JP2007288712A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気体吸着体を用いて低音再生性能の向上を図ったスピーカ装置において、キャビネット形状によらず、気体吸着体と空間との接触面積を大きくとることを可能にする。
【解決手段】スピーカ装置は、スピーカユニットと、キャビネットと、気体吸着体と、球状弾性体を備えている。キャビネットは、スピーカユニットの背面に空室を形成する。球状弾性体は、気体吸着体を封入した状態で空室に配置される。これによって、キャビネットが複雑な形状であっても、気体吸着体と周囲の空間との接触面積を容易に増大させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】スピーカ装置は、スピーカユニットと、キャビネットと、気体吸着体と、球状弾性体を備えている。キャビネットは、スピーカユニットの背面に空室を形成する。球状弾性体は、気体吸着体を封入した状態で空室に配置される。これによって、キャビネットが複雑な形状であっても、気体吸着体と周囲の空間との接触面積を容易に増大させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、小型のスピーカキャビネットで豊かな低音再生を実現するスピーカ装置に関するものである。
従来のスピーカ装置では、スピーカキャビネットの空室が呈する音響スティフネスの影響で、小型で低音再生が可能なスピーカシステムを実現することは困難であった。このキャビネット容積で決定される低音再生限界の課題を解決する1つの手段として、キャビネットの内部に活性炭の塊を配置するスピーカ装置があった(例えば、特許文献1参照)。
図6は、特許文献1に記載されたスピーカ装置の部分展開図である。図6において、スピーカ装置は、前壁44、後壁45および側壁46から成るキャビネット、2つのスピーカユニット47、48、活性炭49、支持部材50によって構成される。スピーカユニットは、前壁の開口部に取り付けられる。スピーカユニット47、48とキャビネットに囲まれた部分には空室51(図示しない)が形成される。活性炭49は粒状の活性炭の集合であり、支持部材50によってその形状が側壁46付近に維持される。支持部材50は、例えば織物材料によって構成され、複数のチューブ状バッグが連結された形状を有している。
図6に示すスピーカ装置の動作を説明する。スピーカユニット47に電気信号が印加されると、キャビネット内に圧力の変動が生じるが、キャビネット内の圧力に応じて空室51内の空気分子が活性炭に吸着されるので、空室51内の圧力変動は抑制される。これによって、キャビネットの容積を大きくすることと同等の効果を得ることができるので、小型のキャビネットでありながら、あたかも大きなキャビネットを構成したような低音再生が可能となる。特許文献1に記載されたスピーカ装置では、支持部材50をチューブ状バッグとすることで、キャビネット内で活性炭と空気との接触面積を大きくし、活性炭49による空気吸着作用の最大化をはかっている。
特表2004−537938号公報
しかしながら、気体吸着体をチューブ状の格納手段に封入する方法は、特許文献1に記載されたスピーカ装置のように単純な形状のキャビネットを持つスピーカ装置の場合には有効であるが、狭小な空間で構成される小型キャビネットや異形キャビネットに適用することは困難である。すなわち、キャビネット内部空間の狭小さや形状の複雑さのために、格納手段が移動・変形することで気体吸着体と空気との接触が阻害されて低音再生効果が減じたり、またチューブ状の格納手段を設置することが不可能であったりするという問題がある。
したがって、異形キャビネットを持つスピーカ装置に対して活性炭による低音再生技術を用いるためには、空気の通路が確保でき、かつ袋の移動や変形を防ぐように、キャビネットの形状に合わせて袋の形状や配置を設計したり、袋をキャビネット内に特別に固定したりする必要があった。
