101から射出され、各素子を介して、受光部PD1等に受光される。即ち、所謂、光路上の往路として、光ディスクのL1層(即ち、レーザ光LBの照射側から見て手前側の記録層)に導かれる際には、半導体レーザ101から射出されたレーザ光LBは、集光レンズ103と、偏光ビームスプリッタ105、反射ミラー106、1/4波長板107、及び、集光レンズ108を介して、L1層に導かれる。他方、所謂、光路上の復路として、L1層に反射されたレーザ光LBは、集光レンズ108、1/4波長板107、反射ミラー106、偏光ビームスプリッタ105、集光レンズ109、プリズム110を介して、受光部PD1やPD2に受光される。尚、L2層(即ち、レーザ光LBの照射側から見て奥側の記録層)に対するレーザ光LBの光路についても、概ね同様である。
尚、集光レンズ103、108及び109、偏光ビームスプリッタ105、反射ミラー106、1/4波長板107によって、本発明に係る光学系の一具体例が構成されている。また、プリズム110によって、本発明に係る光路分岐手段の一具体例が構成されている。また、受光部PD1、及びPD2によって、本発明に係る第1及び第2受光手段の一具体例が構成されている。
半導体レーザ101は、例えば水平方向に比べて垂直方向に拡がった楕円形状の発光パターンで、レーザ光LBを射出する。
集光レンズ103は、入射されたレーザ光LBを略平行光にして、偏光ビームスプリッター105へと入射させる。
偏光ビームスプリッタ105は、偏光方向に基づいて、光路を分岐させる光学素子である。具体的には、偏光方向が一の方向であるレーザ光LBを、光量の損失が殆ど又は完全にない状態で、透過させ、光ディスクの側から入射される、偏光方向が他の方向であるレーザ光LBを光量の損失が殆ど又は完全にない状態で反射する。偏光ビームスプリッタ105において反射された反射光は、集光レンズ109、及び、プリズム110を介して受光部PD1、及びPD2に受光される。
反射ミラー106は、レーザ光LBを、光量の損失が殆ど又は完全にない状態で、反射させる。
1/4波長板107は、レーザ光に、90度の位相差を与えることによって、直線偏光のレーザ光を円偏光に変換させる、或いは、円偏光のレーザ光を直線偏光に変換させることが可能である。
集光レンズ108は、入射するレーザ光LBを集光して、光ディスク10の記録面上に照射する。詳細には、集光レンズ108は、例えばアクチュエータ部を備えて構成されており、集光レンズ108の配置位置を変更するための駆動機構を有している。より具体的には、アクチュエータ部は、対物レンズ108の位置をフォーカス方向に移動させることで、光ディスクにおけるL1層と、L2層とに合焦点することが可能である。
集光レンズ109は、偏光ビームスプリッタ105において反射された反射光を集光する。
プリズム110は、後述に説明されるように、レーザ光がL1層に集光した場合、L1層で発生する信号光とL2層で発生する迷光とを含む戻り光における、光軸と所定距離に基づいて規定される境界面の内側の部分である内径光の光路と、境界面の外側の部分である外径光の光路とを分岐させる。
受光部PD1は、内径光を受光し、受光部PD2は、外径光を受光する。
(3) トラッキング制御
次に、図3から図4を参照して、本実施例に係る、トラッキング制御について説明する。ここに、図3は、本実施例に係る、光ピックアップに有される、プリズムと、受光部との配置を図式的に示す光軸上の断面図、及び、受光部の受光面を、図式的に示す平面図である。図4は、本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部の受光面、及びトラッキング制御を、概念的に示す平面図である。
図3に示されるように、プリズム110は、集光レンズ109、受光部PD1及びPD2に隣接して、配置される。また、受光部PD1は、光ディスクの半径方向に対応される基準方向に沿って、領域「1a」、領域「1b」及び領域「1c」を備えて構成されている。また、概ね同様にして、受光部PD2は、光ディスクの半径方向に対応される基準方向に沿って、領域「2a」、領域「2b」及び領域「2c」を備えて構成されている。
