JP4569314B2 - バランス型弾性波フィルタ装置 - Google Patents

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本発明は、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型弾性波フィルタ装置に関し、より詳細には、3IDT型の縦結合共振子型の第1,第2の弾性波フィルタ部を備えたバランス型弾性波フィルタ装置に関する。
弾性表面波フィルタは、移動体通信機器において、アンテナと差動アンプとの間に帯域フィルタとして接続されることが多い。この場合、アンテナは不平衡信号を入出力する。他方、差動アンプは平衡信号を入出力する。従って、アンテナと差動アンプとの間において、不平衡−平衡変換機能を有する部品を挿入する必要がある。平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタを上記帯域フィルタとして用いた場合には、平衡−不平衡変換機能を実現する部品、すなわちバランを省略することができる。従って、従来、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型弾性表面波フィルタが種々提案されている。
もっとも、アンテナの特性インピーダンスは通常50Ωであり、差動アンプの特性インピーダンスは100Ω以上であり、1000Ω程度であることも珍しくない。従って、平衡−不平衡変換機能を有する弾性表面波フィルタでは、インピーダンス変換機能をも併せ持つことが求められている。
下記の特許文献1には、このようなインピーダンス変換機能を有するバランス型弾性表面波フィルタ装置が開示されている。
図5は、特許文献1に記載のバランス型弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図である。弾性表面波フィルタ装置101は、不平衡端子102と、第1,第2の平衡端子103,104とを有する。不平衡端子102に、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ105,106が接続されている。弾性表面波フィルタ105,106は、それぞれ、第1〜第3のIDT105a〜105c,106a〜106cを有する3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである。IDT105a〜105c,106a〜106cの表面波伝搬方向両側には、それぞれ、反射器105d,105e,106d,106eが配置されている。
中央の第2のIDT105b,106bが、共通接続され、不平衡端子102に接続されている。弾性表面波フィルタ105の両側のIDT105a,105cが共通接続され、第1の平衡端子103に接続されている。また、弾性表面波フィルタ106の第1,第3のIDT106a,106cが共通接続されて第2の平衡端子104に接続されている。第1,第2の弾性表面波フィルタ105,106の位相は180°異ならされている。
特許文献1に記載の弾性表面波フィルタ装置101では、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ105,106の表面波伝搬路が同じ方向に配置されており、かつ第1,第2の弾性表面波フィルタ105,106間の間隔をd1、使用されている圧電基板の厚みをtとしたときに、d1≦2.3×tまたはd1≧2.8×tとされており、それによって伝送特性が改善され得ると記載されている。
また、弾性表面波フィルタ装置101では、弾性表面波フィルタ105,106の入力インピーダンスをZとしたとき、不平衡端子102におけるインピーダンスは、弾性表面波フィルタ105,106の入力インピーダンスを並列接続したインピーダンスとなるため、約Z/2となる。平衡端子103,104におけるインピーダンスは、弾性表面波フィルタ105,106のインピーダンスを直列接続したインピーダンスであるため、約2Zとなる。従って、不平衡端子102におけるインピーダンスと、平衡端子103,104におけるインピーダンスとの比は約1:4とされ得る。
特開2002−290203号公報
上記のように、特許文献1に記載の弾性表面波フィルタ装置では、不平衡端子102側のインピーダンスと、平衡端子103,104側のインピーダンスとの比を約1:4とすることが可能とされている。
従って、例えばアンテナの入出力インピーダンスが50Ωであり、弾性表面波フィルタ装置の後段に接続される差動アンプの特性インピーダンスが200Ω程度である場合には、上記バランス型弾性表面波フィルタ装置101を好適に用いることができる。
しかしながら、近年、この種の用途で用いられる差動アンプの特性インピーダンスは200Ωよりも大きくなってきており、前述したように、1000Ω程度であることも珍しくない。
