JPWO2006095747A1 - 理論株価算出装置、理論株価算出方法及び理論株価算出プログラム - Google Patents

理論株価算出装置、理論株価算出方法及び理論株価算出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】知的資産関連指標を含む企業評価指標を用いて企業を総合的に評価した結果に基づいて客観的な理論株価を自動的に算出する理論株価算出装置等を提供する。
【解決手段】先ず知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得し(S1)、当該企業評価指標関連データを用いて因子分析や重回帰分析を行い、この結果に基づいて、税引後事業利益理論値を算出する(S13)。次に、投下資本コストを算出し(S15)、税引後事業利益理論値から当該投下資本コストを控除して経済的利益理論値を算出する(S17)。次いで、割引率を算出し(S19)、経済的利益理論値を当該割引率で除して理論市場付加価値を算出する(S21)。さらに、企業の自己資本を算出し(S23)、理論市場付加価値と加算して推定時価総額を算出する(S25)。最後に、算出された推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する(S27)。

Description

本発明は、企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出する理論株価算出装置、理論株価算出方法、及び理論株価算出プログラムに関する。
市場株価は、株式市場における投資家の売買によって決定される。投資家は、通常、株価に織り込まれた期待を推定することにより、今後ある銘柄の株価が上昇すると判断すれば、その銘柄を購入し、逆に、株価が下落すると判断すれば、その銘柄を売却する。そして、期待を形成するにあたり、投資対象となる企業の株式市場における現在株価が割高なのか、割安なのかを判定する指標として理論株価を利用しようとする要求が高まっている。理論株価とは、企業の将来的な期待収益を仮定し、この期待収益を株主資本コストで割り引いて算出した現在価値の総計を推定時価総額としたうえで、これを発行済み株式総数で除して得られる値のことである。
従って、理論株価を算出するためには、企業の価値を正確に評価することが重要となる。この場合、例えば、投資関連業界においては、企業価値を評価する基準として1株当たり利益(EPS)に注視することが多い。また、その判断材料として、四半期ごとの利益や、1株当たり利益の伸び率、及び株価純資産倍率(PBR)等に注目することが多い。そして、この点に着目して、一株当たり利益(EPS)の動向から理論株価を算出する方法(例えば、非特許文献1参照)が提案されている。
また、株式市場においては、長期的な収益の動向に基づいて企業評価が行われており、そのような企業評価によって推定される期待に基づいて株価の決定がなされている。この点に着目して、企業の現在の利益水準に基づいて算出される利益価値と、今後の利益成長の期待水準に基づいて算出される成長性プレミアムとから構成される企業価値の動向から理論株価を算出する方法(例えば、非特許文献2参照)が提案されている。
三上 直行 「週刊東洋経済」東洋経済新報社、2004年3月13日、p.88−94 「週刊ダイヤモンド」ダイヤモンド社、2003年8月2日、p.37−53
上記非特許文献1に係る方法は、直近本決算期末の1株当たり純資産(BPS)を現在価値とし、各期における期待超過利益を割り引いた現在価値の総計を将来価値として、これら2つの指標の動向から理論株価を算出する方法である。ここで、期待超過利益とは、各期の予想1株当たり利益(EPS)から、株主が企業に最低限要求する利益額を控除した値のことである。株主が企業に最低限要求する利益額については、各期の期初1株当たり純資産(BPS)に株主資本コストを掛けて算出する。
他方、非特許文献2に係る方法は、税引後営業利益の将来的な期待収益を資本コストで割り引いた現在価値の総計を利益価値とし、有利子負債と時価総額との合計からなる企業価値から前記利益価値を控除したものを成長性プレミアムとして、これら2つの指標の動向から理論株価を算出する方法である。
しかしながら、現在では、企業の収益や企業価値は、技術や研究開発、及びブランドといったオフバランスの無形資産に大きく左右されながらその決定がなされている。にもかかわらず、上記非特許文献1及び2いずれの方法においても、企業の財務諸表から得られる項目のみを変数として理論株価の算出を行っており、企業活動を行う上で今後益々重要となる特許等知的資産の企業の将来収益への影響等については考慮していない。その結果、上記非特許文献1及び2に係る方法では、財務諸表等に表れるオンバランスの資産を評価しつつ、特許等の知的資産に代表されるオフバランスの無形資産の価値まで適正に評価したうえで、企業の将来的な期待収益を算出することまでは出来なかった。従って、算出された理論株価についても、企業価値を適正に評価したものとはいえず、市場株価の割高、割安を判定する際の基準としての指標にはなり難かった。
その結果、投資家等は、現状入手可能な財務諸表に基づき算出される短期利益指標や、直近の偶発的な事件や出来事のみを手がかりとして企業評価を行い株式の売買を行わざるを得ず、他方、株式市場の圧力に対峙している企業の経営者も、短期利益指標に偏重した株価をなすすべなく放置するか、あるいは、短期利益指標を最重要視するあまり、長い年月をかけて蓄積してきた技術や人材の安易なリストラによって企業価値を破壊するか、いずれかの選択を迫られる、という問題点があった。
また、ある企業が仮に極めて競争力の高い技術・ノウハウなどの知的資産を保有しながらも、その価値が全く株価に反映されない状態が続けば、株式交換による企業買収の完全解禁後には、そのような企業は格好の買収対象とされてしまう危険性がある。従って、今日の企業経営者にとっては、株価対策にもとづいて企業価値の増大を図ることは経営戦略上の必須の課題ともなっている。この点からも、株式市場における自身の企業の現在株価が割高なのか、割安なのかを判定し得る情報が求められており、理論株価をその判断指標として用いようとする要求が高まっていた。
そこで、本発明は、オフバランスの無形資産を代表する特許等知的資産から得られる指標を使用するとともに、企業の経営財務に関する情報から得られるデータをも加味して、各々の企業が事業戦略、研究開発戦略、及び知的財産戦略の三位一体による経営戦略をいかに構築・運用して企業価値の増大を図っているのかを総合的に評価し、かつ、その評価結果に基づいて将来的な期待収益を適正に算定したうえで理論株価を自動的に算出することのできる、理論株価算出装置、理論株価算出方法、及び理論株価算出プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、次の構成を備えている。なお、何れかの請求項に係る発明の説明にあたって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項に係る発明にも適用があるものとする。
(請求項1に記載した発明の特徴)
請求項1に記載した発明に係る理論株価算出装置は、企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出する装置であって、知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の期待収益を算出する期待収益算出手段と、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値を導出するための割引率を算出する割引率算出手段と、前記期待収益を前記割引率で除して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出手段と、前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1の理論株価算出装置は、企業の期待収益を算定するにあたって、オンバランス(貸借対照表上)の経営財務に関する情報のみならず、特許等知的資産に基づくオフバランスの無形資産に関する情報をも用いて企業の総合的な価値評価を行っている。このため、企業が本来有する資産価値とは無関係な市場動向等の恣意による現実株価の歪みを極力排除したうえで企業の将来的な収益力を把握することができる。その結果、企業の実体により即した理論株価を算定することが可能となる。
(請求項2に記載した発明の特徴)
請求項2に係る理論株価算出装置は、企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出する装置であって、知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の税引後事業利益理論値を算出する税引後事業利益理論値算出手段と、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の投下資本コストを算出する投下資本コスト算出手段と、前記税引後事業利益理論値から前記投下資本コストを控除して経済的利益理論値を算出する経済的利益理論値算出手段と、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値を導出するための割引率を算出する割引率算出手段と、前記経済的利益理論値を前記割引率で除して理論市場付加価値を算出する理論市場付加価値算出手段と、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の自己資本を算出する自己資本算出手段と、前記理論市場付加価値と前記自己資本とを加算して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出手段と、前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2の理論株価算出装置によれば、事業によって生み出された経済的利益の理論値を総体として把握することができる。また、当該理論株価算出装置を用いることによって、オンバランス(貸借対照表上)の投下資本が生み出した超過利益を把握でき、これを将来の期待収益に代用してその現在価値を求めることにより、特許等知的資産に基づくオフバランスの無形資産から得られる期待収益についての現在価値の総額を推定することができる。
(請求項3に記載した発明の特徴)
請求項3に係る理論株価算出装置は、請求項2の理論株価算出装置であって、前記税引後事業利益理論値算出手段として、複数の企業の前記企業評価指標に関するデータを用いて因子分析を行い、因子を抽出し、当該因子に基づき前記企業評価指標を集約する因子分析手段と、前記因子分析手段により抽出された因子と、複数の企業の知的資産関連収益等の諸収益を表す収益関連指標と、を用いて重回帰分析を行い、これらの間の相関関係を示す回帰直線を導出する重回帰分析手段と、前記回帰直線に基づいて、理論株価算出対象企業の収益関連指標の理論値を算出し、当該理論値から総事業利益理論値を算出する総事業利益理論値算出手段と、前記総事業利益理論値から研究開発費の簿価を控除して営業利益理論値を算出する営業利益理論値算出手段と、前記営業利益理論値から法人税を控除して税引後営業利益理論値を算出する税引後営業利益理論値算出手段と、前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて研究開発費のみなし資産額を算出する研究開発費みなし資産額算出手段と、前記税引後営業利益理論値に前記研究開発費みなし資産額を加算して税引後事業利益理論値を算出する研究開発費みなし資産額加算手段と、を備えることを特徴とする。
請求項3の理論株価算出装置によれば、請求項2の理論株価算出装置の作用効果に加え、特許等知的資産の収益等経営成果に対する寄与の度合いを測定したうえで税引後事業利益の理論値を算出しているため、各企業が潜在的競争力をいかに戦略的に活用し、かつ、その潜在的競争力をいかに顕在的競争力や収益力の向上につなげているのかを把握することができる。
(請求項4に記載した発明の特徴)
請求項4に係る理論株価算出装置は、請求項3の理論株価算出装置であって、前記研究開発費みなし資産額算出手段として、研究開発投入金額データを取得する研究開発投入金額データ取得手段と、前記研究開発投入金額のうち損失部分を償却費用として算出する償却費用算出手段と、前記研究開発投入金額から前記償却費用を控除した償却後研究開発費を算出する償却費用控除手段と、を備えることを特徴とする。
請求項4の理論株価算出装置によれば、請求項3の理論株価算出装置の作用効果に加え、研究開発投入金額のうち、損失部分を償却費用として計上し、製品や設備等に化体して収益に寄与した分の金額のみを税引後営業利益理論値に足し戻すため、企業が事業活動によって獲得し得る利益の実体をより正確に把握することができる。
(請求項5に記載した発明の特徴)
請求項5に係る理論株価算出装置は、請求項4の理論株価算出装置であって、前記償却費用算出手段として、各企業の研究開発投入が知的資産を産出する割合を示す知的資産生産性と、前記知的資産の活用によりもたらされる成果の度合いを示す知的資産収益性とを測定して各企業別に償却費用を算出するマクロ的な企業評価に基づく算出手段、及び/又は、各企業の特許等知的資産の競争力を指数化し、当該特許等知的資産別に償却費用を算出する特許等知的資産価値評価に基づく算出手段、を備えることを特徴とする。
請求項5の理論株価算出装置によれば、請求項4の理論株価算出装置の作用効果に加え、研究開発投入がどのような知的資産を生み出し、その資産がいかなる成果につながっているのかを測定したうえで研究開発投入の償却費用を算出することができる。また、同時に、企業内で生み出された技術やノウハウが、他社との競争上の優位を確保するための源泉としての実効性をどの程度有しているかを明らかにしたうえで、研究開発投入の償却費用を算出することもできる。
(請求項6に記載した発明の特徴)
