JPWO2007011035A1 - 噴霧装置 - Google Patents

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昌司 粕谷
裕史 橋本
裕史 橋本
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Abstract

液体を噴霧する噴霧ユニット(120)と、噴霧ユニット(120)が噴霧する液体を蓄えるタンク部材(108)と、タンク部材(108)の下方に設けられ、前記液体の流路の開閉をおこなうバルブ(116)と、を備え、バルブ(116)の開閉によって液体を噴霧ユニット(120)へ提供する。これによって、タンク部材(108)の液体が重力によって噴霧ユニット(120)へ流れるので、液体を噴霧ユニット(120)まで送るためのポンプが不要となる。また、バルブ(116)と噴霧ユニット(120)との間に設けられ、液体の一部を電気分解する電極部材(401),(402)を備え、噴霧ユニット(120)は、電極部材(401),(402)によって電気分解された液体を一部に含む液体を噴霧する。

Description

この発明は、液体を噴霧する噴霧装置に関する。
従来の噴霧装置にあっては、液体を多孔噴霧プレートまで運ぶ方法として、ポンプを用いる方法が一般的であった(たとえば特許文献1参照。)。
特開2002−52069号公報
しかしながら、上記従来技術にかかる噴霧装置は、液体を運ぶのにポンプを用いるため、装置全体を小型軽量化できず、携帯性を実現することが困難であるという問題点があった。また、ポンプを駆動するための電力量を確保しなければならず、バッテリーの肥大化を招き、やはり携帯性を実現することが困難であるという問題点があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、小型軽量化を図ることが可能で、騒音や消費電力を抑えることが可能な噴霧装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる噴霧装置は、液体を噴霧する噴霧手段と、前記噴霧手段が噴霧する液体を蓄えるタンクと、前記タンクの下方に設けられ、前記液体の流路の開閉をおこなう流路開閉手段と、を備え、前記流路開閉手段の開閉によって前記液体を噴霧手段へ提供することを特徴とする。
また、この発明にかかる噴霧装置は、上記発明において、前記流路開閉手段の前記液体の流路を開く動作に連動して、前記噴霧手段への電力供給をおこなうことを特徴とする。
また、この発明にかかる噴霧装置は、上記発明において、さらに、前記流路開閉手段と前記噴霧手段との間に設けられ、前記液体の少なくとも一部を電気分解する電解手段を備え、前記噴霧手段は、前記電解手段によって電気分解された液体噴霧することを特徴とする。
また、この発明にかかる噴霧装置は、上記発明において、前記流路開閉手段の前記液体の流路を開く動作に連動して、前記電解手段への電力供給をおこなうことを特徴とする。
また、この発明にかかる噴霧装置は、上記発明において、前記電解手段が、少なくとも2本の電極対から構成され、前記電極対を流路方向に対して略垂直に設けたことを特徴とする。
また、この発明にかかる噴霧装置は、上記発明において、前記電極対が、略円柱形状からなることを特徴とする。
また、この発明にかかる噴霧装置は、上記発明において、前記電解手段によって前記液体を電気分解する際に発生する気泡を前記噴霧手段の方向以外の方向へ導く気泡ガイド手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、部品点数を減らすことができ、小型軽量化を図ることができるとともに、電力制御する部品を減らすことで、騒音や消費電力を抑えることが可能な噴霧装置が得られるという効果を奏する。
図1−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観を示す説明図(正面図)である。 図1−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観を示す説明図(側面図)である。 図1−3は、図1−1の噴霧装置のA−Aの断面図である。 図1−4は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観を示す説明図(背面図)である。 図2−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観(開閉部材・タンクユニットを取り外した状態)を示す説明図(正面図)である。 