JPWO2006068128A1 - 光学素子 - Google Patents

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Abstract

本発明の光学素子は、屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体と、容器とを備え、前記第1の液体と第2の液体の界面が所定の形状となるようにこれらの液体を前記容器内に密閉収容し、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成を有し、前記容器が、(1)内面の表層部に、該内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相がある、樹脂製の容器、(2)天部及び底部が、樹脂と、5重量%のクロロホルム溶液を10mm光路セルで測定した波長400nmの光線透過率が90%以上であり且つ分子量が1500以上のヒンダードアミン化合物とを含有する樹脂組成物から形成された容器、又は(3)内面がフッ素化炭素化合物のCVD膜で被覆されている容器であることを特徴とする。本発明によれば、エレクトロウエッティング現象を利用して、小型な構成で効率よく通過する光に対する屈折力を制御でき、青色レーザ(短波長レーザ)を持続的に透過、集光できる光学素子が提供される。

Description

本発明は、小型化を図ることができ、簡単な構成で効率よく通過する光に対する屈折力を制御でき、可変焦点レンズ、可変フォーカスレンズ等に好適で、且つ青色レーザ(短波長レーザ)を持続的に透過、集光できる光学素子に関する。
スチルカメラ、ビデオカメラ等の撮影装置に用いられる撮影光学系においては、焦点調節、あるいは倍率調節等の機能が要求される。撮影光学系にこれらの機能を付与するためには、いずれもモーター等のアクチュエータとこれの出力をレンズの一部の光軸方向の移動に変換する変換機構が必要とされている。しかし、このような変換機構はメカニカル駆動部が必要であるため、機器が大型化し、あるいは動作させたときに雑音が発生する。
また、CD、DVD、MD、BD、HD−DVD等の多種多様な情報記録媒体には、それぞれに応じたピックアップレンズが必要になる。しかし、これら情報記録媒体を一つの装置で扱うためには、焦点距離の異なるピックアップレンズが多数必要であり、装置構造が複雑になる。
このような不具合を解消するため、WO99/18456号パンフレット、特開2001−249282号公報(US2001−0017985A号公報)等において、電気毛管現象(エレクトロウエッティング現象)を用いた可変焦点レンズが提案されている。
これらの文献に記載された可変焦点レンズは、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体を容器内に密閉し、該容器の側面を光軸に対して所定角度傾いた構成とし、光束の通過の妨げとならない部位に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加するにあたり、印加する電圧の出力を制御して、第1の液体と第2の液体の界面形状を変化させることにより、通過する光に対する屈折力を変化させるようにしたものである。また、この可変焦点レンズでは、電極を絶縁体の中に埋め込み、その絶縁体の表面にフッ素樹脂等を塗布して撥水化している。このような可変焦点レンズによれば、電気エネルギーを直接レンズの形状変化に用いることができるため、レンズを機械的に移動させることなく、焦点調節が可能である。
しかしながら、従来の可変焦点レンズにおいては、屈折率の異なる二液が接する容器内面及び電極において、二液の界面の形状が乱れ、また電圧印加に対する応答性が低くなることがあった。また、電極と屈折率の異なる二液との間に絶縁体と撥水処理剤とが介在するため、電圧印加に対する応答性が高くなく、また容器内面近傍において二液界面の形状が乱れることがあった。
一方、光記録媒体として、高密度の記録再生が可能な有機色素系光学記録媒体(DVD−R)が実用化されている。従来、有機色素系光学記録媒体(DVD−R)に用いられるレーザは、赤色半導体レーザであるが、光記録媒体のより一層の高密度記録化のために発振波長の短い半導体レーザ(波長350nm〜530nmの青色レーザ)に対応した光記録媒体の開発が進められている。
しかしながら、波長350nm〜530nmの青色レーザのような短波長レーザを従来の可変焦点レンズに照射すると、照射時間が短くても、強い照射量になるとレンズ表面にアブレーションを生じることがあった。また、照射量を弱くして、照射時間を長くすると、レンズに白濁を生じることがあった。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、エレクトロウエッティング現象を利用して、小型な構成で効率よく通過する光に対する屈折力を制御できる構造を有する光学素子を提供することを第1の課題とする。
また本発明は、青色レーザ(短波長レーザ)を持続的に透過、集光でき、エレクトロウエッティング現象を利用して、小型な構成で効率よく通過する光に対する屈折力を制御できる構造を有する光学素子を提供することを第2の課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体と、容器とを備え、前記第1の液体と第2の液体の界面が所定の形状となるようにこれらの液体を前記容器内に密閉収容し、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成を有する光学素子について鋭意研究した。
その結果、以下の(1)〜(3)のいずれの手法でも、二液の界面の形状乱れが無くなり、また電圧印加に対する応答性が速くなることが判った。また、(3)の手法によれば、青色レーザの照射によっても、アブレーションや白濁を生じないことが判った。そして、これらの知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
(1)樹脂製の容器内面の表層部に、該容器内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相を設ける。
(2)容器の天部及び底部を、樹脂と、5重量%のクロロホルム溶液を10mm光路セルで測定した波長400nmの光線透過率が90%以上であり、且つ分子量が1500以上のヒンダードアミン化合物とを含有する樹脂組成物で形成する。
(3)フッ素化炭素化合物から得られるCVD膜が、絶縁性と撥水性とを兼ね備えており、非常に薄い膜となることから、このCVD膜で屈折率の異なる二液を封入する容器内面を被覆する。
かくして本発明の第1によれば、屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体と、容器とを備え、
前記容器が、内面の表層部に、該容器内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相を有する樹脂製の容器であり、
前記第1の液体と第2の液体の界面が所定の形状となるようにこれらの液体を前記容器内に密閉収容し、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成を有する光学素子が提供される。
本発明の第2によれば、屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体と、容器とを備え、
前記容器の天部及び底部が、樹脂と、5重量%のクロロホルム溶液を10mm光路セルで測定した波長400nmの光線透過率が90%以上であり且つ分子量が1500以上のヒンダードアミン化合物とを含有する樹脂組成物から形成されており、
前記第1の液体と第2の液体の界面が所定の形状となるようにこれらの液体を前記容器内に密閉収容し、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成を有する光学素子が提供される。
本発明の第3によれば、屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体と、容器とを備え、
前記容器の内面がフッ素化炭素化合物のCVD膜で被覆されており、
前記第1の液体と第2の液体の界面が所定の形状となるようにこれらの液体を前記容器内に密閉収容し、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成を有する光学素子が提供される。
本発明の光学素子においては、前記容器が、(i)脂環式構造含有重合体樹脂からなるものであること、(ii)水に対する接触角が105度以上である内側面を有するものであること、及び/又は(iii)天部若しくは底部が、レンズ、プリズム、ホログラム若しくはフレネルの形状に形成されたものであることが、それぞれ好ましい。
また本発明の光学素子においては、前記第1の液体及び第2の液体が、ともに導電性又は有極性の液体であることが好ましい。
本発明の光学素子は、撥水性及び防汚効果に優れる容器を有する。従って、容器内面と接する二液界面の形状乱れが無くなり、電圧印加に対する応答性が速くなる。さらに容器内面の光反射率が低下するので、光学素子に入射した光が光学素子の内面において好ましくない反射が生じなくなる。
また本発明の光学素子は、脂環式構造含有重合体樹脂製の容器を用いたことによって、封入した二液体が該容器に吸収されたり、該容器を浸食あるいは膨潤させることがないので、容器の形状変化による光学的特性の変化が生じにくいものである。
第1発明の光学素子の容器は、その内面表層部にフッ素原子含有量の多い樹脂の相がある樹脂製のものである。従って、容器全体が一様な樹脂から構成されており、積層体のような異種物質間の界面が存在しないので、マイクロクラック等が発生せず、機械的強度に優れている。
第2発明の光学素子の光線の透過する部位、すなわち、容器の天部及び底部が、樹脂と、5重量%のクロロホルム溶液を10mm光路セルで測定した波長400nmの光線透過率が90%以上であり且つ分子量が1500以上のヒンダードアミン化合物とを含有する樹脂組成物から形成されている。
従って、波長350nm〜530nmの青色レーザのような短波長レーザを光学素子に透過させても、表面にアブレーションを生じることがなく、レンズに白濁を生じることがない。また、封入した二液体が該容器に吸収されたり、該容器を浸食あるいは膨潤させることがないので、容器の形状変化による光学的特性の変化が生じにくい。さらに、青色レーザ(短波長レーザ)を持続的に透過、集光でき、エレクトロウエッティング現象を利用して、小型な構成で効率よく屈折力を制御することができる。