それ故、本発明の目的は、複雑な内部形状を持つキャビネットや内部空間の狭小なキャビネットにおいても、気体吸着体と空間との接触面積を大きくとることが容易なスピーカ装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明において、スピーカ装置は、スピーカユニットと、前記スピーカユニットを取り付けたキャビネットと、前記キャビネットの内部に気体の吸着作用により等価容積を拡大する効果を有する気体吸着体と、前記気体吸着体を封入した少なくとも1つの中空の弾性体とで構成される。
また、第2の発明においては、弾性体の形状が球形であってもよい。
また、第3の発明においては、弾性体の材料が発泡性樹脂であってもよい。
また、第4の発明においては、弾性体の材料が通気性材料であってもよい。
また、第5の発明においては、弾性体が通気性の格納手段もしくは非通気性の格納手段に封入されていてもよい。
また、第6の発明においては、球状弾性体の内部表面と外部表面の少なくとも一方の面に、突起部が形成されていてもよい。
また、第7の発明においては、気体吸着体が活性炭、ゼオライト、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO3)、マグネシア(MgO)、四三酸化鉄(Fe3O4)、モレキュラーシーブ、フラーレン、カーボンナノチューブ等の多孔性材料のいずれかであってもよい。
また、第8の発明においては、キャビネットが密閉方式であってもよい。
また、第9の発明においては、キャビネットが前記キャビネットに音響ポート、或いはパッシブラジエータを設けた位相反転方式であってもよい。
また、第10の発明においては、駆動力発生手段が、動電型、圧電形、静電型、電磁型の少なくとも1つであってもよい。
また、第11の発明は、表示装置と、スピーカ装置と、スピーカ装置を表示装置の周囲に配置するようにスピーカ装置を内部で保持する機器筐体とを備えたオーディオ映像機器である。
スピーカ装置は、音を発生するスピーカユニットと、スピーカユニットの背面に空室を形成するキャビネットと、空室内に設置された気体吸着体と、気体吸着体を封入した球状弾性体を備えている。
また、第12の発明は、スピーカ装置と、スピーカ装置によって発生される音を車室内に放射するように前記スピーカ装置を保持する保持部とを備えた車両である。
スピーカ装置は、音を発生するスピーカユニットと、スピーカユニットの背面に空室を形成するキャビネットと、空室内に設置された気体吸着体と、気体吸着体を封入した球状弾性体を備えている。
また、第13の発明は、共鳴器と、気体を物理吸着する吸着体と、前記気体吸着体を封入した中空の球状弾性体とを有する防音構造体である。
気体を物理吸着する吸着体を球状の弾性体に封入し、キャビネットの内部に設置することで、キャビネットの等価容積の増大効果とともに音圧レベルの低下を少なくして、小型キャビネットでありながら、豊かな低音を再生するスピーカ装置を実現することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置を示す垂直断面図である。図1において、スピーカ装置は、キャビネット1、上部空室2、スピーカユニット3、仕切板4、下部空室5、活性炭6、および球状弾性体7を備えている。なお、実施の形態1では、スピーカユニット3は動電型のスピーカを例として説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置を示す垂直断面図である。図1において、スピーカ装置は、キャビネット1、上部空室2、スピーカユニット3、仕切板4、下部空室5、活性炭6、および球状弾性体7を備えている。なお、実施の形態1では、スピーカユニット3は動電型のスピーカを例として説明する。
実施の形態1においては、活性炭6は、例えばウレタンの発泡材料よりなる球状弾性体7に封入された粒状活性炭である。球状弾性体7は中空のボール状であり、キャビネット1の内部の空隙に複数配置されるので、球状弾性体と球状弾性体の間に空隙が形成されることとなる。仕切板4はキャビネット1の内部に配置され、キャビネット内部の空間をスピーカユニット3に面する上部空室2と活性炭6に面する下部空室5に分割する。上部空室2と下部空室5とは、仕切板4に設けられた通気孔を通じて空気が流通する。
