JPWO2007037481A1 - 無線通信システム - Google Patents

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JPWO2007037481A1
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良謙 西川
俊夫 崎村
俊夫 崎村
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誠 船引
竜田 明浩
明浩 竜田
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    • H04B7/15Active relay systems
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Abstract

無線通信装置(301,303,309)と通信する無線中継装置(302)において、スイッチング回路(406)は、アンテナ(305,307,310)のいずれか1つで受信されたデータパケットをアンテナ(306,308,311)のいずれか1つに転送して送信する。対応表メモリ(304)は、各アンテナの識別子と無線通信装置の識別子との関係を含む対応表を格納する。無線中継装置制御回路(404)は、対応表に基づいてスイッチング回路(406)によるデータパケットの転送を制御する。

Description

本発明は、例えばデータパケットなどの通信信号を送受信する無線通信装置、上記通信信号を中継する無線中継装置、ならびに上記無線通信装置及び上記無線中継装置を含む無線通信システムに関する。
従来の、通信方向設定を必要とする無線通信システムには、光通信技術を利用したものがある(例えば、特許文献1を参照)。
図1に、上記特許文献1に記載された従来技術に係る光無線通信システムの外観を示す。この光通信システムは、親機装置(以下、「親機」という。)101と、子機装置(以下、「子機」という。)104とを備え、親機101は、通常の光通信を行うための通信用発光部102と、光軸調整用に広指向角の光を出力するサーチ用発光部103と、受光部105とを備えて構成される一方、子機104は受光部105を備えて構成される。子機104の光軸合わせを開始するため、親機101のサーチ用発光部103を点灯し、広指向角の光を用いて子機104の受光部105で受光光量が最大になるように、光軸合わせを行う。以後は、親機101及び子機104の通信用発光部102が送出するアイドル光を用いて光軸を調整する。
図2は、上記特許文献1に記載された従来技術に係る光無線通信システムの動作例を示すブロック図である。図2において、親機101が子機104と通信している中で、親機101が子機104と通信を中断し、子機104と同様の構成である別の子機201と通信を開始したい場合、親機101は子機201と図1の説明で示した同様の光軸調整を行うことで通信が可能となる。
特開平9−107330号公報。
しかしながら、上記従来技術の構成では、親機101が、その通信相手を子機104から子機201に切り換える際に、親機101は子機201とあらためて光軸合わせを行う必要が生じる、という課題を有していた。
本発明の目的は上記従来の課題を解決し、通信方向設定を必要とする無線通信システムにおいて、1つの無線通信装置が通信相手を切り換える際に、新たに通信方向設定を必要としない無線通信システムを提供し、ならびにそのような無線通信システムを構成する無線通信装置及び無線中継装置を提供することにある。
従来技術の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る無線中継装置は、少なくとも2つの無線通信装置と通信する無線中継装置において、
複数のアンテナと、
上記複数のアンテナのいずれか1つで受信された通信信号を上記複数のアンテナのいずれか1つに転送して送信するスイッチング手段と、
上記各アンテナの識別子に対して、当該アンテナの識別子によって特定されるアンテナを用いて通信可能な1つの無線通信装置の識別子を対応させる関係を含む対応表を格納した対応表格納手段と、
上記対応表に基づいて上記スイッチング手段による上記通信信号の転送を制御する無線中継装置制御手段とを備え、
上記無線中継装置制御手段は、上記複数のアンテナのうちのいずれか1つで通信信号を受信したとき、上記対応表において上記受信された通信信号の宛先の無線通信装置の識別子に対応するアンテナの識別子を取得し、上記取得されたアンテナの識別子によって特定されるアンテナに上記受信された通信信号を転送して送信するように上記スイッチング手段を制御することを特徴とする。
上記無線中継装置は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の通信を中継する場合において、
上記第1の無線通信装置から送信された上記第2の無線通信装置への通信信号を受信したとき、上記第2の無線通信装置に代わって上記第1の無線通信装置に通信応答信号を送信し、
上記第2の無線通信装置から送信された上記第1の無線通信装置への通信信号を受信したとき、上記第1の無線通信装置に代わって上記第2の無線通信装置に通信応答信号を送信することを特徴とする。
上記無線中継装置において、上記無線中継装置制御手段はさらに、
上記複数のアンテナのうちのいずれか1つによりある無線通信装置からの通信信号を受信したとき、当該通信信号を受信したアンテナの識別子に対して、当該通信信号の発信元の無線通信装置の識別子を対応させる関係を追加するように上記対応表を更新し、
上記複数のアンテナのうちのいずれか1つによりある無線通信装置を宛先とする通信信号を受信し、上記対応表において上記受信された通信信号の宛先の無線通信装置の識別子に対応するアンテナの識別子によって特定されるアンテナに上記受信された通信信号を転送して送信し、所定時間期間内に、上記送信した通信信号に対する通信応答信号を上記宛先の無線通信装置から受信しなかったとき、上記通信信号を送信したアンテナの識別子に対応する上記無線通信装置の識別子を上記対応表から削除することを特徴とする。
また、上記無線中継装置において、上記無線中継装置制御手段はさらに、上記対応表においてある無線通信装置の識別子を選択し、上記対応表において上記選択された無線通信装置の識別子に対応するアンテナの識別子を取得し、モニタリング信号を生成し、上記取得されたアンテナの識別子によって特定されるアンテナから上記生成されたモニタリング信号を送信し、所定時間期間内に、上記送信したモニタリング信号に対するモニタリング応答信号を上記選択された無線通信装置の識別子によって特定される無線通信装置から受信しなかったとき、上記選択された無線通信装置の識別子を上記対応表から削除することを特徴とする。
さらに、上記無線中継装置はさらに、受信した通信信号を格納する通信信号格納手段を備え、
上記無線中継装置制御手段はさらに、所定時間期間内に、上記送信した通信信号に対する通信応答信号を上記宛先の無線通信装置から受信しなかったとき、上記対応表において対応する無線通信装置の識別子を持たないアンテナの識別子によって特定されるアンテナに、上記受信されて上記通信信号格納手段に格納された通信信号を転送して再送信するように上記スイッチング手段を制御することを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る無線通信システムは、本発明の第1の態様に係る無線中継装置と、少なくとも1つの無線通信装置とを備えた無線通信システムであって、
上記無線中継装置は、
上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第1のアンテナセットと、
上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第1のアンテナ選択手段と、
上記第1のアンテナ選択手段が上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記無線通信装置から送信される通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記通信信号の発信元の無線通信装置に送信するフィードバック送信手段とをさらに備え、
上記無線中継装置制御回路はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記通信信号の発信元の無線通信装置から送信される通信信号を受信するように上記第1のアンテナ選択手段を制御し、
上記少なくとも1つの無線通信装置は、
複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第2のアンテナセットと、
上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第2のアンテナ選択手段と、
上記無線中継装置から送信されたフィードバック信号を受信するフィードバック受信手段と、
上記第2のアンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
上記無線通信装置制御手段はさらに、上記第2のアンテナ選択手段により上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線中継装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されるように上記第2のアンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線通信システムにおいて、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記第1のアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線中継装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線通信システムにおいて、上記無線中継装置は、上記無線通信装置から上記通信信号を受信したときに上記第1のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第1のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線中継装置制御手段は、上記無線通信装置から新たに通信信号を受信するとき、上記第1のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第1のアンテナ選択手段により上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換え、
上記無線通信装置は、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されたときに上記第2のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第2のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線通信装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線中継装置に送信するとき、上記第2のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第2のアンテナ選択手段により上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線通信システムにおいて、
上記各第1のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第1のアンテナ対を含み、
上記第1のアンテナ選択手段は、上記各第1のアンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択し、
上記各第2のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第2のアンテナ対を含み、
上記第2のアンテナ選択手段は、上記各第1のアンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信システムにおいて、
上記各第1のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複せず、
上記各第2のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る無線通信システムは、本発明の第1の態様に係る無線中継装置と、少なくとも1つの無線通信装置とを備えた無線通信システムであって、
上記無線中継装置は、
上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第1のアンテナセットと、
上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第1のアンテナ選択手段と、
上記第1のアンテナ選択手段が上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択したアンテナにより送信した通信信号に関する上記無線通信装置における受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線通信装置から受信するフィードバック受信手段とをさらに備え、
上記無線中継装置制御回路はさらに、上記第1のアンテナ選択手段により上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線通信装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されるように上記第1のアンテナ選択手段を制御し、
上記少なくとも1つの無線通信装置は、
複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第2のアンテナセットと、
上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第2のアンテナ選択手段と、
上記第2のアンテナ選択手段が上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記無線中継装置から送信された通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線中継装置に送信するフィードバック送信手段と、
上記第2のアンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
上記無線通信装置制御手段はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記無線中継装置から送信される通信信号を受信するように上記第2のアンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線通信システムにおいて、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記第2のアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線通信装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線通信システムにおいて、
上記無線中継装置は、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されたときに上記第1のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第1のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線中継装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線通信装置に送信するとき、上記第1のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第1のアンテナ選択手段により上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換え、
上記無線通信装置は、上記無線中継装置から上記通信信号を受信したときに上記第2のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第2のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線通信装置制御手段は、上記無線中継装置から新たに通信信号を受信するとき、上記第2のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第2のアンテナ選択手段により上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線通信システムにおいて、
上記各第1のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第1のアンテナ対を含み、
上記第1のアンテナ選択手段は、上記各第1のアンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択し、
上記各第2のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第2のアンテナ対を含み、
上記第2のアンテナ選択手段は、上記各第2のアンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信システムにおいて、
上記各第1のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複せず、
上記各第2のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る無線中継装置は、本発明の第1の態様に係る無線中継装置において、
上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、ある無線通信装置から送信される通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記通信信号の発信元の無線通信装置に送信するフィードバック送信手段とをさらに備え、
上記無線中継装置制御回路はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記通信信号の発信元の無線通信装置から送信される通信信号を受信するように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線中継装置において、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記アンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線中継装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線中継装置は、上記無線通信装置から上記通信信号を受信したときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線中継装置制御手段は、上記無線通信装置から新たに通信信号を受信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線中継装置において、上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線中継装置の上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第5の態様に係る無線中継装置は、本発明の第1の態様に係る無線中継装置において、
上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択したアンテナにより送信した通信信号に関するある無線通信装置における受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線通信装置から受信するフィードバック受信手段とをさらに備え、
上記無線中継装置制御回路はさらに、上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線通信装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されるように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線中継装置において、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記無線通信装置が備えたアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線通信装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線中継装置は、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されたときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線中継装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線通信装置に送信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線中継装置において、
上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線中継装置の上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第6の態様に係る無線通信装置は、本発明の第1の態様に係る無線中継装置と通信する無線通信装置であって、
複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択したアンテナにより送信した通信信号に関する上記無線中継装置における受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線中継装置から受信するフィードバック受信手段と、
上記アンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
上記無線通信装置制御手段はさらに、上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線中継装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されるように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線通信装置において、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記無線中継装置が備えたアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線中継装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線通信装置は、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されたときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線通信装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線中継装置に送信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線通信装置において、
上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信装置においては、上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第7の態様に係る無線通信装置は、本発明の第1の態様に係る無線中継装置と通信する無線通信装置であって、
複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記無線中継装置から送信された通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線中継装置に送信するフィードバック送信手段と、
上記アンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
上記無線通信装置制御手段はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記無線中継装置から送信される通信信号を受信するように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線通信装置において、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記アンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線通信装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線通信装置は、上記無線中継装置から上記通信信号を受信したときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線通信装置制御手段は、上記無線中継装置から新たに通信信号を受信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線通信装置において、
上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信装置においては、上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の無線通信システムによれば、無線通信装置と無線中継装置は自動的に通信方向設定が可能となり、また、無線通信装置は無線中継装置を介して通信することで、異なる通信相手と通信する場合においても直接の通信相手は無線中継装置と変わりないので、無線通信装置が通信相手を切り換えても、新たに通信方向設定を必要とせず、ユ−ザの利便性が高まる。
従来技術に係る無線通信システムを示す外観図である。 従来技術に係る無線通信システムの動作例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムのブロック図である。 図3の無線中継装置302の詳細構成を示すブロック図である。 図3の無線通信システムにおいて実行されるパケット中継動作の第1の実施例を示すシーケンス図である。 図3の無線通信システムにおいて実行されるパケット中継動作の第2の実施例を示すシーケンス図である。 図3の無線通信システムにおいて実行される対応表メモリ管理動作の実施例を示すシーケンス図である。 図4の無線中継装置制御回路404によって実行されるパケット中継処理の第1の部分を示すフローチャートである。 図4の無線中継装置制御回路404によって実行されるパケット中継処理の第2の部分を示すフローチャートである。 図7のサブルーチンである発信元アドレス抽出処理(ステップS3)を示すフローチャートである。 図4の無線中継装置制御回路404によって実行される対応表メモリ管理処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムのブロック図である。 図11の無線通信システムにおけるカバレッジエリアを詳細に示す平面図である。 図11の無線通信システムにおけるアンテナの指向性を説明するためのパターン図である。 図11の無線通信装置301a及び無線中継装置302aの詳細構成を示すブロック図である。 図14の無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行されるアンテナ制御処理を示すフローチャートである。 図14の無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行されるアンテナ制御処理を示すフローチャートである。 図14の無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行されるアンテナ管理処理を示すフローチャートである。 図14の無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行されるアンテナ管理処理を示すフローチャートである。 図14の無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行される変形例のアンテナ管理処理を示すフローチャートである。 図14の無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行される変形例のアンテナ管理処理を示すフローチャートである。 図11の無線通信システムにおいて実行されるモニタリング動作を示すシーケンス図である。
符号の説明
301,301a,303,309…無線通信装置、
302,302a…無線中継装置、
304…対応表メモリ、
305,307,310,501,504,507,512,515,518…受信アンテナ、
306,308,311,502,505,508,513,516,519…送信アンテナ、
312,313,314,510,521…アンテナ、
401,409,414,713,715,716,720,721,722…受信回路、
402,410,415,702,710…メモリ、
403,411,416…メモリ制御回路、
404…無線中継装置制御回路、
405…スイッチング制御回路、
406…スイッチング回路、
408,413,418,705,706,707,723,724,725…送信回路、
420,708,712…タイマ回路、
503,506,509,511,514,517,520,522,523,602,604,605…カバレッジエリア、
510a,521a…サーキュレータ、
601,603…設置位置、
701,709…アンテナ制御回路、
703,711,718,719,SW1−SW9…スイッチ、
704…無線通信装置制御回路、
714a,717a…フィードバック送信回路、
717b,717b…フィードバック受信回路。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態.
図3は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムのブロック図である。この無線通信システムは、無線通信装置301,303,309と、これらの無線通信装置301,303,309間の通信を中継する無線中継装置302とを備えて構成される。無線通信装置301,303,309及び無線中継装置302は、例えばミリ波などの直進性の高い電磁波を無線媒体として使用するものとする。ここで、無線通信装置301はアンテナ312を備えるとともに、固有の識別子M−Aを有し、無線通信装置303はアンテナ313を備えるとともに、固有の識別子M−Bを有し、無線通信装置309はアンテナ314を備えるとともに、固有の識別子M−Cを有するものとする。無線通信装置301,303,309の識別子は、例えばMACアドレスなどを使用することができる。無線中継装置302は、複数の送信アンテナ306,308及び311と、複数の受信アンテナ305,307及び310とを備えて構成される。送信アンテナ306と受信アンテナ305とは、所定の方位角を向くように互いに近接して設けられ、ある無線通信装置と通信するためのアンテナポートとして使用され、同様に、送信アンテナ308と受信アンテナ307とは、所定の方位角を向くように互いに近接して設けられ、ある無線通信装置と通信するためのアンテナポートとして使用され、また、送信アンテナ311と受信アンテナ310とは、所定の方位角を向くように互いに近接して設けられ、ある無線通信装置と通信するためのアンテナポートとして使用される。また、アンテナ305,306にはアンテナポートの識別子ANT−Aが割り当てられ、アンテナ307,308にはアンテナポートの識別子ANT−Bが割り当てられ、アンテナ310,311にはアンテナポートの識別子ANT−Cが割り当てられる。無線中継装置302はさらに、各アンテナポートの識別子と、これらの各アンテナポートを用いて通信可能な1つの無線通信装置の識別子とを1対1に対応させた関係を含む対応表(テーブル)を格納した対応表メモリ304を備えている。
無線中継装置302は、詳細後述するように、無線通信装置301,303及び309間の通信を中継する。ここで、例えば、識別子M−Aを持つ無線通信装置301が無線中継装置302を介して識別子M−Bを持つ無線通信装置303と通信を行う場合、無線中継装置302は対応表メモリ304を参照して中継のための処理を実行し、例えば、無線通信装置303に代わって無線通信装置301に通信応答信号(例えば、確認応答(ACK)信号又は否定応答(NACK)信号)を送信したり、無線通信装置301に代わって無線通信装置303に通信応答信号を送信したりする。
対応表メモリ304は、詳しくは、無線中継装置302が無線通信装置301と通信するときに使用されるアンテナポートを特定するために、無線通信装置301の識別子M−Aを、アンテナ305,306に係るアンテナポートの識別子ANT−Aに対応づける関係を格納している。同様に、対応表メモリ304は、無線中継装置302が無線通信装置303と通信するときに使用されるアンテナポートを特定するために、無線通信装置303の識別子M−Bを、アンテナ307,308に係るアンテナポートの識別子ANT−Bに対応づける関係を格納し、また、無線中継装置302が無線通信装置309と通信するときに使用されるアンテナポートを特定するために、無線通信装置309の識別子M−Cを、アンテナ310,311に係るアンテナポートの識別子ANT−Cに対応づける関係を格納している。
無線通信装置301が無線通信装置309と通信する場合、あるいは、無線通信装置303が無線通信装置309と通信する場合も同様に、通信は無線中継装置302を介して実行され、無線中継装置302は対応表メモリ304を参照して中継のための処理を実行する。
例えば、無線通信装置301から無線通信装置303へデータを伝送する場合、無線中継装置302は、無線通信装置301からのデータパケットをアンテナ305で受信すると、受信したデータパケットの宛先である無線通信装置303の識別子M−Bを対応表メモリ304で参照し、識別子M−Bに対応するアンテナポートの識別子ANT−Bに関連付けられた送信アンテナ308へ受信したデータパケットを送り、送信アンテナ308を介してデータパケットを無線通信装置303に送信する。無線中継装置302は、同様の処理を行うことにより、無線通信装置301から伝送されたデータパケットを無線通信装置309に中継することができ、無線通信装置303から伝送されたデータパケットを無線通信装置301あるいは無線通信装置309のいずれにも中継することができ、無線通信装置309から伝送されたデータパケットを無線通信装置301あるいは無線通信装置303のいずれにも中継することができる。
図4は、図3の無線中継装置302の詳細構成を示すブロック図である。図4において、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図4を参照すると、無線中継装置302において、各受信アンテナ305,307,310は、無線受信回路(以下、「受信回路」という。)401,409,414を介してメモリ402,410,415の入力側端子にそれぞれ接続され、メモリ402,410,415の出力側端子は、スイッチング回路406及び無線送信回路(以下、「送信回路」という。)418,408,413を介して送信アンテナ306,308,311に接続されている。無線中継装置302はさらに、対応表メモリ304と、メモリ402,410,415をそれぞれ制御するメモリ制御回路403,411,416と、スイッチング回路406の切り換えを制御するスイッチング制御回路405と、タイマ回路420と、これらの構成要素を制御する無線中継装置制御回路404とを備えて構成される。
