JPWO2006022199A1 - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006022199A1
JPWO2006022199A1 JP2006531869A JP2006531869A JPWO2006022199A1 JP WO2006022199 A1 JPWO2006022199 A1 JP WO2006022199A1 JP 2006531869 A JP2006531869 A JP 2006531869A JP 2006531869 A JP2006531869 A JP 2006531869A JP WO2006022199 A1 JPWO2006022199 A1 JP WO2006022199A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
package
speaker device
cabinet
adsorbent
speaker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006531869A
Other languages
English (en)
Inventor
松村 俊之
俊之 松村
佐伯 周二
周二 佐伯
佐和子 狩野
佐和子 狩野
久世 光一
光一 久世
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Publication of JPWO2006022199A1 publication Critical patent/JPWO2006022199A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/20Arrangements for obtaining desired frequency or directional characteristics
    • H04R1/22Arrangements for obtaining desired frequency or directional characteristics for obtaining desired frequency characteristic only 
    • H04R1/28Transducer mountings or enclosures modified by provision of mechanical or acoustic impedances, e.g. resonator, damping means
    • H04R1/2803Transducer mountings or enclosures modified by provision of mechanical or acoustic impedances, e.g. resonator, damping means for loudspeaker transducers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M1/00Substation equipment, e.g. for use by subscribers
    • H04M1/02Constructional features of telephone sets
    • H04M1/03Constructional features of telephone transmitters or receivers, e.g. telephone hand-sets
    • H04M1/035Improving the acoustic characteristics by means of constructional features of the housing, e.g. ribs, walls, resonating chambers or cavities
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/20Arrangements for obtaining desired frequency or directional characteristics
    • H04R1/22Arrangements for obtaining desired frequency or directional characteristics for obtaining desired frequency characteristic only 
    • H04R1/28Transducer mountings or enclosures modified by provision of mechanical or acoustic impedances, e.g. resonator, damping means
    • H04R1/2807Enclosures comprising vibrating or resonating arrangements
    • H04R1/2815Enclosures comprising vibrating or resonating arrangements of the bass reflex type
    • H04R1/2819Enclosures comprising vibrating or resonating arrangements of the bass reflex type for loudspeaker transducers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2499/00Aspects covered by H04R or H04S not otherwise provided for in their subgroups
    • H04R2499/10General applications
    • H04R2499/11Transducers incorporated or for use in hand-held devices, e.g. mobile phones, PDA's, camera's
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2499/00Aspects covered by H04R or H04S not otherwise provided for in their subgroups
    • H04R2499/10General applications
    • H04R2499/13Acoustic transducers and sound field adaptation in vehicles

Abstract

スピーカ装置は、キャビネット(11)、スピーカユニット(12)、包装体(13)、封入気体(15)、および吸着体(14)を備える。スピーカユニット(12)は、キャビネット(11)に取り付けられる。包装体(13)は、キャビネット(11)内部の空室(Ra)に少なくとも1つ配置され、その内部の物質を外部から密閉する袋体で構成される。封入気体(15)は、包装体(13)内に所定量封入される。吸着体(14)は、包装体(13)内に所定量封入され、封入気体(15)を物理吸着する。

