JPWO2006090433A1 - 水素ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

水素ガスセンサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

水素ガスを検出する水素ガスセンサであり、この水素ガスセンサは、白金系の抵抗線からなり、その表面にパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、コバルトの内の少なくとも1種と白金との白金合金が形成された発熱抵抗体2を備える。この発熱抵抗体2は略一定の温度に加熱され、表面で水素ガスを燃焼させて、その燃焼熱による温度上昇に応じて電気抵抗が変化するので、この電気抵抗の変化を水素ガスの濃度検知信号として出力する。

Description

本発明は、水素ガスを検出する水素ガスセンサに関する。
従来より、ビーズ状の多孔質燃焼体に白金やパラジウムなどの触媒を分散させ、触媒を用いて可燃性ガスを燃焼させた時に発生する反応熱を検出することで、可燃性ガスを検出するようにした接触燃焼式のガスセンサが提供されている。図12は日本国公開特許平成10年第90210号公報(以下、公報という)に開示された従来のガスセンサを示している。このガスセンサ20は、可燃性ガスを燃焼させる燃焼体21と、通電に応じて発生するジュール熱で燃焼体21を加熱する発熱抵抗体22とで構成される。
燃焼体21は、アルミナなどの絶縁体をビーズ状に形成して、パラジウムや白金などの触媒を含有させてある。また発熱抵抗体22は主に高温度抵抗係数を有する白金線からなり、この発熱抵抗体22をコイル状に巻回し、コイル状に巻かれた部分を燃焼体21内に埋設してある。
このタイプのガスセンサ20では、発熱抵抗体22に略一定の電流を流して、発熱抵抗体22に発生するジュール熱で燃焼体21を一定温度に加熱している。燃焼体21の表面で可燃性ガスが燃焼すると、この燃焼熱によって発熱抵抗体22の温度が上昇して、発熱抵抗体22の抵抗値が変化するので、この抵抗値変化から可燃性ガスを検出することができる。すなわち、図13に示すようにガスセンサ20と補償素子23と固定抵抗24,25とでブリッジ回路を形成し、ブリッジ回路の出力端子c,d間の電圧Vcを測定することによって発熱抵抗体22の抵抗値変化を求め、この抵抗値変化から可燃性ガスを検出している。
補償素子23は、ガスセンサ20と同様に発熱抵抗体とビーズ状の絶縁体とで構成され、温度特性および湿度特性はガスセンサ20と略同じであるが、絶縁体に可燃性ガスを燃焼させる触媒を含有させていないため可燃性ガスには反応しない。図13に示すブリッジ回路では、端子a,b間にガスセンサ20および補償素子23の直列回路と、固定抵抗24,25の直列回路とをそれぞれ接続してある。また端子a,b間に平衡調整用の可変抵抗26を接続し、この可変抵抗26の中間タップを固定抵抗24,25の中間点に接続している。また端子a,b間には可変抵抗27とスイッチSWとを介して直流電源E1を接続してあり、可変抵抗27の抵抗値を調整することで、端子a,b間に印加する電圧を調整している。
而して、この測定回路では可変抵抗27の抵抗値を調整することによって、発熱抵抗体22に流れる電流が変化してその発熱量が調整されるから、雰囲気中に可燃性ガスが存在しない状態で可変抵抗27の抵抗値を調整して燃焼体21を300℃〜500℃程度に加熱し、この状態で可変抵抗26を調整して、ブリッジ回路の平衡状態を維持させる。その後、燃焼体21の表面に可燃性ガスが接触すると、燃焼体21に含有させた触媒の作用によって可燃性ガスが燃焼し、この燃焼熱によって発熱抵抗体22の電気抵抗が増加する。一方、補償素子23には触媒を含有させていないため、補償素子23の表面では可燃性ガスが燃焼せず、発熱抵抗体の電気抵抗は変化しない。したがって、ガスセンサ20と補償素子23との間で金属線の電気抵抗に抵抗差が発生し、出力端子c,d間にブリッジ電圧が発生する。このブリッジ電圧は可燃性ガスのガス濃度に比例して出力されるので、このブリッジ電圧を検出することによって可燃性ガスのガス濃度を検出することができる。尚、図14は各種の可燃性ガスに対する出力特性の例を示しており、図中のaはメタン(CH)、図中のbは一酸化炭素(CO)、図中のcは水素(H)、図中のdはイソブタン(i−C10)に対する出力特性をそれぞれ示している。
