JP2006309150A - 光拡散部材及び透過型スクリーン - Google Patents

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本田  誠
Isoroku Watanabe
一十六 渡邉
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Abstract

【課題】 解像度やコントラスト等の画質が良好な透過型スクリーンを得易い光拡散部材、及び透過型スクリーンを提供する。
【解決手段】 一方の面に多数の凸シリンドリカルレンズ5が形成されているシート状のレンチキュラーレンズ10の他方の面10a上に多数の遮光部15がストライプ状に配置され、隣り合う遮光部15同士の間それぞれを埋めるようにして少なくとも1つの光透過層25が形成されている光拡散部材30を構成するにあたって、式 0<H<(P−W)/[2・tan(sin−1(1/n))](式中の記号P は隣り合う凸シリンドリカルレンズ5同士のピッチを表し、記号W は遮光部におけるレンチキュラーレンズとは反対側の面での幅を表し、記号Hは遮光部の厚さを表す。)を成り立たせることによって、上記の課題を解決した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光拡散部材及び透過型スクリーンに関し、更に詳しくは、一方の面に多数の凸シリンドリカルレンズが形成されているシート状のレンチキュラーレンズと、このレンチキュラーレンズの他方の面に形成された遮光パターン及び光透過層とを有する光拡散部材、及びその光拡散部材を有する透過型スクリーンに関する。
今日では、液晶ディスプレイ、投射型ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の大画面ディスプレイが一般家庭にまで普及している。大画面のディスプレイは、複数人で映像(画像)を見ることを想定して購入される場合が多く、複数人で映像(画像)を見たときでも各人が高画質の映像を楽しめるように、高い視野角特性が求められる。このため、特に背面投射型ディスプレイでは、水平方向(画面の左右方向を意味する。以下同じ。)の視野角特性を向上させるために、光拡散部材を備えた透過型スクリーンが用いられる。
透過型スクリーンに利用される光拡散部材としては種々のものが提案されているが、その中の1つとして、一方の面に多数の凸シリンドリカルレンズが一定のピッチで形成されているシート状のレンチキュラーレンズと、このレンチキュラーレンズの他方の面に形成された遮光パターン及び光透過層とを有するタイプの光拡散部材がある。
なお、凸シリンドリカルレンズとは、屈折面が凸面に成形されているシリンドリカルレンズのことであり、また、レンチキュラーレンズの他方の面とは、一方の面に多数の凸シリンドリカルレンズが形成されているシート状のレンチキュラーレンズにおいて、凸シリンドリカルレンズの屈折面が形成されている側の面の反対面のことである。
光拡散部材は、凸シリンドリカルレンズの屈折面に入射した略平行光(平行光を含む)を各凸シリンドリカルレンズの配列方向に拡散させるものである。したがって、この光拡散部材とフレネルレンズとを組み合わせることにより、視野角特性が良好な透過型スクリーンを得ることができる。
フレネルレンズは、背面投射型ディスプレイの投射光学系内において、光拡散部材よりも映像光源側に配置されて、発散光の状態で投射されてくる映像光を略平行光に変換して光拡散部材に入射させる。また、光拡散部材は、各凸シリンドリカルレンズの長手方向が垂直方向(画面の上下方向のこと。以下同じ。)となり、かつ、各凸シリンドリカルレンズの屈折面がフレネルレンズ側となる向きで配置され、フレネルレンズで略平行光に変換された映像光を各凸シリンドリカルレンズの配列方向に拡散させて、背面投射型ディスプレイの水平方向(画面の左右方向のこと。以下同じ。)の視野角特性を向上させる。そして、遮光パターンは透過型スクリーンへの外光の映り込みを防止して、映像のコントラストを良好にする。
例えば特許文献1には、上述のタイプの光拡散部材を用いて透過型スクリーンを構成したときの水平方向の視野角特性及び映像のコントラストをそれぞれ良好なものとするために、遮光パターンの開口率を特定の範囲に選定した透過型スクリーンが記載されている。また、同文献1には、垂直方向の視野角特性を向上させるために、レンチキュラーレンズ(レンチキュラーレンズシート)の他方の面上に拡散フィルムを設けた透過型スクリーンも記載されている。
水平方向及び垂直方向の視野角特性がそれぞれ良好で、映像のコントラストも良好な背面投射型ディスプレイを得るためには、同文献1に記載されているように、レンチキュラーレンズの他方の面上に遮光パターン及び拡散フィルムが設けられた構造を有する光拡散部材を用いて透過型スクリーンを構成することが望ましい。
特開2001−215622号公報(特許請求の範囲、及び図4(b)参照)
しかしながら、特許文献1に記載されている透過型スクリーンでは、レンチキュラーレンズの他方の面上に拡散フィルムを設けたときに、当該拡散フィルムとその外側の媒質との界面で生じる光の屈折が考慮されることなく上記の開口率が選定されている。このため、同文献1に記載されている透過型スクリーンでは、レンチキュラーレンズの他方の面上に拡散フィルムを設けたときに、その拡散フィルムとその外側の媒質との界面で全反射が起こって迷光になる光であっても、遮光パターンに隣接する開口部を通過させることとなるので、その結果として、拡散フィルムとその外側の媒質との界面で全反射して発生する迷光が生じ易く、この迷光が不特定箇所から最終的に観察者側に出光することによって映像の画質(解像度、コントラスト)が低下し易い。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、解像度やコントラスト等の画質に優れた透過型スクリーンを得易い光拡散部材、及びその光拡散部材を有する透過型スクリーンを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の第1態様に係る光拡散部材は、一方の面に多数の凸シリンドリカルレンズが一定のピッチP で平行に形成されているシート状のレンチキュラーレンズと、該レンチキュラーレンズの他方の面上にストライプ状に配置された多数の遮光部からなる遮光パターンと、隣り合う遮光部の間を埋めるようにして前記レンチキュラーレンズの他方の面上に形成された少なくとも1つの光透過層とを有する光拡散部材であって、前記遮光部は、前記凸シリンドリカルレンズの光軸と平行な光が前記一方の面側から前記レンチキュラーレンズ内に入射したときの光路外に配置されており、前記遮光部の厚さをHとし、該遮光部における前記レンチキュラーレンズ側の面での幅をW とし、該遮光部における前記レンチキュラーレンズとは反対側の面での幅をW とし、前記光透過層の屈折率をn としたときに、下式(I)が成り立つことを特徴とする(以下、この光拡散部材を「光拡散部材IA」ということがある。)。
Figure 2006309150
また、本発明の第2態様に係る光拡散部材は、上記第1態様を構成する凸シリンドリカルレンズをいわゆるハエの目レンズに置き換えた態様であり、一方の面に多数の単位凸レンズが縦横にそれぞれ一定の縦ピッチPV及び横ピッチPHで形成されているシート状のハエの目レンズと、該ハエの目レンズの他方の面に格子状に配置された多数の遮光部からなる遮光パターンと、隣り合う遮光部の間を埋めるようにして前記ハエの目レンズの他方の面に形成された少なくとも1つの光透過層とを有する光拡散部材であって、前記遮光部は、前記単位凸レンズの光軸と平行な光が前記一方の面側から前記ハエの目レンズ内に入射したときの光路外に配置されており、前記遮光部の厚さをHとし、該遮光部における前記ハエの目レンズ側の面での縦幅をW1V、横幅をW1H とし、該遮光部における前記ハエの目レンズとは反対側の面での縦幅をW2V、横幅を幅W2H とし、前記光透過層の屈折率をn としたときに、下式(III)、(IV)が成り立つことを特徴とする(以下、この光拡散部材を「光拡散部材IB」ということがある。)。
Figure 2006309150
Figure 2006309150
ここで、「屈折率」とは、測定光の波長が588nmであるときの屈折率を意味する。また、「遮光部の厚さ」とは、凸シリンドリカルレンズ又は単位凸レンズの屈折面に入射して当該凸シリンドリカルレンズ又は単位凸レンズによって集光される光の出射面を基準とした遮光部の高さ(厚さ)を意味する。第1態様でいうピッチP、厚さH及び幅W、並びに第2態様でいうピッチP、P、厚さT及び幅W2V、W2Hそれぞれの単位は、互いに同じであれば問わない。
本発明の光拡散部材IA,IBによれば、上記の式(I)又は式(III)、(IV)が成り立つように構成したので、光透過層内で光の散乱が起こらない限り、レンチキュラーレンズ側又は単位凸レンズ側から光透過層に入射した光が光透過層とその外側の媒質との界面で全反射することが抑止される。さらに、上記の式(I)又は式(III)、(IV)が成り立つときには、光透過層内で光の散乱が起こらない限り、レンチキュラーレンズ側又は単位凸レンズ側から光透過層に入射した光のうちで前記界面で全反射しない実質的に全ての光が当該界面に達するように、遮光部の厚さHが選定されたことになる。光拡散材を含む光透過層を設けた場合には、上記の界面での全反射を抑止することができないが、上記の式(I)又は式(III)、(IV)が成り立たないものに比べれば、上記の界面での全反射が抑えられる。これらの結果として、光拡散部材IA,IBを用いた透過型スクリーンでは、レンチキュラーレンズ側又は単位凸レンズ側から入射した光が光透過層とその外側の媒質との界面で全反射して迷光となるのを抑えることが容易になる。したがって、この光拡散部材IA,IBによれば、迷光の発生が抑制されるので、そうして発生した迷光が不特定箇所から観察者側に出光することを防ぐことができ、映像の画質(解像度とコントラスト。以下同じ。)のよい透過型スクリーンを得易くなる。