Description

本発明は、スピーカ装置に関し、より特定的には、吸着体が有する物理吸着現象を利用してスピーカの低音再生帯域を拡大するスピーカ装置に関する。
従来、スピーカ装置は、スピーカキャビネットの空室が呈する音響スティフネスの影響で、小型で低音再生が可能なスピーカシステムを実現することは困難であった。このキャビネット容積で決定される低音再生限界の課題を解決する1つの手段として、キャビネットの内部に活性炭の塊を配置するスピーカ装置があった(例えば、特許文献1参照)。図15は、上記特許文献1に記載されたスピーカ装置主要部の構造断面図である。
図15は、上記特許文献1で開示されたスピーカ装置における主要部の構造断面図である。図15において、当該スピーカ装置は、キャビネット101、低音用スピーカ102、活性炭103、支持部材104、ダイヤフラム105、通気管106を備えている。低音用スピーカ102は、キャビネット101の前面に取り付けられている。活性炭103は、キャビネット101内部に塊状で配置され、キャビネット101の背面、底面、上面、左右側面、および支持部材104によって支持される。なお、支持部材104は、その全表面に空気を通過させる細孔が形成されている。通気管106は、ダイヤフラム105に設けられ、活性炭103と低音用スピーカ102との間を通気する。
次に、上記スピーカ装置の動作について説明する。低音用スピーカ102に電気信号が印加されるとキャビネット101内の圧力が変化し、この圧力によりダイヤフラム105が振動する。そして、ダイヤフラム105の振動によって、活性炭103が配置された空室の圧力が変化する。活性炭103は、支持部材104およびキャビネット101によって塊状に支持されているが、支持部材104の全表面に細孔が設けられているため、ダイヤフラム105の振動による圧力変化に伴う空気分子が活性炭103に吸着されて、キャビネット101内の圧力変動は抑制される。
このように、従来のスピーカ装置は、キャビネット101が等価的に大きな容積のキャビネットとして動作して、小型のキャビネットでありながら、あたかも大きなキャビネットにスピーカユニットを搭載したような低音再生が可能となる。また、通気管106は、スピーカ装置の周囲温度や内部の圧力変化により、活性炭103を含むダイヤフラム105およびキャビネット101で囲われた空間に対する圧力変動を防ぐものであった。
一方、密閉型のキャビネットよりも低音を増強する方式として、バスレフ型のスピーカキャビネットが一般的に用いられている。バスレフ型のスピーカ装置は、キャビネットの音響容積とキャビネットに設けた音響ポートによる音響共振を利用して、スピーカ装置から低音を放射するものである。
特表昭60−500645号公報
しかしながら、上記特許文献1で開示されたスピーカ装置は、キャビネット内の水分または化学物質が通気管106を介して活性炭103の表面を覆うようになり、活性炭103の物理吸着可能な細孔が減少してしまい、時間とともに物理吸着の機能が低下してしまう。さらに、上記特許文献1で開示されたスピーカ装置をバスレフ型のスピーカキャビネットで構成した場合、さらにキャビネット外部の水分または化学物質が音響ポートを介して活性炭103の表面を覆うようになり、物理吸着機能の低下がさらに顕著となる。
それ故に、本発明の目的は、吸着体の物理吸着機能の低下を防止して低音特性が継続的に良好なスピーカ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
本発明の第1の局面は、キャビネット、スピーカユニット、包装体、封入気体、および吸着体を備えるスピーカ装置である。スピーカユニットは、キャビネットに取り付けられる。包装体は、キャビネット内部の空室に少なくとも1つ配置され、その内部の物質を外部から密閉する袋体で構成される。封入気体は、包装体内に所定量封入される。吸着体は、包装体内に所定量封入され、封入気体を物理吸着する。
本発明の第2の局面は、上記第1の局面において、吸着体は、活性炭、ゼオライト、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、四三酸化鉄(Fe)、モレキュラーシーブ、フラーレン、およびカーボンナノチューブからなる多孔性材料の群から選ばれる少なくとも1つから構成される。
本発明の第3の局面は、上記第1の局面において、包装体は、少なくとも一部に蛇腹構造を有する袋体で構成される。ここで、蛇腹構造を有する袋体は、少なくとも1つの面が凹凸交互に曲成された構造を有する袋体であるが、凹凸交互に曲成する回数は少なくとも1回曲成されていればよい。この場合、少なくとも1つの面が凹または凸方向に1度曲成された構造を有する袋体となる。
本発明の第4の局面は、上記第1の局面において、包装体は、伸縮性を有するフィルム部材で形成された袋体で構成される。
本発明の第5の局面は、上記第1の局面において、包装体は、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVA(ビニロン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PC(ポリカーボネイト)、ナイロン(ポリアミド)、PVC(ポリ塩化ビニル)、およびPVDC(ポリ塩化ビニリデン)からなる高分子材料の群から選ばれる少なくとも1つを含むフィルム状部材から構成される。
本発明の第6の局面は、上記第4の局面において、包装体は、SBR(スチレンブタジエンゴム)、SBS(スチレンブタジエンスチレンゴム)、シリコーンゴム、IIR(ブチルゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴム)、ウレタンゴムからなるゴム材料の群から選ばれる少なくとも1つを含むフィルム状部材から構成される。
本発明の第7の局面は、上記第1の局面において、封入気体は、吸着体に形成された細孔内に物理吸着可能な分子を有する。
本発明の第8の局面は、上記第1の局面において、包装体は、空室内にキャビネット上面から釣り下げられて配置される。
本発明の第9の局面は、上記第8の局面において、包装体は、さらにその下端をキャビネット下面に固定されて、空室内に釣り下げて配置される。
本発明の第10の局面は、上記第1の局面において、包装体は、少なくとも対向する2つの端部がそれぞれキャビネットの両側面に固定されて空室内に配置される。
本発明の第11の局面は、上記第1の局面において、スピーカ装置は、板状部材をさらに備える。板状部材は、キャビネットの一部に固定されて空室内に配設され、複数の音孔が形成される。包装体は、少なくとも対向する2つの端部がそれぞれ板状部材とキャビネットの背面とに固定されて空室内に配置される。
本発明の第12の局面は、上記第1の局面において、包装体は、格子状に区分されて互いに連結された複数の袋部を有する。吸着体および封入気体は、それぞれ袋部に封入される。
本発明の第13の局面は、上記第12の局面において、包装体は、少なくとも2枚のシート状部材を張り合わせて複数の袋部を形成する。
本発明の第14の局面は、上記第12の局面において、スピーカ装置は、板状部材をさらに備える。板状部材は、キャビネットの一部に固定されて空室内に配設され、複数の音孔が形成される。包装体は、その4つの端部がそれぞれ板状部材、キャビネットの背面、およびキャビネットの両側面に固定されて空室内に配置される。
本発明の第15の局面は、上記第1の局面において、スピーカ装置は、乾燥剤をさらに備える。乾燥剤は、包装体内に所定量封入される。
本発明の第16の局面は、上記第1の局面において、スピーカ装置は、音響ポートをさらに備える。音響ポートは、キャビネットに形成された開口部に設けられ、スピーカユニットから空室内に放射される特定の周波数の音と共振させて位相を反転して外部へその音を放射する。
本発明の第17の局面は、上記第1〜第16の局面のいずれかにおけるスピーカ装置と、スピーカ装置を固設する筐体とを備える、携帯型情報処理装置である。
本発明の第18の局面は、上記第1〜第16の局面のいずれかにおけるスピーカ装置と、スピーカ装置と、スピーカ装置を固設する筐体とを備える、オーディオビジュアルシステムである。
本発明の第19の局面は、上記第1〜第16の局面のいずれかにおけるスピーカ装置と、スピーカ装置を車内に固設する車体とを備える、車両である。
上記第1の局面によれば、吸着体および封入気体を封入して密閉した包装体をキャビネット内に配置しており、当該吸着体は当該封入気体を物理吸着することが可能である。そして、スピーカユニットによって再生される音による圧力変動が、包装体内部の封入気体に伝達され、包装体内の封入気体分子が吸着体の細孔に吸着、または吸着体の細孔に吸着した封入気体分子が開放されることにより、キャビネット内部の圧力を調整できる。また、包装体により封入された吸着体が外部の気体によって劣化することを防止することができるため、圧力を調整する性能を長期間保持可能である。したがって、小さな容積でも大きなスピーカと同様の低音を再生でき、かつ安定した性能を長期に発揮できるスピーカ装置を実現することができる。
上記第2の局面によれば、吸着体を、活性炭、ゼオライト、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、四三酸化鉄、モレキュラーシーブ、フラーレン、およびカーボンナノチューブ等の多孔性材料から選ぶことによって、キャビネット容積を等価的に大きくして、小型キャビネットで低音再生を実現することができる。
上記第3〜第6の局面によれば、封入気体を所定量封入することによって、温度や気圧の影響で包装体内部の封入気体の体積が変化した場合でも包装体が破裂したり、包装体が圧力変動を封入気体に伝達する阻害要因となったりすることを防止することができる。また、包装体により封入された吸着体が外部の気体によって劣化することを防止することができる。
上記第7の局面によれば、封入気体として吸着体が吸着しやすい気体を充填することによって、キャビネット内部の気体をそのまま吸着体の物理吸着対象の気体とする場合より、吸着体の気体分子の吸着および放出の特性を制御しやすい。したがって、スピーカ装置の低音再生能力をさらに向上する構成とすることができる。
上記第8の局面によれば、複数の包装体を空室内に釣り下げ配置することによって、空室内部空間に多量の包装体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
上記第9の局面によれば、スピーカ装置内部における包装体を安定して固定することができる。
上記第10の局面によれば、複数の包装体を空室内にキャビネット両側面に固定して配置することによって、空室内部空間に多量の包装体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
上記第11の局面によれば、複数の包装体を空室内に板状部材とキャビネット背面に固定して配置することによって、空室内部空間に多量の包装体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。また、他の包装体によって阻害されることなくそれぞれの包装体にスピーカユニットによる空室内の圧力変動を伝達することができる。
上記第12の局面によれば、空室内の圧力変動が小分けされた吸着体および封入気体にそれぞれ伝達されるため、さらに効率よくそれぞれの吸着体の物理吸着効果を得ることができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
上記第13の局面によれば、2枚のシート状部材を張り合わせて包装体を構成することによって、複数の袋部を容易に形成することができ、スピーカ装置内への設置も容易になる。
上記第14の局面によれば、小分けして包装体に封入された吸着体および封入気体をスピーカ装置内に安定して配置することができる。
上記第15の局面によれば、封入した乾燥剤によって包装体内に含まれる湿気が吸着体に吸着することを防止することができ、当該吸着体が物理吸着する作用を阻害することがない。したがって、吸着体が有する物理吸着能力を低下させることを防止することができる。
上記第16の局面によれば、吸着体が有する物理吸着効果によって見かけ上大きな容積を有する位相反転方式キャビネットとなり、一般的にキャビネットの大きさで決まる低音再生限界よりも低い周波数から低音を再生できる。また、外気がキャビネット内に進入するバスレフ方式のスピーカ装置であっても、吸着体が包装体に封入されているため、吸着体が外部の気体によって劣化することを防止され、圧力を調整する性能を長期間保持することができる。
また、本発明の携帯型情報処理装置、オーディオビジュアルシステム、および車両によれば、上述したスピーカ装置を搭載することによって同様の効果を得ることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。 図2は、本発明のスピーカ装置および従来のスピーカ装置の周波数特性を示すグラフである。 図3は、本発明の第2の実施形態に係るスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。 図4は、蛇腹構造の袋体で構成された包装体23を示す側面図である。 図5は、図4の包装体23の断面図である。 図6は、1つの袋体で構成された包装体33が内部に配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。 図7は、複数の袋体で構成された包装体43が内部に釣り下げ配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。 図8は、空室Rdに中空薄板状の袋体で構成される包装体43を釣り下げ配置した状態を示すために、スピーカ装置の一部を切り取った斜視図である。 図9は、複数の袋体で構成された包装体43が固定部材47とキャビネット41との間に固定して配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。 図10は、複数に区分けして平面上に互いに連結した包装体53を構成した一例を示す斜視図である。 図11は、図10の包装体53を内部に配設したスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。 図12は、自動車の車内で用いられるスピーカ装置の一例を示す図である。 図13は、携帯電話に搭載されるスピーカ装置の一例を示す正面図および側面図である。 図14は、スピーカ装置をテレビに搭載した構成の一例を示す正面図およびその一部の内部構造を図示A−A断面で示した側面図である。 図15は、従来のスピーカ装置主要部の構造断面図である。
符号の説明
11、21、31、41、51…キャビネット
12、22、32、42、52…スピーカユニット
13、23、33、43、53…包装体
14、24、34、44、54…吸着体
15、25、35、45、55…封入気体
16、26、36、46、56…音響ポート
47、57…固定部材
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係るスピーカ装置について説明する。以下説明するスピーカ装置は、位相反転方式の一例としてバスレフ方式を用いている。なお、図1は、当該スピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図1において、当該スピーカ装置は、キャビネット11、スピーカユニット12、包装体13、吸着体14、封入気体15、および音響ポート16を備えている。
キャビネット11は、スピーカ装置の筐体の前面、背面、上面、下面、および左右側面を構成する。スピーカユニット12は、動電型スピーカであり、キャビネット11の前面開口部に取り付けられる。そして、キャビネット11の内部にスピーカ装置の空室Raが形成される。
音響ポート16は、キャビネット11の前面に設けられ、当該音響ポート16を介してキャビネット11が形成する空室Raは外部へ開放される。そして、キャビネット11の音響容積とキャビネット11に設けた音響ポート16による音響共振を利用して、スピーカ装置から低音を放射するものである。
包装体13の内部には、吸着体14と共に封入気体15が封入されている。このような包装体13は、空室Ra内に複数配置される。図1に示した包装体13の設置例では、キャビネット11の内壁面に沿って複数の包装体13が配置されている。
吸着体14は、封入気体15を物理吸着する多孔性材料であり、例えば活性炭である。多孔性材料は、ミクロ単位の大きさの細孔で空気等の封入気体15を物理吸着することができる。他の吸着体14の例として、ゼオライト、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、四三酸化鉄(Fe)、モレキュラーシーブ、フラーレン、およびカーボンナノチューブを用いることもできる。また、これらの材料を組み合わせて吸着体14の材料としてもよい。
封入気体15は、包装体13に封入された吸着体14が物理吸着可能な気体である。ここで、封入気体15は、包装体13に封入された吸着体14が物理吸着可能な気体であれば種類を選ばず、吸着体に形成された細孔内に物理吸着可能な分子を有していればよい。例えば、吸着体14の多孔性材料の細孔径分布と封入気体15の分子の大きさとの関係によって、適した気体が選択される。具体的には、封入気体15は、封入された吸着体14が活性炭の場合、空気、二酸化炭素、窒素等であり、吸着体14が他の材料であってもこれらの気体を封入気体15として用いることができる。
なお、吸着体14が吸湿して物理吸着能力が低下することを防止するために、封入気体15は、乾燥状態で包装体13内部に封入することが望ましい。また、包装体13の内部に、吸着体14および封入気体15と共に乾燥剤を封入してもかまわない。例えば、包装体13に封入する乾燥剤としては、シリカゲル、生石灰、塩化カルシウム加工品、シリカアルミナゲル等を用いることができる。包装体13の内部に乾燥剤を封入することによって、吸着体14が包装体13内部の湿気を吸着することによって封入気体15を物理吸着する作用が阻害されることを防止することができる。この乾燥剤を封入する効果は、後述する他の実施形態および変形例においても同様に得ることができ、それらの態様においても乾燥剤を包装体内に封入してもかまわない。
包装体13は、音による圧力変動を内部に伝える十分な柔軟性を持つ袋体であるともに、できるだけ密閉性の高い材料がよい。例えば、包装体13は、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVA(ビニロン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PC(ポリカーボネイト)、ナイロン(ポリアミド)、PVC(ポリ塩化ビニル)、およびPVDC(ポリ塩化ビニリデン)等の高分子フィルムで構成される。また、包装体13は、SBR(スチレンブタジエンゴム)、SBS(スチレンブタジエンスチレンゴム)、シリコーンゴム、IIR(ブチルゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴム)、ウレタンゴム等のフィルム状のゴム材料で構成される。また、包装体13は、上記ゴム材料の変成体を含む柔軟性を有するゴム高分子エラストマでもかまわない。また、包装体13は、上述した高分子フィルムやゴム材料の複合体によるフィルムでもかまわない。さらに、包装体13は、上述した材料で構成されるフィルム材の内面にアルミニウム、アルミナ、酸化珪素を蒸着して防湿性を高めた薄膜材料でもかまわない。
次に、包装体13に封入する吸着体14および封入気体15それぞれの封入量について説明する。例えば、低温および/または高圧状態では、吸着体14が封入気体15を物理吸着する量が増えるため、包装体13に封入する封入気体15の量が十分でないと包装体13の内面が吸着体14の外面に密着し、キャビネット11内圧力変動を封入気体15へ伝達することが阻害される要因になる可能性がある。したがって、包装体13には、スピーカ装置の保証最低温度かつ保証最高気圧下で吸着体14が吸着する封入気体15の体積よりも多い封入気体15を封入する。
