JPWO2007069614A1 - スピーカー装置 - Google Patents

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Abstract

バッフル板(3)と、当該バッフル板に、互いに逆方向に取り付けた少なくとも一対のスピーカー対(5,6)と当該スピーカー対が再生した再生音を所望方向に反射させるための反射構造(7)と、を含めてスピーカー装置(1)を構成してある。ここで、当該スピーカー対を構成する一方のスピーカー(5a,6a)と他方のスピーカー(5b,6b)とを同種同等スピーカーによって構成してあり、当該一方のスピーカーと当該他方のスピーカーとを逆位相で駆動可能に構成してある。各スピーカーをバッフル板に逆方向に取り付け、さらに、逆位相で駆動することによって歪が相殺によって低減される。

Description

この発明は、バッフルを用いた低歪スピーカー装置に関するものである。
電気信号を機械的信号に変換することによって音を再生するための装置が、スピーカー装置である。スピーカー装置は、たとえば、バッフル系、キャビネット系、音響管系及び音響ホーン系に大別することができる。その中でもバッフル系のスピーカー装置は、他の系統のそれらに比べて構造的に極めて簡単であり、その再生音も素直であるといわれ、広く利用されている。バッフル系のスピーカー装置の原理は、概ね次のとおりである。すなわち、スピーカー装置にはスピーカー(スピーカーユニット)が組み込まれることになるが、このスピーカーには電磁作用によって振動する振動板(コーン)が設けてある。振動板の振動は、そのスピーカーの前面(聴者側)と背面から音波を放射する。放射される音波には、スピーカーの前面から放射される音波(以下、必要に応じて「前面音波」という)と、その背面から放射される音波(以下、必要に応じて「背面音波」という)との2種類があり、前面音波と背面音波とは互いに逆位相になっている。したがって、スピーカーを裸のまま駆動させると前面音波と背面音波とが互いに干渉しあって音(音波)に歪が生じてしまう。前面音波が放射される空間と背面音波が放射される空間とを仕切ることによって、両者の相互干渉を断ち切り、これによって上記の歪を低減させる部材がバッフル板の役目である。
上記したようにバッフル板は歪低減のために大きな役目を担っているわけであるが、歪の原因は様々であり、上記以外にも高調波歪、変調歪、過度歪などがあり、さらに、特定周波数における振動板等の異常振動に基づく異常音なども歪の一種である。特許文献1には、バッフル板の振動を抑制するための技術が開示されている。
特開平10−108285号公報(段落0003〜0007、図1参照)
他方、特許文献2には、車室内のような左右に並んだ二名の受聴者の間に、設けられた一対の補正スピーカーが開示されている。補正スピーカーは、主となるスピーカーとは別に設けられたものである。一対の補正スピーカーは、ほぼ同一特性のスピーカー2個により構成されていて、一枚のバッフル板の両面に対向して取り付けられている。具体的には、一方のスピーカーと他方のスピーカーとの正面同士を重ね合わせ、その重ね合わせた部分をバッフル板に形成された貫通穴の中に配した状態でバッフル板に固定されている。換言すると、両スピーカーの振動板が合わさって両者間に一種の閉鎖空間が形成された状態となっている。一方のスピーカーと他方のスピーカーとは、電気的に互いに逆位相となるように接続されている。
特開2004−56403号公報(段落0026、図4参照)
しかしながら、音の歪の原因はさまざまであることは前述したとおりであり、特許文献1が開示するバッフル板の振動抑制だけでは充分な解決法であるとはいえない。また、特許文献2が開示する補正スピーカーは、前述したように対向する振動板間に閉鎖空間が形成されるため、一方のスピーカーと他方のスピーカーとが電気的に逆位相とはいえ、その閉鎖空間内にある空気が圧縮されて圧力が生じる。つまり、円錐状の振動板がその底辺方向に移動するときに受ける空気抵抗と、これとは逆の先端方向に移動するときに受ける空気抵抗とは、その大きさの点で同じではない。衝突する空気を中心方向に集めるように作用する底辺方向への移動を、同じく空気を放射方向に離散させるように作用する先細りの先端方向への移動と比較すれば、前者のほうが後者よりも空気抵抗が大きくなるからである。換言すれば、底辺方向へ移動する振動板のほうが、先端方向へ移動する振動板よりも空気抵抗の度合いにより振動しづらい状態にある。このため、電気的に逆位相に接続されているからといって、一方のスピーカーの振動板と他方のスピーカーの振動板とが、一方の突出分だけ他方が後退するという正確な逆位相の関係を形成することはできない。このため、再生音に歪が生じてしまう。本発明が解決しようとする課題は、バッフル板を含むスピーカー装置から再生される再生音が含む様々な歪を低減する新たな技術を提供することにある。
上記した課題を解決するために開発を進めた発明者は、様々な実験を繰り返した結果、同種同等すなわち同型のスピーカーを対で使用し、このスピーカー対を構成する一方のスピーカーと他方のスピーカーとを逆方向に配置することによって歪を効率的に低減可能であることを突きとめた。本願発明は、このような観点からなされたものである。その詳しい構成については、項を改めて説明する。なお、何れかの請求項記載の発明を説明するにあたって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項記載の発明にも適用があるものとする。
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項1のスピーカー装置」という)は、バッフル板と、 当該バッフル板に、互いに逆方向に、かつ、当該バッフル板の板面に沿って並べて取り付けた少なくとも一対のスピーカー対と、当該スピーカー対が再生した再生音を所望方向に反射させるための反射構造と、を含めて構成してある。バッフル板の設置は、それを設置する設置面(たとえば、床面やスピーカーエンクロージャーの上面)に対して縦方向に設定するのが一般的であるが、横方向や斜め方向に設定することを妨げるものではない。当該スピーカー対を構成する一方のスピーカーと他方のスピーカーとは、同種同等スピーカー、すなわち、一般的には同じメーカーの同じ型名のスピーカーによって構成してある。スピーカー対は、少なくとも一対あれば足りるが、複数対とすることもできる。複数対としたときの各スピーカー対を構成する各スピーカー同士は上述したように同種同等である必要があるが、各スピーカー対同士の間では同種同等のスピーカーである必要は必ずしもない。たとえば、スピーカー対が二対ある場合において、たとえば、一方のスピーカー対を中高音用のものとし、他方のスピーカー対を低音用のものとする使用方法もある。上記構成を前提として、上記した一方のスピーカーと他方のスピーカーとを逆位相で駆動可能に構成してある。逆位相の駆動は、一方のスピーカーの電極と他方のスピーカーの電極とに対して同じ電気信号を正負を逆にして給電することをいう。なお、通常のバッフル板は厚みが一定であるが、たとえば、一方の端面から他方の端面にかけて厚みが変化したものや凹部(キャビティ)や凸部を形成することによって形成した部分が形成しない他の部分と厚みが異なるものも、本発明に係るバッフル板に含まれる。バッフル板は、必要に応じて、適当な連結手段によって板面に沿って連結した複数の小片により構成することもできる。反射構造は、反射方向に対して再生音を反射可能であれば、その形態や形状について特に制限はない。
