JPWO2007069326A1 - カラー表示装置 - Google Patents
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Abstract
カラー表示装置(10)は、内部に、色に応じて異なる材料で形成された蛍光体層(4R,4G,4B)が配置されると共に放電ガスが封入され、長手方向に複数の発光点を有する複数のガス放電管が並置され、ガス放電管の表示面側に複数の表示電極が配置され、複数のガス放電管の背面側に複数の信号電極(3)が配置される。複数のガス放電管の背面の支持基板(32)は、複数のガス放電管の中の蛍光体層として特定の材料を含むガス放電管の背面と信号電極の間に所定の距離を有し、蛍光体層として異なる材料を含むガス放電管における表示電極と信号電極の間の放電開始電圧の差が小さくなるようにその所定の距離が選択される。【選択図】図3
Description
本発明は、カラー蛍光体層を有するカラー表示装置に関し、特に、異なる材料の蛍光体層を有する放電発光素子を用いたカラー表示装置に関する。
放電発光素子を用いた薄型のカラー表示装置として、プラズマ・チューブ・アレイおよびプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)が知られている(特許文献1)。
特開2004−178854号公報
特開2003−303546号公報(特許文献2)にはプラズマディスプレイパネルが記載されている。2つの基板を対向配置してその基板間に赤色、緑色および青色に発光する蛍光体層をそれぞれ有する赤色、緑色および青色の放電セルが形成され、一方の基板上に各色の放電セルに対応してアドレス電極が設けられる。赤色、緑色、青色それぞれの放電セルにおける初期化放電の特性差のより小さくするために、それぞれの放電セルに付設したアドレス電極のうち少なくとも一色の放電セルに付設したアドレス電極の形状が、別の色の放電セルに付設したアドレス電極の形状と異なる。
特開2003−303546号公報
異なる材料の蛍光体層を有する放電発光素子において、蛍光体の材料に応じて放電電圧の特性が異なり、それによって駆動マージンが小さくなるという問題がある。特に、蛍光体層を間に挟んだ放電の特性は、蛍光体の材料に応じて大きく異なり、同じ電圧を印加しても、蛍光体の材料によって放電電圧が異なり、共通駆動マージンが小さくなるという問題がある。
特に、それぞれR、G、Bの蛍光体を内部に形成した3種類のガス放電管(プラズマチューブ)を多数並設して構成したプラズマ・チューブ・アレイでは、各チューブの外壁に接して長手方向に信号電極が設けられ、該信号電極と対向する面にチューブを横断する方向の表示電極対が設けられる。従って、チューブを挟んで対向する信号電極と表示電極の間の間隔は、チューブの直径に相当したものとなり、例えば500μm程度である。この寸法は、一般の3電極面放電型PDPにおける信号電極を表示電極の間の放電ギャップよりも相当大きく、必然的にアドレス放電に要する電圧が高くなる。
特にプラズマ・チューブ・アレイ形式のカラー表示装置では、放電チューブの内部空間が1本毎に独立していて通常のPDPのような横方向の隣接セル間の結合がないので、蛍光体材料の違いによるチューブ相互間での放電電圧のばらつきが顕著に表れる傾向がある。このようにして、前述のような高いアドレス電圧の要求と蛍光体材料による放電電圧のばらつきにより、特にプラズマ・チューブ・アレイ形式のカラー表示装置では絶対値として大きな放電電圧のばらつきが生じ、それを改善することが望ましい。
本発明の目的は、複数の蛍光体層を有する放電発光素子からなる表示装置においてカラー蛍光体の材料に応じた放電電圧特性のばらつきを修正することである。
本発明の別の目的は、複数の蛍光体層を有する表示装置において駆動マージンを大きくすることである。
