JP4241440B2 - パケットスケジュール方法及び無線通信装置 - Google Patents
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Description
この従来例では、通信品質の良い端末から順に空間チャネルを割り当てて、下り信号を多重送信している。空間多重によって生じる干渉はスマートアンテナによりヌルを生成して抑えている。また、アレイアンテナの指向性パタンを端末の移動に追従することで端末のセル内ハンドオーバーが不要であることを特徴としている。この特徴は、指向性パタンが端末に追従するよう、頻繁に更新されていることを示唆している。
その上で本発明の狙いは2つある。(1)セルラシステムにおける下り信号の空間多重によりセルスループットを向上させることと、(2)高速な処理で空間多重を実現することである。
以上より、上記(1)から固定ビームを出力する無線通信装置における、自セル内干渉を考慮した空間多重数及び固定ビームの組み合わせ選択に関する適応制御技術の確立が課題として挙げられる。
上記の通り短い周期で適応制御を実現するためには、適応制御の高速化が求められる。
本願発明のパケットスケジュール方法は、端末と無線通信装置との間の伝送路状態と、端末IDと固定ビームIDとの対応情報、及び固定ビーム間の相互相関量を参照して固定ビームの組み合わせを選択し、各固定ビーム内でパケット送信に最適な端末を選択することを特徴とする。
図1(a)は固定ビームを出力する無線通信装置の概念図である。無線通信装置11は、予め指向性パタンが定められた固定ビーム31をN個のアレイアンテナ素子を用いて出力する。無線通信装置11は、各固定ビーム31で送信を行うために各アレイアンテナ素子に持たせる重みの組み合わせ(Weight1, Weight2, ...,WeightN)を、各固定ビームのID(Beam ID, 以下BIDと略記)と対応付けて予めメモリに記憶している。これらの情報を格納したアレイ重みテーブル32を図1(b)に示す。無線通信装置11は固定ビームのIDをもとにアレイ重みテーブル32を参照し、その固定ビームで送受信を行うために各アレイアンテナ素子に持たせる重みの集合であるアレイ重みが読み出される。図1の例で、端末装置21に信号を送信する場合、BID=1としてアレイ重みテーブル32を参照して読み出されるアレイ重みをアレイアンテナにセットするとBID = 1の指向性ビームが形成され、端末装置21への狭ビーム送信が可能となる。
ここで、BID=1,2の固定ビームを同時に出力することを考える。BID=1で送信されるパケットにとって、BID=2で送信されるパケットは干渉となる。従って、BID=1を所望ビームとした時、BID=2による相互干渉は同図丸で囲われた部分である。BID=3は出力されないため、干渉としてカウントしない。相互干渉量として上記丸で囲われた部分の期待値、最大値を充てることが考えられる。
アレイ重み記録部203には、固定ビームと、その固定ビームの生成に必要なアンテナ重みとが対応付けて格納されている。この対応付けは、たとえば図1(b)に示したアレイ重みテーブル32として記憶される。
BID割り当て部202と伝送速度決定部210には端末からの受信信号が入力されるが、これら2つの処理部において受信信号に対するアレイ処理を実施する必要は必ずしも無い。
BID割り当て部202は、端末からの受信信号に基づいて、その端末への送信に用いるのに最適な固定ビームのIDを決定し、固定ビームIDとその端末のID(MID)を対応付けてID記録部206に適宜格納する。最適な固定ビームのIDの決定方法の例については、図9、10を用いて後述する。
例えば、cdma2000 1xEV-DOではDRC(Data Rate Control)という信号が端末から無線通信装置に送信される。DRCとは、端末で伝送路推定、及び伝送速度を決定し、伝送速度をインデックス化したものである。無線通信装置側では受信信号よりDRCのインデックスを抽出し、伝送速度に換算している。
この実施例では、予め端末装置に向けてBIDを含む通知信号を各固定ビームで送信し、端末装置において各固定ビームの受信信号のレベルを測定し、最もレベルが高い固定ビームを選択して無線通信装置にその固定ビームのBIDを通知する必要がある。
