JPWO2006092849A1 - 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置 Download PDF

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Abstract

磁化方向が固定された第1の磁性層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第2の磁性層とを有し、第1の磁性層の磁化方向に対する第2の磁性層の磁化方向に応じて抵抗状態が変化する磁気抵抗効果素子において、第2の磁性層は、磁化困難軸方向に平行な一の辺に内側に窪んだ第1の凹部を有し、磁化困難軸方向に平行な他の辺に内側に窪んだ第2の凹部を有する。

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置に係り、特に、磁性層の磁化方向に基づき抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子及びこれを用いた磁気メモリ装置に関する。
近年、書き換え可能な不揮発性メモリとして、磁気抵抗効果素子をマトリクス状に配列した磁気ランダムアクセスメモリ(以下、MRAM:Magnetic Random Access Memoryという)が注目されている。MRAMは、2つの磁性層における磁化方向の組み合わせを利用して情報を記憶し、これら磁性層間の磁化方向が平行である場合と反平行である場合とにおける抵抗変化(すなわち電流或いは電圧の変化)を検知することによって記憶情報の読み出しを行うものである。
MRAMを構成する磁気抵抗効果素子の1つとして、磁気トンネル接合(以下、MTJ:Magnetic Tunnel Junctionという)素子が知られている。MTJ素子は、2つの強磁性磁性層がトンネル絶縁膜を介して積層されたものであり、2つの強磁性層の磁化方向の関係に基づいてトンネル絶縁膜を介して磁性層間を流れるトンネル電流が変化する現象を利用したものである。すなわち、MTJ素子は、2つの強磁性層の磁化方向が平行のときに低い素子抵抗を有し、反平行のときには高い素子抵抗を有する。この2つの状態をデータ“0”及びデータ“1”に関連づけることにより、記憶素子として用いることができる。
MTJ素子の記憶状態を書き換える方法としては、直交する2本の信号線(例えばビット線及び書き込みワード線)に電流を流し、これら信号線から発生する磁界の合成磁界をMTJ素子に印加する方法が一般的である。
MRAMにおける課題の1つは、書き込み時の消費電力を下げることである。これを実現する手段の1つは、書き換え動作時の電流を少なくすることである。また、MRAMにおける他の課題は、メガビット以上もの多数のMTJ素子をエラーなく書き換えることであり、書き換え動作における大きなマージンが求められている。
書き換え動作において広いマージンを確保する方法の1つとして、MTJ素子へ印加する合成磁界の回転による書き換え動作、いわゆるトグル動作が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。しかしながら、トグル動作では書き換え動作マージンは拡大するものの、1) 消費電力が大きい、2) 書き換え動作の前に記憶状態を確認するための読み出し動作が必要なため書き換え動作時間が長い、といった欠点がある。
また、書き込み動作マージンを確保する他の方法として、MTJ素子の形状を最適化する方法が知られている。印加磁界とMTJ素子の磁化反転磁界との関係を表す特性曲線として、いわゆるアステロイド曲線がある。アステロイド曲線は、MTJ素子の形状、サイズ、積層構造等に依存し、アステロイド曲線の凹みを大きくすることによって書き換え動作マージンを広げることができる。図16(a)乃至(c)は、かかる観点に基づき提案されているMTJ素子100の平面形状を示す図である(特許文献1及び非特許文献2等を参照)。
特開2003−151260号公報 特開2004−128067号公報 M. Durlam et al., "A 0.18μm 4Mb toggling MRAM", IEDM 2003 Y. K. Ha et al., "MRAM with novel shaped cell using synthetic anti-ferromagnetic free layer", 2004 Symposium on VLSI Technology, Digest of Technical Papers, pp.24-25
しかしながら、磁気メモリ装置のメモリ容量が増加するにつれ、より広い書き込み動作マージン及び書き換え電流の低減が求められている。また、MTJ素子の平面形状を工夫してこれらを改善する従来の磁気メモリ装置は、その形状が現在のシリコンテクノロジにおけるパターニングルールでは複雑な部類に入ってしまう。したがって、このようなパターンを有するMTJ素子を形成するためには、特にMTJ素子の更なる微細化を図るためには、新たな加工技術が必要であった。
