JPWO2007026931A1 - 電解加工方法及び電解加工装置 - Google Patents

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Abstract

電解加工方法は、配線金属の加工を抑制しつつ、拡散バリア層を優先的に加工できるようにして、CMPを省略したり、CMPにおける加工圧力を軽減したりできるようにする。電解加工方法は、炭酸プロピレン等の有機溶媒に、ヘキサフルオロりん酸リチウム等の電解質を溶かし、必要に応じて複素環式化合物からなるインヒビターを添加した電解液(48)に基板(W)の表面を接触させ、基板(W)の表面に、例えば有機溶媒の分解電圧未満の値に制御した正電位を印加して該表面の電解加工を行う。

Description

本発明は、電解加工方法及び電解加工装置に関し、特に半導体集積回路の金属配線の加工に際し、半導体ウェーハ等の基板の表面に設けたトレンチやビアホール等の凹部に配線金属埋め込みの為のダマシンめっきを行った後に、過剰な配線金属層及び拡散バリア層を除去し基板の表面を平坦化するのに使用される電解加工方法及び電解加工装置に関する。
半導体集積回路の配線金属材料として、従来、アルミニウムやアルミニウム合金が一般に使われてきたが、昨今では電気抵抗率が低くエレクロトマイグレーション耐性が高い銅が用いられてきている。銅配線は、基板上の絶縁膜内に設けたビアホールやトレンチ内にめっきによって銅を埋め込み、過剰の銅や銅の拡散を防止するために予め設けられた拡散バリア層をCMP(化学機械的研磨)により除去し表面を平坦化するダマシン法により一般に形成される。
図1A乃至1Dを参照して、銅配線形成例を説明する。この例は、絶縁膜として低誘電率絶縁層を有している。図1Aに示すように、下層絶縁膜10の内部に銅からなる下層配線12を形成した基板Wの表面に、Si−Nバリア層14、第1低誘電率絶縁(Low−k)層16、第2低誘電率絶縁(Low−k)層18及びハードマスク20からなる上層絶縁膜22を堆積し、この上層絶縁膜22の内部に、例えばリソグラフィ・エッチング技術により、ビアホール24とトレンチ26を形成する。そして、上層絶縁膜22の上に銅の拡散を防止する拡散バリア層28、更に拡散バリア層28の上に電解めっきの給電層としてシード層30を形成する。拡散バリア層28には、W、Ta/Ta、Ti、W、WSi(X,Yは、合金により任意の数値を示す)、TaSi、TiSi(X,Y,Zは、合金により任意の数値)やRuなどの金属材料が一般に用いられる。
そして、図1Bに示すように、基板Wのビアホール24及びトレンチ26内にめっき等で銅32を充填するとともに、ハードマスク20の上に銅32を堆積する。その後、研磨剤スラリーを用いた化学機械的研磨(CMP)により、基板Wの最表面の銅膜(銅32及びシード層30)を除去する。この時、図1Cに示すように、トレンチ26を埋め込んでいる銅32にあっては、拡散バリア層28の厚さと同程度の深さまで銅32を除去する。つまり、トレンチ26を埋め込んでいる銅32の表面が、拡散バリア層28が形成する表面よりもほぼ拡散バリア層28の厚さ分だけ低い位置となるようにする。続いて、ビアホール24及びトレンチ26に充填させた(埋め込んだ)銅32の表面とハードマスク20の表面とがほぼ同一平面になるように、拡散バリア層28を別途研磨して研磨工程を終了する。これにより、図1Dに示すように、上層絶縁膜22の内部に銅32からなる配線(上層配線)34を形成する。
前記“基板の最表面”とは、基板の金属配線が加工形成される側の表面においては、トレンチやビアホールなどの金属配線埋め込み用の凹部が加工されている部分と、そのような凹部が加工されていない(金属配線を埋め込まない)部分とがあるが、前記凹部が加工されていない部分の基板の表面を意味する。また前記凹部が加工されている部分を“基板の凹部”と言う。
絶縁材(層間絶縁材)として、従来のCVD(Chemical Vapor Deposition)−SiO膜よりも誘電率kが更に低いLow−k材と呼ばれる有機・無機材料を使用することが提案されている。Low−k材は、誘電率を下げるため空孔を多く持つ多孔質からなるため、機械的強度がCVD−SiO膜に比べて低い。このため、例えば、CMPプロセスによって、銅膜及び拡散バリア層を研磨除去する時に、ハードマスクの下層にLow−k材が位置すると、ハードマスクがLow−k材から剥離し易くなり、このハードマスクの剥離を防止するには、この時のCMP研磨圧力を従来のSiO膜を研磨する時よりも低圧力にする必要がある。研磨圧力を低くすることは、研磨速度の低下をもたらすため、生産性からは好ましくない。またCMP工程にかかる費用の中では、研磨剤スラリー(研磨剤を水溶液中に分散させた研磨液)の占める割合が高く、研磨剤スラリーの低減が望まれている。
そこで、ハードマスク20の上方に堆積された銅32などの過剰の銅32を除去し、拡散バリア層28の表面が露出するまで、研磨剤スラリーの代わりに電解液を使用した電解加工を行うことで、専ら銅32及びシード層30の加工を促進することが提案されている。しかし、この方法は、銅膜、即ち銅32及びシード層30のみを電解加工で加工することを目的としており、拡散バリア層28を含めて電解加工する試みは未だなされていないのが現状である。
それは、拡散バリア層28に一般に用いられるチタンやタンタル系金属の表層には、拡散バリア層28が正電位に印加された場合に、均一な厚さの耐食性のある誘電体膜(酸化物膜)が形成され、この誘電体膜が電流を遮るため、電解加工が困難となるためである。特にタンタルの表面には、水溶液中においては、全てのpH領域にわたり酸化皮膜(Ta)が形成され、この酸化皮膜が金属タンタルに対して密着性良く緻密である限り、タンタル(Ta)は、貴金属のように振舞うことができ、弗化水素酸や濃厚アルカリ溶液以外のHCl、HSO、HPO及びHNOまた王水に対しても殆ど完全に耐食的となる。