以上のように構成されたスピーカ装置の動作を説明する。動電型スピーカであるスピーカユニットの動作は周知であるのでここでは詳細な説明を省略する。スピーカユニット3の背面で発生した音(音圧)は、仕切板4に設けられた通気孔を通って下部空室5に伝達される。この音によって下部空室5の圧力が変動するが、下部空室5の内部には活性炭6を封入した球状弾性体7が配置されているため、圧力変動はまず球状弾性体と球状弾性体の間の空隙を通って下部空室5の全体に伝わり、次に球状弾性体の表面を通して活性炭6に伝わる。ここで、活性炭6は気体吸着の効果を持つので、その作用によって下部空室5の圧力変動は抑えられる。したがって、キャビネット1の容積を拡大することと同等の効果を得られるので、低音の再生限界を拡大することができる。
以上より、実施の形態1によれば、活性炭6が球状弾性体7でなく、袋状の格納手段によって格納されている場合と比べて、活性炭6と空気の接触が阻害されることによる気体吸着効果の減少を防ぎ、複雑な形状のキャビネット内部に効率良く活性炭を配置することで、豊かな低音再生が可能なスピーカシステムを実現することができる。
なお、実施の形態1において球状弾性体7は球の形状を持つが、球状弾性体の形状は、周囲に容易に空隙を形成することができ、かつそれ自身の形状を維持できるものであればよく、たとえば回転楕円体状や直方体の角を丸めた形状であってもよい。また、実施の形態1において活性炭6は粒状であるが、繊維状活性炭で織られた布や、フレーク状の繊維状活性炭であっても良く、また材料がゼオライト、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO3),マグネシア(MgO)、フラーレン、カーボンナノチューブ等の多孔性材であっても良い。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2として、スピーカ装置をホームシアター用スピーカシステムに搭載した例を説明する。図2(a)は、ホームシアター用トールボーイ型スピーカ装置の概観図である。図2(b)は、図2(a)の線A−Bに沿って見たスピーカ装置の断面図である。図2においては、キャビネット8、支柱9、台座10、空室11、スピーカユニット12、活性炭13、および球状弾性体14が示されている。キャビネット8は支柱9および台座10によって所定の高さに維持され、スピーカユニット12はキャビネット8に取り付けられている。活性炭13は球状弾性体14に封入され、空室11に複数配置される。
次に、実施の形態2として、スピーカ装置をホームシアター用スピーカシステムに搭載した例を説明する。図2(a)は、ホームシアター用トールボーイ型スピーカ装置の概観図である。図2(b)は、図2(a)の線A−Bに沿って見たスピーカ装置の断面図である。図2においては、キャビネット8、支柱9、台座10、空室11、スピーカユニット12、活性炭13、および球状弾性体14が示されている。キャビネット8は支柱9および台座10によって所定の高さに維持され、スピーカユニット12はキャビネット8に取り付けられている。活性炭13は球状弾性体14に封入され、空室11に複数配置される。
以上のように構成されたホームシアター用スピーカシステムのスピーカ装置の動作を説明する。図示しないホームシアターシステムのオーディオアンプからの音楽信号がスピーカユニット12に印加されると、スピーカユニット12の前面からの音が室内に放射される。ここで、活性炭13は球状弾性体14によってその形状が維持されるため、空室11の下部に全体が滞留することなく、空室11上部の狭小な空間にわたって配置される。さらに、複数の球状弾性体が形成する外部空隙によって空気との接触も維持されている。したがって、実施の形態2においても、第1の実施形態と同様、活性炭13と空気の接触が阻害されることによる気体吸着効果の減少を防ぎ、狭小で複雑な形状のキャビネット内部に効率良く活性炭を配置することで、スピーカ装置の低音再生音圧を向上することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3として、スピーカ装置を車両に搭載した例を説明する。図3(a)は、車両用ドアの概観図である。まず図3(b)は、図3(a)の線A−Bに沿って見た車両用ドアの断面図である。図3(a)および図3(b)において、車両用ドアは、窓ガラス15、キャビネット16、スピーカユニット17、内壁18、インナーパネル19、アウターパネル20、音響管21、グリル22、活性炭24、球状弾性体25、ならびに、仕切板26を備えている。