一方、高温および/または低圧状態では、封入気体15の体積が膨張すると共に吸着体14が封入気体15を物理吸着する量が減るため、包装体13に封入された封入気体15の体積が増加して包装体13が破裂してしまう恐れがある。したがって、包装体13は、スピーカ装置の保証最高温度かつ保証最低気圧下で包装体13に封入された封入気体15が膨張しても十分な容積に変形可能なように、その内部に想定以上の容積を有する袋体で構成される。例えば、包装体13は、封入気体15の体積膨張/収縮に応じて、その形状が変形するような柔軟性の高いフィルム製の袋体部材や蛇腹構造の袋体(後述)等で構成される。なお、想定以上の容積とは、スピーカ装置の保証する保証最高温度かつ保証最低気圧のもとで、包装体13に封入された吸着体14および封入気体15が占める体積よりも大きい容積のことをいう。
次に、スピーカ装置の動作について説明する。動電型スピーカであるスピーカユニット12の動作は周知であるのでここでは詳細な説明を省略するが、スピーカユニット12に音楽信号を印加するとボイスコイルに力が発生して、振動板を振動させて音が発生する。そして、スピーカユニット12は、キャビネット11の内部の空室Raにも音を放射する。ここで、キャビネット11の内部容積(空室Raの容積)および音響ポート16の音響質量により、共振器が構成されている。その共振周波数においては、キャビネット11の内部空間に放射された音が音響ポート16から大きく放射される。そして、音響ポート16から放射される音は、スピーカユニット12から放射される音と同位相であるため、上記共振周波数を低域に設定することにより、スピーカ装置が再生する低音が増強される。このようにスピーカ装置は、低音を増強する位相反転方式を用いた装置として機能する。
また、スピーカユニット12の振動板で発生した音圧は、キャビネット11内部の空室Raの内部圧力を変動させる。そして、空室Raには吸着体14および封入気体15が封入された包装体13が複数配置されている。したがって、空室Ra内部の圧力変動は、包装体13を介して封入気体15にそれぞれ伝えられる。例えば、空室Raの内部圧力が上昇すると包装体13内の封入気体15の分子が吸着体14に物理吸着されて、空室Ra内の圧力上昇が抑えられる。一方、空室Raの内部圧力が低下すると包装体13内の吸着体14に物理吸着された封入気体15の分子が放出されて、空室Ra内の圧力低下が抑えられる。したがって、吸着体14の気体吸着作用により空室Ra内の圧力変動が抑制され、空室Raは、等価的に大きな容積となる。つまり、上記スピーカ装置は、あたかも大きな容積のキャビネット11にスピーカユニット12が取り付けられているように動作する。
このように、本実施形態のスピーカ装置は、見かけ上大きな容積を有する位相反転方式キャビネットとなり、一般的にキャビネットの大きさで決まる低音再生限界よりも低い周波数から低音を再生できる。また、スピーカ装置は、そのキャビネット内部に配置する吸着体が包装体に封入されているため、キャビネット内部の気体や外気に含まれる湿気等が吸着体と接触することを防止している。つまり、吸着体14が包装体13の外部にある吸着体14の吸着能力を劣化させる気体、例えば水蒸気、アセトアルデヒド、アンモニア等に接触しないようにすることにより、吸着体14の物理吸着能力の劣化を防ぐことができ、音響容積が見かけ上大きくなる効果を阻害しない。
また、吸着体14が粉体であった場合、包装体13に封入することにより、キャビネット11内部およびスピーカ外部に吸着体14が飛散することを防止することができる。
さらに、包装体13は、封入する吸着体14および封入気体15に対して十分大きな内容積に変形することが可能であり、封入気体15も十分な量が封入されているため、スピーカ装置の保証範囲内で温度や気圧の影響で包装体13内部の封入気体15の体積が変化した場合でも包装体13が破裂したり、包装体13が空室Raの圧力変動を封入気体15に伝達する阻害要因となったりすることはない。
また、封入気体15は、包装体13に封入した吸着体14が吸着しやすい気体を充填することが可能となる。つまり、キャビネット11内部の気体をそのまま吸着体の物理吸着対象の気体とする場合より、吸着体の気体分子の吸着、放出の特性を制御しやすい。したがって、包装体13に封入した吸着体14がより吸着しやすい気体を充填することによって、スピーカ装置の低音再生能力をさらに向上する構成とすることもできる。
なお、図1ではバスレフ型のキャビネットを示したが、このスピーカ装置は密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置に用いることができる。
ここで、図2を参照して、スピーカ装置の周波数特性について説明する。図2は、3種類スピーカ装置で実測した周波数特性A〜Cの一例を示すグラフである。
図2において、周波数特性Aは、図1で示した本発明の一例のスピーカ装置を実測したものである。具体的には、当該スピーカ装置のキャビネット11内部には、吸着体14として活性炭および封入気体15として空気を封入したポリエチレン製の包装体13をキャビネット11内に設置している。周波数特性Bは、背景技術で図15を用いて説明した従来のスピーカ装置を実測したものであり、上記スピーカ装置のキャビネット11内部に配置した活性炭(吸着体14)と同量の活性炭をキャビネット101内部に配置している。そして、周波数特性Cは、キャビネット内部に吸着体を有さないスピーカ装置を実測したものである。なお、周波数特性A〜Cを得たスピーカ装置のキャビネットやスピーカユニットは全て同じであり、バスレフ型スピーカ装置である。また、実測位置(前方1m)および入力(1W)も全て同条件である。
周波数特性Aと周波数特性Cとを比較すれば明らかなように、キャビネットに活性炭を入れていない周波数特性Cに比べ、周波数特性Aの最低共振周波数が下がり、低音再生能力も向上していることから、活性炭により低音再生帯域が拡大されていることがわかる。一方、キャビネット内に活性炭をそのまま入れた周波数特性Bと、キャビネット内に包装体に封入した活性炭を入れた周波数特性Aとを比較すると、それら周波数特性に大きな差が見られず、ともに活性炭の低音再生帯域拡大効果を確認することができる。つまり、包装体がキャビネット内の圧力変動をほとんど阻害することなく包装体内部の空気および活性炭に伝えていることがわかる。したがって、本発明のスピーカ装置は、活性炭をキャビネット内にそのまま入れた場合と同様の低音再生帯域を維持したまま、吸着体を包装体等に封入気体と共に封入して外部の気体と遮断して吸着体の劣化を防ぐことができ、スピーカ装置の吸着体による低音再生帯域拡大効果を長期間維持する構成とすることが可能となる。
(第2の実施形態)
図3を参照して、本発明の第2の実施形態に係るスピーカ装置について説明する。当該スピーカ装置は、第1の実施形態と同様のバスレフ方式を用いているが、後から包装体13をキャビネット内部に設置する態様である。なお、図3は、当該スピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図2において、当該スピーカ装置は、キャビネット21、スピーカユニット22および音響ポート26を備えており、キャビネット21内部に空室Rbが形成される。これらの構成は、第1の実施形態で説明したキャビネット11、スピーカユニット12、および音響ポート16と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、図2に示したスピーカ装置は、一般的なバスレフ型スピーカ装置である。そして、一般的なスピーカ装置の空室Rbに、第1の実施形態で説明した吸着体14および封入気体15が封入された包装体13を追加配置することによって、当該スピーカ装置の周波数特性を変化させることができる。なお、空室Rbに追加配置する包装体13は、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図3に示したスピーカ装置は一般的な吸着体を用いていないスピーカ装置であり、少なくとも1つの包装体13をスピーカ装置の空室Rb内に配置すれば、スピーカ装置のキャビネット内部の音による圧力変化が包装体13に伝達される。そして、包装体13を介して封入気体15に圧力変化が伝達される。つまり、空室Rbの内部圧力が上昇すると包装体13内の封入気体15の分子が吸着体14に物理吸着されて、空室Rb内の圧力上昇が抑えられる。一方、空室Rbの内部圧力が低下すると包装体13内の吸着体14に物理吸着された封入気体15の分子が放出されて、空室Rb内の圧力低下が抑えられる。したがって、吸着体14の気体吸着作用により空室Rb内の圧力変動が抑制され、空室Rbは、等価的に大きな容積となる。つまり、一般的なスピーカ装置に本発明の包装体を追加配置することによって、あたかも大きな容積のキャビネットにスピーカユニットが取り付けられているように動作する。
このように、本実施形態のスピーカ装置は、包装体を追加配置することによって、一般的なスピーカ装置が見かけ上大きな容積を有する位相反転方式キャビネットとなり、キャビネットの大きさで決まる低音再生限界よりも低い周波数から低音を再生できる。また、スピーカ装置は、そのキャビネット内部に配置する吸着体が包装体に封入されているため、キャビネット内部の気体や外気に含まれる湿気等が吸着体と接触することを防止している。つまり、吸着体14が包装体13の外部にある吸着体14の吸着能力を劣化させる気体、例えば水蒸気、アセトアルデヒド、アンモニア等に接触しないようにすることにより、吸着体14の物理吸着能力の劣化を防ぐことができ、音響容積が見かけ上大きくなる効果を阻害しない。
なお、図3では、包装体13をその内部に追加配置する一例としてバスレフ型のスピーカ装置を示したが、密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置の内部に包装体13を配置してもかまわない。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第1の変形例として、蛇腹構造を有する包装体を用いてもかまわない。図4および図5は、包装体の他の態様として、蛇腹構造の袋体を示す一例である。なお、図4は、蛇腹構造の袋体で構成された包装体23を示す側面図である。また、図5は、図4の包装体23の断面図である。
図4および図5において、包装体23の内部には、吸着体24と共に封入気体25が封入されている。このような包装体23は、図1および図3で示した空室RaおよびRb内に複数配置される。吸着体24および封入気体25は、上述した吸着体14および封入気体15と同様であるため、詳細な説明を省略する。
包装体23は、中空立体である円柱や直方体の側面が凹凸交互に曲成された蛇腹構造を有しており、所定方向に伸縮可能に構成されている。なお、包装体23を構成する材料については、第1の実施形態で説明した包装体13と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、蛇腹構造を有する包装体23は、少なくとも1つの側面が凹凸交互に曲成された構造を有する袋体であるが、凹凸交互に曲成する回数は少なくとも1回曲成されていればよい。この場合、少なくとも1つの側面が凹または凸方向に1度曲成された構造を有する包装体23となる。
低温および/または高圧状態では、吸着体24が封入気体25を物理吸着する量が増えるため、包装体23に封入された封入気体25の体積が減少し包装体23の蛇腹構造部が上記所定方向に短縮する。一方、高温および/または低圧状態では、封入気体25の体積が膨張すると共に吸着体24が封入気体25を物理吸着する量が減るため、包装体23に封入された封入気体25の体積が増加し包装体23の蛇腹構造部が上記所定方向に伸長する。つまり、包装体23は、封入気体25の体積膨張/収縮に応じて、その形状が変形するような蛇腹構造の袋体である。このように、包装体23の少なくとも一部を蛇腹構造で構成することによって、封入する吸着体24および封入気体25に対して十分大きな内容積に変形することが可能である。すなわち、包装体23内部に封入気体25を十分な量だけ封入することによって、スピーカ装置の保証範囲内で温度や気圧の影響で包装体23内部の封入気体25の体積が変化した場合でも包装体23が破裂したり、包装体23が圧力変動を封入気体25に伝達する阻害要因となったりすることはない。
なお、包装体23は、断面がトラック型となった中空柱状体等の側面が蛇腹構造で構成されてもよく、袋体全体の形状は問わない。また、図4および図5は、一部が蛇腹構造となった例を示したが、袋体全体が蛇腹構造となった包装体を用いてもかまわない。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第2の変形例として、1つの包装体に吸着体および封入気体を封入してスピーカ内部に配置してもかまわない。図6は、包装体の他の態様として、1つの袋体で構成した一例である。なお、図6は、1つの袋体で構成された包装体33が内部に配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図6において、当該スピーカ装置は、キャビネット31、スピーカユニット32、包装体33、吸着体34、封入気体35、および音響ポート36を備えており、キャビネット31内部に空室Rcが形成される。これらキャビネット31、スピーカユニット32、および音響ポート36の構成は、第1の実施形態で説明したキャビネット11、スピーカユニット12、および音響ポート16と同様であるため、詳細な説明を省略する。
包装体33の内部には、吸着体34と共に封入気体35が封入されている。このような包装体33は、音響ポート36の開口部を塞がないように空室Rc内に1つ配置される。図6に示した包装体33の設置例では、キャビネット31の下面上に相対的に大きな1つの包装体33が配置されている。なお、吸着体34および封入気体35は、上述した吸着体14および封入気体15に対して、1つの包装体33に封入する量が異なるだけで、それらの材料や包装体33の最大容積に対する封入量の関係は同様であるため、詳細な説明を省略する。また、包装体33についても上述した包装体13に対して相対的に大きな袋体で構成されるが、包装体33を構成する材料については包装体13と同様であるため、詳細な説明を省略する。このように、1つの包装体33に吸着体34および封入気体35を封入して空室Rc内部に配置しても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができることは明らかである。
なお、図6では、包装体33を配置する一例としてバスレフ型のスピーカ装置を示したが、密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置の内部に包装体33を配置してもかまわない。ただし、ドロンコーン方式のスピーカ装置に包装体33を配置する場合、ドロンコーンと接触しないように当該包装体33を配置する必要がある。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第3の変形例として、複数の包装体に吸着体および封入気体を封入してスピーカキャビネット上面に釣り下げて配置してもかまわない。図7は、包装体の他の態様として、複数の袋体を釣り下げて構成した一例である。なお、図7は、複数の袋体で構成された包装体43が内部に釣り下げ配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図7において、当該スピーカ装置は、キャビネット41、スピーカユニット42、包装体43、吸着体44、封入気体45、および音響ポート46を備えており、キャビネット41内部に空室Rdが形成される。これらキャビネット41、スピーカユニット42、および音響ポート46の構成は、第1の実施形態で説明したキャビネット11、スピーカユニット12、および音響ポート16と同様であるため、詳細な説明を省略する。
包装体43の内部には、それぞれ吸着体44と共に封入気体45が封入されている。このような包装体43は、音響ポート46の開口部を塞がないように空室Rd内のキャビネット41上面に複数釣り下げ配置される。図7に示した包装体43の設置例では、キャビネット41の上面に例えば細円柱等の包装体43が複数釣り下げ配置されている。このように複数の包装体43を空室Rd内に釣り下げ配置することによって、空室Rd内部空間に多量の包装体43を配置することができる。なお、吸着体44および封入気体45は、上述した吸着体14および封入気体15に対して、1つの包装体43に封入する量が異なるだけで、それらの材料や包装体43の最大容積に対する封入量の関係は同様であるため、詳細な説明を省略する。また、包装体43についても上述した包装体13に対して相対的に長い大きな袋体で構成されるが、包装体43を構成する材料については包装体43と同様であるため、詳細な説明を省略する。このように、複数の包装体43に吸着体44および封入気体45を封入して空室Rd内部に釣り下げ配置すれば、第1の実施形態より多量の吸着体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
なお、包装体43は、キャビネット41の上面に釣り下げるだけでなく、キャビネット41の下面にも固定してもかまわない。これによって、スピーカ装置内部における包装体43を安定して固定することができる。また、複数の包装体43をキャビネット41の左右側面間に架設して固定してもかまわない。この場合も、第1の実施形態より多量の吸着体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
また、図7では細円柱状の包装体43を複数釣り下げ配置したが、他の形状の包装体を複数釣り下げ配置してもかまわない。例えば、図8は、空室Rdに中空薄板状の袋体で構成される包装体43を釣り下げ配置した状態を示すために、スピーカ装置の一部を切り取った斜視図である。図8に示すように、中空薄板状の袋体で構成される包装体43の内部に吸着体44および封入気体45を封入し、音響ポート46の開口部を塞がないように複数の当該包装体43をキャビネット41の上面に釣り下げて配置している。この場合、スピーカユニット42の中心軸に対して、それぞれの包装体43の薄板面が平行となるようにキャビネット41の上面に釣り下げるのが好ましい。このようにキャビネット41の上面に釣り下げることによって、他の包装体43によって阻害されることなくそれぞれの薄板状の包装体43にスピーカユニット42による空室Rd内の圧力変動を伝達することができる。なお、このように薄板状の包装体43をキャビネット41の上面に釣り下げる場合も、当該包装体43をそれぞれキャビネット41の下面に固定してもかまわない。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第4の変形例として、包装体をキャビネット内部に固定するための固定部材を設けてもかまわない。図9は、包装体の他の態様として、複数の袋体を固定部材とキャビネットとの間に固定して構成した一例である。なお、図9は、複数の袋体で構成された包装体43が固定部材47とキャビネット41との間に固定して配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図9において、固定部材47は、複数の音孔が形成された板状部材であり、キャビネット41の上面および下面の間に固設される。なお、固定部材47は、その主面がスピーカユニット42の中心軸に対して垂直になるように空室Rd内部に固設されている。そして、細円柱状または薄板状の袋体で構成される複数の包装体43が、固定部材47およびキャビネット41の背面の間で音響ポート46の開口部を塞がないようにそれぞれ固定される。なお、薄板状の包装体43の場合、スピーカユニット42の中心軸に対して、それぞれの包装体の薄板面が平行となるように固定部材47およびキャビネット41の背面の間に固定される。このように、複数の包装体43に吸着体44および封入気体45を封入して、固定部材47とキャビネット41の背面との間に架設配置すれば、第1の実施形態より多量の吸着体を空室Rd内に配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
