JPWO2006067884A1 - バランス型弾性波フィルタ装置 - Google Patents

バランス型弾性波フィルタ装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006067884A1
JPWO2006067884A1 JP2006548689A JP2006548689A JPWO2006067884A1 JP WO2006067884 A1 JPWO2006067884 A1 JP WO2006067884A1 JP 2006548689 A JP2006548689 A JP 2006548689A JP 2006548689 A JP2006548689 A JP 2006548689A JP WO2006067884 A1 JPWO2006067884 A1 JP WO2006067884A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
idt
balanced
wave filter
filter device
divided
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006548689A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4274246B2 (ja
Inventor
柴原 輝久
輝久 柴原
誠一 高原
誠一 高原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JPWO2006067884A1 publication Critical patent/JPWO2006067884A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4274246B2 publication Critical patent/JP4274246B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/0023Balance-unbalance or balance-balance networks
    • H03H9/0028Balance-unbalance or balance-balance networks using surface acoustic wave devices
    • H03H9/0047Balance-unbalance or balance-balance networks using surface acoustic wave devices having two acoustic tracks
    • H03H9/0052Balance-unbalance or balance-balance networks using surface acoustic wave devices having two acoustic tracks being electrically cascaded
    • H03H9/0057Balance-unbalance or balance-balance networks using surface acoustic wave devices having two acoustic tracks being electrically cascaded the balanced terminals being on the same side of the tracks
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/125Driving means, e.g. electrodes, coils
    • H03H9/145Driving means, e.g. electrodes, coils for networks using surface acoustic waves
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/0023Balance-unbalance or balance-balance networks
    • H03H9/0028Balance-unbalance or balance-balance networks using surface acoustic wave devices
    • H03H9/0033Balance-unbalance or balance-balance networks using surface acoustic wave devices having one acoustic track only
    • H03H9/0038Balance-unbalance or balance-balance networks using surface acoustic wave devices having one acoustic track only the balanced terminals being on the same side of the track
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02535Details of surface acoustic wave devices
    • H03H9/02637Details concerning reflective or coupling arrays
    • H03H9/02685Grating lines having particular arrangements
    • H03H9/0274Intra-transducers grating lines
    • H03H9/02748Dog-legged reflectors
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/125Driving means, e.g. electrodes, coils
    • H03H9/145Driving means, e.g. electrodes, coils for networks using surface acoustic waves
    • H03H9/14544Transducers of particular shape or position
    • H03H9/14588Horizontally-split transducers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/125Driving means, e.g. electrodes, coils
    • H03H9/145Driving means, e.g. electrodes, coils for networks using surface acoustic waves
    • H03H9/14544Transducers of particular shape or position
    • H03H9/14591Vertically-split transducers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Abstract

平衡−不平衡変換機能を有するだけでなく、大きなインピーダンス変換機能を有する弾性波フィルタ装置を提供する。不平衡端子3と、第1,第2の平衡端子4,5と、IDT14〜16を有し、IDT14,16の一端が不平衡端子3に接続されており、中央のIDT15が表面波伝搬方向に分割された第1,第2の分割IDT部15a,15bを有し、第1,第2の分割IDT部15a,15bが、それぞれ、交差幅方向に分割された再分割IDT部15a1,15a2,15b1,15b2を有し、第1,第2の分割IDT部15a,15bが電気的に直列に接続されており、第1,第2の再分割IDT部15a1,51a2及び第1,第2の再分割IDT部15b1,15b2がそれぞれ電気的に直列に接続されており、第2の再分割IDT部15a2,15b2がそれぞれ第1,第2の平衡端子4,5に接続されている、弾性表面波フィルタ装置1。

Description

本発明は、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型弾性波フィルタ装置に関する。
従来より、移動体通信機器のフロントエンドにおいて、アンテナと差動増幅器との間に帯域フィルタとして、弾性表面波フィルタが接続されていることが多い。アンテナは不平衡信号を入出力するのに対し、上記差動増幅器は平衡信号を入出力する。従って、アンテナと差動増幅器との間には、平衡−不平衡変換機能を有する部品を接続する必要があった。上記弾性表面波フィルタが、平衡−不平衡変換機能を有する場合には、上記平衡−不平衡変換機能を有する他の部品、例えばバランを省略することができる。
他方、上記アンテナの特性インピーダンスは、通常50Ωであるのに対し、差動増幅器の特性インピーダンスは100Ω以上であり、1000Ω程度となることも珍しくない。従って、アンテナと差動増幅器との間では、平衡信号−不平衡信号を変換するだけでなく、インピーダンスも変換しなければならない。よって、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタが、このようなインピーダンス変換機能をも有することが望まれている。
下記の特許文献1には、図16に示す弾性表面波フィルタ装置が開示されている。弾性表面波フィルタ装置201では、圧電基板202上に、図示の電極構造が形成されている。弾性表面波フィルタ装置201は、不平衡端子203と、第1,第2の平衡端子204,205とを有する。第1〜第3のIDT211〜213が表面波伝搬方向に配置されている。IDT211〜213が設けられている領域の表面波伝搬方向両側に反射器214,215が配置されている。
中央の第2のIDT212は、表面波伝搬方向に二分割されており、従って第1,第2の分割IDT部212a,212bを有する。不平衡端子203は、第1,第3のIDT211,213の一端に接続されている。他方、IDT211,213の他端はアース電位に接続されている。また、第1,第2の分割IDT部212a,212bが、それぞれ、第1,第2の平衡端子204,205に接続されている。
上記弾性表面波フィルタ装置201は、平衡−不平衡変換機能を有し、さらにインピーダンス変換機能を有する。すなわち、第2のIDT212が、第1,第2の分割IDT部212a,212bに分割されており、かつ第1,第2の分割IDT部212a,212bが電気的に直列に接続されている。従って、第2のIDT212のインピーダンスは、分割IDT部212a,212bに分割する前の対応するIDTの4倍の値となる。よって、弾性表面波フィルタ装置201では、不平衡端子203と平衡端子204,205とのインピーダンス比は約1:4となる。
特開2003−69383
前述したように、アンテナと差動増幅器との間に接続される弾性表面波フィルタでは、平衡−不平衡変換機能だけでなくインピーダンス変換機能を有することが強く求められている。特許文献1に記載の弾性表面波フィルタ装置201では、上記のように不平衡端子203のインピーダンスと平衡端子204,205のインピーダンスとの比が約1:4とされているため、約4倍のインピーダンス変換機能を有する。
しかしながら、近年、上記差動増幅器の特性インピーダンスは、1000Ωを超えることも珍しくなくなっている。従って、例えばアンテナの入出力インピーダンスが50Ωであり、差動増幅器の特性インピーダンスが1000Ωである場合には、20倍の大きさにインピーダンスを変換することが求められる。特許文献1に記載の弾性表面波フィルタ装置201では、インピーダンスを4倍程度に大きくすることはできるものの、それ以上大きなインピーダンス変換機能を実現することはできなかった。
従って、より大きなインピーダンス変換機能が求められる場合、弾性表面波フィルタ装置201の他に、さらにインピーダンス変換機能部品を接続しなければならなかった。
なお、近年、弾性波装置としては、弾性表面波フィルタ装置だけでなく、弾性境界波を利用した弾性境界波フィルタ装置も知られている。このような弾性境界波フィルタ装置のような他の弾性波フィルタ装置においても、上記と同様に、平衡−不平衡変換機能だけでなく、大きなインピーダンス変換機能を有するものが望まれている。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、平衡−不平衡変換機能を有するだけでなく、大きなインピーダンス変換機能を併せ持つ弾性波フィルタ装置を提供することにある。
