JPWO2007029723A1 - 芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン性基を含有する芳香族炭化水素系のポリマーよりなるイオン交換膜のロールを顧客に提供するまでに長期間保管しても、ロールの外観、巻き姿及び膜の表面形態に変化がない包装形態を提供するものである。【解決手段】イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロール又はシートの外側に水蒸気透過度が0〜30g/(m2・24h)の範囲にある包装用シート材が配置されたこと特徴とする芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体。【選択図】なし

Description

本発明は、イオン交換膜のロール又はシート及びその包装体に関するものである。ここでいうロールとは、例えば、長尺膜を巻き取って得られる、長尺膜ロールである。シートとは、例えば任意の大きさで四角状もしくは円形状といった形状で枚葉状に切り出されることによって得られるシートである。
近年、エネルギー効率や環境性に優れた新しい発電技術が注目を集めており、中でも高分子固体電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池はエネルギー密度が高く、また、他の方式の燃料電池に比べて運転温度が低いため起動、停止が容易であるなどの特徴を有している。中でも、高分子固体電解質膜を使用し、燃料として有機溶剤を使用するタイプの燃料電池は、ガソリンと同様に液体燃料を供給可能なため、携帯機器の電源などの用途に向けた開発が進んでいる。
液体燃料を燃料として使用する燃料電池のイオン交換膜には、通常プロトン伝導性のイオン交換樹脂膜が使用される。該燃料電池のイオン交換膜にはプロトン伝導性以外にも、燃料の透過を防ぐ燃料透過抑止性や機械的強度などの特性が必要である。このような高分子固体電解質膜としては、スルホン酸基を導入したパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー膜が知られている。
しかしながら、前記のスルホン酸基を導入したパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーは、たとえばメタノール等の液体有機燃料を、燃料極側に供給して使用する場合、液体有機燃料が電解質膜を透過して空気極側に流れ込んでしまうクロスオーバーという問題が顕著である。このクロスオーバーが生じると、例えば、液体燃料と酸化剤が直接反応してしまい、電力が低下してしまうという問題や、液体燃料が空気極側から外部に漏れ出すといった問題が発生する。また、フッ素を含むため廃棄時の環境汚染や、発電時に発生するフッ酸が燃料電池のシステムを腐食するなど燃料電池の実用化に向けた障害として指摘されている。
パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー膜に代わる電解質膜として、ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルスルホン、ポリスルホンなどのポリマーにスルホン酸基などイオン性基を導入した、いわゆる炭化水素系高分子固体電解質が近年盛んに検討されている(特許文献1参照)。イオン性基を含有するポリマーよりなる芳香族炭化水素系イオン交換膜は、イオン伝導性を向上させるためにイオン交換容量が多くなるよう分子設計される。しかしながら、同時に吸湿性も向上するために、芳香族炭化水素系イオン交換膜ロールを長期間保管する際は吸湿により膜が膨潤することで、膜表面の平面性が損なわれたり、寸法が変化してしまうことで、膜と電極との接合体を製作する際には電極を上手く接合できないといった問題があった。また、光が長時間照射されるとポリマーが劣化し、機械的強度が低下するという問題があった。
特表2002−524631号公報
一方、ナイロンフィルム等の吸湿性の高いフィルムのロール又はシートを、使用に供するまでの保管や輸送をする間、吸湿から保護するために、防湿包装するなどの手段を施すことが知られている。また、比較的吸湿性の低いポリエステルフィルムにおいても、磁気テープ等の高精度の加工を必要とする用途に供する場合においては防湿包装することが知られている。(特許文献2〜4参照)
特開平10−305876号公報 特開2002−370788号公報 特開2004−224395号公報
本発明は上記の課題を背景になされたものであって、イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロール又はシートを長期間保管しても吸湿による膨潤がなく、膜表面の平面性や外観悪化を抑制する包装形態を提供することである。また、遮光によるポリマー劣化を抑制する包装形態を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意研究した結果、イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロール又はシートを長期間保管しても吸湿による膨潤がなく、膜表面の平面性や外観悪化を抑制する包装形態を見出した。また、遮光によるポリマー劣化を抑制する包装形態を見出した。