ビームスケジュール部214は、取得可能なBID、MID、相互干渉、伝送速度の情報を基に、図2等を用いて後に説明するパケットスケジュール方法のステップ3に示す方法で、BIDの組み合わせを一組出力する。パケットスケジュール部215での処理は、本発明のパケットスケジュール方法のステップ4に相当し、入力された各BIDでパケット送信する端末のMIDを決定する。
図3は本発明によるパケットスケジュール方法の第一の実施例を示している。同図は、BID割り当て部202において無線通信装置の固定ビームIDとセル内の端末のID(Mobile ID,以下MIDと略記)を関連付け、ID記録部206に両IDの対応情報(151)を記録するステップ1(111)と、伝送速度決定部210において無線通信装置と端末との間の伝送路状態を推定し、各端末との間の伝送路状態(152)を記録部に記録するステップ2(121)と、スケジュール部208において、ステップ1とステップ2の記録(151,152)及び固定ビーム間の相互干渉の記録(153)を参照し、下りパケット通信で使用する固定ビームIDの組み合わせを一組選択するステップ3(131)と、ステップ3(131)で決定した各々の固定ビームでどの端末にパケットを送信するか決定するステップ4(141)から構成されるパケットスケジュール方法を示している。
ステップ3(131)は、BIDに基づいてIDの対応情報記録(151)を参照することでMIDを取得でき、MIDに基づいて対応情報記録(151)を参照するとBIDを取得できる。MIDに基づいて伝送路状態の記録(152)を参照すると、伝送路状態を取得することができる。複数のBIDを元にBIDの組合せを作り、そのBIDの組み合わせに基づいて相互干渉の記録(153)を参照すると、それらのBIDを組み合わせた場合に生ずる干渉量の期待値を取得できる。なお、相互干渉の記録(153)は予め計算して無線通信装置にセットしておき、無線通信装置動作中は更新しない。
作業テーブルは、BIDの組み合わせ(Beam IDs)とその通し番号(No.)、及び各組み合わせが多重化可能かどうかを表す状態(Status)で構成される。BIDの組み合わせ総数は、多重化数2以上の組み合わせ全てとなるため、固定ビーム数をMとすると、数式1で表される数の組である。図3では固定ビーム数が3の例を示しているため、BIDの組み合わせは4組となる。
ただし、本実施例ではBIDの組み合わせを必ずしも一組に絞れる保証がないため、図5乃至図7で説明する第三から第五の実施例と組み合わせて一組に絞る方法や、ランダムに一つに絞る方法が考えられる。第三から第五の実施例と組み合わせる方法は、それぞれの実施例のところで説明する。
また、閾値は多重数によって段階的に設定されるべきである。多重数の増加により相互干渉は増加するが、送信できるデータ量も増加するため、両者のバランスがとれた閾値を設定するとよい。例えば、多重数2の場合は-4[dB]、多重数3の場合は-7[dB]と多重数増加に伴い閾値が低下するよう決定すれば良い。
図5は本発明によるパケットスケジュール方法の第三の実施例を示している。同図は、上記ステップ3(131)において、各端末との間の伝送路状態を参照して固定ビームの組み合わせを選択するフローチャートと作業テーブルを示している。
フローチャートを順に説明する。まず、初期化処理として作業テーブルをクリアする。初期化処理以降は全てのBIDについて、以下の(a)から(e)の処理を繰り返す。(a)BIDを指定する。(b)BIDと関連付けられた全てのMIDを取得する。(c)(b)で取得した各MIDについて、伝送路状態を取得する。(d)(c)で取得した伝送路状態を伝送速度に換算する。(e)BIDの伝送速度の代表値を決定する。全BIDについて処理が終了したら、BIDと伝送速度のペアを出力する。
ただし、伝送速度代表値が高い順に固定ビームを多重化すると、ビーム間の干渉によりスループット特性が劣化する場合がある。従って、第二の実施例を組み合わせて多重出力する固定ビーム同士が干渉しないよう配慮することが望まれ、それが本発明の狙いでもある。
図6は本発明によるパケットスケジュール方法の第四の実施例を示している。同図は、上記ステップ3(131)において、各端末への平均伝送速度を参照して固定ビームの組み合わせを選択するフローチャートと作業テーブルを示している。
フローチャートを順に説明する。まず、初期化処理として作業テーブルをクリアする。初期化処理以降は全てのBIDについて、以下の(a)から(d)の処理を繰り返す。(a)BIDを指定する。(b)BIDと関連付けられた全てのMIDを取得する。(c)(b)で取得した各MIDについて、平均伝送速度を取得する。(d)BIDの平均伝送速度の代表値を決定する。全BIDについて処理が終了したら、BIDと平均伝送速度のペアを出力する。
