JPWO2007026653A1 - 制振材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂にマイカを分散させた制振材料であって、(1)ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率〔(A1+B1)/(A0+B0)〕が0.5〜1の範囲であり、且つ(2)制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出された平均粒子径が25〜500μmであることを特徴とする制振材料を提供する。本発明の制振材料は、汎用性が高く、軽量で、優れた制振性を有し、バッチ式混合装置で容易に製造することができる。

Description

本発明は制振材料およびその製造方法に関し、詳しくは、高分子材料を主体とし、汎用性が高く、軽量で、より優れた制振性を発揮し、簡便に製造できる制振材料およびその製造方法に関する。
従来、制振材料のような振動エネルギーを吸収する材料として、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加した軟質の塩化ビニル系樹脂が知られている。この軟質塩化ビニル系樹脂は、振動エネルギーを樹脂内部において摩擦熱として消費することで、振動エネルギーの減衰が計られるようになっていたが、十分な振動エネルギーの吸収、減衰ができなかった。
また、加工性、機械的強度、材料コストの面から優れる制振材料としてブチルゴムやブタジエンアクリルニトリルゴムなどのゴム材料が多く用いられている。ところがこれらのゴム材料は、一般の高分子材料の中では最も減衰性(振動エネルギーの伝達絶縁性能、あるいは伝達緩和性能)に優れてはいるものの、ゴム材料単独で制振材料として使用するには制振性(振動エネルギーを吸収する性質)が低いので、例えば建造物や機器類の防振構造には、ゴム材料と鋼板とを積層した積層体、あるいはこれに塑性変形して振動エネルギーを吸収する鉛コアやオイルダンパーを組み合わせた制振構造体という複合形態で使用されていた。
このように、従来の制振材料としてのゴム材料は、上記の如く単独では使用できず、複合化を余儀なくされていたので、必然的にその防振構造も複雑なものとなってしまうことから、制振材料自身、ゴム材料自身の高制振性化が求められていた。
特開平3−188165号や、稲葉ら,圧電制振複合材の力学的性質と制振性能の関係,日本ゴム協会誌,67巻,564頁(1994年)には、制振材料として、高分子材料と圧電粉末材料とを主成分とした組成物が開示されている。しかしながら、これらは圧電材料の電気機械変換作用によって振動エネルギーを電気エネルギーに変換して放散させ、それにより振動を吸収、減衰させるものである。ところが、この組成物においては圧電性粒子を50質量%以上含むように配合しないと十分な効果が得られない。しかし、そのように配合すると溶融状態での流動性が低くなり、混練や成形が難しくなる。また、圧電性粒子にジルコン酸チタン酸鉛やチタン酸バリウムなどのセラミックスを用いているため、比重が高くなるという欠点があった。
井上ら,塩素化ポリエチレン/N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾルスルフェンアミド系有機ハイブリッドの制振挙動,繊維学会誌,56巻,443頁(2000年)には、制振材料として、高分子母材中に双極子モーメント量を増加させる活性成分が含まれる制振材料が開示されている。ところが、この材料で用いられる活性成分は低分子化合物であり、使用中に母材から滲みだして性能が低下するという欠点があった。
ポリエステル樹脂などの高分子材料と導電性材料からなる制振材料が知られており、例えば、特開2003−221496号では高分子材料としてポリエステル樹脂を用い、導電性材料を分散させてなる制振材料が記載されているが、特定したポリエステル樹脂を用いることについては開示されていない。この特開2003−221496号では、共重合ポリエステルと架橋剤などからなる粘弾性樹脂を用いた複合型制振材料であることから、加熱による架橋反応という工程を経る必要があるので、簡便な製造方法とは言えない。また使用可能な共重合ポリエステルのガラス転移温度が−60〜0℃と限定されているので、汎用性に優れた材料として充分満足し得るものではない。
また、特開2003−241766号はポリエステル樹脂等に不織布の繊維を用いた制振吸音構造体、特開2003−171820号公報はポリエステル樹脂等に圧電性高分子を用いた制振吸音性繊維、特開平5−222239号はポリエステル樹脂等に制振材料用粘弾性樹脂を用いた制振鋼板に関するものであるが、これらにはポリエステル樹脂を構成する成分については具体的に記載されていない。
さらに、高分子材料とフィラーとからなる樹脂組成物が開示されている。しかしながら、ポリエステル樹脂主鎖中の炭素原子数の割合を特定したポリエステル樹脂にフィラーを充填させてなる制振材料については開示されていない。特開平10−67901号はスチレン系樹脂を用いた熱可塑性重合体組成物であり、特開平10−231385号はポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンおよびエポキシ化ポリイソプレンを用いた制振材用組成物であるが、試験片の厚みが2mmあるいは3mmと厚い割に制振性が高いとは言えず、該母材にフィラーを充填しても制振材料として充分満足できるものではない。また、国際公開第2002/053647号は粘弾性特性を有するポリマー材料を用いた制振材であり、粘弾性特性を有するポリマーの例示はあるものの、それを構成する原料成分については具体的に記載されていない。
特開2003−201373号には、高分子材料にフィラーとしてマイカを充填させた制振材料が開示されている。しかしながら、ポリエステル樹脂にマイカを充填させてなる制振材料や、制振材料中のマイカの平均粒子径を規定した制振材料については開示されていない。
本発明の目的は、高分子材料を主体とし、汎用性が高く、軽量で、より優れた制振性を発揮し、簡便に製造できる制振材料を提供することにある。
本発明者らは、このような目的を達成する為に鋭意検討した結果、下記の知見を得た。ポリエステル樹脂に、フィラーとしてマイカを充填させた制振材料は、軽量で、簡便に製造でき、そして、その製造において、一般的にマイカを高分子材料中に充填させる際、溶融させた高分子材料中にマイカを練り込む混練作業が行われる。しかしながら、混練中にマイカが砕けるため実際の制振材料中に充填されたマイカの平均粒子径は、原材料マイカよりも小さくなる。従って、特定のポリエステル樹脂を用い、実際に充填された制振材料中のマイカの平均粒子径を特定することにより制振性が著しく改善され、汎用性の高い制振材料が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の制振材料およびその製造方法を提供する。
1.ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂にマイカを分散させた制振材料であって、(1)ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率〔(A1+B1)/(A0+B0)〕が0.5〜1の範囲であり、且つ(2)制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出された平均粒子径が25〜500μmであることを特徴とする制振材料。
2.ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)の比率(A1/A0)が0.5〜1の範囲であり、且つ、全ジオール成分構成単位数(B0)に対する一般式(1)で表されるジオールに由来する構成単位数(B2)の比率(B2/B0)が0.5〜1の範囲である上記1の制振材料。
Figure 2007026653
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、複数個のRは同一であっても異なっていてもよく、nは3または5である。)
3.ポリエステル樹脂が、(A)トリクロロエタン/フェノールの質量比40/60の混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、且つ(B)示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である上記1の制振材料。
