JP4823070B2 - 磁気メモリ装置及びその書き込み方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気メモリ装置に係り、特に、磁性層のスピンの向きに基づく抵抗変化を利用した磁気メモリ装置及びその書き込み方法に関する。
近年、書き換え可能な不揮発性メモリとして、磁気抵抗効果素子をマトリクス状に配列した磁気ランダムアクセスメモリ(以下、MRAM:Magnetic Random Access Memoryという)が注目されている。MRAMは、2つの磁性層における磁化方向の組み合わせを利用して情報を記憶し、これら磁性層間の磁化方向が平行である場合と反平行である場合とにおける抵抗変化(すなわち電流或いは電圧の変化)を検知することによって記憶情報の読み出しを行うものである。
MRAMを構成する磁気抵抗効果素子の1つとして、磁気トンネル接合(以下、MTJ:Magnetic Tunnel Junctionという)素子が知られている。MTJ素子は、2つの強磁性層がトンネル絶縁膜を介して積層されたものであり、2つの強磁性層の磁化方向の関係に基づいてトンネル絶縁膜を介して磁性層間を流れるトンネル電流が変化する現象を利用したものである。すなわち、MTJ素子は、2つの強磁性層の磁化方向が平行のときに低い素子抵抗を有し、反平行のときには高い素子抵抗を有する。この2つの状態をデータ“0”及びデータ“1”に関連づけることにより、記憶素子として用いることができる。
MTJ素子への情報の書き込みは、MTJ素子に磁界を印加して一方の強磁性層(自由磁化層)の磁化方向を反転させることにより行う。具体的には、直する方向に配された2つの配線にそれぞれ電流を流し、これら電流によって形成される合成磁界をMTJ素子に印加する。一方の配線に流す電流の向き逆にすることにより、MTJ素子に印加される合成磁界の方向も反転する。これにより、MTJ素子の自由磁化層の磁化方向を任意に制御することができる。
MTJ素子の書き込み方式の一つとして、いわゆるトグル方式という書き込み方式が提案されている。トグル方式とは、フェリ磁性体のスピンフロップという性質を用いて磁化方向の切り換えを行う方法である。スピンフロップとは、フェリ磁性体の磁化方向が、反平行の状態から、磁界の印加により左右に開いた状態に変化する現象をいう。この動作が機械工学上のトグル動作に似ていることから、このように呼ばれている。
トグル方式では、MTJ素子が単軸(スピンが一つに揃った状態)になるように、書き込み用の2つの配線に対して45度の位置に磁化容易軸が向くようにMTJ素子を配置し、書き込み用の2つの配線に流す電流のタイミングをずらしてスピンを回転させる。トグル方式は、書き込みの際に半選択セルに漏洩磁界が印加されて誤書き込みが生じる現象、いわゆるディスターブを防止するために有効な方式である。
トグル方式を用いたMTJ素子の書き込み方法は、例えば特許文献1、非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。
米国特許第6545906号明細書 特開2001−236781号公報 特開2001−273758号公報 特開2003−197876号公報 特開2004−030822号公報 M. Duralm et al., "A 0.18μm 4Mb toggling MRAM", IEDM 2003 Proceedings, 34.6, Dec., 2003 J. Nahs et al., "A 4Mb 0.18μm toggle MRAM memory", ISSCC 2004 Proceedings, 2.3, Feb. 2004 M. Aoki et al., "A novel voltage sensing 1T/2MTJ cell with resistance ratio for high stable and scalable MRAM", 2005 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers, pp. 170-171 Roy Scheuerlein et al., "A 10ns Read and Write Non-Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell", ISSCC Dig. Tech. Papers, pp.128-129, 2000 M. Durlam et al., "A low power 1Mbit MRAM based on 1T1MTJ bit cell integrated with Copper Interconnects", Symposium on VLSI Circuits Dig. Tech. Papers, pp.158-161, 2002 N. Tanabe et al., "A High Density 1T/2C Cell with Vcc/2 Reference Level for High Stable FeRAMs", IEDM Tech. Dig., pp. 863-866, 1997
本願発明者は、1つのメモリセルが、1つの選択用トランジスタと2つのMTJ素子とにより構成される1T2MTJ型の磁気メモリ装置を提案している(例えば非特許文献3を参照)。1T2MTJ型の磁気メモリ装置は読み出しマージンを拡大しうる優れた方式であるが、書き込みについては特段の対策がなされておらず、通常のMRAMと同様にディスターブの問題が生じてしまう。このため、1T2MTJ型の磁気メモリ装置においてディスターブを防止しうる構造及び書き込み方法が待望されていた。
本発明の目的は、書き込み方法を複雑にすることなく書き込み動作の際のディスターブを防止しうる1T2MTJ型の磁気メモリ装置及びその書き込み方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、第1の磁気抵抗効果素子と、前記第1の磁気抵抗効果素子の一方の端部に一方の端部が接続された第2の磁気抵抗効果素子と、前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子との接続ノードに接続された選択用トランジスタとを有するメモリセルと、第1の方向に延在し、前記第1の磁気抵抗効果素子の他方の端部に接続された第1の信号線と、前記第1の方向に延在し、前記第2の磁気抵抗効果素子の他方の端部に接続された第2の信号線と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在し、前記第1の磁気抵抗効果素子が形成された領域において前記第1の信号線と交差し、前記第2の磁気抵抗効果素子が形成された領域において前記第2の信号線と交差する第3の信号線とを有し、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の磁化容易軸が前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれに対して傾くように配置された磁気メモリ装置の書き込み方法であって、初期化書き込みとして、前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子とに、一方が高抵抗状態であり他方が低抵抗状態である相補的な抵抗状態を書き込み、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗状態によって定義される前記メモリセルの記憶情報を読み出し、読み出した前記記憶情報が書き込むべき記憶情報と異なるときは、前記第1の信号線及び前記第2の信号線に第1の電流パルスを印加するタイミングと前記第3の信号線に第2の電流パルスを印加するタイミングとをずらして前記第1の信号線、前記第2の信号線及び前記第3の信号線に書き込み電流を流すことにより、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子に方向が徐々に回転する磁界を印加して前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗状態をそれぞれ反転させ、書き込むべき前記記憶情報を前記メモリセルに書き込む磁気メモリ装置の書き込み方法が提供される。