請求項6に係る理論株価算出方法は、企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出する方法であって、知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得ステップと、前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の期待収益を算出する期待収益算出ステップと、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値を導出するための割引率を算出する割引率算出ステップと、前記期待収益を前記割引率で除して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出ステップと、前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出ステップと、を備えることを特徴とする。
請求項6の理論株価算出方法は、企業の期待収益を算定するにあたって、オンバランス(貸借対照表上)の経営財務に関する情報のみならず、特許等知的資産に基づくオフバランスの無形資産に関する情報をも用いて企業の総合的な価値評価を行っている。このため、企業が本来有する資産価値とは無関係な市場動向等の恣意による現実株価の歪みを極力排除したうえで企業の将来的な収益力を把握することができる。その結果、企業の実体により即した理論株価を算定することが可能となる。
(請求項7に記載した発明の特徴)
請求項7に係る理論株価算出方法は、企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出する方法であって、知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得ステップと、前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の税引後事業利益理論値を算出する税引後事業利益理論値算出ステップと、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の投下資本コストを算出する投下資本コスト算出ステップと、前記税引後事業利益理論値から前記投下資本コストを控除して経済的利益理論値を算出する経済的利益理論値算出ステップと、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値を導出するための割引率を算出する割引率算出ステップと、前記経済的利益理論値を前記割引率で除して理論市場付加価値を算出する理論市場付加価値算出ステップと、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の自己資本を算出する自己資本算出ステップと、前記理論市場付加価値と前記自己資本とを加算して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出ステップと、前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出ステップと、を備えることを特徴とする。
請求項7の理論株価算出方法によれば、事業によって生み出された経済的利益の理論値を総体として把握することができる。また、当該理論株価算出方法を用いることによって、オンバランス(貸借対照表上)の投下資本が生み出した超過利益を把握でき、これを将来の期待収益に代用してその現在価値を求めることにより、特許等知的資産に基づくオフバランスの無形資産から得られる期待収益についての現在価値の総額を推定することができる。
(請求項8に記載した発明の特徴)
請求項8に係る理論株価算出方法は、請求項7の理論株価算出方法であって、前記税引後事業利益理論値算出ステップとして、複数の企業の企業評価指標に関するデータを用いて因子分析を行い、因子を抽出し、当該因子に基づき前記企業評価指標を集約する因子分析工程と、前記因子分析工程により抽出された因子と、複数の企業の知的資産関連収益等の諸収益を表す収益関連指標と、を用いて重回帰分析を行い、これらの間の相関関係を示す回帰直線を導出する重回帰分析工程と、前記回帰直線に基づいて、理論株価算出対象企業の収益関連指標の理論値を算出し、当該理論値から総事業利益理論値を算出する総事業利益理論値算出工程と、前記総事業利益理論値から研究開発費の簿価を控除して営業利益理論値を算出する営業利益理論値算出工程と、前記営業利益理論値から法人税を控除して税引後営業利益理論値を算出する税引後営業利益理論値算出工程と、前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて研究開発費のみなし資産額を算出する研究開発費みなし資産額算出工程と、前記税引後営業利益理論値に前記研究開発費みなし資産額を加算して税引後事業利益理論値を算出する研究開発費みなし資産額加算工程と、を備えることを特徴とする。
請求項8の理論株価算出方法によれば、請求項7の理論株価算出方法の作用効果に加え、特許等知的資産の収益等経営成果に対する寄与の度合いを測定したうえで税引後事業利益の理論値を算出しているため、各企業が潜在的競争力をいかに戦略的に活用し、かつ、その潜在的競争力をいかに顕在的競争力や収益力の向上につなげているのかを把握することができる。
(請求項9に記載した発明の特徴)
請求項9に係る理論株価算出方法は、請求項8の理論株価算出方法であって、前記研究開発費みなし資産額算出工程として、研究開発投入金額データを取得する研究開発投入金額データ取得工程と、前記研究開発投入金額のうち損失部分を償却費用として算出する償却費用算出工程と、前記研究開発投入金額から前記償却費用を控除した償却後研究開発費を算出する償却費用控除工程と、を備えることを特徴とする。
請求項9の理論株価算出方法によれば、請求項8の理論株価算出方法の作用効果に加え、研究開発投入金額のうち、損失部分を償却費用として計上し、製品や設備等に化体して収益に寄与した分の金額のみを税引後営業利益理論値に足し戻すため、企業が事業活動によって獲得し得る利益の実体をより正確に把握することができる。
(請求項10に記載した発明の特徴)
請求項10に係る理論株価算出方法は、請求項9の理論株価算出方法であって、前記償却費用算出工程として、各企業の研究開発投入が知的資産を産出する割合を示す知的資産生産性と、前記知的資産の活用によりもたらされる成果の度合いを示す知的資産収益性とを測定して各企業別に償却費用を算出するマクロ的な企業評価に基づく算出工程、及び/又は、各企業の特許等知的資産の競争力を指数化し、当該特許等知的資産別に償却費用を算出する特許等知的資産価値評価に基づく算出工程、を備えることを特徴とする。
請求項10の理論株価算出方法によれば、請求項9の理論株価算出方法の作用効果に加え、研究開発投入がどのような知的資産を生み出し、その資産がいかなる成果につながっているのかを測定したうえで研究開発投入の償却費用を算出することができる。また、同時に、企業内で生み出された技術やノウハウが、他社との競争上の優位を確保するための源泉としての実効性をどの程度有しているかを明らかにしたうえで、研究開発投入の償却費用を算出することもできる。
(請求項11に記載した発明の特徴)
請求項11に係る理論株価算出プログラムは、企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出するプログラムであって、知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得機能と、前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の期待収益を算出する期待収益算出機能と、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値を導出するための割引率を算出する割引率算出機能と、前記期待収益を前記割引率で除して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出機能と、前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出機能と、を備えることを特徴とする。
請求項11の理論株価算出プログラムは、企業の期待収益を算定するにあたって、オンバランス(貸借対照表上)の経営財務に関する情報のみならず、特許等知的資産に基づくオフバランスの無形資産に関する情報をも用いて企業の総合的な価値評価を行っている。このため、企業が本来有する資産価値とは無関係な市場動向等の恣意による現実株価の歪みを極力排除したうえで企業の将来的な収益力を把握することができる。その結果、企業の実体により即した理論株価を算定することが可能となる。
(請求項12に記載した発明の特徴)
請求項12に係る理論株価算出プログラムは、企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出するプログラムであって、知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得機能と、前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の税引後事業利益理論値を算出する税引後事業利益理論値算出機能と、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の投下資本コストを算出する投下資本コスト算出機能と、前記税引後事業利益理論値から前記投下資本コストを控除して経済的利益理論値を算出する経済的利益理論値算出機能と、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値を導出するための割引率を算出する割引率算出機能と、前記経済的利益理論値を前記割引率で除して理論市場付加価値を算出する理論市場付加価値算出機能と、前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の自己資本を算出する自己資本算出機能と、前記理論市場付加価値と前記自己資本とを加算して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出機能と、前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出機能と、を備えることを特徴とする。
請求項12の理論株価算出プログラムによれば、事業によって生み出された経済的利益の理論値を総体として把握することができる。また、当該理論株価算出プログラムを用いることによって、オンバランス(貸借対照表上)の投下資本が生み出した超過利益を把握でき、これを将来の期待収益に代用してその現在価値を求めることにより、特許等知的資産に基づくオフバランスの無形資産から得られる期待収益についての現在価値の総額を推定することができる。
(請求項13に記載した発明の特徴)
請求項13に係る理論株価算出プログラムは、請求項12の理論株価算出プログラムであって、前記税引後事業利益理論値算出機能として、複数の企業の前記企業評価指標に関するデータを用いて因子分析を行い、因子を抽出し、当該因子に基づき前記企業評価指標を集約する因子分析機能と、前記因子分析機能により抽出された因子と、複数の企業の知的資産関連収益等の諸収益を表す収益関連指標と、を用いて重回帰分析を行い、これらの間の相関関係を示す回帰直線を導出する重回帰分析機能と、前記回帰直線に基づいて、理論株価算出対象企業の収益関連指標の理論値を算出し、当該理論値から総事業利益理論値を算出する総事業利益理論値算出機能と、前記総事業利益理論値から前記研究開発費の簿価を控除して営業利益理論値を算出する営業利益理論値算出機能と、前記営業利益理論値から法人税を控除して税引後営業利益理論値を算出する税引後営業利益理論値算出機能と、前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて研究開発費のみなし資産額を算出する研究開発費みなし資産額算出機能と、前記税引後営業利益理論値に前記研究開発費みなし資産額を加算して税引後事業利益理論値を算出する研究開発費みなし資産額加算機能と、を備えることを特徴とする。
請求項13の理論株価算出プログラムによれば、請求項12の理論株価算出プログラムの作用効果に加え、特許等知的資産の収益等経営成果に対する寄与の度合いを測定したうえで税引後事業利益の理論値を算出しているため、各企業が潜在的競争力をいかに戦略的に活用し、かつ、その潜在的競争力をいかに顕在的競争力や収益力の向上につなげているのかを把握することができる。
(請求項14に記載した発明の特徴)
請求項14に係る理論株価算出プログラムは、請求項13の理論株価算出プログラムであって、前記研究開発費みなし資産額算出機能として、研究開発投入金額データを取得する研究開発投入金額データ取得機能と、前記研究開発投入金額のうち損失部分を償却費用として算出する償却費用算出機能と、前記研究開発投入金額から前記償却費用を控除した償却後研究開発費を算出する償却費用控除機能と、を備えることを特徴とする。
請求項14の理論株価算出プログラムによれば、請求項13の理論株価算出プログラムの作用効果に加え、研究開発投入金額のうち、損失部分を償却費用として計上し、製品や設備等に化体して収益に寄与した分の金額のみを税引後営業利益理論値に足し戻すため、企業が事業活動によって獲得し得る利益の実体をより正確に把握することができる。
(請求項15に記載した発明の特徴)
請求項15に係る理論株価算出プログラムは、請求項14の理論株価算出プログラムであって、前記償却費用算出機能として、各企業の研究開発投入が知的資産を産出する割合を示す知的資産生産性と、前記知的資産の活用によりもたらされる成果の度合いを示す知的資産収益性とを測定して各企業別に償却費用を算出するマクロ的な企業評価に基づく算出機能、及び/又は、各企業の特許等知的資産の競争力を指数化し、当該特許等知的資産別に償却費用を算出する特許等知的資産価値評価に基づく算出機能、を備えることを特徴とする。