従って、特許文献1に記載のバランス型弾性表面波フィルタ装置101を用いたとしても、このような大きな特性インピーダンスを有する差動アンプが後段に接続される場合、インピーダンスを変換する部品をさらに接続しなければならなかった。すなわち、特許文献1に記載のバランス型弾性表面波フィルタ装置では、インピーダンス変換機能が十分でなく、従って入出力インピーダンス比をより一層大きくすることが可能なバランス型弾性表面波フィルタ装置が求められている。
他方、近年、弾性表面波フィルタだけでなく、弾性境界波などの他の弾性波を利用した弾性波フィルタ装置も知られている。弾性境界波フィルタは圧電基板と誘電体とが積層された境界にIDTを有しており、境界を伝搬する弾性境界波を用いる。弾性表面波フィルタとまったく同じような電極を形成して弾性境界波フィルタを構成できる。このような弾性波フィルタ装置一般においても、上記のように平衡−不平衡変換機能と、大きなインピーダンス変換機能とを有することが求められている。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、平衡−不平衡変換機能を有するだけでなく、不平衡端子側のインピーダンスと平衡端子側のインピーダンスとの比がより一層大きくされたインピーダンス変換機能を有する弾性波フィルタ装置を提供することにある。
本発明は、不平衡端子と、第1,第2の平衡端子とを有するバランス型弾性波フィルタ装置であって、圧電基板と、前記圧電基板に形成されており、3IDT型の縦結合共振子型の第1,第2の弾性波フィルタ部とを備え、前記第1の弾性波フィルタ部が、弾性波伝搬方向に沿って配置された第1〜第3のIDTを有し、第2の弾性波フィルタ部が、弾性波伝搬方向に沿って配置された第4〜第6のIDTを有し、第1の弾性波フィルタ部における入力信号に対する出力信号の位相差と、第2の弾性波フィルタ部における入力信号に対する出力信号の位相差とが180°異なるように第1〜第6のIDTが構成されており、前記第2,第5のIDTが前記不平衡端子に接続されており、前記第1の弾性波フィルタ部の第1,第3のIDTが電気的に直列接続されており、かつ第1の平衡端子に接続されており、前記第2の弾性波フィルタ部の第4,第6のIDTが電気的に直列接続されており、かつ第2の平衡端子に接続されていることを特徴とする。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のある特定の局面では、前記不平衡端子に接続されている第2,第5のIDTの最外側電極指がアース電位に接続される電極指である。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置の他の特定の局面では、前記第1,第3,第4,第6のIDTのうちの少なくとも1つのIDTにおいて、前記第2または第5のIDTの前記最外側電極指に隣接している最外側電極指を含む複数本の電極指において直列重み付けが施されている。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置のさらに他の特定の局面では、前記弾性波として弾性表面波が用いられており、それによって弾性表面波フィルタ装置が構成されている。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置の別の特定の局面では、前記弾性波として弾性境界波が用いられており、それによって弾性境界波フィルタ装置が構成されている。
本発明に係るバランス型弾性波フィルタ装置は、縦結合共振子型の第1,第2の弾性波フィルタ部を備えており、第1の弾性波フィルタ部における入力信号に対する出力信号の位相差と、第1の弾性波フィルタ部における入力信号に対する出力信号の位相差が180°異なるように第1〜第6のIDTが構成されている。また、第2,第5のIDTが不平衡端子に接続されており、第1の弾性波フィルタ部の第1,第3のIDTが第1の平衡端子に、第2の弾性波フィルタ部の第4,第6のIDTが第2の平衡端子に接続されているため、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型弾性波フィルタ装置を提供することができる。
また、本発明では、第1,第3のIDTが電気的に直列に接続されており、第4,第6のIDTも電気的に直列に接続されている。従って、不平衡端子側のインピーダンスと平衡端子側のインピーダンスとの比が約1:16とされ得る。
すなわち、第1,第2の弾性波フィルタ部を不平衡端子に並列に接続し、第1の弾性波フィルタ部を第1の平衡端子に、第2の弾性波フィルタ部を第2の平衡端子に接続した構成では、不平衡端子側のインピーダンスと平衡端子側のインピーダンスとの比は約1:4とされる。加えて、本発明では、第1,第3のIDTが電気的に直列に接続されており、第4,第6のIDTも電気的に直列に接続されている。従って、平衡端子側のインピーダンスを、特許文献1に記載の弾性表面波フィルタの場合に比べて4倍の大きさとすることができる。よって、本発明によれば、不平衡端子側のインピーダンスと、平衡端子側のインピーダンスとの比を約1:16とすることができる。
従って、本発明によれば、平衡−不平衡変換機能を有し、かつ大きなインピーダンス変換機能を有する弾性波フィルタ装置を提供することができる。
