JPWO2007114237A1 - クッション体及び座席シート並びにこれらの製造方法 - Google Patents

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美香 伊藤
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Abstract

【課題】大きな荷重支持力と共に柔らかい触感を有し、着座者との当接面に設けられた溝部等の凹凸形状を良好に維持することが可能なクッション体及び該クッション体を用いた座席シート並びにこれらの製造方法を提供する。【解決手段】主体繊維とバインダ繊維が混合された繊維構造体4を所定形状のキャビティ40aを有する成形型40によって成形したクッション体11であって、繊維構造体4は、主体繊維とバインダ繊維が混合されたウェブ2の延出方向が繊維構造体4の厚さ方向に沿うように、ウェブ2が積層されて形成されてなると共に、繊維構造体4の厚さ方向がクッション体11の厚さ方向に沿うように配設され、クッション体11には、繊維構造体4の厚さ方向に凹状となる所定幅を有する溝部12が形成され、溝部12は、その幅方向Wdが繊維構造体4を構成するウェブ2の積層方向Lと直交するように形成された。

Description

本発明はクッション体及び座席シート並びにこれらの製造方法に係り、特に、ポリエステル繊維等からなる繊維構造体を用いたクッション体及び座席シート並びにこれらの製造方法に関する。
従来、ポリエステル繊維等からなる繊維構造体をクッション体として用いた座席シートが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載の座席シートに用いられる繊維構造体は、非弾性ポリエステル系捲縮短繊維集合体からなるマトリックス繊維中に、熱接着性複合短繊維が接着成分として分散・混入されたウェブを、その長さ方向に沿って林立状態で順次折畳んだ状態に形成したものである。すなわち、この繊維構造体は、ウェブをアコーデオン状に折畳んで所定厚さに形成したものである。
特許文献1に記載の座席シートでは、この繊維構造体を着座部,背もたれ部においてそれぞれ複数積層してクッション体を形成し、このクッション体を表皮で覆った構成としている。したがって、この座席シートでは、着座時の荷重方向に沿ってウェブの林立方向(クッション体の厚さ方向)が向くので、通気性はもちろんのこと、荷重方向に対して適当な硬さを有し、荷重を分散することが可能となる。このため、この座席シートでは、従来一般的に用いられてきたウレタンにはない柔らかな触感を有するものとすることができる。
特許文献2では、多数の通気孔が形成された成形型内に複数の繊維構造体を積層して圧締状態で配置し、成形型内に熱風およびスチームを通気させている。これにより、熱風およびスチームが成形型内を通過して繊維構造体の熱成形が行われ、所定形状のクッション体が形成される。
特開平8−318066号公報 特開2000−107470号公報
しかしながら、特許文献1の座席シートでは、クッション体の着座面等が2次元的な構造であるものに対してはよいが、3次元的な構造のものに関しては、不十分であった。つまり、特許文献1の技術では、荷重当接面に溝部等の凹凸形状を設けることができないため、着座感が良好な座席シートを得ることができなかった。
これに対し、特許文献2の座席シートでは、クッション体の着座面等に溝部等の凹凸形状を設けることはできるものの、十分な荷重を支持するためには着座時の触感が硬くなってしまうという問題があった。
すなわち、特許文献1の座席シートでは、荷重方向に繊維の長手方向が沿う構造となっているため、触感を軟らかく維持したまま、十分な荷重を支持することが可能である。
これに対し、特許文献2の座席シートでは、荷重方向に繊維の長手方向が沿う構造ではないので、荷重を支持するためにはある程度クッション体を硬く成形しなければならない。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、大きな荷重支持力と共に柔らかい触感を有し、着座者との当接面に設けられた溝部等の凹凸形状を良好に維持することが可能なクッション体及び該クッション体を用いた座席シート並びにこれらの製造方法を提供することにある。
本発明は、主体繊維とバインダ繊維が混合された繊維構造体を所定形状のキャビティを有する成形型によって成形したクッション体であって、前記繊維構造体は、前記主体繊維と前記バインダ繊維が混合されたウェブの延出方向が前記繊維構造体の厚さ方向に沿うように、前記ウェブが積層されて形成されてなると共に、前記繊維構造体の厚さ方向が前記クッション体の厚さ方向に沿うように配設され、前記クッション体には、前記繊維構造体の厚さ方向に凹状となる所定幅を有する溝部が形成され、該溝部は、その幅方向が前記繊維構造体を構成するウェブの積層方向と所定角度以上をなすように形成されたことを特徴とする。