請求項1のスピーカー装置によれば、バッフル板に取り付けたスピーカー対が再生する再生音は、反射構造に反射され所望方向に進行し、やがて、聴者の耳に到達する。反射構造によって反射されずに直接聴者の耳に届く音や、スピーカー装置が置かれた環境にもよるが反射構造以外のものに反射されて聴者の耳に届く音もあり得えよう。スピーカー対を構成する一方のスピーカーと他方のスピーカーとは、逆方向に取り付けてあるので、この点だけを見れば、バッフル板を挟んだ左右から出る再生音は位相が逆になる。ここで、床面に対して縦に設置したことを想定してバッフル板の向って右側に着目する。ここで、スピーカー対を構成する一方のスピーカーと他方のスピーカーとを同じ電気信号を同相で駆動すると、一方のスピーカーの表面と他方のスピーカーの背面から互いに位相がずれた音が再生されることになる。つまり、物理的な逆位相駆動である。逆位相のままで駆動すると、位相のずれた(逆位相の)音同士の干渉による悪影響が生じるが、一方のスピーカーと他方のスピーカーとを逆位相で駆動することによって、逆位相であったものが同位相に戻すことができる。同位相であるから、上記干渉による悪影響が、まず、排除される。さらに、上記同位相駆動によって、歪が低減される。したがって、原音に極めて近い忠実な再生音を聴者に届けることができる。歪低減の因果関係は、現在も究明中であるが、一方のスピーカーと他方のスピーカーを互いに逆方向に取り付けたことにより、一方のスピーカーから生じる歪と他方のスピーカーから生じる歪とが相殺されるからであると推測できる。上記例におけるバッフル板左側から出る再生音は、同右側から出る再生音と同相であり、両再生音は反射構造の作用によって所望方向に進み、これによって、迫力ある再生が実現する。さらに、一方のスピーカーと他方のスピーカーとをバッフル板の板面に沿って並べて(ずらして)あるので、各スピーカーの前面及び後面が空間に開放されている。開放されているから、スピーカーの振動板が閉鎖空間であれば受けたであろう悪影響を受けずに振動する。そのような悪影響を受けない分だけ、忠実な再生音が再生される。
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項2のスピーカー装置」という)では、請求項1のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記反射構造が、反射面を備える反射板を含めて構成してあり、当該反射板の反射面に、前記バッフル板の側端を当接又は近接させることによって、当該反射板と当該バッフル板とが両者端面側から見て略T字を形成可能に構成してある。反射板自体は、必ずしも平板であることは必要ではなく、曲面を有する板であってもよい。
請求項2のスピーカー装置によれば、請求項1のスピーカー装置の作用効果に加え、バッフル板を挟んだ両側から再生される再生音が、略同じものとなる。つまり、略T字を形成させることによって、バッフル板から見た反射板がバッフル板両側に略等しい反射環境を形成するので、バッフル板両側から再生される再生音も略同じとなる。同じにすることによって、両側再生音間の差異がなくなり、これが、歪低減に寄与する。
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項3のスピーカー装置」という)では、請求項2のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記反射板と前記バッフル板とが、設置面上に起立状態で自立可能に構成してある。
請求項3のスピーカー装置によれば、請求項2のスピーカー装置の作用効果に加え、設置面上に自立可能に構成することによって、スピーカー装置全体の構造をシンプルなものにすることができる。つまり、バッフル板を設置するに当たって、バッフル板のみでは自立させられないので何らかの自立補助構造を必要とするが、反射板との組み合わせによって自立可能なのであれば反射板以外の自立補助構造が不要となる。
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項4のスピーカー装置」という)では、請求項2のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記反射板と前記バッフル板とが、設置面上に載置したベース板を介して設置面に対して起立させてあり、当該ベース板が、当該ベース板上面が底反射面として機能可能な形状に形成してある。
請求項4のスピーカー装置によれば、請求項2のスピーカー装置の作用効果に加え、反射板の反射面による反射効果に加え、底反射面による反射効果が生じる。すなわち、底反射面による反射の分だけ、再生音をより迫力あるものとすることができる。
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項5のスピーカー装置」という)では、請求項4のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記バッフル板を挟んだ両側には、前記反射面の途中と前記底反射面の途中とを連結する傾斜反射面を備える傾斜板を設けてある。
請求項5のスピーカー装置によれば、請求項4のスピーカー装置の作用効果に加え、傾斜板が少なくともバッフル板とベース板との間を構造的に補強するとともに、傾斜反射面による再生音反射が、再生音の迫力向上に貢献する。
(請求項6記載の発明の特徴)
請求項6記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項6のスピーカー装置」という)では、請求項3乃至5何れかのスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記反射板の幅方向一端又は両端には、連結構造を介して副反射板を連結してあり、当該副反射板には、連結時に前記反射面に対して鈍角を形成する副反射面を形成してある。副反射板は、反射板の幅方向一端のみに設けてもよいし、幅方向両端に設けてもよい。設置場所や設置環境等に合わせて適宜選択することができる。
請求項6のスピーカー装置によれば、請求項3乃至5何れかのスピーカー装置の作用効果に加え、副反射面による再生音反射が、さらに再生音の迫力向上に貢献する。さらに、副反射面による再生音反射は、他方で再生音を反射方向以外の方向へ進行するのを抑制し、この進行抑制が、進行先にある物体が及ぼす再生音に対する悪影響を有効に防止する。つまり、進行先にある物体(たとえば、室内に置いてある家具)に衝突した再生音は、その一部又は全部が聴者の耳に届いたときに、本来の再生音に干渉して歪ませる等の悪影響を及ぼしかねないので、それをできるだけ防ぐために副反射面が有効である。
(請求項7記載の発明の特徴)
請求項7記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項7のスピーカー装置」という)では、請求項6のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記連結構造が、前記反射板と前記副反射板とを着脱可能及び/又は前記反射面と前記副反射面との間の角度を変更可能に構成してある。
請求項7のスピーカー装置によれば、請求項6のスピーカー装置の作用効果に加え、次の作用効果を奏することができる。すなわち、反射板と副反射板とを着脱自在に構成した場合は、副反射板を必要に応じて反射板に取り付け、また、収納するときなど不要であれば取り外しすることができる。また、角度変更を可能に構成した場合は、反射面に対する副反射面の角度を変更することにより、好みの再生音となるように反射領域の広がり等を調整することができる。
(請求項8記載の発明の特徴)
請求項8記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項8のスピーカー装置」という)では、請求項1のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で前記反射構造が備える反射面が、建造物の壁面を流用可能(代用可能)に構成してあり、前記バッフル板が、当該建造物の床面を設置面として当該壁面に側面当接可能に構成してある。
請求項8のスピーカー装置によれば、請求項1のスピーカー装置の作用効果に加え、建造物の壁面を反射構造の反射面として流用ないし代用することができる。つまり、建造物の壁面があれば、これを反射構造として使用することができる。建造物の壁面を流用ないし代用することができれば、反射構造を設ける必要がないので、その分、スピーカー装置の構造を単純化することができる。さらに、建造物の壁面から離したスピーカー装置、すなわち、反射構造を取り外したスピーカー装置は、反射構造がない分だけ小型化するので、たとえば、使用していないときの収納を限られたスペース内で行うことができるのでたいへん便利である。
(請求項9記載の発明の特徴)
請求項9記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項9のスピーカー装置」という)には、請求項1乃至8いずれかのスピーカー装置の基本構造を備えさせた上で、前記少なくとも一対のスピーカー対を構成する各スピーカーが、バッフル板に取り付ける代わりに、前記バッフル板から独立した支持構造によって支持させてある。