本願の第1の発明は、不平衡端子と、第1,第2の平衡端子とを有し、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型の弾性波フィルタ装置であって、圧電基板と、前記圧電基板上において表面波伝搬方向に配置された第1〜第3のIDTを備え、前記第2のIDTが、表面波伝搬方向に2分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部を有し、第1,第2の分割IDT部の各一端が接続されて第1,第2の分割IDT部が直列接続されており、第1,第2の分割IDT部の他端が、それぞれ、第1,第2の平衡端子に接続されており、前記不平衡端子から第1の平衡端子に流れる電気信号の位相が、前記不平衡端子から前記第2の平衡端子に流れる電気信号の位相と180度異なるように前記第1〜第3のIDTが配置されており、前記第1,第2の分割IDT部が、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する交差幅方向において分割されて設けられた少なくとも第1,第2の再分割IDT部を有し、該少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
第1の発明のある特定の局面では、第1,第3のIDTの第2のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている。
本願の第2の発明は、不平衡端子と、第1,第2の平衡端子とを有し、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型の弾性波フィルタ装置であって、圧電基板と、前記圧電基板に形成されており、縦結合共振子型の第1,第2の弾性波フィルタ部とを備え、前記第1の弾性波フィルタ部が、前記弾性波の伝搬方向に沿って配置された第1〜第3のIDTを有し、前記第2の弾性波フィルタ部が、表面波伝搬方向に配置された第4〜第6のIDTを有し、前記第1の弾性波フィルタ部の前記第2のIDTが不平衡端子に接続されており、前記第1のIDTに、前記第2の弾性波フィルタ部の第4のIDTが第1の配線ラインにより接続されており、前記第3のIDTが第2の配線ラインにより前記第2の弾性波フィルタ部の第6のIDTに接続されており、前記第5のIDTが、弾性波伝搬方向に分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部を有し、該第1,第2の分割IDT部の各一端が直列に接続されており、第1,第2の分割IDT部の各他端が、第1,第2の平衡端子にそれぞれ電気的に接続されており、前記第1の配線ラインを伝送する電気信号の位相と、第2の配線ラインを伝送する電気信号の位相とが180度異なるように、第2のIDT及び第1,第3の分割IDTが構成されており、前記第2の弾性波フィルタ部の第1,第2の分割IDT部が、弾性波伝搬方向と直交する交差幅方向にさらに分割されて設けられた少なくとも第1,第2の再分割IDT部をそれぞれ有し、該少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
第2の発明のある特定の局面では、前記第4,第6のIDTの前記第5のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続される。
本願の第3の発明は、第1,第2の平衡端子と第3,第4の平衡端子とを備える、バランス型の弾性波フィルタ装置であって、圧電基板と、前記圧電基板上において表面波伝搬方向に配置された第1〜第3のIDTを有し、前記第2のIDTが、表面波伝搬方向に2分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部を有し、第1,第2の分割IDT部の各一端が接続されて第1,第2の分割IDT部が直列接続されており、第1,第2の分割IDT部の他端が、それぞれ、第1,第2の平衡端子に接続されており、前記第3平衡端子が前記第1のIDTに接続され、前記第4の平衡端子が前記第3のIDTに接続されており、前記第1,第2の分割IDT部が、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する交差幅方向において分割されて設けられた少なくとも第1,第2の再分割IDT部を有し、該少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
第3の発明のある特定の局面では、前記第1,第3のIDTの前記第2のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている。
第1〜第3の発明の他の特定の局面では、前記第1,第2の分割IDT部が、それぞれ、前記第1,第2の再分割IDT部を有し、前記第1の分割IDT部の第2の再分割IDT部及び前記第2の分割IDT部の第2の再分割IDT部がそれぞれ前記第1,第2の平衡端子に接続されており、前記第1の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第1の音響トラックと、第2の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第2の音響トラックとを有し、第1,第2の音響トラックを伝搬する弾性波の励振強度を近づける手段がさらに備えられている。
本願の第4の発明は、不平衡端子と、第1,第2の平衡端子とを有し、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型の弾性波フィルタ装置であって、圧電基板と、前記圧電基板上において表面波伝搬方向に配置された第1〜第3のIDTを備え、第2のIDTが不平衡端子に接続されており、第1,第3のIDTの各一端が接続されて第1,第3のIDTが直列接続されており、第1,第3のIDTの他端が、それぞれ、第1,第2の平衡端子に接続されており、前記不平衡端子から第1の平衡端子に流れる電気信号の位相が、前記不平衡端子から前記第2の平衡端子に流れる電気信号の位相と180度異なるように前記第1〜第3のIDTが配置されており、前記第1,第3のIDTが、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する交差幅方向において分割されて設けられた少なくとも第1,第2の再分割IDT部を有し、該少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
第4の発明のある特定の局面では、前記第1,第3のIDTの各一端が接続されている部分が接地されている。
第4の発明のさらに他の特定の局面では、第1のIDTの外側に配置され不平衡端子に接続されている第4のIDTと、第3のIDTの外側に配置され不平衡端子に接続されている第5のIDTとがさらに備えられている。
第4の発明のさらに他の特定の局面では、前記第2のIDTの前記第1,第3のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている。
第4の発明のさらに別の特定の局面では、前記第4,第5のIDTの前記第1,第3のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている。
第4の発明のさらに別の特定の局面によれば、前記第1のIDTの第2の再分割IDT部と前記第3のIDTの第2の再分割IDT部がそれぞれ前記第1,第2の平衡端子に接続されており、前記第1の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第1の音響トラックと、第2の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第2の音響トラックとを有し、第1,第2の音響トラックを伝搬する弾性波の励振強度を近づける手段がさらに設けられている。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のさらに別の特定の局面では、前記第1,第2の音響トラックにおける弾性波の励振強度を近づける手段が、前記第1の音響トラックにおける弾性波の励振強度を変化させる手段及び/または前記第2の音響トラックにおいて弾性波の励振強度を変化させる手段である。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のより限定的な局面では、前記第1の音響トラックにおいて励振強度を変化させる手段が、前記第1の再分割IDT部間のギャップにおける励振強度及び/または前記第1の再分割IDT部の表面波伝搬方向外側と隣接するIDTとの間のギャップにおける励振強度を変化させる手段である。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のさらに他の特定の局面では、前記第2の音響トラックにおいて励振強度を変化させる手段が、前記第2の再分割IDT部間のギャップにおける励振強度及び/または前記第2の再分割IDT部の表面波伝搬方向外側端と隣接するIDTとのギャップにおける励振強度を変化させる手段である。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のさらに限定的な局面では、前記第1,第2の音響トラックにおいて励振強度を近づける手段が、IDTの重み付けである。この場合、重み付けは、直列重み付け、間引き重み付けまたは交差幅重み付けのいずれであってよい。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のさらに特定の局面では、前記第1,第2の再分割IDT部は、他のIDTと隣接している端から一部分の電極指の周期が、該IDTの残りの部分の電極指の周期より小さくされた狭ピッチ電極指部を備え、前記IDTの狭ピッチ電極指部以外の部分をメイン部と呼ぶと、前記第1の音響トラックにおいて励振強度を変化させる手段が、前記第1の再分割IDT部の狭ピッチ電極指部及び/またはメイン部における励振強度を変化させる手段である。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のさらに別の特定の局面では、前記第1,第2の再分割IDT部は、他のIDTと隣接している端から一部分の電極指の周期が、該IDTの残りの部分の電極指の周期より小さくされた狭ピッチ電極指部を備え、前記IDTの狭ピッチ電極指部以外の部分をメイン部と呼ぶと、前記第2の音響トラックにおいて励振強度を変化させる手段が、前記第2の再分割IDT部狭ピッチ電極指フィルタ及び/またはメイン部における励振強度を変化させる手段である。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置において、前記励振強度を変化させる手段として、電極指のメタライズ比が、励振強度を変化させるように設定されている。
また、本発明のより限定的な局面では、上記第1の音響トラックの電極指のメタライズ比が、第2の音響トラックの電極指のメタライズ比よりも小さくされている。
第1の発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置では、不平衡端子から第1の平衡端子に流れる電気信号の位相は、不平衡端子から第2の平衡端子に流れる電気信号の位相と180度異なるように第1〜第3のIDTが配置されているため、平衡−不平衡変換機能を有する。加えて、第1,第2の分割IDT部が、表面波伝搬方向と直交する交差幅方向において分割されて設けられた第1,第2の再分割IDT部を有し、該第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列に接続されているため、不平衡端子側のインピーダンスと、平衡端子側のインピーダンスとの比を約1:16とすることができる。すなわち、従来のバランス型弾性表面波フィルタ装置に加えて、大きなインピーダンス変換機能を有するバランス型弾性波フィルタ装置を提供することができる。
第1〜3のIDTの第2のIDTに隣接している側の端部に位置する最外側の電極指がアース電位に接続される場合には、通過帯域外減衰量を改善することができる。すなわち、第1,第2の分割IDT部が設けられている場合、第1,第2の平衡端子間のインピーダンスが高くなり、従来の構成に比べて、平衡端子に接続されるIDTと、不平衡端子に接続されるIDTとの間の寄生容量が同じ場合であっても、平衡端子への直達波のレベルが高くなる。そのため、上記第1,第3のIDTの最外側の電極指をアース電位に接続することにより、この直達波の影響が抑制され、それによって通過帯域外減衰量を改善することができる。
第1の発明において、第1,第3のIDTの第2のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている場合には、帯域外減衰量をより一層改善することができる。