次に、実施の形態3として、スピーカ装置を車両に搭載した例を説明する。図3(a)は、車両用ドアの概観図である。まず図3(b)は、図3(a)の線A−Bに沿って見た車両用ドアの断面図である。図3(a)および図3(b)において、車両用ドアは、窓ガラス15、キャビネット16、スピーカユニット17、内壁18、インナーパネル19、アウターパネル20、音響管21、グリル22、活性炭24、球状弾性体25、ならびに、仕切板26を備えている。
インナーパネル19は、内壁18とアウターパネル20との間に配置される。インナーパネル19にはスピーカユニット17と同じ大きさの孔が設けられており、スピーカユニット17は、当該孔にはめ込むようにインナーパネル19に取り付けられる。スピーカユニット17は、その前面が内壁18側を向くように配置される。インナーパネル19の孔の周囲には当該孔を覆うように音響管21が接続され、音響管21は、内壁に取り付けられたグリル22とスピーカユニット17の前面とによって空間を形成する。
一方、キャビネット16は、一面が開口した箱状の形状であり、開口部によってスピーカユニット17が囲まれるようにインナーパネル19に接続される。キャビネット16は、インナーパネル19とアウターパネル20との間の空間に配置される。また、キャビネット16には、細孔(グリル)22が形成される。活性炭24は、球状弾性体25に封入されキャビネット16内部の空室23に配置される。球状弾性体は、その外部と内部の表面に細かい凹凸の突起を持っている。仕切板26は、キャビネット16の内部において活性炭24とスピーカユニット17との間でキャビネット16の内部空間を仕切るように配置される。仕切板26には、図示しない複数の孔が形成されている。
以上のように構成された車両用ドアに搭載されたスピーカ装置の動作を説明する。図示しない車室内のオーディオ装置(例えばCDプレーヤ)からの音楽信号がスピーカユニット17に印加されると、スピーカユニット17の前面からの音はグリル22から車室内に放射される。ここで、活性炭24は球状弾性体25によってその形状が維持され、さらに複数の球状弾性体が形成する外部空隙によって空気との接触も維持されている。したがって、実施の形態3においても上記実施の形態1、2と同様、活性炭24と空気の接触が阻害されることによる気体吸着効果の減少を防ぎ、スピーカ装置の低音再生音圧を向上することができる。
ここで、実施の形態3では、球状弾性体25の外部表面に細かい凹凸が形成されているため、車両の走行時に車体が振動した場合でも、球状弾性体同士あるいはキャビネット内壁と球状弾性体表面との摩擦力によって活性炭24の移動が防止される。さらに、球状弾性体25の内部表面にも細かい凹凸が形成されているため、球状弾性体の内部表面と活性炭との摩擦によって活性炭粒子の移動が防止され、より多くの活性炭粒子が球状弾性体の表面近くに維持されて空気と接触することとなる。
また、空室23には複数個の音孔を有する仕切板26が設けられる。これによって、仮に活性炭24が車両の振動によって球状弾性体25で保持できなくなったとしても、落下する活性炭24を仕切板26によって受け止めることができる。つまり、仕切板26によって活性炭24がドアの下部方向に完全に落下することを防止できる。
また、細孔(グリル)22は、空室23の温度上昇にともなう空気膨張を防止するものである。実施の形態3においては、細孔(グリル)22の出口はインナーパネル19とアウターパネル20との間の空間に設けられる。
以上のように、実施の形態3によれば、限定された容積となる車室空間内に搭載されるスピーカ装置のキャビネット容積を大きくすることなく、豊かな低音再生が可能なスピーカシステムを実現することができる。