第3発明の光学素子は、容器内面がフッ素化炭素化合物のCVD膜で被覆されている。フッ素化炭素化合物のCVD膜は、比誘電率が非常に小さく、交流波の伝搬遅れがほとんど生じないので、応答が非常に速いものである。また、フッ素化炭素化合物のCVD膜は絶縁性に優れ、薄膜に形成できるので、従来用いられていた厚みの大きい樹脂製絶縁体からなる容器と置き換えることで、電圧応答性を高めることができる。さらに、フッ素化炭素化合物のCVD膜は撥水性にも優れているので、従来のごとく絶縁体の表面に撥水化処理をする必要がない。従って、容器内面と接する二液界面の形状乱れが無くなり、電圧印加に対する応答性が速くなる。
本発明の光学素子の容器を製造するための装置の一例を示す図である。 本発明の光学素子の一例を示す図である。
以下、本発明の光学素子について詳細に説明する。
本発明の光学素子は、屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体と容器とを備える光学素子であって、前記第1の液体と第2の液体の界面が所定の形状となるように、好ましくは曲面をなした状態でこれらの液体を前記容器内に密閉収容し、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成を有する。
本発明の光学素子は、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成とすることにより、通過する光に対する屈折力を調整するものである。本発明の光学素子によれば、電圧の値によって、第1の液体が第2の液体を押しのける量を変化させ、界面の形状(界面の曲率)を連続的に変化させることができ、電圧値によって焦点距離を連続的に変化させることができる。
(第1の液体及び第2の液体)
本発明の光学素子は、屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体とを備える。すなわち、前記第1の液体と第2の液体とはその屈折率が実質的に異なるものであり、第2の液体の屈折率が第1の液体の屈折率よりも大きいことが好ましい。また、前記第1の液体と第2の液体とは互いに混合することのないものである。
本発明の光学素子においては、前記第1の液体及び第2の液体は、ともに導電性又は有極性の液体であることが好ましい。
第1の液体としては、具体的には導電性液又は導電性ゲルが挙げられる。
導電性液としては、無機塩の水溶液、有機液体等のそれ自身が導電性を有するもの、またはイオン性成分を付加することによって導電性の液体となるものが挙げられる。
導電性ゲルは、前記導電性液にゲル化剤が含まれているものである。
ゲル化剤としては、側鎖や主鎖に水酸基、カルボキシル基、スルホキシル基、アミド基、エーテル基等の極性基を有する高分子材料や、分子間に働く弱い力(水素結合、イオン結合、疎水結合、静電力、ファンデルワールス力等)の相互作用により幾何学的な秩序を有する構造を持った集合体を形成する自己組織化又は自己集積化物質が挙げられる。
高分子材料の具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリメチルビニルエーテル、ポリアクリルアミド;デンプン、アルギン酸、寒天等の多糖類;天然ガム材料、ゼラチン、ポリペプチド、コラーゲン、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。
自己組織化又は自己集積化物質としては、ステロイド構造を有するもの、具体的には、デオキシコール酸ナトリウムや、pH調整剤によって螺旋状の繊維を形成し螺旋鎖の構造によってゲルを形成するもの等が挙げられる。
第2の液体としては、具体的には、シリコーンオイル、パラフィンオイル等の絶縁性液が挙げられる。
(容器)
本発明の光学素子は、前記第1の液体と第2の液体を、これらの液体の界面が所定の形状となるように密閉収容する容器を備える。
本発明の光学素子に用いる容器は、筒状の側部と、筒の両開口を塞ぐ天部と底部とからなるものである。
本発明の光学素子に用いる容器は、その形状によって特に制限されず、図2に示すように底部及び天部が平らな筒形状容器でもよいし、図2において、底部又は天部が公知のレンズ、プリズム、フレネル、ホログラム等に形成されている筒形状容器でもよい。
本発明に用いる容器の側部は、それを構成する材料によって特に制限されない。例えば、ガラス等の無機材料、樹脂等の有機材料を挙げることができる。
側部は、水に対する接触角が105度以上である内側面又は水に対する接触角が漸次変化する内側面を有するものが好ましい。
水に対する接触角を高くする方法又は水に対する接触角を漸次変化させる方法は特に限定されない。例えば、フッ素ガスを含有する雰囲気に接触させて表層部をフッ素化する方法、フッ素化炭素化合物のCVD膜を形成する方法、フッ素樹脂を塗布する方法等が挙げられる。内側面の撥水性が高くなることで、第1の液体が引き下がったときに第1の液体が第2の液体領域の内側面に液滴として残らないようになり、また第1の液体と第2の液体との界面と内側面とが接する部分に歪みが生じにくくなる。
容器の天部および/又は底部の内面、好ましくは第1の液体に接する天部又は底部の内面は、親水性を有するものが好ましい。
第1の液体と接する天部又は底部の内面を親水化することによって、想定外の衝撃で第1の液体と第2の液体との界面が乱れた後、第2の液体が第1の液体領域にある天部又は底部の内面に液滴として残らないようになる。親水化の度合は特に制限されないが、好ましくは水の接触角が95度以下になるようにする。
容器の天部および/又は底部の内面に親水性を付与する方法は特に限定されないが、例えば、酸素若しくは水とフッ素ガスとを含有する雰囲気に接触させて表層部を親水化する方法、親水性樹脂を塗布する方法等が挙げられる。
本発明の光学素子は、前記第1の液体及び第2の液体と容器とを備え、該容器が、
(1)内面の表層部に、該容器内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相を有する樹脂製の容器(第1発明用の容器)、
(2)容器の天部及び底部が、樹脂と、5重量%のクロロホルム溶液を10mm光路セルで測定した波長400nmの光線透過率が90%以上であり、且つ分子量が1500以上のヒンダードアミン化合物とを含有する樹脂組成物で形成されてなる容器(第2発明用の容器)、
(3)内面がフッ素化炭素化合物のCVD膜で被覆されてなる容器(第3発明用の容器)、のいずれかであることを特徴とする。
これらの容器を構成する樹脂は、所望の波長に対して透明な樹脂である。また、容器に用いる樹脂は封入される液体を吸収しないものが好ましい。具体的には、吸水性(ASTM D570)が、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.01%以下であるものが好適である。
(第1発明用の容器)
本発明の光学素子に用いる第1発明用の容器は、樹脂製の容器内面の表層部に該容器の内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相を有するものである。
ここで、「容器内面の表層部」とは、容器最表面から数nmから数μm程度の深さまでの部分をいう。すなわち、第1発明用の容器の内層部及び表層部は、ともに同種樹脂から構成されており、積層界面が無く、表層部は内層部よりもフッ素原子含有量が多くなっている。また、フッ素原子含有量の分布は、表層部から内層部に向かって徐々に減少していくような分布をなしていてもよいし、表層部から内層部に向かって階段的に減少する分布をなしていてもよい。フッ素原子含有量は、X線光電子分光〔ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)〕等の分析手段によって測定することができる。
透明な樹脂としては、脂環式構造含有重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、本発明においては、、脂環式構造含有重合体樹脂が好ましい。
用いる脂環式構造含有重合体樹脂は、主鎖及び/または側鎖に脂環構造を有する重合体である。機械的強度や耐熱性等の観点から、主鎖に脂環構造を含有する樹脂が好適である。脂環構造としては、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造等が挙げられるが、機械的強度、耐熱性等の観点から、シクロアルカン構造が好ましい。
脂環構造としては、単環、多環、縮合多環、橋架け環等が挙げられる。脂環構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の諸特性が高度にバランスされ好適である。
また、本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂は、通常、熱可塑性のものである。
脂環式構造含有重合体樹脂は、通常、脂環構造を有するオレフィン(以下、「脂環式オレフィン」ということがある。)由来の繰り返し単位を含有する。
脂環式構造含有重合体樹脂中における脂環式オレフィン由来の繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%である。脂環式オレフィン由来の繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性に劣り好ましくない。
脂環式オレフィン由来の繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
また、脂環式構造含有重合体樹脂は、極性基を有するものであってもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物残基、アミド基、イミド基等が挙げられ、特に、エステル基、カルボキシル基又はカルボン酸無水物残基が好適である。
脂環式構造含有重合体樹脂は、通常、脂環式オレフィンを付加重合又は開環重合し、そして必要に応じて不飽和結合部分を水素化することによって、或いは芳香族オレフィンを付加重合し、そして該重合体の芳香環部分を水素化することによって得られる。また、極性基を有する脂環式構造含有重合体樹脂は、例えば、前記脂環式構造含有重合体樹脂に極性基を有する化合物を変性反応により導入することによって、あるいは極性基を含有する単量体を共重合成分として共重合することによって得られる。