第2の発明に係る弾性波フィルタ装置では、圧電基板上に、第1,第2の弾性波フィルタ部が構成されており、第1の弾性波フィルタ部の第2のIDTが不平衡端子に接続されており、第1のIDTに第2の弾性波フィルタ部の第4のIDTが第1の配線ラインにより接続されており、第3のIDTが第2の配線ラインにより第2の弾性波フィルタ部の第6のIDTに接続されている。そして、第2の弾性波フィルタ部が、第1の発明のバランス型弾性波フィルタ装置と同様に構成されている。
従って、平衡−不平衡変換機能を有し、不平衡端子側のインピーダンスと平衡端子側とのインピーダンスが約1:16とされた大きなインピーダンス変換機能を有するバランス型弾性波フィルタ装置を提供することができる。第2の発明では、第2の弾性波フィルタ部が、第1の弾性波フィルタ部を介して不平衡端子に接続されているため、帯域外減衰量の拡大を図ることができる。
特に、第4,第6のIDTの第5のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続される場合には、帯域外減衰量をより一層改善することができる。
第3の発明に係る弾性波フィルタ装置では、表面波伝搬方向に配置された第1〜第3のIDTの内、第2のIDTが、上記第1,第2の分割IDT部を有し、第1,第2の分割IDT部の各一端が接続されて第1,第2の分割IDT部が直列接続されており、第1,第2の分割IDT部の他端が、それぞれ、第1,第2の平衡端子に接続されている。そして、第3の平衡端子が、第1のIDTに、第4の平衡端子が第3のIDTに接続されており、第1,第2の分割IDT部が、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する交差幅方向において分割されて設けられた少なくとも第1,第2の再分割IDT部を有し、少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列接続されている。
従って、第1,第2の平衡端子と、第3,第4の平衡端子とのインピーダンス比を1:16とすることが可能となる、バランス型弾性波フィルタ装置を提供することができる。
第1,第2の分割IDT部が、それぞれ第1,第2の再分割IDT部を有し、第1の分割IDT部の第2の再分割IDT部及び第2の分割IDT部の第2の再分割IDT部がそれぞれ第1,第2の平衡端子に接続されている構成では、第1の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第1の音響トラックと、第2の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第2の音響トラックとが形成されることになる。この場合、第1,第2の音響トラックを伝搬する弾性波の励振強度が異なるが、該第1,第2の音響トラックを伝搬する弾性波の励振強度を近づける手段がさらに備えられている場合には、それによって通過帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することができ、より一層良好なフィルタ特性を得ることができる。
本願の第4の発明では、圧電基板上に第1〜第3のIDTが配置されており、第2のIDTは不平衡端子に、第1,第3のIDTの各一端が接続されて第1,第3のIDTが直列接続されており、第1,第3のIDTの他端が、それぞれ、第1,第2の平衡端子に接続されている。そして、不平衡端子から第1の平衡端子に流れる電気信号の位相が、不平衡端子から第2の平衡端子に流れる電気信号の位相と180度異なるように、第1〜第3のIDTが配置されている。従って、平衡−不平衡変換機能を有する弾性波フィルタ装置を提供することができる。
しかも、第1,第3のIDTが、第1,第2の再分割IDT部を有し、該少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気に直列に接続されているので、不平衡端子側のインピーダンスと、平衡端子側のインピーダンスとの比を約1:16とすることができる。すなわち、大きなインピーダンス変換機能を有するバランス型弾性波フィルタ装置を提供することができる。
第4の発明において、第1,第3のIDTの各一端が接続されている部分が、接地されている場合には、帯域外減衰量を改善することができる。
第4の発明において、第1のIDTの外側に配置され、不平衡端子に接続されている第4のIDTと、第3のIDTの外側に配置され、不平衡端子に接続されている第5のIDTとをさらに備える場合には、5IDT型のバランス型弾性波フィルタ装置を提供することができる。
第2のIDTの第1,第3のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている場合には、帯域外減衰量の拡大を図ることができる。
第4,第5のIDTの第1,第2のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている場合には、同様に、帯域外減衰量の拡大を図ることができる。
第4の発明において、第1,第2の音響トラックを伝搬する弾性波の励振強度を近づける手段がさらに設けられている場合には、通過帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することができ、より一層良好なフィルタ特性を得ることができる。
上記第1,第2の音響トラックの励振強度を近づける手段は、様々に構成され得るが、該手段が、第1の音響トラックの励振強度を変化させる手段及び/または第2の音響トラックにおける弾性波の励振強度を変化させる手段とを有する場合には、これらの適宜の組み合わせにより、通過帯域内リップルを効果的に抑制することができる。
第1の音響トラックにおいて弾性波の励振強度を変化させる手段が、第1の再分割IDT部間のギャップにおける励振強度及び/または第1の再分割IDT部の表面波伝搬方向外側端と隣接するIDTとの間のギャップにおける励振強度を変化させる手段である場合には、本発明に従って、第1の音響トラックにおける励振強度を効果的に変化させることができ、それによって第1,第2の音響トラックにおける弾性波の励振強度を近づけることができる。
第2の音響トラックにおける励振強度を変化させる手段が、第2の再分割IDT部間のギャップにおける弾性波の励振強度及び/または第2の再分割IDT部の表面波伝搬方向外側端と隣接するIDTとの間のギャップにおける弾性波の励振強度を変化させる手段である場合には、第2の音響トラックにおける弾性波の励振強度を効果的に変化させることができ、それによって第1,第2の音響トラック間の励振強度を確実に近づけることが可能となる。
上記第1,第2の音響トラックにおける励振強度を高めたり、低めたりする手段は様々に構成され得るが、少なくとも1本の電極指を重み付けした構造では、少なくとも1本の電極指を、直列重み付け、交差幅重み付けまたは間引き重み付けなどの簡単な方法により実現することができる。
また、第1の音響トラックにおいて、励振強度が変化させる手段が、第1の再分割IDT部の狭ピッチ電極指部及び/またはメイン部における励振強度を変化させる手段である場合には、第1の再分割IDT部の狭ピッチ電極指部及び/またはメイン部における励振強度を変化させるように、狭ピッチ電極指部及び/またはメイン部を構成するだけで、通過帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することができる。
また、第2の音響トラックにおいて励振強度を変化させる手段が、第2の再分割IDT部の狭ピッチ電極指部及び/またはメイン部における励振強度を変化させる手段である場合にも、同様に、狭ピッチ電極指部及び/またはメイン部における励振強度を変化させるようにこれらを構成するだけで、通過帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することができる。そして、これらの手段として、電極指のメタライズ比を用いることができ、すなわち、第1の再分割IDT部の狭ピッチ電極指部及び/またはメイン部、あるいは第2の再分割IDT部の狭ピッチ電極指部及び/またはメイン部の励振強度を、再分割IDT部の電極指のメタライズ比を調整することにより、変化させることができる。特に、第1の音響トラックがメタライズ比を、第2の音響トラックのメタライズ比よりも小さくすることにより、通過帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の模式的平面図である。 図2は、図1に示した弾性表面波フィルタ装置の変形例である弾性波フィルタ装置を示す模式的平面図である。 図3は、本発明の変形例に係る弾性表面波フィルタ装置の模式的平面図である。 図4は、本発明の第2の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置を示す模式的平面図である。 図5は、第1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置の電極構造を模式的に示す平面図である。 図6は、第1の実施形態及び第2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置の減衰量−周波数特性を示す図である。 図7は、(a)及び(b)は、第2の実施形態の各変形例に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す各模式的平面図である。 図8は、(a)及び(b)は、第2の実施形態の各変形例に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す各模式的平面図である。 図9は、(a)及び(b)は、第2の実施形態の各変形例に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す各模式的平面図である。 図10は、本発明の第3の実施形態に係るバランス型弾性波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。 図11は、第3の実施形態の弾性表面波フィルタ装置のフィルタ特性及び比較のために用意した参考例の弾性表面波フィルタ装置のフィルタ特性を示す図である。 図12は、本発明の第4の実施形態に係る弾性波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。 図13は、本発明の第5の実施形態に係る弾性波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。 図14は、本発明の第6の実施形態に係る弾性波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。 図15は、本発明が適用される弾性境界波装置の模式的正面断面図である。 図16は、従来の平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタ装置の一例を示す模式的平面図である。
符号の説明
1…弾性表面波フィルタ装置
2…圧電基板
3…不平衡端子
4,5…第1,第2の平衡端子
6…弾性表面波フィルタ部
7…弾性表面波フィルタ部
11〜16…第1〜第6のIDT
14a,16a…電極指
15a,15b…分割IDT部
15a1,15a2…第1,第2の再分割IDT部
15b1,15b2…第1,第2の再分割IDT部
17a,17b…反射器
18a,18b…反射器
21,22…信号線
31…弾性表面波フィルタ装置
71…弾性境界波フィルタ装置
72…圧電基板
73…誘電体
74…電極
101…弾性表面波フィルタ装置
115a,115b…分割IDT部
115a1,115a2…第1,第2の再分割IDT部
115b1,115b2…第1,第2の再分割IDT部
115c…バスバー
115d…接続バスバー
115e…分割バスバー
115f…接続バスバー
115g…分割バスバー
115h,115i…浮き電極指
115j,115k…浮き電極指
121…弾性表面波フィルタ装置
125…IDT
125a1,125b1…第1の再分割IDT部
125a2,125b2…第2の再分割IDT部
131…弾性表面波フィルタ装置
135…IDT
135a1,135b1…第1の再分割IDT部
135a2,135b2…第2の再分割IDT部
141…弾性表面波フィルタ装置
145…IDT
145a1,145b1…第1の再分割IDT部
145a2,145b2…第2の再分割IDT部
151…弾性表面波フィルタ装置
155…IDT
155a1,155b1…第1の再分割IDT部
155a2,155b2…第2の再分割IDT部
161…弾性表面波フィルタ装置
165…IDT
165a1,165b1…第1の再分割IDT部
165a2,165b2…第2の再分割IDT部
171…弾性表面波フィルタ装置
175…IDT
175a1,175b1…第1の再分割IDT部
175a2,175b2…第2の再分割IDT部
201…弾性表面波フィルタ装置
202…圧電基板
203…不平衡端子
204…第1の平衡端子
205…第2の平衡端子
211〜213…第1〜第3のIDT
212a…第1の分割IDT部