請求項15の理論株価算出プログラムによれば、請求項14の理論株価算出プログラムの作用効果に加え、研究開発投入がどのような知的資産を生み出し、その資産がいかなる成果につながっているのかを測定したうえで研究開発投入の償却費用を算出することができる。また、同時に、企業内で生み出された技術やノウハウが、他社との競争上の優位を確保するための源泉としての実効性をどの程度有しているかを明らかにしたうえで、研究開発投入の償却費用を算出することもできる。
本発明によれば、オフバランスの無形資産を代表する特許等知的資産から得られる指標を使用するとともに、企業の経営財務に関する情報から得られるデータをも加味して、各々の企業が事業戦略、研究開発戦略、及び知的財産戦略の三位一体による経営戦略をいかに構築・運用して企業価値の増大を図っているのかを総合的に評価し、かつ、その評価結果に基づいて将来的な期待収益を適正に算定したうえで理論株価を自動的に算出することができる。そして、このようにして算出した理論株価を判定指標として用いることによって、企業が本来的に有している企業価値と比較して市場株価が割高であるのか、割安であるのかを適切に判定することができる。また、企業経営者にとっては、株式市場における自身の企業の現在株価が割高なのか、割安なのかを判断し、最適な経営戦略を講じることができる。
実施の形態の理論株価算出装置を用いた理論株価算出システムの構成例を示す図である。 理論株価算出装置の構成を示すブロック図である。 理論株価算出の算出手順を示すフローチャートである。 事業・経営関連指標(その1)を例示する図表である。 事業・経営関連指標(その2)を例示する図表である。 研究開発関連指標を例示する図表である。 知的資産関連指標(その1)を例示する図表である。 知的資産関連指標(その2)を例示する図表である。 知的資産関連指標(その3)を例示する図表である。 業種や企業を選択する表示画面例。 税引後事業利益理論値の算出手順を示すフローチャートである。 因子分析処理手順のフローチャートである。 重回帰分析処理手順のフローチャートである。 因子分析結果例を示す図である。 重回帰分析結果例を示す図である。 ROAβと因子と諸指標の関係例を示す図である。 ROAβの理論値を回帰直線から求める例を示す図である。 ROAβと総事業利益と営業利益の算出結果例を示す図である。 理論株価算出結果例を示す図である。
符号の説明
10:通信ネットワーク、20:外部データベースサーバー、20A:外部データベース、30:理論株価算出装置、30A:内部データベース、31:プリンタ、100:理論株価算出システム、301:CPU、302:ROM、303:RAM、304:記録媒体装着部、305:記録媒体、306:記録媒体インターフェース、307:カレンダ時計、308:送受信手段、309:通信回線、310:入力手段、311:入力インターフェース、312:表示手段、313:表示インターフェース、314:記録手段インターフェース、315:HDD、316:プリンタインターフェース、317:バス。
本発明の実施の形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。図1に示すのは、実施の形態としての理論株価算出装置30を含む理論株価算出システム100の構成である。
当該理論株価算出システム100は、理論株価算出装置30と、外部データベースサーバー20とからなり、理論株価算出装置30は、外部データベースサーバー20と、例えばインターネット等の通信ネットワーク10を介して接続されているか、あるいは外部データベースサーバー20から外部データを適当な記録媒体を通じてオフラインにて取り込むことが出来る。
また、外部データベース20Aは、外部データベースサーバー20内のデータベースであり、内部データベースを除く無料又は有料でアクセス可能なデータベース全てを含む。このような外部データベース20Aとしては、例えば、各企業の発行する財務諸表を集積したデータを提供する団体・企業の各種データベース、株価、研究開発関連情報、知的資産関連情報等の市場価値情報を格納したデータを提供する団体・企業の各種データベース、各種の技術文献データベース、あるいは独立行政法人工業所有権情報・研修館の特許電子図書館(IPDL)やその他知的財産関連団体の提供する各種の知的財産データベース等が挙げられる。
理論株価算出装置30は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等のコンピュータからなり、内部データベース30Aを有している。
内部データベース30Aには、例えば、業種毎や50音別に企業名を記録する業種企業データや、事業・経営関連指標や研究開発関連指標、又は知的資産関連指標等の企業評価指標が記録されている。さらには、各企業の現在及び過去の株価あるいは時価総額等の株式に関する情報や、企業評価指標の分類、多変量解析等の計算式、多変量解析に用いる各種の定数や閾値、及び当該閾値に基づく妥当性の判定結果や区分等の各種情報が記録されている。
図2に示すのは、理論株価算出装置30の構成を示すブロック図である。図2に示すように、理論株価算出装置30は、CPU301、ROM302、RAM303、記録媒体装着部304、記録媒体305、記録媒体インターフェース306、カレンダ時計307、送受信手段308、通信回線309、入力手段310、入力インターフェース311、表示手段312、表示インターフェース313、記録手段インターフェース314、ハードディスク(HDD)等の記録手段315、プリンタインターフェース316、及びバス317を備えている。
CPU301は、理論株価算出装置用プログラム情報に従ってRAM303をワークエリアとして使用しながら、理論株価算出装置30の全体の動作を制御する。
なお、総ての処理をCPU301が実行する代わりに、複数の専用の処理装置を設けて、それぞれの処理装置に処理を分担させて実行するようにしても構わない。
記録媒体305は、記録媒体装着部304に着脱可能に装着されている。また、記録媒体装着部304は、記録媒体305に対して各種情報を記録したり読み出したりする記録媒体インターフェース306を介してバス317に接続されている。なお、記録媒体305とは、メモリーカード等の半導体や、MO、磁気ディスク等に代表される磁気記録式、若しくは光記録式等の着脱可能な記録媒体のことである。記録媒体305は、内部データベース30Aを格納することが可能である。なお、記録媒体305は、外部データベースサーバー20から外部データをオフラインにて取り込むことも出来る。
カレンダ時計307は、時刻を刻む計時手段として用いられ、バス317に接続されている。
送受信手段308は、通信回線309で外部データベースサーバー20と接続されており、解析結果を表示する際に、通信ネットワーク10を介して外部データベースサーバー20と通信を行い、外部データベースサーバー20の外部データベース20Aから企業評価指標、企業の株価データ等を取得する。取得したデータは、内部データベース30Aとして、HDD315、又は記録媒体305等に記憶される。なお、理論株価算出装置30においては、外部データベース20Aから企業評価指標、企業の株価データ等を取得する際に、自動又は手動で指標データを選択することが可能である。
入力手段310は、キーボードやマウス、タブレット又はタッチパネル等で、入力インターフェース311を介してバス317に接続されている。この入力手段310は、表示手段312に表示された各種指示選択画面(図示せず)で、データ更新か否かの選択、業種・企業の選択、及び分析方法の選択を行う。
表示手段312は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、表示インターフェース313を介してバス317に接続されている。この表示手段312には、入力手段310から入力されたデータや操作指示の選択肢等が画面上に表示される。また、表示手段312には、算出した理論株価の結果も画面上に表示される。
HDD(ハードディスク)315は、理論株価算出装置30の処理に関する各種定数やネットワーク上の通信機器に通信接続する際の属性情報、URL(Uniform Resource Locators)、ゲートウェイ情報、DNS(Domain Name System)等の接続情報、企業の経営に関する経営財務情報、特許に関する技術文献、特許情報、市場価値情報、及び企業価値を判定する閾値及び該閾値に基づく妥当性の判定結果等の各種情報を記録する記録手段である。
また、HDD315に記録されている情報を、記録手段インターフェース314を介して読み出すことができ、また情報を書き込むことができる。HDD315には、各種データが記録されている内部データベース30Aが格納されている。
プリンタ31は、プリンタインターフェース316を介してバス317に接続されている。このプリンタ31は、印刷手段として、理論株価算出装置30により作成された各企業の理論株価の算出結果に関する図表やグラフデータ等を紙等の媒体に印刷する
このように構成された理論株価算出装置30は、公開データである設備投資額等の事業・経営関連指標や、研究開発費等の研究開発関連指標、又は特許出願件数等の知的資産関連指標を用いて、各企業の理論株価を算出することが可能である。
次に、理論株価算出装置、理論株価算出方法、及びプログラムによる、理論株価算出の処理手順を、図3乃至図19を参照しながら説明する。
図3に示すのは、理論株価算出システム100に基づく理論株価算出の処理手順を表すフローチャートである。この処理は、理論株価算出プログラムに内蔵された情報に基づいてCPU301の制御により実現される。
理論株価算出装置30は、先ず、ステップS1で、内部データベース30Aから必要なデータを取得する。ここで取得するデータの種類には、例えば、事業・経営関連指標や研究開発関連指標、及び知的資産関連指標等の企業評価指標、あるいは、各企業の株価データ等がある。図4及び図5に示すのは、事業・経営関連指標の一覧表である。事業・経営関連指標には、例えば、設備投資額、設備投資効率等の指標がある。図6に示すのは、研究開発関連指標の一覧表である。研究開発関連指標には、例えば、研究開発費、研究開発費比率α等の指標がある。図7乃至図9に示すのは、知的資産関連指標の一覧表である。知的資産関連指標には、例えば、特許出願件数、審査請求件数、あるいは総有効特許件数、出願請求項数等の指標がある。
内部データベース30Aには、外部データベース20Aから取得した生のデータと、標準化された加工データとが格納されている。
次に、ステップS3で、データ更新が必要か否かを判断する。例えば、毎日の所定時刻をデータ更新時刻として設定し、この時刻になると更新処理を行うようにする。又は、外部データベース20Aに新しいデータが追加される度にデータ更新を行うようにしてもよい。
更新が必要だと判断した場合は、ステップS5で、外部データベース20Aから更新分データを取得し、内部データベース30Aに対して書き込みを行う。そして、ステップS7で、外部データベース20Aから取得したデータに対して、下記の式1に従いデータの標準化を行う。データの標準化を行う理由は、主として、業種間や指標間の単位やスケールの違いに伴って生じる数値の格差を取り除くためである。
データの標準化 =(データ − 平均値)/標準偏差・・・(式1)
そして、業種毎、又は指標毎に標準化されたデータを内部データベース30Aに格納する。データを標準化した後、再びステップS1に戻り、更新されたデータを取得する。次いで、ステップS3で、データ更新が必要でないと判断した場合には、ステップS9の業種・企業選択へと進む。
ステップS9で、業種及び/又は企業の選択がされるか否かを判断する。ここで、利用者が、業種及び/又は企業の選択が必要だと判断し、業種及び/又は企業の選択を行う旨の指示を入力した場合には、ステップS11で、希望の業種や特定の企業の入力を受け付ける。例えば、図10に示すように、表示画面に表示された業種や企業名の入力部に、利用者が業種名や企業名を入力して希望の業種や特定の企業を選択する。また、例えば、利用者が表示画面に表示された業種名や企業名の選択肢を選択することによって、希望の業種や特定の企業を選択することも可能である。
また、一般的な業種のみならず、例えば、製品別、技術分野別に各企業の理論株価を算出することも可能である。例えば、国際特許分類(IPC)のセクション別、クラス別、サブクラス別、メイングループ別、及び米国特許分類(UPC)別、あるいは米国標準産業分類(SIC)別等の区分に基づき、各企業の理論株価を算出することもできる。
次に、ステップS13で、取得した企業評価指標に関するデータ(企業評価指標、及びこれに基づいて標準化等の加工を行ったデータ)を用いて、各企業が事業活動によって獲得する利益の理論値を算出するため、税引後事業利益理論値を算出する。税引後事業利益理論値とは、みなし税引後の総事業利益の理論値のことである。ここで、総事業利益とは、費用処理された研究開発費を営業利益に足し戻すことによって求められる利益額に、特許料等ロイヤルティ収入を加算したものである。営業利益ではなく総事業利益の理論値を用いる理由は、第一に、研究開発費控除前に企業が確保していた利益を把握するためである。第二に、研究開発の結果生み出された特許等知的資産による収益を取り込むことによって、企業の潜在的競争力を適切に評価し、かつ、その潜在的競争力がいかに顕在的競争力や収益に寄与しているのかを把握するためである。なお、特許料等ロイヤルティ収入は、会計上、営業外収入に計上されるものであるが、企業によっては、営業外収入に当該勘定科目が存在しない場合もある。その場合には、既に営業利益に組み込まれているか、若しくは財務諸表上重大な影響を与える金額ではないため表記していないか、いずれかであると判断し、営業利益には加算していない。
図11に示すのは、税引後事業利益理論値を算出するための処理手順を表すフローチャートである。まず、ステップS131で、内部データベース30Aから知的資産関連指標を含む企業評価指標関連データを取得する。
次に、ステップS133で、因子分析処理を行うか否かの選択をする。例えば、取得した指標データに関し、未だ因子分析結果のデータがない場合、或いは、因子分析処理を行う旨の指示を利用者が入力した場合には、ステップS135で、取得した指標データに関する因子分析を行う。