本発明の目的は、書き換え電流を低減するとともに書き換え動作マージンを広げることができ、シリコンプロセスを適用して容易に加工しうる形状の磁気抵抗効果素子、並びにこれを用いた高性能且つ生産性に優れた磁気メモリ装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、磁化方向が固定された第1の磁性層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第2の磁性層とを有し、前記第1の磁性層の磁化方向に対する前記第2の磁性層の磁化方向に応じて抵抗状態が変化する磁気抵抗効果素子であって、前記第2の磁性層は、磁化困難軸方向に平行な一の辺に内側に窪んだ第1の凹部を有し、前記磁化困難軸方向に平行な他の辺に内側に窪んだ第2の凹部を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、第1の配線と、前記第1の配線に交差する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線との交差領域に設けられた上述の磁気抵抗効果素子とを有することを特徴とする磁気メモリ装置が提供される。
本発明によれば、磁化方向が固定された第1の磁性層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第2の磁性層とを有し、第1の磁性層の磁化方向に対する第2の磁性層の磁化方向に応じて抵抗状態が変化する磁気抵抗効果素子において、第2の磁性層が、磁化容易軸方向の幅が端部分よりも中央部分において狭い平面形状を有するので、磁化困難軸方向への印加磁界の増加により、C字形を描くように磁区の磁化方向が並ぶ2つの領域が磁化困難軸方向に隣接して形成される磁化状態から、全体として1つのS字形を描くように磁区の磁化方向が並ぶ磁化状態に変化する特性を呈する。これにより、磁化困難軸方向の磁界が弱いときにおける反転磁界強度が増加してディスターブ耐性を向上しうる一方、磁化困難軸方向の磁界が強いときにおける反転磁界強度を低下して書き込み動作を容易化することができる。また、従来の磁気抵抗効果素子と比較して、磁化困難軸方向の磁界の増加に伴う磁化容易軸方向の反転磁界強度の減少度合いを低減することができる。これにより、書き込み動作マージンを広げることができる。
また、第2の磁性層の形状を上記平面形状とした磁気抵抗効果素子の書き込みに必要な印加磁界強度は従来の磁気抵抗効果素子の場合とほぼ同等であり、トグル動作による書き込みの場合と比較して消費電力を低減することができる。
また、第2の磁性層の上記形状は、シリコンプロセスに適用できる範囲内で実現することができる。これにより、新たな加工技術を投入する必要なく、高性能の磁気抵抗効果素子を実現することができる。
本発明の一実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す平面図である。 本発明の一実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態による磁気抵抗効果素子の形状を示す平面図である。 本発明の一実施形態による磁気抵抗効果素子の磁化状態を示す平面図である。 磁気抵抗効果素子のアステロイド曲線及びアステロイド曲線から見積もられる書き込み動作マージンを説明する図である。 シミュレーションにより求めた磁気抵抗効果素子のアステロイド曲線を示すグラフである。 シミュレーションにより求めた従来の磁気抵抗効果素子のアステロイド曲線及び書き込み動作マージンを示すグラフである。 シミュレーションにより求めた本発明の一実施形態による磁気抵抗効果素子のアステロイド曲線及び書き込み動作マージンを示すグラフである。 C形の磁化状態及びS形の磁化状態におけるアステロイド曲線を示すグラフである。 本発明の一実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の一実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の一実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 本発明の一実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 本発明の実施形態の変形例によるMTJ素子の形状を示す平面図である。 従来の磁気抵抗効果素子の形状を示す平面図である。
符号の説明
10…シリコン基板
12…素子分離膜
14…ゲート電極
16,18…ソース/ドレイン領域
20,28,40,64…層間絶縁膜
22,42…コンタクトホール
24,44…コンタクトプラグ
26…グラウンド線
30…配線溝
32…Ta膜
34…NiFe膜
36…Cu膜
38…書き込みワード線
46…下部電極層
48…反強磁性層
50…固定磁化層
52…トンネル絶縁膜
54…自由磁化層
56…キャップ層
62…MTJ素子
66…ビット線
68…凹部
70,72,74…フォトレジスト膜
100…MTJ素子
本発明の一実施形態による磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置について図1乃至図14を用いて説明する。
