JPWO2006101077A1 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の光ディスク装置は、光ディスクを載置し、回転駆動する回転駆動部と、光源と、前記光源からの光を前記回転駆動部に載置された光ディスクに向けて集光する対物レンズと、前記光ディスクによる前記光の反射光を検出する少なくとも2つの検出部を有する光検出器と、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる出力の差信号および和信号を求め、前記差信号および前記和信号のうち、少なくとも前記和信号のオフセットを調整した後、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、対物レンズの位置誤差信号を生成する誤差信号生成部とを備える。

Description

本発明は、光学的に光ディスクへデータを記録し、光ディスクに記録されたデータを再生する光ディスク装置および光ディスク装置の制御方法に関する。
光ディスク装置では、記録あるいは再生に用いる光ビームが、光ディスクに設けられたトラックを追随するように制御する必要がある。この制御はトラッキング制御と呼ばれる。また、光ディスクを照射する光ビームの集光状態を一定に保つ必要がある。この制御はフォーカス制御と呼ばれる。
近年、より記録密度の高い光ディスクが開発されてきている。光ディスクの記録密度が高まると、トラックのピッチは狭くなり、また、トラックに形成されるピットやマークのサイズも小さくなる。このため、光ビームのトラッキング制御やフォーカス制御の精度を高める必要があり、種々の技術が提案されている。
トラッキング制御およびフォーカス制御には、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を利用する。トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号は、たとえば、光ビームを光ディスクに照射し、光ディスクにおいて反射した光を複数の光検出器によって検出し、複数の光検出器から得られる出力の差を求めることにより生成される。
トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号は、光検出器に入射する光の強度に依存する。このため、光ディスクの反射率が異なる場合、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号の振幅の大きさも変化する。このため、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を用いたトラッキング制御およびフォーカス制御がこれらの信号の振幅が変化することにより、不安定になる可能性がある。
このような問題を解決するため、特許文献1は、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を自動利得制御回路(AGC回路)に入力し、これらの信号の振幅が一定になるように制御することを開示している。AGC回路としては、たとえば、複数の光検出器によって検出した信号を加えることにより得られる和信号でトラッキングエラー信号またはフォーカスエラー信号を除算する。反射光が弱い場合、光ディスクから戻ってくる反射光全体の強度を示す和信号の振幅も小さくなる。したがって、この方法によれば、反射光の強度に応じてトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号の振幅の大きさが調節されることになり、ほぼ一定の振幅強度を有するトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を得ることができる。
AGC回路以外の構成によってトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号の振幅を一定に保つ技術も検討されている。たとえば特許文献2は、振幅の大きさの変動をレーザーパワーで補償する方法を提案している。特許文献3は、光ピックアップ内部の波長板を回転させることによって、複屈折量を変化させ、光検出器で受光する光量を調整する技術を開示している。
日本国特開平5−36143号公報 日本国特開平5−101394号公報 日本国特開2001−351238号公報
上述のAGC回路により、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号の振幅を一定にする技術は、特許文献2や3に開示される技術に比べて、簡単な回路構成によって実現が可能である。このため、実用上、非常に利便性が高いと考えられる。
しかし、光ディスクの基材の複屈折などによる表面からの反射光や光ディスクが複数の記録層を備えている場合において、記録または再生を行う層とは別の層からの反射光(以下、これらを総称して光ディスクからの迷光という)が生じていると、AGC回路によって振幅を正しく調整できなくなるという問題が発生する。その結果、AGC回路から得られたトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号を用いてトラッキング制御およびフォーカス制御を行っても、これらの信号の振幅変動によって、制御が不安定になりやすくなる。
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号などのレンズ位置誤差信号の振幅を安定させ、安定してレンズ位置のサーボ制御を行うことのできる光ディスク装置を提供する。
本発明の光ディスク装置は、光ディスクを載置し、回転駆動する回転駆動部と、光源と、前記光源からの光を前記回転駆動部に載置された光ディスクに向けて集光する対物レンズと、前記光ディスクによる前記光の反射光を検出する少なくとも2つの検出部を有する光検出器と、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる出力の差信号および和信号を求め、前記差信号および前記和信号のうち、少なくとも前記和信号のオフセットを調整した後、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、対物レンズの位置誤差信号を生成する誤差信号生成部とを備える。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号生成部は、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の差を求め、差信号を出力する減算器と、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の和を求め、和信号を出力する加算器と、前記和信号のオフセットを調整するオフセット調整部と、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算する除算器とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記オフセット調整部は、少なくとも前記光ディスクの半径方向の異なる2つの位置において得られる誤差信号の振幅が等しくなるよう、前記和信号のオフセットを調整する。
ある好ましい実施形態において、前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE1およびS1とし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE2およびS2とするとき、a=(E1×S2−E2×S1)/(E1−E2)を満たす値aを前記和信号から調整する。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号生成部は、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号に重畳しているオフセットを調整する。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号生成部は、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号のオフセットを調整する第1および第2のオフセット調整部と、前記オフセットが調整された信号の差を求め、差信号を出力する減算器と、前記オフセットが調整された信号の和を求め、和信号を出力する加算器と、前記差信号を前記和信号で除算する除算器とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE3およびS3とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE3pおよびE3nとし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE4およびS4とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE4pおよびE4nとしたとき、e={E3×(2×S4+E4p−E4n)−E4×(2×S3+E3p−E3n)}/{4×(E3−E4)}およびf={E3×(2×S4−E4p+E4n)−E4×(2×S3−E3p+E3n)}/{4×(E3−E4)}を満たす値eおよびfを、前記第1および第2のオフセット調整部において、前記検出部から得られる信号から調整する。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号がフォーカスエラー信号である。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号がトラッキングエラー信号である。
ある好ましい実施形態において、前記光ディスクが少なくとも2つの記録層を有する。
本発明の光ディスク装置の制御方法は、光ディスクを載置し、回転駆動する回転駆動部と、光源と、光源からの光を前記回転駆動部に載置された光ディスクに向けて集光する対物レンズと、前記光ディスクによる前記光の反射光を検出する少なくとも2つの検出部を有する光検出器とを備えた光ディスク装置の制御方法であって、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる出力の差信号および和信号を求め、前記差信号および前記和信号のうち、少なくとも前記和信号のオフセットを調整した後、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、対物レンズの位置誤差信号を生成するステップを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記位置誤差信号を生成するステップは、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の差を求め、差信号を生成するステップと、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の和を求め、和信号を生成するステップと、前記和信号のオフセットを調整するステップと、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、前記位置誤差信号を生成するステップとを含む。
ある好ましい実施形態において、前記和信号のオフセットを調整するステップは、少なくとも前記光ディスクの半径方向の異なる2つの位置において得られる誤差信号の振幅が等しくなるよう、前記和信号のオフセットを調整する。
ある好ましい実施形態において、前記和信号のオフセットを調整するステップは、前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE1およびS1とし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE2およびS2とするとき、a=(E1×S2−E2×S1)/(E1−E2)を満たす値aを前記和信号から調整する。
ある好ましい実施形態において、前記位置誤差信号を生成するステップは、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号に重畳しているオフセットを調整する。
ある好ましい実施形態において、前記位置誤差信号を生成するステップは、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号のオフセットを調整するステップと、前記オフセットが調整された信号の差を求め、差信号を生成するステップと、前記オフセットが調整された信号の和を求め、和信号を生成するステップと、前記差信号を前記和信号で除算することにより、前記位置誤差信号を生成するステップとを含む。
ある好ましい実施形態において、前記オフセットを調整するステップは、前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE3およびS3とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE3pおよびE3nとし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE4およびS4とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE4pおよびE4nとしたとき、e={E3×(2×S4+E4p−E4n)−E4×(2×S3+E3p−E3n)}/{4×(E3−E4)}およびf={E3×(2×S4−E4p+E4n)−E4×(2×S3−E3p+E3n)}/{4×(E3−E4)}を満たす値eおよびfを前記検出部から得られる信号から調整する。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号がフォーカスエラー信号である。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号がトラッキングエラー信号である。
ある好ましい実施形態において、前記光ディスクが少なくとも2つの記録層を有する。
本発明によれば、光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる出力の差信号および和信号のうち、少なくとも和信号のオフセットが調整される。このため、光検出器に均等に迷光が入射している場合には、差信号をオフセットの調整された和信号で除算することにより、迷光による影響を受けることなく一定の振幅を有する位置誤差信号を得ることができる。したがって、安定度の高いサーボ制御を行うことのできる光ディスク装置が実現する。
本発明の光ディスク装置の第1の実施形態の構成を示す図である。 (a)および(b)は、図1の装置において、光検出部から出力される検出信号を処理する構成を示す図である。 図1に示す装置の誤差信号生成部の構成を示すブロック図である。 自動利得制御部の構成を示すブロック図である。 光検出器に入射する記録面からの反射光および光ディスクからの迷光との関係を説明する図である。 (a)(b)および(c)は、第1の実施形態において光ディスクの記録面からの反射光量が変化する場合におけるフォーカスエラー信号、フォーカスサム信号および自動利得制御によるフォーカスエラー信号を示す図である。 (a)(b)および(c)は、第1の実施形態において光ディスクの記録面からの反射光量が変化する場合におけるトラッキングエラー信号、トラッキングサム信号および自動利得制御によるトラッキングエラー信号を示す図である。 第1の実施形態による光ディスク装置の制御方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態における誤差信号生成部の構成を示すブロック図である。 光検出器に入射する記録面からの反射光および光ディスクからの迷光との関係を説明する図である。 (a)(b)および(c)は、第2の実施形態において光ディスクの記録面からの反射光量が変化する場合におけるフォーカスエラー信号、フォーカスサム信号および自動利得制御によるフォーカスエラー信号を示す図である。 (a)(b)および(c)は、第2の実施形態において光ディスクの記録面からの反射光量が変化する場合におけるトラッキングエラー信号、トラッキングサム信号および自動利得制御によるトラッキングエラー信号を示す図である。 第2の実施形態による光ディスク装置の制御方法を示すフローチャートである。 2つの記録層を備える光ディスクにおいて、データが記録された領域を説明する図である。 第2の実施形態による光ディスク装置の他の制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
101 光ディスク
102 コリメートレンズ
103 PBS
104 1/4波長板
105 対物レンズ
106 アクチュエータ
107 スピンドルモータ
111 レーザ
112 前光ディテクタ
113、213、313 フォトディテクタ
114 LPC部
116 RF検出部
117、217、317 サーボ制御部
121、122、123、124、126、128、221、222、223、224、226、228、321、322、323、324、326、328 加算器
125、127、225、227、325、327 減算器
129、130、229、230、329、330 自動利得制御部
131、231、331 フォーカス制御部
132、232、332 トラッキング制御部
141 除算器
142 利得調整部
151、153 光ディスクの記録面からの反射光
152、154 光ディスクからの迷光
