JPWO2006049301A1 - 光情報記録媒体およびその情報記録再生方法、並びに情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
基板と、前記基板上に配置されたn個の情報記録層と、情報記録層間に配置された中間層とを含み、(n−1)個以上の前記情報記録層のそれぞれは、1以上の記録マークXに対応して形成された、層番号情報を含む層番号情報部を備える。各記録マークXの周方向の長さは、前記情報記録層に記録される他の情報の記録に用いられる記録マークYのそれより長い。ただし、前記nは2以上の整数であり、前記層番号情報とは、所定の情報記録層がいずれの情報記録層であるかを確認するための情報である。
Description
本発明は、光情報記録媒体およびその情報記録再生方法、並びに情報記録再生装置に関する。
近年、情報記録の分野では、様々な光情報記録媒体に関する研究が進められている。光ディスクなどの光情報記録媒体は、高密度記録が可能であり、非接触で記録および/または再生が行え、安価に提供できるので、幅広い用途での応用が実現されつつある。
現在では、高密度化の実現のために、レーザ波長が例えば約400nmと短い光源と、開口数(NA)が例えば0.85と大きい対物レンズとを含む光ヘッドを備えた情報記録再生装置によって、情報が記録および/または再生される光ディスクが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
光ディスクに形成される記録マークの大きさは光スポットの大きさに比例し、光スポットサイズが小さくなると、記録密度の高密度化がはかれる。光スポットサイズは、照射レーザ光の波長をλとするとλ/NAによって決まる。よって、記録密度の高密度化のためには、NAを大きくすればよいことになる。
しかし、NAを大きくすることによりスポットサイズを小さくすると、ディスクの僅かな傾きが深刻な再生不良をもたらしてしまう。この不都合を埋め合わせるために、上記光ディスクでは、レーザ入射側の最外層として配置された光透過層の厚さを0.1mm程度と薄くして、チルトマージンを大きくしている。
薄い光透過層を形成する方法としては、キャスティング法で作製された樹脂フイルムを、UV接着剤やアクリル粘着剤等を用いて、情報記録層に貼り付ける方法が提案されている。
図19に、従来の光情報記録媒体10の構成図を示している。光情報記録媒体10は、トラック形成用の凹凸が形成された基板11上に情報記録層12が配置され、情報記録層12に接着層13を介して樹脂フイルムからなる光透過層14が接着されている。
上記従来の光情報記録媒体においては、例えば、フレーム毎にアドレス情報や層番号情報が予め記録されており、こられの情報を頼りに記録再生時等における、光ヘッドの正確な位置合わせが行われている(例えば特許文献3参照)。
特開平8−235638号公報 特開平10−283683号公報 特開平3−83234号公報
しかし、上記層番号情報等は、フォーカス動作及びトラッキング動作を行うことにより、初めて読み取ることができる。そのため、従来の光情報記録媒体には以下の課題があった。
(1)光情報記録媒体を情報記録再生装置にセットしてから、情報の記録および/または再生を開始させるまでにかかる時間が長い。
(2)フォーカス位置および/またはトラッキング位置が所望の位置からずれた場合、位置決めのしなおしに時間がかかる。
(3)所望の情報記録層にレーザ光を集光させることができなかった場合に、他の情報記録層に対して、改めて、フォーカス位置決めおよびトラッキング位置決めを行わなければならないが、このような層間検出に時間がかかる。
(2)フォーカス位置および/またはトラッキング位置が所望の位置からずれた場合、位置決めのしなおしに時間がかかる。
(3)所望の情報記録層にレーザ光を集光させることができなかった場合に、他の情報記録層に対して、改めて、フォーカス位置決めおよびトラッキング位置決めを行わなければならないが、このような層間検出に時間がかかる。
このような事情から、ユーザーが、例えば、所望の情報を再生しようとした場合に、その情報が記録された情報記録層の検出に時間がかかるという問題がある。また、この問題は、情報記録層の層数が増えれば増えるほどより顕著となる。
そして、この問題は、例えば、波長が約400nmのレーザ光を用いて情報が記録および/または再生される上記光ディスクに限った問題ではなく、複数の情報記録層を含む光情報記録媒体に共通の問題である。
本発明は、上記従来の問題に鑑みて提案されたものであり、層番号情報をより速く読み取り可能とすることにより、所望の情報記録層に対する情報の記録再生をより速く開始可能な光情報記録媒体およびその情報記録再生方法、並びに、情報記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明の光情報記録媒体は、基板と、前記基板上に配置されたn個の情報記録層と、情報記録層間に配置された中間層とを含み、(n−1)個以上の前記情報記録層のそれぞれは、1以上の記録マークXに対応して形成された、層番号情報を含む層番号情報部を備え、各記録マークXの周方向の長さは、前記情報記録層に記録される他の情報の記録に用いられる記録マークYのそれより長いことを特徴とする。ただし、前記nは2以上の整数であり、前記層番号情報とは、所定の情報記録層がいずれの情報記録層であるかを確認するための情報である。
本発明の情報記録再生装置は、本発明の光情報記録媒体に対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置であって、レーザ光を出射する光源と、フォーカス動作装置と、トラッキング動作装置とを含み、前記光情報記録媒体の所定の前記情報記録層の前記層番号情報部から前記層番号情報を読み取り可能な光ヘッドと、前記光ヘッドにより読み取られた層番号情報を復調する信号復調器と、前記復調された層番号情報を確認するトータルコントローラと、を含むことを特徴とする。
本発明の情報記録再生方法は、本発明の情報記録再生装置を用いて本発明の光情報記録媒体に対する情報の記録再生をする情報記録再生方法であって、前記光情報記録媒体の前記所定の情報記録層の前記層番号情報を確認する第1工程と、前記第1工程後に、前記所定の情報記録層に対して情報を記録再生する第2工程と、を含み、前記第1工程において、前記所定の情報記録層の前記層番号情報部を含む所定領域の上方に前記光ヘッドを配置し、フォーカス制御された前記レーザ光を前記所定領域に照射して、前記光ヘッドにより前記層番号情報を読み取り、読み取られた前記層番号情報を前記信号復調器で復調し、復調された前記層番号情報を前記トータルコントローラで確認し、前記トータルコントローラによる確認後に、前記所定の情報記録層に対してトラッキング制御を行うことを特徴とする。
本発明の別の情報記録再生方法は、本発明の記録再生装置を用いて本発明の光情報記録媒体に対する情報の記録再生をする情報記録再生方法であって、前記光情報記録媒体の所定の前記情報記録層の前記層番号情報を確認する第1工程と、前記第1工程後に、前記所定の情報記録層に対して情報を記録再生する第2工程とを含み、前記第1工程において、前記所定の情報記録層の前記層番号情報部を含む所定領域の上方に前記光ヘッドを配置し、フォーカス制御された前記レーザ光を前記所定領域に照射して、前記光ヘッドにより前記層番号情報を読み取り、読み取られた前記層番号情報を前記信号復調器で復調し、復調された前記層番号情報が、所望の情報記録層の層番号情報であるか否かを、前記トータルコントローラで確認し、この確認結果に従って、(a)前記復調された前記層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報でないと確認された場合は、前記所定の情報記録層とは異なる別の情報記録層に対して、前記所定領域の上方への前記光ヘッドの配置、フォーカス制御された前記レーザ光の照射、および前記層番号情報の確認を行い、(b)前記復調された前記層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報であると確認された場合は、前記所定の情報記録層に対してトラッキング制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、層番号情報をより速く読み取り可能とすることにより、所望の情報記録層に対する情報の記録再生をより速く開始可能な光情報記録媒体およびその情報記録再生方法、並びに、情報記録再生装置を提供できる。
10 光情報記録媒体
11 基板
12 情報記録層
13 接着層
14 光透過層
20 光情報記録媒体
21 基板
22 第1情報記録層
23 第2情報記録層
24 第3情報記録層
25 第4情報記録層
26 透過層
27 第1中間層
28 第2中間層
29 第3中間層
61 データ領域
62 データ領域外外周部
63 データ領域外内周部
64 ピットX(記録マークX)
71 ピットXに対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形
72 データ領域外内周部内の層番号情報部以外の箇所の再生信号波形
81 ピットXに対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形
82 ピットYの再生信号波形
111 データ領域
112 データ領域外内周部
113 ピットX
121 データ領域
122 データ領域外内周部
123 溝
131 データ領域
132 ピットX
141 データ領域
142 溝
151 データ領域
152 データ領域内鏡面部
153 溝
161 データ領域
162 データ領域外内周部
163a ピットX
163b 溝
90 情報記録再生装置
91 光ディスク
92 回転モータ
93 光ヘッド
94 送り機構
95 フォーカス・トラッキングドライバ
96 送りドライバ
97 制御部
98 レーザドライバ
99 レーザパワー制御部
100 トータルコントローラ
101 信号復調器
102 フィードバック回路
11 基板
12 情報記録層
13 接着層
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20 光情報記録媒体
21 基板
22 第1情報記録層
23 第2情報記録層
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61 データ領域
62 データ領域外外周部
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71 ピットXに対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形
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163a ピットX
163b 溝
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91 光ディスク
92 回転モータ
93 光ヘッド
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95 フォーカス・トラッキングドライバ
96 送りドライバ
97 制御部
98 レーザドライバ