図2−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観(開閉部材・タンクユニットを取り外した状態)を示す説明図(側面図)である。 図2−3は、図2−1の噴霧装置のA−Aの断面図である。 図2−4は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観(開閉部材・タンクユニットを取り外した状態)を示す説明図(背面図)である。 図3−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の開閉部材の外観を示す説明図(正面図)である。 図3−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の開閉部材の外観を示す説明図(側面図)である。 図4−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のタンクユニットの外観を示す説明図(斜視図)である。 図4−2は、図4−1のタンクユニットのH−Hの断面図である。 図4−3は、図4−1のタンクユニットのC方向から見た外観を示す説明図である。 図4−4は、図4−1のタンクユニットのB方向から見た外観を示す説明図である。 図4−5は、図4−1のタンクユニットのE−Eの断面図である。 図4−6は、図4−1のタンクユニットのF方向から見た外観を示す説明図である。 図5−1は、図4−2と同一方向から見たタンク部材の外観を示す説明図である。 図5−2は、図4−3と同一方向から見たタンク部材の外観を示す説明図である。 図5−3は、図4−4とは反対方向から見たタンク部材の外観を示す説明図である。 図5−4は、図5−3と同一方向から見たタンク部材の断面図である。 図5−5は、図4−6と同一方向から見たタンク部材の外観を示す説明図である。 図5−6は、図5−5における電極挿入穴付近の拡大図である。 図5−7は、図5−6と同一方向から見たタンク部材の断面図である。 図5−8は、図5−7における電極挿入穴付近の拡大図である。 図5−9は、図5−2における液排出口付近の拡大図である。 図5−10は、図5−9におけるI−Iの断面図である。 図5−11は、図5−9におけるJ−Jの断面図である。 図5−12は、タンク部材であって、図4−1のタンクユニットのE−Eの断面図である。 図5−13は、図4−1のタンクユニットのG方向から見た外観を示す説明図である。 図6−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のリング部材の外観を示す説明図(斜視図)である。 図6−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のリング部材の外観を示す、図6−1とは別の方向から見た説明図(斜視図)である。 図6−3は、図6−1または図6−2のリング部材のK方向から見た外観を示す説明図である。 図6−4は、図6−1または図6−2のリング部材のL方向から見た外観を示す説明図である。 図6−5は、図6−1または図6−2のリング部材のM方向から見た外観を示す説明図である。 図7−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のキャップ部材の外観を示す説明図(正面図)である。 図7−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のリング部材にキャップ部材が装着された状態を示す説明図(背面図)である。 図7−3は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のリング部材にキャップ部材が装着された状態を示す説明図(断面図)である。 図8−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のバルブの外観を示す説明図(正面図)である。 図8−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のバルブの外観を示す説明図(側面図)である。 図8−3は、図8−2のバルブの断面を示す説明図である。 図9は、タンク支持部材の外観を示す説明図(斜視図)である。
符号の説明
100 噴霧装置
101 開閉部材
102 スイッチ
103 発光部材
104 電源部
105 噴霧口
106 回路基板
107 蓋部材
108 タンク部材
109 キャップ部材
110 リング部材
111 マイクロスイッチ
112 バルブ開閉レバー押圧部材
113 バルブ開閉レバー部材
114 バルブ開閉レバー支点
115 バルブ開閉レバー突起部
116 バルブ
117 ばね部材
118 タンク支持部材
119 ばね係止部材
