JPWO2007063932A1 - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Abstract

第1のレンズ枠(11)の光軸方向の位置を決めるカム環(5)と、カム環(5)とは線膨張係数が異なる材料で形成され、カム環(5)の光軸方向の位置を決める第1の補正筒(1)と、移動枠(6)とは線膨張係数が異なる材料で形成され、第2のレンズ枠(21)の光軸方向の位置を決める第2の補正筒(2)とを備え、温度変化による第1の補正筒(1)の光軸方向の寸法変動と一体になって、カム環(5)が光軸方向に移動するとともに、第1及び第2のレンズ(10、20)が光軸方向に移動し、温度変化による第2の補正筒(2)の光軸方向の寸法変動と一体になって、第2のレンズ(20)が光軸方向に移動し、第1のレンズ(10)と第2のレンズ(20)との間隔が変化する。

Description

本発明は、温度補正機構を有するレンズ鏡筒に関し、例えば空間変調素子の画像情報をスクリーン上に拡大投射するプロジェクター、画像情報をフィルム、CCD等の撮像手段面上に形成するビデオカメラ、フィルムカメラ、デジタルカメラ等の光学機器に用いられるレンズ鏡筒に関する。
従来より光学機器においては、温度変化に対してフォーカス位置が変動せず、温度に対して安定したものとするために、温度依存性の少ない材料でレンズ及び鏡筒が構成されている。コストの削減及び非球面を形成するために、レンズの材料としてプラスチックを使用する場合がある。この場合は、プラスチックレンズのパワーを小さくしたり、温度変化の影響の少ない位置にプラスチックレンズを配置したり、複数のプラスチックレンズで温度変化の影響を相殺するようにする必要がある。
また、例えばプロジェクター用のレンズは、セットの電源を入れた直後にフォーカス調整され、これ以降はフォーカス調整されない。その一方で、セットの内部の照明系からの熱でレンズの温度は上昇する。このため、動作開始時にフォーカス調整し、これ以降はフォーカス調整しないような製品は、特に温度に対してフォーカスが移動しない温度特性が必要である。
特許文献1には、温度変化に対して焦点位置の変動を補正する温度補正型光学装置が提案されている。この温度補正型光学装置では、鏡筒材料の線膨張係数による長さの変化と、レンズのフォーカス位置の変化とを相殺するように光学設計で工夫している。
特許文献2には、温度補償機能を有した撮影装置が提案されている。この撮影装置は、本体鏡筒に保持された2つのレンズ保持鏡筒により、レンズ系を2分割し、かつ本体鏡筒の線膨張係数をレンズ保持鏡筒の線膨張係数より大きしている。この構成により、温度変化によるフォーカス位置の変動を、レンズ間隔を変化させて少なくしている。
特許文献3には、温度補正機構を有した投影テレビ用集成レンズが提案されている。この投影テレビ用集成レンズは、温度変化に対して補正するようにバー部材を用いて光学系の一部の間隔を温度変化に対応して変化させることにより、フォーカス位置が変動しないようにしている。
特許文献4には、温度補正機構を有したズームレンズ鏡筒が提案されている。この構成は、ズーム鏡筒を構成するカム環を線膨張係数の違う素材の補正筒で連結している。このことにより、温度変化とともにすべてのレンズエレメントが一体となって光軸上を移動し、温度補正をする。またカム環と補正筒を同時に回転させることで各レンズ群の間隔を変化させることができ、ズームとして機能することができる。
しかしながら、前記特許文献1に記載の温度補正型光学装置は、コリメータ等の簡素な光学系に有効で、長いバックフォーカスを必要とし、色収差を高いレベルで補正しようとするようなレンズに対しては、レンズ設計上の自由度が不足し、設計が困難となる。
また、前記特許文献2に記載の撮影装置は、2分割された光学系の間隔が変動するため、収差が変動しないように光学設計を実施する必要がある。このため、長いバックフォーカスを必要とし、色収差を高いレベルで補正しようとするようなレンズに対しては、レンズ設計上の自由度が不足し、設計が困難となる。
また、特許文献3に記載の投影テレビ用集成レンズは、バー部材が光学系の位置を決めるため、この光学系の傾きを許容易以下に抑えるのは困難になる。光学系の間隔が変動するため、収差が変動しないように光学設計を実施する必要があり、長いバックフォーカスを必要とし、色収差を高いレベルで補正しようとするようなレンズに対しては、レンズ設計上の自由度が不足し、設計が困難となる。