このタイプのガスセンサ20の一般的な製造方法は、先ず、線径が20〜50μm程度の白金線をコイル状に巻回して発熱抵抗体22を形成する。次にアルミナ等の無機絶縁物が主成分であるセラミック担体をゾル又はペースト状にして、発熱抵抗体22のコイル部分に楕円形状を為すように塗布し、熱処理を施すことによってビーズ状の燃焼体21と形成する。次いで燃焼体21に白金又はパラジウム等の触媒を含浸させ、熱処理を施すことによって、アルミナ担体に触媒を高分散に担持させたガスセンサ20を形成する。
ところで、近年、石油に代わるエネルギー源として水素が注目されており、燃料電池を搭載した自動車の開発が進められているが、このような燃料電池車では、燃料電池や水素タンクからの水素漏洩を検出するために1乃至複数個の水素ガスセンサを設置する必要があり、この水素ガスセンサとして接触燃焼式のガスセンサを用いることが検討されている。
しかしながら、ガスセンサを自動車に搭載して使用する場合、振動などの物理的な条件に対する耐久性が要求されるとともに、高温高湿の条件下や雑ガスなどが存在する過酷な雰囲気中でも検知特性が影響を受けにくく、またこのような雰囲気中でも長期間にわたって特性が劣化しない耐久性が求められる。上述した従来のガスセンサ20では、発熱抵抗体22のコイル部分を覆うように設けた燃焼体21がビーズ状に形成されているので、燃焼体21の慣性が比較的大きく、自動車に搭載した場合振動や衝撃によって発熱抵抗体22が変形したり、断線する可能性がある。また低濃度の水素ガスを検出するために、燃焼体21を高温に加熱すると、発生した熱が空気中に輻射されることによって生じる損失の割合(所謂気体熱伝導の割合)が増加するため、雰囲気中の湿度依存性が増したり、被毒物質との反応性が増して長期信頼性が損なわれるという問題があった。また高湿雰囲気中で触媒活性が劣化したり、燃焼体21に高分散に担持されている触媒成分の凝集現象が起こるため、感度劣化が起こりやすいという問題もあった。また燃焼体21に担持させた触媒により可燃性ガスを燃焼させ、その燃焼熱で熱容量の大きな燃焼体21の温度を上昇させ、その温度上昇が発熱抵抗体22に伝導して初めて発熱抵抗体22の電気抵抗が変化するので、可燃性ガスの感度や応答速度を向上させるのには限界があった。
さらに、上述したガスセンサ20の製造方法は、燃焼体21を形成するために製造されたアルミナ等のゾル又はペーストを発熱抵抗体22のコイル部分に取り付けて乾燥させた後、焼成しているが、その形成は手作業や手作業に近い作業で行われるため、燃焼体21の外形寸法を微細に制御するのは難しく、また組み合わせる補償素子23には熱的に同等のものを選定する必要があるので、複雑な作業が必要になって作業工数が増加し、コストアップを招くという問題もあった。
また上述の公報には、コイル状に巻回された発熱抵抗体22の表面に多孔質絶縁体の薄膜を形成し、この薄膜の表面に白金やパラジウムなどの触媒を分散させた接触燃焼式のガスセンサも提案されているが、触媒を分散担持させた多孔質絶縁体の薄膜とコイル状発熱体との結合が弱い為に、自動車に搭載した場合は振動や衝撃によって触媒を分散担持させた多孔質絶縁体がコイル状発熱体から剥がれ、感度が劣化してしまう可能性があった。
本発明は、上記問題点を解決するために為されたものであって、耐振動性や耐衝撃性に優れ、検知性能が長期的に安定した水素ガスセンサおよびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る水素ガスセンサは水素ガスを検出する。この水素ガスセンサは発熱抵抗体を備える。この発熱抵抗体の表面組成はパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、又はコバルトの内の少なくとも1種と白金との合金である。発熱抵抗体は通電によるジュール熱で水素ガスを燃焼可能な温度まで加熱され、発熱抵抗体の表面で水素ガスが燃焼し、その燃焼熱による温度上昇に応じて電気抵抗が変化し、電気抵抗の変化を水素ガスの濃度検知信号として出力する。
この発明によれば、発熱抵抗体の表面で水素ガスを燃焼させ、その燃焼熱による温度上昇に応じて発熱抵抗体の電気抵抗が変化し、電気抵抗の変化を水素ガスの濃度検知信号として出力しており、発熱抵抗体に、触媒を加熱させる機能と、水素ガスを燃焼させる機能と、燃焼熱による電気抵抗の変化を発生する機能とを持たせることができる。したがって、従来のガスセンサのように発熱抵抗体にビーズ状の燃焼体を形成する必要が無く、振動や衝撃などによって発熱抵抗体が変形する可能性を低減でき、また発熱抵抗体自体が触媒作用を有する金属材料で形成されているので、触媒の凝集減少や剥がれが発生することはなく、検知性能が長期的に安定するという効果が得られる。さらに発熱抵抗体の表面組成が、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、又はコバルトの内の少なくとも1種と白金との合金により形成され、触媒と白金とを合金化しているので、従来のガスセンサのように燃焼体に担持させた触媒が剥がれることがなく、白金触媒の安定性が増して感度の劣化が低減し、検知性能を長期的に安定させることができる。
