JPWO2007026520A1 - 感放射線性樹脂組成物およびメッキ造形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
・20μm以上の均一な厚みの塗膜が形成できること
・バンプの狭ピッチ化に対応するために解像性が高いこと
・鋳型となるパターンの側壁が垂直に近く、パターンがマスク寸法に忠実であること
・工程の生産効率を高めるために、高感度で現像性に優れていること
・メッキ液に対する良好な濡れ性を有していること
・メッキ時にレジスト成分がメッキ液中に溶出してメッキ液を劣化させないこと
・メッキ時にメッキ液が基板とレジストとの界面にしみ出さないように、基板に対して高い密着性を有すること
・メッキ後は、剥離液により容易に剥離されること
などの特性が要求されている。
従来、バンプ加工用レジストとしては、ノボラック樹脂およびナフトキノンジアジド基含有化合物を主成分とするポジ型感放射線性樹脂組成物が用いられてきた(たとえば、特許文献1参照)。
すなわち、本発明に係るネガ型感放射線性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、(C)感放射線性ラジカル重合開始剤、(D)下記一般式(1)で表される構造を有する化合物、および(E)有機溶媒を含有することを特徴とする。
また、本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物は、現像時における基板との密着性や、メッキ液に対する濡れ性および耐性に優れるとともに、硬化物の剥離性にも優れている。
2・・・レジスト
3・・・パターン(メッキ造形物形成部位)
A・・・パターン群A
B・・・パターン群B
〔ネガ型感放射線性樹脂組成物〕
本発明に係るネガ型感放射線性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、(C)感放射線性ラジカル重合開始剤、(D)特定のアントラセン構造を有する化合物(以下「アントラセン化合物(D)」ともいう。)および(E)有機溶媒を含有する。
本発明の組成物に用いられるアルカリ可溶性樹脂(A)は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、たとえば、フェノール性水酸基、カルボキシル基などの酸性官能基を1種以上有し、アルカリ現像液に可溶な樹脂である。
上記アルカリ可溶性樹脂(A)は、上記性質を備える限り特に限定はなく、たとえば、下記一般式(9−1)〜(9−3)で表される構成単位を1種以上有する付加重合系樹脂、および下記一般式(9−4)で表される構成単位を1種以上有する重縮合系樹脂などを挙げることができる。また、上記アルカリ可溶性樹脂(A)は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アルカリ可溶性樹脂(A)が付加重合系樹脂の場合、上記式(9−1)〜(9−3)で表される構成単位のうちの1種以上のみから構成されていてもよく、また、他の構成単位をさらに有してもよい。
また、上記アルデヒド類としては、たとえば、ホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなどが挙げられる。
本発明の組成物に用いられる化合物(B)は、分子中にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する、常温で液体または固体の化合物である。たとえば、エチレン性不飽和基として、(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物やビニル基を有する化合物が好ましく用いられる。なお、(メタ)アクリレート化合物は、単官能性化合物と多官能性化合物に分類されるが、いずれの化合物も用いることができる。
本発明の組成物に用いられる感放射線性重合開始剤(C)としては、たとえば、ベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類;ベンゾインなどのアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸などのチオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−アセトキシベンゾフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、α,α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などのアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾールなどのビスイミダゾール類;ジ−tert−ブチルパ−オキサイドなどの過酸化物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド類などが挙げられる。
なお、必要に応じてメルカプトベンゾチオアゾール、メルカプトベンゾオキサゾールのような水素供与性を有する化合物を、上記光ラジカル重合開始剤と併用してもよい。また、上記ラジカル重合開始剤と放射線増感剤とを併用してもよい。
本発明の組成物に用いられるアントラセン化合物(D)は、下記一般式(1)で表わされるアントラセン構造を有する化合物である。
R1は、独立に水素原子、炭素数1〜8の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換もしくは非置換の脂環族基、炭素数2〜4のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基または−N(R’)2基を示し、2以上のR1が互いに結合して環状構造を形成してもよく、該環状構造はヘテロ原子を含んでもよい。
