JPWO2007037425A1 - 抗糖尿病用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な抗糖尿病用組成物を提供すること。【解決手段】キク科植物ベニバナ(学名「Carthamus tinctorius L.」、以下同じ)の花弁粗抽出物を吸着剤に接触させて精製することにより得られた花弁抽出エキスを有効成分として含有する抗糖尿病用組成物を提供する。この組成物は、花弁粗抽出物を精製することにより糖分などの含有量を抑えているため、花弁又はその粗抽出物よりも有効成分の含有濃度が高く、血糖値上昇抑制活性が高い。加えて、この組成物は、α−グルコシダーゼ阻害活性又は抑制活性、及び、マルターゼ阻害活性又は抑制活性を有する。【選択図】なし
Description
本発明は、抗糖尿病用組成物、及び、その組成物を含有する糖尿病の予防剤又は治療剤、飲食物などに関する。より詳細には、キク科植物ベニバナ(Carthamus tinctorius L.)の花弁粗抽出物を吸着剤に接触させて精製することにより得られた花弁抽出エキスを有効成分として含有する抗糖尿病用組成物、及び、その組成物を含有する糖尿病の予防剤又は治療剤、飲食物などに関する。
近年、高度な経済成長と生活水準の向上、西欧化により青少年の身体発達では非常に好ましい成果を示している半面、成人の場合は過多な高カロリー食品の摂取、運動不足及び複雑な産業社会により生じるストレスにより疾病もだんだん西欧化されつつある。
代表的な成人病の例としては高血圧、糖尿病、肥満症、高脂血症(高コレステロール血症)などが挙げられ、特に糖尿病は全ての慢性血管疾患の原因と考えられている。
糖尿病は、我が国において最も患者数が多い生活習慣病の一つである。
糖尿病の特徴は、食事により摂取された炭水化物由来の糖分が消化管から吸収されて血中に入ったときに、血糖値が高すぎたり、高血糖状態が持続したりすることである。
糖尿病はしばしば、肥満を伴い、「糖尿病予備群」と称される軽微な血糖の上昇期を経て発症する。糖尿病の中でも、インシュリン非依存性のII型糖尿病が近年増加している。
糖尿病の特徴は、食事により摂取された炭水化物由来の糖分が消化管から吸収されて血中に入ったときに、血糖値が高すぎたり、高血糖状態が持続したりすることである。
糖尿病はしばしば、肥満を伴い、「糖尿病予備群」と称される軽微な血糖の上昇期を経て発症する。糖尿病の中でも、インシュリン非依存性のII型糖尿病が近年増加している。
II型糖尿病は、運動不足や不規則な食生活などに起因して発症することが多い。
治療には、インシュリンの分泌を促すスルフォニウムウレア系製剤、食後の過血糖を抑制するα−グルコシダーゼ阻害剤、あるいは最近ではインシュリン抵抗性を改善するチアゾリジン系製剤が用いられるが、これら医療用合成製剤は、処方箋を必要とするため、簡易には入手できないばかりか、製剤の投与または服用により種々の副作用を伴うことがある。
また、α−グルコシダーゼ阻害剤をはじめとする糖尿病治療剤は、最近になって重篤な肝障害の発生が報告されるなど、その使用にあたっては医師の厳格な管理・指導が必要とされる。従って、入手が容易でかつ副作用ができるだけ少ないものが求められている。
治療には、インシュリンの分泌を促すスルフォニウムウレア系製剤、食後の過血糖を抑制するα−グルコシダーゼ阻害剤、あるいは最近ではインシュリン抵抗性を改善するチアゾリジン系製剤が用いられるが、これら医療用合成製剤は、処方箋を必要とするため、簡易には入手できないばかりか、製剤の投与または服用により種々の副作用を伴うことがある。
また、α−グルコシダーゼ阻害剤をはじめとする糖尿病治療剤は、最近になって重篤な肝障害の発生が報告されるなど、その使用にあたっては医師の厳格な管理・指導が必要とされる。従って、入手が容易でかつ副作用ができるだけ少ないものが求められている。
入手が容易で副作用の少ないものとしては、有効成分に天然物起源の機能性物質を使用した、いわゆる健康食品が挙げられる。
このような健康食品の例としては、小腸からの吸収糖質量を減少させる作用を有する難消化性デキストリンを天然物起源の機能性物質として配合させた食品があり、これは「特定保健用食品」としての承認を得ている。
また、α−グルコシダーゼ阻害作用を有する植物サラシア・レティキュラータ(Salacia Reticulata)を有効成分として含む食品や植物グアバ(Psidium guajava L.)の葉の有効成分ポリフェノールを含む「特定保健用食品」なども存在する。
このような天然物起源物質を配合した食品は、処方箋を必要とせずに必要時に容易に入手できることから、規則的な食事と組み合わせて摂取でき、糖尿病の早期治療に有効である。
このような健康食品の例としては、小腸からの吸収糖質量を減少させる作用を有する難消化性デキストリンを天然物起源の機能性物質として配合させた食品があり、これは「特定保健用食品」としての承認を得ている。
また、α−グルコシダーゼ阻害作用を有する植物サラシア・レティキュラータ(Salacia Reticulata)を有効成分として含む食品や植物グアバ(Psidium guajava L.)の葉の有効成分ポリフェノールを含む「特定保健用食品」なども存在する。