BIDの平均伝送速度代表値とは、当該ビームでの過去の(所定期間内での)伝送実績の悪さを示しており、例えば関連付けられた全端末平均の平均伝送速度や、端末間で最低の平均伝送速度などが代表値として挙げられる。
本実施例の出力はBIDと平均伝送速度のペアであるが、出力するペア数を制限するものではない。平均伝送速度が低い順に、想定している空間多重数の分だけ選択出力しても良い。
ただし、平均伝送速度が低い順に固定ビームを多重化すると、ビーム間の干渉によりスループット特性が劣化する場合がある。従って、第二の実施例を組み合わせて多重出力する固定ビーム同士が干渉しないよう配慮することが望まれ、それが本発明の狙いでもある。
図7は本発明によるパケットスケジュール方法の第五の実施例を示している。同図は、上記ステップ3(131)において、各端末への送信待ちデータ量を参照して固定ビームの組み合わせを選択するフローチャートと作業テーブルを示している。
フローチャートを順に説明する。まず、初期化処理として作業テーブルをクリアする。初期化処理以降は全てのBIDについて、以下の(a)から(d)の処理を繰り返す。(a)BIDを指定する。(b)BIDと関連付けられた1または複数のMIDを取得する。(c)(b)で取得した各MIDについて、送信待ちデータ量を取得する。(d)BIDの送信待ちデータ量の代表値を決定する。全BIDについて処理が終了したら、BIDと送信待ちデータ量のペアを出力する。
送信待ちデータ量を取得するステップは、端末毎のトラフィックキューを監視することで実現される。
本実施例の出力はBIDと送信待ちデータ量のペアであるが、出力するペア数を制限するものではない。送信待ちデータ量が多い順に、想定している空間多重数の分だけ選択出力しても良い。
ただし、送信待ちパケット数が多い順に固定ビームを多重化すると、ビーム間の干渉によりスループット特性が劣化する場合がある。従って、第二の実施例を組み合わせて多重出力する固定ビーム同士が干渉しないよう配慮することが望まれ、それが本発明の狙いでもある。
Claims (14)
- アレイアンテナを有し、前記アレイアンテナを用いて生成される予め指向性パタンが定められた複数の固定ビームを用いて複数の端末へのパケット送信を行う無線通信装置における無線通信方法であって、
前記複数の固定ビームのうちの少なくとも一部の固定ビーム間の一つ又は複数の組合せ、並びに前記一つ又は複数の組合せ中の各組合せに含まれる固定ビーム間の相互干渉量を予め記憶しておき、
前記無線通信装置のカバレッジ内の各端末と、前記複数の固定ビームに含まれ、且つ前記各端末との通信を行う場合に使用する各固定ビームとの間の対応付けを行う対応付けステップと、
前記各端末との間の伝搬路状態を推定する伝搬路状態推定ステップと、
前記予め記憶された相互干渉量、及び前記対応付けステップにおける前記各端末と前記各固定ビームとの間の前記対応付け、及び前記伝搬路状態推定ステップで推定される伝搬路状態に基づいて、出力する固定ビームの組合せである第1の組合せを前記一つ又は複数の組合せの中から選択する組合せ選択ステップと、
前記第1の組合せを前記アレイアンテナで生成し、前記対応付けステップにおいて前記第1の組合せ中の各固定ビームと前記対応付けを行った端末に向けてパケットを送信する第4のステップとを有する、ことを特徴とする無線通信方法。
- 請求項1記載の無線通信方法であって、前記組合せ選択ステップでは、前記相互干渉量が所定の閾値以下であることを条件に前記第1の組合せを選択することを特徴とする無線通信方法。
- 請求項1記載の無線通信方法であって、前記組合せ選択ステップでは、前記伝搬路状態から各端末の伝送速度、または各固定ビームの伝送速度代表値を判断し、前記伝送速度が高い端末に前記対応付けをされた固定ビームを含む固定ビームの組合せ、または前記伝送速度代表値が高い固定ビームを含む固定ビームの組合せを前記第1の組合せとして優先的に選択することを特徴とする無線通信方法。
- 請求項1記載の無線通信方法であって、前記組合せ選択ステップは、前記各固定ビーム、または前記各固定ビームに前記対応付けをされた各端末における過去の伝送実績を参照し、前記伝送実績が低い固定ビームを含む固定ビームの組合せ、または前記伝送実績が低い端末に前記対応付けをされた固定ビームを含む固定ビームの組合せを前記第1の組合せとして優先的に選択することを特徴とする無線通信方法。