4.ポリエステル樹脂の全ジオール成分構成単位数(B0)に対する一般式(1)で表されるジオールに由来する構成単位数(B2)の比率(B2/B0)が0.7〜1の範囲である上記2の制振材料。
5.ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)に対する、イソフタル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ブラシル酸、および1,3−シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選ばれたジカルボン酸に由来する構成単位数(A2)の比率(A2/A0)が0.5〜1の範囲である上記2の制振材料。
6.(A2/A0)が0.7〜1の範囲である上記5の制振材料。
7.ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)に対するイソフタル酸に由来する構成単位数(A3)の比率(A3/A0)が0.5〜1の範囲である上記5の制振材料。
8.ポリエステル樹脂の全ジオール成分構成単位数(B0)に対する、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオールおよびネオペンチルグリコールからなる群より選ばれたジオールに由来する構成単位数(B3)の比率(B3/B0)が0.5〜1の範囲である上記2の制振材料。
9.(B3/B0)が0.7〜1の範囲である上記8の制振材料。
10.主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位が、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のジオールに由来する構成単位である上記1の制振材料。
11.主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位が、イソフタル酸およびアゼライン酸に由来する構成単位である上記1の制振材料。
12.主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位が、イソフタル酸に由来する構成単位である上記11の制振材料。
13.制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出されたメジアン粒子径が25〜500μmである上記1の制振材料。
14.制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出された平均粒子径が60〜300μmである上記13の制振材料。
15.制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出されたメジアン粒子径が60〜300μmである上記14の制振材料。
16.さらに、導電性材料を含有する上記1の制振材料。
17.導電性材料が炭素材料である上記16の制振材料。
18.導電性材料が導電性カーボン粉末である上記16の制振材料。
19.導電性材料の含有量が、0.01〜25質量%である上記16の制振材料。
20.体積抵抗率が1.0×10+12Ω・cm以下である上記16の制振材料。
21.マイカの含有量が、10〜80質量%である上記1の制振材料。
22.上記1〜21のいずれかの制振材料を成形してなる制振材。
23.マイカをバッチ式の混合装置で混合することを特徴とする上記1〜21のいずれかの制振材料の製造方法。
24.マイカを混合する際、ワックスを添加する上記23の制振材料の製造方法。
25.ワックスがモンタン酸エステルワックスである上記24の制振材料の製造方法。
26.ポリエステル樹脂と導電性材料を混合した後にワックスを添加して混合し、さらにその後マイカを添加して混合する上記24の制振材料の製造方法。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の制振材料は、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂にマイカを分散させた制振材料であって、(1)ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率〔(A1+B1)/(A0+B0)〕が0.5〜1の範囲であり、且つ(2)制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出された平均粒子径が25〜500μmであるものである。
このように(1)ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分構成単位およびジオール成分構成単位の主鎖中の炭素原子数が奇数であるものの比率〔(A1+B1)/(A0+B0)〕および、(2)制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出された平均粒子径を規定することにより、高い制振性の制振材料が得られる。
ここで、“ジカルボン酸成分構成単位(又はジオール成分構成単位)の主鎖中の炭素原子数”とは、一つのエステル結合(−C(=O)−O−)と次のエステル結合に挟まれたモノマー単位において、ポリエステル樹脂の主鎖に沿った最短経路上に存在する炭素原子数である。
本発明において、ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率〔(A1+B1)/(A0+B0)〕が0.5〜1の範囲であり、0.7〜1の範囲が好ましい。また、上記のジカルボン酸成分構成単位の主鎖中の炭素原子数およびジオール成分構成単位の主鎖中の炭素原子数は奇数である、1、3、5、7、9が好ましい。
ポリエステル樹脂の主鎖中の炭素原子数が奇数となるジカルボン酸成分構成単位の例としては、イソフタル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ブラシル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などに由来する構成単位が挙げられる。中でも、イソフタル酸および1,3−シクロヘキサンジカルボン酸に由来する構成単位が好ましく、イソフタル酸に由来する構成単位がさらに好ましい。ポリエステル樹脂は、上記ジカルボン酸に由来する1種または2種以上の構成単位を含んでいてもよい。また、2種以上の構成単位を含む際には、イソフタル酸およびアゼライン酸に由来する構成単位を含むことが好ましい。
ポリエステル樹脂の主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位の例としては、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ペンタンジオール、1−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−プロピル−1,5−ペンタンジオール、メタキシレングリコール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどに由来する構成単位が挙げられる。中でも、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、メタキシレングリコール、1,3−シクロヘキサンジオールに由来する構成単位が好ましく、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールに由来する構成単位がさらに好ましい。ポリエステル樹脂は、上記ジオールに由来する1種または2種以上の構成単位を含んでいてもよい。
さらに、本発明の制振材料は、ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)の比率(A1/A0)が0.5〜1の範囲であり、且つ、全ジオール成分構成単位数(B0)に対する下記一般式(1)で表されるジオールに由来する構成単位数(B2)の比率(B2/B0)が0.5〜1の範囲であることが好ましい。
Figure 2007026653
