図1に示される如く、パチスロ機300は、本体302と、本体302の正面に設けられた開閉カバーとしての操作兼装飾部303とを備えて構成されている。
操作兼装飾部303は、上から装飾部304、操作部306、払出部310とに分類することができる。
装飾部304は、内部でバックライト部(図示省略)が点灯することで、印刷された絵や文字が透過照明される表示パネル部312が取り付けられている。また、装飾部304の一部として、前記装飾部304の上部には、立体的な装飾ランプ304Aも左右方向に設けられている。また、装飾ランプ304近傍には、演出用の音声等を再生するためのスピーカ305R、305Lが設けられている。
装飾部304の表示パネル部312は、演出用の動画像を表示するための液晶表示装置313と、回胴表示図柄を表示するための表示窓314とを備えている。表示窓314は、前記表示パネル部312と一体成型される透明領域で構成されている。
この表示窓314の内部には、3個の回胴リール350A、350B、350Cを主要部として構成された図柄変動部316が配設されている。
また、表示窓314の下部には、このパチスロ機300の遊技媒体であるメダルの払出枚数を表示する7セグメント表示部315A、ジャックゲーム残回数や遊技状態の設定(6段階)表示等を行なう表示部315B、クレジット枚数を表示する7セグメント表示部315Cが設けられている。
操作部306は、その上部が手前に突き出ており、この突き出し部分の上面の右端部にはメダル投入部320が設けられ、また、上面左端部からは順にクレジットの払い戻しをする際に押下操作される精算ボタン103、1枚ベット(投入)ボタン352A、マックスベット(最大投入)ボタン352Bが設けられている。また、突き出し部分の前面左端部からは、順に始動レバー354、停止ボタン356A、356B、356C等が設けられている。
払出部310は、メダル排出口326と、このメダル排出口326から排出されるメダルを受取る受け皿328とを備えている。
3個のリール350A、350B、350Cは、回転することで図柄が順次前記表示窓314から見えるようになり、回転を停止した場合に表示窓314から見える図柄のうち、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが遊技の結果を示す。
前記停止ボタン356A、356B、356Cは、図柄変動部316下部に設けられており、各リール350A、350B、350Cに対応している。すなわち、対応するそれぞれのリール350A、350B、350Cの回転を遊技者による停止ボタン356A、356B、356Cの操作で停止させることができる。
また、この停止ボタン356A、356B、356Cの左側に設けられた始動レバー354を操作(傾倒)することで、この操作(始動操作)がトリガとなって、通常は当該始動操作時に各リール350A、350B、350Cが回転を開始するようになっている。なお、この回転は、通常は3個のリール350A、350B、350Cが同時に回転を開始するようになっている。
さらに、この始動レバー354による操作タイミングは、後述する内部抽選(役抽選)のタイミングとなっており、当該始動レバー354の操作によって、当たり(役当選)/外れが決定するようになっている。
図2には、上記パチスロ機300の動作を制御するための制御ブロック図が概略的に示されている。
パチスロ機300の制御系は、主制御部100を中心に構成されており、この主制御部100には、メダル投入部320から投入されたメダルを識別し、メダルの投入数や種類(不正又は純正)等を出力するメダルセレクタ102が接続されると共に、始動レバー354、上述したリール350A、350B、350Cのそれぞれに対応する停止ボタン356A、356B、356C、MAXベットボタン352B、1枚ベットボタン352A並びに遊技を中止する際に遊技機内部に貯留(クレジット)したメダルを戻すための精算ボタン103が、それぞれ操作状態を検出する不図示のセンサ等を介して接続されている。
また、主制御部100は、CPUを含んで構成される主制御回路110を備えており、主制御回路110には、主として遊技の進行状況等を一時的に記憶するRAM128と、各種プログラム等が記憶されたROM130と、が接続されると共に、主制御回路110の動作の基準となるクロックパルスを生成するクロックパルス発生回路124が分周器126を介して接続されている。
また、主制御回路110には、乱数発生器120及び乱数サンプリング回路122が接続されている。主制御回路110は、分周器126を介して入力されたクロックパルスに同期して乱数発生器120を制御して順次乱数を発生させ、乱数サンプリング回路122では、当該乱数発生器120により発生された乱数を取得(サンプリング)する。
パチスロ機300では、始動レバー354による操作タイミングで大役、小役等の当落を決定する内部抽選(役抽選)が主制御部100により行われるようになっており、主制御回路110では、始動レバー354が操作されると上記乱数サンプリング回路122に対して、乱数の取得、サンプリング及び出力を指示し、これにより乱数サンプリング回路122から入力された乱数に応じて抽選結果を導出する。