120 噴霧ユニット
130 電池装着用蓋部材
131 タンクユニット止め部材
132 蓋部材ロック機構
201,202 電極用電力供給端子
203 噴霧ユニット用電力供給端子
301 スイッチ押下防止部材
302 蓋摺動用突起部
401 第1電極部材
402 第2電極部材
501 液排出口
502 第1電極挿入穴
503 第2電極挿入穴
504 第1電極接続孔
505 第2電極接続孔
506 電極挿入穴突起部
507 バルブ装着孔
508 バルブ開閉レバー稼動溝
601 気泡ガイド部材
701 吸液部材
801 蛇腹構造
901 ばね支持部材
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる噴霧装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(噴霧装置の外観)
まず、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観について説明する。図1−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観を示す説明図(正面図)である。また、図1−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観を示す説明図(側面図)である。また、図1−3は、図1−1の噴霧装置のA−Aの断面図である。また、図1−4は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観を示す説明図(背面図)である。
図1−1において、噴霧装置100の本体の正面には、開閉部材101と、スイッチ102と、発光部材103とが備えられている。開閉部材101は、噴霧装置100を使用する際に、噴霧装置100の本体の長手方向にスライドすることによって、後述する噴霧口105(図2−1などを参照)を露出させることができる。また、噴霧装置100の使用をしない場合は、図1−1に示すように、開閉部材101を図1−1において下側にスライドすることによって、噴霧口105が直接露出しないようにし、噴霧口105を外部衝撃から保護することができる。
102はスイッチであり、スイッチ102を、図1−1においては手前から奥側へ、図1−2においては左側から右側へ水平方向に、指をもって所定の力で押下されることによって、スイッチ102がオン状態となる。スイッチ102がオン状態となると、後述する液を蓄えるタンク部材108(図1−3などを参照)から液が噴霧口105側へ流入するとともに、噴霧口105に設けられた、後述する噴霧ユニット120への振動を開始させ、それをもって、液の噴霧動作を実行する。スイッチ102がオンされた状態で、再度、スイッチ102が所定の力で押下されると、スイッチ102はオフ状態になる。すなわち、スイッチ102は、ラッチ構造となっており、スイッチ102が押下されるごとに、オン/オフを繰り返す。
103は発光部材である。具体的には、たとえばLED(Light Emitting Diode)を用いる。発光部材103の点灯の仕方や、点灯色によって、噴霧装置100の状態を告知することができる。たとえば、点灯状態によって噴霧動作中、点滅状態によって充電中などを告知することができる。さらに、充電が必要な場合に点灯の仕方あるいは点灯色を変える(たとえば赤色)ようにしてもよい。
104は電源部であり、具体的には充電可能な電池を備えている。充電可能な電池は、図示を省略するスタンド型の充電器から電力の供給を受けて充電をおこなう。なお、電源部104は、充電可能な電池のほか、通常の乾電池でもよく、また、AC100Vの家庭用電源であってもよい。
105は、噴霧口であり、この噴霧口105から液体を噴霧する。106は回路基板であり、回路基板106に組み込まれている回路によって、噴霧装置100の全体の制御のほか、噴霧制御、電解液生成制御などの各種制御を司る。107は蓋部材であり、この蓋部材107を開いて、タンク部材108へ液体を注入し、注入後、この蓋部材107を閉じる。蓋部材107には、蓋部材ロック機構132を備えており、不用意に蓋部材107が開いて、タンク部材108に注入された液体がこぼれないようになっている。
108はタンク部材であり、噴霧する液体を蓄える。タンク部材108に蓄える液体は、具体的には、たとえば、水または専用の美容液などである。タンク部材108の詳細な内容については後述する。109はキャップ部材であり、一方の端面が噴霧ユニット120に接触し、他方の端面が、リング部材を組み付けることが可能な構造になっている。110はリング部材であり、噴霧される液体が流れる方向を制御したり、電気分解して得られる電解液を生成する際に生じる気泡の流れを制御する。リング部材110の詳細な内容については後述する。