このように本発明のクッション体では、繊維構造体の厚さ方向にウェブの延出方向が沿うようにウェブが積層されて繊維構造体が形成されていると共に、繊維構造体の厚さ方向がクッション体の厚さ方向に沿うように形成されているので、クッション体の厚さ方向に掛かる大きな荷重を支持することが可能である。このため、繊維構造体の硬度を大きく成形しなくてもよいので、柔らかい触感を確保することが可能である。
また、クッション体には、繊維構造体の厚さ方向に凹状であって、溝幅方向がウェブの積層方向と所定角度以上をなすように溝部が形成されている。このため、溝部が幅方向に開き難く、溝部の形状を良好に維持することができ、クッション体の外観を良好に保持することが可能である。
また、前記溝部は、その幅方向が前記繊維構造体を構成するウェブの積層方向と略直交するように設定されると好適である。このように構成すると、溝部がその幅方向に開いてしまうことを防止して、溝部の形状を良好に保持することができる。
また、本発明の座席シートは、クッション体と、該クッション体を支持するシートフレームとを備えた座席シートであって、前記クッション体は、上記いずれかに記載のクッション体を用いることができる。
また、上記クッション体は、繊維構造体からなるクッション体の製造方法であって、主体繊維とバインダ繊維が混合されたウェブを所定長さで順次折畳んで積層状態として、前記ウェブの延出方向が厚さ方向に沿う所定厚さの繊維構造体を形成する繊維構造体形成工程と、クッション体に所定幅を有する溝部を形成するための溝形成部が型面に形成された成形型内に、前記繊維構造体の厚さ方向をクッション体の厚さ方向に沿わせて、かつ、前記溝形成部の突出方向が前記繊維構造体の厚さ方向に沿うと共に、前記繊維構造体を構成するウェブの積層方向と前記溝形成部の幅方向が所定角度以上をなすように、前記繊維構造体を圧縮した状態で配置する繊維構造体配置工程と、前記成形型内の繊維構造体を熱成形してクッション体を形成する成形工程と、を少なくとも備えたことを特徴とするクッション体の製造方法によって製造することができる。
また、前記繊維構造体配置工程では、前記繊維構造体を構成するウェブの積層方向と前記溝形成部の幅方向とが略直交するように前記繊維構造体を配置するとよい。
また、前記成形工程では、大気圧よりも高い気圧下において、前記成形型の型面に形成された蒸気孔を通して、前記繊維構造体に蒸気を吹き付けると好適である。このようにすると、短時間で繊維構造体を成形することが可能となり、製造時間の短縮化を図ることができる。また、繊維構造体が熱処理される時間が短くなるので、柔らかい風合を有するクッション体を形成することが可能である。
また、上記座席シートは、クッション体と、該クッション体を支持するシートフレームとを備えた座席シートの製造方法であって、上記クッション体の製造方法によって前記クッション体を形成する工程と、前記シートフレームに前記クッション体を取り付ける工程と、を少なくとも行うことによって製造することができる。
本発明によれば、繊維構造体の厚さ方向にウェブの延出方向が沿うようにウェブが積層されて繊維構造体が形成されると共に、繊維構造体の厚さ方向がクッション体の厚さ方向に沿うように形成されるので、クッション体の厚さ方向に掛かる大きな荷重を支持することが可能となる。また、クッション体には、繊維構造体の厚さ方向に凹状であって、溝幅方向がウェブの積層方向と所定角度以上をなすように溝部が形成されるので、溝部が幅方向に開き難く、溝部の形状を良好に維持することができ、クッション体の外観を良好に保持することが可能である。
座席シートの説明図である。 ウェブの繊維方向の説明図である。 シート状繊維構造体の製造工程の説明図である。 シート状繊維構造体の積層前の説明図である。 成形型の説明図である。 クッション体の製造工程の説明図である。 クッション体の製造工程の説明図である。 クッション体の断面説明図である。 クッション体の部分拡大説明図である。 座席シートの着座部を幅方向に切断した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 座席シート
2 ウェブ
4 シート状繊維構造体
10 着座部
11,21 クッション体
11a 座面部
11b 土手部
12 溝部
13,23 表皮
15,25 シートフレーム
17 トリムコード
19 係合部
20 背もたれ部
40 成形型
40a キャビティ
40A 上型
40B 下型
41 蒸気孔
42 溝形成部
50 高圧スチーム成形機
61 駆動ローラ
62 熱風サクション式熱処理機
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1〜図10は、本発明の一実施形態に係るものであり、図1は座席シートの説明図、図2はウェブの繊維方向の説明図、図3はシート状繊維構造体の製造工程の説明図、図4はシート状繊維構造体の積層前の説明図、図5は成形型の説明図である。図6,図7はクッション体の製造工程の説明図である。図8はクッション体の断面説明図、図9はクッション体の部分拡大説明図、図10は座席シートの着座部を幅方向に切断した状態を示す断面図である。
