JPWO2007088833A1 - 生分解性積層シートの熱成形方法 - Google Patents

生分解性積層シートの熱成形方法 Download PDF

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Abstract

ポリ乳酸とポリグリコール酸を積層した複合素材の成形方法として、生分解性樹脂は使用時の耐久性が損なわれることなく、効率よく短時間でガスバリア性を高めると共に、耐熱性をも高められる熱成形方法とすることである。ポリグリコール酸系重合体層の片面側または両面側にポリ乳酸系重合体層を積層一体化した生分解性積層シートを設け、この積層シートを60〜160℃に予備加熱し、次いで前記積層シートに対して90〜160℃に加熱された金型を圧接させかつそのまま3〜60秒間保持することにより、熱圧成形と同時に前記積層シートのポリグリコール酸系重合体層を結晶化処理することからなる生分解性積層シートの熱成形方法とする。金型に所定の層構成の生分解性積層シートを所定の予備加熱後に圧接させることで、乾熱方式に比べて効率的な結晶化処理を行なって、短時間でガスバリア性および耐熱性を高める。

Description

この発明は、ポリグリコール酸系樹脂とポリ乳酸系樹脂を積層一体化した生分解性積層シートの熱成形方法に関する。
ポリ乳酸は、微生物や酵素により分解され、人体に無害な乳酸や二酸化炭素と水になるという生分解性を示し、医療用材料や汎用樹脂の代替物として注目され、特に使用時間に強度を保ち、使用後には自然に分解するように調製された容器の素材として利用されると、使用済みプラスチックの廃棄量の減少が期待できる素材になる。
しかし、ポリ乳酸のみでプラスチック容器を成形すると、耐熱性や機械的強度に劣るものになり、例えば食品等の容器として食品を温めるために熱湯を注ぐと、容器は軟化して変形してしまう不具合も生じる。
またポリ乳酸は、酸素ガスバリア性が低いため、例えば酸素ガスバリア性が要求される食品容器として用いると、食品の長期保存に適さない容器になる。更に、ポリ乳酸は、水蒸気バリア性も低いため、乾燥食品などの容器に用いた場合には、吸湿等により長期保存に適さないという欠点もある。
一方、ポリグリコール酸は生分解性樹脂として知られたものであるが、酸素ガスバリア性、炭酸ガスバリア性、水蒸気バリア性などのバリア性に優れており、耐熱性や機械的強度にも優れているので、包装材料などとしては単独または他の樹脂材料などと複合化して用いられている。
また、ポリ乳酸系生分解性樹脂シートと紙などをラミネートして容器を成形する場合に、容器の縁の部分などに皺が形成されずにポリ乳酸系樹脂がよく伸びるように、金型温度を100〜140℃にとして圧空成形または真空成形する方法が知られている(特許文献1)。
特開2003−276078号公報
特許文献1に記載された発明では、ポリ乳酸にラミネートされる他素材についての材質を改善するものではなく、特にポリグリコール酸についての物性改善の条件は特に示されてはいない。
よって、この発明の第1の課題は、上記した問題点を解決してポリ乳酸とポリグリコール酸を積層した複合素材の成形方法として、効率よく短時間でヒートセット(結晶化処理をいう、以下同じ。)を行なってバリア性を高めると共に、耐熱性をも高められる熱成形方法とすることである。
また、この発明の第2の課題は、そのような熱成形によって得られるバリア性が高く、しかも耐熱性に優れた生分解性積層シートおよび生分解性容器を得ることである。
上記の課題を解決するために、この発明ではポリグリコール酸系重合体層の片面側または両面側にポリ乳酸系重合体層を積層一体化した生分解性積層シートを設け、この積層シートを60〜160℃に予備加熱し、次いで前記積層シートに対して90〜160℃に加熱された金型を圧接させかつそのまま所定時間保持することにより、熱圧成形と同時に前記積層シートのポリグリコール酸系重合体層を結晶化処理することからなる生分解性積層シートの熱成形方法としたのである。
