JP6806984B2 - マルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の楕円振動切削加工方法 - Google Patents

マルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の楕円振動切削加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6806984B2
JP6806984B2 JP2015248702A JP2015248702A JP6806984B2 JP 6806984 B2 JP6806984 B2 JP 6806984B2 JP 2015248702 A JP2015248702 A JP 2015248702A JP 2015248702 A JP2015248702 A JP 2015248702A JP 6806984 B2 JP6806984 B2 JP 6806984B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
work material
stainless steel
less
tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015248702A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016144859A (ja
Inventor
嗣紀 佐藤
嗣紀 佐藤
龍人 清水
龍人 清水
誠 薮谷
誠 薮谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nachi Fujikoshi Corp
Original Assignee
Nachi Fujikoshi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nachi Fujikoshi Corp filed Critical Nachi Fujikoshi Corp
Publication of JP2016144859A publication Critical patent/JP2016144859A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6806984B2 publication Critical patent/JP6806984B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Turning (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Description

本発明は、楕円振動切削加工、特に超音波楕円振動切削加工により鉄鋼材料を鏡面に切削加工する加工方法に関する。
従来から、カメラなどの光学レンズ金型の製作においては、超精密加工機と呼ばれるナノメートルオーダーの精度を持つ加工機械と、高精度なダイヤモンド切削工具とを用いて、無電解ニッケルリンメッキ表面を切削加工することにより鏡面を得ている。
しかし、無電解ニッケルリンメッキの硬さはビッカース硬さで400HV〜500HVであり、熱処理された鉄鋼材料の500HV〜900HVよりも低い。また、無電解ニッケルリンメッキは湿度が管理されない環境下では時間が経つと表面酸化膜が成長し、光沢が失われる。すなわち、錆びにより表面粗さと精度が大きく損なわれる。
また、近年、光学レンズ用途に限らず光学部品全般の金型において、メッキレスで表面粗さがRa20nm以下の大面積自由曲面に鏡面を有する金型のニーズが拡大しており、耐久性及び耐食性が必要とされる金型材料として鉄鋼材料であるマルテンサイト系ステンレス鋼が好まれる傾向が見られる。
この金型を製作する加工には研削砥石や切削工具が使用されているが、研削加工や切削加工だけでは金型表面に鏡面を得ることが困難であるために、最終的には研磨工程により鏡面を得ている。また、近年の高解像度化に対応するには金型のゆがみや歪みを極力なくす必要がある。このために、加工精度を損なう研磨工程をなくし、切削加工のみで鏡面を得る必要がある。
例えば、切削加工で鏡面を得るには加工機械及び切削工具の精度が必要条件となるが、切削工具の精度は工具材料の硬さと均一性によって決まる。そこで、例えば、単結晶ダイヤモンドを被覆した工具や特許文献1に開示されているナノ多結晶ダイヤモンドを被覆した工具はナノメートルオーダーの精度を実現できることから、光学部品用の金型の製作に使われてきた。
しかし、ダイヤモンドを構成する炭素は鉄への溶解度が高く、上記ダイヤモンド工具で鉄鋼材料を加工すると著しい摩耗を生じる。これにより、従来はダイヤモンド工具で製作する光学部品用の金型には鉄鋼材料は用いられず、無電解ニッケルリンメッキが使用されてきた。
一方、図10に示すように、被削材101が無酸素銅である場合に切削工具100の刃先103が楕円軌道102を描く楕円振動切削加工方法が特許文献2に開示されている。この加工方法により、切削工具100と被削材101との接触時間を低減し、同時に切りくずの排出方向に切削工具100が相対運動し、切削抵抗を低減して、切削工具100の刃先103の温度上昇と被削材101との化学反応を抑制することができる。