このような天然物起源物質を配合した食品は、処方箋を必要とせずに必要時に容易に入手できることから、規則的な食事と組み合わせて摂取でき、糖尿病の早期治療に有効である。
その他、糖尿病を防ぐ目的での植物由来の成分を含む健康食品の特許報告も散見される。例えば、特許文献1には、タデ科植物に属する藍由来の抗糖尿病剤が、特許文献2には、マメ科植物ファネラ・リングア由来の抗糖尿病剤が、特許文献3には、ユリ科ツクバネソウ属植物由来の糖尿病の予防及び治療剤が、それぞれ、開示されている。
なお、健康食品として、抗糖尿病効果を標榜したものが多数認められるが、有効性に疑問のあるものが多く、具体的に生体での効能、効果が証明されたものはほとんど認められない。
なお、健康食品として、抗糖尿病効果を標榜したものが多数認められるが、有効性に疑問のあるものが多く、具体的に生体での効能、効果が証明されたものはほとんど認められない。
ここで、本発明に関連のある事項として、ベニバナについて、以下、説明する。
ベニバナはキク科のベニバナ属の1年から2年草の植物であり、その学名(Carthamus tinctorius L.)は、属名、種名のいずれも染色の意味を表し、日本では古くから、アイ、ムラサキとともに代表的な天然染料の材料として栽培されてきた。
日本では特に山形県最上川流域で広く栽培されているが、最近では中国からのベニバナの輸入が行われている。ベニバナの花弁色素には、口紅やほほ紅などの化粧品材料として使用されている紅色色素カルタミンの他、食用色素としても利用可能な黄色のサフラワーイエロー類が含まれており、その利用範囲は多岐に渡っている。
日本では特に山形県最上川流域で広く栽培されているが、最近では中国からのベニバナの輸入が行われている。ベニバナの花弁色素には、口紅やほほ紅などの化粧品材料として使用されている紅色色素カルタミンの他、食用色素としても利用可能な黄色のサフラワーイエロー類が含まれており、その利用範囲は多岐に渡っている。
ベニバナは薬草としても古くから使用されており、月経不順、冷え症、更年期障害、血行障害などに対する効果が注目されている。近年において、その薬理作用が見直されている。
例えば、非特許文献1〜7には、ベニバナのアルコール抽出物に、高コレステロールの上昇抑制効果、睡眠延長作用、スーパーオキシド消去活性、動脈硬化指数低下作用、血中脂質低下作用、抗炎症作用などの有効性が報告されている。
また、特許文献4には、紅花の子葉や茎の抽出エキスに活性酸素を効果的に減少させる効果が、特許文献5には、紅豆杉を主原料にベニバナ花弁乾燥粉末を加味した食品に産婦人科疾病の効果が、特許文献6には、冬虫夏草や紅花などの17種の天然薬物を含有する混合組成物に糖尿病治療用効果が、特許文献7には、オタネニンジンエキスに紅花もやしの緑化部分を使用したものを含む糖尿病などを防ぐ健康アイスクリームが、特許文献8には、紅花の熱水抽出物にメントールを加えた湿布剤が、特許文献9には、ベニバナ花弁の紅色色素カルタミンに高コレステロール血症抑制の効果が、それぞれ開示されている。
特開2002−179587号公報
特開2002−332239号公報
特開2003−81858号公報
特開2001−346555号公報
特開2000−236838号公報
特開2001−506589号公報
特開平7−322825号公報
特開平2−207023号公報
特開2003−40780号公報
山形衛研所報(21)9−1(1988)
生薬学雑誌(43)331−338(1989)
生薬学雑誌(45)306−310(1991)
浦上財団研究報告書(6)88−100(1998)
山形衛研所報(32)12−16(1999)
山形衛研所報(33)9−13(2000)
山形県公衆衛生学会講演集(27)45−46(2001)
例えば、非特許文献1〜7には、ベニバナのアルコール抽出物に、高コレステロールの上昇抑制効果、睡眠延長作用、スーパーオキシド消去活性、動脈硬化指数低下作用、血中脂質低下作用、抗炎症作用などの有効性が報告されている。
また、特許文献4には、紅花の子葉や茎の抽出エキスに活性酸素を効果的に減少させる効果が、特許文献5には、紅豆杉を主原料にベニバナ花弁乾燥粉末を加味した食品に産婦人科疾病の効果が、特許文献6には、冬虫夏草や紅花などの17種の天然薬物を含有する混合組成物に糖尿病治療用効果が、特許文献7には、オタネニンジンエキスに紅花もやしの緑化部分を使用したものを含む糖尿病などを防ぐ健康アイスクリームが、特許文献8には、紅花の熱水抽出物にメントールを加えた湿布剤が、特許文献9には、ベニバナ花弁の紅色色素カルタミンに高コレステロール血症抑制の効果が、それぞれ開示されている。