図4において、データパケットが受信アンテナ305により受信されたとき、受信されたデータパケットは受信回路401に入力され、受信回路401はデータパケットに対して増幅処理や検波処理などを実行し、処理後のデータパケットをメモリ402に一時保存する。次いでメモリ制御回路403は、メモリ402に保存されたデータパケットから、当該データパケットの宛先となる無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送る。同様に、データパケットが受信アンテナ307により受信されたとき、受信されたデータパケットは受信回路409に入力され、受信回路409はデータパケットに対して増幅処理や検波処理などを実行し、処理後のデータパケットをメモリ410に一時保存する。次いでメモリ制御回路411は、メモリ410に保存されたデータパケットから、当該データパケットの宛先となる無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送る。データパケットが受信アンテナ310により受信されたとき、受信されたデータパケットは受信回路414に入力され、受信回路414はデータパケットに対して増幅処理や検波処理などを実行し、処理後のデータパケットをメモリ415に一時保存する。次いでメモリ制御回路416は、メモリ415に保存されたデータパケットから、当該データパケットの宛先となる無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送る。
無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路403,411,416から送られた宛先の無線通信装置の識別子に基づいて対応表メモリ304を参照し、対応するアンテナポートの識別子を取得する。無線中継装置制御回路404は、取得したアンテナポートの識別子をスイッチング制御回路405へ送り、スイッチング制御回路405は、無線中継装置制御回路404から送られたアンテナポートの識別子に基づいて、スイッチング回路406の対応するスイッチのみをオンにするようにスイッチング回路406を制御する。
スイッチング回路406は図4に示したようにスイッチSW1−SW9を備えて構成される。データパケットを中継するときには、スイッチング制御回路405は、スイッチSW2又はSW3をオンにすることにより、メモリ402に一時格納されたデータパケットを送信回路408又は413に転送するように接続し、スイッチSW4又はSW6をオンにすることにより、メモリ410に一時格納されたデータパケットを送信回路418又は413に転送するように接続し、スイッチSW7又はSW8をオンにすることにより、メモリ415に一時格納されたデータパケットを送信回路418又は408に転送するように接続する。また、中継されるデータパケットではなく、無線中継装置302を発信元とするパケットを無線通信装置301,303,309へ送信する必要があるときには、スイッチング制御回路405は、スイッチSW1,SW5,SW9のいずれかをオンにすることにより、無線中継装置制御回路404によって生成されたパケットを送信回路418,408,413のいずれかに転送するように接続する。ここで、無線中継装置302を発信元とするパケットを無線通信装置301,303,309へ送信する必要がある場合は、例えば、詳細後述するように、中継すべきデータパケットを宛先の無線通信装置に送信してもACKパケットが返信されないとき(すなわちデータパケットの中継に失敗したとき)、ならびに、対応表メモリ304の保守及び更新のために無線中継装置302の周囲の無線通信装置をモニタリングするときなどを含む。
無線中継装置制御回路404は、スイッチング制御回路405にスイッチング回路406の接続を切り換えさせるとともに、メモリ402に一時保存されたデータパケットをスイッチング回路406を介して送信回路408又は413へ転送するように、メモリ制御回路403にメモリ402を制御させ、同様に、メモリ410に一時保存されたデータパケットをスイッチング回路406を介して送信回路418又は413へ転送するように、メモリ制御回路411にメモリ410を制御させ、メモリ415に一時保存されたデータパケットをスイッチング回路406を介して送信回路418又は408へ転送するように、メモリ制御回路416にメモリ415を制御させる。
送信回路418は、スイッチング回路406から転送されたデータパケットに対して増幅処理などを実行し、処理後のデータパケットを送信アンテナ306を介して送信する。同様に、送信回路408は、スイッチング回路406から転送されたデータパケットに対して増幅処理などを実行し、処理後のデータパケットを送信アンテナ308を介して送信する。また、送信回路413は、スイッチング回路406から転送されたデータパケットに対して増幅処理などを実行し、処理後のデータパケットを送信アンテナ311を介して送信する。
本実施形態において、対応表メモリ304には、無線中継装置302と通信可能な無線通信装置の識別子が登録されているが、無線中継装置302は、この登録情報を以下のように更新する。
対応表メモリ304は、その初期状態では、各アンテナポートの識別子ANT−A,ANT−B,ANT−Cに対応する無線通信装置の識別子の情報を持たない空き状態にある。対応表メモリ304が空き状態にあるとき、無線中継装置302のユーザによって適当な無線通信装置の識別子が入力されてもよく、それに代わって、後述するように、無線中継装置302においてパケットを受信したときに、そのパケットの発信元の無線通信装置の識別子に基づいて無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304を更新してもよく、あるいは、無線中継装置302の周囲の無線通信装置をモニタリングすることによって無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304を更新してもよい。一方、対応表メモリ304にいくつかの無線通信装置の識別子が格納されているとき、無線中継装置制御回路404は、パケットを受信したときに、そのパケットの発信元の無線通信装置の識別子に基づいて対応表メモリ304を更新してもよく、あるいは、無線中継装置302の周囲の無線通信装置をモニタリングすることによって対応表メモリ304を更新してもよい。
無線中継装置302の無線中継装置制御回路404は、無線通信装置301,303,309からパケットを受信したときに、このパケットに基づいて対応表メモリ304を更新する。無線中継装置302の無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において所定のアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子が登録されていない状況において、無線通信装置301,303,309のいずれかから受信したデータパケットに基づいて、対応表メモリ304の登録情報を以下のように更新する。例えば、受信アンテナ305を介してデータパケットが受信されたとき、メモリ制御回路403は、受信されてメモリ402に格納されたデータパケットからその発信元の無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送り、無線中継装置制御回路404は、この抽出された識別子を、アンテナ305に関するアンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に登録する。同様に、受信アンテナ307を介してデータパケットが受信されたとき、メモリ制御回路411は、受信されてメモリ410に格納されたデータパケットからその発信元の無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送り、無線中継装置制御回路404は、この抽出された識別子を、アンテナ307に関するアンテナポートの識別子ANT−Bに対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に登録する。また、受信アンテナ310を介してデータパケットが受信されたとき、メモリ制御回路416は、受信されてメモリ410に格納されたデータパケットからその発信元の無線通信装置の識別子を抽出し、無線中継装置制御回路404は、この抽出された識別子を、アンテナ310に関するアンテナポートの識別子ANT−Cに対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に登録する。
本実施形態の無線中継装置302の構成によれば、前述のように、受信アンテナ305及び送信アンテナ306と、受信アンテナ307及び送信アンテナ308と、受信アンテナ310及び送信アンテナ311とは、それぞれ1対のものである。
無線中継装置302は、無線通信装置301から送信された信号を例えば受信アンテナ305で受信した場合、無線通信装置301に信号を送信する際には送信アンテナ306を使用する。そのため、対応表メモリ304において、無線通信装置301の識別子M−Aは、受信アンテナ305及び送信アンテナ306に関するアンテナポートの識別子ANT−Aに対応づけられるように登録される。同様に、図3に示す無線通信システムの構成の場合、対応表メモリ304において、無線通信装置303の識別子M−Bはアンテナポートの識別子ANT−Bに対応づけられるように登録され、また、無線通信装置309の識別子M−Cはアンテナポートの識別子ANT−Cに対応づけられるように登録されている。
無線中継装置302の無線中継装置制御回路404は、無線通信装置301,303,309からパケットを受信したときではなく、逆に無線通信装置301,303,309へパケットを送信したときに、当該無線通信装置が通信可能状態にあるのか、それとも通信不可状態にあるのかを検出し、この検出結果に基づいて対応表メモリ304を更新してもよい。詳しくは、無線中継装置制御回路404は、送信アンテナ306,308,311のうちのいずれかからデータパケットを送信するとともに、タイマ回路420でのカウントを開始させ、受信アンテナ305,307,310のうちで、データパケットを送信した送信アンテナと対になる受信アンテナにより、送信したデータパケットに対するACKパケットが受信されることを待機する。所定のタイムアウト時間内にACKパケットが受信されたときは、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において、そのACKパケットの発信元の無線通信装置の識別子を、使用した送信アンテナ及び受信アンテナに関するアンテナポートの識別子に対応づけるように格納する。一方、タイムアウト時間内にACKパケットが受信されないとき、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において、使用した送信アンテナ及び受信アンテナに関するアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子が空白となるように、対応表メモリ304を更新する。
従って、例えばアンテナ305,306に関するアンテナポートの識別子ANT−Aについて対応表メモリ304を更新する場合には、無線中継装置制御回路404は、送信アンテナ306からデータパケットを送信するとともに、タイマ回路420でのカウントを開始させ、送信アンテナ306と対になる受信アンテナ305により、送信したデータパケットに対するACKパケットが受信されることを待機する。所定のタイムアウト時間内に受信アンテナ305によりACKパケットが受信されたときは、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において、そのACKパケットの発信元の無線通信装置の識別子を、アンテナ305,306に関するアンテナポートの識別子ANT−Aに対応づけるように格納する。一方、タイムアウト時間内に受信アンテナ305によりACKパケットが受信されないとき、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304においてアンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子が空白となるように、対応表メモリ304を更新する。アンテナ307,308に関するアンテナポートの識別子ANT−Bと、アンテナ310,311に関するアンテナポートの識別子ANT−Cとについて対応表メモリ304を更新する場合においても、同様に処理される。
また、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304の内容を保守するために、例えば、選択された所定のアンテナポートの受信アンテナに接続された受信回路が受信処理を行っていない期間、あるいは選択されたアンテナポートの送信アンテナに接続された送信回路が送信処理を行っていない期間、あるいは無線中継装置制御回路404からスイッチング制御回路405に選択されたアンテナポートの識別子が送られていない期間において、スイッチング回路406のスイッチSW1,SW5,SW9のうちで上記選択されたアンテナポートの送信アンテナに接続するためのスイッチをオンにするようにスイッチング制御回路405により制御し、無線中継装置302のアドレスを発信元アドレスとして有し、かつ所定の無線通信装置の識別子を宛先アドレスとして有するデータパケットを送信する。ここで、送信されるデータパケットの宛先アドレスとしては、対応表メモリ304において選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子を用いることができる。データパケットを送信すると同時に、無線中継装置制御回路404はタイマ回路420のカウントをスタートさせる。無線中継装置制御回路404は、タイマ回路420においてタイムアウト時間が経過する前に、無線中継装置302のアドレスを宛先アドレスとして有する通信応答信号が無線通信装置301から受信されたとき、対応表メモリ304における、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子によって特定される無線通信装置が通信可であると判断する。一方、タイマ回路420においてタイムアウト時間が経過する前に無線通信装置からの通信応答信号を受信しない場合、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304における、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子によって特定される無線通信装置が通信不可であると判断し、対応表メモリ304において、アンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子を削除する。
従って、例えばアンテナポートの識別子ANT−Aについて対応表メモリ304の内容を保守する場合には、受信アンテナ305に接続された受信回路401が受信処理を行っていない期間、あるいは送信アンテナ306に接続された送信回路418が送信処理を行っていない期間、あるいは無線中継装置制御回路404からスイッチング制御回路405にアンテナポートの識別子ANT−Aが送られていない期間において、スイッチング回路406のスイッチSW1をオンにするようにスイッチング制御回路405により制御し、無線中継装置302のアドレスを発信元アドレスとして有し、かつ所定の無線通信装置の識別子を宛先アドレスとして有するデータパケットを、送信回路418及び送信アンテナ306を介して送信する。ここで、送信されるデータパケットの宛先アドレスとしては、対応表メモリ304において、アンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置301の識別子M−Aを用いることができる。データパケットを送信すると同時に、無線中継装置制御回路404はタイマ回路420のカウントをスタートさせる。無線中継装置制御回路404は、タイマ回路420においてタイムアウト時間が経過する前に、無線中継装置302のアドレスを宛先アドレスとして有する通信応答信号が無線通信装置301から受信されたとき、対応表メモリ304における、アンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子M−Aによって特定される無線通信装置301が通信可であると判断する。一方、タイマ回路420においてタイムアウト時間が経過する前に無線通信装置301からの通信応答信号を受信しない場合、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304における、アンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子M−Aによって特定される無線通信装置301が通信不可であると判断し、対応表メモリ304において、アンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子M−Aを削除する。
アンテナポートの識別子ANT−Bと、アンテナポートの識別子ANT−Cとについて対応表メモリ304の内容を保守する場合においても、同様に処理される。
以上説明した対応表メモリ304の更新の実施例について、図5A及び図5Bを参照して説明する。図5Aは、図3の無線通信システムにおいて実行されるパケット中継動作の第1の実施例を示し、図5Bは、図3の無線通信システムにおいて実行されるパケット中継動作の第2の実施例を示すシーケンス図である。これらの実施例の動作は、中継すべきパケットを無線通信装置301,303,309のいずれかから受信したときに、対応表メモリ304を更新するものである。図5Aを参照すると、無線中継装置302が無線通信装置301によって送信された無線通信装置303宛てのパケットP1をいずれかの受信アンテナを介して受信したとき、無線中継装置302は、受信したパケットP1からその発信元の無線通信装置301の識別子M−Aを抽出し、この抽出された識別子M−Aを、受信アンテナに関するアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として格納するように対応表メモリ304を更新する。無線中継装置302は、その後、宛先の無線通信装置303に代わってACKパケットP2を無線通信装置301に返信し、次いで中継すべきパケットP3を宛先の無線通信装置303に送信する。
無線中継装置302から無線通信装置301へACKパケットを送信するのは、宛先の無線通信装置303からのACKパケットを受信した後であってもよい。図5Bを参照すると、無線中継装置302が無線通信装置301によって送信された無線通信装置303宛てのパケットP11をいずれかの受信アンテナを介して受信したとき、無線中継装置302は、受信したパケットP1からその発信元の無線通信装置301の識別子M−Aを抽出し、この抽出された識別子M−Aを、受信アンテナに関するアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として格納するように対応表メモリ304を更新する。無線中継装置302は、次いで、中継すべきパケットP12を宛先の無線通信装置303に送信し、無線通信装置303からACKパケットP13を受信した後、宛先の無線通信装置303に代わってACKパケットP14を無線通信装置301に返信することにより、宛先の無線通信装置303からのACKパケットを中継する。
以下、データパケットを中継する際に実行される対応表メモリ304の更新について、図7乃至図9を参照して詳細に説明する。図7及び図8は、無線中継装置制御回路404によって実行されるパケット中継処理を示すフローチャートである。図7のステップS1において、無線中継装置302が受信アンテナ305,307,310のいずれかによりパケットを受信した場合には、ステップS2において対応するメモリ402,410,416にパケットを格納し、そうでない場合にはステップS1を繰り返して待機する。無線中継装置制御回路404は、メモリ402,410,416のいずれかにパケットが格納されたことをメモリ制御回路403,411,416により検出すると、ステップS3の発信元アドレス抽出処理を実行する。
図9は、図7のサブルーチンである発信元アドレス抽出処理(ステップS3)を示すフローチャートである。ステップS3は、対応表メモリ304の内容を更新するための処理である。図9のステップS21において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において、パケットを受信したアンテナ(すなわちパケットを格納したメモリに対応する受信アンテナ)に関するアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子が格納されているか否かを判断し、YESのときは、対応表メモリ304の内容を上書き更新すべきか否かを決定するためにステップS23に進み、NOのときはステップS22に進む。ステップS22では、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路によりメモリ内のパケットから発信元MACアドレス(すなわち発信元の無線通信装置の識別子)を抽出し、抽出された識別子を対応表メモリ304に格納して、図7のステップS4に進む。ステップS23では、無線中継装置制御回路404は、ステップS21において対応表メモリ304内に発見された無線通信装置の識別子によって特定される無線通信装置と現在通信可能であるか否かを判断する。ここで、現在通信可能であるか否かについては、各無線通信装置との通信の終了時刻を所定のメモリ(図示せず。)に保存し、該当する無線通信装置との以前の通信が終了してから所定時間が経過したか否かに基づいて判断することが可能である。又は、それに代わって、該当する無線通信装置との間で、現在通信可能であるか否かを確認するための通信を新たに実行してもよい。ステップS23がYESのときは、対応表メモリ304を更新することなくステップS4に進み、NOのときはステップS24に進む。ステップS24では、無線中継装置制御回路404は、通信不可であると判断された無線通信装置の識別子を対応表メモリ304から削除し、次いで、メモリ内のパケットから発信元の無線通信装置の識別子を抽出し、抽出された識別子を対応表メモリ304内の削除された部分に格納することによって対応表メモリ304を上書き更新して、図7のステップS4に進む。変形例として、ステップS21がNOのときは、ステップS23及びS24を実行することに代えて、対応表メモリ304を更新することなくそのままステップS4に進んでもよい。
図7のステップS4において、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路によりメモリ内のパケットから宛先MACアドレス(すなわち宛先の無線通信装置の識別子)を抽出し、ステップS5に進む。ステップS5において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304に宛先の無線通信装置の識別子が格納されているか否かを判断し、YESのときはステップS6に進み、NOのときは図8のステップS11に進む。ステップS6では、無線中継装置制御回路404は、宛先の無線通信装置に対応するアンテナを選択し、選択結果に基づいてスイッチング制御回路405にスイッチング回路406を切り換えさせる。次いでステップS7において、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路によりメモリからパケットを読み出して送信させ、それと同時にタイマ回路420のカウントをスタートさせ、ステップS8に進む。ステップS8において、無線中継装置制御回路404は、タイムアウト時間内に宛先の無線通信装置からACKパケットを受信したか否かを判断し、YESのときはステップS9に進み、NOのときはステップS10に進む。ステップS9では、無線中継装置制御回路404は、発信元の無線通信装置にACKパケットを中継し、ステップS1に戻る。ステップS10では、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304からパケットの宛先の無線通信装置の識別子を削除することにより、当該無線通信装置が通信不可状態にあることを反映させるように対応表メモリ304を更新し、図8のステップS11に進む。
図7のステップS5又はS8がNOのとき、対応表メモリ304において対応した無線通信装置の識別子を持たないアンテナポートの識別子が存在するならば、図8のステップS11乃至S18を実行することにより、宛先の無線通信装置と通信可能なアンテナポートの探索を試みる。ステップS11において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において対応する無線通信装置の識別子が格納されていないアンテナポートの識別子が存在するか否かを判断し、YESのときはステップS12に進み、NOのときはステップS18に進む。ステップS12において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304に基づいて、対応する無線通信装置が未知である送信アンテナ(すなわち、対応表メモリ304において対応した無線通信装置の識別子を持たないアンテナポートの識別子に関連付けられた送信アンテナ)を選択し、選択結果に基づいてスイッチング制御回路405にスイッチング回路406を切り換えさせ、次いでステップS13において、メモリ制御回路によりメモリからパケットを読み出して再送信させ、それと同時にタイマ回路420のカウントをスタートさせ、ステップS14に進む。ステップS14において、無線中継装置制御回路404は、タイムアウト時間内に宛先の無線通信装置からACKパケットを受信したか否かを判断し、YESのときはステップS15に進み、NOのときはステップS17に進む。ステップS15では、無線中継装置制御回路404は、発信元の無線通信装置にACKパケットを中継し、次いでステップS16において、ステップS13でパケットを送信したアンテナに関するアンテナポートの識別子にパケットの宛先の無線通信装置の識別子を対応づけるように対応表メモリ304を更新し、図7のステップS1に戻る。ステップS17において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において対応する無線通信装置の識別子が格納されていないアンテナポートの識別子に関連付けられた送信アンテナであって、他に選択可能な送信アンテナが存在するか否かを判断し、YESのときはステップS12に戻り、NOのときはステップS18に進む。ステップS18では、無線中継装置制御回路404は、発信元の無線通信装置にNACKパケットを送信し、図7のステップS1に戻る。
次に、対応表メモリ304の更新のもう1つの実施例について、図6を参照して説明する。図6は、図3の無線通信システムにおいて実行される対応表メモリ管理動作の実施例を示すシーケンス図である。この実施例の動作は、無線中継装置302から無線通信装置301,303,309にモニタリングのためのパケットを送信し、それに対して受信されたACKパケットに基づいて対応表メモリ304を更新するものである。無線中継装置302は、無線通信装置301宛てのパケットP21を、選択されたいずれかのアンテナポートの送信アンテナにより送信し、無線通信装置301は、それに応答してACKパケットP22を無線中継装置302に返信する。無線中継装置302は、送信アンテナと対になる受信アンテナによりACKパケットP22を受信し、受信したACKパケットP22からその発信元の無線通信装置301の識別子M−Aを抽出し、この抽出された識別子M−Aを、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に格納する。同様に、無線中継装置302は、無線通信装置303宛てのパケットP23を、選択されたいずれかのアンテナポートの送信アンテナにより送信し、無線通信装置303は、それに応答してACKパケットP24を無線中継装置302に返信する。無線中継装置302は、送信アンテナと対になる受信アンテナによりACKパケットP24を受信し、受信したACKパケットP24からその発信元の無線通信装置303の識別子M−Bを抽出し、この抽出された識別子M−Bを、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に格納する。同様に、無線中継装置302は、無線通信装置309宛てのパケットP25を、選択されたいずれかのアンテナポートの送信アンテナにより送信し、無線通信装置309は、それに応答してACKパケットP26を無線中継装置302に返信する。無線中継装置302は、送信アンテナと対になる受信アンテナによりACKパケットP26を受信し、受信したACKパケットP26からその発信元の無線通信装置309の識別子M−Cを抽出し、この抽出された識別子M−Cを、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に格納する。ACKパケットP22,P24,P26が受信されなかったならば、無線中継装置302は、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子が空白となるように、対応表メモリ304を更新する。
図10は、無線中継装置制御回路404によって実行される対応表メモリ管理処理を示すフローチャートである。図10のステップS31において、無線中継装置制御回路404は、通信中ではないアンテナポートを選択し、スイッチング制御回路405にスイッチング回路406を切り換えさせる。次いでステップS32において、無線中継装置制御回路404は、選択されたアンテナポートの識別子を有するモニタリング信号を送信し、それと同時にタイマ回路420のカウントをスタートさせ、ステップS33に進む。ステップS33において、無線中継装置制御回路404は、送信したモニタリング信号に対するモニタリング応答信号をタイムアウト時間内に受信したか否かを判断し、YESのときはステップS34に進み、NOのときはステップS36に進む。ステップS34において、無線中継装置制御回路404は、受信したモニタリング応答信号の発信元の無線通信装置の識別子が、対応表メモリ304における、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子の情報と一致するか否かを判断し、YESのときは、そのままステップS38に進み、NOのとき(異なる情報が格納されているとき、又は情報が格納されていないとき)は、ステップS35において対応表メモリ304を更新して、ステップS38に進む。ステップS36において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304には、選択されたアンテナポートに対応する無線通信装置の識別子が格納されているか否かを判断し、YESのときは、ステップS37に進んで、その無線通信装置の識別子を対応表メモリ304から削除して、ステップS38に進み、NOのときは、そのままステップS38に進む。ステップS38において、無線中継装置制御回路404は、通信中ではない他のアンテナポートを選択し、スイッチング制御回路405にスイッチング回路406を切り換えさせ、ステップS32に戻る。
図10の対応表メモリ管理処理は、例えば、対応表メモリ304に登録されたアンテナポートの識別子と無線通信装置の識別子との対応が正しいか否かを確認するために、もしくは、対応表メモリ304に、対応する無線通信装置の識別子を持たないアンテナポートの識別子が存在するために実行されることが可能である。この処理は、データパケットの通信が実行されていないとき、データパケットの通信が開始されるとき、データパケットの通信が終了したとき、所定の時間周期が経過する毎、もしくは、データパケットの通信が終了してから一定時間が経過したときなどに実行されてもよい。
以上の処理によって、アンテナポートの識別子ANT−A,ANT−B,ANT−Cに対応する無線通信装置の識別子が対応表メモリ304に登録された後は、メモリ制御回路403,411,416は、受信アンテナ305,307,310でそれぞれ受信され、受信回路401,409,414によりそれぞれ受信処理されてメモリ402,410,415にそれぞれ格納されたデータパケットから、その宛先の無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404へ送り、無線中継装置制御回路404は、抽出された識別子に基づいて対応表メモリ304を参照し、宛先の無線通信装置に対応するアンテナポートの識別子をスイッチング制御回路405へ送る。また、受信したデータパケットの宛先の無線通信装置の識別子が対応表メモリ304に登録されていない場合、もしくは、図8のステップS11乃至S17を実行しても宛先の無線通信装置にパケットを中継することができない場合には、無線中継装置制御回路404はスイッチング制御回路405へ「宛先なし」を示す信号を送り、スイッチング制御回路406は、データパケットを受信した受信アンテナと対になる送信アンテナを選択するようにスイッチング回路406を制御し、次いで、無線中継装置制御回路404は、選択された送信アンテナから、通信不可であることを示す通信応答信号(NACKパケット)を送信する。
従って、例えば、アンテナ305で受信されたデータパケットの中継処理を実行する場合、メモリ制御回路403は、受信アンテナ305で受信され、受信回路401により受信処理されてメモリ402に格納されたデータパケットから、その宛先の無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404へ送り、無線中継装置制御回路404は、抽出された識別子に基づいて対応表メモリ304を参照し、宛先の無線通信装置に対応するアンテナポートの識別子をスイッチング制御回路405へ送る。また、受信したデータパケットの宛先の無線通信装置の識別子が対応表メモリ304に登録されていない場合、もしくは、図8のステップS11乃至S17を実行しても宛先の無線通信装置にパケットを中継することができない場合には、無線中継装置制御回路404はスイッチング制御回路405へ「宛先なし」を示す信号を送り、スイッチング制御回路406は、受信アンテナ305と対になる送信アンテナ306を選択するようにスイッチング回路406を制御し、次いで、無線中継装置制御回路404は、スイッチング回路406、送信回路418及び送信アンテナ306を介して、通信不可であることを示す通信応答信号を送信する。アンテナ307,710で受信されたデータパケットの中継処理を実行する場合も、同様に処理される。
あるいは、前述のように、所定のアンテナポートの送信アンテナから送信したデータパケットに対する通信応答信号をタイムアウト時間内に受信せず、無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304内の上記アンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子を削除した場合、無線中継装置制御回路404は、その送信アンテナに接続された電気回路の電源をオフにさせるようにスイッチング制御回路406を制御し、これにより無線中継装置302の省電力化を図る。ここで、上記アンテナポートの受信アンテナに接続された受信回路で受信処理が行われたことを検出したとき、あるいは、無線中継装置制御回路404から上記アンテナポートの識別子がスイッチング制御回路405へ送られたとき、スイッチング制御回路405は、オフにした電気回路の電源を再びオンにするように制御する。
従って、例えば、送信アンテナ306から送信したデータパケットに対する通信応答信号をタイムアウト時間内に受信せず、無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304内のアンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子を削除した場合、無線中継装置制御回路404は、送信アンテナ306に接続された送信回路418及びスイッチSW1,SW4,SW7の電源をオフにさせるようにスイッチング制御回路406を制御する。ここで、受信アンテナ305に接続された受信回路401で受信処理が行われたことを検出したとき、あるいは、無線中継装置制御回路404からアンテナポートの識別子ANT−Aがスイッチング制御回路405へ送られたとき、スイッチング制御回路405は、送信アンテナ306に接続された送信回路418及びスイッチSW1,SW4,SW7の電源をオンにするように制御する。送信アンテナ308に接続された電気回路(送信回路408、ならびにスイッチSW2,SW5,SW8)と、送信アンテナ311に接続された電気回路(送信回路413、ならびにスイッチSW3,SW6,SW9)とに関する省電力化のための処理も、同様に行われる。
また、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路403,411,416のうちの複数から、データパケットの宛先の無線通信装置の識別子を対応表メモリ304に参照するリクエストがあった場合、無線中継装置制御回路404は、これらの複数のリクエストを逐次に処理してもよく、もしくは並列に処理してもよい。逐次に処理する場合には、無線中継装置制御回路404は、先に、あるリクエストに対して対応表メモリ304を参照し、対応するアンテナポートの識別子あるいは「宛先なし」を示す信号をスイッチング制御回路405へ送ってから、次のリクエストに対して対応表メモリ304を参照する。並列に処理する場合には、無線中継装置制御回路404は、あるリクエストに対して対応表メモリ304を参照し、対応するアンテナポートの識別子あるいは「宛先なし」を示す信号をスイッチング制御回路405へ送ると同時に、次のリクエストに対して対応表メモリ304を参照する。
第1の実施形態の変形例.