この楕円振動切削加工方法を用いることにより、従来は困難であったダイヤモンド工具を切削工具100として使用して、鉄鋼材料を被削材101に使用しても鏡面切削加工が可能となる。
特開2003−292397号公報 特許3500434号公報
発明者等は自由曲面光学金型の製作を目的として、単結晶ダイヤモンド工具を用いて楕円振動切削加工方法により、マルテンサイト系ステンレス鋼の切削加工を行った。その結果、加工開始直後においては特段大きな問題は発生しなかった。しかし、切削距離が500m以上になると、図11に示すように被削材101の加工面には不規則に白い筋(うねり)110が発生し、良好な鏡面が得られないことがわかった。
そこで、本発明においては前述した問題点に鑑みて、楕円振動切削加工、特に超音波楕円振動切削加工により鉄鋼材料を鏡面に切削加工する加工方法を提供することを課題とする。
発明者等は様々な切削条件について鋭意研究した結果、白い筋の原因は切削方向に平行に分布する細長い炭化物であることを見出した。
ここで、従来から光学部品用金型として用いられてきた無電解ニッケルリンメッキは微結晶あるいはアモルファスであり、鉄鋼材料のように炭化物の偏析や大きな結晶粒は存在しない。さらに、メッキプロセスにより製作されるため、材料表面は全ての方向に対して均一であり、硬さも均一である。また、特許文献2に開示されている無酸素銅にも細長い炭化物は存在しない。
一方、鉄鋼材料は溶解により製造される場合は、通常、鋳込み、鍛造、圧延等の工程を経る。そのため、材料内部には圧延時に引き伸ばされた方向(以下、圧延方向という。)に結晶粒や炭化物が著しく変形しており、結晶粒や炭化物の形状は圧延方向に細長くなる。
また、鉄鋼材料は様々な成分が含まれており、その含有される成分により局所的に硬さが異なる。特にバナジム、クロム、タングステン、モリブデンなどの金属と炭素が結合した炭化物はマトリックス(基地)部分より硬い。また、炭化物は圧延前の材料では通常10μm〜100μmの大きさで分散している。しかし、圧延工程後の炭化物は圧延方向に長く伸びた形状になる。
そこで、本発明においては、切削工具の刃先をマルテンサイト系ステンレス鋼製の光学部品用金型に対して相対的に楕円振動させながら当該金型に平面又は自由曲面を成す鏡面をプレーナ加工する楕円振動切削加工方法であって、切削工具の切削方向と当該金型の圧延方向とを略垂直にするマルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の楕円振動切削加工方法を提供することにより前述した課題を解決した。
即ち、楕円振動しながら切削工具が進む方向(切削方向)と被削材の圧延方向とを略垂直にすることにより、切削工具と被削材における炭化物との接触時間を短くして、楕円軌道を描く切削工具が硬い炭化物の影響を受ける時間を短くする。これにより、切削工具が通過する領域全体において炭化物が切削抵抗になって工具の逃げ、構成刃先及び超音波振動の共振状態等に与える影響を小さくする。
また、使用する切削工具は、単結晶ダイヤモンドを被覆した工具、ナノ多結晶ダイヤモンドを被覆した工具、多結晶ダイヤモンドを被覆した工具のうちのいずれかを用いることもできる。即ち、切削工具のうち上記いずれかの切削工具を用いることにより、切削工具が耐久性及び耐熱性を有し、硬い炭化物の影響を受けにくくなり、楕円振動切削加工の楕円軌道が安定する。
さらに、被削材をマルテンサイト系ステンレス鋼製の工作物として、その工作物は表面硬さがビッカース硬さで300HV以上700HV以下の工作物であって、マルテンサイト系ステンレス鋼は、JIS規格によって規定されているSUS420J1又はSUS420J2と同一成分であり、微量金属又は半金属のうち1種又は2種以上をそれぞれ1.0重量%以下で含有するマルテンサイト系ステンレス鋼に限定することもできる。すなわち、被削材を特定の鋼種に限定することで楕円振動切削加工方法によりマルテンサイト系ステンレス鋼を切削加工した際に、鏡面内に炭化物からなる細長い島状の凸部を散在させ、かつ、規則的な周期をもった凹凸曲面をマトリックスに形成することで、工作物の鏡面に白い筋がなく、ゆがみを少なくすることができる。
本発明においては、切削工具の切削方向と被削材の圧延方向とを略垂直にすることにより、切削工具パス全域において硬い炭化物が切削工具に与える影響を小さくすることができる。これにより、切削工具の逃げ、構成刃先及び超音波振動の共振状態等の切削抵抗を小さくすることができるので、被削材の表面に白い筋を発生させることなく切削加工を実施し、ゆがみの少ない光学用部品も製作できる。
また、切削工具を単結晶ダイヤモンド工具、ナノ多結晶ダイヤモンド工具、多結晶ダイヤモンド工具のうちのいずれかを用いることにより、切削工具が耐久性及び耐熱性を有し、硬い炭化物の影響を受けにくくなる。また、楕円振動切削加工の楕円軌道が安定し、被削材の表面に白い筋を発生させず、さらに、切削加工精度が向上し、ゆがみの少ない光学用部品も製作できる。
さらに、被削材をマルテンサイト系ステンレス鋼製の工作物などに限定することで楕円振動切削加工方法によって製作されたゆがみの少ない工作物、例えば、レンズ等の光学用部品に適用することで、光学特性に優れた光学製品、光学機器等を提供することが可能となる。