なお、実施の形態3では、スピーカ装置(キャビネット16、スピーカユニット17、活性炭24、球状弾性体25、仕切板26)は、インナーパネル19とアウターパネル20との間の空間に設けられたが、インナーパネル19と内壁18との間の空間に設けられてもよい。また、実施の形態3では、スピーカ装置を車両用ドアに搭載する例を示したが、フロントパネルやリアトレイ、車体の天井部など、スピーカ装置を車両の様々な位置に搭載することができる。これらの場合、キャビネットの形状は車体の形状に沿った形状とする必要があるが、本発明によれば、省スペースでも豊かな低音を十分な音圧で再生することができる車載用のスピーカ装置を実現可能である。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4として、スピーカ装置を薄型テレビに搭載した例を説明する。図4は、実施の形態4に係る薄型テレビの構成を示す図である。ここで、図4(a)は薄型テレビの正面外観図であり、図4(b)は図4(a)の線C−Dに沿って見た薄型テレビの断面の一部(スピーカ装置部分)を示す図である。図4においては、薄型テレビの筐体27、キャビネット28、スピーカユニット29、パッシブラジエータ30、空室31、突起32、33、活性炭34、球状弾性体35、および封入袋36が示されている。
次に、実施の形態4として、スピーカ装置を薄型テレビに搭載した例を説明する。図4は、実施の形態4に係る薄型テレビの構成を示す図である。ここで、図4(a)は薄型テレビの正面外観図であり、図4(b)は図4(a)の線C−Dに沿って見た薄型テレビの断面の一部(スピーカ装置部分)を示す図である。図4においては、薄型テレビの筐体27、キャビネット28、スピーカユニット29、パッシブラジエータ30、空室31、突起32、33、活性炭34、球状弾性体35、および封入袋36が示されている。
実施の形態4に係る薄型テレビにおいては、スピーカ装置(キャビネット28、スピーカユニット29、パッシブラジエータ30、空室31、突起32、33、活性炭34、および球状弾性体35)は位相反転型スピーカシステムの1つであるパッシブラジエータ方式であり、テレビ本体の下部に配置される。具体的には、キャビネット28はテレビの画面の下側に配置される。スピーカユニット29は、キャビネット28の開口部に取り付けられる。突起32はキャビネット28の強度を維持するために設けられ、突起33はキャビネットの前面と後面をネジにより接続固定するために設けられる。キャビネット28とスピーカユニット29とパッシブラジエータ30によって空室31が形成される。なお、薄型テレビには、左右2つのスピーカ装置が搭載される。2つのスピーカ装置の構成は同じである。
以上のような構成を持つ薄型テレビに搭載されたスピーカ装置の動作を説明する。図示しない信号処理部からの音響信号が左右のスピーカユニット29に入力されることによってスピーカユニット29の振動板が振動し、振動板前面の空間に音を発生させる。一方、前記振動板の背面で発生した音は、キャビネット28の背面の空室31を介して、パッシブラジエータ30を振動させ、パッシブラジエータ30の前面に音を発生させる。ここで、活性炭34は球状弾性体35によってその形状が維持され、また封入袋36によってその位置が維持されている。さらに複数の球状弾性体が形成する外部空隙によって空気との接触も維持されている。したがって、実施の形態4においても上記第実施の形態〜3と同様、限られた空間で活性炭34と空気の接触が阻害されることによる気体吸着効果の減少を防ぐとともに、活性炭34はキャビネット28内の空室圧力の変動を抑制して、キャビネット28の等価容積を増大させて、キャビネット28は大型容積のパッシブラジエータシステムとして動作するもので、これにより低音域の再生限界を拡大したスピーカ装置が実現できる。
なお、薄型テレビについては更なる薄型化が要望されてきている一方、活性炭のような気体吸着体を用いない場合には低音再生を行うためには大きなキャビネット容積が必要となり、薄型化を阻害する要因となっている。ここで、本発明によれば、気体吸着体を用いることによってキャビネット容積を縮小することが可能となり、また、気体吸着体を球状弾性体に封入することによって、音圧レベルの低下を防ぎながら気体吸着体と空気との接触面積を確保できるので、豊かな低音再生が可能な薄型テレビを実現することができる。なお、実施の形態4では、キャビネット28は薄型テレビの画面の下側に配置されたが、画面の両側に配置することも可能である。