また、実施形態の他の観点によれば、第1の磁気抵抗効果素子と、前記第1の磁気抵抗効果素子の一方の端部に一方の端部が接続された第2の磁気抵抗効果素子と、前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子との接続ノードに接続された選択用トランジスタとを有し、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の磁化容易軸が第1の方向及び前記第1の方向と交差する第2の方向のそれぞれに対して傾くように配置されたメモリセルと、前記第1の方向に延在し、前記第1の磁気抵抗効果素子の他方の端部に接続された第1の信号線と、前記第1の方向に延在し、前記第2の磁気抵抗効果素子の他方の端部に接続された第2の信号線と、前記第2の方向に延在し、前記第1の磁気抵抗効果素子が形成された領域において前記第1の信号線と交差し、前記第2の磁気抵抗効果素子が形成された領域において前記第2の信号線と交差する第3の信号線と、前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子とに、一方が高抵抗状態であり他方が低抵抗状態である相補的な抵抗状態を書き込む初期化書き込みの際に、前記第1の信号線と前記第2の信号線とに互いに逆向きの書き込み電流を流すことにより、前記第2の方向と平行な逆向きの磁界を前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子とに印加し、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗状態をそれぞれ反転させるデータ書き込みの際に、前記第1の信号線、前記第2の信号線及び前記第3の信号線に、前記第1の信号線及び前記第2の信号線に第1の電流パルスを印加するタイミングと前記第3の信号線に第2の電流パルスを印加するタイミングをずらして書き込み電流を流すことにより、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子に方向が徐々に回転する磁界を印加して前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗状態をそれぞれ反転させる書き込み用回路とを有する磁気メモリ装置が提供される。
本発明によれば、1T2MTJ型の磁気メモリ装置において、書き込みワード線のみに書き込み電流を流して書き込みを行うことにより一のメモリセルに含まれる2つのMTJ素子の抵抗状態を相補的な状態に初期化し、書き込みワード線及びディジット線に書き込み電流を流して所望のメモリセルの記憶情報を反転させることによりデータ書き込みを行うので、いわゆるトグル方式による書き込み動作が可能である。これにより、書き込み動作の際のディスターブ耐性を向上することができる。
また、記憶情報を反転すべきメモリセルに対応するディジット線のみに書き込み電流を流すことで、書き込みワード線を共通とする複数のメモリセルについて同時に書き込みを行うことができる。
また、折り返しビット線構造を有する1T2MTJ型の磁気メモリ装置において、ビット線BLに接続されたメモリセルを読み出し、ビット線/BLに接続されたメモリセルを読み出した後、ビット線BL,/BLに接続されたメモリセルのうち記憶情報を反転すべきメモリセルへの書き込みを一括して行うので、書き込みプロセスを簡略化することができる。
本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す平面図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す部分拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す回路図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置における初期化書き込みの原理を示す回路図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置における初期化書き込みの際の構成を示す回路図(その1)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置における初期化書き込みの際の構成を示す回路図(その2)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置における初期化書き込みの際の構成を示す回路図(その3)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込みの方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込みの際の構成を示す回路図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込みの際に書き込みワード線及びディジット線に流す電流のタイミングを示すタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の読み出し方法を示す図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置における記憶情報の判定方法を示す図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置におけるメモリセル及び読み出し回路の一例を示す回路図である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置における読み出し動作のタイミングを示すタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込みの方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込みの際の構成を示す回路図である。 本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込みの際に書き込みワード線及びディジット線に流す電流のタイミングを示すタイムチャートである。
符号の説明
10…シリコン基板
12…素子分離膜
14(WL)…ゲート電極又はワード線
16,18…ソース/ドレイン領域
20,28,54,62…層間絶縁膜
22,56…コンタクトホール
24,58…コンタクトプラグ
26(BL)…ビット線
30…配線溝
32…Ta膜
34…NiFe膜
36…Cu膜
38(WWL)…書き込みワード線
40…下部電極層
42…反強磁性層
44…固定磁化層
46…トンネル絶縁膜
48…自由磁化層
48a,48c…CoFe膜
48b…Ru膜
50…キャップ層
52…MTJ素子
60…上部電極層
64(DL)…ディジット線
80,80a,80b…書き込みワード線駆動回路
82…BL/DL駆動回路
84…センスアンプ
86…スイッチング素子
88…メモリセルブロック
90…プリチャージ用回路
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による磁気メモリ装置及びその書き込み方法について図1乃至図19を用いて説明する。