251、252、361、362、363、364 オフセット調整部
(第1の実施形態)
以下、本発明による光ディスク装置の第1の実施形態を説明する。図1は、第1の実施形態の光ディスク装置の主要な構造を概括的に示している。光ディスク装置は、光ピックアップ160と、スピンドルモータ107とを備えている。また、光ディスク装置の各部を制御するマイコンなどからなるコントローラ171および制御の手順などのプログラムを記憶するためのメモリ172を備えている。
スピンドルモータ107は、光ディスク101を載置し、光ディスクを回転駆動する回転駆動部として機能する。光ピックアップ160は、記録または再生に用いる光ビームを光ディスク101へ向けて照射し、光ディスク101において反射した反射光を検出する。光ピックアップ160はフィードモータ161によって光ディスク101の半径方向に移動可能であり、コントローラ171の指令に基づき、光ピックアップ160から出射する光ビームを光ディスク101の半径方向Drにおいて任意の位置に照射させることができる。
光ピックアップ160は、記録または再生に用いる光源として用いるレーザ111とレーザ111から出射した光を光ディスク101に向けて集光する集光部として機能する対物レンズ105とを含む。また、光ピックアップ160は、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ(PBS)103、光検出器112、213、1/4波長板104およびアクチュエータ106を含む。
レーザ111から出射した光は、コリメートレンズ102によって平行光に変換されPBS103に入射する。PBS103は、入射した光の一部を光検出器112に向けて反射する。大部分の光は、1/4波長板104に向けて透過する。透過光は、1/4波長板104において、偏光方向が直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ105により、光ディスク101に向けて集光される。
光ディスク101において反射した光は、再び対物レンズ105を透過し、1/4波長板104によって円偏光から往路と直行する方向の直線偏光に変換される。PBS103に入射した光は、反射されて光検出器113に入射する。
図2(a)および(b)は、光検出器112、113から出力される検出信号を処理する構成の概略を示している。図2(a)および(b)に示すように、光ディスク装置は、レーザパワーコントローラ(LPC)114、誤差信号生成部210、サーボ制御部217およびRF信号検出部116を備えている。
光検出器112は、上述したように、レーザ111から出射した光の一部を検出し、検出信号をレーザパワーコントローラ114へ出力する。レーザパワーコントローラ114は検出信号に基づいて、レーザ111のパワーを制御する。光検出器112から得られる信号は前光信号とも呼ばれる。
光検出器213は、光ディスク101からの反射光を受け取り、検出によって生成した信号は、誤差信号生成部210およびRF信号検出部116に入力される。
誤差信号生成部210は、以下において詳細に説明するように、光検出器213から出力される検出信号に基づいて位置誤差信号を生成する。位置誤差信号は、トラッキングエラー信号とフォーカスエラー信号とを含む。サーボ制御部217は、位置誤差信号に基づいて、対物レンズ105の位置を調節することにより、光ビームが所定の集光状態で光ディスク101のトラックを追随するようフォーカス制御およびトラッキング制御を行う。RF検出部116は、検出信号からユーザデータなどの光ディスク101に記憶されている情報やアドレス情報を抽出する。
次に図3を参照しながら誤差信号生成部210の構造を詳細に説明する。図3に示すように誤差信号生成部210は、光検出器213から得られる検出信号に基づいてフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成部210Aと、トラッキングエラー信号を生成する誤差信号生成部210Bとを含む。また、サーボ制御部217は、フォーカス制御部231およびトラッキング制御部232を含む。
光検出器213は、少なくとも2つの検出部を含み、それぞれの検出部に照射する光の強度あるいは光量に応じた検出信号を独立して出力する。本実施形態では、図3に示すように、光検出器213の受光面は、光ディスク101の半径方向Drおよび半径方向Drと概ね直行する方向と平行な境界によって4つの領域に分割されている。これより、光検出器213は検出部A〜Dを備える。また、本実施形態では、非点収差法およびプッシュプル法によって、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を生成する。このため、フォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成部210Aは、加算器221および222を含み、加算器221によって、検出部Aおよび検出部Cから得られる検出信号を加算し、信号F1を得る。また、加算器222によって検出部Bおよび検出部Dから得られる検出信号を加算し、信号F2を得る。
同様に、トラッキングエラー信号を生成する誤差信号生成部210Bは、加算器223および224を含み、加算器223によって、検出部Aおよび検出部Dから得られる検出信号を加算し、信号T1を得る。また、加算器224によって、検出部Bおよび検出部Cから得られる検出信号を加算し、信号T2を得る。加算器221〜224は光検出器213に近接して光ピックアップ160内に設けられてもよい。
本実施形態では、フォーカスエラー信号の生成およびトラッキングエラー信号の生成のため、光検出器213を共用しているが、フォーカスエラー信号生成用およびトラッキングエラー信号生成用に2つの光検出器をそなえていてもよい。この場合には、加算器221〜224を用いることなく、上述した組み合わせの検出部を一つの領域として検出信号を取り出してもよい。つまり、信号F1、F2、T1およびT2を検出器の検出部から直接取り出すことも可能である。
誤差信号生成部210Aは、減算器225、加算器226、オフセット調整部251および自動利得制御部229をさらに含む。また、自動利得制御部229は、図4に示すように除算器141および増幅器142を含む。
減算器225および加算器226は、信号F1およびF2の差信号および和信号をそれぞれ生成する。減算器225から出力される差信号は、対物レンズがフォーカス方向において基準位置からどの程度位置ずれしているかを表しており、フォーカスエラー信号(FE信号)となる。また、加算器226から出力される和信号は、光検出器213の検出部A〜Dにおいて検出される信号の総和であり、フォーカスサム信号(FS信号)となる。
オフセット調整部251は、フォーカスサム信号のオフセットを調整する。自動利得制御部229において、除算器141は、フォーカスエラー信号およびオフセットが調整されたフォーカスサム信号を受け取り、フォーカスエラー信号をフォーカスサム信号で除算する。増幅器142は、除算器141の出力信号を所定の利得で増幅する。
誤差信号生成部210Bも誤差信号生成部210Aと同様の構造を備えている。具体的には、誤差信号生成部210Bは、減算器227、加算器228、オフセット調整部252および自動利得制御部230をさらに含む。図示していないが、自動利得制御部230も除算器および増幅器を含んでいる。
減算器227および加算器228は、信号T1およびT2の差信号および和信号をそれぞれ生成する。減算器228から出力される差信号は、対物レンズが光ディスク101の半径方向においてトラックの基準位置からどの程度位置ずれしているかを表しており、トラッキングエラー信号(TE信号)となる。また、加算器228から出力される和信号は、光検出器213の検出部A〜Dにおいて検出される信号の総和であり、トラッキングサム信号(FS信号)となる。
オフセット調整部252は、トラッキングサム信号のオフセットを調整する。自動利得制御部において、除算器により、トラッキングエラー信号がオフセットの調整されたトラッキングサム信号により受け取り、トラッキングエラーをトラッキングサム信号で除算する。増幅器、除算器141の出力信号を所定の利得で増幅する。
誤差信号生成部210Aおよび210Bにおいて、フォーカスサム信号およびトラッキングサム信号に重畳している光ディスクからの迷光によるオフセット成分がそれぞれオフセット調整部251および252において調整される。この結果、自動利得制御部229および230から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅は常に一定となる。
振幅の大きさが安定したフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号はそれぞれフォーカス制御部231およびトラッキング制御部232へ入力される。フォーカス制御部231およびトラッキング制御部232は、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に基づいて、フォーカス制御信号およびトラッキング制御信号を生成する。フォーカス制御信号およびトラッキング制御信号は、図示しない駆動部に入力され、対物レンズを駆動する駆動信号が生成される。駆動信号がアクチュエータ106に印加されることによって、対物レンズの位置が、フォーカス制御信号およびトラッキング制御信号に応じてトラッキング方向およびフォーカス方向に制御される。
以下、誤差信号生成部210Aおよび210Bの動作を詳細に説明する。図5は、本実施形態の光ディスク装置において、光検出器213へ入射する光を模式的に示している。図5に示すように、光検出器213に光ディスクのトラックに向けて集光した光の反射光151が入射する。光検出器213にはまた、光ディスク101の基材における複屈折によって生じた光や光ディスク101が複数の記録層を備えている場合において、記録あるいは再生を行っていない層において生じた反射光などの迷光152が入射する。本実施形態は、図5に示すように反射光の中心と迷光の中心とが一致し、反射光と迷光とが光検出器113に均等に入射している場合に特に効果的にトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号などのレンズ位置誤差信号の振幅を安定させることができる。
図6(a)および(b)は、アクチュエータ106によって、対物レンズ105と光ディスク101との距離が変化するように対物レンズを駆動した場合に得られるフォーカスエラー信号(SFE1、SFE2)とフォーカスサム信号(SFS1、SFS2)とを示している。それぞれの図において左側の波形SFE1およびSFS1は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合を示し、右側の波形SFE2およびSFS2は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて小さい場合を示している。
図6(a)に示すように、反射光151の光量と迷光152の光量との割合に関わらず、フォーカスエラー信号の波形(SFE1、SFE2)は、基準電位(GND)に対して対称であり、迷光152によるオフセットは生じていない。これは、フォーカスエラー信号が検出器113に均等に入射し、フォーカスエラー信号は光検出器113の検出部AおよびCから得られる信号と検出部BおよびDから得られる信号との差によって求められるため、迷光による影響が相殺されるからである。
一方、図6(b)に示すように、フォーカスサム信号の波形(SFS1、SFS2)は、反射光151の光量と迷光152の光量との割合に関わらず、迷光の影響によって一定のオフセット電圧aがそれぞれの波形に重畳している。このように迷光によるオフセットは直流(DC)成分である。
図6(c)は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合(左側)および小さい場合(右側)において、フォーカスエラー信号をフォーカスサム信号で除算した結果を示している。
図6(c)から明らかなように、波形S’FE1と波形S’FE2とでは、振幅の大きさが変化している。これはフォーカスサム信号に、迷光によるオフセット電圧aが重畳することによって、フォーカスサム信号の振幅の大きさが反射光151の全体の光量に比例しなくなるからである。このため、フォーカスエラー信号をフォーカスサム信号で除算した結果、つまり、自動利得制御部から得られるフォーカスエラー信号は一定の振幅を有さなくなる。図6(c)では、反射光151の光量が迷光152の光量に比べて小さい場合に、自動利得制御部から得られるフォーカスエラー信号の振幅が小さくなっている。
図7(a)、(b)および(c)は、フォーカス制御を行わない状態で、光ピックアップ160を光ディスク101の半径方向に移動させた場合に得られるトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号(STE1、STE2)とフォーカスサム信号(STS1、STS2)とを示している。それぞれの図において左側の波形STE1およびSTS1は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合を示し、右側の波形STE2およびSTS2は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて小さい場合を示している。
フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号の場合と同様、トラッキングエラー信号の波形(STE1、STE2)は、基準電位(GND)に対して対称であり、迷光152によるオフセットは生じていない。これは、迷光による影響が相殺されるからである。また、トラッキングサム信号の波形(STS1、STS2)には、迷光の影響によって一定のオフセット電圧aがそれぞれ重畳している。
図7(c)は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合(左側)および小さい場合(右側)において、トラッキングエラー信号をトラッキングサム信号で除算した結果を示している。フォーカスエラー信号の場合と同様、トラッキングエラー信号をトラッキングサム信号で除算した結果、つまり、自動利得制御部から得られるトラッキングエラー信号は一定の振幅を有さなくなる。図7(c)では、反射光151の光量が迷光152の光量に比べて小さい場合に、自動利得制御部から得られるトラッキングエラー信号の振幅が小さくなっている。
本実施形態では、誤差信号生成部210Aおよび210Bにオフセット調整部251および252を設け、オフセット調整部251および252において、フォーカスサム信号およびトラッキングサム信号に生じている迷光によるオフセットを相殺する。たとえば、オフセット調整部251および252は減算器によって構成し、図6(b)および図7(b)に示すオフセットaに相当する電圧をオフセット調整部251および252においてそれぞれフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号から減算する。
これにより、オフセット調整部251および252からオフセットが調整されたフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号がそれぞれ得られる。このオフセットが調整されたフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号を用いて自動利得制御部229および230においてそれぞれフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を除算することにより、振幅が一定で安定したフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を得ることができる。
オフセット調整部251および252に入力するオフセットaは、以下の方法によって求められる。
図6(a)に示すように、フォーカスエラー信号の振幅をE1およびE2とする。また、図6(b)に示すように、フォーカスサム信号の振幅をS1、S2とし、光ディスク101からの迷光により、フォーカスサム信号に発生するオフセットをaとする。
オフセットが調整されたフォーカスサム信号を用いた場合、フォーカスエラー信号をオフセットが調整されたフォーカスサム信号で除算した値は、一定となる。このため、下記式(1)が成り立つ。
E1/(S1−a)=E2/(S2−a) 式(1)
式(1)をaについて整理すると、式(2)が得られる。
a=(E1×S2−E2×S1)/(E1−E2) 式(2)
図7(a)に示すように、トラッキングエラー信号の振幅をE1およびE2とする。また、図7(b)に示すように、トラッキングサム信号の振幅をS1、S2とし、光ディスク101からの迷光により、フォーカスサム信号に発生するオフセットをaとする。この場合、トラッキングエラー信号とオフセットが調整されたトラッキングサム信号についても式(1)の関係が成り立つ。このため、トラッキングサム信号に重畳しているオフセットaも式(2)によって求められる。
したがって、光ディスク101上の少なくとも異なる2点において、フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号ならびにトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号を取得し、それぞれの振幅の大きさを求めることによって、式(2)からオフセットaの値をそれぞれ求めることができる。