本例の座席シート1は、車、電車、航空機等の座席に適用することができるものであり、事務椅子、介護椅子等の各種椅子等にも適用可能である。本例の座席シート1は、図1に示すように、着座部10と、背もたれ部20と、を備えている。着座部10,背もたれ部20は、それぞれシートフレーム15,25にクッション体11,21が載置され、クッション体11,21は、表皮13,23で覆われた構成となっている。
本例のクッション体について、着座部10のクッション体11を例にとり、その形成工程(クッション体形成工程)について説明する。クッション体21についても同様な方法で形成されている。本例のクッション体11は、後述するようにウェブ2を林立状態に折り畳んで繊維構造体としてのシート状繊維構造体4を形成し、このシート状繊維構造体4を複数積層し、通気孔である蒸気孔41が型面に複数形成された成形型40内に配置したのち、成形型40を圧締した状態で、高圧スチーム成形機50内にて高圧スチーム成形することにより形成される。
まず、本例のクッション体11を形成するためのウェブ2について説明する。ウェブ2は、非弾性捲縮短繊維の集合体からなるマトリックス繊維中に、この短繊維よりも低い融点であって、少なくとも120℃以上の融点を有する熱接着性複合短繊維が接着成分として分散・混合されたものである。
本例のウェブ2は、非弾性捲縮短繊維としての非弾性ポリエステル系捲縮短繊維と、非弾性ポリエステル系捲縮短繊維を構成するポリエステルポリマーの融点より40℃以上低い融点を有する熱可塑性エラストマーと非弾性ポリエステルとからなる熱接着性複合短繊維とが、主に長さ方向に繊維の方向が向くように混綿されたものである。本例のウェブ2は、少なくとも30kg/mの嵩性を有すると共に、熱接着性複合短繊維同士間、および熱接着性複合短繊維と非弾性ポリエステル系捲縮短繊維との間に立体的繊維交差点が形成されている。
本例では、非弾性ポリエステル系捲縮短繊維として、異方冷却により立体捲縮を有する単糸繊度12デニール、繊維長64mmの中空ポリエチレンテレフタレート繊維を用いている。
非弾性ポリエステル系捲縮短繊維は、通常のポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトンまたはこれらの共重合エステルからなる短繊維ないしそれら繊維の混綿体、または上記のポリマー成分のうちの2種以上からなる複合繊維等を用いることができる。これら短繊維のうち好ましいのはポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートの短繊維である。さらに、固有粘度において互いに異なる2種のポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、またはその組み合わせからなり、熱処理等により捲縮がミクロクリンプを有する潜在捲縮繊維を用いることもできる。
また、短繊維の断面形状は、円形、偏平、異型または中空のいずれであってもよい。この短繊維の太さは、2〜200デニール、特に6〜100デニールの範囲にあることが好ましい。なお、短繊維の太さが小さいと、ソフト性はアップするもののクッション体の弾力性が低下する場合が多い。
また、短繊維の太さが大きすぎると、取扱い性、特にウェブ2の形成性が悪化する。また構成本数も少なくなりすぎて、熱接着性複合短繊維との間に形成される交差点の数が少なくなり、クッション体の弾力性が発現しにくくなると同時に耐久性も低下するおそれがある。更には風合も粗硬になりすぎる。
本例では、熱接着性複合短繊維として、融点154℃の熱可塑性ポリエーテルエステル系エラストマーを鞘成分に用い、融点230℃のポリブチレンテレフタレートを芯成分に用いた単糸繊度6デニール、繊維長51mmの芯/鞘型熱融着性複合繊維(芯/鞘比=60/40:重量比)が用いられている。
熱接着性複合短繊維は、熱可塑性エラストマーと非弾性ポリエステルとで構成される。そして、前者が繊維表面の少なくとも1/2を占めるものが好ましい。重量割合でいえば、前者と後者が複合比率で30/70〜70/30の範囲にあるのが適当である。熱接着性複合短繊維の形態としては、サイド・バイ・サイド、シース・コア型のいずれであってもよいが、好ましいのは後者である。このシース・コア型においては、非弾性ポリエステルがコアとなるが、このコアは同心円上あるいは偏心状にあってもよい。特に偏心型のものにあっては、コイル状弾性捲縮が発現するので、より好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系エラストマーやポリエステル系エラストマーが好ましい。特に後者が適当である。ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコール、アミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。これらのポリマーのうち、特に好ましいものはポリオールとしてポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクトンあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合、有機ジイソシアネートとしてはp,p'−ジフェニルメタンジイソシアネートが好適である。また、鎖伸長剤としては、p,p'ビジスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールが好適である。