一般的に、このような耐食性のあるタンタルを電解加工する手法としては、人口骨や人工歯根、コンデンサーに用いられるタンタル材料やニオブ材料の表面を粗面化するために非プロトン性の極性溶媒にアニオンを溶解した有機電解液を用いて電解加工する方法(特開2003−73900号公報参照)や、放射源のみを用いることで五酸化タンタルをフッ素系溶液中でエッチングする方法(特開平6−49664号公報)等が知られている。
図1Bに示すように、トレンチ26等の内部に銅32等の配線金属をダマシンめっきにより確実に埋め込むため、ハードマスク20の上部(基板の最表面上)に過剰な銅32を堆積させ、同時に、トレンチ26やビアホール24等の基板の凹部に埋め込まれた銅32自体も基板の最表面を超えた高さにまで過剰に堆積させるようにしている。このようにして堆積させた銅32の表面は、基板の最表面部分と基板の凹部に当たる部分とで高さが異なり、凹凸状を呈し平坦面とはなりにくい。このように基板の全体に渡って過剰に、且つ表面に凹凸を持って堆積した銅32を、十分な研磨速度を持って除去するため、従来のCMPでは加工圧力を上げていたが、基板表面の十分な平坦性を得ることは難しかった。つまり、配線の断面が皿状に窪んでしまうディッシングや、銅等の金属と共に絶縁膜も余分に研磨されるエロージョン等の不具合が発生していた。
近年、層間絶縁材として、従来のCVD−SiO膜よりも誘電率の更に低いLow−k材と呼ばれる有機・無機材料を使用することが提案されている。Low−k材は、誘電率を下げるため、ポーラスな、即ち空孔を多く含む構成であり、機械的強度が従来のSiO膜に比べ低い。このため、拡散バリア層の除去にCMPプロセスを適用すると、拡散バリア層の下層の、例えばハードマスクがLow−k材から剥離し易くなって、CMPプロセスの適用は一般に困難である。またCMPプロセスの際の加工圧力を低い値に抑えなければならず、加工速度が低下するため、生産性に問題があり、実用化が困難である。
そこで、過剰の銅等を除去し拡散バリア層が露出するまでは、CMPに代えて、専ら銅の加工を促進するための電解液(加工液)を用いた電解加工を行うことが考えられる。しかし、電解加工中に表層一面に露出する拡散バリア層は、その硬さや化学的安定性から研磨速度が銅等に比べ遅いため、電解加工を継続すると、拡散バリア層が露出した段階で銅等が優先的に加工されて、ディッシングが生じやすくなる。
このため、拡散バリア層が露出した後に、銅等とバリア層との加工速度が同等の電解加工を行うことが望まれる。しかし、拡散バリア層を構成している金属であるタンタル、チタン、タングステン、ルテニウムといった金属を溶解せしめる溶液系として一般に使用されているフッ素イオンを含む水溶液や濃厚アルカリ水溶液を電解液に使用して電解加工を行うと、前記のどちらの水溶液もSi系の材料で構成されている下地のハードマスク等の絶縁膜をも溶解してしまう。またCMP工程にかかる費用の中ではスラリーの占める割合が高く、スラリー廃液の処理費用も嵩むため、スラリーの低減も更に望まれている。
本発明は上記事情に鑑みて成されたもので、配線金属の加工を抑制しつつ、拡散バリア層を優先的に加工できるようにして、CMPを省略したり、CMPにおける加工圧力を軽減したりできるようにした電解加工方法及び電解加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電解加工方法は、有機溶媒に電解質を溶かした電解液に基板の表面を接触させ、前記基板の表面に電位を印加して該表面の電解加工を行う。
溶媒として水を用いた電解液(水溶液)を使用し、水溶液中で拡散バリア層に正電位を印加して拡散バリア層の電解加工(電解研磨)を行おうとしても、拡散バリア層に使用される金属の種類の多くは、水溶液中での正電位の印加により、拡散バリア層の表面に不働態酸化皮膜が形成され、金属イオンとして溶媒中に溶解しないため、電解加工が不可能となる。これは、水分子中の酸素や電気分解で発生する酸素、溶存酸素等が水溶液中に存在しているためである。また、水溶液中で電解加工(研磨)を行う場合、拡散バリア層に印加する電位をより高くすることで、加工(研磨)速度を速くことができる。しかし、水の理論分解電圧は1.23Vであり、これ以上の電位を拡散バリア層に印加すると水分解が発生し、加工効率が低下するため好ましくない。従って、加工(研磨)速度の上限値も低い値に留まる。
本発明によれば、酸素等の影響の少ない有機溶媒を電解液の溶媒として使用することで、電解液中で拡散バリア層に正電位を印加した時に拡散バリア層の表面に不働態酸化皮膜が形成されることを防止し、拡散バリア層を構成する金属がイオンとなって電解液中に溶解するようにして、拡散バリア層の電解加工(電解研磨)を行うことができる。また、有機溶媒は分解電圧が一般的に高く、例えば炭酸プロピレンの分解電圧は6.7Vである。このため、より高い電圧を拡散バリア層に印加して、電解加工速度を十分に高めることができる。
前記基板の表面に、前記有機溶媒の分解電圧未満の所定の値に制御した正電位を印加して、定電位制御型の電解加工を行うことが好ましい。
基板の表面に印加する電位を制御することによって、専ら拡散バリア層を電解加工したり、または拡散バリア層と共に銅等の配線金属も同時に電解加工したりすることもできる。これによって、例えば過剰な銅等の配線金属が完全に除去されておらず、一部に過剰な銅膜が残留した状態の基板に対しても、拡散バリア層の除去を開始することができる。