なお、内部抽選が当たり(役当選)の場合は、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作により当たり図柄が揃うと、遊技者は各図柄に応じた数のメダルを獲得できるほか、揃った図柄に応じて遊技者に有利な遊技状態となる。
ここで、役には小役と大役とがある。このうち、大役には、ビッグボーナス(以下、適宜「BB」という)及びレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」という)があり、それぞれに対応する遊技においては遊技者に対する有利さの度合いが異なる。RBに対応する遊技(以下、適宜「RBゲーム」という)は複数回の小役ゲームにより構成されており、BBに対応する遊技(以下、適宜「BBゲーム」という)は、その遊技状態中に、複数回のRBゲームを含んで構成されている。このため、当然、小役ゲームよりもRBゲームの方が、RBゲームよりもBBゲームの方が、遊技者にとってより有利な遊技状態となる。
また、主制御部100には、モータ駆動回路132が接続されており、当該モータ駆動回路132には、左(L)、中(C)、右(R)用の各リールモータ106A、106B、106Cを介してそれぞれ左、中、右の各リール350A、350B、350Cが接続されている。
さらに、主制御部100には、3個のリール350A、350B、350Cの回転位置を検出するためのリール位置検出回路134が接続されており、主制御部100では、各リール350A、350B、350Cの位置を把握することができるようになっている。
また、パチスロ機300では、通常は、上記始動レバー354による操作タイミングで図柄変動部316による図柄変動を開始するようになっており、主制御部100は、始動レバー354が操作されると、モータ駆動回路132を介したリールモータ106A、106B、106Cの駆動をそれぞれ開始し、3個のリール350A、350B、350Cをそれぞれ回転させると共に、その後の停止ボタン356A、356B、356Cによる操作に基づいて、3個のリール350A、350B、350Cの回転を停止させる。
ここで、主制御部100では、上記停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる際、内部抽選の結果に応じて、所定コマ数の滑り制御を実行するようになっている。
すなわち、内部抽選が外れのとき、当りの場合のみ停止する図柄が有効ライン上に停止する停止タイミングで停止ボタン356A、356B、356Cが操作された場合、意図的にこの図柄での停止を回避するため、停止位置をずらし(蹴飛ばし)、外れ図柄配列で停止するように制御する。
また、内部抽選が当りのとき、遊技者が操作した停止タイミングでは当り図柄が停止しない場合でも、所定図柄数内であれば、意図的にこの当たり図柄が有効ライン上に揃って停止するように停止位置をずらす(引き込み)制御を行う。
上記蹴飛ばし、引き込みを行うことで、内部抽選の結果と遊技の結果との統一性を持たせることができると共に、若干停止操作タイミングがずれても当り図柄を揃えることが可能となることで、遊技者の取りこぼしを可能な範囲で防いでいる。
また、主制御部100には、パチスロ機300内部に設けられたホッパー138を作動させるためのホッパー駆動回路136が接続されている。ホッパー138にはメダルが貯留されており、主制御部100では、リール位置検出回路134からの出力により特定された停止図柄に応じて、ホッパー駆動回路136を介したホッパー138からのメダルの払い出しが実行される。
さらに、ホッパー138近傍には、ホッパー138から払出されるメダルを検出するメダル検出センサ140が配設されており、払出完了信号回路142を介して主制御部100に接続されている。払出完了信号回路142では、メダル検出センサ140からの検出信号に基づいて払出が完了したか否かが判定され、払出が完了したと判定された時点で払出完了信号が生成されて主制御部100に入力される。
主制御部100では、払出完了信号回路142から払出完了信号が入力されるとホッパー駆動回路136を介してホッパー138によるメダルの払出しを終了する。
さらに、主制御部100には、ランプ駆動回路144が接続されており、当該ランプ駆動回路144を介して前述した7セグメント表示部315A、表示部315B、7セグメント表示部315C及び有効化ライン等の表示ランプ146の点灯及び消灯を制御する。
一方、主制御部100には、副制御部150が接続されており、主制御部100は副制御部150に対して、随時制御状態を示すコマンド信号を出力する。なお、第1の実施の形態では、主制御部100と副制御部150との間の通信としては、主制御部100から副制御部150に対する一方的な通信だけが実行され、副制御部150から主制御部100に対する通信は一切行うことができない構成となっている。