一方、ポリエステル系エラストマーとしては、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アレキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステルブロック共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオール、あるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環族ジオール、またこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度の、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アレキレンオキシド)グリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体である。
非弾性ポリエステル系捲縮短繊維との接着性や温度特性、強度の面からすると、ポリブチレン系テレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルポリエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分テレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。勿論、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていてもよく、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されてもよい。
また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分は、ブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってもよい。なお、ポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
このポリエステル系エラストマーの重合度は、固有粘度で0.8〜1.7dl/g、特に0.9〜1.5dl/gの範囲にあることが好ましい。この固有粘度が低すぎると、マトリックスを構成する非弾性ポリエステル系捲縮短繊維とで形成される熱固着点が破壊され易くなる。一方、この粘度が高すぎると、熱融着時に紡錘状の節部が形成されにくくなる。
熱可塑性エラストマーの基本的特性としては、破断伸度が500%以上であることが好ましく、更に好ましくは800%以上である。この伸度が低すぎると、クッション体11が圧縮されその変形が熱固着点におよんだとき、この部分の結合が破壊され易くなる。
一方、熱可塑性エラストマーの300%の伸長応力は0.8kg/mm以下が好ましく、更に好ましくは0.8kg/mmである。この応力が大きすぎると、熱固着点が、クッション体11に加わる力を分散しにくくなり、クッション体11が圧縮されたとき、その力で熱固着点が破壊されるおそれがあるか、あるいは破壊されない場合でもマトリックスを構成する非弾性ポリエステル系捲縮短繊維まで歪ませたり、捲縮をへたらせてしまったりすることがある。
また、熱可塑性エラストマーの300%伸長回復率は60%以上が好ましく、さらに好ましくは70%以上である。この伸長回復率が低いと、クッション体11が圧縮されて熱固着点は変形しても、もとの状態に戻りにくくなるおそれがある。これらの熱可塑性エラストマーは、非弾性ポリエステル系捲縮短繊維を構成するポリマーよりも低融点であり、かつ熱固着点の形成のための融着処理時に捲縮短繊維の捲縮を熱的にへたらせないものであることが必要である。この意味から、その融点は短繊維を構成するポリマーの融点より40℃以上、特に60℃以上低いことが好ましい。かかる熱可塑性エラストマーの融点は例えば120〜220℃の範囲の温度とすることができる。
この融点差が40℃より小さいと、以下に述べる融着加工時の熱処理温度が高くなり過ぎて、非弾性ポリエステル系捲縮短繊維の捲縮のへたりを惹起し、また捲縮短繊維の力学的特性を低下させてしまう。なお、熱可塑性エラストマーについて、その融点が明確に観察されないときは、融点に替えて軟化点を観察する。