212b…第2の分割IDT部
214,215…反射器
301…弾性波フィルタ装置
302…不平衡端子
303,304…平衡端子
311〜313…IDT
314,315…反射器
321〜323…IDT
324,325…反射器
322a,322b…分割IDT部
322a1,322a2…再分割IDT部
322b1,322b2…再分割IDT部
351…弾性波フィルタ装置
352…圧電基板
353,354…平衡端子
355,356…平衡端子
361〜363…IDT
362a,362b…分割IDT部
362a1,362a2…再分割IDT部
362b1,362b2…再分割IDT部
364,365…反射器
401…弾性波フィルタ装置
411〜413…第1〜第3のIDT
411a,411b…再分割IDT部
413a,413b…再分割IDT部
403…不平衡端子
404,405…平衡端子
414,415…反射器
451…弾性波フィルタ装置
453…不平衡端子
454,455…平衡端子
461〜463…IDT
464,465…IDT
466,467…反射器
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置を示す模式的平面図である。
本実施形態の弾性表面波フィルタ装置1は、圧電基板2を有する。圧電基板2は、本実施形態では、LiTaO3基板からなる。もっとも、圧電基板2は、LiNbO3などの他の圧電単結晶からなる圧電単結晶基板であってもよく、圧電セラミック基板であってもよい。また、圧電基板2は、圧電材料からなる基板もしくは絶縁性材料からなる基板上に圧電薄膜を積層した構造を有していてもよい。
弾性表面波フィルタ装置1は、不平衡端子3と、第1,第2の平衡端子4,5とを有する。
また、圧電基板2上には、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部6及び第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部7が構成されている。
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部6では、第1〜第3のIDT11〜13が表面波伝搬方向に配置されている。第1〜第3のIDT11〜13が配置されている領域の表面波伝搬方向両側に反射器17a,17bが配置されている。従って、弾性表面波フィルタ部6は3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである。
弾性表面波フィルタ部6の中央に位置している第2のIDT12の一端が不平衡端子3に接続されており、他端がアース電位に接続されている。第1,第3のIDT11,13の各一端はアース電位に接続されており、各他端が第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部7に接続されている。第1,第3のIDT11,13の位相は180度異なっている。
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部7は、表面波伝搬方向に沿って配置された第4〜第6のIDT14〜16を有する。IDT14〜16が設けられている領域の表面波伝搬方向両側に反射器18a,18bが配置されている。
上記第4,第6のIDT14,16の一端が、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部6の第1,第3のIDT11,13に第1,第2の配線ライン21,22により電気的に接続されている。IDT14,16の他端はアース電位に接続されている。
中央に位置している第5のIDT15は、表面波伝搬方向に沿って二分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部15a,15bを有する。第1,第2の分割IDT部15a,15bは、バスバー15cにより電気的に直列に接続されている。バスバー15cはアース電位に接続されていてもよく、電気的に浮いていてもよく、いずれであってもよい。
他方、各分割IDT部15a,15bは、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する方向である交差幅方向に分割されて設けられた第1,第2の再分割IDT部15a1,15a2,15b1,15b2を有する。
すなわち、第1,第2の再分割IDT部15a1,15a2は、第1の分割IDT部15aにおいて交差幅方向に配置されており、該第1,第2の再分割IDT部15a1,15a2は、共通の接続バスバー15dにより直列に接続されている。第1の分割IDT部15aでは、前述したバスバー15cと、接続バスバー15dとの間に第1の再分割IDT部15a1が構成されている。そして、接続バスバー15dと、接続バスバー15dに対してバスバー15cと反対側に位置する分割バスバー15eとの間に、第2の再分割IDT部15a2が構成されている。分割バスバー15eが第1の平衡端子4に接続されている。
同様に、第2の分割IDT部15bにおいても、バスバー15cと、接続バスバー15fとの間に第1の再分割IDT部15b1が構成されている。また、接続バスバー15fと、接続バスバー15fに対してバスバー15cとは反対側に位置している分割バスバー15gとの間に、第2の再分割IDT部15b2が構成されている。分割バスバー15gが第2の平衡端子5に接続されている。
本実施形態によれば弾性表面波フィルタ装置1は、上記のように、第1,第2の縦結合共振子型の弾性表面波フィルタ部6,7をカスケード接続した構造を有する。そして、平衡−不平衡変換機能及びインピーダンス変換機能は、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部7により実現されている。これを弾性表面波フィルタ装置1の動作を説明することにより具体的に説明する。
不平衡端子3から電気信号が入力されると、該電気信号は第2のIDT12に与えられる。第1、第3のIDT11,13から位相が約180度異なる電気信号が出力される。そして、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ6の出力は、第1,第3のIDT11,13と、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部7の第4,第6のIDT14,16とを接続している第1,第2の配線ライン21,22を介して、上記第4,第6のIDT14,16に入力される。第1の分割IDT部15aの第2の再分割IDT部15a2から第1の平衡端子4に一方の平衡信号が与えられる。また、第2の分割IDT部15bの第2の再分割IDT部15b2から第2の平衡端子5に他方の平衡信号が与えられる。弾性表面波フィルタ装置1は、平衡−不平衡変換機能を有する。
また、第5のIDT15においては、平衡端子4に接続されている第1の分割IDT部15aにおいては、第1,第2の再分割IDT部15a1,15a2が電気的に直列に接続されている。他方、第2の分割IDT部15bでは、第1,第2の再分割IDT部15b1,15b2が電気的に直列に接続されている。
1つのIDTを交差幅方向に2つの分割IDT部分に分割し、2つの分割IDT部分を直列に接続した場合には、分割前に比べてインピーダンスが4倍の大きさとなる。
従って、表面波伝搬方向に第5のIDT15が分割されて第1,第2の分割IDT部15a,15bが設けられていることにより、インピーダンスの値を分割前に比べて4倍とすることができ、さらに上記交差幅方向への分割により、インピーダンスを4倍とすることが可能とされているため、本実施形態では、不平衡端子3側のインピーダンスと、平衡端子4,5側のインピーダンスの比を約1:16とすることができる。よって、弾性表面波フィルタ装置1は、特許文献1に記載の従来の弾性表面波フィルタ装置201に比べて、大きなインピーダンス変換機能を有する。
従って、弾性表面波フィルタ装置1の後段に接続される差動増幅器の特性インピーダンスが非常に大きい場合、弾性表面波フィルタ装置1自体が大きなインピーダンス変換機能を有するため、他のインピーダンス変換機能部品を省略したり、必要なインピーダンス変換機能部品におけるインピーダンス変換機能を軽減することが可能となる。
さらに、弾性表面波フィルタ装置1では、第4,第6のIDT14,16の第5のIDT15に隣接している最外側の電極指14a,16aがアース電位に接続される電極指とされている。
平衡−不平衡変換機能を有する弾性波フィルタ装置においては、平衡信号が印加された電極指と、不平衡信号が印加された電極指とが隣接していると、帯域外周波数における減衰量が低下したり、平衡信号の平衡度が損なわれることがある。これは、平衡信号が印加された電極指と、不平衡信号が印加された電極指とが隣接している部分において、両者の間に直達波が生じることによる。
ところが、本実施形態では、不平衡信号が印加されるIDT14,16の電極指の内、平衡信号が取出されるIDT15に隣接している電極指14a,16aがアース電位に接続される。従って、IDT14,16の不平衡信号が印加される電極指の内、IDT15に最も近い電極指14b,16bは、IDT15の最外側の電極指と直接隣り合わないことになる。よって、帯域外減衰量が十分であり、かつ平衡度に優れた弾性表面波フィルタ装置1を提供することができる。
もっとも、本発明においては、IDT14,16の最外側の電極指の内、IDT15に隣接する14a、16aは、必ずしもアース電位に接続されずともよく、その場合においても、大きなインピーダンス変換機能と平衡−不平衡変換機能を併せ持つ弾性波フィルタ装置を提供することができる。
上記のように、弾性表面波フィルタ装置1では、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部7が平衡−不平衡変換機能及びインピーダンス変換機能を有する。従って、弾性表面波フィルタ装置1における第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部6は必ずしも設けられずともよい。図2に、弾性表面波フィルタ装置1の変形例であって、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部6が設けられていないことを除いては、弾性表面波フィルタ装置1と同様に構成された弾性表面波フィルタ装置を模式的に示す。
図2から明らかなように、本変形例の弾性表面波フィルタ装置31では、図1に示した弾性表面波フィルタ部7の第4,第6のIDT14,16が共通接続され、不平衡端子3に接続されている。本変形例の弾性表面波フィルタ装置31においても、弾性表面波フィルタ部7と同様に第4〜第6のIDT14〜16が構成されているため、平衡−不平衡変換機能と、大きなインピーダンス変換機能を有する。
もっとも、本変形例の弾性表面波フィルタ装置31に比べて、図1に示した弾性表面波フィルタ装置1では、不平衡端子3側に第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部6が設けられているため、帯域外減衰量をより一層大きくすることができるという利点を有する。
なお、弾性表面波フィルタ装置31の他の構造は、弾性表面波フィルタ装置1と同様であるため、弾性表面波フィルタ装置1の説明を援用することにより省略することとする。
また、図1、図2に示した弾性表面波フィルタ装置1、31は表面波伝搬方向に2分割されて設けられた第1、第2の分割IDT部が、交差幅方向において分割されて設けられた第1、第2の再分割IDT部を有する構成であるが、交差幅方向において分割されて設けられた第1、第2、第3の再分割IDT部を有する構成であってもよい。あるいは、交叉幅方向において分割されて設けられた4以上の再分割IDT部を有する構成であってもよい。
なお、図2に示した弾性波フィルタ装置31では、第1の再分割IDT部15a1の電極指の本数と、第1の再分割IDT部15b1の電極指の本数とが等しくされており、第2の再分割IDT部15a2の電極指の本数と、第2の再分割IDT部15b2の電極指の本数とが等しくされていた。しかしながら、図3に示す変形例のように、第1の再分割IDT部19a1の電極指の本数を、第1の再分割IDT部19b1の電極指の本数と異ならせ、第2の再分割IDT部19a2の電極指の本数を第2の再分割IDT部19b2の電極指の本数と異ならせてもよい。すなわち、IDT19の表面波伝搬方向に分割された第1,第2の分割IDT部19a,19bの電極指の本数を異ならせ、さらに各分割IDT部19a,19bを上記のように表面波伝搬方向に第1,第2の再分割IDT部19a1,19a2,19b1,19b2を有するように分割してもよい。
(ベストモードとしての第2の実施形態)