請求項9のスピーカー装置によれば、請求項1乃至8いずれかのスピーカー装置のスピーカー対をバッフル板に取り付けないで独立させてあるので、スピーカー対の振動が直接バッフル板に伝わることがない。バッフル板の振動が歪発生の一因であることはよく知られているところであり、バッフル板の振動を抑制することによって、上記歪発生を可及的に防止することができる。スピーカー対は支持構造によってバッフル板との適切な位置関係が保持される。支持構造もバッフル板から独立させてあるので、支持構造を介した振動伝達も有効抑制され、この点も歪発生の防止に貢献する。
(請求項10記載の発明の特徴)
請求項10記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項10のスピーカー装置」という)には、請求項4又は5のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記バッフル板と前記反射板とを、少なくとも部分的に外側から囲み補強する防振用格子構造を前記ベース板上に起立固定してある。バッフル板及び反射板を囲み補強して防振(制振)を図ることができる格子構造であれば、格子構造の具体的構造に何ら制限はない。格子構造は、さらなる補強を目的として、たとえば、対向する格子同士や隣接する格子同士を連結するための構造を、併せ備えているものでもよい。
請求項10のスピーカー装置によれば、請求項4又は5のスピーカー装置の作用効果に加え、防振用格子構造によってバッフル板及び反射板の振動がより効果的に抑制されるので、抑制がなければ振動によって生じたであろう再生音の歪が軽減される。格子の構造を採用したのは、格子構造であれば壁構造に比べ遮蔽する空間が小さいので再生音のスピーカー装置外への拡散をほとんど阻害させずに防振補強を図るために適当であるからである。
(請求項11記載の発明の特徴)
請求項11記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項10のスピーカー装置」という)には、請求項1のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記反射構造が、反射面を備え、前記バッフル板上端面と同じ高さの上端面を有する反射板を含めて構成してあり、当該反射板の反射面に、前記バッフル板の一方の側端を当接させることによって、当該反射板と前記バッフル板とが両者端面側から見て略T字を形成可能に構成してある。前記反射板と前記バッフル板とは、設置面上に載置したベース板を介して設置面に対して起立させてあり、当該ベース板が、当該ベース板上面が底反射面として機能可能な形状に形成してあり、さらに、反射面をそれぞれ備える天板及び側板を含ませて構成してある。ここで、当該天板が当該ベース板と略平行に配置させ、前記バッフル板の上端面及び当該反射板の上端面に当接させ、かつ、当該側板が当該天板と当該ベース板との間に当該反射板と略平行に配置させ当該天板及び当該ベース板に当接しかつ前記バッフル板の他方の側端に当接させてある。
請求項11のスピーカー装置によれば、請求項1のスピーカー装置の作用効果に加え、バッフル板を挟んだ両側から再生される再生音が、略同じものとなる。つまり、略T字を形成させることによって、バッフル板から見た反射板がバッフル板両側に略等しい反射環境を形成するので、バッフル板両側から再生される再生音も略同じとなる。同じにすることによって、両側再生音間の差異がなくなり、これが、歪低減に寄与する。さらに、反射板の反射面による反射効果に加え、底反射面による反射効果が生じる。すなわち、底反射面による反射の分だけ、再生音をより迫力あるものとすることができる。
本発明に係るスピーカー装置によれば、バッフル板を含むスピーカー装置から再生される再生音が含む様々な歪を有効に低減することができる。したがって、原音に極めて近い忠実な再生音を聴者に届けることができる。
次に、各図を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。図1は、本実施形態に係るスピーカー装置の斜視図である。図2は、図1に示すスピーカー装置の平面図である。図3は、図2に示すスピーカー装置の変形例を示す平面図である。図4は、ネットワークの一例を示すブロック図である。図5は、スピーカー装置の使用態様を示す斜視図である。図6は、スピーカー装置の使用態様を示す平面図である。図7は、スピーカー対を一対としたスピーカー装置の斜視図である。図8は、第1変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。図9は、第2変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。図10は、図9に示すスピーカー装置の使用態様を示す平面図である。図11は、第3変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。図12は、第4変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。図13は、第5変形例に係るスピーカー装置の平面図である。図14は、第6変形例に係るスピーカー装置の側面図である。図15は、図14に示すスピーカー装置の正面図である。図16は、第7変形例に係るスピーカー装置の横断面図である。図17は、第8変形例に係るスピーカー装置の分解斜視図である。図18は、第9変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。図19は、第10変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。
(スピーカー装置の概略構造)
図1及び2を参照しながら、スピーカー装置の概略構造を説明する。スピーカー装置1は、設置面Gに対して起立させたバッフル板3と、バッフル板3の幅方向一端(側端)に、その一方の面(反射面7a)に当接させ固定した反射板(反射構造)7と、バッフル板3に取り付けた2対のスピーカー対5,6と、反射板7の背面に設けたネットワーク9(図4参照)と、から概ね構成してある。バッフル板3は、所望の高さ、幅及び厚みの寸法を有する合板によって構成してあり、反射板7はバッフル板3と同じ高さと厚みの寸法を有する合板によって構成してある。合板を用いた主たる理由は、入手及び加工の容易さにあるが、合成樹脂やアルミニウムのような金属、さらに、各種素材を組み合わせたものを用いることもできる。また、図3に符号3Aで示すバッフル板や同じく符号7Aで示す反射板を、金属製の枠3´a,7´aとこれらの枠3´a,7´aの両面に貼り付けた板材3´b,3´b,7´b,7´bとによって構成してもよい。金属製の枠3´a,7´aを使用するのは、バッフル板3Aや反射板7Aの重量を増加させることによって、これらを振動しにくくするためである。バッフル板や反射板が振動すると再生音に歪みが生じやすいので、振動を抑制、すなわち、防振することによって振動が原因となる歪みを可及的に少なくするためである。
バッフル板3や反射板7の寸法は、取り付けるスピーカー対の個数や個々のスピーカーの特性、求められるスピーカー装置1全体の外形寸法等を総合的に勘案して決定することができる。バッフル板3の幅方向一側端は、反射板7のほぼ中央に当接固定してあり、これによって、バッフル板3と反射板7とを平面視(両者端面側から見て)略T字を形成させてある(図2参照)。略T字を形成させたのは、第1に、次に述べるようにスピーカー装置1自体を設置面上に自立可能とするためであり、第2にバッフル板3を挟んだ両側領域を略均等なものとすることによって、両側領域から出る再生音を略均等なものとするためである。上述した自立可能な構成とは、バッフル板3と反射板7の寸法を適切に設定することによって、スピーカー装置1自体を設置面上に特別に自立させるための部材を設けることなくスピーカー装置1が自力で起立できる構成のことをいう。スピーカー装置1の設置環境や聴者の好み等に合わせて、両側均等を何れか一方側に偏らせてもよい。
(スピーカー対の構成)