図1は本実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す平面図、図2は本実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す概略断面図、図3は本実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す部分拡大断面図、図4は本実施形態による磁気抵抗効果素子の形状を示す平面図、図5は本実施形態による磁気抵抗効果素子における磁化状態を示す平面図、図6は磁気抵抗効果素子のアステロイド曲線及びアステロイド曲線から見積もられる書き込み動作マージンを説明する図、図7はシミュレーションにより求めた磁気抵抗効果素子のアステロイド曲線を示すグラフ、図8はシミュレーションにより求めた従来の磁気抵抗効果素子のアステロイド曲線及び書き込み動作マージンを示すグラフ、図9はシミュレーションにより求めた本発明の一実施形態による磁気抵抗効果素子のアステロイド曲線及び書き込み動作マージンを示すグラフ、図10はC形の磁化状態及びS形の磁化状態におけるアステロイド曲線を示すグラフ、図11乃至図14は本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図である。
はじめに、本実施形態による磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置の構造について図1乃至図10を用いて説明する。
シリコン基板10には、その表面に複数の活性領域を画定する素子分離膜12が形成されている。複数の活性領域はそれぞれがY方向に長い矩形形状を有しており、互いに千鳥格子状に配置されている。
素子分離膜12が形成されたシリコン基板10上には、X方向に延在する複数のワード線WLが形成されている。ワード線WLは、各活性領域に、それぞれ2本づつが延在している。ワード線WLの両側の活性領域には、ソース/ドレイン領域16,18がそれぞれ形成されている。これにより、各活性領域には、ワード線WLにより構成されるゲート電極14とソース/ドレイン領域16,18とを有する選択用トランジスタが、それぞれ2つづつ形成されている。一の活性領域に形成された2つの選択用トランジスタは、ソース/ドレイン領域16を共用している。
選択用トランジスタが形成されたシリコン基板10上には、層間絶縁膜20が形成されている。層間絶縁膜20には、ソース/ドレイン領域16に接続されたコンタクトプラグ24が埋め込まれている。層間絶縁膜20上には、コンタクトプラグ24を介してソース/ドレイン領域16に電気的に接続されたグラウンド線26が形成されている。
グラウンド線26が形成された層間絶縁膜20上には、層間絶縁膜28が形成されている。層間絶縁膜28には、書き込みワード線38が埋め込まれている。書き込みワード線38は、ゲート電極14上に形成されている。書き込みワード線38は、図3に示すように、配線溝30の内壁に沿って形成されたバリアメタルとしてのTa膜32と、磁場を強めるために設けられた透磁率の高いNiFe膜34と、主要な配線部であるCu膜36とにより構成されている。
書き込みワード線38が埋め込まれた層間絶縁膜28上には、層間絶縁膜40が形成されている。層間絶縁膜40,28,20には、ソース/ドレイン領域18に接続されたコンタクトプラグ44が埋め込まれている。
コンタクトプラグ44が埋め込まれた層間絶縁膜40上には、コンタクトプラグ44を介してソース/ドレイン領域18に電気的に接続された下部電極層46が形成されている。下部電極層46上には、MTJ素子62が形成されている。
MTJ素子62は、図3に示すように、PtMn膜よりなる反強磁性層48と、強磁性材料であるCoFe膜50a、非磁性材料であるRu膜50b及び強磁性材料であるCoFe膜50cの積層膜よりなる固定磁化層50と、アルミナ膜よりなるトンネル絶縁膜52と、強磁性材料であるNiFe膜よりなる自由磁化層54と、Ta膜よりなるキャップ層56との積層体により構成されている。
MTJ素子62が形成された領域以外の層間絶縁膜40上には、層間絶縁膜64が形成されている。MTJ素子62が埋め込まれた層間絶縁膜40上には、キャップ層56においてMTJ素子62に電気的に接続された複数のビット線66(BL)が形成されている。ビット線66はY方向に延在して形成されており、Y方向に並ぶMTJ素子62のキャップ層60に接続されている。
こうして、1つの選択トランジスタと1つのMTJ素子とからなる1T−1MTJ型のメモリセルを有する磁気メモリ装置が構成されている。
ここで、本実施形態による磁気メモリ装置は、MTJ素子62の平面形状に主たる特徴がある。すなわち、本実施形態による磁気メモリ装置のMTJ素子62は、図4(a)に示すように、磁化困難軸方向と平行な一対の辺にそれぞれ凹部68が形成されており、中央部分における幅が端部分の幅よりも狭くなっている。また、MTJ素子62は、図1及び図4(b)に示すように、書き込みワード線38とビット線66とが交差する領域内に設けられ、磁化容易軸方向が書き込みワード線38の延在方向に平行となり、磁化困難軸方向がビット線66の延在方向に平行となるように、配置されている。
図5は、本実施形態による磁気抵抗効果素子における磁化の様子をLLGシミュレーションにより求めた結果を示す図である。なお、図5(a)は磁化困難軸方向の印加磁界を0Oeとして磁化容易軸方向の印加磁界で磁化反転を行った場合であり、図5(b)は磁化困難軸方向の印加磁界を100Oeとして磁化容易軸方向の印加磁界で磁化反転を行った場合である。図中、小さい矢印はその場所の磁区における磁化方向を表したものであり、大きい矢印は各磁区の磁化方向が全体としてどのように並んでいるかを大まかに表したものである。