ここで、図12に示すフローチャートを用いて因子分析処理について説明をする。因子分析とは、ある観測データの背後に潜んでそれらを規定する共通因子を探り出す手法のことである。因子分析を行う目的は、諸々の指標を規定している潜在因子を明示することによって、それらの指標の有する特性及び構造を明らかにし、さらに、明示された幾つかの因子に指標を集約することにある。
まず、ステップS1351で、因子分析処理を開始し、ステップS1353で、30Aの内部データベースから、標本となる複数の企業の指標に関するデータを取得する。但し、図4及び図5の事業経営関連指標に含まれる収益関連指標は除外する。これは後に述べる重回帰分析において、これらの収益関連指標を目的変数として使用するためである。
次に、ステップS1355で、指標の絞り込みを行うか否かの選択をする。例えば、上記ステップS1353で取得された指標の数が所定の閾値以上である場合、或いは、利用者が指標の絞り込みを行う旨の指示を入力した場合には、指標の絞り込みを行う。この場合には、ステップS1357で、それぞれの指標毎に相関行列を算出する。そして、ステップS1359で、関係が薄く共通性のない指標を取り除き、関係が深く結び付きの大きい指標を抽出する。その後、ステップS1361で因子負荷量の算出へと進んでいく。
ステップS1355で予め指標の絞り込みを行わない場合には、直接ステップS1361の因子負荷量の算出へと進む。ここで、因子負荷量とは、因子の観測変数に対する影響の強さを示す値のことである。因子分析においては、この因子負荷量を算出することが最大の目的になる。因子負荷量の算出方法としては、主因子法や最尤法、最小二乗法、又は一般化された最小二乗法等が知られている。本発明の実施の形態においては、主因子法を用いる。主因子法とは、各因子の因子寄与が最大になるように第一因子から順に因子負荷量を算出する方法のことである。なお、因子負荷量の算出方法は、観測の目的や性質に応じて任意のものを選ぶことができる。
次に、ステップS1363で、算出された因子負荷量に基づき因子の解釈を行うことが困難であるか否かの判断を行う。利用者が、因子の解釈が困難であると判断しその旨を入力した場合には、データを最もよく解釈することが可能な解を探すため、ステップS1365で因子軸の回転を行う。回転の方法には直交回転と斜交回転とがあるが、観測の目的や性質に応じて任意の方法を選ぶことができる。本発明の実施の形態においては、直交回転の一つであるバリマックス回転を用いている。バリマックス回転とは、因子毎の因子負荷量が0に近いものと絶対値が大きいものとをそれぞれ多くするように因子軸を回転させ、因子の貢献度を探る回転法のことである。そして、因子軸を回転させた後、ステップS1361に戻って回転後の因子負荷量を算出する。なお、ステップS1363で、因子の解釈を行うことが困難でないと判断された場合には、因子軸の回転は行わず、算出された因子負荷量の初期解をそのまま用いる。
次に、ステップS1367で、算出された因子負荷量に基づき、因子毎の固有値、因子寄与、因子寄与率、及び累積寄与率を算出する。固有値とは、因子負荷量の初期解を算出するときに出てくる数値のことである。固有値は、指標の数と同じ数だけの因子があるものとして因子毎に算出される。その結果、採用する因子数を決定するときの基準として任意の最小固有値が選ばれることになる。また、因子寄与とは、ある因子がデータを説明し得る量のことであり、各指標の因子負荷量の二乗和によって因子毎に算出される。なお、因子負荷量の初期解を算出する時点においては、固有値と因子寄与の値とは同一である。また、因子寄与率とは、ある因子がデータ全体を説明する割合のことであり、因子寄与を指標の数で除すことによって算出される。最後に、累積寄与率とは、因子が増えるごとに因子寄与率を累積していった値のことであり、幾つまでの因子によってデータをどの程度説明し得るのかを示す指標のことである。
次に、ステップS1369で、算出された固有値、因子寄与率、及び累積寄与率に基づき、因子数を決定する。理論的には、因子数は指標の数だけ表れる。そこで、本発明の実施の形態においては、因子数を決定する際の基準として、固有値が1以上であり、累積寄与率が80%以上であることを判断基準とした。その結果、本発明の実施の形態においては、3つの因子が選ばれることとなった。図14に示すのは、本発明の実施の形態において選択された3つの因子についての各指標毎の因子負荷量、固有値、因子寄与率、及び累積寄与率の一覧表である。なお、判断基準は上記のものに限られず、観測の目的や性質に応じて任意に設定することができる。
次に、ステップS1370で、因子内容を決定する。具体的には、ステップS1369で選択された3つの因子の持つ意味を、各因子を構成する指標毎に算出された因子負荷量に基づいて解釈する。次いで、解釈結果に基づいて因子名を決定する。因子1から因子3までの各因子の因子名は、図14の一覧表のタイトル行に示す通りである。
まず、因子1について見てみると、因子1を構成する指標のうち、因子負荷量が大きい指標は、国際特許分類(IPC)サブクラス別(C、G、B、H)の累計特許登録件数、発明者累計、及び研究開発費累計の6つである。ここで、国際特許分類(IPC)サブクラス別累計特許登録件数とは、1994年以降の国際特許分類(IPC)サブクラス別の累計特許出願についての各年次末現在における累計特許登録件数を表す指標である。また、発明者累計とは、1994年以降の累計特許出願についての各年次末現在における各企業の発明者数の総計を表す指標である。なお、発明者数は、公開特許公報の「発明人」欄から集計している。また、研究開発費累計とは、2000年以降各年次末現在までの各企業の研究開発費の総額を表す指標である。
上記の結果から、因子1の持つ意味を解釈すると、因子1は、特定技術分野での特許登録件数の累計を増やし、研究開発費の投入によりノウハウの蓄積を行い、さらには発明者数の増加により人的資本を蓄積しようとする因子であるといえる。つまり、因子1は、特許等知的資産に代表される無形資産のストックを向上させようとする因子であると解釈できる。この解釈結果に基づき、因子1の因子名を、「知的資産ストック」と命名する。
次に、因子2について見てみると、因子2を構成する指標のうち、因子負荷量が大きい指標は、自己資本比率、労働生産性、及び労働分配率の3つであることが分かる。ここで、自己資本比率とは、各企業の各年度末における総資産に対する自己資本の比率を表す指標である。また、労働生産性とは、各企業の各年度における従業員一人当たりの付加価値額を表す指標である。また、労働分配率とは、各企業の各年度における人件費の総額の付加価値額に対する比率を表す指標である。
このことから因子2の持つ意味を解釈すると、因子2は、人件費を抑制し、労働生産性と技術革新とを上昇させることによって生産性を向上させようとする因子であるといえる。この解釈結果に基づき、因子2の因子名を、「生産性」と命名する。
次に、因子3について見てみると、因子3を構成する指標のうち、因子負荷量が大きい指標は、特許集中度、特許集中度G、及び特許集中度Hの3つであることが分かる。ここで、特許集中度とは、各企業の各年次の特許出願における出願請求項数全体に占める国際特許分類(IPC)サブクラス別の出願請求項数の構成比のことであり、各企業の技術開発分野の集中度合いを表す指標である。
このことから因子3の持つ意味を解釈すると、因子3は、各企業が特定分野に集中した研究開発、及び技術開発を行い、集中的な特許取得を行うことによって、特許の資産価値を高めようとする因子であるといえる。この解釈結果に基づき、因子3の因子名を、「特許・技術の集中」と命名する。
再び、図11に示す税引後事業利益理論値算出のための処理手順を表すフローチャートに戻ると、ステップS135で、因子を抽出した後、因子分析処理を終了し、ステップS137で重回帰分析を行う。以下に重回帰分析処理について説明する。
図13に示すのは、重回帰分析の処理手順を表すフローチャートである。ここで重回帰分析とは、ある目的変数と複数の説明変数とから構成される予測式に基づいて、この目的変数の値をどの程度説明し得るのかを分析する手法のことである。なお、目的変数と説明変数とは、分析を行う目的に応じて、従属変数及び独立変数として設定される場合もある。
重回帰分析を行う目的は、上記因子分析を行った結果明らかになった3つの因子が、実際に企業の収益拡大に寄与しているのかを検証することにある。さらに、そのなかから、収益に対する寄与率の高い因子及びそれらの因子を構成する指標が何であるのかを特定することにある。
ステップS1371で重回帰分析処理に入る。まず、ステップS1373で、内部データベース30Aに格納されている収益関連指標データ一覧から収益関連指標データを取り込み、目的変数となる収益関連指標を決定する。収益関連指標データの種類及び定義についての一例は、図4及び図5の事業経営関連指標に含まれる収益関連指標一覧に示す通りである。なお、図4及び図5に示す収益関連指標は主として企業の業績や成果に関わるものであるが、収益関連指標はこれらに限られるものではなく、分析の目的や性質に応じて任意の指標を設定することができる。
本発明の実施の形態においては、収益関連指標をROAに代表させている。ROAとは、Return On Assetの略称であり、総資産利益率のことである。ROAは、当期利益を総資産で除した比率で、総資産からどれだけの利益を上げたかを測定する指標である。企業の業績を総合的に評価する指標をROAに代表させた理由は、ROAが企業の一年間の資産効率を表すのに適切な成果指標だからである。同種の指標にROE(株価収益率)も存在するが、本発明の実施の形態においてROEを採用しなかった理由は、ROEは自己資本当たりの収益を測定するものであるが、実際に企業が収益を上げるためには、自己資本のみならず他人資本をも活用していることから、企業の真の資産効率はROEでは測定することが困難であると判断したからである。
さらに、本発明の実施の形態においては、通常のROAではなく、各企業が各年度に生み出した総事業利益の総資産に対する比率である、ROA・βを目的変数として設定している。ROA・βの算出式は下記の式2に示す通りである。
ROA・β=総事業利益/総資産・・・(式2)
目的変数にROA・βを用いた理由は、第一に、特許等知的資産は企業が保有する資産の一部であることから、有形資産とともに特許等の知的資産を活用してどれだけの収益を上げたのかを測定するためには、ROA・βがよりふさわしい指標であるからである。第二に、企業の潜在的競争力を適切に評価し、かつ、その潜在的競争力がいかに顕在的競争力や収益に結びついているのかを測定するためには、研究開発の結果生み出された特許等知的資産による収益を取り込む必要があったからである。なお、目的変数に用いる収益関連指標は、ROA・βに限られるものではなく、分析の目的や性質に応じていずれの収益関連指標を用いることもできる。
次に、ステップS1375で、ステップS135で行った因子分析の結果抽出された5つの因子を内部データベース30Aから読み込む。本発明の実施の形態においては、因子1(知的資産ストック)、因子2(生産性)、因子3(特許・技術の集中)の3つの因子が採用されている。
次に、ステップS1377で、標本となる複数企業の収益関連指標ROA・βを目的変数とし、上記因子1から3を説明変数として重回帰分析を行い、各因子(説明変数)の偏回帰係数、標準偏回帰係数、及びt値を算出する。
具体的には、まず、各因子(説明変数)の情報を用いてROA・β(目的変数)の値を算出するため、下記の式3で表される重回帰方程式を仮定する。
=α+β1j+β2j+β3j+ε(j=1、2、3、・・・、N) ・・・(式3)
式中のYは目的変数であり、xij(j=1、2、3、・・・、N.但しNは標本数)は説明変数である。また、αとβ(i=1、2、3)とは、説明変数xijの観測データから推定しようとしているパラメータであり、αは定数項で、βは偏回帰係数である。ε(j=1、2、3、・・・、N)は、目的変数Yの観測値と理論値との残差であり、説明変数xijによっては説明されない部分を表す。なお、説明変数xijについては、指標の単位やスケールに関して指標間の格差の影響を除き適正な分析を行うため、標準化したデータを用いることが望ましい。データの標準化は、前記式1を用いて行なわれる。
次に、上記式3に含まれる定数項αと偏回帰係数βとの値を、最小二乗法と呼ばれる推定法により算出する。最小二乗法は、観測値と理論値との残差の二乗和を最小にする方法である。上記式11の場合、まず、説明変数xijの値が与えられたときに、目的変数Yの理論値はα+Σi=1 (βij)となることから、理論値と観測値との差である残差εは、下記の式4によって算出される。
ε=Y−{α+Σi=1 (βij)}・・・(式4)
次いで、残差の二乗和を下記の式5を用いて算出する。
Q=Σj=1 [{Y−α−Σi=1 (βij)}
] ・・・(式5)
式中のQは、残差の二乗和として算出される値である。最小二乗法は、残差の二乗和を最小にする方法であるから、定数項αと偏回帰係数βを算出するためには、上記式5のQの値を最小化する必要がある。そして、定数項αと偏回帰係数βの値は、上記式5を、αとβとでそれぞれ偏微分し、それを0と置いた連立方程式を解くことにより求められる。具体的には下記の式6及び式7に示す通りである。
∂Q/∂α=−2Σj=1 {Y−α−Σi=1 (βij)}=0・・・(式6)
∂Q/∂β=−2Σj=1 {Y−α−Σi=1 (βij)}=0・・・(式7)
なお、偏回帰係数の値は、説明変数の単位やスケールを変更すると大きく変化する。従って、本発明の実施の形態においては、説明変数xijに用いる指標のデータを標準化したことに伴い、標準化された説明変数に対応する偏回帰係数(以下、「標準偏回帰係数」という)を別途算出する必要がある。