特に、プリズム110は、例えばレーザ光が、複数の記録層のうち、L2層に集光した場合、L2層で発生する信号光と、L1層で発生する迷光とを含む戻り光における、当該戻り光の光軸を含む中央付近の部分である内径光の光路と、戻り光における、内径光の外側の部分であり、ドーナツ形状である外径光の光路とを分岐させる。このプリズムは、内径光が照射される領域だけ反射膜のついたプリズムであるようにしてもよい。尚、内径光と外径光との分岐については、例えば反射膜の大きさ等の光分岐手段の光学的な性質、若しくは物理的な形状によって、理論的、経験的、実験的、又は、シミュレーション等によって規定可能である。具体的には、プリズム110は、内部の光路上に、所定の大きさの反射膜を有し、この反射膜によって、内径光を分岐させ、受光部PD2に受光させることが可能である。尚、内径光は、L2層で発生する信号光(図3中のドットの大きな点線を参照)、及びL1層で発生する迷光(図3中の太い実線を参照)を含む。また、外径光は、L2層で発生する信号光(図3中のドットの大きな点線を参照)を相対的に高いレベルで含むとともに、L1層で発生する迷光を相対的に低いレベルで含む。尚、図3中のドットの小さな点線は、受光部PD1に受光されなかった内径光を示す。
従って、図4に示されるように、受光部PD1の領域「1a」で受光される外径光の成分と、受光部PD1の領域「1c」で受光される信号光の成分と、の差分であるトラッキング誤差信号に基づいて、トラッキング制御が行われる。具体的には、次の式(1)に基づいて、トラッキング誤差信号が検出される。
(トラッキング誤差信号)=(領域1aでの信号成分) − (領域1cでの信号成分)
……(1)。
即ち、トラッキング誤差信号は、(i)受光部PD1のうちの領域「1a」で受光される外径光の信号成分と、(ii)受光部PD1のうちの領域「1c」で受光される外径光の信号成分の値との差分である。詳細には、トラッキング誤差信号の値の正負に基づいて、照射されるレーザ光(レーザービーム)を、光ディスクの半径方向に沿って、外周側方向、又は、内周側方向に移動させることが可能である。
言い換えると、受光部PD1は、領域「1a」、領域「1b」、及び領域「1c」を介して、L2層で発生する信号光を相対的に高いレベルで含むとともに、L1層で発生する迷光を相対的に低いレベルで含む、外径光を受光することが可能である。また、受光部PD2は、領域「1a」、領域「1b」、及び領域「1c」を介して、L2層で発生する信号光、及びL1層で発生する迷光を含む、内径光を受光することが可能である。
従って、CPU等の制御手段の制御下で、受光PD1の領域「1a」、及び、領域「1c」を介して受光される外径光の信号成分に基づいて、L1層で発生する迷光の影響を、顕著に低減させた、例えばプッシュプル方式に基づく、トラッキング制御を高精度に実現することが可能である。
加えて、CPU等の制御手段の制御下で、受光部PD2で受光された内径光の信号成分に基づいて、L1層で発生する迷光の影響を定量的又は定性的に把握し、例えば、迷光の信号成分のレベルに相当するレベルだけ、受光部PD1で受光される外径光の信号成分から差し引きこと(差分をキャンセルすること)等により、迷光の影響を積極的に利用することが可能である。従って、迷光の影響を定量的又は定性的に把握することによって、信号光における理想的な信号成分、即ち、迷光の影響を殆ど又は完全に無くした品質を向上させた信号成分に基づいて、上述したトッキング制御に加えて、後述されるフォーカス制御を高精度に実現することが可能である。尚、信号成分は、RF信号、ウォブル信号、及び、アドレス信号(LPP)のうち少なくとも一つであるようにしてもよい。更に、加えて、CPU等の制御手段の制御下で、受光PD2の領域「2a」、及び、領域「2c」を介して受光される内径光の信号成分に基づいて、上述した、プッシュプル方式に基づく、トラッキング制御を、より適切に補正するようにしてもよい。
(3) フォーカス制御
次に、図5から図8を参照して、本実施例に係る、フォーカス制御について説明する。ここに、図5は、本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部の受光面、及びフォーカス制御を、概念的に示す平面図である。
図5に示されるように、CPU等の制御手段は、(i)領域「1a」と、領域「1c」とで受光された外径光の信号成分と、領域「2b」で受光された内径光の信号成分との和、及び、(ii)領域「2a」と、領域「2c」とで受光された内径光の信号成分と、領域「1b」で受光された外径光の信号成分との和に基づいて、レーザ光を所望の記録層に導くように対物レンズ等の光学系を制御する。特に、フォーカス制御は、トラッキング制御と比較して、周波数帯域が相対的に低い信号に基づいて、行われるため、内径光の信号成分を利用しても、迷光の影響は、殆ど又は完全にないと言えることも付記しておく。
(3−1) 受光部の領域の幅の決定手法の一具体例