すなわち本発明は、
1.イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロール又はシートの外側に水蒸気透過度が0〜30g/(m・24h)の範囲にある包装用シート材が配置されたこと特徴とする芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体、
2.包装用シート材が金属材料からなる包装用シート材である前記1に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体、
3.金属材料からなる包装用シート材が金属箔である前記2に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体、
4.金属材料からなる包装用シート材が金属ラミネートフィルムである前記2に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体、
5.金属材料からなる包装用シート材が金属蒸着フィルムである前記2記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体、
6.イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロールの外側に水蒸気透過度が0〜30g/(m・24h)の範囲にある包装用シート材が配置されていることを特徴とする芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール、
7.包装用シート材が金属材料を含む包装用シート材である前記6に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール、
8.イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のシートの外側に水蒸気透過度が0〜30g/(m・24h)の範囲にある包装用シート材が配置されていることを特徴とする芳香族炭化水素系イオン交換膜シート、
である。
9.包装用シート材が金属材料を含む包装用シート材である前記8に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜シート、 である。
防湿性能に優れ、特に遮光性能にも優れた包装用シート材をイオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロール又はシートの外側に配置することで、長期間保管しても吸湿による膨潤がなく、膜表面の平面性に優れた、寸法変化の発生がなく、またポリマー劣化のない芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されない。
イオン性基を含有するポリマーよりなる芳香族炭化水素系イオン交換膜ロールは、通常、イオン性基を含有するポリマーよりなる芳香族炭化水素系イオン交換膜がプラスチックや紙などのコアにロール状に巻かれたものである。
本発明を実施する上で、コアの材質は特に限定されるものではなく、紙、塩化ビニール等のプラスチック、又は、ガラス繊維とエポキシ樹脂、紙とフェノール樹脂、炭素繊維とエポキシ樹脂などの組み合わせからなる繊維強化プラスチック(FRP)、ステンレス、鋼などの金属、紙製のコアに樹脂を含浸したもの、又はそれらの表面に樹脂層を形成したものなど、従来用いられたものが本発明の効果を損なわない限り用いられる。
本発明のイオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロール及びシートは、その外側が水蒸気透過度が0〜30g/(m・24h)の範囲にある包装用シート材によって覆われる。尚、上記の水蒸気透過度の数値は、40℃・90%RHの条件で測定したものである。水蒸気透過度が上記範囲以上の場合では、長期間保管する際は吸湿により膜が膨潤することで、膜表面の平面性が損なわれたり、寸法が変化してしまうといった問題が生じるので好ましくない。包装用シート材はロールに密着させる方がロール外観の形状変化を抑制できるので好ましい。また、包装用シート材により吸湿が抑制されることによっても、ロール及びシート形状の変化は低減される。
本発明に用いる包装用シート材としては、例えば、汎用のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどが用いられるが、本発明の効果を発揮するためには、包装フィルムの水蒸気透過度が30g/(m・24hr)以下の範囲であることが重要となる。
好ましい防湿性に優れるフィルムとしては、ポリアクリロニトリル系フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリふっ化ビニリデンフィルム等が知られるほか、ポリエチレン又はポリプロピレンとポリ塩化ビニリデンを共押し出し法やコーティング加工法により複合したフィルム等が挙げられる。