磁化容易軸方向(Hx方向)に磁界を印加して磁化困難軸方向(Hy方向)には磁界を印加しない場合、図5(a)に示すように、凹部68が形成された中央部分では、各磁化の磁化方向は磁化容易軸方向を向いている。これに対し、凹部68よりも上側の領域及び下側の領域は、凹部68が形成された中央部分を境にして上下対称となっている。そして、それぞれの領域において、MTJ素子62の中心部分を頂点として弧を描きながら磁化困難軸方向に向かうように、各磁区の磁化方向が並んでいる。すなわち、MTJ素子面内における各磁区の磁化方向は、凹部68が形成された中央部分を境にして上下対称となっており、それぞれの領域における各磁区の磁化方向は、全体としてC字形を描くように並んでいる。以下、各磁区の磁化方向がこのように並ぶ磁化状態を、C形と呼ぶ。
磁化容易軸方向(Hx方向)及び磁化困難軸方向(Hy方向)に磁界を印加した場合、図5(b)に示すように、各磁区の磁化方向は、概ね磁化容易軸方向に印加する磁界と磁化困難軸方向に印加する磁界との合成磁界の方向(図面、右上方向)を向いている。ただし、凹部68の存在により磁区の並びに若干のうねりが生じており、MTJ素子の面内で、全体として1つのS字形を描くように並んでいる。以下、各磁区の磁化方向がこのように並ぶ磁化状態を、S形と呼ぶ。
このように、本実施形態による磁気抵抗効果素子は、図4に示す形状に基づき、磁化容易軸方向に磁界を印加して磁化困難軸方向には磁界を印加しない場合の磁化状態が、凹部68部分を境にして上下対称の2つのC形を成し、磁化容易軸方向及び磁化困難軸方向に磁界を印加した場合の磁化状態が、全体で1つのS形を成すことに特徴がある。
次に、本実施形態による磁気抵抗効果素子について具体的に説明する前に、磁気抵抗効果素子の特性の指標となるアステロイド曲線について図6を用いて説明する。
図6(a)は、選択セル及び半選択セルのアステロイド曲線を示したものである。ここで、選択セルとは、磁化容易軸方向及び磁化困難軸方向の双方に、所定の書き込み磁界が印加されたメモリセルである。また、半選択セルとは、選択セルに隣接するメモリセルであって、磁化容易軸方向及び磁化困難軸方向のいずれか一方のみに選択セルと同じ書き込み磁界が印加されたメモリセルである。磁化容易軸方向の書き込み磁界のみが印加された半選択セルには、選択セルに印加した磁化困難軸方向の書き込み磁界の漏れ磁界が印加され、磁化困難軸方向の磁界のみが印加された半選択セルには、選択セルに印加した磁化容易軸方向の書き込み磁界の漏れ磁界が印加される。
アステロイド曲線とは、MTJ素子の自由磁化層を磁化反転するに必要な磁化容易軸方向への印加磁界と磁化困難軸方向への印加磁界との関係を示したものである。すなわち、アステロイド曲線よりも内側(原点側)のグラフ上の領域が磁界を印加しても磁化方向が反転しない領域であり、アステロイド曲線よりも外側のグラフ上の領域が磁界の印加により磁化方向が反転する領域である。
MTJ素子に所定の情報を書き込む際には、選択セルにのみ磁化反転に必要な磁界を印加し、半選択セル及び非選択セルの磁化方向はそのまま維持する必要がある。したがって、MTJ素子の書き換えを行う際に印加する磁界は、選択セルのアステロイド曲線よりも外側の領域であって、半選択セルのアステロイド曲線よりも内側の領域に設定する必要がある。すなわち、図6(a)中のハッチングを付した領域が、書き込み動作マージンを表すことになる。
図6(b)は、選択セルのアステロイド曲線が、図6(a)のアステロイド曲線よりも原点近くを通過する急峻なプロファイルを有する場合を示したものである。この場合、図から明らかなように、図6(a)の場合よりも動作マージンの領域を広げることができ、MTJ素子の書き込みマージンを広げることができる。つまり、アステロイド曲線が原点近くを通過する急峻なプロファイルを有するMTJ素子ほど、一般的に、書き込み動作マージンが広いものと考えられる。
図7は、LLGシミュレーションにより求めたアステロイド曲線を示すグラフである。図中、実線は本実施形態によるMTJ素子の場合(本発明)、一点鎖線は楕円形形状のMTJ素子の場合(従来例1)、点線は図16(b)に示すようなゴーグル形状のMTJ素子の場合(従来例2)である。いずれのMTJ素子においても、磁化容易軸方向の最大幅を0.4μm、磁化困難軸方向の最大幅を0.2μmとした。
図7に示すように、本発明のMTJ素子及び従来例2のMTJ素子のアステロイド曲線は、原点近くに急峻な凹部を有しており、従来例1のMTJ素子のアステロイド曲線よりも原点近くを通過するプロファイルを有している。したがって、本発明のMTJ素子及び従来例2のMTJ素子は、従来例1のMTJ素子よりも書き込み動作マージンが広くなっているものと考えられる。
図8は、本実施形態によるMTJ素子における選択セル及び半選択セルのアステロイド曲線をLLGシミュレーションにより求めた結果を示したものであり、図9は従来例1のMTJ素子における選択セル及び半選択セルのアステロイド曲線をLLGシミュレーションにより求めた結果を示したものである。各図において、横軸は磁化容易軸方向の磁界を印加する信号線(ビット線)に流す電流値であり、磁化容易軸方向の印加磁界強度に相当する。また、縦軸は磁化困難軸方向の磁界を印加する信号線(書き込みワード線)に流す電流値であり、磁化困難軸方向の印加磁界強度に相当する。
図9に示すように、本実施形態によるMTJ素子によれば、図8に示す従来例1のMTJ素子と比較して書き込み動作マージンが大幅に拡大することを確認できた。