スピーカー対5は、一方のスピーカー5aと他方のスピーカー5bとにより、スピーカー対6は、一方のスピーカー6aと他方のスピーカー6bとにより、それぞれ構成してある。スピーカー5aとスピーカー5bとは、同種同等のスピーカーであって、いずれも中高音用のツイーターである。スピーカー6aとスピーカー6bとは、やはり同種同様のスピーカーであって、いずれも低音用のウーハーである。このように対をなすスピーカー同士を同種同等のものによって構成した理由は、再生音の歪みを低減するためである。歪み低減については、後で詳しく述べる。本実施形態では、2対のスピーカー対によってスピーカー群を構成してあるが、スピーカーは少なくとも1対あれば足りる。3対以上としてもよい。1対とした場合は、再生音の種類や再生目的等によっても異なるが、たとえば、音楽を再生するのであれば、そのスピーカー対を構成する各スピーカーは再生帯域の広いフルレンジのものが一般的である。さらに、たとえば、音楽を再生する目的で3対のスピーカー対を用意するのであれば、各対をそれぞれ高音用のツイーター、中音用のスコーカー、さらに、低音用のウーハーに適したスピーカーによって構成することができる。
スピーカー対5を構成するスピーカー5aとスピーカー5bとは、バッフル板3に互いに逆方向に取り付けてある。つまり、図1に示すスピーカー5aは、その前面をバッフル板3の向って手前に向かせてあり、図1では見えないがスピーカー5bの前面はバッフル板3の向って裏側に向かせてある。スピーカー5aとスピーカー5bとは、何れも反射板7までの距離が同じである。つまり、両スピーカーは、反射板7に沿って(バッフル板3の板面に沿って)縦方向に並べてある。上記した反射板7との距離は、バッフル板3の幅寸法の半分よりも短く、すなわち,スピーカー5aとスピーカー5bとをバッフル板3の幅方向中央よりも反射板7側に位置させるように設定する。バッフル板3の開放端とスピーカー5a,5bとの距離を長くすることによって回りこみによるバッフル板3左右の再生音干渉を少なくするためである。なお、スピーカー5a,5b,6a,6bのバッフル板3への取り付けは、図2に符号5p,6pで示す制振材(たとえば、ゴム)を介して行うこともできる。バッフル板3に振動が伝わりづらくすることによって再生音の歪を低減させるためである。なお、スピーカー対5を構成する各スピーカー5a,5b,6a,6bの取り付けは、図1に示すように、バッフル板3を貫通させた貫通孔(図1ではスピーカーに隠れて見えない)に各スピーカー5a,5b,6a,6bを貫通させ、各スピーカー5a,5b,6a,6bが有するフランジ部5af,5bf,6af,6bfをバッフル板3にネジ固定することによって行うとよい。
ここで、バッフル板3の向って手前側に着目する。バッフル板3の手前側には、スピーカー5aの前面とスピーカー5bの背面が見えており、スピーカー5aとスピーカー5bとに同じ電気信号を同相で駆動すると、スピーカー5aの表面とスピーカー5bの背面から互いに位相がずれた音が再生されることになる。上記取り付け法は、スピーカー対6についても同じである。反射板7に沿って縦方向に並ぶスピーカー6aとスピーカー6bとは、バッフル板3に互いに逆方向に取り付けてあり、このため、同相駆動したとすると、スピーカー6aの表面とスピーカー6bの背面から互いに位相がずれた音が再生されることになる。
他方、図4に示すネットワーク9は、スピーカー5aとスピーカー5bとを逆位相で駆動するように構成してあり、これによって、スピーカー5aの前面から出る再生音とスピーカー5bの背面から出る再生音とは、逆位相だったものが反転されて同位相となるようにしてある。スピーカー6aとスピーカー6bも、ネットワーク9の働きにより同位相の再生音を再生するようにしてある。
(スピーカー装置の作用効果)
スピーカー装置1によれば、次の作用効果を奏する。すなわち、バッフル板3に取り付けたスピーカー対5,6それぞれが再生する再生音は、反射構造となる反射板7に反射され所望方向に進行し、やがて、聴者の耳に到達する。スピーカー対5,6を構成する一方のスピーカー5a,6aと他方のスピーカー5b,6bとは、バッフル板3に対して逆方向に取り付けてあるので、この点だけを見れば、バッフル板3を挟んだ左右から出る再生音は位相が逆になる。すなわち、スピーカー対5,6を構成する一方のスピーカー5a,6aと他方のスピーカー5b,6bとを同じ電気信号を同相で駆動すると、一方のスピーカー5a,6aの表面と他方のスピーカー5b,6bの背面から互いに位相がずれた音が再生されることになる。つまり、物理的な逆位相駆動である。逆位相のままで駆動すると、位相のずれた(逆位相の)音同士の干渉による悪影響が生じるが、一方のスピーカー5a,6aと他方のスピーカー6a,6bとを逆位相で駆動することによって、逆位相であったものが同位相に戻すことができる。同位相であるから、上記干渉による悪影響が、まず、排除される。さらに、上記同位相駆動によって、歪が低減される。したがって、原音に極めて近い忠実な再生音を聴者に届けることができる。
(スピーカー装置の使用態様)
これまで述べたスピーカー装置は単体使用を前提としてきたが、スピーカー装置1は上記のとおり優れた特性を有することから音楽再生にも好適に用いることができる。したがって、図5及び6に示すように、スピーカー装置1を2台並べてステレオ再生を行えば、スピーカー装置1の特性がより発揮され、より、生演奏に近い音楽再生が可能になる。ステレオ再生する際の各スピーカー装置1,1は、同図に示すように、各スピーカー装置1のバッフル板3を通過する想像線Laと想像線Lbとを二辺とする二等辺三角形の頂点に聴者Mが位置するように配置するのが一般的であるが、たとえば、聴取環境や聴者Mの好みに合わせて上記頂点を聴者Mの前後に配することもできる。さらに、上記配置以外にも、たとえば、両想像線La,Lbを交差せずに平行となるように各スピーカー装置1,1を並列設置することも当然に可能である。
図7に示すスピーカー装置1Aは、スピーカー対の数が1対である点で、先に説明したスピーカー装置1と基本的に異ならせてあるが、他の点においては構造的に共通である。スピーカー装置1Aがスピーカー装置1と構造的に共通する部材については図1に示した符号と同じ符号を図7に示すのみに止め、そのような共通する部材についての説明は省略する(後述する変形例においても同じ)。すなわち、スピーカー装置1Aが備えるスピーカー対5は、一方のスピーカー5aと、これと同種同型の他方のスピーカー5bとから構成してあり、各スピーカー5a,5bは、いずれも高音用のツイーターである。つまり、スピーカー装置1Aは、高音を受け持つ装置であって、中低音を受け持つスピーカー装置31のエンクロージャー33上に載置して使用可能な大きさに構成してある。符号35a及び35bは、エンクロージャー33に取り付けたスピーカーを示している。スピーカー装置1Aは、たとえば、図7に示すようなエンクロージャー式のスピーカー装置31が存在するときに、高音域の再生をよりクリアに行おうとするときに好適である。高音域以外に代え、また、高音域とともに、たとえば、低音域のスピーカー(図示を省略)を持たせたスピーカー装置を使用することもできる。
(スピーカー装置の第1変形例)
図8を参照しながら、スピーカー装置の第1変形例について説明する。第1変形例に係るスピーカー装置1Bが、先に説明したスピーカー装置1と異なるのは、後者が有していないベース板15を前者が有している点である。以下の説明では、両者が異なる部材を中心に行い、共通する部材については変形例を示す図に変形前に使用した部材番号を記載するに止め、それらの部材についての説明は可能な範囲で省略する。この扱いは、第2変形例以下の説明においても同じとする。ベース板15は、その上面が底反射面15aとして機能するように構成してあり、反射板7の反射面7aとともに再生音を所定方向に反射可能とするためである。すなわち、ベース板15は、反射構造の一部を構成する。また、スピーカー装置1Bを設置する設置面の影響をスピーカー装置1Bの再生音がなるべく受けないようにすることや、スピーカー装置1Bを設置面上で自立させやすくすることも、ベース板15が果たす機能の一端である。設置面が、たとえば、柔らかいカーペットである場合に、その吸音作用や設置の不安定さ等を遮断するために有効である。
(スピーカー装置の第2変形例)