99 レーザパワー制御部
100 トータルコントローラ
101 信号復調器
102 フィードバック回路
本発明の光情報記録媒体の一例では、記録マークXが、各情報記録層が隣接した基板または中間層に形成されている。記録マークXは、例えば、溝またはピットであり、1以上の記録マークXは、溝およびピットのうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
本発明の光情報記録媒体の一例では、1以上の記録マークXは、複数の記録マークXを含む記録マークX列(例えば、ピットX列)であり、この記録マークX列に対応して、隣接する情報記録層に1つの層番号情報部が形成される。複数の記録マークXは、例えば、基板または中間層の円周方向に沿って形成される。
本発明の光情報記録媒体の一例では、記録マークXが、その長手方向が光情報記録媒体の径方向と同方向の溝からなる。n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層は、同一の層番号情報部を複数個備えていると好ましい。層番号情報部に対応する記録マークXが上記溝である場合、基板または中間層に複数の溝が放射状に形成され手いると好ましい。すなわち、情報記録層に、複数の層番号情報部が放射状に形成さていると好ましい。
本発明の光情報記録媒体の一例では、n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層は、同一円周内に同一の層番号情報部を複数個備えていると好ましい。この場合、複数の層番号情報部のうちの、いずれか1つの層番号情報部の上を再生光が通過することで層番号情報を読み取ることができる。そのため、層番号情報を、より速く読み取り可能であり、よって、情報の記録再生を開始させる迄にかかる時間をより短縮できる。
本発明の光情報記録媒体の一例では、n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層が、中心が同一で半径が異なる2以上の円周内のそれぞれに、少なくとも1つの層番号情報部を備えている。この場合、相対的に内周側の円周内よりも外周側の円周内の方が、層番号情報部を数多く備えていると好ましい。一定の角速度で光情報記録媒体を回転して、情報を記録再生する場合、相対的に内周側の円周内よりも外周側の円周内に、層番号情報部をより多く備えると、より速く層番号情報を読み取ることができるからである。
本発明の光情報記録媒体の一例では、n個の情報記録層から選ばれる少なくとも2つの情報記録層について、層番号情報部の数、層番号情報部の形成場所、および層番号情報部の形態のうちの少なくとも1つが、情報記録層ごとに異なる。
本発明の光情報記録媒体の一例では、情報記録層が、記録マークYが形成されるデータ領域と、データ領域外の非データ領域とからなり、層番号情報部は、非データ領域内に在ると好ましい。この場合、データ記録容量の低減を伴うことなく、層番号情報部を備えた光情報記録媒体を提供できる。また、非データ領域は鏡面領域とも呼ばれるが、層番号情報部が鏡面領域内に在ると、層番号情報の再生品質が向上する。
本発明の光情報記録媒体の一例では、層番号情報部は、少なくとも2バイト以上の層番号情報を含んでいる。
本発明の光情報記録媒体に情報を記録再生する情報記録再生装置の一例では、トータルコントローラによる確認結果に基づいて、所定の情報記録層とは異なる他の情報記録層の層番号情報を読み取るためにフォーカス動作装置を制御する、フィードバック回路をさら含んでいると好ましい。光情報記録媒体に含まれる情報記録層の層数が多い場合、所望の情報記録層への情報の記録再生を開始するまでの時間を短縮する上で、フィードバック制御は非常に有効に働くからである。
本発明の情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法の一例では、層番号情報の光ヘッドによる読み取りを、情報記録層に記録された情報を再生する際のレーザパワーと同じレーザパワーで行うと好ましい。フォーカス制御された記録光で層番号情報の再生を行うと、データ領域に記録された情報を誤って消してしまう恐れがあるからである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の光情報記録媒体の一例について説明する。図1は本実施形態の光情報記録媒体の一例の平面概念図であり、図2は、図1に示した光情報記録媒体のデータ領域の断面図である。
実施形態1では、本発明の光情報記録媒体の一例について説明する。図1は本実施形態の光情報記録媒体の一例の平面概念図であり、図2は、図1に示した光情報記録媒体のデータ領域の断面図である。
図2に示すように、本実施形態の光情報記録媒体は、基板21上に、第1情報記録層22、第1中間層27、第2情報記録層23、第2中間層28、第3情報記録層24、第3中間層29、第4情報記録層25、光透過層26がこの順で配置された構造をしている。
基板21,第1中間層27、第2中間層28、および第3中間層の一方の主面は、トラキング用の案内溝が形成されているので凹凸表面からなっている。以下、これらの凹凸表面を、L0面21a、L1面27a、L2面28a、L3面29aと呼ぶ場合もある。また、第1〜第4情報記録層を総称して単に情報記録層と呼ぶ場合もあり、第1〜第3中間層を総称して単に中間層と呼ぶ場合もある。
図1および図2に示すように、第2情報記録層23は、ピットX64(記録マークX)に対応して形成された層番号情報部を備えている。ピットX64は、第2情報記録層23に接した第1中間層27のL1面27aに形成されているが(図2には図示せず。)、第2情報記録層23の厚みが極めて薄いので、L1面27a上にスパッタリングや蒸着等の方法により形成された第2情報記録層23も、ピットX64に対応した窪みを備える。本実施形態の光情報記録媒体では、この窪みが、層番号情報を含む層番号情報部として機能している。
また、図示していないが、第3情報記録層24、第4情報記録層25に接した中間層のL2面28a、L3面29aにも記録マークXが形成されている。よって、L2面28a、L3面29aに接した第3情報記録層24、第4情報記録層25も、それぞれ、層番号情報部を備えている。
各情報記録層は、データ領域61と、データ領域61外の非データ領域とからなる。データ領域61には、層番号情報とは異なる情報の記録に用いられる記録マークYが形成される。非データ領域は、データ領域外外周部62とデータ領域外内周部63とを含んでいる。図1に示した例では、ピットX64が、第1中間層27のL1面27aのうちの、データ領域外内周部63の直下の領域内に形成されている。そのため、第2情報記録層23は、データ領域外内周部63に層番号情報部を備えている。
ピットX64は、層番号情報とは異なる情報としてデータ領域61に形成され得る記録マークY(例えば、ピットY)よりも、周方向の長さ、すなわち、ピット長がより長く形成されており、光ヘッドのフォーカス動作のみにより読み取り可能である。そのため、フォーカス動作とトラッキング動作の両方を行うことにより、層番号情報が読み取られていた、従来の光情報記録媒体よりも、層番号情報をより速く読み取れ、よって、情報記録層に対する情報の記録再生をより速く開始させることができる。
さらに、後述のとおり、記録マークXとしてのピットX64は、基板や中間層の形成と同時に形成されるので、工程数の増加およびコストの増加を伴わずに、層番号情報部を備えた光情報記録媒体を作製できる。
ピットX64のピット長については、フォーカス動作のみにより読み取り可能であれば特に制限はないが、例えば、データ領域61に形成されるピットYのピット長が、0.05μm〜2μmである場合、ピットXのピット長は、3μm〜200μmであると好ましい。このように、ピットXのピット長が、ピットYのそれの約1.5倍以上であると、フォーカス動作のみによる層番号情報の読み取りが良好に行える。
第1情報記録層22の構成については特に制限はなく、従来の光情報記録媒体の情報記録層と同様の構成をしていてもよいが、例えば、基板21側から、反射膜、第1保護膜、記録膜、第2保護膜がこの順で配置された構成をしている。反射膜の材料としては、例えばAg化合物等が、第1保護膜および第2保護膜の材料としては、例えばZnS−SiO2等が用いられる。記録膜の材料としては、例えば、熱によって結晶状態が変化する相変化材料が用いられ、より具体的には、GeSbTe等が用いられる。これらの膜は、いずれも、例えば、スパッタリングや蒸着等の方法により形成できる。
第2情報記録層23、第3情報記録層24、および第4情報記録層25についても、第1情報記録層22と同様の構造をしており、材料および方法についても第1情報記録層と同様である。
基板21の材料について特に制限はないが、例えば、ポリカーボネートまたはアクリル系樹脂等が用いられる。基板21は、例えば、金属金型(金属スタンパとも呼ばれる)を用いて射出成形などにより形成される。金属スタンパは、トラックおよび第1情報記録層の層番号情報部に対応するピットXを形成可能な凹凸面を有しているので、基板21の射出成形と同時に、トラックおよびピットXが形成される。
金属スタンパの凹凸面は、例えば、レジスト層を設けたガラス原盤に溝を形成する際に用いるレーザビームを用いても、形成できる。
第1中間層27は、例えば、紫外線硬化樹脂を含み、下記のようにして形成できる。
基板21上に形成された第1情報記録層22に、紫外線硬化樹脂を含んだドーナツ状のUV硬化性シートを貼り付ける。貼付けは、例えば、ローラ貼り合わせ機等を用いる。次いで、トラックおよび層番号情報部に対応するピットXを形成可能な凹凸面を有するスタンパ基板をUV硬化性シートに押し付けて、UV硬化性シートに凹凸面の凹凸を転写する。次に、スタンパ基板越しにUV硬化性シートに紫外線を照射する。UV硬化性シートは硬化して第1中間層27となる。その後、第1中間層27からスタンパ基板を剥離する。第2中間層28および第3中間層29についても第1中間層27と同様の材料および方法で形成できる。第1〜第3中間層27,28,29の厚みは、通常、5μm〜25μmが適当である。
スタンパ基板の材料について特に制限はないが、例えば、ポリカーボネートやポリオレフィン等が用いられる。スタンパ基板は、例えば、射出成形により形成される。
尚、中間層は、下記の方法でも形成できる。まず、情報記録層に、紫外線硬化樹脂を含む塗料を塗布する。次いで、塗布された塗料に、トラックおよび層番号情報部に対応するピットXを形成可能な凹凸面を有するスタンパ基板を貼りつける。その後、スタンパ基板越しに塗料に紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させ、塗布された塗料を中間層とした後、中間層からスタンパ基板を剥離する。
また、層番号情報部に対応するピットXの形成方法は、上記金属スタンパやスタンパ基板を用いる方法に限定されない。ピットXは、例えば、レーザパワーが0.1W〜5Wと高いレーザビームを用いて形成してもよい。
光透過層26は、例えば、紫外線硬化性樹脂等を用いてスピンコート法等により形成できる。光透過層の厚みは、通常、30μm〜60μmが適当である。
図1に示した例では、基板21として、直径120mm、中心径15mm、厚みが約1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。第1中間層〜第3中間層27,28,29の厚みはそれぞれ20μmとし、光透過層の厚みは40μmとした。