基板の表面により高い電圧を印加することで、電解加工速度を速くすることができるが、前述の通り溶媒の分解電圧も考慮する必要がある。例えば炭酸プロピレンの分解電圧は、+3.7V(銀−銀イオン参照電極基準)であるため、基板の表面に印加する電位はこの値未満であることが好ましい。ここで定電位とは、基板の表面に印加する電位を一定に保つことを意味する。
本発明によれば、半導体基板の拡散バリア層の電解加工を好適に行うことができ、さらに、基板の表面に過剰な銅等を堆積した状態の基板に対しても、基板に印加する電位を制御することにより銅等を電解加工することもできる。これによって、同一の電解槽を用いて、過剰な銅等の除去に引き続いて、拡散バリア層の除去まで一貫して電解加工して、電解加工を効率的に行うことができる。
前記電解液の例としては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、よう素イオン、ヘキサフルオロりん酸イオン、テトラフルオロほう酸イオン及びヘキサフルオロ砒素イオンの少なくとも一つを含む溶液が挙げられる。
例えば、ヘキサフルオロりん酸イオンは、拡散バリア層に使用される金属のイオンと結合して溶媒中へ溶解する効果が高いので、電解加工に好ましく使用できる。
前記有機溶媒の例としては、炭酸プロピレン、炭酸エチレンまたはジメチルスルホキシドのうちの少なくとも1種類以上が挙げられる。
炭酸プロピレン、炭酸エチレン及びジメチルスルホキシドは、有機溶媒の中でも誘電率の値が高く、電解質を溶解する能力が高いため、一層好ましく使用される。溶解能力は、例えば溶媒の誘電率を指標とすることができ、誘電率の値が高いほど溶解能力が高いことが分っている。
前記電解質の例として、ヘキサフルオロりん酸リチウム、ヘキサフルオロりん酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロりん酸テトラメチルアンモニウム、ヘキサフルオロりん酸テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロほう酸アンモニウム、及びテトラフルオロほう酸リチウムの少なくとも一つが挙げられる。
電解質とは電解加工時の溶液中での電子運搬の役割を担うイオンを提供し、さらに電解加工の対象となる金属、即ち溶媒中に溶解してくる金属と化学結合する性質を持ち合わせている化合物である。電解加工を行う場合に金属を溶媒中に溶解させるが、当該金属を単独でイオンとして存在させ続けるのではなく、必ず別の物質と結合させて溶液中に析出させる必要がある。このため、当該金属イオンと結合可能な化合物が電解質として選択される。
前記電解液は、トリアゾール環、ピロール環、ピラゾール環、チアゾール環またはイミダゾール環を有する複素環式化合物の少なくとも1種類を更に含むことが好ましい。
基板表面の拡散バリア層を電解加工で加工する時、銅等の配線金属も電解液に接触し、基板の表面に印加する電位によっては、配線金属も電解液中に溶解するおそれがあるが、複素環式化合物を配線金属の表面に特異的に吸着させることで、配線金属の電解液中への溶解を防ぐことができる。この複素環式化合物は、一般的に腐食抑制剤またはインヒビターと呼ばれ、酸素、窒素及び硫黄原子を含んでいる。そして、これら原子を配線金属の表面に特異的に吸着させることで、腐食の要因となる物質、即ち電解液中に配線金属を溶解させるように作用する物質が該金属と直接反応して腐食する(溶解する)ことを抑制することができる。これらインヒビターは、拡散バリア層に対して吸着しない複素環式化合物である必要があり、電解液中に予め含ませるようにしてもよく、また基板を電解液に浸漬させる前に、溶液または気相中で基板の表面にインヒビターを予め付与するようにしてもよい。
前記複素環式化合物は、含窒素複素環式化合物であって、ベンゾトリアゾール、ピロール、3−(2−チエニル)−1−ピラゾール、2−ブチルイミダゾール、6−チオグアニンまたはトリチオシアヌル酸のいずれかであることが好ましい。
これらの物質は、銅等からなる配線金属の表面に特異的に吸着するが、拡散バリア層には吸着しない性質を持つ。このため、拡散バリア層を選択的に電解加工することができる。
本発明の好ましい一態様において、本発明は、タンタル、チタン、タングステン、ルテニウムまたはそれらの化合物からなるバリア層が形成された基板の表面を電解加工で加工する。
本発明の電解加工装置は、基板を保持する基板保持部と、前記基板の表面に電解加工を行う加工面を有する加工具と、前記基板の表面と前記加工具との間に電圧を印加する電源と、有機溶媒に電解質を溶かした電解液を保持して該電解液に前記基板の表面及び前記加工具の加工面を接触させる電解槽を有する。
この電解加工装置によれば、基板の凹部に配線金属をダマシンめっきにより埋め込んだ後に、過剰な配線金属を除去したときに現れる拡散バリア層を好適に加工(除去)することができる。
前記電解質は、例えばヘキサフルオロりん酸イオンである。
電解質としてヘキサフルオロりん酸イオンを用いることにより、拡散バリア層を一層好適に除去することができる。
本発明の好ましい一態様において、電解加工装置は、前記基板の表面に印加する電位の値を調節する制御装置を更に有する。
基板の表面に印加する電圧の値を制御することで、基板の凹部に配線金属をダマシンめっきにより埋め込む工程の後に実行される、過剰な配線金属の除去工程、及びその後に行われる拡散バリア層の除去工程を同一の電解槽を用いて連続して行うことができ、これによって、加工工程の簡素化と加工時間の短縮を図ることができる。
本発明によれば、拡散バリア層と銅等の配線金属とが共に露出した基板の表面(被加工面)を平坦に研磨加工するに際して、配線金属の加工を抑制しつつ、拡散バリア層を優先的に加工して除去し、平坦性に優れた研磨面(表面)を得ることができる。また本発明によれば、加工時に基板の表面に加える加工圧力を極めて低い値に抑えて、ディッシングやエロージョンの発生を防止し、かつ高い生産性を維持することができる。またスラリーを不要、もしくはその使用量を極少量に抑えて、加工費用の低減に貢献することができる。