求めたaをオフセット調整部251および252において設定することによって、オフセット調整部251および252からオフセットaが調整されたフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号が得られ、迷光が生じている場合でも一定の振幅を有するフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が自動利得部229および230から得ることができる。
フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号ならびにトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号の振幅を測定するためには、たとえば図3に示すように、減算器225、加算器226、減算器227および加算器228の出力を端子225OUT、226OUT、227OUTおよび228OUTから取得する。あるいは、オフセット調整部251および252において、端子251INおよび252INから基準電位(GND)を印加し、自動利得制御部229および230に入力されるフォーカスエラー信号、フォーカスサム信号、トラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号を用いてもよい。基準電位と比較されるため、オフセット調整部251および252から出力されるフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号はオフセットが調整されていない。また、このような条件下において自動利得制御部229および230から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を用いてもよい。
このようにして得られた信号をたとえばA/D変換器によってデジタル信号に変換し、コントローラ171を用いて、振幅E1、E2、S1およびS2を求め、式(2)の演算を行うことによってオフセットaを求めることができる。求めたオフセットaをD/A変換器でアナログ信号に変換し、端子251INおよび252INに求めたオフセットaを印加することにより、オフセット調整部251および252からオフセットaが調整されたフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号が得られる。
次に、本実施形態における光ディスク装置の制御方法の一例を図1、図3、および図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下において説明する光ディスク装置の制御方法は、制御方法の各手順を実行するためのコンピュータに読み取り可能なプログラム(ファームウェア)としてEEPROMやRAMなどの情報記録媒体等に格納される。コンピュータおよび情報記録媒体はコントローラ171およびメモリ172であってもよいし、本実施形態の光ディスク装置に別途設けられていてもよい。
光ディスク装置に光ディスク101が装填されると制御が開始される(ステップS101)。コントローラ171は、光ピックアップ160から出射する光ビームが光ディスク101上の第1の位置を照射するようにフィードモータ161を駆動する。アクチュエータ106を駆動して対物レンズ105の位置をフォーカス方向に移動させながら、第1の位置において光ビームを光ディスク101に向けて照射する。光検出器213を用いて反射光および迷光を検出し、自動利得制御部329および330から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅E’1とフォーカスサム信号の振幅S1とを求める。求めた振幅E’1とS1とをメモリ172に記憶する(ステップS102)。なお、このとき、オフセット調整部251および252においてオフセットがゼロとなるよう端子251INおよび252INには基準電位(GND)が印加されている。
次に、光ピックアップ160から出射する光ビームが光ディスク101上の第2の位置を照射するようにフィードモータ161を駆動する。アクチュエータ106を駆動して対物レンズ105の位置をフォーカス方向に移動させながら、第2の位置において光ビームを光ディスク101に向けて照射する。光検出器213を用いて反射光および迷光を検出し、自動利得制御部329および330から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅E’2とフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号の振幅S2とを求める。(ステップS103)。
次に、振幅E’1とE’2とを比較する(ステップS104)。振幅E’1とE’2とが等しいか振幅E’1とE’2との差が所定の値以下である場合には迷光によるオフセットの影響は小さく、測定した2点におけるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅はほぼ等しい。しがたって、オフセットを補正する必要はなく、処理を終了する(ステップS108)。
振幅E’1とE’2とが異なっており、その差が所定の値より大きい場合、迷光によるオフセットの影響が生じており、オフセットを相殺する必要がる。このため、第2の位置における振幅E’2およびS2を記憶し(ステップS105)、記憶しているE’1、E’2、S1およびS2から式(2)に従って、フォーカスサム信号およびトラッキングサム信号におけるオフセットaを求める(ステップS106)。なお、振幅E’1およびE’2はE’1=E1/S1およびE’2=E2/Sの関係を満たしている。これらの関係を用いることにより、E1およびE2を用いなくても算出が可能である。
その後、算出したオフセットaを端子251INおよび252INに設定する(ステップS107)。このようにして設定したオフセットaはオフセット調整部251および252においてフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号からそれぞれ減算され、オフセットが相殺される。このため、自動利得制御部229および230から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号は常に一定の振幅を有する。その結果、フォーカス制御およびトラッキング制御の安定度が高まり、外的要因によって制御が不安定になることが抑制される。
なお、本実施形態では、第1および第2の位置において計測したフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅からオフセットaを求めているが、計測位置は3箇所以上であってもよい。この場合、迷光の光量が光ディスク101のどの位置においても同じであり、オフセットaが一定であると考えられる場合には、複数の計測位置から選ばれる任意の2つの位置における計測値を用いてオフセットaを複数個求め、求めたオフセットaを平均すればよい。複数の計測位置において計測を行うことによってより正確なオフセットaを求めることができる。
また、迷光の光量が光ディスク101における位置によって変化するため、オフセットaが光ディスク101内において異なる場合、オフセットaが一定とみなせる領域内において上述した第1および第2の位置を設定することが好ましい。光ディスク101において、こうした領域を複数設け、各領域において第1および第2の位置を設定してオフセットaを求めることにより、光ディスク101の半径位置によって複屈折量が異なっている場合でも、オフセットaの影響を正しく相殺し、一定の振幅を有するフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を生成することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明による光ディスク装置の第2の実施形態を説明する。図9は、第2の実施形態の光ディスク装置における誤差信号生成部310Aおよび310Bの構成を示すブロック図である。図9に示す光検出器313は第1の実施形態の光検出器212と同じ構造を備えている。サーボ制御部317はフォーカス制御部331およびトラッキング制御部332を備え、第1の実施形態のサーボ制御部217と同様の機能を備えている。
誤差信号生成部310Aおよび310Bは、加算器321、322、323および324を備えている。第1の実施形態と同様、加算器321は、検出部Aおよび検出部Cから得られる検出信号を加算し、信号F1を得る。また、加算器322は検出部Bおよび検出部Dから得られる検出信号を加算し、信号F2を得る。加算器323は、検出部Aおよび検出部Dから得られる検出信号を加算し、信号T1を得る。加算器324は、検出部Bおよび検出部Cから得られる検出信号を加算し、信号T2を得る。
以下において詳細に説明するように、本実施形態では、迷光が光検出器313に不均等に入射する場合に好適に用いられる。迷光が光検出器313に不均等に入射するため、信号F1と信号F2との差あるいは信号T1とT2との差を求めても、これらの差信号において迷光によるオフセットは相殺されない。
このために、誤差信号生成部310Aおよび310Bは、信号F1、F2、T1およびT2に重畳しているオフセットを調整するためのオフセット調整部361、362、363および364を備えている。オフセット調整部361、362、363および364は、たとえば、オフセットを印加するための端子361IN、362IN、363INおよび364INをそれぞれ有する減算器である。
オフセット調整部361、362、363および364はそれぞれ加算器321、322、323および324の出力を受け取って、オフセットが調整された信号F1、F2、T1およびT2を出力する。信号F1およびF2は減算器325および加算器326によって演算され、フォーカスエラー(FE)信号およびフォーカスサム(FS)信号が生成される。また、信号T1およびT2は減算器327および加算器328によって演算され、トラッキングエラー(TE)信号およびトラッキングサム(FS)信号が生成される。これらの信号は第1の実施形態と同様、自動利得制御部329および330へ入力される。
図10は、本実施形態の光ディスク装置において、光検出器313へ入射する光を模式的に示している。図10に示すように、光検出器313に光ディスクのトラックに向けて集光した光の反射光153が入射する。また、光検出器313には、光ディスク101の基材における複屈折によって生じた光や光ディスク101が複数の記録層を備えている場合において、記録あるいは再生を行っていない層において生じた反射光などの迷光154が入射する。本実施形態では、図10に示すように反射光は光検出器313に均等に入射するが、迷光154は光検出器113に不均等に入射する。本実施形態は、このような場合に特に効果的にトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号などのレンズ位置誤差信号の振幅を安定させることができる。
図11(a)および(b)は、アクチュエータ106によって、対物レンズ105と光ディスク101との距離が変化するように対物レンズを駆動した場合に得られるフォーカスエラー信号(SFE3、SFE3)とフォーカスサム信号(SFS3、SFS3)とを示している。それぞれの図において左側の波形SFE3およびSFS3は、反射光153の光量が、迷光154の光量に比べて大きい場合を示し、右側の波形SFE3およびSFS3は、反射光153の光量が、迷光154の光量に比べて小さい場合を示している。
図11(a)に示すように、反射光153の光量と迷光154の光量との割合に関わらず、フォーカスエラー信号の波形(SFE3、SFE3)は、基準電位(GND)に対してオフセットcが重畳している。前述したように迷光が光検出器313に不均等に入射するため、差信号を求めても迷光は相殺されないからである。
同様に、図11(b)に示すように、フォーカスサム信号の波形(SFS3、SFS3)も、反射光153の光量と迷光154の光量との割合に関わらず、迷光の影響によって一定のオフセット電圧aがそれぞれの波形に重畳している。
図11(c)は、反射光153の光量が、迷光154の光量に比べて大きい場合(左側)および小さい場合(右側)において、フォーカスエラー信号をフォーカスサム信号で除算した結果を示している。
図11(c)から明らかなように、波形S’FE3と波形S’FE3とでは、振幅の大きさが変化している。つまり、自動利得制御部から得られるフォーカスエラー信号は一定の振幅を有さなくなる。図11(c)では、反射光151の光量が迷光152の光量に比べて小さい場合に、自動利得制御部から得られるフォーカスエラー信号の振幅が小さくなっている。
図12(a)、(b)および(c)は、フォーカス制御を行わない状態で、光ピックアップ160を光ディスク101の半径方向に移動させた場合に得られるトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号(STE3、STE4)とフォーカスサム信号(STS3、STS4)とを示している。それぞれの図において左側の波形STE3およびSTS3は、反射光153の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合を示し、右側の波形STE4およびSTS4は、反射光151の光量が、迷光154の光量に比べて小さい場合を示している。
フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号の場合と同様、トラッキングエラー信号の波形(STE3、STE4)には、基準電位(GND)に対してオフセットcが重畳している。また、トラッキングサム信号の波形(STS3、STS4)には、迷光の影響によって一定のオフセット電圧aがそれぞれ重畳している。
図12(c)は、反射光153の光量が、迷光154の光量に比べて大きい場合(左側)および小さい場合(右側)において、トラッキングエラー信号をトラッキングサム信号で除算した結果を示している。フォーカスエラー信号の場合と同様、トラッキングエラー信号をトラッキングサム信号で除算した結果、つまり、自動利得制御部から得られるトラッキングエラー信号は一定の振幅を有さなくなる。図12(c)では、反射光153の光量が迷光154の光量に比べて小さい場合に、自動利得制御部から得られるトラッキングエラー信号の振幅が小さくなっている。
本実施形態では、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に重畳するオフセットcおよびフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号に重畳するオフセットaを相殺するために、オフセット調整部361、362、363および364によって信号F1、F2、T1およびT2に重畳しているオフセットを相殺する。以下、オフセット調整部361、362、363および364における設定について説明する。
図11(a)に示すように、フォーカスエラー信号の振幅をE3、E4とし、それぞれの振幅の基準電位(GND)より+側の振幅成分をE3p、E4pとし、−側の振幅成分をE3n、E4nとする。また、フォーカスサム信号の振幅をS3、S4とする。光ディスク101からの迷光によって、フォーカスエラー信号、フォーカスサム信号、信号F1、信号F2に発生するオフセットをそれぞれc、a、e、fとする。
フォーカスエラー信号は信号F1と信号F2との差であり、フォーカスサム信号は信号F1と信号F2との和であるから、それぞれのオフセットには以下の式(3)(4)の関係が成り立つ。
a=e+f 式(3)
c=e−f 式(4)
オフセットが調整されたフォーカスサム信号を用いた場合、フォーカスエラー信号をオフセットが調整されたフォーカスサム信号で除算した値は、一定となる。このため、上記式(2)と同様、式(5)の関係が成り立つ。
a=(E3×S4−E4×S3)/(E3−E4) 式(5)
フォーカスエラー信号に発生するオフセットcをキャンセルすれば、SFE3とSFE4の対称性は等しくなるため、以下の式(6)の関係を満たす。
{(E3p−c)−(E3n+c)}/E3=
{(E4p−c)−(E4n+c)}/E4 式(6)
式(6)をcについて整理すると以下の式(7)が得られる。
c={E3×(E4p−E4n)−E4×(E3p−E3n)}/
{2×(E3−E4)} 式(7)
式(4)(5)(7)を満たすeとfとは以下の式(8)(9)で示される。
e={E3×(2×S4+E4p−E4n)−E4×(2×S3+E3p−E3n)}/{4×(E3−E4)} 式(8)
f={E3×(2×S4−E4p+E4n)−E4×(2×S3−E3p+E3n)}/{4×(E3−E4)} 式(9)
同様に、図12(a)および(b)に示すようにトラッキングエラー信号の振幅をE3、E4とし、それぞれの振幅の基準電位(GND)より+側の振幅成分をE3p、E4pとし、−側の振幅成分をE3n、E4nとする。また、トラッキングサム信号の振幅をS3、S4とする。光ディスク101からの迷光によって、トラッキングエラー信号、トラッキングサム信号、信号T1、信号T2に発生するオフセットをそれぞれc、a、e、fとする。この場合、オフセットeおよびfも式(8)および(9)によって求められる。
したがって、光ディスク101上の少なくとも異なる2点において、フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号ならびにトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号を取得し、それぞれの振幅の大きさを求めることによって、式(8)(9)からオフセットe、f値をそれぞれ求めることができる。