本発明の光拡散部材IA,IBにおいては、前記凸シリンドリカルレンズ又は単位凸レンズの屈折率をn とし、該凸シリンドリカルレンズの幅方向の端又は単位凸レンズの幅方向及び縦方向の端での接平面の傾斜角をαとしたときに、下式(II)が成り立つ(以下、この光拡散部材を「光拡散部材IIA, IIB」ということがある。)ことが好ましい。
Figure 2006309150
この光拡散部材IIA, IIBによれば、上記の式(II)が成り立つので、凸シリンドリカルレンズ又は単位凸レンズそれぞれの光軸と平行な光が当該凸シリンドリカルレンズ又は単位凸レンズの屈折面に入射したときに、レンチキュラーレンズ又はハエの目レンズと光透過層との界面での全反射、及び光透過部とその外側の媒質との界面での全反射がそれぞれ抑えられる。これらの結果として、凸シリンドリカルレンズ又は単位凸レンズそれぞれの屈折面に上記平行な光が入射したときの内部反射が抑えられる。したがって、光拡散部材IIA, IIBによれば、映像の画質が更に良好な透過型スクリーンを得易くなる。
本発明の光拡散部材IA,IB〜IIA, IIBにおいては、前記一方の面側から前記凸シリンドリカルレンズ又は単位凸レンズの光軸近傍に入射した光の集光点が前記他方の面の外側にあり、前記一方の面側から前記凸シリンドリカルレンズの幅方向の端又は単位凸レンズの幅方向及び縦方向の端に入射した光の集光点が前記レンチキュラーレンズ又はハエの目レンズの他方の面にある(以下、この光拡散部材を「光拡散部材IIIA, IIIB」 ということがある。)ことが好ましい。
この光拡散部材IIIA, IIIBによれば、凸シリンドリカルレンズ又は単位凸レンズの光軸近傍に入射した光の集光点と凸シリンドリカルレンズの幅方向の端又は単位凸レンズの幅方向及び縦方向の端に入射した光の集光点とが上記の関係にあるので、視野角特性が良好で、画面正面での映像の画質が更に良好な透過型スクリーンを得易くなる。
本発明の光拡散部材IA,IB〜IIIA, IIIBにおいては、前記幅W の値が前記幅W の値よりも小さい(以下、この光拡散部材を「光拡散部材IVA, IVB」ということがある。)ことが好ましい。
この光拡散部材IVA, IVBによれば、上記の式(I)又は式(III)(IV)が成り立つ状態のまま、レンチキュラーレンズ又はハエの目レンズの他方の面の面積に占める各遮光部の平面視上の総面積の割合を高めることが容易になるので、映像の画質が更に良好な透過型スクリーンを得易くなる。
本発明の光拡散部材IA,IB〜VIA, VIBにおいては、前記光透過層に光拡散材が分散している(以下、この光拡散部材を「光拡散部材VA, VB」ということがある。)ことが好ましい。
この光拡散部材VA, VBによれば、上記の光透過層に光拡散材が分散しているので、水平方向の視野角特性のみならず垂直方向の視野角特性も良好で、かつ、映像の画質が良好な透過型スクリーンを得ることが容易になる。
上記本発明の光拡散部材においては、前記光透過層上に支持板を設けることができる。この発明によれば、剛性(自立性)のある支持体を設けたので、透過型スクリーン用の光拡散部材として好ましく用いることができる。
上記本発明の光拡散部材においては、前記光透過層上、又は、その光透過層上に前記支持板が設けられている場合にはその支持板上に、帯電防止層、反射防止層及び防眩層のうち少なくとも1つが設けられていることが好ましい。
帯電防止層を有する本発明の光拡散部材によれば、表面への塵埃の付着が抑制され、結果として、清掃の頻度を低くしても光学特性を良好な状態に保ち易くなる。その結果、映像の画質が良好で、視野角特性がよく、実用性が高い透過型スクリーンを得ることが容易になる。また、反射防止層が設けられている本発明の光拡散部材によれば、外光の反射を抑えることができ、結果として、光拡散部材による拡散光に反射光が重畳されることが抑えられるので、映像の画質が良好な透過型スクリーンを得ることが更に容易になる。
本発明の透過型スクリーンは、上述した本発明の光拡散部材と、フレネルレンズシートとを備えたことを特徴とする。この発明によれば、映像の画質が良好な透過型スクリーンとなるので、投射型ディスプレイの性能、特に背面投射型ディスプレイの性能を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の光拡散部材及び透過型スクリーンによれば、レンチキュラーレンズ側又はハエの目レンズ側から入射した光が光透過層とその外側の媒質との界面で全反射して迷光となるのを抑えることができるので、迷光の発生を抑制することができる。その結果、映像の画質(解像度とコントラスト)のよい透過型スクリーンを構成することができるので、投射型ディスプレイの性能、特に背面投射型ディスプレイの性能を向上させ易くなる。
先ず、本発明の光拡散部材について、図面を参照して説明する。
(第1形態)
図1は、本発明の光拡散部材の基本構造を概略的に示す断面図である。図示の光拡散部材30は、レンチキュラーレンズ10と、レンチキュラーレンズ10の他方の面10aに形成された遮光パターン20と、レンチキュラーレンズ10の他方の面10aに形成された1つの光透過層25とを有している。以下、この光拡散部材30を参照して、本発明の光拡散部材の基本構造及び特徴を説明する。
上記のレンチキュラーレンズ10は、一方の面に多数のシリンドリカルレンズ5が一定のピッチP で互いに平行に形成されているシート状物である。光拡散部材30を透過型スクリーンの材料として用いる場合には、液晶ライトバルブやデジタルミラーデバイスを用いたマトリックス映像源とのモアレを防止するという観点から、上記のピッチP を50〜500μm程度の範囲内で選定することが好ましく、50〜300μm程度の範囲内で選定することが更に好ましい。また、ピッチP は、マトリクス映像源のスクリーン上に投射された画素ピッチの1/4以下とすることが好ましい。レンチキュラーレンズ10の最大厚さは、ピッチP により異なるが、通常は、ピッチP の1.0〜1.5倍程度の範囲内で適宜選定可能である。
画面正面での映像の画質のよい透過型スクリーンを得るためには、個々の凸シリンドリカルレンズ5は、一方の面である屈折面の側から光軸OA近傍に入射した光の集光点が幅方向端部に入射した光の集光点よりも遠い非球面レンズであることが好ましく、特に、光軸OA近傍に入射した上記光の集光点がレンチキュラーレンズ10の外側にあり、幅方向の端に入射した上記光の集光点がレンチキュラーレンズ10の他方の面10aと一致する非球面レンズであることが好ましい。
このようなレンチキュラーレンズ10は、例えば、屈折率が1.45〜1.6程度の透明樹脂を、押出成形や、紫外線の照射を伴う型成形等の方法によって所望形状に成形することによって得られる。実用性の高い光拡散部材を得るには、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、セルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂等の透明樹脂や、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系等の紫外線硬化型樹脂によってレンチキュラーレンズ10を形成することが好ましい。
遮光パターン20は、多数の遮光部15が一定のピッチP で互いに平行なストライプ状に配置されたものであり、個々の凸シリンドリカルレンズ5の光軸OAの周囲に当該OAを対称軸とする帯状の光透過部を画定している。遮光パターン20での遮光部15のピッチP とレンチキュラーレンズ10での凸シリンドリカルレンズ5のピッチP とは、互いに同じ値である。
個々の遮光部15での厚さHはその全体に亘って実質的に一定であり、遮光部15同士での厚さHのバラツキも無視できるものである。この厚さHは、1〜80μm程度の範囲内で適宜選定可能である。また、各遮光部15の幅は、レンチキュラーレンズ10側の面からレンチキュラーレンズ10とは反対側の面にかけて実質的に一定である。したがって、個々の遮光部15におけるレンチキュラーレンズ10側の面での幅をW 、レンチキュラーレンズ10とは反対側の面での幅をW とすると、W =W という関係式が成り立つ。
これらの遮光部15は、凸シリンドリカルレンズ5それぞれの光軸OAと平行な光が前記の一方の面からレンチキュラーレンズ10内に入射したときの光路外に配置されている。光拡散部材30を用いて映像のコントラストが高い透過型スクリーンを得るには、少なくとも透過型スクリーンでの表示領域に対応する領域での他方の面10aの面積に占める各遮光部15の平面視上の総面積の割合を40〜90%程度の範囲内で適宜選定することが好ましく、60〜85%程度の範囲内で適宜選定することが更に好ましい。上記の割合が60%未満では映像のコントラストが低くなり易く、90%を超えると、投射型ディスプレイに組み立てたときに、映像光の一部が遮光部15によって遮られ易くなり、結果として、映像に斑が生じ易くなる。
このような遮光部15は、例えば、黒色インキ、黒色トナー、黒色転写紙等を用いて、インクジェット法、静電印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルク印刷法等の通常の印刷法や、ワイピング法、転写法等の方法により形成することができる。また、レンチキュラーレンズ10の他方の面10a全体に黒色層を形成し、赤外光を照射して不要箇所の黒色層を選択的に加熱、飛散させることによっても、所望の位置に遮光部15を形成することができる。遮光部15の形成に先立って、例えば光触媒反応を利用して他方の面10aの濡れ性を選択的に変化させて、遮光部15の原材料の濡れ性が高い領域を遮光パターン20に対応した形状及び大きさで形成しておくと、各遮光部15を所望の位置に形成し易くなる。