はじめに、本実施形態による磁気メモリ装置の構造について図1乃至図4を用いて説明する。
図1は本実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す平面図、図2は本実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す概略断面図、図3は本実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す部分拡大断面図、図4は本実施形態による磁気メモリ装置の構造を示す回路図である。
シリコン基板10には、シリコン基板10表面に複数の活性領域を画定する素子分離膜12が形成されている。それぞれの活性領域は、X方向に長い矩形状のトランジスタ形成部と、その中央部からY方向に突出するコンタクト部とからなるT字型形状を有している。これら複数の活性領域は、互いに千鳥格子状に配置されている。
素子分離膜12が形成されたシリコン基板10上には、Y方向に延在する複数のワード線WLが形成されている。ワード線WLは、各活性領域に、それぞれ2本ずつが延在している。ワード線WLの両側の活性領域には、ソース/ドレイン領域16,18が形成されている。これにより、各活性領域には、ワード線WLを兼ねるゲート電極14とソース/ドレイン領域16,18とを有する選択用トランジスタが、それぞれ2つずつ形成されている。一の活性領域に形成された2つの選択用トランジスタは、ソース/ドレイン領域16を共用している。
選択用トランジスタが形成されたシリコン基板10上には、層間絶縁膜20が形成されている。層間絶縁膜20には、活性領域のコンタクト部に形成されたソース/ドレイン領域16に接続されたコンタクトプラグ24が埋め込まれている。層間絶縁膜20上には、X方向に延在して形成され、コンタクトプラグ24を介してソース/ドレイン領域16に電気的に接続された複数のビット線26(BL)が形成されている。ビット線26は、活性領域のコンタクト部上を横切るように形成されている。
ビット線26が形成された層間絶縁膜20上には、層間絶縁膜28が形成されている。層間絶縁膜28には、Y方向に延在する複数の書き込みワード線38(WWL)が埋め込まれている。書き込みワード線38は、各ワード線WL上に、それぞれ形成されている。書き込みワード線38は、図3に示すように、配線溝30の内壁に沿って形成されたバリアメタルとしてのTa膜32と、磁場を強めるために設けられた透磁率の高いNiFe膜34と、主要な配線部であるCu膜36とにより構成されている。
書き込みワード線38が埋め込まれた層間絶縁膜28上には、楕円形状を有するMTJ素子52が形成されている。MTJ素子52は、図1に示すように、活性領域と書き込みワード線38とが交差する各領域に形成されている。MTJ素子52は、図3に示すように、下部電極層40と、反強磁性層42と、固定磁化層44と、トンネル絶縁膜46と、自由磁化層48と、キャップ層50との積層膜により構成されている。
下部電極層40は、例えばTa等の非磁性材料により構成する。反強磁性層42は、例えばPtMn等の反強磁性材料により構成する。固定磁化層44は、例えばCoFe等の強磁性材料により構成する。トンネル絶縁膜46は、例えばアルミナ等の絶縁材料により構成する。自由磁化層48は、結合層を介して2つの強磁性層を積層してなるSAF(Synthetic AntiFerromagnet:反平行結合)構造とし、例えばCoFe膜48c/Ru膜48b/CoFe膜48aの積層膜により構成する。キャップ層50は、例えばTa等の非磁性材料により構成する。
MTJ素子52が形成された領域以外の層間絶縁膜28上には、層間絶縁膜54が形成されている。層間絶縁膜54,28,20には、ソース/ドレイン領域18に接続されたコンタクトプラグ58が埋め込まれている。層間絶縁膜54上には、コンタクトプラグ58を挟んでX方向に隣接する2つのMTJ素子52とコンタクトプラグ58とを電気的に接続する上部電極層60が形成されている。
上部電極層60が形成された層間絶縁膜54上には、層間絶縁膜62が形成されている。層間絶縁膜62上には、X方向に延在する複数のディジット線64(DL)が形成されている。ディジット線64は、X方向に並ぶMTJ素子52上を横切るように形成されている。
MTJ素子52は、楕円の長軸方向、すなわち磁化容易軸が書き込みワード線WWLの延在方向及びディジット線DLの延在方向に対して等しい角度をなすように、それぞれ形成されている。書き込みワード線WWLとディジット線DLとが直交している場合、MTJ素子52の楕円の長軸方向は、書き込みワード線WWL及びディジット線DLに対して45度の角度をなすように配置される。なお、このようなMTJ素子52の配置はトグル方式による書き込みを行うためであり、トグル方式による書き込みができる限りにおいて、MTJ素子52の配置はこれに限定されるものではない。
本実施形態による磁気メモリ装置では、1つのメモリセルが、1つの選択用トランジスタと2つのMTJ素子とにより構成される1T2MTJ型を有している。図2を用いて説明すると、図面右側から2番目のゲート電極14及びこのゲート電極14の左右に形成されたソース/ドレイン領域16,18を有する選択用トランジスタのソース/ドレイン領域18には、コンタクトプラグ58及び上部電極層60を介して2つのMTJ素子52が接続されている。これら選択用トランジスタ及びMTJ素子52が、一のメモリセルを構成する素子である。同様に、図面左側から2番目のゲート電極14及びこのゲート電極14の左右に形成されたソース/ドレイン領域16,18を有する選択用トランジスタのソース/ドレイン領域18には、コンタクトプラグ58及び上部電極層60を介して2つのMTJ素子52が接続されている。これら選択用トランジスタ及びMTJ素子52が、他のメモリセルを構成する素子である。このように、各活性領域には、ビット線コンタクトを共用する2つのメモリセルが、それぞれ形成されている。
図4は本実施形態による磁気メモリ装置のメモリセルアレイの回路図である。図示するように、書き込みワード線WWLは、書き込みワード線駆動回路80に接続されている。書き込みワード線駆動回路80は、書き込みの際に書き込みワード線WWL1,WWL2に書き込み電流を供給する書き込み電流発生回路と、読み出しの際に書き込みワード線WWL1に読み出し電圧を印加する読み出し電圧発生回路とを含む。ビット線BL,/BL及びディジット線DLの一方の端部には、BL/DL駆動回路82が接続されている。BL/DL駆動回路82は、書き込みの際にディジット線DLに書き込み電流を供給する書き込み電流発生回路と、読み出しの際にビット線/BLにリファレンス電圧を印加するリファレンス電圧発生回路とを含む。ビット線BL,/BLの他方の端部には、センスアンプ84が接続されている。センスアンプ84には、隣接する2つのビット線BLがそれぞれ接続されており、ビット線BL,/BLが隣接してセンスアンプに入力される折り返しビット線構造となっている。
なお、本実施形態による磁気メモリ装置では、読み出し用のビット線BLと書き込み用のディジット線DLが同じ方向に配置されるが、読み出し用のビット線BLは第1のメタル配線により形成され、書き込み用のディジット線DLは第3のメタル配線により形成されているため、いずれも2Fのピッチに収まる(Fは最小加工寸法:Feature size)。一方、ビット線BLに垂直な方向については、2本の書き込みワード線を収めるために、4Fのピッチとなる。したがって、本実施形態による磁気メモリ装置の単位メモリセルの面積は4F×2F=8Fとなり、1T1MTJのメモリセルの面積と基本的に同等である。
次に、本実施形態による磁気メモリ装置の書き込み方法について図5乃至図11を用いて説明する。