求めたeをオフセット調整部361および363に設定し、求めたfをオフセット調整部362および364に設定することによって、信号F1、F2、T1およびT2に重畳しているオフセットが相殺される。このため、信号F1およびF2から得られる差信号であるフォーカスエラー信号および和信号であるフォーカスサム信号におけるオフセットが調整される。また、信号T1およびT2から得られる差信号であるトラッキングエラー信号および和信号であるトラッキングサム信号におけるオフセットが調整される。したがって、迷光が生じている場合でも一定の振幅を有するフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が自動利得部229および230から得ることができる。
フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号ならびにトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号の振幅を測定するためには、たとえば図9に示すように、減算器325、加算器326、減算器327および加算器328の出力を端子325OUT、326OUT、327OUTおよび328OUTから取得する。また、オフセットe、fはオフセット調整部のそれぞれの端子361IN、362IN、363INおよび364INに印加する。
次に、本実施形態における光ディスク装置の制御方法の一例を図1、図9、および図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下の手順は光ディスク101が1つの記録層のみを含む場合に好適に用いられる。
光ディスク装置に光ディスク101が装填されると制御が開始される(ステップS121)。コントローラ171は、光ピックアップ160から出射する光ビームが光ディスク101上の第1の位置を照射するようにフィードモータ161を駆動する。アクチュエータ106を駆動して対物レンズ105の位置をフォーカス方向に移動させながら、第1の位置において光ビームを光ディスク101に向けて照射する。光検出器313を用いて反射光および迷光を検出し、自動利得制御部329および330から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅E’3p、E’3nとフォーカスサム信号の振幅S3とを求める。求めた振幅E’3p、E’3nとS1とをメモリ172に記憶する(ステップS112)。なお、このとき、オフセット調整部361、362、363および364においてオフセットがゼロとなるよう端子361IN〜364INには基準電位(GND)が印加されている。
次に、光ピックアップ160から出射する光ビームが光ディスク101上の第2の位置を照射するようにフィードモータ161を駆動する。アクチュエータ106を駆動して対物レンズ105の位置をフォーカス方向に移動させながら、第2の位置において光ビームを光ディスク101に向けて照射する。光検出器213を用いて反射光および迷光を検出し、自動利得制御部329および330から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅E’3p、E’3nとフォーカスサム信号の振幅S3とをそれぞれ求める(ステップS113)。
次に、振幅E’3pとE’4pおよびにE’3nとE’4nをそれぞれ比較する(ステップS114)。振幅E’3pとE’4pおよびE’3nとE’4nが等しいかこれらの差が所定の値以下である場合には迷光によるオフセットの影響は小さく、測定した2点におけるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅はほぼ等しい。したがって、オフセットを補正する必要はなく、処理を終了する(ステップS118)。
振幅E’3pとE’4pあるいはE’3nとE’4nとが異なっており、その差が所定の値より大きい場合、迷光によるオフセットの影響が生じており、オフセットを相殺する必要がある。このため、第2の位置における振幅E’4p,E’4nおよびS4を記憶し(ステップS115)、記憶している振幅E’3p、E’3n、S3、および振幅E’4p、E’4n、S4から式(8)、(9)に従って、オフセットe、fを求める(ステップS116)。なお、振幅E’3pおよびE’3nは、E’3p=E3p/S3およびE’3n=E3n/S3の関係を満たす。また、E’4pおよびE’4nは、E’4p=E4p/S4およびE’4n=E4n/S4の関係を満たす。したがってこれらの関係を用いることによって、E3p等を求めなくても式(8)および(9)の演算が可能である。
その後、算出したフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に関するオフセットeをオフセット調整部の端子361INおよび363INにそれぞれ印加する。また、および364INに設定する。また、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に関するオフセットfをオフセット調整部の端子362INおよび364INにそれぞれ設定する(ステップS117)。このようにして設定したオフセットe、fにより、オフセット調整部361〜364は信号F1およびF2に重畳しているオフセットならびに信号T1およびT2に重畳しているオフセットを相殺する。このため、信号F1およびF2から得られるフォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号においてはオフセットが調整されている。また、信号T1およびT2から得られるトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号においてオフセットが調整さている。
したがって、自動利得制御部229および230から出力されるフーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号は常に一定の振幅を有する。その結果、フォーカス制御およびトラッキング制御の安定度が高まり、外的要因によって制御が不安定になることが抑制される。
次に、光ディスク101が2つの記録層を含む場合における、本実施形態による光ディスク装置の制御方法を説明する。図14は光ディスク101の断面構造を模式的に示している。光ディスク101は、第1の記録層101aと第2の記録層101bとを含んでいる。第1の記録層101aおよび第2の記録層101bにおいて、ハッチングされた領域は、記録済みのデータ領域であることを示し、ハッチングされていない領域は、データが記録されていない未記録領域であることを示している。したがって、データが記録されているかどうかによって、光ディスク101は4つの領域に分類される。具体的には、領域Aでは、第1の記録層101aが記録済みであり、第2の記録層101bが未記録である。領域Bでは、第1の記録層101aおよび第2の記録層101bのいずれもが記録済みである。領域Cにおいては、第1の記録層101aが未記録であり、第2の記録層101bが記録済みである。また、領域Dにおいては、第1の記録層101aおよび第2の記録層101bのいずれもが未記録である。
このように光ディスクが複数の記録層を備えている場合、記録あるいは再生を行っていない他の層からの反射光が迷光として、フォーカスエラー信号やフォーカスサム信号などのオフセットに影響を与える。また、データが記録済みの領域と未記録の領域とでは、記録層の反射率が異なる。このため、記録状態によってオフセットの大きさも変化する。以下の制御方法によれば、このような複数の記録層を備える光ディスクに対して、迷光の影響を適切に抑制し、サーボ制御の安定性を高めることができる。
なお、光ディスクが複数の記録層を備えている場合、図11(a)および(b)に示すフォーカスエラー信号やフォーカスサム信号には記録層の数に応じたピークが観測される。たとえば、光ディスクが2つの記録層を含む場合、フォーカスエラー信号は2つの山と2つの谷が含まれ、フォーカスサム信号には2つの山が含まれる。しかし、記録あるいは再生を行う層に着目すれば、複数の記録層を含む光ディスクを1つの記録層のみを含む光ディスクと同様に扱うことができる。
以下、図15に示すフローチャートを参照しながら光ディスク101が2つの記録層を含む場合における光ディスク装置の制御方法を説明する。
まず、光ディスク装置に光ディスク101が装填されると制御が開始される(ステップS121)。コントローラ171は、光ピックアップ160から光ビームを出射させ、光ディスク101が未記録のディスクであるかどうかを判定する(ステップS122)。判定には、光ディスク101の最内周に設けられた情報管理領域のデータを読み取って判断を行ってもよいし、光ディスク101の各記録層のトラックを走査し、データが記録されているかどうかを判定してもよい。光ディスク101が未記録のディスクである場合には、記録や再生を行わない他の層からの迷光は変化しないと考えられるので制御を終了する(ステップS131)。
この際、迷光の光量が光ディスクの位置によって変化しないか全周に渡ってフォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号の振幅を実際に測定してもよい。振幅変化が許容値以下であれば制御を終了する(ステップS131)。振幅変化が許容値よりも大きければ振幅の異なる少なくとも2つの位置において、図13に示すフローチャートの手順によってオフセットを検出してもよい。
光ディスク101が記録ディスクである場合には、どの領域にデータが記録されているかを検出し、記録領域かどうかの情報をアドレスあるいは光ディスク101の半径方向の位置と関連付けて記憶する(ステップS213)。
次に、図14に示すように、コントローラ171は、光ビームが領域Dを照射するようにフィードモータ161を駆動し、光ピックアップ160を移動させる。そして領域Dにおいて振幅E’3p、E’3nおよびS3を計測し、メモリ172に記憶する(ステップS124)。
次に、コントローラ171は、光ビームが領域Cを照射するようにフィードモータ161を駆動し、光ピックアップ160を移動させる。そして領域Cにおいて振幅E’4p、E’4nおよびS4を計測する(ステップS125)。
続いて図3に示すフローチャートのステップS114からS118を実行し、オフセットe1、f1を算出する。
その後、コントローラ171は、光ビームが領域Aを照射するようにフィードモータ161を駆動し、光ピックアップ160を移動させる。そして領域Aにおいて振幅E’3p、E’3nおよびS3を計測し、メモリ172に記憶する(ステップS124)。
次に、コントローラ171は、光ビームが領域Bを照射するようにフィードモータ161を駆動し、光ピックアップ160を移動させる。そして領域Bにおいて振幅E’3p、E’3nおよびS3を計測し、メモリ172に記憶する(ステップS124)。続いて図13に示すフローチャートのステップS114からS118を実行し、オフセットe2、f2を算出する。
このようにしてオフセットe1、f1、e2、f2を求めた後、光ディスク101を記録あるいは再生する場合に光ディスクの領域A〜Dに応じてオフセットe1、f1またはオフセットe2、f2を切り替えて、オフセット調整部の端子361INおよび363INにそれぞれ印加する(ステップS130)。具体的には、領域CおよびDにおいて第2の記録層101bに記録を行ったり第2の記録層101bに記録されたデータを再生する場合には、オフセットe1、f1を用いて信号F1、F2、T1、T2のオフセットを調整する。また、領域AおよびBにおいて第2の記録層101bに記録を行ったり第2の記録層101bに記録されたデータを再生する場合には、オフセットe2、f2を用いて信号F1、F2、T1、T2のオフセットを調整する。
このような制御を行うことによって、記録または再生を行っていない層からの迷光が変化せず、記録または再生を行っている層における反射率が変化する場合において、迷光の光量を検出して迷光によるオフセットを適切に相殺することができる。これにより、自動利得制御後のフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅が一定に保たれ、サーボ制御の安定性が高められる。
なお、領域Bと領域Cとの境界近傍において第2の記録層101bに記録を行ったり、第2の記録層101bに記録されたデータを再生する場合には、求めたオフセットe1とe2との間の値およびf1とf2との間の値、たとえばそれぞれ平均値を用いて、信号F1、F2、T1、T2のオフセットを調整してもよい。
また、第1の記録層101aが記録領域であるか否かにより迷光量に大きな変化がない場合にはe1とe2の平均値およびf1とf2の平均値を用いて信号F1、F2、T1、T2のオフセットを調整してもよい。
上記第1および第2の実施形態では、誤差信号生成部は電気回路で構成されているが、光検出器各検出部の出力をA/D変換器で変換した後、加算器、減算器、除算器などの機能と同様の演算処理をソフトウエアによって実行してもよい。
また、第1の実施形態において説明したように第2の実施形態においても、3以上の位置において測定を行い、測定誤差を低減させてもよい。
また、光ディスクの反り(チルト、スキュー)によっても、光ディスクからの迷光成分は変化する。このため、本実施形態の光ディスク装置は、光ディスクのチルトを検出する検出部を備えていてもよい。この場合、検出したチルトを打ち消すために、光ピックアップ全体を傾けたり、対物レンズを傾けたりするチルト機構を備えていることが好ましい。たとえば、光ディスクの半径位置によってチルトが変化する場合は、チルト機構を備えていることにより、本発明の光ディスク装置において、より精度良く自動利得制御を行うことができる。
本発明は、種々の光ディスク装置に好適に用いることが可能であり、複数の記録層を有する光ディスクに対応した光ディスク装置にも好適に用いることができる。
本発明は、光学的に光ディスクへデータを記録し、光ディスクに記録されたデータを再生する光ディスク装置および光ディスク装置の制御方法に関する。
光ディスク装置では、記録あるいは再生に用いる光ビームが、光ディスクに設けられたトラックを追随するように制御する必要がある。この制御はトラッキング制御と呼ばれる。また、光ディスクを照射する光ビームの集光状態を一定に保つ必要がある。この制御はフォーカス制御と呼ばれる。
近年、より記録密度の高い光ディスクが開発されてきている。光ディスクの記録密度が高まると、トラックのピッチは狭くなり、また、トラックに形成されるピットやマークのサイズも小さくなる。このため、光ビームのトラッキング制御やフォーカス制御の精度を高める必要があり、種々の技術が提案されている。
トラッキング制御およびフォーカス制御には、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を利用する。トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号は、たとえば、光ビームを光ディスクに照射し、光ディスクにおいて反射した光を複数の光検出器によって検出し、複数の光検出器から得られる出力の差を求めることにより生成される。
トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号は、光検出器に入射する光の強度に依存する。このため、光ディスクの反射率が異なる場合、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号の振幅の大きさも変化する。このため、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を用いたトラッキング制御およびフォーカス制御がこれらの信号の振幅が変化することにより、不安定になる可能性がある。
このような問題を解決するため、特許文献1は、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を自動利得制御回路(AGC回路)に入力し、これらの信号の振幅が一定になるように制御することを開示している。AGC回路としては、たとえば、複数の光検出器によって検出した信号を加えることにより得られる和信号でトラッキングエラー信号またはフォーカスエラー信号を除算する。反射光が弱い場合、光ディスクから戻ってくる反射光全体の強度を示す和信号の振幅も小さくなる。したがって、この方法によれば、反射光の強度に応じてトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号の振幅の大きさが調節されることになり、ほぼ一定の振幅強度を有するトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を得ることができる。
AGC回路以外の構成によってトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号の振幅を一定に保つ技術も検討されている。たとえば特許文献2は、振幅の大きさの変動をレーザーパワーで補償する方法を提案している。特許文献3は、光ピックアップ内部の波長板を回転させることによって、複屈折量を変化させ、光検出器で受光する光量を調整する技術を開示している。
特開平5−36143号公報 特開平5−101394号公報 特開2001−351238号公報
上述のAGC回路により、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号の振幅を一定にする技術は、特許文献2や3に開示される技術に比べて、簡単な回路構成によって実現が可能である。このため、実用上、非常に利便性が高いと考えられる。