光透過層25の機能としては、例えば、(1)レンチキュラーレンズ10からの出射光を各凸シリンドリカルレンズ5の配列方向以外の方向にも拡散させるための光拡散機能、(2)前記と同じ光拡散機能を有する光拡散フィルムもしくは光拡散シートをレンチキュラーレンズ10に接合するための透明接合剤層としての機能、(3)レンチキュラーレンズ10を支持するための、剛性(自立性)を有する支持板をレンチキュラーレンズ10に接合するための透明接合剤層としての機能、又は、(4)凸シリンドリカルレンズ5と平面視上直交又は斜行するシリンドリカルレンズを多数有するレンチキュラーレンズをレンチキュラーレンズ10に接合するための透明接合剤層としての機能、を有していてもよい。本形態では、光透過層25が透明接合剤層であるものとして、以下の説明を行う。
上記の透明接合剤層は、例えば、所定波長域の光を照射することによって硬化して透明樹脂となる光硬化性樹脂組成物や、電子線を照射することによって硬化して透明樹脂となる電子線硬化性樹脂組成物、あるいは、二液型の透明接着剤や、透明粘着剤等を原材料として用いて形成することができる。透明接合剤層である光透過層25の膜厚及びその原材料の種類は、当該光透過層25での可視光の全光線透過率が70%程度以上となるように適宜選定することが好ましい。また、光拡散部材30を用いた透過型スクリーンでの映像のコントラストを高めるために、可視光の全光線透過率が30%以上となるように上記の原材料に黒色染料を添加したものを用いて光透過層25を形成してもよい。
光拡散部材30での光透過層25は、レンチキュラーレンズ10の他方の面10a及び各遮光部15の外表面を覆う1つの層であるが、隣り合う遮光部15、15同士の間に1つずつ、当該隣り合う遮光部15、15同士の間を埋めるようにして光透過層を形成してもよい。
本発明の光拡散部材は、既に説明したように、遮光部の厚さHとし、遮光部におけるレンチキュラーレンズ側の面での幅をW とし、遮光部におけるレンチキュラーレンズとは反対側の面での幅をW とし、光透過層の屈折率をn としたときに、下式(I)が成り立つことを特徴とするものである。
Figure 2006309150
したがって、図1に示した光拡散部材30においても上記の式(I)が成り立つ。この式(I)を成り立たせることによって、レンチキュラーレンズ10側から入射した光が光透過層25とその外側の媒質との界面で全反射するのを抑えることが容易になり、結果として、光拡散部材30を用いた透過型スクリーンでの迷光の発生も抑えることが容易になる。以下、上記の式(I)が成り立つときに光透過層25とその外側の媒質との界面での全反射が抑えられる理由を、図2を参照して詳述する。
図2は、図1に示した光拡散部材30での光路、特に凸シリンドリカルレンズ5の光軸OAと平行な光が凸シリンドリカルレンズ5の屈折面側から入射したときの光路を概略的に示す断面図である。ただし、図2においては、光路を判り易くするためにハッチングを省略している。
同図に示すように、個々の凸シリンドリカルレンズ5は、屈折面側から光軸OAと平行に当該光軸OAの近傍に入射した光L 、L の集光点F がレンチキュラーレンズ10の外側にあり、屈折面側から光軸OAと平行に凸シリンドリカルレンズ5の幅方向の端に入射した光L 、L の集光点F がレンチキュラーレンズ10の他方の面10a上にある非球面レンズである。光透過層25とその外側の媒質(図示の例では空気)との界面での全反射を抑えるには、光L 、L の光路を考慮することが特に重要である。
これらの光L 、L は、凸シリンドリカルレンズ5とその外側の媒質との界面B で屈折して集光点F に一旦集光した後、レンチキュラーレンズ10と光透過層25との界面B で再び屈折し、その後、光透過層25とその外側の媒質との界面B で全反射が起きなければ、界面B で更に屈折して光拡散部材30から出射する。光L の光路と光L の光路とは、光軸OAに関して線対称であるので、以下の説明は光L の光路を参照して行う。なお、図2中の参照符号「NL 」は界面B への光L の入射地点での法線を示し、参照符号「NL 」は界面B への光L の入射地点での法線を示している。界面B への光L の入射地点での法線は光軸OAに重なるので、図示を省略する。
光拡散部材30から光L が出射するためには、界面B への光L の入射角θが臨界角未満であることが必要である。入射角θが臨界角であるときには、界面B での光L の屈折角ξと入射角(臨界角)θとの間に下式(i)が成り立つ。なお、式(i)の右辺の「1」は、光透過層25の外側の媒質である空気の屈折率を示す。
Figure 2006309150
この式(i)から明らかなように、界面B へ光L が入射するときの臨界角θは、下式(ii)によって表される。
Figure 2006309150
光L が光拡散部材30から出射するためには、界面B への入射角θが上記の式(ii)で表される角度未満となることが必要である。また、界面B で屈折した光L が遮光部15によって遮られないことが必要である。
界面B と界面B とが互いに平行であれば、界面B へ光L が入射角θで入射するときには界面B での光L の屈折角もθとなる。界面B で屈折した光L が遮光部15によって遮られることなく界面B に達することができる遮光部15の厚さHは、隣り合う凸シリンドリカルレンズ5同士のピッチP と、各遮光部15でのレンチキュラーレンズ10とは反対側の面での幅W と、界面B での光L の屈折角θとを用いて、下式(iii)によって表すことができる。
Figure 2006309150
この式(iii) に上記の式(ii)を代入し、更に遮光部15の厚さHが正数であることを考慮して変形すると、前記の式(I)が得られる。
以上の説明から明らかなように、光拡散部材30において前記の式(I)が成り立つとき、レンチキュラーレンズ10と光透過層25との界面B で屈折した光L 、L は、遮光部15によって遮られることなく光透過層25とその外側の媒質との界面B に入射し、この界面B でも全反射せずに屈折して光拡散部材30から出射することになる。光L 、L が界面B 、B で全反射せずに屈折するとき、これらの光L 、L よりも光軸OAに近い箇所で凸シリンドリカルレンズ5の屈折面に入射した光L 、L 、すなわち、凸シリンドリカルレンズ5の屈折面への入射角が当該屈折面への光L 、L の入射角よりも小さな光L 、L もまた、界面B 、B で全反射せずに屈折する。
したがって、光拡散部材30において前記の式(I)が成り立つときには、光軸OAと平行に凸シリンドリカルレンズ5の屈折面に入射した光が界面B 又は界面B で全反射してしまうことが抑えられる。また、光軸OAと平行に凸シリンドリカルレンズ5の屈折面に入射した光のうちで界面B で全反射しない実質的に全ての光が界面B に達するように、遮光部15の厚さHが選定されたことになる。
これらの結果として、光拡散部材30を用いた透過型スクリーンでは迷光の発生が抑えられる。したがって、光拡散部材30によれば、映像の画質(解像度やコントラスト)が良好な透過型スクリーンを得ることが容易になる。
光拡散部材30を用いた透過型スクリーンは、当該光拡散部材30と、背面投射型ディスプレイでの投射光学系内における光拡散部材30よりも映像光源側に配置されたフレネルレンズとによって構成されたものであることが好ましい。フレネルレンズと光拡散部材30とは一体化されていてもよいし、別体のまま用いてもよい。光拡散部材30は、各凸シリンドリカルレンズ5の長手方向が垂直方向(画面の上下方向を意味する。以下同じ。)となり、かつ、遮光パターン20よりも各凸シリンドリカルレンズ5の屈折面の方が上記の映像光源側となる向きで配置される。
なお、光拡散部材30において光L が界面B で全反射せずに屈折するためには、界面B への光L の入射角φが臨界角未満であることが必要である。式(iii) についての説明の中で述べたように、界面B と界面B とが互いに平行であれば、光L が界面B へ入射角θで入射するときの界面B での光L の屈折角はθとなる。界面B での光L の入射角φと屈折角θとの間には、下式(iv)が成り立つ。
Figure 2006309150
また、界面B への光L の入射角θが臨界角であるときには、式(i)に示したように、sinθ=1/n という関係が成り立つ。この関係を上記の式(iv)に代入すると、下式(v)が得られる。
Figure 2006309150
sinφ+cosφ=1であるので、上記の式(v) から下式(vi)及び下式(vii)が得られる。
Figure 2006309150
Figure 2006309150
ところで、光L は光軸OAと平行な方向から界面B に入射するので、界面B での光L の屈折角εの値は、界面B での光L の入射角αと界面B での光L の入射角φとを用いて、下式(viii)によって表すことができる。
Figure 2006309150
界面B での光L の入射角(臨界角)αと屈折角εとの間には、下式(ix)が成り立つので、sinα=n・sinεである。
Figure 2006309150
この式に上記の式(v)、式(vii)、及び式(viii)を代入すると、下式(x)が得られる。
Figure 2006309150
tanα=sinα/cosαであるので、上記の式(x)の両辺をcosαで除すと、下式(xi)が得られる。
Figure 2006309150
この式(xi)を変形すると、cotα=(n −1)1/2−1が得られ、更に下式(xii)が得られる。
Figure 2006309150