また発熱抵抗体と同一の材料から形成され、水素ガスに対する燃焼活性を無くした補償抵抗を備えることも好ましく、補償抵抗の表面では水素ガスが燃焼せず、燃焼熱による抵抗値変化が発生しないので、補償抵抗の出力値を用いて発熱抵抗体の出力信号を補償することができる。
さらに発熱抵抗体と補償抵抗とを収納するケースを備え、このケースに外部と連通する通気孔を形成し、通気孔と発熱抵抗体および補償抵抗との間のガス流路に被毒物質を吸着するフィルタを設けることも好ましく、被毒物質をフィルタが吸着することで、被毒物質による感度の低下を低減することができる。
また本発明に係る水素ガスセンサの製造方法は、溶媒中にパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、コバルトの内の少なくとも1種を所定濃度混ぜ合わせた溶液を、白金で形成された母材に塗布する工程と、溶媒を風乾により除去する工程と、母材に所定の電圧を印加することによって白金合金を形成する工程とを有し、従来のガスセンサのように発熱抵抗体にビーズ状の燃焼体を形成する工程が無くなるので、作業工数を少なくできる。
また本発明に係る水素ガスセンサの製造方法は、発熱抵抗体と同一の材料により形成された補償抵抗を被毒することによって、水素ガスに対する燃焼活性を無くす工程を有する。発熱抵抗体と同一の材料により形成された補償抵抗を被毒することで、水素ガスに対する燃焼活性を無くしているので、発熱抵抗体と温度特性および湿度特性が略同じ補償抵抗を容易に製造することができ、発熱抵抗体と補償抵抗とを組み合わせる作業を容易に行うことができる。
実施形態1の水素ガスセンサを示す一部省略せる正面図である。 同上の水素ガスセンサの外観斜視図である。 同上の水素ガスセンサの断面図である。 同上の水素ガスセンサの他の構成を示す一部省略せる正面図である。 同上の水素ガスセンサのまた別の構成を示す一部省略せる正面図である。 実施形態2の水素ガスセンサを示す外観斜視図である。 実施形態3の水素ガスセンサを示す外観斜視図である。 同上の水素ガスセンサの断面図である。 同上の水素ガスセンサの出力特性図である。 同上の水素ガスセンサの出力特性図である。 同上の水素ガスセンサの出力特性図である。 従来の接触燃焼式のガスセンサの一部破断せる外観斜視図である。 同上のガスセンサを用いた測定回路の回路図である。 同上のガスセンサの出力特性図である。
本発明を詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
(第1の実施形態)
本発明に係る第1の実施形態について添付図面を参照して説明する。尚、以下の説明では特に断りがない限り、図1に示す向きにおいて上下左右の方向を規定する。
図1は本実施形態の水素ガスセンサ1の構造を模式的に示した図、図2は外観斜視図、図3は断面図であり、この水素ガスセンサ1は発熱抵抗体2とステム3a,3bとベース4と保護キャップ5とを備える。
発熱抵抗体2は、従来のガスセンサにおける燃焼体21と発熱抵抗体22の両方の機能を備えており、表面の組成をパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、コバルトの内の少なくとも1種と白金との合金とした白金線をコイル状に巻回して形成されており、その両端がステム3a,3bに電気的且つ機械的に接続されている。本実施形態では発熱抵抗体2として例えば線径が約20μmのものを用い、コイル径を約210μm、線間を約20μmとして10ターン巻回しており、コイルの全長を360〜400μmとしている。なお本実施形態では発熱抵抗体2として白金線を用いているが、白金系の抵抗線であれば純白金以外の材料を用いても良く、例えばジルコニア安定化白金などでも良い。なお本実施形態では白金系の抵抗線の表面を、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、コバルトの内の少なくとも1種と合金化して発熱抵抗体2を形成しているが、最初から合金化された白金系抵抗性を使用しても良い。