本実施形態において、無線中継装置302は、通信する際に対応表メモリ304を参照するように構成したが、メモリ制御回路403,411,416、あるいは無線中継装置制御回路404に予備メモリを備え、対応表メモリ304に格納された無線通信装置の識別子とアンテナポートの識別子との対応内容のコピーを保存してもよい。この場合、ある無線通信装置からデータパケットを受信した際、初めに予備メモリを参照してそのデータパケットの宛先に対応するアンテナを探し、予備メモリに宛先が登録されていない場合に対応表メモリ304を参照するように構成してもよい。
また、無線中継装置302と通信する無線通信装置は、無線通信装置301と無線通信装置303と無線通信装置309であるとしたが、1台又は2台の無線通信装置、あるいは4台以上の無線通信装置であってもよい。
また、無線中継装置302は、無線通信装置301と通信するために受信アンテナ305と送信アンテナ306との2つのアンテナを備えるとしたが、これらに代えて、送信と受信を兼用する1つのアンテナを備えてもよい。同様に、無線通信装置303と通信するために、受信アンテナ307及び送信アンテナ308に代えて、送信と受信を兼用する1つのアンテナを備えてもよく、無線通信装置309と通信するために、受信アンテナ310及び送信アンテナ311に代えて、送信と受信を兼用する1つのアンテナを備えてもよい。
無線通信装置301、303及び309のアンテナと、無線中継装置302のアンテナとは、外付け型のアンテナであっても、それらの装置に内蔵される型のアンテナであってもよい。
また、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路403で抽出した宛先の無線通信装置の識別子に基づいて対応表メモリ304を参照し、得られたアンテナポートの識別子をスイッチング制御回路405へ送るとしたが、アンテナポートの識別子を無線中継装置制御回路404を介さずに直接にスイッチング制御回路405へ送るとしてもよい。
また、スイッチング制御回路405はアンテナポートの識別子に基づいてスイッチング回路406における1つのスイッチSWをオンにする制御を行うとしたが、送信回路418、408あるいは413のいずれかが送信処理を完了するとスイッチング回路406のすべてのスイッチSW1−SW9がオフになるとしてもよい。あるいは、送信回路418が送信処理を完了すると、送信回路418に接続されたスイッチSW1,SW4,SW7のみがオフになる、あるいは、送信回路408が送信処理を完了すると、送信回路408に接続されたスイッチSW2,SW5,SW8のみがオフになる、あるいは、送信回路413が送信処理を完了すると、送信回路413に接続されたスイッチSW3,SW6,SW9のみがオフになるように構成してもよい。
また、受信回路401とメモリ402が別であるとしたが、メモリ402と受信回路401が一体的であってもよい。また、受信回路409とメモリ410が別であるとしたが、メモリ410と受信回路409が一体的であってもよい。また、受信回路414とメモリ415が別であるとしたが、メモリ415と受信回路414が一体的であってもよい。また、メモリ制御回路403,411,416が無線中継装置制御回路404と別であるとしたが、メモリ制御回路403及び/又は411及び/又は416と無線中継装置制御回路404とが一体的であってもよい。また、タイマ回路420と無線中継装置制御回路404が別であるとしたが、タイマ回路420と無線中継装置制御回路404が一体的であってもよい。さらに、スイッチング制御回路405は、無線中継装置制御回路404と一体的に構成されてもよい。
また、送信したデータパケットに対する通信応答信号をタイムアウト時間内に受信しなかったとき、無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304の該当する無線通信装置の識別子を削除するように構成したが、無線中継装置制御回路404以外の構成要素により、対応表メモリ304の該当する無線通信装置の識別子を削除してもよい。また、送信したデータパケットに対する通信応答信号をタイムアウト時間内に受信せず無線中継装置制御回路404で通信不可と判断した際の、スイッチング回路406や送信回路418,408,413の電源制御をスイッチング制御回路405で行うとしたが、スイッチング制御回路405以外の構成要素により電源制御を行ってもよい。また、1つの無線中継装置制御回路404が、複数の送信アンテナ306,308,311の通信相手が通信可であるかあるいは通信不可であるかをモニタする処理を行うとしたが、送信アンテナ毎に無線中継装置制御回路を設けてもよい。
タイマ回路420は、カウントを停止しているときにはリセットされ、かつ停止されていてもよい。ここで、カウントは、カウントをスタートしたときに送信したパケットに対するACKパケットが受信されたとき、もしくは、送信したパケットに対するACKパケットが受信されずにタイムアウト時間が経過したときなどに停止されることが可能である。
本実施形態の無線通信システムにおいて、前述のように例えばミリ波などの直進性の高い電磁波を無線媒体として使用する場合には、各アンテナポートにより通信可能な方位角は狭くなる。従って、無線中継装置302に設けるアンテナポートの数は3つに限らず、例えば8個又はそれよりも多くのアンテナポート(すなわち8対以上の送信アンテナ及び受信アンテナ)を備えるように無線中継装置302を構成してもよい。
第2の実施形態.
図11は、本発明の第2の実施形態における無線通信システムのブロック図である。図11において、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図11において、本実施形態の無線通信システムは、無線通信装置301aと無線中継装置302aとを備えて構成される。無線通信装置301aは、複数のアンテナを含むアンテナセット、詳しくは、所定パターンの指向性を有する複数の受信アンテナ501,504及び507と、所定パターンの指向性を有する複数の送信アンテナ502,505及び508とを備え、それに加えて無指向性の送受信アンテナ510を備えて構成される。また、無線中継装置302aは、図3の無線中継装置302と同様の受信アンテナ307,310及び送信アンテナ308,311を備えたことに加えて、複数のアンテナを備えたアンテナセット、詳しくは、所定パターンの指向性を有する複数の受信アンテナ512,515,518と、所定パターンの指向性を有する複数の送信アンテナ513,316,319とを備え、さらに無指向性の送受信アンテナ521を備えて構成される。
無線通信装置301a及び無線中継装置302aは、図3の無線通信装置301及び無線中継装置302と同様に互いに通信し、無線中継装置302aは、無線通信装置301aと他の無線通信装置(図示せず。)との間の通信を中継する。
本実施形態の無線通信システムは、第1の実施形態と同様にデータパケットの中継を実行することに加えて、無線通信装置301aが特定の無線通信装置(図示せず。)又は無線中継装置302aと通信するためにアンテナの対501,502と、504,505と、507,508とを切り換えて使用し、無線中継装置302aが特定の無線通信装置301aなどと通信するためにアンテナの対512,513と、515,516と、518,519とを切り換えて使用することを特徴とする。第1の実施形態では、無線中継装置302の各アンテナポートは所定の狭い方位角範囲のみをカバーするように構成されていたので、無線中継装置302が任意の方位角にある無線通信装置と通信するためには、全方位角をカバーできるように多数のアンテナポートを設ける必要があった。これに対して、第2の実施形態では、図3のアンテナ305,306のアンテナポートに代えて設けられた、複数のアンテナの対512,513と、515,516と、518,519とを備えた拡張されたアンテナポートによって、複数の方位角方向をカバーすることができる。これによれば、例えば図11を参照すると、アンテナの対515,516と、アンテナ307,308のアンテナポートとを用いることで、これらのアンテナが存在する方向に2つの無線通信装置が存在するときであっても、異なる無線チャンネルを用いてそれらの無線通信装置と同時に通信できるようになる。
複数のアンテナ512,513,515,516,518,519を含むアンテナセットは、図3のアンテナ305,306と同様に、アンテナポートの識別子ANT−Aを備えるものとする。
無線通信装置301aにおいて、受信アンテナ501と送信アンテナ502とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア503を有し、従って無線通信装置301aは、このカバレッジエリア503の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信できる。また、受信アンテナ504と送信アンテナ505とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア506を有し、従って無線通信装置301aは、このカバレッジエリア506の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図11では、無線中継装置302a)と送受信できる。また、受信アンテナ507と送信アンテナ508とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア509を有し、従って無線通信装置301aは、このカバレッジエリア509の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信できる。また、無線通信装置301aは、無指向性の受信アンテナ510のカバレッジエリア511内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図11では、無線中継装置302a)と通信できる。
さらにまた、無線中継装置302aにおいて、受信アンテナ512と送信アンテナ513とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア514を有し、従って無線中継装置302aは、このカバレッジエリア514の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図11では、無線通信装置301a)と送受信できる。また、受信アンテナ515と送信アンテナ516とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア517を有し、このカバレッジエリア517の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信できる。また、受信アンテナ518と送信アンテナ519とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア520を有し、このカバレッジエリア520の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信できる。また、無線中継装置302aは、無指向性の送信アンテナ521のカバレッジエリア522内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図11では、無線通信装置301a)と通信できる。
図12は、図11の無線通信システムにおけるカバレッジエリアを詳細に示す平面図である。無線通信装置301a及び無線中継装置302aは、例えばミリ波などの直進性の高い電磁波を無線媒体として使用し、そのため、カバレッジエリア503,506,509,514,517,520は、狭い角度幅のビーム状の形状を有する。無線通信装置301a及び無線中継装置302aのそれぞれにおいて、ビーム状のカバレッジエリアは、互いに重複せず、かつ水平面内において任意の方位角をカバーするように設けられることが好ましいが、図11では、図示の簡単化のために、それぞれ3つずつのみ設けている。
無線通信装置301aと無線中継装置302aとは、カバレッジエリア506とカバレッジエリア514の重なり(すなわちカバレッジエリア523)があるので、無線通信装置301aの受信アンテナ504と送信アンテナ505を使用し、無線中継装置302aの受信アンテナ512と送信アンテナ513を使用することで無線通信装置301aと無線中継装置302aとの通信が可能である。
図13は、図11の無線通信システムにおけるアンテナの指向性を説明するためのパターン図である。図13において、指向性アンテナを備えた無線通信装置を設置位置601に設置しかつ指向性アンテナを備えた無線通信装置を設置位置603に設置したとき、設置位置601の指向性アンテナがカバレッジエリア602を有し、設置位置603の指向性アンテナがカバレッジエリア604を有するものとする。このとき、カバレッジエリア602とカバレッジエリア604の間に重複カバレッジエリア605が存在する場合、設置位置601と設置位置603にそれぞれ設置した無線通信装置間の通信が可能となる。一方、このような重なりがなければ、通信は困難となる。
かかる構成によれば、指向性パターンのカバレッジエリアがカバレッジエリア503において互いに重複するように受信アンテナ501と送信アンテナ502とを無線通信装置301aに備えることにより、無線通信装置301aはカバレッジエリア503の範囲に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信が可能となる。このように、受信アンテナ501と送信アンテナ502は1対のものである。同様に、受信アンテナ504と送信アンテナ505は1対のものであり、受信アンテナ507と送信アンテナ508は1対のものである。また、無線通信装置301aに複数の送信アンテナや複数の受信アンテナを備える目的の1つは、指向性アンテナを使用しても、無線通信装置301aに対して任意の方向に設置された他の無線通信装置(図示せず。)との通信を可能とすることである。故に、無線通信装置301aの通信可能範囲は、カバレッジエリア503とカバレッジエリア506とカバレッジエリア509を足し合わせたカバレッジエリアとなり、例えば、カバレッジエリア503とカバレッジエリア506との間に、あるいは、カバレッジエリア503とカバレッジエリア509との間に、あるいは、カバレッジエリア506とカバレッジエリア509との間に重なる部分があると、無線通信装置301aの通信可能範囲が狭くなるので、これらのカバレッジエリアになるべく重なりが生じないように各アンテナを無線通信装置301aに備えることが望ましい。無線中継装置302aに対するアンテナの設け方も同様である。
無線通信装置301aと無線中継装置302aが通信を開始するにあたり、無線通信装置301aに備えた複数の送信アンテナ502,505,508と複数の受信アンテナ501,504,507から1対のアンテナを選択し、また、無線中継装置302aに備えた複数の送信アンテナ513,516,519と複数の受信アンテナ512,515,518から1対のアンテナをそれぞれ選択する必要がある。ただし、無線中継装置302aのアンテナ521と無線通信装置301aのアンテナ510とはともに無指向性であり、かつアンテナ521のカバレッジエリア522とアンテナ510のカバレッジエリア511に重なりがあるので、無線通信装置301aと無線中継装置302aとは、これらのアンテナ510,521を用いることにより互いに通信可能である。無線通信装置301aは、その複数ある送信アンテナ502,505,508から1つを選択し、無線中継装置302aへデータパケットを送信する。無線中継装置302aは、その複数ある受信アンテナ512,515,518から1つを選択してデータパケットを受信し、選択された受信アンテナで受信できなければ、別の受信アンテナに切り換えて受信する。無線中継装置302aは、いずれの受信アンテナ512,515,518でも受信できなければ、「通信不可」の結果を示すフィードバック信号をアンテナ521を介してアンテナ510に送信する。無線通信装置301aは、アンテナ510を介して「通信不可」を示すフィードバック信号を受信すると、送信アンテナ502,505,508のうちの別の送信アンテナを選択して、無線中継装置302aへデータパケットを送信する。以上の処理を繰り返すことによって、無線通信装置301aから送信したデータパケットを無線中継装置302aが受信できるような、無線通信装置301aの送信アンテナ502,505,508のうちの1つと、無線中継装置302aの受信アンテナ512,515,518のうちの1つとの組み合わせが選択される。
無線通信装置301aにおいて1つの送信アンテナが選択されると、無線通信装置301aはそれに対となる受信アンテナを選択し、同様に、無線中継装置302aの1つの受信アンテナが選択されると、無線中継装置302aはそれに対となる送信アンテナを選択する。これにより、無線通信装置301aが無線中継装置302aとの通信に使用する送信アンテナと受信アンテナが選択され、また、無線中継装置302aが無線通信装置301aとの通信に使用する送信アンテナと受信アンテナが選択される。
図14は、図11の無線通信装置301a及び無線中継装置302aの詳細構成を示すブロック図である。図14において、図3、図4及び図11と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図14において、無線通信装置301aは、送受信する信号を管理するとともに無線通信装置301aの動作を制御する無線通信装置制御回路704を備え、無線通信装置制御回路704からの出力信号は、アンテナ制御回路701と、送信用のスイッチ703とに入力される。スイッチ703は、1つの入力側端子と3つの出力側端子a,b,cを備え、当該端子a,b,cは、それぞれ無線送信回路(以下、送信回路という。)705,706,707を介して送信アンテナ502,505,508に接続される。スイッチ703は、アンテナ制御回路701からの制御信号に応答して、その入力側端子を出力側端子a,b,cのいずれかに接続するように選択的に切り換えて、無線通信装置制御回路704からの出力信号を伝送する。また、受信アンテナ501,504,507はそれぞれ無線受信回路(以下、受信回路という。)720,721,722に接続され、各受信回路720,721,722の出力側は、受信用のスイッチ718の入力側端子a,b,cにそれぞれ接続される。スイッチ718は、アンテナ制御回路701からの制御信号に応答して、その入力側端子a,b,cのいずれかを出力側端子に接続するように選択的に切り換えて、受信信号を無線通信装置制御回路704に伝送する。さらに、アンテナ510はサーキュレータ510aを介してフィードバック送信回路717a及びフィードバック受信回路717bに接続される。フィードバック送信回路717aはさらにアンテナ制御回路701に接続され、フィードバック送信回路717a、サーキュレータ510a及びアンテナ510はともに、無線中継装置302aへのフィードバック送信のための手段として動作する(詳細後述)。フィードバック受信回路717bはさらにアンテナ制御回路701に接続され、アンテナ510、サーキュレータ510a及びフィードバック受信回路717bはともに、無線中継装置302aからのフィードバック受信のための手段として動作する(詳細後述)。アンテナ制御回路701にはさらに、メモリ702とタイマ回路708とが接続されている。
また、無線中継装置302aは、図4の受信アンテナ305及び受信回路401に代えて、受信アンテナ512,515,518と、受信回路713,715,716と、受信用のスイッチ711とを備える。受信アンテナ512,515,518はそれぞれ受信回路713,715,716に接続され、各受信回路713,715,716の出力側はそれぞれ、スイッチ711の入力側端子a,b,cに接続される。無線中継装置302aは、無線中継装置制御回路404の制御下で動作するアンテナ制御回路709をさらに備える。スイッチ711は、その出力側端子に接続されたアンテナ制御回路701からの制御信号に応答して、その入力側端子a,b,cのいずれかを出力側端子に接続するように選択的に切り換えて、受信信号をメモリ402に一時格納させる。また、無線中継装置302aは、図4の送信アンテナ306及び送信回路418に代えて、送信アンテナ513,516,519と、送信回路723,724,725と、送信用のスイッチ719とを備え、スイッチング回路406からの出力信号のうちの1つは、送信回路418に代えてスイッチ719に入力される。スイッチ719は、1つの入力側端子と3つの出力側端子a,b,cを備え、当該端子a,b,cは、それぞれ送信回路723,724,725を介して送信アンテナ513,516,519に接続される。スイッチ719は、アンテナ制御回路709からの制御信号に応答して、その入力側端子を出力側端子a,b,cのいずれかに接続するように選択的に切り換えて、スイッチング回路からの出力信号を伝送する。さらに、アンテナ制御回路709にはフィードバック送信回路714a及びフィードバック受信回路714bが接続される。フィードバック送信回路714aはさらにサーキュレータ521aを介してアンテナ521に接続され、フィードバック送信回路714a、サーキュレータ521a及びアンテナ521はともに、無線通信装置301aへのフィードバック送信のための手段として動作する(詳細後述)。フィードバック受信回路714bはさらにサーキュレータ521aを介してアンテナ521に接続され、アンテナ521、サーキュレータ521a及びフィードバック受信回路714bはともに、無線通信装置301aからのフィードバック受信のための手段として動作する(詳細後述)。アンテナ制御回路709にはさらに、メモリ710とタイマ回路712とが接続されている。
以下、無線通信装置301aと無線中継装置302aとの間で通信するときに、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで使用する1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで使用する1つの受信アンテナを決定する手順について説明する。
無線通信装置301aのメモリ702は、以前の通信時(又は無線通信装置301aが電源オフされる前)に無線中継装置302aと通信するために使用した送信アンテナ502,505,508に係る送信アンテナ情報、及び/又は受信アンテナ501,504,507に係る受信アンテナ情報を格納する。以前に無線中継装置302aと通信していなければ、メモリ702は所定の初期値を格納する。無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、無線通信装置301aの電源をオンにしたとき、あるいは、無線通信装置301aが無線中継装置302aとの通信切断を検出したときに、以前に電源をオンにした際に無線中継装置302aと通信するために使用した送信アンテナに係る送信アンテナ情報をメモリ702から読み出し、あるいは、以前に電源をオンにした際に無線中継装置302aと通信していなければ初期値をメモリ702から読み出して、送信アンテナ502,505,508のいずれかを選択するようにスイッチ703の制御を行う。例えば、送信アンテナ502を選択した場合、送信回路705は、それに固有の送信処理の一部として、あるいは、無線通信装置301aを制御する無線通信装置制御回路704からの制御に従って、無線通信装置301aの識別子を発信元アドレスとして有し、かつ無線中継装置302aの識別子を宛先アドレスとして有するデータパケットを、送信アンテナ502から送信する。送信アンテナ505又は508を選択した場合においても同様に、対応する送信回路706又は707によりデータパケットが送信される。送信アンテナ502、505あるいは510からデータパケットを送信すると同時に、アンテナ制御回路701はタイマ回路708のカウントをスタートさせる。
一方、無線中継装置302aのメモリ710は、以前の通信時(又は無線中継装置302aが電源オフされる前)に無線通信装置301aと通信するために使用した受信アンテナ512,515,518に係る受信アンテナ情報、及び/又は送信アンテナ513,516,519に係る送信アンテナ情報を格納する。以前に無線通信装置301aと通信していなければ、メモリ710は所定の初期値を格納する。無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、無線中継装置302aの電源をオンにしたとき、あるいは、無線中継装置302aが無線通信装置301aとの通信切断を検出したときに、以前に電源をオンにした際に無線通信装置301aと通信するために使用した受信アンテナ情報をメモリ710から読み出し、あるいは、以前に電源をオンにした際に無線通信装置301aと通信していなければ初期値をメモリ710から読み出して、受信アンテナ512,515,518のいずれかを選択するようにスイッチ711の制御を行う。例えば、受信アンテナ512を選択した場合、アンテナ制御回路709は、スイッチ711の接点aに接続するように切り換えると同時にタイマ回路712のカウントをスタートさせる。タイムアウト時間内にデータパケットを受信すると、受信されたデータパケットには受信回路で受信処理が実行され、処理後のデータパケットはメモリ402に一時格納される。メモリ制御回路403は、メモリ402に一時格納されたデータパケットから宛先アドレスを抽出し、抽出されたアドレスは、無線中継装置制御回路404を介してアンテナ制御回路709に送られる。抽出された宛先アドレスが無線中継装置302aのアドレスであれば、そのデータパケットの発信元の無線通信装置301aと通信可能であることを示し、アンテナ制御回路709は、通信可能であることを示すフィードバック信号を、フィードバック送信回路714aから無線通信装置301aに送信させ、また、通信可能となった受信アンテナ512の識別子をメモリ710へ書き込む。
一方、タイムアウト時間が経過するまで(すなわち、タイマ回路712のカウントが一定値以上になるまで)に受信アンテナ512によりデータパケットを受信できない場合、もしくは、受信したデータパケットの宛先アドレスが無線中継装置302aのアドレスではない場合、アンテナ制御回路709は、次の受信アンテナ515を選択するようにスイッチ711を制御し、タイマ回路712のカウントをリセットして再スタートさせ、タイムアウト時間が経過するまで受信アンテナ515による受信を継続し、無線中継装置302aのアドレスを宛先アドレスとして有するデータパケットが受信されるのを待機する。タイムアウト時間が経過するまで受信アンテナ515によりデータパケットを受信できない場合、もしくは、受信アンテナ515で受信したデータパケットの宛先アドレスが無線中継装置302aのアドレスではない場合、同様の処理によって、受信アンテナ518と受信回路716を用いて、データパケットが受信されるのを待機する。さらに、タイムアウト時間が経過するまでに受信アンテナ518からデータパケットを受信できない場合、もしくは、受信アンテナ518で受信したデータパケットの宛先アドレスが無線中継装置302aのアドレスではない場合、つまり、スイッチ711により選択可能な何れの受信アンテナでも受信できない場合、アンテナ制御回路709は、フィードバック送信回路714aにより、「通信不可」であることを示すフィードバック信号を無線通信装置301aへ送信する。
無線通信装置301aのフィードバック受信回路717bは、タイムアウト時間が経過するまで(すなわち、タイマ回路708のカウントが一定値以上になるまで)に「通信可能」であることを示すフィードバック信号を受信すると、使用している送信アンテナ情報をメモリ702に書き込む。あるいは、タイムアウト時間が経過するまで何も受信しない場合、あるいは、タイマ回路708のカウントにかかわらず、通信不可であることを示すフィードバック信号を受信した場合、アンテナ制御回路701は、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709による受信アンテナの切り換えと同様に、別の送信アンテナを選択するようにスイッチ703を制御する。
以上の処理により、無線通信装置301aの送信アンテナと、無線中継装置302aの受信アンテナが選択されると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、送信アンテナと対になる受信アンテナを選択するようにスイッチ718を制御し、また、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、受信アンテナと対になる送信アンテナを選択するようにスイッチ719を制御する。ここで、無線通信装置301aの受信アンテナ501が選択されると、無線通信装置301aは、受信回路720で受信処理を行い、あるいは、受信アンテナ504が選択されると、受信回路721で受信処理を行い、あるいは、受信アンテナ507が選択されると、受信回路722で受信処理を行う。また、無線中継装置302aの送信アンテナ513が選択されると、無線中継装置302aは、送信回路723で送信処理を行い、あるいは、送信アンテナ516が選択されると、送信回路724で送信処理を行い、あるいは、送信アンテナ519が選択されると、送信回路725で送信処理を行う。
以上説明した無線通信装置301a及び無線中継装置302aのアンテナ制御動作について、図15乃至図20のフローチャートを参照して詳細に説明する。
図15は、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行されるアンテナ制御処理を示すフローチャートであり、図16は、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行されるアンテナ制御処理を示すフローチャートである。図15及び図16の処理は、無線通信装置301aから他の無線通信装置(図示せず。)へのパケット送信を無線中継装置302aが中継する過程において実行され、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで使用する1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで使用する1つの受信アンテナを決定することを特徴とする。
図15のステップS41において、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、メモリ710から過去又は初期値のアンテナ選択情報を読み出し、ステップS42において、このアンテナ選択情報に基づき、受信アンテナ512,515,518のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ711を切り換え、切り換えと同時にステップS43においてタイマ回路712のカウントをスタートさせる。次いで、ステップS44において、アンテナ制御回路709は、タイムアウト時間内に、中継すべきパケットを受信したか否かを判断し、YESのときはステップS45に進み、NOのときはステップS48に進む。ここで、中継すべきパケットが受信された場合には、パケットは、第1の実施形態と同様にメモリ402に一時格納される。ステップS45では、アンテナ制御回路709は、送信回路714a及びアンテナ521を介して「通信可」のフィードバック信号を無線通信装置301aに送信し、ステップS46において、パケットを受信したときのスイッチ711の状態に基づいてメモリ710内のアンテナ選択情報を更新する。その後、ステップS47において、アンテナ制御回路709は無線中継装置制御回路404に制御をわたし、受信されたパケットを宛先の無線通信装置に中継させる。パケット中継処理は第1の実施形態と同様に実行されることが可能であり、例えば、図7及び図8の処理のうちのステップS2乃至S18を含み、そのステップS9,S16及びS18の実行後にはステップS1に戻らずに終了するように構成されたサブルーチンの処理を実行してもよい。ステップS47の実行後、ステップS43に戻る。また、ステップS48において、アンテナ制御回路709は、他に選択可能なアンテナが存在するか否かを判断し、YESのときはステップS50に進み、NOのときはステップS49に進む。ステップS50では、アンテナ制御回路709はスイッチ711を切り換え、ステップS43に戻る。ステップS49では、アンテナ制御回路709は、送信回路714a及びアンテナ521を介して「通信不可」のフィードバック信号を無線通信装置301aに送信し、ステップS43に戻る。
図16のステップS51において、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、メモリ702から過去又は初期値のアンテナ選択情報を読み出し、ステップS52において、このアンテナ選択情報に基づき、送信アンテナ502,505,508のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ703を切り換える。次いでステップS53において、アンテナ制御回路701は、選択されたアンテナを介してパケットを送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせ、ステップS54に進む。ステップS54において、アンテナ制御回路701は、タイムアウト時間内に、アンテナ510及び受信回路717bを介してフィードバック信号を受信したか否かを判断し、「通信可」のフィードバック信号を受信したときにはステップS55に進み、「通信不可」のフィードバック信号を受信したとき、及びフィードバック信号を受信しなかったときには、ステップS56に進む。ステップS55では、アンテナ制御回路701は、ステップS53においてパケットを送信したときのスイッチ703の状態に基づいてメモリ710内のアンテナ選択情報を更新して、処理を終了する。ステップS56では、アンテナ制御回路701は、他に選択可能なアンテナが存在するか否かを判断し、YESのときは、ステップS57においてスイッチ703を切り換えてステップS53に戻り、NOのときは処理を終了する。
図15及び図16の処理によれば、無線通信装置301aから他の無線通信装置(図示せず。)へのパケット送信を無線中継装置302aが中継すると同時に、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで通信に使用可能な1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで通信に使用可能な1つの受信アンテナを決定することができる。
使用すべきアンテナの決定は、パケットを中継していないアイドル状態のときに実行してもよい。図17は、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行されるアンテナ管理処理を示すフローチャートであり、図18は、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行されるアンテナ管理処理を示すフローチャートである。図17及び図18の処理は、パケット中継のための通信が発生していないときに実行され、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで使用する1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで使用する1つの受信アンテナを決定することを特徴とする。
図17のステップS61において、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、無線中継装置302aが通信中であるか否かを判断し、YESのときはそのまま処理を終了し、NOのときはステップS62に進む。ステップS62乃至S64は、図15のステップS41乃至S43とそれぞれ同様である。次いで、ステップS65において、アンテナ制御回路709は、無線通信装置301aにおいて選択した送信アンテナが通信のために使用可能であるか否かを調べるためのモニタリング信号を、タイムアウト時間内に、無線通信装置301aから受信したか否かを判断し、YESのときはステップS66に進み、NOのときはステップS68に進む。ステップS66と、それに続くステップS67とは、図15のステップS45及びS46と同様であり、ステップS67の実行後、処理を終了する。また、ステップS68乃至S70は、図15のステップS48乃至S50とそれぞれ同様であり、ステップS69の実行後は、そのまま処理を終了し、ステップS70の実行後は、ステップS64に戻る。
図18のステップS71において、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、無線通信装置301aが通信中であるか否かを判断し、YESのときはそのまま処理を終了し、NOのときはステップS72に進む。ステップS72及びS73は、図16のステップS51及びS52とそれぞれ同様である。次いで、ステップS53において、アンテナ制御回路701は、ステップS73において選択した送信アンテナが通信のために使用可能であるか否かを調べるためのモニタリング信号を当該送信アンテナから送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせる。続くステップS75乃至S78は、図16のステップS54乃至S57とそれぞれ同様である。
図17及び図18の処理によれば、パケット中継のための通信が発生していないときに、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで通信に使用可能な1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで通信に使用可能な1つの受信アンテナを決定することができる。
図17及び図18の処理に代えて、無線中継装置302aから無線通信装置301aにパケットを送信するために、使用するアンテナを決定する処理を実行してもよい。図19は、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行される変形例のアンテナ管理処理を示すフローチャートであり、図20は、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行される変形例のアンテナ管理処理を示すフローチャートである。図19及び図20の処理は、パケット中継のための通信が発生していないときに実行され、無線中継装置302aにおいて送信アンテナ513,516,519のうちで使用する1つの送信アンテナを決定し、無線通信装置301aにおいて受信アンテナ501,504,507のうちで使用する1つの受信アンテナを決定することを特徴とする。
図19のステップS81において、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、無線中継装置302aが通信中であるか否かを判断し、YESのときはそのまま処理を終了し、NOのときはステップS82に進む。ステップS82において、アンテナ制御回路709は、メモリ710から過去又は初期値のアンテナ選択情報を読み出し、ステップS83において、このアンテナ選択情報に基づき、送信アンテナ513,516,519のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ719を切り換える。次いでステップS84において、アンテナ制御回路709は、ステップS83において選択した送信アンテナが通信のために使用可能であるか否かを調べるためのモニタリング信号を当該送信アンテナから送信し、それと同時にタイマ回路712のカウントをスタートさせ、ステップS85に進む。ステップS85において、アンテナ制御回路709は、タイムアウト時間内に、アンテナ521及び受信回路714bを介してフィードバック信号を受信したか否かを判断し、「通信可」のフィードバック信号を受信したときにはステップS86に進み、「通信不可」のフィードバック信号を受信したとき、及びフィードバック信号を受信しなかったときには、ステップS87に進む。ステップS86では、アンテナ制御回路709は、ステップS84においてモニタリング信号を送信したときのスイッチ719の状態に基づいてメモリ710内のアンテナ選択情報を更新して、処理を終了する。ステップS56では、アンテナ制御回路709は、他に選択可能なアンテナが存在するか否かを判断し、YESのときは、ステップS88においてスイッチ719を切り換えてステップS84に戻り、NOのときは処理を終了する。