本発明の目的は、日常の食生活において容易に入手および摂取でき、それにより食後の過血糖状態を抑制して、糖尿病の発症予防や症状の緩和に有効な、副作用の少ない天然植物由来の有効成分を含む抗糖尿病剤を提供することであって、食後の血糖値上昇抑制作用を示すことが現在まで知られていなかった植物を有効成分として使用する、新規な抗糖尿病用組成物を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために、種々の未知の植物を探索し、そしてそれらについて各種評価を行なった結果、キク科植物ベニバナ(学名「Carthamus tinctorius L.」、以下同じ)の花弁粗抽出物に、抗糖尿病作用があることを新規に見出した。
加えて、その花弁粗抽出物を吸着剤に接触させて精製し、糖分などの含有量を抑えることにより、抗糖尿病の作用効果を高くできることを新規に見出した。
加えて、その花弁粗抽出物を吸着剤に接触させて精製し、糖分などの含有量を抑えることにより、抗糖尿病の作用効果を高くできることを新規に見出した。
そこで、本発明では、キク科植物ベニバナ(学名「Carthamus tinctorius L.」、以下同じ)の花弁粗抽出物を吸着剤に接触させて精製することにより得られた花弁抽出エキスを有効成分として含有する抗糖尿病用組成物を提供する。
この組成物は、例えば、水、炭素数1〜8のアルコール類、前記アルコールと水との混合溶媒、酢酸エチル、アセトンのいずれかの抽出溶媒を用いて、前記ベニバナの花弁から有効成分を抽出し、次に、そのベニバナ花弁粗抽出液を吸着剤に接触させた後、有機溶媒、水、有機溶媒と水との混合溶液、酸又はアルカリの水溶液のいずれか又は複数を用いてクロマトグラフィーを行い有効成分を段階的に溶出させ、溶出した画分を回収することにより得ることができる。
この組成物は、花弁粗抽出物を精製することにより糖分などの含有量を抑えているため、花弁又はその粗抽出物よりも有効成分の含有濃度が高く、血糖値上昇抑制活性が高い。加えて、この組成物は、α−グルコシダーゼ阻害活性又は抑制活性、及び、マルターゼ阻害活性又は抑制活性を有する。従って、例えば、この組成物を、糖尿病の予防剤又は治療剤若しくは飲食物に含有させることにより、糖尿病の病態をより高度に抑制できる。
本発明に係る組成物は、糖尿病の予防及び治療に有効である。
<本発明に係る抗糖尿病用組成物について>
本発明に係る抗糖尿病用組成物は、キク科植物ベニバナの花弁抽出エキスを少なくとも含有する。花弁抽出エキスは、花弁粗抽出物を吸着剤などに接触させてさらに精製し、糖分などの含有量を抑えることにより、得ることができる。
含有される有効成分は、ベニバナ花弁に含まれる紅色色素カルタミン、ベニバナ花弁に含まれる黄色色素サフラワーイエロー類、色素生合成前駆体フラボノイド類、それらの配糖体、などであると推測する。
なお、この花弁抽出エキスは、花弁粗抽出物をさらに精製し、糖分などの含有量を抑えているため、花弁又はその抽出物よりも有効成分の含有濃度が高い。
本発明に係る抗糖尿病用組成物は、キク科植物ベニバナの花弁抽出エキスを少なくとも含有する。花弁抽出エキスは、花弁粗抽出物を吸着剤などに接触させてさらに精製し、糖分などの含有量を抑えることにより、得ることができる。
含有される有効成分は、ベニバナ花弁に含まれる紅色色素カルタミン、ベニバナ花弁に含まれる黄色色素サフラワーイエロー類、色素生合成前駆体フラボノイド類、それらの配糖体、などであると推測する。
なお、この花弁抽出エキスは、花弁粗抽出物をさらに精製し、糖分などの含有量を抑えているため、花弁又はその抽出物よりも有効成分の含有濃度が高い。
本発明に適用可能なベニバナとしては、例えば、国産の「最上紅花」や中国産、イスラエル産、アメリカ産、インド産のベニバナなど挙げられるが、ベニバナの産地に限定されることなく、如何なる種類でもよい。また、ベニバナ花弁の種類、産地、仕入れ時期、保存状態など花弁のロットの相違などにも狭く限定されない。
花弁粗抽出物は、例えば、以下の方法により調製できる。
まず、原材料であるベニバナの生又は乾燥花弁を、一般的な粉砕手段を用いて粉砕物とする。ここで、粉砕は、特に微粉化するまで行う必要はなく、ベニバナの花弁から有効な成分が充分に溶出し得る程度(例えば、約5mm以下の寸法)まで行えばよい。
この粉砕物を、適した溶媒に加え室温又は加温して抽出する。抽出溶媒としては、水、メタノール・エタノールなどの炭素数1〜8までのアルコール類、水と前記アルコール類との混合溶媒、酢酸エチル、アセトン、などが挙げられる。特に抽出溶媒として、水やアルコール系溶媒を使用することが好ましく、最も好ましくは、水やメタノールおよびエタノールを使用する。抽出温度および抽出時間は、使用される抽出溶媒によって変化してよく、例えば、抽出溶媒として含水メタノールを使用する場合、約30〜80の温度で約3〜24時間加熱抽出する。
抽出溶媒は、ベニバナの花弁に対して2〜100重量倍程度、好ましくは2〜50重量倍程度で使用することが適当である。また、25〜80℃程度に、1〜10時間程度加熱するか、5〜25℃程度の冷浸温度にて、振盪下又は非振盪下に、植物を1〜10日間程度浸漬することによって花弁粗抽出物を調製することができる。
まず、原材料であるベニバナの生又は乾燥花弁を、一般的な粉砕手段を用いて粉砕物とする。ここで、粉砕は、特に微粉化するまで行う必要はなく、ベニバナの花弁から有効な成分が充分に溶出し得る程度(例えば、約5mm以下の寸法)まで行えばよい。