ベース4は合成樹脂により円盤状に形成され、3本のステム3a,3b,3cはベース4を上下方向に貫通するようにベース4にインサート成形されている。3本のステム3a〜3cの内、中央のステム3cは他の2本のステム3a,3bに比べて上面からの突出量が短くなっており、両端にある2本のステム3a,3bにおいてべース4の上面から突出する部位に発熱抵抗体2の両端部2a,2bが溶接などの方法で固着されている。なお中央のステム3cは、後述の実施形態2で説明するように発熱抵抗体2と補償抵抗8の両方共に取り付ける場合に使用するものであり、発熱抵抗体2だけの場合にはステム3cは使用しない。
保護キャップ5は下面側の端部が開口した略円筒状であって、開口部から発熱抵抗体2を内部に納めるようにしてベース4が圧入固定されている。保護キャップ5の天井面には丸孔状の通気孔6が中央に貫設され、通気孔6には防爆のために100メッシュのステンレス製の金網7が装着されている。なお保護キャップ5は金属製のものでも、樹脂製のものでも良い。
ここで、水素ガスの測定時には図示しない測定回路によりステム3a,3b間に略一定の電圧を印加して、発熱抵抗体2を所定の温度(例えば約100℃程度)に加熱する。そして、保護キャップ5の通気孔6を通して内部に侵入した水素ガスが発熱抵抗体2に接触すると、発熱抵抗体2表面の白金の触媒作用によって発熱抵抗体2の表面で水素ガスが燃焼する。この時、水素ガスの燃焼熱によって発熱抵抗体2の温度が上昇し、温度上昇に応じて電気抵抗が増加するので、測定回路では発熱抵抗体2の電気抵抗値の変化量を測定することで、水素ガスのガス濃度を測定することが可能になる。
なお本実施形態では発熱抵抗体2をコイル状に形成し、コイルの軸方向が上下方向と略平行するようにステム3a,3bに取り付けているが、図4に示すようにコイルの軸方向が左右方向と略平行するようにステム3a,3bに取り付けても良い。また発熱抵抗体2をコイル状に形成することで表面積を大きくしているが、図5に示すように直線状に形成しても良く、コイル状に巻く作業を無くすことができる。
次に発熱抵抗体2の製造方法について以下に説明する。先ず白金系(例えば白金、ジルコニア安定化白金など)の抵抗線(母材)をコイル状に巻回し、この抵抗線の表面をパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、コバルトの内の少なくとも1種と合金化するために、例えば硝酸パラジウム、硝酸ルテニウム、硝酸ロジウム、硝酸ニッケル、硝酸コバルトの内の少なくとも1種を所定濃度含んだ水溶液を上記抵抗線に塗布した後、室温で約1時間風乾して溶媒を除去する。その後抵抗線の両端間に約1.1Vの電圧を10分程度印加し、抵抗線の表面温度を約900℃に加熱することによって、抵抗線の表面をパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、コバルトの内の少なくとも1種と合金化する。このように発熱抵抗体2は抵抗線を所望の形状に形成した後、所望の触媒を含む溶液を抵抗線の表面に塗布し、風乾後所定の電圧を印加することで合金化しているので、従来のガスセンサのように、コイル状の発熱抵抗体にビーズ状の燃焼体を形成する工程が不要になり、製造工程が簡素化できる。またビーズ状の燃焼体を形成する場合は燃焼体の形状や寸法のばらつきが大きいが、本実施形態では抵抗線をコイル状に巻いてその表面を合金化しているだけなので、発熱抵抗体2の形状・寸法のばらつきを小さくでき、感度のばらつきを低減できる。また発熱抵抗体2は表面に触媒と白金との合金が形成された白金系の抵抗線で構成されているので、従来のガスセンサのように燃焼体に担持させた触媒が剥がれることがなく、検知性能を長期的に安定させることができる。
以上のようにして形成されたガスセンサ1の出力特性について図9〜図11を参照して説明する。なお、発熱抵抗体2をコイル状に巻回した場合と直線状に形成した場合とでは特性に大差が無かったため、以下では発熱抵抗体2をコイル状に巻回した場合の測定データを参照して説明を行う。