また、(1)アルミニウム、銅、ステンレス等の金属箔や(2)ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等にアルミニウム、銅等の金属箔をラミネートしたフィルム、又は(3)ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等にアルミニウム、銅等の金属を蒸着した金属蒸着フィルム等を用いることもできる。これらの金属箔や金属箔ラミネートフィルム、金属蒸着フィルムは、防湿性が優れるとともに酸素バリア性と光遮断性にも優れるので好ましい。イオン交換膜のロールを長期に保管する場合に劣化を防止することができる。
これら包装用シート材の厚さについては特に制限はない。しかし、極端に薄いフィルムは、取り扱い時や輸送時に破損のおそれがある。また極端に厚いフィルムは、剛性が高くなりすぎて取扱上問題を生じる。通常包装用シート材の厚さ10μm〜200μm程度の範囲内で選ばれる。
本発明において包装用シート材でイオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロール及びシートを覆う範囲は、想定されるロール及びシートの保管状況により適宜決定すれば良い。覆う範囲を小さくすれば、包装用シート材の使用量が少なくなりコスト的には有利であるが、小さくしすぎると吸湿を防ぐ効果が十分でなくなるので、ロール及びシート全周・全面にわたって覆うことが好ましい。また、両端面を覆うことにより吸湿防止効果をさらに高めることもできる。端面を覆う場合は、包装用シート材をコアの端部からコアの内径部に巻き込むように固定すると作業性がよく好ましい。
本発明において包装用シート材の封止方法は、特に限定されるものではなく、実質的に水分の侵入が阻止又は抑制できるものであればよい。例えば、包装用シート材の両端をコアに密着させたり貼り付けたりする方法、金属材料からなるシート材や包装フィルムの両端をコアの内面に折り込み、コアのパッドで押さえつけて封止する方法、金属材料からなるシート材や包装フィルムを袋状にして入り口を加熱するなどして接着する方法などが任意に用いられる。金属材料からなるシート材や包装フィルムで封止する直前に窒素などの不活性ガスを注入することも好ましい方法である。
また、本発明においては緩衝材をイオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロールを保護するためにロールの外周に設置しても良い。また、端面崩れを防止するためのパッド等をロール端面やロール最外層に設置しても良く、これらの設置を省略することも可能である。更に、輸送上の傷付き防止や取り扱い性を高めるために、ダンボール箱やプラスチックケースなどの容器に収納することも好ましい実施態様である。
本発明を実施する上で、イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロール及びシートの外径、フィルム幅等の寸法については何らの制限はない。また、ロール巻芯の寸法、材質等についても本発明の効果を損ねない限り制限されるものではない。
本発明におけるイオン性基を含有する芳香族炭化水素系のポリマーについて述べる。本発明におけるイオン性基を含有する芳香族炭化水素系のポリマーは、ポリマー主鎖に芳香族あるいは芳香環とエーテル結合、スルホン結合、イミド結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、スルフィド結合、カーボネート結合及びケトン結合から選択される少なくとも1種以上の結合基を有する構造を持つ非フッ素系のイオン伝導性ポリマーであり、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリフェニルキノキサリン、ポリアリールケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリイミド等の構成成分の少なくとも1種を含むポリマーに、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基、及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種が導入されているポリマーが挙げられる。なお、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボシキル基などのイオン性基をポリマーに含むことで、ポリマーのイオン伝導性が発現される。この中で特に有効に作用するイオン性基は、スルホン酸基である。また、ここでいうポリスルホン、ポエーテルスルホン、ポリエーテルケトン等は、その分子鎖にスルホン結合、エーテル結合、ケトン結合を有しているポリマーの総称であり、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンスルホンなどを含むとともに、特定のポリマー構造に限定するものではない。