本発明において、不平衡端子に接続されている第2,第5のIDTの最外側電極指がアース電位に接続されている場合には、第2,第5のIDTと、第1,第3または第4,第6のIDTと隣り合っている部分において、信号端子に接続される電極指同士が隣り合わない。すなわち、平衡信号が印加される電極指と、不平衡信号が印加される電極指とが隣り合うことがないため、帯域外減衰量の拡大及び平衡度の向上を図ることができる。
第1,第3,第4,第6のIDTにおいて、第2,第5のIDTの上記最外側電極指に隣接している最外側電極指を含む複数本の電極指において直列重み付けが施されている場合には、平衡度をより一層高めることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の模式的平面図である。本実施形態では、弾性波フィルタ装置として、3IDT型の縦結合共振子型の第1,第2の弾性表面波フィルタ部を有する弾性表面波フィルタ装置が構成されている。
弾性表面波フィルタ装置1は、圧電基板2を有する。圧電基板2は、LiTaO3、LiNbO3または水晶などの圧電単結晶、あるいは圧電セラミックスからなる。また、圧電基板2は、圧電材料からなる基板または絶縁基板上に圧電薄膜を形成した構造を有していてもよい。
本実施形態の弾性表面波フィルタ装置1は、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型弾性表面波フィルタ装置であり、不平衡端子3と、第1,第2の平衡端子4,5とを有する。
圧電基板2上に、3IDT型の縦結合共振子型の第1,第2の弾性表面波フィルタ部6,7が構成されている。
第1の弾性表面波フィルタ部6では、弾性表面波伝搬方向に沿って第1〜第3のIDT11〜13が配置されている。また、第2の弾性表面波フィルタ部7においても、弾性表面波伝搬方向に沿って第4〜第6のIDT14〜16が配置されている。
第1の弾性表面波フィルタ部6において、第1〜第3のIDT11〜13が設けられている領域の表面波伝搬方向両側には反射器17a,17bが配置されている。また、第2の弾性表面波フィルタ部7においては、第4〜第6のIDT14〜16が設けられている領域の表面波伝搬方向両側には反射器18a,18bが配置されている。
第1の弾性表面波フィルタ部6の中央の第2のIDT12の一端と、第2の弾性表面波フィルタ部7の中央の第5のIDT15の一端とが共通接続され、かつ1ポート型の弾性表面波共振子8を介して不平衡端子3に接続されている。
なお、弾性表面波共振子8は、IDT8aと、IDT8aの表面波伝搬方向両側に配置された反射器8b,8cとを有する。
なお、第2のIDT12の他端及び第5のIDT15の他端はアース電位に接続されている。ここでは、第2,第5のIDT12,15の表面波伝搬方向最外側電極指12a,12b,15a,15bがアース電位に接続される電極指とされている。
第1の弾性表面波フィルタ部6の第1,第3のIDT11,13は一端同士が接続されて、電気的に直列に接続されている。IDT11の他端は、1ポート型の弾性表面波共振子9を介して第1の平衡端子4に接続されている。第3のIDT13の他端はアース電位に接続されている。弾性表面波共振子9は、IDT9aと、IDT9aの表面波伝搬方向両側に配置された反射器9b,9cとを有する。
なお、弾性表面波共振子8,9は、本発明において不可欠なものではない。
他方、第2の弾性表面波フィルタ部7の第4,第6のIDT14,16の一端同士が電気的に接続され、第4,第6のIDT14,16は電気的に直列に接続されている。ここでは、第4のIDT14の他端がアース電位に接続されており、第6のIDT16の他端が1ポート型の弾性表面波共振子10を介して第2の平衡端子5に接続されている。弾性表面波共振子10は、IDT10aと、IDT10aの表面波伝搬方向両側に配置された反射器10b,10cとを有する。
ここでは、第1の弾性表面波フィルタ部6における入力信号に対する出力信号の位相差と、第2の弾性表面波フィルタ部7における入力信号に対する出力信号の位相差とが180°異なるように第1〜第6のIDT11〜16が構成されている。より具体的には、第1の平衡端子4に接続されているIDT11の極性と、第2の平衡端子5に接続されている第6のIDT16の極性とが180°異ならされており、それによって平衡−不平衡変換機能が実現されている。
また、本実施形態では、第1,第2の弾性表面波フィルタ部6,7の一端が不平衡端子3に、第1の弾性表面波フィルタ部6の他端が第1の平衡端子4に、第2の弾性表面波フィルタ部7の他端が第2の平衡端子5に接続されており、しかも第1,第3のIDT11,13及び第4,第6のIDT14,16が直列接続されているため、不平衡端子3側のインピーダンスと、平衡端子4,5側のインピーダンスとの比を約1:16とすることができる。
すなわち、上記第1,第3のIDT11,13が直列接続されており、第4,第6のIDT14,16も電気的に直列接続されているため、該直列接続構造を有しない場合、すなわち第1,第3のIDT11,13を第1の平衡端子4に並列に接続し、かつ第4,第6のIDT14,16を第2の平衡端子5に並列に接続した構造の場合に比べて、第1,第3のIDT11,13及び第4,第6のIDT14,16の特性インピーダンスを4倍とすることができる。従って、本実施形態では、不平衡端子3側のインピーダンスと、第1,第2の平衡端子4,5側のインピーダンスの比を約1:16と非常に大きくすることが可能とされている。