図13に示した測定回路においてガスセンサ20の代わりに本実施形態のガスセンサ1を接続し、補償素子23の代わりに例えば10Ωの固定抵抗を用い、ガスセンサ1への印加電圧が清浄大気中で約0.2Vとなるように可変抵抗27を用いて調整を行った。ここで、ガスセンサ1に約0.2Vの電圧を印加すると、発熱抵抗体2の温度は100℃程度に加熱される。通気孔6から金網7を通過して保護キャップ6内に水素ガスが侵入すると、水素ガスが発熱抵抗体2の表面で燃焼し、その燃焼熱によって発熱抵抗体2の抵抗値が変化する。この時、ブリッジ回路の出力端c,d間の電圧が変化するので、この出力電圧の変化から水素ガス濃度を測定することができる。図9は各種の可燃性ガスに対するガス感度の測定結果であり、横軸はガス濃度(ppm)、縦軸はブリッジ回路の出力電圧(mV)である。なお、図中のaは水素、bは一酸化炭素、cはメタン、dはイソブタン、eはエタノールの測定結果をそれぞれ示している。図9の測定結果より、100℃程度の温度域では水素ガス以外の可燃性ガス(CO、CH、IB、エタノール)は燃焼せず、水素ガスのみが燃焼するため水素ガスの選択性が非常に良く、水素ガスを精度良く検出することが判明した。なお、この場合のガスセンサ1の消費電力は約10mWであり、非常に小さい消費電力で測定が行える。このような低消費電力で動作できる理由は、従来の接触燃焼式ガスセンサのように熱容量の大きな燃焼体21を持たないためであり、水素ガスの燃焼によって発生した燃焼熱を効率良く白金線に伝えることで、発熱抵抗体2を高温に加熱することなく発熱抵抗体2の抵抗値変化を検出できるからである。
ここで、発熱抵抗体2の表面の組成を純白金又はジルコニア安定化白金(つまり表面を合金化していないもの)、白金−パラジウム合金、白金−ルテニウム合金、白金−ロジウム合金、白金−ニッケル合金、白金−コバルト合金とした場合の各々について、水素ガスに対するガス感度を測定したところ、何れの場合でも使用初期時のガス感度は略同等であった。しかしながら、各々の組成の白金抵抗線に約0.2Vの電圧を印加して清浄大気中で動作させ続けると、表面の組成が純白金又はジルコニア安定化白金(つまり白金系抵抗線の表面を合金化していないもの)のものでは、十数日が経過した時点で感度が若干減少することが判明した。感度低下の原因は不明であるが、表面の白金の燃焼活性点がなんらかの理由で失活するものと考えられる。一方、表面を合金化したものは失活が60日以上起こらないことから合金化により活性点の耐久性が増していると考えられる。
また本実施形態のガスセンサ1を、燃料電池車に搭載して水素ガスの漏洩を検知するために使用したいという要望があるので、自動車等の過酷な振動を発する機器にガスセンサ1を取り付ける場合を想定して落下試験を行った。落下試験は高さ1mからコンクリート上にガスセンサ1を50回落下させ、発熱抵抗体2のコイル部分の形状を試験の前後で観察するというものであり、試験の前後でコイル部分の形状は変化せず、機能上問題は無いことを確認できた。また図10は落下試験の前後で水素ガスに対する感度測定を行った結果を示しており、図中のaは試験前の測定データ、図中のbは試験後の測定データを示している。この測定結果より水素ガスに対する感度にも特に変化は見られなかった。なお実験に用いたガスセンサ1の発熱抵抗体2は、その表面に白金−パラジウム合金を形成したものであるが、表面に他の組成の白金合金を形成したものでも、同じ試験結果が得られた。
なお抵抗線をコイル状に巻回し、そのコイル部分を覆うようにビーズ状のアルミナ担体(燃焼体)を形成した従来のガスセンサでは、燃焼体の重量が大きいために数回の落下で抵抗線が変形したり、断線が発生したが、本実施形態では発熱抵抗体2が発熱体と燃焼体と触媒の3つの機能を有しているので、発熱抵抗体2にアルミナ担体を形成する必要が無く、発熱抵抗体2自体の慣性が小さくなるから、衝撃に非常に強いことが判明した。また振動に対しても、発熱抵抗体2の慣性を小さくすることで、耐振動性を向上させることができた。
次にガスセンサ1の湿度特性について図11を参照して説明する。図11は雰囲気温度を略一定(21℃又は22℃)とし、雰囲気中の湿度を約30%から約80%まで変化させた場合の水素ガス感度を測定した結果を示す。ここで、図中のaは温度が22℃、湿度が31%の場合の測定データ、図中のbは温度が21℃、湿度が52%の場合の測定データ、図中のcは温度が21℃、湿度が78%の場合の測定データである。この試験結果より、約30%から約80%までの湿度範囲ではガスセンサ1の出力特性に殆ど変化がないことを確認できた。なお実験に用いたガスセンサ1の発熱抵抗体2は、その表面に白金−パラジウム合金を形成したものであるが、表面に他の組成の白金合金を形成したものでも、同じ試験結果が得られた。本実施形態のガスセンサ1は比較的低温で動作させており、発熱抵抗体2の発熱の大部分をステム3a,3bを介して逃がしており、空気中に放熱される割合(気体熱伝導の割合)が少ないため、雰囲気中の湿度(つまり気体熱伝導率)が変化しても出力特性に与える影響が少ないものと考えられる。つまり本実施形態のガスセンサ1が、雰囲気の気体熱伝導率の変化(湿度変化)に影響されにくい性質を持っており、その結果湿度変化による出力変動を低減できたと考えられる。