しかし、光ディスクの基材の複屈折などによる表面からの反射光や光ディスクが複数の記録層を備えている場合において、記録または再生を行う層とは別の層からの反射光(以下、これらを総称して光ディスクからの迷光という)が生じていると、AGC回路によって振幅を正しく調整できなくなるという問題が発生する。その結果、AGC回路から得られたトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号を用いてトラッキング制御およびフォーカス制御を行っても、これらの信号の振幅変動によって、制御が不安定になりやすくなる。
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号などのレンズ位置誤差信号の振幅を安定させ、安定してレンズ位置のサーボ制御を行うことのできる光ディスク装置を提供する。
本発明の光ディスク装置は、光ディスクを載置し、回転駆動する回転駆動部と、光源と、前記光源からの光を前記回転駆動部に載置された光ディスクに向けて集光する対物レンズと、前記光ディスクによる前記光の反射光を検出する少なくとも2つの検出部を有する光検出器と、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる出力の差信号および和信号を求め、前記差信号および前記和信号のうち、少なくとも前記和信号のオフセットを調整した後、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、対物レンズの位置誤差信号を生成する誤差信号生成部とを備える。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号生成部は、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の差を求め、差信号を出力する減算器と、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の和を求め、和信号を出力する加算器と、前記和信号のオフセットを調整するオフセット調整部と、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算する除算器とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記オフセット調整部は、少なくとも前記光ディスクの半径方向の異なる2つの位置において得られる誤差信号の振幅が等しくなるよう、前記和信号のオフセットを調整する。
ある好ましい実施形態において、前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE1およびS1とし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE2およびS2とするとき、a=(E1×S2−E2×S1)/(E1−E2)を満たす値aを前記和信号から調整する。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号生成部は、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号に重畳しているオフセットを調整する。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号生成部は、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号のオフセットを調整する第1および第2のオフセット調整部と、前記オフセットが調整された信号の差を求め、差信号を出力する減算器と、前記オフセットが調整された信号の和を求め、和信号を出力する加算器と、前記差信号を前記和信号で除算する除算器とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE3およびS3とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE3pおよびE3nとし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE4およびS4とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE4pおよびE4nとしたとき、e={E3×(2×S4+E4p−E4n)−E4×(2×S3+E3p−E3n)}/{4×(E3−E4)}およびf={E3×(2×S4−E4p+E4n)−E4×(2×S3−E3p+E3n)}/{4×(E3−E4)}を満たす値eおよびfを、前記第1および第2のオフセット調整部において、前記検出部から得られる信号から調整する。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号がフォーカスエラー信号である。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号がトラッキングエラー信号である。
ある好ましい実施形態において、前記光ディスクが少なくとも2つの記録層を有する。
本発明の光ディスク装置の制御方法は、光ディスクを載置し、回転駆動する回転駆動部と、光源と、光源からの光を前記回転駆動部に載置された光ディスクに向けて集光する対物レンズと、前記光ディスクによる前記光の反射光を検出する少なくとも2つの検出部を有する光検出器とを備えた光ディスク装置の制御方法であって、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる出力の差信号および和信号を求め、前記差信号および前記和信号のうち、少なくとも前記和信号のオフセットを調整した後、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、対物レンズの位置誤差信号を生成するステップを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記位置誤差信号を生成するステップは、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の差を求め、差信号を生成するステップと、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の和を求め、和信号を生成するステップと、前記和信号のオフセットを調整するステップと、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、前記位置誤差信号を生成するステップとを含む。
ある好ましい実施形態において、前記和信号のオフセットを調整するステップは、少なくとも前記光ディスクの半径方向の異なる2つの位置において得られる誤差信号の振幅が等しくなるよう、前記和信号のオフセットを調整する。
ある好ましい実施形態において、前記和信号のオフセットを調整するステップは、前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE1およびS1とし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE2およびS2とするとき、a=(E1×S2−E2×S1)/(E1−E2)を満たす値aを前記和信号から調整する。
ある好ましい実施形態において、前記位置誤差信号を生成するステップは、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号に重畳しているオフセットを調整する。
ある好ましい実施形態において、前記位置誤差信号を生成するステップは、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号のオフセットを調整するステップと、前記オフセットが調整された信号の差を求め、差信号を生成するステップと、前記オフセットが調整された信号の和を求め、和信号を生成するステップと、前記差信号を前記和信号で除算することにより、前記位置誤差信号を生成するステップとを含む。
ある好ましい実施形態において、前記オフセットを調整するステップは、前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE3およびS3とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE3pおよびE3nとし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE4およびS4とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE4pおよびE4nとしたとき、e={E3×(2×S4+E4p−E4n)−E4×(2×S3+E3p−E3n)}/{4×(E3−E4)}およびf={E3×(2×S4−E4p+E4n)−E4×(2×S3−E3p+E3n)}/{4×(E3−E4)}を満たす値eおよびfを前記検出部から得られる信号から調整する。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号がフォーカスエラー信号である。
ある好ましい実施形態において、前記誤差信号がトラッキングエラー信号である。
ある好ましい実施形態において、前記光ディスクが少なくとも2つの記録層を有する。
本発明によれば、光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる出力の差信号および和信号のうち、少なくとも和信号のオフセットが調整される。このため、光検出器に均等に迷光が入射している場合には、差信号をオフセットの調整された和信号で除算することにより、迷光による影響を受けることなく一定の振幅を有する位置誤差信号を得ることができる。したがって、安定度の高いサーボ制御を行うことのできる光ディスク装置が実現する。
(第1の実施形態)
以下、本発明による光ディスク装置の第1の実施形態を説明する。図1は、第1の実施形態の光ディスク装置の主要な構造を概括的に示している。光ディスク装置は、光ピックアップ160と、スピンドルモータ107とを備えている。また、光ディスク装置の各部を制御するマイコンなどからなるコントローラ171および制御の手順などのプログラムを記憶するためのメモリ172を備えている。
スピンドルモータ107は、光ディスク101を載置し、光ディスクを回転駆動する回転駆動部として機能する。光ピックアップ160は、記録または再生に用いる光ビームを光ディスク101へ向けて照射し、光ディスク101において反射した反射光を検出する。光ピックアップ160はフィードモータ161によって光ディスク101の半径方向に移動可能であり、コントローラ171の指令に基づき、光ピックアップ160から出射する光ビームを光ディスク101の半径方向Drにおいて任意の位置に照射させることができる。
光ピックアップ160は、記録または再生に用いる光源として用いるレーザ111とレーザ111から出射した光を光ディスク101に向けて集光する集光部として機能する対物レンズ105とを含む。また、光ピックアップ160は、コリメートレンズ102、偏光ビームスプリッタ(PBS)103、光検出器112、213、1/4波長板104およびアクチュエータ106を含む。
レーザ111から出射した光は、コリメートレンズ102によって平行光に変換されPBS103に入射する。PBS103は、入射した光の一部を光検出器112に向けて反射する。大部分の光は、1/4波長板104に向けて透過する。透過光は、1/4波長板104において、偏光方向が直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ105により、光ディスク101に向けて集光される。
光ディスク101において反射した光は、再び対物レンズ105を透過し、1/4波長板104によって円偏光から往路と直行する方向の直線偏光に変換される。PBS103に入射した光は、反射されて光検出器113に入射する。
図2(a)および(b)は、光検出器112、113から出力される検出信号を処理する構成の概略を示している。図2(a)および(b)に示すように、光ディスク装置は、レーザパワーコントローラ(LPC)114、誤差信号生成部210、サーボ制御部217およびRF信号検出部116を備えている。
光検出器112は、上述したように、レーザ111から出射した光の一部を検出し、検出信号をレーザパワーコントローラ114へ出力する。レーザパワーコントローラ114は検出信号に基づいて、レーザ111のパワーを制御する。光検出器112から得られる信号は前光信号とも呼ばれる。
光検出器213は、光ディスク101からの反射光を受け取り、検出によって生成した信号は、誤差信号生成部210およびRF信号検出部116に入力される。
誤差信号生成部210は、以下において詳細に説明するように、光検出器213から出力される検出信号に基づいて位置誤差信号を生成する。位置誤差信号は、トラッキングエラー信号とフォーカスエラー信号とを含む。サーボ制御部217は、位置誤差信号に基づいて、対物レンズ105の位置を調節することにより、光ビームが所定の集光状態で光ディスク101のトラックを追随するようフォーカス制御およびトラッキング制御を行う。RF検出部116は、検出信号からユーザデータなどの光ディスク101に記憶されている情報やアドレス情報を抽出する。
次に図3を参照しながら誤差信号生成部210の構造を詳細に説明する。図3に示すように誤差信号生成部210は、光検出器213から得られる検出信号に基づいてフォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成部210Aと、トラッキングエラー信号を生成する誤差信号生成部210Bとを含む。また、サーボ制御部217は、フォーカス制御部231およびトラッキング制御部232を含む。
光検出器213は、少なくとも2つの検出部を含み、それぞれの検出部に照射する光の強度あるいは光量に応じた検出信号を独立して出力する。本実施形態では、図3に示すように、光検出器213の受光面は、光ディスク101の半径方向Drおよび半径方向Drと概ね直行する方向と平行な境界によって4つの領域に分割されている。これより、光検出器213は検出部A〜Dを備える。また、本実施形態では、非点収差法およびプッシュプル法によって、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を生成する。このため、フォーカスエラー信号を生成する誤差信号生成部210Aは、加算器221および222を含み、加算器221によって、検出部Aおよび検出部Cから得られる検出信号を加算し、信号F1を得る。また、加算器222によって検出部Bおよび検出部Dから得られる検出信号を加算し、信号F2を得る。
同様に、トラッキングエラー信号を生成する誤差信号生成部210Bは、加算器223および224を含み、加算器223によって、検出部Aおよび検出部Dから得られる検出信号を加算し、信号T1を得る。また、加算器224によって、検出部Bおよび検出部Cから得られる検出信号を加算し、信号T2を得る。加算器221〜224は光検出器213に近接して光ピックアップ160内に設けられてもよい。
本実施形態では、フォーカスエラー信号の生成およびトラッキングエラー信号の生成のため、光検出器213を共用しているが、フォーカスエラー信号生成用およびトラッキングエラー信号生成用に2つの光検出器をそなえていてもよい。この場合には、加算器221〜224を用いることなく、上述した組み合わせの検出部を一つの領域として検出信号を取り出してもよい。つまり、信号F1、F2、T1およびT2を検出器の検出部から直接取り出すことも可能である。
誤差信号生成部210Aは、減算器225、加算器226、オフセット調整部251および自動利得制御部229をさらに含む。また、自動利得制御部229は、図4に示すように除算器141および増幅器142を含む。
減算器225および加算器226は、信号F1およびF2の差信号および和信号をそれぞれ生成する。減算器225から出力される差信号は、対物レンズがフォーカス方向において基準位置からどの程度位置ずれしているかを表しており、フォーカスエラー信号(FE信号)となる。また、加算器226から出力される和信号は、光検出器213の検出部A〜Dにおいて検出される信号の総和であり、フォーカスサム信号(FS信号)となる。
オフセット調整部251は、フォーカスサム信号のオフセットを調整する。自動利得制御部229において、除算器141は、フォーカスエラー信号およびオフセットが調整されたフォーカスサム信号を受け取り、フォーカスエラー信号をフォーカスサム信号で除算する。増幅器142は、除算器141の出力信号を所定の利得で増幅する。
誤差信号生成部210Bも誤差信号生成部210Aと同様の構造を備えている。具体的には、誤差信号生成部210Bは、減算器227、加算器228、オフセット調整部252および自動利得制御部230をさらに含む。図示していないが、自動利得制御部230も除算器および増幅器を含んでいる。
減算器227および加算器228は、信号T1およびT2の差信号および和信号をそれぞれ生成する。減算器228から出力される差信号は、対物レンズが光ディスク101の半径方向においてトラックの基準位置からどの程度位置ずれしているかを表しており、トラッキングエラー信号(TE信号)となる。また、加算器228から出力される和信号は、光検出器213の検出部A〜Dにおいて検出される信号の総和であり、トラッキングサム信号(FS信号)となる。