図9を参照しながら、スピーカー装置の第2変形例について説明する。第2変形例に係るスピーカー装置1Cが、先に説明したスピーカー装置1と異なるのは、後者が有していない副反射板17を前者が有している点である。すなわち、反射板7の幅方向一端には、連結構造として機能するヒンジ17bを介して副反射板17を連結してある。副反射板17には、連結時に反射板7の反射面7aに対して鈍角(図9において示す角度β)を形成する副反射面17aを形成してある。ヒンジ17bは、上記角度βを変更できるように構成してある。再生音の進行方向を調整等するときに便利である。また、ヒンジ17bは、取り付けた副反射板17を反射板7から簡単に取り外せるように、すなわち、着脱自在に構成しておくことが好ましい。たとえば、副反射板17を不要とするときに、取り外すことができれば便利であり、その分、使い勝手がよくなるからである。副反射板17は、反射構造の一部を構成するものであり、反射面7aとともに再生音を所定方向に進行させる機能を担っている。副反射板17は、少なくとも1個あれば足り、反射板7の幅方向いずれの一端に取り付けてもよい。スピーカー装置1Cの、たとえば、使用目的や使用環境等に合わせて選択が可能であり、図9において想像線で示すように反射板7の幅方向両端に取り付けることもできる。スピーカー装置1Cを2台並べて設置してステレオ再生を行う際には、図10に示すように聴者Mから見て左側のスピーカー装置1Cの反射板7の左側一端に、同じく右側のスピーカー装置1Cの反射板7の右側一端に、それぞれ副反射板17,17を取り付けることによって、両スピーカー装置1C,1Cの再生音を聴者方向に集中的に進行させることができる。たとえば、聴取する室内の反響等の影響を軽減する等を必要とするときに有効である。
(スピーカー装置の第3変形例)
図11を参照しながら、本実施形態の第3変形例について説明する。第3変形例に係るスピーカー装置1Dは、前述した本実施形態に係るスピーカー装置1に、底反射面15aを有するベース板15と、副反射面17aを有する少なくとも1個の副反射板17と、傾斜反射面19aを有する傾斜板19と、を設けてある。ベース板15(底反射面15a)は先に説明した第1変形例に係るスピーカー装置1Bのベース板15(底反射面15a)と同じものであり、したがって、図8において使用した符号15(15a)と同じ符号を図11にも使用してある。副反射板17(副反射面17a)は先に説明した第2変形例に係るスピーカー装置1Cの副反射板17(副反射面17a)と同じものであり、したがって、図9において使用した符号17(17a)と同じ符号を図11にも使用してある。傾斜板19はバッフル板3の両側に配してあり、傾斜板19のスピーカー対5,6に面する面(傾斜反射面19a)は、反射板7の反射面7aの途中と底反射面15aの途中とを連結している。傾斜反射面19aは、反射面7a、副反射面17a、底反射面15aと相俟って再生音を所定方向に進行させる機能を有している。
もっとも、これまで述べてきた各変形例に係るベース板15(底反射面15a)、副反射板17(副反射面17a)及び傾斜板19(傾斜反射面19a)は、これらの部材の何れを採用するかは、たとえば、スピーカー装置の使用環境、使用目的及び製作者の好み等によって自由に選択することができる。上記部材のすべてを採用してもよいし、必要と思われる1又は2以上を適宜選択して採用してもよい。さらに、スピーカー対の数、バッフル板等の材質、形状、大きさ等に何ら制限はない(以下に述べる変形例等について同じ)。
(スピーカー装置の第4変形例)
図12を参照しながら、本実施形態の第4変形例について説明する。第4変形例に係るスピーカー装置1Eが本実施形態に係るスピーカー装置1と大きく異なる点は、後者が有している反射板7を前者自体が有していない点である。つまり、スピーカー装置1Eは、バッフル板3を有し、バッフル板3の下端両面にはバッフル板3を設置面上に自立させるための三角支持台21,21を固定してある。バッフル板3の幅方向一方側にはスピーカー対5,6を縦方向に並べて取り付けてある。ここまでは、スピーカー装置1の構成と異ならない。上記構成を有するスピーカー装置1Eは、そのバッフル板3の幅方向一方側の端面を建造物の壁面Wに略直角に当接させて使用する。すなわち、建造物の壁を反射構造の一部として流用し、壁面Wを反射面として機能させるようになっている。建造物の壁の代わりに、たとえば、家具の側壁等を流用することも可能である。スピーカー装置1Eによれば、反射構造をスピーカー装置本体の外に求めることができるので、その分スピーカー装置本体を小型・軽量化することができる。また、上記した三角支持台21,21と異なる形態の支持手段の採用を妨げるものではなく、バッフル板3自体を上記壁に直接固定したり天井から吊り下げたり等する方法もある。
(スピーカー装置の第5変形例)
図13を参照しながら、本実施形態の第5変形例について説明する。第5変形例に係るスピーカー装置1Fは、バッフル板3を支持台(支持手段)23,23によって設置面上に自立させ、バッフル板3の両側所望位置に反射板(反射構造)27,27を配してある。反射板27,27は、スピーカー対5,6によって再生される再生音を所望方向に反射可能な位置に配してあり、必要に応じて図13に示すような湾曲する反射面27a,27aを備えさせることができる。スピーカー装置1Fの反射板27,27は、図13に示すようにバッフル板3の両面から僅かに離して配するようにしたが、それぞれをバッフル板3の両面に当接状態に配することも可能である。なお、図13に示す符号27b,・・は、反射板27,27を自立させるための支持台(支持手段)を示している。
(スピーカー装置の第6変形例)
図14及び15を参照しながら、本実施形態の第6変形例について説明する。第6変形例に係るスピーカー装置1Gが本実施形態に係るスピーカー装置1と基本的に異なるのは、後者のバッフル板3は縦に設置されるものであるのに対し、前者のバッフル板3´は横に配置されるものである点である。すなわち、スピーカー装置1Gのバッフル板3´は、支持脚29,・・によって設置面状に略水平に維持させてあり、バッフル板3´には、スピーカー5aとスピーカー5bとからなるスピーカー対5が取り付けてある。バッフル板3´の一端には横から見てハの字状に開く反射板(反射構造)7´,7´を取り付けてあり、その開いた方向(図14の向って右方向)に再生音を進行させるように構成してある。
(スピーカー装置の第7変形例)
図16を参照しながら、本実施形態の第7変形例について説明する。第7変形例に係るスピーカー装置1Hが先に説明したスピーカー装置1と異なる点は、スピーカーの支持方法にある。各スピーカー5a,5b,6a,6bが有するフランジ部5af,5bf,6af,6bfをネジ固定によってバッフル板3に取り付け支持させたスピーカー装置1に対して、スピーカー装置1Hは、スピーカー対5(スピーカー5a,5b)をバッフル板3には固定せずに独立させてある。すなわち、スピーカー対5を構成する各スピーカー5a,5bは、バッフル板3に取り付ける代わりに、支持構造5as,5bsに支持させてある。支持構造5asは、スピーカー5a(5b)をネジ固定するためのケージ部材5as−1(5bs―1)と、ケージ部材5as−1(5bs−1)を床面状に自立させるためのスタンド部5as−5(5bs−5)と、から概ね構成してある。ケージ部材5as−1(5bs−1)は、傘の骨に類似した形状に形成してあり開放端側にスピーカー5a(5b)を取り付け、各骨が集合した中心部にスタンド部5as−5(5bs−5)を取り付けてある。ケージ部材5as−1(5bs−1)には、スタンド部5as−5(5bs−5)の逆Lアーム5as−2(5bs−2)の一端側を接続してあり、逆Lアーム5as−2(5bs−2)の他端側はベース部5as−3(5bs−3)に固定してある。逆Lアーム5as−2(5bs−2)の短辺部はケージ部材5as−1(5bs−1)の中心部から略水平方向に延び、同じく長辺部は略垂直方向に延びてベース部5as−3(5bs−3)に到着するように構成してある。スピーカー5bはスピーカー5aの下に位置するので、その分だけ逆Lアーム5bs−2の高さ寸法を短くしてある。バッフル板3´には貫通孔3´ah(3´bh)を貫通させてあり、貫通孔3´ah(3´bh)は、上記ケージ部材5as−1(5bs−1)を、孔周縁に接触させることなく受入可能な形状、すなわち、両者間に隙間が形成される形状に形成してある。貫通孔3´ah(3´bh)とケージ部材5as−1(5bs−1)との相対位置関係は、逆Lアーム5as−2(5bs−2)の高さ寸法とベース部5as−3(5bs−3)の設置位置によって調整することができる。ケージ部材5as−1(5bs−1))は、スタンド部5as−5(5bs−5)の自立作用によってバッフル板3´から独立する。バッフル板3´からの独立は、スピーカー対5の振動が直接バッフル板3´に伝わることを防止する。バッフル板3´の振動を抑制することによって、歪発生を可及的に防止するためである。なお、第7変形例におけるスピーカー対の数は1個としたが、2個以上とすることもできる。