上記イオン性基を含有する芳香族炭化水素系のポリマーのうち、特に芳香環上にスルホン酸基を持つポリマーは、上記例のような骨格を持つポリマーに対して適当なスルホン化剤を反応させることにより得ることができる。このようなスルホン化剤としては、例えば、芳香族系炭化水素系ポリマーにスルホン酸基を導入する例として報告されている、濃硫酸や発煙硫酸を使用するもの(例えば、Solid State Ionics,106,P.219(1998))、クロル硫酸を使用するもの(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,22,P.295(1984))、無水硫酸錯体を使用するもの(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,22,P.721(1984)、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,23,P.1231(1985))等が有効である。本発明のプロトン伝導性ポリマー、特にプロトン伝導性がスルホン酸基によって発現されるポリマーを得るためには、これらの試薬を用い、それぞれのポリマーに応じた反応条件を選定することにより実施することができる。また、特許第2884189号に記載のスルホン化剤等を用いることも可能である。
また、上記イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーは、重合に用いるモノマーの中の少なくとも1種に酸性基を含むモノマーを用いて合成することもできる。例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物から合成されるポリイミドにおいては、芳香族ジアミンの少なくとも1種にスルホン酸基やホスホン酸基を含有するジアミンを用いて酸性基含有ポリイミドとすることが出来る。芳香族ジアミンジオールと芳香族ジカルボン酸から合成されるポリベンズオキサゾール、芳香族ジアミンジチオールと芳香族ジカルボン酸から合成されるポリベンズチアゾールの場合は、芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種にスルホン酸基含有ジカルボン酸やホスホン酸基含有ジカルボン酸を使用することにより酸性基含有ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾールとすることが出来る。芳香族ジハライドと芳香族ジオールから合成されるポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンなどは、モノマーの少なくとも1種にスルホン酸基含有芳香族ジハライドやスルホン酸基含有芳香族ジオールを用いることで合成することが出来る。この際、スルホン酸基含有ジオールを用いるよりも、スルホン酸基含有ジハライドを用いる方が、重合度が高くなりやすいとともに、得られた酸性基含有ポリマーの熱安定性が高くなるので好ましいと言える。
本発明におけるイオン性基を含有する芳香族炭化水素系のポリマーは、スルホン酸基を含有するポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリエーテルケトン系ポリマーなどのポリアリーレンエーテル系化合物及び/又はポリアリーレン系化合物であることがより好ましい。
さらに、本発明におけるイオン性基を含有する芳香族炭化水素系のポリマーは、下記一般式(1)で示される構成成分を含むポリマーが特に好ましい。
ただし、Arは2価の芳香族基、Yはスルホン基又はケトン基、XはH及び/又は1価のカチオン種、Zは芳香環をつなぐ結合様式より選択されるが、直接結合、エーテル結合及び/又はチオエーテル結合(O又はS)が好ましい。その中でもエーテル結合が好ましい傾向にある。
さらに下記一般式(2)の構成成分を含む方が好ましい。
ただし、Ar’は2価の芳香族基、Zは芳香環をつなぐ結合様式より選択されるが、直接結合、エーテル結合及び/又はチオエーテル結合(O又はS)が好ましい。その中でもエーテル結合が好ましい傾向にある。
一般式(3)とともに一般式(4)で示される構成成分を含むことはより好ましい。


ただし、Arは2価の芳香族基、Yはスルホン基又はケトン基、XはH又は1価のカチオン種を示す。
ただし、Ar’は2価の芳香族基を示す。
上記一般式(4)で示される構成成分は、下記一般式(5)で示される構成成分であることが好ましい。
ただし、Ar’は2価の芳香族基を示す。
また、上記のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物においては上記一般式で示される以外の構造単位が含まれていても構わない。このとき、上記一般式で示される以外の構造単位は50重量%以下であることが好ましい。50重量%以下とすることにより、スルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物の特性を活かした組成物とすることができる。