図7に示す本発明のMTJ素子のアステロイド曲線と従来例2のMTJ素子のアステロイド曲線とを比較すると、磁化困難軸方向の印加磁界が約150Oeまでは、両者はほぼ等しい特性を有している。しかしながら、従来例2のMTJ素子のアステロイド曲線では、磁化困難軸方向の印加磁界が150Oeを超えるとプロファイルがY軸に近づいているのに対し、本発明のMTJ素子のアステロイド曲線では、磁化困難軸方向の印加磁界が200Oeを超えるとプロファイルがY軸に近づいている。このことは、本発明のMTJ素子の方が、磁化困難軸方向に磁界を印加しすぎても反転しにくいことを表しており、従来例2のMTJ素子よりも書き込み動作マージンが広いことを示している。
本発明のMTJ素子及び従来例2のMTJ素子のアステロイド曲線がある磁化困難軸方向の磁界強度において急峻に変化しているのは、磁化困難軸方向の印加磁界が所定値を超えると、MTJ素子面内における磁区の磁化状態がC形からS形に変化するためである。
図10に示すように、C形の磁化状態を有するMTJ素子のアステロイド曲線は、S形の磁化状態を有するMTJ素子のアステロイド曲線よりも外側に位置する。このため、磁化状態がC形からS形に変化することにより、困難軸磁界が大きい領域においてアステロイド曲線がY軸に近接し、図示するような急峻なプロファイルが形成される。このようなプロファイルの急激な変化により、図中に楕円を付した領域において書き込み動作マージンが向上する。
また、本発明のMTJ素子は、書き込み電流動作条件も従来例のMTJ素子と同等で高くはなく、トグル動作による書き込みの場合よりも消費電力を低減することができる。
MTJ素子面内に2つのC形の磁化状態が形成されることは、本実施形態による磁気メモリ装置のMTJ素子の特徴である。そして、この特徴が、従来例2のMTJ素子よりも書き込み動作マージンを広くできる要因であると考えられる。書き込み動作マージンが広くなるメカニズムについては明らかではないが、例えば以下のように考えられる。
すなわち、本実施形態によるMTJ素子において2つのC形の磁化状態が形成されることは、C形を呈し大きさが半分である2つのMTJ素子が結合されたものに相当する。MTJ素子のサイズは小さいほどに反転磁界が大きくなることから、本実施形態による磁気メモリ装置のMTJ素子では実効的なサイズが小さくなり、反転磁界強度が増加したものと、本願発明者は考えている。
図4に示す本実施形態による磁気メモリ装置のMTJ素子の平面形状は、矩形形状で短辺に左右対称の凹部を有する単純な形状であり、設計が容易である。また、左右の凹部の形状・大きさ・位置・個数が同じであるため、アステロイド曲線が磁化困難軸に対して対称となり、MRAM動作においてマージンの拡大を行うことができる。また、凹部68がMTJ素子62の内部に向かって幅が狭くなる形状とすることにより、磁化容易軸磁界のみが印加されている状態で安定してC形の磁化を形成することができる。
一般に、MTJ素子の形状としては、自由磁化層の磁化を安定する観点から、磁化容易軸方向の長さが長くなるように縦横比を設定することが好ましい。しかしながら、本発明のMTJ素子の場合、縦横比を1:1としても、凹部の上下には1:2に近い形状に対応するC形の磁化状態が形成される結果、十分な動作マージンを確保しうるアステロイド曲線を安定して得ることができる。このことは、縦横比を例えば1:2としたMTJ素子と比較して半分の面積に小型化できることを意味しており、高集積化を図る上でも極めて有効である。
次に、本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法について図11乃至図14を用いて説明する。なお、図11乃至図13は選択トランジスタ及びMTJ素子を含むメモリセル全体の製造方法を示す工程断面図であり、図14はMTJ素子の製造方法を示す部分拡大工程断面図である。
まず、シリコン基板10に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、素子分離膜12を形成する。
次いで、素子分離膜12により画定された活性領域に、通常のMOSトランジスタの形成方法と同様にして、ゲート電極14及びソース/ドレイン領域16,18を有する選択トランジスタを形成する(図11(a))。
次いで、選択トランジスタが形成されたシリコン基板10上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、CMP法によりこの表面を平坦化し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜20を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜20に、ソース/ドレイン領域16に達するコンタクトホール22を形成する。
次いで、例えばCVD法により、バリアメタルとしての窒化チタン膜及びタングステン膜とを堆積後、これら導電膜をエッチバック或いはポリッシュバックし、コンタクトホール22に埋め込まれソース/ドレイン領域16に電気的に接続されたコンタクトプラグ24を形成する(図11(b))。
次いで、コンタクトプラグ24が埋め込まれた層間絶縁膜20上に導電膜を堆積してパターニングし、コンタクトプラグ24を介してソース/ドレイン領域16に電気的に接続されたグラウンド線26を形成する。