次に、図3〜図5を用いて、図1および図2を用いて説明した光情報記録媒体の層番号情報部についてより具体的に説明する。図3、図4、図5は、それぞれ、第2情報記録層23、第3情報記録層24、第4情報記録層25の層番号情報部に対応する記録マークX(ピットX)および記録データを示した概念図である。図3〜図5において、黒塗りマークは、層番号情報部に対応する記録マークXを示しており、「1」「0」は、記録データを示している。
第1中間層27のL1面27a、第2中間層28のL2層28a、第3中間層29のL3層29aには、それぞれ、図3〜図5に示すようなピットX、またはピットX列が形成されている。したがって、第2情報記録層23の層番号情報部から記録データ1−0を、第3情報記録層の層番号情報部から記録データ1−1を、第4情報記録層の層番号情報部から記録データ0−1を読み取ることができる。
尚、基板21のL0面21aには記録マークXが形成されていないので、第1情報記録層22は、層番号情報部を備えていない。しかし、第1情報記録層22からは、記録データ0−0が読み取られるので、第1情報記録層22を他の情報記録層から判別できる。このように、n個の情報記録層を含む光情報記録媒体において、(n−1)個以上の情報記録層のそれぞれが、層番号情報部を備えていれば、層番号情報の再生により、いずれの情報記録層にレーザ光が照射されているかを確認できる。
本例では、層番号情報とは異なる情報として情報記録層に記録されたピットYの最長ピット長が1.6μm、そのピット幅が2μmであったため、層番号情報部に対応するピットXのピット長は3μmとし、ピット幅は0.3μmとした。
層番号情報の再生は、各情報記録層の層番号情報部にフォーカス制御されたレーザ光を照射することによって行える。図2に示した光情報記録媒体のように、4層の情報記録層を含む媒体の場合、0−0、0−1、1−1、1−0の4つの記録データのパターンにより、レーザ光がどの情報記録層に照射されているかを確認できる。
次に、図6を用いて、本実施形態の光情報記録媒体の他の一例を説明する。本例も図1に示した光情報記録媒体と同様、4層の情報記録層を備えている。
図6に示すように、本実施形態の光情報記録媒体の第2情報記録層は、複数のピットX64(ピットX列65とも言う)に対応して形成された層番号情報部を備えている。図6に示した例においても、第2情報記録層は、データ領域61と非データ領域(データ領域外内周部63、データ領域外外周部62)とからなる。本例では、ピットX64が、第1中間層27のL1面27aのうちの、データ領域外内周部63の直下の領域、およびデータ領域外外周部62の直下の領域に形成されている。そのため、層番号情報部は、データ領域外内周部63内およびデータ領域外外周部62内に在る。
第2情報記録層の層番号情報部が、データ領域61内に在ると、データ記録容量が低減するが、図6に示した例のように、非データ領域(データ領域外内周部63、データ領域外外周部62)に在ると、データ記録容量の低減を伴うことなく層番号情報部を備えた光情報記録媒体を提供できる。
図7は、第2情報記録層上にフォーカス制御された再生光を走行させて得た再生信号の波形図である。尚、再生光の線速度は5m/s、レーザパワーは0.3mWとした。
図7において、71は、ピットX列65に対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形であり、72は、データ領域外内周部63内の層番号情報部以外の箇所の再生信号波形である。
ピットX64に対応して形成された層番号情報部の一部分では反射光量が減少するため、当該一部分における再生信号強度は、層番号情報部以外の箇所におけるそれより低い。そのため、層番号情報部は大きな信号振幅として再生される。次いで、再生された信号は復調されて、後述するトータルコントローラにより確認される。
このように、データ領域外内周部63とデータ領域外外周部62の一方、若しくは両方に層番号情報部を備える場合には、データ記録容量の低減を伴うことなく層番号情報部を有する光情報記録媒体を提供できる。
図8は、第2情報記録層が、データ領域61に、ピットX列65に対応する層番号情報部を備えている場合に、第2情報記録層上にフォーカス制御された再生光を走行して得た再生信号の波形図である。尚、データ領域61内には、層番号情報とは異なる情報としてピットYが形成されている。
図8において、81は、ピットX例65に対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形であり、82は、上記ピットYの再生信号波形である。
図7に示した場合と同様、ピットX列65を構成するピットX64では、反射光量が減少するため、層番号情報部の一部分における再生信号強度は、第2情報記録層の層番号情報部以外の箇所におけるそれより低い。また、ピットX64の周方向(レーザ光の走行方向)の長さは、ピットYのそれより長いため、ピットX64に対応する波形、すなわち、層番号情報部の一部分に対応する波形は、ピットYに対応する波形と区別できる。
ローパスフィルターによって、総再生信号波形から、ピットYに対応する再生信号波形82を除去すれば、ピットX列に対応する層番号情報部の信号振幅のみを再生信号として再生できる。
ピットX列65に対応して形成された層番号情報部は、第2情報記録層のうちのデータ領域61内にのみに在ってもよいが、非データ領域内、または、データ領域61と非データ領域62,63の両領域内に在ってもよい。ピットX列65に対応して形成された層番号情報が、再生光スポットが通過する軌道上にあれば、層番号情報を再生できる。
一定の角速度で光情報記録媒体を回転して情報を記録再生する場合、単位時間あたりに進む距離(線速度)で考えると、外周は内周よりも単位時間に進む距離が長いことになる。そのため、相対的に内周側の円周内よりも外周側の円周内に、同一の層番号情報部をより多く備えると、より速く層番号情報を読み出すことができる。
次に、図9〜図14を用いて、本実施形態の光情報記録媒体のさらに別の例を説明する。これらの例も図1に示した光情報記録媒体と同様、4層の情報記録層を備えている。
図9に示した例では、第2情報記録層が、1つのピット113に対応して形成された層番号情報部を備えている。本例では、層番号情報部は、データ領域外内周部112(非データ領域)内に在る。層番号情報の再生は、第2情報記録層のうちの層番号情報部を含む所定領域の上方に光ヘッドを配置し、フォーカス制御されたレーザ光を上記所定領域に照射することにより行われる。
本例では、同一円周内に同一の層番号情報部を4つ備え、所定の半径方向に沿って同一の層番号情報部を4つ備えている。そのため、所定の円周内のいずれの箇所から再生光の照射を開始した場合であっても、同一円周内の4つの層番号情報部のうちのいずれか1つの上を再生光が通過することで、第2情報記録層の層番号情報を読み取ることができる。
また、上記所定の円周内に層番号情報部がなくても、光ヘッドを径方向に移動させながら、回転中の光情報記録媒体に対してさらに再生光を照射し続ければ、所定の半径方向に沿って形成された4つの層番号情報部のいずれかを読み取ることができる。
このように、径方向に同一の層番号情報部を複数備え、および、同一円周内に同一の層番号情報部を複数備えておけば、層番号情報を、より速く読み取り可能であり、情報の記録再生の開始迄にかかる時間をより短縮できる。
尚、同一円周内に在る層番号情報部の数については、1つ以上であれば特に制限はなく、2つでも、3つでも、5つ以上でもよい。同一円周内に在る複数の層番号情報部の間隔についても特に制限はなく、等間隔であってもよいし、等間隔でなくてもよい。また、所定の半径方向に沿って存在する層番号情報部の数についても1つ以上であれば特に制限はなく、2つでも、3つでも、5つ以上でもよい。
図10に示した例では、第2情報記録層が、単一の溝123に対応して形成された層番号情報部を備えている。溝123は、その長手方向が光情報記録媒体の径方向と同方向に配向している。また、本例では、4つの溝123が放射状に形成されている。そのため、所定の円周内のいずれの箇所から、再生光の照射を開始した場合であっても、4つの溝123のうちのいずれかの上を横切るように再生光が通過することで、層番号情報部から層番号情報を読み取ることができる。尚、溝123の数は1個以上であれば制限はなく、2つでも、3つでも、5つ以上でもよい。
記録マークXとしての溝123は、光情報記録媒体の半径方向に沿って形成されているので、図9における複数のピットX113と同様に機能していると言える。しかし、上記溝123は、半径方向に切れ目無く形成されているので、図9に示したように複数の記録マークを半径方向に沿って形成する場合よりも、層番号情報を高品質の信号として読み取ることができる。
図11に示した例では、図9に示した例と同様に、第2情報記録層が、1つのピット132に対応して形成された層番号情報部を備えている。しかし、本例では、ピット132はいずれも、第1中間層のL1面のうちの、第2情報記録層のデータ領域131の直下の領域内に形成されており、層番号情報部は、第2情報記録層のデータ領域131内に在る。
図12に示した例では、図10に示した例と同様に、第2情報記録層が、単一の溝142に対応して形成された層番号情報部を備えている。しかし、本例では、溝142はいずれも、第1中間層のL1面のうちの、第2情報記録層のデータ領域141の直下の領域内に形成されており、層番号情報部は、データ領域141内に在る。このように、記録マークXが、上記溝142からなる場合は、その溝幅が、データ領域141内に形成される記録マークYの周方向の長さよりも長ければよく、溝幅が、記録マークYの周方向の長さの1.5倍以上であれば好ましい。
図13に示した例では、データ領域内151に、データ領域内鏡面部152が設けられており、そこに、単一の溝153に対応して形成された層番号情報部が在る。データ領域鏡面部152の面積は、その形成に伴うデータ記録容量の減少量が最小となるように設定すること好ましい。データ領域内鏡面部152内に層番号情報部が在ると、層番号情報の再生品質が向上する。
図14に示した例では、第2情報記録層が、形態の異なる2種の層番号情報部を備えている。一方は、ピット163aに対応して形成された層番号情報部であり、他方は、溝163bに対応して形成された層番号情報部である。本例では、層番号情報部はいずれも、データ領域161外の、データ領域外内周部162に在る。
図9〜図14に示した例では、いずれも、1つの層番号情報部に対応する1以上の記録マークが、溝のみ、またはピットのみから構成されているが、本実施形態の光情報記録媒体はこれに限定されない。1つの層番号情報部は、1以上の溝および1以上のピットに対応して形成されていてもよい。また、1以上の記録マークXに対応して形成される層番号情報部の形態は、情報記録層ごとに異なっていてもよい。また、図9、図11に示した例では、所定の半径方向に沿って同一の層番号情報部を複数備えているが、これらは必ずしも上記半径方向に沿ってなくてもよく、少なくとも1つが円周方向にずれていてもよい。