したがって、前述した界面B への光L の入射角αが下式(II)を満たすように各凸シリンドリカルレンズ5の屈折面の形状を選定することにより、具体的には各凸シリンドリカルレンズ5の幅方向の端での接平面の傾斜角を選定することにより、界面B 、B それぞれでの光L の全反射を抑えることが可能になる。光L についても、全く同じことがいえる。
Figure 2006309150
(第2形態)
本発明の光拡散部材では、遮光部におけるレンチキュラーレンズとは反対側の面での幅W の値を、この遮光部におけるレンチキュラーレンズ側の面での幅W の値よりも小さくすることができる。
図3は、上記の幅W が上記の幅W よりも小さい光拡散部材の一例を概略的に示す断面図である。同図に示す光拡散部材40は、遮光パターンを構成している各遮光部での幅W の値が幅W の値よりも小さいという点を除き、図1に示した光拡散部材30と同じ構造を有している。図3に示した構成部材のうちで図1に示した構成部材と共通するものについては、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。遮光パターンについては新たな参照符号「20A」を付し、各遮光部には新たな参照符号「15A」を付してある。
この光拡散部材40では、各遮光部15Aでの幅W の値が幅W の値よりも小さいので、遮光部15Aの厚さを図1に示した光拡散部材30での遮光部15の厚さと同じ値にしたときには、個々の遮光部15Aの幅W を広くしても前述の式(I)を成り立たせることができる。
すなわち、光拡散部材40によれば、前述の式(I)が成り立つ状態のまま、レンチキュラーレンズ10の他方の面10aの面積に占める各遮光部15Aの平面視上の総面積の割合を高めることが容易になるので、図1に示した光拡散部材30を用いた場合に比べて映像のコントラストが更に良好な透過型スクリーンを得易くなる。
(第3形態)
本発明の光拡散部材では、光透過層に光拡散材を分散させることができる。図4は、光透過層に光拡散材が分散されている光拡散部材の一例を概略的に示す断面図である。同図に示す光拡散部材50は、光透過層に光拡散材が分散されているという点を除き、図1に示した光拡散部材30と同じ構造を有している。図4に示した構成部材のうちで図1に示した構成部材と共通するものについては、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。光拡散材が分散している上記の光透過層については、以下、「光拡散層」と称し、図4においては参照符号「25A」を付してある。
上記の光拡散層25Aは、例えば、マトリックス材料としての透明樹脂22に樹脂ビーズやガラスビーズ等の光拡散材24が多数分散したものである。この光拡散層25Aは、例えば、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂組成物、電子線硬化性樹脂組成物等をマトリックスの原材料として用い、この原材料に光拡散材24を分散させた状態で押出し成形や塗布等の方法により未硬化の層を形成し、その後、当該未硬化の層を冷却、光の照射、電子線の照射等の方法によって硬化させることにより、形成することができる。光拡散層25Aにおける光拡散材24の含有量は、光拡散層25Aに求められる光拡散の程度や、光拡散材24の種類及び大きさ等に応じて、0.01〜10質量%程度の範囲内で適宜選定可能である。
光拡散部材50を用いて透過型スクリーンを構成しようとする場合、光拡散層25Aによる光拡散の程度は、拡散半値角をα25、拡散1/3値角をβ25、拡散1/10値角をγ25で表したときに、α25>3、β25>4、γ25>6であることが好ましく、α25>5、β25>6、γ25>9であることが更に好ましい。
また、光拡散部材50を用いて透過型スクリーンを構成しようとする場合には、シンチレーション(ぎらつき)やモアレ等を防止するという観点から、当該光拡散部材50と光拡散機能を有するフレネルレンズとを併用して透過型スクリーンを構成することが好ましい。そして、光拡散機能を有するフレネルレンズで生じた拡散光が遮光部15によって遮られるのをできるだけ抑制するには、上記のフレネルレンズでの拡散半値角をαFL、拡散1/3値角をβFL、拡散1/10値角をγFLとすると、βFL/αFL、γFL/αFL、及びγFL/βFLそれぞれの値を小さくし、かつ、光拡散層25Aでの光の拡散の程度をフレネルレンズでの光の拡散の程度よりも大きくすることが好ましい。光拡散層25A及びフレネルレンズそれぞれでの光の拡散の程度は、α25/αFL>2、β25/βFL>3、γ25/γFL>4 とすることが好ましい。また、上記のフレネルレンズの垂直方向での光の拡散の度合いを、当該フレネルレンズの水平方向での光の拡散の度合いよりも大きくすれば、更に好ましい。
光拡散部材50を用いて透過型スクリーンを構成した場合には、フレネルレンズが光拡散機能を有しているか否かに拘わらず、各凸シリンドリカルレンズ5の配列方向以外の方向にも映像光が拡散されるので、水平方向の視野角特性に加えて垂直方向の視野角特性も良好な透過型スクリーンが得られる。
なお、光拡散層25A内では光の散乱が生じるので、たとえ前述の式(I)が成り立つときでも、光拡散層25Aとその外側の媒質との界面での全反射を抑止することはできない。しかしながら、前述の式(I)が成り立たない光拡散部材(光拡散機能を有する光透過層が設けられたもの)に比べれば、上記の界面での全反射が抑えられる。光透過層が光拡散層25Aであるときの本発明でいう「光透過層の屈折率n 」とは、光拡散材が分散されるマトリックス材料である透明樹脂の屈折率を意味する。
(第4形態)
本発明の光拡散部材は、光透過層として透明接合剤層が設けられ、この透明接合剤層によって支持板、光拡散フィルム、光拡散シート、光拡散板等がレンチキュラーレンズの他方の面及び遮光パターンに接合された構造とすることができる。
図5は、上記の構造を有する光拡散部材の一例を概略的に示す断面図である。同図に示す光拡散部材60は、光透過層として透明接合剤層25Bが設けられ、この透明接合剤層25Bによって透明な支持板55がレンチキュラーレンズ10の他方の面10a及び遮光パターン20に接合されているという点を除き、図1に示した光拡散部材30と同じ構造を有している。図5に示した構成部材のうちで図1に示した構成部材と共通するものについては、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
光透過層として透明接合剤層を設ける場合の膜厚及び原材料については、本発明の光拡散部材の第1形態についての説明の中で既に述べたので、図5に示す透明接合剤層25Bの膜厚及び原材料についての説明は省略する。
上記の支持板55は、レンチキュラーレンズ10を支持するための剛性(自立性)を有するものであり、この支持板55としては、例えば透明樹脂や透明ガラスからなるシート状物又は板状物を用いることができる。支持板55の厚さは、その材料や光拡散部材60の用途等に応じて適宜選定可能である。
光拡散部材60は、支持板55を有しているので、支持板55がない場合に比べて、その取り扱いが容易になる。したがって、光拡散部材60を用いて透過型スクリーンを作製する場合には、支持板を備えていない光拡散部材を用いた場合に比べて、生産性(ハンドリング性)や歩留りを高め易くなる。
なお、光拡散部材60においては、レンチキュラーレンズ10から透明接合剤層25Bを経て支持板55に伝播した光が支持板55とその外側の媒質(空気)との界面(以下、この界面を「B 」という。)で全反射してしまうのを抑えることが望まれる。透明接合剤層25Bと支持板55との界面は、第1形態の光拡散部材30での界面B (図2参照)に相当するので、以下においても「界面B 」というものとすると、この界面B が上記の界面B と互いに平行であれば、界面B での光の屈折角ξ(図2参照)が界面B での光の入射角となる。なお、ここでいう「光」は、図2に示した光L 、L に相当する光を意味する。この光を、以下、「光L」という。
支持板55の屈折率をn とし、界面B での光Lの屈折角をρとすると、界面B での光Lの入射角ξが臨界角であるときには、入射角ξと屈折角ρとの間に下式(xiii)が成り立つ。
Figure 2006309150
また、界面B への光Lの入射角θが臨界角(ただし、n <n (n 透明接合剤層25Bの屈折率を表す。)であるものとする。)であるときには、界面B での光Lの屈折角ξと入射角(臨界角)θとの間に、前述した式(i)が成り立つ。すなわち、sinθ/sinξ=n/n である。この式で表されるsinξを式(xiii) に代入すると、sinθ=1/n となり前記の式(i)と同じになる。n ≧nのとき、光Lは界面B で全反射しない。
したがって、光拡散部材60においても前述の式(I)が成り立てば、レンチキュラーレンズ10と透明接合剤層25Bとの界面、及び上記の界面B 、B それぞれでの光Lの全反射が抑えられることになる。また、界面B で全反射しない実質的に全ての光が界面B に達するように、遮光部15の厚さが選定されたことになる。
これらの結果として、光拡散部材60を用いた透過型スクリーンでは迷光の発生が抑えられる。したがって、光拡散部材60によっても、映像の画質が良好な透過型スクリーンを得ることが容易になる。
(第5形態)
本発明の光拡散部材は、光透過層として透明接合剤層が設けられ、この透明接合剤層によって支持板、光拡散フィルム、光拡散シート、光拡散板等がレンチキュラーレンズ及び遮光パターンに接合され、その外側に更に帯電防止層、反射防止層、防眩層等の所望の機能を有する層(以下、この層を「機能層」という。)のうち少なくとも1つが設けられた構造とすることができる。