本発明におけるイオン性基を含有する芳香族炭化水素系のポリマーとしては、イオン交換容量が0.3〜3.5meq/gの範囲にあることが好ましい。0.3meq/gよりも少ない場合には、イオン伝導膜として使用したときに十分なイオン伝導性を示さない傾向があり、3.5meq/gよりも大きい場合にはイオン伝導膜を高温高湿条件においた場合に膜膨潤が大きくなりすぎて使用に適さなくなる傾向がある。なお、スルホン酸基含有量はポリマー組成より計算することができる。より好ましくは1.0〜3.0meq/gである。
本発明のイオン性基を含有する芳香族炭化水素系のポリマーのイオン性基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基のいずれか1種以上の基を含有することが重要である。ポリマーへのイオン性基の導入は公知の方法を用いることができ、例えばスルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基を有するモノマーからポリマーを重合しても良いし、ポリマーを重合した後、イオン性基を公知の方法で導入しても良い。
本発明のイオン性基を含有する芳香族炭化水素系のポリマーの分子量は特に限定されるものではないが、濃度が0.5g/dLのN−メチル−2−ピロリドン溶液での対数粘度が0.1〜2.0dL/gであることが好ましい。0.1dL/gよりも小さいと、イオン交換膜として成形したときに、膜が脆くなりやすくなる。対数粘度は0.3以上であることがさらに好ましい。一方、対数粘度が5dL/gを越えると、ポリマーの溶解性が困難になるなど、加工性での問題が出てくるので好ましくない。
本発明でイオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜を製造する際に用いることのできる有機溶媒は、前記ポリマーを溶解できるものであれば特に限定されないが、溶解性や取扱い性、コストの面などからN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホンアミドなどの有機極性溶媒が望ましい。これらの溶剤は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。溶液中のポリマー濃度は0.1〜50重量%の範囲であることが好ましい。溶液中のポリマー濃度が0.1重量%未満であると良好な成形物を得るのが困難となる傾向にあり、50重量%を超えると加工性が悪化する傾向にある。
本発明のイオン交換膜のロールは、イオン交換樹脂を溶剤に溶解させた溶液を支持体上に流延した後に溶剤を除去することで得られる膜を連続的に巻き取りを実施することで得られる。イオン交換樹脂を溶剤に溶解させた溶液を支持体上に流延する方法については、コンマコーター、リップコーター、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、ダイコーター等の公知の手法を用いることができる。支持体としては、ステンレスなどの金属からなるエンドレスベルトやドラム、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂からなるフィルムを用いることができるがこれらに限定されない。金属からなる支持体の表面に鏡面処理を施したり、樹脂フィルムの表面にコロナ処理等を施すことで、支持体表面が改質されていてもよい。
支持体上に流延された溶液は温度150℃以下で乾燥させゲル状膜とすることが好ましい。乾燥方法については、支持体の加熱、熱風や赤外線ヒーター等の公知の手法で乾燥させることができる。150℃以上の高温で乾燥を行うと、発泡が起こり易く膜に欠点が生じ膜品位を低下させることが多く好ましくない。ゲル状膜の残溶剤量は、ポリマー重量に対して15〜50重量%であることが好ましい。残溶剤量が50重量%以上では、完全には固化されておらずハンドリングできない。また、残溶剤量が15重量%以下になると、支持体との密着性が急激に向上し、支持体から剥離することが非常に困難となり、剥離の際、膜に傷を生じさせてしまうことで膜の品位が低下してしまう。膜に亀裂やピンホールが存在すると、例えば燃料電池の実用段階では性能低下が顕著となるため好ましくなく、細心の注意が必要である。乾燥時間については、ゲル状膜が上記残溶剤量の範囲となるように設定すれば良く、特に限定はされない。
連続的に巻き取られたゲル状膜は次に脱溶剤処理が実施される。この手法としては、上記残溶剤量の範囲にあるゲル状膜は支持体より剥離させ、支持体がないフリーな状態で再度乾燥熱処理を行う手法、又は、水洗工程に導き湿式処理を行う手法が有効である。
上記残溶剤