111はマイクロスイッチであり、スイッチ102の押下動作に連動し、噴霧動作のオン/オフを制御する。112はバルブ開閉レバー押圧部材である。113はバルブ開閉レバー部材であり、バルブ116の開閉動作をおこなう。バルブ開閉レバー部材113は、バルブ開閉レバー支点114と、バルブ開閉レバー突起部115とを含む構成となっている。
スイッチ102が押下されると、マイクロスイッチ111がオンされるとともに、スイッチ102の押下方向にバルブ開閉レバー押圧部材112が移動する。具体的には、図1−3において、バルブ開閉レバー押圧部材112が左方向から右方向へ移動する。このバルブ開閉レバー押圧部材112によって、バルブ開閉レバー押圧部材112の先端部分がバルブ開閉レバー部材113のバルブ開閉レバー突起部115に当接するとともに、バルブ開閉レバー突起部115を図1−3の左方向から右方向へ押し付ける。この押し付けによって、バルブ開閉レバー部材113は、バルブ開閉レバー支点114を支点として、図1−3の右回転方向に回動する。
バルブ開閉レバー部材113の上記回動動作に連動して、バルブ開閉レバー部材113の上部に設けられたバルブ116が開くように構成されている(バルブ116の詳細な構造については後述する)ため、スイッチ102が押下されることによって、その押下に連動してバルブ116が開くことになる。この際、バルブ開閉レバー支点114を支点として回動動作をするため、バルブ開閉レバー押圧部材112の移動距離よりも、バルブ116が開く距離の方が大きくなる。したがって、スイッチ102の押下距離(ストローク)が短くても、バルブ116を十分開くことができ、液体の供給を確実におこなうことができる。
スイッチ102は、ラッチ構造を取っているため、スイッチオンの場合は、バルブ開閉レバー押圧部材112がバルブ開閉レバー部材113を押し付けた状態を維持するため、再度スイッチ102が押下されない限り、バルブ116は開いた状態を保持する。そして、再度スイッチ102が押下されると、バルブ116は閉じるので、それ以後、液体の供給は停止する。
本実施の形態にかかる噴霧装置100では、一つのスイッチ(スイッチ102)によって、二つの動作、すなわちマイクロスイッチ111のオン動作およびバルブ116を開く動作を同時におこなうため、マイクロスイッチ111に使用に併せると、十分なストロークを確保することができないが、上記構成にすることによって、十分なストロークが確保できない場合であっても、バルブ116の開度を十分に確保することができる。
このように、バルブ116の開閉と、電源スイッチのオン/オフとを一つのスイッチ102で実現することで、操作性を向上させ、確実な動作を保証するだけでなく、部品点数を減らすことで噴霧装置100の軽量化、廉価化を実現することができる。また、バルブ116の開閉を電気的にではなく、メカ的に制御することによって、開閉制御に必要な電気回路や駆動装置を不要とすることができ、軽量化、廉価化のほか、消費電力を抑えることを可能にする。
117は、ばね部材であり、バルブ116が閉じる方向に付勢されている。したがって、ばね部材117の付勢力を調整することによって、スイッチ102の押圧力を調整することができる。118はタンク支持部材であり、後述する図9に示すようにばね部材117を指示するばね支持部材901を備えている。
120は噴霧ユニットであり、噴霧ユニット120は、図示を省略する多孔噴霧プレートおよび当該多孔噴霧プレートを振動させる振動子から構成される。この噴霧ユニット120が、噴霧口105に装着されている。130は電池装着用蓋部材であり、電池を装着する際、この電池装着用蓋部材130を開閉する。また、131はタンクユニット止め部材であり、このタンクユニット止め部材131を用いることによって、タンクユニット(たとえば図4−1を参照)の脱着を容易におこなわしめることができる。132は、蓋部材ロック機構であり、この蓋部材ロック機構132は、蓋部材107が不用意に開くのを抑止し、タンク部材108内の液体がこぼれ出るのを防止する。
また、図2−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観(開閉部材・タンクユニットを取り外した状態)を示す説明図(正面図)であり、図2−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観(開閉部材・タンクユニットを取り外した状態)を示す説明図(側面図)であり、図2−3は、図2−1の噴霧装置のA−Aの断面図であり、図2−4は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の外観(開閉部材・タンクユニットを取り外した状態)を示す説明図(背面図)である。