本発明の特徴によれば、カラー表示装置は、内部に、色に応じて異なる材料で形成された蛍光体層が配置されると共に放電ガスが封入され、長手方向に複数の発光点を有する複数のガス放電管が並置され、その複数のガス放電管の表示面側に複数の表示電極が配置され、その複数のガス放電管の背面側に複数の信号電極が配置されている。その複数のガス放電管の背面の支持基板は、その複数のガス放電管の中のその蛍光体層として特定の材料を含むガス放電管の背面と信号電極の間に所定の距離を有する。その蛍光体層として異なる材料を含むガス放電管における表示電極と信号電極の間の放電開始電圧の差が小さくなるようにその所定の距離が選択される。
本発明のさらに特徴によれば、カラー表示装置は、内部に、色に応じて異なる材料で形成された蛍光体層が配置されると共に放電ガスが封入され、長手方向に複数の発光点を有する複数のガス放電管が並置され、その複数のガス放電管の表示面側に複数の表示電極が配置され、その複数のガス放電管の背面側に複数の信号電極が配置されている。その複数のガス放電管の背面の支持基板はその複数のガス放電管の背面と信号電極の間に所定の距離を有し、その支持基板におけるそのガス放電管の背面側の面からその所定の距離の部分の材料は、その複数のガス放電管における表示電極と信号電極の間の放電開始電圧の差が小さくなるように選択される。
本発明によれば、複数の種類の蛍光体層を有する表示装置において、カラー蛍光体の材料に応じた放電電圧の特性のばらつきを修正することができ、駆動マージンを大きくすることができる。特に、色毎に放電空間が完全に独立した構成となるプラズマ・チューブ・アレイ形式のカラー表示装置に本発明を適用した場合、カラー・チューブ毎の放電電圧の差を小さくして駆動マージンを大きくすることができる。
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図1は、本発明の実施形態による、プラズマ・チューブ・アレイ形のカラー表示装置10の概略的な部分的構造を例示している。図1において、表示装置10は、互いに平行に配置された透明な細長い複数のガス放電管11R、11G、11B、12R、12Gおよび12B、透明な前面側の支持シートまたは薄い基板からなる前面側支持基板31、透明なまたは不透明な背面側の支持シートまたは薄い基板からなる背面側支持基板32、複数の表示電極対または主電極対2、および複数の信号電極またはアドレス電極3を含んでいる。図1において、Xは表示電極2のうちの維持電極またはX電極を示し、Yは表示電極2のうちの走査電極またはY電極を示している。R,GおよびBは蛍光体の発光色である赤、緑および青を示している。支持基板31および32は、例えば可撓性のPETフィルム、ガラス等で作られている。
細長いガス放電管11R、11G、11B、...は、例えばホウケイ酸ガラスのような透明な絶縁体で作製され、典型的には、管径が2mm以下であり、例えば、管の断面の幅1mmおよび高さ0.5mmであり、長さが300mm以上の寸法を有する。
ガス放電管11R、11G、11B、...の内部の放電空間には、典型的には、赤、緑、青(R、G、B)の蛍光体層4をそれぞれ形成した支持部材がそれぞれ挿入されて配置され、放電ガスが導入されて、両端が封止されている。ガス放電管11R、11G、11B、...の内面には、MgOからなる電子放出膜5が形成され、蛍光体層4が形成された支持部材が挿入されている。代替構成として、支持部材を用いずに、それぞれの蛍光体層4をガス放電管11R、11G、11B、...の背面側内面部分に形成してもよい。蛍光体層R、G、Bは、典型的には、約10μm〜約40μmの範囲の厚さを有する。
支持部材は、例えばホウケイ酸ガラスのような透明な絶縁体で作製され、この支持部材上に蛍光体層4が形成されている。支持部材は、ガラス管の外部で、支持部材上に蛍光体ペーストを塗布し、それを焼成して支持部材上に蛍光体層4を形成した後、その支持部材をガラス管内に挿入して配置することができる。蛍光体ペーストは、当該分野で公知の各種の蛍光体ペーストを利用することができる。