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、複数個のRは同一であっても異なっていてもよく、nは3または5である。)
一般式(1)で表されるジオールの例としては、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ペンタンジオール、1−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−プロピル−1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。中でも1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールが好ましい。
さらに、本発明の制振材料においては、ポリエステル樹脂は、(A)トリクロロエタン/フェノールの質量比40/60の混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、且つ(B)示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下であることが好ましい。上記(A)および(B)を満足することにより、より高い制振性を得ることができる。
また、本発明の制振材料は、ポリエステル樹脂の全ジオール成分構成単位数(B0)に対する上記一般式(1)で表されるジオールに由来する構成単位数(B2)の比率(B2/B0)が0.7〜1の範囲であることが更に好ましい。
本発明の制振材料は、ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)に対する、イソフタル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ブラシル酸、および1,3−シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選ばれたジカルボン酸に由来する構成単位数(A2)の比率(A2/A0)が0.5〜1の範囲であることが好ましく、0.7〜1の範囲であることがさらに好ましい。
また、ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)に対するイソフタル酸に由来する構成単位数(A3)の比率(A3/A0)が0.5〜1の範囲であることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂の全ジオール成分構成単位数(B0)に対する、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオールおよびネオペンチルグリコールからなる群より選ばれたジオールに由来する構成単位数(B3)の比率(B3/B0)が0.5〜1の範囲であることが好ましく、0.7〜1の範囲であることがさらに好ましい。
なお、本発明で用いられるポリエステル樹脂は、前記したジカルボン酸成分構成単位およびジオール成分構成単位に加えて、本発明の効果を損なわない程度に他の構成単位が含まれていても良い。その種類に特に制限はなく、ポリエステル樹脂を形成し得るすべてのジカルボン酸およびそのエステル(これを「他のジカルボン酸類」と云う。)、ジオール(これを「他のジオール類」と云う。)あるいはヒドロキシカルボン酸およびそのエステル(これを「他のヒドロキシカルボン酸類」と云う。)に由来する構成単位を含むことができる。
他のジカルボン酸類の例としてはテレフタル酸、オルトフタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸、イソホロンジカルボン酸、3,9−ビス(2−カルボキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどのジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステル;トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸などの三価以上の多価カルボン酸あるいはその誘導体が挙げられる。
また、他のジオール類の例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテル化合物類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、ペンタシクロドデカンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどの脂環族ジオール類;4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)などのビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’―ジヒドロキシビフェニル、4,4’―ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’―ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
他のヒドロキシカルボン酸類としては、例えばヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシ酢酸、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、4,4’−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3,4−ジヒドロキシ桂皮酸などが挙げられる。
本発明で用いられるポリエステル樹脂を製造する方法に特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができる。一般的には原料であるモノマーを重縮合することにより製造できる。例えばエステル交換法、直接エステル化法などの溶融重合法または溶液重合法を挙げることができる。エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、また重合に用いる重合触媒、熱安定剤、光安定剤などの各種安定剤、重合調整剤なども従来既知のものを用いることができる。エステル交換触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウムなどの金属を含む化合物、またエステル化触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウムなどの金属を含む化合物、またエーテル化防止剤としてアミン化合物などが例示される。重縮合触媒としてはゲルマニウム、アンチモン、スズ、チタンなどの金属を含む化合物、例えば酸化ゲルマニウム(IV);酸化アンチモン(III)、トリフェニルスチビン、酢酸アンチモン(III);酸化スズ(II);チタン(IV)テトラブトキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、チタン(IV)ビス(アセチルアセトナート)ジイソプロポキシドなどのチタン酸エステル類が例示される。また熱安定剤としてリン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸などの各種リン化合物を加えることも有効である。その他光安定剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、離型剤などを加えても良い。また、原料となるジカルボン酸成分は、前記のジカルボン酸成分構成単位が由来するジカルボン酸の他にそれらのジカルボン酸エステル、ジカルボン酸塩化物、活性アシル誘導体、ジニトリルなどのジカルボン酸誘導体を用いることもできる。
本発明の制振材料には上記ポリエステル樹脂に振動エネルギー吸収を向上させる目的でマイカを分散させる。本発明で用いられるマイカの種類に特に限定は無いが、振動エネルギー吸収効果の高い鱗片状のマイカである白マイカが好ましい。
また、分散させたマイカが制振材料内部で配向し易いため、本発明の制振材料中のマイカの平均粒子径が25〜500μmのものが用いられる。