図2−4において、201,202は、電極用電力供給端子である。上記タンクユニットを組み付けることによって、電極用電力供給端子201は、突出しているため、後述する第1電極接続孔504を介して第1電極部材401と接続することができる。同様に、電極用電力供給端子202は、後述する第2電極接続孔505を介して第2電極部材402と接続することができる。このように電極用電力供給端子201,202を構成することによって、液体に接している第1電極部材401、第2電極部材402に対して、漏電を効率的に防止し、簡易にかつ確実に電力を供給することができる。
また、203は、噴霧ユニット用電力供給端子であり、噴霧ユニット用電力供給端子203を介して、噴霧ユニット120の振動板を振動させる電力を供給する。噴霧ユニット用電力供給端子203をこのような構成にすることによって、噴霧ユニット120の脱着を容易にすることができる。したがって、噴霧ユニット120のみの交換をより簡易におこなうことができものである。
(開閉部材の構成)
つぎに、開閉部材の構成について説明する。図3−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の開閉部材の外観を示す説明図(正面図)である。また、図3−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置の開閉部材の外観を示す説明図(側面図)である。
図3−1において、301はスイッチ押下防止部材である。図3−1において開閉部材101の下端部に設けられており、開閉部材101を本体に装着し、最も下側までスライドさせた場合、このスイッチ押下防止部材301が、スイッチ102と本体との隙間、すなわち、ストロークのための隙間に入り込む形で、開閉部材101のスライドが停止する。したがって、このスイッチ押下防止部材301が、上記隙間に入り込んでいる場合には、スイッチ102が押下できない状態となっている。
これによって、開閉部材101が閉じていて、噴霧口105が露出していない状態で、誤ってスイッチ102を押下してしまうことを容易にかつ確実に防止することができる。また、誤ってスイッチ102を押してしまうことを防止するための電気的センサを設ける必要がなく、部品点数を減らすことで、軽量化、廉価化を図ることができるとともに、消費電力も抑えることができる。
また、302は蓋摺動用突起部であり、本体の溝部(図示を省略)と接する部分に複数個設けられている。このように、蓋摺動用突起部302によって上記本体の溝部と、面ではなく点で接することができるため、開閉部材101の摺動(開閉)をより円滑におこなわせることができる。これによって、使用者に対して、開閉部材101の開閉の際に、よりスムースな使用感を提供することができる。
また、スイッチ押下防止部材301の形状は、噴霧口105の曲線形状にあわせたものとしてあるため、開閉部材101をスライドさせて、噴霧口105を露出させた場合でも、噴霧口105を遮らないで済む。このように、スイッチ押下防止部材301は、噴霧ユニット120の多孔プレートを保護するための役割と、スイッチ102の誤押下を防止する役割を兼ね備えている。
(タンクユニットの構成)
つぎに、タンクユニットの構成について説明する。図4−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のタンクユニットの外観を示す説明図(斜視図)である。また、図4−2は、図4−1のタンクユニットのH−Hの断面図である。また、図4−3は、図4−1のタンクユニットのC方向から見た外観を示す説明図である。また、図4−4は、図4−1のタンクユニットのB方向から見た外観を示す説明図である。また、図4−5は、図4−1のタンクユニットのE−Eの断面図である。また、図4−6は、図4−1のタンクユニットのF方向から見た外観を示す説明図である。
図4−1において、401が第1電極部材であり、402が第2電極部材である。第1電極部材401、第2電極部材402の詳細な内容については後述する。
また、図5−1は、図4−2と同一方向から見たタンク部材の外観を示す説明図であり、図5−2は、図4−3と同一方向から見たタンク部材の外観を示す説明図であり、図5−3は、図4−4とは反対方向から見たタンク部材の外観を示す説明図であり、図5−4は、図5−3と同一方向から見たタンク部材の断面図である。