このため、前記特許文献1−3には、複数のレンズ群が光軸上を移動するようなズームレンズに対して有効な温度補正の手段は提供されていなかった。
一方、前記特許文献4の構成は、ズームレンズに対する温度補正機構である。しかしながら、特許文献4の構成は、補正量はズーム位置に関係なく一定であるので、あるズーム位置での補正量を決定すれば別のズーム位置では補正量の過不足が生じる。
より具体的には、温度変化に対するレンズの焦点位置の変動は、レンズを構成するレンズエレメントの屈折率が変化することや、レンズエレメントの形状が変化することによって起きる。しかし、レンズエレメントの光軸上の間隔を変化させることによって焦点距離を変化させるようなズームレンズにおいては、温度が1度変化したときの焦点位置の変化量はズーム位置(例えばワイドやテレ)で変化することになる。
例えば、ワイド側で補正量を決定すれば、ワイド側で使用すれば温度変化が起こっても焦点位置は変化せず、高い解像度を維持できるが、テレ側で使用するときは温度変化とともに焦点位置は変化し、解像度が低くなってしまう。
特開平6−130267号広報 特開平6−186466号公報 特表2002−544537号公報 特開2004−264577号公報
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、ズーム位置が変化しても、精度の高い温度補正作用を発揮するレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のレンズ鏡筒は、第1のレンズを保持する第1のレンズ枠と、第2のレンズを保持する第2のレンズ枠と、前記第1のレンズ枠と係合し、前記第1のレンズ枠の光軸方向の位置を決めるカム環と、セット本体に固定する固定筒と、前記カム環とは線膨張係数が異なる材料で形成され、前記固定筒と係合し、かつ前記カム環に固定され、前記カム環の光軸方向の位置を決める第1の補正筒と、前記カム環と係合した移動枠と、前記移動枠とは線膨張係数が異なる材料で形成され、前記移動枠及び前記第2レンズ枠に固定され、前記第2のレンズ枠の光軸方向の位置を決める第2の補正筒とを備え、温度変化による前記第1の補正筒の光軸方向の寸法変動と一体になって、前記カム環が光軸方向に移動するとともに、前記第1及び第2のレンズが光軸方向に移動し、前記温度変化による前記第2の補正筒の光軸方向の寸法変動と一体になって、前記第2のレンズが光軸方向に移動し、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間隔が変化し、前記温度変化の際の前記第1及び第2のレンズの移動方向は、前記温度変化によるフォーカス位置の移動を打ち消す方向であることであることを特徴とする。
本発明の一実施の形態に係るレンズ鏡筒の構成を示す断面図。 図1に示したレンズ鏡筒を光軸方向に分解したときの斜視図。
本発明のレンズ鏡筒によれば、ズーム位置によって温度変化による焦点位置の変化量が異なることに対して、温度変化の際に、各レンズ群の一体となった光軸方向の移動に加え、レンズ群同士の間隔を変化させる構成を実現している。このことにより、ズーム位置が変化しても、精度の高い温度補正作用を発揮することができる。
前記本発明のレンズ鏡筒においては、前記カム環にはカム溝が形成され、前記固定筒には直線溝が形成され、前記第1のレンズ枠及び前記移動枠に形成された突起が、前記カム溝及び前記直線溝に係合しており、前記補正筒の光軸回りの回転により、前記第1のレンズと前記第2のレンズとは、それぞれ別個に光軸方向に移動し、前記光軸回りの回転時には、前記カム環及び前記固定筒は光軸方向に固定されていることが好ましい。この構成によれば簡単な構成で、ズームレンズの温度補正機構を実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るレンズ鏡筒の構成を示す断面図である。図2は、図1に示したレンズ鏡筒を光軸方向に分解したときの斜視図を示している。
図1は、遠方の物体を撮像面に結像する結像光学系をモデルとしているが、プロジェクタの光学系においても適用できる。
レンズ群10とレンズ群20とでズームレンズを構成している。ズームレンズの結像面は、撮像面3である。固定筒4により、レンズ本体をセットに固定している。