図5は本実施形態による磁気メモリ装置における初期化書き込みの原理を説明する回路図、図6乃至図8は本実施形態による磁気メモリ装置における初期化書き込みの際の構成を示す回路図、図9は本実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込み方法を示すフローチャート、図10は本実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込みの際の構成を示す回路図、図11はデータ書き込みの際に書き込みワード線及びディジット線に流す電流のタイミングを示すタイムチャートである。
上述のように、本実施形態による磁気メモリ装置は、1T2MTJ型のメモリセルにより構成されている。一のメモリセルに含まれる2つのMTJ素子には、抵抗が高い状態(高抵抗状態)と抵抗が低い状態(低抵抗状態)とを相補的に取るように情報が書き込まれる。すなわち、一方のMTJ素子は、固定磁化層44の磁化方向と自由磁化層48(CoFe膜48a)の磁化方向とを逆向きとし(高抵抗状態)、他方のMTJ素子は、固定磁化層44の磁化方向と自由磁化層48(CoFe膜48a)の磁化方向とを同じ向きとする(低抵抗状態)。
本実施形態による磁気メモリ装置では、まず初めに、初期化のための書き込み(以下、初期化書き込みという)を行う。初期化書き込みは、各メモリセルに含まれる2つのMTJ素子の抵抗状態を相補的な関係にするためのものである。初期状態で2つのMTJ素子に相補的な抵抗状態が書き込まれていれば、その後は2つのMTJ素子について同一の書き込み動作を行うことにより、相補的な抵抗状態を維持したままでデータを書き換えることができる。
初期化書き込みでは、図5に示すように、一方のMTJ素子(MTJ1)に接続された書き込みワード線WWL1と、他方のMTJ素子(MTJ2)に接続された書き込みワード線WWL2とに、互いに逆向きの書き込み電流を流す。書き込みワード線WWL1,WWL2には、単独でMTJ素子の自由磁化層の磁化方向を反転するに十分な書き込み電流を流し、ディジット線DLには書き込み電流を流さない。これにより、MTJ素子(MTJ1)とMTJ素子(MTJ2)とには互いに逆向きの磁界が印加され、これら自由磁化層48の磁化方向は互いに逆向きとなる。こうして、MTJ素子(MTJ1)及びMTJ素子(MTJ2)への相補的な抵抗状態の書き込みを行う。
なお、トグル方式の書き込みを行う磁気メモリ装置では、MTJ素子の磁化容易軸が書き込みワード線及びディジット線に対して45度傾いて配置されているため、書き込みワード線に流す電流による磁界とディジット線に流す電流による磁界との合成磁界による書き込みでは、合成磁界がMTJ素子に対して対称にならず、うまく書き込むことができない。これが、本実施形態による磁気メモリ装置において、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す書き込み電流のみによって初期化書き込みを行う理由である。
図6に示す回路図では、書き込みワード線駆動回路80とは反対側の書き込みワード線WWL1,WWL2の端部に、書き込みワード線WWL1と書き込みワード線WWL2とを接続し或いは切り離すためのスイッチング素子86が設けられている。
書き込みワード線WWL1,WWL2との間にスイッチング素子86を設けることにより、制御信号φによってスイッチング素子86をオンにするだけで、書き込みワード線駆動回路80から供給される書き込み電流を、書き込みワード線WWL1及び書き込みワード線WWL2に逆向きに流すことができる。したがって、書き込み動作を簡略化することができる。
図7に示す回路では、書き込みワード線WWL1,WWL2の一端側に書き込みワード線駆動回路80aが設けられ、他端側に書き込みワード線駆動回路80bが設けられている。
書き込みワード線WWL1,WWL2の両端に書き込みワード線駆動回路80a,80bを設けることにより、書き込みワード線WWL1へは書き込みワード線駆動回路80aから書き込み電流を流し、書き込みワード線WWL2へは書き込みワード線駆動回路80bから書き込み電流を流すことができる。これにより、スイッチング素子86を設けることなく、書き込みワード線WWL1,WWL2に逆方向の書き込み電流を容易に流すことができる。
図7に示す回路は、書き込みワード線駆動回路80a,80bが書き込みワード線WWL1,WWL2の両端に形成されるため、メモリセル面積が増加するようにも見える。しかしながら、実際には図8に示すように、複数のメモリセルブロック88が隣接して形成され、各メモリセルブロック88にはそれぞれ書き込みワード線駆動回路80が設けられる。したがって、メモリセルブロック88間に設けられた書き込みワード線電流駆動回路80を双方のメモリセルブロック88の書き込みワード線に電流を供給する電流発生回路として用いることにより、メモリセル面積を増加することなく図7に示す回路を実現することができる。
次に、本実施形態による磁気メモリ装置への実際のデータの書き込み(以下、データ書き込みという)について図9乃至図11を用いて説明する。
以下の説明では、図10においてワード線WLに接続されたメモリセルMC1,MC2にデータ書き込みを行う場合を例に説明する。
まず、書き込み前のメモリセルMC1,MC2の記憶情報を読み出す(ステップS11)。ここでは、メモリセルMC1にデータ“1”が記憶され、メモリセルMC2にデータ“0”が記憶されていたものとする。なお、本実施形態による磁気メモリ装置の読み出し方法については、後述する。
トグル方式の磁気メモリ装置では、MTJ素子のスピンの向きが平行であっても反平行であっても、書き込み電流を流すと反転する。このため、トグル方式では、データの書き込み前には、データの読み出しを行う必要がある。
次いで、読み出したデータが書き込むべきデータと同じかどうかを判定する(ステップS12)。ここでは、メモリセルMC1及びメモリセルMC2に書き込むデータが、ともにデータ“1”であるものとする。
判定の結果、読み出したデータが書き込むべきデータと同じ場合には、データを新たに書き込む必要がないため、書き込み処理は終了する。ここでは、メモリセルMC1において読み出したデータと書き込むべきデータとが同じであるため、メモリセルMC1の書き込み処理は終了する。
一方、読み出したデータが書き込むべきデータと異なる場合には、書き込み動作を行う(ステップS13)。ここでは、メモリセルMC2において読み出したデータと書き込むべきデータとが異なるため、書き込み動作を行う。
書き込み動作では、まず、書き込みワード線駆動回路80から書き込みワード線WWL1,WWL2の双方に、同じタイミングで所定の書き込み電流を供給する。書き込みワード線WWL1,WWL2に流す電流の大きさは、この電流によって生じる磁界によって自由磁化層48の磁化方向がスピンフロップの状態となる大きさとする。また、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す電流の向きは、初期書き込みの場合とは異なり、同じであっても差し支えない。なお、データ書き込みでは、ディジット線DLにも書き込み電流を流し、これら電流により生じる合成磁界を利用して書き込みを行うので、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す電流値は初期化書き込みのときの電流値よりも小さい。
次いで、書き込みワード線WWL1,WWL2へ電流を供給するタイミングと、BL/DL駆動回路からディジット線DLに電流を供給するタイミングとをずらして、書き込みワード線WWL1,WWL2及びディジット線DLに所定の書き込み電流を供給する。例えば図11に示すように、書き込みワード線WWL1,WWL2に印加する電流パルスを、時間tでオンとなり前記時間tよりも後の時間tでオフとなる電流パルスとし、ディジット線DLに印加する電流パルスを、時間tよりも後で時間tよりも前の時間tでオンとなり時間tよりも後の時間tでオフとなる電流パルスとする。