脂環式構造含有重合体樹脂を得るために使用される脂環式オレフィンとしては、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ[7.4.0.110、13.02、7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンのごときノルボルネン系単量体等の多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;等が挙げられる。これら環状オレフィンには置換基として極性基を有していてもよい。
芳香族オレフィンとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
脂環式オレフィン及び/又は芳香族オレフィンは、それぞれ1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂環式オレフィン又は芳香族オレフィンと共重合可能な単量体を必要に応じて付加共重合させることができる。
脂環式オレフィン又は芳香族オレフィンと共重合可能な単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン;1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂環式オレフィン又は/及び芳香族オレフィンの重合は公知の方法に従って行うことができる。
重合温度は特に限定されないが、通常−50℃〜+100℃である。
また重合圧力(加圧圧力)は特に限定されないが、通常0〜5×10Pa(0〜50kgf/cm)である。
水素化反応は、公知の水素化触媒の存在下、水素を吹き込んで行うことができる。
脂環式構造含有重合体樹脂の具体例としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物(=エチレンや、α−オレフィン等)との付加重合体、単環シクロアルケンの重合体、脂環式共役ジエン系単量体の重合体及びその水素化物、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素化物等が挙げられる。
これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素化物が好ましく、特にノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物が好ましい。
前記脂環式構造含有重合体樹脂は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる樹脂は、その分子量によって特に制限されない。樹脂の分子量は、シクロヘキサン(シクロヘキサンに溶解しないときはトルエン)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜250,000の範囲である。樹脂の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときには、耐候性、接着性、表面平滑性等がバランスされ好適である。
樹脂の分子量分布は、シクロヘキサン(シクロヘキサンに溶解しないときはトルエン)を溶媒とするGPCで測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは70℃以上、より好ましくは95℃以上、最も好ましくは120℃以上である。
また、用いる樹脂としては、放出水分量や放出有機物量のような揮発成分の少ない光学素子を得るために、樹脂の揮発成分含有量を0.5重量%以下にするのが好ましい。ここで揮発成分含有量は、公知の示差熱重量測定装置(例えば、TG/DTA200、セイコー・インスツルメンツ社製、等)を用いて、30℃から350℃まで10℃/分で加熱したときに揮発する成分の量である。
揮発成分を低減する方法は特に制限されないが、例えば、後述する凝固法や直接乾燥法によって、重合体溶液から溶媒と同時に他の放出水分や放出有機物を除去する方法、スチームストリッピング法、減圧ストリッピング法、窒素ストリッピング法等による方法が挙げられる。特に、凝固法と直接乾燥法は生産性に優れ好ましい。
凝固法は、重合体溶液を重合体の貧溶媒と混合することにより、重合体を析出させる方法である。
用いる貧溶媒としては、例えば、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;等の極性溶媒が挙げられる。
凝固して固液分離した後、小塊状の重合体(クラム)は加熱乾燥して溶媒を除去する。乾燥の際の圧力は、通常10kPa以下、好ましくは3kPa以下で、加熱温度は、通常260℃以上、好ましくは280℃以上である。
直接乾燥法は、重合体溶液を減圧下で加熱して溶媒を除去する方法である。この方法は、遠心薄膜連続蒸発乾燥機、掻面熱交換型連続反応器型乾燥機、高粘度リアクタ装置等の公知の装置を用いて行うことができる。真空度や温度はその装置によって適宜選択することができる。
また用いる樹脂は、酸化防止剤、光安定剤、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、溶剤、可塑剤、離型剤、エラストマー、難燃剤、カップリング剤等を適宜配合したものであってもよい。
好ましい樹脂としては、酸化防止剤及び/又は光安定剤を配合したものである。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキスメチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン〔ペンタエリスリチル−テトラキス3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)〕等のアルキル置換フェノール系化合物;2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−{1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル}フェニルアクリレート等のアクリレート系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)等のジホスファイト系化合物;等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル 3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル 3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の配合量は、樹脂100重量部に対し、通常0.01〜2重量部、好ましくは0.02〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部の範囲である。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、ベンゾエート系光安定剤等が挙げられ、これらの中でもヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−〔2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9,−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、
テトラキス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコ−ルとの縮合物、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、1,6−ヘキサンジアミン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ〔(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)〔(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物等が挙げられる。
これらの光安定剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、等の数平均分子量が2,000〜5,000のものが好ましい。
光安定剤の配合量は、樹脂100重量部に対し、通常0.0001〜5重量部、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部の範囲である。
第1発明用の容器を製造する方法としては、内面の表層部に、該容器内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相を有する樹脂製の容器が得られるものであれば,特に限定されないが、樹脂製の容器基材内面をフッ素ガスを含有する雰囲気に接触させることを含む製造方法が好ましい。
この方法は、例えば、図1に示す反応装置を使用して実施することができる。
この反応装置は、チャンバー1と、チャンバーの温度を制御するための加熱装置5とを備え、チャンバー1には、フッ素ガス及び不活性ガスを導入するための、フッ素ガス供給ライン2と不活性ガス供給ライン3が連結されている。また、不要なガスを抜き出す排気ライン4がチャンバー1の別の位置に連結されている。なお、チャンバー1はステンレス製もしくはアルミニウム製のものが好ましい。
チャンバー1には、前記の容器基材を載置する空間が設けられており、そこに種々形状の容器基材を載置することができる。
排気ライン4から抜き出されたガスは、そのままで、あるいは分離精製して、各ガス供給ラインに戻し、循環再利用することができる。
容器基材6は、本発明の光学素子に適した形状に成形することができる。例えば、図2に示す光学素子の容器であれば、樹脂を筒形状に成形することによって得られる。この場合、容器基材にフッ素ガスを含有する雰囲気を接触させ、フッ素原子を該基材に導入すると大きさがわずかに変化するので、その変化量を勘案して容器基材を所望の容器が得られる大きさや形状に成形することが好ましい。
得られた容器基材を次の工程によって表面処理し、本発明の光学素子用容器を好適に製造することができる。また容器内面のみにフッ素ガスを含有する雰囲気を接触させるために、マスキングを行ってもよい。
第1発明用の容器は、より具体的には、次の工程を経ることにより製造することができる。
(a)不活性ガス雰囲気中又は減圧下に樹脂製容器基材を放置する工程
工程(a)では、まず、チャンバー1内に容器基材を載置し、チャンバー1を閉じて、不活性ガス供給ライン3の弁を開き不活性ガスをチャンバー1内に流入させる。