図20のステップS91において、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、無線通信装置301aが通信中であるか否かを判断し、YESのときはそのまま処理を終了し、NOのときはステップS92に進む。ステップS92において、アンテナ制御回路701は、メモリ702から過去又は初期値のアンテナ選択情報を読み出し、ステップS93において、このアンテナ選択情報に基づき、受信アンテナ501,504,507のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ718を切り換え、切り換えと同時にステップS94においてタイマ回路708のカウントをスタートさせる。次いでステップS95において、アンテナ制御回路701は、タイムアウト時間内にモニタリング信号を受信したか否かを判断し、YESのときはステップS96に進み、NOのときはステップS98に進む。ステップS96では、アンテナ制御回路701は、送信回路717a及びアンテナ510を介して「通信可」のフィードバック信号を送信し、ステップS97において、モニタリング信号を受信したときのスイッチ718の状態に基づいてメモリ702内のアンテナ選択情報を更新して、処理を終了する。ステップS98では、アンテナ制御回路701は、他に選択可能なアンテナが存在するか否かを判断し、YESのときはステップS100に進み、NOのときはステップS99に進む。ステップS100では、アンテナ制御回路701はスイッチ718を切り換え、ステップS94に戻る。ステップS99では、アンテナ制御回路701は、送信回路717a及びアンテナ510を介して「通信不可」のフィードバック信号を無線中継装置302aに送信し、処理を終了する。
以上の処理により、無線中継装置302aの送信アンテナと、無線通信装置301aの受信アンテナとが選択されると、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、送信アンテナと対になる受信アンテナを選択するようにスイッチ711を制御し、また、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、受信アンテナと対になる送信アンテナを選択するようにスイッチ703を制御する。
図19及び図20の処理によれば、パケット中継のための通信が発生していないときに、無線中継装置302aにおいて送信アンテナ513,516,519のうちで通信に使用可能な1つの送信アンテナを決定し、無線通信装置301aにおいて受信アンテナ501,504,507のうちで通信に使用可能な1つの受信アンテナを決定することができる。
図21は、図11の無線通信システムにおいて実行されるモニタリング動作を示すシーケンス図である。このモニタリング動作は、無線通信装置301aにおいて通信のために使用するアンテナを決定するための変形例の処理を示し、最初に無線中継装置302aから無指向性のモニタリング信号を送信し、このモニタリング動作を受信した無線通信装置301aは、送信アンテナ502,505,508を順次に切り換えて応答信号を送信することにより、無線中継装置302aが位置する方向のアンテナを決定することを特徴とする。
図21を参照すると、最初に、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、送信回路714a及びアンテナ521を介して、無指向性のモニタリング信号P31を送信する。モニタリング信号P31が無線通信装置301aのアンテナ510及び受信回路717bによって受信されると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、送信アンテナ502,505,508のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ703を切り換え、選択されたアンテナ502から応答パケットP32を送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせる。図21の例では、送信アンテナ502を選択するように(すなわち接点aに接続するように)スイッチ703を切り換える。アンテナ502から送信された応答パケットP32が無線中継装置302aによって受信されず、フィードバック信号が無線通信装置301aに返信されることなくタイムアウト時間が経過すると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、他の送信アンテナ505を選択するように(すなわち接点bに接続するように)スイッチ703を切り換え、再び選択されたアンテナ505から応答パケットP32を送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせる。アンテナ505から送信された応答パケットP32が無線中継装置302aによって受信されず、フィードバック信号が無線通信装置301aに返信されることなくタイムアウト時間が経過すると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、他の送信アンテナ508を選択するように(すなわち接点cに接続するように)スイッチ703を切り換え、再び選択されたアンテナ508から応答パケットP32を送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせる。アンテナ508から送信された応答パケットP32が無線中継装置302aによって受信され、タイムアウト時間内にフィードバック信号P33が無線通信装置301aに返信されると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、応答パケットP32を送信したときのスイッチ703の状態を、使用可能なアンテナ選択情報としてメモリ702に格納する。
図17乃至図20に説明したアンテナ管理処理や、図21に説明したモニタリング動作を実行した後、第1の実施形態と同様にデータパケットの中継を実行することができる。
第2の実施形態の変形例.
無線中継装置302aのフィードバック送信回路714aから、無線通信装置301aのフィードバック受信回路717bに送信される、「通信可能」であることを示すフィードバック信号の伝送内容は、一般には無線中継装置302aにおけるパケット又はモニタリング信号などの受信状況を含むことができる。詳しくは、無線データ信号の受信結果(すなわち通信可能又は通信不可であることを示すデータ)である場合、無線データ信号の受信レベルである場合、無線通信装置301aのスイッチ703の切り換え制御内容である場合、又は、受信回路713、715あるいは716で受信処理したデータパケットである場合などがある。同様に、無線通信装置301aのフィードバック送信回路717aから無線中継装置302aのフィードバック受信回路714bに送信される「通信可能」であることを示すフィードバック信号の伝送内容は、無線通信装置301aにおけるパケット又はモニタリング信号などの受信状況を含むことができる。
なお、本実施形態において、無線通信装置301aの送信アンテナを選択するために無線中継装置302aへ送信されるデータパケットの宛先アドレスを、無線中継装置302aのアドレスとしたが、無線中継装置302aを含むすべての無線通信装置が受信するようにブロードキャスト用のアドレスを用いてもよく、又は、無線中継装置302aと通信する別の無線通信装置等の無線中継装置302a以外の無線通信装置のアドレス又は識別子を用いてもよい。その場合、無線中継装置302aは、データパケットの発信元及び宛先を判別し、そのデータパケットが無線通信装置301aにより送信されたデータパケットであると判別できれば、通信可能であることを示すフィードバック信号をフィードバック送信回路714aから無線通信装置301aへ送信する。
また、無線通信装置301aのメモリ702をアンテナ制御回路701に接続する例を示したが、アンテナ制御回路701以外の構成要素に接続するように構成してもよい。また、無線通信装置301aのタイマ回路708のカウントをアンテナ制御回路701がスタートさせるとしたが、アンテナ制御回路701以外の構成要素によってスタートさせてもよい。また、無線中継装置302aのメモリ710をアンテナ制御回路709に接続する例を示したが、アンテナ制御回路709以外の構成要素に接続するように構成してもよい。また、無線中継装置302aのタイマ回路709のカウントをアンテナ制御回路709がスタートさせるとしたが、アンテナ制御回路709以外の構成要素によってスタートさせてもよい。
無線通信装置301aにおいて、アンテナ制御回路701と無線通信装置制御回路704とを同一の回路として構成してもよい。同様に、無線中継装置302aにおいて、アンテナ制御回路709と無線中継装置制御回路404とを同一の回路として構成してもよい。
また、無線通信装置301aのスイッチ703には、送信アンテナ502,505,508毎に送信回路705,706,707を接続して設けるとしたが、これに代えて、1つあるいは複数の送信回路をスイッチ703と無線通信装置制御回路704の間に設けてもよい。また、無線通信装置301aのスイッチ718には、受信アンテナ501,504,507毎に受信回路720,721,722を接続して設けるとしたが、これに代えて、1つあるいは複数の受信回路をスイッチ718と無線通信装置制御回路704の間に設けてもよい。また、無線中継装置302aのスイッチ711には、受信アンテナ512,515,518毎に受信回路713,715,716を接続して設けるとしたが、これに代えて、1つあるいは複数の受信回路をスイッチ711とメモリ402の間に設けてもよい。また、無線中継装置302aのスイッチ719には、送信アンテナ513,516,519毎に送信回路723,724,725を接続して設けるとしたが、これに代えて、1つあるいは複数の送信回路をスイッチ719とスイッチング制御回路406の間に設けてもよい。
また、無線通信装置301aがフィードバック送信回路717a及びフィードバック受信回路717bとサーキュレータ510aとを備え、無線中継装置302aがフィードバック送信回路714a及びフィードバック受信回路714bとサーキュレータ521aとを備えるとしたが、これに代えてフィードバック信号が送信される向きを1方向のみに限定し、無線通信装置301aにフィードバック送信回路717aのみを備え、無線中継装置302aにフィードバック受信回路714bのみを備えるように構成したり、あるいは、無線通信装置301aにフィードバック受信回路717bのみを備え、無線中継装置302aにフィードバック送信回路714aのみを備えるように構成したりしてもよい。あるいは、無線通信装置301aの他の送信回路からデータパケットを送信して無線中継装置302aの他の受信回路で受信し、通信可能であるか否かの結果を示すフィードバック信号を無線中継装置302aの他の送信回路から送信して無線通信装置301aの他の受信回路で受信するように構成してもよい。
また、無線通信装置301aを、スイッチ703で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、スイッチ718で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナと、フィードバック送信回路717a及びフィードバック受信回路717bと、アンテナ510とを備えて構成したが、これに代えて、スイッチ718で切り換えられる受信回路及び受信アンテナの機能を、フィードバック受信回路717及び受信アンテナ510で実現し、それにより、無線通信装置301aを、スイッチ703で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、フィードバック受信回路717及び受信アンテナ510とを備えて構成してもよい。また、無線中継装置302aを、スイッチ719で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、スイッチ711で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナと、フィードバック送信回路714a及びフィードバック受信回路714bと、アンテナ521とを備えて構成したが、これに代えて、スイッチ719で切り換えられる送信回路及び送信アンテナの機能を、フィードバック送信回路714及び送信アンテナ521で実現し、これにより、無線中継装置302aを、フィードバック送信回路714及び送信アンテナ521と、スイッチ711で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナとを備えて構成してもよい。また、無線中継装置302aを、スイッチ719で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、スイッチ711で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナと、フィードバック送信回路714a及びフィードバック受信回路714bと、送信アンテナ521と、さらに、複数の送信回路及び送信アンテナと、複数の受信回路及び受信アンテナとを備えて構成したが、これに代えて、無線中継装置302aを、スイッチ719で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、スイッチ711で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナと、フィードバック送信回路714及び送信アンテナ521とを備えて構成してもよい。
タイマ回路708,712は、カウントを停止しているときにはリセットされ、かつ停止されていてもよい。ここで、カウントは、カウントをスタートしたときに送信したパケットに対するフィードバック信号が受信されたとき、スイッチ711,718を所定の受信アンテナに切り換えてからタイムアウト時間が経過するまでパケットが受信されなかったとき、もしくは、送信したパケットに対するフィードバック信号を受信が受信されずにタイムアウト時間が経過したときなどに停止されることが可能である。
アンテナ510,521のパターンは無指向性であるとしたが、これに代えて、広い方位角に送受信可能な指向特性を有するアンテナを用いてもよい。
本実施形態の無線中継装置302aでは、図3のアンテナ305,306のアンテナポートのみを、複数のアンテナの対512,513と、515,516と、518,519とを備えた拡張されたアンテナポートに置き換えるように構成したが、さらに他のアンテナポートを、同様に、複数のアンテナの対を備えた拡張されたアンテナポートに置き換えてもよい。
また、本発明の第1及び第2の実施形態において、無線通信装置301aと無線中継装置302aとの通信で電波を利用するように構成したが、赤外線通信や光通信など別の通信方法を利用してもよい。この場合、本実施形態において、アンテナ制御回路701,709によって複数の送信アンテナあるいは受信アンテナを接続して切り換えるとしたが、アンテナ制御回路701,709に複数の発光部と受光部を接続するなどの構成となる。
以上詳述したように、本発明に係る無線通信システムによれば、通信方向設定を必要とする無線通信装置がその通信相手を切り換える際に、あらためて通信方向設定を行う処理を不要とすることができるので、通信方向設定を必要とする無線通信システム等として有用である。
本発明は、例えばデータパケットなどの通信信号を送受信する無線通信装置、上記通信信号を中継する無線中継装置、ならびに上記無線通信装置及び上記無線中継装置を含む無線通信システムに関する。
従来の、通信方向設定を必要とする無線通信システムには、光通信技術を利用したものがある(例えば、特許文献1を参照)。
図1に、上記特許文献1に記載された従来技術に係る光無線通信システムの外観を示す。この光通信システムは、親機装置(以下、「親機」という。)101と、子機装置(以下、「子機」という。)104とを備え、親機101は、通常の光通信を行うための通信用発光部102と、光軸調整用に広指向角の光を出力するサーチ用発光部103と、受光部105とを備えて構成される一方、子機104は受光部105を備えて構成される。子機104の光軸合わせを開始するため、親機101のサーチ用発光部103を点灯し、広指向角の光を用いて子機104の受光部105で受光光量が最大になるように、光軸合わせを行う。以後は、親機101及び子機104の通信用発光部102が送出するアイドル光を用いて光軸を調整する。
図2は、上記特許文献1に記載された従来技術に係る光無線通信システムの動作例を示すブロック図である。図2において、親機101が子機104と通信している中で、親機101が子機104と通信を中断し、子機104と同様の構成である別の子機201と通信を開始したい場合、親機101は子機201と図1の説明で示した同様の光軸調整を行うことで通信が可能となる。
特開平9−107330号公報。
しかしながら、上記従来技術の構成では、親機101が、その通信相手を子機104から子機201に切り換える際に、親機101は子機201とあらためて光軸合わせを行う必要が生じる、という課題を有していた。
本発明の目的は上記従来の課題を解決し、通信方向設定を必要とする無線通信システムにおいて、1つの無線通信装置が通信相手を切り換える際に、新たに通信方向設定を必要としない無線通信システムを提供し、ならびにそのような無線通信システムを構成する無線通信装置及び無線中継装置を提供することにある。
従来技術の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る無線中継装置は、少なくとも2つの無線通信装置と通信する無線中継装置において、
複数のアンテナと、
上記複数のアンテナのいずれか1つで受信された通信信号を上記複数のアンテナのいずれか1つに転送して送信するスイッチング手段と、
上記各アンテナの識別子に対して、当該アンテナの識別子によって特定されるアンテナを用いて通信可能な1つの無線通信装置の識別子を対応させる関係を含む対応表を格納した対応表格納手段と、
上記対応表に基づいて上記スイッチング手段による上記通信信号の転送を制御する無線中継装置制御手段とを備え、
上記無線中継装置制御手段は、上記複数のアンテナのうちのいずれか1つで通信信号を受信したとき、上記対応表において上記受信された通信信号の宛先の無線通信装置の識別子に対応するアンテナの識別子を取得し、上記取得されたアンテナの識別子によって特定されるアンテナに上記受信された通信信号を転送して送信するように上記スイッチング手段を制御することを特徴とする。
上記無線中継装置は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の通信を中継する場合において、
上記第1の無線通信装置から送信された上記第2の無線通信装置への通信信号を受信したとき、上記第2の無線通信装置に代わって上記第1の無線通信装置に通信応答信号を送信し、
上記第2の無線通信装置から送信された上記第1の無線通信装置への通信信号を受信したとき、上記第1の無線通信装置に代わって上記第2の無線通信装置に通信応答信号を送信することを特徴とする。
上記無線中継装置において、上記無線中継装置制御手段はさらに、
上記複数のアンテナのうちのいずれか1つによりある無線通信装置からの通信信号を受信したとき、当該通信信号を受信したアンテナの識別子に対して、当該通信信号の発信元の無線通信装置の識別子を対応させる関係を追加するように上記対応表を更新し、
上記複数のアンテナのうちのいずれか1つによりある無線通信装置を宛先とする通信信号を受信し、上記対応表において上記受信された通信信号の宛先の無線通信装置の識別子に対応するアンテナの識別子によって特定されるアンテナに上記受信された通信信号を転送して送信し、所定時間期間内に、上記送信した通信信号に対する通信応答信号を上記宛先の無線通信装置から受信しなかったとき、上記通信信号を送信したアンテナの識別子に対応する上記無線通信装置の識別子を上記対応表から削除することを特徴とする。
また、上記無線中継装置において、上記無線中継装置制御手段はさらに、上記対応表においてある無線通信装置の識別子を選択し、上記対応表において上記選択された無線通信装置の識別子に対応するアンテナの識別子を取得し、モニタリング信号を生成し、上記取得されたアンテナの識別子によって特定されるアンテナから上記生成されたモニタリング信号を送信し、所定時間期間内に、上記送信したモニタリング信号に対するモニタリング応答信号を上記選択された無線通信装置の識別子によって特定される無線通信装置から受信しなかったとき、上記選択された無線通信装置の識別子を上記対応表から削除することを特徴とする。
さらに、上記無線中継装置はさらに、受信した通信信号を格納する通信信号格納手段を備え、
上記無線中継装置制御手段はさらに、所定時間期間内に、上記送信した通信信号に対する通信応答信号を上記宛先の無線通信装置から受信しなかったとき、上記対応表において対応する無線通信装置の識別子を持たないアンテナの識別子によって特定されるアンテナに、上記受信されて上記通信信号格納手段に格納された通信信号を転送して再送信するように上記スイッチング手段を制御することを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る無線通信システムは、本発明の第1の態様に係る無線中継装置と、少なくとも1つの無線通信装置とを備えた無線通信システムであって、
上記無線中継装置は、
上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第1のアンテナセットと、
上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第1のアンテナ選択手段と、
上記第1のアンテナ選択手段が上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記無線通信装置から送信される通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記通信信号の発信元の無線通信装置に送信するフィードバック送信手段とをさらに備え、
上記無線中継装置制御手段はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記通信信号の発信元の無線通信装置から送信される通信信号を受信するように上記第1のアンテナ選択手段を制御し、
上記少なくとも1つの無線通信装置は、
複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第2のアンテナセットと、
上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第2のアンテナ選択手段と、
上記無線中継装置から送信されたフィードバック信号を受信するフィードバック受信手段と、
上記第2のアンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
上記無線通信装置制御手段はさらに、上記第2のアンテナ選択手段により上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線中継装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されるように上記第2のアンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線通信システムにおいて、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記第1のアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線中継装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線通信システムにおいて、上記無線中継装置は、上記無線通信装置から上記通信信号を受信したときに上記第1のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第1のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線中継装置制御手段は、上記無線通信装置から新たに通信信号を受信するとき、上記第1のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第1のアンテナ選択手段により上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換え、
上記無線通信装置は、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されたときに上記第2のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第2のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線通信装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線中継装置に送信するとき、上記第2のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第2のアンテナ選択手段により上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線通信システムにおいて、
上記各第1のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第1のアンテナ対を含み、
上記第1のアンテナ選択手段は、上記各第1のアンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択し、
上記各第2のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第2のアンテナ対を含み、
上記第2のアンテナ選択手段は、上記各第2のアンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信システムにおいて、
上記各第1のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複せず、
上記各第2のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る無線通信システムは、本発明の第1の態様に係る無線中継装置と、少なくとも1つの無線通信装置とを備えた無線通信システムであって、
上記無線中継装置は、
上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第1のアンテナセットと、
上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第1のアンテナ選択手段と、
上記第1のアンテナ選択手段が上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択したアンテナにより送信した通信信号に関する上記無線通信装置における受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線通信装置から受信するフィードバック受信手段とをさらに備え、
上記無線中継装置制御手段はさらに、上記第1のアンテナ選択手段により上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線通信装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されるように上記第1のアンテナ選択手段を制御し、
上記少なくとも1つの無線通信装置は、
複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第2のアンテナセットと、
上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第2のアンテナ選択手段と、
上記第2のアンテナ選択手段が上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記無線中継装置から送信された通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線中継装置に送信するフィードバック送信手段と、
上記第2のアンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
上記無線通信装置制御手段はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記無線中継装置から送信される通信信号を受信するように上記第2のアンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線通信システムにおいて、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記第2のアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線通信装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線通信システムにおいて、
上記無線中継装置は、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されたときに上記第1のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第1のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線中継装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線通信装置に送信するとき、上記第1のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第1のアンテナ選択手段により上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換え、
上記無線通信装置は、上記無線中継装置から上記通信信号を受信したときに上記第2のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第2のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線通信装置制御手段は、上記無線中継装置から新たに通信信号を受信するとき、上記第2のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第2のアンテナ選択手段により上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線通信システムにおいて、
上記各第1のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第1のアンテナ対を含み、
上記第1のアンテナ選択手段は、上記各第1のアンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択し、
上記各第2のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第2のアンテナ対を含み、
上記第2のアンテナ選択手段は、上記各第2のアンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信システムにおいて、
上記各第1のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複せず、
上記各第2のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第4の態様に係る無線中継装置は、本発明の第1の態様に係る無線中継装置において、
上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、ある無線通信装置から送信される通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記通信信号の発信元の無線通信装置に送信するフィードバック送信手段とをさらに備え、
上記無線中継装置制御手段はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記通信信号の発信元の無線通信装置から送信される通信信号を受信するように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線中継装置において、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記アンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線中継装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線中継装置は、上記無線通信装置から上記通信信号を受信したときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線中継装置制御手段は、上記無線通信装置から新たに通信信号を受信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線中継装置において、上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線中継装置の上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第5の態様に係る無線中継装置は、本発明の第1の態様に係る無線中継装置において、
上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択したアンテナにより送信した通信信号に関するある無線通信装置における受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線通信装置から受信するフィードバック受信手段とをさらに備え、
上記無線中継装置制御手段はさらに、上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線通信装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されるように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線中継装置において、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記無線通信装置が備えたアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線通信装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線中継装置は、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されたときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線中継装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線通信装置に送信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線中継装置において、
上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線中継装置の上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第6の態様に係る無線通信装置は、本発明の第1の態様に係る無線中継装置と通信する無線通信装置であって、
複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択したアンテナにより送信した通信信号に関する上記無線中継装置における受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線中継装置から受信するフィードバック受信手段と、
上記アンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
上記無線通信装置制御手段はさらに、上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線中継装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されるように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線通信装置において、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記無線中継装置が備えたアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線中継装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線通信装置は、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されたときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線通信装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線中継装置に送信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線通信装置において、
上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信装置においては、上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の第7の態様に係る無線通信装置は、本発明の第1の態様に係る無線中継装置と通信する無線通信装置であって、
複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記無線中継装置から送信された通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線中継装置に送信するフィードバック送信手段と、
上記アンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
上記無線通信装置制御手段はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記無線中継装置から送信される通信信号を受信するように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする。
上記無線通信装置において、上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記アンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線通信装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、上記無線通信装置は、上記無線中継装置から上記通信信号を受信したときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
上記無線通信装置制御手段は、上記無線中継装置から新たに通信信号を受信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする。
さらに、上記無線通信装置において、
上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信装置においては、上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする。
本発明の無線通信システムによれば、無線通信装置と無線中継装置は自動的に通信方向設定が可能となり、また、無線通信装置は無線中継装置を介して通信することで、異なる通信相手と通信する場合においても直接の通信相手は無線中継装置と変わりないので、無線通信装置が通信相手を切り換えても、新たに通信方向設定を必要とせず、ユ−ザの利便性が高まる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態.