移動枠6、レンズ枠11には、円周方向を3等分するように、3本の突起(図2の図示は2本)を設けている。固定筒4には、円周方向を3等分するように3本の直線溝(図2の図示は2本)が形成されている。固定筒4の各直線溝に、移動枠6及びレンズ枠11の各突起が係合している。このことにより、移動枠6及びレンズ枠11の各突起は、固定筒4の各直線溝内を移動できることになる。このため、移動枠6及びレンズ枠11は、固定筒4に対して光軸方向に自由に移動できるようになっている。
カム環5には、円周方向を3等分するように3組のカム溝が形成されている。2個の貫通孔で1組のカム溝を構成している。1組のカム溝のうち、一方のカム溝に移動枠6の突起が係合し、他方のカム溝にレンズ枠11の突起が係合している。したがって、カム環5のカム溝と各突起の係合により、移動枠6とレンズ枠11との光軸上の間隔が決定されることになる。
カム環5は、固定筒4の外周に係合しており、光軸方向に移動可能であり、かつ光軸周りに回転可能である。カム環5の外周には、補正筒1が係合している。補正筒1及びカム環5の一端にはねじが形成されており、ねじの螺合により、カム環5は補正筒1に固定されている。補正筒1の他端は、固定筒4の溝部に係合しており、光軸方向に固定されているが、光軸周りに回転可能である。
したがって、カム環5の光軸上の位置は、補正筒1により決定している。また、補正筒1を光軸周りに回転させると、この回転は、補正筒1に固定されたカム環5に伝えられる。このことにより、補正筒1の回転と一体になってカム環5は回転することになる。
移動枠6に、補正筒2の一端がねじの螺合により固定されている。補正筒2の他端はねじの螺合により、レンズ枠21に固定されている。すなわち、レンズ枠21は、補正筒2を介して移動枠6に固定されていることになる。このため、レンズ群20を保持したレンズ枠21は、移動枠6の光軸方向の移動と一体になって移動することになる。
次に、ズーム位置を変更する操作をするときは、補正筒1を光軸周りに回転させる。このことにより、補正筒1の回転と一体になってカム環5は回転する。カム環5の回転により、カム環5のカム溝及び固定筒4の直線溝に係合している移動枠6及びレンズ枠11の各突起は、カム溝及び直線溝に沿って移動する。このことにより、カム環5によって光軸方向の位置が決められている移動枠6とレンズ枠11は、光軸方向に移動する。
レンズ枠21は補正筒2を介して移動枠6に固定されているので、レンズ枠21は移動枠6と同じ移動量で光軸方向に移動する。一方、レンズ群20はレンズ枠21に固定され、レンズ群10はレンズ枠11に固定されている。したがって、補正筒1の回転による移動枠6とレンズ枠11の光軸方向の移動と一体になって、レンズ群10及びレンズ群20は光軸方向に移動することになる。この際、移動枠6の突起及びレンズ枠11の突起は、カム環のカム溝に沿って両者の間隔を変化させながら移動する。これに伴いレンズ群10とレンズ群20との間隔も変化するので、ズーム機能を発揮させることができる。
温度が上昇した場合、補正筒1は温度上昇とともに、光軸方向の全長が伸びることになる。補正筒1の撮像面3側の端部は、固定筒4に光軸方向に固定されている。このため、温度上昇により、補正筒1の反撮像面3側の端部は反撮像面方向に移動する。
また、補正筒1の反撮像面3側の端部はカム環5に固定されているので、カム環5は補正筒1と一体に反撮像面3方向に移動する。このカム環5の移動に伴い、カム環5に突起を介して連結された移動枠6、レンズ枠11は、両者の間隔を保持しながら反撮像面3方向に移動する。
一方、温度上昇により、補正筒2についても、光軸方向の全長が伸びる。補正筒2の反撮像面3側の端部は反撮像面3方向に移動する。補正筒2の反撮像面3側の端部はレンズ枠21に固定されているので、レンズ枠21も反撮像面3方向に移動する。
レンズ群20は、補正筒2を介してレンズ枠21に固定され、レンズ群10はレンズ枠11に固定されている。このため、補正筒1の伸びと一体になったカム環5の移動により、レンズ群10及びレンズ群20は同じ量移動する。さらに、レンズ群20については、補正筒2の伸びによる移動量が加算されることになる。
すなわち、温度上昇により、レンズ群10及びレンズ群20は、同じ方向に移動しつつ、レンズ群10とレンズ群20との間隔が変化することになる。詳細は後に説明するように、レンズ群10とレンズ群20の移動量の異なる移動により、精度の高い温度補正を実現している。
ここで、補正筒1、2の長さの変化に応じて、レンズ群10及びレンズ群20の移動量が決定されることになる。このため、温度補正作用を発揮するためには、補正筒1、2は温度上昇による所定の補正量(膨張量)が必要となる。補正量は、補正筒1、2の長さと、補正筒1、2を形成する材料の線膨張係数との積で決定される。補正筒1、2の長さを大きくすれば、補正量は確保できるが、補正筒1、2の長さは、レンズの全長及び鏡筒構成で制限されてしまう。