(スピーカー装置の第8変形例)
図17を参照しながら、本実施形態の第8変形例について説明する。第8変形例に係るスピーカー装置1Iは、先に述べた第1変形例に係るスピーカー装置1Bの変形例であって、防振効果をより高いものとするための防振構造を付加した点がスピーカー装置1Bと異なっている。以下、この異なる点について説明する。スピーカー装置1Iが有するバッフル板3Iは、複数の板(第8変形例では3枚)を板面に沿って配し、それらを連結することによって構成してある。すなわち、バッフル板3Iは、縦に並べたバッフル構成板3Ia、バッフル構成板3Ib及び並べた両構成板の一側(反射板7とは反対側)に配した縦長バッフル構成板3Icの3枚によって構成してある。バッフル構成板3Ia及びバッフル構成板3Ibは、互いに略同じ高さ寸法及び幅寸法に形成してあり、両者を合わせた高さ寸法が反射板7の高さ寸法と略同じになるように形成してある。バッフル構成板3Iaにはスピーカー5aを、図17では図示を省略したが、バッフル構成板3Ibにはスピーカー5bを、それぞれ取り付けるようになっている。スピーカー5a,5bを各々別のバッフル構成板に取り付けるように構成したのは、歪原因の一つとなるバッフル板3Iの振動を効率的に抑制するためである。すなわち、バッフル板3I全体を見たときに両スピーカーに挟まれた部位が、その他の部位に比べて最も振動しやすい部位であると考えられることから、スピーカー5aを取り付けた板とスピーカー5bを取り付けた板とを別々のものによって構成し、そして、それらの板同士を補強機能を備えた連結部材によって連結することによって、そのような振動を効率的に抑制することができるからである。他方、縦長バッフル板3Icは、その高さ寸法を反射板7の高さ寸法と略同じに設定してあり、その幅寸法は、バッフル構成板3Ia(バッフル構成板3Ib)の幅寸法と合わせてベース板15の長さ寸法(反射板7から離れる方向の寸法)と略同じ又はより短く設定してある。
(スピーカー装置の第9変形例)
図18を参照しながら、本実施形態の第9変形例について説明する。第9変形例に係るスピーカー装置1Jは、先に述べた第8変形例に係るスピーカー装置1Iをさらに変形したものであって、防振効果をより高いものとするための防振構造を付加した点がスピーカー装置1Iと異なっている。以下、この異なる点について説明する。スピーカー装置1Jでは、バッフル板3I(バッフル板3等でもよい)と反射板7(反射板7´等でもよい)とを、少なくとも部分的に外側から囲み補強する防振用格子構造41(2点鎖線で表示)をベース板15上に起立固定してある。
防振用格子構造41は、たとえば、バッフル板3や反射板7との関係から断面L字の鋼材をボルト及びナットによって適宜連結して構成してあり、この防振用格子構造41をバッフル板31や反射板7に適宜固定することによって補強する。防振用格子構造41の構造は、防振機能を備える構造であればどのような形態も選択可能であるが、第9変形例では、反射板7とベース板15とにより2面を、防振用格子構造41によって4面を、それぞれ構成するように構成してある。6面体を構成することによって、もともとT字状をなしていたスピーカー装置に比べて構造的に安定させることができ、この安定によってバッフル板3及び反射板7の振動が有効に抑制される。この結果、振動抑制がなければ振動によって生じたであろう再生音の歪が軽減される。
(スピーカー装置の第10変形例)
図19を参照しながら、スピーカー装置の第10変形例について説明する。第10変形例に係るスピーカー装置1Kは、先に述べた第1の変形例に係るスピーカー装置1Bと次の点で異なる。すなわち、スピーカー装置1Kは、スピーカー装置1Bの構成に加えて天板43と側板45とを含む点で異なる。なお、図示の例では、バッフル板3に二対ではなく一対のスピーカー対47が取り付けてある。
天板43はベース板15と同一形状で同質の板部材からなり、ベース板15と略平行に配置させ、かつ、バッフル板3の端面(上端面)と反射板7の端面(上端面)とに当接した状態でこれらのバッフル板3及び反射板7に固定してある。また、側板45は反射板7と同一形状で同質の板部材からなり、天板43とベース板15との間に反射板7と平行に配置されかつ天板43の下面とベース板15の上面とに当接した状態でこれらの天板43及びベース板15に固定してあり、バッフル板3の側端に当接している。天板43はベース板15と同様に反射構造の一部を構成し、その下面43aが再生音を所定方向に反射可能とする反射面として機能し、また、側板45は反射板7と同様に反射構造の一部を構成し、反射板7に相対する側面45aが再生音を所定方向に反射可能とする反射面として機能する。その結果、スピーカー装置1Kは、開放した互いに相対する両側面を有するエンクロージャーを備えるものとなっている。このことから、このスピーカー装置1Kにあっては、スピーカー対47がそれぞれ発する音波の互いに他の一方のスピーカーの側への回り込みを低減することができる。これは、図示の例におけるように、スピーカー対47が低音用のウーハーに適したスピーカー対からなる場合に特に顕著である。このため、バッフル板3の大きさをより小さいものとすることができ、これによりスピーカー装置1K自体の小型化を図ることができる。
スピーカー対47がウーハーに適したスピーカー対からなるものとした場合におけるスピーカー装置1Kは、図1に示すスピーカー装置1との組み合わせての使用に適する。この組み合わせにおいて、スピーカー装置1はスピーカー装置1Kの上に配置され、その2対のスピーカー対5,6がそれぞれ高音用のツイーターに適するスピーカー対及び中音用のスコーカーに適するスピーカー対からなるものとされている。
(視聴結果)
前述した第10変形例に係るスピーカー装置1Jを用いて視聴を行った。視聴項目及び視聴結果は次に示すとおりである。
視聴項目
(1) 低音の再現性(バッハ 音楽の捧げものBWV.1079 カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団)
(2) 高音の再現性(メンデルスゾーン バイオリン協奏曲ホ短調作品64 ビクトリア・ムローバ(バイオリン)ネビル・マリナー指揮 アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ)
(3) 音場の再現性(プッチーニ 歌劇『蝶々夫人』ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)ルチアーノ・パバロッティ(テナー)ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団)
(4) 音の定位
(5) スケール感(ドボルザーク 交響曲第9番『新世界より』バツラフ・ノイマン指揮 チェコフィルハーモニー管弦楽団)
(6) 大編成の合唱(モルモン・タバナルク合唱団及びオーケストラ 指揮:ジェロルド・オットレー 明日に架ける橋/アメリカ・魂の歌 300〜400人の大合唱団)
(7) パイプオルガン(バッハ トッカータとフーガニ短調 BWV.565 ピーター・ハーフォード(オルガン)OUR LADY OF SORROWS CHURCH, Tronto, Canada)
(視聴結果)
(1)低音の再現性
低音は、スピーカーユニットが発生する自然な低音である。低音楽器の定位について、綺麗に定位し、音程もしっかりしていて、ハーモニーが特に綺麗である。
(2)高音の再現性
刺激的な音は一切無く、スピーカーユニットの振動が抑えられているため、歪みのない綺麗な音を聞くことができる。バイオリンの高音は、柔らかくハーモニー豊かに響く。
(3)音場の再現性
2台のスピーカー装置で、マイクロホンで収録された低レベルの間接音を多量に含む原音を忠実に再現している。したがって、人間の2つの耳の原理から推定される2箇所の発音体によるほぼ3次元に近い原音の再現が可能となると考えられる。
(4)音の定位
音場の再現ができており、音の定位もできている。
(5)スケール感
大きなホールの中のオーケストラ、パイプオルガン、あるいは大編成の合唱など、スケールの大きな音をそのまま再現している。
(6)大編成の合唱