偏回帰係数(及び標準偏回帰係数)βを算出した後、ステップS1379で、説明変数xijに用いられる各因子の有意性を検定する。具体的には、まず、説明変数xijが目的変数Yの予測に全く役に立たないという仮説(以下、「帰無仮説」という)を設定する。この帰無仮説は、偏回帰係数(及び標準偏回帰係数)βが0であるということによって示される。なお、検定に用いる仮説としては、帰無仮説の他に、説明変数が目的変数の予測に役立つことを前提に検定を行う対立仮説がある。これらの仮説は、分析の目的と性質に応じていずれを用いてもよい。また、両方の仮説に基づく検定を行っていずれかの仮説を採択するようにしてもよい。
次いで、偏回帰係数(及び標準偏回帰係数)β=0の仮説が成立するかどうかの検定を行うために、t値をβ=0に基づき算出する。t値とは、算出した説明変数の値の統計的信頼度を示す数値のことである。
t値を算出した後は、算出したt値がt分布上のどの位置を占めるのかを特定する。ここで、t分布とは、ある有限な標本データ数からその母集団の平均値の範囲を推定する確率密度変数のことである。
また、t値がt分布上に占める位置を特定するにあたっては、β=0の仮説を採択するか棄却するかを決定する境界線をt分布上に設定する。この境界線のことを有意水準という。有意水準は、算出したt値がt分布上で起こり得る確率によって表す。本発明の実施の形態においては、有意水準を5%に設定している。これは、算出したt値がt分布上で起こり得る確率が5%の範囲である場合には仮説を棄却するということを示している。この有意水準を基準にして仮説を受け入れる領域を採択域といい、仮説を棄却する領域を棄却域という。
そして、検定の結果、β=0の仮説に基づき算出されたt値が、有意水準5%の範囲内の位置を占めると特定された場合には、β=0という仮説は棄却される。つまり、この場合、説明変数xijに係る偏回帰係数βは統計的に有意であり、説明変数xijに用いられる因子は目的変数Yの説明に寄与していると判定される。なお、説明変数の有意性を判断する基準は、t値のみに限定されるものではなく、t値が有意水準を越える確率を絶対値により表すp値によっても判断することが可能である。
次に、ステップS1381で、各因子(説明変数)の目的変数Yに対する寄与率を算出する。寄与率は、ステップS1377で算出した各因子の標準偏回帰係数を、全因子の標準偏回帰係数の総計で除すことによって算出する。そして、その後、算出した値を百分率で表示する。
最後に、ステップS1383で、本発明の実施の形態の分析に用いた重回帰方程式の適合度を検定する。重回帰方程式の適合度を検定する尺度には決定係数を用いる。決定係数とは、目的変数の観測値の変動を、与えられた重回帰方程式がどの程度説明し得るのかを表す指標のことである。ここで変動とは、各点の平均値からのばらつきのことである。決定係数はRで表され、重回帰方程式によって導出される目的変数Yの理論値の変動を、Yの観測値の変動で除して算出する。具体的には、下記の式8に示す通りである。
決定係数R=Yの理論値の変動/Yの観測値の変動・・・(式8)
ただし、重回帰方程式の適合度を表す決定係数Rの値は、説明変数を増やせば増やすほど大きくなる。これは、見かけのあてはまりが良くなっているだけで、必ずしも重回帰方程式の説明力が高いことを意味してはいない。そこで、この決定係数Rの欠点を補うために、自由度調整済み決定係数R2’を用いて重回帰方程式の適合度を検定する。自由度調整済み決定係数R2’とは、重回帰方程式を決定する説明変数のみならず、標本として取り出された変数の数をも考慮し、決定係数Rを調整して得た値のことである。また、自由度とは、標本から算出された平均値を標本の数から差し引いた値のことである。例えば、標本の数がN個あった場合、平均値が一つ決まれば、N個のうち最後の1個は自動的に値が決定され、取り出した標本のなかで自由に選択できる値はN−1個ということになる。
図15に示すのは、重回帰分析を行った結果を表す一覧表である。一覧表は、抽出した2つの因子毎に算出した偏回帰係数、標準偏回帰係数、判定(何%の有意水準に基づくかを示す)、t値(偏回帰係数/標準誤差で算出)、及び標準誤差(偏回帰係数の標準偏差を表す)によって構成されている。さらに、自由度調整済み決定係数R2’の算出結果が示されている。
まず、分析を行うにあたり採用した重回帰方程式の適合度を見てみる。自由度調整済み決定係数R2’は、0.7168となっており、採用した重回帰方程式は高い説明度を有していることを示している。
次に、それぞれの因子が統計的に有意であるかどうかを見てみる。t値の算出結果によると、因子1(知的資産ストック)、及び因子2(生産性)が統計的に有意であることが分かる。しかも、上記の因子は、有意水準1%で検定した場合においても、統計的に有意であるという判定が示されている。
そして、ステップS1385で、上記の分析結果に基づき、収益関連指標ROA・βと統計的有意を示す因子との関係、及び前記因子と当該因子を構成する諸指標との関係、を示す関係図を作成し、作成した関係図を30Aの内部データベースに格納する。
図16に作成した関係図を示す。関係図には、ROA・βと、統計的有意を示す因子、及び各因子を構成する指標が記載されており、標準偏回帰係数に基づく寄与率と、因子負荷量とが矢印上に付記されている。関係図によると、ROA・βに対する因子の寄与率は、因子1(知的資産ストック)が60.79%と高いことが分かる。また、因子1(知的資産ストック)を構成する指標のなかでは、国際特許分類(IPC)サブクラス別(C、G、B、H)の累計特許登録件数、発明者累計、及び研究開発費累計のいずれの指標に関する因子負荷量もプラスの値を示している。従って、これらの指標の累計数を増やし、知的資産ストックの規模を高めることが、企業の収益力の向上に寄与するということが分かる。
また、ROA・βに対する寄与率が39.21%と、因子1に次いで高いのが因子2(生産性)である。また、因子2(生産性)を構成する指標のなかでは、労働分配率が、生産性を下げる働きをすることが分かる。従って、労働分配率を適度に抑制し、自己資本比率を高め、労働生産性に示される技術革新を促進し、経営効率の改善を図ることが、企業の収益力の向上に寄与するということが分かる。
再び、図11に示す税引後事業利益理論値算出のための処理手順を表すフローチャートに戻り、ステップS139で、理論株価算出対象企業のROA・βの理論値を算出する。そのために、まず、ROA・βに対する寄与率の高かった因子1(知的資産ストック)と因子2(生産性)とを独立変数とし、目的変数に用いられたROA・βを従属変数とする回帰直線を導出する。
回帰直線は、下記式9に示す式に基づき導出される。
Y=17.0283+6.1637×因子1(知的資産ストック)+3.8751×因子2(生産性)・・・(式9)
Yは、従属変数ROA・βの理論値である。17.0283は定数項であり、6.1637と3.8751とは、ともに、独立変数として選ばれた因子1、2の偏回帰係数である。これらの数値は、上記重回帰分析の結果算出された値であり、図15の分析結果の一覧表に示した数値と同じ値を用いている。図17に示すのは、因子1及び因子2とROA・βの理論値との関係を表す回帰直線のグラフである。ROA・βの理論値は、この回帰直線上の点で求められる。
なお、ステップS133で因子分析を行わない場合には、ステップS131で取得した指標データに基づき、ステップS137で重回帰分析を行う。この場合、目的変数ROA・βに対して寄与率の高い指標を選択し、選択した指標を独立変数とし、ROA・βを従属変数として回帰直線を導出する。また、ステップS139のROA・β理論値を算出する方法は、因子分析や重回帰分析のみに限られるものではない。例えば、共分散構造分析を用いることによってROA・βの理論値を算出することも可能である。
次に、ステップS141で、理論株価算出対象企業の総事業利益理論値を算出する。総事業利益理論値は、ROA・βの理論値に、企業の総資産を掛け戻してやることによって求められる。
次に、ステップS143で、理論株価算出対象企業の営業利益理論値を算出する。なお、ここでの営業利益理論値は特許料等ロイヤルティ収入を含んだ値の理論値である。営業利益理論値は、総事業利益理論値から、研究開発費の簿価を控除することによって求められる。図18に示すのは、理論株価算出対象企業の年度別のROA・β、総事業利益、及び営業利益(特許料等ロイヤルティ収入を含む)の実績値及び理論値の算出結果を表す一覧表である。
次に、ステップS145で、理論株価算出対象企業の税引後営業利益理論値を算出する。税引後営業利益理論値は、特許料等ロイヤルティ収入を含む営業利益の理論値から法人税を控除することによって算出する。具体的には、下記の式10に示す通りである。
税引後営業利益理論値=営業利益理論値(特許料等ロイヤルティ収入を含む)×(1−法人税率)・・・(式10)
次に、ステップS147で、税引後営業利益理論値に足し戻す研究開発費の値を算出する。現在、研究開発費は、会計上費用として一括計上されている。しかし、研究開発はその後の事業化・製品化による収益の拡大を目的として行われるものであることから、企業の収益に寄与する研究開発費の部分は、費用ではなく資産とみなすのが適当である。従って、研究開発への資金の投入は投資とみなし、そのうち、資産としての機能を果たさない損失部分については、他の固定資産と同様、各期の償却費用として算出する。そして、算出した償却費用を控除することによって、残りの償却後の研究開発費(以下、「償却後研究開発費」と呼ぶ)については研究開発費のみなし資産額として算出する。
この償却費用を算出する第一の方法としては、マクロ的な企業評価に基づくアプローチがある。このアプローチにおいては、まず、インプットとして投入された研究開発資金が、アウトプットしての知的資産を生み出す割合を示す知的資産生産性を算出する。次に、生み出された知的資産の活用によって獲得した成果の度合いを示す知的資産収益性を測定する。そして、算出した知的資産収益性を知的資産生産性と比較し、知的資産収益性の値が、知的資産生産性の値に比して著しく低いか、若しくは高い値を示している場合には、研究開発活動に基づく成果とは異なる要因が含まれている可能性が高いことから、知的資産収益性を適正な水準へと調整する。その後、将来期間にわたって生み出されると期待される知的資産収益性の算出結果の総計を、投入された全期間の研究開発投入金額の総計で除すことによって研究開発効率を求める。そして、このようにして求められた研究開発効率に基づき下記式11に示す算出式によって償却費用を算出する。
償却費用=(1−研究開発効率)×研究開発投入金額・・・(式11)
ここで、マクロ的な企業評価アプローチに基づく償却費用の算出方法の一例を示す。まず、下記の式12乃至14に基づき知的資産生産性を算出する。
特許出願生産性=n年次出願請求項数/(n−1)年度研究開発費・・・(式12)
審査請求生産性=特許出願生産性×推定審査請求率・・・(式13)
特許取得生産性=特許出願生産性×推定登録率・・・(式14)
特許出願生産性とは、研究開発費1単位当たりの出願請求項数を求めることによって、研究開発の成果の一端である特許を生み出す生産性を測定する指標のことである。この値が大きいほど、研究開発において生み出される発明数が多く、発明を生み出す生産性が高いと考えられる。
審査請求生産性とは、前記の特許出願生産性を推定審査請求率によって補正した指数のことである。推定審査請求率とは、任意の各年次の全出願案件に対して審査請求が行われた比率を表すものである。具体的な算出方法としては、まず、任意の各年次の全出願案件に対して審査請求が行われた件数を経年別に集計する。次に、この経年毎の審査請求件数を各年次から経年3年目(若しくは7年目)まで集計する(以下、「累計審査請求件数」と呼ぶ)。そして、この累計審査請求件数を、各年次の全出願件数で除すことによって、累計審査請求率を算出し、この累計審査請求率を推定審査請求率として用いる。
知的資産生産性を表す指標としては、特許出願生産性に替えて、この審査請求生産性を用いることもできる。なぜなら、特許は審査請求をしてはじめて審査が行われることから、出願後に特許を取得する意思を喪失した出願については審査請求がなされることなく取り下げられることになる。このため、出願請求項数をベースにした特許出願生産性のみでは、厳密な意味での知的資産の生産性を反映し得ないことも考えられるからである。
特許取得生産性とは、特許出願生産性を、推定特許登録率によって補正した指数のことである。推定特許登録率とは、各年次の合計出願件数に係る登録件数を経年別に集計して累計登録率を算出し、この累計登録率を被説明変数、経年数を説明変数とする回帰直線を導出して、そこに各企業の平均登録所要年数を代入することによって得た比率のことである。本発明の実施形態においては、推定にあたり各企業の過去の出願が特許として登録された実績値を用いている。知的資産生産性を表す指標として、特許出願生産性に替えてこの特許取得生産性を用いることもできる。特許取得生産性は、最終的に特許を取得すると推定される率によって補正された知的資産生産性を示しており、最も厳密な意味において、研究開発によって知的資産を生み出す生産性を示していると考えられるからである。
次に、下記の式15乃至17に基づき知的資産収益性を算出する。
全要素生産性=付加価値額増減率−{(1−労働分配率)×償却対象有形固定資産増減率}−(労働分配率×従業員数増減率)・・・(式15)
市場付加価値=発行済み株式総数×株価−株主資本・・・(式16)
総事業利益=営業利益+研究開発費+特許料等ロイヤルティ収入・・・(式17)
全要素生産性とは、付加価値額の増減率から設備と人材との投入量の増減率を差し引くことによって技術進捗率の増減率を測定する指標のことである。企業が内部の生産要素によって生み出した価値を表す付加価値額の増大において、設備と労働力という生産要素の投入量の増大によらない部分は、技術革新によるものと考えられる。そして、この付加価値の増大に寄与した技術革新は、研究開発によって生み出された知的資産を活用することによって獲得された成果であると考えられる。よって、全要素生産性は、研究開発の結果生み出された知的資産の活用によって獲得した成果の度合いを示す知的資産収益性を表す指標の一つであると考えることができる。なお、全要素生産性の代理指標としては、超過ROA等、図5に示す超過収益関連指標を用いてもよい。