図3は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムのブロック図である。この無線通信システムは、無線通信装置301,303,309と、これらの無線通信装置301,303,309間の通信を中継する無線中継装置302とを備えて構成される。無線通信装置301,303,309及び無線中継装置302は、例えばミリ波などの直進性の高い電磁波を無線媒体として使用するものとする。ここで、無線通信装置301はアンテナ312を備えるとともに、固有の識別子M−Aを有し、無線通信装置303はアンテナ313を備えるとともに、固有の識別子M−Bを有し、無線通信装置309はアンテナ314を備えるとともに、固有の識別子M−Cを有するものとする。無線通信装置301,303,309の識別子は、例えばMACアドレスなどを使用することができる。無線中継装置302は、複数の送信アンテナ306,308及び311と、複数の受信アンテナ305,307及び310とを備えて構成される。送信アンテナ306と受信アンテナ305とは、所定の方位角を向くように互いに近接して設けられ、ある無線通信装置と通信するためのアンテナポートとして使用され、同様に、送信アンテナ308と受信アンテナ307とは、所定の方位角を向くように互いに近接して設けられ、ある無線通信装置と通信するためのアンテナポートとして使用され、また、送信アンテナ311と受信アンテナ310とは、所定の方位角を向くように互いに近接して設けられ、ある無線通信装置と通信するためのアンテナポートとして使用される。また、アンテナ305,306にはアンテナポートの識別子ANT−Aが割り当てられ、アンテナ307,308にはアンテナポートの識別子ANT−Bが割り当てられ、アンテナ310,311にはアンテナポートの識別子ANT−Cが割り当てられる。無線中継装置302はさらに、各アンテナポートの識別子と、これらの各アンテナポートを用いて通信可能な1つの無線通信装置の識別子とを1対1に対応させた関係を含む対応表(テーブル)を格納した対応表メモリ304を備えている。
無線中継装置302は、詳細後述するように、無線通信装置301,303及び309間の通信を中継する。ここで、例えば、識別子M−Aを持つ無線通信装置301が無線中継装置302を介して識別子M−Bを持つ無線通信装置303と通信を行う場合、無線中継装置302は対応表メモリ304を参照して中継のための処理を実行し、例えば、無線通信装置303に代わって無線通信装置301に通信応答信号(例えば、確認応答(ACK)信号又は否定応答(NACK)信号)を送信したり、無線通信装置301に代わって無線通信装置303に通信応答信号を送信したりする。
対応表メモリ304は、詳しくは、無線中継装置302が無線通信装置301と通信するときに使用されるアンテナポートを特定するために、無線通信装置301の識別子M−Aを、アンテナ305,306に係るアンテナポートの識別子ANT−Aに対応づける関係を格納している。同様に、対応表メモリ304は、無線中継装置302が無線通信装置303と通信するときに使用されるアンテナポートを特定するために、無線通信装置303の識別子M−Bを、アンテナ307,308に係るアンテナポートの識別子ANT−Bに対応づける関係を格納し、また、無線中継装置302が無線通信装置309と通信するときに使用されるアンテナポートを特定するために、無線通信装置309の識別子M−Cを、アンテナ310,311に係るアンテナポートの識別子ANT−Cに対応づける関係を格納している。
無線通信装置301が無線通信装置309と通信する場合、あるいは、無線通信装置303が無線通信装置309と通信する場合も同様に、通信は無線中継装置302を介して実行され、無線中継装置302は対応表メモリ304を参照して中継のための処理を実行する。
例えば、無線通信装置301から無線通信装置303へデータを伝送する場合、無線中継装置302は、無線通信装置301からのデータパケットをアンテナ305で受信すると、受信したデータパケットの宛先である無線通信装置303の識別子M−Bを対応表メモリ304で参照し、識別子M−Bに対応するアンテナポートの識別子ANT−Bに関連付けられた送信アンテナ308へ受信したデータパケットを送り、送信アンテナ308を介してデータパケットを無線通信装置303に送信する。無線中継装置302は、同様の処理を行うことにより、無線通信装置301から伝送されたデータパケットを無線通信装置309に中継することができ、無線通信装置303から伝送されたデータパケットを無線通信装置301あるいは無線通信装置309のいずれにも中継することができ、無線通信装置309から伝送されたデータパケットを無線通信装置301あるいは無線通信装置303のいずれにも中継することができる。
図4は、図3の無線中継装置302の詳細構成を示すブロック図である。図4において、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図4を参照すると、無線中継装置302において、各受信アンテナ305,307,310は、無線受信回路(以下、「受信回路」という。)401,409,414を介してメモリ402,410,415の入力側端子にそれぞれ接続され、メモリ402,410,415の出力側端子は、スイッチング回路406及び無線送信回路(以下、「送信回路」という。)418,408,413を介して送信アンテナ306,308,311に接続されている。無線中継装置302はさらに、対応表メモリ304と、メモリ402,410,415をそれぞれ制御するメモリ制御回路403,411,416と、スイッチング回路406の切り換えを制御するスイッチング制御回路405と、タイマ回路420と、これらの構成要素を制御する無線中継装置制御回路404とを備えて構成される。
図4において、データパケットが受信アンテナ305により受信されたとき、受信されたデータパケットは受信回路401に入力され、受信回路401はデータパケットに対して増幅処理や検波処理などを実行し、処理後のデータパケットをメモリ402に一時保存する。次いでメモリ制御回路403は、メモリ402に保存されたデータパケットから、当該データパケットの宛先となる無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送る。同様に、データパケットが受信アンテナ307により受信されたとき、受信されたデータパケットは受信回路409に入力され、受信回路409はデータパケットに対して増幅処理や検波処理などを実行し、処理後のデータパケットをメモリ410に一時保存する。次いでメモリ制御回路411は、メモリ410に保存されたデータパケットから、当該データパケットの宛先となる無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送る。データパケットが受信アンテナ310により受信されたとき、受信されたデータパケットは受信回路414に入力され、受信回路414はデータパケットに対して増幅処理や検波処理などを実行し、処理後のデータパケットをメモリ415に一時保存する。次いでメモリ制御回路416は、メモリ415に保存されたデータパケットから、当該データパケットの宛先となる無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送る。
無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路403,411,416から送られた宛先の無線通信装置の識別子に基づいて対応表メモリ304を参照し、対応するアンテナポートの識別子を取得する。無線中継装置制御回路404は、取得したアンテナポートの識別子をスイッチング制御回路405へ送り、スイッチング制御回路405は、無線中継装置制御回路404から送られたアンテナポートの識別子に基づいて、スイッチング回路406の対応するスイッチのみをオンにするようにスイッチング回路406を制御する。
スイッチング回路406は図4に示したようにスイッチSW1−SW9を備えて構成される。データパケットを中継するときには、スイッチング制御回路405は、スイッチSW2又はSW3をオンにすることにより、メモリ402に一時格納されたデータパケットを送信回路408又は413に転送するように接続し、スイッチSW4又はSW6をオンにすることにより、メモリ410に一時格納されたデータパケットを送信回路418又は413に転送するように接続し、スイッチSW7又はSW8をオンにすることにより、メモリ415に一時格納されたデータパケットを送信回路418又は408に転送するように接続する。また、中継されるデータパケットではなく、無線中継装置302を発信元とするパケットを無線通信装置301,303,309へ送信する必要があるときには、スイッチング制御回路405は、スイッチSW1,SW5,SW9のいずれかをオンにすることにより、無線中継装置制御回路404によって生成されたパケットを送信回路418,408,413のいずれかに転送するように接続する。ここで、無線中継装置302を発信元とするパケットを無線通信装置301,303,309へ送信する必要がある場合は、例えば、詳細後述するように、中継すべきデータパケットを宛先の無線通信装置に送信してもACKパケットが返信されないとき(すなわちデータパケットの中継に失敗したとき)、ならびに、対応表メモリ304の保守及び更新のために無線中継装置302の周囲の無線通信装置をモニタリングするときなどを含む。
無線中継装置制御回路404は、スイッチング制御回路405にスイッチング回路406の接続を切り換えさせるとともに、メモリ402に一時保存されたデータパケットをスイッチング回路406を介して送信回路408又は413へ転送するように、メモリ制御回路403にメモリ402を制御させ、同様に、メモリ410に一時保存されたデータパケットをスイッチング回路406を介して送信回路418又は413へ転送するように、メモリ制御回路411にメモリ410を制御させ、メモリ415に一時保存されたデータパケットをスイッチング回路406を介して送信回路418又は408へ転送するように、メモリ制御回路416にメモリ415を制御させる。
送信回路418は、スイッチング回路406から転送されたデータパケットに対して増幅処理などを実行し、処理後のデータパケットを送信アンテナ306を介して送信する。同様に、送信回路408は、スイッチング回路406から転送されたデータパケットに対して増幅処理などを実行し、処理後のデータパケットを送信アンテナ308を介して送信する。また、送信回路413は、スイッチング回路406から転送されたデータパケットに対して増幅処理などを実行し、処理後のデータパケットを送信アンテナ311を介して送信する。
本実施形態において、対応表メモリ304には、無線中継装置302と通信可能な無線通信装置の識別子が登録されているが、無線中継装置302は、この登録情報を以下のように更新する。
対応表メモリ304は、その初期状態では、各アンテナポートの識別子ANT−A,ANT−B,ANT−Cに対応する無線通信装置の識別子の情報を持たない空き状態にある。対応表メモリ304が空き状態にあるとき、無線中継装置302のユーザによって適当な無線通信装置の識別子が入力されてもよく、それに代わって、後述するように、無線中継装置302においてパケットを受信したときに、そのパケットの発信元の無線通信装置の識別子に基づいて無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304を更新してもよく、あるいは、無線中継装置302の周囲の無線通信装置をモニタリングすることによって無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304を更新してもよい。一方、対応表メモリ304にいくつかの無線通信装置の識別子が格納されているとき、無線中継装置制御回路404は、パケットを受信したときに、そのパケットの発信元の無線通信装置の識別子に基づいて対応表メモリ304を更新してもよく、あるいは、無線中継装置302の周囲の無線通信装置をモニタリングすることによって対応表メモリ304を更新してもよい。
無線中継装置302の無線中継装置制御回路404は、無線通信装置301,303,309からパケットを受信したときに、このパケットに基づいて対応表メモリ304を更新する。無線中継装置302の無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において所定のアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子が登録されていない状況において、無線通信装置301,303,309のいずれかから受信したデータパケットに基づいて、対応表メモリ304の登録情報を以下のように更新する。例えば、受信アンテナ305を介してデータパケットが受信されたとき、メモリ制御回路403は、受信されてメモリ402に格納されたデータパケットからその発信元の無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送り、無線中継装置制御回路404は、この抽出された識別子を、アンテナ305に関するアンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に登録する。同様に、受信アンテナ307を介してデータパケットが受信されたとき、メモリ制御回路411は、受信されてメモリ410に格納されたデータパケットからその発信元の無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404に送り、無線中継装置制御回路404は、この抽出された識別子を、アンテナ307に関するアンテナポートの識別子ANT−Bに対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に登録する。また、受信アンテナ310を介してデータパケットが受信されたとき、メモリ制御回路416は、受信されてメモリ415に格納されたデータパケットからその発信元の無線通信装置の識別子を抽出し、無線中継装置制御回路404は、この抽出された識別子を、アンテナ310に関するアンテナポートの識別子ANT−Cに対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に登録する。
本実施形態の無線中継装置302の構成によれば、前述のように、受信アンテナ305及び送信アンテナ306と、受信アンテナ307及び送信アンテナ308と、受信アンテナ310及び送信アンテナ311とは、それぞれ1対のものである。
無線中継装置302は、無線通信装置301から送信された信号を例えば受信アンテナ305で受信した場合、無線通信装置301に信号を送信する際には送信アンテナ306を使用する。そのため、対応表メモリ304において、無線通信装置301の識別子M−Aは、受信アンテナ305及び送信アンテナ306に関するアンテナポートの識別子ANT−Aに対応づけられるように登録される。同様に、図3に示す無線通信システムの構成の場合、対応表メモリ304において、無線通信装置303の識別子M−Bはアンテナポートの識別子ANT−Bに対応づけられるように登録され、また、無線通信装置309の識別子M−Cはアンテナポートの識別子ANT−Cに対応づけられるように登録されている。
無線中継装置302の無線中継装置制御回路404は、無線通信装置301,303,309からパケットを受信したときではなく、逆に無線通信装置301,303,309へパケットを送信したときに、当該無線通信装置が通信可能状態にあるのか、それとも通信不可状態にあるのかを検出し、この検出結果に基づいて対応表メモリ304を更新してもよい。詳しくは、無線中継装置制御回路404は、送信アンテナ306,308,311のうちのいずれかからデータパケットを送信するとともに、タイマ回路420でのカウントを開始させ、受信アンテナ305,307,310のうちで、データパケットを送信した送信アンテナと対になる受信アンテナにより、送信したデータパケットに対するACKパケットが受信されることを待機する。所定のタイムアウト時間内にACKパケットが受信されたときは、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において、そのACKパケットの発信元の無線通信装置の識別子を、使用した送信アンテナ及び受信アンテナに関するアンテナポートの識別子に対応づけるように格納する。一方、タイムアウト時間内にACKパケットが受信されないとき、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において、使用した送信アンテナ及び受信アンテナに関するアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子が空白となるように、対応表メモリ304を更新する。
従って、例えばアンテナ305,306に関するアンテナポートの識別子ANT−Aについて対応表メモリ304を更新する場合には、無線中継装置制御回路404は、送信アンテナ306からデータパケットを送信するとともに、タイマ回路420でのカウントを開始させ、送信アンテナ306と対になる受信アンテナ305により、送信したデータパケットに対するACKパケットが受信されることを待機する。所定のタイムアウト時間内に受信アンテナ305によりACKパケットが受信されたときは、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において、そのACKパケットの発信元の無線通信装置の識別子を、アンテナ305,306に関するアンテナポートの識別子ANT−Aに対応づけるように格納する。一方、タイムアウト時間内に受信アンテナ305によりACKパケットが受信されないとき、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304においてアンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子が空白となるように、対応表メモリ304を更新する。アンテナ307,308に関するアンテナポートの識別子ANT−Bと、アンテナ310,311に関するアンテナポートの識別子ANT−Cとについて対応表メモリ304を更新する場合においても、同様に処理される。
また、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304の内容を保守するために、例えば、選択された所定のアンテナポートの受信アンテナに接続された受信回路が受信処理を行っていない期間、あるいは選択されたアンテナポートの送信アンテナに接続された送信回路が送信処理を行っていない期間、あるいは無線中継装置制御回路404からスイッチング制御回路405に選択されたアンテナポートの識別子が送られていない期間において、スイッチング回路406のスイッチSW1,SW5,SW9のうちで上記選択されたアンテナポートの送信アンテナに接続するためのスイッチをオンにするようにスイッチング制御回路405により制御し、無線中継装置302のアドレスを発信元アドレスとして有し、かつ所定の無線通信装置の識別子を宛先アドレスとして有するデータパケットを送信する。ここで、送信されるデータパケットの宛先アドレスとしては、対応表メモリ304において選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子を用いることができる。データパケットを送信すると同時に、無線中継装置制御回路404はタイマ回路420のカウントをスタートさせる。無線中継装置制御回路404は、タイマ回路420においてタイムアウト時間が経過する前に、無線中継装置302のアドレスを宛先アドレスとして有する通信応答信号が無線通信装置301から受信されたとき、対応表メモリ304における、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子によって特定される無線通信装置が通信可であると判断する。一方、タイマ回路420においてタイムアウト時間が経過する前に無線通信装置からの通信応答信号を受信しない場合、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304における、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子によって特定される無線通信装置が通信不可であると判断し、対応表メモリ304において、アンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子を削除する。
従って、例えばアンテナポートの識別子ANT−Aについて対応表メモリ304の内容を保守する場合には、受信アンテナ305に接続された受信回路401が受信処理を行っていない期間、あるいは送信アンテナ306に接続された送信回路418が送信処理を行っていない期間、あるいは無線中継装置制御回路404からスイッチング制御回路405にアンテナポートの識別子ANT−Aが送られていない期間において、スイッチング回路406のスイッチSW1をオンにするようにスイッチング制御回路405により制御し、無線中継装置302のアドレスを発信元アドレスとして有し、かつ所定の無線通信装置の識別子を宛先アドレスとして有するデータパケットを、送信回路418及び送信アンテナ306を介して送信する。ここで、送信されるデータパケットの宛先アドレスとしては、対応表メモリ304において、アンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置301の識別子M−Aを用いることができる。データパケットを送信すると同時に、無線中継装置制御回路404はタイマ回路420のカウントをスタートさせる。無線中継装置制御回路404は、タイマ回路420においてタイムアウト時間が経過する前に、無線中継装置302のアドレスを宛先アドレスとして有する通信応答信号が無線通信装置301から受信されたとき、対応表メモリ304における、アンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子M−Aによって特定される無線通信装置301が通信可であると判断する。一方、タイマ回路420においてタイムアウト時間が経過する前に無線通信装置301からの通信応答信号を受信しない場合、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304における、アンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子M−Aによって特定される無線通信装置301が通信不可であると判断し、対応表メモリ304において、アンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子M−Aを削除する。
アンテナポートの識別子ANT−Bと、アンテナポートの識別子ANT−Cとについて対応表メモリ304の内容を保守する場合においても、同様に処理される。
以上説明した対応表メモリ304の更新の実施例について、図5A及び図5Bを参照して説明する。図5Aは、図3の無線通信システムにおいて実行されるパケット中継動作の第1の実施例を示し、図5Bは、図3の無線通信システムにおいて実行されるパケット中継動作の第2の実施例を示すシーケンス図である。これらの実施例の動作は、中継すべきパケットを無線通信装置301,303,309のいずれかから受信したときに、対応表メモリ304を更新するものである。図5Aを参照すると、無線中継装置302が無線通信装置301によって送信された無線通信装置303宛てのパケットP1をいずれかの受信アンテナを介して受信したとき、無線中継装置302は、受信したパケットP1からその発信元の無線通信装置301の識別子M−Aを抽出し、この抽出された識別子M−Aを、受信アンテナに関するアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として格納するように対応表メモリ304を更新する。無線中継装置302は、その後、宛先の無線通信装置303に代わってACKパケットP2を無線通信装置301に返信し、次いで中継すべきパケットP3を宛先の無線通信装置303に送信する。
