JPWO2006009193A1 - 背面投射型スクリーン及び背面投射型プロジェクション装置 - Google Patents

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Abstract

コントラストの向上を図り、外光吸収層のムラが少なく、モアレ障害を抑制し,またシート同士の接触による傷の発生を抑制し、さらには投射装置全体を小型化、軽量化することができる背面投射型スクリーン及び背面投射型プロジェクション装置を提供すること。本発明にかかる背面投射型スクリーンは、いわゆる斜め投射系であり、フレネルレンズシート7の光学中心は、表示画面領域外であって画面の上方若しくは下方に設けられる。レンチキュラーレンズシート1のレンズ列12は略垂直方向に配列されている。このとき、フレネルレンズのピッチとレンチキュラーレンズシートのレンズピッチを所定の範囲にすることにより、モアレを少なくすることができる。

Description

本発明は、背面投射型スクリーン及び背面投射型スクリーンを用いた背面投射型プロジェクション装置に関するものである。
背面投射型プロジェクション装置等に使用される背面投射型スクリーンは、一般に、2枚のレンズシートが重ね合わされた構成を有している。光源側には、背面投射型プロジェクタからの映像光を一定の角度の範囲内になるように絞り込むフレネルレンズシートが配置され、観察者側には、フレネルレンズシートを透過した映像光を適度な角度の範囲に広げる機能を有する拡散シートが配置される。拡散シートとしては、一般にレンチキュラーレンズシートや、特許文献1に開示されるような光学シートが用いられる。なお内容上矛盾のない限り、本発明における背面投射型スクリーン用レンチキュラーレンズシートとは、レンズ列を備えなくとも、上記特許文献1に示されるようなストライプ状やマトリクス状の光学単位を備えた拡散シートを含む。
特に、高精細・高画質の背面投射型液晶プロジェクションテレビでは、0.3mm以下のファインピッチを有するレンズシートが求められる。このようなレンズシートの構造は、例えば、特許文献2に開示されている。図22に当該特許文献2に開示されたレンズシートの構造を示す。
図22において、1はレンチキュラーレンズシートの例である。この例では、透明支持体3とレンズ部2より構成される。このレンチキュラーレンズシート1の出射面側には、レンチキュラーレンズの非集光位置、即ち光の非通過位置に外光吸収層4が設けられている。外光吸収層4を設けることによって、レンチキュラーレンズシート1にその出射面側から即ち観察者側から入射した外光がレンチキュラーレンズシート1で反射されて観察者側に戻る光を減少させ、映像コントラストの向上が図られる。
さらにこのレンチキュラーレンズシート1には、拡散層5を介して透明樹脂フィルム6が設けられている。この透明樹脂フィルム6については、例えば、特許文献3、特許文献4に開示されている。透明樹脂フィルム6は、レンチキュラーレンズシートを保護する、一般的なブラウン管方式のテレビに似た表面光沢を得る等の目的のために設けられる。
その他、図23に示す通り、レンチキュラーレンズシート1の入射面側に、フレネルレンズシート7が設けられるのが一般的である。このフレネルレンズシート1は一般的に、図24に示されるような等間隔で同心円状の微細ピッチのレンズからなるフレネルレンズが光出射面に設けられたシートで構成されている。
このような構成を有するレンズシートでは、水平方向の視野角性能は主として入射レンズによる拡散で得られるが、垂直方向の拡散性能は拡散層5(図22参照)によってのみ達成しうる。従って、必要とされる垂直視野角を得るために投入された拡散材による入射光の反射ロスを生じ、原理的に高輝度なスクリーンを得ることに限界があると同時に、画像のボケが生じやすい。また、拡散層5が外光吸収層4を覆うため、外光吸収効率が下がり、コントラストが劣化する。さらに、外光吸収層4は、原理的に平行ストライプ状にしか形成できず、得られるブラック面積比率に限界があった。
他方、入射面に凸状の3次元レンズが並設され、出射面には各レンズの非集光部に相当する位置に格子状の遮光パターンが形成され、このパターン上に透明支持体若しくは拡散層入りの支持体が形成された投射型スクリーン用の3次元レンズアレイシートも提案されている。
この例では遮光パターンを格子状に形成でき、拡散層も不要か又は最小限に抑えることができるため、コントラストを著しく改善できる。しかしながら、微細な3次元レンズアレイシートを製造するためには、高精度かつ大型サイズの金型が必要とされるが、この金型自体の製作が極めて困難である。
このような問題点を解決するために、レンチキュラーレンズシートの入射面と出射面のそれぞれにレンチキュラーレンズを設け、それらのレンズ配列を相互に直交させる構造が提案されている(例えば、特許文献5参照)。このような構成においても、コントラストの向上のために外光吸収層、即ち遮光パターンが設けられるが、従来技術では、外光吸収層をレンチキュラーレンズシートとは独立した別のシートに設けていた。
しかしながら、レンチキュラーレンズシートとは独立した別のシートに外光吸収層を設けると、シートの沿面方向の相対位置がずれることがあるため、外光吸収層をレンチキュラーレンズの非通過位置に正確に配置することが極めて困難であった。またシート相互の間隔が温度変化、湿度変化によって変化し、レンズの焦点位置がずれるために外光吸収層の面積が減ってコントラストの向上が妨げられたり、外光吸収層のムラが発生したりするという問題点があった。
また、レンズシートの枚数が増えることはテレビセット枠に固定する際の作業を煩雑にするという問題もある。さらに、テレビセット枠に固定して輸送するなどした場合、シート同士がぶつかり、傷が発生する、という問題もあるため、レンズシートの枚数を増やすことは好ましくない。
さらに、レンチキュラーレンズとフレネルレンズのピッチ比の関係によってはモアレを生じる問題があるため、それぞれの数値を特定の範囲としなければ良好な映像を提供することができない。特に、上記のようにレンチキュラーレンズが垂直方向のストライプと水平方向のストライプから構成される場合、図25に示すように縦横のレンチキュラーレンズによりスクリーン対角方向の格子ができ、この縦横のストライプ101,102によって形成された格子の交点がそろって並んだ線103を作り、この線のピッチPがフレネルレンズのピッチPfと干渉してモアレが発生するため、この問題も解決せねば良好な映像を提供することができない。
また、図26に一般的な背面投射型プロジェクション装置の構成例を示す。本構成例は、図23に示される光学系を持つが、装置全体の奥行きを小さくするためや、軽量化のために反射鏡52によって映像光線経路を折り曲げた構成になっている。しかしながら、更なる小型化、軽量化が要求されている。
特開2000−131768号公報 特開平9−120101号公報 特開平8−22077号公報 特開平7−307912号公報 特開昭50−10134号公報
本発明の目的は、このような問題を解決するためになされたものであり、コントラストの向上を図り、外光吸収層のムラが少なく、モアレ障害を抑制し,またシート同士の接触による傷の発生を抑制し、さらには投射装置全体を小型化、軽量化することができる背面投射型スクリーン及び背面投射型プロジェクション装置を提供することである。
かかる目的を解決する背面投射型スクリーンは、背面投射型プロジェクタより出射された光を一定の角度の範囲内になるように絞り込むフレネルレンズシートと、少なくとも略垂直方向に直線状に連続する複数の光学パターン列が略水平方向に配列された光拡散シートとを備えた背面投射型スクリーンであって、前記フレネルレンズシートの光学中心は、表示画面領域外であって画面の上方若しくは下方に設けられ、下記式(1)〜(3)のいずれかを満たす。
Figure 2006009193

ただし、iは12以下の自然数、Pf(mm)は前記フレネルレンズのピッチ、P1(mm)を前記光拡散シートの光学パターン列のピッチである。
ここで、前記略垂直方向に直線状に連続する複数の光学パターンを第1の光学パターン列としたときに、当該第1の光学パターン列より光出射側に、前記第1の光学パターン列と略直交する第2の光学パターンを、さらに備えることが好ましい。
特に、前記光拡散シートが、その入射面にシリンドリカルレンズ状の前記第1の光学パターン列と、当該第2の光学パターン列界面の入射側と出射側が互いに屈折率の異なる光透過性材質により構成されている第2の光学パターン列と、前記第1の光学パターン列及び前記第2の光学パターン列を通過した光の非通過位置の少なくとも一部に設けられた自己整列式光吸収層とを有し、当該光拡散シートの入射面から前記自己整列式外光吸収層までの間が光透過性材質による中実構造であるとよい。
また、前記フレネルレンズシートと前記光拡散シートが下記式(4)又は(5)のいずれかを満たし、かつ下記式(6)を満たすことが望ましい。
Figure 2006009193

ここで、iは12以下の自然数、第1のレンチキュラーレンズのレンズピッチをP1(mm)とし、第2のレンチキュラーレンズのレンズピッチをP2(mm)とし、P1とP2によるスクリーン対角方向の格子のピッチを下記式(7)から計算されるP(mm)とし、PとPfによるモアレのピッチをPM(mm)、nおよびmは4以下の自然数とする。
Figure 2006009193
背面投射型プロジェクタより出射された光を一定の角度の範囲内になるように絞り込むフレネルレンズシートと、マイクロレンズアレイシートとを備えた背面投射型スクリーンであって、当該マイクロレンズアレイシートは、略水平方向及び略垂直方向に光を拡散する作用を有するマイクロレンズアレイが入射面に配置されており、前記マイクロレンズアレイを通過した光の非通過位置の少なくとも一部に設けられた自己整列式外光吸収層とを備えたマイクロレンズアレイシートであり、前記フレネルレンズシートの光学中心は、表示画面領域外であって、画面の上方若しくは下方に設けられ、前記フレネルレンズシートと前記マイクロレンズアレイシートは、下記式(1*)乃至(3*)のいずれかを満たし、かつ、前記フレネルレンズシートと前記マイクロレンズアレイシートは、下記式(4*)又は(5*)のいずれかを満たし、かつ、下記式(6*)を満たす。
Figure 2006009193