副制御部150には、液晶制御回路152が接続されており、液晶制御回路152では、演出のために設けられた液晶表示装置(LCD)313の表示状態を制御する。
また、副制御部150には、ランプ駆動回路156が接続されており、当該ランプ駆動回路182を介して装飾ランプ304Aに内蔵されているランプ112等の点灯を制御する。
さらに、副制御部150には、スピーカ駆動回路154が接続され、スピーカ305L、305Rからの音声(効果音)出力を制御する。
副制御部150では、主制御部100のパチスロ機300の制御状態に応じて、LCD313、スピーカ305L、305R及びバックライト158や装飾ランプ304Aに発光源として内蔵されたランプ112等による報知演出を実行する。
図3は、第1の実施の形態に係る主制御部100における通常遊技制御のための制御系を機能的に示したブロック図である。
主制御部100は、抽選部180を含んで構成されており、当該抽選部180には、始動レバー354が操作されたことを示す操作信号が入力されるようになっている。抽選部180は、所定数のメダルの投入(ベット)がなされた後の始動レバー354の操作をトリガとして、内部抽選を実行するようになっている。
抽選部180では、始動レバー354の操作に同期して乱数値を取得し、当該乱数値をテーブル選択部182を経由して当選役・図柄決定部184へ送出する。
テーブル選択部182には、抽選部180により取得され得る数値に対応する役・図柄を示す情報がパチスロ機300の遊技状態毎に記憶されたテーブルが格納されている。なお、パチスロ機300の遊技状態としては、例えば、通常遊技、BB内部当選中、RB内部当選中、BB作動時の通常遊技、BB作動時のRB内部当選中、RB遊技等があげられる。
テーブル選択部182では、遊技状態制御部186から現在の遊技状態を示す情報を得て、上記遊技状態毎に設けられたテーブルから役・図柄を決定すべきテーブルを選択する。このテーブル選択部182で選択されたテーブルに基づいて、当選役・図柄決定部184は、当選役(小役(リプレイを含む)、大役(RB、BB))及び当選図柄を決定し、決定した当選役及び当選図柄を遊技状態制御部186に入力する。
遊技状態制御部186には、パチスロ機300の遊技状態に応じた各種プログラムを示すデータが記憶された遊技プログラムメモリ188が接続されている。遊技状態制御部186は、主として遊技実行制御部186Aにより遊技プログラムメモリ188から遊技状態に応じた遊技プログラムデータを適宜読み出して実行することにより、遊技状態を制御するようになっている。
なお、遊技プログラムメモリ188には、通常遊技プログラムを示すデータ及び大役遊技プログラムを示すデータがそれぞれ記憶されており、例えば、通常遊技状態の場合は、遊技プログラムメモリ188から通常遊技プログラムデータが読み出され、大役遊技状態の場合はBB、RBの内部当選状態、BB、RBの各遊技状態に応じて、大役遊技プログラムデータが読み出され、それぞれのプログラムデータに基づいて処理が実行される。
一方、主制御部100は、リール駆動制御部194を含んで構成されており、始動レバー354の始動操作に基づき、前回の遊技の終了後、4.1秒を経過した後、モータ駆動部132を介してリールモータ106A、106B、106Cを駆動させてリール350A、350B、350Cの回転を開始する。
また、リール駆動制御部194は、停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づいてリール350A、350B、350Cの回転を停止させる停止制御を行う。
また、リール350A、350B、350Cには、リール位置検出回路134に接続された位置検出センサ198A、198B、198Cがそれぞれ取り付けられている。リール位置検出回路134は、リール駆動制御部194に接続されている。
リール駆動制御部194では、リール350A、350B、350Cのそれぞれの回転位置を認識し、前記滑り制御を加味した状態でリール350A、350B、350Cを停止させると共に、停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列を遊技状態制御部186へ送出する。
この停止したリール350A、350B、350Cの図柄配列により、遊技状態制御部186では、何らかの役に入賞したか否かが確認され、入賞であれば所定の賞品の払い出しが行われると共に、リプレイであればリプレイ制御が実行され、大役であれば払出制御部150に所定の賞品の払い出しが行われた後、遊技実行制御部186Aにより大役遊技プログラムが遊技プログラムメモリ188から読み出されて実行される。
なお、大役プログラムには、レギュラーボーナスゲームプログラム及びビッグボーナスゲームプログラムが、それぞれ別個に記憶されており、当選した大役に基づいて選択的に読み出されるようになっている。
レギュラーボーナスプログラムでは、権利行使として小役の抽選確率が通常遊技中の抽選確率よりも高い状態で最高12回の遊技(最大遊技回数)を実行可能である。この12回の遊技の間で何らかの小役に最高8回当選(最大当選回数)すると、レギュラーボーナスゲームは終了する。