図1A乃至図1Dは、銅配線形成例を工程順に示す断面図である。
図2は、本発明の実施の形態における電解加工装置の概要を示す図である。
図3は、銅配形成例を工程順に示すステップ図である。
図4は、本発明の他の実施の形態における電解加工装置の概要を示す平面図である。
図5は、図4の縦断正面図である。
図6は、実施例1における電解加工後の試料1の表面を写した写真である。
図7は、実施例1における電解加工後の試料1の断面プロフィールを示す図である。
図8は、実施例2における電解加工後の試料1の表面を写した写真である。
図9は、実施例2における電解加工後の試料1の断面プロフィールを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下の例では、図1Bに示すように、ビアホール24及びトレンチ26の内部に埋め込みつつ、ハードマスク20の表面に拡散バリア層28を介して銅32を堆積させた基板を用意し、この基板Wの余剰の配線金属としての銅膜(シード層30及び銅32)、及び拡散バリア層28を研磨除去して、図1Dに示すように、上層絶縁膜22の内部に銅32からなる配線34を形成するようにした例を示す。
図2は、電解研磨装置に適用した本発明の実施の形態の電解加工装置を示す。この電解加工装置(電解研磨装置)は、基板Wの周縁部から表面(被加工面)に設けた銅32や拡散バリア層28等の導電体に給電するようにした電解加工装置で、上面に、表面を上向きにして基板Wを着脱自在に保持する円板状の基板保持部40を有している。基板保持部40は、自転用モータ42の駆動に伴って回転(自転)する。
基板保持部40の上方には、基板保持部40で保持した基板Wの周縁部に圧接して該周縁部をシールするシールリング44が配置されている。これにより、基板保持部40で保持して基板Wの周縁部をシールリング44に圧接させることで、基板Wの上面にシールリング44で包囲された電解槽46が形成され、この電解槽46の内部に電解液48が保持される。
シールリング44の下面には、前述のようにして、基板Wの周縁部をシールリング44でシールした時、このシールリング44の外方で基板Wの周縁部に接触して表面の銅32等の導電膜に給電する給電電極50が設けられている。この給電電極50には、電源52の陽極から延びる配線55aが接続される。
基板保持部40の側上方に位置して、基板Wの上面にシールリング44で包囲されて形成された電解槽46に電解液48を供給する電解液供給管54が配置されている。図示しないが、電解槽46内の電解処理後の電解液は、上下動自在な吸引管を通して吸引されて除去される。
基板保持部40の上方に電極部58が配置され、この電極部58は、水平方向に揺動自在な揺動アーム60の自由端に垂設されている。揺動アーム60は、上下動用モータ62の駆動に伴って上下動し、揺動用モータ64の駆動に伴って回転する揺動軸66の上端に連結されている。電極部58は、揺動アーム60の自由端に取付けた中空モータ68の駆動に伴って回転(自転)する。
電極部58の内部には、下面を解放させて電解加工を行うための加工面とした加工具としての対電極70が設けられている。この対電極(加工具)70は、例えば白金からなり、対電極70には、電源52の陰極から延び、揺動軸66に設けられた中空部を通ってスリップリング72に達し、このスリップリング72から中空モータ68の中空部を通る配線55bが接続される。
この例では、給電電極50と対電極70との間に印加する電圧を調節(制御)する制御装置74が備えられている。
次に、電解液48について説明する。電解液48として、有機溶媒に電解質を溶かした溶液を使用している。このように、溶媒として、水の代わりに有機溶媒を使用することで、電解液中で拡散バリア層に正電位を印加した時に拡散バリア層の表面に不働態酸化皮膜が形成されることを防止し、拡散バリア層を構成する金属がイオンとなって電解液中に溶解するようにして、拡散バリア層の電解加工(電解研磨)を行うことができる。また、有機溶媒は、分解電圧が一般的に高く、例えば炭酸プロピレンの分解電圧は6.7Vであるため、より高い電圧を拡散バリア層に印加して、電解加工速度を十分に高めることができる。
有機溶媒としては、例えばアセタール、アセトール、1,2−ジクロロエタン(10.1)、塩化スルフリル(10)、塩化チオニル(9.2)、塩化アセチル(15.8)、炭酸テトラクロロエチレン(9.2)、塩化ベンジル(23)、ニトロメタン(36)、炭酸ジクロロエチレン(31.6)、ニトロベンゼン(34.8)、無水酢酸(20.7)、オキシ塩化りん(14)、ベンゾニトリル(25.2)、オキシ塩化セレン(46)、アセトニトリル(38)、スルホラン(42)、炭酸プロピレン(69)、シアン化ベンジル(18.4)、エチレンサルファイト(41)、イソブチロニトリル(20.4)、プロピオニトリル(27.7)、炭酸エチルメチル、炭酸エチレン(89.1)、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、ジフェニルホスホン酸
