JPWO2006117849A1 - 装飾部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13および該樹脂シート13の表面に形成された着色模様16とで構成された模様シート18と、表面が粗面化された無機材料からなる基材11とを備え、模様シート18は、基材11の粗面化された表面に着色模様16が直接接するように配置されて基材11に直接溶着されている。これにより、接着剤を用いることなく第面積の模様シート18を基材11に強固に貼り合わせることが可能であり、かつ製造工程の簡略化が図れ、製造時間の大幅な短縮が可能となる。

Description

この発明は、例えば、エレベータの乗り場の戸、エレベータの駕籠の戸あるいは駕籠の室壁等に使用される金属装飾パネルなど、無機材料製の基材の表面に着色模様を形成する装飾部材およびその製造方法に関するものである。
エレベータの乗り場の戸、駕籠(エレベータルーム)の戸あるいは駕籠の室壁等に使用される金属装飾パネルを製造する従来の方法としては、下地塗装層が表面に施された金属製の基材上に接着剤を介して、着色模様が印刷された模様シートを貼り付け、金属装飾パネルを製造する方法がある。また、この方法に用いられる模様シートは、透明なポリエステルフィルム上にインク受容層を形成し、このインク受容層に顔料インクによる着色模様を印刷することにより製作される。
例えば特許文献1(特開2001−130196号公報)には、透明な親水性樹脂と、この親水性樹脂に混入され、凝集した状態の二次粒子径が400nm以下の顔料微粒子とを有するインク受容層を、接着剤層を介して熱可塑性樹脂シートに接着し、かつインク受容層に着色模様を印刷することにより、模様シートを製作する工程、無機材料製の基材上に樹脂塗料によって下地となる塗装層を形成する工程、塗装層の表面を粗面化する工程、熱可塑性樹脂シートが塗装層に接合されるように模様シートを基材に重ねる工程、および模様シートを加熱することにより熱可塑性樹脂シートを塗装層に溶着させる工程を含む装飾部材の製造方法が記載されている。
また、このような方法によって製造される装飾部材の構成が示されており、この装飾部材は、「無機材料からなる基材、この基材上に形成され、表面が粗面化されている塗装層、この塗装層上に溶着されている熱可塑性樹脂層、この熱可塑性樹脂層に接着剤層を介して接着され、着色剤による着色模様が形成されているインク受容層、およびこのインク受容層上に形成されている透明な保護膜層を備え、上記インク受容層は、透明な親水性樹脂と、この親水性樹脂に混入され、凝集した状態の二次粒子径が400nm以下の顔料微粒子を有している」ことが示されている。
特開2001−130196号公報(図1、段落0005、0012)
上述したような従来の装飾部材の製造方法では、模様シートと下地塗装層とを接着剤によって接着しているが、単に接着剤によって接着するだけでは充分な接着力は得られず、更に、大面積の模様シートを全体に均等に接着するのは難しかった。
また、昨今、建築関係ではシックハウス対策が求められており、接着剤を用いて大面積の模様シートを下地塗装層に接着すると、問題となるホルムアルデヒドなどの有害物質が残留する可能性が高い。
また、基材表面に下地となる塗装層を形成する工程や、この塗装層の表面を粗面化する工程などを有しているので、模様シートの接着までに相当な加工時間を要する。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、接着剤を使用しなくても大面積の模様シートを無機材料製の基材に強固に貼り合わせることが可能であり、かつ、製造工程の簡略化が図れ、製造時間の大幅な短縮が可能な装飾部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係わる装飾部材は、透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シートおよび該樹脂シートの表面に形成された着色模様とで構成された模様シートと、表面が粗面化された無機材料からなる基材とを備え、上記模様シートは、上記基材の粗面化された表面に上記着色模様が直接接するように配置されて上記基材に溶着されているものである。