各パート(ソプラノ、アルト、テナー、ベース)を容易に聞き分けられる。特に、ピアニシモのハーモニーは響き豊かに、倍音までも聞き取ることが可能である。
(7)パイプオルガン
ホールの残響音や、ホールの広さをしっかり感じることができる。
以上の視聴結果から、本発明に係るスピーカー装置1〜1Kによれば、非常にシンプルな構造でありながら、既存の音楽ソースを用いて生演奏に非常に近い音を楽しめることが分かった。
本実施形態に係るスピーカー装置の斜視図である。 図1に示すスピーカー装置の平面図である。 図2に示すスピーカー装置の変形例を示す平面図である。 ネットワークの一例を示すブロック図である。 スピーカー装置の使用態様を示す斜視図である。 スピーカー装置の使用態様を示す平面図である。 スピーカー対を一対としたスピーカー装置の斜視図である。 第1変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。 第2変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。 図9に示すスピーカー装置の使用態様を示す平面図である。 第3変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。 第4変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。 第5変形例に係るスピーカー装置の平面図である。 第6変形例に係るスピーカー装置の側面図である。 図14に示すスピーカー装置の正面図である。 第7変形例に係るスピーカー装置の横断面図である。 第8変形例に係るスピーカー装置の分解斜視図である。 第9変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。 第10変形例に係るスピーカー装置の斜視図である。
符号の説明
1 スピーカー装置
3,3A バッフル板
5,6 スピーカー対
5a,5b スピーカー
5p,6p 制振材
6a,6b スピーカー
7,7A 反射板
7a 反射面
9 ネットワーク
15 ベース板
15a 底反射面
17 副反射板
17a 副反射面
17b ヒンジ
19 傾斜板
19a 傾斜反射面
21 三角支持台
27 反射板
27a 反射面
27b 支持台(支持手段)
29 支持脚
31 スピーカー装置
33 エンクロージャー
35a,35b スピーカー
41 防振用格子構造
43 天板
43a 下面
45 側板
W 壁面
G 設置面
請求項記載の発明に係るスピーカー装置では、さらに、前記反射構造が、反射面を備える反射板を含めて構成してあり、当該反射板の反射面に、前記バッフル板の側端を当接させることによって、当該反射板と当該バッフル板とが両者端面側から見て略T字を形成可能に構成してある。反射板自体は、必ずしも平板であることは必要ではなく、曲面を有する板であってもよい。
これによれば、さらに、バッフル板を挟んだ両側から再生される再生音が、略同じものとなる。つまり、略T字を形成させることによって、バッフル板から見た反射板がバッフル板両側に略等しい反射環境を形成するので、バッフル板両側から再生される再生音も略同じとなる。同じにすることによって、両側再生音間の差異がなくなり、これが、歪低減に寄与する。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項のスピーカー装置」という)では、請求項のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記反射板と前記バッフル板とが、設置面上に起立状態で自立可能に構成してある。
請求項のスピーカー装置によれば、請求項のスピーカー装置の作用効果に加え、設置面上に自立可能に構成することによって、スピーカー装置全体の構造をシンプルなものにすることができる。つまり、バッフル板を設置するに当たって、バッフル板のみでは自立させられないので何らかの自立補助構造を必要とするが、反射板との組み合わせによって自立可能なのであれば反射板以外の自立補助構造が不要となる。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項のスピーカー装置」という)では、請求項のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記反射板と前記バッフル板とが、設置面上に載置したベース板を介して設置面に対して起立させてあり、当該ベース板が、当該ベース板上面が底反射面として機能可能な形状に形成してある。
請求項のスピーカー装置によれば、請求項のスピーカー装置の作用効果に加え、反射板の反射面による反射効果に加え、底反射面による反射効果が生じる。すなわち、底反射面による反射の分だけ、再生音をより迫力あるものとすることができる。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項のスピーカー装置」という)では、請求項のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記バッフル板を挟んだ両側には、前記反射面の途中と前記底反射面の途中とを連結する傾斜反射面を備える傾斜板を設けてある。
請求項のスピーカー装置によれば、請求項のスピーカー装置の作用効果に加え、傾斜板が少なくともバッフル板とベース板との間を構造的に補強するとともに、傾斜反射面による再生音反射が、再生音の迫力向上に貢献する。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項のスピーカー装置」という)では、請求項乃至何れかのスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記反射板の幅方向一端又は両端には、連結構造を介して副反射板を連結してあり、当該副反射板には、連結時に前記反射面に対して鈍角を形成する副反射面を形成してある。副反射板は、反射板の幅方向一端のみに設けてもよいし、幅方向両端に設けてもよい。設置場所や設置環境等に合わせて適宜選択することができる。
請求項のスピーカー装置によれば、請求項乃至何れかのスピーカー装置の作用効果に加え、副反射面による再生音反射が、さらに再生音の迫力向上に貢献する。さらに、副反射面による再生音反射は、他方で再生音を反射方向以外の方向へ進行するのを抑制し、この進行抑制が、進行先にある物体が及ぼす再生音に対する悪影響を有効に防止する。つまり、進行先にある物体(たとえば、室内に置いてある家具)に衝突した再生音は、その一部又は全部が聴者の耳に届いたときに、本来の再生音に干渉して歪ませる等の悪影響を及ぼしかねないので、それをできるだけ防ぐために副反射面が有効である。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項のスピーカー装置」という)では、請求項のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記連結構造が、前記反射板と前記副反射板とを着脱可能及び/又は前記反射面と前記副反射面との間の角度を変更可能に構成してある。
請求項のスピーカー装置によれば、請求項のスピーカー装置の作用効果に加え、次の作用効果を奏することができる。すなわち、反射板と副反射板とを着脱自在に構成した場合は、副反射板を必要に応じて反射板に取り付け、また、収納するときなど不要であれば取り外しすることができる。また、角度変更を可能に構成した場合は、反射面に対する副反射面の角度を変更することにより、好みの再生音となるように反射領域の広がり等を調整することができる。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項のスピーカー装置」という)では、請求項1のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で前記反射構造が備える反射面が、建造物の壁面を流用可能(代用可能)に構成してあり、前記バッフル板が、当該建造物の床面を設置面として当該壁面に側面当接可能に構成してある。