不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等が挙げられる。本発明においてはアルゴンが好適に用いられる。
チャンバー1内を不活性ガス雰囲気にして、加熱装置によって、チャンバー内の容器基材を加熱することが好ましい。この加熱によって、容器基材中に含まれていた水分、酸素、揮発成分を効率的に除去することができる。加熱温度は容器基材表面温度で、通常60〜180℃、好ましくは80〜130℃である。加熱時間は通常1〜360分、好ましくは2〜200分である。
また、不活性ガス雰囲気中に放置する代りに、減圧下に容器基材を放置してもよい。減圧下に放置する場合は、圧力を通常6.6×10Pa(500mmHg)以下、好ましくは1.3×10Pa(100mmHg)以下にする。圧力の下限は1.3×10Pa(1mmHg)である。極端に減圧すると排気系から油や水分等の汚染物が逆拡散するおそれがある。
減圧下に放置した際にも加熱することが好ましい。加熱温度は通常15〜100℃である。また、減圧と同時に高純度不活性ガスを注入することは、酸素及び水の量を効率的に除去することができるので好ましい。減圧時間は通常1〜360分、好ましくは2〜200分である。
また、次の工程(b)において容器基材中に酸素や水分が存在すると、容器の表面が親水化されやすいので、工程(a)において酸素や水分の量を減らすことが好ましい。好ましい容器基材中の酸素及び水の量は、共に、通常1重量%以下、好ましくは100重量ppm以下、より好ましくは10重量ppm以下である。
この工程(a)は必ず行わなければならない工程ではないが、この工程を経ることによって、容器表層部に、フッ素原子含有量が多い樹脂の相を面内分布なく存在させることができるようになるので、工程(a)を経ることが好ましい。
(b)フッ素ガスを含有する雰囲気中に該容器基材表面にフッ素ガスを含有する雰囲気を接触させる工程
工程(a)の後、不活性ガス供給ライン3の弁を閉じ、必要に応じてチャンバー1内を冷却し、次いで、フッ素ガス供給ライン2の弁と必要に応じて不活性ガス供給ライン3の弁を開き、フッ素ガスをチャンバー1内に流入させ、チャンバー1内をフッ素ガスを含有する雰囲気にする。
フッ素ガスを含有する雰囲気は、フッ素ガスだけで構成される雰囲気でもよいが、反応を緩やかにするために、不活性ガスで希釈したフッ素ガスで構成することが好ましい。フッ素ガスを含有する雰囲気中には酸素及び水が無いほうが好ましい。具体的には酸素及び水の量が共に100重量ppm以下であることが好ましく、10重量ppm以下であることが更に好ましく、1重量ppm以下であることが特に好ましい。
容器基材表面にフッ素ガスを含有する雰囲気を接触させることによって、フッ素ガスが、容器基材の表面から表層部、さらには内層部に向かって拡散し、樹脂内へフッ素原子の導入が起こり、容器基材を構成する樹脂中のフッ素原子含有量が増加していく。容器基材表面からのフッ素原子の浸透深さ、フッ素原子の含有量は、フッ素ガスの濃度、温度、時間に依存して変化する。
不活性ガスで希釈したフッ素ガスの濃度は、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは0.1〜20重量%である。フッ素ガスを含有する雰囲気を接触させるときの容器基材表面温度は、特に制限されないが、通常−50〜+150℃、好ましくは−20〜+80℃、特に好ましくは0〜50℃である。
接触させる時間は、通常0.1秒から600分、好ましくは0.5秒から300分、より好ましくは1秒から200分である。
フッ素ガス濃度が高い場合、温度が高い場合、あるいは接触時間が長い場合には、フッ素原子の浸透深さが深くなり、フッ素原子含有量も多くなる。
フッ素原子含有量の増加に伴って、フッ素原子が導入された部分(主に表層部)の屈折率は低下するので、フッ素ガス濃度、温度、時間を適宜選択することによって、所望の屈折率に制御することができる。
光反射率を低減するためには、表層部(最表面:フッ素原子含有量最大の部分)の屈折率と内層部(フッ素原子含有量ゼロの部分)の屈折率との差を0.001以上、好ましくは0.01以上となるようにすることが好ましい。
フッ素ガス濃度が極端に高い場合、あるいは極端に高温度で接触時間が長い場合は、容器基材を構成する樹脂が劣化するので、上記に示した濃度、温度及び時間の範囲でフッ素ガスを接触させることが好ましい。
(c)フッ素ガスを接触させた後、不活性ガス雰囲気中または減圧下に、工程(b)を経た容器基材を再放置する工程
フッ素ガスを接触させ、所定時間経過した後、不活性ガス供給ライン3を開き、フッ素ガス供給ライン2の弁を閉じて、チャンバー1内を不活性ガス雰囲気にする。不活性ガスは前記工程(a)で説明したものと同じものが挙げられる。
この場合、加熱装置によって容器基材を加熱することが好ましい。この加熱によって容器基材中に導入しきれなかった余剰のフッ素ガスを除去することができる。加熱温度は容器基材表面温度で、通常60〜180℃、好ましくは80〜130℃である。加熱時間は通常1〜360分、好ましくは2〜200分である。
また、不活性ガス雰囲気中に放置する代りに、減圧下に容器基材を放置してもよい。減圧下に放置する場合は、圧力を通常6.6×10Pa(500mmHg)以下、好ましくは1.3×10Pa(100mmHg)以下にする。圧力の下限は1.3×10Pa(1mmHg)である。極端に減圧すると排気系から油や水分等の汚染物が逆拡散するおそれがある。
減圧下に放置した際にも加熱することが好ましい。加熱温度は通常15〜100℃である。また、減圧と同時に高純度不活性ガスを注入することは、フッ素ガスを効率的に除去することができるので好ましい。減圧時間は通常1〜360分、好ましくは2〜200分である。
この工程(c)は必ず行わなければならない工程ではないが、この工程を経ることによって、容器表層部に、フッ素原子含有量が多い樹脂の相を面内分布なく存在させることができるようになるので、工程(c)を経ることが好ましい。
工程(c)を終了後、容器をチャンバー1から取り出し、それぞれの用途に応じて用いることができる。
(第2発明用の容器)
本発明の光学素子に用いる第2発明用の容器は、その天部及び底部が、樹脂に、必要に応じて5重量%のクロロホルム溶液を10mm光路セルで測定した波長400nmの光線透過率が90%以上であり、且つ分子量が1500以上のヒンダードアミン化合物が配合された樹脂組成物から形成されたものである。
第2発明用の容器の天部及び底部を構成する材料は、波長405nmでの光線透過率が1mm厚の平板で測定したときに90%以上であり、且つ温度25℃、照射強度4000W/m、及び照射時間2000時間で、波長405nmの光を照射した後の波長405nmでの光線透過率の低下が照射前の光線透過率に対して1%以下のものである。
樹脂としては、脂環式構造含有重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、脂環式構造含有重合体樹脂及びアクリル樹脂が好ましい。
脂環式構造含有重合体樹脂としては、前記第1発明用の容器を構成する樹脂と同様、脂環式オレフィン由来の繰り返し単位を有する、通常、熱可塑性のものである。
この具体例としては、前記第1発明用の容器を構成する樹脂として例示したものと同様のものが挙げられる。
脂環式構造含有重合樹脂の中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素化物がより好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物が特に好ましい。
第2発明用の容器の天部及び底部を形成するためのアクリル樹脂としては、特に制限されない。例えば、(メタ)アクリレート化合物の単独重合体、(メタ)アクリレート化合物の2種以上の共重合体、(メタ)アクリレート化合物と他の共重合性単量体との共重合体等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートのいずれかを表す。
第2発明用の容器に用いる樹脂は、その分子量によって特に制限されない。樹脂の分子量は、樹脂がブロック共重合体である場合は、ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)が、50,000〜300,000、好ましくは55,000〜200,000、特に好ましくは60,000〜150,000である。樹脂がランダム共重合体あるいは単独重合体である場合は、重量平均分子量(Mw)は、通常5,000〜500,000、好ましくは10,000〜200,000である。Mwが小さすぎる場合には、機械的強度が十分でなくなり、大きすぎる場合には成形時間が長くかかり重合体の熱分解を起こしやすくなり、有機物放出量が増加する傾向になる。
樹脂は、その分子量分布が、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)による表記で、通常2以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。Mw/Mnがこの範囲にあると、機械強度と耐熱性が高度にバランスされる。なお、Mw及びMnは、シクロヘキサン(シクロヘキサンに溶解しないときはトルエン)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の値である。
樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは60〜200℃、より好ましくは70〜180℃、最も好ましくは90〜170℃である。ガラス転移温度が低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。ガラス転移温度が高すぎると加工性が悪くなる傾向がある。ここでガラス転移温度は示差走査熱量計を用いて測定した値である。
また、用いる樹脂としては、放出水分量や放出有機物量のような揮発成分の少ない光学素子を得るために、前記第1発明用の容器を構成する樹脂の場合と同様、樹脂の揮発成分含有量を0.5重量%以下にするのが好ましい。
この樹脂に配合されるヒンダードアミン化合物は、(a)5重量%のクロロホルム溶液の、10mm光路セルで測定した400nmの光線透過率(以下、単に光線透過率という)が90%以上、好ましくは94%以上であり、かつ(b)分子量が1,500以上、好ましくは1,500〜10,000、より好ましくは1,500〜5,000のものである。光線透過率と分子量とが、上述の範囲内にあると、青色レーザに対しても良好な透明性が安定して得られる。