量の範囲にあるゲル状膜は支持体より剥離させ、支持体がないフリーな状態で再度乾燥熱処理を行う手法においては、乾燥熱処理する際の温度を300℃以下にしておくことが好ましい。300℃以上の温度で乾燥を行うと、分解が進行してしまうため好ましくない。乾燥熱処理の時間は特に限定されないが、実用段階で問題が発生しない程度まで溶剤を極力除去することが必要であり、10秒以上行うことが好ましく、さらに好ましくは30秒以上おこなうことが好ましい。乾燥時ではピンやクリップ等でフィルムの両端部を固定しながら乾燥熱処理させることが、寸法安定性を向上させるために好ましい。イオン伝導膜として使用する場合、膜中のスルホン酸基は金属塩になっているものを含んでいても良いが、適当な酸処理を連続的に実施することによりフリーのスルホン酸に変換することを連続的に実施することが好ましい。この場合、硫酸、塩酸等の水溶液中に加熱下あるいは加熱せずに膜を浸漬処理したのちに十分に水洗を実施して乾燥した後にロール状に巻き取ることが効果的である。
上記残溶剤量の範囲にあるゲル状膜を水洗工程に導き湿式処理を行う手法において、水洗液の温度は特に限定されないが、5〜80℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜60℃の範囲である。水洗時間は10秒以上行うことが好ましく、さらに好ましくは30秒以上おこなうことが好ましい。あまりにも水洗時間が短い場合では、十分に脱溶剤が行われず、実用段階で不具合が発生するため好ましくない。水洗工程では、脱溶剤効率の向上を目的とし、膜に水洗液をスプレー状で吹きつけたり、水洗液を対流させたりすることで表面を積極的に更新させることが好ましく、生産性の向上に繋がる。ポリマー中のスルホン酸基はカチオン種との塩の形のものを含んでいても良いが、水洗工程の前後において必要に応じて酸処理することによりフリーのスルホン酸基に変換することもできる。水洗工程を通過した膜は次に乾燥工程に導かれる。乾燥工程での温度は300℃以下である必要がある。300℃以上の温度で乾燥を行うと、分解が進行してしまうため好ましくない。乾燥時間は特に限定されないが、10秒以上行うことが好ましく、さらに好ましくは30秒以上おこなうことが好ましい。乾燥時ではピンやクリップ等でフィルムの両端部を固定しながら乾燥させることが、寸法安定性を向上させるために好ましい。
脱溶剤工程を通過し得られた膜をロール状に連続的に巻きとる際、膜の耳を切り取りロールの端面を揃えることも好ましく行われる。また必要に応じて任意の大きさで四角状もしくは円形状といった形状で枚葉状に切り出されシート状とされることも行われる。
得られた膜の残溶剤量はポリマー重量に対して1.0重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以下であることがさらに好ましく、0.1重量%以下であることが最も好ましい。膜は目的に応じて任意の厚さにすることができるが、イオン伝導性の面やハンドリング性の面から、具体的には5〜500μmであることが好ましく、10〜300μmであることがさらに好ましく、20〜250μmであることが最も好ましい。膜の厚さが5μmより薄いと取扱が困難となり、例えば燃料電池を作製した場合では短絡等が起こる傾向にあり、500μmよりも厚いと例えば燃料電池を作製した場合では膜の電気抵抗値が高くなり燃料電池の発電性能が低下する傾向にある。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、各種測定は次のように行った。
<イオン交換膜の厚さ>
室温が20℃で湿度が30±5RH%にコントロールされた測定室内で測定を行った。なお測定に際してサンプルは、24時間以上、測定室内で静置したものを使用した。イオン交換膜の厚さは、マイクロメーター(Mitutoyo DIGIMATIC MICROMETER 最小読取値:0.001mm)を用いて測定することにより求めた。
<ポリマー対数粘度>
ポリマー粉末を0.5g/dLの濃度でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、30℃の恒温槽中でウベローデ型粘度計を用いて粘度測定を行い、対数粘度ln[ta/tb]/cで評価した(taは試料溶液の落下秒数、tbは溶媒のみの落下秒数、cはポリマー濃度(g/dL))。
<イオン交換容量>
窒素雰囲気下で一晩乾燥した試料の重量を量り、水酸化ナトリウム水溶液と撹拌処理した後、塩酸水溶液による逆滴定でもとめた。
<包装用シート材の水蒸気透過度>
包装用シート材の水蒸気透過度試験は、JIS K 7129 に基づいて実施した。測定は40℃・90%RHの条件で実施した。
<膜−電極接合体の作製>
デュポン社製20%ナフィオン(登録商標)溶液(品番:SE−20192)に、触媒担持カーボン(カーボン:Cabot社製ValcanXC−72、白金−ルテニウム触媒担持量:40重量% 白金/ルテニウムのモル比=1/1)を、白金−ルテニウム触媒とナフィオン(登録商標)の重量比が2.7:1になるように加え、撹拌して触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを、東レ製カーボンペーパーTGPH−060に白金の付着量が2mg/cmになるように塗布、乾燥して、アノード用電極触媒層付きガス拡散層を作製した。また、デュポン社製20%ナフィオン(登録商標)溶液(品番:SE−20192)に、触媒担持カーボン(カーボン:Cabot社製ValcanXC−72、白金触媒担持量:40重量%)を、白金触媒とナフィオン(登録商標)の重量比が2.7:1になるように加え、撹拌して触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを、東レ製カーボンペーパーTGPH−060に白金の付着量が1mg/cmになるように塗布、乾燥して、カソード用電極触媒層付きガス拡散層を作製した。上記2種類の電極触媒層付きガス拡散層の間に、膜試料を、電極触媒層が膜試料に接するように挟み、ホットプレス法により120℃、2MPaにて3分間加圧、加熱することにより、膜−電極接合体を作製した。