これにより、メモリセルMC2のMTJ素子には、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す書き込み電流からの磁界、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す書き込み電流からの磁界とディジット線DLに流す書き込み電流からの磁界との合成磁界、ディジット線DLに流す書き込み電流からの磁界が順次印加され、印加磁界の方向の変化に追従して、メモリセルMC2の2つのMTJ素子の自由磁化層の磁化方向がともに反転する。こうして、メモリセルMC2へのデータ“1”の書き込みが完了する。
なお、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す書き込み電流と、ディジット線DLに流す書き込み電流とは、図11に示すように印加する電流パルスのタイミングがずれていれば、いずれを先に流すようにしてもよい。
上述のようなトグル動作による書き込みでは一方の配線からの磁界だけでは原理的に磁化反転が生じないため、半選択状態にあるメモリセルセルの誤動作を防止するうえで極めて有効である。
同じワード線(例えばワード線WL)に連なるメモリセル(例えばメモリセルMC1,MC2)へは、同時に書き込みを行うことができる。すなわち、書き込みワード線WWL1,WWL2に書き込み電流を流した状態で、データを書き換える必要のあるメモリセル(例えばメモリセルMC2)に対応したディジット線(例えばDL)だけに書き込み電流を流すようにすればよい。
次に、本実施形態による磁気メモリ装置の読み出し方法について図12乃至図15を用いて説明する。
図12は本実施形態による磁気メモリ装置の読み出し方法を示す図、図13は本実施形態による磁気メモリ装置における記憶情報の判定方法を示す図、図14は本実施形態による磁気メモリ装置におけるメモリセル及び読み出し回路の一例を示す回路図、図15は本実施形態による磁気メモリ装置における読み出し動作のタイミングを示すタイムチャートである。
本実施形態による磁気メモリ装置では、一のメモリセルに含まれる2つのMTJ素子52は、上部配線層60を介して直列接続されている。直列接続した2つのMTJ素子MTJ1,MTJ2の両端には、書き込みワード線WWL1及び書き込みワード線WWL2が、それぞれ接続されている。また、MTJ素子MTJ1,MTJ2には、相補的な情報が書き込まれている。
そこで、本実施形態による磁気メモリ装置の読み出しでは、図12に示すように、書き込みワード線WWL1及び書き込みワード線WWL2を介して2つのMTJ素子(MTJ1,MTJ2)の直列接続に読み出し電圧Vreadを印加し、MTJ素子(MTJ1)とMTJ素子(MTJ2)との接続ノードの電圧を選択用のトランジスタを介してビット線(BL)に読み出す。このとき、ワード線WWL1に印加する電圧をVreadとし、書き込みワード線WWL2に印加する電圧を0とする。リファレンス側のビット線(/BL)には、Vread/2の一定電圧を印加する。
次いで、ビット線(BL)の電圧とリファレンス側のビット線(/BL)の電圧とを差動増幅型の読み出しセンス回路で比較することにより、MTJ素子に記憶された情報を読み出す。
データ“0”、例えばMTJ素子MTJ1が高抵抗の状態でMTJ素子MTJ2が低抵抗の状態のとき、MTJ素子MTJ1とMTJ素子MTJ2との間のノードの電圧Voは、電圧Vread/2よりも低くなる。したがって、ビット線(BL)の電圧がリファレンス側のビット線(/BL)の電圧よりも低ければ、MTJ素子に記憶されていた情報はデータ“0”であると判断できる(図13(a)参照)。
反対に、データ“1”、例えばMTJ素子MTJ1が低抵抗の状態でMTJ素子MTJ2が高抵抗の状態のとき、MTJ素子MTJ1とMTJ素子MTJ2との接続ノードの電圧Voは、電圧Vread/2よりも高くなる。したがって、ビット線(BL)の電圧がリファレンス側のビット線(/BL)の電圧よりも高ければ、MTJ素子に記憶されていた情報はデータ“1”であると判断できる(図13(b)参照)。
次に、読み出し回路及びその動作について図14及び図15を用いて具体的に説明する。
図14はメモリセル及び読み出し回路の一例を示す回路図である。上述のように、2つのMTJ素子MTJ1,MTJ2は直列に接続されており、その接続ノードは選択用トランジスタを介してビット線BLに接続されている。ビット線BL,/BLの一方の端部は、差動増幅型のセンスアンプ84に接続されている。なお、図10に示すセンスアンプ84は、DRAMでよく使用されている交差結合型のセンスアンプである。ビット線BL,/BLの他方の端部は、これら信号線をプリチャージするためのプリチャージ用回路90を介してVread/2の定電圧源に接続されている。
図15は読み出し動作のタイミングを示すタイムチャートである。図中、pfyはプリチャージ用回路90に印加する電圧を、readは書き込みワード線WWL1に印加する電圧を、wlはワード線WLに印加する電圧を、saeはセンスアンプ84のNchトランジスタに印加する電圧を、saepはセンスアンプ84のPchトランジスタに印加する電圧を、blはビット線BLの電圧を、blbはリファレンス側のビット線/BLの電圧を、それぞれ示している。なお、各ノードの記号は、図14にも記載してある。
まず、プリチャージ用回路90の制御端子(pfy)に、プリチャージのための制御電圧を印加する。これにより、プリチャージ用回路90のトランジスタが総てオンとなり、ビット線BL及びリファレンス側のビット線/BLの電圧(bl,blb)が定電圧源から供給される電圧Vread/2にプリチャージされる。
次いで、ビット線BL及びリファレンス側のビット線/BLのプリチャージが完了後、プリチャージ用回路90の制御端子(pfy)に印加しているプリチャージのための制御電圧をオフとする。
次いで、書き込みワード線WWL1−書き込みワード線WWL2間に、読み出し用の電圧Vreadを印加する。例えば、書き込みワード線WWL1の電圧(read)をVreadとし、書き込みワード線WWL2の電圧を0とする。
次いで、ワード線WLに、選択用トランジスタをオンするための制御電圧を印加する(wl)。これにより、選択用トランジスタはオン状態となり、ビット線BLの電圧(bl)が、2つのMTJ素子MTJ1,MTJ2の接続ノードの電圧となる。リファレンス側のビット線/BLの電圧は、電圧Vread/2のままである。
なお、図15では、データ“0”、すなわちMTJ素子MTJ1が高抵抗の状態でMTJ素子MTJ2が低抵抗の状態である場合を想定しており、ビット線BLの電圧(bl)は、電圧Vread/2よりも低くなっている。データ“1”、すなわちMTJ素子MTJ1が低抵抗の状態でMTJ素子MTJ2が高抵抗の状態である場合には、ビット線BLの電圧(bl)は、電圧Vread/2よりも高くなる。
次いで、読み出しワード線WWL1及びワード線WLの電圧(read、wl)を保持した状態で、センスアンプ84のNchトランジスタ及びPchトランジスタを順次オンにする。これにより、ビット線BLとリファレンス側のビット線/BLとで、電圧が高い方の信号線の電圧が電源電圧Vddまで引き上げられ、電圧が低い方の信号線の電圧が接地電位まで引き下げられる。したがって、ビット線BLの電圧とリファレンス側のビット線/BLの電圧との高低を容易に検出することができ、メモリセルに記憶された情報を読み出すことができる。
1T2MTJ型の磁気メモリ装置では、上述の通り読み出しマージンを拡大できることから、MTJ素子の特性にばらつきがあっても安定して読み出しを行うことができる。