尚、ヒンダードアミン化合物が重合体である場合、前記分子量は、テトラヒドロフランを溶媒として用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した数平均分子量を意味する。
用いる好適なヒンダードアミン化合物は、窒素原子に隣接する2つの炭素原子の双方にそれぞれ置換基が結合したピペリジン環を複数含有するものである。窒素原子に隣接する炭素原子に結合する置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基が好ましく、双方の炭素原子のそれぞれにメチル基が結合しているものが最も好ましい。
ヒンダードアミン化合物の例としては、第1発明用の容器の説明で述べた、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
これらのうち、特に好適なヒンダードアミン化合物は、ポリ{〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}である。
ヒンダードアミン化合物は、同一の化学式や名称で表されるものであっても、光線透過率が異なる場合があり、重合体では、数平均分子量が異なる場合がある。光線透過率を高めるためには純度を上げる必要があり、数平均分子量を上げるためには触媒、反応温度、反応時間を調整する必要がある。
例えば、後述の実施例に具体的に示す通り、市販されている分子量が2,000以上のポリ{〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}には、光線透過率が90%未満のものと、90%以上のものとがある。
ヒンダードアミン化合物の配合量は、樹脂100重量部に対して、通常0.01〜1.5重量部、好ましくは0.03〜1.0重量部、更に好ましくは0.05〜0.5重量部である。ヒンダードアミン化合物の配合量がこの範囲にないと、十分な効果が得られない。
また、樹脂には、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の主鎖水素化物(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体〔SEBS〕)やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の主鎖水素化物(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体〔SEPS〕)等のエラストマーを添加するのが好ましい。
なかでも、エラストマーを添加すると、高温高湿下において白濁しにくくなり、コーティング剤等との密着性が高くなり、平滑性も高くなるのでより好ましい。このようなエラストマーは金属含量が50ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることが特に好ましい。
エラストマーの配合量は、樹脂100重量部に対して、通常0.05〜70重量部、好ましくは0.1〜50重量部である。
更に樹脂には、機械的性質を向上させる目的で、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、金属フレーク、ガラスビーズ、ワラストナイト、ロックフィラー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、マイカ、ガラスフレーク、ミルドファイバー、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー等の充填材、公知の他の酸化防止剤、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シリコンオイル、発泡剤、界面活性剤、離型剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合することもできる。
樹脂に配合物を添加する方法としては、例えば、樹脂とヒンダードアミン化合物とを混練する方法;樹脂とヒンダードアミン化合物とを適当な溶媒中で混合し、溶媒を除去する方法;等が挙げられる。
混練するために、例えば単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、フィーダールーダー等の溶融混練機を用いることができる。混練温度は、好ましくは200〜400℃、更に好ましくは240〜350℃である。また、混練するに際しては、各成分を一括して混練しても数回に分けて添加しながら混練りしてもよい。
第2発明用の容器の天部及び底部を形成するための好適な樹脂は、40℃における水蒸気透過速度が1mm厚の平板で0.05g/m.day以下のものである。
また、容器天部及び底部を構成する樹脂は、所望の波長に対して透明な樹脂である。
吸水性、水蒸気透過速度が小さい樹脂を用いることで、青色レーザを持続的に透過、集光でき、エレクトロウエッティング現象を利用して、小型な構成で効率よく屈折力を制御することができる構造を有する光学素子が得られる。
前記樹脂を本発明の光学素子に適した形状に成形することにより、第2発明用の容器を製造することができる。例えば、後述する、図2に示す光学素子の容器であれば、前記樹脂を筒形状に成形することによって得ることができる。
(第3発明用の容器)
本発明の光学素子の第3発明用の容器は、内面がフッ素化炭素化合物のCVD膜で被覆されてなる容器である。
第3発明用の容器を構成する材料としては、特に限定されないが、透明性に優れるものが好ましい。透明材料としてはガラスがあるが、成形性、軽量性等の観点から樹脂が好適である。
透明樹脂としては、脂環式構造含有重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられるが、本発明においては、脂環式構造含有重合体樹脂が好ましい。
脂環式構造含有重合体樹脂としては、前記第1発明用の容器を構成する樹脂と同様、脂環式オレフィン由来の繰り返し単位を有する、通常、熱可塑性のものである。
この具体例としては、前記第1発明用の容器を構成する樹脂として例示したものと同様のものが挙げられる。
脂環式構造含有重合体樹脂の中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素化物がより好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物が特に好ましい。
用いる樹脂は、その分子量によって特に制限されない。樹脂の分子量は、シクロヘキサン(シクロヘキサンに溶解しないときはトルエン)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜250,000の範囲である。樹脂の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときには、耐候性、接着性、表面平滑性等がバランスされ好適である。
樹脂の分子量分布は、シクロヘキサン(シクロヘキサンに溶解しないときはトルエン)を溶媒とするGPCで測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは70℃以上、より好ましくは95℃以上、最も好ましくは120℃以上である。
また、用いる樹脂としては、放出水分量や放出有機物量のような揮発成分の少ない光学素子を得るために、前記第1発明用の容器を構成する樹脂の場合と同様、樹脂の揮発成分含有量を0.5重量%以下にするのが好ましい。
用いる樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、
紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤、可塑剤、離型剤、エラストマー、難燃剤、カップリング剤等を適宜配合したものであってもよい。
本発明の光学素子に適した形状に樹脂を成形することにより、CVD膜で被覆前の容器を得ることができる。例えば、後述する、図2に示す光学素子の容器であれば、樹脂を筒形状に成形することによって得ることができる。
容器内面を被覆するフッ素化炭素化合物のCVD膜は、原料としてフッ素化炭素化合物を用い、CVD法によって製膜した薄膜である。
用いるフッ素化炭素化合物は、炭素原子およびフッ素原子のみから構成される化合物である。フッ素化炭素化合物は二重結合又は三重結合を有するものが好ましい。フッ素化炭素化合物を構成する炭素の数は好ましくは2〜7、より好ましくは2〜5、さらに好ましくは4〜5、特に好ましくは5である。
該不飽和フッ素化炭素化合物の具体例としては、テトラフルオロエチレン等の炭素数が2である不飽和フッ素化炭素化合物;ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロプロピン、テトラフルオロシクロプロペン等の炭素数が3の不飽和フッ素化炭素化合物;ヘキサフルオロ−2−ブチン、ヘキサフルオロ−1−ブチン、ヘキサフルオロシクロブテン、ヘキサフルオロ−1,3−ブタジエン、ヘキサフルオロ−(1−メチルシクロプロペン)、オクタフルオロ−1−ブテン、オクタフルオロ−2−ブテン等の炭素数が4の不飽和フッ素化炭素化合物;オクタフルオロ−1−ペンチン、オクタフルオロ−2−ペンチン、オクタフルオロ−1,3−ペンタジエン、オクタフルオロ−1,4−ペンタジエン、オクタフルオロシクロペンテン、オクタフルオロイソプレン、ヘキサフルオロビニルアセチレン、オクタフルオロ−(1−メチルシクロブテン)、オクタフルオロ−(1,2−ジメチルシクロプロペン)等の炭素数が5の不飽和フッ素化炭素化合物;ドデカフルオロ−1−ヘキセン、ドデカフルオロ−2−ヘキセン、ドデカフルオロ−3−ヘキセン、デカフルオロ−1,3−ヘキサジエン、デカフルオロ−1,4−ヘキサジエン、デカフルオロ−1,5−ヘキサジエン、デカフルオロ−2,4−ヘキサジエン、デカフルオロシクロヘキセン、ヘキサフルオロベンゼン、オクタフルオロ−2−ヘキシン、オクタフルオロ−3−ヘキシン、オクタフルオロシクロ−1,3−ヘキサジエン、オクタフルオロシクロ−1,4−ヘキサジエン等の炭素数が6の不飽和フッ素化炭素化合物;ウンデカフルオロ−1−ヘプテン、ウンデカフルオロ−2−ヘプテン、ウンデカフルオロ−3−ヘプテン、ドデカフルオロシクロヘプテン等の炭素数が7の不飽和フッ素化炭素化合物;が挙げられる。