オフセット調整部252は、トラッキングサム信号のオフセットを調整する。自動利得制御部において、除算器により、トラッキングエラー信号がオフセットの調整されたトラッキングサム信号により受け取り、トラッキングエラーをトラッキングサム信号で除算する。増幅器、除算器141の出力信号を所定の利得で増幅する。
誤差信号生成部210Aおよび210Bにおいて、フォーカスサム信号およびトラッキングサム信号に重畳している光ディスクからの迷光によるオフセット成分がそれぞれオフセット調整部251および252において調整される。この結果、自動利得制御部229および230から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅は常に一定となる。
振幅の大きさが安定したフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号はそれぞれフォーカス制御部231およびトラッキング制御部232へ入力される。フォーカス制御部231およびトラッキング制御部232は、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に基づいて、フォーカス制御信号およびトラッキング制御信号を生成する。フォーカス制御信号およびトラッキング制御信号は、図示しない駆動部に入力され、対物レンズを駆動する駆動信号が生成される。駆動信号がアクチュエータ106に印加されることによって、対物レンズの位置が、フォーカス制御信号およびトラッキング制御信号に応じてトラッキング方向およびフォーカス方向に制御される。
以下、誤差信号生成部210Aおよび210Bの動作を詳細に説明する。図5は、本実施形態の光ディスク装置において、光検出器213へ入射する光を模式的に示している。図5に示すように、光検出器213に光ディスクのトラックに向けて集光した光の反射光151が入射する。光検出器213にはまた、光ディスク101の基材における複屈折によって生じた光や光ディスク101が複数の記録層を備えている場合において、記録あるいは再生を行っていない層において生じた反射光などの迷光152が入射する。本実施形態は、図5に示すように反射光の中心と迷光の中心とが一致し、反射光と迷光とが光検出器113に均等に入射している場合に特に効果的にトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号などのレンズ位置誤差信号の振幅を安定させることができる。
図6(a)および(b)は、アクチュエータ106によって、対物レンズ105と光ディスク101との距離が変化するように対物レンズを駆動した場合に得られるフォーカスエラー信号(SFE1、SFE2)とフォーカスサム信号(SFS1、SFS2)とを示している。それぞれの図において左側の波形SFE1およびSFS1は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合を示し、右側の波形SFE2およびSFS2は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて小さい場合を示している。
図6(a)に示すように、反射光151の光量と迷光152の光量との割合に関わらず、フォーカスエラー信号の波形(SFE1、SFE2)は、基準電位(GND)に対して対称であり、迷光152によるオフセットは生じていない。これは、フォーカスエラー信号が検出器113に均等に入射し、フォーカスエラー信号は光検出器113の検出部AおよびCから得られる信号と検出部BおよびDから得られる信号との差によって求められるため、迷光による影響が相殺されるからである。
一方、図6(b)に示すように、フォーカスサム信号の波形(SFS1、SFS2)は、反射光151の光量と迷光152の光量との割合に関わらず、迷光の影響によって一定のオフセット電圧aがそれぞれの波形に重畳している。このように迷光によるオフセットは直流(DC)成分である。
図6(c)は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合(左側)および小さい場合(右側)において、フォーカスエラー信号をフォーカスサム信号で除算した結果を示している。
図6(c)から明らかなように、波形S’FE1と波形S’FE2とでは、振幅の大きさが変化している。これはフォーカスサム信号に、迷光によるオフセット電圧aが重畳することによって、フォーカスサム信号の振幅の大きさが反射光151の全体の光量に比例しなくなるからである。このため、フォーカスエラー信号をフォーカスサム信号で除算した結果、つまり、自動利得制御部から得られるフォーカスエラー信号は一定の振幅を有さなくなる。図6(c)では、反射光151の光量が迷光152の光量に比べて小さい場合に、自動利得制御部から得られるフォーカスエラー信号の振幅が小さくなっている。
図7(a)、(b)および(c)は、フォーカス制御を行わない状態で、光ピックアップ160を光ディスク101の半径方向に移動させた場合に得られるトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号(STE1、STE2)とフォーカスサム信号(STS1、STS2)とを示している。それぞれの図において左側の波形STE1およびSTS1は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合を示し、右側の波形STE2およびSTS2は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて小さい場合を示している。
フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号の場合と同様、トラッキングエラー信号の波形(STE1、STE2)は、基準電位(GND)に対して対称であり、迷光152によるオフセットは生じていない。これは、迷光による影響が相殺されるからである。また、トラッキングサム信号の波形(STS1、STS2)には、迷光の影響によって一定のオフセット電圧aがそれぞれ重畳している。
図7(c)は、反射光151の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合(左側)および小さい場合(右側)において、トラッキングエラー信号をトラッキングサム信号で除算した結果を示している。フォーカスエラー信号の場合と同様、トラッキングエラー信号をトラッキングサム信号で除算した結果、つまり、自動利得制御部から得られるトラッキングエラー信号は一定の振幅を有さなくなる。図7(c)では、反射光151の光量が迷光152の光量に比べて小さい場合に、自動利得制御部から得られるトラッキングエラー信号の振幅が小さくなっている。
本実施形態では、誤差信号生成部210Aおよび210Bにオフセット調整部251および252を設け、オフセット調整部251および252において、フォーカスサム信号およびトラッキングサム信号に生じている迷光によるオフセットを相殺する。たとえば、オフセット調整部251および252は減算器によって構成し、図6(b)および図7(b)に示すオフセットaに相当する電圧をオフセット調整部251および252においてそれぞれフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号から減算する。
これにより、オフセット調整部251および252からオフセットが調整されたフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号がそれぞれ得られる。このオフセットが調整されたフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号を用いて自動利得制御部229および230においてそれぞれフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を除算することにより、振幅が一定で安定したフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を得ることができる。
オフセット調整部251および252に入力するオフセットaは、以下の方法によって求められる。
図6(a)に示すように、フォーカスエラー信号の振幅をE1およびE2とする。また、図6(b)に示すように、フォーカスサム信号の振幅をS1、S2とし、光ディスク101からの迷光により、フォーカスサム信号に発生するオフセットをaとする。
オフセットが調整されたフォーカスサム信号を用いた場合、フォーカスエラー信号をオフセットが調整されたフォーカスサム信号で除算した値は、一定となる。このため、下記式(1)が成り立つ。
E1/(S1−a)=E2/(S2−a) 式(1)
式(1)をaについて整理すると、式(2)が得られる。
a=(E1×S2−E2×S1)/(E1−E2) 式(2)
図7(a)に示すように、トラッキングエラー信号の振幅をE1およびE2とする。また、図7(b)に示すように、トラッキングサム信号の振幅をS1、S2とし、光ディスク101からの迷光により、フォーカスサム信号に発生するオフセットをaとする。この場合、トラッキングエラー信号とオフセットが調整されたトラッキングサム信号についても式(1)の関係が成り立つ。このため、トラッキングサム信号に重畳しているオフセットaも式(2)によって求められる。
したがって、光ディスク101上の少なくとも異なる2点において、フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号ならびにトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号を取得し、それぞれの振幅の大きさを求めることによって、式(2)からオフセットaの値をそれぞれ求めることができる。
求めたaをオフセット調整部251および252において設定することによって、オフセット調整部251および252からオフセットaが調整されたフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号が得られ、迷光が生じている場合でも一定の振幅を有するフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が自動利得部229および230から得ることができる。
フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号ならびにトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号の振幅を測定するためには、たとえば図3に示すように、減算器225、加算器226、減算器227および加算器228の出力を端子225OUT、226OUT、227OUTおよび228OUTから取得する。あるいは、オフセット調整部251および252において、端子251INおよび252INから基準電位(GND)を印加し、自動利得制御部229および230に入力されるフォーカスエラー信号、フォーカスサム信号、トラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号を用いてもよい。基準電位と比較されるため、オフセット調整部251および252から出力されるフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号はオフセットが調整されていない。また、このような条件下において自動利得制御部229および230から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を用いてもよい。
このようにして得られた信号をたとえばA/D変換器によってデジタル信号に変換し、コントローラ171を用いて、振幅E1、E2、S1およびS2を求め、式(2)の演算を行うことによってオフセットaを求めることができる。求めたオフセットaをD/A変換器でアナログ信号に変換し、端子251INおよび252INに求めたオフセットaを印加することにより、オフセット調整部251および252からオフセットaが調整されたフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号が得られる。
次に、本実施形態における光ディスク装置の制御方法の一例を図1、図3、および図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下において説明する光ディスク装置の制御方法は、制御方法の各手順を実行するためのコンピュータに読み取り可能なプログラム(ファームウェア)としてEEPROMやRAMなどの情報記録媒体等に格納される。コンピュータおよび情報記録媒体はコントローラ171およびメモリ172であってもよいし、本実施形態の光ディスク装置に別途設けられていてもよい。
光ディスク装置に光ディスク101が装填されると制御が開始される(ステップS101)。コントローラ171は、光ピックアップ160から出射する光ビームが光ディスク101上の第1の位置を照射するようにフィードモータ161を駆動する。アクチュエータ106を駆動して対物レンズ105の位置をフォーカス方向に移動させながら、第1の位置において光ビームを光ディスク101に向けて照射する。光検出器213を用いて反射光および迷光を検出し、自動利得制御部329および330から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅E’1とフォーカスサム信号の振幅S1とを求める。求めた振幅E’1とS1とをメモリ172に記憶する(ステップS102)。なお、このとき、オフセット調整部251および252においてオフセットがゼロとなるよう端子251INおよび252INには基準電位(GND)が印加されている。
次に、光ピックアップ160から出射する光ビームが光ディスク101上の第2の位置を照射するようにフィードモータ161を駆動する。アクチュエータ106を駆動して対物レンズ105の位置をフォーカス方向に移動させながら、第2の位置において光ビームを光ディスク101に向けて照射する。光検出器213を用いて反射光および迷光を検出し、自動利得制御部329および330から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅E’2とフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号の振幅S2とを求める。(ステップS103)。
次に、振幅E’1とE’2とを比較する(ステップS104)。振幅E’1とE’2とが等しいか振幅E’1とE’2との差が所定の値以下である場合には迷光によるオフセットの影響は小さく、測定した2点におけるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅はほぼ等しい。しがたって、オフセットを補正する必要はなく、処理を終了する(ステップS108)。
振幅E’1とE’2とが異なっており、その差が所定の値より大きい場合、迷光によるオフセットの影響が生じており、オフセットを相殺する必要がる。このため、第2の位置における振幅E’2およびS2を記憶し(ステップS105)、記憶しているE’1、E’2、S1およびS2から式(2)に従って、フォーカスサム信号およびトラッキングサム信号におけるオフセットaを求める(ステップS106)。なお、振幅E’1およびE’2はE’1=E1/S1およびE’2=E2/Sの関係を満たしている。これらの関係を用いることにより、E1およびE2を用いなくても算出が可能である。
その後、算出したオフセットaを端子251INおよび252INに設定する(ステップS107)。このようにして設定したオフセットaはオフセット調整部251および252においてフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号からそれぞれ減算され、オフセットが相殺される。このため、自動利得制御部229および230から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号は常に一定の振幅を有する。その結果、フォーカス制御およびトラッキング制御の安定度が高まり、外的要因によって制御が不安定になることが抑制される。
なお、本実施形態では、第1および第2の位置において計測したフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅からオフセットaを求めているが、計測位置は3箇所以上であってもよい。この場合、迷光の光量が光ディスク101のどの位置においても同じであり、オフセットaが一定であると考えられる場合には、複数の計測位置から選ばれる任意の2つの位置における計測値を用いてオフセットaを複数個求め、求めたオフセットaを平均すればよい。複数の計測位置において計測を行うことによってより正確なオフセットaを求めることができる。
また、迷光の光量が光ディスク101における位置によって変化するため、オフセットaが光ディスク101内において異なる場合、オフセットaが一定とみなせる領域内において上述した第1および第2の位置を設定することが好ましい。光ディスク101において、こうした領域を複数設け、各領域において第1および第2の位置を設定してオフセットaを求めることにより、光ディスク101の半径位置によって複屈折量が異なっている場合でも、オフセットaの影響を正しく相殺し、一定の振幅を有するフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を生成することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明による光ディスク装置の第2の実施形態を説明する。図9は、第2の実施形態の光ディスク装置における誤差信号生成部310Aおよび310Bの構成を示すブロック図である。図9に示す光検出器313は第1の実施形態の光検出器212と同じ構造を備えている。サーボ制御部317はフォーカス制御部331およびトラッキング制御部332を備え、第1の実施形態のサーボ制御部217と同様の機能を備えている。