上記R1およびR’における炭素数1〜8の置換もしくは非置換のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基およびt−ブチル基などが挙げられる。
上記R1およびR’における置換もしくは非置換のアリール基の具体例としては、フェニル基、トルイル基、ベンジル基、メチルベンジル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基およびアントリル基などの炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
また、上記R1およびR’の各炭化水素基は、置換基によって置換されていてもよい。このような置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基(たとえば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等)、炭素数1〜4のアルコキシル基(たとえば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等)、シアノ基、炭素数2〜5のシアノアルキル基(たとえば、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等)、アルコキシカルボニル基(たとえば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等)、アルコキシカルボニルアルコキシ基(たとえば、メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、t−ブトキシカルボニルメトキシ基等)、ハロゲン原子(たとえば、フッ素、塩素等)およびフルオロアルキル基(たとえば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等)などが挙げられる。
上記アントラセン化合物(D)は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、アルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.2〜5重量部の範囲で用いられる。アントラセン化合物(D)の使用量が上記範囲内であることにより、感度、解像度および放射線に対する透明性に優れたレジストが得られるとともに、優れた形状のパターンが得られる。
本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物は、上記アルカリ可溶性樹脂(A)などの各成分を均一に溶解または分散させるために、有機溶媒(E)を含有する。
上記有機溶媒(E)としては、たとえば、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、(ハロゲン化)炭化水素類などが挙げられる。
本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。
たとえば、本発明の組成物には、保存安定性を高めるために、熱重合禁止剤を添加してもよい。このような熱重合禁止剤としては、たとえば、ピロガロ−ル、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブル−、tert−ブチルカテコ−ル、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−エチリデントリス(2−メチルフェノール)、4,4’,4’’−エチリデントリスフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパンなどが挙げられる。上記熱重合禁止剤は、アルカリ可溶性樹脂(A)100重量部に対して、5重量部以下の量で用いられる。
酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、安息香酸、けい皮酸などのモノカルボン酸;
乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシけい皮酸、3−ヒドロキシけい皮酸、4−ヒドロキシけい皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸などのヒドロキシモノカルボン酸;
シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;
無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテートなどの酸無水物
を添加してもよい。
〔感放射線性樹脂膜および転写フィルム〕
本発明に係る感放射線性樹脂膜は、上記本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物から形成される。また、本発明に係る転写フィルムは、支持フィルム上に上記ネガ型感放射線性樹脂組成物を塗布して乾燥することにより形成された感放射線性樹脂膜を有する。
また、支持フィルムとしては、転写フィルムの作製および使用に耐えうる強度を有する限り、特に限定されるものではなく、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムを用いることができる。