なお、図7〜図9では、包装体43を配置する一例としてバスレフ型のスピーカ装置を示したが、密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置の内部に包装体43を配置してもかまわない。ただし、ドロンコーン方式のスピーカ装置に包装体43を配置する場合、ドロンコーンと接触しないように当該包装体43を配置する必要がある。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第5の変形例として、複数に区分けした包装体を平面上に互いに連結してスピーカ装置内に配設してもかまわない。図10は、複数に区分けして平面上に互いに連結した包装体53を構成した一例を示す斜視図である。図11は、図10の包装体53を内部に配設したスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図10において、包装体53は、格子状に複数に区分された袋部(図10の例では、4×4=16個)を形成している。また、包装体53の複数の袋部内部にはそれぞれ吸着体54と共に封入気体55が封入されている。吸着体54および封入気体55の材質は、上述した吸着体14および封入気体15と同様であるため、詳細な説明を省略する。例えば、包装体53は、2枚のシート状の部材を上記袋部それぞれの空間を確保しながら格子状に張り合わせることによって形成される。そして、2枚のシート状の部材を格子状に張り合わせる際、上記袋部の空間それぞれに吸着体54および封入気体55を所定量封入する。ここで、包装体53を形成するシート状部材の材質は、上述した包装体13と同様の材質であるため、詳細な説明を省略する。
次に、包装体53の袋部にそれぞれ封入する吸着体54および封入気体55の封入量について説明する。第1の実施形態と同様に、低温および/または高圧状態では、吸着体54が封入気体55を物理吸着する量が増えるため、袋部それぞれに封入する封入気体55の量が十分でないと上記シート状部材の対向面が吸着体54の外面に密着し、キャビネット内圧力変動を封入気体55へ伝達することが阻害される要因になる可能性がある。したがって、包装体53の各袋部には、スピーカ装置の保証最低温度かつ保証最高気圧下で吸着体54が吸着する封入気体55の体積よりも多い封入気体55をそれぞれ封入する。
一方、高温および/または低圧状態では、封入気体55の体積が膨張すると共に吸着体54が封入気体55を物理吸着する量が減るため、袋部それぞれに封入された封入気体55の体積が増加して袋部が破裂してしまう恐れがある。したがって、包装体53の各袋部は、スピーカ装置の保証最高温度かつ保証最低気圧下で各袋部に封入された封入気体55が膨張しても十分な容積に変形可能なように伸縮可能なフィルムで構成する、またはその内部に想定以上の容積を有する袋体で構成される。ここで、想定以上の容積とは、スピーカ装置の保証する保証最高温度かつ保証最低気圧のもとで、包装体53の各袋部に封入された吸着体54および封入気体55が占める体積よりも大きい容積のことをいう。
図11において、スピーカ装置は、キャビネット51、スピーカユニット52、包装体53、吸着体54、封入気体55、音響ポート56、および固定部材57を備えており、キャビネット51内部に空室Reが形成される。これらキャビネット51、スピーカユニット52、および音響ポート56の構成は、第1の実施形態で説明したキャビネット11、スピーカユニット12、および音響ポート16と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、固定部材57は、図9を用いて説明した固定部材47と同様であるため、詳細な説明を省略する。
格子状に区分された複数の袋部を有する包装体53が複数空室Re内に配置され、その4辺が固定部材57、キャビネット51の背面、および両側面の間でそれぞれ固定される。なお、包装体53は、音響ポート56の開口部を塞がないようにそれぞれ配設される。そして、包装体53は、スピーカユニット42の中心軸に対して、それぞれの包装体53の格子面が平行となるように配設される。このようにそれぞれの包装体53を配設することによって、他の包装体53によって阻害されることなくそれぞれの包装体53にスピーカユニット52による空室Re内の圧力変動を伝達することができる。
このように、複数の包装体53の各袋部に吸着体54および封入気体55を封入して、固定部材57とキャビネット51との間に配設すれば、第1の実施形態より多量の吸着体を空室Re内に配置することができる。また、空室Re内の圧力変動は、小分けされた吸着体54および封入気体55にそれぞれ伝達されるため、さらに効率よくそれぞれの吸着体54の物理吸着効果を得ることができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。また、包装体53は、2枚のシート状部材を張り合わせて構成することができるため、複数の袋部を容易に形成することができ、スピーカ装置内への設置も容易になる。
なお、包装体53の4辺を固定部材57およびキャビネット51の間にそれぞれ固定したが、少なくとも包装体53の対向する2辺を固定部材57および/またはキャビネット51にそれぞれ固定してもよい。例えば、包装体53の対向する2辺をキャビネット51の両側面に固定する場合、固定部材57が不要となる。
また、図11では、包装体53を配置する一例としてバスレフ型のスピーカ装置を示したが、密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置の内部に包装体53を配置してもかまわない。ただし、ドロンコーン方式のスピーカ装置に包装体53を配置する場合、ドロンコーンと接触しないように当該包装体53や固定部材57を配置する必要がある。
ここで、上述した包装体を有するスピーカ装置は、例えば車載用のスピーカ装置として用いられる。図12は、自動車の車内で用いられるスピーカ装置の一例を示す図である。
図12において、上記スピーカ装置は、自動車のドア内部に固設される。なお、図12においては、一例として第1の実施形態で説明したスピーカ装置を破線で示しており、その構成要素としてキャビネット11およびスピーカユニット12のみを示している。
一般的に、低音域の再生能力に優れたスピーカ装置を搭載する場合、所望の低音を再生するために、容積の大きなキャビネットが必要とされる。一方、自動車のドア内部空間で許容されるスピーカ装置の設置のための空間は非常に狭い空間となり、当該ドア部材がスピーカキャビネットとして用いられることが一般的である。しかしながら、本発明のスピーカ装置は、容積の小さいキャビネットであっても、その内部に包装体13に封入された吸着体14を配置することによって、それらの物理吸着効果によって高い低音域再生能力を有する。つまり、許容される空間が狭いためにキャビネットの容積が制限されても、豊かな低音再生が可能な車載用スピーカ装置が実現される。
また、上述した包装体を有するスピーカ装置は、例えば携帯電話等の携帯型情報処理装置用のスピーカ装置として用いられる。図13は、携帯電話に搭載されるスピーカ装置の一例を示す正面図および側面図である。
図13において、上記スピーカ装置は、携帯電話の筐体内部に固設される。なお、図13においては、一例として第1の実施形態で説明したスピーカ装置を破線で示しており、その構成要素としてキャビネット11と、スピーカユニット12と、吸着体14および封入気体15を封入した包装体13とを示している。
上述したように、低音域の再生能力に優れたスピーカ装置を搭載する場合、所望の低音を再生するために、容積の大きなキャビネットが必要とされる。一方、携帯電話等の携帯型装置は小型化が常に求められ、携帯電話の筐体内部空間で許容されるスピーカ装置の設置のための空間は、非常に狭い空間となる。しかしながら、本発明のスピーカ装置は、容積の小さいキャビネットであっても、その内部に包装体13に封入された吸着体14を配置することによって、それらの物理吸着効果によって高い低音域再生能力を有する。つまり、許容される空間が狭いためにキャビネット11の容積が制限されても、豊かな低音再生が可能な携帯型情報処理装置用スピーカ装置が実現される。なお、携帯型装置に搭載されるキャビネット11は、位相反転型キャビネットでもかまわない。
また、上述した包装体を有するスピーカスピーカ装置は、薄型化が進む液晶テレビ、PDP(プラズマディスプレイ)、ステレオ装置、5.1チャンネル再生のホームシアター等のAVシステムに用いられるスピーカシステムに適用される。具体的には、当該スピーカ装置は、薄型テレビに搭載されるスピーカシステムとして用いられる。図14は、スピーカ装置をテレビに搭載した構成の一例を示す正面図およびその一部の内部構造を図示A−A断面で示した側面図である。
図14において、上記スピーカ装置は、薄型テレビの筐体内部の左右にそれぞれ固設される。なお、図14においては、第1の実施形態で説明したスピーカ装置の構成要素としてキャビネット11、スピーカユニット12、吸着体14および封入気体15を封入した包装体13、および音響ポート16を示している。
上述したように、低音域の再生能力に優れたスピーカ装置を搭載する場合、所望の低音を再生するために、容積の大きなキャビネットが必要とされる。一方、薄型テレビは薄型化が常に求められ、薄型テレビの筐体内部空間で許容されるスピーカ装置の設置のための空間は、非常に狭い空間となる。しかしながら、本発明のスピーカ装置は、容積の小さいキャビネットであっても、その内部に包装体13に封入された吸着体14を配置することによって、それらの物理吸着効果および位相反転方式による効果によって高い低音域再生能力を有する。つまり、許容される空間が狭いためにキャビネット11の容積が制限されても、豊かな低音再生が可能なAVシステム用スピーカ装置が実現される。
このように、上述したスピーカ装置は、吸着体および封入気体を封入して密閉した包装体をキャビネット内に配置しており、当該吸着体は当該封入気体を物理吸着することが可能である。そして、包装体は、スピーカユニットによって再生される音による圧力変動をその内部の封入気体に伝え、包装体内の封入気体分子が吸着体の細孔に吸着、または吸着体の細孔に吸着した封入気体分子が開放されることにより、スピーカキャビネット内部の圧力を調整できる。また、包装体により封入された吸着体が外部の気体によって劣化することを防止することができるため、圧力を調整する性能を長期間保持可能である。したがって、この包装体をスピーカキャビネット内に配置すれば、小さな容積でも大きなスピーカと同様の低音を再生でき、かつ安定した性能を長期に発揮できるスピーカ装置を実現することができる。
本発明に係るスピーカ装置は、小さな容積でも低音域の再生能力に優れており、車載用、携帯型デバイス用、AVシステム用等の様々なスピーカ装置等として有用である。
本発明は、スピーカ装置に関し、より特定的には、吸着体が有する物理吸着現象を利用してスピーカの低音再生帯域を拡大するスピーカ装置に関する。
従来、スピーカ装置は、スピーカキャビネットの空室が呈する音響スティフネスの影響で、小型で低音再生が可能なスピーカシステムを実現することは困難であった。このキャビネット容積で決定される低音再生限界の課題を解決する1つの手段として、キャビネットの内部に活性炭の塊を配置するスピーカ装置があった(例えば、特許文献1参照)。図15は、上記特許文献1に記載されたスピーカ装置主要部の構造断面図である。
図15は、上記特許文献1で開示されたスピーカ装置における主要部の構造断面図である。図15において、当該スピーカ装置は、キャビネット101、低音用スピーカ102、活性炭103、支持部材104、ダイヤフラム105、通気管106を備えている。低音用スピーカ102は、キャビネット101の前面に取り付けられている。活性炭103は、キャビネット101内部に塊状で配置され、キャビネット101の背面、底面、上面、左右側面、および支持部材104によって支持される。なお、支持部材104は、その全表面に空気を通過させる細孔が形成されている。通気管106は、ダイヤフラム105に設けられ、活性炭103と低音用スピーカ102との間を通気する。
次に、上記スピーカ装置の動作について説明する。低音用スピーカ102に電気信号が印加されるとキャビネット101内の圧力が変化し、この圧力によりダイヤフラム105が振動する。そして、ダイヤフラム105の振動によって、活性炭103が配置された空室の圧力が変化する。活性炭103は、支持部材104およびキャビネット101によって塊状に支持されているが、支持部材104の全表面に細孔が設けられているため、ダイヤフラム105の振動による圧力変化に伴う空気分子が活性炭103に吸着されて、キャビネット101内の圧力変動は抑制される。
このように、従来のスピーカ装置は、キャビネット101が等価的に大きな容積のキャビネットとして動作して、小型のキャビネットでありながら、あたかも大きなキャビネットにスピーカユニットを搭載したような低音再生が可能となる。また、通気管106は、スピーカ装置の周囲温度や内部の圧力変化により、活性炭103を含むダイヤフラム105およびキャビネット101で囲われた空間に対する圧力変動を防ぐものであった。
一方、密閉型のキャビネットよりも低音を増強する方式として、バスレフ型のスピーカキャビネットが一般的に用いられている。バスレフ型のスピーカ装置は、キャビネットの音響容積とキャビネットに設けた音響ポートによる音響共振を利用して、スピーカ装置から低音を放射するものである。
特表昭60−500645号公報
しかしながら、上記特許文献1で開示されたスピーカ装置は、キャビネット内の水分または化学物質が通気管106を介して活性炭103の表面を覆うようになり、活性炭103の物理吸着可能な細孔が減少してしまい、時間とともに物理吸着の機能が低下してしまう。さらに、上記特許文献1で開示されたスピーカ装置をバスレフ型のスピーカキャビネットで構成した場合、さらにキャビネット外部の水分または化学物質が音響ポートを介して活性炭103の表面を覆うようになり、物理吸着機能の低下がさらに顕著となる。
それ故に、本発明の目的は、吸着体の物理吸着機能の低下を防止して低音特性が継続的に良好なスピーカ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
本発明の第1の発明は、キャビネット、スピーカユニット、包装体、封入気体、および吸着体を備えるスピーカ装置である。スピーカユニットは、キャビネットに取り付けられる。包装体は、キャビネット内部の空室に少なくとも1つ配置され、その内部の物質を外部から密閉する袋体で構成される。封入気体は、包装体内に所定量封入される。吸着体は、包装体内に所定量封入され、封入気体を物理吸着する。
本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、吸着体は、活性炭、ゼオライト、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO3)、マグネシア(MgO)、四三酸化鉄(Fe34)、モレキュラーシーブ、フラーレン、およびカーボンナノチューブからなる多孔性材料の群から選ばれる少なくとも1つから構成される。
本発明の第3の発明は、上記第1の発明において、包装体は、少なくとも一部に蛇腹構造を有する袋体で構成される。ここで、蛇腹構造を有する袋体は、少なくとも1つの面が凹凸交互に曲成された構造を有する袋体であるが、凹凸交互に曲成する回数は少なくとも1回曲成されていればよい。この場合、少なくとも1つの面が凹または凸方向に1度曲成された構造を有する袋体となる。
本発明の第4の発明は、上記第1の発明において、包装体は、伸縮性を有するフィルム部材で形成された袋体で構成される。
本発明の第5の発明は、上記第1の発明において、包装体は、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVA(ビニロン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PC(ポリカーボネイト)、ナイロン(ポリアミド)、PVC(ポリ塩化ビニル)、およびPVDC(ポリ塩化ビニリデン)からなる高分子材料の群から選ばれる少なくとも1つを含むフィルム状部材から構成される。
本発明の第6の発明は、上記第4の発明において、包装体は、SBR(スチレンブタジエンゴム)、SBS(スチレンブタジエンスチレンゴム)、シリコーンゴム、IIR(ブチルゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴム)、ウレタンゴムからなるゴム材料の群から選ばれる少なくとも1つを含むフィルム状部材から構成される。
本発明の第7の発明は、上記第1の発明において、封入気体は、吸着体に形成された細孔内に物理吸着可能な分子を有する。
本発明の第8の発明は、上記第1の発明において、包装体は、空室内にキャビネット上面から釣り下げられて配置される。
本発明の第9の発明は、上記第8の発明において、包装体は、さらにその下端をキャビネット下面に固定されて、空室内に釣り下げて配置される。
本発明の第10の発明は、上記第1の発明において、包装体は、少なくとも対向する2つの端部がそれぞれキャビネットの両側面に固定されて空室内に配置される。
本発明の第11の発明は、上記第1の発明において、スピーカ装置は、板状部材をさらに備える。板状部材は、キャビネットの一部に固定されて空室内に配設され、複数の音孔が形成される。包装体は、少なくとも対向する2つの端部がそれぞれ板状部材とキャビネットの背面とに固定されて空室内に配置される。
本発明の第12の発明は、上記第1の発明において、包装体は、格子状に区分されて互いに連結された複数の袋部を有する。吸着体および封入気体は、それぞれ袋部に封入される。
本発明の第13の発明は、上記第12の発明において、包装体は、少なくとも2枚のシート状部材を張り合わせて複数の袋部を形成する。
本発明の第14の発明は、上記第12の発明において、スピーカ装置は、板状部材をさらに備える。板状部材は、キャビネットの一部に固定されて空室内に配設され、複数の音孔が形成される。包装体は、その4つの端部がそれぞれ板状部材、キャビネットの背面、およびキャビネットの両側面に固定されて空室内に配置される。
本発明の第15の発明は、上記第1の発明において、スピーカ装置は、乾燥剤をさらに備える。乾燥剤は、包装体内に所定量封入される。
本発明の第16の発明は、上記第1の発明において、スピーカ装置は、音響ポートをさらに備える。音響ポートは、キャビネットに形成された開口部に設けられ、スピーカユニットから空室内に放射される特定の周波数の音と共振させて位相を反転して外部へその音を放射する。
本発明の第17の発明は、上記第1〜第16の発明のいずれかにおけるスピーカ装置と、スピーカ装置を固設する筐体とを備える、携帯型情報処理装置である。
本発明の第18の発明は、上記第1〜第16の発明のいずれかにおけるスピーカ装置と、スピーカ装置と、スピーカ装置を固設する筐体とを備える、オーディオビジュアルシステムである。
本発明の第19の発明は、上記第1〜第16の発明のいずれかにおけるスピーカ装置と、スピーカ装置を車内に固設する車体とを備える、車両である。
上記第1の発明によれば、吸着体および封入気体を封入して密閉した包装体をキャビネット内に配置しており、当該吸着体は当該封入気体を物理吸着することが可能である。そして、スピーカユニットによって再生される音による圧力変動が、包装体内部の封入気体に伝達され、包装体内の封入気体分子が吸着体の細孔に吸着、または吸着体の細孔に吸着した封入気体分子が開放されることにより、キャビネット内部の圧力を調整できる。また、包装体により封入された吸着体が外部の気体によって劣化することを防止することができるため、圧力を調整する性能を長期間保持可能である。したがって、小さな容積でも大きなスピーカと同様の低音を再生でき、かつ安定した性能を長期に発揮できるスピーカ装置を実現することができる。
上記第2の発明によれば、吸着体を、活性炭、ゼオライト、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、四三酸化鉄、モレキュラーシーブ、フラーレン、およびカーボンナノチューブ等の多孔性材料から選ぶことによって、キャビネット容積を等価的に大きくして、小型キャビネットで低音再生を実現することができる。
上記第3〜第6の発明によれば、封入気体を所定量封入することによって、温度や気圧の影響で包装体内部の封入気体の体積が変化した場合でも包装体が破裂したり、包装体が圧力変動を封入気体に伝達する阻害要因となったりすることを防止することができる。また、包装体により封入された吸着体が外部の気体によって劣化することを防止することができる。