被削材11が丸鋼の場合における切削工具10の切削方向を示す模式図である。 被削材11が角鋼の場合における切削工具10の切削方向を示す模式図である。 本発明の方法により切削加工された被削材11表面の模式図である。 図3に示すA−A線断面図である。 図3に示すB−B線断面図である。 本発明の方法により切削加工された工作物(金型)60表面の外観図である。 本発明の加工方法によって加工された金型60および当該金型60を用いて成型された成型品70を示す外観図である。 図6に示す工作物60端部の部分拡大図である。 実施例において、(a)本発明方法により楕円振動切削加工された工作物表面の顕微鏡写真、(b)従来方法により楕円振動切削加工された工作物表面の顕微鏡写真である。 被削材101に対して楕円振動が付加された切削工具100の軌跡102を示す模式図である。 被削材101を切削加工した後の表面状態示す顕微鏡写真である。 炭化物の圧延方向の長さを1とした場合に、炭化物の幅が5分の1、10分の1、20分の1、および100分の1の各場合の圧延方向と切削方向のなす角θと、1つの炭化物を横切る最大長さLの関係を示すグラフである。 図12の部分拡大図である。
図1は被削材11が丸鋼の場合における切削工具10A、10Bの切削方向を示す模式図、図2は被削材11が角鋼の場合における切削工具10A、10Bの切削方向を示す模式図である。図1に示すように、被削材11が丸鋼のような円柱形状の場合、その圧延方向21は被削材11の長手方向に平行である。そのため、円柱形状の被削材11の端面12もしくは側面13を切削工具10A、10Bにより切削加工する場合は、切削工具10A、10Bによる切削方向30と被削材11の圧延方向21は常に垂直になる。例えば、被削材11をレンズ金型用途に適用する場合、被削材11を回転方向20に回転しながら切削加工する際には、被削材11が回転対称体でもあるので、切削工具10A、10Bの切削方向30と被削材11の圧延方向21は互いに垂直な関係になる。
これに対して、被削材11が角鋼のように直方体形状の場合には、図2に示すように切削工具10A、10Bによる切削方向30、31は、被削材11の圧延方向(炭化物長手方向)21との関係で必ずしも互いに垂直な関係になるとは限らない。つまり、被削材11の圧延方向21と切削方向30、31の関係は、切削方向30のように垂直な関係になる場合と、切削方向31の場合のように平行な関係になる場合がある。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図7は本発明の加工方法によって加工された金型60および当該金型60を用いて成型された成型品70を示す外観図である。図7に示すような自由曲面を有する金型60の作製は、図2に示すように切削工具10Aを、例えば切削方向30に動かしながら目的とする形状に応じて切削工具10Aを深さ方向に出し入れすることで、その軌跡を目的の自由曲面に加工する。すなわち、圧延方向21と平行にX軸、切削方向30と平行にY軸、被削材11に切削工具10Aが深く入る方向と平行にZ軸とした場合、目的とする形状をX、Y、Zの各座標として求めておき、切削工具10AをY軸方向に動かしながら、そのX座標、Y座標に応じたZ座標に切削工具10Aを移動させる。
図2に示すように切削工具10AがY座標で被削材11の端から端まで移動した後、Z座標をマイナス方向に動かして切削工具10Aを逃がして、Y座標を元の切削開始位置まで戻す。同時に、図5に示す設定した割り出しピッチP2分だけX座標を移動させ、再びX、Y各座標に対応したZ座標に制御しながらY方向に切削工具10Aを移動させて切削する。これを繰り返して被削材11の全面を切削加工する。
形状によってはZ軸方向の切り込み深さ、割り出しピッチP2および切削速度を変えながら粗加工、中仕上げ加工、仕上げ加工の順番に全面加工を何度か繰り返す場合がある。図5に示す割り出しピッチP2を小さくすることで被削材11の表面粗さは小さくなるが、加工時間は長くなる。そのため、一般的に粗加工時の割り出しピッチP2は大きくするか、仕上げ加工時の割り出しピッチP2は小さくする。
なお、ここで述べる切削工具10A、10Bの移動とは、被削材11に対して相対的な移動のことを示し、機械構成によっては切削工具10A、10Bを固定した状態で被削材11を移動させる場合もある。また、これは、例えばY軸方向は切削工具10が移動してX軸方向、Z軸方向は被削材11が移動するなど、X、Y、Zの各軸について、おのおのどちらも移動する場合がありうる。
また、図2に示すように、被削材11(圧延された材料)は一般には、圧延方向(炭化物長手方向)に長い形状をしているため、角鋼を切削加工する際、大きさの差が極端でないかぎり最長辺の方向(被削材11の長手方向)が圧延方向21になる場合が多い。
そして、例えば、プレーナ加工により切削を行う場合、エアカットの時間をできるだけ少なくし、また、段取りを容易にするため、被削材11の最長辺の方向を一般的に切削方向31とする。すなわち、切削する方向は切削方向31のように圧延方向21と平行になる場合が多い。
図3に示すように、本発明の楕円振動切削加工方法は、被削材11(角鋼)の圧延方向21に対して切削工具10の切削方向30が略垂直である。これにより、切削工具10と炭化物41との接触時間が短くなり、切削工具10がマトリックス42よりも硬い炭化物41の影響を受ける時間を短くする。