ここで制振材料中のマイカの平均粒子径とは、制振材料を灰化させてマイカを分離し、マイカの粒度分布をレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で体積基準の粒子径頻度分布を測定し、各粒子径範囲の代表径と粒子径頻度より粒子径の平均値を算出した値である。なお体積基準の粒子径頻度分布とは、対数スケール上で小さな区間に等分割した粒子径範囲に存在する粒子が、全粒子の体積の総和の中でどれだけの体積を占めるかを測定したものである。その平均粒子径は粒子径範囲の代表径と粒子径頻度より粒子径の平均値が式(I)にて算出される。なお粒子径範囲の代表径は式(II)で定義される。
Figure 2007026653
(式中、q(j)はj番目の粒子径範囲の粒子径頻度(%)、X(j)はj番目の粒子径範囲の代表径を表す。)
Figure 2007026653
(式中、X(ja)はj番目の粒子径範囲の下限粒子径、X(jb)はj番目の粒子径範囲の上限粒子径を表す。)
制振材料中のマイカの平均粒子径を25μm以上とすることにより、制振材料内部での配向が良好となり制振性は向上する。また平均粒子径を500μm以下とすることにより、混練中のマイカの破砕を考慮して、原料マイカとして粒子径はさらに大きなものを使用する必要がなくなる。その粒子径の大きなマイカは厚みも大きいために混練後の破砕したマイカのアスペクト比は低下し、振動エネルギー吸収効果が低下するために制振性は低下する。また大きなマイカが分散した場合、制振材料を成形した制振材の表面性が悪くなる。
また制振材料中のマイカのメジアン粒子径が25〜500μmであるとさらに好ましい。ここで制振材料中のマイカのメジアン粒子径とは、制振材料を灰化させてマイカを分離し、マイカの粒度分布をレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒子径頻度分布で累積50%に相当する粒子径である。制振材料中のマイカのメジアン粒子径が25μm以上とすることにより、制振材料内部で配向し難い小さなマイカが多く存在して制振性が低下するのを回避することができる。また制振材料中のメジアン粒子径が500μm以下とすることにより、混練中のマイカの破砕を考慮すると、原料マイカの粒子径はさらに大きなものを使用する必要がなくなる。そのような粒子径の大きなマイカは厚みも大きいために混練後の破砕したマイカのアスペクト比は低下し、振動エネルギー吸収効果が低下するために制振性は低下する。また大きなマイカが分散した場合、制振材料を成形した制振材の表面性も悪くなる。
さらに高い制振性が得るために、制振材料中のマイカの平均粒子径が60〜300μmであることが好ましく、制振材料中のマイカのメジアン粒子径が60〜300μmであることが、さらに好ましい。
制振材料中のマイカの平均粒子径が25〜500μmとなるためには、原料マイカの平均粒子径は少なくとも25μm以上のものを使用する必要がある。また混練中のマイカの破砕を考慮すると、50μm以上のものを使用することが好ましい。また原料マイカとして平均粒子径が大きすぎるマイカを利用すると、制振材中のマイカの平均粒子径が25〜500μmとならないために好ましくはない。原料マイカの平均粒子径としては25〜1000μmが好ましい。より好ましくは50〜500μmである。さらに好ましくは100〜300μmである。
また制振材料中のマイカのメジアン粒子径が25〜500μmとなるためには、原料マイカのメジアン粒子径は少なくとも25μm以上のものを使用する必要がある。また混練中のマイカの破砕を考慮すると、好ましくは50μm以上のものを使用することが好ましい。また原料マイカとしてメジアン粒子径が大きすぎるマイカを利用すると、制振材中のマイカのメジアン粒子径が25〜500μmとならないために好ましくはない。原料マイカのメジアン粒子径としては25〜500μmが好ましい。より好ましくは50〜500μmである。さらに好ましくは100〜300μmである。
マイカの添加量は、制振材料に対して10〜80質量%であることが好ましく、更に好ましくは30〜70質量%である。10質量%以上のマイカを充填させることにより制振性の向上効果が得られ、80質量%以下とすることにより、成形性を失うことなく、マイカ含有量の増加によって制振性を向上させることができる。
本発明の制振材料にはポリエステル樹脂とマイカの他に導電性材料を分散させるとさらに制振性が向上することができる。
導電性材料は既知のものを用いることができる。例えば、無機系では銀、銅、銅合金、ニッケル、低融点合金などの金属粉末や金属繊維;貴金属を被覆した銅や銀の微粒子;酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの金属酸化物の微粒子やウイスカー;各種カーボンブラック、カーボンナノチューブなどの導電性カーボン粉末;PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長黒鉛などのカーボン繊維、有機系では低分子界面活性剤型帯電防止剤;高分子系帯電防止剤;ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマー;金属を被覆したポリマー微粒子などが例示できる。これらは単独であるいは2種以上を併せて使用することができる。
これらの導電性材料の中で、各種カーボンブラック、カーボンナノチューブなどの導電性カーボン粉末および、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長黒鉛などのカーボン繊維から選ばれる少なくとも1種類以上の炭素材料を使用することが好ましい。
また、導電性材料として導電性カーボン粉末を少なくとも使用ことにより、より高い制振性が得られるため、導電性カーボン粉末が特に好ましく用いられる。
導電性材料の使用量は、特に制限されないが、制振材料に対しての0.01〜25質量%である場合により高い制振性が得られる。0.01質量%以上とすることにより導電性材料による制振性の向上が認められ、25質量%以下とすることにより成形性を失わずに、導電性材料の含有量の増加によって制振性を向上させることできる。導電性材料の使用量は制振材料に対し1〜20質量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜20質量%である。
またポリエステル樹脂と導電性材料との配合比率は、その体積抵抗率が1.0×10+12Ω・cm以下になるように調整することが好ましい。体積抵抗率が1.0×10+12Ω・cm以下とすることにより高い制振性を得ることができる。本発明における体積抵抗率は、JIS K6911に記載の方法により測定したものである。
また、本発明に用いられる制振材料には、マイカ以外にも鱗片状の無機フィラーやそれ以外の形状の無機フィラーを本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。例えば、鱗片状の無機フィラーとしてはガラス片、セリサイト、グラファイト、タルク、アルミニウムフレーク、窒化硼素、二硫化モリブデン、黒鉛などが挙げられ、鱗片状以外の形状を有するフィラーとしてはガラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、バライト、沈降硫酸バリウム、マグネシウムシリケート、アルミニウムシリケート、フェライト、クレー、ヒル石、モンモリロナイト、ステンレスフレーク、ニッケルフレーク、シリカ、硼砂、キルン灰、セメント、ドロマイト、鉄粉、鉛粉、銅粉などが挙げられるが、これに限定されない。
本発明の制振材料はポリエステル樹脂とマイカを主成分とするものであるが、必要に応じて、1種以上の添加剤、例えば、分散剤、相溶化剤、界面活性剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐候剤、耐熱剤、加工助剤、光沢剤、着色剤(顔料、染料)、発泡剤、発泡助剤などを本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。また、他の樹脂とのブレンドまたは成形後の表面処理なども、本発明の効果を阻害しない範囲で行うことができる。