ただし、iは12以下の自然数、Pf(mm)は前記フレネルレンズのピッチ、P1*(mm)を前記マイクロレンズアレイの略水平方向の実効ピッチとする。
Figure 2006009193

ここで、iは12以下の自然数、マイクロレンズアレイの略垂直方向の実効ピッチをP2*(mm)とし、P1*とP2*によるスクリーン対角方向の格子のピッチを下記式(7*)から計算されるP*(mm)とし、P*とPfによるモアレのピッチをPM*(mm)、nおよびmは4以下の自然数とする。
Figure 2006009193
好適な実施の形態におけるフレネルレンズシートは、その入射面に円弧状プリズム列を持ち、当該プリズム列の少なくとも一部が全反射面を備え、プリズム列へ入射した光線の少なくとも一部が全反射面で反射した後に出射面へ出射するように形成されている。
また、前記光拡散シートの前記第2の光学パターン列は、複数の入射側に凸のシリンドリカルレンズにより構成され、前記第2の光学パターン列界面の出射側の光透過性材質は、入射側の光透過性材質よりも高い屈折率を有するものでもよい。
また、前記光拡散シートの第2の光学パターン列は、複数の入射側に凹のシリンドリカルレンズにより構成され、前記第2の光学パターン列のレンズ界面の出射側の光透過性材質は、入射側の光透過性材質よりも低い屈折率を有するものでもよい。
上述の背面投射型スクリーンを備えることにより、背面投射型プロジェクション装置を構成できる。
本発明によれば、コントラストの向上を図り、外光吸収層のムラが少なく、モアレの障害が抑制され、またシート同士の接触による傷の発生を抑制することができ、さらには投射装置全体を小型化、軽量化した背面投射型スクリーン及び背面投射型プロジェクション装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1にかかる背面投射型スクリーンの構成の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかるフレネルレンズシートの概略斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかる背面投射型プロジェクション装置の光学系を示す概略図である。 本発明の実施の形態2にかかるレンチキュラーレンズシートの構成の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2にかかるレンチキュラーレンズシートの上断面を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかるレンチキュラーレンズシートの横断面を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかるレンチキュラーレンズシートの構成の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4にかかるレンチキュラーレンズシートの構成の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4にかかるレンチキュラーレンズシートの上断面を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかるレンチキュラーレンズシートの横断面を示す図である。 本発明の実施の形態5にかかるレンチキュラーレンズシートの構成の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態6にかかるレンチキュラーレンズシートの構成の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態7にかかるレンチキュラーレンズシートの構成の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態8にかかるレンチキュラーレンズシートの構成の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態9にかかるレンチキュラーレンズシートの構成の一部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態10にかかるレンチキュラーレンズシートの構成の一部を示す断面図である。 本発明の実施の形態11にかかるフレネルレンズシートのプリズム列部分を示す図である。 本発明の実施の形態12にかかるフレネルレンズシートのプリズム列部分を示す図である。 本発明の実施の形態13にかかるフレネルレンズシートのプリズム列部分を示す図である。 本発明の実施の形態14にかかる背面投射型スクリーンの構成の一部を示す斜視図である。 本発明における実効ピッチの一例を説明するための図である。 本発明における実効ピッチの他の一例を説明するための図である。 本発明における実効ピッチの他の一例を説明するための図である。 実施例に関する具体的なレンズ単位要素の屈折率の組合せと、レンズ形状の寸法諸元を示す表である。 実施例におけるレンズ単位要素の上断面図である。 実施例におけるレンズ単位要素の横断面図である。 従来のレンチキュラーレンズシートの構成を示す断面図である。 従来の一般的な背面投射型プロジェクション装置の光学系を示す概略図である。 従来の一般的なフレネルレンズシートの概略斜視図である。 従来の縦横のレンチキュラーレンズ列がスクリーン対角方向の格子を作ることを示す図である。 従来の一般的な背面投射型プロジェクション装置の構成を示す図である。
符号の説明
1…レンチキュラーレンズシート、2…レンズ部、3…透明支持体、4…外光吸収層、
5…拡散層、6…透明樹脂フィルム、7…フレネルレンズシート
10,11…レンチキュラーレンズシート、12…第1のレンズ列、
13…第2のレンズ列、14…第1のレンズ層、15…第2のレンズ層、16…充填層、
17…自己整列式外光吸収層、19…前面板、20…機能性膜、21…透明支持体、
22、24、25…充填層、23…透明シート
52…反射鏡、61…反射面、62、63…入射面、64…ライズ面
100…入射光線、101…水平方向の格子、102…映像光源、
103…斜め方向の格子
以下に、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
発明の実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる背面投射型スクリーンの部分構成を示す斜視図である。この背面投射型スクリーン110は、レンチキュラーレンズシート111、フレネルレンズシート112、前面板113を備えている。この背面投射型スクリーン110は、入光面から(図中上方から下方に向かって)フレネルレンズシート112、レンチキュラーレンズシート111、前面板113の順番で構成される。
レンチキュラーレンズシート111は、透光性基板により構成され、投射光が入射する面に複数のレンチキュラーレンズ121が形成されている。このレンチキュラーレンズ121は、レンチキュラーレンズシート111の投射光が出射する面のうち、入射側の面に形成されている。より詳細には、レンチキュラーレンズ121は、入射した投射光をレンズ媒質内で集光させる側に作用する光入射面側から見て手前側(入射側)に凸のレンズからなる複数のレンズ列で構成されている。レンチキュラーレンズ121は、垂直方向を長手方向とするシリンドリカルレンズであり、互いに平行に配列されている。従って、レンチキュラーレンズ121は、入射光をレンズ媒質内で集光させた後、出射面で水平方向に拡散させる。
レンチキュラーレンズシート111は、レンチキュラーレンズ121に加え、集光部122、非集光部123、外光吸収層124を備えている。
集光部122は、レンチキュラーレンズ121からの光を集光するため、凸レンズ状に形成することができる。これによって、投射光の水平方向における拡散性能を向上させることができる。
非集光部123は、集光部122以外の部分である。すなわち、非集光部123は、入射側の面に形成されたレンチキュラーレンズ121からの光が集光しない部分である。この非集光部123は、レンチキュラーレンズシート111に対して平行な頂部と側面より構成される凸状とすることができる。これらの凸状部の頂部と凸状部の側面における頂部寄りの部分(側面上部)に、外光吸収層124が設けられている。
外光吸収層124は、黒色塗料等から構成された凸状の外光吸収部(BS部)である。この外光吸収層124は、ロールコート、スクリーン印刷、転写印刷などの方法により形成される。外光吸収層124は、レンチキュラーレンズシート111に入射した外光のうち、レンチキュラーレンズシート111の出射面で反射されて観察者側に戻る光を減少させる。これによって、映像コントラストの向上を図ることができる。
フレネルレンズシート112は、フレネルレンズ131を有する。このフレネルレンズ131は、略等間隔で同心円状の微細ピッチのレンズであり、光出射面に設けられている。本発明においては、後述するように、フレネルレンズシート112の光学中心(図1に図示せず)は、レンチキュラーレンズシート111の範囲外にある。
前面板113は、レンチキュラーレンズシート111の支持体を兼ねた光透過層である。この前面板113は、拡散層を含んだり、出射最外表面上にHC(ハードコート)、AG(防眩性)、AR(反射防止)、AS(帯電防止)等の各種の機能性膜を備えたりすることができる。