例えば、切削方向30に対して垂直方向(圧延方向21)に200μm以上1000μm以下であり切削方向30に対して平行方向に10μm以上50μm以下であり、高さ方向(Z方向:紙面奥行き方向)に0.02μm以上0.06μm以下のサイズで細長い島状の凸部が形成された炭化物41を被削材11表面に散在させる。これにより、図11のような白い筋(うねり)110は発生しない。
また、図4に示すように、切削工具10を被削材11(角鋼)に対して相対的に切削方向30の上下前後(図4のYZ面内)に楕円軌道52に振動させて被削材11を切削加工することで、図6に示すような工作物(金型)60に平面又は自由曲面を成す鏡面を加工する。
これにより、切削工具10と被削材11との接触時間を低減し、切削抵抗を大幅に低減して、図4に示すように切削工具10の刃先14の温度上昇と被削材11との化学反応を大幅に抑制できる。また、鏡面には切削工具10の振動周期及び切削速度による切削方向ピッチP1によって周期的な凹凸曲線53が形成される。
さらに、図5に示すように、切削方向を圧延方向21に対して垂直(紙面手前方向)にすることで切削工具10の刃先14と炭化物41との接触時間を短くすることができる。また、被削材11の表面には切削工具10の割り出しピッチP2に相当する周期的な凹凸曲線54が切削方向に垂直方向(圧延方向21)に形成される。
よって、図6に示すように工作物60の表面に、切削方向30に対して垂直方向(圧延方向21)に10μm以上1000μm以下であり、切削方向30に対して平行方向に0.01μm以上10μm以下の規則的な周期をもった凹凸曲面を形成できる。すなわち、図11の被削材11に示すような白い筋110は出現せず、良好な鏡面を得ることができ、表面粗さRaが20nm以下のゆがみの少ない工作物、例えば、金型やレンズ等の光学用部品を製作できる。
炭化物で構成された細長い島状凸部が該炭化物の長手方向に200μm以上1000μm以下の範囲であり、該炭化物長手方向と垂直方向に10μm以上50μm以下の範囲である寸法で散在する該島状凸部と、前記炭化物長手方向に対して平行方向に10μm以上1000μm以下の範囲であり、該炭化物長手方向に対して垂直方向30に0.01μm以上10μm以下の範囲である規則的な周期をもった凹凸曲面で前記島状凸部が分布するマトリックスに形成された該凹凸曲面と、を有する鏡面を形成された光学用部品を用いることで、光学特性に優れた光学製品、光学機器等を提供することが可能となる。
ここで、炭化物には高さ方向(Z軸方向)には0.02μm以上0.06μm以下の差異が生じる。これは、島状凸部を形成する炭化物がマトリックス部分よりも硬さが高いために、切削時に切削工具や図示しない加工機械が弾性変形するためである。
また、図2に示すように、切削方向30を90°変更し、切削方向31のように圧延方向(炭化物長手方向)21に沿って加工すると、図11に示すように切削方向31に沿って白い筋110が発生して被削材11表面の品質が低下するために良好な鏡面が得られない。
これは、被削材の圧延方向に長く伸びた炭化物が、切削方向に沿って切削工具の刃先に長時間接触するため、切削抵抗による切削工具の刃先の逃げ、構成刃先及び超音波振動の共振状態等に影響を与えるためである。
即ち、走査型白色干渉法により工作物(金型)の表面が切削方向に対して垂直方向(圧延方向)に200μm以上1000μm以下であり、切削方向に対して平行方向に10μm以上50μm以下のサイズで散在する炭化物で形成された細長い島状の凸部と、切削方向に対して垂直方向(圧延方向)に10μm以上1000μm以下であり切削方向に対して平行方向に0.01μm以上10μm以下である規則的な周期をもった凹凸曲面で島状凸部が分布するマトリックスに形成された凹凸曲面と、を有するか否か調べることができる。これにより、本発明に係る楕円振動切削加工方法によって製作された工作物(金型)であるか否かを判定できる。
例えば、図7に示すように走査型白色干渉法により成型品70の表面が200μm以上1000μm以下であり、10μm以上50μm以下のサイズで散在する炭化物41で形成された細長い島状の凸部が転写された凹部71と、10μm以上1000μm以下であり0.01μm以上10μm以下である規則的な周期をもった凹凸曲面55で前記島状凸部41が分布するマトリックスに形成された凹凸曲面55が転写された凸凹曲面75と、を有するか調べることで、成型に使用された金型60がどのような加工方法により作製されたかを特定できる。
また、図8に示すように、工作物60の圧延方向21は、鏡面を微分干渉顕微鏡により細長く引き伸ばされた炭化物41を観察することで特定できる。さらに、鏡面を硝酸アルコール等の腐食液を使用して細長い島状の凸部の炭化物41と粒界を際立たせて引き伸ばされた方向を観察することや、走査型電子顕微鏡によって反射電子像を観察することで特定できる。
なお、図7および図8に示すように工作物60が金型であった場合は、該金型60を使用して成型された成型品70に転写された細長い島状凹部71及び凸凹曲面75を調べることで本発明の楕円振動切削加工方法により製作された金型60か否かを特定できる。
