JP2002065819A

JP2002065819A - 酸性水噴霧器

Info

Publication number: JP2002065819A
Application number: JP2000257695A
Authority: JP
Inventors: Masashi Kasuya; 昌司粕谷
Original assignee: Mikuni Corp
Current assignee: Mikuni Corp
Priority date: 2000-08-28
Filing date: 2000-08-28
Publication date: 2002-03-05

Abstract

(57)【要約】【課題】携帯用酸性水噴霧器を提供する。【解決手段】筐体と２、前記筐体内に備えられた原料
水タンク４と、前記原料水タンク内の原料水８を電解槽
１８に供給するポンプ１０と、供給された原料水を酸性
水とアルカリ水とに電解する電解槽１８と、電解槽で生
成した酸性水を筐体外部に噴霧する噴霧手段２０と、廃
液タンク４８と、前記電解槽と廃液タンクとを連結して
なり電解槽で生成したアルカリ液を廃液タンクに導く廃
液管４６と、噴霧手段と電解槽とポンプの作動を制御す
る制御部５６と、これらの駆動電源５８と、メイン６０
スイッチとを有する酸性水噴霧器において、メインスイ
ッチの切断時にポンプの作動が停止した後所定時間噴霧
手段を駆動させ続ける遅延手段を有する酸性水噴霧器１
００。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、無機塩水溶液を電
解して得られる酸性水の噴霧器に関する。

【０００２】

【従来の技術】隔膜としてイオン交換樹脂を膜状にした
荷電膜やマイクロポーラス構造を有する非荷電膜を介し
て白金あるいは白金合金等からなる不活性電極を配置し
た電解槽を用いてアルカリ金属の塩化物の希薄電解質水
溶液を電解し、陽極側で電解生成されるｐＨの低い陽極
電解水（酸性水）を取出し、これを殺菌や消毒に利用す
る技術は既に良く知られている（特開平１１−９０４４
２）。また、隔膜を有さない電解槽を用いて電解水を製
造する技術も知られている（特開平６−２４６２７
２）。

【０００３】陽極側で生成する陽極電解水はその中に次
亜塩素酸が含まれていることから、次亜塩素酸の強力な
酸化作用と塩素化作用を殺菌や消毒に利用するもので、
この様な利用方法は医療機関等で普及している。また酸
性水中に微量に含まれるオゾンや溶存酸素は肉芽生成促
進作用を有することから、外科治療の補助としての利用
も研究されている。また、電解水は製造後時間が経過す
るに従って有益な作用が減少することが知られている。
従って、電解水は製造直後のものを使用することが好ま
しい。

【０００４】これら電解水の製造装置は、電解槽、ポン
プ等を装備し、病院等に備付けられた比較的大型のもの
である。このため、上記電解水の製造装置は、生成した
直後の新鮮な電解水を任意の時に、必要な量だけ供給す
ることを目的とする個人的用途には適していない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明者は携帯に便利
で、任意の時に、任意の場所で、任意の量の酸性水を供
給することのできる酸性水噴霧器を検討しているうち
に、酸性水を噴霧した後噴霧を停止する際に、噴霧部に
酸性水が残存し、これが外部に漏出して酸性水噴霧器の
噴霧部周辺を汚す可能性があることを見いだした。

【０００６】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、携帯に便利で、任意の時に、
任意の場所で、任意の量の酸性水を供給することのでき
ると共に、噴霧後に酸性水の漏出の無い酸性水噴霧器を
提供することにある。

【０００７】

【課題を解決しようとする手段】上記目的を達成する本
発明は、以下に記載するものである。

【０００８】〔１〕筐体と、前記筐体内に備えられた
原料水タンクと、前記原料水タンク内の原料水を電解槽
に供給するポンプと、供給された原料水を酸性水とアル
カリ水とに電解する電解槽と、電解槽で生成した酸性水
を筐体外部に噴霧する噴霧手段と、廃液タンクと、前記
電解槽と廃液タンクとを連結してなり電解槽で生成した
アルカリ液を廃液タンクに導く廃液管と、噴霧手段と電
解槽とポンプの作動を制御する制御部と、これらの駆動
電源と、メインスイッチとを有する酸性水噴霧器におい
て、メインスイッチの切断によりポンプの作動が停止し
た後所定時間噴霧手段を駆動させ続ける遅延手段を有す
る酸性水噴霧器。