また、知的資産収益性を示す指標としては、全要素生産性の替わりに市場付加価値を用いることもできる。市場付加価値とは、市場における企業評価額である株式時価総額から、株主資本を控除して求められるオフバランスの企業価値額のことである。市場付加価値は、企業が研究開発によって生み出した知的資産を活用することによって、市場において獲得した当該企業の知的資産の評価額であると考えられる。
また、知的資産収益性を示す指標として、上記2つの指標の替わりに総事業利益を用いてもよい。総事業利益とは、既に述べたとおり、費用処理された研究開発費を営業利益に足し戻すことによって求められる利益額に、特許料等ロイヤルティ収入を加算したものである。総事業利益は、企業が研究開発によって生み出した知的資産を活用し、製造販売活動を通じて確保した事業利益の総体を表すと考えられる。なお、総事業利益の代理指標として、研究開発費を控除する前の営業利益である製造販売利益を用いてもよい。
次いで、算出した知的資産収益性を、知的資産生産性と比較する。知的資産収益性を表す指標は、市場動向等の恣意や財務戦略上の巧拙等、研究開発活動とそれに基づく知的資産の活用の結果生み出された成果とは異なる要素が、その指標のなかに混入するのを完全に排除することはできない。そのため、純粋な研究開発活動に基づく成果を示す指標である知的資産生産性との比較を行うことによって、知的資産収益性を適正な値へと調整しておく必要がある。
ここで、例えば、知的資産収益性が、知的資産生産性に比して著しく低い値を示している場合には、知的資産の質的な問題よりも、知的資産収益の増大を阻害する別の要因があると考えられる。従って、この阻害要因と損失額とを特定したうえで知的資産収益性を適正な水準へと調整する必要がある。また、逆に、知的資産収益性が、知的資産生産性に比して著しく高い値を示している場合には、知的資産の質に起因する超過収益とみなすのか、あるいは、知的資産とは別の要因に基づいて獲得した収益なのかを峻別したうえで、知的資産の質に起因する超過収益分のみを知的資産収益性へと反映させるよう調整を行う必要がある。
知的資産収益性の調整を行った後、将来期間にわたって生み出されると期待される知的資産収益性の算出結果の総計を、投入された全期間の研究開発投入金額の総計で除すことによって、研究開発効率を求める。具体的には、下記の式18に示す通りである。
研究開発効率=Σt=1 知的資産収益性/Σt=0
研究開発投入金額・・・(式18)
上記式18によって求められた研究開発効率に基づいて、前記式11に示す算出式から償却費用を算出する。
償却費用を算出する第二の方法としては、ミクロ的な特許情報解析に基づくアプローチがある。このアプローチにおいては、まず、企業が保有する特許等知的資産毎に出願件数、及びその出願内容の詳細な分析を行う。次に、これらの分析結果に基づいて、特許あるいは技術開発競争市場において、当該企業の保有する個別の特許等知的資産が有する競争力の位置付けを明らかにする。そして、これらの特許等知的資産が当該市場において有する競争力を指数化することで、当該特許等知的資産別に償却費用を算出する。最後に、個々の特許等知的資産の償却費用を総計することによって企業全体としての償却費用を算出する。
ここで、ミクロ的な特許情報解析に基づいて償却費用を算出する方法についての一例を示す。まず、企業が保有する個々の特許等知的資産毎に、各々の出願を国際特許分類(以下「IPC」と呼ぶ)サブクラス別に分類する。次いで、IPCサブクラス別の出願件数を集計する。さらに、IPCサブクラス毎に、各企業が投下した研究開発投入金額を集計する。
上記集計作業を行った後、まず、IPCサブクラス分類毎の技術開発競争状態を把握するために、下記の式19に基づき、IPCサブクラス別の市場ステータスを算出する。
市場ステータス=Σ(IPCサブクラス別の各企業の出願請求項数/
全参入企業の出願請求項数の総計)・・・(式19)
上記式19は、IPCサブクラス別に算出したハーフィンダール指数の値を市場の技術開発競争状態として把握するものである。ここで、ハーフィンダール指数とは、Hirschman−Herfindal Indexの略称で、特定の製品市場における集中の度合いを測定する手法のことである。ハーフィンダール指数は、市場に参入している各企業の持つシェアを2乗した値の総和によって求められる。したがって1社が完全な独占の場合、その数値が10,000となり、競争が激しいほどその値は低くなる。つまり、例えば、ある企業が、あるIPCサブクラスにおいてトップシェアを占めていたとしても、ハーフィンダール指数が低い値を示していれば、その市場は激しい技術開発競争状態にあり、その企業の位置(ステータス)も確固としたものではないということが分かる。
なお、本発明の実施形態においては、各企業の有するシェアを測る指標として、出願請求項数を用いているが、シェアを測る指標はこれに限られるものでない。また、本発明の実施形態においては、出願請求項数を単純に加算しているが、各々の発明の特許出願内容について詳細分析を行い、請求項ごとに、独立項数、独立項内の発明の割合を示す発明因子数、発明因子数に技術的有効度を加味した発明有効因子数、発明有効因子数に先後願の存在を考慮に入れた請求有効因子数、新規性、進歩性、及び権利化見通し等を点数化し、重み付けをしたうえで出願請求項数を加算して、出願請求項数シェアを求めることもできる。
次に、技術開発競争市場における、IPCサブクラス分類毎の各企業の位置付け(ステータス)を把握するため、下記の式20に基づき、IPCサブクラス分類毎の企業シェアを算出する。
IPCサブクラス別企業シェア=IPCサブクラス別の各企業の出願請求項数/全参入企業の出願請求項数の総計・・・(式20)
出願請求項数は、特許出願に含まれる発明の数であり、出願請求項数が多いということは、発明の数が多いということを示す。出願件数によらず出願請求項数をベースに計測した理由は、出願コストの低減を図る目的で関連発明をひとつにまとめて出願しようとする近年の企業傾向を考慮したためである。また、小幅な改良技術の発明を別々に出願することによって出願件数を上げるという恣意的な要素を排除するためである。さらには、業種によって特許出願の規模は異なるため、より多くの出願請求項数を持つ企業に技術開発力があるとは必ずしも言い切れない。従って、IPCサブクラスの技術分類に対応した各企業の出願請求項数シェアを見れば、同じ技術分類における業種間比較が可能となり、業種による出願請求項数の規模の違いに左右されなくなるためである。
次に、IPCサブクラス分類毎の各企業の技術開発競争市場における競争力を把握するため、下記の式21に基づき、IPCサブクラス別の各企業の競争力指数を算出する。
IPCサブクラス別企業別競争力指数=IPCサブクラス別の市場ステータス×IPCサブクラス別の企業シェア・・・(式21)
IPCサブクラス別の競争力指数は、前記式19によって算出したIPCサブクラス別の市場ステータスに、前記式20によって算出したIPCサブクラス別の企業シェアを乗じることによって算出する。つまり、IPCサブクラス別の競争力指数とは、各IPCサブクラスにおける競争状態(寡占的であるか競争的であるか)と、各社の出願請求項数シェアとを用いて、各IPCサブクラスにおける、各企業の特許出願から見た技術開発競争力の度合いを測定するものである。
次に、IPCサブクラス分類毎の研究開発投入金額の状態を把握するため、下記の式22に基づき、IPCサブクラス別の研究開発ステータスを算出する。
研究開発ステータス=Σ(IPCサブクラス別の各企業の研究開発投入金額/
全参入企業の研究開発投入金額の総計)・・・(式22)
IPCサブクラス別の研究開発ステータスの算出には、IPCサブクラス別の市場ステータスを算出する場合と同様に、ハーフィンダール指数を用いている。ハーフィンダール指数を用いることにより、各IPCサブクラス全体に投下されている研究開発投入金額の総計の企業間での偏在度合いを測定することができる。
次に、各IPCサブクラス分類における各企業の研究開発投入金額の位置付け(ステータス)を把握するため、下記の式23に基づき、IPCサブクラス分類毎の研究開発投入金額の企業別シェアを算出する。
企業別研究開発投入金額シェア=IPCサブクラス別の各企業の研究開発投入金額/全参入企業の研究開発投入金額の総計・・・(式23)
企業別の研究開発投入金額ステータスを把握するために、各企業の研究開発投入金額シェアを算出する理由は、業種によって研究開発投入金額の規模は異なるため、研究開発金額のみを見て、企業の研究開発投資傾向が高いとは必ずしも判断できないからである。IPCサブクラスの技術分類に対応した各企業の研究開発投入金額シェアを見れば、同じ技術分類における業種間比較が可能となり、業種による研究開発投入金額の規模の違いに左右されなくなる。
次に、前記式22によって算出したIPCサブクラス別の研究開発ステータスに、前記式23によって算出した企業別研究開発投入金額シェアを乗じることによって、IPCサブクラス別の各企業の研究開発投入指数を算出する。具体的には、下記の式24に示す通りである。
IPCサブクラス別企業別研究開発投入指数=IPCサブクラス別の研究開発入ステータス×企業別研究開発投入金額シェア・・・(式24)
IPCサブクラス別の研究開発投入指数とは、各IPCサブクラスにおける研究開発投資の傾向(数社集中的であるか分散的であるか)と、各社の研究開発投入金額シェアとを用いて、各IPCサブクラスにおける、各企業の研究開発への注力の度合いを測定するものである。
次に、前記式21によって算出したIPCサブクラス別企業別競争力指数を、前記式24によって算出したIPCサブクラス別企業別研究開発投入指数で除すことにより、各企業のIPCサブクラス別の研究開発効率を算出する。具体的には、下記の式25に示す通りである。
IPCサブクラス別企業別研究開発効率=IPCサブクラス別企業別競争力指数/IPCサブクラス別企業別研究開発投入指数・・・(式25)
次に、IPCサブクラス別に算出した各企業の研究開発効率の結果に基づいて、各企業のIPCサブクラス別の償却費用を算出する。具体的には、下記の式26に示す通りである。
IPCサブクラス別企業別償却費用=(1−IPCサブクラス別企業別研究開発効率)×IPCサブクラス別企業別研究開発投入金額・・・(式26)
最後に、前記式26に基づき算出したIPCサブクラス別企業別償却費用を、当該企業が出願した全てのIPCサブクラスについて算出する。そして、各々のIPCサブクラスについて算出された償却費用を総計することによって、当該企業としての償却費用総額を算出する。具体的には、下記の式27に示す通りである。
償却費用総額=Σ(IPCサブクラス別企業別償却費用)・・・(式27)
なお、個々の特許等知的資産が属する技術開発競争市場の分類方法は、IPCサブクラス別に限られるものではない。IPCサブクラスの他にも、例えば、IPCのセクション別、クラス別、メイングループ別、又は米国特許分類(UPC)別、あるいは米国標準産業分類(SIC)別等の区分に基づいて分類することもできる。
再び、図11に示す税引後事業利益理論値算出のための処理手順を表すフローチャートに戻り、ステップS149で、税引後事業利益理論値を算出する。税引後事業利益理論値は、税引後営業利益理論値に、ステップS147で算出した研究開発費みなし資産額を加算することによって求める。なお、本発明の実施の形態においては、研究開発に伴う損失は発生しないものと仮定し、償却費用の控除は行っていない。
また、本発明の実施の形態における税引後事業利益理論値には、税引後営業利益理論値(特許料等ロイヤルティ収入を含む)及び研究開発費の3期平均値を用いている。しかし、採用する期間の長さはこれに限られるものではなく、任意の期間を設定することが可能である。
税引後事業利益理論値を算出した後、再び図3に戻り、ステップS15で、企業の投下資本コストを算出する。投下資本コストとは、企業の事業活動に投資された資金の総額のことである。投下資本コストの算出方法には、企業の資金調達源泉となった負債・資本に着目する財務アプローチと、企業の資金運用形態としての資産に着目する事業アプローチとがある。
いずれのアプローチで投下資本コストを算出する場合でも、投下資本コストは、加重平均資本コスト(WACC)に基づいて算出される。企業には、二種類の投資家、すなわち負債投資家と株式投資家とが存在する。社債投資家や金融機関等の負債投資家は、負債投資に見合ったリターンを求める。他方、株式投資家は、彼らが引き受けたリスクに見合う、より高いリターンを得ることを期待している。従って、当該企業にとっての資本コストは、負債投資家の資本コストと株式投資家の資本コストとを平均したものになる。そして、この負債と株主資本との割合、すなわち資本負債構成は、企業によって異なる。そのため、各企業の資本コストを算出するためには、負債と株主資本コストとを調達額に応じて重み付けした後、それらを平均化することが必要となる。以上の理由から、投下資本コストの算出にあたっては、加重平均資本コスト(WACC)が用いられる。
加重平均資本コスト(WACC)とは、Weighted Average Cost Of Capitalの略称で、資金提供者が要求する最低限のリターンを表す。ここで、加重平均とは、企業の資金調達源泉である負債と株主資本との各々に生じるコストを、調達額で重み付けして平均化することをいう。加重平均資本コスト(WACC)の計算式は、下記の式28に示す通りである。
加重平均資本コスト(WACC)=(有利子負債の市場価値/企業の市場価値)×負債コスト×(1−法人税率)+(株式の市場価値/企業の市場価値)×株主資本コスト・・・(式28)
企業の市場価値に対する有利子負債と株主資本との重み付けについては、一般的に、目標
数値が適用される。また、負債コストには、当該企業の実績値あるいは格付けに基づき算出される金利が適用される。また、株主資本コストには、一般的に、資本資産評価モデル(CAPM)や裁定価格モデル(APM)に基づき算出される値が適用される。
次いで、算出した加重平均資本コスト(WACC)を、当該企業の投下資本に掛け合わせることで、投下資本コストを算出する。投下資本コストの算出式は、下記の式29に示す通りである。