本発明のメッキ造形物の製造方法は、(1)バリアメタル層を有するウェハー上に、上記本発明のネガ型感放射線性樹脂組成物から形成される感放射線性樹脂膜を形成する工程、(2)該樹脂膜を露光した後に現像してパターンを形成する工程、(3)該パターンを鋳型として、電解メッキにより電極材料を析出させる工程、および(4)残存する樹脂膜を剥離した後、バリアメタルをエッチングにより除去する工程を含む。
まず、バリアメタル層を有するウェハー上に、上記本発明の感放射線性樹脂膜を形成する。上記バリアメタル層として用いられる導電材料としては、たとえば、アルミニウム、銅、銀、金、パラジウムや、これらの2種以上の合金(たとえばパラジウム−金)などが挙げられる。前記導電材料を、たとえばスパッタ法により処理することより、ウェハー上にバリアメタル層を形成することができる。バリアメタル層の厚さは、特に限定されないが、通常、200〜10,000Å、好ましくは500〜2,000Å程度である。
本発明の組成物をウェハー上に塗布する方法としては、上記転写フィルムを作製する際の方法と同様に、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷、アプリケーター法などが挙げられる。塗膜の乾燥条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗膜の厚さなどによって異なるが、通常は60〜160℃、好ましくは80〜150℃で、5〜20分間程度である。乾燥時間が短かすぎると、現像時の密着状態が悪くなり、また、長すぎると熱かぶりによる解像度の低下を招くことがある。
上記のようにして得られた感放射線性樹脂膜に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光することにより、露光部を硬化させる。
上記露光に用いられる放射線としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、i線ステッパー等からの紫外線;KrFエキシマーレーザーやArFエキシマーレーザー等に代表される遠紫外線のほか、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線などを挙げることができ、特に、波長が150〜500μmの範囲内にある放射線が好ましい。露光量は、放射線の種類、組成物の組成、樹脂膜の厚さなどによって異なるが、たとえば高圧水銀灯からの紫外線の場合、通常、1,000〜20,000J/m2程度である。
上記のようにして形成したパターンを鋳型として、電解メッキにより電極材料を析出させる。電解メッキに際しては、パターン表面とメッキ液との親和性を高めるため、樹脂膜から形成されたパターンを、たとえば、酸素プラズマによるアッシング処理などの親水化処理しておくことが好ましい。
<工程(4)>
上記のようにしてメッキ造形物を形成した後、残存する樹脂膜を剥離し、さらにメッキ造形物を形成した領域以外のバリアメタル層をエッチングにより除去する。
上記バリアメタル層を除去するためのエッチングは、上記メッキ造形物を形成した領域以外のバリアメタル層をエッチングできれば特に限定されず、公知のエッチング方法を採用することができる。
<合成例1> アルカリ可溶性樹脂(A1)の合成
ドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコを窒素置換した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5.0g、溶媒として乳酸エチル150.0gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。次いで、メタクリル酸6.0g、p−ヒドロキシフェニルアクリレート15.0g、イソボロニルアクリレート11.0g、n−ブチルアクリレート21.0g、トリシクロ(5.2.1.02,6)デカニルメタクリレート27.0g、アクリロイルモルフォリン20.0gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。次いで、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度で6時間重合を行なってアルカリ可溶性樹脂(A1)を得た。
モノマー組成を、メタクリル酸10.0g、p−ヒドロキシフェニルアクリレート15.0g、イソボロニルアクリレート20.0g、n−ブチルアクリレート30.0g、トリシクロ(5.2.1.02,6)デカニルメタクリレート25.0gに変更したこと以外は合成例1と同様にしてアルカリ可溶性樹脂(A2)を得た。
<樹脂組成物の調製>
合成例1で得られたアルカリ可溶性樹脂(A1)100重量部、東亞合成(株)製「アロニックスM8100」(B1)60重量部、同「アロニックスM320」(B2)10重量部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−(ブタノン−1(C1)5重量部、2,2−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール(C2)4重量部および9,10−ジプロポキシアントラセン(D1)0.5重量部を、乳酸エチル(E1)150重量部に溶解した後、孔径10μmのテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。樹脂組成物の組成を表1に示す。