【０００９】〔２〕ポンプの上方に原料水タンクを、
ポンプの下方に廃液タンクを配設してなる〔１〕に記載
の酸性水噴霧器。

【００１０】〔３〕噴霧手段が、多孔板を取付けたピ
エゾ振動子を用いる〔１〕に記載の酸性水噴霧器。

【００１１】以下、本発明を図面を参照しながら詳細に
説明する。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は本発明の酸性水噴霧器の一
例を示す概略説明図である。図１中、１００は酸性水噴
霧器で、合成樹脂製筐体２は略直方体状に形成されてい
る。前記筐体２の内部の上部には原料水タンク４が形成
されている。前記原料水タンク４の上部には原料水供給
蓋６が形成されており、この蓋６を開けることにより、
筐体２外部から原料水タンク４内に電解原料水８を供給
できる。

【００１３】前記原料水タンク４の下方には、ポンプ１
０が取付けられており、前記原料水タンク４内の電解原
料水８は原料水供給管１２を通してポンプ１０の吸水口
１４に供給される。前記ポンプ１０に供給された電解原
料水８は、次いでポンプ１０により圧送されて送出管１
６を通って電解槽１８に供給される。

【００１４】図２は電解槽１８及び、電解槽に結合し
た、後述する噴霧手段２０を示す拡大図である。電解槽
１８は、扁平な電解槽筐体２２内に、平行に配設された
陽極２４、及び陰極２６を有する。なお、２８は陽極２
４に接続された陽極端子、３０は陰極２６に接続された
陰極端子である。

【００１５】ポンプ１０から供給される電解原料水は、
電解槽１８の下部に形成された流入孔３２から電解槽１
８内に供給され、層流状態を保ちながら槽内を上方に移
動すると共に陽極２４、陰極２６間に印加されている電
圧により電気分解され、陽極２４近傍には酸性水が生成
し、陰極２６近傍にはアルカリ性水が生成する。

【００１６】電解槽１８内の電解原料水は層流状態で流
れているので、生成した酸性水は陽極２４の表面に沿っ
て矢印Ａで示される様に上方に流れ、酸性水のみが電解
槽１８の上部側に形成された取出し孔３４を通って噴霧
手段２０の噴霧室３６に供給される。

【００１７】３８は多孔板で、これにより噴霧手段２０
の噴霧室３６と外界とが分離されている。前記多孔板３
８は、孔径１８〜２４μｍの細孔が多数形成されている
と共に、この多孔板３８はピエゾ振動子に固定されてい
る。従って、このピエゾ振動子４０に交流やパルス電圧
が印加される事により振動子４０が振動し、これに伴い
振動子４０に連結された多孔板３８が振動する。これに
より、噴霧室３６内に充満された酸性水が多孔板３８に
形成された細孔を通して外部に微細液滴４２として噴霧
される。

【００１８】一方、電解槽１８内で生成したアルカリ性
水は、図２の矢印Ｂにより示されるように、陰極２６に
沿って上方に移動し、廃液口４４に連結された廃液管４
６を通ってポンプ１０の下方に設けられた廃液タンク４
８に送られ、廃液５０として一時蓄えられる（図１を参
照）。なお、５２は廃液タンクの下部に形成された廃液
取出し孔である。

【００１９】前記廃液管４６は、内部を流れる廃液量と
比較し、相対的に大径に形成されており、廃液が流れる
際に廃液が廃液管の径方向断面の一部のみを流れ、決し
て廃液が廃液管の全断面を占めて流れることがないよう
にしてある。このように廃液管を大径にすることによ
り、原料水タンク４と廃液タンクとのヘッド差に基づく
サイホン作用により、原料水が無制限に廃液タンクに吸
引されることを防止している。

【００２０】５４は、廃液管４６に挿入された複数（本
図においては３個）の逆流防止リングで、このリング５
４により廃液管４６の内径は約１／２に狭められてい
る。このリング５４を設けることにより、本発明の酸性
水噴霧器１００を使用する際に噴霧器１００を傾けて
も、廃液タンク４８内の廃液５０が直ちに電解槽１８に
逆流しないようになっている。

【００２１】５６は、マイクロプロセッサを組込んだ制
御部、５８は、制御部５６、ポンプ１０、電解槽１８、
噴霧手段２０等に電力を供給する駆動電源、６０は駆動
電源のオン、オフを制御するメインスイッチである。駆
動電源としては一次電池及び二次電池の何れも使用でき
る。