このため、補正量の確保には、補正筒1、2の線膨張係数を大きくし、補正筒1の線膨張係数はカム環より大きく、補正筒2の線膨張係数は、移動枠6より大きくすればよい。特に、補正筒1については、下記のように、線膨張係数の大きい樹脂材料で形成することも可能である。
レンズ枠11は、固定筒4とカム環5とで、傾き精度が決定される。このため、固定筒4及びカム環5を金属材料で形成し精度を確保しておけば、補正筒1は金属材料に比べ加工精度の劣る樹脂材料で形成することができる。すなわち、補正筒1の材料選定の自由度が高まり、補正筒1は線膨張係数の大きい樹脂材料で形成することも可能になる。
次に、温度が1度変化したときの補正筒1の全長変化をΔd1とし、温度が1度変化したときの補正筒2の全長変化をΔd2とすると、レンズ群10はΔd1だけ光軸上の位置が変化し、レンズ群20はΔd1+Δd2だけ光軸上の位置が変化する。この場合、レンズ群10とレンズ群20の間隔は、Δd2だけ変化することになる。
本実施の形態によれば、温度変化によって、レンズ群10と撮像面3との間隔が変化するだけでなく、レンズ群10とレンズ群20の間隔も変化することになる。この構成によれば、温度変化による焦点位置の補正を、レンズ群同士の間隔を保持したまま行うのではなく、レンズ群10と撮像面3との間隔の変化と、レンズ群10とレンズ群20の間隔の変化とで分担して行うことになる。
すなわち、レンズの温度変化によるフォーカス位置の変化を、補正筒1、2の温度変化による全長変化により、レンズ群10、20が、レンズ群同士の間隔を変化させて移動することで打ち消すことにより、フォーカス位置は撮像面3に固定されることになる。
ここで、ワイドとテレとでは、温度変化に対するバックフォーカスの変動量が異なっている。この場合、単にレンズ群10とレンズ群20とを一体に移動させるだけでは、仮にワイドでは補正量が適切であっても、テレでは補正量に過不足が生じ解像像が低下してしまうことになる。
この点に関し、検討したところ、温度変化によってレンズ群の間隔をさせることで、ズーム位置が異なる場合(例えばワイドとテレ)において、温度変化に対するバックフォーカスの変動量を小さくできることを見出した。このことにより、前記のような、温度変化の際に、単にレンズ群同士を一体に移動させるのではなく、レンズ群同士の間隔も変化させる構成を導き出すに至った。
ここで、ワイドで温度T0のとき、レンズ群10とレンズ群20との間隔をdW2とし、レンズ群10と撮像面3(焦点位置)との間隔をdW1とする。さらに、テレで温度T0のとき、レンズ群10とレンズ群20との間隔をdT2とし、レンズ群20と撮像面3の間隔をdT1とする。
この場合、ワイド及びテレにおいて、レンズ群10とレンズ群20との間隔は以下のようになる。
温度T0(ワイド) dW2
温度T0+1度(ワイド) dW2+Δd2
温度T0(テレ) dT2
温度T0+1度(テレ) dT2+Δd2
また、レンズ群10と撮像面3との間隔は以下のようになる。
温度T0(ワイド) dW1
温度T0+1度(ワイド) dW1+Δd1
温度T0(テレ) dT1
温度T0+1度(テレ) dT1+Δd1
以上より、温度が1度変化すると、ワイド、テレのいずれのときにおいても、レンズ群20と撮像面3との間隔がΔd1変化しつつ、レンズ群10とレンズ群20との間隔はΔd2変化することになる。このことにより、ズーム位置が変化しても、精度の高い温度補正作用を発揮するようにしている。
なお、Δd1やΔd2は、補正筒1、2の線膨張係数と全長によって決定されるので、レンズの設計に合わせて、Δd1やΔd2を調整すればよい。
本実施の形態は、温度変化により焦点の変動が自動的に補正されることになる。このため、設置時にフォーカス調整し、使用時はフォーカスの再調整をしないプロジェクターに特に適している。プロジェクターに用いた場合は、プロジェクターのランプ等の温度上昇によってセット内部の温度が上昇しても、フォーカス位置変化を抑えることができ、高精細な映像を投影することができる。
また、本実施の形態は、長いバックフォーカスを必要とする反射型空間変調素子を用いたプロジェクターにも適している。
なお、前記実施の形態では、レンズ群10、レンズ群20、レンズが1枚の例で説明したが、各レンズ群のレンズは複数枚としてもよい.