次に、本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法について図16乃至図19を用いて説明する。
図16乃至図19は本実施形態による磁気メモリ装置の製造方法を示す工程断面図である。なお、図16は図1のB−B′線断面に沿った工程断面図であり、図17乃至図19は図1のA−A′線断面に沿った工程断面図である。
まず、シリコン基板10に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、素子分離膜12を形成する。この際、素子分離膜12により画定される活性領域は、T字型の形状となる(図1参照)。
次いで、素子分離膜12により画定された活性領域に、通常のMOSトランジスタの形成方法と同様にして、ゲート電極14及びソース/ドレイン領域16,18を有する選択用トランジスタを形成する(図16(a)、図17(a))。なお、選択用トランジスタは、各活性領域にそれぞれ2つずつ形成される。また、ゲート電極14は紙面垂直方向に延在して形成され、図1に示すように複数の選択用トランジスタのゲート電極14を兼ねる読み出しワード線WLを構成する。
次いで、選択用トランジスタが形成されたシリコン基板10上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、CMP法によりこの表面を平坦化し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜20を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜20に、ソース/ドレイン領域16に達するコンタクトホール22を形成する。
次いで、例えばCVD法により、バリアメタルとしての窒化チタン膜及びタングステン膜とを堆積後、これら導電膜をエッチバック或いはポリッシュバックし、コンタクトホール22に埋め込まれソース/ドレイン領域16に電気的に接続されたコンタクトプラグ24を形成する(図16(b)、図17(b))。
次いで、コンタクトプラグ24が埋め込まれた層間絶縁膜20上に導電膜を堆積してパターニングし、コンタクトプラグ24を介してソース/ドレイン領域16に電気的に接続されたビット線26を形成する。なお、ビット線26(BL)は、図1に示すように、ワード線WLと交差する方向に延在して形成される。
次いで、ビット線26が形成された層間絶縁膜20上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、CMP法によりこの表面を平坦化し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜28を形成する(図16(c)、図17(c))。
次いで、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、層間絶縁膜28に、書き込みワード線を埋め込むための配線溝30を形成する(図17(d))。
次いで、例えばスパッタ法によりTa膜32及びNiFe膜34を、例えば電解めっき法によりCu膜36を、それぞれ堆積後、これら導電膜をCMP法により平坦化し、配線溝30内に埋め込まれた書き込みワード線38を形成する(図3、図18(a))。なお、書き込みワード線38(WWL)は、図1に示すように、ワード線WLの延在方向と平行な方向に延在して形成される。
次いで、書き込みワード線38が埋め込まれた層間絶縁膜28上に、例えばスパッタ法により、例えばTa膜よりなる下部電極層40と、例えばPtMnよりなる反強磁性層42と、例えばCoFeよりなる固定磁化層44と、例えばアルミナよりなるトンネル絶縁膜46と、例えばCoFe/Ru/CoFeの積層構造よりなる自由磁化層48と、例えばTa膜よりなるキャップ層50とを形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、キャップ層50、自由磁化層48、トンネル絶縁膜46、固定磁化層44、反強磁性層42及び下部電極層40をパターニングし、書き込みワード線38に接続されたMTJ素子52を形成する(図3、図18(b))。MTJ素子52は、図1に示すように、長軸方向、すなわち磁化容易軸がX方向及びY方向に対して45度の角度をなす楕円形状とする。ここで、キャップ層50及び下部電極層40のパターニングには例えばCl/Ar系のエッチングガスを用い、自由磁化層48、トンネル絶縁膜46、固定磁化層44及び反強磁性層42のパターニングには例えばCO/NH系のエッチングガスを用いる。
次いで、MTJ素子52が形成された層間絶縁膜28上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、このシリコン酸化膜をCMP法によりMTJ素子52が露出するまで平坦化し、表面が平坦化されたシリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜54を形成する(図18(c))。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、層間絶縁膜54,28,20に、ソース/ドレイン領域18に達するコンタクトホール56を形成する。
次いで、例えばCVD法により、バリアメタルとしての窒化チタン膜及びタングステン膜とを堆積後、これら導電膜をエッチバック或いはポリッシュバックし、コンタクトホール46に埋め込まれソース/ドレイン領域18に電気的に接続されたコンタクトプラグ58を形成する(図19(a))。
次いで、MTJ素子52及びコンタクトプラグ58が埋め込まれた層間絶縁膜54上に、例えばスパッタ法によりTa膜を堆積してパターニングする。これにより、Ta膜よりなり、コンタクトプラグ58を介してソース/ドレイン領域18に電気的に接続され、コンタクトプラグ58に隣接する2つのMTJ素子52を並列に接続する上部電極層60を形成する(図19(b))。ここで、上部電極層60のパターニングには、例えばCl/Ar系のエッチングガスを用いる。
次いで、上部電極層60が形成された層間絶縁膜54上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積後、CMP法によりこの表面を平坦化し、シリコン酸化膜よりなる層間絶縁膜62を形成する。
次いで、層間絶縁膜62上に導電膜を堆積してパターニングし、ディジット線64(DL)を形成する(図19(c))。ディジット線64は、図1に示すように、ビット線BL間の領域に、ビット線BLの延在方向と平行な方向に延在して形成される。
このように、本実施形態によれば、1T2MTJ型の磁気メモリ装置において、書き込みワード線のみに書き込み電流を流して書き込みを行うことにより一のメモリセルに含まれる2つのMTJ素子の抵抗状態を相補的な状態に初期化し、書き込みワード線及びディジット線に書き込み電流を流して所望のメモリセルの記憶情報を反転させることによりデータ書き込みを行うので、いわゆるトグル方式による書き込み動作が可能である。これにより、書き込み動作の際のディスターブ耐性を向上することができる。
また、記憶情報を反転すべきメモリセルに対応するディジット線のみに書き込み電流を流すことで、書き込みワード線を共通とする複数のメモリセルについて同時に書き込みを行うことができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による磁気メモリ装置の書き込み方法について図20乃至図22を用いて説明する。なお、図1乃至図19に示す第1実施形態による磁気メモリ装置及びその書き込み方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図20は本実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込み方法を示すフローチャート、図21は本実施形態による磁気メモリ装置におけるデータ書き込みの際の構成を示す回路図、図22はデータ書き込みの際に書き込みワード線及びディジット線に流す電流のタイミングを示すタイムチャートである。