これらの中でも、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロプロピン、テトラフルオロシクロプロペン、ヘキサフルオロ−2−ブチン、ヘキサフルオロ−1−ブチン、ヘキサフルオロシクロブテン、ヘキサフルオロ−1,3−ブタジエン、ヘキサフルオロ−(1−メチルシクロプロペン)、オクタフルオロ−1−ブテン、オクタフルオロ−2−ブテン、オクタフルオロ−1−ペンチン、オクタフルオロ−2−ペンチン、オクタフルオロ−1,3−ペンタジエン、オクタフルオロ−1,4−ペンタジエン、オクタフルオロシクロペンテン、オクタフルオロイソプレン、ヘキサフルオロビニルアセチレン、オクタフルオロ−1−メチルシクロブテン、オクタフルオロ−1,2−ジメチルシクロプロペンが好ましく、ヘキサフルオロ−2−ブチン、ヘキサフルオロ−1−ブチン、ヘキサフルオロシクロブテン、ヘキサフルオロ−1,3−ブタジエン、ヘキサフルオロ−(1−メチルシクロプロペン)、オクタフルオロ−1−ブテン、オクタフルオロ−2−ブテン、オクタフルオロ−1−ペンチン、オクタフルオロ−2−ペンチン、オクタフルオロ−1,3−ペンタジエン、オクタフルオロ−1,4−ペンタジエン、オクタフルオロシクロペンテン、オクタフルオロイソプレン、ヘキサフルオロビニルアセチレン、オクタフルオロ−(1−メチルシクロブテン)、オクタフルオロ−(1,2−ジメチルシクロプロペン)がより好ましく、オクタフルオロ−2−ペンチン、オクタフルオロ−1,3−ペンタジエン、オクタフルオロシクロペンテンがさらに好ましく、オクタフルオロ−2−ペンチン、オクタフルオロシクロペンテンがさらに好ましく、オクタフルオロ−2−ペンチンが特に好ましい。
用いるフッ素化炭素化合物は、不飽和フッ素化炭素化合物を、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上、特に好ましくは99.9重量%以上含有する。
用いるフッ素化炭素化合物は、水素原子含有化合物の含有量が好ましくは90重量ppm以下、より好ましくは70重量ppm以下、さらに好ましくは50重量ppm以下、特に好ましくは10重量ppm以下である。なお、ここで水素原子含有化合物とは、水素原子を有する有機化合物、および水等の水素原子を有する無機化合物を意味する。
また、用いるフッ素化炭素化合物は、水分含有量が好ましくは3重量ppm以下、さらに好ましくは1重量ppm以下、特に好ましくは0.1重量ppm以下である。
フッ素化炭素化合物中に水素原子含有化合物が存在すると、CVD法により形成された膜中に水素原子が取り込まれる。この水素原子の存在により、膜の比誘電率の上昇、膜形成の再現性の低下、膜を加熱処理したときの腐食性ガスの発生、撥水性の低下等が起きることがある。フッ素化炭素化合物中に水素原子含有化合物の含有量を上記範囲にすることによって応答性のよい光学素子を得ることができる。
水素原子含有化合物の含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計により求めることができ、水分の含有量はカールフィッシャー水分計により求めることができる。
フッ素化炭素化合物中の水素原子を有する有機化合物の含有量を調整する方法としては、吸着材により除去する方法、蒸留して低減する方法、あるいは化学反応により別の沸点差の大きい化合物に変換してから蒸留する方法等から、適宜な方法を選択することができる。
水分含有量を調整する方法としては、吸着剤による方法が好適に用いられる。
フッ素化炭素化合物は、その製法によって特に制限されない。例えば、特開平9−95458号公報に記載されているように、1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロペンテンを窒素気流下、ジメチルホルムアミド中でフッ化カリウムと反応させながら、反応器に装備した精留塔から生成物を抜き出すことにより、純度99.8〜99.98%のオクタフルオロシクロペンテンが得られる。こうして得られたオクタフルオロシクロペンテンを高段数を有する精留塔にて精密蒸留を行って、水分が30重量ppm程度のものを得ることができる。
また、特開2003−146917号公報(EP1453082A1)に記載されているように、2,3−ジヒドロデカフルオロペンタンと溶融水酸化カリウムを接触させて、生成するガス状化合物を冷却したトラップ内に捕集し、捕集された粗生成物を精留塔にて精密蒸留することにより、純度99.9%以上のオクタフルオロ−2−ペンチンを得ることができる。この方法によれば、精密蒸留の際に、留分は冷却したトラップ内に捕集され、水分20重量ppm程度のものが得られる。
フッ素化炭素化合物中には、微量ガス成分である窒素ガスと酸素ガスが存在する場合もあるが、窒素ガスと酸素ガスの合計含有量は、フッ素化炭素化合物中に30重量ppm以下が好ましい。
用いるCVD法は、特に制限されず、公知の方法で行うことができる。具体的には、プラズマ放電によりフッ素化炭素化合物を活性化させて、イオン、ラジカル等の活性種を発生させ、前記容器内面にフルオロカーボンのポリマー膜を形成せしめる。ポリマー膜が形成される工程は必ずしも明確ではないが、電離解離条件下において、イオン、ラジカル種の発生とともに、不飽和フッ素化炭素化合物の重合、開環反応等さまざまな反応が複雑に関与しているものと考えられる。
プラズマCVDの手法としては、例えば特開平9−237783号公報に記載の方法等を用いることができる。プラズマ発生条件は、通常、平行平板の上部電極(シャワーヘッド)に印加する高周波電力10W〜10kW、被処理物温度0〜500℃、反応室圧力0.0133Pa〜13.3kPaの条件が採用される。
堆積する膜の厚さは、通常、0.01〜10μmの範囲である。プラズマCVDに用いる装置としては、平行平板型CVD装置が一般的であるが、マイクロ波CVD装置、ECR−CVD装置、誘導結合プラズマ(ICP)CVD装置、および高密度プラズマCVD装置(ヘリコン波式、高周波誘導式)を用いることができる。
フッ素化炭素化合物は、通常、プラズマCVD装置の中に、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の不活性ガスとともに供給される。これらの不活性ガスは、プラズマCVD用ガス希釈効果並びにプラズマの電子温度および電子密度を変化させる効果を有することから、プラズマ反応中のラジカルおよびイオンのバランスを制御して、適正な成膜条件を得ることが可能となる。
プラズマCVD装置の中における不活性ガスの供給量は、本発明のフッ素化炭素化合物1モルに対して、通常、2〜100モル、好ましくは5〜20モルである。
以上のようにして、第3発明用の容器を得ることができる。
次に、本発明の光学素子の構成例を図2を用いて説明する。図2において、7は円筒形状の光学素子用容器である。図中上下方向(光の入射出射方向)は天板(天部)と底板(底部)であり、それらは透明になっている。8は容器7に封止された第2の液体であり、ここでは透明なシリコンオイルで構成されている。9は容器7に封止された第2の液体よりも屈折率の低い透明な第1の液体であり、ここでは食塩を溶解した水等の導電性液で構成されている。10は第1の液体(導電性液)9に外部から電位をかける為の第1の電極である。この第1の電極10は、図示を省略しているコントロール回路に連結されており、プラス、マイナス200V程度の交流電界がかけられる。
11は絶縁体の中に埋め込まれたリング状の第2の電極であり、同じく図示を省略しているコントロール回路に連結されている。第2の電極11には、前述したようなプラス、マイナス200V程度の交流電界が、前述の第1の電極10とは逆極性の位相でかけられる。
図2(a)の状態(電圧無印加状態)では、上方から入射した光束12は、第2の液体8から第1の液体9に入射するときに屈折率の違いにより界面で屈折して光が広がるようになっている。一方、交流電界をかけた図2(b)の状態では、導電性液である第1の液体9がシリコンオイル等の第2の液体8をリング状の電極11の付近で押しのけることにより、両液体の界面が凸状になり、上方からの入射光束12は集光される。
図2に示す光学素子によれば、電圧の値によって、第1の液体9が第2の液体8を押しのける量が変化し、界面の形状(界面の曲率)を連続的に変化させることができる。すなわち、図2に示す光学素子は、電圧値によって焦点距離を連続的に変化させることができる。
このような効果を奏する本発明の光学素子は、カメラや複写機、プリンターに使用されるレンズ、光ディスク読み取り用ピックアップレンズ、CCD用超小型レンズ、等の可変焦点レンズ又は可変フォーカスレンズに好適に用いられる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものでない。
(実施例1)
金製の筒状電極と電極とを、脂環式構造含有重合体樹脂(ゼオネックス480R:日本ゼオン社製、ヒンダードアミン系光安定剤及びアルキル置換フェノール系酸化防止剤をそれぞれ0.05重量%含有)でインサート成形して、内寸直径5mm、高さ3mm、肉厚1mmの両端開口の筒形状の容器基材を得た。容器内面に露出した筒状電極表面に脂環式構造含有重合体樹脂溶液を塗布し乾燥して電気絶縁した。
別に脂環式構造含有重合体樹脂を成形して、該容器の天面および底面の開口を塞ぐための肉厚1mmの円板形状の天板およびホログラム形状の面を有する底板を得た。
前記容器基材をSUS316L(日本国工業規格、以下同じ)製のチャンバー内に入れ、酸素及び水分含有量1重量ppb以下の高純度アルゴン気流下、120℃で3時間加熱して、酸素及び水を10重量ppm未満になるまで除去した。室温まで冷却し、外気からの酸素や水分の混入がないよう気をつけながらバルブを切り替えて、アルゴンガスで希釈された1重量%フッ素ガス(酸素及び水の含有量1重量ppm未満)を30℃で導入した。10分間経過後、バルブを切り替えて酸素及び水分含有量1重量ppb以下の高純度アルゴンを導入し、120℃で1時間加熱し余剰のフッ素ガスを除去した。
次に、フッ素ガスで処理された上記容器基材の内面をX線光電子分光(ESCA)により測定し、その表層部にフッ素原子が多く存在していることを確認した。さらに、この容器基材を、超純水中に24時間浸漬した後、X線光電子分光(ESCA)により測定したところ、浸漬前と同様に、フッ素原子が表層部に多く存在していた。また、FTIR−ATR法で膜表面を測定したところ、1400〜1000cm−1にC−F伸縮振動に由来するブロードなピークが観測された。容器内面は、水の接触角が110度になり、撥水性が増加していた。
次いで、この容器にシリコーンオイルと食塩水とを入れ、天板および底板で封入することにより、図2に示す光学素子と同様の構成の光学素子(第1発明の素子)を得た。電極に電圧を印加するとシリコーンオイルと食塩水の界面の形状が変化し、屈折率が変化することを確認した。また容器内面において界面形状に乱れは生じず、電圧変化に対しての応答性がフッ素ガスで処理していない容器に封入した光学素子に比べ高くなっていた。