(製造例:イオン交換膜)
3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩778g、2,6−ジクロロベンゾニトリル553g、4,4’−ビフェノール892g、炭酸カリウム762g、N−メチル−2−ピロリドンを5620g入れて、窒素雰囲気下にて150℃で1時間撹拌した後、反応温度を200℃に上昇させて系の粘性が十分上がるのを目安に反応を続けた(約7時間)。放冷の後、水中にストランド状に沈殿させた。得られたポリマーは、水中で40時間洗浄した後、乾燥した。ポリマーの対数粘度は1.24dL/gを示した。このポリマーを、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として用い、ポリマー濃度が27.0重量%となるように溶液を調整した。調整した溶液を、ポリエステルフィルムを支持体として、コンマコーターにて厚さ300μmになるよう温度20℃で流延し、温度120℃で30分間乾燥した後、支持体とゲル状膜を連続的に巻き取った。次に、支持体を連続的に剥離させ、ゲル状膜を温度60℃の水中に20分間浸漬させた後、60℃の2mol/lの硫酸中に16分間浸漬しすることでスルホン化処理を施した後に、水洗を温度60℃にて30分実施した。その後、膜を温度50℃で10分間乾燥させた後に連続的に巻き取りを実施することで実施例及び比較例に用いるイオン交換膜を製造した。得られたイオン交換膜の厚さを測定したところ47μmであり、イオン交換容量は1.60meq/gであった。
<実施例1>
上記のイオン交換膜を250mm幅にスリットし、内径が3インチのポリプロピレンからなるコアに50m巻き、イオン交換膜のロールを作製した。このイオン交換膜のロールの上から、厚さが25μmのポリエステルフィルムで包装し、このポリエステルフィルムの末端をコアの端部からコアの内径部に巻き込むように固定した。このポリエステルフィルムの水蒸気透過度は28g/(m・24h)であった。このように包装したロールをダンボール箱に収納し、30℃、80%RHに設定した恒温恒湿器の中で30日間保管した。保管後のロールを取り出してロール外観、膜の変形につき観察したところ、ロールの表面、内層共に全くしわや変形、表面形態の変化などの異常は発生していなかった。ポリマーの対数粘度は1.22dL/gを示した。この膜を用いて膜−電極接合体の製作を実施したところ電極の接合状態は良好であった。
<実施例2>
上記のイオン交換膜を250mm幅にスリットし、内径が3インチのポリプロピレンからなるコアに50m巻きイオン交換膜のロールを作製した。このイオン交換膜ロールの上から、厚さが25μmのアルミ蒸着フィルムで包装し、このアルミ蒸着フィルムの末端をコアの端部からコアの内径部に巻き込むように固定した。なお、このアルミラミネートシートの水蒸気透過度は1g/(m・24h)であった。このように包装したロールをダンボール箱に収納し、30℃、80%RHに設定した恒温恒湿器の中で30日間保管した。保管後のロールを取り出してロール外観、膜の変形につき観察したところ、ロールの表面、内層共に全くしわや変形、表面形態の変化などの異常は発生していなかった。 また、ポリマーの対数粘度に変化はなかった。この膜を用いて膜−電極接合体の製作を実施したところ電極の接合状態は良好であった。
<比較例1>
上記のイオン交換膜を250mm幅にスリットし、内径が3インチのポリプロピレンからなるコアに50m巻きイオン交換膜のロールを作製した。このイオン交換膜ロールの上から、厚さが12μmのポリエステルフィルムで包装し、このポリエステルフィルムの末端をコアの端部からコアの内径部に巻き込むように固定した。このポリエステルフィルムの水蒸気透過度は46g/(m・24h)であった。このように包装したロールをダンボール箱に収納し、30℃、80%RHに設定した恒温恒湿器の中で30日間保管した。保管後のロールは、表面が凸凹状になっており、また、膜の端部では変形がみられ平面性が保たれていなかった。ポリマーの対数粘度は1.12dL/gを示し若干ではあるがポリマーは劣化していることが確認された。この膜を用いて膜−電極接合体の製作を実施したところ電極を上手く接合することができなかった。
<実施例3>