本発明の制振材料は、ポリエステル樹脂にマイカ、必要に応じて導電性材料やその他の添加剤を混合することで得られるが、制振材料中のマイカの平均粒子径が25〜500μmとなる混合方法であれば既知の方法を用いることができる。例えば、熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターミキサー、二軸混練機、押出機などの装置を用いて溶融混合する方法が挙げられる。その他、ポリエステル樹脂を溶剤に溶解あるいは膨潤させ、マイカを混入させた後に乾燥する方法、各成分を微粉末状で混合する方法なども採用することができる。溶融混合する方法の中でもバッチ式の混合装置を用いるのが好ましい。特にニーダー、バンバリーミキサー、インターミキサーのいずれかの装置で混合すると混練時間を自由に調整できるため、マイカの分散状態が良好となり且つ制振材料中のマイカの平均粒子径が25〜500μmの範囲となった時点で混練を停止して材料を排出することができ、これらの混合装置が好適に用いられる。混練時間は、装置のサイズや、各材料の充填率、また混合槽とブレードのクリアランスの大きさにより変わってくるため一概に規定できないが、あまり長時間の混練は制振材料中のマイカの平均粒子径が低下するため好ましくない。また、これら混合装置中の、混合槽、ブレード、および蓋のいずれかを加熱しながら混合すると、ポリエステル樹脂の溶融粘度が低下してマイカの破砕を進行させるせん断力が低下するために、マイカをあまり破砕せずにマイカを分散させることができる。加熱方式はスチーム、熱媒、ヒーターなど既知の方法を用いることができる。加熱する温度はポリエステル樹脂の組成により異なるが、樹脂が溶融状態となる温度以上に加熱するのが好ましい。ただし、樹脂の熱分解が著しく進行する温度まで加熱してはならない。
また、バッチ式の混合装置で混合する場合、ワックスを添加すると材料が排出されやすくなるのでワックスを添加することが好ましい。またワックスを添加すると樹脂の溶融粘度が低下するため、せん断力が低下しマイカをあまり破砕せずにマイカを分散させることができる。ワックスとしては、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、フッ素変性ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、酢酸ビニル−エチレン共重合ワックスなどのポリオレフィン系ワックス、オルガノシリコーンワックス、高級脂肪酸エステルワックス、カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックスなどが挙げられるが、これに限定されない。特にモンタン酸エステルワックスが好ましい。添加量は制振材料に対して、0.1〜10質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。なお、マイカ、導電性材料、ワックス、添加剤などの添加方法、添加順序などは特に限定されず、一括混練する方法を用いることができるが、ポリエステル樹脂と導電性材料を混練した後にワックスを添加して混練し、さらにマイカを添加して混練する分割混練の方法が、制振材料中のマイカの平均粒子径が25〜500μmの範囲となり、かつ、それぞれの材料の分散性が良好となるため好ましい。
以下に実施例を示すが本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ポリエステル樹脂および制振材料の評価は以下の方法によった。
(1)ポリエステル樹脂の各構成単位のモル比:〔(A1+B1)/(A0+B0)〕、(A1/A0)、(B2/B0)、(A2/A0)、(A3/A0)、(B3/B0):
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(2)ポリエステル樹脂の固有粘度([η]):
ポリエステル樹脂の固有粘度([η])は、トリクロロエタン/フェノール=40/60(質量比)混合溶媒にポリエステル樹脂を溶解させ25℃に保持して、キャノンフェンスケ型粘度計を使用して測定した。
(3)ポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量(ΔHc):
ポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量(ΔHc)は、島津製作所製DSC/TA−50WS型示差走査熱量計を使用して測定した。試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス気流中(30ml/分)、昇温速度20℃/分で280℃まで昇温、280℃で1分間保持した後、10℃/分の降温速度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から求めた。
(4)原料マイカおよび制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径:
制振材料を磁性るつぼに約2g量りとり、電熱器上で予備灰化させた。さらにマッフル炉にて600℃、4時間加熱して灰化させてマイカを分離した。分離したマイカの粒度分布をレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−910)で体積基準の粒子径頻度分布を測定した。分散媒は水を使用した。なお体積基準の粒子径頻度分布とは、対数スケール上で小さな区間に等分割した粒子径範囲に存在する粒子が、全粒子の体積の総和の中でどれだけの体積を占めるかを測定したものである。その平均粒子径は粒子径範囲の代表径と粒子径頻度より粒子径の平均値を式(I)にて求めた。なお粒子径範囲の代表径は式(II)で定義される。またメジアン粒子径として累積50%に相当する粒子径を求めた。原料マイカの粒度分布は、原料マイカをそのまま同様の装置で測定した。
Figure 2007026653
(式中、q(j)はj番目の粒子径範囲の粒子径頻度(%)、X(j)はj番目の粒子径範囲の代表径である。)
Figure 2007026653
(式中、X(ja)はj番目の粒子径範囲の下限粒子径、X(jb)はj番目の粒子径範囲の上限粒子径である。)
(5)制振材料の体積抵抗率:
制振材料を熱プレスにより100℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートの体積低効率をJIS K6911の方法によって測定した。
(6)制振材料の損失係数:
制振材料を熱プレスにより成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートを10mm×150mmに切り出して試験片とし、厚さ1mmの基板(アルミニウム合金 5052材)上に熱プレスにより熱圧着あるいは二液硬化型エポキシ系接着剤(セメダイン株式会社製、商品名:セメダインSG−EPO、EP008)にて接着させて非拘束型制振材を作製した。得られた非拘束型制振材を損失係数測定装置(株式会社小野測器製)を用いて、測定温度範囲が0〜80℃の条件で中央加振法により500Hz反共振点での損失係数を測定した。上記の測定温度範囲において得られた損失係数の最大値を比較することで制振性を評価した。なお、損失係数が大きいほど制振性が高い。
実施例1
充填塔式精留塔、攪拌翼、分縮器、全縮器、コールドトラップ、温度計、加熱装置および窒素ガス導入管を備えた内容積30リットル(L)のポリエステル製造装置に、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)54.75モル、アゼライン酸(コグニス社製、商品名:EMEROX1144、EMEROX1144はアゼライン酸を93.3モル%含み、ジカルボン酸の合計量は99.97%である。)20.25モル、1,3−プロパンジオール(シェル・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)150モル、酢酸マンガン四水和物(和光純薬株式会社製)3.5g(全仕込み量に対するマンガンの濃度が33ppm)を加え、常圧、窒素雰囲気下で220℃まで昇温して3.5時間エステル化反応を行った。イソフタル酸の反応転化率を90モル%以上とした後、チタン(IV)テトラブトキシドモノマー(和光純薬株式会社製)12.2g(初期縮合反応生成物の全質量に対するチタニアの濃度が79ppm)を加え、昇温と減圧を徐々に行い、1,3−プロパンジオールを系外に抜き出しつつ、最終的に250〜260℃、0.3kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応混合物の粘度が上昇し、適度な溶融粘度に到達した時点で反応を終了してポリエステル樹脂(A)[〔(A1+B1)/(A0+B0)〕=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=0.73;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0;[η]=0.68(dL/g);ΔHc=0(J/g)]を得た。
