JP2006017839A - レンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーン、及びレンチキュラーレンズシートの製造方法 - Google Patents

レンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーン、及びレンチキュラーレンズシートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006017839A
JP2006017839A JP2004193254A JP2004193254A JP2006017839A JP 2006017839 A JP2006017839 A JP 2006017839A JP 2004193254 A JP2004193254 A JP 2004193254A JP 2004193254 A JP2004193254 A JP 2004193254A JP 2006017839 A JP2006017839 A JP 2006017839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
lens
lenticular lens
layer
lens sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004193254A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kanda
毅 神田
Toyohide Sonoda
豊英 園田
Yoji Ono
陽二 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2004193254A priority Critical patent/JP2006017839A/ja
Publication of JP2006017839A publication Critical patent/JP2006017839A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)

Abstract

【課題】 レンチキュラーレンズシートに備えられたレンズのピッチの大きさ如何に関わらず、コントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシート等を提供すること。
【解決手段】 入射光を所定方向に集光する第1のレンズ単位12と、第1のレンズ単位12の集光方向と略直交する方向に集光する第2のレンズ単位13と、第1のレンズ単位12及び第2のレンズ単位13より光出射側に形成された遮光層17とを備えたレンチキュラーレンズシート10であって、遮光層17には、第1のレンズ単位12及び第2のレンズ単位13を通過した入射光が通過可能な開口部18が形成されており、この開口部18は、入射光が通過する形状に対応した入射光通過部Aと、この入射光通過部のうち隣接するもの同士を所定の方向に連結せしめる連結部Bとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンチキュラーレンズシート、これを搭載した背面投射型スクリーン、及び、レンチキュラーレンズシートの製造方法に関する。
近年、液晶デバイス、デジタルマイクロデバイスなどの光学エンジンを備えたプロジェクションTVが急速に普及している。このプロジェクションTVには、映像を観察するための透過型スクリーンが搭載されている。
この透過型スクリーンは、一般に、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートを備えている。フレネルレンズシートは、背面投射型プロジェクターからの映像光を一定角度の範囲内に絞り込むためのものであり、光源側に設けられている。レンチキュラーレンズシートは、フレネルレンズシートを通過した映像光を適度な角度の範囲に広げる機能を有している。
図7は、従来のレンチキュラーレンズシートの構成を示す断面図である。同図に示すように、レンチキュラーレンズシート30は、レンズ部32、透明支持体33、遮光層37、拡散層35などを備えている。
上記レンズ部32の入射面は、凸のレンズからなる複数のレンズ列で構成されている。図6の例においては、入射光はレンズ媒質内で集光した後に、水平方向に拡散せしめられる。
近年、映像画質の高精細化を達成すべくプロジェクターの画素数が増大している。これに伴って、レンチキュラーレンズシートに備えられるレンズのピッチ(図7中のP1)のファインピッチ化が要求されている。具体的には、当該レンズのピッチが0.7[mm]前後であるのが一般的であるのに対し、0.3[mm]以下、さらに好ましくは0.15[mm]以下のファインピッチ化が要求されている。
上記遮光層37は、図7に示すように、透明支持体33の出射面側であって、入射光たる映像光の非通過位置に設けられている。外光を吸収する役割と、本来意図しない反射、屈折によって生じたゴースト光を遮って、コントラストを改善するための役割を担っている。
遮光層37の形成方法としては、紫外線感光性樹脂フィルムを用いたものが知られている(特許文献1)。この技術は、感光性樹脂の露光部と未露光部とにおける粘着性の有無の違いを利用するものであり、レンズ部側からの露光により背面に形成した感光性樹脂層の粘着性を有する部分に、黒色の転写層を転写紙から転写せしめることにより遮光パターンを形成させるものである。