また、レンズ群が2群であるズーム光学系で説明しているが、3群、4群等の3群以上のズーム光学系であってもよい。例えば、レンズ群10のように、レンズ枠が直接カム環5に係合したレンズ群を追加した構成が考えられる。また、レンズ群20のように、補正筒2を介してカム環5に係合したレンズ群を追加した構成も考えられる。
以上のように、本発明によれば、ズーム位置が変化しても、精度の高い温度補正作用を発揮するので、例えば、プロジェクタ、ビデオカメラ、フィルムカメラ、デジタルカメラ等の光学機器のズームレンズ鏡筒に適している。
本発明は、温度補正機構を有するレンズ鏡筒に関し、例えば空間変調素子の画像情報をスクリーン上に拡大投射するプロジェクター、画像情報をフィルム、CCD等の撮像手段面上に形成するビデオカメラ、フィルムカメラ、デジタルカメラ等の光学機器に用いられるレンズ鏡筒に関する。
従来より光学機器においては、温度変化に対してフォーカス位置が変動せず、温度に対して安定したものとするために、温度依存性の少ない材料でレンズ及び鏡筒が構成されている。コストの削減及び非球面を形成するために、レンズの材料としてプラスチックを使用する場合がある。この場合は、プラスチックレンズのパワーを小さくしたり、温度変化の影響の少ない位置にプラスチックレンズを配置したり、複数のプラスチックレンズで温度変化の影響を相殺するようにする必要がある。
また、例えばプロジェクター用のレンズは、セットの電源を入れた直後にフォーカス調整され、これ以降はフォーカス調整されない。その一方で、セットの内部の照明系からの熱でレンズの温度は上昇する。このため、動作開始時にフォーカス調整し、これ以降はフォーカス調整しないような製品は、特に温度に対してフォーカスが移動しない温度特性が必要である。
特許文献1には、温度変化に対して焦点位置の変動を補正する温度補正型光学装置が提案されている。この温度補正型光学装置では、鏡筒材料の線膨張係数による長さの変化と、レンズのフォーカス位置の変化とを相殺するように光学設計で工夫している。
特許文献2には、温度補償機能を有した撮影装置が提案されている。この撮影装置は、本体鏡筒に保持された2つのレンズ保持鏡筒により、レンズ系を2分割し、かつ本体鏡筒の線膨張係数をレンズ保持鏡筒の線膨張係数より大きしている。この構成により、温度変化によるフォーカス位置の変動を、レンズ間隔を変化させて少なくしている。
特許文献3には、温度補正機構を有した投影テレビ用集成レンズが提案されている。この投影テレビ用集成レンズは、温度変化に対して補正するようにバー部材を用いて光学系の一部の間隔を温度変化に対応して変化させることにより、フォーカス位置が変動しないようにしている。
特許文献4には、温度補正機構を有したズームレンズ鏡筒が提案されている。この構成は、ズーム鏡筒を構成するカム環を線膨張係数の違う素材の補正筒で連結している。このことにより、温度変化とともにすべてのレンズエレメントが一体となって光軸上を移動し、温度補正をする。またカム環と補正筒を同時に回転させることで各レンズ群の間隔を変化させることができ、ズームとして機能することができる。
特開平6−130267号広報 特開平6−186466号公報 特表2002−544537号公報 特開2004−264577号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の温度補正型光学装置は、コリメータ等の簡素な光学系に有効で、長いバックフォーカスを必要とし、色収差を高いレベルで補正しようとするようなレンズに対しては、レンズ設計上の自由度が不足し、設計が困難となる。
また、前記特許文献2に記載の撮影装置は、2分割された光学系の間隔が変動するため、収差が変動しないように光学設計を実施する必要がある。このため、長いバックフォーカスを必要とし、色収差を高いレベルで補正しようとするようなレンズに対しては、レンズ設計上の自由度が不足し、設計が困難となる。
また、特許文献3に記載の投影テレビ用集成レンズは、バー部材が光学系の位置を決めるため、この光学系の傾きを許容易以下に抑えるのは困難になる。光学系の間隔が変動するため、収差が変動しないように光学設計を実施する必要があり、長いバックフォーカスを必要とし、色収差を高いレベルで補正しようとするようなレンズに対しては、レンズ設計上の自由度が不足し、設計が困難となる。
このため、前記特許文献1−3には、複数のレンズ群が光軸上を移動するようなズームレンズに対して有効な温度補正の手段は提供されていなかった。
一方、前記特許文献4の構成は、ズームレンズに対する温度補正機構である。しかしながら、特許文献4の構成は、補正量はズーム位置に関係なく一定であるので、あるズーム位置での補正量を決定すれば別のズーム位置では補正量の過不足が生じる。
より具体的には、温度変化に対するレンズの焦点位置の変動は、レンズを構成するレンズエレメントの屈折率が変化することや、レンズエレメントの形状が変化することによって起きる。しかし、レンズエレメントの光軸上の間隔を変化させることによって焦点距離を変化させるようなズームレンズにおいては、温度が1度変化したときの焦点位置の変化量はズーム位置(例えばワイドやテレ)で変化することになる。