図9〜図14に示した例では、第2情報記録層の層番号情報部について説明したが、他の情報記録層も、同様の要領で層番号情報部を有している。情報記録層の数は、複数であれば4つに制限されない。そして、n個の情報記録層から選ばれる少なくとも2つの情報記録層について、層番号情報部の数、層番号情報部の配置場所、および層番号情報部の形態のうちの少なくとも1つが、情報記録層ごとに異なっていてもよい。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の情報記録再生装置の一例、情報記録再生方法の一例について説明する。図15は本実施形態の情報記録再生装置の一例の構成図であり、図16は、図15に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法を説明するフローチャートである。図17は本実施形態の情報記録再生装置の他の例の構成図であり、図18は、図17に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法を説明するフローチャートである。
実施形態2では、本発明の情報記録再生装置の一例、情報記録再生方法の一例について説明する。図15は本実施形態の情報記録再生装置の一例の構成図であり、図16は、図15に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法を説明するフローチャートである。図17は本実施形態の情報記録再生装置の他の例の構成図であり、図18は、図17に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法を説明するフローチャートである。
図15に示すように、本実施形態の情報記録再生装置90は、光情報記録媒体91を回転させるためのモータ92と、光ヘッド93とを備えている。光ヘッド93は、レーザ光を出射する光源と、フォーカス動作装置と、トラッキング動作装置とを含み、光情報記録媒体91の所定の情報記録層の層番号情報部から層番号情報を読み取り可能である。
また、情報記録再生装置90は、光ヘッド93を光情報記録媒体の半径方向に移動可能な送り機構94と、送り機構94を駆動する送りドライバ96と、光ヘッド93のフォーカス動作装置とトラッキング動作装置を駆動するフォーカス・トラッキングドライバ95と、フォーカス・トラッキングドライバ95、送りドライバ96、および回転モータ92を制御する制御部97と、層番号情報を再生するために光ヘッド93のレーザパワーを変調させるレーザドライバ98と、レーザドライバ98のパワー制御を行うレーザパワー制御部99と、光ヘッド93により読み取られた層番号情報を復調する信号復調器101と、制御部97およびレーザパワー制御部99を制御するトータルコントローラ100とをさらに備えている。
光ヘッド93には、例えば、開口数(NA)が0.85の対物レンズと、波長405nmのレーザ光を出射可能な光源とを備えた光ヘッドを用いる。
図17に示した情報記録再生装置は、フィードバック回路102を更に備えたこと以外は、図15に示した情報記録再生装置と同様の構成をしている。フィードバック回路102は、トータルコントローラ100による、層番号情報の確認結果に基づいて、所定の情報記録層とは異なる他の情報記録層の層番号情報を読み取るために、フォーカス動作装置を制御する機能を有する。
次に、図15に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法について、図15および図16を用いて説明する。
本実施形態の情報記録再生方法では、光情報記録媒体の所定の情報記録層の層番号情報部から層番号情報を確認し、その後、上記所定の情報記録層に対して情報を記録および/または再生する。
より具体的には、図15および図16に示すように、まず、光情報記録媒体を情報記録再生装置90内に挿入し、光情報記録媒体を回転モータ92によって回転させる(ステップ103)。
次に、所定の情報記録層の一方の主面のうちの、層番号情報部を含む所定領域の上方に光ヘッド93が配置されるよう、送り機構94により光ヘッド93を半径方向に移動させる(ステップ104)。その後、トータルコントローラ100により、レーザパワー制御部99、レーザドライバ98および光ヘッド93を介して、光情報記録媒体91に所望のレーザパワーを保持した再生用レーザ光を照射する。これと同期して、フォーカス・トラッキングドライバ95により、フォーカス制御を行う(ステップ105)。
次に、光ヘッド93により層番号情報を読み取り、読み取られた層番号情報を信号復調器101で復調し、復調された層番号情報をトータルコントローラ100で確認する(ステップ106)。
トータルコントローラ100によって、層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報であることが確認されると、当該情報記録層に対してトラッキング制御が行われ(ステップ107)、その後、当該情報記録層に対して情報の記録又は再生が行われる(ステップ108)。
次に、図17に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法について図17および図18を用いて説明する。
情報記録再生装置90が大きな衝撃を受けた場合や、ディスクに欠陥等が有る場合に、フォーカス・トラッキング制御が効かないことがある。このような場合、トータルコントローラ100から、制御部97を通して、フォーカス・トラッキングドライバ95へ、光ヘッド93のフォーカス動作装置を駆動させる信号のみが伝達される。光ヘッド93により読み取られた層番号情報の再生信号は信号復調器102で復調され、次いで、トータルコントローラ100による確認によって、読み取られた層番号情報がいずれの情報記録層の層番号情報であるか、照合される(ステップ106)。そして、トータルコントローラ100による確認結果に応じて、下記の処理(a)または(b)が行なわれる。
(a)復調された層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報でないと確認された場合、所定の情報記録層とは異なる情報記録層に対して、所定領域の上方への光ヘッドの配置(ステップ104)、フォーカス制御された前記レーザ光の照射(ステップ105)および層番号情報の確認(ステップ106)を行い、この一連のステップを所望の情報記録層の層番号情報が得られるまで繰り返す。そして、所望の情報記録層の層番号情報が得られた後に、その情報記録層に対してトラッキング制御を行う。
(b)復調された層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報であると確認された場合、その情報記録層に対してトラッキング制御を行う。
このような、フィードバック回路102によるフィードバック制御は必須ではないが、光情報記録媒体に含まれる情報記録層の層数が多い場合、所望の情報記録層への情報の記録再生を開始するまでの時間を短縮する上で、上記フィードバック制御は非常に有効に働く。
尚、情報記録再生装置において、層番号情報の再生は、データ領域に記録される記録マークYを再生する際のレーザパワーと同じレーザパワーで行うことが好ましい。また、記録マークYの記録途中において、再度層番号情報を再生する際には、データ領域に記録された記録マークYを再生するための再生光のレーザパワーと同じレーザパワーで行うと好ましい。フォーカス制御された記録光で層番号情報の再生を行うと、データ領域に記録された情報を誤って消してしまう恐れがあるからである。
実施形態1の光情報記録媒体は相変化型の光情報記録媒体であるが、本発明の光情報記録媒体はこれに限定されない。本発明の光情報記録媒体は、例えば、記録マークXがピットXとして記録され、情報記録層が、例えば、Ag、AL、Siを主成分とする反射膜からなる、いわゆる再生専用型であってもよいし、ライトワンス型であってもよい。
以上、本発明について一例をあげて説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用できる。
本発明では、層番号情報をより速く読み取り可能とすることにより、所望の情報記録層に対する情報の記録再生をより速く開始可能な光情報記録媒体およびその情報記録再生方法、並びに、情報記録再生装置を提供できる。本発明は、特に、情報記録層を数多く含む光情報記録媒体に対して有用である。
本発明は、光情報記録媒体およびその情報記録再生方法、並びに情報記録再生装置に関する。
近年、情報記録の分野では、様々な光情報記録媒体に関する研究が進められている。光ディスクなどの光情報記録媒体は、高密度記録が可能であり、非接触で記録および/または再生が行え、安価に提供できるので、幅広い用途での応用が実現されつつある。
現在では、高密度化の実現のために、レーザ波長が例えば約400nmと短い光源と、開口数(NA)が例えば0.85と大きい対物レンズとを含む光ヘッドを備えた情報記録再生装置によって、情報が記録および/または再生される光ディスクが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
光ディスクに形成される記録マークの大きさは光スポットの大きさに比例し、光スポットサイズが小さくなると、記録密度の高密度化がはかれる。光スポットサイズは、照射レーザ光の波長をλとするとλ/NAによって決まる。よって、記録密度の高密度化のためには、NAを大きくすればよいことになる。
しかし、NAを大きくすることによりスポットサイズを小さくすると、ディスクの僅かな傾きが深刻な再生不良をもたらしてしまう。この不都合を埋め合わせるために、上記光ディスクでは、レーザ入射側の最外層として配置された光透過層の厚さを0.1mm程度と薄くして、チルトマージンを大きくしている。
薄い光透過層を形成する方法としては、キャスティング法で作製された樹脂フイルムを、UV接着剤やアクリル粘着剤等を用いて、情報記録層に貼り付ける方法が提案されている。
図19に、従来の光情報記録媒体10の構成図を示している。光情報記録媒体10は、トラック形成用の凹凸が形成された基板11上に情報記録層12が配置され、情報記録層12に接着層13を介して樹脂フイルムからなる光透過層14が接着されている。
上記従来の光情報記録媒体においては、例えば、フレーム毎にアドレス情報や層番号情報が予め記録されており、これらの情報を頼りに記録再生時等における、光ヘッドの正確な位置合わせが行われている(例えば特許文献3参照)。
特開平8−235638号公報
特開平10−283683号公報
特開平3−83234号公報
しかし、上記層番号情報等は、フォーカス動作及びトラッキング動作を行うことにより、初めて読み取ることができる。そのため、従来の光情報記録媒体には以下の課題があった。
(1)光情報記録媒体を情報記録再生装置にセットしてから、情報の記録および/または再生を開始させるまでにかかる時間が長い。
(2)フォーカス位置および/またはトラッキング位置が所望の位置からずれた場合、位置決めのしなおしに時間がかかる。
(3)所望の情報記録層にレーザ光を集光させることができなかった場合に、他の情報記録層に対して、改めて、フォーカス位置決めおよびトラッキング位置決めを行わなければならないが、このような層間検出に時間がかかる。
(2)フォーカス位置および/またはトラッキング位置が所望の位置からずれた場合、位置決めのしなおしに時間がかかる。