遮光層37の別の形成方法としては、露光部、未露光部の表面自由エネルギーの差を利用する技術が開示されている(特許文献2)。
上記拡散層35は、図6に示すように、遮光層37の出射面側に設けられている。レンズ32により映像光が集光した後に拡散される方向(例えば、水平方向)以外の方向(例えば、垂直方向)に拡散する役割を担っている。
この拡散層35においては、光の散乱ロスが発生するという問題、外光が観察者側に反射して外光コントラストが劣化するという問題がある。
これらの問題を解決するために、レンチキュラーレンズシートにおいて水平方向及び垂直方向に光を拡散する方法が提案されている(特許文献3)。図7に当該公報に開示されたレンズの構造を示す。このレンチキュラーレンズシート40は、同図に示すように、略球面の一部からなる単位レンズが平面上に配列されたレンズ部42、格子状の遮光層47などを備える。このレンズによれば、1つの単位レンズで水平方向及び垂直方向に光を集光した後に、入射光を拡散することができる。そして、遮光層に設けられた格子状の開口部48(光通過部)に映像光が集光するように設計することによりコントラストを向上させることができる。
また、レンチキュラーレンズシートの入射面と出射面のそれぞれにレンチキュラーレンズを設け、それらのレンズ配列を相互に直交させる構造も提案されている(特許文献4)。かかる構成によれば、拡散層が不要となるか、または最小限に抑えることができるため、コントラストを大幅に改善できる。
特開2001−113538号公報 特開2003−075608号公報 特開昭62−157023号公報 特開昭50−10134号公報
しかしながら、従来のレンチキュラーレンズシートにおいては以下のような問題があった。上記特許文献1に開示された技術は、転写紙と黒色層の密着性、粘着層における露光部および未露光部の黒色層に対する粘着性の差を利用して選択的に遮光層を形成するものである。このとき、黒色層は、露光部及び未露光部の境界でせん断されるため、転写紙と黒色層の密着力、及び、未露光部の黒色層に対する粘着力が黒色層のせん断に必要な力を上回る必要がある。
一般に、透過型スクリーンに求められる遮光層は、その厚みが1[μm]から10[μm]であるため、レンズのピッチが比較的大きい場合(0.3[mm]を超える場合)には、1ピッチごとの露光部における転写紙と黒色層との密着力、及び、未露光部の黒色層に対する粘着力に対し、黒色層のせん断に必要な力は十分に小さいため問題は比較的少ない。
しかしながら、レンズのピッチが0.3[mm]以下の場合、1ピッチ単位の露光部における転写紙と黒色層の密着力、及び、未露光部の黒色層に対する粘着力が小さくなり、黒色層のせん断に必要な力が相対的に大きくなるため、黒色層のせん断に必要な力の影響が無視できなくなってしまった。
上記特許文献2に開示された技術においても同様の問題が生じ得る。すなわち、表面自由エネルギーの差を利用する場合でも、着色塗料の表面張力と、レンズシート出射面での着色塗料ぬれやすさの関係で同様な問題が生ずる。
遮光層は、コントラストを向上させるために映像光の通過部のみを開口形状とするのが最も理想的である。しかしながら、実際には映像光の通過部を正確に開口せしめることが困難であった。特に、本来開口すべきである部位の開口形成不良による外観欠陥の問題がファインピッチ化に伴って深刻となってきた。とりわけ、図8に示すような格子状の開口部を有し(上記特許文献3)、かつファインピッチ化をしたものにおいては、開口部が点状であるため、開口部形成不良が顕著になり、それによる外観欠陥の問題がより深刻となってしまった。また、上記特許文献4においても、上記と同様の問題が生じ得る。
また、上記特許文献3においては、高精度で極めて微細な大型サイズの金型自体の製作が困難であるという別の問題もあった。
上記特許文献4においても、以下のような別の問題があった。まず、遮光層と、レンチキュラーレンズシートとは独立した別のシートに設けているため、遮光層をレンチキュラーレンズシートにおける入射光の非通過部に正確に配置することが困難であった。また、シート相互の間隔が温度変化、湿度変化によって変化し、レンズの焦点位置がずれるために外光吸収層の面積が減ってコントラストの向上が妨げられたり、外光吸収層のムラが発生するという問題があった。さらに、レンズシートをテレビセット枠に固定して輸送した場合、シート同士がぶつかり傷が発生する等の問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、以下のようなレンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーン、及びレンチキュラーレンズシートの製造方法を提供することである。すなわち、レンチキュラーレンズシートに備えられたレンズのピッチの大きさ如何に関わらず、コントラスト性能と外観が優れたレンチキュラーレンズシート等を提供することである。
本発明に係る第1の態様のレンチキュラーレンズシートは、入射光を所定方向に集光する第1のレンズ単位と、該第1のレンズ単位の集光方向と略直交する方向に集光する第2のレンズ単位と、該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位より光出射側に形成された遮光層とを備えたレンチキュラーレンズシートであって、該遮光層には、該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位を通過した該入射光が通過可能な開口部が形成されており、当該開口部は、該入射光が通過する形状に対応した入射光通過部と、当該入射光通過部のうち隣接するもの同士を所定の方向に連結せしめる連結部とを備えるものである。