また本実施形態のガスセンサ1について高湿雰囲気下でガス特性を測定した結果について説明する。発熱抵抗体2の表面の組成を純白金又はジルコニア安定化白金(つまり表面を合金化していないもの)、白金−パラジウム合金、白金−ルテニウム合金、白金−ロジウム合金、白金−ニッケル合金、白金−コバルト合金とした場合の各々について、温度60℃、湿度80%Rhの雰囲気中で発熱抵抗体2に約0.2Vの電圧を印加して長時間連続動作させると、発熱抵抗体2の表面の組成が純白金又はジルコニア安定化白金(つまり白金系抵抗線の表面を合金化していないもの)のものでは24時間以内に水素ガスに対する感度が無くなった。一方、発熱抵抗体2の表面の組成が白金−パラジウム合金、白金−ルテニウム合金、白金−ロジウム合金、白金−ニッケル合金のものでは24時間以内では感度劣化は殆ど見られず、その後は数日間で徐々に感度が低下していき、約20日が経過した時点で感度は半分程度となるが、その後はこの時の感度を約1ヶ月が経過した時点でも維持していた。また発熱抵抗体2の表面の組成が白金−コバルト合金のものは、約1ヶ月にわたって、感度低下が見られなかった。以上の結果より発熱抵抗体2の表面の組成を白金合金としたものは高湿雰囲気中での耐久性が向上し、特に白金−コバルト合金を形成したものは高湿雰囲気に対する耐久性を大幅に向上させることができた。
さらに本実施形態のガスセンサ1について高濃度ガス中での耐久性試験を行った結果について説明する。発熱抵抗体2の表面の組成を純白金又はジルコニア安定化白金(つまり表面を合金化していないもの)、白金−パラジウム合金、白金−ルテニウム合金、白金−ロジウム合金、白金−ニッケル合金、白金−コバルト合金としたものを、水素ガス、メタン、イソブタン、エタノールを各々10000ppm含む雰囲気中で、発熱抵抗体2に約0.2Vの電圧を印加して24時間連続動作させたところ、全てのガスセンサ1について感度劣化は見られなかった。メタン、イソブタン、エタノール中で感度劣化が発生しない理由としては、本実施形態のガスセンサ1が比較的低い温度で動作しているため、発熱抵抗体2の表面で水素ガス以外の可燃性ガス(メタン、イソブタン、エタノールなど)が燃えないため、燃焼熱の影響を受けにくいためと考えられる。一方、水素ガス中では水素ガスが燃焼し、その燃焼熱によって発熱抵抗体2の表面温度が上昇する。ここで、従来の接触燃焼センサでは高分散に坦持された触媒がシンタリングするために感度低下現象が見られる場合があるが、本実施形態のガスセンサ1は発熱抵抗体2を構成する白金又はジルコニア安定化白金、あるいは白金合金上に活性点が存在するため触媒の凝集現象が起こりにくく、感度の低下が見られないものと考えられる。
本実施形態のガスセンサ1について、触媒の被毒成分として知られる亜硫酸ガスおよびシリコンガスによる被毒の影響を調べた結果について以下に説明する。ここで、発熱抵抗体2の表面の組成を純白金又はジルコニア安定化白金(つまり表面を合金化していないもの)、白金−パラジウム合金、白金−ルテニウム合金、白金−ロジウム合金、白金−ニッケル合金、白金−コバルト合金としたものを、亜硫酸ガスが300ppm、ヘキサメチルジシロキサンが150ppmの雰囲気中で、発熱抵抗体2に約0.2Vの電圧を印加して24時間連続動作させたところ、発熱抵抗体2の表面の組成が純白金又はジルコニア安定化白金(つまり白金系抵抗線の表面を合金化していない)のものでは約10分後に水素ガスに対する感度が無くなった。一方、発熱抵抗体2の表面の組成が白金−ルテニウム合金、白金−ロジウム合金、白金−ニッケル合金のものでは5分経過後から感度低下が始まるものの、1時間後でも半分程度の感度を維持していた。また発熱抵抗体2の表面の組成が白金−パラジウム合金のものでは15分後でも感度劣化が殆ど見られず、24時間後でも半分程度の感度を維持していた。以上の結果より発熱抵抗体2の表面の組成を白金合金としたものでは被毒ガスに対する耐久性が大幅に向上したことが判明した。
(第2の実施形態)
本発明に係る第2の実施形態について図6を参照して説明する。本実施形態では、第1の実施形態で説明したガスセンサ1において、発熱抵抗体2と同一の材料から形成され、水素ガスに対する活性を無くした補償抵抗8を備えている。尚、補償抵抗8以外の構成は第1の実施形態と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