電子放出膜5は、放電ガスとの衝突により荷電粒子を発生する。蛍光体層4は、表示電極対2に電圧を印加すると、管内に封入された放電ガスが励起され、その励起希ガス原子の脱励起過程で発生する真空紫外光で可視光を発光する。
図2Aは、透明な複数の表示電極対2が形成された前面側支持基板31を示している。図2Bは、複数の信号電極3が形成された背面側支持基板32を示している。
信号電極3は、背面側支持基板32の前面すなわち内面上に形成され、ガス放電管11R、11G、11B、...の長手方向に沿って設けられている。隣接する信号電極3間のピッチは、ガス放電管11R、11G、11B、...の各々の幅と同じであり、例えば1mmである。複数の表示電極対2は、周知の形態で前面側支持基板31の背面すなわち内面上に形成され、信号電極3と交差する方向に配置されている。表示電極2の幅は例えば0.75mmであり、各1対の表示電極2の端縁間の距離は例えば0.4mmである。表示電極対2と隣の表示電極対2の間には、非放電領域となる距離または非放電ギャップが確保され、その距離は例えば1.1mmである。
信号電極3と表示電極対2は、表示装置10の組み立て時にガス放電管11R、11G、11B、...の下側の外周面部分と上側の外周面部分にそれぞれ密着するように接触させる。その密着性を良くするために、それぞれの電極とガス放電管面との間に接着剤を介在させて接着してもよい。
この表示装置10を正面から平面的にみた場合、信号電極3と表示電極対2との交差部が単位発光領域となる。表示は、表示電極対2のいずれか1本を走査電極として用い、その走査電極と信号電極3との交差部で選択放電を発生させて発光領域を選択し、その放電により当該領域の管内面に形成された壁電荷を利用して、表示電極対2で表示放電を発生させ、蛍光体層を発光させることで行う。選択放電は、垂直方向に対向する走査Y電極と信号電極3との間のガス放電管11R、11G、11B、...内で発生される対向放電である。表示放電は、平面上に平行に配置された1対の表示電極間のガス放電管11R、11G、11B、...内で発生される面放電である。
表示電極対2と信号電極3は、電圧を印加することによって管内部の放電ガスに放電を発生させることが可能である。図1では、ガス放電管11R、11G、11B、...の電極構造は、1つの発光部位に3つの電極が配置された構成であり、表示電極対によって表示放電が発生される構造であるが、これに限定されるものではなく、表示電極2と信号電極3の間で表示放電が発生される構造であってもよい。即ち、表示電極対2を1本とし、この表示電極2を走査電極として用いて信号電極3との間に選択放電と表示放電(対向放電)を発生させる形式の電極構造であってもよい。
図10Aは、蛍光体層4がガス放電管11R、11G、11B、...の背面側内面部分に形成されており、管壁の肉厚100μm、長手方向に垂直な断面の幅1.0mmおよび断面高さ0.5mmを有する従来技術による、ガス放電管11R、11Gおよび11Bにおける、1つの表示電極2と信号電極3の間の対向放電開始電圧を示している。
図10Aにおいて、異なる色の蛍光体材料の特性の違いに起因して、赤色発光用のガス放電管11Rの対向放電の放電開始電圧が最も低く、例えば約280Vであり、緑色発光用のガス放電管11Gの対向放電の放電開始電圧が最も高く、例えば約310Vであり、青色発光用のガス放電管11Bの対向放電の放電開始電圧は、両者の間に位置し、赤色発光用のガス放電管11Rの電圧に近く、例えば約285Vである。しかし、ガス放電管11R、11G、11Bの間の対向放電の放電開始電圧の差は、小さいことが望ましい。ガス放電管11R、11G、11Bの間の対向放電の放電開始電圧の差は、通常、無視できないほど大きく、例えば約30Vである。それによって、設定印加電圧との差が大きいと過大放電を生じやすく、従って消去放電が生じて壁電荷が少なくなり発光しないことがある。
