JPWO2007077892A1 - 金属成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

精度の高い凹凸を有し、且つ寸法の大きい表面を有する成形品を製造しうる製造方法を提供する。工作機械を用いて、切削工具により被加工材を切削する工程を含む金属成形品の製造方法であって、前記切削する工程は、前記切削工具の加工点における剛性が0.1kg/μm以上、振動変位を50μm以下、温度変位を±0.5℃以内、および切削速度100〜50,000mm/分の条件下で行い、前記切削する工程を行う際に、1mm〜前記被加工材対角線長さの範囲から選ばれる所定長さ分だけ前記加工点から離れた位置で、粘度0.01Pa・S〜50Pa・Sの切削油を、流量1L/分以上で流出させる工程を備えることを特徴とする金属成形品の製造方法。

Description

本発明は、金属成形品の製造方法に関し、特に、光学部材の製造に適した、精密な加工が求められる金属成形品の製造方法に関する。
近年、従来より寸法の大きな表示装置の需要が高まっている。前記表示装置としては、例えば、15インチサイズ以上の大型の液晶表示装置(LCD)を挙げることができる。また、一般的な液晶表示装置では、光拡散板や光学フィルム等の、板状またはフィルム状の各種の光学部材が用いられている。ある光学部材には、表示性能の向上を図るために、例えば、その表面に微細な凹凸が形成される場合がある。装置の大型化に伴って光学部材の寸法が大型化するため、光学部材の表面に前記凹凸を形成する場合には、さらに微細で高精度に凹凸を形成することが求められる。
光学部材の表面に凹凸を形成する方法としては、例えば、射出成形および圧縮成形などのスタンパー等の金型部材を用いた方法や、平滑な表面のフィルムにロールを用いて連続的にエンボス加工する方法などを挙げることができる。
前記金型部材は、通常ステンレス等の金属製である。前記金型部材は、平滑な被加工材の表面上に、工作機械等を用いて凹凸加工を施すことにより作成される。しかしながら、単に、工作機械等を用いて凹凸加工するだけでは、大型の被加工材の表面上に微細で高精度に凹凸加工を施すことが困難である。そこで、特許文献1及び2(特開平10−80839号公報及び特開平10−156661号公報)には、工作機械の一部又は全体の温度と、周囲の温度を制御して、被加工材を凹凸加工することが開示されている。しかしながら、このような方法を用いても、微細で高精度な凹凸加工を十分に施すことが困難である。
本発明の目的は、その表面に微細で高精度な凹凸を有する金属成形品を製造する金属成形品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願発明者らは鋭意検討したところ、切削時の種々のパラメーターのうち、温度変位に加えて振動変位及びその他のパラメーターを特定範囲とすることで、例えば15インチサイズ以上といった大型の加工面でも、精密な加工を施すことができることを見出し、本発明を完成した。特に、振動を所定範囲で制御し、かつ切削油を所定方法で流すことにより、切り屑を有効に除去でき、高精度に切削加工を実施できることを見出した。
即ち、本発明によれば、下記のものが提供される:
〔1〕 工作機械を用いて、切削工具により被加工材を切削する工程を含む金属成形品の製造方法であって、前記切削する工程は、前記切削工具の加工点における剛性が0.1kg/μm以上、振動変位を50μm以下、温度変位を±0.5℃以内、および切削速度100〜50,000mm/分の条件下で行い、前記切削する工程を行う際に、1mm〜前記被加工材対角線長さの範囲から選ばれる所定長さ分だけ前記加工点から離れた位置で、粘度0.01Pa・S〜50Pa・Sの切削油を、流量1L/分以上で流出させる工程を備えることを特徴とする金属成形品の製造方法。
〔2〕 前記切削工具の加工点部分の形状が、断面多角形状、円弧状、または楕円弧状であり、製造される前記金属成形品の表面には、断面多角形状、円弧状または楕円弧状の線状部が互い略平行に複数並んだ条列が形成されていることを特徴とする〔1〕記載の金属成形品の製造方法。
本発明によれば、例えば15インチサイズ以上といった大型の加工面を有する被加工材表面上に、表面粗さを200nm以下といった精密な加工を施した金属成形品を製造できる。本発明は、特に、樹脂成形品の製造に用いられるスタンパーやエンボス用ロール等の精密な凹凸を有する金属成形品の製造に有用である。