(3)所望の情報記録層にレーザ光を集光させることができなかった場合に、他の情報記録層に対して、改めて、フォーカス位置決めおよびトラッキング位置決めを行わなければならないが、このような層間検出に時間がかかる。
このような事情から、ユーザーが、例えば、所望の情報を再生しようとした場合に、その情報が記録された情報記録層の検出に時間がかかるという問題がある。また、この問題は、情報記録層の層数が増えれば増えるほどより顕著となる。
そして、この問題は、例えば、波長が約400nmのレーザ光を用いて情報が記録および/または再生される上記光ディスクに限った問題ではなく、複数の情報記録層を含む光情報記録媒体に共通の問題である。
本発明は、上記従来の問題に鑑みて提案されたものであり、層番号情報をより速く読み取り可能とすることにより、所望の情報記録層に対する情報の記録再生をより速く開始可能な光情報記録媒体およびその情報記録再生方法、並びに、情報記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明の光情報記録媒体は、基板と、前記基板上に配置されたn個の情報記録層と、情報記録層間に配置された中間層とを含み、(n−1)個以上の前記情報記録層のそれぞれは、1以上の記録マークXに対応して形成された、層番号情報を含む層番号情報部を備え、各記録マークXの周方向の長さは、前記情報記録層に記録される他の情報の記録に用いられる記録マークYのそれより長いことを特徴とする。ただし、前記nは2以上の整数であり、前記層番号情報とは、所定の情報記録層がいずれの情報記録層であるかを確認するための情報である。
本発明の情報記録再生装置は、本発明の光情報記録媒体に対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置であって、レーザ光を出射する光源と、フォーカス動作装置と、トラッキング動作装置とを含み、前記光情報記録媒体の所定の前記情報記録層の前記層番号情報部から前記層番号情報を読み取り可能な光ヘッドと、前記光ヘッドにより読み取られた層番号情報を復調する信号復調器と、前記復調された層番号情報を確認するトータルコントローラと、を含むことを特徴とする。
本発明の情報記録再生方法は、本発明の情報記録再生装置を用いて本発明の光情報記録媒体に対する情報の記録再生をする情報記録再生方法であって、前記光情報記録媒体の前記所定の情報記録層の前記層番号情報を確認する第1工程と、前記第1工程後に、前記所定の情報記録層に対して情報を記録再生する第2工程と、を含み、前記第1工程において、前記所定の情報記録層の前記層番号情報部を含む所定領域の上方に前記光ヘッドを配置し、フォーカス制御された前記レーザ光を前記所定領域に照射して、前記光ヘッドにより前記層番号情報を読み取り、読み取られた前記層番号情報を前記信号復調器で復調し、復調された前記層番号情報を前記トータルコントローラで確認し、前記トータルコントローラによる確認後に、前記所定の情報記録層に対してトラッキング制御を行うことを特徴とする。
本発明の別の情報記録再生方法は、本発明の記録再生装置を用いて本発明の光情報記録媒体に対する情報の記録再生をする情報記録再生方法であって、前記光情報記録媒体の所定の前記情報記録層の前記層番号情報を確認する第1工程と、前記第1工程後に、前記所定の情報記録層に対して情報を記録再生する第2工程とを含み、前記第1工程において、前記所定の情報記録層の前記層番号情報部を含む所定領域の上方に前記光ヘッドを配置し、フォーカス制御された前記レーザ光を前記所定領域に照射して、前記光ヘッドにより前記層番号情報を読み取り、読み取られた前記層番号情報を前記信号復調器で復調し、復調された前記層番号情報が、所望の情報記録層の層番号情報であるか否かを、前記トータルコントローラで確認し、この確認結果に従って、(a)前記復調された前記層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報でないと確認された場合は、前記所定の情報記録層とは異なる別の情報記録層に対して、前記所定領域の上方への前記光ヘッドの配置、フォーカス制御された前記レーザ光の照射、および前記層番号情報の確認を行い、(b)前記復調された前記層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報であると確認された場合は、前記所定の情報記録層に対してトラッキング制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、層番号情報をより速く読み取り可能とすることにより、所望の情報記録層に対する情報の記録再生をより速く開始可能な光情報記録媒体およびその情報記録再生方法、並びに、情報記録再生装置を提供できる。
本発明の光情報記録媒体の一例では、記録マークXが、各情報記録層が隣接した基板または中間層に形成されている。記録マークXは、例えば、溝またはピットであり、1以上の記録マークXは、溝およびピットのうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
本発明の光情報記録媒体の一例では、1以上の記録マークXは、複数の記録マークXを含む記録マークX列(例えば、ピットX列)であり、この記録マークX列に対応して、隣接する情報記録層に1つの層番号情報部が形成される。複数の記録マークXは、例えば、基板または中間層の円周方向に沿って形成される。
本発明の光情報記録媒体の一例では、記録マークXが、その長手方向が光情報記録媒体の径方向と同方向の溝からなる。n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層は、同一の層番号情報部を複数個備えていると好ましい。層番号情報部に対応する記録マークXが上記溝である場合、基板または中間層に複数の溝が放射状に形成され手いると好ましい。すなわち、情報記録層に、複数の層番号情報部が放射状に形成さていると好ましい。
本発明の光情報記録媒体の一例では、n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層は、同一円周内に同一の層番号情報部を複数個備えていると好ましい。この場合、複数の層番号情報部のうちの、いずれか1つの層番号情報部の上を再生光が通過することで層番号情報を読み取ることができる。そのため、層番号情報を、より速く読み取り可能であり、よって、情報の記録再生を開始させる迄にかかる時間をより短縮できる。
本発明の光情報記録媒体の一例では、n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層が、中心が同一で半径が異なる2以上の円周内のそれぞれに、少なくとも1つの層番号情報部を備えている。この場合、相対的に内周側の円周内よりも外周側の円周内の方が、層番号情報部を数多く備えていると好ましい。一定の角速度で光情報記録媒体を回転して、情報を記録再生する場合、相対的に内周側の円周内よりも外周側の円周内に、層番号情報部をより多く備えると、より速く層番号情報を読み取ることができるからである。
本発明の光情報記録媒体の一例では、n個の情報記録層から選ばれる少なくとも2つの情報記録層について、層番号情報部の数、層番号情報部の形成場所、および層番号情報部の形態のうちの少なくとも1つが、情報記録層ごとに異なる。
本発明の光情報記録媒体の一例では、情報記録層が、記録マークYが形成されるデータ領域と、データ領域外の非データ領域とからなり、層番号情報部は、非データ領域内に在ると好ましい。この場合、データ記録容量の低減を伴うことなく、層番号情報部を備えた光情報記録媒体を提供できる。また、非データ領域は鏡面領域とも呼ばれるが、層番号情報部が鏡面領域内に在ると、層番号情報の再生品質が向上する。
本発明の光情報記録媒体の一例では、層番号情報部は、少なくとも2バイト以上の層番号情報を含んでいる。
本発明の光情報記録媒体に情報を記録再生する情報記録再生装置の一例では、トータルコントローラによる確認結果に基づいて、所定の情報記録層とは異なる他の情報記録層の層番号情報を読み取るためにフォーカス動作装置を制御する、フィードバック回路をさら含んでいると好ましい。光情報記録媒体に含まれる情報記録層の層数が多い場合、所望の情報記録層への情報の記録再生を開始するまでの時間を短縮する上で、フィードバック制御は非常に有効に働くからである。
本発明の情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法の一例では、層番号情報の光ヘッドによる読み取りを、情報記録層に記録された情報を再生する際のレーザパワーと同じレーザパワーで行うと好ましい。フォーカス制御された記録光で層番号情報の再生を行うと、データ領域に記録された情報を誤って消してしまう恐れがあるからである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の光情報記録媒体の一例について説明する。図1は本実施形態の光情報記録媒体の一例の平面概念図であり、図2は、図1に示した光情報記録媒体のデータ領域の断面図である。
実施形態1では、本発明の光情報記録媒体の一例について説明する。図1は本実施形態の光情報記録媒体の一例の平面概念図であり、図2は、図1に示した光情報記録媒体のデータ領域の断面図である。
図2に示すように、本実施形態の光情報記録媒体は、基板21上に、第1情報記録層22、第1中間層27、第2情報記録層23、第2中間層28、第3情報記録層24、第3中間層29、第4情報記録層25、光透過層26がこの順で配置された構造をしている。
基板21,第1中間層27、第2中間層28、および第3中間層の一方の主面は、トラキング用の案内溝が形成されているので凹凸表面からなっている。以下、これらの凹凸表面を、L0面21a、L1面27a、L2面28a、L3面29aと呼ぶ場合もある。また、第1〜第4情報記録層を総称して単に情報記録層と呼ぶ場合もあり、第1〜第3中間層を総称して単に中間層と呼ぶ場合もある。
図1および図2に示すように、第2情報記録層23は、ピットX64(記録マークX)に対応して形成された層番号情報部を備えている。ピットX64は、第2情報記録層23に接した第1中間層27のL1面27aに形成されているが(図2には図示せず。)、第2情報記録層23の厚みが極めて薄いので、L1面27a上にスパッタリングや蒸着等の方法により形成された第2情報記録層23も、ピットX64に対応した窪みを備える。本実施形態の光情報記録媒体では、この窪みが、層番号情報を含む層番号情報部として機能している。
また、図示していないが、第3情報記録層24、第4情報記録層25に接した中間層のL2面28a、L3面29aにも記録マークXが形成されている。よって、L2面28a、L3面29aに接した第3情報記録層24、第4情報記録層25も、それぞれ、層番号情報部を備えている。
各情報記録層は、データ領域61と、データ領域61外の非データ領域とからなる。データ領域61には、層番号情報とは異なる情報の記録に用いられる記録マークYが形成される。非データ領域は、データ領域外外周部62とデータ領域外内周部63とを含んでいる。図1に示した例では、ピットX64が、第1中間層27のL1面27aのうちの、データ領域外内周部63の直下の領域内に形成されている。そのため、第2情報記録層23は、データ領域外内周部63に層番号情報部を備えている。