一方、上記、複合繊維の熱可塑性エラストマーの相手方成分として用いられる非弾性ポリエステルとしては、既に述べたような、マトリックスを形成する捲縮短繊維を構成するポリエステル系ポリマーが採用されるが、そのなかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートがより好ましく採用される。
上述の複合繊維は、ウェブ2の重量を基準として、20〜100%、好ましくは30〜80%の範囲で分散・混入される。
本例のウェブ2では、バインダ繊維としての熱接着性複合短繊維と、主体繊維としての非弾性捲縮短繊維が、60:40の重量比率で混綿されている。
複合繊維の分散・混入率が低すぎると、熱固着点の数が少なくなり、クッション体11が変形し易くなったり、弾力性、反撥性および耐久性が低くなったりするおそれがある。また、配列した山間の割れも発生するおそれがある。
本例では、非弾性ポリエステル系捲縮短繊維と、熱接着性複合短繊維とを、重量比率40:60で混綿し、ローラーカードに通して、目付20g/mのウェブ2に形成している。
本例のウェブ2は、長さ方向に向いている繊維の方が、横方向に向いている繊維よりも相対的割合が多くなるように形成されている。すなわち、本例のウェブ2は、単位体積当りにおいて、C≧3D/2、好ましくはC≧2Dの関係を満足するように形成されている。
この連続ウェブ2中の長さ方向(連続している方向)に向いている繊維Cと横方向(ウェブの幅方向)に向いている繊維Dの単位体積当りの総数を調べると、C:D=2:1であることを確認することができる。
ここでウェブ2の長さ方向に向いている繊維とは、図2に示すように、ウェブ2の長さ方向に対する繊維の長さ方向の角度θが、0°≦θ≦45°の条件を満足する繊維であり、横方向(ウェブの幅方向)に向いている繊維とは、θが45°<θ≦90°を満足する繊維である。図中、符号aはウェブを構成する繊維、符号bはウェブの長さ方向(延出方向)、符号cはウェブを構成する繊維方向を表している。
また、シート状繊維構造体4を構成する繊維の向きについても、シート状繊維構造体4の厚さ方向および厚さ方向に垂直な方向に沿う方向とは、これらの方向に対して±45°の範囲にあるものを意味する。
各繊維の向いている方向は、ウェブ2の表層部、内層部でランダムな箇所を抽出し、透過型光学顕微鏡で観察することによって観察できる。
なお、ウェブ2の厚みは5mm以上、好ましくは10mm以上、更に好ましくは20mm以上である。通常5〜150mm程度の厚みである。
次に、主に長さ方向に繊維が沿うように形成されたウェブ2を、所定の密度と構造体としての所望の厚さになるようにアコーデオンの如く折り畳んでいき、複合繊維同士間、および非弾性ポリエステル系捲縮短繊維と複合繊維間に立体的な繊維交差点を形成せしめた後、ポリエステルポリマーの融点よりも低く、熱可塑性エラストマーの融点(または流動開始点)より高い温度(〜80℃)で熱処理することにより、上記繊維交差点でエラストマー成分が熱融着され、可撓性熱固着点が形成される。
具体的には、図3に示すように、ローラ表面速度2.5m/分の駆動ローラ61により、熱風サクション式熱処理機62(熱処理ゾーンの長さ5m、移動速度1m/分)内へ押し込むことでアコーデオン状に折り畳み、Struto設備により190℃で5分間処理し、熱融着された厚さ25mmのシート状繊維構造体4とした(繊維構造体形成工程)。
このようにして形成されたシート状繊維構造体4中には、熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点、および熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在した状態となっている。
シート状繊維構造体4の密度は、0.015〜0.20g/cmの範囲が、クッション性、通気性、弾力性の発現のために適当である。
長さ方向に繊維が沿うように形成されたウェブ2を折り畳んで形成することにより、シート状繊維構造体4は、厚さ方向に向いている繊維の方が、厚さ方向と垂直な方向を向いている繊維よりも多く、主に繊維方向が厚さ方向と平行となる。つまり、本例のシート状繊維構造体4は、単位体積当りにおいて、厚さ方向に沿って配列している繊維の総数をA、厚さ方向に対して垂直な方向に沿って配列している繊維の総数をBとしたときに、A≧3B/2、好ましくはA≧2Bの関係を満足するように形成される。
次に、シート状繊維構造体4を所定形状に裁断し、図4に示すように、縦方向(厚さ方向T)に積層させる。本例では、略矩形状のシート状繊維構造体4a、シート状繊維構造体4bと、クッション体11の土手部を形成するためのU字型のシート状繊維構造体4cと、両腿の間にわずかに突出させる凸部を形成するためのシート状繊維構造体4dとを裁断し、シート状繊維構造体4aとシート状繊維構造体4bとの間に、シート状繊維構造体4cとシート状繊維構造体4dを挟持させている。