図1は、本発明の製造方法によって加工される成形品の一例を示す斜視図である。 図2は、図1に示す成形品を座標Y方向から見た側面図である。 図3は、本発明の製造方法において用いられる工作機械及び被加工材の一例の概略を示す斜視図である。 図4は、図3に示す工作機械のバイトホルダーとノズルとの位置関係の例を示す上面図である。
本発明の金属成形品の製造方法は、工作機械を用いて、被加工材を切削工具により切削する切削工程を含む。当該被加工材としては、平板状又はロール状等の形状を有するものを挙げることができる。前記被加工材は、被加工面として、対角線長さが15インチ(381mm)以上の大きな表面を有するものが好ましい。具体的には、面積0.0696m3以上の寸法の矩形の平面又は円筒形の曲面を有する成形品を、好ましく製造することができる。
前記被加工材の材料には、例えば鉄、鋼、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、モリブデン、タンタル、シリコン、金、銀、タングステン等の金属や、これらの合金である、プリハードン鋼、析出硬化鋼、およびステンレス鋼等を挙げることができ、そのうち入手の容易さ、寿命、耐食性等からステンレス鋼が好ましい。ステンレス鋼としては、応力腐食割れに強いフェライト系ステンレス鋼と、耐食性が特に良いオーステナイト系ステンレス鋼とを用いることができる。被加工材には、ピンホール、地傷、偏析などがない真空溶解、真空鋳造などにより製造されたものを採用することができる。さらに、前記被加工面上に、電着もしくは無電解メッキ等のウェットプロセスまたは蒸着等のドライプロセスによる金属層を設けたものであってもよい。
前記金属層は、アモルファス構造を有するメッキであることが好ましい。前記メッキの材料は、非鉄金属、より好ましくはアルミニウム、ニッケル、又は銅の1種以上を含む材料を、さらに好ましくはニッケル(合金を含む)を、特に好ましくはニッケル−リンメッキを採用できる。前記ニッケル−リンメッキにおいて、リンの含有割合は、通常5〜20重量%が好ましく、8〜17重量%とすることがより好ましく、11〜14重量%以上とすることが特に好ましい。リンの含有割合を上記範囲とすることにより、金属層におけるアモルファス構造の割合が多くなって、さらに高精度な切削が可能となる。
前記被加工面に前記金属層を設ける際の、金属層の厚さは、特に限定されないが、0.01μm〜5,000μmとすることができ、また好ましくは、切削の深さより厚い層とすることができる。
本発明の製造方法においては、加工点における剛性が0.1kg/μm以上、好ましくは0.5kg/μm以上である切削工具が用いられる。剛性をこの範囲とすることにより、精密な加工を施すことができる。
切削工具の加工点部分の材料には、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、コランダム等とコバルト含有炭化タングステン等の超硬合金などを用いることができる。これらの材料は、単結晶、多結晶、または焼結体のものを用いることができる。加工精度と工具寿命の点で、これらの材料の単結晶のものを用いることが好ましい。また、高硬度である点で、単結晶ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素が好ましく、特に単結晶ダイヤモンドが好ましい。焼結体としては、例えば、コバルト、スチール、タングステン、ニッケル、およびブロンズなどを焼結剤とするメタルボンドや、長石、可溶性粘土、耐火粘土、およびフリットなどを焼結剤とするビトリファイドボンドなどを挙げることができる。これらの中でも、ダイヤモンドメタルボンドが好ましい。さらに、切削能力の向上(例えば、耐摩耗性、耐欠損性、耐溶着性、耐熱性、面平滑性等)の観点から、前記材料からなる切削工具の表面にダイヤモンドライクカーボン等のコーティングを施してもよい。
切削工具の加工点部分の形状は、断面多角形状、円弧状、または楕円弧状であることが好ましい。ここで加工点部分の形状とは、加工点を、切削工具の進行方向から見た際の形状である。具体的には、図1〜図3に示す例では、Y軸方向から加工点部分を見た際の形状である。