上記第7の発明によれば、封入気体として吸着体が吸着しやすい気体を充填することによって、キャビネット内部の気体をそのまま吸着体の物理吸着対象の気体とする場合より、吸着体の気体分子の吸着および放出の特性を制御しやすい。したがって、スピーカ装置の低音再生能力をさらに向上する構成とすることができる。
上記第8の発明によれば、複数の包装体を空室内に釣り下げ配置することによって、空室内部空間に多量の包装体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
上記第9の発明によれば、スピーカ装置内部における包装体を安定して固定することができる。
上記第10の発明によれば、複数の包装体を空室内にキャビネット両側面に固定して配置することによって、空室内部空間に多量の包装体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
上記第11の発明によれば、複数の包装体を空室内に板状部材とキャビネット背面に固定して配置することによって、空室内部空間に多量の包装体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。また、他の包装体によって阻害されることなくそれぞれの包装体にスピーカユニットによる空室内の圧力変動を伝達することができる。
上記第12の発明によれば、空室内の圧力変動が小分けされた吸着体および封入気体にそれぞれ伝達されるため、さらに効率よくそれぞれの吸着体の物理吸着効果を得ることができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
上記第13の発明によれば、2枚のシート状部材を張り合わせて包装体を構成することによって、複数の袋部を容易に形成することができ、スピーカ装置内への設置も容易になる。
上記第14の発明によれば、小分けして包装体に封入された吸着体および封入気体をスピーカ装置内に安定して配置することができる。
上記第15の発明によれば、封入した乾燥剤によって包装体内に含まれる湿気が吸着体に吸着することを防止することができ、当該吸着体が物理吸着する作用を阻害することがない。したがって、吸着体が有する物理吸着能力を低下させることを防止することができる。
上記第16の発明によれば、吸着体が有する物理吸着効果によって見かけ上大きな容積を有する位相反転方式キャビネットとなり、一般的にキャビネットの大きさで決まる低音再生限界よりも低い周波数から低音を再生できる。また、外気がキャビネット内に進入するバスレフ方式のスピーカ装置であっても、吸着体が包装体に封入されているため、吸着体が外部の気体によって劣化することを防止され、圧力を調整する性能を長期間保持することができる。
また、本発明の携帯型情報処理装置、オーディオビジュアルシステム、および車両によれば、上述したスピーカ装置を搭載することによって同様の効果を得ることができる。
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係るスピーカ装置について説明する。以下説明するスピーカ装置は、位相反転方式の一例としてバスレフ方式を用いている。なお、図1は、当該スピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図1において、当該スピーカ装置は、キャビネット11、スピーカユニット12、包装体13、吸着体14、封入気体15、および音響ポート16を備えている。
キャビネット11は、スピーカ装置の筐体の前面、背面、上面、下面、および左右側面を構成する。スピーカユニット12は、動電型スピーカであり、キャビネット11の前面開口部に取り付けられる。そして、キャビネット11の内部にスピーカ装置の空室Raが形成される。
音響ポート16は、キャビネット11の前面に設けられ、当該音響ポート16を介してキャビネット11が形成する空室Raは外部へ開放される。そして、キャビネット11の音響容積とキャビネット11に設けた音響ポート16による音響共振を利用して、スピーカ装置から低音を放射するものである。
包装体13の内部には、吸着体14と共に封入気体15が封入されている。このような包装体13は、空室Ra内に複数配置される。図1に示した包装体13の設置例では、キャビネット11の内壁面に沿って複数の包装体13が配置されている。
吸着体14は、封入気体15を物理吸着する多孔性材料であり、例えば活性炭である。多孔性材料は、ミクロ単位の大きさの細孔で空気等の封入気体15を物理吸着することができる。他の吸着体14の例として、ゼオライト、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO3)、マグネシア(MgO)、四三酸化鉄(Fe34)、モレキュラーシーブ、フラーレン、およびカーボンナノチューブを用いることもできる。また、これらの材料を組み合わせて吸着体14の材料としてもよい。
封入気体15は、包装体13に封入された吸着体14が物理吸着可能な気体である。ここで、封入気体15は、包装体13に封入された吸着体14が物理吸着可能な気体であれば種類を選ばず、吸着体に形成された細孔内に物理吸着可能な分子を有していればよい。例えば、吸着体14の多孔性材料の細孔径分布と封入気体15の分子の大きさとの関係によって、適した気体が選択される。具体的には、封入気体15は、封入された吸着体14が活性炭の場合、空気、二酸化炭素、窒素等であり、吸着体14が他の材料であってもこれらの気体を封入気体15として用いることができる。
なお、吸着体14が吸湿して物理吸着能力が低下することを防止するために、封入気体15は、乾燥状態で包装体13内部に封入することが望ましい。また、包装体13の内部に、吸着体14および封入気体15と共に乾燥剤を封入してもかまわない。例えば、包装体13に封入する乾燥剤としては、シリカゲル、生石灰、塩化カルシウム加工品、シリカアルミナゲル等を用いることができる。包装体13の内部に乾燥剤を封入することによって、吸着体14が包装体13内部の湿気を吸着することによって封入気体15を物理吸着する作用が阻害されることを防止することができる。この乾燥剤を封入する効果は、後述する他の実施形態および変形例においても同様に得ることができ、それらの態様においても乾燥剤を包装体内に封入してもかまわない。
包装体13は、音による圧力変動を内部に伝える十分な柔軟性を持つ袋体であるともに、できるだけ密閉性の高い材料がよい。例えば、包装体13は、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVA(ビニロン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PC(ポリカーボネイト)、ナイロン(ポリアミド)、PVC(ポリ塩化ビニル)、およびPVDC(ポリ塩化ビニリデン)等の高分子フィルムで構成される。また、包装体13は、SBR(スチレンブタジエンゴム)、SBS(スチレンブタジエンスチレンゴム)、シリコーンゴム、IIR(ブチルゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴム)、ウレタンゴム等のフィルム状のゴム材料で構成される。また、包装体13は、上記ゴム材料の変成体を含む柔軟性を有するゴム高分子エラストマでもかまわない。また、包装体13は、上述した高分子フィルムやゴム材料の複合体によるフィルムでもかまわない。さらに、包装体13は、上述した材料で構成されるフィルム材の内面にアルミニウム、アルミナ、酸化珪素を蒸着して防湿性を高めた薄膜材料でもかまわない。
次に、包装体13に封入する吸着体14および封入気体15それぞれの封入量について説明する。例えば、低温および/または高圧状態では、吸着体14が封入気体15を物理吸着する量が増えるため、包装体13に封入する封入気体15の量が十分でないと包装体13の内面が吸着体14の外面に密着し、キャビネット11内圧力変動を封入気体15へ伝達することが阻害される要因になる可能性がある。したがって、包装体13には、スピーカ装置の保証最低温度かつ保証最高気圧下で吸着体14が吸着する封入気体15の体積よりも多い封入気体15を封入する。
一方、高温および/または低圧状態では、封入気体15の体積が膨張すると共に吸着体14が封入気体15を物理吸着する量が減るため、包装体13に封入された封入気体15の体積が増加して包装体13が破裂してしまう恐れがある。したがって、包装体13は、スピーカ装置の保証最高温度かつ保証最低気圧下で包装体13に封入された封入気体15が膨張しても十分な容積に変形可能なように、その内部に想定以上の容積を有する袋体で構成される。例えば、包装体13は、封入気体15の体積膨張/収縮に応じて、その形状が変形するような柔軟性の高いフィルム製の袋体部材や蛇腹構造の袋体(後述)等で構成される。なお、想定以上の容積とは、スピーカ装置の保証する保証最高温度かつ保証最低気圧のもとで、包装体13に封入された吸着体14および封入気体15が占める体積よりも大きい容積のことをいう。
次に、スピーカ装置の動作について説明する。動電型スピーカであるスピーカユニット12の動作は周知であるのでここでは詳細な説明を省略するが、スピーカユニット12に音楽信号を印加するとボイスコイルに力が発生して、振動板を振動させて音が発生する。そして、スピーカユニット12は、キャビネット11の内部の空室Raにも音を放射する。ここで、キャビネット11の内部容積(空室Raの容積)および音響ポート16の音響質量により、共振器が構成されている。その共振周波数においては、キャビネット11の内部空間に放射された音が音響ポート16から大きく放射される。そして、音響ポート16から放射される音は、スピーカユニット12から放射される音と同位相であるため、上記共振周波数を低域に設定することにより、スピーカ装置が再生する低音が増強される。このようにスピーカ装置は、低音を増強する位相反転方式を用いた装置として機能する。
また、スピーカユニット12の振動板で発生した音圧は、キャビネット11内部の空室Raの内部圧力を変動させる。そして、空室Raには吸着体14および封入気体15が封入された包装体13が複数配置されている。したがって、空室Ra内部の圧力変動は、包装体13を介して封入気体15にそれぞれ伝えられる。例えば、空室Raの内部圧力が上昇すると包装体13内の封入気体15の分子が吸着体14に物理吸着されて、空室Ra内の圧力上昇が抑えられる。一方、空室Raの内部圧力が低下すると包装体13内の吸着体14に物理吸着された封入気体15の分子が放出されて、空室Ra内の圧力低下が抑えられる。したがって、吸着体14の気体吸着作用により空室Ra内の圧力変動が抑制され、空室Raは、等価的に大きな容積となる。つまり、上記スピーカ装置は、あたかも大きな容積のキャビネット11にスピーカユニット12が取り付けられているように動作する。
このように、本実施形態のスピーカ装置は、見かけ上大きな容積を有する位相反転方式キャビネットとなり、一般的にキャビネットの大きさで決まる低音再生限界よりも低い周波数から低音を再生できる。また、スピーカ装置は、そのキャビネット内部に配置する吸着体が包装体に封入されているため、キャビネット内部の気体や外気に含まれる湿気等が吸着体と接触することを防止している。つまり、吸着体14が包装体13の外部にある吸着体14の吸着能力を劣化させる気体、例えば水蒸気、アセトアルデヒド、アンモニア等に接触しないようにすることにより、吸着体14の物理吸着能力の劣化を防ぐことができ、音響容積が見かけ上大きくなる効果を阻害しない。
また、吸着体14が粉体であった場合、包装体13に封入することにより、キャビネット11内部およびスピーカ外部に吸着体14が飛散することを防止することができる。
さらに、包装体13は、封入する吸着体14および封入気体15に対して十分大きな内容積に変形することが可能であり、封入気体15も十分な量が封入されているため、スピーカ装置の保証範囲内で温度や気圧の影響で包装体13内部の封入気体15の体積が変化した場合でも包装体13が破裂したり、包装体13が空室Raの圧力変動を封入気体15に伝達する阻害要因となったりすることはない。
また、封入気体15は、包装体13に封入した吸着体14が吸着しやすい気体を充填することが可能となる。つまり、キャビネット11内部の気体をそのまま吸着体の物理吸着対象の気体とする場合より、吸着体の気体分子の吸着、放出の特性を制御しやすい。したがって、包装体13に封入した吸着体14がより吸着しやすい気体を充填することによって、スピーカ装置の低音再生能力をさらに向上する構成とすることもできる。
なお、図1ではバスレフ型のキャビネットを示したが、このスピーカ装置は密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置に用いることができる。
ここで、図2を参照して、スピーカ装置の周波数特性について説明する。図2は、3種類スピーカ装置で実測した周波数特性A〜Cの一例を示すグラフである。
図2において、周波数特性Aは、図1で示した本発明の一例のスピーカ装置を実測したものである。具体的には、当該スピーカ装置のキャビネット11内部には、吸着体14として活性炭および封入気体15として空気を封入したポリエチレン製の包装体13をキャビネット11内に設置している。周波数特性Bは、背景技術で図15を用いて説明した従来のスピーカ装置を実測したものであり、上記スピーカ装置のキャビネット11内部に配置した活性炭(吸着体14)と同量の活性炭をキャビネット101内部に配置している。そして、周波数特性Cは、キャビネット内部に吸着体を有さないスピーカ装置を実測したものである。なお、周波数特性A〜Cを得たスピーカ装置のキャビネットやスピーカユニットは全て同じであり、バスレフ型スピーカ装置である。また、実測位置(前方1m)および入力(1W)も全て同条件である。
周波数特性Aと周波数特性Cとを比較すれば明らかなように、キャビネットに活性炭を入れていない周波数特性Cに比べ、周波数特性Aの最低共振周波数が下がり、低音再生能力も向上していることから、活性炭により低音再生帯域が拡大されていることがわかる。一方、キャビネット内に活性炭をそのまま入れた周波数特性Bと、キャビネット内に包装体に封入した活性炭を入れた周波数特性Aとを比較すると、それら周波数特性に大きな差が見られず、ともに活性炭の低音再生帯域拡大効果を確認することができる。つまり、包装体がキャビネット内の圧力変動をほとんど阻害することなく包装体内部の空気および活性炭に伝えていることがわかる。したがって、本発明のスピーカ装置は、活性炭をキャビネット内にそのまま入れた場合と同様の低音再生帯域を維持したまま、吸着体を包装体等に封入気体と共に封入して外部の気体と遮断して吸着体の劣化を防ぐことができ、スピーカ装置の吸着体による低音再生帯域拡大効果を長期間維持する構成とすることが可能となる。
(第2の実施形態)
図3を参照して、本発明の第2の実施形態に係るスピーカ装置について説明する。当該スピーカ装置は、第1の実施形態と同様のバスレフ方式を用いているが、後から包装体13をキャビネット内部に設置する態様である。なお、図3は、当該スピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図2において、当該スピーカ装置は、キャビネット21、スピーカユニット22および音響ポート26を備えており、キャビネット21内部に空室Rbが形成される。これらの構成は、第1の実施形態で説明したキャビネット11、スピーカユニット12、および音響ポート16と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、図2に示したスピーカ装置は、一般的なバスレフ型スピーカ装置である。そして、一般的なスピーカ装置の空室Rbに、第1の実施形態で説明した吸着体14および封入気体15が封入された包装体13を追加配置することによって、当該スピーカ装置の周波数特性を変化させることができる。なお、空室Rbに追加配置する包装体13は、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図3に示したスピーカ装置は一般的な吸着体を用いていないスピーカ装置であり、少なくとも1つの包装体13をスピーカ装置の空室Rb内に配置すれば、スピーカ装置のキャビネット内部の音による圧力変化が包装体13に伝達される。そして、包装体13を介して封入気体15に圧力変化が伝達される。つまり、空室Rbの内部圧力が上昇すると包装体13内の封入気体15の分子が吸着体14に物理吸着されて、空室Rb内の圧力上昇が抑えられる。一方、空室Rbの内部圧力が低下すると包装体13内の吸着体14に物理吸着された封入気体15の分子が放出されて、空室Rb内の圧力低下が抑えられる。したがって、吸着体14の気体吸着作用により空室Rb内の圧力変動が抑制され、空室Rbは、等価的に大きな容積となる。つまり、一般的なスピーカ装置に本発明の包装体を追加配置することによって、あたかも大きな容積のキャビネットにスピーカユニットが取り付けられているように動作する。
このように、本実施形態のスピーカ装置は、包装体を追加配置することによって、一般的なスピーカ装置が見かけ上大きな容積を有する位相反転方式キャビネットとなり、キャビネットの大きさで決まる低音再生限界よりも低い周波数から低音を再生できる。また、スピーカ装置は、そのキャビネット内部に配置する吸着体が包装体に封入されているため、キャビネット内部の気体や外気に含まれる湿気等が吸着体と接触することを防止している。つまり、吸着体14が包装体13の外部にある吸着体14の吸着能力を劣化させる気体、例えば水蒸気、アセトアルデヒド、アンモニア等に接触しないようにすることにより、吸着体14の物理吸着能力の劣化を防ぐことができ、音響容積が見かけ上大きくなる効果を阻害しない。
なお、図3では、包装体13をその内部に追加配置する一例としてバスレフ型のスピーカ装置を示したが、密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置の内部に包装体13を配置してもかまわない。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第1の変形例として、蛇腹構造を有する包装体を用いてもかまわない。図4および図5は、包装体の他の態様として、蛇腹構造の袋体を示す一例である。なお、図4は、蛇腹構造の袋体で構成された包装体23を示す側面図である。また、図5は、図4の包装体23の断面図である。
図4および図5において、包装体23の内部には、吸着体24と共に封入気体25が封入されている。このような包装体23は、図1および図3で示した空室RaおよびRb内に複数配置される。吸着体24および封入気体25は、上述した吸着体14および封入気体15と同様であるため、詳細な説明を省略する。
包装体23は、中空立体である円柱や直方体の側面が凹凸交互に曲成された蛇腹構造を有しており、所定方向に伸縮可能に構成されている。なお、包装体23を構成する材料については、第1の実施形態で説明した包装体13と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、蛇腹構造を有する包装体23は、少なくとも1つの側面が凹凸交互に曲成された構造を有する袋体であるが、凹凸交互に曲成する回数は少なくとも1回曲成されていればよい。この場合、少なくとも1つの側面が凹または凸方向に1度曲成された構造を有する包装体23となる。
低温および/または高圧状態では、吸着体24が封入気体25を物理吸着する量が増えるため、包装体23に封入された封入気体25の体積が減少し包装体23の蛇腹構造部が上記所定方向に短縮する。一方、高温および/または低圧状態では、封入気体25の体積が膨張すると共に吸着体24が封入気体25を物理吸着する量が減るため、包装体23に封入された封入気体25の体積が増加し包装体23の蛇腹構造部が上記所定方向に伸長する。つまり、包装体23は、封入気体25の体積膨張/収縮に応じて、その形状が変形するような蛇腹構造の袋体である。このように、包装体23の少なくとも一部を蛇腹構造で構成することによって、封入する吸着体24および封入気体25に対して十分大きな内容積に変形することが可能である。すなわち、包装体23内部に封入気体25を十分な量だけ封入することによって、スピーカ装置の保証範囲内で温度や気圧の影響で包装体23内部の封入気体25の体積が変化した場合でも包装体23が破裂したり、包装体23が圧力変動を封入気体25に伝達する阻害要因となったりすることはない。