次いで、グラウンド線26が形成された層間絶縁膜20上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、CMP法によりこの表面を平坦化し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜28を形成する(図11(c))。
次いで、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、層間絶縁膜28に、書き込みワード線を埋め込むための配線溝30を形成する(図11(d))。
次いで、例えばスパッタ法によりTa膜32及びNiFe膜34を、例えば電解めっき法によりCu膜36を、それぞれ堆積後、これら導電膜をCMP法により平坦化し、配線溝30内に埋め込まれた書き込みワード線38を形成する(図3、図12(a))。
次いで、書き込みワード線38が埋め込まれた層間絶縁膜28上に、例えばCVD法により例えば膜厚100nmのシリコン酸化膜を堆積後、CMP法によりこの表面を平坦化し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜40を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜40,28,20に、ソース/ドレイン領域18に達するコンタクトホール42を形成する。
次いで、例えばCVD法により、バリアメタルとしての窒化チタン膜及びタングステン膜とを堆積後、これら導電膜をエッチバック或いはポリッシュバックし、コンタクトホール42に埋め込まれソース/ドレイン領域18に電気的に接続されたコンタクトプラグ44を形成する(図12(b))。
次いで、例えばスパッタ法により、例えば膜厚40nmのTa膜46aを堆積する(図12(c))。
次いで、Ta膜46a上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚15nmのPtMnよりなる反強磁性層48と、例えば膜厚2nmのCoFe膜50a、例えば膜厚0.9nmのRu膜50b及び例えば膜厚3nmのCoFe膜50cよりなる固定磁化層50と、例えば膜厚1.2nmのアルミナよりなるトンネル絶縁膜52と、例えば膜厚6nmのNiFeよりなる自由磁化層54と、例えば膜厚30nmのTa膜よりなるキャップ層56とを順次形成する。
次いで、フォトリソグラフィにより、形成しようとする自由磁化層のパターンを有するフォトレジスト膜70を形成する。フォトレジスト膜70は、例えばワード線WLの延在方向(例えば図1のX方向)に長い矩形形状で短辺に凹部を有する図4に示すような形状とする(図14(a))。
なお、図4に示すMTJ素子62の形状は、縦・横・斜めのパターニングルールのみで描かれる形状であることから、従来のシリコンテクノロジに従った方法での設計が可能であり、容易に実現することができる。
次いで、フォトレジスト膜70をマスクとしてドライエッチングを行い、自由磁化層54及びキャップ層56をパターニングする。これにより、例えば、ワード線WLの延在方向(例えば図1のX方向)に長い200×300nmの矩形形状で短辺に凹部を有する自由磁化層54を形成する(図14(b))。
次いで、フォトレジスト膜70を除去した後、フォトリソグラフィにより、形成しようとする固定磁化層のパターンを有するフォトレジスト膜72を形成する。フォトレジスト膜72は、例えば、自由磁化層54のパターンよりも一回り大きい矩形形状とする(図14(c))。
次いで、フォトレジスト膜72をマスクとしてドライエッチングを行い、トンネル絶縁膜52、固定磁化層50及び反強磁性層48をパターニングする。こうして、反強磁性層48、固定磁化層50、トンネル絶縁膜52、自由磁化層54及びキャップ層56の積層体よりなり、自由磁化層54が短辺に凹部を有する矩形形状のパターンを有するMTJ素子62を形成する(図14(d))。
本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法のように自由磁化層54と固定磁化層50とを別々にパターニングすることにより、パターニングの際に発生する側壁付着物によって自由磁化層54と固定磁化層50とが電気的にショートすることを抑制することができる。これにより、製造歩留まりを向上することができる。
次いで、フォトレジスト膜72を除去した後、フォトリソグラフィにより、形成しようとする下部電極層46のパターンを有するフォトレジスト膜74を形成する(図14(e))。
次いで、フォトレジスト膜74をマスクとしてドライエッチングを行い、Ta膜46aをパターニングする。これにより、Ta膜46aよりなり、MTJ素子62をコンタクトプラグ44を介してソース/ドレイン拡散層18に電気的に接続する下部電極層46を形成する(図14(f)、図13(a))。
次いで、MTJ素子62が形成された層間絶縁膜40上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、このシリコン酸化膜をCMP法によりMTJ素子62が露出するまで平坦化し、表面が平坦化されたシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜64を形成する(図13(b))。
次いで、MTJ素子62が埋め込まれた層間絶縁膜64上に導電膜を堆積してパターニングし、MTJ素子62に接続されたビット線66を形成する(図13(c))。
この後、必要に応じて更に上層に絶縁層や配線層等を形成し、磁気メモリ装置を完成する。