無線中継装置302から無線通信装置301へACKパケットを送信するのは、宛先の無線通信装置303からのACKパケットを受信した後であってもよい。図5Bを参照すると、無線中継装置302が無線通信装置301によって送信された無線通信装置303宛てのパケットP11をいずれかの受信アンテナを介して受信したとき、無線中継装置302は、受信したパケットP1からその発信元の無線通信装置301の識別子M−Aを抽出し、この抽出された識別子M−Aを、受信アンテナに関するアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として格納するように対応表メモリ304を更新する。無線中継装置302は、次いで、中継すべきパケットP12を宛先の無線通信装置303に送信し、無線通信装置303からACKパケットP13を受信した後、宛先の無線通信装置303に代わってACKパケットP14を無線通信装置301に返信することにより、宛先の無線通信装置303からのACKパケットを中継する。
以下、データパケットを中継する際に実行される対応表メモリ304の更新について、図7乃至図9を参照して詳細に説明する。図7及び図8は、無線中継装置制御回路404によって実行されるパケット中継処理を示すフローチャートである。図7のステップS1において、無線中継装置302が受信アンテナ305,307,310のいずれかによりパケットを受信した場合には、ステップS2において対応するメモリ402,410,416にパケットを格納し、そうでない場合にはステップS1を繰り返して待機する。無線中継装置制御回路404は、メモリ402,410,416のいずれかにパケットが格納されたことをメモリ制御回路403,411,416により検出すると、ステップS3の発信元アドレス抽出処理を実行する。
図9は、図7のサブルーチンである発信元アドレス抽出処理(ステップS3)を示すフローチャートである。ステップS3は、対応表メモリ304の内容を更新するための処理である。図9のステップS21において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において、パケットを受信したアンテナ(すなわちパケットを格納したメモリに対応する受信アンテナ)に関するアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子が格納されているか否かを判断し、YESのときは、対応表メモリ304の内容を上書き更新すべきか否かを決定するためにステップS23に進み、NOのときはステップS22に進む。ステップS22では、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路によりメモリ内のパケットから発信元MACアドレス(すなわち発信元の無線通信装置の識別子)を抽出し、抽出された識別子を対応表メモリ304に格納して、図7のステップS4に進む。ステップS23では、無線中継装置制御回路404は、ステップS21において対応表メモリ304内に発見された無線通信装置の識別子によって特定される無線通信装置と現在通信可能であるか否かを判断する。ここで、現在通信可能であるか否かについては、各無線通信装置との通信の終了時刻を所定のメモリ(図示せず。)に保存し、該当する無線通信装置との以前の通信が終了してから所定時間が経過したか否かに基づいて判断することが可能である。又は、それに代わって、該当する無線通信装置との間で、現在通信可能であるか否かを確認するための通信を新たに実行してもよい。ステップS23がYESのときは、対応表メモリ304を更新することなくステップS4に進み、NOのときはステップS24に進む。ステップS24では、無線中継装置制御回路404は、通信不可であると判断された無線通信装置の識別子を対応表メモリ304から削除し、次いで、メモリ内のパケットから発信元の無線通信装置の識別子を抽出し、抽出された識別子を対応表メモリ304内の削除された部分に格納することによって対応表メモリ304を上書き更新して、図7のステップS4に進む。変形例として、ステップS21がNOのときは、ステップS23及びS24を実行することに代えて、対応表メモリ304を更新することなくそのままステップS4に進んでもよい。
図7のステップS4において、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路によりメモリ内のパケットから宛先MACアドレス(すなわち宛先の無線通信装置の識別子)を抽出し、ステップS5に進む。ステップS5において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304に宛先の無線通信装置の識別子が格納されているか否かを判断し、YESのときはステップS6に進み、NOのときは図8のステップS11に進む。ステップS6では、無線中継装置制御回路404は、宛先の無線通信装置に対応するアンテナを選択し、選択結果に基づいてスイッチング制御回路405にスイッチング回路406を切り換えさせる。次いでステップS7において、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路によりメモリからパケットを読み出して送信させ、それと同時にタイマ回路420のカウントをスタートさせ、ステップS8に進む。ステップS8において、無線中継装置制御回路404は、タイムアウト時間内に宛先の無線通信装置からACKパケットを受信したか否かを判断し、YESのときはステップS9に進み、NOのときはステップS10に進む。ステップS9では、無線中継装置制御回路404は、発信元の無線通信装置にACKパケットを中継し、ステップS1に戻る。ステップS10では、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304からパケットの宛先の無線通信装置の識別子を削除することにより、当該無線通信装置が通信不可状態にあることを反映させるように対応表メモリ304を更新し、図8のステップS11に進む。
図7のステップS5又はS8がNOのとき、対応表メモリ304において対応した無線通信装置の識別子を持たないアンテナポートの識別子が存在するならば、図8のステップS11乃至S18を実行することにより、宛先の無線通信装置と通信可能なアンテナポートの探索を試みる。ステップS11において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において対応する無線通信装置の識別子が格納されていないアンテナポートの識別子が存在するか否かを判断し、YESのときはステップS12に進み、NOのときはステップS18に進む。ステップS12において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304に基づいて、対応する無線通信装置が未知である送信アンテナ(すなわち、対応表メモリ304において対応した無線通信装置の識別子を持たないアンテナポートの識別子に関連付けられた送信アンテナ)を選択し、選択結果に基づいてスイッチング制御回路405にスイッチング回路406を切り換えさせ、次いでステップS13において、メモリ制御回路によりメモリからパケットを読み出して再送信させ、それと同時にタイマ回路420のカウントをスタートさせ、ステップS14に進む。ステップS14において、無線中継装置制御回路404は、タイムアウト時間内に宛先の無線通信装置からACKパケットを受信したか否かを判断し、YESのときはステップS15に進み、NOのときはステップS17に進む。ステップS15では、無線中継装置制御回路404は、発信元の無線通信装置にACKパケットを中継し、次いでステップS16において、ステップS13でパケットを送信したアンテナに関するアンテナポートの識別子にパケットの宛先の無線通信装置の識別子を対応づけるように対応表メモリ304を更新し、図7のステップS1に戻る。ステップS17において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304において対応する無線通信装置の識別子が格納されていないアンテナポートの識別子に関連付けられた送信アンテナであって、他に選択可能な送信アンテナが存在するか否かを判断し、YESのときはステップS12に戻り、NOのときはステップS18に進む。ステップS18では、無線中継装置制御回路404は、発信元の無線通信装置にNACKパケットを送信し、図7のステップS1に戻る。
次に、対応表メモリ304の更新のもう1つの実施例について、図6を参照して説明する。図6は、図3の無線通信システムにおいて実行される対応表メモリ管理動作の実施例を示すシーケンス図である。この実施例の動作は、無線中継装置302から無線通信装置301,303,309にモニタリングのためのパケットを送信し、それに対して受信されたACKパケットに基づいて対応表メモリ304を更新するものである。無線中継装置302は、無線通信装置301宛てのパケットP21を、選択されたいずれかのアンテナポートの送信アンテナにより送信し、無線通信装置301は、それに応答してACKパケットP22を無線中継装置302に返信する。無線中継装置302は、送信アンテナと対になる受信アンテナによりACKパケットP22を受信し、受信したACKパケットP22からその発信元の無線通信装置301の識別子M−Aを抽出し、この抽出された識別子M−Aを、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に格納する。同様に、無線中継装置302は、無線通信装置303宛てのパケットP23を、選択されたいずれかのアンテナポートの送信アンテナにより送信し、無線通信装置303は、それに応答してACKパケットP24を無線中継装置302に返信する。無線中継装置302は、送信アンテナと対になる受信アンテナによりACKパケットP24を受信し、受信したACKパケットP24からその発信元の無線通信装置303の識別子M−Bを抽出し、この抽出された識別子M−Bを、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に格納する。同様に、無線中継装置302は、無線通信装置309宛てのパケットP25を、選択されたいずれかのアンテナポートの送信アンテナにより送信し、無線通信装置309は、それに応答してACKパケットP26を無線中継装置302に返信する。無線中継装置302は、送信アンテナと対になる受信アンテナによりACKパケットP26を受信し、受信したACKパケットP26からその発信元の無線通信装置309の識別子M−Cを抽出し、この抽出された識別子M−Cを、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子として対応表メモリ304に格納する。ACKパケットP22,P24,P26が受信されなかったならば、無線中継装置302は、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子が空白となるように、対応表メモリ304を更新する。
図10は、無線中継装置制御回路404によって実行される対応表メモリ管理処理を示すフローチャートである。図10のステップS31において、無線中継装置制御回路404は、通信中ではないアンテナポートを選択し、スイッチング制御回路405にスイッチング回路406を切り換えさせる。次いでステップS32において、無線中継装置制御回路404は、選択されたアンテナポートの識別子を有するモニタリング信号を送信し、それと同時にタイマ回路420のカウントをスタートさせ、ステップS33に進む。ステップS33において、無線中継装置制御回路404は、送信したモニタリング信号に対するモニタリング応答信号をタイムアウト時間内に受信したか否かを判断し、YESのときはステップS34に進み、NOのときはステップS36に進む。ステップS34において、無線中継装置制御回路404は、受信したモニタリング応答信号の発信元の無線通信装置の識別子が、対応表メモリ304における、選択されたアンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子の情報と一致するか否かを判断し、YESのときは、そのままステップS38に進み、NOのとき(異なる情報が格納されているとき、又は情報が格納されていないとき)は、ステップS35において対応表メモリ304を更新して、ステップS38に進む。ステップS36において、無線中継装置制御回路404は、対応表メモリ304には、選択されたアンテナポートに対応する無線通信装置の識別子が格納されているか否かを判断し、YESのときは、ステップS37に進んで、その無線通信装置の識別子を対応表メモリ304から削除して、ステップS38に進み、NOのときは、そのままステップS38に進む。ステップS38において、無線中継装置制御回路404は、通信中ではない他のアンテナポートを選択し、スイッチング制御回路405にスイッチング回路406を切り換えさせ、ステップS32に戻る。
図10の対応表メモリ管理処理は、例えば、対応表メモリ304に登録されたアンテナポートの識別子と無線通信装置の識別子との対応が正しいか否かを確認するために、もしくは、対応表メモリ304に、対応する無線通信装置の識別子を持たないアンテナポートの識別子が存在するために実行されることが可能である。この処理は、データパケットの通信が実行されていないとき、データパケットの通信が開始されるとき、データパケットの通信が終了したとき、所定の時間周期が経過する毎、もしくは、データパケットの通信が終了してから一定時間が経過したときなどに実行されてもよい。
以上の処理によって、アンテナポートの識別子ANT−A,ANT−B,ANT−Cに対応する無線通信装置の識別子が対応表メモリ304に登録された後は、メモリ制御回路403,411,416は、受信アンテナ305,307,310でそれぞれ受信され、受信回路401,409,414によりそれぞれ受信処理されてメモリ402,410,415にそれぞれ格納されたデータパケットから、その宛先の無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404へ送り、無線中継装置制御回路404は、抽出された識別子に基づいて対応表メモリ304を参照し、宛先の無線通信装置に対応するアンテナポートの識別子をスイッチング制御回路405へ送る。また、受信したデータパケットの宛先の無線通信装置の識別子が対応表メモリ304に登録されていない場合、もしくは、図8のステップS11乃至S17を実行しても宛先の無線通信装置にパケットを中継することができない場合には、無線中継装置制御回路404はスイッチング制御回路405へ「宛先なし」を示す信号を送り、スイッチング制御回路405は、データパケットを受信した受信アンテナと対になる送信アンテナを選択するようにスイッチング回路406を制御し、次いで、無線中継装置制御回路404は、選択された送信アンテナから、通信不可であることを示す通信応答信号(NACKパケット)を送信する。
従って、例えば、アンテナ305で受信されたデータパケットの中継処理を実行する場合、メモリ制御回路403は、受信アンテナ305で受信され、受信回路401により受信処理されてメモリ402に格納されたデータパケットから、その宛先の無線通信装置の識別子を抽出して無線中継装置制御回路404へ送り、無線中継装置制御回路404は、抽出された識別子に基づいて対応表メモリ304を参照し、宛先の無線通信装置に対応するアンテナポートの識別子をスイッチング制御回路405へ送る。また、受信したデータパケットの宛先の無線通信装置の識別子が対応表メモリ304に登録されていない場合、もしくは、図8のステップS11乃至S17を実行しても宛先の無線通信装置にパケットを中継することができない場合には、無線中継装置制御回路404はスイッチング制御回路405へ「宛先なし」を示す信号を送り、スイッチング制御回路405は、受信アンテナ305と対になる送信アンテナ306を選択するようにスイッチング回路406を制御し、次いで、無線中継装置制御回路404は、スイッチング回路406、送信回路418及び送信アンテナ306を介して、通信不可であることを示す通信応答信号を送信する。アンテナ307,710で受信されたデータパケットの中継処理を実行する場合も、同様に処理される。
あるいは、前述のように、所定のアンテナポートの送信アンテナから送信したデータパケットに対する通信応答信号をタイムアウト時間内に受信せず、無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304内の上記アンテナポートの識別子に対応する無線通信装置の識別子を削除した場合、無線中継装置制御回路404は、その送信アンテナに接続された電気回路の電源をオフにさせるようにスイッチング制御回路406を制御し、これにより無線中継装置302の省電力化を図る。ここで、上記アンテナポートの受信アンテナに接続された受信回路で受信処理が行われたことを検出したとき、あるいは、無線中継装置制御回路404から上記アンテナポートの識別子がスイッチング制御回路405へ送られたとき、スイッチング制御回路405は、オフにした電気回路の電源を再びオンにするように制御する。
従って、例えば、送信アンテナ306から送信したデータパケットに対する通信応答信号をタイムアウト時間内に受信せず、無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304内のアンテナポートの識別子ANT−Aに対応する無線通信装置の識別子を削除した場合、無線中継装置制御回路404は、送信アンテナ306に接続された送信回路418及びスイッチSW1,SW4,SW7の電源をオフにさせるようにスイッチング制御回路406を制御する。ここで、受信アンテナ305に接続された受信回路401で受信処理が行われたことを検出したとき、あるいは、無線中継装置制御回路404からアンテナポートの識別子ANT−Aがスイッチング制御回路405へ送られたとき、スイッチング制御回路405は、送信アンテナ306に接続された送信回路418及びスイッチSW1,SW4,SW7の電源をオンにするように制御する。送信アンテナ308に接続された電気回路(送信回路408、ならびにスイッチSW2,SW5,SW8)と、送信アンテナ311に接続された電気回路(送信回路413、ならびにスイッチSW3,SW6,SW9)とに関する省電力化のための処理も、同様に行われる。
また、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路403,411,416のうちの複数から、データパケットの宛先の無線通信装置の識別子を対応表メモリ304に参照するリクエストがあった場合、無線中継装置制御回路404は、これらの複数のリクエストを逐次に処理してもよく、もしくは並列に処理してもよい。逐次に処理する場合には、無線中継装置制御回路404は、先に、あるリクエストに対して対応表メモリ304を参照し、対応するアンテナポートの識別子あるいは「宛先なし」を示す信号をスイッチング制御回路405へ送ってから、次のリクエストに対して対応表メモリ304を参照する。並列に処理する場合には、無線中継装置制御回路404は、あるリクエストに対して対応表メモリ304を参照し、対応するアンテナポートの識別子あるいは「宛先なし」を示す信号をスイッチング制御回路405へ送ると同時に、次のリクエストに対して対応表メモリ304を参照する。
第1の実施形態の変形例.
本実施形態において、無線中継装置302は、通信する際に対応表メモリ304を参照するように構成したが、メモリ制御回路403,411,416、あるいは無線中継装置制御回路404に予備メモリを備え、対応表メモリ304に格納された無線通信装置の識別子とアンテナポートの識別子との対応内容のコピーを保存してもよい。この場合、ある無線通信装置からデータパケットを受信した際、初めに予備メモリを参照してそのデータパケットの宛先に対応するアンテナを探し、予備メモリに宛先が登録されていない場合に対応表メモリ304を参照するように構成してもよい。
また、無線中継装置302と通信する無線通信装置は、無線通信装置301と無線通信装置303と無線通信装置309であるとしたが、1台又は2台の無線通信装置、あるいは4台以上の無線通信装置であってもよい。
また、無線中継装置302は、無線通信装置301と通信するために受信アンテナ305と送信アンテナ306との2つのアンテナを備えるとしたが、これらに代えて、送信と受信を兼用する1つのアンテナを備えてもよい。同様に、無線通信装置303と通信するために、受信アンテナ307及び送信アンテナ308に代えて、送信と受信を兼用する1つのアンテナを備えてもよく、無線通信装置309と通信するために、受信アンテナ310及び送信アンテナ311に代えて、送信と受信を兼用する1つのアンテナを備えてもよい。
無線通信装置301、303及び309のアンテナと、無線中継装置302のアンテナとは、外付け型のアンテナであっても、それらの装置に内蔵される型のアンテナであってもよい。
また、無線中継装置制御回路404は、メモリ制御回路403で抽出した宛先の無線通信装置の識別子に基づいて対応表メモリ304を参照し、得られたアンテナポートの識別子をスイッチング制御回路405へ送るとしたが、アンテナポートの識別子を無線中継装置制御回路404を介さずに直接にスイッチング制御回路405へ送るとしてもよい。
また、スイッチング制御回路405はアンテナポートの識別子に基づいてスイッチング回路406における1つのスイッチSWをオンにする制御を行うとしたが、送信回路418、408あるいは413のいずれかが送信処理を完了するとスイッチング回路406のすべてのスイッチSW1−SW9がオフになるとしてもよい。あるいは、送信回路418が送信処理を完了すると、送信回路418に接続されたスイッチSW1,SW4,SW7のみがオフになる、あるいは、送信回路408が送信処理を完了すると、送信回路408に接続されたスイッチSW2,SW5,SW8のみがオフになる、あるいは、送信回路413が送信処理を完了すると、送信回路413に接続されたスイッチSW3,SW6,SW9のみがオフになるように構成してもよい。
また、受信回路401とメモリ402が別であるとしたが、メモリ402と受信回路401が一体的であってもよい。また、受信回路409とメモリ410が別であるとしたが、メモリ410と受信回路409が一体的であってもよい。また、受信回路414とメモリ415が別であるとしたが、メモリ415と受信回路414が一体的であってもよい。また、メモリ制御回路403,411,416が無線中継装置制御回路404と別であるとしたが、メモリ制御回路403及び/又は411及び/又は416と無線中継装置制御回路404とが一体的であってもよい。また、タイマ回路420と無線中継装置制御回路404が別であるとしたが、タイマ回路420と無線中継装置制御回路404が一体的であってもよい。さらに、スイッチング制御回路405は、無線中継装置制御回路404と一体的に構成されてもよい。
また、送信したデータパケットに対する通信応答信号をタイムアウト時間内に受信しなかったとき、無線中継装置制御回路404が対応表メモリ304の該当する無線通信装置の識別子を削除するように構成したが、無線中継装置制御回路404以外の構成要素により、対応表メモリ304の該当する無線通信装置の識別子を削除してもよい。また、送信したデータパケットに対する通信応答信号をタイムアウト時間内に受信せず無線中継装置制御回路404で通信不可と判断した際の、スイッチング回路406や送信回路418,408,413の電源制御をスイッチング制御回路405で行うとしたが、スイッチング制御回路405以外の構成要素により電源制御を行ってもよい。また、1つの無線中継装置制御回路404が、複数の送信アンテナ306,308,311の通信相手が通信可であるかあるいは通信不可であるかをモニタする処理を行うとしたが、送信アンテナ毎に無線中継装置制御回路を設けてもよい。
タイマ回路420は、カウントを停止しているときにはリセットされ、かつ停止されていてもよい。ここで、カウントは、カウントをスタートしたときに送信したパケットに対するACKパケットが受信されたとき、もしくは、送信したパケットに対するACKパケットが受信されずにタイムアウト時間が経過したときなどに停止されることが可能である。
本実施形態の無線通信システムにおいて、前述のように例えばミリ波などの直進性の高い電磁波を無線媒体として使用する場合には、各アンテナポートにより通信可能な方位角は狭くなる。従って、無線中継装置302に設けるアンテナポートの数は3つに限らず、例えば8個又はそれよりも多くのアンテナポート(すなわち8対以上の送信アンテナ及び受信アンテナ)を備えるように無線中継装置302を構成してもよい。
第2の実施形態.