本実施形態では、第1実施形態による磁気メモリ装置の他の書き込み方法について説明する。本実施形態による磁気メモリ装置の書き込み方法は、データ書き込み方法に主たる特徴があり、初期化書き込みについては第1実施形態による磁気メモリ装置の書き込み方法と同様である。
以下の説明では、図21においてワード線WLに接続されたメモリセルMC1,MC2,MC3,MC4にデータ書き込みを行う場合を例に説明する。
まず、対を構成するビット線(BL,/BL)の一方(BL)に接続されたメモリセル(MC1,MC3)の記憶情報を読み出す(ステップS21)。ここでは、メモリセルMC1にデータ“1”が記憶され、メモリセルMC3にデータ“0”が記憶されていたものとする。
次いで、読み出したデータが書き込むべきデータと同じかどうかを判定する(ステップS22)。ここでは、メモリセルMC1及びメモリセルMC3に書き込むデータが、ともにデータ“1”であるものとする。
判定の結果、読み出したデータが書き込むべきデータと同じ場合には、データを新たに書き込む必要がないため、このようなメモリセル(MC1)については後述の書き込み動作は不要である。一方、読み出したデータが書き込むべきデータと異なる場合には、データを新たに書き込む必要があるため、このようなメモリセル(MC3)については後述の書き込み動作を行う。
同様にして、対を構成するビット線(BL,/BL)の他方(/BL)に接続されたメモリセル(MC2,MC4)の記憶情報を読み出す(ステップS23)。ここでは、メモリセルMC2にデータ“1”が記憶され、メモリセルMC4にデータ“0”が記憶されていたものとする。
次いで、読み出したデータが書き込むべきデータと同じかどうかを判定する(ステップS24)。ここでは、メモリセルMC2及びメモリセルMC4に書き込むデータが、ともにデータ“0”であるものとする。
判定の結果、読み出したデータが書き込むべきデータと同じ場合には、データを新たに書き込む必要がないため、このようなメモリセル(MC4)については後述の書き込み動作は不要である。一方、読み出したデータが書き込むべきデータと異なる場合には、データを新たに書き込む必要があるため、このようなメモリセル(MC2)については後述の書き込み動作を行う。
折り返しビット線構造を有する磁気メモリ装置の場合、ビット線(BL)に連なるメモリセルMCとビット線(/BL)に連なるメモリセルMCとを同時に読み出すことはできない。そこで、本実施形態による磁気メモリ装置の書き込み方法では、上述のようにして、ビット線(BL)に連なるメモリセルMCとビット線(/BL)に連なるメモリセルMCとを別々に読み出す。
次に、メモリセルMCへのデータの書き込みを行う(ステップS25)。本実施形態による磁気メモリ装置の書き込み方法では、対を構成するビット線(BL,/BL)の双方に接続されたメモリセルMCについて、同時にデータ書き込みを行う。ここでは、メモリセルMC2,MC3についてデータ書き込みを行う必要がある。
具体的には、まず、書き込みワード線駆動回路80から書き込みワード線WWL1,WWL2の双方に、同じタイミングで所定の書き込み電流を供給する。
次いで、図22に示すように、書き込みワード線WWL1,WWL2への電流の供給からタイミングをずらして、BL/DL駆動回路からディジット線DL,DLに、所定の書き込み電流を供給する。
これにより、メモリセルMC2のMTJ素子には、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す書き込み電流からの磁界、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す書き込み電流からの磁界とディジット線DLに流す書き込み電流からの磁界との合成磁界、ディジット線DLに流す書き込み電流からの磁界が順次印加され、メモリセルMC2の2つのMTJ素子の自由磁化層の磁化方向がともに反転する。こうして、メモリセルMC2へのデータ“0”の書き込みが完了する。
同時に、メモリセルMC3のMTJ素子には、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す書き込み電流からの磁界、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す書き込み電流からの磁界とディジット線DLに流す書き込み電流からの磁界との合成磁界、ディジット線DLに流す書き込み電流からの磁界が順次印加され、メモリセルMC3の2つのMTJ素子の自由磁化層の磁化方向がともに反転する。こうして、メモリセルMC3へのデータ“1”の書き込みが完了する。
なお、書き込みワード線WWL1,WWL2に流す書き込み電流と、ディジット線DLに流す書き込み電流とは、図22に示すようにタイミングがずれていれば、いずれを先に流すようにしてもよい。
同じワード線(例えばワード線WL4)に連なるメモリセル(例えばメモリセルMC1,MC2)へは、同時に書き込みを行うことができる。すなわち、書き込みワード線WWL1,WWL2に書き込み電流を流した状態で、データを書き換える必要のあるメモリセル(例えばメモリセルMC2,MC3)に対応したディジット線(例えばDL,DL)だけに書き込み電流を流すようにすればよい。
このように、本実施形態によれば、折り返しビット線構造を有する1T2MTJ型の磁気メモリ装置において、ビット線BLに接続されたメモリセルを読み出し、ビット線/BLに接続されたメモリセルを読み出した後、ビット線BL,/BLに接続されたメモリセルのうち記憶情報を反転すべきメモリセルへの書き込みを一括して行うので、書き込みプロセスを簡略化することができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明をMTJ素子を用いた磁気メモリ装置に適用した場合について示したが、本発明は、磁性層間のスピンの関係に基づく抵抗変化を利用した磁気抵抗効果素子を用いた1T2MTJ型の磁気メモリ装置に広く適用することができる。例えば、2つの磁性層が導電性の非磁性層を介して積層された磁気抵抗効果素子を用いた磁気メモリ装置にも適用可能である。
本発明による磁気メモリ装置及びその書き込み方法は、1T2MTJ型の磁気メモリ装置において書き込みのディスターブに強いトグル方式の導入を可能とするものであり、読み出しマージンの向上や読み出しのディスターブ耐性の向上など、磁気メモリ装置の信頼性を向上するうえで極めて有用である。

Claims (9)

  1. 第1の磁気抵抗効果素子と、前記第1の磁気抵抗効果素子の一方の端部に一方の端部が接続された第2の磁気抵抗効果素子と、前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子との接続ノードに接続された選択用トランジスタとを有するメモリセルと、第1の方向に延在し、前記第1の磁気抵抗効果素子の他方の端部に接続された第1の信号線と、前記第1の方向に延在し、前記第2の磁気抵抗効果素子の他方の端部に接続された第2の信号線と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在し、前記第1の磁気抵抗効果素子が形成された領域において前記第1の信号線と交差し、前記第2の磁気抵抗効果素子が形成された領域において前記第2の信号線と交差する第3の信号線とを有し、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の磁化容易軸が前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれに対して傾くように配置された磁気メモリ装置の書き込み方法であって、