図6は、上記の構造を有する光拡散部材の一例を概略的に示す断面図である。同図に示す光拡散部材80は、光透過層として透明接合剤層25Bが設けられ、この透明接合剤層25Bによって光拡散シート65がレンチキュラーレンズ10の他方の面10a及び遮光パターン20に接合され、この光拡散シート65の外表面に機能層70が設けられているという点を除き、図5に示した光拡散部材60と同じ構造を有している。図6に示した構成部材のうちで図5に示した構成部材と共通するものについては、図5で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上記の光拡散シート65は、マトリックス材料としての透明樹脂62に樹脂ビーズやガラスビーズ等の光拡散材64が多数分散したものであり、例えば、熱可塑性樹脂をマトリックス材料として用いて押出し成形法により形成することができる。光拡散シート65での光拡散材64の含有量は、図4に示した光拡散層25Aでの光拡散材24の含有量と同じ基準の下に選定することができる。光拡散シート65に代えて光拡散フィルム又は光拡散板を用いる場合についても同様である。
機能層70は、光拡散シート65上に直接形成されたものであってもよいし、透明接合剤を用いて光拡散シート65上に貼付されたものであってもよい。機能層70としてどのような機能を有する層を設けるかは、光拡散部材80の用途やグレード等に応じて適宜選択される。また、機能の異なる又は一部共通する2以上の機能層を適宜選択して設けてもよい。
機能層70として帯電防止層を設けることにより、光拡散部材80の表面(機能層70の表面)への塵埃の付着を抑制することができ、結果として、この光拡散部材80を用いて構成された透過型スクリーンでは清掃の頻度を低くしても光学特性を良好な状態に保ち易くなる。また、機能層70として反射防止層を設けることにより、光拡散部材80の表面(機能層70の表面)での外光の反射を抑えることができ、結果として、光拡散部材80による拡散光に反射光が重畳されることが抑えられる。そして、機能層70として防眩層を設けることにより、光拡散部材80の表面(機能層70の表面)を視認したときのギラツキ感を抑えることができ、結果として、この光拡散部材80を用いて構成された透過型スクリーンでのギラツキ感も抑えることができる。
(第6形態)
本発明の光拡散部材におけるレンチキュラーレンズは、必要に応じて、積層構造にすることができる。
図7は、積層構造のレンチキュラーレンズを備えた光拡散部材の一例を概略的に示す断面図である。同図に示す光拡散部材90は、2層構造のレンチキュラーレンズ10Aを有しているという点を除き、図1に示した光拡散部材30と同じ構造を有している。図7に示した構成部材のうちで図1に示した構成部材と共通するものについては、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上記のレンチキュラーレンズ10Aは、ベースフィルム10Fにおける厚さ方向の一方の面にレンチキュラーレンズ部10Lが形成され、ベースフィルム10Fにおける厚さ方向の他方の面が他方の面10aとなっているものである。ベースフィルム10Fの利用は、レンチキュラーレンズ部10Lの材料からでは得ることが困難な特性や機能、例えば耐熱変形性、耐吸水変形性等をレンチキュラーレンズ10Aに付与するという観点から、好適である。このようなベースフィルム10Fとしては、ポリエステル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリスチレン等の所望の透明樹脂からなる厚さ25〜250μm程度のフィルムを用いることができる。
ベースフィルム10Fの屈折率は、レンチキュラーレンズ部10Lの屈折率と異なっていてもよいし、同じであってもよい。ベースフィルム10Fとレンチキュラーレンズ部10Lとの界面での光の全反射を抑制するという観点からは、両者の屈折率差はできるだけ小さい方が好ましい。レンチキュラーレンズ部10Lは、図1に示したレンチキュラーレンズ10と同様に、押出し成形や、紫外線の照射を伴う型成形等の方法によって形成することができる。
上記の構造を有する光拡散部材90では、ベースフィルム10Fの材料及び厚さを適宜選定することにより、光学特性以外の特性を当該光拡散部材90の用途やグレード等に応じて種々変更することが可能であるので、所望の特性を有するものを得易い。
(第7形態)
本発明の光拡散部材におけるレンチキュラーレンズの他方の面の形状は平面に限定されるものではなく、遮光部を形成しようとする箇所が台状に突出した形状であってもよい。
図8は、レンチキュラーレンズの他方の面が上記の形状を有する光拡散部材の一例を概略的に示す断面図である。同図に示す光拡散部材100は、他方の面10aに多数の台状部10bを有するレンチキュラーレンズ10Bを備え、個々の台状部10bでの上面及び側面に当該台状部10bを覆うようにして遮光部15Bが形成されているという点を除き、図1に示した光拡散部材30と同じ構造を有している。図8に示した構成部材のうちで図1に示した構成部材と共通するものについては、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上記のレンチキュラーレンズ10Bは、例えば、凸シリンドリカルレンズ5を形成するための金型ロールと台状部10bを形成するための金型ロールとを各々の成形面が互いに対向するに配置し、溶融透明樹脂の押出成形や、フィルム状又はシート状に成形した透明樹脂を当該透明樹脂が硬化する前にこれらのロールによって所定形状に成形することにより、得ることができる。また、遮光部15Bは、例えば印刷法によって形成される。印刷条件を適宜選定することにより、所望形状の遮光部15Bを一工程で形成することが可能である。
上記の構造を有する光拡散部材100では、台状部10b上に遮光部15Bが形成されるので、個々の遮光部15Bの厚さHを所望の値に制御することが容易である。
以上、7つの形態を挙げて本発明の光拡散部材を説明したが、本発明の光拡散部材の形態はこれらの形態に限定されるものではない。前述した式(I)が成り立つものであれば、上述した第1〜7形態の他にも種々の変形、修飾、組み合わせ等を施した形態とすることができる。
(第8形態)
本発明は、いわゆるハエの目レンズを有するマイクロレンズアレイシートに対しても、上記レンチキュラーレンズシートの場合と同様に適用できる。図9は、本発明の光拡散部材のさらに他の形態を示す、一部切り欠いた状態を示す模式的な斜視図である。この形態の光拡散部材101は、上記第1形態〜第7形態の光拡散部材を構成する「多数の凸シリンドリカルレンズ5」の代わりに「多数の単位凸レンズ102」で構成され、さらに「ストライプ状に配置された多数の遮光部15からなる遮光パターン20」の代わりに「格子状に配置された遮光部105からなる遮光パターン104」で構成されているものである。
すなわち、第1形態〜第7形態の光拡散部材が、光を主に水平方向に拡散させる多数の凸シリンドリカルレンズを有するレンチキュラーレンズシートであるのに対し、この第8形態の光拡散部材101は、光を水平方向X及び鉛直方向Yに拡散させる多数の単位凸レンズ102を有するマイクロレンズアレイシートである点で相違するが、それ以外の構成及び具体的な数値についても、上記第1形態〜第7形態の光拡散部材の場合と同様のものとすることができる。そして、この単位凸レンズ102は、鉛直方向Yにおける光の拡散と水平方向Xにおける光の拡散とを同じ挙動とすることができるので、第1形態〜第7形態での水平方向Xでの光の拡散挙動をそのまま鉛直方向Yの光の拡散挙動に置き換えて考えることができる。したがって、第8形態の光拡散部材101の作用及び効果は、上記第1形態〜第7形態の場合と同様であり、以下においては、重複する記述は省略する。
第8形態の光拡散部材101は、図9に示すように、一方の面に多数の単位凸レンズ102が縦横にそれぞれ一定の縦ピッチPV及び横ピッチPHで形成されているシート状のハエの目レンズ103と、該ハエの目レンズ103の他方の面10aに格子状に配置された多数の遮光部105からなる遮光パターン104と、隣り合う遮光部105の間の凹部を埋めるようにして前記ハエの目レンズ103の他方の面10aに形成された少なくとも1つの光透過層106とを有している。そして、第1形態〜第7形態の場合と同様、遮光部105は、単位凸レンズ102の光軸OAと平行な光が前記一方の面側から前記ハエの目レンズ103内に入射したときの光路外に配置されている。さらに、遮光部105の厚さをHとし、遮光部105におけるハエの目レンズ103側の面での縦幅をW1V、横幅をW1H とし、遮光部105におけるハエの目レンズ103とは反対側の面での縦幅をW2V、横幅をW2H とし、光透過層106の屈折率をn としたときに、下式(III)、(IV)が成り立つ。
Figure 2006309150
Figure 2006309150
なお、本発明に係る光拡散部材で透過型スクリーンを構成し、その透過型スクリーンを背面投射型ディスプレイに装着したとき、図9に示すように、「縦ピッチPV」とは、鉛直方向Yのピッチのことであり、「横ピッチPH」とは水平方向Xのピッチのことである。
図10は、図9に示す形態の光拡散部材が有する遮光部の各幅W1V、W1H、W2V、W2Hの説明図である。図10に示すように、「縦幅W1V」とは、遮光部105におけるハエの目レンズ103側の面での鉛直方向Yの幅のことであり、「横幅W1H」とは、遮光部105におけるハエの目レンズ103側の面での水平方向Xの幅のことであり、「縦幅をW2V」とは、遮光部105におけるハエの目レンズ103とは反対側の面での鉛直方向Yの幅のことであり、「横幅W2H」とは、遮光部105におけるハエの目レンズ103とは反対側の面での鉛直方向Yの幅のことである。