ピットX64は、層番号情報とは異なる情報としてデータ領域61に形成され得る記録マークY(例えば、ピットY)よりも、周方向の長さ、すなわち、ピット長がより長く形成されており、光ヘッドのフォーカス動作のみにより読み取り可能である。そのため、フォーカス動作とトラッキング動作の両方を行うことにより、層番号情報が読み取られていた、従来の光情報記録媒体よりも、層番号情報をより速く読み取れ、よって、情報記録層に対する情報の記録再生をより速く開始させることができる。
さらに、後述のとおり、記録マークXとしてのピットX64は、基板や中間層の形成と同時に形成されるので、工程数の増加およびコストの増加を伴わずに、層番号情報部を備えた光情報記録媒体を作製できる。
ピットX64のピット長については、フォーカス動作のみにより読み取り可能であれば特に制限はないが、例えば、データ領域61に形成されるピットYのピット長が、0.05μm〜2μmである場合、ピットXのピット長は、3μm〜200μmであると好ましい。このように、ピットXのピット長が、ピットYのそれの約1.5倍以上であると、フォーカス動作のみによる層番号情報の読み取りが良好に行える。
第1情報記録層22の構成については特に制限はなく、従来の光情報記録媒体の情報記録層と同様の構成をしていてもよいが、例えば、基板21側から、反射膜、第1保護膜、記録膜、第2保護膜がこの順で配置された構成をしている。反射膜の材料としては、例えばAg化合物等が、第1保護膜および第2保護膜の材料としては、例えばZnS−SiO2等が用いられる。記録膜の材料としては、例えば、熱によって結晶状態が変化する相変化材料が用いられ、より具体的には、GeSbTe等が用いられる。これらの膜は、いずれも、例えば、スパッタリングや蒸着等の方法により形成できる。
第2情報記録層23、第3情報記録層24、および第4情報記録層25についても、第1情報記録層22と同様の構造をしており、材料および方法についても第1情報記録層と同様である。
基板21の材料について特に制限はないが、例えば、ポリカーボネートまたはアクリル系樹脂等が用いられる。基板21は、例えば、金属金型(金属スタンパとも呼ばれる)を用いて射出成形などにより形成される。金属スタンパは、トラックおよび第1情報記録層の層番号情報部に対応するピットXを形成可能な凹凸面を有しているので、基板21の射出成形と同時に、トラックおよびピットXが形成される。
金属スタンパの凹凸面は、例えば、レジスト層を設けたガラス原盤に溝を形成する際に用いるレーザビームを用いても、形成できる。
第1中間層27は、例えば、紫外線硬化樹脂を含み、下記のようにして形成できる。
基板21上に形成された第1情報記録層22に、紫外線硬化樹脂を含んだドーナツ状のUV硬化性シートを貼り付ける。貼付けは、例えば、ローラ貼り合わせ機等を用いる。次いで、トラックおよび層番号情報部に対応するピットXを形成可能な凹凸面を有するスタンパ基板をUV硬化性シートに押し付けて、UV硬化性シートに凹凸面の凹凸を転写する。次に、スタンパ基板越しにUV硬化性シートに紫外線を照射する。UV硬化性シートは硬化して第1中間層27となる。その後、第1中間層27からスタンパ基板を剥離する。第2中間層28および第3中間層29についても第1中間層27と同様の材料および方法で形成できる。第1〜第3中間層27,28,29の厚みは、通常、5μm〜25μmが適当である。
スタンパ基板の材料について特に制限はないが、例えば、ポリカーボネートやポリオレフィン等が用いられる。スタンパ基板は、例えば、射出成形により形成される。
尚、中間層は、下記の方法でも形成できる。まず、情報記録層に、紫外線硬化樹脂を含む塗料を塗布する。次いで、塗布された塗料に、トラックおよび層番号情報部に対応するピットXを形成可能な凹凸面を有するスタンパ基板を貼りつける。その後、スタンパ基板越しに塗料に紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させ、塗布された塗料を中間層とした後、中間層からスタンパ基板を剥離する。
また、層番号情報部に対応するピットXの形成方法は、上記金属スタンパやスタンパ基板を用いる方法に限定されない。ピットXは、例えば、レーザパワーが0.1W〜5Wと高いレーザビームを用いて形成してもよい。
光透過層26は、例えば、紫外線硬化性樹脂等を用いてスピンコート法等により形成できる。光透過層の厚みは、通常、30μm〜60μmが適当である。
図1に示した例では、基板21として、直径120mm、中心径15mm、厚みが約1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。第1中間層〜第3中間層27,28,29の厚みはそれぞれ20μmとし、光透過層の厚みは40μmとした。
次に、図3〜図5を用いて、図1および図2を用いて説明した光情報記録媒体の層番号情報部についてより具体的に説明する。図3、図4、図5は、それぞれ、第2情報記録層23、第3情報記録層24、第4情報記録層25の層番号情報部に対応する記録マークX(ピットX)および記録データを示した概念図である。図3〜図5において、黒塗りマークは、層番号情報部に対応する記録マークXを示しており、「1」「0」は、記録データを示している。
第1中間層27のL1面27a、第2中間層28のL2層28a、第3中間層29のL3層29aには、それぞれ、図3〜図5に示すようなピットX、またはピットX列が形成されている。したがって、第2情報記録層23の層番号情報部から記録データ1−0を、第3情報記録層の層番号情報部から記録データ1−1を、第4情報記録層の層番号情報部から記録データ0−1を読み取ることができる。
尚、基板21のL0面21aには記録マークXが形成されていないので、第1情報記録層22は、層番号情報部を備えていない。しかし、第1情報記録層22からは、記録データ0−0が読み取られるので、第1情報記録層22を他の情報記録層から判別できる。このように、n個の情報記録層を含む光情報記録媒体において、(n−1)個以上の情報記録層のそれぞれが、層番号情報部を備えていれば、層番号情報の再生により、いずれの情報記録層にレーザ光が照射されているかを確認できる。
本例では、層番号情報とは異なる情報として情報記録層に記録されたピットYの最長ピット長が1.6μm、そのピット幅が2μmであったため、層番号情報部に対応するピットXのピット長は3μmとし、ピット幅は0.3μmとした。
層番号情報の再生は、各情報記録層の層番号情報部にフォーカス制御されたレーザ光を照射することによって行える。図2に示した光情報記録媒体のように、4層の情報記録層を含む媒体の場合、0−0、0−1、1−1、1−0の4つの記録データのパターンにより、レーザ光がどの情報記録層に照射されているかを確認できる。
次に、図6を用いて、本実施形態の光情報記録媒体の他の一例を説明する。本例も図1に示した光情報記録媒体と同様、4層の情報記録層を備えている。
図6に示すように、本実施形態の光情報記録媒体の第2情報記録層は、複数のピットX64(ピットX列65とも言う)に対応して形成された層番号情報部を備えている。図6に示した例においても、第2情報記録層は、データ領域61と非データ領域(データ領域外内周部63、データ領域外外周部62)とからなる。本例では、ピットX64が、第1中間層27のL1面27aのうちの、データ領域外内周部63の直下の領域、およびデータ領域外外周部62の直下の領域に形成されている。そのため、層番号情報部は、データ領域外内周部63内およびデータ領域外外周部62内に在る。
第2情報記録層の層番号情報部が、データ領域61内に在ると、データ記録容量が低減するが、図6に示した例のように、非データ領域(データ領域外内周部63、データ領域外外周部62)に在ると、データ記録容量の低減を伴うことなく層番号情報部を備えた光情報記録媒体を提供できる。
図7は、第2情報記録層上にフォーカス制御された再生光を走行させて得た再生信号の波形図である。尚、再生光の線速度は5m/s、レーザパワーは0.3mWとした。
図7において、71は、ピットX列65に対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形であり、72は、データ領域外内周部63内の層番号情報部以外の箇所の再生信号波形である。
ピットX64に対応して形成された層番号情報部の一部分では反射光量が減少するため、当該一部分における再生信号強度は、層番号情報部以外の箇所におけるそれより低い。そのため、層番号情報部は大きな信号振幅として再生される。次いで、再生された信号は復調されて、後述するトータルコントローラにより確認される。
このように、データ領域外内周部63とデータ領域外外周部62の一方、若しくは両方に層番号情報部を備える場合には、データ記録容量の低減を伴うことなく層番号情報部を有する光情報記録媒体を提供できる。
図8は、第2情報記録層が、データ領域61に、ピットX列65に対応する層番号情報部を備えている場合に、第2情報記録層上にフォーカス制御された再生光を走行して得た再生信号の波形図である。尚、データ領域61内には、層番号情報とは異なる情報としてピットYが形成されている。
図8において、81は、ピットX例65に対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形であり、82は、上記ピットYの再生信号波形である。
図7に示した場合と同様、ピットX列65を構成するピットX64では、反射光量が減少するため、層番号情報部の一部分における再生信号強度は、第2情報記録層の層番号情報部以外の箇所におけるそれより低い。また、ピットX64の周方向(レーザ光の走行方向)の長さは、ピットYのそれより長いため、ピットX64に対応する波形、すなわち、層番号情報部の一部分に対応する波形は、ピットYに対応する波形と区別できる。
ローパスフィルターによって、総再生信号波形から、ピットYに対応する再生信号波形82を除去すれば、ピットX列に対応する層番号情報部の信号振幅のみを再生信号として再生できる。
ピットX列65に対応して形成された層番号情報部は、第2情報記録層のうちのデータ領域61内にのみに在ってもよいが、非データ領域内、または、データ領域61と非データ領域62,63の両領域内に在ってもよい。ピットX列65に対応して形成された層番号情報が、再生光スポットが通過する軌道上にあれば、層番号情報を再生できる。
一定の角速度で光情報記録媒体を回転して情報を記録再生する場合、単位時間あたりに進む距離(線速度)で考えると、外周は内周よりも単位時間に進む距離が長いことになる。そのため、相対的に内周側の円周内よりも外周側の円周内に、同一の層番号情報部をより多く備えると、より速く層番号情報を読み出すことができる。
次に、図9〜図14を用いて、本実施形態の光情報記録媒体のさらに別の例を説明する。これらの例も図1に示した光情報記録媒体と同様、4層の情報記録層を備えている。
図9に示した例では、第2情報記録層が、1つのピット113に対応して形成された層番号情報部を備えている。本例では、層番号情報部は、データ領域外内周部112(非データ領域)内に在る。層番号情報の再生は、第2情報記録層のうちの層番号情報部を含む所定領域の上方に光ヘッドを配置し、フォーカス制御されたレーザ光を上記所定領域に照射することにより行われる。