図11は、本発明の第2の実施形態における無線通信システムのブロック図である。図11において、図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図11において、本実施形態の無線通信システムは、無線通信装置301aと無線中継装置302aとを備えて構成される。無線通信装置301aは、複数のアンテナを含むアンテナセット、詳しくは、所定パターンの指向性を有する複数の受信アンテナ501,504及び507と、所定パターンの指向性を有する複数の送信アンテナ502,505及び508とを備え、それに加えて無指向性の送受信アンテナ510を備えて構成される。また、無線中継装置302aは、図3の無線中継装置302と同様の受信アンテナ307,310及び送信アンテナ308,311を備えたことに加えて、複数のアンテナを備えたアンテナセット、詳しくは、所定パターンの指向性を有する複数の受信アンテナ512,515,518と、所定パターンの指向性を有する複数の送信アンテナ513,516519とを備え、さらに無指向性の送受信アンテナ521を備えて構成される。
無線通信装置301a及び無線中継装置302aは、図3の無線通信装置301及び無線中継装置302と同様に互いに通信し、無線中継装置302aは、無線通信装置301aと他の無線通信装置(図示せず。)との間の通信を中継する。
本実施形態の無線通信システムは、第1の実施形態と同様にデータパケットの中継を実行することに加えて、無線通信装置301aが特定の無線通信装置(図示せず。)又は無線中継装置302aと通信するためにアンテナの対501,502と、504,505と、507,508とを切り換えて使用し、無線中継装置302aが特定の無線通信装置301aなどと通信するためにアンテナの対512,513と、515,516と、518,519とを切り換えて使用することを特徴とする。第1の実施形態では、無線中継装置302の各アンテナポートは所定の狭い方位角範囲のみをカバーするように構成されていたので、無線中継装置302が任意の方位角にある無線通信装置と通信するためには、全方位角をカバーできるように多数のアンテナポートを設ける必要があった。これに対して、第2の実施形態では、図3のアンテナ305,306のアンテナポートに代えて設けられた、複数のアンテナの対512,513と、515,516と、518,519とを備えた拡張されたアンテナポートによって、複数の方位角方向をカバーすることができる。これによれば、例えば図11を参照すると、アンテナの対515,516と、アンテナ307,308のアンテナポートとを用いることで、これらのアンテナが存在する方向に2つの無線通信装置が存在するときであっても、異なる無線チャンネルを用いてそれらの無線通信装置と同時に通信できるようになる。
複数のアンテナ512,513,515,516,518,519を含むアンテナセットは、図3のアンテナ305,306と同様に、アンテナポートの識別子ANT−Aを備えるものとする。
無線通信装置301aにおいて、受信アンテナ501と送信アンテナ502とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア503を有し、従って無線通信装置301aは、このカバレッジエリア503の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信できる。また、受信アンテナ504と送信アンテナ505とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア506を有し、従って無線通信装置301aは、このカバレッジエリア506の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図11では、無線中継装置302a)と送受信できる。また、受信アンテナ507と送信アンテナ508とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア509を有し、従って無線通信装置301aは、このカバレッジエリア509の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信できる。また、無線通信装置301aは、無指向性の受信アンテナ510のカバレッジエリア511内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図11では、無線中継装置302a)と通信できる。
さらにまた、無線中継装置302aにおいて、受信アンテナ512と送信アンテナ513とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア514を有し、従って無線中継装置302aは、このカバレッジエリア514の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図11では、無線通信装置301a)と送受信できる。また、受信アンテナ515と送信アンテナ516とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア517を有し、このカバレッジエリア517の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信できる。また、受信アンテナ518と送信アンテナ519とは、互いに重なり合う同様の指向性パターンのカバレッジエリア520を有し、このカバレッジエリア520の範囲内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信できる。また、無線中継装置302aは、無指向性の送信アンテナ521のカバレッジエリア522内に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図11では、無線通信装置301a)と通信できる。
図12は、図11の無線通信システムにおけるカバレッジエリアを詳細に示す平面図である。無線通信装置301a及び無線中継装置302aは、例えばミリ波などの直進性の高い電磁波を無線媒体として使用し、そのため、カバレッジエリア503,506,509,514,517,520は、狭い角度幅のビーム状の形状を有する。無線通信装置301a及び無線中継装置302aのそれぞれにおいて、ビーム状のカバレッジエリアは、互いに重複せず、かつ水平面内において任意の方位角をカバーするように設けられることが好ましいが、図11では、図示の簡単化のために、それぞれ3つずつのみ設けている。
無線通信装置301aと無線中継装置302aとは、カバレッジエリア506とカバレッジエリア514の重なり(すなわちカバレッジエリア523)があるので、無線通信装置301aの受信アンテナ504と送信アンテナ505を使用し、無線中継装置302aの受信アンテナ512と送信アンテナ513を使用することで無線通信装置301aと無線中継装置302aとの通信が可能である。
図13は、図11の無線通信システムにおけるアンテナの指向性を説明するためのパターン図である。図13において、指向性アンテナを備えた無線通信装置を設置位置601に設置しかつ指向性アンテナを備えた無線通信装置を設置位置603に設置したとき、設置位置601の指向性アンテナがカバレッジエリア602を有し、設置位置603の指向性アンテナがカバレッジエリア604を有するものとする。このとき、カバレッジエリア602とカバレッジエリア604の間に重複カバレッジエリア605が存在する場合、設置位置601と設置位置603にそれぞれ設置した無線通信装置間の通信が可能となる。一方、このような重なりがなければ、通信は困難となる。
かかる構成によれば、指向性パターンのカバレッジエリアがカバレッジエリア503において互いに重複するように受信アンテナ501と送信アンテナ502とを無線通信装置301aに備えることにより、無線通信装置301aはカバレッジエリア503の範囲に送受信のカバレッジエリアを有する他の無線通信装置(図示せず。)と送受信が可能となる。このように、受信アンテナ501と送信アンテナ502は1対のものである。同様に、受信アンテナ504と送信アンテナ505は1対のものであり、受信アンテナ507と送信アンテナ508は1対のものである。また、無線通信装置301aに複数の送信アンテナや複数の受信アンテナを備える目的の1つは、指向性アンテナを使用しても、無線通信装置301aに対して任意の方向に設置された他の無線通信装置(図示せず。)との通信を可能とすることである。故に、無線通信装置301aの通信可能範囲は、カバレッジエリア503とカバレッジエリア506とカバレッジエリア509を足し合わせたカバレッジエリアとなり、例えば、カバレッジエリア503とカバレッジエリア506との間に、あるいは、カバレッジエリア503とカバレッジエリア509との間に、あるいは、カバレッジエリア506とカバレッジエリア509との間に重なる部分があると、無線通信装置301aの通信可能範囲が狭くなるので、これらのカバレッジエリアになるべく重なりが生じないように各アンテナを無線通信装置301aに備えることが望ましい。無線中継装置302aに対するアンテナの設け方も同様である。
無線通信装置301aと無線中継装置302aが通信を開始するにあたり、無線通信装置301aに備えた複数の送信アンテナ502,505,508と複数の受信アンテナ501,504,507から1対のアンテナを選択し、また、無線中継装置302aに備えた複数の送信アンテナ513,516,519と複数の受信アンテナ512,515,518から1対のアンテナをそれぞれ選択する必要がある。ただし、無線中継装置302aのアンテナ521と無線通信装置301aのアンテナ510とはともに無指向性であり、かつアンテナ521のカバレッジエリア522とアンテナ510のカバレッジエリア511に重なりがあるので、無線通信装置301aと無線中継装置302aとは、これらのアンテナ510,521を用いることにより互いに通信可能である。無線通信装置301aは、その複数ある送信アンテナ502,505,508から1つを選択し、無線中継装置302aへデータパケットを送信する。無線中継装置302aは、その複数ある受信アンテナ512,515,518から1つを選択してデータパケットを受信し、選択された受信アンテナで受信できなければ、別の受信アンテナに切り換えて受信する。無線中継装置302aは、いずれの受信アンテナ512,515,518でも受信できなければ、「通信不可」の結果を示すフィードバック信号をアンテナ521を介してアンテナ510に送信する。無線通信装置301aは、アンテナ510を介して「通信不可」を示すフィードバック信号を受信すると、送信アンテナ502,505,508のうちの別の送信アンテナを選択して、無線中継装置302aへデータパケットを送信する。以上の処理を繰り返すことによって、無線通信装置301aから送信したデータパケットを無線中継装置302aが受信できるような、無線通信装置301aの送信アンテナ502,505,508のうちの1つと、無線中継装置302aの受信アンテナ512,515,518のうちの1つとの組み合わせが選択される。
無線通信装置301aにおいて1つの送信アンテナが選択されると、無線通信装置301aはそれに対となる受信アンテナを選択し、同様に、無線中継装置302aの1つの受信アンテナが選択されると、無線中継装置302aはそれに対となる送信アンテナを選択する。これにより、無線通信装置301aが無線中継装置302aとの通信に使用する送信アンテナと受信アンテナが選択され、また、無線中継装置302aが無線通信装置301aとの通信に使用する送信アンテナと受信アンテナが選択される。
図14は、図11の無線通信装置301a及び無線中継装置302aの詳細構成を示すブロック図である。図14において、図3、図4及び図11と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図14において、無線通信装置301aは、送受信する信号を管理するとともに無線通信装置301aの動作を制御する無線通信装置制御回路704を備え、無線通信装置制御回路704からの出力信号は、アンテナ制御回路701と、送信用のスイッチ703とに入力される。スイッチ703は、1つの入力側端子と3つの出力側端子a,b,cを備え、当該端子a,b,cは、それぞれ無線送信回路(以下、送信回路という。)705,706,707を介して送信アンテナ502,505,508に接続される。スイッチ703は、アンテナ制御回路701からの制御信号に応答して、その入力側端子を出力側端子a,b,cのいずれかに接続するように選択的に切り換えて、無線通信装置制御回路704からの出力信号を伝送する。また、受信アンテナ501,504,507はそれぞれ無線受信回路(以下、受信回路という。)720,721,722に接続され、各受信回路720,721,722の出力側は、受信用のスイッチ718の入力側端子a,b,cにそれぞれ接続される。スイッチ718は、アンテナ制御回路701からの制御信号に応答して、その入力側端子a,b,cのいずれかを出力側端子に接続するように選択的に切り換えて、受信信号を無線通信装置制御回路704に伝送する。さらに、アンテナ510はサーキュレータ510aを介してフィードバック送信回路717a及びフィードバック受信回路717bに接続される。フィードバック送信回路717aはさらにアンテナ制御回路701に接続され、フィードバック送信回路717a、サーキュレータ510a及びアンテナ510はともに、無線中継装置302aへのフィードバック送信のための手段として動作する(詳細後述)。フィードバック受信回路717bはさらにアンテナ制御回路701に接続され、アンテナ510、サーキュレータ510a及びフィードバック受信回路717bはともに、無線中継装置302aからのフィードバック受信のための手段として動作する(詳細後述)。アンテナ制御回路701にはさらに、メモリ702とタイマ回路708とが接続されている。
また、無線中継装置302aは、図4の受信アンテナ305及び受信回路401に代えて、受信アンテナ512,515,518と、受信回路713,715,716と、受信用のスイッチ711とを備える。受信アンテナ512,515,518はそれぞれ受信回路713,715,716に接続され、各受信回路713,715,716の出力側はそれぞれ、スイッチ711の入力側端子a,b,cに接続される。無線中継装置302aは、無線中継装置制御回路404の制御下で動作するアンテナ制御回路709をさらに備える。スイッチ711は、その出力側端子に接続されたアンテナ制御回路701からの制御信号に応答して、その入力側端子a,b,cのいずれかを出力側端子に接続するように選択的に切り換えて、受信信号をメモリ402に一時格納させる。また、無線中継装置302aは、図4の送信アンテナ306及び送信回路418に代えて、送信アンテナ513,516,519と、送信回路723,724,725と、送信用のスイッチ719とを備え、スイッチング回路406からの出力信号のうちの1つは、送信回路418に代えてスイッチ719に入力される。スイッチ719は、1つの入力側端子と3つの出力側端子a,b,cを備え、当該端子a,b,cは、それぞれ送信回路723,724,725を介して送信アンテナ513,516,519に接続される。スイッチ719は、アンテナ制御回路709からの制御信号に応答して、その入力側端子を出力側端子a,b,cのいずれかに接続するように選択的に切り換えて、スイッチング回路からの出力信号を伝送する。さらに、アンテナ制御回路709にはフィードバック送信回路714a及びフィードバック受信回路714bが接続される。フィードバック送信回路714aはさらにサーキュレータ521aを介してアンテナ521に接続され、フィードバック送信回路714a、サーキュレータ521a及びアンテナ521はともに、無線通信装置301aへのフィードバック送信のための手段として動作する(詳細後述)。フィードバック受信回路714bはさらにサーキュレータ521aを介してアンテナ521に接続され、アンテナ521、サーキュレータ521a及びフィードバック受信回路714bはともに、無線通信装置301aからのフィードバック受信のための手段として動作する(詳細後述)。アンテナ制御回路709にはさらに、メモリ710とタイマ回路712とが接続されている。
以下、無線通信装置301aと無線中継装置302aとの間で通信するときに、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで使用する1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで使用する1つの受信アンテナを決定する手順について説明する。
無線通信装置301aのメモリ702は、以前の通信時(又は無線通信装置301aが電源オフされる前)に無線中継装置302aと通信するために使用した送信アンテナ502,505,508に係る送信アンテナ情報、及び/又は受信アンテナ501,504,507に係る受信アンテナ情報を格納する。以前に無線中継装置302aと通信していなければ、メモリ702は所定の初期値を格納する。無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、無線通信装置301aの電源をオンにしたとき、あるいは、無線通信装置301aが無線中継装置302aとの通信切断を検出したときに、以前に電源をオンにした際に無線中継装置302aと通信するために使用した送信アンテナに係る送信アンテナ情報をメモリ702から読み出し、あるいは、以前に電源をオンにした際に無線中継装置302aと通信していなければ初期値をメモリ702から読み出して、送信アンテナ502,505,508のいずれかを選択するようにスイッチ703の制御を行う。例えば、送信アンテナ502を選択した場合、送信回路705は、それに固有の送信処理の一部として、あるいは、無線通信装置301aを制御する無線通信装置制御回路704からの制御に従って、無線通信装置301aの識別子を発信元アドレスとして有し、かつ無線中継装置302aの識別子を宛先アドレスとして有するデータパケットを、送信アンテナ502から送信する。送信アンテナ505又は508を選択した場合においても同様に、対応する送信回路706又は707によりデータパケットが送信される。送信アンテナ502、505あるいは510からデータパケットを送信すると同時に、アンテナ制御回路701はタイマ回路708のカウントをスタートさせる。
一方、無線中継装置302aのメモリ710は、以前の通信時(又は無線中継装置302aが電源オフされる前)に無線通信装置301aと通信するために使用した受信アンテナ512,515,518に係る受信アンテナ情報、及び/又は送信アンテナ513,516,519に係る送信アンテナ情報を格納する。以前に無線通信装置301aと通信していなければ、メモリ710は所定の初期値を格納する。無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、無線中継装置302aの電源をオンにしたとき、あるいは、無線中継装置302aが無線通信装置301aとの通信切断を検出したときに、以前に電源をオンにした際に無線通信装置301aと通信するために使用した受信アンテナ情報をメモリ710から読み出し、あるいは、以前に電源をオンにした際に無線通信装置301aと通信していなければ初期値をメモリ710から読み出して、受信アンテナ512,515,518のいずれかを選択するようにスイッチ711の制御を行う。例えば、受信アンテナ512を選択した場合、アンテナ制御回路709は、スイッチ711の接点aに接続するように切り換えると同時にタイマ回路712のカウントをスタートさせる。タイムアウト時間内にデータパケットを受信すると、受信されたデータパケットには受信回路で受信処理が実行され、処理後のデータパケットはメモリ402に一時格納される。メモリ制御回路403は、メモリ402に一時格納されたデータパケットから宛先アドレスを抽出し、抽出されたアドレスは、無線中継装置制御回路404を介してアンテナ制御回路709に送られる。抽出された宛先アドレスが無線中継装置302aのアドレスであれば、そのデータパケットの発信元の無線通信装置301aと通信可能であることを示し、アンテナ制御回路709は、通信可能であることを示すフィードバック信号を、フィードバック送信回路714aから無線通信装置301aに送信させ、また、通信可能となった受信アンテナ512の識別子をメモリ710へ書き込む。
一方、タイムアウト時間が経過するまで(すなわち、タイマ回路712のカウントが一定値以上になるまで)に受信アンテナ512によりデータパケットを受信できない場合、もしくは、受信したデータパケットの宛先アドレスが無線中継装置302aのアドレスではない場合、アンテナ制御回路709は、次の受信アンテナ515を選択するようにスイッチ711を制御し、タイマ回路712のカウントをリセットして再スタートさせ、タイムアウト時間が経過するまで受信アンテナ515による受信を継続し、無線中継装置302aのアドレスを宛先アドレスとして有するデータパケットが受信されるのを待機する。タイムアウト時間が経過するまで受信アンテナ515によりデータパケットを受信できない場合、もしくは、受信アンテナ515で受信したデータパケットの宛先アドレスが無線中継装置302aのアドレスではない場合、同様の処理によって、受信アンテナ518と受信回路716を用いて、データパケットが受信されるのを待機する。さらに、タイムアウト時間が経過するまでに受信アンテナ518からデータパケットを受信できない場合、もしくは、受信アンテナ518で受信したデータパケットの宛先アドレスが無線中継装置302aのアドレスではない場合、つまり、スイッチ711により選択可能な何れの受信アンテナでも受信できない場合、アンテナ制御回路709は、フィードバック送信回路714aにより、「通信不可」であることを示すフィードバック信号を無線通信装置301aへ送信する。
無線通信装置301aのフィードバック受信回路717bは、タイムアウト時間が経過するまで(すなわち、タイマ回路708のカウントが一定値以上になるまで)に「通信可能」であることを示すフィードバック信号を受信すると、使用している送信アンテナ情報をメモリ702に書き込む。あるいは、タイムアウト時間が経過するまで何も受信しない場合、あるいは、タイマ回路708のカウントにかかわらず、通信不可であることを示すフィードバック信号を受信した場合、アンテナ制御回路701は、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709による受信アンテナの切り換えと同様に、別の送信アンテナを選択するようにスイッチ703を制御する。
以上の処理により、無線通信装置301aの送信アンテナと、無線中継装置302aの受信アンテナが選択されると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、送信アンテナと対になる受信アンテナを選択するようにスイッチ718を制御し、また、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、受信アンテナと対になる送信アンテナを選択するようにスイッチ719を制御する。ここで、無線通信装置301aの受信アンテナ501が選択されると、無線通信装置301aは、受信回路720で受信処理を行い、あるいは、受信アンテナ504が選択されると、受信回路721で受信処理を行い、あるいは、受信アンテナ507が選択されると、受信回路722で受信処理を行う。また、無線中継装置302aの送信アンテナ513が選択されると、無線中継装置302aは、送信回路723で送信処理を行い、あるいは、送信アンテナ516が選択されると、送信回路724で送信処理を行い、あるいは、送信アンテナ519が選択されると、送信回路725で送信処理を行う。
以上説明した無線通信装置301a及び無線中継装置302aのアンテナ制御動作について、図15乃至図20のフローチャートを参照して詳細に説明する。
図15は、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行されるアンテナ制御処理を示すフローチャートであり、図16は、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行されるアンテナ制御処理を示すフローチャートである。図15及び図16の処理は、無線通信装置301aから他の無線通信装置(図示せず。)へのパケット送信を無線中継装置302aが中継する過程において実行され、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで使用する1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで使用する1つの受信アンテナを決定することを特徴とする。
図15のステップS41において、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、メモリ710から過去又は初期値のアンテナ選択情報を読み出し、ステップS42において、このアンテナ選択情報に基づき、受信アンテナ512,515,518のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ711を切り換え、切り換えと同時にステップS43においてタイマ回路712のカウントをスタートさせる。次いで、ステップS44において、アンテナ制御回路709は、タイムアウト時間内に、中継すべきパケットを受信したか否かを判断し、YESのときはステップS45に進み、NOのときはステップS48に進む。ここで、中継すべきパケットが受信された場合には、パケットは、第1の実施形態と同様にメモリ402に一時格納される。ステップS45では、アンテナ制御回路709は、送信回路714a及びアンテナ521を介して「通信可」のフィードバック信号を無線通信装置301aに送信し、ステップS46において、パケットを受信したときのスイッチ711の状態に基づいてメモリ710内のアンテナ選択情報を更新する。その後、ステップS47において、アンテナ制御回路709は無線中継装置制御回路404に制御をわたし、受信されたパケットを宛先の無線通信装置に中継させる。パケット中継処理は第1の実施形態と同様に実行されることが可能であり、例えば、図7及び図8の処理のうちのステップS2乃至S18を含み、そのステップS9,S16及びS18の実行後にはステップS1に戻らずに終了するように構成されたサブルーチンの処理を実行してもよい。ステップS47の実行後、ステップS43に戻る。また、ステップS48において、アンテナ制御回路709は、他に選択可能なアンテナが存在するか否かを判断し、YESのときはステップS50に進み、NOのときはステップS49に進む。ステップS50では、アンテナ制御回路709はスイッチ711を切り換え、ステップS43に戻る。ステップS49では、アンテナ制御回路709は、送信回路714a及びアンテナ521を介して「通信不可」のフィードバック信号を無線通信装置301aに送信し、ステップS43に戻る。
図16のステップS51において、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、メモリ702から過去又は初期値のアンテナ選択情報を読み出し、ステップS52において、このアンテナ選択情報に基づき、送信アンテナ502,505,508のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ703を切り換える。次いでステップS53において、アンテナ制御回路701は、選択されたアンテナを介してパケットを送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせ、ステップS54に進む。ステップS54において、アンテナ制御回路701は、タイムアウト時間内に、アンテナ510及び受信回路717bを介してフィードバック信号を受信したか否かを判断し、「通信可」のフィードバック信号を受信したときにはステップS55に進み、「通信不可」のフィードバック信号を受信したとき、及びフィードバック信号を受信しなかったときには、ステップS56に進む。ステップS55では、アンテナ制御回路701は、ステップS53においてパケットを送信したときのスイッチ703の状態に基づいてメモリ710内のアンテナ選択情報を更新して、処理を終了する。ステップS56では、アンテナ制御回路701は、他に選択可能なアンテナが存在するか否かを判断し、YESのときは、ステップS57においてスイッチ703を切り換えてステップS53に戻り、NOのときは処理を終了する。
図15及び図16の処理によれば、無線通信装置301aから他の無線通信装置(図示せず。)へのパケット送信を無線中継装置302aが中継すると同時に、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで通信に使用可能な1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで通信に使用可能な1つの受信アンテナを決定することができる。
使用すべきアンテナの決定は、パケットを中継していないアイドル状態のときに実行してもよい。図17は、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行されるアンテナ管理処理を示すフローチャートであり、図18は、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行されるアンテナ管理処理を示すフローチャートである。図17及び図18の処理は、パケット中継のための通信が発生していないときに実行され、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで使用する1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで使用する1つの受信アンテナを決定することを特徴とする。
図17のステップS61において、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、無線中継装置302aが通信中であるか否かを判断し、YESのときはそのまま処理を終了し、NOのときはステップS62に進む。ステップS62乃至S64は、図15のステップS41乃至S43とそれぞれ同様である。次いで、ステップS65において、アンテナ制御回路709は、無線通信装置301aにおいて選択した送信アンテナが通信のために使用可能であるか否かを調べるためのモニタリング信号を、タイムアウト時間内に、無線通信装置301aから受信したか否かを判断し、YESのときはステップS66に進み、NOのときはステップS68に進む。ステップS66と、それに続くステップS67とは、図15のステップS45及びS46と同様であり、ステップS67の実行後、処理を終了する。また、ステップS68乃至S70は、図15のステップS48乃至S50とそれぞれ同様であり、ステップS69の実行後は、そのまま処理を終了し、ステップS70の実行後は、ステップS64に戻る。
図18のステップS71において、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、無線通信装置301aが通信中であるか否かを判断し、YESのときはそのまま処理を終了し、NOのときはステップS72に進む。ステップS72及びS73は、図16のステップS51及びS52とそれぞれ同様である。次いで、ステップS53において、アンテナ制御回路701は、ステップS73において選択した送信アンテナが通信のために使用可能であるか否かを調べるためのモニタリング信号を当該送信アンテナから送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせる。続くステップS75乃至S78は、図16のステップS54乃至S57とそれぞれ同様である。
図17及び図18の処理によれば、パケット中継のための通信が発生していないときに、無線通信装置301aにおいて送信アンテナ502,505,508のうちで通信に使用可能な1つの送信アンテナを決定し、無線中継装置302aにおいて受信アンテナ512,515,518のうちで通信に使用可能な1つの受信アンテナを決定することができる。
図17及び図18の処理に代えて、無線中継装置302aから無線通信装置301aにパケットを送信するために、使用するアンテナを決定する処理を実行してもよい。図19は、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行される変形例のアンテナ管理処理を示すフローチャートであり、図20は、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行される変形例のアンテナ管理処理を示すフローチャートである。図19及び図20の処理は、パケット中継のための通信が発生していないときに実行され、無線中継装置302aにおいて送信アンテナ513,516,519のうちで使用する1つの送信アンテナを決定し、無線通信装置301aにおいて受信アンテナ501,504,507のうちで使用する1つの受信アンテナを決定することを特徴とする。
図19のステップS81において、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、無線中継装置302aが通信中であるか否かを判断し、YESのときはそのまま処理を終了し、NOのときはステップS82に進む。ステップS82において、アンテナ制御回路709は、メモリ710から過去又は初期値のアンテナ選択情報を読み出し、ステップS83において、このアンテナ選択情報に基づき、送信アンテナ513,516,519のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ719を切り換える。次いでステップS84において、アンテナ制御回路709は、ステップS83において選択した送信アンテナが通信のために使用可能であるか否かを調べるためのモニタリング信号を当該送信アンテナから送信し、それと同時にタイマ回路712のカウントをスタートさせ、ステップS85に進む。ステップS85において、アンテナ制御回路709は、タイムアウト時間内に、アンテナ521及び受信回路714bを介してフィードバック信号を受信したか否かを判断し、「通信可」のフィードバック信号を受信したときにはステップS86に進み、「通信不可」のフィードバック信号を受信したとき、及びフィードバック信号を受信しなかったときには、ステップS87に進む。ステップS86では、アンテナ制御回路709は、ステップS84においてモニタリング信号を送信したときのスイッチ719の状態に基づいてメモリ710内のアンテナ選択情報を更新して、処理を終了する。ステップS87では、アンテナ制御回路709は、他に選択可能なアンテナが存在するか否かを判断し、YESのときは、ステップS88においてスイッチ719を切り換えてステップS84に戻り、NOのときは処理を終了する。
図20のステップS91において、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、無線通信装置301aが通信中であるか否かを判断し、YESのときはそのまま処理を終了し、NOのときはステップS92に進む。ステップS92において、アンテナ制御回路701は、メモリ702から過去又は初期値のアンテナ選択情報を読み出し、ステップS93において、このアンテナ選択情報に基づき、受信アンテナ501,504,507のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ718を切り換え、切り換えと同時にステップS94においてタイマ回路708のカウントをスタートさせる。次いでステップS95において、アンテナ制御回路701は、タイムアウト時間内にモニタリング信号を受信したか否かを判断し、YESのときはステップS96に進み、NOのときはステップS98に進む。ステップS96では、アンテナ制御回路701は、送信回路717a及びアンテナ510を介して「通信可」のフィードバック信号を送信し、ステップS97において、モニタリング信号を受信したときのスイッチ718の状態に基づいてメモリ702内のアンテナ選択情報を更新して、処理を終了する。ステップS98では、アンテナ制御回路701は、他に選択可能なアンテナが存在するか否かを判断し、YESのときはステップS100に進み、NOのときはステップS99に進む。ステップS100では、アンテナ制御回路701はスイッチ718を切り換え、ステップS94に戻る。ステップS99では、アンテナ制御回路701は、送信回路717a及びアンテナ510を介して「通信不可」のフィードバック信号を無線中継装置302aに送信し、処理を終了する。
以上の処理により、無線中継装置302aの送信アンテナと、無線通信装置301aの受信アンテナとが選択されると、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、送信アンテナと対になる受信アンテナを選択するようにスイッチ711を制御し、また、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、受信アンテナと対になる送信アンテナを選択するようにスイッチ703を制御する。
図19及び図20の処理によれば、パケット中継のための通信が発生していないときに、無線中継装置302aにおいて送信アンテナ513,516,519のうちで通信に使用可能な1つの送信アンテナを決定し、無線通信装置301aにおいて受信アンテナ501,504,507のうちで通信に使用可能な1つの受信アンテナを決定することができる。
図21は、図11の無線通信システムにおいて実行されるモニタリング動作を示すシーケンス図である。このモニタリング動作は、無線通信装置301aにおいて通信のために使用するアンテナを決定するための変形例の処理を示し、最初に無線中継装置302aから無指向性のモニタリング信号を送信し、このモニタリング動作を受信した無線通信装置301aは、送信アンテナ502,505,508を順次に切り換えて応答信号を送信することにより、無線中継装置302aが位置する方向のアンテナを決定することを特徴とする。
図21を参照すると、最初に、無線中継装置302aのアンテナ制御回路709は、送信回路714a及びアンテナ521を介して、無指向性のモニタリング信号P31を送信する。モニタリング信号P31が無線通信装置301aのアンテナ510及び受信回路717bによって受信されると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、送信アンテナ502,505,508のうちのいずれか1つを選択するようにスイッチ703を切り換え、選択されたアンテナ502から応答パケットP32を送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせる。図21の例では、送信アンテナ502を選択するように(すなわち接点aに接続するように)スイッチ703を切り換える。アンテナ502から送信された応答パケットP32が無線中継装置302aによって受信されず、フィードバック信号が無線通信装置301aに返信されることなくタイムアウト時間が経過すると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、他の送信アンテナ505を選択するように(すなわち接点bに接続するように)スイッチ703を切り換え、再び選択されたアンテナ505から応答パケットP32を送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせる。アンテナ505から送信された応答パケットP32が無線中継装置302aによって受信されず、フィードバック信号が無線通信装置301aに返信されることなくタイムアウト時間が経過すると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、他の送信アンテナ508を選択するように(すなわち接点cに接続するように)スイッチ703を切り換え、再び選択されたアンテナ508から応答パケットP32を送信し、それと同時にタイマ回路708のカウントをスタートさせる。アンテナ508から送信された応答パケットP32が無線中継装置302aによって受信され、タイムアウト時間内にフィードバック信号P33が無線通信装置301aに返信されると、無線通信装置301aのアンテナ制御回路701は、応答パケットP32を送信したときのスイッチ703の状態を、使用可能なアンテナ選択情報としてメモリ702に格納する。
図17乃至図20に説明したアンテナ管理処理や、図21に説明したモニタリング動作を実行した後、第1の実施形態と同様にデータパケットの中継を実行することができる。
第2の実施形態の変形例.