これらのシート状繊維構造体4a〜4dは、その厚さ方向Tに積層される。つまり、繊維方向が縦方向に揃うように積層される。また、シート状繊維構造体4a〜4dは、ウェブ2の積層方向Lがクッション体11の幅方向Wと直交する向きに配置される。
また、シート状繊維構造体4a〜4dが互いに当接する部分には、必要に応じホットメルトフィルム、ホットメルト不織布、ホットメルト接着剤等が配設される。
このように積層したシート状繊維構造体4a〜4dを、図5に示すような、成形型40に配設し、圧締する(繊維構造体配置工程)。本例の成形型40は、上型40Aと下型40Bからなる。上型40Aと下型40Bを型締めすると所望のクッション体11の凹凸形状を有するキャビティ40aが形成される(図6参照)。また、成形型40の型面には一部又は全面に蒸気孔41が形成されている。成形型40は、鉄,鋼,アルミニウム等の金属、ガラス繊維,カーボン繊維を使用し樹脂で形成したもの、又、合成樹脂のいずれで形成されていてもよい。
図6は、シート状繊維構造体4a〜4dを内部に配置し、成形型40を型締めした状態の断面図である。シート状繊維構造体4a〜4dは、自然状態で成形型40のキャビティ40aよりも、容積で1.2〜3.0倍程度大きく形成されている。したがって、型締め時には、シート状繊維構造体4a〜4dは、キャビティ40aの形状に圧縮された状態となる。
上型40Aには、溝形成部42が型面から突出するように形成されている。この溝形成部42は、クッション体11の座面部11aと土手部11bとを分離するようにクッション体11(またはシート状繊維構造体4a)の厚さ方向に凹状となる所定幅の溝部12(図8参照)を形成するためのものであり、上型40Aにその奥行き方向(図6のZ方向)に略沿うように形成されている。
本例では、溝形成部42の突出方向(本例ではY方向)がシート状繊維構造体4aの厚さ方向(本例ではY方向)に沿うと共に、シート状繊維構造体4aを構成するウェブ2の積層方向(本例ではZ方向)と溝形成部42の幅方向(本例ではX方向)が所定角度以上をなすように、成形型40内にシート状繊維構造体4a〜4dが圧縮した状態で配置される。
本例では、シート状繊維構造体4aを構成するウェブ2の積層方向と溝形成部42の幅方向が略直交するように、シート状繊維構造体4aが配置される。
後述するようにシート状繊維構造体4aを構成するウェブ2の積層方向と溝形成部42の幅方向がなす角度は、略90°であることが最も望ましいが、20°程度以上であればよい。好ましくは45°以上である。
次に、図7に示すように、シート状繊維構造体4a〜4dが内部に配設された成形型40を高圧スチーム成形機50内に入れる。そして、高圧スチーム成形機50内部を大気圧よりも高い気圧である2〜8気圧程度に加圧し、1〜3分間、成形型40に120℃〜180℃程度の蒸気を吹き付ける(成形工程)。蒸気を吹き付けた後、冷却し、脱型してクッション体11を得る(冷却・離型工程)。
本例の成形工程では、成形温度の蒸気を成形型40に対して吹き付け可能とするよう、高圧スチーム成形機50内の温度を制御する。
ここで、成形温度とは、バインダ繊維としての熱接着性複合短繊維の融点以上、すなわち、熱可塑性エラストマーの融点以上であって、主体繊維としてのマトリックス繊維(非弾性捲縮短繊維)の融点よりも低い成形温度である。
蒸気を成形温度とするには、まず高圧スチーム成形機50内の温度を不図示のヒーターによって成形温度まで昇温すると共に、高圧スチーム成形機50内の気圧を周辺大気圧(約1atm)から少なくとも成形温度における蒸気の飽和蒸気圧以上に昇圧する。
本例では、バインダ繊維の融点が約154℃であることから、成形温度をそれよりも上の161℃に設定している。そして、本例では、約30秒で高圧スチーム成形機50内を成形温度161℃まで昇温すると共に、高圧スチーム成形機50内を熱伝達物質として用いる水(HO)の沸点が成形温度161℃となる気圧約5.5atm(約0.557MPa)まで昇圧している。すなわち、成形温度161℃での水の飽和蒸気圧は約5.5atmである。
成形工程では、高圧スチーム成形機50内を成形温度および所定圧力に保持した状態で、成形温度の水蒸気を成形型40に対して吹き付ける。本例では、成形型40に約1分10秒間蒸気を吹き付けて成形している。
その後、約1分で高圧スチーム成形機50内を成形温度以下に下げると共に、周辺大気圧まで減圧する。そして、成形型40を高圧スチーム成形機50内から取り出して、成形型40を冷却し(冷却工程)、成形型40から熱成形されたクッション体11を離型する(離型工程)。
本例では、高圧スチーム成形機50にてクッション体11を熱成形するタクトタイムは約3〜5分とすることができる。
このように成形温度の蒸気を吹き付けることによって、成形型40の蒸気孔41から蒸気が通気性を有するシート状繊維構造体4a〜4d内に入り込み、他の蒸気孔41から成形型40外部へ抜け出て行く。シート状繊維構造体4a〜4dは、圧縮状態で成形型40内に配設されており、蒸気熱によって、熱接着性複合短繊維同士、および熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維との交差点が熱融着され、成形型40のキャビティ40aの形状に形成される。