(実施例2)
金製の筒状電極と電極とを、脂環式構造含有重合体樹脂(ゼオネックス480R:日本ゼオン社製、ヒンダードアミン系光安定剤及びアルキル置換フェノール系酸化防止剤をそれぞれ0.05重量%含有)でインサート成形して、内寸直径5mm、高さ3mm、肉厚1mmの両端開口の筒形状の容器基材を得た。次に、容器内面に露出した筒状電極表面に脂環式構造含有重合体樹脂溶液を塗布し乾燥して電気絶縁した。別に脂環式構造含有重合体樹脂を成形して該容器の天面を塞ぐための凸レンズ形状の天板およびフレネルレンズ形状の面を有する底板を得た。
この容器基材をSUS316L製チャンバーに入れ、酸素及び水分含有量1重量ppb以下の高純度アルゴン気流下、120℃で3時間加熱し酸素及び水を除去した。室温まで冷却し、外気から酸素や水分が混入しないようにバルブを切り替えて、アルゴンガスで希釈された1重量%フッ素ガスを30℃で導入した。10分間経過後、バルブを切り替えて高純度アルゴンを導入し、120℃で1時間加熱しフッ素ガスを除去した。
この容器にシリコーンオイルと食塩水とを入れ、天板および底板で封入することにより、図2に示す光学素子と同様の構成の光学素子(第1発明の素子)を得た。電極に電圧を印加するとシリコーンオイルと食塩水の界面の形状が変化し、屈折率が変化することを確認した。また容器内面において界面形状に乱れは生じず、電圧変化に対しての応答性がフッ素ガスで処理していない容器に封入した光学素子に比べ高くなっていた。
(製造例1)
窒素置換したステンレス製耐圧容器に、スチレン76.8部とイソプレン3.2部を添加し混合攪拌することにより混合モノマーを調製した。次に、窒素置換した電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに、脱水シクロヘキサン320部、混合モノマー4部及びジブチルエーテル0.1部を仕込み、50℃で撹拌しながらn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(濃度15%)0.454部を添加して重合を開始させた。重合開始から0.5時間経過(この時点での重合転化率は約96%であった)後、混合モノマー76部を1時間かけて連続的に添加した。混合モノマーの添加終了(この時点での重合転化率は約95%であった)から0.5時間経過後、イソプロピルアルコール0.1部を添加して反応を停止させ、スチレン−イソプレンランダム共重合体が溶解した重合反応溶液を得た。
次いで、上記重合反応溶液400部に、安定化ニッケル水素化触媒E22U(60%ニッケル担持シリカ−アルミナ担体、日揮化学工業社製)3部を添加混合して混合液を得た。この混合液を、電熱加熱装置と電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに仕込んだ。該オートクレーブに水素ガスを供給し、撹拌しながら、オートクレーブ内を160℃、4.5MPaを保つようにして6時間水素化反応を行った。水素化反応終了後、ラジオライト#800を濾過床として備える加圧濾過器(フンダフィルター、石川島播磨重工社製)を使用して、圧力0.25MPaで加圧濾過して、脂環式構造含有重合体樹脂を含む無色透明な溶液を得た。
得られた無色透明溶液(重合体樹脂固形分100部)に、ヒンダードアミン化合物として、分子量が2,000〜2,500のポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕(CAS−No.:71878−19−8)(クロロホルム5重量%溶液の光路長10mm石英セルによる400nmの光線透過率が97.0%)0.1部、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の主鎖水素化物(SEPS、スチレン/イソプレン重量比=30/70、メルトフローレート約70g/分(230℃、2.16kgf))0.2部を加えて溶解させた。
次に、この溶液を金属ファイバー製フィルター(孔径0.5μm、ニチダイ社製)にて濾過した。次いで濾液をゼータプラスフィルター3OS(孔径0.5〜1μm、キュノ社製)で濾過し、更に、金属ファイバー製フィルター(孔径0.2μm、ニチダイ社製)で濾過して異物を除去した。
次いで、得られた濾液(重合体濃度:20重量%)を250℃に加熱し、圧力3MPaで円筒型濃縮乾燥機(日立製作所製)に連続的に供給した。濃縮乾燥機内の圧力が60kPa、乾燥器内の重合体樹脂溶液の温度が260℃になるように調節して濃縮した。次いで濃縮された溶液を260℃を保ったまま、更に同型の濃縮乾燥機に圧力1.5MPaで供給した。二段目の濃縮乾燥機内の圧力は1.5kPa、重合体樹脂の温度は270℃になるように調節して、溶媒を除去した。
得られた重合体樹脂は、その水素化率はほぼ100%(水素化されていない芳香族ビニル単量体単位と水素化された芳香族ビニル単量体単位との合計量に対する、水素化されていない芳香族ビニル単量体単位の量が0.01モル%以下、水素化されていない共役ジエン単量体単位と水素化された共役ジエン単量体単位との合計に対する、水素化されていない共役ジエン単量体単位の量が0モル%)であり、ガラス転移温度(Tg)は125℃であった。
次に、溶媒を除去した重合体樹脂を融解状態で濃縮乾燥機から連続的に導出し、クラス100のクリーンルーム内で押出成形し、水で冷やし、ペレタイザー(OSP−2、長田製作所社製)でカッティングしてペレット1を得た。
ペレット1をクロロベンゼンに溶解させ、ガスクロマトグラフィー(G−3000、日立製作所社製、検出限界10ppm)により分析したところ、揮発成分含有量は150ppmであった。
ペレット1をテトラヒドロフランに溶解させ、それをゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して、標準ポリスチレンの分子量と対比して分子量を決定し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めた。Mwは85,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は1.18であった。
ペレット1を孔径0.2μmのフィルターで濾過精製したテトラリンに溶解させて1.5%溶液を得、光散乱式微粒子検出器(KS−58、リオン社製)を用いて、該溶液中の粒径0.5μm以上の異物個数を測定した。異物個数は2.1×10個/gであった。
ペレット1の40℃における水蒸気透過速度は、1mm厚の平板で0.01g/m.day以下であり、吸水性(ASTM D570)が、0.001%であった。
また、波長405nmでの光線透過率が1mm厚の平板で90%以上であり、且つ温度25℃、照射強度4000W/m、及び照射時間2000時間で、波長405nmの光を照射した後の波長405nmでの光線透過率の低下が照射前の光線透過率に対して1%以下であった。
(製造例2)
窒素置換したガラス製反応容器に、テトラシクロドデセンとエチレンの付加型重合体(極限粘度〔η〕0.54dl/g、Tg69℃、テトラシクロドデセンとエチレンのモル比1:3)を100部とシクロヘキサン900部を入れ、50℃に加温した。撹拌しながら塩化アルミニウム20部を添加し、そのまま反応温度50℃で反応させた。24時間反応させた後、反応溶液を2000部のイソプロピルアルコールに撹拌しながら入れ、沈澱した変成体を採取し、1.3×10Pa(1torr)以下の減圧下で24時間乾燥して、無色の脂環式構造含有重合体樹脂98部を得た。
次に、得られた重合体樹脂100部に対して、ヒンダードアミン化合物として、分子量2,000〜2,500のポリ{〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}(クロロホルム5重量%溶液の光路長10mm石英セルによる400nmの光線透過率が97.0%)0.1部を添加して、二軸押出機にて230℃で溶融混練してペレット2を得た。
ペレット2の40℃における水蒸気透過速度は、1mm厚の平板で0.04g/m.day以下であり、吸水性(ASTM D570)は0.03%であった。
また、波長405nmでの光線透過率が1mm厚の平板で90%以上であり、且つ温度25℃、照射強度4000W/m、及び照射時間2000時間で、波長405nmの光を照射した後の波長405nmでの光線透過率の低下が照射前の光線透過率に対して1%以下であった。
(比較製造例1)
ヒンダードアミン化合物として、分子量約2,500の、ポリ{〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}(クロロホルム5重量%溶液の光路長10mm石英セルによる400nmの光線透過率が89.0%)0.1部を添加した他は製造例2と同様の方法でペレット3を得た。
ペレット3の40℃における水蒸気透過速度は、1mm厚の平板で0.06g/m.day以下であり、吸水性(ASTM D570)は0.05%であった。
(比較製造例2)
ヒンダードアミン化合物として、分子量722の1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(クロロホルム5重量%溶液の光路長10mm石英セルによる400nmの光線透過率が98.0%)0.1部を添加した他は製造例2と同様の方法でペレット4を得た。
ペレット4の40℃における水蒸気透過速度は、1mm厚の平板で0.07g/m.day以下であり、吸水性(ASTM D570)は0.07%であった。
(実施例3)
金製の筒状電極と、電極と、製造例1で得たペレット1とをインサート成形して、内寸直径5mm、高さ3mm、肉厚1mmの両端開口の筒形状の容器基材を得た。容器内面に露出した筒状電極表面に、製造例1で得たペレット1の溶液を塗布し、乾燥して電気絶縁した。
別に、製造例1で得たペレット1を成形して該容器の天面および底面の開口を塞ぐための肉厚1mmの円板形状の天板およびホログラム形状の面を有する底板を得た。
この容器基材をSUS316L製チャンバーに入れ、酸素及び水分含有量1重量ppb以下の高純度アルゴン気流下、120℃で3時間加熱し酸素及び水を10重量ppm未満になるまで除去した。室温まで冷却し、外気から酸素や水分が混入しないようにバルブを切り替えて、アルゴンガスで希釈された1重量%フッ素ガス(酸素及び水の含有量1重量ppm未満)を30℃で導入した。10分間経過後、バルブを切り替えて酸素及び水分含有量1重量ppb以下の高純度アルゴンを導入し、120℃で1時間加熱し余剰のフッ素ガスを除去した。