なお、包装体23は、断面がトラック型となった中空柱状体等の側面が蛇腹構造で構成されてもよく、袋体全体の形状は問わない。また、図4および図5は、一部が蛇腹構造となった例を示したが、袋体全体が蛇腹構造となった包装体を用いてもかまわない。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第2の変形例として、1つの包装体に吸着体および封入気体を封入してスピーカ内部に配置してもかまわない。図6は、包装体の他の態様として、1つの袋体で構成した一例である。なお、図6は、1つの袋体で構成された包装体33が内部に配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図6において、当該スピーカ装置は、キャビネット31、スピーカユニット32、包装体33、吸着体34、封入気体35、および音響ポート36を備えており、キャビネット31内部に空室Rcが形成される。これらキャビネット31、スピーカユニット32、および音響ポート36の構成は、第1の実施形態で説明したキャビネット11、スピーカユニット12、および音響ポート16と同様であるため、詳細な説明を省略する。
包装体33の内部には、吸着体34と共に封入気体35が封入されている。このような包装体33は、音響ポート36の開口部を塞がないように空室Rc内に1つ配置される。図6に示した包装体33の設置例では、キャビネット31の下面上に相対的に大きな1つの包装体33が配置されている。なお、吸着体34および封入気体35は、上述した吸着体14および封入気体15に対して、1つの包装体33に封入する量が異なるだけで、それらの材料や包装体33の最大容積に対する封入量の関係は同様であるため、詳細な説明を省略する。また、包装体33についても上述した包装体13に対して相対的に大きな袋体で構成されるが、包装体33を構成する材料については包装体13と同様であるため、詳細な説明を省略する。このように、1つの包装体33に吸着体34および封入気体35を封入して空室Rc内部に配置しても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができることは明らかである。
なお、図6では、包装体33を配置する一例としてバスレフ型のスピーカ装置を示したが、密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置の内部に包装体33を配置してもかまわない。ただし、ドロンコーン方式のスピーカ装置に包装体33を配置する場合、ドロンコーンと接触しないように当該包装体33を配置する必要がある。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第3の変形例として、複数の包装体に吸着体および封入気体を封入してスピーカキャビネット上面に釣り下げて配置してもかまわない。図7は、包装体の他の態様として、複数の袋体を釣り下げて構成した一例である。なお、図7は、複数の袋体で構成された包装体43が内部に釣り下げ配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図7において、当該スピーカ装置は、キャビネット41、スピーカユニット42、包装体43、吸着体44、封入気体45、および音響ポート46を備えており、キャビネット41内部に空室Rdが形成される。これらキャビネット41、スピーカユニット42、および音響ポート46の構成は、第1の実施形態で説明したキャビネット11、スピーカユニット12、および音響ポート16と同様であるため、詳細な説明を省略する。
包装体43の内部には、それぞれ吸着体44と共に封入気体45が封入されている。このような包装体43は、音響ポート46の開口部を塞がないように空室Rd内のキャビネット41上面に複数釣り下げ配置される。図7に示した包装体43の設置例では、キャビネット41の上面に例えば細円柱等の包装体43が複数釣り下げ配置されている。このように複数の包装体43を空室Rd内に釣り下げ配置することによって、空室Rd内部空間に多量の包装体43を配置することができる。なお、吸着体44および封入気体45は、上述した吸着体14および封入気体15に対して、1つの包装体43に封入する量が異なるだけで、それらの材料や包装体43の最大容積に対する封入量の関係は同様であるため、詳細な説明を省略する。また、包装体43についても上述した包装体13に対して相対的に長い大きな袋体で構成されるが、包装体43を構成する材料については包装体43と同様であるため、詳細な説明を省略する。このように、複数の包装体43に吸着体44および封入気体45を封入して空室Rd内部に釣り下げ配置すれば、第1の実施形態より多量の吸着体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
なお、包装体43は、キャビネット41の上面に釣り下げるだけでなく、キャビネット41の下面にも固定してもかまわない。これによって、スピーカ装置内部における包装体43を安定して固定することができる。また、複数の包装体43をキャビネット41の左右側面間に架設して固定してもかまわない。この場合も、第1の実施形態より多量の吸着体を配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
また、図7では細円柱状の包装体43を複数釣り下げ配置したが、他の形状の包装体を複数釣り下げ配置してもかまわない。例えば、図8は、空室Rdに中空薄板状の袋体で構成される包装体43を釣り下げ配置した状態を示すために、スピーカ装置の一部を切り取った斜視図である。図8に示すように、中空薄板状の袋体で構成される包装体43の内部に吸着体44および封入気体45を封入し、音響ポート46の開口部を塞がないように複数の当該包装体43をキャビネット41の上面に釣り下げて配置している。この場合、スピーカユニット42の中心軸に対して、それぞれの包装体43の薄板面が平行となるようにキャビネット41の上面に釣り下げるのが好ましい。このようにキャビネット41の上面に釣り下げることによって、他の包装体43によって阻害されることなくそれぞれの薄板状の包装体43にスピーカユニット42による空室Rd内の圧力変動を伝達することができる。なお、このように薄板状の包装体43をキャビネット41の上面に釣り下げる場合も、当該包装体43をそれぞれキャビネット41の下面に固定してもかまわない。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第4の変形例として、包装体をキャビネット内部に固定するための固定部材を設けてもかまわない。図9は、包装体の他の態様として、複数の袋体を固定部材とキャビネットとの間に固定して構成した一例である。なお、図9は、複数の袋体で構成された包装体43が固定部材47とキャビネット41との間に固定して配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図9において、固定部材47は、複数の音孔が形成された板状部材であり、キャビネット41の上面および下面の間に固設される。なお、固定部材47は、その主面がスピーカユニット42の中心軸に対して垂直になるように空室Rd内部に固設されている。そして、細円柱状または薄板状の袋体で構成される複数の包装体43が、固定部材47およびキャビネット41の背面の間で音響ポート46の開口部を塞がないようにそれぞれ固定される。なお、薄板状の包装体43の場合、スピーカユニット42の中心軸に対して、それぞれの包装体の薄板面が平行となるように固定部材47およびキャビネット41の背面の間に固定される。このように、複数の包装体43に吸着体44および封入気体45を封入して、固定部材47とキャビネット41の背面との間に架設配置すれば、第1の実施形態より多量の吸着体を空室Rd内に配置することができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。
なお、図7〜図9では、包装体43を配置する一例としてバスレフ型のスピーカ装置を示したが、密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置の内部に包装体43を配置してもかまわない。ただし、ドロンコーン方式のスピーカ装置に包装体43を配置する場合、ドロンコーンと接触しないように当該包装体43を配置する必要がある。
次に、第1および第2の実施形態のさらなる第5の変形例として、複数に区分けした包装体を平面上に互いに連結してスピーカ装置内に配設してもかまわない。図10は、複数に区分けして平面上に互いに連結した包装体53を構成した一例を示す斜視図である。図11は、図10の包装体53を内部に配設したスピーカ装置の内部概略構造を示す断面図である。
図10において、包装体53は、格子状に複数に区分された袋部(図10の例では、4×4=16個)を形成している。また、包装体53の複数の袋部内部にはそれぞれ吸着体54と共に封入気体55が封入されている。吸着体54および封入気体55の材質は、上述した吸着体14および封入気体15と同様であるため、詳細な説明を省略する。例えば、包装体53は、2枚のシート状の部材を上記袋部それぞれの空間を確保しながら格子状に張り合わせることによって形成される。そして、2枚のシート状の部材を格子状に張り合わせる際、上記袋部の空間それぞれに吸着体54および封入気体55を所定量封入する。ここで、包装体53を形成するシート状部材の材質は、上述した包装体13と同様の材質であるため、詳細な説明を省略する。
次に、包装体53の袋部にそれぞれ封入する吸着体54および封入気体55の封入量について説明する。第1の実施形態と同様に、低温および/または高圧状態では、吸着体54が封入気体55を物理吸着する量が増えるため、袋部それぞれに封入する封入気体55の量が十分でないと上記シート状部材の対向面が吸着体54の外面に密着し、キャビネット内圧力変動を封入気体55へ伝達することが阻害される要因になる可能性がある。したがって、包装体53の各袋部には、スピーカ装置の保証最低温度かつ保証最高気圧下で吸着体54が吸着する封入気体55の体積よりも多い封入気体55をそれぞれ封入する。
一方、高温および/または低圧状態では、封入気体55の体積が膨張すると共に吸着体54が封入気体55を物理吸着する量が減るため、袋部それぞれに封入された封入気体55の体積が増加して袋部が破裂してしまう恐れがある。したがって、包装体53の各袋部は、スピーカ装置の保証最高温度かつ保証最低気圧下で各袋部に封入された封入気体55が膨張しても十分な容積に変形可能なように伸縮可能なフィルムで構成する、またはその内部に想定以上の容積を有する袋体で構成される。ここで、想定以上の容積とは、スピーカ装置の保証する保証最高温度かつ保証最低気圧のもとで、包装体53の各袋部に封入された吸着体54および封入気体55が占める体積よりも大きい容積のことをいう。
図11において、スピーカ装置は、キャビネット51、スピーカユニット52、包装体53、吸着体54、封入気体55、音響ポート56、および固定部材57を備えており、キャビネット51内部に空室Reが形成される。これらキャビネット51、スピーカユニット52、および音響ポート56の構成は、第1の実施形態で説明したキャビネット11、スピーカユニット12、および音響ポート16と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、固定部材57は、図9を用いて説明した固定部材47と同様であるため、詳細な説明を省略する。
格子状に区分された複数の袋部を有する包装体53が複数空室Re内に配置され、その4辺が固定部材57、キャビネット51の背面、および両側面の間でそれぞれ固定される。なお、包装体53は、音響ポート56の開口部を塞がないようにそれぞれ配設される。そして、包装体53は、スピーカユニット42の中心軸に対して、それぞれの包装体53の格子面が平行となるように配設される。このようにそれぞれの包装体53を配設することによって、他の包装体53によって阻害されることなくそれぞれの包装体53にスピーカユニット52による空室Re内の圧力変動を伝達することができる。
このように、複数の包装体53の各袋部に吸着体54および封入気体55を封入して、固定部材57とキャビネット51との間に配設すれば、第1の実施形態より多量の吸着体を空室Re内に配置することができる。また、空室Re内の圧力変動は、小分けされた吸着体54および封入気体55にそれぞれ伝達されるため、さらに効率よくそれぞれの吸着体54の物理吸着効果を得ることができ、さらに低音再生能力を向上させたスピーカ装置を実現できる。また、包装体53は、2枚のシート状部材を張り合わせて構成することができるため、複数の袋部を容易に形成することができ、スピーカ装置内への設置も容易になる。
なお、包装体53の4辺を固定部材57およびキャビネット51の間にそれぞれ固定したが、少なくとも包装体53の対向する2辺を固定部材57および/またはキャビネット51にそれぞれ固定してもよい。例えば、包装体53の対向する2辺をキャビネット51の両側面に固定する場合、固定部材57が不要となる。
また、図11では、包装体53を配置する一例としてバスレフ型のスピーカ装置を示したが、密閉型、ドロンコーン方式、あるいは他の様々な方式のスピーカ装置の内部に包装体53を配置してもかまわない。ただし、ドロンコーン方式のスピーカ装置に包装体53を配置する場合、ドロンコーンと接触しないように当該包装体53や固定部材57を配置する必要がある。
ここで、上述した包装体を有するスピーカ装置は、例えば車載用のスピーカ装置として用いられる。図12は、自動車の車内で用いられるスピーカ装置の一例を示す図である。
図12において、上記スピーカ装置は、自動車のドア内部に固設される。なお、図12においては、一例として第1の実施形態で説明したスピーカ装置を破線で示しており、その構成要素としてキャビネット11およびスピーカユニット12のみを示している。
一般的に、低音域の再生能力に優れたスピーカ装置を搭載する場合、所望の低音を再生するために、容積の大きなキャビネットが必要とされる。一方、自動車のドア内部空間で許容されるスピーカ装置の設置のための空間は非常に狭い空間となり、当該ドア部材がスピーカキャビネットとして用いられることが一般的である。しかしながら、本発明のスピーカ装置は、容積の小さいキャビネットであっても、その内部に包装体13に封入された吸着体14を配置することによって、それらの物理吸着効果によって高い低音域再生能力を有する。つまり、許容される空間が狭いためにキャビネットの容積が制限されても、豊かな低音再生が可能な車載用スピーカ装置が実現される。
また、上述した包装体を有するスピーカ装置は、例えば携帯電話等の携帯型情報処理装置用のスピーカ装置として用いられる。図13は、携帯電話に搭載されるスピーカ装置の一例を示す正面図および側面図である。
図13において、上記スピーカ装置は、携帯電話の筐体内部に固設される。なお、図13においては、一例として第1の実施形態で説明したスピーカ装置を破線で示しており、その構成要素としてキャビネット11と、スピーカユニット12と、吸着体14および封入気体15を封入した包装体13とを示している。
上述したように、低音域の再生能力に優れたスピーカ装置を搭載する場合、所望の低音を再生するために、容積の大きなキャビネットが必要とされる。一方、携帯電話等の携帯型装置は小型化が常に求められ、携帯電話の筐体内部空間で許容されるスピーカ装置の設置のための空間は、非常に狭い空間となる。しかしながら、本発明のスピーカ装置は、容積の小さいキャビネットであっても、その内部に包装体13に封入された吸着体14を配置することによって、それらの物理吸着効果によって高い低音域再生能力を有する。つまり、許容される空間が狭いためにキャビネット11の容積が制限されても、豊かな低音再生が可能な携帯型情報処理装置用スピーカ装置が実現される。なお、携帯型装置に搭載されるキャビネット11は、位相反転型キャビネットでもかまわない。
また、上述した包装体を有するスピーカスピーカ装置は、薄型化が進む液晶テレビ、PDP(プラズマディスプレイ)、ステレオ装置、5.1チャンネル再生のホームシアター等のAVシステムに用いられるスピーカシステムに適用される。具体的には、当該スピーカ装置は、薄型テレビに搭載されるスピーカシステムとして用いられる。図14は、スピーカ装置をテレビに搭載した構成の一例を示す正面図およびその一部の内部構造を図示A−A断面で示した側面図である。
図14において、上記スピーカ装置は、薄型テレビの筐体内部の左右にそれぞれ固設される。なお、図14においては、第1の実施形態で説明したスピーカ装置の構成要素としてキャビネット11、スピーカユニット12、吸着体14および封入気体15を封入した包装体13、および音響ポート16を示している。
上述したように、低音域の再生能力に優れたスピーカ装置を搭載する場合、所望の低音を再生するために、容積の大きなキャビネットが必要とされる。一方、薄型テレビは薄型化が常に求められ、薄型テレビの筐体内部空間で許容されるスピーカ装置の設置のための空間は、非常に狭い空間となる。しかしながら、本発明のスピーカ装置は、容積の小さいキャビネットであっても、その内部に包装体13に封入された吸着体14を配置することによって、それらの物理吸着効果および位相反転方式による効果によって高い低音域再生能力を有する。つまり、許容される空間が狭いためにキャビネット11の容積が制限されても、豊かな低音再生が可能なAVシステム用スピーカ装置が実現される。
このように、上述したスピーカ装置は、吸着体および封入気体を封入して密閉した包装体をキャビネット内に配置しており、当該吸着体は当該封入気体を物理吸着することが可能である。そして、包装体は、スピーカユニットによって再生される音による圧力変動をその内部の封入気体に伝え、包装体内の封入気体分子が吸着体の細孔に吸着、または吸着体の細孔に吸着した封入気体分子が開放されることにより、スピーカキャビネット内部の圧力を調整できる。また、包装体により封入された吸着体が外部の気体によって劣化することを防止することができるため、圧力を調整する性能を長期間保持可能である。したがって、この包装体をスピーカキャビネット内に配置すれば、小さな容積でも大きなスピーカと同様の低音を再生でき、かつ安定した性能を長期に発揮できるスピーカ装置を実現することができる。
本発明に係るスピーカ装置は、小さな容積でも低音域の再生能力に優れており、車載用、携帯型デバイス用、AVシステム用等の様々なスピーカ装置等として有用である。
発明の第1の実施形態に係るスピーカ装置の内部概略構造を示す断面 発明のスピーカ装置および従来のスピーカ装置の周波数特性を示すグラ 発明の第2の実施形態に係るスピーカ装置の内部概略構造を示す断面 腹構造の袋体で構成された包装体23を示す側面 4の包装体23の断面 つの袋体で構成された包装体33が内部に配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面 数の袋体で構成された包装体43が内部に釣り下げ配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面 室Rdに中空薄板状の袋体で構成される包装体43を釣り下げ配置した状態を示すために、スピーカ装置の一部を切り取った斜視 数の袋体で構成された包装体43が固定部材47とキャビネット41との間に固定して配置されたスピーカ装置の内部概略構造を示す断面 数に区分けして平面上に互いに連結した包装体53を構成した一例を示す斜視 10の包装体53を内部に配設したスピーカ装置の内部概略構造を示す断面 動車の車内で用いられるスピーカ装置の一例を示す 帯電話に搭載されるスピーカ装置の一例を示す正面図および側面 ピーカ装置をテレビに搭載した構成の一例を示す正面図およびその一部の内部構造を図示A−A断面で示した側面 来のスピーカ装置主要部の構造断面
符号の説明
11、21、31、41、51…キャビネット
12、22、32、42、52…スピーカユニット
13、23、33、43、53…包装体
14、24、34、44、54…吸着体
15、25、35、45、55…封入気体
16、26、36、46、56…音響ポート
47、57…固定部材