さらに、工作物(金型)60の凹凸曲面55は、切削方向30に対して垂直方向(圧延方向21)に形成された割り出しピッチP2(図5参照)と、切削方向30に対して平行方向に形成された切削方向ピッチP1(図4参照)と、を共焦点レーザー顕微鏡や光学顕微鏡の焦点合成によっても測定できる。また、工作物60が小型であれば原子間力顕微鏡によっても測定できる。なお、割り出しピッチP2は、触針式の表面粗さ計でも測定可能である。
なお、本発明における「略垂直」という文言には常識的な誤差の範囲を含むものとする。すなわち、工作物の表面に対してほぼ楕円形に出現する炭化物の長手方向をそもそも厳密に測定することが困難であり、数度の範囲で誤差を含む。
また、材料の切り出しや加工機械への取り付け誤差の範囲も本発明に含むものとする。しかし、あえてより詳細に圧延方向と切削方向の検討を行った結果、圧延方向、すなわち炭化物の伸びた方向と切削方向との角度は、好ましくは80度以上100度以下であり、より好ましくは85度以上95度以下であるとの結論に至った。
そのような角度範囲とするに至った理由について以下に説明する。図12に炭化物の圧延方向の長さを1として、炭化物の幅が5分の1、10分の1、20分の1、および100分の1の各場合(以降、それぞれアスペクト比5、10、20、100とする)の圧延方向(炭化物の長手方向)と切削方向のなす角θとの場合における、1つの炭化物を横切る最大長さ、すなわち中心を通る線分の長さLの算出結果を示す。なお、炭化物は図9などの観察結果を元に楕円形に近似して算出した。また、図13は図12の部分拡大図である。
図12、図13から、アスペクト比10以上の場合、切削方向と炭化物の長手方向のなす角θが80度以上100度以下で工具が炭化物を横切る長さLが0.2以下となる。さらに、85度以上95度以下ではLの値が0.15以下となる。また、アスペクト比5の場合は、角度θが80度以上100度以下でLが0.25以下になる。
本発明の効果を十分に発揮するには、工具が炭化物を横切る長さを十分に低減する必要がある。具体的には、前述のLの値が0.25以下、0.20以下、0.15以下であることが好ましい。このことから、圧延方向と切削方向のなす角は80度以上100度以下であることが好ましく、炭化物のアスペクト比が10以上であり、炭化物の長手方向と切削方向のなす角θは85度以上95度以下であることがより好ましい。
実際に本発明の効果の大きさはθの範囲に依存して連続的に変化するので、θが80度以下あるいは100度以上で本発明の効果が得られないということではない。しかし、材料は圧延方向に垂直または平行に切り出されることが多く、また材料の切り出し方向に対して平行または垂直以外の方向に切削するとエアカットの時間が長くなり、非効率である。このことからも、本発明の請求範囲は切削方向を圧延方向と略垂直とし、上記角度θの範囲は80度以上100度以下の角度範囲とした。
本発明に係る楕円振動切削加工方法(以下、本発明方法という。)および従来の楕円振動切削加工方法(以下、従来方法という)を用いて以下の加工条件で切削試験を行った。また、本発明方法は被削材の圧延方向と垂直に、従来方法は被削材の圧延方向と平行に被削材表面を楕円振動切削加工した。さらに、評価を正確に行うために被削材の形状は単純平面とした。
・振動条件:振幅4(μm)×50(kHz)
・加工方法:プレーナ加工
・加工速度:1000(mm/min)
・切り込み量:3(μm)
・割り出しピッチ:25(μm)
・加工面積:12000(mm
・切削距離:600(m)
・切削時間:10(h)
・加工時間:19.1(h)
・切削工具:単結晶ダイヤモンドバイト
・切削工具先端の面取り径R:5.0(mm)
・切削液:油性切削液
・被削材:マルテンサイト系ステンレス鋼(表面硬さ52HRC)
また、切削距離520m付近の被削材表面の目視による表面観察を行い、さらに、走査型白色干渉顕微鏡によって表面粗さ(PV、rms、Ra)測定を行った。ここで、PVは測定した粗さ曲線の高さ方向の最高点と最低点の高低差、rmsは粗さ曲線の平均線から測定曲線までの偏差の二乗を平均した値の平方根、Raは測定曲線の平均粗さを示す。
Figure 0006806984
表1は、本発明方法および従来方法の各方法を用いて行った切削試験後の上記工作物の表面観察(白い筋の有無)及び表面粗さ測定を行った結果である。表1に示すように、本発明方法を用いて切削加工すると、鏡面に白い筋は認められなかった。しかし、従来方法では図11に示すような工作物の表面に白い筋が認められた。この結果から、本発明方法による工作物の切削加工面は従来方法より品質が向上していることがわかった。
また、図9(a)は本発明方法により楕円振動切削加工された工作物の表面を走査型白色干渉顕微鏡で測定した画像図であり、該画像図のD1−D1断面の表面粗さ(PV、rms、Ra)測定を行った。さらに、図9(b)は従来方法により楕円振動切削加工された加工面を走査型白色干渉顕微鏡で測定した画像図であり、該画像のD2−D2断面の表面粗さ(PV、rms、Ra)測定を行った。
表1に示すように、従来方法ではPV572nm、rms20nm、Ra16nmであるのに対し、本発明方法の表面粗さはPV121nm、rms15nm、Ra12nmであり、品質とともに加工精度も向上していることがわかった。
これは、切削工具の楕円軌道が進む方向(切削方向)と被削材の圧延方向とを略垂直にすることにより、切削工具と被削材の炭化物との接触時間が短くなり、切削工具が硬い炭化物の影響を受ける時間が短くなったためである。