本例では、同一円周内に同一の層番号情報部を4つ備え、所定の半径方向に沿って同一の層番号情報部を4つ備えている。そのため、所定の円周内のいずれの箇所から再生光の照射を開始した場合であっても、同一円周内の4つの層番号情報部のうちのいずれか1つの上を再生光が通過することで、第2情報記録層の層番号情報を読み取ることができる。
また、上記所定の円周内に層番号情報部がなくても、光ヘッドを径方向に移動させながら、回転中の光情報記録媒体に対してさらに再生光を照射し続ければ、所定の半径方向に沿って形成された4つの層番号情報部のいずれかを読み取ることができる。
このように、径方向に同一の層番号情報部を複数備え、および、同一円周内に同一の層番号情報部を複数備えておけば、層番号情報を、より速く読み取り可能であり、情報の記録再生の開始迄にかかる時間をより短縮できる。
尚、同一円周内に在る層番号情報部の数については、1つ以上であれば特に制限はなく、2つでも、3つでも、5つ以上でもよい。同一円周内に在る複数の層番号情報部の間隔についても特に制限はなく、等間隔であってもよいし、等間隔でなくてもよい。また、所定の半径方向に沿って存在する層番号情報部の数についても1つ以上であれば特に制限はなく、2つでも、3つでも、5つ以上でもよい。
図10に示した例では、第2情報記録層が、単一の溝123に対応して形成された層番号情報部を備えている。溝123は、その長手方向が光情報記録媒体の径方向と同方向に配向している。また、本例では、4つの溝123が放射状に形成されている。そのため、所定の円周内のいずれの箇所から、再生光の照射を開始した場合であっても、4つの溝123のうちのいずれかの上を横切るように再生光が通過することで、層番号情報部から層番号情報を読み取ることができる。尚、溝123の数は1個以上であれば制限はなく、2つでも、3つでも、5つ以上でもよい。
記録マークXとしての溝123は、光情報記録媒体の半径方向に沿って形成されているので、図9における複数のピットX113と同様に機能していると言える。しかし、上記溝123は、半径方向に切れ目無く形成されているので、図9に示したように複数の記録マークを半径方向に沿って形成する場合よりも、層番号情報を高品質の信号として読み取ることができる。
図11に示した例では、図9に示した例と同様に、第2情報記録層が、1つのピット132に対応して形成された層番号情報部を備えている。しかし、本例では、ピット132はいずれも、第1中間層のL1面のうちの、第2情報記録層のデータ領域131の直下の領域内に形成されており、層番号情報部は、第2情報記録層のデータ領域131内に在る。
図12に示した例では、図10に示した例と同様に、第2情報記録層が、単一の溝142に対応して形成された層番号情報部を備えている。しかし、本例では、溝142はいずれも、第1中間層のL1面のうちの、第2情報記録層のデータ領域141の直下の領域内に形成されており、層番号情報部は、データ領域141内に在る。このように、記録マークXが、上記溝142からなる場合は、その溝幅が、データ領域141内に形成される記録マークYの周方向の長さよりも長ければよく、溝幅が、記録マークYの周方向の長さの1.5倍以上であれば好ましい。
図13に示した例では、データ領域内151に、データ領域内鏡面部152が設けられており、そこに、単一の溝153に対応して形成された層番号情報部が在る。データ領域鏡面部152の面積は、その形成に伴うデータ記録容量の減少量が最小となるように設定すること好ましい。データ領域内鏡面部152内に層番号情報部が在ると、層番号情報の再生品質が向上する。
図14に示した例では、第2情報記録層が、形態の異なる2種の層番号情報部を備えている。一方は、ピット163aに対応して形成された層番号情報部であり、他方は、溝163bに対応して形成された層番号情報部である。本例では、層番号情報部はいずれも、データ領域161外の、データ領域外内周部162に在る。
図9〜図14に示した例では、いずれも、1つの層番号情報部に対応する1以上の記録マークが、溝のみ、またはピットのみから構成されているが、本実施形態の光情報記録媒体はこれに限定されない。1つの層番号情報部は、1以上の溝および1以上のピットに対応して形成されていてもよい。また、1以上の記録マークXに対応して形成される層番号情報部の形態は、情報記録層ごとに異なっていてもよい。また、図9、図11に示した例では、所定の半径方向に沿って同一の層番号情報部を複数備えているが、これらは必ずしも上記半径方向に沿ってなくてもよく、少なくとも1つが円周方向にずれていてもよい。
図9〜図14に示した例では、第2情報記録層の層番号情報部について説明したが、他の情報記録層も、同様の要領で層番号情報部を有している。情報記録層の数は、複数であれば4つに制限されない。そして、n個の情報記録層から選ばれる少なくとも2つの情報記録層について、層番号情報部の数、層番号情報部の配置場所、および層番号情報部の形態のうちの少なくとも1つが、情報記録層ごとに異なっていてもよい。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の情報記録再生装置の一例、情報記録再生方法の一例について説明する。図15は本実施形態の情報記録再生装置の一例の構成図であり、図16は、図15に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法を説明するフローチャートである。図17は本実施形態の情報記録再生装置の他の例の構成図であり、図18は、図17に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法を説明するフローチャートである。
実施形態2では、本発明の情報記録再生装置の一例、情報記録再生方法の一例について説明する。図15は本実施形態の情報記録再生装置の一例の構成図であり、図16は、図15に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法を説明するフローチャートである。図17は本実施形態の情報記録再生装置の他の例の構成図であり、図18は、図17に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法を説明するフローチャートである。
図15に示すように、本実施形態の情報記録再生装置90は、光情報記録媒体91を回転させるためのモータ92と、光ヘッド93とを備えている。光ヘッド93は、レーザ光を出射する光源と、フォーカス動作装置と、トラッキング動作装置とを含み、光情報記録媒体91の所定の情報記録層の層番号情報部から層番号情報を読み取り可能である。
また、情報記録再生装置90は、光ヘッド93を光情報記録媒体の半径方向に移動可能な送り機構94と、送り機構94を駆動する送りドライバ96と、光ヘッド93のフォーカス動作装置とトラッキング動作装置を駆動するフォーカス・トラッキングドライバ95と、フォーカス・トラッキングドライバ95、送りドライバ96、および回転モータ92を制御する制御部97と、層番号情報を再生するために光ヘッド93のレーザパワーを変調させるレーザドライバ98と、レーザドライバ98のパワー制御を行うレーザパワー制御部99と、光ヘッド93により読み取られた層番号情報を復調する信号復調器101と、制御部97およびレーザパワー制御部99を制御するトータルコントローラ100とをさらに備えている。
光ヘッド93には、例えば、開口数(NA)が0.85の対物レンズと、波長405nmのレーザ光を出射可能な光源とを備えた光ヘッドを用いる。
図17に示した情報記録再生装置は、フィードバック回路102を更に備えたこと以外は、図15に示した情報記録再生装置と同様の構成をしている。フィードバック回路102は、トータルコントローラ100による、層番号情報の確認結果に基づいて、所定の情報記録層とは異なる他の情報記録層の層番号情報を読み取るために、フォーカス動作装置を制御する機能を有する。
次に、図15に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法について、図15および図16を用いて説明する。
本実施形態の情報記録再生方法では、光情報記録媒体の所定の情報記録層の層番号情報部から層番号情報を確認し、その後、上記所定の情報記録層に対して情報を記録および/または再生する。
より具体的には、図15および図16に示すように、まず、光情報記録媒体を情報記録再生装置90内に挿入し、光情報記録媒体を回転モータ92によって回転させる(ステップ103)。
次に、所定の情報記録層の一方の主面のうちの、層番号情報部を含む所定領域の上方に光ヘッド93が配置されるよう、送り機構94により光ヘッド93を半径方向に移動させる(ステップ104)。その後、トータルコントローラ100により、レーザパワー制御部99、レーザドライバ98および光ヘッド93を介して、光情報記録媒体91に所望のレーザパワーを保持した再生用レーザ光を照射する。これと同期して、フォーカス・トラッキングドライバ95により、フォーカス制御を行う(ステップ105)。
次に、光ヘッド93により層番号情報を読み取り、読み取られた層番号情報を信号復調器101で復調し、復調された層番号情報をトータルコントローラ100で確認する(ステップ106)。
トータルコントローラ100によって、層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報であることが確認されると、当該情報記録層に対してトラッキング制御が行われ(ステップ107)、その後、当該情報記録層に対して情報の記録又は再生が行われる(ステップ108)。
次に、図17に示した情報記録再生装置を用いた情報記録再生方法について図17および図18を用いて説明する。
情報記録再生装置90が大きな衝撃を受けた場合や、ディスクに欠陥等が有る場合に、フォーカス・トラッキング制御が効かないことがある。このような場合、トータルコントローラ100から、制御部97を通して、フォーカス・トラッキングドライバ95へ、光ヘッド93のフォーカス動作装置を駆動させる信号のみが伝達される。光ヘッド93により読み取られた層番号情報の再生信号は信号復調器102で復調され、次いで、トータルコントローラ100による確認によって、読み取られた層番号情報がいずれの情報記録層の層番号情報であるか、照合される(ステップ106)。そして、トータルコントローラ100による確認結果に応じて、下記の処理(a)または(b)が行なわれる。
(a)復調された層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報でないと確認された場合、所定の情報記録層とは異なる情報記録層に対して、所定領域の上方への光ヘッドの配置(ステップ104)、フォーカス制御された前記レーザ光の照射(ステップ105)および層番号情報の確認(ステップ106)を行い、この一連のステップを所望の情報記録層の層番号情報が得られるまで繰り返す。そして、所望の情報記録層の層番号情報が得られた後に、その情報記録層に対してトラッキング制御を行う。
(b)復調された層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報であると確認された場合、その情報記録層に対してトラッキング制御を行う。