ここで、「屈折率」とは、測定光の波長が588nmであるときの屈折率を意味し、また、「遮光部の厚さ」とは、単位凸レンズ102の屈折面に入射して単位凸レンズ102によって集光される光の出射面を基準とした遮光部105の高さ(厚さ)を意味する。また、単位凸レンズ102ピッチP、P、厚さH及び遮光部105の各幅W1V、W1H、W2V、W2Hそれぞれの単位は、互いに同じであれば問わない。また、式(III)(IV)は、式(I)が導かれたのと同様に、既述の式(i)から(iii)に準じて導かれる。
この光拡散部材101によれば、上記の式(III)、(IV)が成り立つように構成したので、光透過層106内で光の散乱が起こらない限り、単位凸レンズ102側から光透過層106に入射した光が光透過層106とその外側の媒質との界面で全反射することが抑止される。さらに、上記の式(III)、(IV)が成り立つときには、光透過層106内で光の散乱が起こらない限り、単位凸レンズ102側から光透過層106に入射した光のうちで前記界面で全反射しない実質的に全ての光が当該界面に達するように、遮光部105の厚さHが選定されたことになる。光拡散材を含む光透過層106を設けた場合には、上記の界面での全反射を抑止することができないが、上記の式(III)、(IV)が成り立たないものに比べれば、上記の界面での全反射が抑えられる。これらの結果として、光拡散部材101を用いた透過型スクリーンでは、単位凸レンズ102側から入射した光が光透過層106とその外側の媒質との界面で全反射して迷光となるのを抑えることが容易になる。したがって、この光拡散部材101によれば、迷光の発生が抑制されるので、そうして発生した迷光が不特定箇所から観察者側に出光することを防ぐことができ、映像の画質(解像度とコントラスト。以下同じ。)のよい透過型スクリーンを得易くなる。
また、単位凸レンズ102の屈折率をnとし、単位凸レンズ102の幅方向及び垂直方向の端での接平面の傾斜角をαとしたときに、下式(II)が成り立つことが好ましい。
Figure 2006309150
上記の式(II)が成り立つとき、単位凸レンズ102それぞれの光軸OAと平行な光が当該単位凸レンズ102の屈折面に入射したときに、ハエの目レンズ103と光透過層106との界面での全反射、及び光透過層106とその外側の媒質との界面での全反射がそれぞれ抑えられる。これらの結果として、単位凸レンズ102それぞれの屈折面に上記平行な光が入射したときの内部反射が抑えられ、映像の画質が更に良好な透過型スクリーンを得易くなる。
なお、図9に示す光拡散部材101は、厚さ方向の他方の面10aが平面に成形されているハエの目レンズ103と、このハエの目レンズ103における他方の面10a上に設けられて少なくとも境界領域10を形成する光透過層106とを有する2層構造からなる例である。また、図5に示す光拡散部材60のように、ハエの目レンズと光透過層とからなるマイクロレンズアレイシートと、支持板とからなる構造とすることもできるし、図6に示す光拡散部材80のように、ハエの目レンズと光透過層とからなるマイクロレンズアレイシートと、機能層を有する光拡散シートとからなる構造とすることもできる。マイクロレンズアレイシートを2層又は3層の積層構造とする場合には、厚さ方向に隣り合う層同士の物理的界面が光学界面になるのを抑制することが好ましく、そのためには、上記同様、これらの層の屈折率差を0.05程度以下にすることが好ましい。
こうした構造を有する光拡散部材により、映像のコントラストが良好で、かつ、視野角特性が高い透過型スクリーンを得易くなる。この理由は、図2を参照して説明した上記第1形態の場合と同様である。
また、第2形態の光拡散部材40における遮光部15Aの幅WとWの関係についても、この第8形態の光拡散部材101に適用できる。すなわち、格子状に配置された遮光部105の水平方向Xの幅W1V、W2V及び鉛直方向Yの幅W1H、W2Hについても、その関係と同様とすることができる。また、第3形態の光拡散部材50における光拡散層25Aについても、この第8形態の光拡散部材101に適用できる。また、第4形態の光拡散部材60に接合された支持板55についても、この第8形態の光拡散部材101に適用できる。また、第6形態及び第7形態の光拡散部材の構成についても、この第8形態の光拡散部材101に適用できる。
(透過型スクリーン)
本発明の透過型スクリーンは、前述した本発明の光拡散部材と、この光拡散部材における凸シリンドリカルレンズ又は単位凸レンズの屈折面の外側に配置されたフレネルレンズシートとを有するものである。
図11は、本発明の透過型スクリーンの一例を概略的に示す斜視図である。図示の透過型スクリーン110は、図1に示した光拡散部材30と、この光拡散部材30における凸シリンドリカルレンズ5の屈折面の外側に配置されたフレネルレンズシート120とを有している。光拡散部材30については既に説明したので、ここではその説明を省略する。図11に示した構成部材のうちで図1を参照して既に説明したものについては、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上記のフレネルレンズシート121は、厚さ方向の一方の面にプリズム95が多数、上記の面の外側にある仮想点(フレネル中心)Oを中心とする同心の円弧状に形成され、厚さ方向の他方の面が平面に成形されたものである。上記の仮想点Oは、フレネルレンズシート121を正面視したときに、当該フレネルレンズシート121の上下軸Ax(図示の状態でのフレネルレンズシート121の高さ方向に延びている軸線を意味する。)の延長線上に位置しており、フレネルレンズシート121は、上下軸Axに関して左右対称である。
フレネルレンズシート121において隣り合うプリズム95同士のピッチ(頂部同士の間隔を意味する。)は、一定である。このピッチは、フレネルレンズシート121を用いて透過型スクリーンを構成したときに各プリズム95が視認されないように、1.0mm程度以下とすることが好ましく、0.1mm程度以下とすることが更に好ましい。個々のプリズム95の形状は、光拡散部材30側からみて上記一方の面の後方斜め下から発散光の状態で入射した可視光をフレネルレンズシート121の厚さ方向と平行又は略平行な光に変換することができるように選定されている。
図12は、本発明の透過型スクリーンの他の一例を概略的に示す斜視図である。図示の透過型スクリーン111は、図5に示した光拡散部材60と、この光拡散部材60における凸シリンドリカルレンズ5の屈折面の外側に配置されたフレネルレンズシート122とを有している。光拡散部材60については既に説明したので、ここではその説明を省略する。図12に示した構成部材のうちで図5を参照して既に説明したものについては、図5で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上記のフレネルレンズシート122は、厚さ方向の一方の面にプリズム95が多数形成され、当該フレネルレンズシート面内にフレネル中心を有するサーキュラーフレネルレンズであり、厚さ方向の他方の面が平面に成形されたものである。図12においては、プリズム95を有する面が、光拡散部材60の側に設けられている。フレネルレンズシート122において隣り合うプリズム95同士のピッチ(頂部同士の間隔を意味する。)は、一定であり、このピッチは、フレネルレンズシート122を用いて透過型スクリーンを構成したときに各プリズム95が視認されないように、1.0mm程度以下とすることが好ましく、0.1mm程度以下とすることが更に好ましい。個々のプリズム95の形状は、光拡散部材60側からみて上記一方の面の法線方向から発散光の状態で入射した可視光をフレネルレンズシート122の厚さ方向と平行又は略平行な光に変換することができるように選定されている。
図13は、本発明の透過型スクリーンのさらに他の一例を概略的に示す斜視図である。図示の透過型スクリーン112は、図9に示した光拡散部材101と、この光拡散部材101における単位凸レンズ102の屈折面の外側に配置されたフレネルレンズシート121とを有している。光拡散部材101については第8形態のところで既に説明したので、ここではその説明を省略する。図13に示した構成部材のうちで図9を参照して既に説明したものについては、図9で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。また、フレネルレンズシート101についても、図12で説明したものと同じ、フレネル中心をシート面内に有するサーキュラーフレネルレンズシート122であるので、その説明を省略する。
以上のように、本発明の光拡散部材は、フレネル中心をシート面内に有するサーキュラーフレネルレンズシート、又はシート面内に有さないサーキュラーフレネルレンズシートと組み合わせて構成することができる。
(背面投射型ディスプレイ)
図14は、本発明の光拡散部材を構成部材として有する透過型スクリーンが装着された背面投写型ディスプレイの例を示す構成図である。図14(A)は、フレネル中心がシート面外にあるサーキュラーフレネルレンズを有する透過型スクリーン110(例えば図11を参照)が装着された背面投写型ディスプレイの例であり、図14(B)は、フレネル中心がシート面内にあるサーキュラーフレネルレンズを有する透過型スクリーン111(例えば図12を参照。図13も同様。)が装着された背面投写型ディスプレイの例である。
背面投射型ディスプレイ130a,130bは、本発明の光拡散部材を構成部材とした透過型スクリーン110,111を前面側の窓部に備えたものであり、比較的薄型の筐体122a,122bの底部に光源124a,124bが配置され、筐体122a,122bの後部壁内面には光源124a,124bからの光を透過型スクリーン110,111に向かって反射させるミラー126a,126bが配置されている。このときの光源124a,124bは、LCD(Liquid Crystal Display)やDLP(Digital Light Processing)を用いた単管方式の単光源であってもよいし、RGBの3管式のCRT光源であってもよい。