一方、ビッグボーナスプログラムでは、権利行使としてレギュラーボーナスゲームが高確率に実行可能であり、当該レギュラーボーナスゲームの実行回数が予め設定された上限回数に到達した時点で、ビッグボーナスゲームは終了する。
また、遊技状態制御部186には、フラグ管理制御部190を介してフラグメモリ192が接続されており、上述した内部抽選の当選結果に応じた役の内部当選状態をフラグの状態を変化させることによって管理している。
各フラグは、内部抽選により当選することにより成立し、一般に、小役のフラグの状態は1回の遊技で消滅(フラグ不成立)するが、大役のフラグの状態はその後各リール350A、350B、350Cが停止して表示窓314に大役図柄が所定の配列で表示されることにより大役に入賞するまで維持される。
なお、フラグメモリ192は、上述したリール駆動制御部194に接続されており、当該フラグメモリ192に記憶されたフラグの状態は、リール駆動制御部194による停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づく停止制御の際の引き込みまたは蹴飛ばしの滑り制御のパラメータとして適用される。
ここで、第1の実施の形態では、前記役抽選の結果に基づいて、当該役抽選の結果に対する予告(当選の期待値を示す事前の報知)を行う場合がある。
図3に示される如く、遊技状態制御部186には、予告実行制御部186Bが設けられており、遊技実行制御部186Aから役抽選の結果(情報)を取得して、予告の実行の有無を決定する。
すなわち、予告実行制御部186Bでは、当選の期待値が数段階(例えば、30%、50%、70%、100%等)の予告種類(パターン)を記憶しており、抽選の結果に基づいて、前記予告の有無と共に、予告の種類を決定し、当該予告実行有無及び種類に関する予告情報を副制御部150へ送出するようになっている。
副制御部150では、液晶制御回路152を制御して、液晶表示装置313へ予告画面を表示することを主とし、必要に応じてスピーカ駆動回路154やランプ駆動回路156を介して、聴覚、視覚を通じた予告も行う。
ここで、第1の実施の形態では、前述したように、始動レバー354を操作(傾倒)することで、この操作(始動操作)がトリガとなって、通常は当該始動操作時に各リール350A、350B、350Cが回転を開始することが原則となっているが、始動レバー354の操作インタバル時間(1回の遊技)として、予め基準時間が設定されている。
特に、熟練者は、始動レバー354の操作時間の操作インタバル時間が平均2秒前後となり、これを容認すると、単位時間当たりに2倍を超える遊技媒体の投入数、すなわち遊技数になる可能性があり、射幸心を煽る結果となる。
そこで第1の実施の形態では、基準時間を4.1秒としている(すなわち、1回の遊技が4.1秒)。その根拠は、従来技術の項で示したように、1分間に消費する金額を、他の遊技機であるパチンコ機と合わせ、400円を限度するためである。
上記基準時間を1回の遊技の時間として維持するため、遊技状態制御186の遊技実行制御部186Aでは、始動レバー354が操作され、停止ボタン356A、356B、356Cの操作を経て、次の始動レバー354の操作が、4.1秒未満であると、4.1秒経過するまで、リール350A、350B、350Cの駆動開始を遅延させるように制御している。
一方、この遅延制御が実行されたとき、前記予告の実行有りとなった場合、従来は、一環してリール350A、350B、350Cの駆動開始と同様に遅延させるように制御していた。
これに対して第1の実施の形態では、予告時期を、リール350A、350B、350Cの駆動開始時期とするか(図4のタイミングチャートの(A−1)、(A−2)参照)、始動レバー354の操作時とするか(図4のタイミングチャートの(B)参照)を抽選によって決定するようになっている。
すなわち、遊技状態制御部186には、予告実行時期抽選部186Cが設けられ、前記遊技実行制御部186Aからリール350A、350B、350Cの駆動開始における遅延の有無情報(以下、遅延情報という)が入力され、前記予告実行制御部186Bから予告の有無情報(予告情報)が入力されるようになっており、上記遅延情報と予告情報とに基づいて、予告実行時期の抽選が実行される。
この予告実行時期抽選部186Cでの抽選結果(予告時期情報)は、副制御部150へ送出され、液晶制御回路152等による予告の実行時期を設定する。
上記により、始動レバー354の操作時期、リール350A、350B、350Cの駆動開始時期、予告時期は、以下の3種類の形態が設定される。
予告時期種(1) 始動レバー354の操作とリール350A、350B、350Cの駆動開始が同時であり、予告時期も同時。
予告時期種(2) 始動レバー354の操作時に対して、リール350A、350B、350Cの駆動開始が遅延され、予告時期がリール350A、350B、350Cの駆動開始時期。
予告時期種(3) 始動レバー354の操作時に対して、リール350A、350B、350Cの駆動開始が遅延され、予告時期が始動レバー354の操作時期。