この粉砕物を、適した溶媒に加え室温又は加温して抽出する。抽出溶媒としては、水、メタノール・エタノールなどの炭素数1〜8までのアルコール類、水と前記アルコール類との混合溶媒、酢酸エチル、アセトン、などが挙げられる。特に抽出溶媒として、水やアルコール系溶媒を使用することが好ましく、最も好ましくは、水やメタノールおよびエタノールを使用する。抽出温度および抽出時間は、使用される抽出溶媒によって変化してよく、例えば、抽出溶媒として含水メタノールを使用する場合、約30〜80の温度で約3〜24時間加熱抽出する。
抽出溶媒は、ベニバナの花弁に対して2〜100重量倍程度、好ましくは2〜50重量倍程度で使用することが適当である。また、25〜80℃程度に、1〜10時間程度加熱するか、5〜25℃程度の冷浸温度にて、振盪下又は非振盪下に、植物を1〜10日間程度浸漬することによって花弁粗抽出物を調製することができる。
花弁抽出エキスは、得られた花弁粗抽出物を吸着剤などに接触させさらに精製することにより、得ることができる。
ベニバナ花弁抽出物の精製方法としては、例えば、クロマトグラフ法、イオン交換樹脂を使用する溶離法、再結晶法、それらを組み合わせて用いる方法、などが挙げられる。
例えば、クロマトグラフ法としては、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、遠心液体クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーなどのいずれか又はそれらを組み合わせて使用する方法が挙げられる。この際の吸着剤(担体)、溶出溶媒などの精製条件は、各種クロマトグラフィーに対応して適宜選択することができる。例えば、順相クロマトグラフィーの場合にはクロロホルム−メタノール系の溶媒、逆相クロマトグラフィーの場合には、水−メタノール系の溶媒を用いることができる。
また、イオン交換樹脂を使用する溶離法としては、例えば、得られた抽出液を、水又は低級アルコールに希釈/溶解させ、この溶液を吸着剤(イオン交換樹脂)に接触させて吸着させた後、低級アルコール又は水で溶離する方法が挙げられる。この際に使用される低級アルコールは、上述した通りであり、なかでもメタノールが好ましい。イオン交換樹脂としては、通常、当該分野の精製処理に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、巨大網状構造で多孔性の架橋されたポリスチレン系樹脂、アンバーライト、セルロースなどが挙げられる。
また、ポリアミドカラムクロマトグラフィーも水溶液成分の有効な溶離法として適用できる。ポリアミドカラムクロマトグラフィーを用いることで、糖類、タンパク質、アミノ酸などを含む水溶出部、フラボノイド配糖体を主成分とするメタノール溶出部、ベニバナ特有の黄色色素成分を含むアンモニア・メタノール溶出部に分画することができる。
<本発明に係る糖尿病の予防剤又は治療剤について>
本発明に係る抗糖尿病用組成物を糖尿病の予防剤又は治療剤として用いる場合、この薬剤には、本発明に係る抗糖尿病用組成物のほかに、医薬分野において常用される既知の他の化合物、及び、経口投与に適した形態に成型するのに必要な化合物、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カオリン、タルク、炭酸カルシウムなどを含有させてもよい。また、この薬剤には、この抗糖尿病用組成物を医薬的に受容な塩の形態で含有させてもよく、また、賦形剤、保存剤、着色剤、矯味剤などを適宜含有させてもよい。その他、医薬品又は食品の製造分野において公知の方法によって、経口投与に適した形状、例えば、粉末、液剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の種々の形態で用いてもよい。
本発明に係る抗糖尿病用組成物を糖尿病の予防剤又は治療剤として用いる場合、この薬剤には、本発明に係る抗糖尿病用組成物のほかに、医薬分野において常用される既知の他の化合物、及び、経口投与に適した形態に成型するのに必要な化合物、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カオリン、タルク、炭酸カルシウムなどを含有させてもよい。また、この薬剤には、この抗糖尿病用組成物を医薬的に受容な塩の形態で含有させてもよく、また、賦形剤、保存剤、着色剤、矯味剤などを適宜含有させてもよい。その他、医薬品又は食品の製造分野において公知の方法によって、経口投与に適した形状、例えば、粉末、液剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の種々の形態で用いてもよい。
本発明に係る抗糖尿病用組成物の適用量は、年齢、症状等によって異なるが、例えば、予防のために用いるには、例えば、成人1回につき、1〜1000mg程度、好ましくは5〜500mg程度が好適である。また、健康食品として適用する場合には、食品の味や外観に悪影響を及ぼさない量、例えば、対象となる食品1kgに対し、1〜1000mg程度の範囲で用いることが適当である。