得られたポリエステル樹脂(A)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名:ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(山口雲母株式会社製、商品名:B−82、原料マイカの平均粒子径:114μm、メジアン粒子径:94μm)60質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、130℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は3.8×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例2
ポリエステル樹脂(A)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(B−82)60質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、150℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は1.1×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例3
ポリエステル樹脂(A)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(B−82)60質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、200℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は4.1×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例4
ポリエステル樹脂(A)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部を3Lニーダーに仕込み200℃で15分間混練した後に、マイカ鱗片(B−82)60質量部を追加で仕込み200℃でさらに15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は7.0×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例5
ジカルボン成分酸構成単位の原料としてイソフタル酸75モル、ジオール成分構成単位の原料として2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)150モルを使用した以外は実施例1と同様な方法で得たポリエステル樹脂(B)[〔(A1+B1)/(A0+B0)〕=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=1.0;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0;[η]=0.68(dL/g);ΔHc=0(J/g)]を得た。
得られたポリエステル樹脂(B)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部を3Lニーダーに仕込み200℃で10分間混練した後に、ポリエチレンワックス(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:リコワックスPE520)6質量部を追加で仕込み200℃で1分間混練した。さらにマイカ鱗片(B−82)60質量部を追加で仕込み200℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は5.5×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例6
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてイソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)50.25モル、アゼライン酸(コグニス社製、商品名:EMEROX1144)24.75モル、ジオール成分構成単位の原料として2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)150モルを使用した以外は実施例1と同様な方法でポリエステル樹脂(C)[〔(A1+B1)/(A0+B0)〕=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=0.67;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0; [η]=0.61(dL/g);ΔHc=0(J/g)]を得た。
得られたポリエステル樹脂(C)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(B−82)60質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、200℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は3.1×10+5Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例7
ポリエステル樹脂(C)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部を3Lニーダーに仕込み200℃で10分間混練した後に、マイカ鱗片(B−82)60質量部を追加で仕込み200℃でさらに15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は2.1×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例8
ポリエステル樹脂(C)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(B−82)60質量部、モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:リコワックスE)1質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、120℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は1.7E+7Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例9
ポリエステル樹脂(C)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(B−82)60質量部、モンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、150℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は6.7×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例10
ポリエステル樹脂(C)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(B−82)60質量部、モンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、200℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は3.7×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例11