上記したこの発明の熱成形方法によれば、ポリグリコール酸系樹脂とポリ乳酸系樹脂を積層一体化した生分解性積層シートの圧空成形時に、金型温度を90℃〜160℃とし、この金型に所定の層構成の生分解性積層シートを所定の予備加熱後に圧接させることで、乾熱方式に比べて効率的なヒートセットを行なうことができ、ヒートセットに要する時間を短縮することができる。
熱成形効率が高い方法とするためには、生分解性積層シートに加熱した金型を圧接させてそのまま保持する所定時間は、3〜60秒とすることが好ましい。
このようにして得られる生分解性積層シートを構成素材とする生分解性容器その他の形態の生分解性熱成形体は、乾熱式でヒートセットされた容器などの熱成形体や、ポリ乳酸単層のみで成形された容器などに比べて耐熱性、強度が向上しており、しかもバリア性も顕著に向上したものになる。
この発明の熱成形方法は、ポリグリコール酸系樹脂とポリ乳酸系樹脂を積層一体化した生分解性積層シートの圧空成形時に、所定温度に調整された金型に生分解性積層シートを所定の予備加熱後に圧接させるようにしたので、生分解性樹脂は使用時の耐久性が損なわれることなく、効率よく短時間でバリア性を高めると共に、耐熱性をも高められる熱成形方法となる利点がある。また、この熱成形方法によれば、乾熱方式よりも効率的にヒートセットを行うことができると共に、バリア性および耐熱性にも優れた容器などの成形体を製造することができる。
この発明に用いるポリグリコール酸系重合体(ポリグリコール酸樹脂とも称される。)は、式−(−O−CH2−CO−)−で表される繰り返し単位(グリコール酸単位)を含有する単独重合体または共重合体からなるものである。
ポリグリコール酸系重合体中の上記の式で表される繰り返し単位の含有割合は、50重量パーセント以上、好ましくは60重量パーセント以上、より好ましくは80重量パーセント以上であり、その上限は100重量パーセントである。上記式で表される繰り返し単位の含有割合が上記所定範囲未満に少なすぎると、バリア性や耐熱性が低下するからである。
ポリグリコール酸樹脂には、上記の式で表されるグリコール酸単位に加えて、グリコール酸と共重合可能なコモノマーの重合単位を含有させてグリコール酸共重合体とすることができる。
コモノマーとしては、シュウ酸エチレン(即ち、1,4−ジオキサン−2,3−ジオン)、ラクチド類、ラクトン類(例えば、プロピオラクトン、ブチロラクトン、ピバロラクトン、バレロラクトン、メチルバレロラクトン、カプロラクトン等)、カーボネート類(例えばトリメチレンカーボネート等)、エーテル類(例えば1,3−ジオキサンなど)、エーテルエステル類(例えばジオキサノン等)、アミド類(カプロラクタム等)等の環状モノマー;乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸、4−ヒドロキシブタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸またはそのアルキルエステル;エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類と、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸類またはそのアルキルエステル類との実質的に等モルの混合物を用いることができる。
また、ポリグリコール酸樹脂に対し、結晶性を調節する等のため、他の熱可塑性樹脂をこの発明の効果を阻害しない程度に比較的少量を混合することもできる。
その場合に用いる他の樹脂としては、生分解性を有するものであることが好ましいのは勿論であり、成形加工性、シートや成形体の物性を調整する目的で可塑剤、滑剤、無機フィラー、紫外線吸収剤などの添加剤、改質剤などを添加することもできる。
この発明で使用するグリコール酸(共)重合体は、温度270℃及びせん断速度120sec−1の条件下で測定した溶融粘度が、100〜10000Pa・sec、より好ましくは300〜8000Pa・sec、特に好ましくは400〜5000Pa・secの範囲にあることが好ましい。