ジフロリド(27.9)、酢酸メチル、γ−ブチロニトリル(20.3)、エチルアルコール、メチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アセトン(20.7)、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸エチル、フェニルホスホン酸ジクロリド(26)、ジエチルエーテル(4.3)、テトラヒドロフラン(7.6)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、3−メチルオキサゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン、ジフェニルホスホン酸クロリド、りん酸トリメチル(20.6)、りん酸トリブチル(6.8)、N,N−ジメチルホルムアミド(26.6)、N,N−ジメチルアセトアミド(27.8)、ジメチルスルホキシド(45)、N,N−ジエチルホルミアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ピリジン(12.3)、ヘキサメチルホスホ(3)トリアミド(30)、ヒドラジン、エチレンジアミン、エチルアミン、t−ブチルアミン、アンモニア、トリエチルアミン、γブチロラクトン等が使用される。これらの複数種からなる混合物を用いるようにしてもよい。ここで、カッコ内数値は誘電率を表す。
これらの有機溶媒のうち、炭酸プロピレン、炭酸エチレン及びジメチルスルホキシドは、誘電率の値が高く、電解質を溶解する能力が高いため、一層好ましく使用される。
電解質としては、電離するアニオンがフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、よう素イオン、PF (ヘキサフルオロりん酸イオン)、BF (テトラフルオロほう酸イオン)、AsF (ヘキサフルオロ砒素イオン)等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩等が使用される。具体的には、例えばヘキサフルオロりん酸リチウム、ヘキサフルオロりん酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロりん酸テトラメチルアンモニウム、ヘキサフルオロりん酸テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロほう酸アンモニウム、テトラフルオロほう酸リチウム等が挙げられる。電解質の濃度は、一般には0.01〜30質量%で、好ましくは0.1〜10質量%である。
電解液48には、必要に応じて、酸素、窒素、硫黄原子を含む、複素環式化合物からなるインヒビター(腐食抑制剤)が添加される。これにより、これらの元素の非共有電子対を銅等の配線金属の表面の吸着点に吸着させ、配線金属がイオンとして溶解することを防ぎ、また遅らせることができる。インヒビターは、例えば含窒素複素環式化合物であり、トリアゾール環、ピロール環、ピラゾール環、チアゾール環、イミダゾール環を有する。具体的には、ベンゾトリアゾール、ピロール、3−(2−チエニル)−1−ピラゾール、2−ブチルイミダゾール、6−チオグアニン、トリチオシアヌル酸、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、6−チオグアニン、2−ベンゾチアゾールチオール、トリチオシアヌル酸、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリムが挙げられる。また、含窒素複素環式化合物以外にもアルキルアミン類、アルカンチオール類、1−ヘキシン−3−オール等がインヒビターとして使用できる。
次に、この電解研磨装置による電解研磨について説明する。先ず、例えば図1Cに示す、拡散バリア層28を露出させた基板Wを、下降させた基板保持部40に表面を上向きにして保持する。そして、基板の周縁部にシールリング44を圧接させ、これによって、基板Wの表面に、シールリング44で包囲した電解槽46を形成する。同時に、基板Wの周縁部で給電電極50を表面の拡散バリア層28に接触させる。
次に、基板Wの表面に形成された電解槽46内に電解液供給管54から所定量の電解液48を供給して保持する。しかる後、電極部58を基板保持部40の直上方まで移動させ、更に下降させて、電極部58の対電極70の下面が電解槽46内に保持した電解液48に接触する所定の位置に達したときに電極部58の下降を停止させる。
この状態で、電源52から、給電電極50と対電極70との間に、給電電極50が陽極、対電極70が陰極となる所定の電圧を印加し、同時に、必要に応じて、基板保持部40及び電極部58を回転(自転)させ、更に電極部58を水平方向(基板Wの被加工表面に平行な方向)に揺動させて、拡散バリア層28の電解加工(電解研磨)を行う。
この時、給電電極50と対電極70との間に、電解液48の有機溶媒の分解電圧未満の所定の値に制御した電位を印加して、定電位制御型の電解加工を行う。例えば炭酸プロピレンの分解電圧は、+3.7V(銀−銀イオン参照電極基準)であるため、電解液48の有機溶媒として、炭酸プロピレンを使用した場合、基板の表面に印加する電位はこの値未満として、有機溶媒(炭酸プロピレン)が分解して、加工効率が低下することを防止する。ここで定電位とは、基板の表面に印加する電位を一定に保つことを意味する。
このように、基板の表面に印加する電位を制御することによって、専ら拡散バリア層28を電解加工したり、または拡散バリア層28と共に銅等の配線金属も同時に電解加工したりすることもできる。これによって、例えば過剰な銅等の配線金属が完全に除去されておらず、一部に過剰な銅膜が残留した状態の基板に対しても、拡散バリア層28の除去を開始することができる。
電解加工の効率は、使用する電解液48の他に、電源の条件、例えばパルス電圧値やパルスの周期、デュ−ティー比、陽極となる拡散バリア層28と陰極となる対電極70との間の距離、基板Wの被加工表面における全表面積に対する露出した金属配線層の表面積の比率等によって変わる。電解加工の際には、基板Wの表面(被加工面)全体が陽極として作用するので、拡散バリア層28が、トレンチ26など基板の凹部を埋め込んだ金属配線層の表面を除く領域を覆う状態では、電解により多くの電流が流れ、電解加工が促進されて、拡散バリア層28の溶解が進む。このとき、金属配線を同時に溶解してしまうが、電解液48として、インヒビター(腐食抑制剤)を添加したものを使用することで(または電解液に浸漬する前に、予めインヒビターを基板に塗布などにより付与しておくことで)、金属配線の溶解を防止して、拡散バリア層28のみを選択的に電解加工することができる。