また、この発明に係わる装飾部材は、上記基材の粗面化された表面に、オルガノシランを含むコーティング層が形成されているものである。
また、この発明に係わる装飾部材の製造方法は、透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シートの表面に着色剤を印刷して着色模様が形成された模様シートを製作する模様シート製作工程と、無機材料からなる基材の表面を粗面化する基材表面粗面化工程と、上記模様シートの上記着色模様が上記基材の粗面化された表面と接するようにして、上記基材に上記模様シートを重ねて配置する模様シート配置工程と、上記基材の表面に上記模様シートが重ねて配置されて構成されているパネル体を真空圧着した状態で加熱し、上記基材と上記模様シートを溶着させる溶着工程とを有するものである。
また、この発明に係わる装飾部材の製造方法は、上記模様シート配置工程の前に、上記基材の粗面化された表面にオルガノシランを含むコーティング層を形成するコーティング層形成工程を有しているものである。
この発明の装飾部材によれば、模様シートの着色模様は樹脂シートの表面に形成されるので、従来(即ち、特開2001−130196号公報に示された装飾部材あるいはその製造方法)のインク受容層は不要であり、また、模様シートは基材の粗面化された表面に着色模様が直接接するように配置されて基材に溶着されている。
従って、従来の塗装膜や接着剤層が不要となり、着色模様が形成された模様シートと表面が粗面化された基材とで構成されるので、構造が非常に簡単になる。
しかも、簡単な構造でありながら、大面積の模様シートを基材表面に強固、かつ均等に貼り合わせることができる。
また、この発明の装飾部材によれば、更に、基材の表面にコーティグ層を形成しているので、大面積の模様シートを基材表面に更に強固に貼り合わせることができる。
また、この発明の装飾部材の製造方法によれば、従来(即ち、特開2001−130196号公報に示された装飾部材あるいはその製造方法)のインク受容層の形成行程、接着剤層の形成行程、塗装膜の形成工程などは必要とせず、更に、模様シートは基材の粗面化された表面に着色模様が直接接するように配置されて基材に溶着されるので、製造工程を大幅に簡略化して、大面積の模様シートを基材表面に強固に貼り合わせることができる。
この発明の装飾部材の製造方法によれば、更に、基材の表面にコーティグ層を形成する行程を有しているので、大面積の模様シートを基材表面により強固に貼り合わせることができる。
以下、図面に基づいて、本発明の一実施の形態について説明する。
なお、各図間において、同一符合は、同一あるいは相当のものであることを表す。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による装飾部材の製造方法により製造された装飾部材(例えば、エレベータ用の装飾パネル)の構成を示す要部断面図である。
図において、11は所望のパネル形状に折り曲げ加工された基材である。
基材11は、例えば、銅、鉄、チタニウム、アルミニウム合金、ステンレス合金などの金属や硝子などの無機材料が、単独で、あるいは複合されて形成されている。
そして、図に示すように、基材11の表面は塑性変形によって微少な凹凸が形成され、粗面化されている。例えば、サンドショット加工、ヘアライン加工、無方向なサンディング加工、縦横だけのサンディング加工、または、これらを組み合わせた加工により、基材11の表面が粗面化される。
これにより、従来(即ち、特開2001−130196号公報に示された装飾部材あるいはその製造方法)のように基材11の表面に塗装膜を形成し、この塗装膜の表面を粗面化する必要がなくなる。即ち、塗装膜の形成が不要となる。
13は透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シートであって、この樹脂シート13の一方の表面には、後述する方法によって着色剤による着色模様16が形成されている。