直径4インチのシリコンウエハー基板上に、クロムを厚さが約500Åとなるようにスパッタリングした後、その上に金を厚さが1,000Åとなるようにスパッタリングして、バリアメタル層を形成した。以下、このバリアメタル層が形成された基板を「金スパッタ基板」という。
上記金スパッタ基板に、スピンコーターを用いて上記樹脂組成物を塗布した後、ホットプレート上にて、110℃で5分間加熱して、厚さ25μmの樹脂膜を形成した。次いで、所定のパターンマスクを介し、超高圧水銀灯〔アライナー(Suss Microtec社製「MA−150」)〕を用いて、300〜1500mJ/cm2の紫外光(g,h,i混合線)を照射した。なお、露光量は照度計〔(株)オーク製作所製「UV−M10」(照度計)に「プローブUV−35」(受光器)をつないだもの〕により確認した。
以下、(1)感度の評価については、365nm付近の波長を遮断せずに露光・現像したパターニング基板および365nm付近の波長を遮断して露光・現像したパターニング基板の両方を用い、(2)解像度、(3)密着性、(4)メッキ液濡れ性、(5)メッキ液耐性および(6)剥離性の評価については、365nm付近の波長を遮断せずに露光・現像したパターニング基板のみを用いた。各評価方法は以下の通りである。なお、評価結果を表2に示す。
金スパッタ基板に、マスク設計寸法で40μmピッチのパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターン)を形成する際に、抜きパターンの底部の寸法が30μmになる露光量を最適露光量とし、この最適露光量により評価した。
(2)解像度
パターニング基板に形成されたマスク設計寸法で40μmピッチの2種のパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターン、32μm幅抜きパターン/8μm幅残しパターン、図1参照)を、光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡で観察し、下記の基準で評価した。
○:30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターンが解像できる。
△:32μm幅抜きパターン/8μm幅残しパターンは解像できるが、30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターンは解像できない。
×:40μmピッチのパターンが解像できない、または再現性よく解像できない。
まず、上記(1)で得られた最適露光量で、上記と同様にしてパターニング基板を作製した。次いで、得られたパターニング基板に形成されたパターン群(たとえば、図1におけるパターン群A×8個およびパターン群B×8個)の内、1種のパターン群(たとえば、図1におけるパターン群A)8個を顕微鏡観察した。なお、それぞれのパターン群における40μmピッチのパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターン)の内、上から3列(計9個)と下から3列(計9個)との合計18個を4パターン群分、すなわち72箇所のパターンを観察した(図1参照)。その結果、パターンと基板との接着面にくびれ(隙間)が1箇所も観察されない場合を『○』、パターンと基板との接着面にくびれ(隙間)が1箇所でも観察される場合を『×』と判定した。
パターニング基板表面のメッキ液に対する濡れ性を、メッキ欠陥の発生状況に基づいて評価した。なお、パターニング基板表面がメッキ液に対して充分な親和性(濡れ性)を有していれば、パターン内部の気泡が完全に抜け、メッキの欠陥が起こり難い傾向にある。具体的な評価方法は以下の通りである。
○:メッキ欠陥が全くないか、メッキ欠陥の割合が5%未満である。
△:メッキ欠陥の割合が5〜30%である。
×:メッキ欠陥の割合が30%以上である。
上記(4)の評価をする際に形成した樹脂膜剥離後のメッキ基板の残り半分を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。なお、メッキ基板内の同種のパターン群(たとえば、図1におけるパターン群A)4個における40μmピッチのパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターン)に形成されたメッキ造形物の内、一番上の列の端部および一番下の列の端部に形成されたメッキ造形物2個を4パターン群分、すなわち8個のメッキ造形物を観察した。その結果、メッキ造形物の幅が、レジストパターンの幅に対し平均103%以内であり、かつ、レジストの残しパターン基部へのメッキの浸み出しがない場合を『○』、浸み出しがある場合を『×』と判定した。
上記(4)に記載の方法で得られたメッキ基板を、流水洗浄した後、ジメチルスルホキシドと25重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の混合溶液(重量比=92:8)50〜60℃中に10分間浸漬して、残存する樹脂膜(硬化膜)部分を剥離した。基板上の剥離残り(硬化膜残渣)の有無について、上記(4)の評価で観察した箇所と同じ箇所を、光学顕微鏡を用いて観察した。その結果、剥離残りがまったく観察されない場合を『○』、剥離残りが一部にでも観察される場合を『×』と判定した。
厚さ38μmの東レデュポンフィルム(株)製「ピューレックスA54」に、オートアプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が25μmになるように上記樹脂組成物を塗布した後、120℃の対流式オーブンで5分間乾燥して転写フィルムを作製した。