次に、この発明に用いるポリ乳酸系重合体は、ポリ乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、もしくはこれらの重合体の混合物である。
乳酸としてはL−乳酸、D−乳酸またはそれらの混合物が挙げられ、他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などが代表的なものとして挙げられる。
そして、ポリ乳酸系重合体層には、他の高分子材料をこの発明の効果を阻害しない程度の量を混合することができる。この場合の他の樹脂としては、生分解性を有するものであることが好ましいのは勿論であり、またポリ乳酸系重合体の成形加工性、シートや成形体の物性を調整する目的で可塑剤、滑剤、無機フィラー、紫外線吸収剤などの添加剤、改質剤などを添加することもできる。
また、この発明におけるポリ乳酸系重合体層としては、この発明の硬質樹脂成形容器のリグラインド(回収、再粉砕)物を用いることもできる。
この発明における生分解性積層シートの層構成は、上記ポリグリコール酸系重合体からなるA層と、ポリ乳酸系重合体を主成分とするB層からなる少なくとも2層以上であることが必要であり、好ましくはB/A/Bの構成である。
具体的な構成としては、これに限られるものではないが、B/A/B/A/Bなどとすることもできる。またこの発明の硬質樹脂容器のリグラインド(回収、再粉砕)物を主成分とするC層を積層し、C/A/C、B/C/A/C/B、B/A/C、B/A/C/Bなどとすることもできる。
また、上記いずれの場合にも層間に適宜に接着層を介在させることができる。用いられる接着層としては、例えば無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(三菱化学社製:モディックS525、XS533、F513、F533、三井化学社製:アドマーNF550)、グリシジル基含有エチレンコポリマー(日本石油化学社製:レクスパールRA3150、住友化学社製:ボンドファースト2C、E、B)、熱可塑性ポリウレタン(クラレ社製:クラミロン1195L)、ポリアミド・アイオノマー(三井デュポン社製:AM7926)、ポリアクリルイミド樹脂(ローム・アンド・ハース社製:XHTA)などが挙げられる。
これらは生分解性には劣るものであるが、接着層の厚さは0.5〜10μm程度と非常に薄く、また環境に対する負荷は使用量の少なさにより軽減することが可能である。特に、生分解性の良好な接着性樹脂であれば、この発明において好適に用いられるものになる。
この発明において上記の材料を用いて構成されるポリグリコール酸系重合体層の片面側または両面側にポリ乳酸系重合体層を積層し一体化した生分解性積層シートは、通常用いられる周知な方法で製造することができる。
例えば複数の押出し機からフィードブロック方式あるいはマルチマニホールド方式によって共押出しする方法や、ポリグリコール酸系重合体からなる単層シートとポリ乳酸系重合体からなる単層シートをラミネート加工する方法によって多層の層構成を形成することができる。
生分解性積層シートの厚みについては、特に限定されることはなく、目的とする所望の性能に応じて適宜に選択される。例えば、硬質容器用に生分解性積層シートを単独の素材として用いる場合には、容器成形後の総厚みとして100μm以上にすることが必要であるが、この発明の生分解性容器を紙容器等で補強する場合には、容器成形後の総厚みを100μm以下とすることもできる。
このようにして得られる生分解性積層シートは、圧空成形や真空成形等の熱成形を用いて所望の成形体に形成することができる。好ましくは生分解性積層シートをヒーターで60℃〜160℃に加熱し、ついで90〜160℃に加熱した金型に圧接させ、次いで冷却して熱成形する。