本実施形態1にかかる背面投射型スクリーン110においては、レンチキュラーレンズ121のレンズピッチP1と、フレネルレンズ131のピッチPfについて、モアレが目立たない組合せとする必要がある。本発明では、図2に示されるような光学中心OCがレンズシートの範囲外にあるフレネルレンズシート112を、図3に示されるような斜め投射系の表示装置に適用する。そのため、モアレ障害を避ける点で、レンチキュラーレンズ121のレンズピッチP1と、フレネルレンズ131のレンズピッチPfの組合せ自由度が従来に比して高い。
レンズシートは金型を用いて製造されることが多い。そして、金型は機械加工により作製するのが一般的である。このとき、機械加工を行う場合には加工装置に設計データを数値化して入力する必要がある。その際、設計データが整数値であれば最もよい。しかしながら、設計データの正確な値が小数点以下数桁以上に続く場合には、入力桁数に制限があるのが通常であるから、結果として正確な値からずれた値を入力せざるを得ない。従って、レンズピッチの値の取りうる範囲が広いということは、結果として正確な値を入力できる可能性が高まることを意味する。この点からしても本発明の効果は高い。
通常のフレネルレンズ131と垂直方向に伸びたレンチキュラーレンズ121を持つレンチキュラーレンズシート111では、画面左右端中央部に曲線状モアレが生じやすい。そのため、レンチキュラーレンズ121のピッチ比をi+0.4付近、あるいはi+0.6付近(ただしiは自然数)などと設定する必要があった。ここで説明の簡単のため、本発明のレンチキュラーレンズ121の長手方向を垂直方向とし、図2の光学中心OCはシート下方である、とする。
本発明のフレネルレンズ131は、シート内に円弧の一部のみが存在するため、通常のフレネルレンズ121と異なり、垂直方向に平行なプリズム列が存在しない。このため、レンチキュラーレンズのレンズピッチP1と、フレネルレンズ131のレンズピッチPfとのピッチ比を、従来から公知だった好ましい範囲に加え、従来は強いモアレが発生して設定できなかったi±0.35、またはi+0.5±0.05(ただしiは自然数)という範囲も設定可能になる。光学中心OCの位置が長辺端部から離れているほどその効果は顕著であり、Lhを短辺の長さとしたとき、スクリーンの中心から1.1Lh以上離れていることが好ましい。より好ましくは1.2Lh以上、更に1.3以上離れていることがより好ましい。
さらに、レンチキュラーレンズ121のレンズピッチP1と、フレネルレンズのピッチPfについては、次の式(1)〜(3)の条件を満たす組合せが好ましい。これによって、画面左右端中央部の曲線状のモアレを抑制することが可能となる。
Figure 2006009193
さらに、スクリーン面に投射された画素の大きさPSとレンズピッチについて、画素とレンズピッチP1,Pfによるモアレ障害を抑えるために、PS/P1、PS/Pfはそれぞれ
j+0.35〜j+0.45、
または、j+0.55〜j+0.65、
または、3.3以上
を満たすことが好ましい。ただし、jは1または2である。
ところでPSは画面サイズの大小によって異なる。生産性を考慮すると、様様な画面サイズごとに最適なピッチを選択し、生産することは効率が悪い。なるべく少数、できれば1種類のピッチのスクリーンによって、全ての画面サイズにおいて上記したPS/P1、PS/Pfの範囲を同時に満たし、モアレが解消できることが好ましい。一方、近年の映像の精細化の要求から、上記ピッチP1、Pfはより一層小さくすることが求められているが、成形型の切削、成形性の観点からは、ピッチを一層小さくすることは困難となってきている。つまり、P1とPfとの比は2〜3倍程度、すなわち、(1)〜(3)式でiの数値が1〜3程度の狭い範囲から選択せざるをえない状況が増えてきている。
(1)〜(3)式には特に数値の限定はないが、上記の理由からレンチキュラーレンズ121のレンズピッチP1と、フレネルレンズのピッチPfの数値については、P1≦0.2mm、Pf≦0.1mm、i≦3である場合にピッチ選択の自由度が高いという本発明の効果が顕著となる。
これらの条件を満たすピッチの組合せとして、例えば、ピッチP1を0.1mm、ピッチPfを0.074mmとする場合などが挙げられる。該ピッチであると、P1/Pf=1.35、P2/Pf=1/3.36であり、レンチキュラーレンズ列とフレネルレンズのモアレが目立たない。また式(1)および(2)から計算されるモアレの周期は、最大約0.9mmとなり、3者モアレを目立たなくすることが可能である。
発明の実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2にかかるレンチキュラーレンズシートの主要部の構成を示す斜視図である。以下、レンチキュラーレンズシートに関して、自己整列式外光吸収層17を含まない構成をレンチキュラーレンズシートA(図中符号10)、及びレンチキュラーレンズシートAに自己整列式外光吸収層17を付与したシートをレンチキュラーレンズシートB(図中符号11)とする。
レンチキュラーレンズシートAは、第2のレンズ列13を境界面として互いに屈折率が異なる第1のレンズ層14と第2のレンズ層15とが一体化したレンチキュラーレンズシートであり、本発明の実施の形態2では、第1のレンズ層14の屈折率が、第2のレンズ層15の屈折率より低い構成となっている。
レンチキュラーレンズシートAの光入射面、すなわち第1のレンズ層14の入射面には第1のレンズ列12が設けられ、前記第1のレンズ層14と前記第2のレンズ層15の界面には第2のレンズ列13がほぼ直交する形で配列されている。
第1のレンズ列12は、入射した投射光をレンズ媒質内で集光させる側に作用する光入射面側から見て手前側(入射側)に凸のレンズからなる複数のレンズ列で構成されている。第1のレンズ列12の各レンズは、垂直方向を長手方向とするシリンドリカルレンズであり、互いに平行に配列されている。従って、第1のレンズ列12は、入射光をレンズ媒質内で集光させた後、出射面で水平方向に拡散させることができる。
第2のレンズ列13は、前記第1のレンズ列12と同様に光入射面から見て手前側(入射側)に凸の複数のレンズからなるレンズ列を構成している。第2のレンズ列13における各レンズは、水平方向を長手方向とするシリンドリカルレンズであり、互いに平行に配列されている。即ち、第2のレンズ列13は、第1のレンズ列12とほぼ直交して形成されている。従って、第2のレンズ列13は各レンズ層の屈折率とレンズ形状の関係から、入射光をレンズ媒質内で集光させた後、出射面で垂直方向に拡散させることができる。
ここで、第1のレンズ列12のレンズピッチP1と、第2のレンズ列13のレンズピッチP2と、フレネルレンズのピッチPfについて、モアレが目立たない組合せとする必要がある。本発明では、図2に示されるような光学中心OCがレンズシートの範囲外にあるフレネルレンズシートを、図3に示されるような斜め投射系の表示装置に適用する。そのため、モアレ障害を避ける点で、第1のレンズピッチP1と、第2のレンズピッチP2どちらか一方と、Pfの組合せ自由度が従来に比して高い。
レンズシートは金型を用いて製造されることが多い。そして、金型は機械加工により作製するのが一般的である。このとき、機械加工を行う場合には加工装置に設計データを数値化して入力する必要がある。その際、設計データが整数値であれば最もよい。しかしながら、設計データの正確な値が小数点以下数桁以上に続く場合には、入力桁数に制限があるのが通常であるから、結果として正確な値からずれた値を入力せざるを得ない。従って、レンズピッチの値の取りうる範囲が広いということは、結果として正確な値を入力できる可能性が高まることを意味する。この点からしても本発明の効果は高い。
通常のフレネルレンズと垂直方向に伸びたレンズ列を持つレンチキュラーレンズシートでは、画面左右端中央部に曲線状モアレが生じやすい。そのため、レンチキュラーレンズのピッチ比をi+0.4付近、あるいはi+0.6付近(ただしiは自然数)などと設定する必要があった。ここで説明の簡単のため、本発明の第1のレンズ列12の長手方向を垂直方向とし、図2の光学中心OCはシート下方である、とする。
本発明のフレネルレンズはシート内に円弧の一部のみが存在するため、通常のフレネルレンズと異なり、垂直方向に平行なプリズム列が存在しない。このため、P1とPfのピッチ比を、従来から公知だった好ましい範囲に加え、従来は強いモアレが発生して設定できなかったi±0.35、またはi+0.5±0.05(ただしiは自然数)という範囲も設定可能になる。光学中心OCの位置が長辺端部から離れているほどその効果は顕著であり、Lhを短辺の長さとしたとき、スクリーンの中心から1.1Lh以上離れていることが好ましい。より好ましくは1.2Lh以上、更に1.3以上離れていることがより好ましい。
第1のレンズ列12のレンズピッチP1と、第2のレンズ列13のレンズピッチP2と、フレネルレンズのピッチPfについては、次の式(4)および(5)の条件を満たし、さらにモアレの周期が3mm以下となる、式(6)を満たす組合せが好ましい。これによって、3種のピッチが干渉するモアレの発生を抑制することができる。式(6)および(7)において、nおよびmを10以下の自然数としたときのモアレの周期が3mm以下となることが、より高次のモアレを抑制できる点で好ましい。
Figure 2006009193