補償抵抗8は、第1の実施形態で説明した発熱抵抗体2と同じく白金線をコイル状に巻回して形成されており、発熱抵抗体2と略同一の形状、寸法に形成されているが、水素ガスに対する燃焼活性を無くすための処理を行っている。なお補償抵抗8の材料は白金線に限定されるものではなく、発熱抵抗体2と同一の白金系の抵抗線で形成されていれば良い。
補償抵抗8は水素ガスに対する燃焼活性を無くしているので、補償抵抗8を発熱抵抗体2と同じ温度に加熱したとしても補償抵抗8の表面で水素ガスが燃焼することはないから、燃焼熱による温度上昇が発生しない。また補償抵抗8は発熱抵抗体2と同一の材料で形成されているので、発熱抵抗体2と同一の温度−抵抗特性を有しているから、補償抵抗8の抵抗値を用いて雰囲気温度変化等の雰囲気条件を補正することで、燃焼熱による発熱抵抗体2の抵抗値変化をより正確に測定することができ、水素ガスに対する検出精度が向上する。
ベース4は合成樹脂により円盤状に形成され、3本のステム3a,3b,3cがベース4を上下方向に貫通するようにインサート成形されている。3本のステム3a,3b,3cは同一平面内に一列に並ぶように設けられ、中央のステム3cは他の2本のステム3a,3bに比べて上面からの突出量が短くなっている。そして、左側の2本のステム3a,3cには、ベース4の上面から突出する部位に発熱抵抗体2の両端部が溶接などの方法で固着され、右側の2本のステム3b,3cには、ベース4の上面から突出する部位に補償抵抗8の両端部が溶接などの方法で固着されている。ここで、3本のステム3a〜3cは同一平面内に並んでいるので、ステム3a〜3cに発熱抵抗体2および補償抵抗8をレーザ溶接する場合は溶接作業を一度に行うことができ、作業性が向上するという利点がある。
本実施形態のガスセンサを製造するにあたっては、先ず白金系(例えば白金、ジルコニア安定化白金など)の抵抗線(母材)をコイル状に巻回して、同一の形状・寸法を有するコイルを2つ形成した後、ベース4にインサート成形されたステム3a,3cに一方のコイルの両端を固着するとともに、ステム3b,3cに他方のコイルの両端をそれぞれ固着する。次に各コイルの表面をパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、コバルトの内の少なくとも1種と合金化するために、例えば硝酸パラジウム、硝酸ルテニウム、硝酸ロジウム、硝酸ニッケル、硝酸コバルトの内の少なくとも1種を所定濃度含んだ水溶液を両コイルに塗布した後、室温で約1時間風乾して溶媒を除去する。その後ステム3a,3c間、ステム3b,3c間にそれぞれ約1.1Vの電圧を10分程度印加し、コイルの表面温度を約900℃に加熱することによって、コイルの表面をパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、コバルトの内の少なくとも1種と合金化する。その後、補償抵抗8となるコイルを加熱するため、ステム3b,3c間に約0.8Vの電圧を印加してコイルを約700℃に加熱し、雰囲気中に約10000ppmの亜硫酸ガスあるいは約1000ppmのヘキサメチルジシロキサン蒸気を導入して約1分間保持することで触媒を被毒し、白金合金の触媒活性を失活させることにより補償抵抗8を形成する。この方法で触媒活性を失活させた補償抵抗8は発熱抵抗体2と同一の寸法・形状を有し、且つ、その表面は発熱抵抗体2の表面と外観上の差異は見られない。また補償抵抗8は、発熱抵抗体2と同一の白金系抵抗線を巻線機でコイル状に巻いて、その表面を合金化した後、さらに表面の触媒活性を失活させているから、発熱抵抗体2と同一形状、同一寸法のものを容易に製造することができ、発熱抵抗体2と温度−抵抗特性が等しい補償抵抗8を容易に組み合わせることができる。
なお本実施形態では発熱抵抗体2と補償抵抗8とを同じケースの内部に収納しているので、発熱抵抗体2と補償抵抗8の雰囲気条件をほぼ同じにでき、補償抵抗8の抵抗値を用いて発熱抵抗体2の出力を正確に補正することが可能であるが、発熱抵抗体2と補償抵抗8との雰囲気条件をほぼ同じにできるのであれば、別々のケースに収納しても良い。
(第3の実施形態)
本発明に係る第3の実施形態について図7および図8を参照して説明する。本実施形態では、第2の実施形態で説明したガスセンサ1において、保護キャップ5の上側にフィルタ12を保持したフィルタキャップ9を被せてある。尚、フィルタキャップ9やフィルタ12以外の構成は第2の実施形態と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