ここで、図6から図8を参照して、本実施例のフォーカス制御に係る受光部における領域の幅の決定手法の一具体例について説明する。
(3−1−1) 受光部PD1の領域「1b」の幅の決定手法
先ず、図6を参照して、受光部PD1の領域「1b」の幅を決定する手法について説明する。ここに、図6は、本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部PD1と、集光点位置との相対的な位置関係を概念的に示す光軸上の平面図、及び、受光部の受光面上の光径を、図式的に示す平面図である。尚、図6中の受光部PD2においては、上述した領域「2a」、「2b」、及び「2c」に夫々対応すると共に、受光部PD1における領域「1a」、「1b」、及び「1c」と夫々等しい幅を有する領域を、暫定的に、領域「2ax」、「2bx」、及び「2cx」として説明を進める。
受光部PD1の領域「1b」の幅「d1」を決定する際には、次の関係が成立することが好ましい。即ち、図6の中段に示されるように、所望の記録層に、集光した場合、(i)領域「1a」と、領域「1c」とで受光された外径光の信号成分と、領域「2bx」で受光された外径光の信号成分との和は、(ii)領域「2ax」と、領域「2cx」とで受光された外径光の信号成分と、領域「1b」で受光された外径光の信号成分との和に略等しくなるという関係が成立することが好ましい。尚、この集光した場合は、受光部PD1に照射される外径光の光径と、受光部PD2に照射される外径光の光径とは、略等しい場合であり、フォーカス誤差信号は、ゼロである。詳細には、上述した(i)の和は、領域「1a」で受光された外径光の左端部の信号成分(図6の中段の黒塗り部分を参照)と、領域「1c」で受光された外径光の右端部の信号成分(図6の中段の黒塗り部分を参照)と、領域「2bx」で受光された外径光の中心部の信号成分(図6の中段の黒塗り部分を参照)との和である。概ね同様にして、上述した(ii)の和は、領域「2ax」で受光された外径光の左端部の信号成分(図6の中段の斜線部分を参照)と、領域「2cx」で受光された外径光の右端部の信号成分(図6の中段の斜線部分を参照)と、領域「1b」で受光された外径光の中心部の信号成分(図6の中段の斜線部分を参照)との和である。言い換えると、図6の中段を、光量を面積に対応させて解釈すると、図6の中段の黒塗り部分の面積と、斜線部分の面積とは、略等しいと言える。
このようにして受光部PD1の領域「1b」の幅「d1」が決定された場合、図6の上段に示されるように、光軸の一方向を基準にして、所望の記録層から離れた位置に、集光した際には、(i)領域「1a」で受光された外径光の左端部の信号成分(図6の上段では、存在しない)と、領域「1c」で受光された外径光の右端部の信号成分(図6の上段では、存在しない)と、領域「2bx」で受光された外径光の中心部の信号成分(図6の上段の黒塗り部分を参照)との和は、(ii)領域「2ax」で受光された外径光の左端部の信号成分(図6の上段の斜線部分を参照)と、領域「2cx」で受光された外径光の右端部の信号成分(図6の上段の斜線部分を参照)と、領域「1b」で受光された外径光の中心部の信号成分(図6の上段の斜線部分を参照)との和より小さくなる。言い換えると、図6の上段を、光量を面積に対応させて解釈すると、図6の上段の黒塗り部分の面積は、斜線部分の面積より、小さいと言える。また、受光部PD1に照射される外径光の光径は、受光部PD2に照射される光径より小さくなる。
他方、上述したようにして受光部PD1の領域「1b」の幅「d1」が決定された場合、図6の下段に示されるように、光軸の一方向を基準にして、所望の記録層に近い位置に、集光した際には、(i)領域「1a」で受光された外径光の左端部の信号成分(図6の下段の黒塗り部分を参照)と、領域「1c」で受光された外径光の右端部の信号成分(図6の下段の黒塗り部分を参照)と、領域「2bx」で受光された外径光の中心部の信号成分(図6の下段の黒塗り部分を参照)との和は、(ii)領域「2ax」で受光された外径光の左端部の信号成分(図6の下段では、存在しない)と、領域「2cx」で受光された外径光の右端部の信号成分(図6の下段では、存在しない)と、領域「1b」で受光された外径光の中心部の信号成分(図6の下段の斜線部分を参照)との和より大きくなる。言い換えると、図6の下段を、光量を面積に対応させて解釈すると、図6の下段の黒塗り部分の面積は、斜線部分の面積より、大きいと言える。また、受光部PD1に照射される外径光の光径は、受光部PD2に照射される光径より大きくなる。