投下資本コスト=(有利子負債+自己資本)×加重平均資本コスト(WACC)
・・・(式29)
上記式29は、企業の資金調達源泉となった有利子負債と株主資本とに着目する財務アプローチによる投下資本コストの算出式である。投下資本コストの算出に用いる自己資本については、簿価に基づく金額と時価に基づく金額とのいずれの金額を用いることもできる。本発明の実施の形態においては、有利子負債が簿価に基づき算出されていることとのバランスを考慮して、自己資本には、簿価に基づく金額を用いている。
なお、投下資本コストを算出する手法は、上記式29に限られるものではない。例えば、企業が保有する資産に着目する事業アプローチに基づく算出方法として、企業の運転資本と有形固定資産とを加算した値を、WACCで掛けることによって投下資本コストを算出する方法がある。事業アプローチに基づく投下資本コストの算出式は、下記の式30に示す通りである。
投下資本コスト=(運転資本+有形固定資産)×加重平均資本コスト
(WACC)・・・(式30)
運転資本とは、流動資産の残高から流動負債の残高を差し引いた金額のことであり、厳密には、売上債権と棚卸資産とを加算した金額から、仕入債務を控除した金額のことである。また、有形固定資産とは、長期にわたって利用することを目的として保有する資産のことであり、土地・建物等具体的形態を持つ資産のことをいう。
運転資本を圧縮すれば、資金繰りが改善し短期借入金が縮小する。また、有形固定資産を圧縮すれば、長期借入金が縮小する。このように、運転資本と有形固定資産との増減は、短期借入金、長期借入金、及び株主資本の増減と密接な関連を有している。また、運転資本と有形固定資産との構成は、企業ごとに異なる。このため、事業アプローチに基づき投下資本コストを算出するにあたっても、財務アプローチの場合と同様、WACCによって加重平均した資本コストを用いることが望ましい。
さらには、財務アプローチや事業アプローチに基づいて投下資本コストを算出する方法の他に、金融資産と有形固定資産とから得られるべき理論的な期待収益を算出して、これを投下資本コストに替えて用いる方法がある。金融資産及び有形固定資産の期待収益の算出方法は、下記の式31に示す通りである。
期待収益=(金融資産×収益率m)+(有形固定資産×収益率f)・・・(式31)
ここで、金融資産とは、貸借対照表上の流動資産から流動負債を控除した金額の期首・期末平均値のことである。なお、この期間は上記のものに限られず、分析の目的や対象の性質に応じて任意の期間を設定することができる。また、有形固定資産には、貸借対照表上の有形固定資産の期首・期末平均値を用いている。この期間も、金融資産と同様、上記のものに限られず、分析の目的や対象の性質に応じて任意に設定することができる。収益率mには、短期プライムレートを準用している。短期プライムレートとは、市中銀行が優良企業向けの短期貸出に適用する最優遇金利のことである。また、収益率fには、長期プライムレートを準用している。長期プライムレートとは、長期信用銀行や信託銀行などが優良企業向けの長期貸出しに適用する最優遇金利のことである。なお、収益率に準用される長短金利は、上記のものに限られず、分析の目的や対象の性質に応じて任意の利子率を準用することができる。
以上のように、投下資本コストを算出する手法として、有利子負債と自己資本との簿価金額を加算した金額に、加重平均資本コスト(WACC)を掛けて算出する方法と、有利子負債の簿価金額と自己資本の時価金額とを加算した金額に、加重平均資本コスト(WACC)を掛けて算出する方法と、運転資本と有形固定資産とを加算した金額に、加重平均資本コスト(WACC)を掛けて算出する方法と、について説明した。また、投下資本コストの算出とは別に、金融資産と有形固定資産との期待収益の算出方法についても説明した。上記に記載した手法は、分析の目的や対象の性質に応じていずれの手法も任意に選択することができる。
次に、ステップS17で、税引後事業利益理論値から、ステップS15で算出した投下資本コストを控除して経済的利益理論値を算出する。経済的利益理論値の算出式は下記の式32に示す通りである。
経済的利益理論値=税引後事業利益理論値−投下資本コスト・・・(式32)
上記式32の投下資本コストは、有利子負債と自己資本との簿価金額を加算した金額に、加重平均資本コスト(WACC)を掛けて算出したものである。ここで、経済的利益理論値とは、税引後事業利益理論値から投下資本コストを控除した後の残余利益の理論値のことである。経済的利益理論値は、事業によって生み出される経済的利益の理論値の総体を表すと考えることができる。また、経済的利益理論値は、オンバランス(貸借対照表上)の投下資本が生み出した超過利益と見ることもできることから、これを企業の将来収益に代用することもできる。
なお、有利子負債の簿価金額と自己資本の時価金額とを加算した金額に、加重平均資本コスト(WACC)を掛けて算出した金額を投下資本コストとして用いる場合に求められる残余利益の理論値のことを、理論経済的超過利益と呼ぶ。また、運転資本と有形固定資産とを加算した金額に、加重平均資本コスト(WACC)を掛けて算出した金額を投下資本として用いる場合に求められる残余利益の理論値のことを、税・資産コスト控除後・研究開発費控除前事業利益理論値(税引後知的資産利益・β理論値)と呼ぶ。各々の理論値の定義又は算出式は、図4に示す通りである。
さらに、税引後事業利益理論値から、金融資産と有形固定資産との期待収益を控除した残余利益の理論値のことを、知的資産利益理論値と呼ぶ。税引後事業利益理論値からオンバランス(貸借対照表上)の資産から得られるべき期待収益を控除して得られる知的資産利益理論値は、オンバランス(貸借対照表上)の資産からでは説明のつかない利益であることから、特許等知的資産に代表されるオフバランスの無形資産を源泉として生み出される利益額の理論値であると推定することができる。
次に、ステップS19で、割引率を算出する。割引率とは、企業の将来収益を現在の価値に戻して計算するための金利の一種である。割引率は、資本資産評価モデル(CAPM)を用いて算出する。資本資産評価モデル(CAPM)とは、Capital Asset Pricing Modelの略称で、リスク資産と期待収益率との間に需給を均衡させる数量的関係があることを示すモデルである。CAPMは、株式市場の収益率から無リスク資産のリスクフリーレートを控除した値に、個別企業の株式変動幅を表す係数(β)を乗じて得た値と、無リスク資産のリスクフリーレートとを加算して算出する。CAPMに基づく割引率の算出式は、下記の式33に示す通りである。
割引率(CAPM)=無リスク資産のリスクフリーレート+β×(株式市場の収益率−無リスク資産のリスクフリーレート)・・・(式33)
次に、ステップS21で、理論市場付加価値を算出する。理論市場付加価値は、企業のオフバランスの無形資産についての市場における評価額の理論値である。つまり、理論市場付加価値は、企業の潜在的な市場価値と自己資本の簿価金額との差額あり、企業に投下された資本を上回って創造されたとみなされる価値を表す。理論市場付加価値は、将来期間における経済的利益理論値を、ステップS19で算出した割引率(CAPM)で除すことによって求める。また、このようにして求められた理論市場付加価値は、経済的利益理論値の現在価値の総和に等しい。理論市場付加価値の算出式は、下記の式34に示す通りである。
理論市場付加価値=経済的利益理論値/割引率・・・(式34)
次に、ステップS23で、企業の自己資本を算出する。自己資本は、貸借対照表上の株主資本の項目、つまり企業の純資産額である。本発明の実施の形態においては3期平均値として算出した自己資本を用いる。
次に、ステップS25で、推定時価総額を算出する。推定時価総額は、理論市場付加価値に、ステップS23で算出した自己資本の3期平均値を加算することによって求める。推定時価総額の算出式は、下記の式35に示す通りである。
推定時価総額=理論市場付加価値+自己資本・・・(式35)
次に、ステップS27で、理論株価を算出する。理論株価は、算出した推定時価総額を、内部データベース30Aから取得した発行済み株式総数で除して算出する。理論株価の算出式は、下記の式36に示す通りである。
理論株価=推定時価総額/発行済み株式総数・・・(式36)
なお、理論株価の算出方法は、本発明の実施の形態に限られるものではない。例えば、企業の将来収益の割引現在価値から負債額を控除して推定時価総額を算出し、これを発行済み株式総数で除して理論株価を算出する方法もある。又は、株式の配当をベースに理論株価を算出することも可能である。これらの方法は、理論株価の算出目的や算出対象の性質に応じて任意に選択することができる。なお、算出した理論株価は、内部データベース30Aに格納する。
次に、ステップS29で、理論株価の算出結果を、現実株価と共に表示画面に表示する。また、必要に応じて、理論株価の算出結果や、理論株価と現実株価との値動きデータの一覧表やグラフ等をプリンタ31に出力する。なお、本発明の実施の形態においては、算出した理論株価を表示手段またはプリンタに出力する例について説明しているが、これに限定されるものではない。算出した理論株価を、通信回線を介してオンライン配信するようにしてもよい。
図19に示すのは、理論株価の算出結果の一覧表である。一覧表には、企業名、任意の年度における現実株価の実績、及び企業毎に算出した理論株価の算出結果が表示されている。本発明の実施の形態における理論株価は、現実株価よりいずれも高い値を示している。これは、いずれの企業も、市場において、その潜在的な企業価値に見合う評価を得られておらず、過小に評価されているということを意味する。また、このことから、当該企業の本業に基づく事業活動以外の部分に問題が無いのであれば、将来的に株価が上昇する期待が大きいと判断することが可能である。この結果から、図19に示した所定の企業の現在株価は、当該企業の有する潜在的な企業価値に比して割安であり、購入するのに適した時期であると判断することができる。
このように本発明に係る理論株価算出装置によれば、オフバランスの無形資産を代表する特許等知的資産から得られる指標を使用するとともに、企業の経営財務に関する情報から得られるデータをも加味して、各々の企業が事業戦略、研究開発戦略、及び知的財産戦略の三位一体による経営戦略をいかに構築・運用して、企業価値の増大を図っているのかを総合的に評価し、かつ、その評価結果に基づき将来的な期待収益を適正に算定して理論株価を算出することができる。
そのため、算出した理論株価が現実株価より高い場合には、当該企業の将来株価は上昇する可能性が高いので、投資家はこの銘柄を購入する時期であると判断することができる。逆に、算出した理論株価が現実株価より低い場合には、当該企業の将来株価は下落する可能性が高いので、投資家はこの銘柄を売却する時期であると判断することができる。このようにして、知的資産等オフバランスの無形資産の潜在的価値を適正に評価して、企業の将来的な期待収益を算出することによって得られた理論株価を判定指標とすることで、現実の株価そのものを適正水準へと調整していく機能を果たすことができる。
他方、企業経営者にとっては、理論株価が現実株価より高いということは、自らの企業が高い潜在的価値を有しながらも、市場においては、その企業価値に見合う評価を得られていないということを意味する。そのような場合、当該企業は、企業価値に見合う評価を市場において獲得し、企業買収の対象とされる事態を回避する必要がある。そして、そのためには、経営戦略上の必須の課題として株価対策に取り組む必要性が高いと判断することができる。
逆に、理論株価が現実株価より低いということは、当該企業の現在の収益状況や市場の評価に比べて、本来の事業活動上の基盤が弱まってきている可能性が高いということを意味する。そのような場合、当該企業は、これまで行われてきた事業活動を見直し、人的資源の再配分や、技術開発分野の選択と集中等による事業構造の再構築に着手する必要性が高いと判断することができる。
また、このような理論株価の算出方法をサービスとして提供することもできる。さらに、理論株価算出装置を制御するプログラムそのものを提供することで、各クライアントが個人的にこのシステムを活用して、理論株価を自動的に算出することもできる。
この発明に係る理論株価算出装置、理論株価算出方法、及び理論株価算出プログラムは、企業を評価する研究開発費関連指標と、経営・財務関連指標と、特許等知的資産関連指標とを含む企業評価指標に基づいて企業を総合的に評価し、かつ、その評価結果に基づいて将来的な期待収益を適正に算定したうえで理論株価を自動的に算出することができる。
この発明に係る理論株価算出装置、理論株価算出方法及び理論株価算出プログラムは、株式市場において、投資家が、投資対象となる企業の現在株価は割高なのか、割安なのかを判定するための新たな指標を提供する目的に適用される。また、企業経営者が、株式市場における自身の企業の現在株価が割高なのか、割安なのかを判定するための新たな指標を提供する目的にも適用される。

Claims (15)

  1. 企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出する装置であって、
    知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得手段と、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の期待収益を算出する期待収益算出手段と、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値の導出のための割引率を算出する割引率算出手段と、
    前記期待収益を前記割引率で除して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出手段と、
    前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出手段と、を備える
    ことを特徴とする理論株価算出装置。