例えば、ワイド側で補正量を決定すれば、ワイド側で使用すれば温度変化が起こっても焦点位置は変化せず、高い解像度を維持できるが、テレ側で使用するときは温度変化とともに焦点位置は変化し、解像度が低くなってしまう。
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、ズーム位置が変化しても、精度の高い温度補正作用を発揮するレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のレンズ鏡筒は、第1のレンズを保持する第1のレンズ枠と、第2のレンズを保持する第2のレンズ枠と、前記第1のレンズ枠と係合し、前記第1のレンズ枠の光軸方向の位置を決めるカム環と、セット本体に固定する固定筒と、前記カム環とは線膨張係数が異なる材料で形成され、前記固定筒と係合し、かつ前記カム環に固定され、前記カム環の光軸方向の位置を決める第1の補正筒と、前記カム環と係合した移動枠と、前記移動枠とは線膨張係数が異なる材料で形成され、前記移動枠及び前記第2レンズ枠に固定され、前記第2のレンズ枠の光軸方向の位置を決める第2の補正筒とを備え、温度変化による前記第1の補正筒の光軸方向の寸法変動と一体になって、前記カム環が光軸方向に移動するとともに、前記第1及び第2のレンズが光軸方向に移動し、前記温度変化による前記第2の補正筒の光軸方向の寸法変動と一体になって、前記第2のレンズが光軸方向に移動し、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間隔が変化し、前記温度変化の際の前記第1及び第2のレンズの移動方向は、前記温度変化によるフォーカス位置の移動を打ち消す方向であることであることを特徴とする。
本発明のレンズ鏡筒によれば、ズーム位置によって温度変化による焦点位置の変化量が異なることに対して、温度変化の際に、各レンズ群の一体となった光軸方向の移動に加え、レンズ群同士の間隔を変化させる構成を実現している。このことにより、ズーム位置が変化しても、精度の高い温度補正作用を発揮することができる。
前記本発明のレンズ鏡筒においては、前記カム環にはカム溝が形成され、前記固定筒には直線溝が形成され、前記第1のレンズ枠及び前記移動枠に形成された突起が、前記カム溝及び前記直線溝に係合しており、前記補正筒の光軸回りの回転により、前記第1のレンズと前記第2のレンズとは、それぞれ別個に光軸方向に移動し、前記光軸回りの回転時には、前記カム環及び前記固定筒は光軸方向に固定されていることが好ましい。この構成によれば簡単な構成で、ズームレンズの温度補正機構を実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るレンズ鏡筒の構成を示す断面図である。図2は、図1に示したレンズ鏡筒を光軸方向に分解したときの斜視図を示している。
図1は、遠方の物体を撮像面に結像する結像光学系をモデルとしているが、プロジェクタの光学系においても適用できる。
レンズ群10とレンズ群20とでズームレンズを構成している。ズームレンズの結像面は、撮像面3である。固定筒4により、レンズ本体をセットに固定している。
移動枠6、レンズ枠11には、円周方向を3等分するように、3本の突起(図2の図示は2本)を設けている。固定筒4には、円周方向を3等分するように3本の直線溝(図2の図示は2本)が形成されている。固定筒4の各直線溝に、移動枠6及びレンズ枠11の各突起が係合している。このことにより、移動枠6及びレンズ枠11の各突起は、固定筒4の各直線溝内を移動できることになる。このため、移動枠6及びレンズ枠11は、固定筒4に対して光軸方向に自由に移動できるようになっている。
カム環5には、円周方向を3等分するように3組のカム溝が形成されている。2個の貫通孔で1組のカム溝を構成している。1組のカム溝のうち、一方のカム溝に移動枠6の突起が係合し、他方のカム溝にレンズ枠11の突起が係合している。したがって、カム環5のカム溝と各突起の係合により、移動枠6とレンズ枠11との光軸上の間隔が決定されることになる。
カム環5は、固定筒4の外周に係合しており、光軸方向に移動可能であり、かつ光軸周りに回転可能である。カム環5の外周には、補正筒1が係合している。補正筒1及びカム環5の一端にはねじが形成されており、ねじの螺合により、カム環5は補正筒1に固定されている。補正筒1の他端は、固定筒4の溝部に係合しており、光軸方向に固定されているが、光軸周りに回転可能である。
したがって、カム環5の光軸上の位置は、補正筒1により決定している。また、補正筒1を光軸周りに回転させると、この回転は、補正筒1に固定されたカム環5に伝えられる。このことにより、補正筒1の回転と一体になってカム環5は回転することになる。
移動枠6に、補正筒2の一端がねじの螺合により固定されている。補正筒2の他端はねじの螺合により、レンズ枠21に固定されている。すなわち、レンズ枠21は、補正筒2を介して移動枠6に固定されていることになる。このため、レンズ群20を保持したレンズ枠21は、移動枠6の光軸方向の移動と一体になって移動することになる。