このため、予告の期待値として、液晶表示装置313へ表示する予告画面の内容のみであったのに対し、予告時期も期待値として採用することが可能となり、予告のバリエーションが増加することになる。
また、従来は、上記(1)又は(2)の予告時期種であったため、副制御部150での演出のための制御負担がリール350A、350B、350Cの駆動開始後に集中していたのに対し、予告時期が始動レバー354の操作時期(すなわち、(3)の予告時期種)の場合には、予告のための制御が早めに実行され、制御負担の集中を回避することが可能となる。
以下に第1の実施の形態の作用を説明する。
図5には、主制御部100による通常遊技状態処理の流れを示すフローチャートが示されている。
まず、ステップ200では、ベット操作の完了待ちを行い、次のステップ202では、始動レバーの操作待ちを行う。
すなわち、メダルがクレジットされている状態(或いは、メダル投入部320からメダルを投入した状態)で、1枚ベットボタン352A、またはマックスベットボタン352Bの操作によりメダルのベットが完了するか、或いは、メダル投入部320からメダルを投入することによりベットが完了すると、始動レバー354の操作が可能となる。
次のステップ204では、内部抽選により当該遊技における役の当落を決定し、その後にステップ206に移行して、内部抽選の結果、大役に当選したか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は、ストック情報を更新する必要があるものと判断してステップ208に移行し、ストック情報更新処理ルーチンを実行し、その後にステップ210に移行する。
上記ストック情報更新処理ルーチンにおいては、大役の種類に応じてストック情報を更新する。なお、当該ストック情報更新処理ルーチンの実行時に、他の大役がストック情報としてストックされていない場合には、当選した大役に入賞可能とするまでのRTゲーム回数を抽選により設定して遊技状態をRTゲーム状態に設定する。
一方、ステップ206で否定判定とされた場合は、内部抽選の結果に応じて、必要であれば適宜各小役のフラグ状態情報を更新記憶した後に、ステップ210に移行する。
ステップ210では、現在の遊技状態がRTの実行中であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ212に移行して、RTゲーム回数を1回減算(デクリメント)し、その後にステップ214に移行してRTゲーム回数が0か否かを判定する。
ステップ214で肯定判定となった場合は大役が入賞可能な遊技状態にすべく、ステップ216に移行して遊技状態をボーナス内部中(停止操作によってリール350A、350B、350Cを大役図柄に揃えることで、大役の権利行使が可能な入賞状態)に設定し、その後にステップ217に移行する。
一方、ステップ214で否定判定となった場合は遊技状態はRT実行中のままでステップ217に移行する。
ステップ217では、予告実行管理制御(図6参照)が実行され、その後、ステップ218へ移行する。この予告実行管理制御では、抽選の結果に基づいて、遊技者に対して当たりの期待値を示す予告の実行の有無、並びに、予告有りの場合の種類(期待値)を設定し、予告有りの場合には、液晶表示装置313を主として、予告報知制御を実行する。なお、この予告実行管理制御の詳細については、後述する。
また、ステップ218では、遊技インタバル管理制御(図7参照)が実行され、その後ステップ218へ移行する。この遊技インタバル管理制御は、1回の遊技、すなわち始動レバー354の操作インタバル時間の管理を行うものであり、基準時間(4.1秒)よりも短い操作インタバル時間の場合に、リール350A、350B、350Cの回転(駆動)開始を遅延させる制御を実行する。なお、この遊技インタバル管理制御の詳細については、後述する。
図5に示される如く、ステップ219では、リールの回転を開始し、その後にステップ220に移行してリール350A、350B、350Cのリール停止処理ルーチンを実行し、その後にステップ222に移行する。
すなわち、主制御部100では、始動レバー354が操作されると、この操作と同時に当り/外れの抽選がなされると共に、リール駆動制御部194の制御により、リール350A、350B、350Cが回転を開始する。
その後、遊技者が、停止ボタン356A、356B、356Cを操作すると、この停止操作によってリール350A、350B、350Cの回転を停止させるが、フラグメモリ192に記憶されている各種フラグの状態に応じて、滑り制御を加味して該当する図柄を所定位置に引き込むように、或いは所定位置から蹴飛ばすようにリール350A、350B、350Cの停止制御が実行される。すなわち、何れかのフラグが成立している場合には、的確な目押しタイミングによって当たり図柄を停止させることができる。また、多少の停止操作タイミングのずれは滑り制御によって矯正される。逆に、何れのフラグも成立していない場合には、目押しを行っても、リール350A、350B、350Cの回転に滑りを生じさせ、当り図柄では停止しないようにする。