図4は、本発明の弾性波フィルタ装置のベストモードの実施形態としての第2の実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。第2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置101は、圧電基板102上に図示の電極構造を形成することにより構成されている。もっとも、第2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置101は、図1に示した弾性表面波フィルタ装置1におけるIDT15に代えて、図4に示されているIDT115が設けられていることを除いては、第1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置1と同様に構成されている。従って、同一部分については、同一の参照を付することにより、その詳細な説明は省略する。
第2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置101の特徴は、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部7において表面波伝搬方向中央に配置されたIDT115が、表面波伝搬方向に沿って2分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部115a,115bを有する。第1,第2の分割IDT部115a,115bは、バスバー115cにより電気的に直列に接続されている。バスバー115cはアース電位に接続されていてもよく、電気的に浮いていてもよく、いずれであってもよい。
他方、各分割IDT部115a,115bは、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する方向である交差幅方向に分割されて設けられた第1,第2の再分割IDT部115a1,115a2,115b1,115b2を有する。
すなわち、第1,第2の再分割IDT部115a1,115a2は、第1の分割IDT部115aにおいて交差幅方向に配置されており、該第1,第2の再分割IDT部115a1,115a2は、共通の接続バスバー115dにより直列に接続されている。第1の分割IDT部115aでは、前述したバスバー115cと、接続バスバー115dとの間に第1の再分割IDT部115a1が構成されている。そして、接続バスバー115dと、接続バスバー115dに対して、バスバー115cと反対側に位置する分割バスバー115eとの間に、第2の再分割IDT部115a2が構成されている。分割バスバー115eが第1の平衡端子4に接続されている。
同様に、第2の分割IDT部115bにおいても、バスバー115cと、接続バスバー115fとの間に第1の再分割IDT部115b1が構成されている。また、接続バスバー115fと、接続バスバー115fに対してバスバー115cとは反対側に位置している分割バスバー115gとの間に、第2の再分割IDT部115b2が構成されている。分割バスバー115gが第2の平衡端子5に接続されている。
従って、第2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置101においても、第1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置1の場合と同様に、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部6,7がカスケード接続されており、平衡−不平衡変換機能及びインピーダンス変換機能が、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部7により実現されている。そして、第5のIDT115が上記のように構成されているため、不平衡端子3側のインピーダンスと、平衡端子4,5側のインピーダンスとの比を約1:16とすることが可能とされている。
さらに、第2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置101の特徴は、上記第1の再分割IDT部115a1,115b1の表面波伝搬方向最外側の電極指に、浮き電極指115h,115iを設けることにより直列重み付けが施されており、第2の再分割IDT部115a2,115b2の隣り合う電極指においても、浮き電極指115j,115kを設けることにより直列重み付けが施されていることにある。
本実施形態では、このような直列重み付けにより、通過帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することができ、それによって良好なフィルタ特性を得ることができる。これを、第1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置1の電極構造を模式的に示す図5を図4と併せて説明することにより明らかにする。
図5は、第1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置1の電極構造を模式的に示す平面図である。第1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置1では、前述したように、IDT15が、表面波伝搬方向に分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部15a,15bを有し、さらに第1,第2の分割IDT部15a,15bが、第1,第2の再分割IDT部15a1,15a2,15b1,15b2を有する。従って、図5に破線A及び破線Bで示すように、第1の再分割IDT部15a1,15b1を伝搬する第1の音響トラックAと、第2の再分割IDT部15a2,15b2を弾性波が伝搬する第2の音響トラックBとが形成されることになる。
他方、図6に破線で示すように、第1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置1では、通過帯域内にリップルRの現れることがあった。そこで、本願発明者は、このリップルRを抑圧するべく鋭意検討した。その結果、上記リップルRは、第1の再分割IDT部15a1,15b1が設けられている部分で構成される音響トラックと、第2の再分割IDT部15a,15bが設けられている部分で構成される第2の音響トラックとにおける弾性表面波の励振強度の違いによるものではないかと考えた。
すなわち、図5に示した電極構造では、第2の音響トラックBにおける、第2の再分割IDT部15a2,15b2間のギャップにおける弾性表面波の励振強度は、第1の再分割IDT部15a1,15b1間のギャップにおける弾性表面波の励振強度よりも高くなる。同様に、第2の再分割IDT部15a2,15b2の表面波伝搬方向最外側端と、隣接するIDT14,16との間の各ギャップにおける弾性表面波の励振強度は、第1の再分割IDT部15a1,15b1の表面波伝搬方向最外側端と、隣接するIDT14,16との間の各ギャップにおける弾性表面波の励振強度に比べて強くなる。
これに対して、第2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置101では、第1,第2の音響トラックA,Bを有するが、第1の音響トラックAにおいては、第1,第2の再分割IDT部115a1,115b1の表面波伝搬方向外側端に、浮き電極指115h,115iが設けられるように直列重み付けが施され、それによって、第1の再分割IDT部115a1,115b1と隣接するIDT14,16との間の各ギャップにおける弾性表面波の励振強度が強められている。
他方、第2の音響トラックBにおいては、第2の再分割IDT部115a2,115b2間のギャップに臨む電極指に、浮き電極指115j,115kを設けることにより直列重み付けが施されている。そのため、第2の再分割IDT部115a2,115b2間のギャップにおける弾性表面波の励振強度が弱められている。
よって、第2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置101では、第1,第2の音響トラックA,Bにおける弾性表面波の励振強度が近づけられ、それによって図6に実線で示すように通過帯域内におけるリップルを効果的に抑圧することが可能とされる。
なお、第2の実施形態の弾性表面波フィルタ装置101では、上記のように、第1の音響トラックAにおいて、弾性表面波の励振強度を変化させる手段として、IDT115の表面波伝搬方向両側のギャップにおいて強めるように直列重み付けを施し、他方第2の音響トラックBにおいては、励振強度を変化させる手段として、第2の再分割IDT部115a2,115b2間のギャップにおける弾性表面波の励振強度を弱めるために直列重み付けが施されていた。しかしながら、本発明においては、第1,第2の音響トラックA,Bにおける弾性表面波の励振強度を近づける手段は、様々に変形することができる。このような変形例を、図7(a)〜図9(b)に例示的に示す。
図7(a)に示した変形例の弾性表面波フィルタ装置121では、第1,第2の平衡端子に接続される分割IDT部を有するIDT125は、第1,第2の分割IDT部125a,125bを有する。各分割IDT部125a,125bは、再分割IDT部125a1,125a2,125b1,125b2を有する。このうち、第1の再分割IDT部125a1,125b1は、第2の実施形態の第1の再分割IDT部115a1,115b1と同様とされている。
異なるところは、第2の再分割IDT部125a2,125b2において、直列重み付けに代えて、再分割IDT部125a2,125b2間のギャップに臨む部分において少なくとも1本の電極指の長さが短くされて交差幅重み付けが施されていることにある。すなわち、ギャップに臨む電極指125c,125dの長さが他の同電位に接続される電極指よりも短くされて励振強度が弱くなるように交差幅重み付けが施されている。
他方、図7(b)に示す変形例の弾性表面波フィルタ装置131では、第5のIDT135が、表面波伝搬方向に2分割することにより設けられた第1,第2の分割IDT部135a,135bを有し、第1,第2の分割IDT部135a,135bが、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する方向に2分割して設けられた第1,第2の再分割IDT部135a1,135a1,135b1,135b2aを有する。ここでは、第1の再分割IDT部135a1,135b1に間引き重み付けを施し、第1の音響トラックのIDT135の表面波伝搬方向両側に位置するギャップにおける弾性表面波の励振強度を強め、他方第2の再分割IDT部135a2,135b2間のギャップにおける弾性表面波の励振強度を弱めるように同様に間引き重み付けが施されている。
図8(a)に示す変形例の弾性表面波フィルタ装置141では、第5のIDT145において、第1の再分割IDT部145a1,145b1の表面波伝搬方向外側の電極指を浮き電極指とすることにより間引き重み付けが施され、それによって第1の音響トラックにおける第1の再分割IDT部145a1,145b1の表面波伝搬方向外側のギャップにおける励振強度が強められている。他方、第2の再分割IDT部145a2,145b2間のギャップにおいては、該ギャップに臨む電極指を浮き電極指とするように間引き重み付けを設けることにより、第2の音響トラックにおける励振強度が弱められている。
図8(b)に示す弾性表面波フィルタ装置151では、第1の再分割IDT部155a1,155b1間のギャップに臨む電極指が浮き電極指を有するように直列重み付けが施され、第1の音響トラックにおける該ギャップにおける弾性表面波の励振強度が弱められている。
しかしながら、本変形例では、第2の再分割IDT部155a2,155b2の各表面波伝搬方向外側端に位置する電極指に浮き電極指を設けるように直列重み付けが施され、第2の再分割IDT部155a2,155b2の表面波伝搬方向外側のギャップにおける励振強度が弱められているだけでなく、第2の再分割IDT部155a2,155b2間のギャップにおいては、該ギャップに臨む電極指間の電位差が低められ、同様に弾性表面波の励振強度が弱められている。従って、第2の音響トラックにおいて、弾性表面波の励振強度が、第1の音響トラックに比べてより一層弱められているため、結果として、第1,第2の音響トラックにおける弾性表面波の励振強度が近づけられている。
このように、本発明において、第1,第2の音響トラックの励振強度を近づける手段は、第1,第2の音響トラックの双方において、弾性表面波の励振強度を弱め、それらの励振強度の弱める程度に差を設けることにより両者の励振強度を近づけてもよい。あるいは、逆に、第1,第2の音響トラックの双方において、励振強度を強めるように構成し、励振強度の強め方に差を設けることにより第1,第2の音響トラックにおける弾性表面波の励振強度を近づけてもよい。