    初期化書き込みとして、前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子とに、一方が高抵抗状態であり他方が低抵抗状態である相補的な抵抗状態を書き込み、
    前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗状態によって定義される前記メモリセルの記憶情報を読み出し、
    読み出した前記記憶情報が書き込むべき記憶情報と異なるときは、前記第1の信号線及び前記第2の信号線に第1の電流パルスを印加するタイミングと前記第3の信号線に第2の電流パルスを印加するタイミングとをずらして前記第1の信号線、前記第2の信号線及び前記第3の信号線に書き込み電流を流すことにより、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子に方向が徐々に回転する磁界を印加して前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗状態をそれぞれ反転させ、書き込むべき前記記憶情報を前記メモリセルに書き込む
    ことを特徴とする磁気メモリ装置の書き込み方法。
  2. 請求項1記載の磁気メモリ装置の書き込み方法において、
    前記初期化書き込みによって書き込む前記相補的な抵抗状態は、前記第1の信号線と前記第2の信号線とに互いに逆向きの書き込み電流を流し、前記第2の方向と平行で互いに逆向きの磁界を前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子とに印加することにより書き込む
    ことを特徴とする磁気メモリ装置の書き込み方法。
  3. 請求項1又は2記載の磁気メモリ装置の書き込み方法において、
    前記磁気メモリ装置は、前記メモリセルと、前記メモリセルに対応する前記第3の信号線とを複数有し、
    複数の前記メモリセルのうち読み出した前記記憶情報が書き込むべき記憶情報と異なる前記メモリセルに対応する前記第3の信号線には前記書き込み電流を流し、
    複数の前記メモリセルのうち読み出した前記記憶情報が書き込むべき記憶情報と同じ前記メモリセルに対応する前記第3の信号線には前記書き込み電流を流さない
    ことを特徴とする磁気メモリ装置の書き込み方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気メモリ装置の書き込み方法において、
    前記磁気メモリ装置は、前記メモリセルと、前記メモリセルに対応する前記第3の信号線とを複数有し、前記第2の方向に延在して並行に配された複数の信号線であって、各信号線が、前記メモリセルの前記接続ノードに、前記選択用トランジスタを介して接続された複数のビット線と、複数の前記ビット線の一方の端部に、隣接し対をなす2本の前記ビット線毎に設けられた複数の読み出し回路とを更に有し、
    複数の前記メモリセルの前記メモリセルを読み出す際には、対をなす前記ビット線のうち一方の前記ビット線に接続された複数の前記メモリセルの前記記憶情報を読み出した後、対をなす前記ビット線のうち他方の前記ビット線に連なる複数の前記メモリセルの前記記憶情報を読み出し、
    複数の前記メモリセルに前記記憶情報を書き込む際には、対をなす前記ビット線の双方に接続された複数の前記メモリセルへの書き込みを一括して行う
    ことを特徴とする磁気メモリ装置の書き込み方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気メモリ装置の書き込み方法において、
    前記第1の電流パルス及び前記第2の電流パルスは、一方が時間tでオンとなり前記時間tよりも後の時間tでオフとなる電流パルスであり、他方が前記時間tよりも後で前記時間tよりも前の時間tでオンとなり前記時間tよりも後の時間tでオフとなる電流パルスである
    ことを特徴とする磁気メモリ装置の書き込み方法。
  6. 第1の磁気抵抗効果素子と、前記第1の磁気抵抗効果素子の一方の端部に一方の端部が接続された第2の磁気抵抗効果素子と、前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子との接続ノードに接続された選択用トランジスタとを有し、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の磁化容易軸が第1の方向及び前記第1の方向と交差する第2の方向のそれぞれに対して傾くように配置されたメモリセルと、
    前記第1の方向に延在し、前記第1の磁気抵抗効果素子の他方の端部に接続された第1の信号線と、
    前記第1の方向に延在し、前記第2の磁気抵抗効果素子の他方の端部に接続された第2の信号線と、
    前記第2の方向に延在し、前記第1の磁気抵抗効果素子が形成された領域において前記第1の信号線と交差し、前記第2の磁気抵抗効果素子が形成された領域において前記第2の信号線と交差する第3の信号線と、
    前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子とに、一方が高抵抗状態であり他方が低抵抗状態である相補的な抵抗状態を書き込む初期化書き込みの際に、前記第1の信号線と前記第2の信号線とに互いに逆向きの書き込み電流を流すことにより、前記第2の方向と平行な逆向きの磁界を前記第1の磁気抵抗効果素子と前記第2の磁気抵抗効果素子とに印加し、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗状態をそれぞれ反転させるデータ書き込みの際に、前記第1の信号線、前記第2の信号線及び前記第3の信号線に、前記第1の信号線及び前記第2の信号線に第1の電流パルスを印加するタイミングと前記第3の信号線に第2の電流パルスを印加するタイミングをずらして書き込み電流を流すことにより、前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子に方向が徐々に回転する磁界を印加して前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子の抵抗状態をそれぞれ反転させる書き込み用回路と
    を有することを特徴とする磁気メモリ装置。
  7. 請求項6記載の磁気メモリ装置において、
    前記第1の方向と前記第2の方向とは直交しており、
    前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子は、前記磁化容易軸が前記第1の方向及び前記第2の方向に対して45度傾くように配置されている
    ことを特徴とする磁気メモリ装置。
  8. 請求項6又は7記載の磁気メモリ装置において、
    前記書き込み用回路は、前記データ書き込みの際に、前記第1の信号線及び前記第2の信号線に第1の電流パルスを印加するタイミングと前記第3の信号線に第2の電流パルスを印加するタイミングとをずらして、前記第1の信号線、前記第2の信号線及び前記第3の信号線に前記書き込み電流を流す
    ことを特徴とする磁気メモリ装置。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1項に記載の磁気メモリ装置において、
    前記第1の磁気抵抗効果素子及び前記第2の磁気抵抗効果素子は、SAF構造の自由磁化層を有する
    ことを特徴とする磁気メモリ装置。
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