電解加工終了後、給電電極50と対電極70との間の電圧の印加を解き、基板保持部40及び電極部58の回転(自転)を停止させる。そして、電解槽46内の電解液48を除去して、電解加工後の基板Wを次工程に搬送する。
電解加工装置として、この例のように、基板Wに直接正電位を、対電極に負電位をそれぞれ印加して電解加工を行う直接給電方式を採用したものの他、間接給電方式を採用したものを使用してもよい。間接給電方式とは、陽極及び陰極を基板の表面(被加工面)に非接触に対向させ、陽極と陰極との間に電位を印加することで基板の加工を行う方式である。また、電解液の一部が大気中の水分や酸素を吸収して分解し、加工面の酸化が進行したりする不都合が生じることがある。このような場合には、不活性ガス雰囲気中で電解加工を行うことで、このような弊害を防止することができる。
次に、図1A乃至1D及び図3を参照して、銅配線形成例を説明する。
先ず、図1Aに示すように、上層絶縁膜22に、例えば公知のリソグラフィ・エッチング技術によりビアホール24やトレンチ26を形成する(ステップ1)。次に、この上に、第1低誘電率絶縁層16や第2低誘電率絶縁層18内への銅拡散防止のための拡散バリア層28を形成し(ステップ2)、更にその上に電解めっきの給電層としてのシード層30を形成する(ステップ3)。
拡散バリア層28は、例えばスパッタリング法やALD(Atomic Layer Deposition)法により堆積したTa/TaN混合膜、TiN、WN、SiTiN、Ru等の膜からなり、シード層30は、例えばスパッタリング法等により堆積した銅膜からなる。なお、拡散バリア層28がRuでシード層が必要ない場合は、ステップ3を省略して、ステップ2からステップ4を行う。
次に、基板の表面に、電解めっき(ダマシンめっき)により、配線金属としての銅32を形成する(ステップ4)。これにより、図1Bに示すように、ビアホール24及びトレンチ26内に銅32を充填すると共に、基板Wの最表面の上にも銅32を堆積させ、上層絶縁膜22を構成する低誘電率絶縁層16,18やハードマスク20上を配線金属としての銅32で覆う。電解めっき(ダマシンめっき)工程終了時点における銅32の表面には凹凸が存在する。なお、配線金属として、銅の他に、銀または銅と銀からなる合金を使用してもよい。また、シード層30と銅32は一体となり、デバイス完成後は配線として機能する。また過剰な銅32は、CMPや電解加工(電解研磨)により除去される。この除去は、シード層30と銅32について一体的に行なわれる。
このとき、基板Wの表面にCMPまたは電解液として水溶液を使用した電解加工を施し(ステップ5)、これによって、図1Cに示すように、拡散バリア層28上の余分な銅膜(銅32及びシード層30)を除去し、尚且つトレンチ26内に埋め込んだ銅32にあっては、その表面がハードマスク20と同一平面になるようにする。
電解液を通して、基板と対電極との間に電圧を印加した状態で、基板と研磨部材(例えば研磨パッド)とを互いに接触させながら相対運動をさせる電解複合研磨によって、銅膜の除去を行っても良い。
以上のプロセスは、従来と同様のプロセスで行うことが出来るほか、銅膜(銅32及びシード層30)の除去に関して電解加工による場合は、図2に示す有機溶媒を使用した電解加工装置を使用して行うことができる。そして続いて行われるハードマスク20上にある不要な拡散バリア層28の除去(ステップ6)は、図2に示す本発明の電解加工装置を使用して行う。
つまり、前述のように、有機溶媒に電解質を溶かし、必要に応じてインヒビター(腐食防止剤)を添加した電解槽46の電解液48に、基板Wの表面の拡散バリア層28及び対電極70を接触させ、拡散バリア層28と対電極70との間に、拡散バリア層28を正、対電極70を負とした電圧を印加して、銅膜を除去することなく、拡散バリア層28を選択的に研磨除去する(ステップ6a)。これによって、図1Dに示すように、上層絶縁膜22の内部に銅からなる配線34を形成する。
なお、基板Wの表面の拡散バリア層28を電解液に接触させる前に、溶液中または気相中でインヒビターを基板Wの表面の拡散バリア層28に予め塗布などにより付与し(ステップ6b)、しかる後、インヒビターを必ずしも含まない電解液を用いた電解加工を行う(ステップ6c)ようにしてもよい。
次に、必要に応じて、基板に不具合を発生しない程度の極低い圧力(例えば、1psi(約69hPa)未満)によるCMP加工を行って、ハードマスク(絶縁膜)20上に除去されること無く残留している拡散バリア層28を完全に除去し(ステップ7)、これによって、拡散バリア層28を完全に除去したハードマスク(絶縁膜)20を露出させる(ステップ8)。これと同時に、配線34を被覆していたインヒビターも除去し、銅を露出させた状態で加工を完了する。
上記の例では、基板Wの表面を電解液48に接触させて基板Wの表面の拡散バリア層28を電解加工するようにしている。基板の表面を電解液中で研磨部材の表面と接触させながら、基板と研磨部材とを相対運動をさせることで、基板の表面に研磨部材による機械的な作用を付加して該表面を研磨するようにしても良い。拡散バリア層の材質や拡散バリア層の厚さムラにより、絶縁膜が露出するまで電解加工を施した際に、絶縁膜の表面に縞状に拡散バリア層が残留する可能性がある。電解加工は、一般的に電気的導通が確保できないと加工現象が生じないため、残留した拡散バリア層に電気的導通が確保できないと拡散バリア層は除去ができない。このため、絶縁膜の表面に縞状に拡散バリア層が残留すると、基板Wの表面を電解液48に接触させるようにした電解加工では、拡散バリア層を除去できなくなる。このような場合であっても、研磨部材による機械的な作用を拡散バリア層に付加しながら該拡散バリア層の電解加工を行うことにより、絶縁膜上へ拡散バリア層を残留させることなく、拡散バリア層の除去を行うことができる。