18は模様シートであり、模様シート18は、透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13と、この樹脂シート13の表面に形成された着色模様16とで構成されている。
なお、図2は、この模様シート18の構成を示す要部断面図である。
また、図3は、模様シート18を製造する方法を説明するための図である。
図3において、20は透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13が予め円筒状に巻き取られているロールである。
また、21はマイクロコンピュータ、22はこのマイクロコンピュータ21に接続されたインクジェットプリンタである。
樹脂シート13の表面に着色模様16を形成するためには、まずロール20から樹脂シート13を引き出し、インクジェットプリンタ22へ装着する。
インクジェットプリンタ22は、マイクロコンピュータ21によって制御されており、樹脂シート13を矢印の方向に送り出しながら、所定の着色模様16が樹脂シート13の表面に形成されるように、着色剤を樹脂シート13の表面に吹き付けてゆく。
このようにして、樹脂シート13の表面に所定の着色模様16が形成された模様シート18が製造される。
なお、樹脂シート(例えば、アクリル樹脂のシート)の表面に着色剤を直接吹き付けて着色模様を形成できるのは、昨今のインクジェト方式による印刷技術の進歩によるものである。
この印刷技術の進歩によって、模様シートを製作する際に従来(即ち、特開2001−130196号公報に示された装飾部材あるいはその製造方法)のようなインク受容層を形成する必要がなくなった。
これにより、樹脂シート13の表面に着色模様16が直接形成された模様シート18の製造が可能となり、従来のようにインク受容層を形成して、これに着色模様を印刷する必要がなくなる。
図4は、基材11の粗面化された表面に模様シート18を重ねるときの状態を説明するための図である。
図4に示すように、基材11の粗面化されている表面に着色模様16が直接接するように模様シート18が重ねられる。
なお、基材11の表面に模様シート18が重ねられたものを後述するパネル体と称することとする。
次に、模様シート18を基材11に真空圧着する工程について具体的に説明する。
まず、図5は、図1に示した装飾部材を製造するために使用される真空排気台を示す斜視図である。
図において、平板状の真空排気台31は、基材11が載置される平面部31a、この平面部31aに設けられている複数の凹部31b、これらの凹部31b内を排気するための複数の排気通路31cとを有している。
平面部31aの周縁部には、平面部31aの気密を保ためのパッキン32が全周にわたって連続して設けられている。
図6は、図5に示した真空排気台31を有する装飾部材の製造装置(即ち、真空圧着装置)の要部を示す分解斜視図である。
図において、31は真空排気台であり、真空排気台31の側面部には排気通路31cを排気ポンプ(図示せず)に接続するための複数の排気パイプ33が接続されている。
真空排気台31の平面部31a上には、基材11に模様シート18を重ねてなるパネル体34が載置される。
図7は、パネル体34の構造を示す断面図であり、該パネル体34は、図7に示すように、所定の面粗度に粗面化された基材11の表面に模様シート18が重ねられている。
パネル体34上には、通気性を有するシート状の弾性体35が被せられる。
この弾性体35の材料としては、例えば、シリコンゴムカポンジ、テフロン(登録商標)スポンジ、ポリアミドスポンジ、シリコン繊維シート、テフロン(登録商標)繊維シート、ポリアミド繊維シート、硝子繊維シート、硝子繊維綿、ステンレススチールウール、チタンウール、またはアルミウールなど、樹脂、硝子、金属等の耐熱性と柔軟性を備えたものが使用される。
弾性体35上には、全周にわたってパッキン32に接し、平面部31aとの間を気密に保つシート状のカバー36が被せられる。
このカバー36としては、例えば、ゴムシート、ポリエチレンシート、またはシリコンシートなどが使用される。カバー36の周縁部は、押さえ枠37とパッキン32との間に挟持される。
押さえ枠37の材料としては、例えば、金属、FRP、ポリアミド樹脂、またはセメントなど、充分な剛性、耐熱性を有するものが使用される。