(3−1−2) 受光部PD2の領域「2b」の幅の決定手法
次に、図7を参照して、受光部PD2の領域「2b」の幅を決定する手法について説明する。ここに、図7は、本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部PD2と、集光点位置との相対的な位置関係を概念的に示す光軸上の平面図、及び、受光部の受光面上の光径を、図式的に示す平面図である。尚、図7中の受光部PD1においては、上述した領域「1a」、「1b」、及び「1c」に夫々対応すると共に、受光部PD2における領域「2a」、「2b」、及び「2c」と夫々等しい幅を有する領域を、暫定的に、領域「1ax」、「1bx」、及び「1cx」として説明を進める。
受光部PD2の領域「2b」の幅「d2」を決定する際には、次の関係が成立することが好ましい。即ち、図7の中段に示されるように、所望の記録層に、集光した場合、(i)領域「2b」で受光された内径光の信号成分と、領域「1ax」と、領域「1cx」とで受光された内径光の信号成分との和は、(ii)領域「2a」と、領域「2c」とで受光された内径光の信号成分と、領域「1bx」で受光された内径光の信号成分との和に略等しくなるという関係が成立することが好ましい。尚、この集光した場合は、受光部PD2に照射される内径光の光径と、受光部PD1に照射される内径光の光径とは、略等しい場合であり、フォーカス誤差信号は、ゼロである。詳細には、上述した(i)の和は、領域「2b」で受光された内径光の中心部の信号成分(図7の中段の黒塗り部分を参照)と、領域「1ax」で受光された内径光の左端部の信号成分(図7の中段の黒塗り部分を参照)と、領域「1cx」で受光された内径光の右端部の信号成分(図7の中段の黒塗り部分を参照)との和である。概ね同様にして、上述した(ii)の和は、領域「2a」で受光された内径光の左端部の信号成分(図7の中段の斜線部分を参照)と、領域「2c」で受光された内径光の右端部の信号成分(図7の中段の斜線部分を参照)と、領域「1bx」で受光された内径光の中心部の信号成分(図7の中段の斜線部分を参照)との和である。言い換えると、図7の中段を、光量を面積に対応させて解釈すると、図7の中段の黒塗り部分の面積と、斜線部分の面積とは、略等しいと言える。
このようにして受光部PD2の領域「2b」の幅「d2」が決定された場合、図7の上段に示されるように、光軸の一方向を基準にして、所望の記録層から離れた位置に、集光した際には、(i)領域「2b」で受光された内径光の中心部の信号成分(図7の上段の黒塗り部分を参照)と、領域「1ax」で受光された内径光の左端部の信号成分(図7の黒塗り部分を参照)と、領域「1cx」で受光された内径光の右端部の信号成分(図7の黒塗り部分を参照)と、の和は、(ii)領域「2a」で受光された内径光の左端部の信号成分(図7の上段の斜線部分を参照)と、領域「2c」で受光された内径光の右端部の信号成分(図7の上段の斜線部分を参照)と、領域「1bx」で受光された内径光の中心部の信号成分(図7の上段の斜線部分を参照)との和より小さくなる。言い換えると、図7の上段を、光量を面積に対応させて解釈すると、図7の上段の黒塗り部分の面積は、斜線部分の面積より、小さいと言える。また、受光部PD2に照射される内径光の光径は、受光部PD1に照射される光径より大きくなる。
他方、上述したようにして受光部PD2の領域「2b」の幅「d2」が決定された場合、図7の下段に示されるように、光軸の一方向を基準にして、所望の記録層に近い位置に、集光した際には、(i)領域「2b」で受光された内径光の中心部の信号成分(図7の下段の黒塗り部分を参照)と、領域「1ax」で受光された内径光の左端部の信号成分(図7の下段の黒塗り部分を参照)と、領域「1cx」で受光された内径光の右端部の信号成分(図7の下段の黒塗り部分を参照)との和は、(ii)領域「2a」で受光された内径光の左端部の信号成分(図7の下段の小さな斜線部分を参照)と、領域「2c」で受光された内径光の右端部の信号成分(図7の下段の小さな斜線部分を参照)と、領域「1bx」で受光された内径光の中心部の信号成分(図7の下段の斜線部分を参照)との和より大きくなる。言い換えると、図7の下段を、光量を面積に対応させて解釈すると、図7の下段の黒塗り部分の面積は、斜線部分の面積より、大きいと言える。また、受光部PD2に照射される内径光の光径は、受光部PD1に照射される光径より小さくなる。