このような、フィードバック回路102によるフィードバック制御は必須ではないが、光情報記録媒体に含まれる情報記録層の層数が多い場合、所望の情報記録層への情報の記録再生を開始するまでの時間を短縮する上で、上記フィードバック制御は非常に有効に働く。
尚、情報記録再生装置において、層番号情報の再生は、データ領域に記録される記録マークYを再生する際のレーザパワーと同じレーザパワーで行うことが好ましい。また、記録マークYの記録途中において、再度層番号情報を再生する際には、データ領域に記録された記録マークYを再生するための再生光のレーザパワーと同じレーザパワーで行うと好ましい。フォーカス制御された記録光で層番号情報の再生を行うと、データ領域に記録された情報を誤って消してしまう恐れがあるからである。
実施形態1の光情報記録媒体は相変化型の光情報記録媒体であるが、本発明の光情報記録媒体はこれに限定されない。本発明の光情報記録媒体は、例えば、記録マークXがピットXとして記録され、情報記録層が、例えば、Ag、AL、Siを主成分とする反射膜からなる、いわゆる再生専用型であってもよいし、ライトワンス型であってもよい。
以上、本発明について一例をあげて説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用できる。
本発明では、層番号情報をより速く読み取り可能とすることにより、所望の情報記録層に対する情報の記録再生をより速く開始可能な光情報記録媒体およびその情報記録再生方法、並びに、情報記録再生装置を提供できる。本発明は、特に、情報記録層を数多く含む光情報記録媒体に対して有用である。
10 光情報記録媒体
11 基板
12 情報記録層
13 接着層
14 光透過層
20 光情報記録媒体
21 基板
22 第1情報記録層
23 第2情報記録層
24 第3情報記録層
25 第4情報記録層
26 光透過層
27 第1中間層
28 第2中間層
29 第3中間層
61 データ領域
62 データ領域外外周部
63 データ領域外内周部
64 ピットX(記録マークX)
71 ピットXに対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形
72 データ領域外内周部内の層番号情報部以外の箇所の再生信号波形
81 ピットXに対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形
82 ピットYの再生信号波形
111 データ領域
112 データ領域外内周部
113 ピットX
121 データ領域
122 データ領域外内周部
123 溝
131 データ領域
132 ピットX
141 データ領域
142 溝
151 データ領域
152 データ領域内鏡面部
153 溝
161 データ領域
162 データ領域外内周部
163a ピットX
163b 溝
90 情報記録再生装置
91 光ディスク
92 回転モータ
93 光ヘッド
94 送り機構
95 フォーカス・トラッキングドライバ
96 送りドライバ
97 制御部
98 レーザドライバ
99 レーザパワー制御部
100 トータルコントローラ
101 信号復調器
102 フィードバック回路
11 基板
12 情報記録層
13 接着層
14 光透過層
20 光情報記録媒体
21 基板
22 第1情報記録層
23 第2情報記録層
24 第3情報記録層
25 第4情報記録層
26 光透過層
27 第1中間層
28 第2中間層
29 第3中間層
61 データ領域
62 データ領域外外周部
63 データ領域外内周部
64 ピットX(記録マークX)
71 ピットXに対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形
72 データ領域外内周部内の層番号情報部以外の箇所の再生信号波形
81 ピットXに対応する層番号情報部の一部分の再生信号波形
82 ピットYの再生信号波形
111 データ領域
112 データ領域外内周部
113 ピットX
121 データ領域
122 データ領域外内周部
123 溝
131 データ領域
132 ピットX
141 データ領域
142 溝
151 データ領域
152 データ領域内鏡面部
153 溝
161 データ領域
162 データ領域外内周部
163a ピットX
163b 溝
90 情報記録再生装置
91 光ディスク
92 回転モータ
93 光ヘッド
94 送り機構
95 フォーカス・トラッキングドライバ
96 送りドライバ
97 制御部
98 レーザドライバ
99 レーザパワー制御部
100 トータルコントローラ
101 信号復調器
102 フィードバック回路
Claims (20)
- 基板と、
前記基板上に配置されたn個の情報記録層と、
情報記録層間に配置された中間層とを含み、
(n−1)個以上の前記情報記録層のそれぞれは、1以上の記録マークXに対応して形成された、層番号情報を含む層番号情報部を備え、
各記録マークXの周方向の長さは、前記情報記録層に記録される他の情報の記録に用いられる記録マークYのそれより長いことを特徴とする光情報記録媒体。
ただし、前記nは2以上の整数であり、前記層番号情報とは、所定の情報記録層がいずれの情報記録層であるかを確認するための情報である。 - 前記記録マークXは、各情報記録層が隣接した前記基板または前記中間層に形成されている請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 前記1以上の記録マークXは、溝およびピットのうちの少なくとも一方を含む請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 前記1以上の記録マークXは、複数の記録マークXを含む記録マークX列からなる請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 前記複数の記録マークXは、円周方向に沿って形成されている請求項4に記載の光情報記録媒体。
- 前記記録マークXは、その長手方向が前記光情報記録媒体の径方向と同方向の前記溝からなる請求項3に記載の光情報記録媒体。
- n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層は、同一の前記層番号情報部を複数個備え、複数の前記層番号情報部は放射状に配置されている請求項6に記載の光情報記録媒体。
- n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層は、同一の前記層番号情報部を複数個備えている請求項1に記載の光情報記録媒体。
- n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層は、同一円周内に同一の前記層番号情報部を複数個備えている請求項1に記載の光情報記録媒体。
- n個の情報記録層のうちの少なくとも1つの情報記録層は、中心が同一で半径が異なる2以上の円周内のそれぞれに、少なくとも1つの前記層番号情報部を備えている請求項8に記載の光情報記録媒体。
- 相対的に内周側の円周内よりも外周側の円周内の方が、前記層番号情報部を数多く備えている請求項10に記載の光情報記録媒体。
- n個の情報記録層から選ばれる少なくとも2つの情報記録層について、前記層番号情報部の数、前記層番号情報部の配置場所、および前記層番号情報部の形態のうちの少なくとも1つが、前記情報記録層ごとに異なる請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 前記情報記録層は、前記記録マークYが形成されるデータ領域と、前記データ領域外の非データ領域とからなり、
前記層番号情報部は、前記非データ領域内に在る請求項1に記載の光情報記録媒体。 - 前記層番号情報部は、少なくとも2バイト以上の前記層番号情報を含む請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 請求項1に記載の光情報記録媒体に対して情報の記録再生を行う情報記録再生装置であって、
レーザ光を出射する光源と、フォーカス動作装置と、トラッキング動作装置とを含み、前記光情報記録媒体の所定の前記情報記録層の前記層番号情報部から前記層番号情報を読み取り可能な光ヘッドと、
前記光ヘッドにより読み取られた層番号情報を復調する信号復調器と、
前記復調された層番号情報を確認するトータルコントローラと、を含むことを特徴とする情報記録再生装置。 - 前記トータルコントローラによる確認結果に基づいて、前記所定の情報記録層とは異なる他の情報記録層の層番号情報を読み取るために前記フォーカス動作装置を制御する、フィードバック回路をさら含む請求項15に記載の情報記録再生装置。
- 請求項15に記載の情報記録再生装置を用いて前記光情報記録媒体に対する情報の記録再生をする情報記録再生方法であって、
前記光情報記録媒体の前記所定の情報記録層の前記層番号情報を確認する第1工程と、
前記第1工程後に、前記所定の情報記録層に対して情報を記録再生する第2工程と、を含み、
前記第1工程において、
前記所定の情報記録層の前記層番号情報部を含む所定領域の上方に前記光ヘッドを配置し、
フォーカス制御された前記レーザ光を前記所定領域に照射して、前記光ヘッドにより前記層番号情報を読み取り、
読み取られた前記層番号情報を前記信号復調器で復調し、
復調された前記層番号情報を前記トータルコントローラで確認し、
前記トータルコントローラによる確認後に、前記所定の情報記録層に対してトラッキング制御を行うことを特徴とする情報記録再生方法。 - 前記層番号情報の前記光ヘッドによる読み取りを、前記第2工程において前記情報記録層に記録された情報を再生する際のレーザパワーと同じレーザパワーで行う請求項17に記載の情報記録再生方法。
- 請求項16に記載の記録再生装置を用いて前記光情報記録媒体に対する情報の記録再生をする情報記録再生方法であって、
前記光情報記録媒体の所定の前記情報記録層の前記層番号情報を確認する第1工程と、
前記第1工程後に、前記所定の情報記録層に対して情報を記録再生する第2工程とを含み、
前記第1工程において、
前記所定の情報記録層の前記層番号情報部を含む所定領域の上方に前記光ヘッドを配置し、
フォーカス制御された前記レーザ光を前記所定領域に照射して、前記光ヘッドにより前記層番号情報を読み取り、
読み取られた前記層番号情報を前記信号復調器で復調し、
復調された前記層番号情報が、所望の情報記録層の層番号情報であるか否かを、前記トータルコントローラで確認し、
この確認結果に従って、
(a)前記復調された前記層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報でないと確認された場合は、前記所定の情報記録層とは異なる別の情報記録層に対して、前記所定領域の上方への前記光ヘッドの配置、フォーカス制御された前記レーザ光の照射、および前記層番号情報の確認を行い、
(b)前記復調された前記層番号情報が所望の情報記録層の層番号情報であると確認された場合は、前記所定の情報記録層に対してトラッキング制御を行うことを特徴とする情報記録再生方法。 - 前記層番号情報の前記光ヘッドによる読み取りを、前記第2工程において前記情報記録層に記録された情報を再生する際のレーザパワーと同じレーザパワーで行う請求項19に記載の情報記録再生方法。
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