- 請求項1記載の無線通信方法であって、前記組合せ選択ステップは、前記各端末へ送信する、または前記各固定ビームで送信する送信待ちパケット量を参照し、前記送信待ちパケット量が多い端末に前記対応付けをされた固定ビームを含む固定ビームの組合せ、または前記送信待ちパケット量が多い固定ビームを含む固定ビームの組合せを前記第1の組合せとして優先的に選択することを特徴とする無線通信方法。
- 請求項1記載の無線通信方法であって、前記対応付けステップでは、前記各端末から受信される信号の到来方向を判断し、前記到来方向に対応する固定ビームを前記各端末に対応させることで前記対応付けを行うことを特徴とする無線通信方法。
- 請求項1記載の無線通信方法であって、前記対応付けステップでは、前記各端末から通知される、前記各端末における最適の固定ビームの固定ビームIDを前記各端末の端末IDに対応させることで前記対応付けを行うことを特徴とする無線通信方法。
- アレイアンテナで生成される予め指向性パタンが定められた複数の固定ビームを用いて複数の端末へのパケット送信を行う無線通信装置であって、
前記複数の固定ビームのうちの少なくとも一部の固定ビーム間の一つ又は複数の組合せ、並びに前記一つ又は複数の組合せ中の各組合せに含まれる固定ビーム間の相互干渉量とを格納する記憶装置と、
パケットスケジュールを行う演算装置と、
前記演算装置から入力されるアレイ重みに基づいて送信パケットのビームフォーミングを行うビームフォーマーと、
前記ビームフォーマーで生成される固定ビームを用いて前記前記送信パケットを送信するアレイアンテナとを有し、
前記演算装置は、
前記複数の端末中の各端末と、前記複数の固定ビームに含まれ、且つ前記各端末との通信を行う場合に使用する各固定ビームとの間の対応付けを行い、前記対応付けに関する対応関係を前記記憶装置に記憶し、前記複数の端末との間の伝搬路状態を取得し、前記記憶装置に記憶された前記相互干渉量と、前記各端末と前記各固定ビームとの間の前記対応関係と、前記伝搬路状態とに基づいて、出力する固定ビームの組合せである第1の組合せを前記一つ又は複数の組合せの中から選択し、前記第1の組合せ中の各固定ビームと前記対応付けを行った端末への送信パケットを生成し、前記第1の組合せ中の固定ビームを生成するためのアレイ重みと前記送信パケットを前記ビームフォーマーに出力する、ことを特徴とする無線通信装置。
- 請求項8記載の無線通信装置であって、前記演算装置は、前記アレイアンテナにより受信される前記各端末からの受信信号の到来方向を判定し、前記到来方向に対応する固定ビームを判定することにより前記各端末に前記対応付けをされた固定ビームを判断することを特徴とする無線通信装置。
- 請求項8記載の無線通信装置であって、前記演算装置は、前記各端末から通知される、前記各端末における最適の固定ビームの固定ビームIDを前記各端末の端末IDにさせることで前記対応付けを行うことを特徴とする無線通信装置。
- 請求項8記載の無線通信装置であって、前記演算装置は、前記相互干渉量が所定の式一以下であることを条件に前記第1の組合せを選択することを特徴とする無線通信装置。
- 請求項8記載の無線通信装置であって、前記演算装置は、前記伝搬路状態から各端末の伝送速度、または前記各固定ビームの伝送速度代表値を判断し、前記伝送速度が高い端末に前記対応付けをされた固定ビームを含む固定ビームの組合せ、または前記伝送速度代表値が高い固定ビームを含む固定ビームの組合せを前記第1の組合せとして優先的に選択することを特徴とする無線通信装置。
- 請求項8記載の無線通信装置であって、前記演算装置は、前記各固定ビーム、または前記各固定ビームに前記対応付けをされた各端末における過去の伝送実績を判断し、前記伝送実績が低い固定ビームを含む固定ビームの組合せ、または前記伝送実績が低い端末に前記対応付けをされた固定ビームを含む固定ビームの組合せを前記第1の組合せとして優先的に選択することを特徴とする無線通信装置。
- 請求項8記載の無線通信装置であって、前記演算装置は、前記各端末へ送信する、または前記各固定ビームで送信する送信待ちパケット量を検出し、前記送信待ちパケット量が多い端末に前記対応付けをされた固定ビームを含む固定ビームの組合せ、または前記送信待ちパケット量が多い固定ビームを含む固定ビームの組合せを前記第1の組合せとして優先的に選択することを特徴とする無線通信装置。
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