無線中継装置302aのフィードバック送信回路714aから、無線通信装置301aのフィードバック受信回路717bに送信される、「通信可能」であることを示すフィードバック信号の伝送内容は、一般には無線中継装置302aにおけるパケット又はモニタリング信号などの受信状況を含むことができる。詳しくは、無線データ信号の受信結果(すなわち通信可能又は通信不可であることを示すデータ)である場合、無線データ信号の受信レベルである場合、無線通信装置301aのスイッチ703の切り換え制御内容である場合、又は、受信回路713、715あるいは716で受信処理したデータパケットである場合などがある。同様に、無線通信装置301aのフィードバック送信回路717aから無線中継装置302aのフィードバック受信回路714bに送信される「通信可能」であることを示すフィードバック信号の伝送内容は、無線通信装置301aにおけるパケット又はモニタリング信号などの受信状況を含むことができる。
なお、本実施形態において、無線通信装置301aの送信アンテナを選択するために無線中継装置302aへ送信されるデータパケットの宛先アドレスを、無線中継装置302aのアドレスとしたが、無線中継装置302aを含むすべての無線通信装置が受信するようにブロードキャスト用のアドレスを用いてもよく、又は、無線中継装置302aと通信する別の無線通信装置等の無線中継装置302a以外の無線通信装置のアドレス又は識別子を用いてもよい。その場合、無線中継装置302aは、データパケットの発信元及び宛先を判別し、そのデータパケットが無線通信装置301aにより送信されたデータパケットであると判別できれば、通信可能であることを示すフィードバック信号をフィードバック送信回路714aから無線通信装置301aへ送信する。
また、無線通信装置301aのメモリ702をアンテナ制御回路701に接続する例を示したが、アンテナ制御回路701以外の構成要素に接続するように構成してもよい。また、無線通信装置301aのタイマ回路708のカウントをアンテナ制御回路701がスタートさせるとしたが、アンテナ制御回路701以外の構成要素によってスタートさせてもよい。また、無線中継装置302aのメモリ710をアンテナ制御回路709に接続する例を示したが、アンテナ制御回路709以外の構成要素に接続するように構成してもよい。また、無線中継装置302aのタイマ回路712のカウントをアンテナ制御回路709がスタートさせるとしたが、アンテナ制御回路709以外の構成要素によってスタートさせてもよい。
無線通信装置301aにおいて、アンテナ制御回路701と無線通信装置制御回路704とを同一の回路として構成してもよい。同様に、無線中継装置302aにおいて、アンテナ制御回路709と無線中継装置制御回路404とを同一の回路として構成してもよい。
また、無線通信装置301aのスイッチ703には、送信アンテナ502,505,508毎に送信回路705,706,707を接続して設けるとしたが、これに代えて、1つあるいは複数の送信回路をスイッチ703と無線通信装置制御回路704の間に設けてもよい。また、無線通信装置301aのスイッチ718には、受信アンテナ501,504,507毎に受信回路720,721,722を接続して設けるとしたが、これに代えて、1つあるいは複数の受信回路をスイッチ718と無線通信装置制御回路704の間に設けてもよい。また、無線中継装置302aのスイッチ711には、受信アンテナ512,515,518毎に受信回路713,715,716を接続して設けるとしたが、これに代えて、1つあるいは複数の受信回路をスイッチ711とメモリ402の間に設けてもよい。また、無線中継装置302aのスイッチ719には、送信アンテナ513,516,519毎に送信回路723,724,725を接続して設けるとしたが、これに代えて、1つあるいは複数の送信回路をスイッチ719とスイッチング回路406の間に設けてもよい。
また、無線通信装置301aがフィードバック送信回路717a及びフィードバック受信回路717bとサーキュレータ510aとを備え、無線中継装置302aがフィードバック送信回路714a及びフィードバック受信回路714bとサーキュレータ521aとを備えるとしたが、これに代えてフィードバック信号が送信される向きを1方向のみに限定し、無線通信装置301aにフィードバック送信回路717aのみを備え、無線中継装置302aにフィードバック受信回路714bのみを備えるように構成したり、あるいは、無線通信装置301aにフィードバック受信回路717bのみを備え、無線中継装置302aにフィードバック送信回路714aのみを備えるように構成したりしてもよい。あるいは、無線通信装置301aの他の送信回路からデータパケットを送信して無線中継装置302aの他の受信回路で受信し、通信可能であるか否かの結果を示すフィードバック信号を無線中継装置302aの他の送信回路から送信して無線通信装置301aの他の受信回路で受信するように構成してもよい。
また、無線通信装置301aを、スイッチ703で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、スイッチ718で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナと、フィードバック送信回路717a及びフィードバック受信回路717bと、アンテナ510とを備えて構成したが、これに代えて、スイッチ718で切り換えられる受信回路及び受信アンテナの機能を、フィードバック受信回路717及び受信アンテナ510で実現し、それにより、無線通信装置301aを、スイッチ703で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、フィードバック受信回路717及び受信アンテナ510とを備えて構成してもよい。また、無線中継装置302aを、スイッチ719で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、スイッチ711で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナと、フィードバック送信回路714a及びフィードバック受信回路714bと、アンテナ521とを備えて構成したが、これに代えて、スイッチ719で切り換えられる送信回路及び送信アンテナの機能を、フィードバック送信回路714及び送信アンテナ521で実現し、これにより、無線中継装置302aを、フィードバック送信回路714及び送信アンテナ521と、スイッチ711で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナとを備えて構成してもよい。また、無線中継装置302aを、スイッチ719で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、スイッチ711で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナと、フィードバック送信回路714a及びフィードバック受信回路714bと、送信アンテナ521と、さらに、複数の送信回路及び送信アンテナと、複数の受信回路及び受信アンテナとを備えて構成したが、これに代えて、無線中継装置302aを、スイッチ719で切り換えられる複数の送信回路及び送信アンテナと、スイッチ711で切り換えられる複数の受信回路及び受信アンテナと、フィードバック送信回路714及び送信アンテナ521とを備えて構成してもよい。
タイマ回路708,712は、カウントを停止しているときにはリセットされ、かつ停止されていてもよい。ここで、カウントは、カウントをスタートしたときに送信したパケットに対するフィードバック信号が受信されたとき、スイッチ711,718を所定の受信アンテナに切り換えてからタイムアウト時間が経過するまでパケットが受信されなかったとき、もしくは、送信したパケットに対するフィードバック信号を受信が受信されずにタイムアウト時間が経過したときなどに停止されることが可能である。
アンテナ510,521のパターンは無指向性であるとしたが、これに代えて、広い方位角に送受信可能な指向特性を有するアンテナを用いてもよい。
本実施形態の無線中継装置302aでは、図3のアンテナ305,306のアンテナポートのみを、複数のアンテナの対512,513と、515,516と、518,519とを備えた拡張されたアンテナポートに置き換えるように構成したが、さらに他のアンテナポートを、同様に、複数のアンテナの対を備えた拡張されたアンテナポートに置き換えてもよい。
また、本発明の第1及び第2の実施形態において、無線通信装置301aと無線中継装置302aとの通信で電波を利用するように構成したが、赤外線通信や光通信など別の通信方法を利用してもよい。この場合、本実施形態において、アンテナ制御回路701,709によって複数の送信アンテナあるいは受信アンテナを接続して切り換えるとしたが、アンテナ制御回路701,709に複数の発光部と受光部を接続するなどの構成となる。
以上詳述したように、本発明に係る無線通信システムによれば、通信方向設定を必要とする無線通信装置がその通信相手を切り換える際に、あらためて通信方向設定を行う処理を不要とすることができるので、通信方向設定を必要とする無線通信システム等として有用である。
従来技術に係る無線通信システムを示す外観図である。 従来技術に係る無線通信システムの動作例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムのブロック図である。 図3の無線中継装置302の詳細構成を示すブロック図である。 図3の無線通信システムにおいて実行されるパケット中継動作の第1の実施例を示すシーケンス図である。 図3の無線通信システムにおいて実行されるパケット中継動作の第2の実施例を示すシーケンス図である。 図3の無線通信システムにおいて実行される対応表メモリ管理動作の実施例を示すシーケンス図である。 図4の無線中継装置制御回路404によって実行されるパケット中継処理の第1の部分を示すフローチャートである。 図4の無線中継装置制御回路404によって実行されるパケット中継処理の第2の部分を示すフローチャートである。 図7のサブルーチンである発信元アドレス抽出処理(ステップS3)を示すフローチャートである。 図4の無線中継装置制御回路404によって実行される対応表メモリ管理処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムのブロック図である。 図11の無線通信システムにおけるカバレッジエリアを詳細に示す平面図である。 図11の無線通信システムにおけるアンテナの指向性を説明するためのパターン図である。 図11の無線通信装置301a及び無線中継装置302aの詳細構成を示すブロック図である。 図14の無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行されるアンテナ制御処理を示すフローチャートである。 図14の無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行されるアンテナ制御処理を示すフローチャートである。 図14の無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行されるアンテナ管理処理を示すフローチャートである。 図14の無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行されるアンテナ管理処理を示すフローチャートである。 図14の無線中継装置302aのアンテナ制御回路709によって実行される変形例のアンテナ管理処理を示すフローチャートである。 図14の無線通信装置301aのアンテナ制御回路701によって実行される変形例のアンテナ管理処理を示すフローチャートである。 図11の無線通信システムにおいて実行されるモニタリング動作を示すシーケンス図である。
符号の説明
301,301a,303,309…無線通信装置、
302,302a…無線中継装置、
304…対応表メモリ、
305,307,310,501,504,507,512,515,518…受信アンテナ、
306,308,311,502,505,508,513,516,519…送信アンテナ、
312,313,314,510,521…アンテナ、
401,409,414,713,715,716,720,721,722…受信回路、
402,410,415,702,710…メモリ、
403,411,416…メモリ制御回路、
404…無線中継装置制御回路、
405…スイッチング制御回路、
406…スイッチング回路、
408,413,418,705,706,707,723,724,725…送信回路、
420,708,712…タイマ回路、
503,506,509,511,514,517,520,522,523,602,604,605…カバレッジエリア、
510a,521a…サーキュレータ、
601,603…設置位置、
701,709…アンテナ制御回路、
703,711,718,719,SW1−SW9…スイッチ、
704…無線通信装置制御回路、
714a,717a…フィードバック送信回路、
717b,717b…フィードバック受信回路。

Claims (32)

  1. 少なくとも2つの無線通信装置と通信する無線中継装置において、
    複数のアンテナと、
    上記複数のアンテナのいずれか1つで受信された通信信号を上記複数のアンテナのいずれか1つに転送して送信するスイッチング手段と、
    上記各アンテナの識別子に対して、当該アンテナの識別子によって特定されるアンテナを用いて通信可能な1つの無線通信装置の識別子を対応させる関係を含む対応表を格納した対応表格納手段と、
    上記対応表に基づいて上記スイッチング手段による上記通信信号の転送を制御する無線中継装置制御手段とを備え、
    上記無線中継装置制御手段は、上記複数のアンテナのうちのいずれか1つで通信信号を受信したとき、上記対応表において上記受信された通信信号の宛先の無線通信装置の識別子に対応するアンテナの識別子を取得し、上記取得されたアンテナの識別子によって特定されるアンテナに上記受信された通信信号を転送して送信するように上記スイッチング手段を制御することを特徴とする無線中継装置。
  2. 上記無線中継装置は、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の通信を中継する場合において、
    上記第1の無線通信装置から送信された上記第2の無線通信装置への通信信号を受信したとき、上記第2の無線通信装置に代わって上記第1の無線通信装置に通信応答信号を送信し、
    上記第2の無線通信装置から送信された上記第1の無線通信装置への通信信号を受信したとき、上記第1の無線通信装置に代わって上記第2の無線通信装置に通信応答信号を送信することを特徴とする請求項1記載の無線中継装置。
  3. 上記無線中継装置制御手段はさらに、
    上記複数のアンテナのうちのいずれか1つによりある無線通信装置からの通信信号を受信したとき、当該通信信号を受信したアンテナの識別子に対して、当該通信信号の発信元の無線通信装置の識別子を対応させる関係を追加するように上記対応表を更新し、
    上記複数のアンテナのうちのいずれか1つによりある無線通信装置を宛先とする通信信号を受信し、上記対応表において上記受信された通信信号の宛先の無線通信装置の識別子に対応するアンテナの識別子によって特定されるアンテナに上記受信された通信信号を転送して送信し、所定時間期間内に、上記送信した通信信号に対する通信応答信号を上記宛先の無線通信装置から受信しなかったとき、上記通信信号を送信したアンテナの識別子に対応する上記無線通信装置の識別子を上記対応表から削除することを特徴とする請求項1又は2記載の無線中継装置。
  4. 上記無線中継装置制御手段はさらに、上記対応表においてある無線通信装置の識別子を選択し、上記対応表において上記選択された無線通信装置の識別子に対応するアンテナの識別子を取得し、モニタリング信号を生成し、上記取得されたアンテナの識別子によって特定されるアンテナから上記生成されたモニタリング信号を送信し、所定時間期間内に、上記送信したモニタリング信号に対するモニタリング応答信号を上記選択された無線通信装置の識別子によって特定される無線通信装置から受信しなかったとき、上記選択された無線通信装置の識別子を上記対応表から削除することを特徴とする請求項3記載の無線中継装置。
  5. 上記無線中継装置はさらに、受信した通信信号を格納する通信信号格納手段を備え、
    上記無線中継装置制御手段はさらに、所定時間期間内に、上記送信した通信信号に対する通信応答信号を上記宛先の無線通信装置から受信しなかったとき、上記対応表において対応する無線通信装置の識別子を持たないアンテナの識別子によって特定されるアンテナに、上記受信されて上記通信信号格納手段に格納された通信信号を転送して再送信するように上記スイッチング手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載の無線中継装置。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の無線中継装置と、少なくとも1つの無線通信装置とを備えた無線通信システムであって、
    上記無線中継装置は、
    上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第1のアンテナセットと、
    上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第1のアンテナ選択手段と、
    上記第1のアンテナ選択手段が上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記無線通信装置から送信される通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記通信信号の発信元の無線通信装置に送信するフィードバック送信手段とをさらに備え、
    上記無線中継装置制御回路はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記通信信号の発信元の無線通信装置から送信される通信信号を受信するように上記第1のアンテナ選択手段を制御し、
    上記少なくとも1つの無線通信装置は、
    複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第2のアンテナセットと、
    上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第2のアンテナ選択手段と、
    上記無線中継装置から送信されたフィードバック信号を受信するフィードバック受信手段と、
    上記第2のアンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
    上記無線通信装置制御手段はさらに、上記第2のアンテナ選択手段により上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線中継装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されるように上記第2のアンテナ選択手段を制御することを特徴とする無線通信システム。
  7. 請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の無線中継装置と、少なくとも1つの無線通信装置とを備えた無線通信システムであって、
    上記無線中継装置は、
    上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第1のアンテナセットと、
    上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第1のアンテナ選択手段と、
    上記第1のアンテナ選択手段が上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択したアンテナにより送信した通信信号に関する上記無線通信装置における受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線通信装置から受信するフィードバック受信手段とをさらに備え、
    上記無線中継装置制御回路はさらに、上記第1のアンテナ選択手段により上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線通信装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されるように上記第1のアンテナ選択手段を制御し、
    上記少なくとも1つの無線通信装置は、
    複数のアンテナにてなる少なくとも1つの第2のアンテナセットと、
    上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換える第2のアンテナ選択手段と、
    上記第2のアンテナ選択手段が上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記無線中継装置から送信された通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線中継装置に送信するフィードバック送信手段と、
    上記第2のアンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
    上記無線通信装置制御手段はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記無線中継装置から送信される通信信号を受信するように上記第2のアンテナ選択手段を制御することを特徴とする無線通信システム。
  8. 上記無線中継装置は、
    上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
    上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
    上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、ある無線通信装置から送信される通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記通信信号の発信元の無線通信装置に送信するフィードバック送信手段とをさらに備え、
    上記無線中継装置制御回路はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記通信信号の発信元の無線通信装置から送信される通信信号を受信するように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の無線中継装置。
  9. 上記無線中継装置は、
    上記複数のアンテナのうちの、同一のアンテナの識別子を共有する複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
    上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
    上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択したアンテナにより送信した通信信号に関するある無線通信装置における受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線通信装置から受信するフィードバック受信手段とをさらに備え、
    上記無線中継装置制御回路はさらに、上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線通信装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されるように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の無線中継装置。
  10. 請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の無線中継装置と通信する無線通信装置であって、
    複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
    上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
    上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択したアンテナにより送信した通信信号に関する上記無線中継装置における受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線中継装置から受信するフィードバック受信手段と、
    上記アンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
    上記無線通信装置制御手段はさらに、上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記選択されたアンテナにより上記通信信号を上記無線中継装置に送信し、上記受信されたフィードバック信号に含まれる受信状態情報に基づいて、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されるように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする無線通信装置。
  11. 請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の無線中継装置と通信する無線通信装置であって、
    複数のアンテナにてなる少なくとも1つのアンテナセットと、
    上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナをそれぞれ選択するように切り換えるアンテナ選択手段と、
    上記アンテナ選択手段が上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えているとき、上記無線中継装置から送信された通信信号の上記選択されたアンテナによる受信状態情報を含むフィードバック信号を、上記無線中継装置に送信するフィードバック送信手段と、
    上記アンテナ選択手段を制御する無線通信装置制御手段とを備え、
    上記無線通信装置制御手段はさらに、上記通信信号の受信状態情報に基づいて、上記無線中継装置から送信される通信信号を受信するように上記アンテナ選択手段を制御することを特徴とする無線通信装置。
  12. 上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記第1のアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線中継装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6記載の無線通信システム。
  13. 上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記第2のアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線通信装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7記載の無線通信システム。
  14. 上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記アンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線中継装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8記載の無線中継装置。
  15. 上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記無線通信装置が備えたアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線通信装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9記載の無線中継装置。
  16. 上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記無線中継装置が備えたアンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線中継装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項10記載の無線通信装置。
  17. 上記受信状態情報は、上記通信信号の受信レベルと、上記通信信号の受信結果と、上記アンテナ選択手段によるアンテナ切り換え状態の情報と、上記無線通信装置により受信された通信信号とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項11記載の無線通信装置。
  18. 上記無線中継装置は、上記無線通信装置から上記通信信号を受信したときに上記第1のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第1のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
    上記無線中継装置制御手段は、上記無線通信装置から新たに通信信号を受信するとき、上記第1のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第1のアンテナ選択手段により上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換え、
    上記無線通信装置は、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されたときに上記第2のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第2のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
    上記無線通信装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線中継装置に送信するとき、上記第2のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第2のアンテナ選択手段により上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする請求項6記載の無線通信システム。
  19. 上記無線中継装置は、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されたときに上記第1のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第1のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
    上記無線中継装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線通信装置に送信するとき、上記第1のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第1のアンテナ選択手段により上記各第1のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換え、
    上記無線通信装置は、上記無線中継装置から上記通信信号を受信したときに上記第2のアンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納する第2のアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
    上記無線通信装置制御手段は、上記無線中継装置から新たに通信信号を受信するとき、上記第2のアンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記第2のアンテナ選択手段により上記各第2のアンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする請求項7記載の無線通信システム。
  20. 上記無線中継装置は、上記無線通信装置から上記通信信号を受信したときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
    上記無線中継装置制御手段は、上記無線通信装置から新たに通信信号を受信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする請求項8記載の無線中継装置。
  21. 上記無線中継装置は、上記通信信号が上記無線通信装置により受信されたときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
    上記無線中継装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線通信装置に送信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする請求項9記載の無線中継装置。
  22. 上記無線通信装置は、上記通信信号が上記無線中継装置により受信されたときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
    上記無線通信装置制御手段は、新たに通信信号を上記無線中継装置に送信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする請求項10記載の無線通信装置。
  23. 上記無線通信装置は、上記無線中継装置から上記通信信号を受信したときに上記アンテナ選択手段により選択されていたアンテナを示すアンテナ選択情報を格納するアンテナ選択情報格納手段をさらに備え、
    上記無線通信装置制御手段は、上記無線中継装置から新たに通信信号を受信するとき、上記アンテナ選択情報格納手段から上記アンテナ選択情報を読み出し、上記読み出されたアンテナ選択情報に基づいて上記アンテナ選択手段により上記各アンテナセットのうちの1つのアンテナを選択するように切り換えることを特徴とする請求項11記載の無線通信装置。
  24. 上記各第1のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第1のアンテナ対を含み、
    上記第1のアンテナ選択手段は、上記各第1のアンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択し、
    上記各第2のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第2のアンテナ対を含み、
    上記第2のアンテナ選択手段は、上記各第1のアンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択することを特徴とする請求項6記載の無線通信システム。
  25. 上記各第1のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第1のアンテナ対を含み、
    上記第1のアンテナ選択手段は、上記各第1のアンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択し、
    上記各第2のアンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数の第2のアンテナ対を含み、
    上記第2のアンテナ選択手段は、上記各第2のアンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択することを特徴とする請求項7記載の無線通信システム。
  26. 上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
    上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択することを特徴とする請求項8記載の無線中継装置。
  27. 上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
    上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択することを特徴とする請求項9記載の無線中継装置。
  28. 上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
    上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの送信アンテナを選択したとき、上記選択された送信アンテナに対応する1つの受信アンテナを選択することを特徴とする請求項10記載の無線通信装置。
  29. 上記各アンテナセットは、互いに対応する1つの送信アンテナと1つの受信アンテナとをそれぞれ含む複数のアンテナ対を含み、
    上記アンテナ選択手段は、上記各アンテナセットのうちの1つの受信アンテナを選択したとき、上記選択された受信アンテナに対応する1つの送信アンテナを選択することを特徴とする請求項11記載の無線通信装置。
  30. 上記各第1のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複せず、
    上記各第2のアンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする請求項24又は25記載の無線通信システム。
  31. 上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする請求項26又は27記載の無線中継装置。
  32. 上記各アンテナ対において、上記送信アンテナのカバレッジエリアと上記受信アンテナのカバレッジエリアとは互いに重複し、異なる上記各送信アンテナのカバレッジエリアは互いに重複しないことを特徴とする請求項28又は29記載の無線通信装置。
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