<本発明に係る飲食物について>
本発明に係る抗糖尿病用組成物は、健康飲食物に適用することができる。健康飲食物とは、通常の飲食物よりも積極的な意味で、保健、健康維持・増進などの目的とした食品を意味し、例えば、液体又は半固形、固形の製品、具体的には、クッキー、せんべい、ゼリー、ようかん、ヨーグルト、まんじゅうなどの菓子類、清涼飲料、栄養飲料、スープなどが挙げられる。また、そのまま煎じて茶剤としてもよい。これらの飲食物の製造工程において、あるいは最終製品に、上記粉末、抽出物などを混合又は塗布、噴霧などして添加して、健康飲食物とすることができる。
本発明に係る抗糖尿病用組成物は、健康飲食物に適用することができる。健康飲食物とは、通常の飲食物よりも積極的な意味で、保健、健康維持・増進などの目的とした食品を意味し、例えば、液体又は半固形、固形の製品、具体的には、クッキー、せんべい、ゼリー、ようかん、ヨーグルト、まんじゅうなどの菓子類、清涼飲料、栄養飲料、スープなどが挙げられる。また、そのまま煎じて茶剤としてもよい。これらの飲食物の製造工程において、あるいは最終製品に、上記粉末、抽出物などを混合又は塗布、噴霧などして添加して、健康飲食物とすることができる。
実施例1では、ベニバナ抽出物の酵素阻害活性を調べた。
サンプル調製は、以下の通り行った。
中国新彊産乾燥紅花200gを水2Lに一晩浸漬を2回繰り返し、得られた水抽出物の凍結乾燥を行い、粗抽出物(A)を得た。この粗抽出物(A)水溶液をポリアミドゲル(和光純薬株式会社製、メッシュサイズ75〜150μm)200gを詰めたカラムに流し、水2.9Lで洗浄し水溶出部(分画物1)を得た。次いでエタノール0.62L、メタノール4.5Lを順次流してメタノール溶出部(分画物2)を得た。さらに1%アンモニア−メタノール4.5Lを用いて溶出を行い、アンモニア・メタノール溶出部(分画物3)を得た。得られた画分1〜3の凍結乾燥を行い、分画物1の凍結乾燥品(1)62.1g、分画物2の凍結乾燥品(2)1.62g、分画物3の凍結乾燥品(3)7.62gを得た。
中国新彊産乾燥紅花200gを水2Lに一晩浸漬を2回繰り返し、得られた水抽出物の凍結乾燥を行い、粗抽出物(A)を得た。この粗抽出物(A)水溶液をポリアミドゲル(和光純薬株式会社製、メッシュサイズ75〜150μm)200gを詰めたカラムに流し、水2.9Lで洗浄し水溶出部(分画物1)を得た。次いでエタノール0.62L、メタノール4.5Lを順次流してメタノール溶出部(分画物2)を得た。さらに1%アンモニア−メタノール4.5Lを用いて溶出を行い、アンモニア・メタノール溶出部(分画物3)を得た。得られた画分1〜3の凍結乾燥を行い、分画物1の凍結乾燥品(1)62.1g、分画物2の凍結乾燥品(2)1.62g、分画物3の凍結乾燥品(3)7.62gを得た。
α−グルコシダーゼ阻害活性の測定は、次の通り行った。
ラットアセトン粉末(SIGMA社製)に9倍量の0.05Mマレイン酸緩衝液(pH6.0)を加え、超音波処理後、3000rpm・10分間遠心、上清を酵素液とした。マレイン酸緩衝液(pH6.0)に所定の濃度で溶解させたサンプル50μLに、マレイン酸緩衝液(pH6.0)に溶解した2%ショ糖50μLを加え、37℃・5分間プレインキュベート後、マレイン酸緩衝液(pH6.0)で2倍希釈した酵素液を50μL加え、37℃・60分間反応した。反応終了後、95℃・10分間で酵素を失活させ、15000rpm・10分間遠心後、上清中のグルコース量をSYNCHRON CX3Δ(BECKMAN社製)にて測定した。
さらに、コントロールとしてサンプルの代わりにマレイン酸緩衝液(pH6.0)のみの溶液を使用して同様に測定した。
ラットアセトン粉末(SIGMA社製)に9倍量の0.05Mマレイン酸緩衝液(pH6.0)を加え、超音波処理後、3000rpm・10分間遠心、上清を酵素液とした。マレイン酸緩衝液(pH6.0)に所定の濃度で溶解させたサンプル50μLに、マレイン酸緩衝液(pH6.0)に溶解した2%ショ糖50μLを加え、37℃・5分間プレインキュベート後、マレイン酸緩衝液(pH6.0)で2倍希釈した酵素液を50μL加え、37℃・60分間反応した。反応終了後、95℃・10分間で酵素を失活させ、15000rpm・10分間遠心後、上清中のグルコース量をSYNCHRON CX3Δ(BECKMAN社製)にて測定した。
さらに、コントロールとしてサンプルの代わりにマレイン酸緩衝液(pH6.0)のみの溶液を使用して同様に測定した。
マルターゼ阻害活性及びアミラーゼ阻害活性の測定は、2%ショ糖を2%マルトース又は2%アミロースに換え、上述の手順と同様の方法により行った。
結果を表1に示す。
表中の数値は、各酵素阻害活性を示す値(%)であり、各サンプルを用いた場合におけるグルコース量を、マレイン酸緩衝液を用いた場合(コントロール)におけるグルコース量で除することにより算出した。