本発明の製造方法においては、振動変位を50μm以下、好ましくは20μm以下に制御して、且つ温度変位を±0.5℃以内で制御した条件下で切削を行う。振動変位及び温度変位をこの範囲内とすることにより、精密な加工を施すことができる。振動変位は、切削工具に対する被加工材の変位であるが、通常は切削工具に対する、被加工材が固定されたステージの振動変位として測定することができる。また、温度変位は、少なくとも切削が行われる箇所の近傍、換言すれば、切削時の摩擦熱の発生箇所を除くその近傍(周囲)が前記範囲内に制御されていればよい。この際、被加工材の被加工面全体及びそれに接触する切削工具においても、温度変位が上記範囲に制御されていることが好ましい。さらに、これらに加えて、適用する切削油においても、温度変位が前記範囲内に制御されていることがより好ましい。また、本発明者らの検討によれば、切削時の周囲の音が、周波数10〜500Hzの間で70dB以下であることが好ましく、周波数30〜300Hzの間で60dB以下であることがより好ましい。これにより、振動変位を小さく抑えることができて、切削の精度を高めることができる。
本発明の製造方法では、切削を、100〜50,000mm/分の切削速度で行う。切削速度を当該範囲内とすることにより、効率的に、精密な加工を施すことができる。
本発明の製造方法では、前記切削時の切り屑を除去するために、粘度0.01〜50Pa・S、好ましくは1.0〜20Pa・Sの切削油を、流量1L/分以上、好ましくは3.0〜20.0L/分で流出させる工程を備えている。切削油は、加工点から1mm〜被加工材対角線長さの範囲の所定長さ分だけ離れた位置、好ましくは10mm〜被加工材対角線長さの60%以内の範囲の所定長さ分だけ離れた位置で流出される。ここで、加工点から注油位置までの距離は、これらを被加工面上に投影した際の距離とすることができる。このような位置での切削油の流出は、切削工具から所定距離離隔した位置に連結したノズルから切削油を流出させることにより行うことができる。本発明の製造方法では、振動変位が上記の通り制御されている条件下において、このような態様で切削油を適用することにより、切削屑が効率的に除去され、微細な加工を効率的に行うことが可能となる。なお、被加工材対角線長さについては後述する。
切削油としては、日本工業規格JIS K2241:2000(関連規格:ASTM D971)に規定される不水溶性切削油剤、水溶性切削油剤ともに使用することができる。主成分としては、不水溶性切削油剤では鉱油、脂肪油、合成油あるいはそれらの混合物を、水溶性切削油剤では前述油類と界面活性剤と水との混合物を挙げられる。また、好適な粘度を得るための手段として、油類の分子量、界面活性剤の種類と混合量を調整することを挙げることができる。
本発明の製造方法は、条列、特に断面多角形状や、断面円弧状及び断面楕円弧状等の断面曲線状で、かつ線状に延びる線状部が互いに略平行に複数並んだ条列が形成された面を有する成形品の製造に好適である。また、三角錐や四角錐、四角錐台等の多角錐形状が複数並んだ凹凸面を有する成形品の製造に好適である。このような成形品としては、例えば図1及び図2に示すように、主面の一方が、断面三角形状の線状部が略平行に複数並んだ凹凸面を有するものを挙げることができる。なお、前記断面多角形状には、その頂点部分が曲線状になったものも含まれる。
本発明の製造方法の一例として、図3に示す工作機械を用いて、図1及び2に示す金属成形品である平板状成形品100を製造する場合の例を具体的に説明する。図3に示す工作機械は、平板状の被加工材301を切削加工するものである。前記工作機械は、被加工材301が設置されるステージ311と、前記被加工材301の表面を切削加工するバイト332と、バイト332を保持するバイトホルダー331とを備えている。ステージ311は、図3中のY軸方向に移動可能に構成されている。また、バイトホルダー331は、図中のX軸方向およびZ軸方向に移動可能に構成されている。なお、本発明の切削工具は、バイトホルダー331およびバイト332を含むものである。
前記工作機械において、被加工材301にバイト332が接触した状態でステージ311がY軸方向に動くと、被加工材301の上面がY軸方向に沿って切削される。このような切削を、被加工材301の上面のY軸方向全長にわたり1回又は数回行うことにより溝を形成する。このような切削では、温度変位、振動変位、前記切削工具の加工点での剛性、および切削速度等の各条件が上記好適範囲を満たしている。