図9(a)に示す変形例の弾性表面波フィルタ装置161では、第5のIDT165に間引き重み付けが施され、それによって第1,第2の音響トラック間の弾性表面波の励振強度が近づけられている。すなわち、第1の再分割IDT部165a1,165b1が隣り合うギャップにおいては、励振強度を弱めるように間引き重み付けが施されている。これに対して、第2の再分割IDT部165a2,165b2においては、表面波伝搬方向最外側端とIDT14,16との間のギャップにおける表面波の励振強度を弱めるように間引き重み付けが施され、この励振強度を弱める度合が、第1の音響トラック側において励振強度を弱める度合よりも大きくされているため、結果として第1,第2の音響トラックにおける弾性表面波の励振強度が近づけられている。
図9(b)に示す変形例の弾性表面波フィルタ装置171においても、第5のIDT175に、間引き重み付けが施されて、第1,第2の音響トラックの励振強度が近づけられている。より具体的には、第1の再分割IDT部175a1,175b1においては、両者の間のギャップに臨む部分に浮き電極指を設けることにより間引き重み付けが施され、第1の音響トラックAにおける励振強度が強められている。他方、第2の音響トラックBにおいても、間引き重み付けを施し、より具体的には、第1,第2の再分割IDT部175a2,175b2の表面波伝搬方向最外側電極指を浮き電極指とすることにより、IDT14,16との間のギャップにおける励振強度が低められ、それによって第2の音響トラックにおける弾性表面波の励振強度が弱められ、音響トラックA,Bにおける弾性表面波の励振強度が近づけられている。
図7(a)〜図9(b)に示したように、本発明において、第1の音響トラックAと第2の音響トラックBとにおける弾性表面波の励振強度を近づけるための、励振強度を変化させる手段は、間引き重み付け、交差幅重み付け、直列重み付けなどの様々な形態の重み付けで容易に実現することができる。重み付けにより励振強度を調節する場合、電極の形状を変更するだけでよいため、容易にかつ確実に励振強度を調整することができ、それによって通過帯域内のリップルを効果的に抑圧することが可能となる。
第1の音響トラックAと第2の音響トラックBの一方のみに重み付けが施されても各トラックにおける励振強度を近づけることができる。
図10は、本発明の第3の実施形態に係るバランス型弾性波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。この電極構造は、圧電基板としてのLiTaO単結晶基板上に形成されている。本実施形態では、LiTaO単結晶基板として、表面波伝搬方向が結晶X軸方向であり、基板カット各がY軸回転±45度のLiTaO基板が用いられている。もっとも、圧電基板は、他の適宜の圧電基板単結晶材料により形成されていてもよい。
また、図示の電極構造は、上記LiTaO基板上に、厚み10nmのTi膜及び厚み328nmのAlを積層してなる積層金属膜により形成した。
図10に示すように不平衡端子302に、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ305が接続されている。弾性表面波フィルタ305は、表面波伝搬方向に配置された第1〜第3のIDT311〜313と、反射器314,315とを有する。IDT312の一端が不平衡端子302に接続されている。
他方、弾性表面波フィルタ305の後段には、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ306が接続されている。弾性表面波フィルタ306は、第1〜第3のIDT321〜323を有する。第1のIDT321及び第3のIDT323の各一端が、それぞれ、弾性表面波フィルタ305の第1,第3のIDT311,313の各一端に電気的に接続されている。
他方、第2のIDT322は、弾性表面波フィルタ伝搬方向に沿って分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部322a,322bを有する。また、第1,第2の分割IDT部322a,322bは、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する方向に設けられた第1,第2の再分割IDT部322a1,322a2及び第1,第2の再分割IDT部322b1,322b2を有する。
第1の平衡端子303が、第1の分割IDT部322aの第2の再分割IDT部322a2に接続されている。他方、第2の平衡端子304は、第2の分割IDT部322bの第2の再分割IDT部322b2に接続されている。なお、IDT321〜323が設けられている部分の表面波伝搬方向両側に反射器324,325が配置されている。
IDT311〜313、321〜323は、それぞれ、IDT同士が弾性表面波伝搬方向において隣り合っている部分に相対的に電極指ピッチが小さい狭ピッチ電極指部を有する。
本実施形態の弾性表面波フィルタ装置301では、弾性表面波フィルタ305,306が上記電極構造を有し、不平衡端子302から第1の平衡端子303に流れる電気信号の位相と、不平衡端子302から第2の平衡端子304に流れる電気信号の位相とが180度異なるように、IDT311,313の位相が反転されている。なお、IDT321,323の位相は等しくされている。
従って、平衡−不平衡変換機能が実現されている。
他方、本実施形態では、上記IDT322が、第1,第2の分割IDT部322a,322bを有し、第1,第2の分割IDT部322a,322bが直列に接続されており、第1,第2の分割IDT部322a,322bがさらに再分割IDT部322a1,322a2,322b2,322b2を有するため、不平衡端子302側のインピーダンスと、平衡端子303,304側のインピーダンスとの比を約1:16のように大きくすることができる。
しかも、本実施形態では、第1の再分割IDT部322a1,322b1を通る第1の音響トラックにおけるIDT322の狭ピッチ電極指部のメタライズ比が第2の再分割IDT部322a,322bを通る第2の音響トラックの狭ピッチ電極指部のメタライズ比よりも小さくされている。加えて、第1の再分割IDT部を通る第1の音響トラックのメイン部のメタライズ比が、第2の音響トラックのメタライズ比よりも小さくされている。従って、第1の音響トラックにおいて励振強度と、第2の音響トラックにおける弾性表面波の励振強度の比が小さくされている。そのため、第1,第2の音響トラックの共振周波数が近づき、帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することができる。
なお、メタライズ比とは、IDTや電気グレーティング型の反射器において、電極指の弾性波伝搬方向に沿う幅寸法の、該電極指の幅方向寸法と隣り合う電極指間のスペースの同じ方向に沿う寸法との合計に対する割合をいうものとする。
これを、具体的な実験例に基づき説明する。
上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置301において、IDT311,313の電極指の対数を11.5対、312の電極指の対数を18.5対とした。また、IDT311の複数本の電極指の内、IDT312に近い側の5本の電極指は、狭ピッチ電極指部を構成する電極指とした。同様に、第3のIDT112に近い側の電極指についても、狭ピッチ電極指部を構成する電極指とした。狭ピッチ電極指部の電極指ピッチは、2.0μmとし、狭ピッチ電極指以外の残りの部分、すなわちメイン部の電極指ピッチは2.113μmとした。
また、反射器314,315の反射器の本数はそれぞれ80本とし、反射器における電極指ピッチは2.3μmとした。
他方、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ306の第1,第3のIDT321,323の電極指の対数は11.5対として、電極指ピッチはメイン部において2.115μmとした。なお、IDT321,323では、IDT322に近い側の4本の電極指が狭ピッチ電極指部をそれぞれ構成しており、狭ピッチ電極指部における電極指ピッチはいずれも1.988μmとした。
さらに、IDT321,323の狭ピッチ電極指部のメタライズ比は0.63、メイン部のメタライズ比は0.65とした。
IDT322の電極指の対数は9.5対とし、メイン部の電極指ピッチは2.12μmとした。IDT322では、IDT321に近い側の6本の電極指、及びIDT323に近い側の6本の電極指を狭ピッチ電極指部構成する電極指とした。この狭ピッチ電極指部の電極指ピッチは、1.968μmとした。
IDT322において、第1の音響トラックにおけるメタライズ比は、メイン部において0.63、狭ピッチ電極指部にといて0.47とし、第2の音響トラックのメタライズ比はメイン部において0.65、狭ピッチ電極指部において0.65とした。
また、反射器324,325の電極指の本数は、それぞれ80本とし、電極指ピッチは2.136μm、メタライズ比は0.66とした。
図11は、本実施形態の弾性表面波フィルタのフィルタ特性を示す図である。また、比較のために、上記第1の音響トラックのメタライズ比を第2の音響トラックのメタライズ比と同一としたことを除いては、上記本実施形態と同様にして構成された参考例の弾性表面波フィルタ装置のフィルタ特性を破線で示す。図11の実線と破線を比較すれば明らかなように、第1,第2の音響トラックのメタライズ比を上記実施形態のように、異ならせ、両者の励振強度を近づけることにより、通過帯域内において現れているリップルを効果的に抑圧し得ることがわかる。
図12は、本発明の第4の実施形態に係る弾性波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。
本実施形態の弾性波フィルタ装置351では、圧電基板352上に図示の電極構造が形成されている。ここでは、弾性表面波伝搬方向に沿って、第1〜第3のIDT361〜363が配置されており、IDT361〜363の設けられている領域の両側に反射器364,365が配置されている。IDT361,363の各一端が、第1,第2の平衡端子353,354に接続されており、各他端が接地されている。
IDT362は、表面波伝搬方向に分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部362a,362bを有する。分割IDT部362a,362bは、それぞれが、表面波伝搬方向と直交する方向に分割されて設けられた第1,第2の再分割IDT部362a1,362a2,362b1,362b2を有する。第3,第4の平衡端子355,356が、それぞれ、第2の再分割IDT部322a2,322b2に電気的に接続されている。
第1,第2の平衡端子353,354に平衡信号が印加されると、第3,第4の平衡端子355,356に平衡信号が発生する。逆に、第3,第4の平衡端子355,356に平衡信号を印加すると、第1,第2の平衡端子353,354に平衡信号が発生する。すなわち、平衡−平衡信号変換機能付きのバンドパスフィルタとして作用する弾性波フィルタ装置351を得ることができる。
ここでは、IDT362において、第1の再分割IDT部362a1,362b1が設けられている部分を弾性表面波を伝搬する第1の音響トラックと、第2の再分割IDT部362a2,362b2が設けられている部分を弾性表面波が伝搬する第2の音響トラックとの励振強度を近づけるために、第1の音響トラックに配置されたIDT362a1、362b1に狭ピッチ電極指部を設け、該狭ピッチ電極指部のメタライズ比を、第2の音響トラック側の再分割IDT部362a2,362b2の対応する狭ピッチ電極指部のメタライズ比よりも小さくすればよい。さらに、IDT362において、平衡端子には接続されていない第1の音響トラックのメイン部のメタライズ比を、平衡端子305,306に接続されている第2の音響トラック側のメイン部のメタライズ比よりも小さくすればよい。それによって、上述した弾性波フィルタ装置301の場合と同様に、通過帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することができる。
図13は、本発明の第5の実施形態に係る弾性波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。
弾性波フィルタ装置401では、第1〜第3のIDT411〜413が弾性表面波伝搬方向に配置されている。第1〜第3のIDT411〜413が設けられている領域の両側に、反射器414,415が配置されている。
第2のIDT412の一端に、不平衡端子403が接続されている。IDT412の他端は、接地されている。
IDT411,413は、一端が接地されており、各他端が第1,第2の平衡端子404,405にそれぞれ電気的に接続されている。
そして、不平衡端子403から第1の平衡端子404に流れる電気信号の位相が、不平衡端子403から第2の平衡端子405に流れる電気信号の位相と180度異なるように、IDT411,413が配置されている。