表中の数値は、各酵素阻害活性を示す値(%)であり、各サンプルを用いた場合におけるグルコース量を、マレイン酸緩衝液を用いた場合(コントロール)におけるグルコース量で除することにより算出した。
その結果、表1に示す通り、凍結乾燥品(2)及び(3)を用いた場合、粗抽出物(A)を用いた場合よりも、グルコシダーゼ阻害活性及びマルターゼ阻害活性が高かった。このことは、ベニバナ花弁粗抽出物よりも、その花弁粗抽出物を吸着剤に接触させて精製することにより得られた花弁抽出エキスの方が、抗糖尿病作用効果が高いことを強く示唆する。
実施例2では、食後血糖上昇抑制作用試験を行った。
日本チャールズリバー(株)より購入したCrj:CD(SD)IGS 雄性ラットを用いた。
実験には一群3匹を用い、平均体重および平均血糖値が近似値を示すように、対照群および抽出物投与群に群分けした。抽出物投与群には、実施例1で調製した、ベニバナ乾燥花弁粗抽出物(A)、凍結乾燥品(2)および凍結乾燥品(3)を試験に供した。
ラットを18時間絶食し、頚静脈より採血し、血糖値をSYNCHRON CX3Δ(BECKMAN社製)にて測定した。
続いて、実施例1で調製した、ベニバナ乾燥花弁水抽出物(A)、凍結乾燥品(2)および凍結乾燥品(3)をそれぞれ精製水に懸濁し、500mg/kg(又は2000mg/kg)の用量で強制経口投与し、その15分後にグルコース2.5g/kgを強制経口投与した。グルコース投与後30分、60分および120分後に、頚静脈より採血し血糖値をSYNCHRON CX3Δ(BECKMAN社製)にて測定した。
そして、数1に示す式により血糖値上昇抑制率を求めた。
実験には一群3匹を用い、平均体重および平均血糖値が近似値を示すように、対照群および抽出物投与群に群分けした。抽出物投与群には、実施例1で調製した、ベニバナ乾燥花弁粗抽出物(A)、凍結乾燥品(2)および凍結乾燥品(3)を試験に供した。
ラットを18時間絶食し、頚静脈より採血し、血糖値をSYNCHRON CX3Δ(BECKMAN社製)にて測定した。
続いて、実施例1で調製した、ベニバナ乾燥花弁水抽出物(A)、凍結乾燥品(2)および凍結乾燥品(3)をそれぞれ精製水に懸濁し、500mg/kg(又は2000mg/kg)の用量で強制経口投与し、その15分後にグルコース2.5g/kgを強制経口投与した。グルコース投与後30分、60分および120分後に、頚静脈より採血し血糖値をSYNCHRON CX3Δ(BECKMAN社製)にて測定した。
そして、数1に示す式により血糖値上昇抑制率を求めた。
結果を表2及び表3に示す。
表2は、血糖値の抑制率(%)を表し、測定した各血糖値を、18時間絶食後の血糖値で除することにより算出した。
表3は、数1に示す式により算出した血糖値上昇抑制率を示す。なお、表中、「AUC」は、曲線下面積を表し、経時的な血糖値増加量の面積を示す。
表2は、血糖値の抑制率(%)を表し、測定した各血糖値を、18時間絶食後の血糖値で除することにより算出した。
表3は、数1に示す式により算出した血糖値上昇抑制率を示す。なお、表中、「AUC」は、曲線下面積を表し、経時的な血糖値増加量の面積を示す。
その結果、表2及び表3に示す通り、凍結乾燥品(2)及び(3)を用いた場合、粗抽出物(A)を用いた場合よりも、食後血糖の上昇率が低かった。このことは、ベニバナ花弁粗抽出物よりも、その花弁粗抽出物を吸着剤に接触させて精製することにより得られた花弁抽出エキスの方が、抗糖尿病作用効果が高いことを強く示唆する。
実施例3では、他のサンプルを用いて、α−グルコシダーゼ阻害活性を調べた。
用いたサンプルの調製方法は、次の通りである。
凍結乾燥品(4)〜(6)の調製手順は、以下の通りである。
中国新彊産乾燥紅花200gを水2Lで15分間98℃熱水抽出を行った後、再度75℃熱水を加えて熱水抽出を行い、凍結乾燥により粗抽出物(B)78.45gを得た。この粗抽出物(B)水溶液をポリアミドゲル(和光純薬、メッシュサイズ75〜150μm)を、200gを詰めたカラムに流し、水5Lで洗浄し水溶出部(分画物4)を得た。次いでエタノール0.62L、メタノール4.5Lを順次流してメタノール溶出部(分画物5)を得た。さらに1%アンモニア−メタノール4.5を用いて溶出を行い、アンモニア・メタノール溶出部(分画物6)を得た。次に、得られた画分の凍結乾燥を行い、分画物4の凍結乾燥品(4)68.20g、分画物5の凍結乾燥品(5)2.11g、分画物6の凍結乾燥品(6)6.68gを得た。
中国新彊産乾燥紅花200gを水2Lで15分間98℃熱水抽出を行った後、再度75℃熱水を加えて熱水抽出を行い、凍結乾燥により粗抽出物(B)78.45gを得た。この粗抽出物(B)水溶液をポリアミドゲル(和光純薬、メッシュサイズ75〜150μm)を、200gを詰めたカラムに流し、水5Lで洗浄し水溶出部(分画物4)を得た。次いでエタノール0.62L、メタノール4.5Lを順次流してメタノール溶出部(分画物5)を得た。さらに1%アンモニア−メタノール4.5を用いて溶出を行い、アンモニア・メタノール溶出部(分画物6)を得た。次に、得られた画分の凍結乾燥を行い、分画物4の凍結乾燥品(4)68.20g、分画物5の凍結乾燥品(5)2.11g、分画物6の凍結乾燥品(6)6.68gを得た。