ステップ222では、リール停止処理の結果、停止図柄が当り図柄か否かを判定する入賞判定が実行され、その後にステップ224に移行して、入賞判定の結果何れかの役に入賞したと判定されたか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は本通常遊技状態処理を終了する。
一方、ステップ224で肯定判定となった場合はステップ226に移行して、入賞した役に応じて予め設定されている所定のメダルの払出制御を実行し、その後にステップ228に移行する。
ステップ228では、入賞した役が大役であったか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は、本通常遊技状態処理を終了する。一方、当該判定が肯定判定となった場合には、ステップ230に移行して、ボーナスゲーム開始処理ルーチンを実行し、その後にステップ232に移行して、ボーナスゲーム処理を実行する。
すなわち、大役に入賞したと判定された場合には、その停止図柄に従って、ビッグボーナス又はレギュラーボーナスのボーナスゲームを実行し(権利行使)、その後にステップ234に移行する。
ここで、上記ボーナスゲーム開始処理ルーチン(ステップ230)では、入賞した大役のストック数をデクリメントする。なお、デクリメント後のストック情報に基づいて大役のストックがある場合には、次回、大役に入賞可能とするまでに実行すべきRTゲーム回数を抽選により設定して、次回実行する大役の種類を決定する。
ステップ234では、次の大役のストックがあるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は上記ボーナスゲーム開始処理によって設定された回数のRTゲームを実行すべく、ステップ236に移行して遊技状態をRT中に設定し、その後に本通常遊技状態処理を終了する。
一方、ステップ234で否定判定となった場合はステップ236の処理を実行することなく、本通常遊技状態処理を終了する。
次に、図6のフローチャートに従い、図5のステップ217における予告実行管理制御ルーチンについて説明する。
ステップ400では、抽選の結果を判別し、次いでステップ402でこの抽選の結果に基づいて、予告の実行の有無を決定する。この決定は、抽選によって決めてもよいし、定期的に実行するようにしてもよい。また、抽選の結果が当たり(大役)の場合は、高い確率で予告を実行し、抽選の結果が外れ(大役)の場合は、低い確率で予告を実行するようにしてもよい。
次のステップ404では、予告の実行が決定(予告有り)したか否か(予告無し)を判断し、肯定判定された場合には、ステップ406へ移行して予告の種類を決定し、次いでステップ408において、予告時期の抽選を実行する。なお、ステップ404で否定判定された場合には、予告無しとしてこのルーチンは終了する。
ステップ408での予告時期の抽選は、始動レバー354の操作時と同時に予告を実行するか、リール350A、350B、350Cの駆動開始時と同時に予告を実行するか、の抽選である。なお、この予告時期は、後述する遊技インタバル管理制御において、始動レバー354の操作に対してリール350A、350B、350Cの駆動開始が遅延したときに有効となる。
図7は、図5のステップ218における遊技インタバル管理制御ルーチンを示しており、ステップ410では、予告状態フラグFYOをリセット(0)し、次いでステップ412へ移行して前回の始動レバー354の操作(例えば、図4のタイミングチャートのC線矢視参照)のから今回の始動レバー354(図4のD線矢視参照)の操作までの操作インタバル時間tint.を計時し、ステップ414へ移行する。ステップ414では、基準時間tref.を読み出して、ステップ416へ移行する。
ステップ416では、操作インタバル時間tint.と基準時間tref.とを比較して、tint.≧tref.と判定された場合には、基準の4.1秒以上を経過しているため、遅延制御が不要であり、ステップ418へ移行して、予告有りか否かを判断する。
ステップ418で肯定判定された場合には、ステップ420へ移行して予告を実行し、このルーチンは終了する。なお、このステップ420による予告は、予告時期種(1)による予告である(図4の(A−1)参照)。また、ステップ418で否定判定の場合には、予告をせず、このルーチンは終了する。
前記ステップ416において、tint.<tref.と判定された場合には、基準の4.1秒を経過していないため、遅延制御が必要であり、ステップ422へ移行する。
ステップ422では、時間差Δt(=tref.−tint.)を演算し、次いでステップ424へ移行して、予告有りか否かを判断する。
ステップ424で予告有りと判定(肯定判定)された場合は、ステップ426へ移行して予告時期が始動レバー354の操作時期か否かが判断される。これは、図6のステップ408の予告時期の決定結果に基づくものである。