他方、本実施形態では、第1,第3のIDT411,413が、表面波伝搬方向と直交する方向に分割されて設けられた第1,第2の再分割IDT部411a,411b,413a、413bを有する。なお、ここでは、弾性表面波伝搬方向と直交する方向に分割されているため、再分割IDT部と表現している。
上記のように、第1の再分割IDT部411a,413aを通る第1の音響トラックと第2の再分割IDT部411b,413bを通る第2の音響トラックとが存在することになる。そして、本実施形態においては、第1の音響トラックと第2の音響トラックにおける励振強度を近づけるために、第1の音響トラックのメタライズ比が、第2の音響トラックにとけるメタライズ比よりも小さくされている。より具体的には、IDT411〜413において、IDT同士が隣接する部分において、狭ピッチ電極指部を設け、第1の音響トラックにおける狭ピッチ電極指部のメタライズ比が、第2の音響トラックにおける対応する狭ピッチ電極指部のメタライズ比よりも小さくされており、かつ第1の音響トラックにおけるメイン部のメタライズ比が、第2の音響トラックにおける対応するメイン部のメタライズ比よりも小さくされている。それによって、上述した弾性波フィルタ装置301と同様に、通過帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することができる。
図14は、本発明の第6の実施形態に係る弾性波フィルタ装置の電極構造を模式的に示す平面図である。
弾性波フィルタ装置451では、第1,第3のIDT461〜463が、表面波伝搬方向に沿って配置されている。IDT461〜463は、図13に示したIDT411〜413と、電極指の本数が異なることを除いては、同様に構成されている。
そして、本実施形態では、第1〜第3のIDT461〜463の表面波伝搬方向両側に、第4,第5のIDT464,465が配置されている。そして、第1〜第5のIDT461〜465が配置されている領域の表面波伝搬方向両側に反射器466,467が配置されている。第4,第5のIDT464,465の一端が共通接続され、不平衡端子453に接続されている。その他の構造については、弾性波フィルタ装置451は弾性波フィルタ装置401とほぼ同様に構成されている。本実施形態においても、第1の音響トラックにおける励振強度と、第2の音響トラックにおける励振強度を、弾性波フィルタ装置401の場合と同様にして近づけることにより、すなわち、メタライズ比を相対的に第1の音響トラック側において相対的に小さくすることにより、通過帯域内に現れがちなリップルを効果的に抑制することができる。
なお、上記実施形態及び変形例の弾性表面波フィルタ装置は、弾性波としての弾性表面波を用いている。しかしながら、本発明は、弾性波として弾性表面波に限らず、弾性境界波などの他の弾性波を用いてもよい。そして、他の弾性波を用いた弾性波フィルタ装置においても、本発明に従って各IDTを構成することにより、平衡−不平衡変換機能及び大きなインピーダンス変換機能を実現することができる。上述してきた実施形態及び変形例の弾性表面波フィルタ装置は、上記のように弾性表面波を利用したものであるが、本発明は、弾性表面波に代えて、弾性境界波などの他の弾性波を用いたものであってもよい。図15は、弾性境界波フィルタ装置の電極構造を模式的に示す正面断面図である。この弾性境界波フィルタ装置71では、第1の媒層としての圧電基板72と、第2の媒層としての誘電体73とが積層されている。圧電基板72と誘電体73との境界に複数のIDTを有する電極74が形成されている。この境界を伝搬する弾性境界波を利用してフィルタとしての特性が得られる。この場合、弾性境界波フィルタ装置71の電極74の構造を、前述した弾性表面波フィルタについての実施形態における電極構造と同様に形成することにより、本発明の弾性波フィルタ装置を構成することができる。
本発明に係る弾性波フィルタ装置は、前述した移動体通信機器のアンテナと差動増幅器との間の帯域フィルタとして効果的に用いられるが、本発明の弾性波フィルタ装置の用途はこのような用途に限定されるものではない。すなわち、平衡−不平衡変換機能と、インピーダンス変換機能とを有することが求められるフィルタ装置の用途に一般的に本発明の弾性波フィルタ装置を用いることができる。

Claims (22)

  1. 不平衡端子と、第1,第2の平衡端子とを有し、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型の弾性波フィルタ装置であって、
    圧電基板と、
    前記圧電基板上において表面波伝搬方向に配置された第1〜第3のIDTを備え、
    前記第2のIDTが、表面波伝搬方向に2分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部を有し、第1,第2の分割IDT部の各一端が接続されて第1,第2の分割IDT部が直列接続されており、第1,第2の分割IDT部の他端が、それぞれ、第1,第2の平衡端子に接続されており、
    前記不平衡端子から第1の平衡端子に流れる電気信号の位相が、前記不平衡端子から前記第2の平衡端子に流れる電気信号の位相と180度異なるように前記第1〜第3のIDTが配置されており、
    前記第1,第2の分割IDT部が、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する交差幅方向において分割されて設けられた少なくとも第1,第2の再分割IDT部を有し、該少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列に接続されていることを特徴とする、バランス型弾性波フィルタ装置。
  2. 前記第1,第3のIDTの前記第2のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている、請求項1に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  3. 不平衡端子と、第1,第2の平衡端子とを有し、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型の弾性波フィルタ装置であって、
    圧電基板と、
    前記圧電基板に形成されており、縦結合共振子型の第1,第2の弾性波フィルタ部とを備え、
    前記第1の弾性波フィルタ部が、前記弾性波の伝搬方向に沿って配置された第1〜第3のIDTを有し、
    前記第2の弾性波フィルタ部が、表面波伝搬方向に配置された第4〜第6のIDTを有し、
    前記第1の弾性波フィルタ部の前記第2のIDTが不平衡端子に接続されており、前記第1のIDTに、前記第2の弾性波フィルタ部の第4のIDTが第1の配線ラインにより接続されており、前記第3のIDTが第2の配線ラインにより前記第2の弾性波フィルタ部の第6のIDTに接続されており、
    前記第5のIDTが、弾性波伝搬方向に分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部を有し、該第1,第2の分割IDT部の各一端が直列に接続されており、第1,第2の分割IDT部の各他端が、第1,第2の平衡端子にそれぞれ電気的に接続されており、
    前記第1の配線ラインを伝送する電気信号の位相と、第2の配線ラインを伝送する電気信号の位相とが180度異なるように、第2のIDT及び第1,第3のIDTが構成されており、
    前記第2の弾性波フィルタ部の第1,第2の分割IDT部が、弾性波伝搬方向と直交する交差幅方向にさらに分割されて設けられた少なくとも第1,第2の再分割IDT部をそれぞれ有し、該少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列に接続されていることを特徴とする、バランス型弾性波フィルタ装置。
  4. 前記第4,第6のIDTの前記第5のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続される、請求項3に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  5. 第1,第2の平衡端子と第3,第4の平衡端子とを備える、バランス型の弾性波フィルタ装置であって、
    圧電基板と、
    前記圧電基板上において表面波伝搬方向に配置された第1〜第3のIDTを有し、
    前記第2のIDTが、表面波伝搬方向に2分割されて設けられた第1,第2の分割IDT部を有し、第1,第2の分割IDT部の各一端が接続されて第1,第2の分割IDT部が直列接続されており、第1,第2の分割IDT部の他端が、それぞれ、第1,第2の平衡端子に接続されており、
    前記第3の平衡端子が前記第1のIDTに接続され、前記第4の平衡端子が前記第3のIDTに接続されており、
    前記第1,第2の分割IDT部が、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する交差幅方向において分割されて設けられた少なくとも第1,第2の再分割IDT部を有し、該少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列に接続されていることを特徴とする、バランス型弾性波フィルタ装置。
  6. 前記第1,第3のIDTの前記第2のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている、請求項5に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  7. 前記第1,第2の分割IDT部が、それぞれ、前記第1,第2の再分割IDT部を有し、前記第1の分割IDT部の第2の再分割IDT部及び前記第2の分割IDT部の第2の再分割IDT部がそれぞれ前記第1,第2の平衡端子に接続されており、
    前記第1の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第1の音響トラックと、第2の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第2の音響トラックとを有し、第1,第2の音響トラックを伝搬する弾性波の励振強度を近づける手段がさらに設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  8. 不平衡端子と、第1,第2の平衡端子とを有し、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型の弾性波フィルタ装置であって、
    圧電基板と、
    前記圧電基板上において表面波伝搬方向に配置された第1〜第3のIDTを備え、
    第2のIDTが不平衡端子に接続されており、第1,第3のIDTの各一端が接続されて第1,第3のIDTが直列接続されており、第1,第3のIDTの他端が、それぞれ、第1,第2の平衡端子に接続されており、
    前記不平衡端子から第1の平衡端子に流れる電気信号の位相が、前記不平衡端子から前記第2の平衡端子に流れる電気信号の位相と180度異なるように前記第1〜第3のIDTが配置されており、
    前記第1,第3のIDTが、それぞれ、表面波伝搬方向と直交する交差幅方向において分割されて設けられた少なくとも第1,第2の再分割IDT部を有し、該少なくとも第1,第2の再分割IDT部が電気的に直列に接続されていることを特徴とする、バランス型弾性波フィルタ装置。
  9. 前記第1,第3のIDTの各一端が接続されている部分が接地されていることを特徴とする、請求項8のバランス型弾性波フィルタ装置。
  10. 第1のIDTの外側に配置され不平衡端子に接続されている第4のIDTと、第3のIDTの外側に配置され不平衡端子に接続されている第5のIDTとをさらに備えることを特徴とする、請求項8または9のバランス型弾性波フィルタ装置。
  11. 前記第2のIDTの前記第1,第3のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている、請求項8〜10のいずれか1項に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  12. 前記第4,第5のIDTの前記第1,第3のIDTに隣接している最外側の電極指がアース電位に接続されている、請求項10に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  13. 前記第1のIDTの第2の再分割IDT部と前記第3のIDTの第2の再分割IDT部がそれぞれ前記第1,第2の平衡端子に接続されており、