凍結乾燥品(7)〜(9)の調製手順は、以下の通りである。
中国新彊産乾燥紅花300gを70%含水エタノール水6Lで一日攪拌抽出を3回繰り返し、濾液を減圧下濃縮、凍結乾燥を行い、粗抽出物(C)67.94gを得た。この粗抽出物(C)32.14gの水溶液をポリアミドゲル(和光純薬株式会社製、メッシュサイズ75〜150μm)200gを詰めたカラムに流し、水2.82Lで洗浄し水溶出部(分画物7)を得た。次いでエタノール0.42L、メタノール3.4Lを順次流してメタノール溶出部(分画物8)を得た。さらに1%アンモニア−メタノール3.5Lを用いて溶出を行い、アンモニア・メタノール溶出部(分画物9)を得た。次に、得られた画分の凍結乾燥を行い、分画物7の凍結乾燥品(7)24.1g、分画物8の凍結乾燥品(8)2.18g、分画物9の凍結乾燥品(9)4.51gを得た。
中国新彊産乾燥紅花300gを70%含水エタノール水6Lで一日攪拌抽出を3回繰り返し、濾液を減圧下濃縮、凍結乾燥を行い、粗抽出物(C)67.94gを得た。この粗抽出物(C)32.14gの水溶液をポリアミドゲル(和光純薬株式会社製、メッシュサイズ75〜150μm)200gを詰めたカラムに流し、水2.82Lで洗浄し水溶出部(分画物7)を得た。次いでエタノール0.42L、メタノール3.4Lを順次流してメタノール溶出部(分画物8)を得た。さらに1%アンモニア−メタノール3.5Lを用いて溶出を行い、アンモニア・メタノール溶出部(分画物9)を得た。次に、得られた画分の凍結乾燥を行い、分画物7の凍結乾燥品(7)24.1g、分画物8の凍結乾燥品(8)2.18g、分画物9の凍結乾燥品(9)4.51gを得た。
凍結乾燥品(10)の調製手順は、以下の通りである。
中国新彊産乾燥紅花100gを水1Lに一晩浸漬を3回繰り返し、得られた水抽出物の凍結乾燥を行い、粗抽出物(D)34.1gを得た。粗抽出物(D)をSephadex LH−20カラムクロマトグラフィーにより、メタノール−水混合溶媒を展開液として精製し、分画物(10)を得た。次に、得られた画分の凍結乾燥を行い、凍結乾燥品(10)を得た。
中国新彊産乾燥紅花100gを水1Lに一晩浸漬を3回繰り返し、得られた水抽出物の凍結乾燥を行い、粗抽出物(D)34.1gを得た。粗抽出物(D)をSephadex LH−20カラムクロマトグラフィーにより、メタノール−水混合溶媒を展開液として精製し、分画物(10)を得た。次に、得られた画分の凍結乾燥を行い、凍結乾燥品(10)を得た。
以上のサンプルについて、実施例1と同様の方法により、α−グルコシダーゼ阻害活性を測定した。
結果を表4から表6に示す。
各表中の数値は、実施例1と同様、酵素阻害活性を示す値(%)であり、各サンプルを用いた場合におけるグルコース量を、マレイン酸緩衝液を用いた場合(コントロール)におけるグルコース量で除することにより算出した。
各表中の数値は、実施例1と同様、酵素阻害活性を示す値(%)であり、各サンプルを用いた場合におけるグルコース量を、マレイン酸緩衝液を用いた場合(コントロール)におけるグルコース量で除することにより算出した。
その結果、表4から表6に示す通り、凍結乾燥品(5)、(8)、(10)を用いた場合、グルコシダーゼ阻害活性が特に高かった。このことは、ベニバナ花弁抽出物中のメタノール溶出部に、抗糖尿病作用の有効成分が多く含有することを示唆する。
実施例4では、作製したサンプルについて、HPLC測定とUV測定を行った。
HPLCの測定条件は次の通りである。
Column:Inertsil ODS 4.6mmφx250mm
Eluent:MeOH / H2O / AcOH=40 / 60 / 0.5
Detecter:HITACHI Diode Array L-2450
Detect:350nm
Column Temp:35℃
Sample Conc:10000ppm
Sample inject Volume:5μl
Column:Inertsil ODS 4.6mmφx250mm
Eluent:MeOH / H2O / AcOH=40 / 60 / 0.5
Detecter:HITACHI Diode Array L-2450
Detect:350nm
Column Temp:35℃
Sample Conc:10000ppm
Sample inject Volume:5μl
UV測定条件は次の通りである。
機種:HITACHI 150-20形 ダブルビーム分光光度計
Mode:Abs
Limts:0.0 to 1.50
WL scan speed:200nm/min
WL Limts:200.0 ton 600.0nm
Back round:no
No. of Repeat:1
Cycle Time:0
Response:Medium
Lamp Chane:Auto
Recording:no
WL Scale:nm/cm
Line:Solid
Cell:石英ガラスセル10mm
機種:HITACHI 150-20形 ダブルビーム分光光度計
Mode:Abs
Limts:0.0 to 1.50