ポリエステル樹脂(C)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部を3Lニーダーに仕込み160℃で5分間混練した後に、モンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1質量部を追加で仕込み160℃でさらに5分間混練し、さらにマイカ鱗片(B−82)60質量部を追加で仕込み160℃で13分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は1.2×10+7Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第1表に示す。
実施例12
ポリエステル樹脂(C)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部を75Lニーダーに仕込み160℃で4分間混練した後に、モンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1質量部を追加で仕込み160℃でさらに1分間混練し、さらにマイカ鱗片(B−82)60質量部を追加で仕込み160℃で13分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は3.1×10+7Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
実施例13
ポリエステル樹脂(C)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部を3Lニーダーに仕込み200℃で5分間混練した後に、モンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1質量部を追加で仕込み200℃でさらに5分間混練し、さらにマイカ鱗片(山口雲母株式会社製、商品名:CS−060DC、原料マイカの平均粒子径:206μm、メジアン粒子径:176μm)60質量部を追加で仕込み200℃で13分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は1.8×10+7Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
実施例14
ポリエステル樹脂(C)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部を75Lニーダーに仕込み160℃で4分間混練した後に、モンタン酸エステルワックス(リコワックスE)1質量部を追加で仕込み160℃でさらに1分間混練し、さらにマイカ鱗片(CS−060DC)60質量部を追加で仕込み、160℃で13分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は3.1×10+7Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
実施例15
ポリエステル樹脂(A)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(山口雲母株式会社製、商品名:A−41、原料マイカの平均粒子径:47μm、メジアン粒子径:52μm)60質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、200℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は2.7×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
実施例16
ポリエステル樹脂(A)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(A−41)30質量部、マイカ鱗片(B−82)30質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、200℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は2.1×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
実施例17
ポリエステル樹脂(A)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(山口雲母株式会社製、商品名:A−21、原料マイカの平均粒子径:20μm、メジアン粒子径:25μm)30質量部、マイカ鱗片(B−82)30質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、200℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は2.0×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
比較例1
ポリエステル樹脂(A)36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(A−21)60質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、200℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は4.5×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
比較例2
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてテレフタル酸(水島アロマ株式会社製)、ジオール成分構成単位の原料としてエチレングリコール(日曹丸善ケミカル社製、ファイバーグレード)を使用した以外は実施例1と同様な方法で得たポリエステル樹脂(D){〔(A1+B1)/(A0+B0)〕=0;(A1/A0)=0;(A2/A0)=0;(A3/A0)=0;(B2/B0)=0;(B3/B0)=0;[η]=0.85(dL/g);ΔHc=38(J/g)}36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(B−82)60質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、250℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は6.7×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
比較例3
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてテレフタル酸、ジオール成分構成単位の原料としてエチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノール混合物からなるポリエステル樹脂であるPETG(イーストマンケミカル社製、商品名:EASTER6763){〔(A1+B1)/(A0+B0)〕=0;(A1/A0)=0;(A2/A0)=0;(A3/A0)=0;(B2/B0)=0;(B3/B0)=0;[η]=0.75(dL/g);ΔHc=0(J/g)}36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(B−82)60質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、250℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は6.5×10+6Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
比較例4