図3は、本発明の実施形態による表示装置102の管の長手方向に垂直な断面の構造を示している。表示装置102において、ガス放電管11R、11G、11B、...の背面側内面部分に蛍光体層4R、4Gおよび4Bが形成されており、管壁の肉厚100μm、断面幅1.0mmおよび断面高さ0.5mmの細管からなる。一実施例として、赤の蛍光体4Rはイットリア系((Y.Ga)BO3:Eu)の材料を含み、緑の蛍光体4Gはジンクシリケート系(Zn2SiO4:Mn)の材料を含み、青の蛍光体4BはBAM系(BaMgAl10O17:Eu)の材料を含む。
図3において、ガス放電管11R、11G、11B、...の底面には、背面側支持基板32が接着されている。背面側支持基板32の上面におよび/または上面から所定距離だけ離れた深さに信号電極3R、3G、3B、...が配置されまたは埋め込まれている。赤色のガス放電管11Rおよび12Rの底面に接触する背面側支持基板32の表面からの所定の深さ約80〜90μmの内部に、信号電極3Rが配置されている。緑色のガス放電管11Gおよび12Gの底面に接触する背面側支持基板32の表面上にまたはその表面から0〜約5μmの所定の深さの内部に、信号電極3Gが配置されている。青色のガス放電管11Bおよび12Bの底面に接触する背面側支持基板32の表面から約53〜60μmの所定の深さの内部に、信号電極3Bが配置されている。
ガス放電管11Gおよび12Gの信号電極3Gと表示電極2の間の対向放電の放電開始電圧は、約310Vである。ガス放電管11Rおよび12Rの底面と信号電極3Rの間の支持基板32の材料の存在によって、ガス放電管11Rおよび12Rの信号電極3Rと表示電極2の間の対向放電の放電開始電圧は、約280Vから、約30Vだけ上昇して約310Vとなる。ガス放電管11Bおよび12Bの底面と信号電極3Bの間の支持基板32の材料の存在によって、ガス放電管11Bおよび12Bの信号電極3Bと表示電極2の間の対向放電の放電開始電圧は、約290Vから約20Vだけ上昇して約310Vとなる。従って、ガス放電管11R、11G、11B、...の間の対向放電の放電開始電圧の差は僅かであり、それらの放電開始電圧は概ね等しい。
図4は、図3の実施形態を変形した、本発明の別の実施形態による表示装置104の管長手方向に垂直な断面の構造を示している。
図4において、ガス放電管11R、11G、11B、...の底面には、背面側支持基板32が接着されている。背面側支持基板32の上面にまたは上面から所定距離だけ離れた深さに信号電極3R、3G、3B、...が配置されている。赤色のガス放電管11Rおよび12Rの底面に接触する背面側支持基板32の表面から約80μmの所定の深さの内部に、小さい幅、例えば0.3mmの信号電極3Rが配置されている。緑色のガス放電管11Gおよび12Gの底面に接触する背面側支持基板32の表面上にまたはその表面から0〜約3μmの所定の深さの内部に、大きい幅、例えば0.4mmの信号電極3Gが配置されている。青色のガス放電管11Bおよび12Bの底面に接触する背面側支持基板32の表面から約53μmの所定の深さの内部に、中間の幅、例えば0.35mmの信号電極3Bが配置されている。
信号電極の幅が大きくなるに従って、ガス放電管内において電界が形成される空間が広くなり、放電開始する可能性が増大し、低い電圧で放電開始するようになる。逆に、信号電極の幅が小さくなるに従って、ガス放電管内において電界が形成される空間が小さくなり、放電開始する可能性が減少し、高い電圧で放電開始するようになる。
ガス放電管11Rおよび12Rの信号電極3Rの幅ARを信号電極3Bの幅ABより小さくしたことによって、ガス放電管11Rおよび12Rの信号電極3Rと表示電極2の間の対向放電の放電開始電圧は、その小さくなった幅に応じて上昇する。ガス放電管11Gおよび12Gの信号電極3Gの幅AGを信号電極3Bの幅ABより大きくしたことによって、ガス放電管11Gおよび12Gの信号電極3と表示電極2の間の対向放電の放電開始電圧は、その大きくなった幅に応じて低下する。ガス放電管11R、11G、11B、...の対向放電の放電開始電圧は約300Vである。従って、ガス放電管11R、11G、11B、...の間の対向放電の放電開始電圧の差は、小さくなる。従って、ガス放電管11R、11G、11B、...の間の対向放電の放電開始電圧は概ね等しく、その差は小さくなる。