Claims (19)

  1. キャビネットと、
    前記キャビネットに取り付けられたスピーカユニットと、
    前記キャビネット内部の空室に少なくとも1つ配置され、その内部の物質を外部から密閉する袋体で構成される包装体と、
    前記包装体内に所定量封入された封入気体と、
    前記包装体内に所定量封入され、前記封入気体を物理吸着する吸着体とを備える、スピーカ装置。
  2. 前記吸着体は、活性炭、ゼオライト、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、四三酸化鉄(Fe)、モレキュラーシーブ、フラーレン、およびカーボンナノチューブからなる多孔性材料の群から選ばれる少なくとも1つから構成されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記包装体は、少なくとも一部に蛇腹構造を有する袋体で構成されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  4. 前記包装体は、伸縮性を有するフィルム部材で形成された袋体で構成されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  5. 前記包装体は、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVA(ビニロン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PC(ポリカーボネイト)、ナイロン(ポリアミド)、PVC(ポリ塩化ビニル)、およびPVDC(ポリ塩化ビニリデン)からなる高分子材料の群から選ばれる少なくとも1つを含むフィルム状部材から構成されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  6. 前記包装体は、SBR(スチレンブタジエンゴム)、SBS(スチレンブタジエンスチレンゴム)、シリコーンゴム、IIR(ブチルゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴム)、ウレタンゴムからなるゴム材料の群から選ばれる少なくとも1つを含むフィルム状部材から構成されることを特徴とする、請求項4に記載のスピーカ装置。
  7. 前記封入気体は、前記吸着体に形成された細孔内に物理吸着可能な分子を有することを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  8. 前記包装体は、前記空室内に前記キャビネット上面から釣り下げられて配置されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  9. 前記包装体は、さらにその下端を前記キャビネット下面に固定されて、前記空室内に釣り下げて配置されることを特徴とする、請求項8に記載のスピーカ装置。
  10. 前記包装体は、少なくとも対向する2つの端部がそれぞれ前記キャビネットの両側面に固定されて前記空室内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  11. 前記スピーカ装置は、前記キャビネットの一部に固定されて前記空室内に配設され、複数の音孔が形成された板状部材を、さらに備え、
    前記包装体は、少なくとも対向する2つの端部がそれぞれ前記板状部材と前記キャビネットの背面とに固定されて前記空室内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  12. 前記包装体は、格子状に区分されて互いに連結された複数の袋部を有し、
    前記吸着体および前記封入気体は、それぞれ前記袋部に封入されることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
  13. 前記包装体は、少なくとも2枚のシート状部材を張り合わせて前記複数の袋部を形成することを特徴とする、請求項12に記載のスピーカ装置。
  14. 前記スピーカ装置は、前記キャビネットの一部に固定されて前記空室内に配設され、複数の音孔が形成された板状部材を、さらに備え、
    前記包装体は、その4つの端部がそれぞれ前記板状部材、前記キャビネットの背面、および前記キャビネットの両側面に固定されて前記空室内に配置されることを特徴とする、請求項12に記載のスピーカ装置。
  15. 前記スピーカ装置は、前記包装体内に所定量封入された乾燥剤を、さらに備える、請求項1に記載のスピーカ装置。
  16. 前記スピーカ装置は、前記キャビネットに形成された開口部に設けられ、前記スピーカユニットから前記空室内に放射される特定の周波数の音と共振させて位相を反転して外部へ当該音を放射する音響ポートを、さらに備える、請求項1に記載のスピーカ装置。
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれかに記載のスピーカ装置と、
    前記スピーカ装置を固設する筐体とを備える、携帯型情報処理装置。
  18. 請求項1乃至請求項16のいずれかに記載のスピーカ装置と、
    前記スピーカ装置を固設する筐体とを備える、オーディオビジュアルシステム。
  19. 請求項1乃至請求項16のいずれかに記載のスピーカ装置と、
    前記スピーカ装置を車内に固設する車体とを備える、車両。
JP2006531869A 2004-08-23 2005-08-19 スピーカ装置 Pending JPWO2006022199A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004241832 2004-08-23
JP2004241832 2004-08-23
PCT/JP2005/015127 WO2006022199A1 (ja) 2004-08-23 2005-08-19 スピーカ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2006022199A1 true JPWO2006022199A1 (ja) 2008-05-08