フィルタキャップ9は合成樹脂製であって、上面側の端部が閉塞された略円筒状に形成されている。フィルタキャップ9の上面には丸孔状の通気孔10が貫設されており、この通気孔10には防爆のために100メッシュのステンレス製の金網11が装着されている。またフィルタキャップ9の筒内には、通気孔10を通って内部に侵入するガス中の被毒物質を吸着するフィルタ12が装着されている。このフィルタ12は、活性炭、シリカゲル、又はゼオライトのような吸着性多孔質体、或いは、有機または無機の多孔質体に化学物質捕捉性液体成分を含浸させた吸着剤からなり、ガス中の被毒物質(例えばシリコンなど)を吸着する機能を有している。なお上記の化学物質捕捉液体成分としては、例えば酸化性ガスを取り除くために担持されるKOHやアンモニア、アミン等を取り除くために担持される燐酸等があり、特定の被毒物質を吸着するために適宜の成分の液体を有機無機多孔質体に含浸させて使用すれば良い。
ここにベース4と保護キャップ5とフィルタキャップ9とで、発熱抵抗体2および補償抵抗8を内部に収納するケースが構成され、ケース(フィルタキャップ9)に設けた通気孔10と発熱抵抗体2および補償抵抗8との間のガス流路に被毒物質を吸着するフィルタ12を設けているので、通気孔10を通って内部に侵入するガス中の被毒物質を吸着でき、被毒物質による発熱抵抗体2および補償抵抗8の被毒が抑制されて、感度の劣化を低減できる。
ここで、本実施形態のガスセンサ1について、触媒の被毒成分として知られる亜硫酸ガスおよびシリコンガスによる被毒の影響を調べた結果について以下に説明する。ここで、発熱抵抗体2の表面の組成を純白金又はジルコニア安定化白金(つまり表面を合金化していないもの)、白金−パラジウム合金、白金−ルテニウム合金、白金−ロジウム合金、白金−ニッケル合金、白金−コバルト合金としたものを、亜硫酸ガスが300ppm、ヘキサメチルジシロキサンが150ppmの雰囲気中で、発熱抵抗体2に約0.2Vの電圧を印加して24時間連続動作させたところ、何れのガスセンサ1においても24時間経過後に試験前と同等のガス感度を有していた。而してフィルタ12を設けることで被毒耐久性を大幅に向上させることができ、雰囲気条件が劣悪な場合でも長期間安定した性能を維持することが可能になった。なお第1の実施形態で説明したガスセンサ1においても、本実施形態と同様に、保護キャップ5の上側にフィルタ12を保持したフィルタキャップ9を被せても良いことは言うまでもなく、発熱抵抗体2の被毒を抑制して、感度の劣化を低減することが可能である。
上記のように、本発明の精神と範囲に反することなしに、広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は、添付クレームにおいて限定した以外は、その特定の実施形態に制約されるものではない。

Claims (5)

  1. 水素ガスを検出する水素ガスセンサであって、以下の構成を備える、
    発熱抵抗体、この発熱抵抗体の表面組成はパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、又はコバルトの内の少なくとも1種と白金との合金であり、通電によるジュール熱で水素ガスを燃焼可能な温度まで加熱され、発熱抵抗体の表面で水素ガスを燃焼させ、その燃焼熱による温度上昇に応じて電気抵抗が変化し、電気抵抗の変化を水素ガスの濃度検知信号として出力する。
  2. 請求項1に記載の水素ガスセンサにおいて、
    前記発熱抵抗体と同一の材料から形成され、水素ガスに対する燃焼活性を無くした補償抵抗を備える。
  3. 請求項2に記載の水素ガスセンサにおいて、
    前記発熱抵抗体と前記補償抵抗とを収納するケースを備える、このケースには外部と連通する通気孔が形成され、前記通気孔と前記発熱抵抗体および前記補償抵抗との間のガス流路に被毒物質を吸着するフィルタを設ける。
  4. 請求項1に記載の水素ガスセンサの製造方法であって、
    溶媒中にパラジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、コバルトの内の少なくとも1種を所定濃度混ぜ合わせた溶液を、白金で形成された母材に塗布する工程と、
    前記溶媒を風乾により除去する工程と、
    前記母材に所定の電圧を印加することによって白金合金を形成する工程とを有する。
  5. 請求項2に記載の水素ガスセンサの製造方法であって、
    前記発熱抵抗体と同一の材料により形成された補償抵抗を被毒することによって、水素ガスに対する燃焼活性を無くす工程を有する。
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