このような背面投射型ディスプレイ130a,130bでは、光源124a,124bとミラー126a,126bとによって投射光学系が構成されており、光源124a,124bから出射した映像光MLは、ミラー126a,126bによって透過型スクリーン110,111側へ反射され、発散光の状態で透過型スクリーン110,111に入射する。透過型スクリーン110,111に入射した映像光MLは、フレネルレンズシートによって当該フレネルレンズシートの厚さ方向と平行又は略平行な映像光に変換され、さらに光拡散部材によって拡散されて、背面投射型ディスプレイ130a,130bから出射する。
既に説明したように、本発明の光拡散部材は、映像のコントラストが良好で、かつ、視野角特性が高い透過型スクリーンを得易いものであるので、透過型スクリーンは、映像のコントラストが良好で、かつ、視野角特性が高いものを得易い透過型スクリーンである。したがって、この透過型スクリーンを備えた背面投射型ディスプレイは、表示特性が高いものを得易い背面投射型ディスプレイである。
なお、本発明の透過型スクリーンは、上述した透過型スクリーンに限定されるものではない。前述した本発明の光拡散部材を用いて構成されたものでありさえすれば、上述した透過型スクリーンの他にも種々の変形、修飾、組み合わせ等を施した形態とすることができる。例えば、図1に示す光拡散部材30に代えて図3〜図9に示した各形態の光拡散部材を用いることもできる。また、フレネルレンズシートとしては、環状に成形されたプリズムが多数、厚さ方向の一方の面内にある仮想点を中心として同心円状に配置されたものを用いることもできるし、平面形状が帯状ないし線状を呈するプリズムが多数、平行に形成されたもの(リニアフレネルレンズシート)であってもよい。フレネルレンズシートを構成する個々のプリズムは、全反射を利用して映像光の方向分布を変換するものであってもよいし、屈折を利用して映像光の方向分布を変換するものであってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明の光拡散部材を詳細に説明する。
(実施例1)
まず、厚さ0.025mmのポリエステルフィルム(屈折率;1.59)をベースフィルムとして用い、当該ポリエステルフィルムにおける厚さ方向の一方の面に、屈折率1.5のウレタン系紫外線硬化型樹脂組成物を用いてレンチキュラーレンズ部を形成して、レンチキュラーレンズを得た。上記のレンチキュラーレンズ部では、多数の凸シリンドリカルレンズが50.0μmピッチで形成されており、個々の凸シリンドリカルレンズの屈折面は、横半径(多数の凸シリンドリカルレンズの配列方向の半径)が25.3μm、縦半径(凸シリンドリカルレンズの厚さ方向の半径)が36μmの非球面となっている。また、レンチキュラーレンズ部の最大厚さ(レンチキュラーレンズ部のトップから出射平面までの厚さ)は、57.5μmである。
次に、上記のレンチキュラーレンズの他方の面、すなわち、ポリエステルフィルムにおける厚さ方向の他方の面である出射面側に、屈折率1.49のネガ型感光性樹脂をロールコート法により塗布して厚さ10μmの感光性樹脂層(光透過層)を形成し、各凸シリンドリカルレンズの屈折面側から略垂直に紫外線を照射して上記の感光性樹脂層を選択的に露光した後に現像して、現像時に溶解しなかった感光性樹脂層からなる光透過層を得た。その後、上記の現像により感光性樹脂層が溶解して形成された凹部にワイピング法によって黒色インキを充填して、遮光パターンを形成した。
この遮光パターンは、50.0μmピッチで配列した多数の遮光部からなり、各遮光部は帯状を呈している。個々の遮光部の厚さは10μmであり、その幅は30μmである。当該遮光部の幅は、その厚さ方向において実質的に一定、換言すれば、レンチキュラーレンズ部側の面からレンチキュラーレンズ部とは反対側の面にかけて実質的に一定である。また、レンチキュラーレンズの他方の面の面積に占める各遮光部の平面視上の総面積の割合(BS率)は60%である。
その後、レンチキュラーレンズの他方の面及び遮光パターンを覆うようにして厚さ15μm(レンチキュラーレンズの他方の面のうちで遮光パターンによって覆われることなく露出している領域上での厚さを意味する。)のアクリル系粘着剤層(屈折率1.49)を形成し、このアクリル系粘着剤層によって厚さ2mmの光拡散板をレンチキュラーレンズに接合させた。上記の光拡散板は、屈折率1.5の耐衝撃性アクリル樹脂にアクリルスチレン系拡散剤を分散させたものであり、その拡散半値角は6°である。なお、アクリル系粘着剤層の屈折率(1.49)と光透過層の屈折率(1.49)とは同じであるので、光学的には見かけ上同一の層とみなすことができ、例えば図1の「符号25に示す光透過層」の形態として説明できる。そして、図1に示すように、その光透過層25は、あたかも隣り合う遮光部15,15の間を埋めるようにしてレンチキュラーレンズの他方の面に形成されている。
この光拡散板をレンチキュラーレンズに接合することによって、目的とする光拡散部材が得られた。当該光拡散部材とフレネルレンズとを組み合わせることにより、視野角特性が良好で、映像のコントラストが高く、画質がシャープな透過型スクリーンを得ることができる。
(実施例2)
まず、凸シリンドリカルレンズを形成するための凹部を多数有する第1金型ロールと、台状部10b(図8参照)を形成するための第2金型ロールとを用意し、第1金型ロールでの凹部の中心と第2金型ロールでの凸部の中心とが成形時に所定の間隔の下に互いに対向するようにして、これらの金型ロールを押出し機に近接して配置した。
次に、屈折率1.5の耐衝撃性アクリル樹脂のシートを上記の押出し機により成形し、当該シートが冷却、硬化する前に上記第1金型ロールと第2金型ロールとによって成形して、図8に示すレンチキュラーレンズ10Bと同様の形状を有するレンチキュラーレンズを得た。
このレンチキュラーレンズでは、多数の凸シリンドリカルレンズが300.0μmピッチで形成されており、個々の凸シリンドリカルレンズの屈折面は、横半径(多数の凸シリンドリカルレンズの配列方向の半径)が152.0μm、縦半径(凸シリンドリカルレンズの厚さ方向の半径)が216.0μmの非球面となっている。当該レンチキュラーレンズの最大厚さ(レンチキュラーレンズ部のトップから出射平面までの厚さ)は345μmであり、その他方の面には、平面形状が帯状を呈する幅180μm、厚さ50μmの台状部が300.0μmピッチで多数形成されている。
次いで、上記の各台状部上にグラビアオフセット印刷法によって黒色インキを塗工した。このとき、印圧、インキ量、及び印刷ゴムロールの硬度を調整して、各台状部の側面にもインキが流れるようにした。これにより、1つの台状部に1つずつ当該台状部を覆う遮光部が形成されて、遮光パターンが得られた。個々の台状部の上面における遮光部の膜厚は3μmであり、各遮光部の幅は、その厚さ方向(台状部の厚さ方向)において実質的に一定である。また、レンチキュラーレンズの他方の面の面積に占める各遮光部の平面視上の総面積の割合(BS率)は60%である。
この後、実施例1と同じ条件の下に光拡散板をレンチキュラーレンズに接合させて、目的とする光拡散部材を得た。すなわち、レンチキュラーレンズの他方の面及び遮光パターンを覆うようにして厚さ80μmのエポキシアクリレート系UV粘着剤層(屈折率;1.49)を形成し、この粘着剤層によって厚さ2mmの光拡散板をレンチキュラーレンズに接合させた。上記の光拡散板は、屈折率1.5の耐衝撃性アクリル樹脂にアクリルスチレン系拡散剤を分散させたものであり、その拡散半値角は6°である。当該光拡散部材とフレネルレンズとを組み合わせることにより、視野角特性が良好で、映像のコントラストと解像度が高く、シャープな透過型スクリーンを得ることができる。なお、エポキシアクリレート系UV粘着剤層は隣り合う遮光部間を埋めるようにして設けられ、そのエポキシアクリレート系UV粘着剤層は、例えば図8に示すような光透過層(屈折率1.49)として作用する。
また、この光拡散部材では、凸シリンドリカルレンズの光軸と遮光部の平面視上の中心との相対的な位置が各シリンドリカルレンズの配列方向に±15μmの範囲内でずれても、上記相対的な位置のずれがないものを用いた透過型スクリーンと視野角特性、映像の画質が同等の透過型スクリーンを得ることができる。
(実施例3)
まず、厚さ0.025mmのポリエステルフィルム(屈折率;1.59)をベースフィルムとして用い、当該ポリエステルフィルムにおける厚さ方向の一方の面に、屈折率1.5のウレタン系紫外線硬化型樹脂組成物を用いて単位凸レンズ群を形成して、シート状のハエの目レンズを得た。上記のシート状のハエの目レンズでは、多数の単位凸レンズが、鉛直方向Yのピッチ(縦ピッチP)40.0μm、水平方向Xのピッチ(横ピッチP)50.0μmピッチで形成されており、個々の単位凸レンズの屈折面は、X方向半径(多数の単位凸レンズの水平方向Xの半径。図9参照。)が25.3μm、Y方向半径(多数の単位凸レンズの鉛直方向Yの半径。図9参照。)が25.3μm、縦半径(単位凸レンズの厚さ方向の半径)が36μmの非球面となっている。なお、最終的に得られたマイクロレンズアレイシートの最大厚さ(ハエの目レンズのトップから出射平面までの厚さ)は、57.5μmである。
次に、上記のシート状のハエの目レンズの他方の面、すなわち、ポリエステルフィルムにおける厚さ方向の他方の面である出射面側に、屈折率1.49のネガ型感光性樹脂をロールコート法により塗布して厚さ10μmの感光性樹脂層(光透過層)を形成し、各単位凸レンズの屈折面側から略垂直に紫外線を照射して上記の感光性樹脂層を選択的に露光した後に現像して、現像時に溶解しなかった感光性樹脂層からなる光透過層を得た。その後、上記の現像により感光性樹脂層が溶解して形成された凹部にワイピング法によって黒色インキを充填して、遮光パターンを形成した。