ここで、iは12以下の自然数、第1のレンチキュラーレンズのレンズピッチをP1(mm)とし、第2のレンチキュラーレンズのレンズピッチをP2(mm)とし、P1とP2によるスクリーン対角方向の格子のピッチを下記式(7)から計算されるP(mm)とし、PとPfによるモアレのピッチをPM(mm)、nおよびmは4以下の自然数とする。
Figure 2006009193
さらに好ましくは、次の式(1)および(2)の条件を満たした上で、第1のレンズ列12の好ましいレンズピッチP1は、第2のレンズ列13のレンズピッチP2の2〜10倍であり、さらに好ましくは3〜5倍である。
Figure 2006009193

ただし、iは12以下の自然数、Pf(mm)は前記フレネルレンズのピッチ、P1(mm)を前記光拡散シートのレンズパターン列のピッチである。
このようにすることによって、第1のレンズ列12の谷部と第2のレンズ列レンズ13の頂点部同士が繋がるか又は近接させることなく、両レンズの焦点位置を近傍にすることが可能となる。本実施形態2では、さらに両レンズの焦点位置の近傍に自己整列式外光吸収層17を設けているため、自己整列式外光吸収層17の面積を広くとることができるので、コントラストがより向上する。
なお、前記第2のレンズ列のレンズピッチP2が0.02mm以下の極めて微細なレンチキュラーレンズシートの場合には、自己整列式外光吸収層17の形成において投射光を通過させる開孔部が微細になりすぎ、ドット欠陥が生じ易くなったり、金型自体の製作が困難となったりする場合がある。そのため、P1のP2に対する比率は10倍程度以下が望ましい。
さらに、スクリーン面に投射された画素の大きさPSとレンズピッチについて、画素とレンズピッチによるモアレ障害を抑えるために、PS/P1、PS/P2、PS/Pfはそれぞれ
j+0.35〜j+0.45、
または、j+0.55〜j+0.65、
または、3.3以上
を満たすことが好ましい。ただし、jは1または2である。
これらの条件を満たすピッチの組合せとして、例えば、ピッチP1を0.1mm、ピッチP2を0.022mm、ピッチPfを0.074mmとする場合などが挙げられる。該ピッチであると、P1/Pf=1.35、P2/Pf=1/3.36であり、レンチキュラーレンズ列とフレネルレンズのモアレが目立たない。また式(1)および(2)から計算されるモアレの周期は、最大約0.9mmとなり、3者モアレを目立たなくすることが可能である。
また、スクリーン面に投射された画素の大きさPSは一般に1.0mm前後であり、上記レンズピッチであれば画素とレンズピッチのモアレも抑制できる。
さらに、P1はP2の約4.5倍であり、金型の製作も容易であり、両レンチキュラーレンズの焦点位置を近傍にすることも可能となる。
尚、第2のレンズ層15は、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、MS系樹脂(メチルメタクリレート、スチレン共重合樹脂)、ポリスチレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)等により構成されている。
第1のレンズ層14の入射面側には、例えば、放射線硬化樹脂が充填されることによって形成された第1のレンズ列12が設けられている。前記第1のレンズ層14は、第2のレンズ列13を界面として接触し、第2のレンズ層15を覆うようにして設けられている。また、第2のレンズ層15の出射面は平坦であり、第1のレンズ列12の主平面とほぼ平行になるように構成されている。第1のレンズ列12の主平面とは、第1のレンズ列12の最も入射側に凸である位置を結んで得られる平面である。
ここで、第1のレンズ層14と第2のレンズ層15の境界面をなす第2のレンズ列13は、第1のレンズ層14に形成されているとも捉えることができる。第1のレンズ層14に形成されたレンズとして捉えれば、このレンチキュラーレンズは、光出射面側から見て凹状である。
第1のレンズ層14は、例えば、放射線硬化樹脂より構成される。放射線硬化樹脂は、例えば、アクリル系紫外線硬化樹脂、シリコン系紫外線硬化樹脂およびフッ素系紫外線硬化樹脂などから選択されて用いられる。ここで、第1のレンズ層14は、第2のレンズ層15の屈折率よりも低くする必要がある。本実施形態2の場合は、例えば、第1のレンズ層には屈折率が1.49のアクリル系紫外線硬化樹脂を、第2のレンズ層には屈折率が1.58のMS系樹脂を用いる。第1のレンズ層14と第2のレンズ層15の屈折率差は、0.05以上が好ましく、0.1以上がさらに好ましい。
そして、第2のレンズ層15の出射面上には、自己整列式外光吸収層17が設けられている。この自己整列式外光吸収層17は、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の非集光部、即ち、光の非通過部に設けられている。本実施形態2では、自己整列式外光吸収層17は、格子状に形成されている。この自己整列式外光吸収層17は、例えば、遮光性光硬化樹脂によって形成される。
図5Aに、前面板19との積層を含めた本発明の実施の形態2にかかるレンチキュラーレンズシートを形成するレンチキュラーレンズシートの上断面図、図5Aに横断面図を示す。また、図5Aと図5Bは、符号(#)によって繋がっている。ここで、前面板19とは、前記レンチキュラーレンズシートBの支持体を兼ねた光透過層であり、拡散層を含んだり、出射最外表面上にHC(ハードコート)、AG(防眩性)、AR(反射防止)、AS(帯電防止)等の各種の機能性膜を付与したりしても良い。
図5A及び図5Bでは、さらに、レンチキュラーレンズシートに入射した光100の通過経路も示されている。図5A及び図5Bに示されるように、このレンチキュラーレンズシートの全体構成は、レンチキュラーレンズシートBに加えて、前面板19及び機能性膜20を備えている。前面板19は、自己整列式外光吸収層17の上面に接着されて一体化されたスクリーンとなる。但し、前面板19は、レンチキュラーレンズシートBに対して接着されずに独立した構成としてもよい。
この前面板19は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、MS樹脂(メチルメタクリレート、スチレン共重合樹脂)、ポリスチレン等により構成される。前面板19は単層拡散板乃至は拡散層を設けた多層構造体としてもよい。機能性膜20は、前面板19上に直接コーティングされるか、又は機能性膜20をコーティングしたフィルムをラミネートすることにより形成する。機能性膜20には、HC(ハードコート)、AG(防眩性)、AR(反射防止膜)、AS(帯電防止)等の機能性膜が含まれる。
図5Aの上断面図に示されるように、レンチキュラーレンズシートAの入射面に入射した光100は、第1のレンズ列12により水平方向に集光する形で屈折し、第1のレンズ層14を経て第2のレンズ層15の各レンズ媒質中で集光した後、出射する。図5Bの横断面図に示したように、垂直方向に対しては第2のレンズ列13によって屈折し、第2のレンズ層14中で集光し、出射する。
即ち、自己整列式外光吸収層17は、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の双方の焦点位置の近傍に設けられている。このように、両レンズの焦点位置の近傍に自己整列式外光吸収層17を設けると、コントラストがより向上する。また、第1のレンズ列の焦点位置と第2のレンズ列の焦点位置とを異ならせて、光透過部分の形状の縦横比率を調整したり、自己整列式光吸収層17をストライプ状としたりすることもできる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2にかかるレンチキュラーレンズシートは、互いに直交する第1のレンズ列12と第2のレンズ列13を有するレンチキュラーレンズシートAの出射面側に自己整列式外光吸収層17を形成し、第1のレンズ列12から自己整列式外光吸収層17までの間を光透過性材質による中実構造としたので、自己整列式外光吸収層17を精度良く形成することができる。特に、本実施形態2では、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の双方の焦点位置が、自己整列式外光吸収層17が設けられた位置の近傍に来るように、精度良く自己整列式外光吸収層17を形成することができるため、コントラスト性能をより向上させることができる。
また、本発明の実施の形態にかかるレンチキュラーレンズシートによれば、拡散材を減らすことができるので、画像のボケを防止することができ、解像度を向上させることができる。さらにレンチキュラーレンズシートが1枚で構成されるため、複数のレンチキュラーレンズシートが互いにぶつかって破損する,といった問題も解消できる。さらにフレネルレンズとレンチキュラーレンズシートの第1のレンズ列と第2のレンズ列のピッチ比を好適な範囲に設計することで成形型の製造を容易にし,モアレの障害を抑制できる。
続いて、本発明の実施の形態2にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法について説明する。
まず、レンチキュラーレンズシートAのうち、第2のレンズ列13を有する第2のレンズ層15を作製する。例えば、第2のレンズ層15の基材樹脂をTダイによって溶融押出しを行い、賦形ロールでシリンドリカルレンズを片面成形する。この場合、第2のレンズ層の最大厚みは全幅に亘りほぼ均一であるようにする。
なお、賦形ロールに対するシリンドリカルレンズの形状転写方向は、該賦形ロールの回転軸心に対し凹溝列が平行な横溝方式であってもよいし、逆に、回転軸心に対し凹溝列が直角な縦溝方式のいずれであってもよい。若しくは、前記溶融押出し成形に代えて、片面凹溝金型により基材樹脂をプレス成形してもよいし、射出成形で片面成形してもよい。
その後、第2のレンズ列13上に第2のレンズ層15より屈折率が低い光透過性材質で第1のレンズ列12を有する第1のレンズ層14を成形する。この場合も、自己整列式外光吸収層17を形成する第2のレンズ層15の出射面に対し、第1のレンズ列12の主平面はほぼ平行になるようにする必要がある。これは、第2のレンズ層15の原反の張力調整及び放射線硬化型透明樹脂の粘度を調節することによりに容易に達成される。一方、第1のレンズ層14の形成は内側に紫外線照射ランプを挿入した中空円筒体の透明ガラス管を用いて、平板金型に押し当てながら成形してもよい。また、上記の成形工程では、例えば第2のレンズ列13の表面をプラズマ処理するなど、易接着処理をすることがより好ましい。