  2. 企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出する装置であって、
    知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得手段と、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の税引後事業利益理論値を算出する税引後事業利益理論値算出手段と、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の投下資本コストを算出する投下資本コスト算出手段と、
    前記税引後事業利益理論値から前記投下資本コストを控除して経済的利益理論値を算出する経済的利益理論値算出手段と、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値の導出のための割引率を算出する割引率算出手段と、
    前記経済的利益理論値を前記割引率で除して理論市場付加価値を算出する理論市場付加価値算出手段と、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の自己資本を算出する自己資本算出手段と、
    前記理論市場付加価値と前記自己資本とを加算して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出手段と、
    前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出手段と、を備える
    ことを特徴とする理論株価算出装置。
  3. 前記税引後事業利益理論値算出手段は、
    複数の企業の前記企業評価指標に関するデータを用いて因子分析を行い、因子を抽出し、当該因子に基づき前記企業評価指標を集約する因子分析手段と、
    前記因子分析手段により抽出された因子と、複数の企業の知的資産関連収益等の諸収益を表す収益関連指標と、を用いて重回帰分析を行い、これらの間の相関関係を示す回帰直線を導出する重回帰分析手段と、
    前記回帰直線に基づいて、理論株価算出対象企業の収益関連指標の理論値を算出し、当該理論値から総事業利益理論値を算出する総事業利益理論値算出手段と、
    前記総事業利益理論値から研究開発費の簿価を控除して営業利益理論値を算出する営業利益理論値算出手段と、
    前記営業利益理論値から法人税を控除して税引後営業利益理論値を算出する税引後営業利益理論値算出手段と、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて研究開発費のみなし資産額を算出する研究開発費みなし資産額算出手段と、
    前記税引後営業利益理論値に前記研究開発費みなし資産額を加算して税引後事業利益理論値を算出する研究開発費みなし資産額加算手段と、を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載した理論株価算出装置。
  4. 前記研究開発費みなし資産額算出手段は、
    研究開発投入金額データを取得する研究開発投入金額データ取得手段と、
    前記研究開発投入金額のうち損失部分を償却費用として算出する償却費用算出手段と、
    前記研究開発投入金額から前記償却費用を控除した償却後研究開発費を算出する償却費用控除手段と、を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載した理論株価算出装置。
  5. 前記償却費用算出手段は、
    各企業の研究開発投入が知的資産を産出する割合を示す知的資産生産性と、前記知的資産の活用によりもたらされる成果の度合いを示す知的資産収益性とを測定して各企業別に償却費用を算出する、マクロ的な企業評価に基づく算出手段、及び/又は、
    各企業の特許等知的資産の競争力を指数化し、当該特許等知的資産別に償却費用を算出する、特許等知的資産価値評価に基づく算出手段、を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載した理論株価算出装置。
  6. 企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出する方法であって、
    知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得ステップと、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の期待収益を算出する期待収益算出ステップと、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値の導出のための割引率を算出する割引率算出ステップと、
    前記期待収益を前記割引率で除して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出ステップと、
    前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出ステップと、を備える
    ことを特徴とする理論株価算出方法。
  7. 企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出する方法であって、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得ステップと、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の税引後事業利益理論値を算出する税引後事業利益理論値算出ステップと、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の投下資本コストを算出する投下資本コスト算出ステップと、
    前記税引後事業利益理論値から前記投下資本コストを控除して経済的利益理論値を算出する経済的利益理論値算出ステップと、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値の導出のための割引率を算出する割引率算出ステップと、
    前記経済的利益理論値を前記割引率で除して理論市場付加価値を算出する理論市場付加価値算出ステップと、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の自己資本を算出する自己資本算出ステップと、
    前記理論市場付加価値と前記自己資本とを加算して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出ステップと、
    前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出ステップと、を備える
    ことを特徴とする理論株価算出方法。
  8. 前記税引後事業利益理論値算出ステップは、
    複数の企業の前記企業評価指標に関するデータを用いて因子分析を行い、因子を抽出し、当該因子に基づき前記企業評価指標を集約する因子分析工程と、
    前記因子分析工程により抽出された因子と、複数の企業の知的資産関連収益等の諸収益を表す収益関連指標と、を用いて重回帰分析を行い、これらの間の相関関係を示す回帰直線を導出する重回帰分析工程と、
    前記回帰直線に基づいて、理論株価算出対象企業の収益関連指標の理論値を算出し、当該理論値から総事業利益理論値を算出する総事業利益理論値算出工程と、
    前記総事業利益理論値から研究開発費の簿価を控除して営業利益理論値を算出する営業利益理論値算出工程と、
    前記営業利益理論値から法人税を控除して税引後営業利益理論値を算出する税引後営業利益理論値算出工程と、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて研究開発費のみなし資産額を算出する研究開発費みなし資産額算出工程と、
    前記税引後営業利益理論値に前記研究開発費みなし資産額を加算して税引後事業利益理論値を算出する研究開発費みなし資産額加算工程と、を備える
    ことを特徴とする請求項7に記載した理論株価算出方法。
  9. 前記研究開発費みなし資産額算出工程は、
    研究開発投入金額データを取得する研究開発投入金額データ取得工程と、
    前記研究開発投入金額のうち損失部分を償却費用として算出する償却費用算出工程と、
    前記研究開発投入金額から前記償却費用を控除した償却後研究開発費を算出する償却費用控除工程と、を備える
    ことを特徴とする請求項8に記載した理論株価算出方法。
  10. 前記償却費用算出工程は、
    各企業の研究開発投入が知的資産を産出する割合を示す知的資産生産性と、
    前記知的資産の活用によりもたらされる成果の度合いを示す知的資産収益性とを測定して各企業別に償却費用を算出するマクロ的な企業評価に基づく算出工程、
    及び/又は、各企業の特許等知的資産の競争力を指数化し、当該特許等知的資産別に償却費用を算出する特許等知的資産価値評価に基づく算出工程、を備える
    ことを特徴とする請求項9に記載した理論株価算出方法。
  11. 企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出するプログラムであって、
    知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得機能と、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の期待収益を算出する期待収益算出機能と、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値の導出のための割引率を算出する割引率算出機能と、
    前記期待収益を前記割引率で除して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出機能と、
    前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出機能と、を備える
    ことを特徴とする理論株価算出プログラム。
  12. 企業評価指標に基づいて企業の理論株価を算出するプログラムであって、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを取得するデータ取得機能と、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて企業の税引後事業利益理論値を算出する税引後事業利益理論値算出機能と、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の投下資本コストを算出する投下資本コスト算出機能と、
    前記税引後事業利益理論値から前記投下資本コストを控除して経済的利益理論値を算出する経済的利益理論値算出機能と、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の現在価値の導出のための割引率を算出する割引率算出機能と、
    前記経済的利益理論値を前記割引率で除して理論市場付加価値を算出する理論市場付加価値算出機能と、
    前記企業評価指標に関するデータを用いて企業の自己資本を算出する自己資本算出機能と、
    前記理論市場付加価値と前記自己資本とを加算して企業の推定時価総額を算出する推定時価総額算出機能と、
    前記推定時価総額を発行済み株式総数で除して理論株価を算出する理論株価算出機能と、を備える
    ことを特徴とする理論株価算出プログラム。
  13. 前記税引後事業利益理論値算出機能は、
    複数の企業の前記企業評価指標に関するデータを用いて因子分析を行い、因子を抽出し、当該因子に基づき前記企業評価指標を集約する因子分析機能と、
    前記因子分析機能により抽出された因子と、複数の企業の知的資産関連収益等の諸収益を表す収益関連指標と、を用いて重回帰分析を行い、これらの間の相関関係を示す回帰直線を導出する重回帰分析機能と、
    前記回帰直線に基づいて、理論株価算出対象企業の収益関連指標の理論値を算出し、当該理論値から総事業利益理論値を算出する総事業利益理論値算出機能と、
    前記総事業利益理論値から前記研究開発費の簿価を控除して営業利益理論値を算出する営業利益理論値算算出機能と、
    前記営業利益理論値から法人税を控除して税引後営業利益理論値を算出する税引後営業利益理論値算出機能と、
    前記知的資産関連指標を含む企業評価指標に関するデータを用いて研究開発費のみなし資産額を算出する研究開発費みなし資産額算出機能と、
    前記税引後営業利益理論値に前記研究開発費みなし資産額を加算して税引後事業利益理論値を算出する研究開発費みなし資産額加算機能と、を備える
    ことを特徴とする請求項12に記載した理論株価算出プログラム。
  14. 前記研究開発費みなし資産額算出機能は、
    研究開発投入金額データを取得する研究開発投入金額データ取得機能と、
    前記研究開発投入金額のうち損失部分を償却費用として算出する償却費用算出機能と、
    前記研究開発投入金額から前記償却費用を控除した償却後研究開発費を算出する償却費用控除機能と、を備える
    ことを特徴とする請求項13に記載した理論株価算出プログラム。
  15. 前記償却費用算出機能は、
    各企業の研究開発投入が知的資産を産出する割合を示す知的資産生産性と、
    前記知的資産の活用によりもたらされる成果の度合いを示す知的資産収益性とを測定して各企業別に償却費用を算出するマクロ的な企業評価に基づく算出機能、
    及び/又は、各企業の特許等知的資産の競争力を指数化し、当該特許等知的資産別に償却費用を算出する特許等知的資産価値評価に基づく算出機能、を備える
    ことを特徴とする請求項14に記載した理論株価算出プログラム。
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