図5Aは、図3の実施形態を変形した、本発明のさらに別の実施形態による表示装置106の背面側支持基板32側から見た構造を示している。図5Bは、表示装置106の管長手方向に垂直な断面の構造を示している。隣接する1対の表示電極2は、維持放電用のX電極と走査用のY電極とで構成される。表示装置106のY電極2に沿った垂直断面図は図4と同様であるが、Y電極と交差する部分以外の信号電極3R、3G、3Bの幅は小さくてよい。
図5Aおよび5Bにおいて、ガス放電管11R、11G、11B、...の底面には、背面側支持基板32が接着されている。信号電極3R、3G、3Bの背面側支持基板32の上面からの深さは図4の場合と同様である。信号電極3R、3G、3Bは、Y電極と交差する位置で幅広くなっていて島状の信号電極部分33R、33G、33Bが形成されている。信号電極部分33Rの面積は信号電極部分33Bの面積より小さく、信号電極部分33Gの面積は信号電極部分33Bの面積より広い。信号電極部分33Rの面積は例えば0.3mm×0.35mmであり、信号電極部分33Gの面積は例えば0.4mm×0.5mmであり、信号電極部分33Bの面積は例えば0.35mm×0.45mmである。
信号電極部分33Rの面積を信号電極部分33Bの面積より小さくしたことによって、ガス放電管11Rおよび12Rの信号電極3Rと表示電極2の間の対向放電の放電開始電圧は、その小さくなった面積に応じて上昇する。ガス放電管11Gおよび12Gの信号電極3Gの面積を信号電極3Bの面積より大きくしたことによって、ガス放電管11Gおよび12Gの信号電極3と表示電極2の間の対向放電の放電開始電圧は、その大きくなった面積に応じて低下する。ガス放電管11R、11G、11B、...の対向放電の放電開始電圧は約300Vである。この場合、信号電極部分33R、33G、33Bの面積を調整することによって、図4の場合に比べて放電開始電圧がより調整しやすくなる。従って、ガス放電管11R、11G、11B、...の間の対向放電の放電開始電圧の差は、小さくなる。従って、ガス放電管11R、11G、11B、...の間の対向放電の放電開始電圧は概ね等しく、その差は小さくなる。
図10Bは、図4および5の表示装置104および106のガス放電管11R、11Gおよび11Bにおける1つの表示電極2と信号電極3の間の対向放電開始電圧を示している。図10Bにおいて、図4および5の表示装置104および106のガス放電管11R、11G、11B、...の対向放電の放電開始電圧は、約300Vである。
図8Aおよび8Bは、図3〜5の表示装置102、104および106における背面側支持基板32の作製の方法を示している。
図8Aに示されているように、透明なまたは不透明な樹脂製のシート325、326、327の上の所定の位置に、平行な複数の信号電極3R、3B、3Gをそれぞれ形成する。そのために、電極用の金属シートを接着剤で樹脂製シート325、326、327の上に張り合わせ、その金属シートをマスキングおよびエッチングすることにより信号電極の形のパターンを成形してもよい。次いで、これらの信号電極3R、3B、3Gが形成された支持シート325、326、327を、熱融着または接着剤により互いに張り合わせて、図8Bに示されているような多層構造の背面側支持基板32が形成される。
図6は、図3の実施形態を変形した、本発明のさらに別の実施形態による表示装置108の管長手方向に垂直な断面の構造を示している。