次に、ズーム位置を変更する操作をするときは、補正筒1を光軸周りに回転させる。このことにより、補正筒1の回転と一体になってカム環5は回転する。カム環5の回転により、カム環5のカム溝及び固定筒4の直線溝に係合している移動枠6及びレンズ枠11の各突起は、カム溝及び直線溝に沿って移動する。このことにより、カム環5によって光軸方向の位置が決められている移動枠6とレンズ枠11は、光軸方向に移動する。
レンズ枠21は補正筒2を介して移動枠6に固定されているので、レンズ枠21は移動枠6と同じ移動量で光軸方向に移動する。一方、レンズ群20はレンズ枠21に固定され、レンズ群10はレンズ枠11に固定されている。したがって、補正筒1の回転による移動枠6とレンズ枠11の光軸方向の移動と一体になって、レンズ群10及びレンズ群20は光軸方向に移動することになる。この際、移動枠6の突起及びレンズ枠11の突起は、カム環のカム溝に沿って両者の間隔を変化させながら移動する。これに伴いレンズ群10とレンズ群20との間隔も変化するので、ズーム機能を発揮させることができる。
温度が上昇した場合、補正筒1は温度上昇とともに、光軸方向の全長が伸びることになる。補正筒1の撮像面3側の端部は、固定筒4に光軸方向に固定されている。このため、温度上昇により、補正筒1の反撮像面3側の端部は反撮像面方向に移動する。
また、補正筒1の反撮像面3側の端部はカム環5に固定されているので、カム環5は補正筒1と一体に反撮像面3方向に移動する。このカム環5の移動に伴い、カム環5に突起を介して連結された移動枠6、レンズ枠11は、両者の間隔を保持しながら反撮像面3方向に移動する。
一方、温度上昇により、補正筒2についても、光軸方向の全長が伸びる。補正筒2の反撮像面3側の端部は反撮像面3方向に移動する。補正筒2の反撮像面3側の端部はレンズ枠21に固定されているので、レンズ枠21も反撮像面3方向に移動する。
レンズ群20は、補正筒2を介してレンズ枠21に固定され、レンズ群10はレンズ枠11に固定されている。このため、補正筒1の伸びと一体になったカム環5の移動により、レンズ群10及びレンズ群20は同じ量移動する。さらに、レンズ群20については、補正筒2の伸びによる移動量が加算されることになる。
すなわち、温度上昇により、レンズ群10及びレンズ群20は、同じ方向に移動しつつ、レンズ群10とレンズ群20との間隔が変化することになる。詳細は後に説明するように、レンズ群10とレンズ群20の移動量の異なる移動により、精度の高い温度補正を実現している。
ここで、補正筒1、2の長さの変化に応じて、レンズ群10及びレンズ群20の移動量が決定されることになる。このため、温度補正作用を発揮するためには、補正筒1、2は温度上昇による所定の補正量(膨張量)が必要となる。補正量は、補正筒1、2の長さと、補正筒1、2を形成する材料の線膨張係数との積で決定される。補正筒1、2の長さを大きくすれば、補正量は確保できるが、補正筒1、2の長さは、レンズの全長及び鏡筒構成で制限されてしまう。
このため、補正量の確保には、補正筒1、2の線膨張係数を大きくし、補正筒1の線膨張係数はカム環より大きく、補正筒2の線膨張係数は、移動枠6より大きくすればよい。特に、補正筒1については、下記のように、線膨張係数の大きい樹脂材料で形成することも可能である。
レンズ枠11は、固定筒4とカム環5とで、傾き精度が決定される。このため、固定筒4及びカム環5を金属材料で形成し精度を確保しておけば、補正筒1は金属材料に比べ加工精度の劣る樹脂材料で形成することができる。すなわち、補正筒1の材料選定の自由度が高まり、補正筒1は線膨張係数の大きい樹脂材料で形成することも可能になる。
次に、温度が1度変化したときの補正筒1の全長変化をΔd1とし、温度が1度変化したときの補正筒2の全長変化をΔd2とすると、レンズ群10はΔd1だけ光軸上の位置が変化し、レンズ群20はΔd1+Δd2だけ光軸上の位置が変化する。この場合、レンズ群10とレンズ群20の間隔は、Δd2だけ変化することになる。
本実施の形態によれば、温度変化によって、レンズ群10と撮像面3との間隔が変化するだけでなく、レンズ群10とレンズ群20の間隔も変化することになる。この構成によれば、温度変化による焦点位置の補正を、レンズ群同士の間隔を保持したまま行うのではなく、レンズ群10と撮像面3との間隔の変化と、レンズ群10とレンズ群20の間隔の変化とで分担して行うことになる。
すなわち、レンズの温度変化によるフォーカス位置の変化を、補正筒1、2の温度変化による全長変化により、レンズ群10、20が、レンズ群同士の間隔を変化させて移動することで打ち消すことにより、フォーカス位置は撮像面3に固定されることになる。
ここで、ワイドとテレとでは、温度変化に対するバックフォーカスの変動量が異なっている。この場合、単にレンズ群10とレンズ群20とを一体に移動させるだけでは、仮にワイドでは補正量が適切であっても、テレでは補正量に過不足が生じ解像像が低下してしまうことになる。