従って、領域「1a」と、領域「1c」とで受光された外径光の信号成分を利用することによって、迷光の影響を顕著に低減させる。加えて、領域「2b」で受光された内径光の信号成分を利用することによって、外径光、及び内径光を含む戻り光の信号成分を殆ど又は完全に全体を利用することが可能である。概ね同様にして、領域「2a」と、領域「2c」とで受光された内径光の信号成分を利用することによって、所望の記録層で発生する信号光、及び他の記録層で発生する迷光を含む、内径光を光量の損失を殆ど又は完全に無くして受光することが可能である。加えて、領域「1b」で受光された外径光の信号成分を利用することによって、外径光、及び内径光を含む戻り光の信号成分を殆ど又は完全に全体を利用することが可能である。
この結果、迷光の影響を顕著に低減させることに加えて、光量の損失を殆ど又は完全に無くした、信号光の信号成分に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
(3−1−3) 受光部の領域の幅を決定する他の手法
次に、図8、及び図9を参照して、受光部の領域の幅を決定する他の手法について説明する。ここに、図8は、本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部の受光面の他の具体例を、図式的に示す平面図(図8(a)、図8(b)及び図8(c))である。図9は、本実施例に係る、光ピックアップに有される、受光部の分割された受光面の具体例を、図式的に示す平面図である。
詳細には、受光部の領域の幅に関しては、図8(a)に示されるように、領域「1b」の光ディスクの半径方向等の基準方向における幅「d1」は、所望の記録層に、集光した際に、外径光の光径「R」と、内径光の光径「R」とが略等しい場合、領域「2b」の基準方向における幅「d2」と略等しくなるようにしてもよい。
この結果、基準方向における幅が略等しい領域「1b」(即ち、第1中心領域の一例)、及び領域「2b」(即ち、第2中心領域の一例)に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
或いは、図8(b)に示されるように、領域「1b」の基準方向における幅は、所望の記録層に、集光した際に、当該領域「1b」で受光された外径光の受光量と、領域「1a」と、領域「1c」とで受光された外径光の受光量とが略等しくなるように規定されるようにしてもよい。或いは、領域「2b」の基準方向における幅は、当該領域「2b」で受光された内径光の受光量と、領域「2a」と、領域「2c」とで受光された内径光の受光量とが略等しくなるように規定されるようにしてもよい。
この結果、上述した受光量によって幅が規定される第1中心領域、及び第2中心領域に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
詳細には、受光部PD1においては、上述した3つに分割された領域「1a」、「1b」、「1c」を基準して、より多くの領域に分割されてもよい。即ち、図9の2段目に示されるように、領域「1b」が、左右方向に、領域「1br」と領域「1bl」とに分割され、合計で4分割されてもよい。この場合、領域「1br」、領域「1bl」で受光された外径光の受光量と、領域「1a」、領域「1c」で受光された外径光の受光量と、が略等しくなるように規定されるようにしてもよい。
或いは、図9の3段目に示されるように、領域「1a」が、左右方向に、領域「1ar」と領域「1al」とに分割され、領域「1c」が、左右方向に、領域「1cr」と領域「1cl」とに分割され、合計で5分割されてもよい。この場合、領域「1b」で受光された外径光の受光量と、領域「1ar」、領域「1al」、領域「1cr」、領域「1cl」で受光された外径光の受光量と、が略等しくなるように規定されるようにしてもよい。
更に、或いは、図9の4段目に示されるように、領域「1a」が、左右方向に、領域「1ar」と領域「1al」とに分割され、領域「1b」が、左右方向に、領域「1br」と領域「1bl」とに分割され、領域「1c」が、左右方向に、領域「1cr」と領域「1cl」とに分割され、合計で6分割されてもよい。この場合、領域「1br」、領域「1bl」で受光された外径光の受光量と、領域「1ar」、領域「1al」、領域「1cr」、領域「1cl」で受光された外径光の受光量と、が略等しくなるように規定されるようにしてもよい。より詳細には、このような分割の数については、分割の数に基づいて規定される、所定の演算を、光の受光後に行えば、理論的、経験的、実験的、又はシミュレーション等によって、個別具体的に決定可能である。
尚、受光部PD2についても概ね同様にして分割することが可能である。