熱成形時に金型に圧接させる時間は、ポリグリコール酸系重合体の結晶化時間を考慮して、1秒〜10分以内であることが好ましく、より好ましくは3秒〜60秒である。金型の温度が150℃以上では、離型し難くなる場合があるため、一般的な金型に圧接させる時間は3秒程度(例えば3〜4秒)が好ましい。
以下の実施例では、予備加熱した生分解性積層シートを所定温度の金型に圧接させて圧空成形によりヒートセットすなわち結晶化処理をしながら容器を熱成形し、比較例としては成形したヒートセット工程無し、または乾熱(すなわち、非加圧状態での加熱)式のヒートセットによる容器とポリ乳酸単層容器との比較を行なった。
[実施例1〜12]
ポリグリコール酸(PGA)として、温度270℃、せん断速度120sec−1で測定した溶融粘度が900Pa・secのホモポリマー(ガラス転移温度38℃、融点221℃)のもの((株)クレハ製:PGA)を用いた。このポリグリコール酸100重量部に対して、熱安定剤(旭電化工業株式会社製:アデカスタブAX−71)を0.1重量%添加したものを押出し成形材料に用いた。
ポリ乳酸としては、温度200℃で測定した溶融粘度が1300Pa・sec、融点162℃のユニチカ社製ポリ乳酸を用いた。
これらの樹脂材料を用いてTダイ法により押出成形し、多層シートを作製した。層構成は、ポリ乳酸(275μm)/ポリグリコール酸(50μm)/ポリ乳酸(275μm)であった。
このシートの上面および下面を130℃にセットされた電熱ヒーターの熱線を当てて非加圧の状態で加熱し、次いで軟化したシートに対して表1に示す金型温度およびヒートセット時間の条件で90℃〜150℃に加熱した雌型を3〜10秒間当ててカップ型容器を圧空成形しながら同時に結晶化処理し、生分解性カップ型容器を得た。
得られた生分解性カップ型容器に対して以下の試験法によって(1)成形性、(2)密度(結晶化度の目安として)、(3)耐熱性、(4)酸素ガス透過度について評価した。
(1)成形性
金型の温度、および金型に圧接させる時間による成形性(金型からの成形容器の離型性)を確認した。評価基準は以下の通りであり、○:離型した、△:離型し難い、×:離型せず、と記号で示した。
(2)密度
JIS−K7112に準拠し、密度勾配管法により測定した。浸せき液として四塩化炭素および1,2−ジクロロエタンの混合液を用いた。
(3)耐熱性の試験
i) 熱湯による容器の収縮
容器に100℃の熱湯を注ぎ30秒後に容器の収縮を観察した。評価は次に示す基準で行なった。○:収縮無し、△:一部収縮、×:大きく収縮
ii)湯を注いだ状態での落体試験
容器に100℃の熱湯を注ぎ30秒後に、容器を50cmの高さからコンクリートに落下させ、変形の様子を観察した。評価は次に示す基準で行なった。
○:変形なし、△:一部変形、 ×:大きく変形
(4)酸素ガス透過度
モダンコントロール社製OX−TRAN2/20を用い、JIS−K7126Bに準拠し、容器内側を温度23℃、相対湿度80% 容器外側を温度23℃、相対湿度50%に保ち測定を行なった。
[比較例1]
実施例1で圧空成形時に当てる雌型の温度を30℃以下とし、加熱時間を10秒にしたこと以外は実施例1と全く同様にしてカップを熱成形して得た。得られたカップ型容器に対して前記評価試験(1)〜(4)を行なった。
[比較例2]
比較例1で成形したカップを、形状を維持するように固定しながら、100℃のオーブンで乾熱方式により10秒間のヒートセットを行なった。
[比較例3]
比較例1で成形したカップを、形状を維持するように固定しながら、100℃のオーブンで乾熱方式により1分間のヒートセットを行なった。
[比較例4]
実施例1でポリグリコール酸層を除いたこと以外は実施例1と同様にしてカップを得た。
以上のようにして得られた比較例1〜4に関しても評価試験(1)〜(4)によって成形性を確認し、その結果を表1、2中に示した。
実施例および比較例に対して行なった評価試験の詳細については、以下の通りである。
実施例1〜12に対しては成形性を確認し、実施例1〜10、比較例1、比較例2、比較例3で得られたカップについては、ポリグリコール酸層の密度を測定し、その結果を表1中に併記した。