また、図5−5は、図4−6と同一方向から見たタンク部材の外観を示す説明図であり、図5−6は、図5−5における電極挿入穴付近の拡大図である。また、図5−7は、図5−6と同一方向から見たタンク部材の断面図であり、図5−8は、図5−7における電極挿入穴付近の拡大図である。また、図5−9は、図5−2における液排出口付近の拡大図であり、図5−10は、図5−9におけるI−Iの断面図であり、図5−11は、図5−9におけるJ−Jの断面図である。また、図5−12は、タンク部材であって、図4−1のタンクユニットのE−Eの断面図である。また、図5−13は、図4−1のタンクユニットのG方向から見た外観を示す説明図である。
ここで、501は液排出口であり、タンク部材108に貯められた液体は、バルブ116を開くことによって、バルブ116が装着されているバルブ装着孔507を介して、液排出口501からリング部材110側へ流れるようになっている(たとえば図5−4を参照)。また、508は、バルブ開閉レバー部材113が稼働するために設けられたバルブ開閉レバー稼動溝である。
図5−2または図5−9に示すように、液排出口501には、2本の電極部材(第1電極部材401と、第2電極部材402)が液体が流出する方向に対してほぼ垂直に設けられている。そのため、第1電極部材401を収容する第1電極挿入穴502と、第2電極部材402を収容する第2電極挿入穴503を備えている。上記電極部材は、長手方向に直交する断面が円形である。すなわち、上記電極部材は円柱形状をしている。これは、電極部材の材料としてたとえばチタンを用いた場合に、円柱形状とするのが一番製造しやすいからである。
また、電極挿入穴の形状も円形にすることによって、電極部材にたとえば図示を省略するOリングを装着した状態で、電極挿入穴に挿入すると、電極の装着が極めて容易であるだけでなく、電極部材と電極挿入穴の間にOリングを介することで、電極部材が電極挿入穴から抜けづらくなり、かつ、防水効果を高めることができるからでもある。
また、図5−6または図5−8に示すように、第1電極挿入穴502および第2電極挿入穴503の内周面に複数の電極挿入穴突起部506を設けている。これによって、上記Oリングの脱落をより効率的に防止することができる。
第1電極部材401と第2電極部材402との間隔は、任意に設定することができる。ただし、両電極の間隔が開きすぎると、両電極にかける電圧を高くする必要があるので、上記間隔は、印加できる電圧などを考慮して決定するとよい。
また、液体を両電極間のみを通って流れるようにするのではなく、両電極間以外に両電極の外側も通って流れるようにしている。これは、本実施の形態にかかる噴霧装置100が、ポンプ装置を備えておらず、タンク部材108から重力のみを用いて流れる仕様をとっており、この場合に、両電極間のみを通って流れるようにすると、十分の量の液体を噴霧ユニット120に提供することができなくなるからである。また、電解液は両電極間で生成されるが、単位時間当たりの電解液の生成量は、流れた電流量で決まるので、必ずしも流出する全ての液体について両電極間を通過させる必要はない。
上記の点を考慮して、2本の電極部材は、液排出口501の液体の流出方向に直交するように設けている。したがって、2本の電極部材の形状や設置の態様については、本実施の形態における電極部材401,402の形状や設置の態様に限定されるものではない。
また、図5−9からもわかるように、第1電極部材401と第2電極部材402は、液排出口501の中心よりも右側にずれた位置に設けられている。液排出口501と電極部材401,402との位置に関係なく、電解液の生産量は一定であるので、上記位置を考慮する必要はない。本実施の形態では、液排出口501が接するリング部材110が備える気泡ガイド部材601の凸部が電極部材401,402に当たらないように、あえて電極部材401,402を右側にずらして設けてある。したがって、右側に限定されるものでもなく、左側にずらして設けてもよい。その場合、気泡ガイド部材601の凸部は右側に設けることになる。
また、電極部材401,402に流す電流は交流を用いる。極の反転が頻繁におこなわれることによって、電解液とそうでない液体との攪拌作用を自動的におこなわせることができる。したがって、電解液を生成することに着目するのであれば、交流ではなく直流であってもよい。
その場合、電極部材401,402に印加される電力の極性は、所定の時間間隔で互いに切り換えることができる。印加する電力の極性を所定時間ごとに切り換えることによって、陰極側電解液と陽極側電解液とが片側の電極において交互に生成されるため、陽極側電解液と陰極側電解液とが効率よく混合されることになる。極性の切り換え時間間隔は、2〜1200回/分が好ましく、120〜600回/分がさらに好ましい。また、極性を切り換えることによって、電極にスケール(堆積物または付着物)が付着することを有効に防止することができる。以上のようにして液体を電解することによって、電解中に生成される陽極側電解液と陰極側電解液とが自然に混合され、両電解液が混合した混合電解液が噴霧ユニット120から連続的に噴霧されることになる。