このように、本実施形態によれば、自由磁化層が、磁化困難軸方向と平行な一対の辺に凹部を有する平面形状を有するので、磁化困難軸方向への印加磁界の増加により、C字状を描くように磁区の磁化方向が並ぶ2つの領域が磁化困難軸方向に隣接して形成される磁化状態から、全体として1つのS字状を描くように磁区の磁化方向が並ぶ磁化状態に変化する特性を呈することができる。これにより、磁化困難軸方向の磁界が弱いときにおける反転磁界強度が増加してディスターブ耐性を向上しうる一方、磁化困難軸方向の磁界が強いときにおける反転磁界強度が低下して書き込み動作を容易化できる。また、従来の磁気抵抗効果素子と比較して、磁化困難軸方向の磁界の増加に伴う磁化容易軸方向の反転磁界強度の減少度合いを低減することができる。これにより、書き込み動作マージンを広げることができる。
また、自由磁化層の形状を上記平面形状とした磁気抵抗効果素子の書き込みに必要な印加磁界強度は従来の磁気抵抗効果素子の場合とほぼ同等であり、トグル動作による書き込みの場合と比較して消費電力を低減することができる。
また、自由磁化層の上記形状は、シリコンプロセスに適用できる範囲内で実現することができる。これにより、新たな加工技術を投入する必要なく、高性能の磁気抵抗効果素子を実現することができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、MTJ素子62を図4に示すような平面形状としたが、本発明の効果を奏しうる形状は、図4に示すものに限定されるものではない。
本発明による磁気抵抗効果素子は、磁化容易軸方向の磁界のみが印加されている状態で素子面内に2つのC形の磁化状態が形成されることを主たる特徴とするものであり、このような磁化状態を実現しうる形状であれば、図4の形状に種々の変形を施すことができる。
例えば、図15(a)に示すように、MTJ素子62は基本形状を矩形形状とする必要はなく、より多くの辺及び角を有する凸多角形としてもよい。また、凹部68の位置を、左右において異なる高さに配置してもよい。
或いは、図15(b)に示すように、角部に丸みを付けた形状としてもよい。なお、例えば0.4μm以下の微細加工を目的としたフォトリソグラフィでは、図4に示すような設計形状を用いた場合であって、実際に形成される形状は光近接効果により図15(b)に示すようになる。
或いは、図15(c)に示すように、凹部68を除く外形のみに丸みを付けた形状としてもよい。MTJ素子62の内部に向かうほど幅が狭くなる凹部68は、前述の通り、磁化容易軸磁界のみが印加されている状態で安定してC形の磁化状態を形成できるという効果がある。
また、図15(b)及び図15(c)に示すように凹部68が上下方向で対称の位置にある形状では、上半分でC形からS形に変換する合成磁界強度と、下半分でC形からS形に変換する合成磁界強度とが同じとなり、アステロイド曲線のばらつきを抑えることができるという効果がある。
また、上記実施形態では、MTJ素子のうち自由磁化層側のみを図4に示す形状にパターニングしたが、自由磁化層及び固定磁化層の双方を図4に示す形状にパターニングするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、固定磁化層50を、CoFe膜50aと、Ru膜50bと、CoFe膜50cとからなる積層フェリ構造とすることにより、固定磁化層50からの漏れ磁界を低減する構成としたが、例えばCoFeよりなる単層構造の固定磁化層を適用してもよい。
また、上記実施形態では、自由磁化層54をNiFよりなる単層構造としたが、例えば固定磁化層50と同様のCoFe/Ru/CoFeの積層構造としてもよい。
また、上記実施形態では、MTJ素子62の磁化容易軸方向を書き込みワード線38の延在方向とし、MTJ素子の磁化困難軸方向をビット線66の延在方向としたが、MTJ素子62の磁化容易軸方向をビット線66の延在方向とし、MTJ素子の磁化困難軸方向を書き込みワード線38の延在方向としてもよい。また、MTJ素子62の書き込みに用いる信号線は書き込みワード線38及びビット線66に限定されるものではなく、メモリセルのレイアウトや構成に応じて適宜選択することができる。
また、上記実施形態では、1つの選択トランジスタと1つのMTJ素子によって1つのメモリセルが構成される1T−1MTJ型の磁気メモリ装置に本発明を適用した場合を示したが、メモリセルの構成はこれに限定されるものではない。例えば、2T−2MTJ型の磁気メモリ装置や、1T−2MTJ型の磁気メモリ装置においても、本発明を同様に適用することができる。
また、上記実施形態では、磁気抵抗効果素子としてMTJ素子を例にして説明したが、本発明は、磁性層間のスピンの関係に基づく抵抗変化を利用した磁気抵抗効果素子に広く適用することができる。例えば、2つの磁性層が導電性の非磁性層を介して積層された磁気抵抗効果素子においても適用可能である。
また、上記実施例では、本発明の磁気抵抗効果素子を磁気メモリ装置に適用する場合を示したが、磁気抵抗効果素子を用いる他のデバイスに適用してもよい。
本発明による磁気抵抗効果素子は、製造工程を複雑にすることなく、駆動電流を少なくして消費電力を少なくしながら書き換え時のディスターブ耐性を高めることができるものであり、磁性層の磁化方向に基づく抵抗変化を利用した磁気メモリ装置の低消費電力化、高集積化及び高性能化を図るために有用である。