また、本実施形態では、第2,第5のIDT12,15の最外側電極指12a,12b,15a,15bは、アース電位に接続される電極指とされている。よって、不平衡端子3に接続されている第2,第5のIDT12,15の不平衡端子3に接続されている電極指と、平衡端子4,5に接続されている第1,第3,第4,第6のIDT11,13,14,16の電極指とが直接IDT間のギャップで隣り合っていない。従って、平衡信号が印加される電極指と、不平衡信号が印加される電極指がIDT間のギャップにおいて隣り合うことにはならない。
平衡信号が流れる電極指と、不平衡信号が流れる電極指とがIDT同士のギャップにおいて隣り合っている場合には、両者の間の電磁結合により直達波が生じ、帯域外減衰量が低下したり、平衡信号の平衡度が低下したりするおそれがある。これに対して、本実施形態では、上記のように、IDT同士が隣り合っているギャップにおいて、平衡信号が印加される電極指と不平衡信号が印加される電極指とは隣り合わないため、帯域外減衰量の拡大及び平衡度の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、第2の弾性表面波フィルタ部7の第4,第6のIDT14,16の第5のIDT15側の最外側電極指を含む複数本の電極指において、直列重み付けが施されている。すなわち、第4のIDT14の第5のIDT15側の最外側電極指14aと、次に位置する電極指14bとの間に浮き電極指14cを設けるように直列重み付けが施されている。IDT16においても、最外側電極指16aと、次の電極指16bとが配置されている領域に浮き電極指16cが設けられて、直列重み付けが施されている。この直列重み付けにより、IDT14,15間及びIDT15,16間における弾性表面波の励振を弱めて、弾性表面波フィルタ部6側におけるIDT11,12間及びIDT12,13間における弾性表面波の励振状態に近づけることができる。よって、平衡度をより効果的に改善することができる。
すなわち、第2の弾性表面波フィルタ部7では、第4,第5のIDT14,15が隣り合っている部分において、第4のIDTの最外側電極指14aは平衡信号が印加される電極指であり、IDT15のIDT14側の最外側電極指15aはアース電位に接続される電極指であるため、IDT14,15が隣り合っている部分において弾性表面波が励振される。IDT15,16間においても同様に、アース電位に接続される電極指15bと、平衡信号が印加される電極指16aとが隣り合い、弾性表面波が励振される。
これに対して、第1の弾性表面波フィルタ部6側においては、IDT12,13間においては、最外側電極指12b及び13aがいずれもアース電位に接続される電極指であるため、IDT12,13間においては、弾性表面波は励振されない。他方、IDT11,12間においては、IDT11の最外側電極指11aに平衡信号が印加され、電極指12aはアース電位に接続されるため、弾性表面波は励振される。
しかしながら、本実施形態では、上記のように、第4,第5のIDT14,15間及び第5,第6のIDT15,16間において、弾性表面波の励振が弱められるため、第2の弾性表面波フィルタ部7側におけるIDT間のギャップにおける弾性表面波の励振状態が、第1の弾性表面波フィルタ部6における第1,第2のIDT11,12間及び第2,第3のIDT12,13間のギャップにおける弾性表面波の励振状態の総和に近づけられる。従って、上記のように平衡度が改善される。
なお、第1の弾性表面波フィルタ部6と、第2の弾性表面波フィルタ部7とにおけるIDT間のギャップにおける弾性表面波の励振状態をバランスさせる構成は、図1に示した実施形態の弾性表面波フィルタ装置1の構造に限定されるものではない。
図2に示す変形例の弾性表面波フィルタ装置21では、第1の弾性表面波フィルタ部6においても、第1,第2のIDT11A,12間のギャップにおいて、IDT11Aの最外側電極指11dと、次の電極指11eとの間にまたがるように浮き電極指11fを設けるように、直列重み付けが施されている。従って、IDT11A,12間における弾性表面波の励振が弱められている。その他の構成は、弾性表面波フィルタ装置21は、弾性表面波フィルタ装置1と同様である。
本変形例に係る弾性表面波フィルタ装置21においても、第2の弾性表面波フィルタ部7側におけるIDT14,15間及びIDT15,16間における弾性表面波の励振が弱められ、第1の弾性表面波フィルタ部6側におけるIDT11A,12間及びIDT12,13間のギャップにおける弾性表面波の励振状態に近づけられている。もっとも、本変形例では、第1,第2のIDT11A,12間のギャップにおける弾性表面波の励振も弱められている。従って、第1の弾性表面波フィルタ部6と、第2の弾性表面波フィルタ部7との間のバランスは、上記実施形態の弾性表面波フィルタ装置1の方が高められるので、弾性表面波フィルタ装置1は弾性表面波フィルタ装置21よりも好ましい。