WL scan speed:200nm/min
WL Limts:200.0 ton 600.0nm
Back round:no
No. of Repeat:1
Cycle Time:0
Response:Medium
Lamp Chane:Auto
Recording:no
WL Scale:nm/cm
Line:Solid
Cell:石英ガラスセル10mm
結果を、HPLCの測定結果を図1〜図13に、UV測定結果を図14〜26に、示す。
本発明に係る抗糖尿病用組成物は、糖負荷時の血糖上昇抑制作用があることから、過食や偏食などに起因した飲食後の過血糖状態を抑制するのみならず、生活習慣病の代表とも言える糖尿病の治療剤としても有効に利用することができる。また、長い間の使用経験に基づく植物を起源とする天然薬物であることから、副作用等の心配がなく、安価に利用できるためダイエットや糖尿病予防にも有効である。しかも、本発明のベニバナ花弁の抽出物を各種吸着剤に接触させることにより有効成分として含有する抗糖尿病用組成物は、健康食品として摂取しやすい形態、例えば、菓子や飲料等の形態とすることができるため、容易に服用することができ、長期間に渡って、連続的に服用し続けることができる。
Claims (7)
- キク科植物ベニバナ(学名「Carthamus tinctorius L.」、以下同じ)の花弁粗抽出物を吸着剤に接触させて精製することにより得られた花弁抽出エキスを有効成分として含有する抗糖尿病用組成物。
- 水、炭素数1〜8のアルコール類、前記アルコールと水との混合溶媒、酢酸エチル、アセトンのいずれかの抽出溶媒を用いて、前記ベニバナの花弁から有効成分を抽出し、
そのベニバナ花弁粗抽出液を吸着剤に接触させた後、有機溶媒、水、有機溶媒と水との混合溶液、酸又はアルカリの水溶液のいずれか又は複数を用いて有効成分を溶出させ、溶出した画分を回収することにより得られることを特徴とする請求の範囲第1項記載の抗糖尿病用組成物。 - α−グルコシダーゼ阻害活性又は抑制活性を有することを特徴とする請求の範囲第1項又は請求の範囲第2項記載の抗糖尿病用組成物。
- マルターゼ阻害活性又は抑制活性を有することを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第3項のいずれか一項記載の抗糖尿病用組成物。
- 血糖値上昇抑制活性を有することを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第4項のいずれか一項記載の抗糖尿病用組成物。
- 請求の範囲第1項から請求の範囲第5項に記載の抗糖尿病用組成物を少なくとも含有する糖尿病の予防剤又は治療剤。
- 請求の範囲第1項から請求の範囲第5項に記載の抗糖尿病用組成物を少なくとも含有する飲食物。
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Citations (4)
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---|---|---|---|---|
JP2001346555A (ja) * | 2000-06-07 | 2001-12-18 | Senju Shokuhin Kk | 植物抽出エキス飲料、およびその製造方法 |
JP2003040780A (ja) * | 2001-07-23 | 2003-02-13 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 高脂血症抑制剤、高コレステロール血症抑制剤もしくは抗肥満剤 |
JP2003125733A (ja) * | 2001-08-03 | 2003-05-07 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 高脂血症もしくは高コレステロール血症改善用補助食品および高血圧症もしくは肝機能障害を改善する補助食品を提供する。 |
JP2005060334A (ja) * | 2003-08-19 | 2005-03-10 | Okinawa Pref Gov | リパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗肥満剤 |
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JP2007063130A (ja) * | 2004-03-31 | 2007-03-15 | Kureha Corp | 抗糖尿病用組成物 |
-
2006
- 2006-09-29 WO PCT/JP2006/319564 patent/WO2007037425A1/ja active Application Filing
- 2006-09-29 JP JP2007537736A patent/JPWO2007037425A1/ja active Pending
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