或いは、図8(c)に示されるように、領域「1b」の形状は、所望の記録層に、集光した際に、外径光の光径「R」の光軸を中心とする円であってもよい。また、領域「2b」の形状は、所望の記録層に、集光した際に、内径光の光径「r」の光軸を中心とする円形状であってもよい。
この結果、光径と同じ円の形状に基づいて、例えばビームサイズフォーカス制御、所謂、スポットサイズ方式に基づくフォーカス制御をより高精度に実現することが可能である。
更に、本実施例において、青色レーザー、及び赤色レーザーに対応させることで、BD(Blu-ray Disc)、及びDVDを再生可能であるようにしてもよい。或いは、3ビームに基づいて、CDを再生可能であるようにしてもよい。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光ピックアップ及び情報機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る光ピックアップ及び情報機器は、例えばDVD等の情報記録媒体に対してデータの記録又は再生を行う際にレーザ光を照射する光ピックアップに利用可能であり、更に当該光ピックアップを備える情報機器に利用可能である。

Claims (15)

  1. 複数の記録層を備える記録媒体に対するデータの記録及び再生のうち少なくとも一方を行う光ピックアップであって、
    レーザ光を照射する光源と、
    前記レーザ光を、前記複数の記録層のうち一の記録層に導く光学系と、
    導かれた前記レーザ光が、前記一の記録層に集光した場合、前記一の記録層で反射する信号光と前記複数の記録層のうち他の記録層で反射する迷光とを含む戻り光における、前記戻り光の光軸を含む中央付近の部分である内径光の光路と、前記戻り光における、前記内径光の外側の部分である外径光の光路とを分岐させる光路分岐手段と、
    基準方向に沿って、少なくとも3つの領域を有し、前記外径光を受光するように配置された第1受光手段と、
    前記基準方向に沿って、少なくとも3つの領域を有し、前記内径光を受光するように配置された第2受光手段と、
    前記外径光の信号成分に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録層における一の記録トラック、又は、一のデータピット列に導くように前記光学系を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 前記光路分岐手段は、前記内径光の光路上に、反射膜を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光ピックアップ。
  3. 前記基準方向は、前記記録媒体の半径方向に基づいて規定されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光ピックアップ。
  4. 前記第1受光手段は、前記基準方向に沿って、第1中心領域を中心として並んで位置する第1左領域、及び、第1右領域を有し、
    前記第2受光手段は、前記基準方向に沿って、第2中心領域を中心として並んで位置する、第2左領域、及び、第2右領域を有し、
    前記制御手段は、前記第1左領域及び前記第1右領域で受光された前記外径光の信号成分に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録トラック、又は、前記一のデータピット列に導くように前記光学系を制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光ピックアップ。
  5. (i)受光された前記外径光に含まれる、前記信号光の信号成分と、(ii)受光された前記内径光に含まれる、前記迷光の信号成分との差分を演算する演算手段を更に備え、
    前記制御手段は、演算された前記差分に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録層に導くように前記光学系を制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光ピックアップ。
  6. 前記制御手段は、受光された前記外径光に含まれる、前記信号光の信号成分に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録層に導くように前記光学系を制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光ピックアップ。