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてテレフタル酸(水島アロマ株式会社製)/セバシン酸(豊国製油株式会社製)混合物、ジオール成分構成単位の原料としてエチレングリコール(日曹丸善ケミカル社製、ファイバーグレード)を使用した以外は実施例1と同様な方法で得たポリエステル樹脂(E){〔(A1+B1)/(A0+B0)〕=0;(A1/A0)=0;(A2/A0)=0;(A3/A0)=0;(B2/B0)=0;(B3/B0)=0;[η]=0.35(dL/g);ΔHc=0(J/g)}36質量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4質量部、マイカ鱗片(B−82)60質量部を60cm3ニーダーに一括して仕込み、150℃で15分間混練して制振材料を得た。得られた制振材料の体積抵抗率は5.1×10+7Ω・cmであった。制振材料中のマイカの平均粒子径、メジアン粒子径および損失係数を第2表に示す。
Figure 2007026653
Figure 2007026653
第1表および第2表に示すように、比較例1よりマイカの平均粒子径が大きい実施例1〜17の制振材料は、損失係数が高く、良好な制振性を示している。また、マイカの平均粒子径は同程度でも、〔(A1+B1)/(A0+B0)〕が0.5より小さい比較例2〜4と比較して、本発明の実施例による制振材料は損失係数が高く、制振性に優れている。さらに、実施例の中でも、分割混練や、モンタン酸エステルワックスを用いた、マイカの平均粒子径やメジアン粒子径の大きい実施例においては、特に損失係数が高くなっている。
本発明の制振材料およびその製造方法によれば、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂にマイカを分散させた制振材料において、該ポリエステル樹脂を特定すると共に、実際に充填された制振材料中のマイカの平均粒子径などを特定することにより、軽量で優れた制振性を有する材料が得られ、バッチ式混合装置で容易に製造することができる。
また、本発明の制振材料は、射出成形、押出成形、プレス成形など既知の方法で成形することができ、射出成形品、シート、フィルム、繊維、容器、発泡体、接着剤、塗料、拘束型制振シート、非拘束型制振シートなどに成形または加工され、パソコン、OA機器、AV機器、携帯電話などの電気・電子機器、建築機械、光学機器、精密機器、玩具、靴、スポーツ用品、家庭・事務電気製品、さらには車輌、鉄道、自動車、航空機、船舶、土木建築物などに適応される汎用の制振材として、好適に利用することができる。

Claims (26)

  1. ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂にマイカを分散させた制振材料であって、(1)ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率〔(A1+B1)/(A0+B0)〕が0.5〜1の範囲であり、且つ(2)制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出された平均粒子径が25〜500μmであることを特徴とする制振材料。
  2. ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)の比率(A1/A0)が0.5〜1の範囲であり、且つ、全ジオール成分構成単位数(B0)に対する一般式(1)で表されるジオールに由来する構成単位数(B2)の比率(B2/B0)が0.5〜1の範囲である請求項1に記載の制振材料。
    Figure 2007026653
    (式中、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、複数個のRは同一であっても異なっていてもよく、nは3または5である。)
  3. ポリエステル樹脂が、(A)トリクロロエタン/フェノールの質量比40/60の混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、且つ(B)示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である請求項1に記載の制振材料。
  4. ポリエステル樹脂の全ジオール成分構成単位数(B0)に対する一般式(1)で表されるジオールに由来する構成単位数(B2)の比率(B2/B0)が0.7〜1の範囲である請求項2に記載の制振材料。
  5. ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)に対する、イソフタル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ブラシル酸、および1,3−シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選ばれたジカルボン酸に由来する構成単位数(A2)の比率(A2/A0)が0.5〜1の範囲である請求項2に記載の制振材料。
  6. (A2/A0)が0.7〜1の範囲である請求項5に記載の制振材料。
  7. ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)に対するイソフタル酸に由来する構成単位数(A3)の比率(A3/A0)が0.5〜1の範囲である請求項5に記載の制振材料。
  8. ポリエステル樹脂の全ジオール成分構成単位数(B0)に対する、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオールおよびネオペンチルグリコールからなる群より選ばれたジオールに由来する構成単位数(B3)の比率(B3/B0)が0.5〜1の範囲である請求項2に記載の制振材料。
  9. (B3/B0)が0.7〜1の範囲である請求項8に記載の制振材料。
  10. 主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位が1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のジオールに由来する構成単位である請求項1に記載の制振材料。
  11. 主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位が、イソフタル酸およびアゼライン酸に由来する構成単位である請求項1に記載の制振材料。
  12. 主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位が、イソフタル酸に由来する構成単位である請求項11に記載の制振材料。
  13. 制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出されたメジアン粒子径が25〜500μmである請求項1に記載の制振材料。
  14. 制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出された平均粒子径が60〜300μmである請求項13に記載の制振材料。
  15. 制振材料中のマイカの体積基準の粒子径頻度分布より算出されたメジアン粒子径が60〜300μmである請求項14に記載の制振材料。
  16. さらに、導電性材料を含有する請求項1に記載の制振材料。
  17. 導電性材料が炭素材料である請求項16に記載の制振材料。
  18. 導電性材料が導電性カーボン粉末である請求項16に記載の制振材料。
  19. 導電性材料の含有量が、0.01〜25質量%である請求項16に記載の制振材料。
  20. 体積抵抗率が1.0×10+12Ω・cm以下である請求項16に記載の制振材料。
  21. マイカの含有量が、10〜80質量%である請求項1に記載の制振材料。
  22. 請求項1〜21のいずれかに記載の制振材料を成形してなる制振材。
  23. マイカをバッチ式の混合装置で混合することを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の制振材料の製造方法。
  24. マイカを混合する際、ワックスを添加する請求項23に記載の制振材料の製造方法。
  25. ワックスがモンタン酸エステルワックスである請求項24に記載の制振材料の製造方法。
  26. ポリエステル樹脂と導電性材料を混合した後にワックスを添加して混合し、さらにその後マイカを添加して混合する請求項24に記載の制振材料の製造方法。

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