この点に関し、検討したところ、温度変化によってレンズ群の間隔をさせることで、ズーム位置が異なる場合(例えばワイドとテレ)において、温度変化に対するバックフォーカスの変動量を小さくできることを見出した。このことにより、前記のような、温度変化の際に、単にレンズ群同士を一体に移動させるのではなく、レンズ群同士の間隔も変化させる構成を導き出すに至った。
ここで、ワイドで温度T0のとき、レンズ群10とレンズ群20との間隔をdW2とし、レンズ群10と撮像面3(焦点位置)との間隔をdW1とする。さらに、テレで温度T0のとき、レンズ群10とレンズ群20との間隔をdT2とし、レンズ群20と撮像面3の間隔をdT1とする。
この場合、ワイド及びテレにおいて、レンズ群10とレンズ群20との間隔は以下のようになる。
温度T0(ワイド) dW2
温度T0+1度(ワイド) dW2+Δd2
温度T0(テレ) dT2
温度T0+1度(テレ) dT2+Δd2
また、レンズ群10と撮像面3との間隔は以下のようになる。
温度T0(ワイド) dW1
温度T0+1度(ワイド) dW1+Δd1
温度T0(テレ) dT1
温度T0+1度(テレ) dT1+Δd1
以上より、温度が1度変化すると、ワイド、テレのいずれのときにおいても、レンズ群20と撮像面3との間隔がΔd1変化しつつ、レンズ群10とレンズ群20との間隔はΔd2変化することになる。このことにより、ズーム位置が変化しても、精度の高い温度補正作用を発揮するようにしている。
なお、Δd1やΔd2は、補正筒1、2の線膨張係数と全長によって決定されるので、レンズの設計に合わせて、Δd1やΔd2を調整すればよい。
本実施の形態は、温度変化により焦点の変動が自動的に補正されることになる。このため、設置時にフォーカス調整し、使用時はフォーカスの再調整をしないプロジェクターに特に適している。プロジェクターに用いた場合は、プロジェクターのランプ等の温度上昇によってセット内部の温度が上昇しても、フォーカス位置変化を抑えることができ、高精細な映像を投影することができる。
また、本実施の形態は、長いバックフォーカスを必要とする反射型空間変調素子を用いたプロジェクターにも適している。
なお、前記実施の形態では、レンズ群10、レンズ群20、レンズが1枚の例で説明したが、各レンズ群のレンズは複数枚としてもよい.
また、レンズ群が2群であるズーム光学系で説明しているが、3群、4群等の3群以上のズーム光学系であってもよい。例えば、レンズ群10のように、レンズ枠が直接カム環5に係合したレンズ群を追加した構成が考えられる。また、レンズ群20のように、補正筒2を介してカム環5に係合したレンズ群を追加した構成も考えられる。
以上のように、本発明によれば、ズーム位置が変化しても、精度の高い温度補正作用を発揮するので、例えば、プロジェクタ、ビデオカメラ、フィルムカメラ、デジタルカメラ等の光学機器のズームレンズ鏡筒に適している。
本発明の一実施の形態に係るレンズ鏡筒の構成を示す断面図。 図1に示したレンズ鏡筒を光軸方向に分解したときの斜視図。

Claims (2)

  1. 第1のレンズを保持する第1のレンズ枠と、
    第2のレンズを保持する第2のレンズ枠と、
    前記第1のレンズ枠と係合し、前記第1のレンズ枠の光軸方向の位置を決めるカム環と、
    セット本体に固定する固定筒と、
    前記カム環とは線膨張係数が異なる材料で形成され、前記固定筒と係合し、かつ前記カム環に固定され、前記カム環の光軸方向の位置を決める第1の補正筒と、
    前記カム環と係合した移動枠と、
    前記移動枠とは線膨張係数が異なる材料で形成され、前記移動枠及び前記第2レンズ枠に固定され、前記第2のレンズ枠の光軸方向の位置を決める第2の補正筒とを備え、
    温度変化による前記第1の補正筒の光軸方向の寸法変動と一体になって、前記カム環が光軸方向に移動するとともに、前記第1及び第2のレンズが光軸方向に移動し、
    前記温度変化による前記第2の補正筒の光軸方向の寸法変動と一体になって、前記第2のレンズが光軸方向に移動し、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間隔が変化し、
    前記温度変化の際の前記第1及び第2のレンズの移動方向は、前記温度変化によるフォーカス位置の移動を打ち消す方向であることであることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記カム環にはカム溝が形成され、前記固定筒には直線溝が形成され、前記第1のレンズ枠及び前記移動枠に形成された突起が、前記カム溝及び前記直線溝に係合しており、
    前記補正筒の光軸回りの回転により、前記第1のレンズと前記第2のレンズとは、それぞれ別個に光軸方向に移動し、
    前記光軸回りの回転時には、前記カム環及び前記固定筒は光軸方向に固定されている請求項1に記載のレンズ鏡筒。
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