また、図3に示すように、前記工作機械は、バイトホルダー331に近接した位置に、切削油を流すためのノズル351が取り付けられている。図3の工作機械を用いた例において、前記切削を行う際には、バイトホルダー331に固定されたノズル351から所定条件で切削油を流出させる工程を行う。この工程を行うことにより、常に加工点から所定距離の近傍から切削油を流出させて、切り屑を除去することができる。
また、図4に示す通り、前記工作機械は、バイトホルダー331に軸332を設け、この軸332とノズル351とを連結部材333で連結する構成としてもよい。この際、連結部材333は、軸332を中心として角度調節(回動)可能な構成となっていてもよい。このように角度調整が可能な構成とすることにより、加工点に対し、XY面内の任意の角度で離隔した位置から切削油を流出させて、切り屑を除去することができる。さらに、連結部材333を長手方向に伸縮可能な構成とし、加工点からの距離を調節する構成としてもよい。なお、加工点からの距離の上限は被加工材の対角線長さであり、前記対角線長さは、図3において点線L31で示された線分の長さである。
1本の溝が形成された後、バイトホルダー331をX軸方向に動かした後、ステージ311を前記同様に動かすことにより、形成された溝に隣接してもう一本の溝が形成される。これを繰り返すことにより、図1及び図2に示されるような条列103が平面上に多数形成された成形品100を得ることができる。
本発明の製造方法において、円筒形状でその外周面に断面多角形状、円弧状、または楕円弧状の線状部からなる条列を有する成形品の製造は、例えば、図3に示す工作機械において、円筒形の被加工物をその軸方向がY軸方向となるよう固定し、溝を形成するごとに被加工物を円周方向に条列ピッチ分だけ回転させることを繰り返すことにより行うことができる。このような工程により、円筒の軸方向に平行な条列が形成された成形品を得ることができる。または、工作機械として旋盤を用い、図3に示す工作機械においてY軸方向にステージを動かす代わりに、円筒の軸をX軸方向とし円筒形状の被加工材を軸を中心に回転させることによって、円周方向に条列を有する成形品を得ることができる。このような円筒形の被加工材を加工する場合において、加工点から注油点までの距離の上限である被加工材の対角線長さは、当該円筒を、XY平面に投影した形状の対角線長さとすることができる。
本発明の製造方法により、断面多角形状、円弧状、または楕円弧状の線状部からなる条列が形成された面を有する成形品を製造する場合や、多角錐体が複数並んだ凹凸面を有する成形品を製造する場合では、線状部のピッチ(図2の例においてP1で示される距離)は0.01μm〜1,000μmとすることができ、また線状部の高さ(図2の例においてD1で示される高さ)は0.01μm〜1,000μmとすることができる。なお、前記多角錐体を形成する場合には、例えば、前記線状部からなる条列を形成した後、この条列が形成された面において、前記線状部に交差する方向(例えば直交方向)に沿って、前記線状部を形成する場合と同様の方法で切削加工することにより、前記多角錐体を形成することができる。
本発明の製造方法により得られる成形品は、射出成形用の金型、圧縮成形用の金型、フィルム表面に連続的に賦形を行うためのロール等として用いることができる。特に、平板状の成形品は、射出成形用等の金型においてスタンパとして用いることができる。成形品は、上記方法により形成される条列に加え、それ以外の方法で形成された、金型等の用途に適合するための別の構造を有していてもよい。
本発明の製造方法により得られる成形品をスタンパ、エンボスロール等として用い、樹脂等の材料を射出成形、射出圧縮成形、押出成形等により、大きな面積を有し、且つ精密な凹凸を表面に有する成形物を得ることができる。特に、面内における光学特性が均質な光学部材を、容易に得ることができる。
当該光学部材としては、プリズムシート、光拡散板、偏光板、位相差板、反射板等を挙げることができ、液晶表示装置などのディスプレイ装置において、好適に用いることができる。また、当該光学部材の材料となる樹脂としては、例えば、脂環式構造を有する樹脂、紫外線硬化性樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、プロピレン-エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができ、また、これらを組み合わせたものを挙げることもできる。前記脂環式構造を有する樹脂は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する樹脂であり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有する樹脂が特に好ましい。前記脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などを挙げることができる。機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