なお、表面粗さRaは、切削距離520m付近でRa12nmとRa16nmの差であったが、白い筋がなければRa20nm以下で十分に光学用金型としての品質を満足するため、目視での白い筋の有無が品質上特に重要である。
ここで、本発明方法により楕円振動切削加工された被削材の表面には切削方向に垂直方向に200μm以上1000μm、切削方向に平行方向に10μm以上50μm以下、高さ方向に0.02μm以上0.06μm以下のサイズで散在する炭化物で形成された細長い島状の凸部が観察された。
さらに、この島状の凸部が分布するマトリックスに、切削速度1000mmと楕円振動の周期50kHzによる切削方向ピッチ(0.33μm)に対応する規則的な凹凸曲線が切削方向に存在する。また、割り出しピッチ(25μm)に対応する規則的な凹凸曲線が切削方向と垂直方向、すなわち島状の凸部の細く伸びた方向(圧延方向)に存在する。
すなわち、切削方向に対して垂直方向に10μm以上1000μm以下の規則的な周期をもった凹凸曲線と、切削方向に対して平行方向に0.01μm以上10μm以下の規則的な周期をもった凹凸曲線と、で囲まれた凹凸曲面が形成されている。
なお、加工速度と振動周期から切削方向ピッチの関係は下記の式により求められる。
切削方向ピッチ
=(切削速度)÷(振動周期)
=[1000(mm/min)÷60(sec/min)]÷50000(/sec)
≒0.00033(mm)=0.33(μm)
一方、従来方法のように圧延方向に平行に切削方向をとって、切削試験を行った場合には、切削方向(圧延方向)のうねり(白い筋)が大きく、本発明方法で見られた島状凸部は明確には観察されなかった。これは、炭化物の影響が限定的な範囲で島状としてではなく、切削面上において炭化物が切削工具に長く影響を与え、切削方向のうねりとして表れている。これにより、被削材の表面に白い筋(うねり)が発生し(図11参照)、本発明方法に比べて従来方法の表面粗さPVが4倍以上高くなっていた。
なお、超精密加工機によるプレーナ加工においては、切削工具の戻り時間、一定の切削距離毎に設ける切削工具の空振り時間、切り込み方向、逃げ方向及び割り出し方向への移動時間等があるため、切削時間に対して実際の加工時間が長くなる。
10、100 切削工具
11、101 被削材
14 切削工具10の刃先
21 被削材11の圧延方向
30 切削工具10の切削方向
60 工作物(金型)

Claims (3)

  1. 切削工具の刃先を被削材に対して相対的に楕円振動させながら前記被削材に平面又は自由曲面をプレーナ加工する楕円振動切削加工方法であって、前記被削材がマルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の場合に前記切削工具の切削方向と前記マルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の圧延方向とを略垂直にした状態で、前記被削材の圧延方向に10μm以上1000μm以下、前記切削工具の切削方向に0.01μm以上10μm以下の規則的な周期をもった凹凸曲面と、前記切削工具の切削方向には10μm以上50μm以下、前記被削材の圧延方向には200μm以上1000μm以下、前記被削材の高さ方向には0.02μm以上0.06μm以下の範囲の炭化物で構成される細長い島状凸部と、を前記マルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の表面に形成するように前記プレーナ加工を行うことを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の楕円振動切削加工方法。
  2. 前記切削工具は、単結晶ダイヤモンド被覆工具、ナノ多結晶ダイヤモンド被覆工具、多結晶ダイヤモンド被覆工具のうちのいずれかの切削工具を用いることを特徴とする請求項1に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の楕円振動切削加工方法。
  3. 前記マルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型は、表面硬さがビッカース硬さで300HV以上700HV以下であって、前記マルテンサイト系ステンレス鋼は、JIS規格によって規定されているSUS420J1又はSUS420J2と同一成分であり、微量金属又は半金属のうち1種又は2種以上をそれぞれ1.0重量%以下で含有するマルテンサイト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の楕円振動切削加工方法。
JP2015248702A 2015-01-29 2015-12-21 マルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の楕円振動切削加工方法 Active JP6806984B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015015710 2015-01-29
JP2015015710 2015-01-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016144859A JP2016144859A (ja) 2016-08-12