【００２２】前記制御部５６により、ポンプ１０、電解
槽１８、噴霧手段２０等の動作が制御される。なお、図
中点線は電気回路を表す。

【００２３】更にこの点につき詳述すると、前記制御部
５６はポンプ１０、電解槽１８、噴霧手段２０等の基本
動作のオン、オフ制御、及び本酸性水噴霧器の使用が終
了してメインスイッチ６０が切断されると、先ずポンプ
１０が停止し、次いで所定時間経過するまで噴霧手段２
０を駆動させ続け、所定時間が経過した後、噴霧手段２
０を停止させる遅延手段を有するものである。

【００２４】遅延させる時間（所定時間）は噴霧手段２
０から漏出する酸性水の量を噴霧するに十分な時間であ
り、ポンプ１０の慣性、噴霧室容積、噴霧能力等により
異なるが、通常０．０２〜０．５秒程度にすることが好
ましい。

【００２５】この遅延手段を設けることにより、メイン
スイッチ６０が切断された後、ポンプ１０等の慣性によ
り噴霧室３６に送られる酸性水や、噴霧室３６内に残留
する酸性水が噴霧され尽し、噴霧手段２０近傍に漏出す
ることを確実に防止するものである。

【００２６】上記遅延手段は、制御部に組込んだマイク
ロプロセッサ（不図示）を用いるシーケンス制御プログ
ラムにより簡単に実現できる。遅延手段のタイムチャー
トを図３に示す。

【００２７】本例においては、遅延手段の実現に、上記
のように制御プログラムを用いたがこれに限られず、図
４に示すような従来公知のコンデンサー、抵抗を用いる
積分回路を用いて遅延手段を実現することもできる。

【００２８】図４において、メインスイッチＳ１がオン
になると、Ｑ３を介してＱ５は直ちにオンとなり、更に
Ｑ２がオンとなり、ポンプに電力を供給する。一方、Ｑ
４は、Ｄ１によりＣ１を急速に充電し、Ｑ５に対して殆
ど無視できる時間の遅れでＱ１をオンとし、噴霧手段に
電力を供給する。

【００２９】次に、メインスイッチＳ１がオフになる
と、Ｑ５が直ちにオフになり、ポンプに供給する電力を
遮断する。但し、Ｃ１はＲ５を介して放電するため、Ｑ
４がオフになるのが遅れ、従って噴霧手段に供給してい
る電力は相当の遅延時間の経過後遮断する。なお、この
遅延時間は、Ｃ１、Ｒ５、及びＱ５のゲートカットオフ
電圧に依存する。図５は、上記ＣＲ遅延回路の各部のタ
イムチャートを示す。

【００３０】図６は、本発明酸性水噴霧器の他の例を示
すものである。この例においては、筐体２内に収納した
噴霧手段２０の外側に筐体２の外表面に沿って上下にス
ライドして噴霧手段２０を非作動時に保護すると共に、
スイッチの作用をかねたケース蓋スイッチ６２が設けら
れている。このケース蓋スイッチ６２は、上下にスライ
ドする際に、マグネットの変化でオン、オフするマグネ
ットスイッチ６４を有する。

【００３１】ケース蓋スイッチ６２は、噴霧手段２０が
覆われている状態（本図においてはケース蓋スイッチ６
２が押上げられている状態）のときは、メインスイッチ
６０を押してもポンプ１０、電解槽１８、噴霧手段２０
には電力が供給されないように制御部５６により制御さ
れている。

【００３２】一方、ケース蓋スイッチ６２は、噴霧手段
２０が覆われていない状態（本図においてはケース蓋ス
イッチ６２が押下げられている状態）のときだけ、メイ
ンスイッチ６０を押すとポンプ１０、電解槽１８、噴霧
手段２０に電力が供給されるように制御部５６により制
御されている。図７に上記動作のタイムチャートを示
す。なお、メインスイッチのセンス時間は、スイッチの
チャッタリングを考慮して決定される。通常、０．１秒
間程度が好ましい。

【００３３】このような制御を行うことにより、噴霧手
段２０を衝突等による破損から有効に保護すると共に、
メインスイッチ６０が誤って押された場合等に噴霧が起
きる様な誤動作が防止される。なお、その他の部分は図
１と同様であるので、同一箇所に同一符号を付してその
説明を省略する。

【００３４】

【実施例】５ｃｍ×５ｃｍ×１８ｃｍの筐体を用いて図
１に示す構成の酸性水噴霧器を製造した。１４．８ｍｍ
×２３．６ｍｍの長方形の白金電極２枚を０．２ｍｍの
間隔で平行に並べた電解槽を用いた。ポンプの送液量は
２５ｍｌ／ｍｉｎ、電解電流密度は０．０３Ａ／ｃｍ²
であった。