更に、上述の工程で一体化されたレンチキュラーレンズシートAの第2のレンズ層15の光出射面に遮光性光硬化型樹脂を塗工したフィルムを貼り合わせる。そして、レンチキュラーレンズシート入射面側から紫外線を照射する。そうすると、紫外線の集光部の遮光性光硬化樹脂は硬化する。その後に、フィルムを剥離する。紫外線の非集光部における遮光性光硬化樹脂は、第2のレンズ層15の出射面上に格子状に未硬化のまま残る。また、紫外線の集光部における遮光性光硬化樹脂は、フィルムに固着して剥離される。
次に格子状に残った非集光部の未硬化遮光性光硬化樹脂をレンチキュラーレンズシートの出射面側から放射線照射して硬化させる。これにより、自己整列式外光吸収層17が形成される。尚、この自己整列式外光吸収層17の形成は、上記方法に限定されるものではない。例えば、上記第2のレンズ層15の光出射面に感光性粘着層の黒色層を転写する方法を用いても良い。具体的には、上記第2のレンズ層15の光出射面に感光性粘着層を形成した後、入射面側から露光光線を照射し、前記感光性粘着層に、前記レンズ部の形状、ピッチに対応した露光部と非露光部を形成する。次いで、前記感光性粘着層の表面に黒色層を形成し、ラミネート手段によって前記感光性粘着層の非露光部のみに黒色層を転写し、自己整列式外光吸収層17が形成される。ここで、露光部は比較的高密度の露光部をいい、非露光部は比較的低密度の露光部をいう。従って、非露光部は全く露光されていないことに限定されない。
また、露光部、非露光部の表面自由エネルギーの差を利用して自己整列式外光吸収層17を形成しても良い。例えば、前記第2のレンズ層15の光出射面に、表面自由エネルギーが30mN/m以上である光硬化性樹脂組成物(a)100質量部および表面自由エネルギーが25mN/m以下である化合物(b)0.01〜10質量部からなる組成物の層を設ける。次いでレンズ部側から化合物(b)よりも表面自由エネルギーが低い媒質(例えば大気)に接触した状態で露光光線を照射する。照射された光はレンズにより集光し、集光部の光硬化性組成物(A)のみが選択的に硬化する。このようにして、集光部の表面エネルギーが25mN/m以下であるレンズシートを得ることができる。
得られたレンズシートを光硬化性樹脂組成物(a)よりも表面自由エネルギーが高い媒質(例えば水)に接触した状態で、レンズシートの出射面側から光を照射する。これにより、未硬化の光硬化性組成物(A)のみが硬化する。表面自由エネルギーの異なる表面では各種液体の濡れ性も異なり、一般的に用いられる溶剤、塗料の場合は表面自由エネルギーの高い表面の方が表面自由エネルギーの低い表面よりも液体が濡れ易い。したがって、選択的に表面を改質したレンズシートは集光部よりも非集光部の方が各種液体に濡れ易いことになる。この性質を利用して、表面改質したレンズシートに着色塗料を塗工することにより、非集光部のみに該着色塗料が付着した遮光パターンを形成することが可能となる。
次に、自己整列式外光吸収層17の上には、前面板19を積層する。積層は放射線硬化樹脂による接着や、粘着材による接着により実現する。
さらに、前面板19の表面に機能性膜20を積層してもよい。具体的には、機能性膜20を前面板19上に直接コーティングするか又は機能性膜20をコーティングしたフィルムをラミネートする。
このような製造方法によって、図4、図5A及び図5Bに示される構造のレンチキュラーレンズシートを製造することができる。
発明の実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3にかかるレンチキュラーレンズシートの主要部の構成を示す斜視図である。
レンチキュラーレンズシートAにおいて、第2のレンズ層15の出射側には透明支持体21が設けられ、そして、この透明支持体21の出射側の面上に自己整列式外光吸収層17が設けられている点において発明の実施の形態2に示す構成と異なる。その他の構成については、発明の実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
透明支持体21は、アクリル樹脂系フィルム、MS樹脂系フィルム、或いはPETフィルム等が用いられる。
本発明の実施の形態3にかかるレンチキュラーレンズシートは、互いに直交する第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13を有する透明支持体21の出射面側に自己整列式外光吸収層17を形成したので、自己整列式外光吸収層17を精度良く形成することができる。特に、この実施形態3では、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の双方の焦点位置が、自己整列式外光吸収層17が設けられた位置の近傍に来るように、精度良く自己整列式外光吸収層17を形成することができるため、コントラスト性能をより向上させることができる。
また、本発明の実施の形態にかかるレンチキュラーレンズシートによれば、拡散材を減らすことができるので、画像のボケを防止することができ、解像度を向上させることができる。
続いて、本発明の実施の形態3にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法について説明する。
まず、透明支持体21の光入射側表面上に、第2のレンズ列13を有する第2のレンズ層15を成形する。例えば、透明性の放射線硬化樹脂を、前記透明支持体21の表面に直接塗工する、若しくは賦形ロールに塗工あるいは両方の面に塗工した後、放射線を照射して硬化させた後、取り出す。
なお、賦形ロールにおけるシリンドリカルレンズの形状転写方向は、該賦形ロールの回転軸心に対し凹溝列が平行な横溝方式であってもよいし、逆に、回転軸心に対し凹溝列が直角な縦溝方式のいずれであってもよい。若しくは、賦形ロールに代えて片面凹溝の平板金型を用いてもよい。
次に上述の工程で得られた、前記透明支持体21と一体化された第2のレンズ層15の光入射面なる第2のレンズ列13の表面上に、前記第2のレンズ層15の屈折率より低い屈折率の透明性放射線硬化型樹脂によって第1のレンズ層14を成形する。この場合、第1のレンズ列12は前記第2のレンズ列13とほぼ直交する形で第1のレンズ層14を成形する。該第1のレンズ列12の主平面は、前記第2のレンズ列13の主平面とほぼ平行になるようにする必要がある。これは、第2のレンズ層15と一体化した透明支持体21の原反に与える張力調整と、第1のレンズ層用の放射線硬化型透明樹脂の粘度の適正化を図ることにより、精度よく均一に成形することができる。
一方、第1のレンズ層14の形成は内側に紫外線照射ランプを挿入した中空円筒体の透明ガラス管を用いて、平板金型に押し当てながら成形してもよい。また、上記の成形工程では、例えば、第2のレンズ列13の表面をプラズマ処理するなど、易接着処理をすることがより好ましい。
更に、上述の工程で一体化されたレンチキュラーレンズシートAの出射面である透明支持体21の表面に、遮光性光硬化型樹脂を塗工したフィルムを貼り合わせて、発明の実施の形態2において説明した方法により自己整列式外光吸収層17を形成する。
このような製造方法によって、図6に示される構造のレンチキュラーレンズシートを製造することができる。
発明の実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4にかかるレンチキュラーレンズシートの主要部の構成を示す斜視図である。尚、本実施形態4では、第1のレンズ層14と第2のレンズ層15からなるレンチキュラーレンズシート部分をレンチキュラーレンズシートA(図中符号10)、これに充填層16及び自己整列式外光吸収層17を含めたレンチキュラーレンズシートをレンチキュラーレンズシートB(図中符号11)とする。レンチキュラーレンズシートAは、入射面に第1のレンズ列12が設けられ、出射面には第1のレンズ列12とほぼ直交する形で第2レンズ列13が設けられている。また、本発明の実施の形態4では、レンチキュラーレンズAを構成するレンズ層の屈折率が、前記充填層16の屈折率より高い組合せとなっている。
前記第1のレンズ列12は、発明の実施の形態2と同様であり、説明を省略する。
また、第2のレンズ列13は、光出射面から見て手前側(出射側)に凸状の複数のレンズからなるレンズ列を構成している。各レンズは、水平方向を長手方向とするシリンドリカルレンズであり、互いに平行に配列されている。即ち、第2のレンズ列13は、第1のレンズ列12とほぼ直交して形成されている。従って、第2のレンズ列13は屈折率とレンズ形状の関係から、入射光をレンズ媒質内で集光させた後、出射面で垂直方向に拡散させることができる。
レンチキュラーレンズシートAの出射面側には、樹脂が充填されることによって形成される充填層16が設けられている。充填層16は、第2のレンズ列13のレンズ界面と接触し、これを覆うようにして設けられている。また、この充填層16の第2のレンズ列13と接触する面と反対側の面は、平坦であり、レンチキュラーレンズシートAの主平面と平行になるように構成されている。
レンチキュラーレンズシートAの出射面となる第2のレンズ列13は、充填層16との界面に形成されているので、このレンズ列は充填層16に形成されているとも捉えることができる。充填層16に形成されたレンズとして捉えれば、このレンチキュラーレンズは、光入射面側から見て凹のレンズである。
充填層16は、第2のレンズ層と異なる屈折率を有する必要があり、例えば、放射線硬化樹脂を用いる。図7に示されるように、本発明の実施の形態4の場合はレンチキュラーレンズシートAの出射面に設けられた第2のレンズ列13が光を集光させる働きをさせる凸レンズとして機能するには、充填層16の屈折率を、レンチキュラーレンズシートAの屈折率よりも低くする必要がある。例えば、充填層16には屈折率が1.49のアクリル系紫外線硬化樹脂を、レンチキュラーレンズシートAの第1のレンズ層14には屈折率が1.58のMS系樹脂を用い、第2のレンズ層15にはほぼ同等の屈折率のMS系紫外線硬化樹脂を用いる。
そして、充填層16の平坦な出射面上には自己整列式外光吸収層17が設けられている。この自己整列式外光吸収層17は第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の非集光部、即ち光の非通過部に設けられている。本実施形態4では、自己整列式外光吸収層17は、格子状に形成されている。この自己整列式外光吸収層17は、例えば、遮光性光硬化樹脂によって形成される。