図8は、図6に示した真空圧着装置を組み立てた時の状態を示す斜視図である。
真空排気台31および押さえ枠37の組立体の側部には、押さえ枠37をパッキン32に押し付ける複数の押さえ金38が装着される。
各押さえ金38には、ばね等の加圧調整機構39が設けられている。
なお、例えば、図9に示すように、押さえ枠37の一辺と真空排気台31の一辺とをヒンジ機構により接続してもよく、これによって、真空排気台31に対する押さえ枠37の位置合わせが容易となり、作業性が向上する。
次に、図10は、図6に示した真空圧着装置の組立状態を示す断面図であり、この状態では、まだ真空引きは開始されていない。
この状態から排気ポンプが駆動され、排気通路31cを通して凹部31b内が真空引きされる。
これにより、カバー36と真空排気台31との間の空気が排出され、図10に示すように、カバー36が大気圧でパネル体34(即ち、基材11の表面に模様シート18が重ねられたもの)に押しつけられ、弾性体35が圧縮される。
この後、真空引きしたままの状態で真空圧着装置が図示しない乾燥炉に入れられ、パネル体34が真空圧着装置と共に加熱される。
このような加熱により、カバー36の柔軟性が増し、より微細な部分までカバー36が大気圧でパネル体34に押し付けられる。
これにより、着色模様16が樹脂シート13の表面に形成されている模様シート18は、着色模様16が基材11の粗面化された表面に直接接した状態で、弾性体35を介して基材11の粗面化された表面の全面にわたって均等に圧着して溶着される。
従って、従来(即ち、特開2001−130196号公報に示された装飾部材あるいはその製造方法)の塗装層や接着剤層は不要となる。
また、基材11の表面は微少な凹凸が形成されて粗面化されているので、加熱により軟化した樹脂シート13の基材11側の面は、基材11の表面の凹部にまで入り込み、樹脂シート13と基材11は強固に溶着される。
以上説明したように、本実施の形態による装飾部材は、透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13およびこの樹脂シート13の表面に形成された着色模様16とで構成された模様シート18と、表面が粗面化された無機材料からなる基材11とを備え、模様シート18は、基材11の粗面化された表面に着色模様16が直接接するように配置されて基材11に溶着されている。
また、本実施の形態による装飾部材の製造方法は、透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13の表面に着色剤を印刷して着色模様16が形成された模様シート18を製作する模様シート製作工程と、無機材料からなる基材11の表面を粗面化する基材表面粗面化工程と、模様シート18の着色模様16が基材11の粗面化された表面と接するようにして、基材11に模様シート18を重ねて配置する模様シート配置工程と、基材11の表面に模様シート18が重ねて配置されて構成されているパネル体34を真空圧着した状態で加熱し、基材11と模様シート18を溶着させる溶着工程とを有する。
従って、本実施の形態による装飾部材あるいはその製造方法によれば、接着剤を用いることなく(即ち、接着剤層を形成することなく)、模様シート18を基材11の表面全体にわたって均等、かつ強固に溶着(固着)することができる。
つまり、着色模様が形成された模様シート18を基材11の表面に均等、かつ、強固に直接溶着(固着)することができる。
また、着色模様16は、透明な熱可塑性樹脂である樹脂シート13と基材11の表面の間に挟まれているので、樹脂シート13は着色模様16の保護膜としての機能がある。
そのため、着色模様16は、外部からの影響を受け難く、擦過や清掃作業によって剥がれたり、擦傷を発生したりせず、装飾部材としての品位を長期間にわたって維持することができる。
更に、従来(即ち、特開2001−130196号公報に示された装飾部材あるいはその製造方法)のものに比べて構成が非常に簡単であり、接着剤の塗布工程がなく、真空圧着も一度だけでよいので、製造工程も簡略になり、製造時間も大幅に低減できる。
実施の形態2.