以上のように、実施の形態4によれば、スピーカ装置の搭載機器が薄型テレビのようなオーディオ映像機器である場合でも、本発明を適用することができ、省スペースで低音再生が可能なオーディオ映像機器を実現することができる。特に、平面化が進む液晶やPDP等の平面テレビでは、セットの薄型化、コンパクト化が進み、他の部品のスペース確保を阻害しないようにスピーカキャビネットが複雑な形状をとる場合が多いため、キャビネット形状を選ばずに活性炭と空気との接触面積を増やすことのできる本発明が特に有効である。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5として、気体吸着体の効果を排気ダクトの消音器に利用した例を説明する。図5は実施の形態5に係るヘルムホルツ共鳴型消音器の一部を示す断面図である。実施の形態5においては、消音器は複数のヘルムホルツ共鳴器によって構成されている。図5においては、共鳴器37、38、39、空洞部40、開口部41、活性炭42、球状弾性体43が示されている。共鳴器37、38の空洞部には球状弾性体43に封入された活性炭42が複数個配置されるが、共鳴器37の空洞部には共鳴器38の空洞部より多くの活性炭が配置されている。一方、共鳴器39の空洞部には活性炭は配置されていない。
次に、実施の形態5として、気体吸着体の効果を排気ダクトの消音器に利用した例を説明する。図5は実施の形態5に係るヘルムホルツ共鳴型消音器の一部を示す断面図である。実施の形態5においては、消音器は複数のヘルムホルツ共鳴器によって構成されている。図5においては、共鳴器37、38、39、空洞部40、開口部41、活性炭42、球状弾性体43が示されている。共鳴器37、38の空洞部には球状弾性体43に封入された活性炭42が複数個配置されるが、共鳴器37の空洞部には共鳴器38の空洞部より多くの活性炭が配置されている。一方、共鳴器39の空洞部には活性炭は配置されていない。
以上のような構成を持つ消音器の作用を説明する。ヘルムホルツ共鳴型消音器は、空洞部40と開口部41の共振現象を利用して、特定の周波数に近い成分の音を減衰させる装置である。
ヘルムホルツ共鳴型消音器においては、開口部41の形状が同じ場合、空洞部40の容積が大きいほど共鳴器37はより低い周波数帯域の音に対して消音作用を持つ。したがって気体吸着効果を用いない場合、低音域の騒音を減衰させるために空洞部の体積を大きくしたり、広い周波数帯域で騒音の減衰効果を得るために空洞部体積の異なる多くの種類の共鳴器を設置したりする必要があった。
これに対して実施の形態5では、活性炭量が多いほど気体吸着効果は増大し、より低い周波数帯域の音を減衰させる。そのため、図5の消音器においては、共鳴器37、38、39は、空洞部の容積が同じであるにもかかわらず、それぞれ異なる周波数帯域の音に対して消音作用を持つ。すなわち、共鳴器37、38、39の順に、より低い周波数帯域の音に対して消音作用を持つ。
したがって、本発明の防音構造体は、気体吸着体を用いることによって空洞の体積を縮小することが可能となる。また、気体吸着体の量を変化させることによって、空洞部体積の等しい共鳴器を用いて広い周波数帯域の騒音を減衰させることができる。さらに、気体吸着体を球状弾性体に封入することによって、気体吸着体と周囲の空間との接触面積を容易に増大させ、高い気体吸着効果を得ることができるので、小型で高性能の防音壁や消音器を実現可能である。
なお、活性炭に代えて、その他の気体吸着材料、例えば、ゼオライト、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO3)、マグネシア(MgO)、四三酸化鉄(Fe3O4)、モレキュラーシーブ、フラーレン、カーボンナノチューブ等を用いてもよい。
また、上記実施の形態1〜4において、スピーカユニットは、動電型、圧電型、静電型、電磁型等、どのような駆動方式であってもよい。
本発明のスピーカ装置は、小型のキャビネット容積で低音域再生が可能となるため、薄型化が進む液晶テレビ、PDP(プラズマディスプレイ)やステレオ装置、5.1チャンネル再生のホームシアター用スピーカ、車載等に使用して、小型でありながら高音質の低音再生が可能なオーディオ装置が実現できるものである。また、高い気体吸着効果を利用して防音壁や消音器にも応用が可能である。