(リング部材の構成)
つぎに、リング部材の構成について説明する。図6−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のリング部材の外観を示す説明図(斜視図)である。また、図6−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のリング部材の外観を示す、図6−1とは別の方向から見た説明図(斜視図)である。また、図6−3は、図6−1または図6−2のリング部材のK方向から見た外観を示す説明図である。また、図6−4は、図6−1または図6−2のリング部材のL方向から見た外観を示す説明図である。また、図6−5は、図6−1または図6−2のリング部材のM方向から見た外観を示す説明図である。
リング部材110は、図6−3に示すように、できるだけ多くの水量を通すために、多くの孔を備えている。また、気泡ガイド部材601を備えている。気泡ガイド部材601は、図6−5からもわかるように、テーパ部を備えている。電極部材401,402に電流を流すと、電解液が生成されるとともに、多くの気泡が発生する。この気泡を放置した場合、多孔噴霧プレートへ気泡が移動すると、その分、十分な噴霧量を確保できなくなる。
そこで、気泡ガイド部材601を設けることで、発生した気泡が気泡ガイド部材601の表面に付着し、テーパ部をつたって、その間に気泡どうしがくっついて大きくなり、最終的には、タンク部材108側へ戻ってゆくことになる。このように、気泡ガイド部材601を設けるだけの簡単な構成によって、電極部材401,402付近で発生した気泡が多孔噴霧プレート側へ移動するのを防止している。タンク部材108への液体の注入は開閉弁が開弁状態で行われるため、最初の注液時は流路は空気で満たされており、弁の開弁によって液体が流路へ流れる。この時気泡ガイド部材601によって流路の空気はタンク部材108へ移動し、エアーロックの発生が回避できる。
(キャップ部材の構成)
つぎに、キャップ部材の構成について説明する。図7−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のキャップ部材の外観を示す説明図(正面図)である。また、図7−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のリング部材にキャップ部材が装着された状態を示す説明図(背面図)である。また、図7−3は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のリング部材にキャップ部材が装着された状態を示す説明図(断面図)である。
図7−1に示すように、キャップ部材109の中央には吸液部材701を備えている。そして、その先端は、組み付けた際に、多孔噴霧プレートに接触する。このように構成することによって、吸液部材701は、リング部材110を介してキャップ部材109まで流れてきた液体を吸収する。多孔噴霧プレートは、吸液部材701が吸収した液体を振動板によって振動させることによって、噴霧をおこなう。
吸液部材701は、具体的にはたとえばスポンジなどである。また、キャップ部材109とリング部材110とは、組み付けによって一体をなす。そして、図7−2にも示すように、ロック機構によって組み付けているので、脱着を容易におこなうことができる。したがって、使用者が、吸液部材701のみを手軽に交換でき、衛生的な配慮を図ることもできる。
(バルブの構成)
つぎに、バルブの構成について説明する。図8−1は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のバルブの外観を示す説明図(正面図)である。また、図8−2は、この発明の実施の形態にかかる噴霧装置のバルブの外観を示す説明図(側面図)である。また、図8−3は、図8−2のバルブの断面を示す説明図である。
バルブ116は、図8−3にも示すように、蛇腹構造801を有しており、図8−3における左右方向に伸び縮みする。伸びている状態では、タンク部材108からの液体の流れを止め、縮んだ状態では、タンク部材108の液体が流れる。バルブ開閉レバー部材113が開くように回動した場合は、バルブ116は、蛇腹構造801を縮めることで、バルブを開放し、バルブ開閉レバー部材113が閉じるように回動した場合は、蛇腹構造801の反発力によってバルブを閉塞するようにする。
バルブ116は、蛇腹構造801による伸張動作が十分機能するように、プラスチックなどにくらべて柔らかい素材、たとえばシリコンなどによって構成する。