図6において、背面側支持基板32は、異なる厚さの粘着剤層341〜343が上に形成された細長い複数の支持部材321〜323からなる。図3の場合と同様に、背面側支持基板32の支持部材321〜323の上面におよび/または上面から所定距離だけ離れた深さに信号電極3R、3G、3B、...が配置されている。赤色のガス放電管11Rおよび12Rの底面に接触する背面側支持基板32において、支持部材321の上に信号電極3Rが形成され、その上に約80〜90μmの所定の厚さの粘着剤層341が形成されている。緑色のガス放電管11Gおよび12Gの底面に接触する背面側支持基板32において、支持部材322の上に信号電極3Gが形成され、その上に0〜約5μmの所定の厚さの粘着剤層342が形成されている。青色のガス放電管11Bおよび12Bの底面に接触する背面側支持基板32において、支持部材323の上に信号電極3Bが形成され、その上に約50〜約60μmの所定の厚さの粘着剤層343が形成されている。信号電極3R、3G、3B、...の幅は図3の表示装置102のように同じであるが、図4の表示装置104のように異なっていてもよい。
粘着剤層341〜343は、例えばポリアクリル酸エステルのようなアクリルを主成分とするもの、天然ゴムまたは合成ゴムのようなゴムを主成分とするもの、シリコーンを用いたもの、等がある。粘着剤層341〜343の誘電率は、例えば1〜4.5の範囲の所定の値のものであってもよい。
表示装置108のガス放電管11R、11G、11B、...の放電開始電圧は図3の場合と同様である。従って、ガス放電管11R、11G、11B、...の間の対向放電の放電開始電圧の差は、小さくなる。従って、ガス放電管11R、11G、11B、...の間の対向放電の放電開始電圧は概ね等しく、その差は小さくなる。
図7は、本発明のさらに別の実施形態による表示装置110の管長手方向に垂直な断面の構造を示している。
図7において、背面側支持基板32は、異なる誘電率を有する細長い複数の支持部材346〜348で構成されている。背面側支持基板32の上面から約15μm〜約100μmの所定の距離、例えば70μmだけ離れた所定の深さに信号電極3R、3G、3B、...が配置されまたは埋め込まれている。赤色のガス放電管11Rおよび12Rの底面に接触する背面側支持基板32の支持部材346の誘電率はε=2.5である。緑色のガス放電管11Gおよび12Gの底面に接触する背面側支持基板32の支持部材347の誘電率はε=6である。青色のガス放電管11Bおよび12Bの底面に接触する背面側支持基板32の支持部材348の誘電率はε=4.6である。
これによって、ガス放電管11Gおよび12Gの対向放電の放電開始電圧と、ガス放電管11Rおよび12Rおよびガス放電管11Bおよび12Bの対向放電の放電開始電圧の間の差は、小さくなる。表示装置108のガス放電管11R、11G、11B、...の対向放電の放電開始電圧は、約325Vである。
図9A〜9Cは、図6および7の表示装置108および110における背面側支持基板32の作製の方法を示している。
図9Aに示されているように、透明なまたは不透明な樹脂製のシート328の上の所定の位置に、同じ色用の平行な複数の信号電極3R、3Bまたは3Gをそれぞれ形成する。そのために、電極用の金属シートを樹脂製シート328の上に張り合わせ、マスキングおよびエッチングによりその金属のシートを信号電極の形のパターンを形成してもよい。次いで、これらの信号電極3R、3Bまたは3Gが形成された支持シート328の上に、表示装置108についてはシート328の材料と同じ材料の支持シート329を熱融着または接着剤により張り合わせ、また表示装置110については粘着剤シート329を張り合わせて、図9Bに示すような二層構造の支持基板が形成される。この支持基板を、図9Cに示されているように、信号電極の長手方向に平行に切断して複数の支持部材に分離する。これを、同じ発光色のガス放電管11Rおよび12R、11Gおよび12G、または11Bおよび12Bの底面に張り付け、それらを前面側支持基板31に順に張り合わせ、それによって図6および7に示すような一体化された背面側支持基板32が作製される。