図8Aに前面板19との積層を含めた本発明の実施の形態4にかかるレンチキュラーレンズシートの上断面図、図8Bに横断面図を示す。図8A及び図8Bでは、さらに、レンチキュラーレンズシートに入射した光100の通過経路も示されている。また、図8Aと図8Bは、符号(#)によって繋がっている。
図8Aの上断面図に示されるように、レンチキュラーレンズシートAの入射面に入射した光100は、第2のレンズ列13により屈折し、レンチキュラーレンズシートAや充填層16の各レンズ媒質中で集光した後、出射する。
図8Bの横断面図に示されるように、垂直方向に対しては第2のレンズ列13によって屈折し、充填層16中で集光した後、出射する。即ち、自己整列式外光吸収層17は、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の双方の焦点位置の近傍に設けられている。このように、両レンズの焦点位置の近傍に自己整列式外光吸収層17を設けると、コントラストがより向上する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態4にかかるレンチキュラーレンズシートは、互いに直交する各レンズ列12、13を有するレンチキュラーレンズシートAの出射面側に充填層16を形成し、その充填層16上に自己整列式外光吸収層17を形成し、第1のレンズ列12から自己整列式外光吸収層17までの間を光透過性材質による中実構造としたので、各レンズ列12、13と充填層16との位置関係において、自己整列式外光吸収層17を精度良く形成することができる。
特に、この実施形態4では、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の双方の焦点位置が、自己整列式外光吸収層17が設けられた位置の近傍に来るように、精度良く自己整列式外光吸収層17を形成することができるため、コントラスト性能をより向上させることができる。また、本発明の実施の形態にかかるレンチキュラーレンズシートによれば、拡散材を減らすことができるので、画像のボケを防止することができ、解像度を向上させることができる。
続いて、本発明の実施の形態4にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法について説明する。
まず、レンチキュラーレンズシートAのうち、第1のレンズ列12を有する第1のレンズ層14を作製する。例えば、第1のレンズ層14の基材樹脂をTダイによって溶融押出しを行い、賦形ロールでシリンドリカルレンズを片面成形する。この場合、賦形ロールに対するシリンドリカルレンズの形状転写方向は、該賦形ロールの回転軸心に対し凹溝列が平行な横溝方式であってもよいし、逆に、回転軸心に対し凹溝列が直角な縦溝方式のいずれであってもよい。
若しくは、前記溶融押出し成形に代えて、片面凹溝金型により基材樹脂をプレス成形してもよいし、射出成形で片面成形してもよい。
次に前記工程で得られた第1のレンズ層14の原反の光出射面側に前記第1のレンズ層14の基材樹脂とほぼ同等の屈折率の放射線硬化型透明樹脂によって第2のレンズ列13を有する第2のレンズ層15を成形する。この場合、第2のレンズ列13は前記第1のレンズ列12とほぼ直交する形で第2のレンズ層15を成形する。該第2のレンズ層15は前記第1のレンズ層14の主平面とほぼ平行になるようにする必要があるが、第1レンズ層14の原反に与える張力調整と、第2のレンズ層15用の放射線硬化型透明樹脂の粘度の適正化を図ることにより、各レンズ列のレンズ間距離は精度よく均一に成形することができる。
なお、第2のレンズ列13の放射線硬化型透明樹脂による成形は、押出賦形成形した第1のレンズ層14の原反を金型賦形ロールに巻き付けて放射線照射して硬化させてもよいし、内側に紫外線照射ランプを挿入した中空円筒体の透明ガラス管を用いて、平板金型に押し当てつつ成形してもよい。また、上記成形工程で、例えば、第2のレンズ列13の表面をプラズマ処理するなど、易接着処理をすることがより好ましい。
その後、第2のレンズ列13上に第2のレンズ層15より屈折率が低い充填層16を放射線硬化型透明樹脂で成形する。この場合も、自己整列式外光吸収層17を形成する充填層16の主平面が第1、2の各レンズ層の主平面とほぼ平行となるように、前記工程で一体となったレンチキュラーレンズシートAの張力調整及び放射線硬化型透明樹脂の粘度を調節することによりに容易に達成される。
更に、充填層16の上面に遮光性光硬化型樹脂を塗工したフィルムを貼り合わせて、発明の実施の形態2において説明した方法により自己整列式外光吸収層17を形成する。
このような製造方法によって、図7に示される構造のレンチキュラーレンズシートを製造することができる。
発明の実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5にかかるレンチキュラーレンズシートの主要部の構成を示す斜視図である。本発明の実施の形態5は、発明の実施の形態4と透明支持体21上に第1のレンズ層14及び第2のレンズ層15が形成されている構成で異なるが、その他の構成は同じであり、説明を省略する。
本発明の実施の形態5にかかるレンチキュラーレンズシートも発明の実施の形態4にかかるレンチキュラーレンズシートと同様の効果を奏する。
続いて、本発明の実施の形態5にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法について説明する。
まず、透明支持体21の表面上に、第1のレンズ列12を有する第1のレンズ層14を片面成形する。例えば、放射線硬化型透明樹脂を前記透明支持体21若しくは賦形ロール表面に塗工して貼り合せるか、あるいは両者の表面に共に塗工して貼り合せた上で、前記透明支持体21面側から放射線を照射して硬化させ、これを取り出す。この場合、第1のレンズ層14の厚みは前記透明支持体21の原反に与える張力調整と、前記放射線硬化型透明樹脂の年度を適正化することにより、前記第1のレンズ層14の厚みは精度よく均一に成形することができる。
なお、賦形ロールにおけるシリンドリカルレンズの形状転写方向は、該賦形ロールの回転軸心に対し凹溝列が平行な横溝方式であってもよいし、逆に、回転軸心に対し凹溝列が直角な縦溝方式のいずれであってもよい。
次に、第1のレンズ層14と一体化された前記透明層21の反対側の面に、第2のレンズ列を有する第2のレンズ層15を透明性の放射線硬化型樹脂によって成形する。この場合、第2のレンズ列13は前記第1のレンズ列12とほぼ直交する形で第2のレンズ層15を成形する。また、該第2のレンズ列13の主平面は前記第1のレンズ列12の主平面とほぼ平行になるように形状を付与する必要がある。これは、上述の前工程で第1レンズ層14が付与されて一体化された前記透明支持体21の原反に与える張力調整と、第2のレンズ層15用の放射線硬化型透明樹脂の粘度の適正化を図ることにより、各レンズ列のレンズ間距離は精度よく均一に成形することができる。また、上記の成形工程では、例えば、前記透明支持体21の表面をプラズマ処理するなど、易接着処理をすることがより好ましい。
その後、第2のレンズ列13上に第2のレンズ層15より屈折率が低い充填層16を放射線硬化型透明樹脂で成形する。この場合も、自己整列式外光吸収層17を形成する充填層16の主平面が第1、2の各レンズ列の主平面とほぼ平行で厚みが均一となるように、前各レンズ層と一体化されたレンチキュラーレンズシートAの張力調整及び放射線硬化型透明樹脂の粘度を調節する。
なお、透明支持体21表面への放射線硬化型透明樹脂による成形手順は、上述の説明手順によらず、例えば、透明支持体21の表面に第2のレンズ層15を最初に賦形してもよいし、第2のレンズ層15を最初に賦形し次工程で充填層16を賦形して最後に第1のレンズ層14を賦形する手順でもよい。
また、透明支持体21を連続的に賦形ロールに巻き付けて放射線照射して硬化させてもよいし、内側に放射線源を挿入した中空円筒体の透明ガラス管を用いて、平板金型に押し当てながら成形してもよい。また、上記の成形工程では、例えば、第2のレンズ列13の表面をプラズマ処理するなど、易接着処理をすることがより好ましい。
更に、充填層16の上面に遮光性光硬化型樹脂を塗工したフィルムを貼り合わせて、発明の実施の形態2において説明した方法により自己整列式外光吸収層17を形成する。
発明の実施の形態6.
図10は、本発明の実施の形態6にかかるレンチキュラーレンズシートの主要部の構成を示す斜視図である。本発明の実施の形態6にかかるレンチキュラーレンズシートは、図7に示す発明の実施の形態4にかかるレンチキュラーレンズシートと同じ構成を有するが、以下に説明するように製造方法が異なる。
まず、レンチキュラーレンズシートAを作製する。例えば、レンズシートの基材樹脂をTダイによって溶融押出しを行い、賦形ロールで両面のシリンドリカルレンズ列を同時成形する。この場合、賦形ロールに対するシリンドリカルレンズの形状転写は、該賦形ロールの回転軸心に対し凹溝列が平行な横溝ロールと、回転軸心に対し凹溝列が直角な縦溝ロールの組合せで同時成形する。
若しくは、前記溶融押出し成形に代えて、両面金型により基材樹脂をプレス成形してもよいし、射出成形で両面のレンズ列を同時に成形してもよい。
その後、レンチキュラーレンズシートAのレンズ層より屈折率が低い充填層16を放射線硬化型透明樹脂で成形する。この場合も、自己整列式外光吸収層17を形成する充填層16の主平面が前記両面シリンドリカルレンズシートの主平面とほぼ水平となるように、該両面シリンドリカルレンズシートの張力調整及び放射線硬化型透明樹脂の粘度を調節することによりに容易に達成される。
なお、前記充填層16の放射線硬化型透明樹脂による成形は、押出賦形成形したレンチキュラーレンズシートAの原反を金型賦形ロールに巻き付けて放射線照射して硬化させてもよいし、内側にUV照射ランプを挿入した中空円筒体の透明ガラス管を用いて、平板金型に押し当てつつ成形してもよい。また、上記成形工程で、例えば、第2のレンズ列13の表面をプラズマ処理するなど、易接着処理をすることがより好ましい。
更に、充填層16の上面に遮光性光硬化樹脂を塗工したフィルムを貼り合わせて、発明の実施の形態2において説明した方法により自己整列式外光吸収層17を形成する。
発明の実施の形態7.
上述の発明の実施の形態2乃至6にかかるレンチキュラーレンズシートにおいては、第1のレンズ列で水平方向の拡散制御を行い、第2のレンズ列で垂直方向の制御を行うレンズ形状と屈折率の組合せで構成されているが、これを逆転させた構成であっても構わない。すなわち、図11に示されるように、第1のレンズ列を水平方向を長手方向とするシリンドリカルレンズ列とし、第2のレンズ列を鉛直方向を長手方向とするシリンドリカルレンズ列とする構成も可能である。