    前記第1の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第1の音響トラックと、第2の再分割IDT部を弾性波が伝搬する第2の音響トラックとを有し、第1,第2の音響トラックを伝搬する弾性波の励振強度を近づける手段がさらに設けられていることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  14. 前記第1,第2の音響トラックにおける弾性波の励振強度を近づける手段が、前記第1の音響トラックにおける弾性波の励振強度を変化させる手段及び/または前記第2の音響トラックにおいて弾性波の励振強度を変化させる手段である、請求項7または13に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  15. 前記第1の音響トラックにおいて励振強度を変化させる手段が、前記第1の再分割IDT部間のギャップにおける励振強度及び/または前記第1の再分割IDT部の表面波伝搬方向外側と隣接するIDTとの間のギャップにおける励振強度を変化させる手段である、請求項14に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  16. 前記第2の音響トラックにおいて励振強度を変化させる手段が、前記第2の再分割IDT部間のギャップにおける励振強度及び/または前記第2の再分割IDT部の表面波伝搬方向外側端と隣接するIDTとのギャップにおける励振強度を変化させる手段である、請求項14に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  17. 前記第1,第2の音響トラックにおいて励振強度を近づける手段が、IDTの重み付けである、請求項7〜16のいずれか1項に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  18. 前記重み付けが、直列重み付け、間引き重み付けまたは交差幅重み付けである、請求項16に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  19. 前記第1,第2の再分割IDT部は、他のIDTと隣接している端から一部分の電極指の周期が、該IDTの残りの部分の電極指の周期より小さくされた狭ピッチ電極指部を備え、
    前記IDTの狭ピッチ電極指部以外の部分をメイン部と呼ぶと、
    前記第1の音響トラックにおいて励振強度を変化させる手段が、前記第1の再分割IDT部の狭ピッチ電極指部及び/またはメイン部における励振強度を変化させる手段である、請求項7または13に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  20. 前記第1,第2の再分割IDT部は、他のIDTと隣接している端から一部分の電極指の周期が、該IDTの残りの部分の電極指の周期より小さくされた狭ピッチ電極指部を備え、
    前記IDTの狭ピッチ電極指部以外の部分をメイン部と呼ぶと、
    前記第2の音響トラックにおいて励振強度を変化させる手段が、前記第2の再分割IDT部狭ピッチ電極指フィルタ及び/またはメイン部における励振強度を変化させる手段である、請求項7または13に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  21. 前記手段が、電極指のメタライズ比である、請求項19,20のいずれか1項に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  22. 前記第1の音響トラックの電極指のメタライズ比が前記第2の音響トラックの電極指のメタライズ比より小さくされている、請求項21に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
JP2006548689A 2004-12-20 2005-07-01 バランス型弾性波フィルタ装置 Active JP4274246B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004368244 2004-12-20
JP2004368244 2004-12-20
JP2005021623 2005-01-28
JP2005021623 2005-01-28
PCT/JP2005/012207 WO2006067884A1 (ja) 2004-12-20 2005-07-01 バランス型弾性波フィルタ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006067884A1 true JPWO2006067884A1 (ja) 2008-06-12
JP4274246B2 JP4274246B2 (ja) 2009-06-03

Family

ID=36601495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006548689A Active JP4274246B2 (ja) 2004-12-20 2005-07-01 バランス型弾性波フィルタ装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7528683B2 (ja)
EP (1) EP1701441B1 (ja)
JP (1) JP4274246B2 (ja)
KR (1) KR100793613B1 (ja)
WO (1) WO2006067884A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4637718B2 (ja) * 2005-10-25 2011-02-23 京セラ株式会社 弾性表面波素子及び通信装置
US7902716B2 (en) * 2005-10-27 2011-03-08 Kyocera Corporation Surface acoustic wave device and communication apparatus
WO2008078496A1 (ja) 2006-12-25 2008-07-03 Murata Manufacturing Co., Ltd. 弾性波装置
CN101682311A (zh) 2007-06-06 2010-03-24 株式会社村田制作所 弹性波滤波装置
CN101939911A (zh) * 2008-02-05 2011-01-05 株式会社村田制作所 弹性边界波装置
US8552618B2 (en) * 2008-04-25 2013-10-08 Kyocera Corporation Surface acoustic wave device with IDT electrodes having different electrode finger pitches and communication apparatus using same
JP5350720B2 (ja) * 2008-09-02 2013-11-27 太陽誘電株式会社 弾性波デバイス、及び弾性波装置
WO2010029657A1 (ja) * 2008-09-09 2010-03-18 株式会社村田製作所 弾性波装置
WO2010061925A1 (ja) * 2008-11-28 2010-06-03 京セラ株式会社 弾性表面波フィルタおよびデュプレクサ
JP5210253B2 (ja) * 2009-07-01 2013-06-12 太陽誘電株式会社 弾性波デバイス
JP6747387B2 (ja) * 2016-08-05 2020-08-26 株式会社村田製作所 高周波モジュール

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03129915A (ja) 1989-10-16 1991-06-03 Kokusai Electric Co Ltd 弾性表面波共振子
JPH05218787A (ja) 1992-01-31 1993-08-27 Nec Corp 弾性表面波フィルタ用重み付け電極
JPH09167936A (ja) 1995-10-13 1997-06-24 Fujitsu Ltd 弾性表面波装置
DE19724259C2 (de) 1997-06-09 2002-11-14 Epcos Ag Dualmode-Oberflächenwellenfilter
JP2000091883A (ja) 1998-09-11 2000-03-31 Hitachi Media Electoronics Co Ltd 弾性表面波フィルタ
JP2001292050A (ja) 2000-04-10 2001-10-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 弾性表面波フィルタ
JP2001313540A (ja) 2000-04-28 2001-11-09 Toshiba Corp 弾性表面波装置
TW483238B (en) 2000-06-30 2002-04-11 Fujitsu Media Devices Ltd Surface acoustic wave device
JP3440935B2 (ja) 2000-11-29 2003-08-25 株式会社村田製作所 弾性表面波フィルタ
JP3780408B2 (ja) 2001-01-26 2006-05-31 株式会社村田製作所 弾性表面波フィルタ装置
JP3509764B2 (ja) 2001-03-23 2004-03-22 株式会社村田製作所 弾性表面波装置、通信装置
JP3969347B2 (ja) * 2001-04-09 2007-09-05 株式会社村田製作所 弾性表面波装置、通信装置
JP2003087081A (ja) 2001-09-07 2003-03-20 Murata Mfg Co Ltd 弾性表面波装置
CN1229916C (zh) 2001-04-09 2005-11-30 株式会社村田制作所 弹性表面波装置、通信装置
JP2003069383A (ja) 2001-08-29 2003-03-07 Murata Mfg Co Ltd 弾性表面波フィルタ
JP3931767B2 (ja) 2002-08-29 2007-06-20 株式会社村田製作所 弾性表面波装置、通信装置
JP4031686B2 (ja) 2002-08-30 2008-01-09 京セラ株式会社 弾性表面波フィルタ
WO2006068087A1 (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Murata Manufacturing Co., Ltd. バランス型弾性波フィルタ装置

Also Published As

Publication number Publication date
KR100793613B1 (ko) 2008-01-10
US20080246552A1 (en) 2008-10-09
US7528683B2 (en) 2009-05-05
EP1701441A4 (en) 2011-07-06
EP1701441A1 (en) 2006-09-13
EP1701441B1 (en) 2013-04-17
WO2006067884A1 (ja) 2006-06-29
KR20060120610A (ko) 2006-11-27
JP4274246B2 (ja) 2009-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4274246B2 (ja) バランス型弾性波フィルタ装置
US7683735B2 (en) Balanced acoustic wave filter
JP4670956B2 (ja) 縦結合共振子型弾性波フィルタ装置
KR100840872B1 (ko) 밸런스형 탄성파 필터 장치
JPWO2007007475A1 (ja) 弾性波フィルタ装置
JP4412326B2 (ja) バランス型sawフィルタ
US8198959B2 (en) Acoustic wave filter device
US7429905B2 (en) Balanced acoustic wave filter
US8525621B2 (en) Boundary acoustic wave filter
JP5035430B2 (ja) 弾性波装置及びデュプレクサ
JP4049612B2 (ja) 弾性表面波装置
JPWO2008068951A1 (ja) 弾性表面波フィルタ装置
JP4569314B2 (ja) バランス型弾性波フィルタ装置
JP4569325B2 (ja) バランス型弾性波フィルタ装置
JP2006229487A (ja) バランス型弾性波フィルタ装置
JPWO2006048999A1 (ja) バランス型sawフィルタ
JPWO2008149619A1 (ja) 弾性波フィルタ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4274246

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140313

Year of fee payment: 5