図4及び図5は、基板の表面を電解液中で研磨部材の表面と接触させながら、基板と研磨部材とを相対運動をさせることで、基板の表面に研磨部材による機械的な作用を付加して該表面を研磨するようにした、本発明の他の実施の形態の電解加工装置(電解研磨装置)を示す。
この電解加工装置は、電源80の陰極に接続される対電極82と研磨部材84とを上面に有する回転自在な研磨テーブル86、基板Wを着脱自在に保持する上下動及び回転自在なトップリング88、及び研磨部材84の表面をコンディショニングするドレッサー90及びアトマイザ92を備えている。研磨テーブル86の上方には、研磨部材84に電解液を供給する多数の電解液供給口94aを有する電解液供給部94が配置されている。更に、研磨テーブル86には、対電極82の側方に位置して、トップリング88で表面を下向きにして保持した基板Wを下降させて研磨部材84に接触させた時に、基板Wの表面に接触して通電させる給電電極96が配置されている。この給電電極96は、電源80の陽極に接続される。ドレッサー90は、例えば図4及び図5に示す例では、上下動及び回転自在で、ダイヤモンドペレット等の硬質部材やブラシ等からなる複数の円形の突起90aを周辺部下面にリング状に取付けて構成されている。図示しないが、ダイヤモンド砥粒が周辺部下面にリング状に配置されたドレッサーを使用しても良い。また、図5に示すドレッサー90の直径はテーブル半径とほぼ同等の大きさであるが、例えばφ100程度の小径のディスク形状で回転に加え、研磨パッド面を揺動させても良い。この場合、ダイヤモンド砥粒は、ディスクのパッド接触面の全面に配置される。
研磨部材84は、例えば発砲ポリウレタン樹脂製の研磨パッドから構成されており、研磨部材(研磨パッド)84の表面(上面)の研磨面84aには、格子状溝や同心円溝が形成されている。また、研磨部材84に供給される電解液を介して、対電極82と基板Wとの電気的導通を確保するため、研磨部材84の内部には、上下に貫通する複数の貫通孔が形成されている。
この例にあっては、基板Wを研磨部材84の研磨面84aに接触させ、基板Wと研磨部材84とを相対運動(ここでは共に回転運動)させた状態で、研磨部材84の上面に電解液を供給し、対電極82と基板表面の拡散バリア層28との間に電圧を印加することで、基板表面の拡散バリア層28の除去を行う。この時、基板表面の拡散バリア層28には、給電電極96を通して給電される。ここで、拡散バリア層28の除去は、電解作用と機械的作用の両者で行われるため、通常のCMPよりも小さい(例えば1psi(約69hPa)未満)研磨圧力で研磨を行うことで、十分な研磨速度を確保することができる。なお、拡散バリア層28の除去工程中または工程のインターバルにおいては、研磨部材84の研磨面84aをドレッサー90やアトマイザ92を用いてコンディショニングしても良い。
この電解加工装置によれば、拡散バリア層28の除去は、上記のように、基板Wと研磨部材(研磨パッド)84を互いに接触させながら相対運動させた状態で電解液を供給し、対電極82と基板表面の拡散バリア層28との間に電圧を印加しながら行う。この研磨時に印加する電圧値は、拡散バリア層28の研磨の初期と終了付近までの間で変化させても良い。また、絶縁膜20上に拡散バリア層28が縞状に残留する場合においては、電圧の印加を停止して、研磨部材84の機械的作用のみにより残留する拡散バリア層28を除去するようにしても良く、これによって、残留した拡散バリア層28に電気的導通が確保できなくなって、拡散バリア層28が除去できなくなることを防止することができる。更に、拡散バリア層28の除去後に配線金属上に吸着したインヒビターを除去するため、電圧の印加を停止して、研磨部材84の機械的作用のみによる加工を行っても良い。なお、電解複合研磨の場合の電解液には砥粒が10%以下で混合されても良く、これにより機械的作用の均一性が増加する。
本発明は、半導体ウェーハ等の基板に配線を形成する過程で、特に拡散バリア層を構成する金属を有機電解液で溶解することで、拡散バリア層の除去のために好適に用いられる。半導体装置の配線材料に用いられるバリア層には、タンタル、チタン、タングステン、ルテニウムまたはそれらの化合物の1種類からなる金属が一般に使用される。この化合物の具体例としては、例えば、窒化タンタル、窒化チタン、窒化タングステン及び窒化シリコンタンタルなどが挙げられる。
表面に均一な膜厚のTa/TaNスパッタリング膜(膜厚約200nm)を形成したシリコン酸化膜ウェーハ片を試料1として用意した。そして、この試料1の表面のTa/TaNスパッタリング膜を図2に示す電解加工装置を使用して研磨除去した。電解液として、常温で以下の組成のものを使用した。
電解液の組成
電解質:ヘキサフルオロりん酸リチウム
テトラフルオロほう酸リチウム
テトラフルオロほう酸テトラエチルアンモニウム
テトラフルオロほう酸テトラ−n−ブチルアンモニウム
過塩素酸テトラエチルアンモニウム
臭素テトラ−n−ブチルアンモニウム
有機溶媒:炭酸プロピレン
インヒビター:トリチオシアヌル酸
また、対電極として、白金を用い、参照電極として、Ag/Ag(銀/銀イオン)参照電極を用いた。電解液は、有機溶媒である炭酸プロピレン適量に対し、上記6種類の各電解質がそれぞれ0.5モル濃度になるように、適量を満たす容器に入れ常温で調整して作製した。インヒビターは、0.1重量%添加した。