本実施の形態による装飾部材は、実施の形態1による装飾部材において、更に、基材の粗面化された表面に、オルガノシランを含むコーティング層が形成されていることを特徴とする。
また、本実施の形態による装飾部材の製造方法は、実施の形態1による装飾部材の製造方法において、模様シート配置工程の前に、基材の粗面化された表面にオルガノシランを含むコーティング層を形成するコーティング層形成工程を有していることを特徴とする。
本実施の形態による装飾部材あるいはその製造方法は、コーティング層を形成する点以外は前述の実施の形態1と同じであるので、主としてコーティング層の形成方法について説明する。
即ち、コーティング層を形成すること以外は、前述の実施の形態1と同じであるので、本実施の形態ではコーティング層の形成方法について詳述する。
図12は、実施の形態2による装飾部材の製造方法により製造された装飾部材(例えば、エレベータ用の装飾パネル)の構成を示す要部断面図である。
図において、12はコーティング層であり、コーティング層12は、所望のパネル形状に折り曲げ加工された無機材料(銅、鉄、チタニウム、アルミニウム合金、ステンレス合金などの金属や硝子など)の基材11の表面に形成されている。
なお、実施の形態1の場合と同様に、基材11の表面は塑性変形によって微少な凹凸が形成され、粗面化されている。
また、実施の形態1の場合と同様に、18は模様シートであり、模様シート18は、透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13と、この樹脂シート13の表面に形成された着色模様16とで構成されている。
コーティング層12は、オルガノシランと呼ばれるコーティング剤が基材11の表面に塗布されたものであって、コーティング層12の膜厚は、基材11の表面の凹凸に対して充分に薄いものである。
コーティング層12の材料となるオルガノシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、β‐(3,4エポキシシンクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、または、γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシランなどからなっている。
コーティング層12を形成するコーティング層形成工程について説明する。
まず、室温から沸点程度の温度に設定され、浴槽に入れられたアセトン、界面活性剤、アルコールなどの液中に、表面が粗面化された基材11を数分から十数分程度浸漬して脱脂する。
次に、水道水のスプレーあるいは水道水への浸漬などの方法によって、脱脂された基材11を水洗いする。なお、このときの水道水の温度は室温程度である。
続いて、純水のスプレーあるいは純水への浸漬などの方法によって、基材11を水洗いする。なお、このときの純水の温度も室温程度である。
純水で水洗いした後、基材11を数分から十数分間乾燥する。
基材11を乾燥させた後に、アルコールやエーテルなどの低沸点用材を用いて、例えば1〜10%程度まで希釈されている液状のオルガノシランをスプレーや浸漬などの方法によって基材11の粗面化されている表面にコーティングする。
その後、乾燥工程に入り、乾燥室内において、例えば、50度〜100度程度の室温で数分から十数分間、オルガノシランがコーティングされている基材11を乾燥する。
以上の方法により、基材11の粗面化された表面にコーティング層12が形成される。
ここで、図13は、コーティング層12に含まれるオルガノシランの作用を説明するための図である。
オルガノシランは、無機系シリル基と有機系官能基とを持った構造となっている。有機系官能基は、例えば、アミノ基、メタクリロキシ基、またはビニル基などである。
また、基材11として、例えば、鋼板を用いた場合、基材11側の分子配列は、FeとOとが交互に並び(酸化鉄)、表面に水酸基が結合した状態になっている。
さらに、熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13側の端面には、例えば、カルボキシル基またはエステルカルボニルなどが存在している。
図14は、図13に示した基材11、コーティング層12および熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13が結合された状態を示す図である。
オルガノシランの有機系官能基は、熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13のカルボキシル基またはエステルカルボニル基などと反応し、アルコールや水分を排出して、例えば、アミドを生成する形で化学結合をする。
また、無機系シリル基は、基材11の表面にある水酸基と反応し、アルコールを排出して、例えば酸素共有する形で化学結合をする。