得られた転写フィルムを上記金スパッタ基板上に接触させ、該基板上に樹脂膜をラミネートして樹脂膜を形成した。なお、ラミネートは、ロール温度100℃、ロール圧0.2MPa、搬送速度0.4m/minの条件で行った。以降は、上記樹脂組成物を金スパッタ基板上に塗布して樹脂膜を形成した場合と同様の手順で、パターンおよびメッキ造形物の形成を行って評価した。評価結果を表2に示す。
表1に示す組成で、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製した。また、得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、パターンおよびメッキ造形物を形成し、評価を行った。なお、実施例2〜4については、実施例1と同様にして転写フィルムを作製し、これらを用いて、金スパッタ基板上に樹脂膜、パターンおよびメッキ造形物を形成し、評価を行った。評価結果を表2に示す。
(成分C)
C1:2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1
C2:2,2-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,5,4',5'-テトラフェニル-1,2’-ビスイミダゾール
C3:2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1
C4:2,4-ジエチルチオキサントン
(成分D)
D1:9,10−ジプロポキシアントラセン
D2:9,10−ジエトキシアントラセン
D3:9,10−ジ−2−エチルヘキシルオキシアントラセン
D4:アントラセン
Claims (12)
- (A)アルカリ可溶性樹脂、
(B)少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、
(C)感放射線性ラジカル重合開始剤、
(D)下記一般式(1)で表される構造を有する化合物、および
(E)有機溶媒
を含有することを特徴とするネガ型感放射線性樹脂組成物。
R1は、独立に水素原子、炭素数1〜8の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換もしくは非置換の脂環族基、炭素数2〜4のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基または−N(R’)2基を示し、2以上のR1が互いに結合して環状構造を形成してもよく、該環状構造はヘテロ原子を含んでもよく、
Xは、独立に単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、−N(R’)−基、−CO−O−基、−CO−S−基、−SO2−O−基、−SO2−S−基、−SO2−N(R’)−基、−O−CO−基、−S−CO−基、−O−SO2−基または−S−SO2−基を示す。ただし、Xが単結合、かつ、R1が水素原子の組み合わせを除く。
ここで、R’は、水素原子、炭素数1〜8の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素数3〜20の置換もしくは非置換の脂環族基、炭素数2〜4のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のヘテロアリール基を示し、R’同士が相互に結合して環状構造を形成してもよく、該環状構造はヘテロ原子を含んでもよい。] - 前記ネガ型感放射線性樹脂組成物がメッキ造形物製造用であることを特徴とする請求項1に記載のネガ型感放射線性樹脂組成物。
- 前記メッキ造形物がバンプであることを特徴とする請求項2に記載のネガ型感放射線性樹脂組成物。
- 前記成分(A)100重量部に対して、前記成分(D)が0.1〜20重量部含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のネガ型感放射線性樹脂組成物。
- 前記成分(A)100重量部に対して、前記成分(B)が30〜80重量部含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のネガ型感放射線性樹脂組成物。
- 前記成分(A)100重量部に対して、前記成分(C)が1〜40重量部含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のネガ型感放射線性樹脂組成物。
- 前記化合物(D)が9,10−ジアルコキシアントラセンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物から形成される感放射線性樹脂膜。
- 前記樹脂膜の膜厚が5〜200μmであることを特徴とする請求項8に記載の感放射線性樹脂膜。
- 支持フィルム上に、請求項8または9に記載の感放射線性樹脂膜を有することを特徴とする転写フィルム。
- (1)バリアメタル層を有するウェハー上に、請求項1〜7のいずれかに記載のネガ型感放射線性樹脂組成物から形成される感放射線性樹脂膜を形成する工程と、
(2)該樹脂膜を露光した後、現像してパターンを形成する工程と、
(3)該パターンを鋳型として、電解メッキにより電極材料を析出させる工程と、
(4)残存する樹脂膜を剥離した後、バリアメタル層をエッチングにより除去する工程とを含むことを特徴とするメッキ造形物の製造方法。 - 前記工程(1)の感放射線性樹脂膜が、請求項10に記載の転写フィルムを用いて形成されることを特徴とする請求項11に記載のメッキ造形物の製造方法。
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