1,8,16,28 スピーカキャビネット
3,12,17,29,47,48 スピーカユニット
4,26 仕切板
6,13,24,34,42,49 活性炭
7,14,25,35,43 球状弾性体
2,5,11,31 空室
32,33 突起
15 窓ガラス
18 内壁
19 インナーパネル
20 アウターパネル
21 音響管
22 グリル
27 筐体
30 パッシブラジエータ
36 封入袋
37,38,39 共鳴器
40 空洞部
41 開口部
44 前壁
45 後壁
46 側壁
50 支持部材
3,12,17,29,47,48 スピーカユニット
4,26 仕切板
6,13,24,34,42,49 活性炭
7,14,25,35,43 球状弾性体
2,5,11,31 空室
32,33 突起
15 窓ガラス
18 内壁
19 インナーパネル
20 アウターパネル
21 音響管
22 グリル
27 筐体
30 パッシブラジエータ
36 封入袋
37,38,39 共鳴器
40 空洞部
41 開口部
44 前壁
45 後壁
46 側壁
50 支持部材
Claims (13)
- スピーカユニットと、前記スピーカユニットを取り付けたキャビネットと、前記キャビネットの内部に気体の吸着作用により等価容積を拡大する効果を有する気体吸着体と、前記気体吸着体を封入した少なくとも1つの中空の弾性体とを有するスピーカ装置。
- 弾性体の形状が球形であることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
- 弾性体の材料が発泡性樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
- 弾性体の材料が通気性材料であることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
- 弾性体が通気性の格納手段もしくは非通気性の格納手段に封入されていることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
- 弾性体の内部表面と外部表面の少なくとも一方の面に、突起部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ装置。
- 気体吸着体が活性炭、ゼオライト、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO3)、マグネシア(MgO)、四三酸化鉄(Fe3O4)、モレキュラーシーブ、フラーレン、カーボンナノチューブ等の多孔性材料である請求項1に記載のスピーカ装置。
- キャビネットが密閉方式である請求項1に記載のスピーカ装置。
- キャビネットが前記キャビネットに音響ポート、或いはパッシブラジエータを設けた位相反転方式であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 駆動力発生手段が、動電型、圧電形、静電型、電磁型の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 表示装置と、スピーカ装置と、前記スピーカ装置を前記表示装置の周囲に配置するように前記スピーカ装置を内部で保持する機器筐体とを備え、
前記スピーカ装置は、音を発生するスピーカユニットと、スピーカユニットの背面に空室を形成するキャビネットと、前記空室内に設置された気体吸着体と、前記気体吸着体を封入した弾性体を備える、オーディオ映像機器。 - スピーカ装置と、前記スピーカ装置によって発生される音を車室内に放射するように前記スピーカ装置を保持する保持部とを備え、
前記スピーカ装置は、音を発生するスピーカユニットと、スピーカユニットの背面に空室を形成するキャビネットと、前記空室内に設置された気体吸着体と、前記気体吸着体を封入した弾性体を備える、車両。 - 開口部と、前記開口部に接続された空洞部からなる共鳴器と、気体を物理吸着する吸着体と、前記気体吸着体を封入した中空の弾性体とを有する、防音構造体。
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