上記の遮光パターンを構成している個々の遮光部の平面形状は横幅30μm×縦幅20μmの格子状であり、その格子に囲まれた矩形状の透明樹脂部は横幅20μm×縦幅20μmの正方形状(すなわち、配列周期は、横方向である水平方向Xは50μm、縦方向である鉛直方向Yは40μmとなっている。)で配列している。また、各遮光部の厚さは11.2μmである。そして、シート状のハエの目レンズの裏面の面積に占める各遮光部の平面視上の総面積の割合(BM率:ブラックマトリックス率)は80%である。
その後、シート状のハエの目レンズの他方の面及び遮光パターンを覆うようにして厚さ15μm(ハエの目レンズの他方の面のうちで遮光パターンによって覆われることなく露出している領域上での厚さを意味する。)のアクリル系粘着剤層(屈折率1.49)を形成し、このアクリル系粘着剤層によって厚さ2mmの光拡散板をシート状のハエの目レンズに接合させた。上記の光拡散板は、屈折率1.5の耐衝撃性アクリル樹脂にアクリルスチレン系拡散剤を分散させたものであり、その拡散半値角は6°である。なお、アクリル系粘着剤層の屈折率(1.49)と光透過層の屈折率(1.49)とは同じであるので、光学的には見かけ上同一の層とみなすことができ、例えば図1の「符号25に示す光透過層」の形態として説明できる。そして、図10の断面に示すように、光透過層106は、あたかも隣り合う遮光部105,105の間を埋めるようにしてレンチキュラーレンズの他方の面に形成されている。
この光拡散板をシート状のハエの目レンズに接合することによって、目的とする光拡散部材であるマイクロレンズアレイシートが得られた。当該光拡散部材とフレネルレンズとを組み合わせることにより、視野角特性が良好で、映像のコントラストが高く、画質がシャープな透過型スクリーンを得ることができる。
本発明の光拡散部材の基本構造を概略的に示す断面図である。 図1に示した光拡散部材に、凸シリンドリカルレンズそれぞれの光軸と平行な光が各凸シリンドリカルレンズの屈折面側から入射したときの光路を概略的に示す断面図である。 本発明の光拡散部材の他の例を概略的に示す断面図である。 本発明の光拡散部材の更に他の例を概略的に示す断面図である。 本発明の光拡散部材の更に他の例を概略的に示す断面図である。 本発明の光拡散部材の更に他の例を概略的に示す断面図である。 本発明の光拡散部材の更に他の例を概略的に示す断面図である。 本発明の光拡散部材の更に他の例を概略的に示す断面図である。 本発明の光拡散部材の更に他の例を概略的に示す断面図である。 図9に示す形態の光拡散部材が有する遮光部の各幅W1V、W1H、W2V、W2Hの説明図である。 本発明の透過型スクリーンの一例を概略的に示す斜視図である。 本発明の透過型スクリーンの他の一例を概略的に示す斜視図である。 本発明の透過型スクリーンの他の一例を概略的に示す斜視図である。 本発明の光拡散部材を構成部材として有する透過型スクリーンが装着された背面投写型ディスプレイの例を示す構成図である。
符号の説明
5 凸シリンドリカルレンズ
10、10A レンチキュラーレンズ
10a レンチキュラーレンズの他方の面
15、15A、15B 遮光部
20 遮光パターン
22 透明樹脂
24 光拡散材
25 光透過層
25A 光拡散層
25B 透明接合剤層
30、40、50、60、80、90、100 光拡散部材
55 支持板
62 透明樹脂
64 光拡散材
65 光拡散シート
70 機能層(帯電防止層、反射防止層、防眩層等)
95 プリズム
101 光拡散部材
102 単位凸レンズ
103 ハエの目レンズ
104 遮光パターン
105 遮光部
106 光透過層
110,111 透過型スクリーン
121,122 フレネルレンズシート
OA 凸シリンドリカルレンズの光軸
、L 凸シリンドリカルレンズの光軸近傍に入射した光
、L 凸シリンドリカルレンズの幅方向の端に入射した光
凸シリンドリカルレンズの光軸近傍に入射した光の集光点
凸シリンドリカルレンズの幅方向の端に入射した光の集光点

Claims (16)

  1. 一方の面に多数の凸シリンドリカルレンズが一定のピッチP で平行に形成されているシート状のレンチキュラーレンズと、該レンチキュラーレンズの他方の面にストライプ状に配置された多数の遮光部からなる遮光パターンと、隣り合う遮光部の間を埋めるようにして前記レンチキュラーレンズの他方の面に形成された少なくとも1つの光透過層とを有する光拡散部材であって、
    前記遮光部は、前記凸シリンドリカルレンズの光軸と平行な光が前記一方の面側から前記レンチキュラーレンズ内に入射したときの光路外に配置されており、
    前記遮光部の厚さをHとし、該遮光部における前記レンチキュラーレンズ側の面での幅をW とし、該遮光部における前記レンチキュラーレンズとは反対側の面での幅をW とし、前記光透過層の屈折率をn としたときに、下式(I)が成り立つことを特徴とする光拡散部材。
    Figure 2006309150
  2. 前記凸シリンドリカルレンズの屈折率をn とし、該凸シリンドリカルレンズの幅方向の端での接平面の傾斜角をαとしたときに、下式(II)が成り立つことを特徴とする請求項1に記載の光拡散部材。
    Figure 2006309150
  3. 前記一方の面側から前記凸シリンドリカルレンズの光軸近傍に入射した光の集光点が前記他方の面の外側にあり、前記一方の面側から前記凸シリンドリカルレンズの幅方向の端に入射した光の集光点が前記レンチキュラーレンズの他方の面にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の光拡散部材。
  4. 前記幅W の値が前記幅W の値よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光拡散部材。
  5. 前記光透過層に光拡散材が分散していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散部材。
  6. 前記光透過層上に支持板が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光拡散部材。
  7. 前記光透過層上又は前記支持板上に、帯電防止層、反射防止層及び防眩層のうち少なくとも1つが設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光拡散部材。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光拡散部材と、フレネルレンズシートとを備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  9. 一方の面に多数の単位凸レンズが縦横にそれぞれ一定の縦ピッチPV及び横ピッチPHで形成されているシート状のハエの目レンズと、該ハエの目レンズの他方の面に格子状に配置された多数の遮光部からなる遮光パターンと、隣り合う遮光部の間を埋めるようにして前記ハエの目レンズの他方の面に形成された少なくとも1つの光透過層とを有する光拡散部材であって、
    前記遮光部は、前記単位凸レンズの光軸と平行な光が前記一方の面側から前記ハエの目レンズ内に入射したときの光路外に配置されており、
    前記遮光部の厚さをHとし、該遮光部における前記ハエの目レンズ側の面での縦幅をW1V、横幅をW1H とし、該遮光部における前記ハエの目レンズとは反対側の面での縦幅をW2V、横幅を幅W2H とし、前記光透過層の屈折率をn としたときに、下式(III)、(IV)が成り立つことを特徴とする光拡散部材。
    Figure 2006309150
    Figure 2006309150
  10. 前記単位凸レンズの屈折率をn とし、該単位凸レンズの幅方向及び垂直方向の端での接平面の傾斜角をαとしたときに、下式(II)が成り立つことを特徴とする請求項9に記載の光拡散部材。
    Figure 2006309150
  11. 前記一方の面側から前記単位凸レンズの光軸近傍に入射した光の集光点が前記他方の面の外側にあり、前記一方の面側から前記単位凸レンズの少なくとも幅方向の端に入射した光の集光点が前記単位凸レンズの他方の面にあることを特徴とする請求項9又は10に記載の光拡散部材。
  12. 前記幅W2V の値が前記幅W1V の値よりも小さく、前記幅W2H の値が前記幅W1H の値よりも小さいことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の光拡散部材。
  13. 前記光透過層に光拡散材が分散していることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の光拡散部材。
  14. 前記光透過層上に支持板が設けられていることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の光拡散部材。
  15. 前記光透過層上又は前記支持板上に、帯電防止層、反射防止層、防眩層のうち少なくとも1つが設けられていることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の光拡散部材。
  16. 請求項9〜15のいずれか1項に記載の光拡散部材と、フレネルレンズシートとを備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
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