Family

ID=35967411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006531869A Pending JPWO2006022199A1 (ja) 2004-08-23 2005-08-19 スピーカ装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7974423B2 (ja)
EP (1) EP1786235B1 (ja)
JP (1) JPWO2006022199A1 (ja)
CN (1) CN101027934B (ja)
WO (1) WO2006022199A1 (ja)

Families Citing this family (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2003924B1 (en) * 2006-04-03 2012-04-25 Panasonic Corporation Speaker system
WO2007117045A1 (ja) * 2006-06-21 2007-10-18 Panasonic Corporation スピーカおよびこれを用いたスピーカ装置ならびにこのスピーカを用いた電子機器および車両
JP2008005101A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピーカおよびこれを用いたスピーカ装置ならびにこのスピーカを用いた電子機器および車両
JP4609383B2 (ja) * 2006-06-23 2011-01-12 パナソニック株式会社 スピーカおよびこれを用いたスピーカ装置ならびにこのスピーカを用いた電子機器および車両
US8630435B2 (en) * 2008-08-08 2014-01-14 Nokia Corporation Apparatus incorporating an adsorbent material, and methods of making same
CN101754070B (zh) * 2008-11-28 2013-06-26 陆少锋 弹性体扬声器箱系统
US8292023B2 (en) * 2009-02-13 2012-10-23 Nokia Corporation Enclosing adsorbent material
EP2293592A1 (en) * 2009-09-01 2011-03-09 Nxp B.V. Acoustic material for a small loudspeaker cabinet
JP2011199574A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Panasonic Corp 音響スピーカー装置
EP2424270B1 (en) * 2010-08-23 2014-05-21 Knowles Electronics Asia PTE. Ltd. Loudspeaker system with improved sound
EP2495991A1 (en) 2011-03-04 2012-09-05 Knowles Electronics Asia PTE. Ltd. Packaging of acoustic volume increasing materials for loudspeaker devices
JP5873963B2 (ja) * 2011-04-12 2016-03-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 音響スピーカー装置
US9020177B2 (en) * 2011-09-30 2015-04-28 Apple Inc. Method and apparatus for construction of an acoustic module backvolume
US8687836B2 (en) 2012-08-31 2014-04-01 Bose Corporation Loudspeaker system
US8794373B1 (en) 2013-03-15 2014-08-05 Bose Corporation Three-dimensional air-adsorbing structure
DE102013210696A1 (de) * 2013-06-07 2014-12-11 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Akustisches System mit einem Gehäuse mit adsorbierendem Pulver
US9635455B2 (en) * 2013-09-11 2017-04-25 Sound Solutions International Co., Ltd. Speaker with grained zeolite material in deep-drawn foil resonance volume
CN104038855A (zh) * 2014-06-04 2014-09-10 瑞声光电科技(常州)有限公司 电声器件及所述电声器件的组装方法
CN204408577U (zh) * 2015-03-06 2015-06-17 歌尔声学股份有限公司 一种发音装置中吸音颗粒的防护装置
US10349167B2 (en) 2015-05-18 2019-07-09 Apple Inc. Audio speaker with back volume containing adsorptive material
GB2567608B (en) 2015-07-07 2019-10-09 Nanoscape Ag Improved material for rapid gas sorption in loudspeakers
US9615165B2 (en) 2015-08-07 2017-04-04 Sound Solutions International Co., Ltd. Loudspeaker device having foam insert to improve gas distribution in sound adsorber material
US10244308B2 (en) * 2015-08-27 2019-03-26 Apple Inc. Audio speaker having a rigid adsorptive insert
US9691371B1 (en) * 2015-12-18 2017-06-27 Bose Corporation Air adsorbing and sound absorbing structure
DE102016119475B4 (de) 2016-10-12 2019-02-21 Norman Gerkinsmeyer Schallabsorber und Fahrzeug, sowie Verwendung eines Schallabsorbers
CN206149491U (zh) * 2016-10-26 2017-05-03 瑞声科技(沭阳)有限公司 扬声器箱
US10667038B2 (en) 2016-12-07 2020-05-26 Apple Inc. MEMS mircophone with increased back volume
CN108989944B (zh) * 2018-08-03 2021-02-19 瑞声光电科技(常州)有限公司 扬声器箱
US11832050B2 (en) * 2018-09-19 2023-11-28 Apple Inc. Zeolitic material for improving loudspeaker performance
CN109831725A (zh) * 2018-12-27 2019-05-31 瑞声科技(新加坡)有限公司 扬声器模组
WO2021000179A1 (zh) * 2019-06-30 2021-01-07 瑞声声学科技(深圳)有限公司 扬声器模组
FR3107137B1 (fr) * 2020-02-10 2023-05-12 Fabrice Cruette Dispositif d'enceinte acoustique aux performances accrues au moyen d'un boîtier et d'éléments intérieurs recouverts par un gel supplémentaire souple absorbant les vibrations et variations de pression.
TWI754998B (zh) * 2020-07-22 2022-02-11 台灣立訊精密有限公司 聲學塊材的製作方法及聲學裝置
KR20220074504A (ko) * 2020-11-27 2022-06-03 현대자동차주식회사 차량 및 그 제어방법
CN113903320A (zh) * 2021-09-29 2022-01-07 瑞声光电科技(常州)有限公司 吸音材料及应用该吸音材料的扬声器

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54103833U (ja) * 1977-12-29 1979-07-21
JPS54153930U (ja) * 1978-04-18 1979-10-26
JPS5769993A (en) * 1980-10-20 1982-04-30 Takemasa Horiguchi Speaker device
JPS57210798A (en) * 1981-06-19 1982-12-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd Speaker system
JPS60500645A (ja) * 1983-03-02 1985-05-02 ケイ・エイチ・テクノロジー・コーポレイション 定圧装置
JPH11331967A (ja) * 1998-05-11 1999-11-30 Uetakkusu Kk 防水スピーカ

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3617654A (en) * 1968-11-18 1971-11-02 Stephen L Heidrich Electroacoustic transducer
US4004094A (en) * 1976-03-16 1977-01-18 Novar Electronics Corporation Enclosure system for sound generators
US4101736A (en) * 1977-03-17 1978-07-18 Cerwin Vega, Inc. Device for increasing the compliance of a speaker enclosure
JPS54103833A (en) 1978-02-03 1979-08-15 Sagami Chem Res Center P-hydroxyphenylketenemercaptal s-oxide derivative
JPS54153930A (en) 1978-05-26 1979-12-04 Iida Denki Kogyo Kk Nonncontact igniter for internal combustion engine
US4450929A (en) * 1980-05-09 1984-05-29 Marrs Ralph E Acoustic energy systems
FR2616994B1 (fr) * 1987-06-22 1989-11-24 Coudoux Christian Enceintes acoustiques a tres hautes performances
JPH01226300A (ja) * 1988-03-04 1989-09-08 Sony Corp 音響変換器
JPH11216327A (ja) * 1998-02-02 1999-08-10 Mitsubishi Electric Corp エアフィルタユニット
JP2000028083A (ja) * 1998-05-06 2000-01-25 Kuraray Plast Co Ltd 圧縮性ダクト
JP2000319821A (ja) * 1999-05-10 2000-11-21 Ohbayashi Corp 防音壁
GB2378082B (en) * 2001-07-26 2005-03-09 Kh Technology Corp Improvements in loudspeakers
JP2003166118A (ja) * 2001-09-21 2003-06-13 Asahi Kasei Corp バインダー繊維素材
JP2003214134A (ja) * 2002-01-22 2003-07-30 Sakamoto Industry Co Ltd 吸音体及び内燃機関用消音器

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54103833U (ja) * 1977-12-29 1979-07-21
JPS54153930U (ja) * 1978-04-18 1979-10-26
JPS5769993A (en) * 1980-10-20 1982-04-30 Takemasa Horiguchi Speaker device
JPS57210798A (en) * 1981-06-19 1982-12-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd Speaker system
JPS60500645A (ja) * 1983-03-02 1985-05-02 ケイ・エイチ・テクノロジー・コーポレイション 定圧装置
JPH11331967A (ja) * 1998-05-11 1999-11-30 Uetakkusu Kk 防水スピーカ

Also Published As

Publication number Publication date
US7974423B2 (en) 2011-07-05
EP1786235A4 (en) 2011-03-09
EP1786235A1 (en) 2007-05-16
CN101027934B (zh) 2011-12-14
WO2006022199A1 (ja) 2006-03-02
CN101027934A (zh) 2007-08-29
EP1786235B1 (en) 2018-06-13
US20070286449A1 (en) 2007-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2006022199A1 (ja) スピーカ装置
JP4767164B2 (ja) スピーカ装置
US7463747B2 (en) Loudspeaker system
JP4054367B2 (ja) スピーカ装置
US8184826B2 (en) Speaker system
US8335333B2 (en) Speaker system
US10506333B2 (en) Acoustic device
JP4829218B2 (ja) 吸音構造体
JPWO2006104103A1 (ja) スピーカ装置
JP2007288712A (ja) スピーカ装置
JP2017123647A (ja) 空気吸着剤を備えるマイクロスピーカー
CN110784816B (zh) 声学装置及电子设备
JP4643626B2 (ja) スピーカ装置
KR20240008516A (ko) 다공성 물질로 제조되는 블록 및 이를 포함하는 마이크로스피커 인클로져

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110318

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110706