なお、上記実施形態及び変形例の弾性表面波フィルタ装置1,21では、上記のように直列重み付けを施することにより、平衡度の改善が図られていたが、本発明においては、図3に示す変形例の弾性表面波フィルタ装置22に示すように、直列重み付けが施されておらずともよい。図3に示す弾性表面波フィルタ装置22では、IDT14A,16Aに直列重み付けが施されていないことを除いては、第1の実施形態の弾性表面波フィルタ装置1と同様に構成されている。このように、IDTに直列重み付けを施さない場合であっても、本発明に従って、不平衡端子3側のインピーダンスと平衡端子4,5側のインピーダンスとの比を1:16と大きくすることができる。
上述してきた実施形態及び変形例の弾性表面波フィルタ装置は、上記のように弾性表面波を利用したものであるが、本発明は、弾性表面波に代えて、弾性境界波などの他の弾性波を用いたものであってもよい。図4は、弾性境界波フィルタ装置の構造を模式的に示す正面断面図である。この弾性境界波フィルタ装置31では、第1の媒質層としての圧電基板32と、第2の媒質層としての誘電体33とが積層されている。圧電基板32と誘電体33との境界に複数のIDTを有する電極34が形成されている。この境界を伝搬する弾性境界波を利用してフィルタとしての特性が得られる。この場合、弾性境界波フィルタ装置31の電極34の構造を、前述した弾性表面波フィルタについての実施形態における電極構造と同様に形成することにより、本発明の弾性波フィルタ装置を構成することができる。
本発明の一実施形態に係る弾性表面波フィルタ装置の模式的平面図。 図1に示した実施形態の変形例に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図。 図1に示した実施形態の他の変形例に係る弾性表面波フィルタ装置の電極構造を示す模式的平面図。 本発明が適用される弾性境界波装置の模式的正面断面図。 従来のバランス型弾性表面波フィルタ装置を説明するための模式的平面図。
符号の説明
1…弾性表面波フィルタ装置
2…圧電基板
3…不平衡端子
4,5…第1,第2の平衡端子
6,7…弾性表面波フィルタ部
8,9,10…弾性表面波共振子
8a,9a…IDT
8b,8c…反射器
9b,9c…反射器
11〜16…IDT
11a,11d,11e…電極指
11f…浮き電極指
11A,14A,16A…IDT
12a,12b…電極指
14a,14b…電極指
14c…浮き電極指
15a,15b…電極指
16a,16b…電極指
16c…浮き電極指
21…弾性表面波フィルタ装置
22…弾性表面波フィルタ装置
31…弾性境界波フィルタ装置
32…圧電基板
33…誘電体
34…電極

Claims (5)

  1. 不平衡端子と、第1,第2の平衡端子とを有するバランス型弾性波フィルタ装置であって、
    圧電基板と、
    前記圧電基板に形成されており、3IDT型の縦結合共振子型の第1,第2の弾性波フィルタ部とを備え、
    前記第1の弾性波フィルタ部が、弾性波伝搬方向に沿って配置された第1〜第3のIDTを有し、第2の弾性波フィルタ部が、弾性波伝搬方向に沿って配置された第4〜第6のIDTを有し、
    第1の弾性波フィルタ部における入力信号に対する出力信号の位相差と、第2の弾性波フィルタ部における入力信号に対する出力信号の位相差とが180°異なるように第1〜第6のIDTが構成されており、
    前記第2,第5のIDTが前記不平衡端子に接続されており、
    前記第1の弾性波フィルタ部の第1,第3のIDTが電気的に直列接続されており、かつ第1の平衡端子に接続されており、
    前記第2の弾性波フィルタ部の第4,第6のIDTが電気的に直列接続されており、かつ第2の平衡端子に接続されていることを特徴とする、バランス型弾性波フィルタ装置。
  2. 前記不平衡端子に接続されている第2,第5のIDTの最外側電極指がアース電位に接続される電極指である、請求項1に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  3. 前記第1,第3,第4,第6のIDTのうちの少なくとも1つのIDTにおいて、前記第2または第5のIDTの前記最外側電極指に隣接している最外側電極指を含む複数本の電極指において直列重み付けが施されていることを特徴とする、請求項2に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  4. 前記弾性波として弾性表面波が用いられており、それによって弾性表面波フィルタ装置が構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
  5. 前記弾性波として弾性境界波が用いられており、それによって弾性境界波フィルタ装置が構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバランス型弾性波フィルタ装置。
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