また、シート状繊維構造体4a〜4d間に配設されたホットメルトフィルム、ホットメルト不織布、ホットメルト接着剤等が、蒸気熱によって溶融し、シート状繊維構造体4a〜4d同士を固着する。
このように、蒸気によってシート状繊維構造体4a〜4d内の繊維同士が熱融着されると共に、ホットメルトフィルム、ホットメルト不織布、ホットメルト接着剤等がシート状繊維構造体4a〜4d同士を固着することによって、所定形状のクッション体11が形成される。なお、必要に応じ表面に布帛を入れても良いし、シート状繊維構造体4a〜4d間にスチール等のワイヤを入れても良い。
本例のように、飽和蒸気圧まで昇圧された高圧スチーム成形機50内で成形温度の蒸気を成形型40に吹き付けると、成形時間を大幅に短縮することができる。すなわち、成形温度の蒸気は、熱風よりも熱容量が大きいため、バインダ繊維を短時間で溶融させることが可能となる。
本例のクッション体11は、繊維の方向が厚さ方向に向いたシート状繊維構造体4a〜4dを積層して高圧スチーム成形している。したがって、クッション体11を構成する繊維は、座席シート1に着座者が着座したときに荷重が加わる方向に沿うように配列されている。このような構成によって、本例のクッション体11は、通気性を有すると共に、応力方向に対して適度な硬さを確保することができ、また、応力の分散性、耐久性に優れたものとなる。すなわち、本例では、荷重方向にウェブ2の延出方向が向いているため、クッション体11の硬度をそれほど大きくせずに、柔らかい触感を確保したまま大きな荷重を支持することが可能である。
また、本例のクッション体11は、成形型40によって圧縮した状態で成形されるものであり、成形型40のキャビティの形状に合わせて、3次元的な複雑な凹凸形状とすることが可能である。その際、成形型40内での圧縮度に応じて、部分的にクッション感を調整することも可能となる。
図8に離型したクッション体11の断面図を示す。図8に示すように、本例のクッション体11は、着座時に着座者と当接してその荷重を受ける座面部11aと、座面部11aの両側に形成され上部へ隆起する土手部11bとを備えており、座面部11aと土手部11bとの間には所定幅Gを有する溝部12が形成されている。
図9は溝部12付近の拡大図である。図9(A),(B)に示すように、本例のクッション体11は、溝部12の幅方向Wdとシート状繊維構造体4aを構成するウェブ2の積層方向Lが略直交するように形成されている。すなわち、幅方向Wdとウェブ2の積層方向Lとのなす角度αが略90°となっている。
溝部12の幅方向とウェブ2の積層方向が平行または平行に近くなると、溝部12が幅方向Wdに開いて溝部12の形状がダレてしまい易い。
これに対して、本例のように溝部12の幅方向Wdとウェブ2の積層方向Lが所定角度を有するように溝部12を形成すると、溝部12の形状がダレることなく溝部12を幅方向Wdに開き難くすることができる。このように本例では、クッション体11の表面に溝部12を設けることができ、しかもこの溝部12の形状を良好に維持することが可能である。これにより、クッション体11の外観を良好に保持することができる。
なお、本例では、溝部12の幅方向Wdとウェブ2の積層方向Lのなす角度αが略90°となるように設定されているが、これに限らず、所定角度以上をなすように構成することができる。すなわち、角度αは、略90°であることが最も望ましいが、20°程度以上であればよい。好ましくは45°以上である。
以上はクッション体11についての説明であるが、背もたれ部のクッション体21についても同様に形成することができる。
そして、このように形成されたクッション体11,21をシートフレーム15,25に配設し、表皮13,23で覆うことによって、座席シート1が形成される(組み付け工程)。
なお、クッション体11を形成するときに、表皮13とシート状繊維構造体4a〜4dとをホットメルトフィルム、ホットメルト不織布、ホットメルト接着剤等を介在させて積層し、これらを成形型40に配設して、高圧スチーム成形してもよい。このようにすれば、表皮13をクッション体11と一体に形成することができる。表皮23についても同様である。
また、上記実施形態では、溝部12が座面部11aと土手部11bとの境界に設けられていたが、これに限らず、座面部11aを分断するように溝部12を設けてもよい。
また、上記実施形態では、成形型40の上型40Aおよび下型40Bに蒸気孔41が形成されていたが、これに限らず、クッション体11の裏側の面を形成する下型40Bのみに蒸気孔41を形成し、クッション体11の表側の面を形成する上型40Aには蒸気孔41を形成しなくてもよい。このように構成すると、形成されたクッション体11の表側の面(着座者との当接面)を柔らかい触感に形成することができる。