誤差信号生成部310Aおよび310Bは、加算器321、322、323および324を備えている。第1の実施形態と同様、加算器321は、検出部Aおよび検出部Cから得られる検出信号を加算し、信号F1を得る。また、加算器322は検出部Bおよび検出部Dから得られる検出信号を加算し、信号F2を得る。加算器323は、検出部Aおよび検出部Dから得られる検出信号を加算し、信号T1を得る。加算器324は、検出部Bおよび検出部Cから得られる検出信号を加算し、信号T2を得る。
以下において詳細に説明するように、本実施形態では、迷光が光検出器313に不均等に入射する場合に好適に用いられる。迷光が光検出器313に不均等に入射するため、信号F1と信号F2との差あるいは信号T1とT2との差を求めても、これらの差信号において迷光によるオフセットは相殺されない。
このために、誤差信号生成部310Aおよび310Bは、信号F1、F2、T1およびT2に重畳しているオフセットを調整するためのオフセット調整部361、362、363および364を備えている。オフセット調整部361、362、363および364は、たとえば、オフセットを印加するための端子361IN、362IN、363INおよび364INをそれぞれ有する減算器である。
オフセット調整部361、362、363および364はそれぞれ加算器321、322、323および324の出力を受け取って、オフセットが調整された信号F1、F2、T1およびT2を出力する。信号F1およびF2は減算器325および加算器326によって演算され、フォーカスエラー(FE)信号およびフォーカスサム(FS)信号が生成される。また、信号T1およびT2は減算器327および加算器328によって演算され、トラッキングエラー(TE)信号およびトラッキングサム(FS)信号が生成される。これらの信号は第1の実施形態と同様、自動利得制御部329および330へ入力される。
図10は、本実施形態の光ディスク装置において、光検出器313へ入射する光を模式的に示している。図10に示すように、光検出器313に光ディスクのトラックに向けて集光した光の反射光153が入射する。また、光検出器313には、光ディスク101の基材における複屈折によって生じた光や光ディスク101が複数の記録層を備えている場合において、記録あるいは再生を行っていない層において生じた反射光などの迷光154が入射する。本実施形態では、図10に示すように反射光は光検出器313に均等に入射するが、迷光154は光検出器113に不均等に入射する。本実施形態は、このような場合に特に効果的にトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号などのレンズ位置誤差信号の振幅を安定させることができる。
図11(a)および(b)は、アクチュエータ106によって、対物レンズ105と光ディスク101との距離が変化するように対物レンズを駆動した場合に得られるフォーカスエラー信号(SFE3、SFE3)とフォーカスサム信号(SFS3、SFS3)とを示している。それぞれの図において左側の波形SFE3およびSFS3は、反射光153の光量が、迷光154の光量に比べて大きい場合を示し、右側の波形SFE3およびSFS3は、反射光153の光量が、迷光154の光量に比べて小さい場合を示している。
図11(a)に示すように、反射光153の光量と迷光154の光量との割合に関わらず、フォーカスエラー信号の波形(SFE3、SFE3)は、基準電位(GND)に対してオフセットcが重畳している。前述したように迷光が光検出器313に不均等に入射するため、差信号を求めても迷光は相殺されないからである。
同様に、図11(b)に示すように、フォーカスサム信号の波形(SFS3、SFS3)も、反射光153の光量と迷光154の光量との割合に関わらず、迷光の影響によって一定のオフセット電圧aがそれぞれの波形に重畳している。
図11(c)は、反射光153の光量が、迷光154の光量に比べて大きい場合(左側)および小さい場合(右側)において、フォーカスエラー信号をフォーカスサム信号で除算した結果を示している。
図11(c)から明らかなように、波形S’FE3と波形S’FE3とでは、振幅の大きさが変化している。つまり、自動利得制御部から得られるフォーカスエラー信号は一定の振幅を有さなくなる。図11(c)では、反射光151の光量が迷光152の光量に比べて小さい場合に、自動利得制御部から得られるフォーカスエラー信号の振幅が小さくなっている。
図12(a)、(b)および(c)は、フォーカス制御を行わない状態で、光ピックアップ160を光ディスク101の半径方向に移動させた場合に得られるトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号(STE3、STE4)とフォーカスサム信号(STS3、STS4)とを示している。それぞれの図において左側の波形STE3およびSTS3は、反射光153の光量が、迷光152の光量に比べて大きい場合を示し、右側の波形STE4およびSTS4は、反射光151の光量が、迷光154の光量に比べて小さい場合を示している。
フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号の場合と同様、トラッキングエラー信号の波形(STE3、STE4)には、基準電位(GND)に対してオフセットcが重畳している。また、トラッキングサム信号の波形(STS3、STS4)には、迷光の影響によって一定のオフセット電圧aがそれぞれ重畳している。
図12(c)は、反射光153の光量が、迷光154の光量に比べて大きい場合(左側)および小さい場合(右側)において、トラッキングエラー信号をトラッキングサム信号で除算した結果を示している。フォーカスエラー信号の場合と同様、トラッキングエラー信号をトラッキングサム信号で除算した結果、つまり、自動利得制御部から得られるトラッキングエラー信号は一定の振幅を有さなくなる。図12(c)では、反射光153の光量が迷光154の光量に比べて小さい場合に、自動利得制御部から得られるトラッキングエラー信号の振幅が小さくなっている。
本実施形態では、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に重畳するオフセットcおよびフォーカスサム信号およびトラッキングサム信号に重畳するオフセットaを相殺するために、オフセット調整部361、362、363および364によって信号F1、F2、T1およびT2に重畳しているオフセットを相殺する。以下、オフセット調整部361、362、363および364における設定について説明する。
図11(a)に示すように、フォーカスエラー信号の振幅をE3、E4とし、それぞれの振幅の基準電位(GND)より+側の振幅成分をE3p、E4pとし、−側の振幅成分をE3n、E4nとする。また、フォーカスサム信号の振幅をS3、S4とする。光ディスク101からの迷光によって、フォーカスエラー信号、フォーカスサム信号、信号F1、信号F2に発生するオフセットをそれぞれc、a、e、fとする。
フォーカスエラー信号は信号F1と信号F2との差であり、フォーカスサム信号は信号F1と信号F2との和であるから、それぞれのオフセットには以下の式(3)(4)の関係が成り立つ。
a=e+f 式(3)
c=e−f 式(4)
オフセットが調整されたフォーカスサム信号を用いた場合、フォーカスエラー信号をオフセットが調整されたフォーカスサム信号で除算した値は、一定となる。このため、上記式(2)と同様、式(5)の関係が成り立つ。
a=(E3×S4−E4×S3)/(E3−E4) 式(5)
フォーカスエラー信号に発生するオフセットcをキャンセルすれば、SFE3とSFE4の対称性は等しくなるため、以下の式(6)の関係を満たす。
{(E3p−c)−(E3n+c)}/E3=
{(E4p−c)−(E4n+c)}/E4 式(6)
式(6)をcについて整理すると以下の式(7)が得られる。
c={E3×(E4p−E4n)−E4×(E3p−E3n)}/
{2×(E3−E4)} 式(7)
式(4)、(5)、(7)を満たすeとfとは以下の式(8)、(9)で示される。
e={E3×(2×S4+E4p−E4n)−E4×(2×S3+E3p−E3n)}/{4×(E3−E4)} 式(8)
f={E3×(2×S4−E4p+E4n)−E4×(2×S3−E3p+E3n)}/{4×(E3−E4)} 式(9)
同様に、図12(a)および(b)に示すようにトラッキングエラー信号の振幅をE3、E4とし、それぞれの振幅の基準電位(GND)より+側の振幅成分をE3p、E4pとし、−側の振幅成分をE3n、E4nとする。また、トラッキングサム信号の振幅をS3、S4とする。光ディスク101からの迷光によって、トラッキングエラー信号、トラッキングサム信号、信号T1、信号T2に発生するオフセットをそれぞれc、a、e、fとする。この場合、オフセットeおよびfも式(8)および(9)によって求められる。
したがって、光ディスク101上の少なくとも異なる2点において、フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号ならびにトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号を取得し、それぞれの振幅の大きさを求めることによって、式(8)、(9)からオフセットe、f値をそれぞれ求めることができる。
求めたeをオフセット調整部361および363に設定し、求めたfをオフセット調整部362および364に設定することによって、信号F1、F2、T1およびT2に重畳しているオフセットが相殺される。このため、信号F1およびF2から得られる差信号であるフォーカスエラー信号および和信号であるフォーカスサム信号におけるオフセットが調整される。また、信号T1およびT2から得られる差信号であるトラッキングエラー信号および和信号であるトラッキングサム信号におけるオフセットが調整される。したがって、迷光が生じている場合でも一定の振幅を有するフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が自動利得部229および230から得ることができる。
フォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号ならびにトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号の振幅を測定するためには、たとえば図9に示すように、減算器325、加算器326、減算器327および加算器328の出力を端子325OUT、326OUT、327OUTおよび328OUTから取得する。また、オフセットe、fはオフセット調整部のそれぞれの端子361IN、362IN、363INおよび364INに印加する。
次に、本実施形態における光ディスク装置の制御方法の一例を図1、図9、および図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下の手順は光ディスク101が1つの記録層のみを含む場合に好適に用いられる。
光ディスク装置に光ディスク101が装填されると制御が開始される(ステップS121)。コントローラ171は、光ピックアップ160から出射する光ビームが光ディスク101上の第1の位置を照射するようにフィードモータ161を駆動する。アクチュエータ106を駆動して対物レンズ105の位置をフォーカス方向に移動させながら、第1の位置において光ビームを光ディスク101に向けて照射する。光検出器313を用いて反射光および迷光を検出し、自動利得制御部329および330から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅E’3p、E’3nとフォーカスサム信号の振幅S3とを求める。求めた振幅E’3p、E’3nとS1とをメモリ172に記憶する(ステップS112)。なお、このとき、オフセット調整部361、362、363および364においてオフセットがゼロとなるよう端子361IN〜364INには基準電位(GND)が印加されている。
次に、光ピックアップ160から出射する光ビームが光ディスク101上の第2の位置を照射するようにフィードモータ161を駆動する。アクチュエータ106を駆動して対物レンズ105の位置をフォーカス方向に移動させながら、第2の位置において光ビームを光ディスク101に向けて照射する。光検出器213を用いて反射光および迷光を検出し、自動利得制御部329および330から出力されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅E’3p、E’3nとフォーカスサム信号の振幅S3とをそれぞれ求める(ステップS113)。
次に、振幅E’3pとE’4pおよびにE’3nとE’4nをそれぞれ比較する(ステップS114)。振幅E’3pとE’4pおよびE’3nとE’4nが等しいかこれらの差が所定の値以下である場合には迷光によるオフセットの影響は小さく、測定した2点におけるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅はほぼ等しい。したがって、オフセットを補正する必要はなく、処理を終了する(ステップS118)。
振幅E’3pとE’4pあるいはE’3nとE’4nとが異なっており、その差が所定の値より大きい場合、迷光によるオフセットの影響が生じており、オフセットを相殺する必要がある。このため、第2の位置における振幅E’4p、E’4nおよびS4を記憶し(ステップS115)、記憶している振幅E’3p、E’3n、S3、および振幅E’4p、E’4n、S4から式(8)、(9)に従って、オフセットe、fを求める(ステップS116)。なお、振幅E’3pおよびE’3nは、E’3p=E3p/S3およびE’3n=E3n/S3の関係を満たす。また、E’4pおよびE’4nは、E’4p=E4p/S4およびE’4n=E4n/S4の関係を満たす。したがってこれらの関係を用いることによって、E3p等を求めなくても式(8)および(9)の演算が可能である。
その後、算出したフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に関するオフセットeをオフセット調整部の端子361INおよび363INにそれぞれ印加する。また、および364INに設定する。また、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に関するオフセットfをオフセット調整部の端子362INおよび364INにそれぞれ設定する(ステップS117)。このようにして設定したオフセットe、fにより、オフセット調整部361〜364は信号F1およびF2に重畳しているオフセットならびに信号T1およびT2に重畳しているオフセットを相殺する。このため、信号F1およびF2から得られるフォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号においてはオフセットが調整されている。また、信号T1およびT2から得られるトラッキングエラー信号およびトラッキングサム信号においてオフセットが調整されている。
したがって、自動利得制御部229および230から出力されるフーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号は常に一定の振幅を有する。その結果、フォーカス制御およびトラッキング制御の安定度が高まり、外的要因によって制御が不安定になることが抑制される。
次に、光ディスク101が2つの記録層を含む場合における、本実施形態による光ディスク装置の制御方法を説明する。図14は光ディスク101の断面構造を模式的に示している。光ディスク101は、第1の記録層101aと第2の記録層101bとを含んでいる。第1の記録層101aおよび第2の記録層101bにおいて、ハッチングされた領域は、記録済みのデータ領域であることを示し、ハッチングされていない領域は、データが記録されていない未記録領域であることを示している。したがって、データが記録されているかどうかによって、光ディスク101は4つの領域に分類される。具体的には、領域Aでは、第1の記録層101aが記録済みであり、第2の記録層101bが未記録である。領域Bでは、第1の記録層101aおよび第2の記録層101bのいずれもが記録済みである。領域Cにおいては、第1の記録層101aが未記録であり、第2の記録層101bが記録済みである。また、領域Dにおいては、第1の記録層101aおよび第2の記録層101bのいずれもが未記録である。
このように光ディスクが複数の記録層を備えている場合、記録あるいは再生を行っていない他の層からの反射光が迷光として、フォーカスエラー信号やフォーカスサム信号などのオフセットに影響を与える。また、データが記録済みの領域と未記録の領域とでは、記録層の反射率が異なる。このため、記録状態によってオフセットの大きさも変化する。以下の制御方法によれば、このような複数の記録層を備える光ディスクに対して、迷光の影響を適切に抑制し、サーボ制御の安定性を高めることができる。