【００３５】電解原料水として、濃度２５００ｐｐｍの
塩化ナトリウム水溶液を用いた。遅延時間を０．１秒に
制御部に設定した。

【００３６】メインスイッチ６０を入れることにより、
ポンプが作動して原料水タンク４中の電解原料水８が電
解槽１８に送られ、電解された。電解により生成した酸
性水が噴霧手段２０の多孔板３８を通して外部に噴霧さ
れた。一方、アルカリ性水は、廃液管４６を通って電解
槽１８から廃液タンク４８に送られた。その後、スイッ
チを切ることにより、酸性水の噴霧が停止した。ポンプ
が停止した後、噴霧手段が遅延時間だけ作動し続け、こ
のため噴霧停止後の噴霧手段からの酸性水の漏出はなか
った。

【００３７】

【発明の効果】本発明の酸性水噴霧器は、メインスイッ
チの切断時にポンプの作動が停止した後所定時間噴霧手
段を駆動させ続ける遅延手段を有するので、ポンプ等の
慣性により噴霧室に送られる酸性水や、噴霧室内に残留
する酸性水が噴霧され尽し、噴霧手段近傍に漏出するこ
とを確実に防止する。

【００３８】更に、本発明の酸性水噴霧器は小型の筐体
内に収納されているので携帯に便利で、任意の場所で使
用できると共に、使用時に酸性液を製造しているので、
時間が経過する事による酸性水の作用の減少を心配する
必要がない。また、ポンプの上方に原料水タンクを、ポ
ンプの下方に廃液タンクを配設する構造にする場合は、
ポンプ内が常に原料水に満たされているので、エアロッ
クし難い。

【００３９】また更に、大径の廃液管を用いると共に廃
液管に逆流防止リングを取付ける場合は、サイホン効果
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の酸性水噴霧器の一例を示す概略構成図
である。

【図２】図１の電解槽及び噴霧手段の構造を示す拡大図
である。

【図３】本発明における、噴霧手段の遅延時間を説明す
るタイムチャートである。

【図４】本発明における噴霧手段の遅延時間をＣＲで実
現する方法を示す回路図である。

【図５】図４に示す回路図の動作を示すタイムチャート
である。

【図６】本発明の酸性水噴霧器の他の例を示す概略構成
図である。

【図７】図６の酸性水噴霧器の噴霧手段の遅延時間を説
明するタイムチャートである。

【符号の説明】

２筐体４原料水タンク６原料水供給蓋８電解原料水１０ポンプ１２原料水供給管１４吸水口１６送出管１８電解槽２０噴霧手段２２電解槽筐体２４陽極２６陰極２８陽極端子３０陰極端子３２流入孔３４取出し孔３６噴霧室３８多孔板４０ピエゾ振動子４２液滴４４廃液口４６廃液管４８廃液タンク５０廃液５２廃液取出し孔５４逆流防止リング５６制御部５８駆動電源６０メインスイッチ６２ケース蓋スイッチ６４マグネットスイッチ１００酸性水噴霧器

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ０２Ｆ 1/46 Ｃ０２Ｆ 1/46 Ａ // Ｂ０５Ｃ 11/10 Ｂ０５Ｃ 11/10

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】筐体と、前記筐体内に備えられた原料水
タンクと、前記原料水タンク内の原料水を電解槽に供給
するポンプと、供給された原料水を酸性水とアルカリ水
とに電解する電解槽と、電解槽で生成した酸性水を筐体
外部に噴霧する噴霧手段と、廃液タンクと、前記電解槽
と廃液タンクとを連結してなり電解槽で生成したアルカ
リ液を廃液タンクに導く廃液管と、噴霧手段と電解槽と
ポンプの作動を制御する制御部と、これらの駆動電源
と、メインスイッチとを有する酸性水噴霧器において、
メインスイッチの切断によりポンプの作動が停止した後
所定時間噴霧手段を駆動させ続ける遅延手段を有する酸
性水噴霧器。
【請求項２】ポンプの上方に原料水タンクを、ポンプ
の下方に廃液タンクを配設してなる請求項１に記載の酸
性水噴霧器。
【請求項３】噴霧手段が、多孔板を取付けたピエゾ振
動子を用いる請求項１に記載の酸性水噴霧器。