発明の実施の形態8.
図12に本発明の実施の形態8にかかるレンチキュラーレンズシートの断面を示す。この発明の実施の形態8においては、2組のレンチキュラーレンズシート1a、1bが設けられている。レンチキュラーレンズシート1aは、入射面に対して垂直方向に配列された第1のレンズ列12を備えている。レンチキュラーレンズシート1aの出射面は、平面状に構成されており、自己整列式外光吸収層は設けられていない。レンチキュラーレンズシート1bは、入射面に対して水平方向に配列された第2のレンズ列13を備えている。即ち、第1のレンズ列12と第2のレンズ列13とは、略直交している。
レンチキュラーレンズシート1bの出射面には、自己整列式外光吸収層17が設けられている。この自己整列式外光吸収層17は、第1のレンズ列12と第2のレンズ列13の双方の焦点位置の近傍であって、非集光部に設けられている。本実施形態8では、自己整列式外光吸収層17は、格子状に形成される。
レンチキュラーレンズシート1aとレンチキュラーレンズシート1bとの間には、充填層22が形成されている。このような充填層22が形成されることによって、レンチキュラーレンズシート1aとレンチキュラーレンズシート1bとは、互いに正確な位置に配置することができる。特に、レンチキュラーレンズシート1aに設けられた第1のレンズ列12は、レンチキュラーレンズシート1bの出射面に設けられた自己整列式外光吸収層17の近傍において焦点を有するように配置する必要があるため、この点においてもレンチキュラーレンズシート1aとレンチキュラーレンズシート1bとを正確に配置できる効果は高い。
充填層22は、例えば、2P樹脂より構成される。ここで、2P樹脂は、紫外線硬化樹脂であり、例えば、フッ素系紫外線硬化樹脂が用いられる。充填層2は、レンチキュラーレンズシート1bと異なる屈折率を有する必要がある。図12に示されるように、レンチキュラーレンズシート1bの入射面に設けられた第2のレンズ列13が入射側に凸のレンズの場合には、充填層22の屈折率は、レンチキュラーレンズシート1bの屈折率よりも低くする必要がある。逆に、第2のレンズ列13が入射側に凹のレンズの場合には、充填層22の屈折率は、レンチキュラーレンズシート1bの屈折率よりも高くする必要がある。
レンチキュラーレンズシート1bの出射面には、透明シート18及び機能性膜19が形成される。これらの透明シート18及び機能性膜19について、発明の実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態8におけるレンチキュラーレンズシートは、第1のレンズ列12を有するレンチキュラーレンズシート1aと第2のレンズ列13を有するレンチキュラーレンズシート1bの間に充填層22を形成する。そのレンチキュラーレンズシート1bの出射面に、さらに自己整列式外光吸収層17を形成し、第1のレンズ列12から自己整列式外光吸収層17までの間を光透過性材質による中実構造とした。それ故、レンズ列12、13との位置関係において、自己整列式外光吸収層17を精度良く形成することができる。特に、本実施形態8では、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の双方の焦点位置が、自己整列式外光吸収層17が設けられた位置の近傍に来るように、精度良く自己整列式外光吸収層17を形成することができる。これによって、コントラスト性能をより向上させることができる。
尚、レンチキュラーレンズシート1aにおいて、レンチキュラーレンズ12は、出射面に設けてもよい。
次に、本発明の実施の形態8にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法について説明する。
まず、レンチキュラーレンズシート1a及び1bを作製する。例えば、レンズシートの基材樹脂をTダイによって溶融押出しを行い、賦形ロールで両面のシリンドリカルレンズを同時成形する。基材をTダイによって溶融押出しを行い、賦形ロールで入射面側のシリンドリカルレンズを成形し、出射側シリンドリカルレンズは別の金型を用いて2Pで形成するようにしてもよい。若しくは、上下の両面金型により基材樹脂をプレス成形するようにしてもよい。レンチキュラーレンズシート1aと1bの基材樹脂及び成形方法は、同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。
次にレンチキュラーレンズシート1aの出射面に、レンチキュラーレンズシート1bの基材樹脂とは異なる屈折率の2P樹脂を充填することによって、充填層22を形成する。さらに、レンチキュラーレンズシート1bを充填層22上に配置する。その後、充填層22に対してUV光を照射し、充填層22を硬化させる。その後、充填層22の上面に遮光性2P樹脂を塗工したフィルムを貼り合わせて、発明の実施の形態2において説明した方法により自己整列式外光吸収層17を形成する。
自己整列式外光吸収層17の上に、レンチキュラーレンズシート1と同等の屈折率を有する透明シート18を積層する。積層は、低屈折率の2P樹脂による接着や、低屈折率の粘着材による接着により実現する。さらに、透明シート18の表面に機能性膜19を積層する。具体的には、機能性膜19を透明シート18上に直接コーティングするか又は機能性膜19をコーティングしたフィルムをラミネートする。
このような製造方法によって、図12に示される構造のレンチキュラーレンズシートを製造することができる。
発明の実施の形態9.
図13に、本発明の実施の形態9にかかるレンチキュラーレンズシートの断面を示す。本発明の実施の形態9にかかるレンチキュラーレンズシートは、基本的に発明の実施の形態8にかかるレンチキュラーレンズシートの構成と同じであり、レンチキュラーレンズシート1bの出射面に、さらに透明シート23が設けられ、この透明シート23の出射面に自己整列式外光吸収層17が設けられている点でのみ異なる。このような構成においても、発明の実施の形態8と同様の効果を奏することができる。尚、本発明の実施の形態9にかかるレンチキュラーレンズシートの製造方法は、発明の実施の形態8と同様であるため、説明を省略する。
発明の実施の形態10.
図14の断面図に示されるように、充填層は、2層以上の充填層24、25により構成されてもよい。
尚、上述の実施形態におけるレンチキュラーレンズシート1は、1枚構成であったが、2枚のそれぞれにレンズ列12、13を形成し、両者を貼り合わせることにより構成してもよい。
本発明にかかるレンチキュラーレンズシートは、例えば、背面投射型プロジェクションテレビやモニタ等の背面投射型プロジェクション装置において用いられる。
発明の実施の形態11.
本発明に用いられるフレネルレンズは、図3に示されるように斜めから入射される形態で使用される。この場合、入射面側にプリズム列を備え、入射光の少なくとも一部を全反射によって出射する構成であると好ましい。出射面のみ、または入射面のみにプリズム列を備えたフレネルレンズシートを使い、入射光を屈折作用だけで偏向、集光する通常のフレネルレンズシートでは光の利用効率が低くなるためである。
図15に発明の実施の形態11にかかるフレネルレンズシートを示す。該フレネルレンズシートでは、入射面側に三角形状のプリズム列を設け、入射面61へ入射した入射光が入射面61で屈折し、反射面62へ向かった後、反射面62で全反射して出射される構成となっている。
なお、プリズム列の先端、あるいはプリズム列の谷部分に微小なつなぎ面を設けると、成形型の製造や、成形型から製品を離形することが容易になる。つなぎ面の幅は3μm以上15μm以下が好ましい。3μm以下であると成形型の製造や、成形品の離形を充分に改善できない場合がある。また15μm以上であると、光の利用効率が低下する上、該つなぎ面部分へ入射した入射光が異常光線、いわゆるゴースト光となる場合があるため、好ましくない。
発明の実施の形態12.
図16に別の発明の実施形態を示す。図15に示す三角形状のプリズム列の先端を切り欠いた形状をしており、該切り欠いた面を入射面63とし、反射面62およびライズ面64で構成されている。本構成であると、プリズム単位の高さを低くすることができ、また先端の角度を大きくすることができるので、光の透過率を高く保ったまま、成形型の製造や、成形型から製品を離形することが容易になる。
発明の実施の形態13.
図17にさらに別の発明の実施形態を示す。図16と異なる点は、ライズ面64と反射面62のなす角が小さくなる方向に、ライズ面64が傾いていることである。本発明によれば、ライズ面64に入射する割合を減らすことができ、光の利用効率が高いため、特に好ましい。ライズ面64の傾きは、1度以上20度以下が好ましく、特に2度以上10度以下が好ましい。1度以下であると利用効率を充分に高くできない場合がある。一方、20度を越えると成形型の製造が困難になる場合がある。なお、図17のような成型品を成形型から離形することは一見困難に思えるが、本発明ではフレネルレンズの光学中心OCがシート外にあるため、図17では上の部分から離形することで上記問題は解消する。
発明の実施の形態14.
図18は、本発明の実施の形態14にかかる背面投射型スクリーンの部分構成を示す斜視図である。この背面投射型スクリーン110では、レンチキュラーレンズシート111のレンチキュラーレンズ121が第1のレンズ列として機能する。これらレンチキュラーレンズ121に対して、前面板113に第2のレンズ列132が設けられている。これら第2のレンズ列132は、前面板113の入光面に突設され、レンチキュラーレンズ121に略垂直に延在している。換言すれば、第2のレンズ列132は、レンチキュラーレンズ121の延在方向にレンズピッチP2で並設されている。このような背面投射型スクリーン110では、レンチキュラーレンズシート111とフレネルレンズシート112との組合せによって、横方向(レンチキュラーレンズ121の並設方向)にモアレが発生するのを防止することができる。
その他の発明の実施の形態.
上記に説明した本発明の実施の形態1乃至13においては、本発明をレンチキュラーレンズシートに適用した場合について説明した。本発明は、レンチキュラーレンズシートに限らず、種々のマイクロレンズアレイシートに適用可能である。この場合には、フレネルレンズのレンズピッチをPf(mm)、マイクロレンズアレイの略水平方向の実効ピッチをP1*(mm)としたときに、マイクロレンズアレイが下記の式(1*)〜(3*)のいずれかを満たす。
Figure 2006009193