フッ素ガスで処理された上記容器基材の内面を、X線光電子分光(ESCA)により測定し、その表層部にフッ素原子が多く存在していることを確認した。さらに、この容器基材を、超純水中に24時間浸漬した後、X線光電子分光(ESCA)により測定したところ、浸漬前と同様にフッ素原子が表層部に多く存在していた。また、FTIR−ATR法で膜表面を測定したところ、1400〜1000cm−1に、C−F伸縮振動に由来するブロードなピークが観測された。容器内面は水の接触角が110度になり、撥水性が増加していた。
次に、この容器基材にシリコーンオイルと食塩水とを入れ、天板および底板で封入することにより、図2に示す光学素子と同様の構成を有する光学素子(第2発明の素子)を得た。電極に電圧を印加するとシリコーンオイルと食塩水の界面の形状が変化し、屈折率が変化することを確認した。また容器内面において界面形状に乱れは生じず、電圧変化に対しての応答性が良好であった。
レーザダイオード(TC4030S−F405ASU、ネオアーク社製)を用いて405±10nm、2500mW/cmの青色レーザを、60℃の部屋に載置した該光学素子の天板及び底板に、72時間透過させた。天板及び底板表面の形状を光学顕微鏡(OLYMPUS社製、X60)を用いて観察したが、アブレーション(成形品表面の浮き)は無かった。
またレーザダイオード(TC4030S−F405ASU、ネオアーク社製)を用いて405±10nm、200mW/cmの青色レーザを、60℃の部屋に載置した該光学素子の天板及び底板に240時間透過させた。レーザ照射後の光学素子に、側面から強い光を照射したが、白濁は無かった。
(実施例4)
金製の筒状電極と電極とを、脂環式構造含有重合体樹脂(ゼオネックス480R、日本ゼオン社製、ヒンダードアミン系光安定剤及びアルキル置換フェノール系酸化防止剤をそれぞれ0.05重量%含有)でインサート成形して、内寸直径5mm、高さ3mm、肉厚1mmの両端開口の筒形状の容器基材を得た。容器内面に露出した筒状電極表面に脂環式構造含有重合体樹脂溶液を塗布し乾燥して電気絶縁した。
別に、製造例2で得たペレット2を成形して、該容器の天面を塞ぐための凸レンズ形状の天板およびフレネルレンズ形状の面を有する底板を得た。この容器基材にシリコーンオイルと食塩水とを入れ、天板および底板で封入することにより、図2に示す光学素子と同様の構成を有する光学素子(第2発明の素子)を得た。
この光学素子について、実施例1と同様にして評価したところ、電極に電圧を印加するとシリコーンオイルと食塩水の界面の形状が変化し、屈折率が変化することが確認された。また、容器内面において界面形状に乱れは生じず、電圧変化に対しての応答性がフッ素ガスで処理していない容器に封入した光学素子に比べ高くなっていた。青色レーザ照射後の光学素子はアブレーション(成形品表面の浮き)、及び白濁は無かった。
(比較例1)
製造例2で得たペレット2の代わりに、比較製造例1で得たペレット3を用いた他は実施例4と同様にして光学素子を得た。青色レーザ照射後の光学素子には、アブレーションが生じ、わずかに白濁も生じていた。
(比較例2)
製造例2で得たペレット2の代わりに、比較製造例2で得たペレット4を用いた他は実施例4と同様にして光学素子を得た。青色レーザ照射後の光学素子には、アブレーションがおこり、白濁も生じていた。
以上のことから、ヒンダードアミン化合物として、分子量2,000〜2,500のポリ{〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}であっても、その光線透過率が97.0%のものを用いた場合(実施例3及び4)は、青色レーザ照射後に光学素子表面にアブレーションがなく、白濁もないことがわかる。
一方、その光線透過率が89.0%のものを用いた場合(比較例1)にはアブレーションが生じ、わずかに白濁の生じることがわかる。
また、ヒンダードアミン化合物として、光線透過率が95%であっても、分子量722の1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを用いた場合(比較例2)はアブレーションがおこり、白濁も生じることがわかる。
(実施例5)
銅製の筒状電極と、電極とを、脂環式構造含有重合体樹脂(ゼオネックス480R、日本ゼオン社製、ヒンダードアミン系光安定剤及びアルキル置換フェノール系酸化防止剤をそれぞれ0.05重量%含有)でインサート成形して、内寸直径5mm、高さ3mm、肉厚1mmの底面及び天面のない筒形状の容器基材を得た。
別に、脂環式構造含有重合体樹脂を成形して該容器の天面及び底面を塞ぐための肉厚1mmの円板形状の天板及び底板を得た。
この容器基材を平行平板型プラズマCVD装置に入れ、オクタフルオロシクロペンテンを流量:6.668×10−4リットル/秒で、アルゴンを流量:6.668×10−3リットル/秒で流し、圧力33Pa(250mTorr)、RF出力(周波数は13.56MHz)400W、基板温度260℃でプラズマCVDを行い、容器内面に厚さ0.5μmのCVD膜を得た。この膜はボイドの発生もなく緻密で均一であり、内面への密着性も良好であった。また、膜の比誘電率は2.4であり、水に対する接触角が109度であった。得られたCVD膜は絶縁性と撥水性とを備えていることがわかる。
次に、この容器にシリコーンオイルと食塩水とを入れ、天板及び底板で封入することにより、図2に示す光学素子と同様の構成を有する光学素子(第3発明の素子)を得た。電極に電圧を印加するとシリコーンオイルと食塩水の界面の形状が変化し、屈折率が変化することを確認した。また容器内面において界面形状に乱れは生じず、電圧変化に対しての応答性がフッ素ガスで処理していない容器に封入した光学素子に比べ高くなっていた。
(実施例6)
脂環式構造含有重合体樹脂(ゼオネックス480R:日本ゼオン社製、ヒンダードアミン系光安定剤、及びアルキル置換フェノール系酸化防止剤をそれぞれ0.05重量%含有)でインサート成形して、内寸直径5mm、高さ3mm、肉厚1mmの底面及び天面のない筒形状の容器基材を得た。
次に、容器側面に蒸着法によりITO膜を製膜して、リング状電極を形成した。
別に、脂環式構造含有重合体樹脂を成形して該容器の天面及び底面を塞ぐための肉厚1mmの円板形状の天板及び底板を得た。底板の内面に蒸着によりITO膜を製膜して、電極を形成した。
次いで、前記容器基材を平行平板型プラズマCVD装置に入れ、オクタフルオロシクロペンテンを流量:6.668×10−4リットル/秒で、アルゴンを流量:6.668×10−3リットル/秒で流し、圧力33Pa(250mTorr)、RF出力(周波数は13.56MHz)400W、基板温度260℃でプラズマCVDを行い、容器内面に厚さ0.5μmのCVD膜を得た。
この膜はボイドの発生もなく緻密で均一であり、ITO膜(リング状電極)への密着性も良好であった。膜の比誘電率は2.3であり、水に対する接触角が110度であった。
この容器にシリコーンオイルと食塩水とを入れ、天板と底板で封入することにより、図2に示す光学素子と同様の構成を有する光学素子(第3発明の素子)を得た。電極に電圧を印加するとシリコーンオイルと食塩水の界面の形状が変化し、屈折率が変化することを確認した。また容器内面において界面形状に乱れは生じず、電圧変化に対しての応答性がフッ素ガスで処理していない容器に封入した光学素子に比べ高くなっていた。
本発明の光学素子は、小型化を図ることができ、簡単な構成で効率よく通過する光に対する屈折力を制御でき、可変焦点レンズ、可変フォーカスレンズ等に好適で、且つ青色レーザ(短波長レーザ)を持続的に透過、集光できる光学素子である。
従って、本発明の光学素子は、カメラや複写機、プリンターに使用されるレンズ、光ディスク読み取り用ピックアップレンズ、CCD用超小型レンズ、等の可変焦点レンズ又は可変フォーカスレンズに好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体と、容器とを備え、
    前記容器が、内面の表層部に、該容器内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相を有する樹脂製の容器であり、
    前記第1の液体と第2の液体の界面が所定の形状となるようにこれらの液体を前記容器内に密閉収容し、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成を有する光学素子。
  2. 屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体と、容器とを備え、
    前記容器の天部及び底部が、樹脂と、5重量%のクロロホルム溶液を10mm光路セルで測定した波長400nmの光線透過率が90%以上であり且つ分子量が1500以上のヒンダードアミン化合物とを含有する樹脂組成物から形成されており、
    前記第1の液体と第2の液体の界面が所定の形状となるようにこれらの液体を前記容器内に密閉収容し、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成を有する光学素子。
  3. 屈折率が実質的に異なり、互いに混合することのない第1の液体及び第2の液体と、容器とを備え、
    前記容器の内面がフッ素化炭素化合物のCVD膜で被覆されており、
    前記第1の液体と第2の液体の界面が所定の形状となるようにこれらの液体を前記容器内に密閉収容し、前記容器に形成された電極を介してこれらの液体間に電圧を印加して、前記液体界面の形状を変化させる構成を有する光学素子。
  4. 前記容器が、脂環式構造含有重合体樹脂からなるものである請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子。
  5. 前記容器が、水に対する接触角が105度以上である内側面を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子。
  6. 前記容器が、天部または底部がレンズ、プリズム、ホログラムまたはフレネルの形状に形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子。
  7. 前記第1の液体及び第2の液体が、ともに導電性又は有極性の液体である請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子。
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