このステップ426で肯定判定されると、ステップ428で予告状態フラグFYOをセット(1)し、次いでステップ430へ移行して予告を実行し、ステップ432へ移行する。このステップ430による予告は、予告時期種(3)の予告となる(図4の(B)参照)。
一方、ステップ424で否定判定された場合には、予告が不要であるため、ステップ434へ移行して予告状態フラグFYOKOKUをセット(1)し、ステップ432へ移行する。また、ステップ426で否定判定された場合はステップ432へ移行する。
ステップ432では、前記時間差Δtが経過したか否かが判断され、否定判定された場合は、このステップ432を繰り返し、肯定判定されると、ステップ436へ移行して予告状態フラグFがリセット(0)されているか否かが判断される。このステップ436で肯定判定されると、予告有りで予告を実行していないと判断され、ステップ438へ移行して、予告を実行し、このルーチンは終了する。このステップ438による予告は、予告時期種(2)の予告となる(図4の(A−2)参照)。
また、ステップ436で否定判定された場合は、既に予告が実行されているか、或いは予告無しであるため、このルーチンは終了する。
以上説明したように第1の実施の形態では、始動レバー354の操作インタバル時間tint.が、予め設定した基準時間tref.に達していない場合、基準時間tref.に達するまでリール350A、350B、350Cの駆動を遅延させるようにしている現状の制御において、予告の実行時期を始動レバー354の操作時(すなわち、予告は遅延させない)とするか、リール350A、350B、350Cの駆動時(すなわち、予告も遅延させる)とするかを抽選等によって決定するようにした。これにより、予告の期待値を設定する手段として、予告の種類のみならず、予告時期もパラメータとして加えることができ、予告のバリエーションを増やすことができる。例えば、同じ種類の予告であっても、遅延した場合としない場合とで、期待値が異なるようにすれば、遊技者は予告を見るだけでなく、その実行時期にも集中することになり、遊技趣向性を向上することができる。
また、リール350A、350B、350Cの駆動開始時に常に予告を実行した場合、他の演出制御と同時期となり、演出制御が集中し、制御系に負担がかかっていたが、予告を始動レバー354の操作時に行うことで、制御系への負担の集中を回避することができる。
なお、第1の実施の形態では、始動レバー354の操作インタバル時間が基準時間より短く、かつ予告有りの場合に、抽選によって始動レバー354の操作時期に予告するか否かを決めたが、制御系の負担の集中のみを考慮した場合には、抽選ではなく、常に始動レバー354の操作時に行うようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
以下に本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
第2の実施の形態の特徴は、本発明の特徴である予告実行に関する制御系の構成部品を、主制御部100と副制御部150との制御負担のバランスを考慮して構築した点にある。
言い換えれば、前記第1の実施の形態においては、本発明の主となる特徴のみを考慮して、予告実行に関する制御系の構成部品(遊技実行制御部186A、予告実行制御部186B、予告実行時期抽選部186C)を全て、主制御部100の遊技状態制御部186に組み込んでおり、その分、主制御部100の制御負担が単純に増加する構成となっている。
これに対して、第2の実施の形態では、できる限り副制御部150へ制御負担を移行する構成とした。すなわち、広い概念では、遊技実行制御部186A、予告実行制御部186B、予告実行時期抽選部186Cの一部を副制御部150へ移行すればよい。
以下、この副制御部150への移行の形態は、図8に示される如く、予告実行制御部186Bを副制御部150へ移行した構成(実施例1)、図9に示される如く、予告実行時期抽選部186Cを副制御部150へ移行した構成(実施例2)、図10に示される如く、予告実行制御部186Bと、予告実行時期抽選部186Cを副制御部150へ移行した構成(実施例3)が考えられる。
遊技実行制御部186Aは、前述のように、操作インタバル時間を計時し、基準時間との差分に基づいて、リール350A、350B、350Cの動作制御を行うため、主制御部100の構成部品として残すことが、制御全体の負担として好ましく、結果として、それ以外の構成部品の一部又は全部を副制御部150へ移行することで、主制御部10の制御負担を軽減することができる。
一方、上記では、遊技実行制御部186Aを除く構成部品を対象として、副制御部150へ移行するようにしたが、図11に示される如く、全て(すなわち、遊技実行制御部186A、予告実行制御部186B、予告実行時期抽選部186C)を副制御部150へ移行する構成(実施例4)も考え得る。