なお、光ディスクが複数の記録層を備えている場合、図11(a)および(b)に示すフォーカスエラー信号やフォーカスサム信号には記録層の数に応じたピークが観測される。たとえば、光ディスクが2つの記録層を含む場合、フォーカスエラー信号は2つの山と2つの谷が含まれ、フォーカスサム信号には2つの山が含まれる。しかし、記録あるいは再生を行う層に着目すれば、複数の記録層を含む光ディスクを1つの記録層のみを含む光ディスクと同様に扱うことができる。
以下、図15に示すフローチャートを参照しながら光ディスク101が2つの記録層を含む場合における光ディスク装置の制御方法を説明する。
まず、光ディスク装置に光ディスク101が装填されると制御が開始される(ステップS121)。コントローラ171は、光ピックアップ160から光ビームを出射させ、光ディスク101が未記録のディスクであるかどうかを判定する(ステップS122)。判定には、光ディスク101の最内周に設けられた情報管理領域のデータを読み取って判断を行ってもよいし、光ディスク101の各記録層のトラックを走査し、データが記録されているかどうかを判定してもよい。光ディスク101が未記録のディスクである場合には、記録や再生を行わない他の層からの迷光は変化しないと考えられるので制御を終了する(ステップS131)。
この際、迷光の光量が光ディスクの位置によって変化しないか全周に渡ってフォーカスエラー信号およびフォーカスサム信号の振幅を実際に測定してもよい。振幅変化が許容値以下であれば制御を終了する(ステップS131)。振幅変化が許容値よりも大きければ振幅の異なる少なくとも2つの位置において、図13に示すフローチャートの手順によってオフセットを検出してもよい。
光ディスク101が記録ディスクである場合には、どの領域にデータが記録されているかを検出し、記録領域かどうかの情報をアドレスあるいは光ディスク101の半径方向の位置と関連付けて記憶する(ステップS213)。
次に、図14に示すように、コントローラ171は、光ビームが領域Dを照射するようにフィードモータ161を駆動し、光ピックアップ160を移動させる。そして領域Dにおいて振幅E’3p、E’3nおよびS3を計測し、メモリ172に記憶する(ステップS124)。
次に、コントローラ171は、光ビームが領域Cを照射するようにフィードモータ161を駆動し、光ピックアップ160を移動させる。そして領域Cにおいて振幅E’4p、E’4nおよびS4を計測する(ステップS125)。
続いて図3に示すフローチャートのステップS114からS118を実行し、オフセットe1、f1を算出する。
その後、コントローラ171は、光ビームが領域Aを照射するようにフィードモータ161を駆動し、光ピックアップ160を移動させる。そして領域Aにおいて振幅E’3p、E’3nおよびS3を計測し、メモリ172に記憶する(ステップS124)。
次に、コントローラ171は、光ビームが領域Bを照射するようにフィードモータ161を駆動し、光ピックアップ160を移動させる。そして領域Bにおいて振幅E’3p、E’3nおよびS3を計測し、メモリ172に記憶する(ステップS124)。続いて図13に示すフローチャートのステップS114からS118を実行し、オフセットe2、f2を算出する。
このようにしてオフセットe1、f1、e2、f2を求めた後、光ディスク101を記録あるいは再生する場合に光ディスクの領域A〜Dに応じてオフセットe1、f1またはオフセットe2、f2を切り替えて、オフセット調整部の端子361INおよび363INにそれぞれ印加する(ステップS130)。具体的には、領域CおよびDにおいて第2の記録層101bに記録を行ったり第2の記録層101bに記録されたデータを再生する場合には、オフセットe1、f1を用いて信号F1、F2、T1、T2のオフセットを調整する。また、領域AおよびBにおいて第2の記録層101bに記録を行ったり第2の記録層101bに記録されたデータを再生する場合には、オフセットe2、f2を用いて信号F1、F2、T1、T2のオフセットを調整する。
このような制御を行うことによって、記録または再生を行っていない層からの迷光が変化せず、記録または再生を行っている層における反射率が変化する場合において、迷光の光量を検出して迷光によるオフセットを適切に相殺することができる。これにより、自動利得制御後のフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号の振幅が一定に保たれ、サーボ制御の安定性が高められる。
なお、領域Bと領域Cとの境界近傍において第2の記録層101bに記録を行ったり、第2の記録層101bに記録されたデータを再生する場合には、求めたオフセットe1とe2との間の値およびf1とf2との間の値、たとえばそれぞれ平均値を用いて、信号F1、F2、T1、T2のオフセットを調整してもよい。
また、第1の記録層101aが記録領域であるか否かにより迷光量に大きな変化がない場合にはe1とe2の平均値およびf1とf2の平均値を用いて信号F1、F2、T1、T2のオフセットを調整してもよい。
上記第1および第2の実施形態では、誤差信号生成部は電気回路で構成されているが、光検出器各検出部の出力をA/D変換器で変換した後、加算器、減算器、除算器などの機能と同様の演算処理をソフトウエアによって実行してもよい。
また、第1の実施形態において説明したように第2の実施形態においても、3以上の位置において測定を行い、測定誤差を低減させてもよい。
また、光ディスクの反り(チルト、スキュー)によっても、光ディスクからの迷光成分は変化する。このため、本実施形態の光ディスク装置は、光ディスクのチルトを検出する検出部を備えていてもよい。この場合、検出したチルトを打ち消すために、光ピックアップ全体を傾けたり、対物レンズを傾けたりするチルト機構を備えていることが好ましい。たとえば、光ディスクの半径位置によってチルトが変化する場合は、チルト機構を備えていることにより、本発明の光ディスク装置において、より精度良く自動利得制御を行うことができる。
本発明は、種々の光ディスク装置に好適に用いることが可能であり、複数の記録層を有する光ディスクに対応した光ディスク装置にも好適に用いることができる。
本発明の光ディスク装置の第1の実施形態の構成を示す図である。 (a)および(b)は、図1の装置において、光検出部から出力される検出信号を処理する構成を示す図である。 図1に示す装置の誤差信号生成部の構成を示すブロック図である。 自動利得制御部の構成を示すブロック図である。 光検出器に入射する記録面からの反射光および光ディスクからの迷光との関係を説明する図である。 (a)、(b)および(c)は、第1の実施形態において光ディスクの記録面からの反射光量が変化する場合におけるフォーカスエラー信号、フォーカスサム信号および自動利得制御によるフォーカスエラー信号を示す図である。 (a)、(b)および(c)は、第1の実施形態において光ディスクの記録面からの反射光量が変化する場合におけるトラッキングエラー信号、トラッキングサム信号および自動利得制御によるトラッキングエラー信号を示す図である。 第1の実施形態による光ディスク装置の制御方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態における誤差信号生成部の構成を示すブロック図である。 光検出器に入射する記録面からの反射光および光ディスクからの迷光との関係を説明する図である。 (a)、(b)および(c)は、第2の実施形態において光ディスクの記録面からの反射光量が変化する場合におけるフォーカスエラー信号、フォーカスサム信号および自動利得制御によるフォーカスエラー信号を示す図である。 (a)、(b)および(c)は、第2の実施形態において光ディスクの記録面からの反射光量が変化する場合におけるトラッキングエラー信号、トラッキングサム信号および自動利得制御によるトラッキングエラー信号を示す図である。 第2の実施形態による光ディスク装置の制御方法を示すフローチャートである。 2つの記録層を備える光ディスクにおいて、データが記録された領域を説明する図である。 第2の実施形態による光ディスク装置の他の制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
101 光ディスク
102 コリメートレンズ
103 PBS
104 1/4波長板
105 対物レンズ
106 アクチュエータ
107 スピンドルモータ
111 レーザ
112 前光ディテクタ
113、213、313 フォトディテクタ
114 LPC部
116 RF検出部
117、217、317 サーボ制御部
121、122、123、124、126、128、221、222、223、224、226、228、321、322、323、324、326、328 加算器
125、127、225、227、325、327 減算器
129、130、229、230、329、330 自動利得制御部
131、231、331 フォーカス制御部
132、232、332 トラッキング制御部
141 除算器
142 利得調整部
151、153 光ディスクの記録面からの反射光
152、154 光ディスクからの迷光
251、252、361、362、363、364 オフセット調整部

Claims (20)

  1. 光ディスクを載置し、回転駆動する回転駆動部と、
    光源と、
    前記光源からの光を前記回転駆動部に載置された光ディスクに向けて集光する対物レンズと、
    前記光ディスクによる前記光の反射光を検出する少なくとも2つの検出部を有する光検出器と、
    前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる出力の差信号および和信号を求め、前記差信号および前記和信号のうち、少なくとも前記和信号のオフセットを調整した後、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、対物レンズの位置誤差信号を生成する誤差信号生成部と、
    を備えた光ディスク装置。
  2. 前記誤差信号生成部は、
    前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の差を求め、差信号を出力する減算器と、
    前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の和を求め、和信号を出力する加算器と、
    前記和信号のオフセットを調整するオフセット調整部と、
    前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算する除算器と、
    を含む請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記オフセット調整部は、少なくとも前記光ディスクの半径方向の異なる2つの位置において得られる誤差信号の振幅が等しくなるよう、前記和信号のオフセットを調整する請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE1およびS1とし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE2およびS2とするとき、
    a=(E1×S2−E2×S1)/(E1−E2)
    を満たす値aを前記和信号から調整する請求項3に記載の光ディスク装置。
  5. 前記誤差信号生成部は、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号に重畳しているオフセットを調整する請求項1に記載の光ディスク装置。
  6. 前記誤差信号生成部は、
    前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号のオフセットを調整する第1および第2のオフセット調整部と、
    前記オフセットが調整された信号の差を求め、差信号を出力する減算器と、
    前記オフセットが調整された信号の和を求め、和信号を出力する加算器と、
    前記差信号を前記和信号で除算する除算器と、
    を含む請求項5に記載の光ディスク装置。
  7. 前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE3およびS3とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE3pおよびE3nとし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE4およびS4とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE4pおよびE4nとしたとき、
    e={E3×(2×S4+E4p−E4n)−E4×(2×S3+E3p−E3n)}/{4×(E3−E4)}
    および
    f={E3×(2×S4−E4p+E4n)−E4×(2×S3−E3p+E3n)}/{4×(E3−E4)}
    を満たす値eおよびfを、前記第1および第2のオフセット調整部において、前記検出部から得られる信号から調整する請求項6に記載の光ディスク装置。
  8. 前記誤差信号がフォーカスエラー信号である請求項1に記載の光ディスク装置。
  9. 前記誤差信号がトラッキングエラー信号である請求項1に記載の光ディスク装置。
  10. 前記光ディスクが少なくとも2つの記録層を有する請求項1に記載の光ディスク装置。
  11. 光ディスクを載置し、回転駆動する回転駆動部と、光源と、光源からの光を前記回転駆動部に載置された光ディスクに向けて集光する対物レンズと、前記光ディスクによる前記光の反射光を検出する少なくとも2つの検出部を有する光検出器とを備えた光ディスク装置の制御方法であって、
    前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる出力の差信号および和信号を求め、前記差信号および前記和信号のうち、少なくとも前記和信号のオフセットを調整した後、前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、対物レンズの位置誤差信号を生成するステップを包含する、光ディスク装置の制御方法。
  12. 前記位置誤差信号を生成するステップは、
    前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の差を求め、差信号を生成するステップと、
    前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号の和を求め、和信号を生成するステップと、
    前記和信号のオフセットを調整するステップと、
    前記差信号を前記オフセットの調整された和信号で除算することにより、前記位置誤差信号を生成するステップと、
    を含む請求項11に記載の光ディスク装置の制御方法。
  13. 前記和信号のオフセットを調整するステップは、少なくとも前記光ディスクの半径方向の異なる2つの位置において得られる誤差信号の振幅が等しくなるよう、前記和信号のオフセットを調整する請求項12に記載の光ディスク装置の制御方法。
  14. 前記和信号のオフセットを調整するステップは、
    前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE1およびS1とし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE2およびS2とするとき、
    a=(E1×S2−E2×S1)/(E1−E2)
    を満たす値aを前記和信号から調整する請求項13に記載の光ディスク装置の制御方法。
  15. 前記位置誤差信号を生成するステップは、前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号に重畳しているオフセットを調整する請求項11に記載の光ディスク装置の制御方法。
  16. 前記位置誤差信号を生成するステップは、
    前記光検出器の2つの検出部からそれぞれ得られる信号のオフセットを調整するステップと、
    前記オフセットが調整された信号の差を求め、差信号を生成するステップと、
    前記オフセットが調整された信号の和を求め、和信号を生成するステップと、
    前記差信号を前記和信号で除算することにより、前記位置誤差信号を生成するステップと、
    を含む請求項15に記載の光ディスク装置の制御方法。
  17. 前記オフセットを調整するステップは、
    前記光ディスクの第1の位置における前記差信号および和信号の振幅をE3およびS3とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE3pおよびE3nとし、前記光ディスクの第2の位置における前記差信号および和信号の振幅をE4およびS4とし、前記差信号の振幅E3の正側および負側の成分をE4pおよびE4nとしたとき、
    e={E3×(2×S4+E4p−E4n)−E4×(2×S3+E3p−E3n)}/{4×(E3−E4)}
    および
    f={E3×(2×S4−E4p+E4n)−E4×(2×S3−E3p+E3n)}/{4×(E3−E4)}
    を満たす値eおよびfを前記検出部から得られる信号から調整する請求項16に記載の光ディスク装置の制御方法。
  18. 前記誤差信号がフォーカスエラー信号である請求項11に記載の光ディスク装置の制御方法。
  19. 前記誤差信号がトラッキングエラー信号である請求項11に記載の光ディスク装置の制御方法。
  20. 前記光ディスクが少なくとも2つの記録層を有する請求項11に記載の光ディスク装置の制御方法。
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