請求項のスピーカー装置によれば、請求項1のスピーカー装置の作用効果に加え、建造物の壁面を反射構造の反射面として流用ないし代用することができる。つまり、建造物の壁面があれば、これを反射構造として使用することができる。建造物の壁面を流用ないし代用することができれば、反射構造を設ける必要がないので、その分、スピーカー装置の構造を単純化することができる。さらに、建造物の壁面から離したスピーカー装置、すなわち、反射構造を取り外したスピーカー装置は、反射構造がない分だけ小型化するので、たとえば、使用していないときの収納を限られたスペース内で行うことができるのでたいへん便利である。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項のスピーカー装置」という)には、請求項1乃至いずれかのスピーカー装置の基本構造を備えさせた上で、前記少なくとも一対のスピーカー対を構成する各スピーカーが、バッフル板に取り付ける代わりに、前記バッフル板から独立した支持構造によって支持させてある。
請求項のスピーカー装置によれば、請求項1乃至いずれかのスピーカー装置のスピーカー対をバッフル板に取り付けないで独立させてあるので、スピーカー対の振動が直接バッフル板に伝わることがない。バッフル板の振動が歪発生の一因であることはよく知られているところであり、バッフル板の振動を抑制することによって、上記歪発生を可及的に防止することができる。スピーカー対は支持構造によってバッフル板との適切な位置関係が保持される。支持構造もバッフル板から独立させてあるので、支持構造を介した振動伝達も有効抑制され、この点も歪発生の防止に貢献する。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項のスピーカー装置」という)には、請求項又はのスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記バッフル板と前記反射板とを、少なくとも部分的に外側から囲み補強する防振用格子構造を前記ベース板上に起立固定してある。バッフル板及び反射板を囲み補強して防振(制振)を図ることができる格子構造であれば、格子構造の具体的構造に何ら制限はない。格子構造は、さらなる補強を目的として、たとえば、対向する格子同士や隣接する格子同士を連結するための構造を、併せ備えているものでもよい。
請求項のスピーカー装置によれば、請求項又はのスピーカー装置の作用効果に加え、防振用格子構造によってバッフル板及び反射板の振動がより効果的に抑制されるので、抑制がなければ振動によって生じたであろう再生音の歪が軽減される。格子の構造を採用したのは、格子構造であれば壁構造に比べ遮蔽する空間が小さいので再生音のスピーカー装置外への拡散をほとんど阻害させずに防振補強を図るために適当であるからである。
(請求項10記載の発明の特徴)
請求項10記載の発明に係るスピーカー装置(以下、適宜「請求項10のスピーカー装置」という)には、請求項1のスピーカー装置の基本構成を備えさせた上で、前記反射構造が、反射面を備え、前記バッフル板上端面と同じ高さの上端面を有する反射板を含めて構成してあり、当該反射板の反射面に、前記バッフル板の一方の側端を当接させることによって、当該反射板と前記バッフル板とが両者端面側から見て略T字を形成可能に構成してある。前記反射板と前記バッフル板とは、設置面上に載置したベース板を介して設置面に対して起立させてあり、当該ベース板が、当該ベース板上面が底反射面として機能可能な形状に形成してあり、さらに、反射面をそれぞれ備える天板及び側板を含ませて構成してある。ここで、当該天板が当該ベース板と略平行に配置させ、前記バッフル板の上端面及び当該反射板の上端面に当接させ、かつ、当該側板が当該天板と当該ベース板との間に当該反射板と略平行に配置させ当該天板及び当該ベース板に当接しかつ前記バッフル板の他方の側端に当接させてある。
請求項10のスピーカー装置によれば、請求項1のスピーカー装置の作用効果に加え、バッフル板を挟んだ両側から再生される再生音が、略同じものとなる。つまり、略T字を形成させることによって、バッフル板から見た反射板がバッフル板両側に略等しい反射環境を形成するので、バッフル板両側から再生される再生音も略同じとなる。同じにすることによって、両側再生音間の差異がなくなり、これが、歪低減に寄与する。さらに、反射板の反射面による反射効果に加え、底反射面による反射効果が生じる。すなわち、底反射面による反射の分だけ、再生音をより迫力あるものとすることができる。

Claims (11)

  1. バッフル板と、
    当該バッフル板に、互いに逆方向に、かつ、当該バッフル板の板面に沿って並べて取り付けた少なくとも一対のスピーカー対と、
    当該スピーカー対が再生した再生音を所望方向に反射させるための反射構造と、を含めて構成してあり、
    当該スピーカー対を構成する一方のスピーカーと他方のスピーカーとを同種同等スピーカーによって構成してあり、
    当該一方のスピーカーと当該他方のスピーカーとを逆位相で駆動可能に構成してある
    ことを特徴とするスピーカー装置。
  2. 前記反射構造が、反射面を備える反射板を含めて構成してあり、
    当該反射板の反射面に、前記バッフル板の側端を当接又は近接させることによって、当該反射板と当該バッフル板とが両者端面側から見て略T字を形成可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項1記載のスピーカー装置。
  3. 前記反射板と前記バッフル板とが、設置面上に起立状態で自立可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項2記載のスピーカー装置。
  4. 前記反射板と前記バッフル板とが、設置面上に載置したベース板を介して設置面に対して起立させてあり、
    当該ベース板が、当該ベース板上面が底反射面として機能可能な形状に形成してある
    ことを特徴とする請求項2記載のスピーカー装置。
  5. 前記バッフル板を挟んだ両側には、前記反射面の途中と前記底反射面の途中とを連結する傾斜反射面を備える傾斜板を設けてある
    ことを特徴とする請求項4記載のスピーカー装置。
  6. 前記反射板の幅方向一端又は両端には、連結構造を介して副反射板を連結してあり、
    当該副反射板には、連結時に前記反射面に対して鈍角を形成する副反射面を形成してある
    ことを特徴とする請求項3乃至5何れか記載のスピーカー装置。
  7. 前記連結構造が、前記反射板と前記副反射板とを着脱可能及び/又は前記反射面と前記副反射面との間の角度を変更可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項6記載のスピーカー装置。
  8. 前記反射構造が備える反射面が、建造物の壁面を流用可能に構成してあり、
    前記バッフル板が、当該建造物の床面を設置面として当該壁面に側面当接可能に構成してある
    ことを特徴とする請求項1記載のスピーカー装置。
  9. 前記少なくとも一対のスピーカー対を構成する各スピーカーが、バッフル板に取り付ける代わりに、前記バッフル板から独立した支持構造によって支持させてある
    ことを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載のスピーカー装置。
  10. 前記バッフル板と前記反射板とを、少なくとも部分的に外側から囲み補強する防振用格子構造を前記ベース板上に起立固定してある
    ことを特徴とする請求項4又は5記載のスピーカー装置。
  11. 前記反射構造が、反射面を備え、前記バッフル板上端面と同じ高さの上端面を有する反射板を含めて構成してあり、
    当該反射板の反射面に、前記バッフル板の一方の側端を当接させることによって、当該反射板と前記バッフル板とが両者端面側から見て略T字を形成可能に構成してあり、
    前記反射板と前記バッフル板とが、設置面上に載置したベース板を介して設置面に対して起立させてあり、
    当該ベース板が、当該ベース板上面が底反射面として機能可能な形状に形成してあり、
    さらに、反射面をそれぞれ備える天板及び側板を含ませて構成してあり、
    当該天板が当該ベース板と略平行に配置させ、前記バッフル板の上端面及び当該反射板の上端面に当接させ、かつ、
    当該側板が当該天板と当該ベース板との間に当該反射板と略平行に配置させ当該天板及び当該ベース板に当接しかつ前記バッフル板の他方の側端に当接させてある
    ことを特徴とする請求項1記載のスピーカー装置。
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