試料1の端部のTa/TaNスパッタリング膜に電源(北斗電工:HS−501G)の正極側から配線された電気的接点(作用極用配線2本)を接続し、対電極側である白金に電源の負極側から配線された電気的接点(対電極用配線1本)を接続した。そして、電源の参照電極用配線に参照電極である銀/銀イオン電極を接続した。この状態で、Ta/TaNスパッタリング膜と対電極との間に任意の値、例えば、1V(vs Ag/Ag銀イオン参照電極)に設定した電圧を印加して電解加工を始めた。ただし、電圧の選択には有機溶媒の分解電圧を考慮しなければならないため、炭酸プロピレンの分解電圧3.7V(vs Ag/Ag)を超えないように調整した。
図6に、Ta/TaNスパッタリング膜の一部をマスキングしながら、Ta/TaNスパッタリング膜を1V(vs Ag/Ag)で約10分間電解加工した後の写真を示す。図6から、写真中央に示される曲線状の境界線より右側の試料1上にマスキングテープを貼付した箇所(マスキング部)は、電解液には接触していないため加工は行われておらず、同左側(電解加工部)は、電解加工により下地のシリコン酸化膜が露出していることがわかる。
図7は、電解加工後の試料1の表面を触針式段差測定器によって測定した時の断面プロファイルを示す。同図に描かれている曲線は、試料1の断面形状を表しており、マスキングテープを貼付して加工されていない部分(マスキング部)が図7の左側に、電解加工された部分(電解加工部)は図7の右側に示されている。両者の段差は、約2000Å(=200nm)であることから、TaN及びTaが完全に電解加工されていることがわかる。
表面に均一な膜厚の銅めっき膜(膜厚約1.5μm)を形成したシリコンウェーハ片を試料2として用意した。そして、実施例1と同じ条件(1V(vs Ag/Ag)で約10分間)の電解加工を行って、試料2の表面の銅めっき膜を研磨除去した。
図8に、電解加工後の試料2の写真を示す。図8から、マスキングテープを貼付して加工されていない部分(マスキング部)及び電解液に接触する部分(電解加工部)には、下地のシリコン膜は露出していないことがわかる。また、図9は、電解加工後の試料2の断面プロファイルを示す。図9から、マスキングテープを貼付して加工液に接触させていない箇所(マスキング部)と加工面(電解加工部)はほぼ同一面にあり、銅めっき膜の加工が抑制されていることがわかる。
本発明の電解加工方法は、半導体集積回路の金属配線の加工に際し、半導体ウェーハ等の基板の表面に設けたトレンチやビアホール等の凹部に配線金属埋め込みの為のダマシンめっきを行った後に、過剰な配線金属層及び拡散バリア層を除去し基板の表面を平坦化するのに使用される。

Claims (11)

  1. 有機溶媒に電解質を溶かした電解液に基板の表面を接触させ、
    前記基板の表面に電位を印加して該表面の電解加工を行うことを特徴とする電解加工方法。
  2. 前記基板の表面に、前記有機溶媒の分解電圧未満の所定の値に制御した正電位を印加して、定電位制御型の電解加工を行うこと特徴とする請求項1記載の電解加工方法。
  3. 前記電解液として、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、よう素イオン、ヘキサフルオロりん酸イオン、テトラフルオロほう酸イオン及びヘキサフルオロ砒素イオンの少なくとも一つを含む溶液を使用することを特徴とする請求項1または2記載の電解加工方法。
  4. 前記有機溶媒は、炭酸プロピレン、炭酸エチレンまたはジメチルスルホキシドのうちの少なくとも1種類以上からなることを特徴とする請求項1または2記載の電解加工方法。
  5. 前記電解質として、ヘキサフルオロりん酸リチウム、ヘキサフルオロりん酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロりん酸テトラメチルアンモニウム、ヘキサフルオロりん酸テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロほう酸アンモニウム、及びテトラフルオロほう酸リチウムの少なくとも一つを使用することを特徴とする請求項1または2記載の電解加工方法。
  6. 前記電解液は、トリアゾール環、ピロール環、ピラゾール環、チアゾール環またはイミダゾール環を有する複素環式化合物の少なくとも1種類を更に含むことを特徴とする請求項1または2記載の電解加工方法。
  7. 前記複素環式化合物は、含窒素複素環式化合物であって、ベンゾトリアゾール、ピロール、3−(2−チエニル)−1−ピラゾール、2−ブチルイミダゾール、6−チオグアニンまたはトリチオシアヌル酸のいずれかであることを特徴とする請求項6記載の電解加工方法。
  8. タンタル、チタン、タングステン、ルテニウムまたはそれらの化合物からなるバリア層が形成された基板の表面を電解加工で加工することを特徴とする請求項1または2記載の電解加工方法。
  9. 基板を保持する基板保持部と、
    前記基板の表面に電解加工を行う加工面を有する加工具と、
    前記基板の表面と前記加工具との間に電圧を印加する電源と、
    有機溶媒に電解質を溶かした電解液を保持して該電解液に前記基板の表面及び前記加工具の加工面を接触させる電解槽を有することを特徴とする電解加工装置。
  10. 前記電解質は、ヘキサフルオロりん酸イオンであることを特徴とする請求項9記載の電解加工装置。
  11. 前記基板の表面に印加する電位の値を調節する制御装置を更に有することを特徴とする請求項9または10記載の電解加工装置。
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