図3に示す構成を有する工作機械(製品名:株式会社不二越製ナノグルーバ AMG71P、方向精度X、Z方向それぞれ±1nm,Y方向±100nm)に、粗さ1nm以下のバイト332をバイトホルダー331に装着し(この際の加工点剛性が0.6kg/μm)、切削油を注油するノズル351を加工点からの距離(XY平面内における距離)300mmにセットした。平板状の被加工材301(長さ800×幅500mm、ステンレス製、被加工面にニッケル−リンメッキ(リン含有割合13重量%)を厚さ200μmで施したもの)を、被加工面が上になり長さ方向がY軸方向となるようステージ311上に固定した。
そして、バイト332を被加工材301に接触させて切削速度8,000mm/分でステージ311をY軸方向に移動し、被加工材301の一端から他端まで断面三角形の溝(線状部)を切削し、次にステージ311をX軸方向に移動してから同様に溝の切削をする工程を繰り返すことにより、図1及び図2に概略的に示す形状の条列(溝の深さD1=50μm、ピッチP1=50μm)を有する成形品を作成した。切削に際しては、ノズル351より、粘度19.5Pa・Sの切削油(ヤナセ製油株式会社製 シュアカット334)を、流量10.8L/分で流出させた。また、ステージ311に備え付けた除振機により、振動変位(0.5〜100Hz)が水平方向、垂直方向いずれも10μm以内となるようステージの振動を制御し、かつ、微振動計測器(特許機器株式会社製 MRA−04X)で測定したところ、前記周波数範囲内の最大値は水平方向で9μm、垂直方向で8μmだった。さらに、装置設置環境温度、切削油ノズル出口温度、装置冷却油循環タンク出口温度を23±0.5℃に制御することにより、切削部の温度が23℃±0.5℃以内となるよう温度を制御した。切削部の温度は、上記設定温度の通り制御されていた。
得られた成形品について、切削面の、算術平均表面粗さを光学式粗さ計(ZYGO Corporation製、NewView 5032)により測定長さを50μmとして測定したところ、5nmであった。
実施例2及び実施例3
制御温度及び振動変位を表1に示す通り変更した他は、実施例1と同様に操作し、成形品を作成し、切削面の算術平均表面粗さを測定した。結果を表1に示す。
比較例1
振動変位を100μm以内とした(最大測定値水平方向85μm、垂直方向76μm)他は、実施例1と同様に操作し、成形品を作成し、切削面の算術平均表面粗さを測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007077892
実施例1〜3の結果より、本発明の製造方法によれば、表面粗さの少ない精密な凹凸の加工が可能であることが分かる。また、比較例では、切削油による切り屑の除去がうまくいかず、切り屑を噛み込んだ切削となってしまったため、表面粗さは1070μmと非常に悪い値であった。

Claims (2)

  1. 工作機械を用いて、切削工具により被加工材を切削する工程を含む金属成形品の製造方法であって、
    前記切削する工程は、前記切削工具の加工点における剛性が0.1kg/μm以上、振動変位を50μm以下、温度変位を±0.5℃以内、および切削速度100〜50,000mm/分の条件下で行い、
    前記切削する工程を行う際に、1mm〜前記被加工材対角線長さの範囲から選ばれる所定長さ分だけ前記加工点から離れた位置で、粘度0.01Pa・S〜50Pa・Sの切削油を、流量1L/分以上で流出させる工程を備えることを特徴とする金属成形品の製造方法。
  2. 前記切削工具の加工点部分の形状が、断面多角形状、円弧状、または楕円弧状であり、
    製造される前記金属成形品の表面には、断面多角形状、円弧状または楕円弧状の線状部が互い略平行に複数並んだ条列が形成されていることを特徴とする請求項1記載の金属成形品の製造方法。
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