これらの化学結合によって、無機材料の基材11上に有機系の熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13がコーティング層12を介して強固に結合される。
また、オルガノシランは、一般の接着剤や塗膜などとは異なり、一分子層が基材11の表面を覆う程度で有効に作用するため、基材11の表面の物理的形状に実質的な影響を及ぼししにくくなっている。
このように装飾部材の製造方法では、オルガノシランを含むコーティング層12を用いているので、樹脂シート13およびコーティング層12を介して、無機質の基材11の上に模様シート18を、更に強固かつ均等に結合させることができる。
また、基材11の表面は粗面化されているので、基材11の表面積が大きくなり、模様シート18をより強固に結合させることができる。
以上説明したように、本実施の形態による装飾部材は、実施の形態1による装飾部材において、基材11の粗面化された表面に、更にオルガノシランを含むコーティング層12が形成されていることを特徴とする。
また、本実施の形態による装飾部材の製造方法は、実施の形態1による装飾部材の製造方法において、模様シート配置工程の前に、基材11の粗面化された表面にオルガノシランを含むコーティング層を形成するコーティング層形成工程を有していることを特徴とする。
従って、無機系の基材11上に有機系の熱可塑性樹脂からなる樹脂シート13がコーティング層12を介して、均等、且つ強固に結合されるので、実施の形態1による効果に加えて、大面積の模様シート18を基材11に更に強固に貼り合わせることが可能となる。
この発明は、接着剤を用いることなく大面積の模様シートを無機材料製の基材に強固に貼り合わせることが可能であり、かつ製造工程の簡略化が図れ、製造時間の大幅な短縮が可能な装飾部材あるいはその製造方法の提供に有用である。
実施の形態1による装飾部材の構成を示す要部断面図である。 装飾部材の模様シートの構成を示す要部断面図である。 模様シートを製造する方法を説明するための図である。 基材の表面に模様シートを重ねる時の状態を説明するための図である。 装飾部材を製造するために使用される真空排気台を示す斜視図である。 真空排気台を有する装飾部材の製造装置(真空圧着装置)の要部を示す分解斜視図である。 基材の表面に模様シートが重ねられたパネル体の構造を示す断面図である。 真空圧着装置の組立状態を示す斜視図である。 真空圧着装置の他の構成例を示す図である。 真空引き開始前の真空圧着装置の組立状態を示す断面図である。 真空引きされたときの真空圧着装置の組立状態を示す断面図である。 実施の形態2による装飾部材の構成を示す要部断面図である。 オルガノシランの作用を説明するための図である。 基材、コーティング層、樹脂シートが結合された状態を示す図である。
符号の説明
11 基材 12 コーティング層
13 樹脂シート 16 着色模様
18 模様シート 20 ロール
21 コンピュータ 22 インクジェットプリンタ
31 真空排気台 31a 平面部
31b 凹部 31c 排気通路
32 パッキン 33 排気パイプ
34 パネル体 35 弾性体
36 カバー 37 押さえ枠
38 押さえ金 39 加圧調整機構(バネ)

Claims (4)

  1. 透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シートおよび該樹脂シートの表面に形成された着色模様とで構成された模様シートと、
    表面が粗面化された無機材料からなる基材とを備え、
    上記模様シートは、上記基材の粗面化された表面に上記着色模様が直接接するように配置されて上記基材に溶着されていることを特徴とする装飾部材。
  2. 上記基材の粗面化された表面に、オルガノシランを含むコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装飾部材。
  3. 透明な熱可塑性樹脂からなる樹脂シートの表面に着色剤を印刷して着色模様が形成された模様シートを製作する模様シート製作工程と、
    無機材料からなる基材の表面を粗面化する基材表面粗面化工程と、
    上記模様シートの上記着色模様が上記基材の粗面化された表面と接するようにして、上記基材に上記模様シートを重ねて配置する模様シート配置工程と、
    上記基材の表面に上記模様シートが重ねて配置されて構成されているパネル体を真空圧着した状態で加熱し、上記基材と上記模様シートを溶着させる溶着工程とを有することを特徴とする装飾部材の製造方法。
  4. 上記模様シート配置工程の前に、上記基材の粗面化された表面にオルガノシランを含むコーティング層を形成するコーティング層形成工程を有していることを特徴とする請求項3に記載の装飾部材の製造方法。
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