次いで、フォトレジスト膜74をマスクとしてドライエッチングを行い、Ta膜46aをパターニングする。これにより、Ta膜46aよりなり、MTJ素子62をコンタクトプラグ44を介してソース/ドレイン領域18に電気的に接続する下部電極層46を形成する(図14(f)、図13(a))。

Claims (12)

  1. 磁化方向が固定された第1の磁性層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第2の磁性層とを有し、前記第1の磁性層の磁化方向に対する前記第2の磁性層の磁化方向に応じて抵抗状態が変化する磁気抵抗効果素子であって、
    前記第2の磁性層は、磁化困難軸方向に平行な一の辺に内側に窪んだ第1の凹部を有し、前記磁化困難軸方向に平行な他の辺に内側に窪んだ第2の凹部を有する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 請求の範囲第1項記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第2の磁性層は、四角形形状の前記一の辺に前記第1の凹部が形成され、前記他の辺に第2の凹部が形成された形状を有する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 請求の範囲第1項又は第2項記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の凹部及び前記第2の凹部は、前記第2の磁性層の磁化容易軸方向の中心線に対して対称に形成されている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  4. 請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の凹部及び前記第2の凹部は、前記磁化困難軸方向の中心線に対して対称に形成されている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  5. 請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の凹部及び前記第2の凹部の幅は、前記第2の磁性層の内側に向かうほど狭くなっている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  6. 請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第2の磁性層は、外形の角部が丸みを帯びている
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  7. 請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第2の磁性層の磁化容易軸方向の幅は、前記第2の磁性層の前記磁化困難軸方向の長さ以上である
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  8. 請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記磁化容易軸方向に磁界を印加して前記磁化困難軸方向には磁界を印加しないとき、前記第2の磁性層内に、前記第1の凹部と前記第2の凹部とを結んでできる境界線によって区切られる2つの領域に、前記第2の磁性層の中心部分を頂点とする弧を描きながら磁化容易軸方向に向かうように各磁区の磁化方向が並ぶC形の磁化状態がそれぞれ形成され、
    前記磁化容易軸方向及び前記磁化困難軸方向に磁界を印加したときに、前記第2の磁性層内に、前記磁化容易軸方向の印加磁界と前記磁化困難軸方向の印加磁界との合成磁界の方向に向かうように、各磁区の磁化方向が全体として1つのS字状を描くように並ぶS形の磁化状態が形成される
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  9. 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の磁性層は、前記第2の磁性層とは異なる平面形状を有する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  10. 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記第1の磁性層は、前記第2の磁性層と同じ平面形状を有する
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  11. 第1の配線と、
    前記第1の配線に交差する第2の配線と、
    前記第1の配線と前記第2の配線との交差領域に設けられた請求の範囲第1項乃至第10項のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子と
    を有することを特徴とする磁気メモリ装置。
  12. 請求の範囲第11項記載の磁気メモリ装置において、
    前記第1の配線は、前記磁気抵抗効果素子の前記第2の磁性層の磁化容易軸方向に延在して形成されており、
    前記第2の配線は、前記磁気抵抗効果素子の前記第2の磁性層の磁化困難軸方向に延在して形成されている
    ことを特徴とする磁気メモリ装置。
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