ここで、iは12以下の自然数とする。
さらに、このマイクロレンズアレイは、マイクロレンズアレイの略垂直方向の実効ピッチをP2*(mm)、P1*とP2*によるスクリーン対角方向の格子のピッチを下記式(7*)から計算されるP*(mm)とし、さらに、P*とPfによるモアレのピッチをPM*(mm)としたとき、下記の式(4*)又は(5*)のいずれかを満たし、かつ式(6*)を満たす。
Figure 2006009193

Figure 2006009193

ここで、iは12以下の自然数、nおよびmは4以下の自然数とする。
このように、本発明をマイクロレンズアレイシートに適用する場合には、マイクロレンズアレイの略垂直方向、略水平方向の実効ピッチP1*,P2*が必要となる。これら実効ピッチP1*,P2*とは、略垂直方向、略水平方向のマイクロレンズ間の実質的な間隔のことである。具体的には、実効ピッチP1*とは、略垂直方向に隣接したマイクロレンズの中心間の距離とすることができる。これと同様に、略水平方向に実効ピッチP2*とは、略水平方向に隣接したマイクロレンズの中心間の距離とすることができる。
本実施形態において、図19A、図19B及び図19Cを用いて、このマイクロレンズピッチにおける実効ピッチについて具体的に説明する。なお、本明細書中において、実効ピッチ及び実効ピッチから算出された数値に対しては記号“*”を付し、実効ピッチに係る数値であることを示している。
図19Aに、上記のレンチキュラーレンズシートと同様の場合が示されている。具体的には、長寸のマイクロレンズアレイ211,212がそれぞれ、略垂直、略水平に延在し、略同ピッチで配列されている。この場合には、上記のレンチキュラーレンズシートと同様に、長寸のマイクロレンズ211,212の長手方向に延在する軸間の距離が実効ピッチP1*,P2*となる。すなわち、上記に説明したレンズ列12,13の各レンズピッチP1,P2に一致する。
図19Bに、平面視略矩形状のマイクロレンズが略垂直方向についてずれた状態で配置されたデルタ配列の一例が示されている。具体的には、平面視略矩形状のマイクロレンズ220が略水平に略動ピッチで配置されている。それとともに、このマイクロレズアレイ220の下方(若しくは上方)に配置された他のマイクロレンズアレイ220が、マイクロレンズ220に対して略水平にずれた状態で配置されている。なお、図19Bにおいては、実行ピッチを示すための記号“*”に符号1が代入されて図示されている。
図19Bの場合には、略水平方向のマイクロレンズ220の実効ピッチP1*は、略水平方向のマイクロレンズ220の中心間距離P11である。いま、マイクロレンズ220が平面視略同一形状を有し、マイクロレンズ220のずれ幅がマイクロレンズ220の略水平方向の幅L11の半分であるとする。この場合には、マイクロレンズ220の略水平方向の中心間距離P11は、マイクロレンズ220の略水平方向の幅L11の半分に等しくなる。
略垂直方向のマイクロレンズ220の実効ピッチP2*は、これらのマイクロレンズ220の略垂直方向の中心間距離P21である。略水平方向に対して略垂直方向にはマイクロレンズ220がずれていない。それ故、マイクロレンズ220が平面視略同一形状を有する場合には、この中心間距離P21は、マイクロレンズ220の略垂直方向の幅L21に等しくなる。
図19Cに、多角形状のマイクロレンズが配置されたデルタ配列の一例が示されている。具体的には、平面視略正六角形状のマイクロレンズ230が各辺ごとに隣接した状態で配置されている。なお、図19Cにおいては、実行ピッチを示すための記号“*”に符号2が代入されて図示されている。
図19Cの場合には、略水平方向のマイクロレンズ230の実効ピッチP1*は、略水平方向のマイクロレンズ230の中心間距離P12である。マイクロレンズ220が平面視略同一形状を有する場合には、マイクロレンズ230の略水平方向の中心間距離P11は、マイクロレンズ230の略水平方向の幅L12の半分に等しくなる。ここで、図19Cに示されたマイクロレンズ230の略垂直方向の幅L12とは、対向する2辺間の距離である。
これと同様に、略垂直方向のマイクロレンズ230の実効ピッチP2*もまた、これらのマイクロレンズ230の略垂直方向の中心間距離P22である。マイクロレンズ230が平面視略同一形状を有する場合には、この中心間距離P22は、マイクロレンズ230の略垂直方向の幅L22の0.75倍に等しくなる。ここで、図19Cに示されたマイクロレンズ230の略垂直方向の幅L22とは、対向する2頂点間の距離である。
上述の各発明の実施の形態にかかるレンチキュラーレンズシートにおいて、レンズ設計およびレンズピッチの設定を行った。
図20に、実施例1〜3に関する具体的なレンズ単位要素の屈折率の組合せと、レンズ形状の寸法諸元、およびレンズ単位のピッチとピッチの比と、3者モアレの周期を示す。実施例1,2,4は発明の実施の形態2、実施例3は発明の実施の形態4、実施例5は発明の実施の形態14にそれぞれ相当する。
図20に示す各符号を説明するために、図21Aにレンズ単位要素の上断面図を図21Bに同横断面図を示す。図20、図21A及び図21Bにおいて、1は第1のレンズ列の部位を示す添え字、2は第2のレンズ列の部位を示す添え字、nはレンズ列の出射側材質の屈折率、f1およびf2は平行入射光に対する第1および第2のレンズの焦点距離[mm]、Cはレンズの曲率、Kはレンズの円錐定数、Pはレンズのピッチ[mm]、Sはレンズの深さ(SAG)[mm]を示す。ここで、Sは次式において、レンズ頂点からの距離Xの値を、X=±P/2とした場合の最大深さを示す。
Figure 2006009193

また、φはレンズ谷部の接線角度[deg]、θはレンズの屈折角度(出射光のカットオフ角度)[deg]、ΔHは第1のレンズ列谷部と第2のレンズ列谷部の距離[mm]、ΔVは第1のレンズ列頂点部と第2のレンズ列頂点部の距離[mm]を示す。
実施例1、2、4および比較例1において第1のレンズ層はアクリル系紫外線硬化樹脂により、第2のレンズ層はMS樹脂により形成した。
実施例3において第1のレンズ層はMS系樹脂、第2のレンズ層はMS系紫外線硬化樹脂、充填層16はアクリル系紫外線硬化樹脂により形成した。
比較例1では、モアレが目立った状態で観察されたが、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5では、モアレは観察されなかった。
本発明は、背面投射型液晶プロジェクションテレビ等の背面投射型プロジェクション装置に適用できる。

Claims (9)

  1. 背面投射型プロジェクタより出射された光を一定の角度の範囲内になるように絞り込むフレネルレンズシートと、少なくとも略垂直方向に直線状に連続する複数の光学パターン列が略水平方向に配列された光拡散シートとを備えた背面投射型スクリーンであって、
    前記フレネルレンズシートの光学中心は、表示画面領域外であって画面の上方若しくは下方に設けられ、
    下記式(1)〜(3)のいずれかを満たす背面投射型スクリーン。
    Figure 2006009193

    ただし、iは12以下の自然数、Pf(mm)は前記フレネルレンズのピッチ、P1(mm)を前記光拡散シートの光学パターン列のピッチである。
  2. 前記略垂直方向に直線状に連続する複数の光学パターンを第1の光学パターン列としたときに、当該第1の光学パターン列より光出射側に、前記第1の光学パターン列と略直交する第2の光学パターンを、さらに備えることを特徴とする請求の範囲第1項記載の背面投射型スクリーン。
  3. 前記光拡散シートが、その入射面にシリンドリカルレンズ状の前記第1の光学パターン列と、
    当該第2の光学パターン列界面の入射側と出射側が互いに屈折率の異なる光透過性材質により構成されている第2の光学パターン列と、
    前記第1の光学パターン列及び前記第2の光学パターン列を通過した光の非通過位置の少なくとも一部に設けられた自己整列式光吸収層とを有し、
    当該光拡散シートの入射面から前記自己整列式外光吸収層までの間が光透過性材質による中実構造であることを特徴とする請求の範囲第2項記載の背面投射型スクリーン。
  4. 前記フレネルレンズシートと前記光拡散シートが下記式(4)又は(5)のいずれかを満たし、かつ下記式(6)を満たすことを特徴とする請求の範囲第2項又は第3項記載の背面投射型スクリーン。
    Figure 2006009193

    ここで、iは12以下の自然数、第1のレンチキュラーレンズのレンズピッチをP1(mm)とし、第2のレンチキュラーレンズのレンズピッチをP2(mm)とし、P1とP2によるスクリーン対角方向の格子のピッチを下記式(7)から計算されるP(mm)とし、PとPfによるモアレのピッチをPM(mm)、nおよびmは4以下の自然数とする。
    Figure 2006009193
  5. 背面投射型プロジェクタより出射された光を一定の角度の範囲内になるように絞り込むフレネルレンズシートと、マイクロレンズアレイシートとを備えた背面投射型スクリーンであって、
    当該マイクロレンズアレイシートは、略水平方向及び略垂直方向に光を拡散する作用を有するマイクロレンズアレイが入射面に配置されており、前記マイクロレンズアレイを通過した光の非通過位置の少なくとも一部に設けられた自己整列式外光吸収層とを備えたマイクロレンズアレイシートであり、
    前記フレネルレンズシートの光学中心は、表示画面領域外であって、画面の上方若しくは下方に設けられ、
    前記フレネルレンズシートと前記マイクロレンズアレイシートは、下記式(1*)乃至(3*)のいずれかを満たし、
    かつ、前記フレネルレンズシートと前記マイクロレンズアレイシートは、下記式(4*)又は(5*)のいずれかを満たし、かつ、下記式(6*)を満たす背面投射型スクリーン。
    Figure 2006009193

    ただし、iは12以下の自然数、Pf(mm)は前記フレネルレンズのピッチ、P1*(mm)を前記マイクロレンズアレイの略水平方向の実効ピッチとする。
    Figure 2006009193

    ここで、iは12以下の自然数、マイクロレンズアレイの略垂直方向の実効ピッチをP2*(mm)とし、P1*とP2*によるスクリーン対角方向の格子のピッチを下記式(7*)から計算されるP*(mm)とし、P*とPfによるモアレのピッチをPM*(mm)、nおよびmは4以下の自然数とする。
    Figure 2006009193
  6. 前記フレネルレンズシートがその入射面に円弧状プリズム列を持ち、当該プリズム列の少なくとも一部が全反射面を備え、プリズム列へ入射した光線の少なくとも一部が全反射面で反射した後に出射面へ出射するように形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の背面投射型スクリーン。
  7. 前記光拡散シートの前記第2の光学パターン列は、複数の入射側に凸のシリンドリカルレンズにより構成され、
    前記第2の光学パターン列界面の出射側の光透過性材質は、入射側の光透過性材質よりも高い屈折率を有することを特徴とする請求の範囲第3項記載の背面投射型スクリーン。
  8. 前記光拡散シートの第2の光学パターン列は、複数の入射側に凹のシリンドリカルレンズにより構成され、前記第2の光学パターン列のレンズ界面の出射側の光透過性材質は、入射側の光透過性材質よりも低い屈折率を有することを特徴とする請求の範囲第3項記載の背面投射型スクリーン。
  9. 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれかに記載の背面投射型スクリーンを備えた背面投射型プロジェクション装置。
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