図11は、図3〜7のガス放電管11R、11G、11B、12R、12G、12Bの背面側支持基板32の底面と信号電極3R、3G、3B、...の間の樹脂または粘着剤層である誘電体の厚さと、放電開始電圧の変化分との関係を示している。同じ厚さでも誘電体の誘電率が大きいほど放電開始電圧が低く、同じ誘電率でも誘電体の厚さが厚いほど放電開始電圧が高いことが分かる。パイレックス(登録商標)ガラスの誘電率はε=4.6、石英ガラスの誘電率はε=3.9、ゴムの誘電率はε=2〜3.5、ポリカーボネート誘電率はε=3〜4、PET誘電率はε=3〜3.5である。
以上説明した実施形態は典型例として挙げたに過ぎず、その各実施形態の構成要素を組み合わせること、その変形およびバリエーションは当業者にとって明らかであり、当業者であれば本発明の原理および請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく、一般的な3電極面放電型カラー・プラズマ・ディスプレイ・パネルへの適用を含めて実施形態の種々の変形を行えることは明らかである。
Claims (7)
- 内部に、色に応じて異なる材料で形成された蛍光体層が配置されると共に放電ガスが封入され、長手方向に複数の発光点を有する複数のガス放電管が並置され、前記複数のガス放電管の表示面側に複数の表示電極が配置され、前記複数のガス放電管の背面側に複数の信号電極が配置されたカラー表示装置であって、
前記複数のガス放電管の背面の支持基板は、前記複数のガス放電管の中の前記蛍光体層として特定の材料を含むガス放電管の背面と信号電極の間に所定の距離を有し、前記蛍光体層として異なる材料を含むガス放電管における表示電極と信号電極の間の放電開始電圧の差が小さくなるように前記所定の距離が選択されることを特徴とする、カラー表示装置。 - 前記ガス放電管の前記信号電極の幅は、前記蛍光体層の材料に応じて、前記複数のガス放電管における表示電極と信号電極の間の放電開始電圧の差が小さくなるように寸法が選択されることを特徴とする、請求項1に記載のカラー表示装置。
- 前記表示電極と交差位置において、前記ガス放電管の前記信号電極の島状部分が形成され、前記信号電極の前記島状部分は、前記蛍光体層の材料に応じて、前記複数のガス放電管における表示電極と信号電極の間の放電開始電圧の差が小さくなるように面積が選択されることを特徴とする、請求項1に記載のカラー表示装置。
- 前記支持基板は、前記蛍光体層として特定の材料を含むガス放電管の背面と前記背面に配置された信号電極の間に、粘着剤層を有することを特徴とする、請求項1に記載のカラー表示装置。
- 前記粘着剤層の材料は、前記蛍光体層の材料に応じて、前記複数のガス放電管における表示電極と信号電極の間の放電開始電圧の差が小さくなるように選択されることを特徴とする、請求項4に記載のカラー表示装置。
- 内部に、色に応じて異なる材料で形成された蛍光体層が配置されると共に放電ガスが封入され、長手方向に複数の発光点を有する複数のガス放電管が並置され、前記複数のガス放電管の表示面側に複数の表示電極が配置され、前記複数のガス放電管の背面側に複数の信号電極が配置されたカラー表示装置であって、
前記複数のガス放電管の背面の支持基板は前記複数のガス放電管の背面と信号電極の間に所定の距離を有し、前記支持基板における前記ガス放電管の背面側の面から前記所定の距離の部分の材料は、前記複数のガス放電管における表示電極と信号電極の間の放電開始電圧の差が小さくなるように選択されることを特徴とする、カラー表示装置。 - 前記複数のガス放電管の背面に位置する前記支持基板のそれぞれの細長い部分の材料は、前記複数のガス放電管の前記蛍光体層の材料に応じて、前記複数のガス放電管における表示電極と信号電極の間の放電開始電圧の差が小さくなるように選択されることを特徴とする、請求項6に記載のカラー表示装置。
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