実施例1〜10および比較例1〜4で得られたカップ型容器に対しては、耐熱性試験を行ない、その結果を表1中に併記した。
実施例6(金型温度100℃、時間10秒)、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4で得られたカップについて酸素ガス透過度を測定し、その結果を表2中に併記した。
Figure 2007088833
Figure 2007088833
表1および表2の結果からも明らかなように、成形性については、金型温度150℃はポリ乳酸の融点に近いために圧接時間が長くなると離型不良となった。
また、密度については、実施例1〜10までの密度を、比較例1(ヒートセットなし)と比較すると、ポリグリコール酸層はヒートセットにより充分に結晶化していることがわかる。また比較例2、3(乾熱式)と比較しても密度の値は大きくなっており結晶化度が高いことがわかる。
金型温度に関しては、温度が高いほど密度が高くなっており、時間に関しては3秒のヒートセットでも充分であることがわかる。
耐熱性については、表1より、実施例1〜10はヒートセットによって充分に結晶化しているため、熱湯による収縮がないことがわかる。金型温度90℃では熱湯を注いだ後の落体によって若干の変形が認められる。これは、密度の結果に表れている結晶化度の差が影響したものと考えられる。これに対し比較例1〜4には熱湯による収縮が認められた。
酸素ガス透過度については、表2の実施例6と比較例4の結果より、ポリ乳酸単層に比べ酸素ガスバリア性が大きく向上していることがわかる。ヒートセットに関しても、ヒートセット無し(比較例1)、乾熱式ヒートセット10秒間(比較例2)、乾熱式ヒートセット1分間(比較例3)、に比べて実施例6の酸素ガスバリア性が向上していることがわかる。
また実施例6の酸素ガスバリア性は、食品などの保存容器に用いても充分に使用に耐える酸素ガス透過度の0.017(cm3/cup・day・atm)であり、しかも耐熱性については、前述のように100℃の熱湯を注いでも収縮せず変形のないものであった。
従って、実施例に示された生分解性積層シートの熱成形方法は、酸素ガス透過度0.017(cm3/cup・day・atm)以下が要求される優れたガスバリア・耐熱性の生分解性食品容器などに適用できる熱成形方法であることがわかった。
以上のことから、積層シートを60〜160℃に予備加熱し、次いで前記積層シートに対して90〜160℃に加熱された金型を圧接させかつそのまま所定時間保持することにより、熱圧成形と同時に前記積層シートのポリグリコール酸系重合体層が結晶化され、結晶化度、耐熱性、酸素ガス透過度が改善されていることが確認できた。

Claims (4)

  1. ポリグリコール酸系重合体層の片面側または両面側にポリ乳酸系重合体層を積層し一体化した生分解性積層シートを設け、この積層シートを60〜160℃に予備加熱し、次いで前記積層シートに対して90〜160℃に加熱された金型を圧接させかつそのまま所定時間保持することにより、熱圧成形と同時に前記積層シートのポリグリコール酸系重合体層を結晶化処理することからなる生分解性積層シートの熱成形方法。
  2. 金型を圧接させて保持する所定時間が、3〜60秒である請求項1に記載の生分解性積層シートの熱成形方法。
  3. ポリグリコール酸系重合体層の片面側または両面側にポリ乳酸系重合体層を積層し一体化した生分解性積層シートからなり、請求項1または2に記載の熱成形方法でポリグリコール酸系重合体層が結晶化処理されてなる生分解性熱成形体。
  4. ポリグリコール酸系重合体層の片面側または両面側にポリ乳酸系重合体層を積層し一体化した生分解性積層シートに対し、請求項1または2に記載の熱成形方法でポリグリコール酸系重合体層が結晶化処理されてなる生分解性積層シートを構成素材とする生分解性容器。
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