JP6806984B2 true JP6806984B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=56685737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015248702A Active JP6806984B2 (ja) 2015-01-29 2015-12-21 マルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の楕円振動切削加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6806984B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106270566A (zh) * 2016-08-25 2017-01-04 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 光学元件支撑镜框基准平面加工装置及加工方法
CN107016160B (zh) * 2017-03-02 2020-04-24 南京航空航天大学 三维椭圆振动辅助切削装置设计方法
CN109454241B (zh) * 2018-11-02 2020-12-22 厦门虹鹭钨钼工业有限公司 一种钨/钼制品表面超声波加工方法
CN109940171B (zh) * 2019-01-29 2020-04-24 南京航空航天大学 基于转角的椭圆振动切削装置的实时同步控制方法
CN111889763B (zh) * 2020-03-02 2021-06-01 广东工业大学 一种微纳复合结构高一致性制备方法
CN111880471B (zh) * 2020-07-03 2022-06-10 哈尔滨工业大学 一种用于超声椭圆振动切削技术切削轨迹的计算方法
CN111931338B (zh) * 2020-07-03 2022-06-14 哈尔滨工业大学 一种确定超声椭圆振动切削技术可加工几何结构的算法
CN114603164B (zh) * 2022-01-21 2023-07-14 清华大学 高深宽比表面微结构的倒退式振动切削加工方法及系统
CN114749992B (zh) * 2022-03-10 2023-06-06 清华大学 异形截面微织构槽的加工方法及系统

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3500434B2 (ja) * 1993-09-01 2004-02-23 財団法人新産業創造研究機構 振動切削加工方法および振動切削加工装置
JP2002155316A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Nisshin Steel Co Ltd 高炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法
KR101084642B1 (ko) * 2001-05-15 2011-11-17 닛신 세이코 가부시키가이샤 피삭성이 우수한 페라이트계 스테인레스 강 및마르텐사이트계 스테인레스 강
JP4207165B2 (ja) * 2005-03-10 2009-01-14 日立金属株式会社 鏡面仕上性に優れた高硬度ステンレス鋼およびその製造方法
JP5103620B2 (ja) * 2007-03-14 2012-12-19 国立大学法人名古屋大学 楕円振動切削装置および楕円振動切削方法
JP2009285764A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Mitsubishi Materials Corp 高速高送り切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具
JP5124790B2 (ja) * 2009-11-10 2013-01-23 住友電工ハードメタル株式会社 ダイヤモンド被覆切削工具
US9612594B2 (en) * 2011-12-14 2017-04-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Method for determining a machining means in hybrid ultraprecision machining device, and hybrid ultraprecision machining device
JP5954484B2 (ja) * 2013-02-18 2016-07-20 新日鐵住金株式会社 鉛快削鋼

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016144859A (ja) 2016-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6806984B2 (ja) マルテンサイト系ステンレス鋼製光学部品用金型の楕円振動切削加工方法
Uhlmann et al. Process chains for high-precision components with micro-scale features