この場合、前述の操作インタバル時間の計時や、基準時間との差分に基づくリール350A、350B、350Cの駆動制御が主制御部100側ではできないという矛盾が生じるが、主制御部100の遊技状態制御部186に、別途独立して操作インタバル時間を計時する機能を持つ主制御部側遊技実行制御部186Dを設ければよい。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、上記構成により、主制御部100及び副制御部150の間の通信効率、通信信頼度(通信エラー、データ化けの度合い)、あるいは、応答性、主制御部100の負担を重視したものであり、遊技状態制御部186の全てが主制御部100又は副制御部150に配置された構成(第1の実施の形態を含む)では、演出の有無及びタイミングの抽選に係る通信が主制御部100及び副制御部150の間で行われないため、応答性がよく、かつ通信エラーもないため信頼性が高いということができる。
また、遊技状態制御部186の一部を主制御部100又は副制御部150に設けた場合は、主制御部100の制御負担を減少させることができる。
第1の発明は、始動操作に基づいて、予め設定された役抽選が実行されると共に、当該始動操作をトリガとして、複数の図柄群で構成された複数の図柄変動列をそれぞれ独立して変動させると共に、各図柄変動列毎の停止操作に基づいて、前記変動している図柄変動列を停止させ、前記役抽選の結果を報知するための制御系ユニットを備えた遊技機であって、前回遊技における前記始動操作から今回遊技の前記始動操作までの操作インタバル時間が、予め設定された基準時間よりも短い場合に、前記始動操作をトリガとする変動開始時期を前記基準時間となるまで遅延させる遅延制御手段と、前記役抽選の結果に基づいて、所定の確率で役当選の予告をするか否かを決定する予告実行有無決定手段と、前記遅延制御手段により前記変動開始時期が遅延した場合、かつ予告実行有無決定手段で予告をすることが決定した場合、始動操作開始時期を限度に前記変動開始に先行して実行する予告実行制御手段と、を有している。
第1の発明によれば、第1の発明によれば、始動操作があると、この始動操作に基づいて役抽選が実行される。また、この始動操作をトリガとして、複数の図柄変動列を変動させる。トリガ(きっかけ)とは、遊技者による始動操作、例えば、始動レバーの操作に連動するスイッチが開閉されることでパルス信号が出力され、後述する実施の形態で言えば図4の(C)、(D)に示すように、そのパルス信号の立ち上がりタイミング(又は立ち下がりタイミング)を表す。
変動中の図柄を、停止操作によって停止させることで、役抽選の結果が報知される。
ここで、遊技者による前回遊技の始動操作から停止操作を経て、今回遊技の始動操作前までの操作インタバル時間には、予め基準時間が設定されており、前記操作インタバル時間の経過が基準時間に達しない、すなわち、操作インタバル時間が基準時間よりも短いとき、遅延制御手段では、始動操作をトリガとする変動開始の時期を基準時間となるまで遅延させる。この基準時間を設けることで、遊技の進行速度を抑制することができる。
一方、予告実行有無決定手段では、役抽選の結果に基づいて、所定の確率で役当選の予告をするか否かを決定し、予告する場合、通常は、変動開始の時期と同期させている。
しかし、前述の如く、変動開始の時期が遅延すると、これに伴い予告の時期も遅延することになる。言い換えれば、この変動開始の時期に制御系の負担が集中する。
そこで、予告実行制御手段は、遅延制御手段により前記変動開始時期が遅延した場合、かつ予告実行有無決定手段で予告をすることが決定した場合、始動操作開始時期を限度に前記変動開始に先行して予告演出を実行する。
これにより、制御を分散させて制御の集中を回避することで制御負担が軽減される一方、遊技者にとっては予告演出情報をいち早く知ることができる。
また、第2の発明は、始動操作に基づいて、予め設定された役抽選が実行されると共に、当該始動操作をトリガとして、複数の図柄群で構成された複数の図柄変動列をそれぞれ独立して変動させると共に、各図柄変動列毎の停止操作に基づいて、前記変動している図柄変動列を停止させ、前記役抽選の結果を報知するための制御系ユニットを備えた遊技機であって、前回遊技における前記始動操作から今回遊技の前記始動操作までの操作インタバル時間が、予め設定された基準時間よりも短い場合に、前記始動操作をトリガとする変動開始時期を前記基準時間となるまで遅延させる遅延制御手段と、前記役抽選の結果に基づいて、所定の確率で役当選の予告をするか否かを決定すると共に予め定められた予告時期種を決定する予告実行有無決定手段と、前記遅延制御手段により前記変動開始時期が遅延した場合、かつ予告実行有無決定手段で予告をすること、並びに予告時期種が決定した場合、この決定された予告を、始動操作開始時期を限度に前記変動開始に先行して実行する予告実行制御手段と、を有している。
第2の発明によれば、始動操作があると、この始動操作に基づいて役抽選が実行される。また、この始動操作をトリガとして、複数の図柄変動列を変動させる。トリガ(きっかけ)とは、遊技者による始動操作、例えば、始動レバーの操作に連動するスイッチが開閉されることでパルス信号が出力され、後述する実施の形態で言えば図4の(C)、(D)に示すように、そのパルス信号の立ち上がりタイミング(又は立ち下がりタイミング)を表す。