また、上記実施形態では、着座部10および背もたれ部20に、シート状繊維構造体4を積層して高圧スチーム形成したクッション体11,21を用いているが、これに限らず、アームレストやヘッドレスト等の着座者による荷重が掛かる部位に、シート状繊維構造体4を積層して高圧スチーム形成したクッション体を用いてもよい。
次に、クッション体11を用いた座席シートについて詳細に説明する。図10は座席シートの着座部を幅方向に切断した状態を示す断面図であり、(a)は着座部の全体を示した図、(b)は(a)の丸で囲まれた領域を拡大して示した図である。
図10(a)に示すように、着座部10は、クッション体11と、表皮13と、シートフレーム15を備えている。クッション体11の表面は表皮13で覆われており、図10(b)に示すように、表皮13の端末には樹脂製のトリムコード17が縫着されている。トリムコード17は、断面略J字状をしており、先端側に形成された屈曲部に紐などの部材を掛着できるようになっている。
一方、シートフレーム15の内側には、係合部19が突設されている。係合部19の先端側にはワイヤが設けられている。トリムコード17の屈曲部を係合部19のワイヤに掛着することで、表皮13がシートフレーム15に固定される。
続いて、車両用シートの着座部10を製造する方法について詳細に説明する。
まず、高圧スチーム成形前のクッション体11の表面にホットメルトフィルムを貼着し、その表面を表皮13で覆う。次に、表皮13で表面を覆ったクッション体11を高圧スチーム成形機内に入れて高圧スチーム成形を行い、クッション体11と表皮13を一体に形成する。
成形後のクッション体11を高圧スチーム成形機から取り出し、しばらく放置して乾燥する。乾燥後、表皮13の端末部に樹脂製のトリムコード17を縫着する。次に、表皮13の端末側を引っ張って着座部10の表面のしわを除去し、トリムコード17を係合部19に掛着する。
以上は座席シート1のうち着座部10についての説明であるが、背もたれ部20も同様の工程で製造することができる。

Claims (7)

  1. 主体繊維とバインダ繊維が混合された繊維構造体を所定形状のキャビティを有する成形型によって成形したクッション体であって、
    前記繊維構造体は、前記主体繊維と前記バインダ繊維が混合されたウェブの延出方向が前記繊維構造体の厚さ方向に沿うように、前記ウェブが積層されて形成されてなると共に、前記繊維構造体の厚さ方向が前記クッション体の厚さ方向に沿うように配設され、
    前記クッション体には、前記繊維構造体の厚さ方向に凹状となる所定幅を有する溝部が形成され、
    該溝部は、その幅方向が前記繊維構造体を構成するウェブの積層方向と所定角度以上をなすように形成されたことを特徴とするクッション体。
  2. 前記溝部は、その幅方向が前記繊維構造体を構成するウェブの積層方向と略直交するように設定されたことを特徴とする請求項1に記載のクッション体。
  3. クッション体と、該クッション体を支持するシートフレームとを備えた座席シートであって、前記クッション体は、請求項1又は2に記載のクッション体を用いたことを特徴とする座席シート。
  4. 繊維構造体からなるクッション体の製造方法であって、
    主体繊維とバインダ繊維が混合されたウェブを所定長さで順次折畳んで積層状態として、前記ウェブの延出方向が厚さ方向に沿う所定厚さの繊維構造体を形成する繊維構造体形成工程と、
    クッション体に所定幅を有する溝部を形成するための溝形成部が型面に形成された成形型内に、前記繊維構造体の厚さ方向をクッション体の厚さ方向に沿わせて、かつ、前記溝形成部の突出方向が前記繊維構造体の厚さ方向に沿うと共に、前記繊維構造体を構成するウェブの積層方向と前記溝形成部の幅方向が所定角度以上をなすように、前記繊維構造体を圧縮した状態で配置する繊維構造体配置工程と、
    前記成形型内の繊維構造体を熱成形してクッション体を形成する成形工程と、を少なくとも備えたことを特徴とするクッション体の製造方法。
  5. 前記繊維構造体配置工程では、前記繊維構造体を構成するウェブの積層方向と前記溝形成部の幅方向とが略直交するように前記繊維構造体を配置することを特徴とする請求項4に記載のクッション体の製造方法。
  6. 前記成形工程では、大気圧よりも高い気圧下において、前記成形型の型面に形成された蒸気孔を通して、前記繊維構造体に蒸気を吹き付けることを特徴とする請求項4に記載のクッション体の製造方法。
  7. クッション体と、該クッション体を支持するシートフレームとを備えた座席シートの製造方法であって、
    請求項4〜6のいずれかに記載のクッション体の製造方法によって前記クッション体を形成する工程と、前記シートフレームに前記クッション体を取り付ける工程と、を少なくとも行うことを特徴とする座席シートの製造方法。
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