Srithar et al. Experimental investigation and surface roughness analysis on hard turning of AISI D2 steel using coated carbide insert
Yan et al. Fabricating micro-structured surface by using single-crystalline diamond endmill
JP5228303B2 (ja) 低摩擦摺動部材、その製造装置並びに製造方法
Pratap et al. Manufacturing miniature products by micro-grinding: a review
Kang et al. Characteristics of inclined planes according to the variations of cutting direction in high-speed ball-end milling
Deng et al. A study of the grinding performance of laser micro-structured coarse-grained diamond grinding wheels
Graham et al. Fabrication of micro-dimpled surfaces through micro ball end milling
JP2004223700A (ja) 転写光学面の加工方法、加工機、光学素子成形用型及びダイアモンド工具
Zhang et al. Precision machining of ‘water-drop’surface by single point diamond grinding
Liu et al. Burr formation mechanism of ultraprecision cutting for microgrooves on nickel phosphide in consideration of the diamond tool edge radius
Yan et al. Manufacturing structured surface by combining microindentation and ultraprecision cutting
Chen et al. Affecting factors, optimization, and suppression of grinding marks: a review
Desai et al. Die-Less rapid prototyping process: Parametric investigations
Kacalak et al. Effect of superfinishing methods kinematic features on the machined surface
Schneider et al. Investigation of chip formation and surface integrity when micro-cutting cp-titanium with ultra-fine grain cemented carbide
Reichenbach et al. Micromachining of CP-titanium on a desktop machine-study on bottom surface quality in micro end milling
Baron et al. Diamond coatings for advanced cutting tools in honing and grinding
Hronek et al. THE INFLUENCES OF CUTTING EDGE RADIUS ON SURFACE ROUGHNESS WHEN MILLING NICKEL ALLOY.
Yin et al. Ultraprecision grinding of tungsten carbide for spherical mirrors
Uhlmann et al. Wear mechanisms of ceramic vibratory finishing media
Chen et al. Tool wear mechanisms of PCD micro end mill in machining of additive manufactured titanium alloy
Kim et al. A Study on the Squareness of Circular Pocket Machining of SCM415 Steel
JP2002346899A (ja) 曲面加工法及び加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200923

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6806984

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150