上記のイオン交換膜を250mm幅にスリットし、内径が3インチのポリプロピレンからなるコアに50m巻きイオン交換膜のロールを作製した。このイオン交換膜ロールの上から、厚さが12μmのポリエステルフィルムで包装し、更にその上から厚さが25μmのアルミ蒸着フィルムで包装し、このアルミ蒸着フィルムの末端をコアの端部からコアの内径部に巻き込むように固定した。なお、このポリエステルフィルム及びアルミ蒸着フィルムの水蒸気透過度は、それぞれ46g/(m・24h)及び1g/(m・24h)であった。このように包装したロールをダンボール箱に収納し、30℃、80%RHに設定した恒温恒湿器の中で30日間保管した。保管後のロールを取り出してロール外観、膜の変形につき観察したところ、ロールの表面、内層共に全くしわや変形、表面形態の変化などの異常は発生していなかった。また、ポリマーの対数粘度に変化はなかった。この膜を用いて膜−電極接合体の製作を実施したところ電極の接合状態は良好であった。
<実施例4>
上記のイオン交換膜を250mm幅にスリットし、内径が3インチのポリプロピレンからなるコアに50m巻きイオン交換膜のロールを作製した。そこから、10cm角で10枚切り出しシート状にして、厚さが25μmのアルミ蒸着フィルムで端部をラミネートすることで袋状とし、その中にイオン交換膜シートを重ねて入れた後、ラミネートすることで密閉させた。なお、このアルミ蒸着フィルムの水蒸気透過度は1g/(m・24h)であった。このように包装したシートをダンボール箱に収納し、30℃、80%RHに設定した恒温恒湿器の中で30日間保管した。保管後のシートを取り出してシート外観、膜の変形につき観察したところ、シート表面の形態変化などの異常は発生していなかった。 また、ポリマーの対数粘度に変化はなかった。この膜を用いて膜−電極接合体の製作を実施したところ電極の接合状態は良好であった。
<比較例2>
上記のイオン交換膜を250mm幅にスリットし、内径が3インチのポリプロピレンからなるコアに50m巻きイオン交換膜のロールを作製した。そこから、10cm角で10枚切り出しシート状にして、ダンボール箱に収納し、30℃、80%RHに設定した恒温恒湿器の中で30日間保管した。保管後のシートは、表面が凸凹状になっており、また、膜の端部では変形がみられ平面性が保たれていなかった。ポリマーの対数粘度は1.09dL/gを示しポリマーは劣化していることが確認された。この膜を用いて膜−電極接合体の製作を実施したところ電極を上手く接合することができなかった。
本発明によれば、長期保管中に吸湿による膜の膨潤がないのでロール又はシートの外観や巻き姿の不良発生がなく、膜を加工するに当たっては、膜表面の形態変化及び寸法変化発生等によるトラブルが発生しない、優れたイオン交換膜を提供することが可能となる。また、遮光することでポリマー劣化のないイオン交換膜を提供することが可能となる。

Claims (9)

  1. イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロール又はシートの外側に水蒸気透過度が0〜30g/(m・24h)の範囲にある包装用シート材が配置されたこと特徴とする芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体。
  2. 包装用シート材が金属材料を含む包装用シート材である請求項1に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体。
  3. 金属材料を含む包装用シート材が金属箔である請求項2に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体。
  4. 金属材料を含む包装用シート材が金属ラミネートフィルムである請求項2に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体。
  5. 金属材料を含む包装用シート材が金属蒸着フィルムである請求項2記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール又はシートの包装体。
  6. イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のロールの外側に水蒸気透過度が0〜30g/(m・24h)の範囲にある包装用シート材が配置されていることを特徴とする芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール。
  7. 包装用シート材が金属材料を含む包装用シート材である請求項6に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜ロール。
  8. イオン性基を含有する芳香族炭化水素系ポリマーよりなるイオン交換膜のシートの外側に水蒸気透過度が0〜30g/(m・24h)の範囲にある包装用シート材が配置されていることを特徴とする芳香族炭化水素系イオン交換膜シート。
  9. 包装用シート材が金属材料を含む包装用シート材である請求項8に記載の芳香族炭化水素系イオン交換膜シート。
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