  7. 前記第1受光手段で受光された前記外径光の信号成分に基づいて、前記データに含まれるRF信号を演算する第1演算手段を更に備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光ピックアップ。
  8. (i)前記第1受光手段で受光された前記外径光の信号成分、及び、(ii)前記第2受光手段で受光された前記内径光の信号成分との差分を演算する第2演算手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記差分に基づいて、前記RF信号を演算するための所定係数を算出し、前記所定係数に基づいて、前記RF信号を演算するように前記第1演算手段を制御することを特徴とする請求の範囲第7項に記載の光ピックアップ。
  9. 前記制御手段は、(i)前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記外径光の両端部の信号成分と、前記第2中心領域で受光された前記内径光の中央部の信号成分との和、及び、(ii)前記第2左領域と、前記第2右領域とで受光された前記内径光の両端部の信号成分と、前記第1中心領域で受光された前記外径光の中央部の信号成分との和に基づいて、前記レーザ光を前記一の記録層に導くように前記光学系を制御することを特徴とする請求の範囲第5項に記載の光ピックアップ。
  10. 前記第1中心領域の前記基準方向における幅は、(i)前記一の記録層に集光した場合、当該第1中心領域で受光された前記外径光の両端部の受光量と、前記第2左領域と、前記第2右領域とで受光された前記外径光の中央部の受光量との和と、(ii)前記第2中心領域で受光された前記外径光の中央部の受光量と、前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記外径光の両端部の受光量との和とが略等しくなるように規定されることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の光ピックアップ。
  11. 前記第2中心領域の前記基準方向における幅は、(i)前記一の記録層に集光した場合、当該第2中心領域で受光された前記内径光の中央部の受光量と、前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記内径光の両端部の受光量との和と、(ii)前記第2中心領域で受光された前記内径光の両端部の受光量と、前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記内径光の中央部の受光量との和とが略等しくなるように規定されることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の光ピックアップ。
  12. 前記第1受光手段と、前記第2受光手段とは、前記レーザ光が前記第1記録層に集光した際の共役的な集光点位置を基準にして、光学的な距離が等しい位置関係にあることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光ピックアップ。
  13. 前記第1中心領域の前記基準方向における幅は、前記一の記録層に集光した場合、前記外径光の光径と、前記内径光の光径とが略等しい場合、前記第2中心領域の前記基準方向における幅と略等しくなるように規定されることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の光ピックアップ。
  14. (i)前記第1中心領域の前記基準方向における幅は、当該第1中心領域で受光された前記外径光の受光量と、前記第1左領域と、前記第1右領域とで受光された前記外径光の受光量とが略等しくなるように規定される、又は、(ii)前記第2中心領域の前記基準方向における幅は、当該第2中心領域で受光された前記内径光の受光量と、前記第2左領域と、前記第2右領域とで受光された前記内径光の受光量とが略等しくなるように規定されることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の光ピックアップ。
  15. 請求の範囲第1項に記載の光ピックアップと、
    前記レーザ光を前記記録媒体に照射することで、前記データの記録又は再生を行う記録再生手段と
    を備えることを特徴とする情報機器。
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