さらに、バルブ116の閉塞を強めるために、蛇腹構造801のほかに、ばね部材117を設けている。ばね部材117の一端は、図4−2にも示したように、ばね係止部材119によって係止され、もう一端は、図9に示す、タンク支持部材118に設けられたばね支持部材901の凸部に、コイル状のばね部材117を挿入することによって係止する。図9は、タンク支持部材の外観を示す説明図(斜視図)である。このような構成にすることによって、ばね部材117のバルブ116を閉める方向に働く付勢力によってより確実にバルブ116を閉じることができる。これによって、液漏れを確実に防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる噴霧装置100は、液体を噴霧する噴霧ユニット120と、噴霧ユニット120が噴霧する液体を蓄えるタンク部材108と、タンク部材108の下方に設けられ、前記液体の流路の開閉をおこなうバルブ116と、を備え、バルブ116の開閉によって液体を噴霧ユニット120へ提供する。これによって、タンク部材108の液体が重力によって噴霧ユニット120へ流れるので、液体を噴霧ユニット120まで送るためのポンプが不要となる。したがって、ポンプの部品点数を減らすことができ、小型軽量化できるとともに、ポンプへの電力供給も不要となる。
バルブ116の液体の流路を開く動作に連動して、噴霧ユニット120への電力供給をおこなうので、操作者にとっては一つの操作で噴霧が得られる。また、両者が連動せずにいずれかのみが作動した場合に生じる液体または電力の無駄を防止することができる。
また、バルブ116と噴霧ユニット120との間に設けられ、液体の少なくとも一部を電気分解する電極部材401,402を備え、噴霧ユニット120は、電極部材401,402によって電気分解された液体を一部に含む液体(すなわち、電極部材401,402によって分解された液体および分解されなかった液体が混合された液体)を噴霧するため、噴霧液として、電解液かあるいは一部に電解液を含む液体を供給することができる。
また、バルブ116を開く動作に連動して、電極部材401,402への電力供給をおこなうため、操作者にとっては一つの操作で噴霧が得られる。また、両者が連動せずにいずれかのみが作動した場合に生じる液体または電力の無駄を防止することができる。
また、電極部材401,402を流路方向に対して略垂直に設けたため、液体の抵抗を低減させ、噴霧ユニット120へ供給する推量を確保することができる。
また、電極部材401,402が略円柱形状からなるため、製造しやすく、また、装着しやすい。
また、電極部材401,402によって液体を電気分解する際に発生する気泡を噴霧ユニット120の方向以外の方向へ導く気泡ガイド部材601を備えたため、気泡が噴霧ユニット120側へ行くことを抑えることができ、噴霧が間欠的にならなくて済む。
以上のように、液体を噴霧する噴霧装置に用いることができ、特に携帯性を有する噴霧装置に適している。

Claims (7)

  1. 液体を噴霧する噴霧手段と、
    前記噴霧手段が噴霧する液体を蓄えるタンクと、
    前記タンクの下方に設けられ、前記液体の流路の開閉をおこなう流路開閉手段と、
    を備え、
    前記流路開閉手段の開閉によって前記液体を噴霧手段へ提供することを特徴とする噴霧装置。
  2. 前記流路開閉手段の前記液体の流路を開く動作に連動して、前記噴霧手段への電力供給をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の噴霧装置。
  3. さらに、前記流路開閉手段と前記噴霧手段との間に設けられ、前記液体の少なくとも一部を電気分解する電解手段を備え、
    前記噴霧手段は、前記電解手段によって電気分解された液体を噴霧することを特徴とする請求項1に記載の噴霧装置。
  4. 前記流路開閉手段の前記液体の流路を開く動作に連動して、前記電解手段への電力供給をおこなうことを特徴とする請求項3に記載の噴霧装置。
  5. 前記電解手段は、少なくとも2本の電極対から構成され、
    前記電極対を流路方向に対して略垂直に設けたことを特徴とする請求項3に記載の噴霧装置。
  6. 前記電極対は、略円柱形状からなることを特徴とする請求項5に記載の噴霧装置。
  7. 前記液体の流路に発生する気泡を前記噴霧手段の方向以外の方向へ導く気泡ガイド手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の噴霧装置。
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