本発明に係る第1の態様のレンチキュラーレンズシートよれば、遮光層の開口部を入射光通過部とこの入射光通過部を所定方向に通過せしめる連結部とにより構成しているので、開口部形成不良を防止することが出来る。例えば、後述する感光性粘着層に黒色層を転写する際に、未転写領域が所定の方向にひとつながりになっているので容易に転写せしめることができる。また、後述する遮光性光硬化型樹脂フィルムを用いた場合には、硬化部の剥離する際に、剥離部が所定の方向にひとつながりになっているので開口不良を防止しつつ容易に剥離することができる。その結果、レンズピッチをファインピッチ化した場合であっても、所望の開口部を有する遮光層を得ることができ、コントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシートを提供することができる。
本発明に係る第1の態様のレンチキュラーレンズシートは、上記連結部の開口部の連結方向に略直交する開口幅の最小値の平均値は、上記入射光通過部の該連結方向に略直交する開口幅の最大値の5[%]以上、80[%]以下とすることが好ましい。このようにすることにより、光通過部以外に開口部が形成されていることによるコントラストの低下を抑制しつつ、点欠陥等の開口部形成不良を防止することができる。コントラストの低下をより効果的に抑制する観点から、連結部の開口幅の平均値を、光通過部の開口幅の最大値の60[%]以下、さらに好ましくは50[%]以下とすることが好ましい。
本発明に係る第2の態様のレンチキュラーレンズシートは、上記第1の態様のレンチキュラーレンズシートにおいて、上記第1のレンズ単位は第1のレンズ列により構成され、上記第2のレンズ単位は第2のレンズ列により構成され、当該第2のレンズ列は、レンズ界面の入射側と出射側が互いに屈折率の異なる光透過性材質により構成され、該第1のレンズ列から上記遮光層までの間が光透過性材質による中実構造であることを特徴とするものである。
本発明に係る第2の態様のレンチキュラーレンズシートによれば、大型サイズのレンチキュラーレンズシートの製造を容易に行うことができる。また、レンズシートをテレビセット枠に固定して輸送するなどした場合でも、シート同士がぶつかって傷が発生する等のトラブルを防止することができる。さらに、レンズピッチをファインピッチ化した場合であっても、所望の開口部を有する遮光層を得ることができ、コントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシートを製造することができる。
本発明に係る第1の態様のレンチキュラーレンズシートの製造方法は、入射光を所定方向に集光する第1のレンズ単位と、該第1のレンズ単位の集光方向と略直交する方向に集光する第2のレンズ単位と、該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位より光出射側に形成された遮光層とを備えたレンチキュラーレンズシートの製造方法であって、該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位を形成するステップと、該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位を形成した後に、該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位を通過した入射光の出射面側に、該入射光が通過する形状に対応した入射光通過部と、この入射光通過部のうち隣接するもの同士を所定の方向に連結せしめる連結部とを備える開口部を有する遮光層を形成するステップとを備えたものである。
本発明に係る第1の態様のレンチキュラーレンズシートの製造方法よれば、遮光層の開口部を入射光通過部とこの入射光通過部を所定方向に通過せしめる連結部とにより構成しているので、開口部形成不良を防止することが出来る。その結果、レンズピッチをファインピッチ化した場合であっても、所望の開口部を有する遮光層を得ることができ、コントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシートを製造することができる。
本発明に係る第2の態様のレンチキュラーレンズシートの製造方法は、上記第1の態様のレンチキュラーレンズシートの製造方法において、上記第1のレンズ単位は第1のレンズ列により構成され、上記第2のレンズ単位は第2のレンズ列により構成され、当該第2のレンズ列は、レンズ界面の入射側と出射側が互いに屈折率の異なる光透過性材質により構成され、該第1のレンズ列から上記遮光層までの間が光透過性材質による中実構造であることを特徴とするものである。
本発明に係る第2の態様のレンチキュラーレンズシートの製造方法によれば、大型サイズのレンチキュラーレンズシートの製造を容易に行うことができる。また、レンズピッチをファインピッチ化した場合であっても、所望の開口部を有する遮光層を得ることができ、コントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシートを製造することができる。
また、上記第1及び第2の態様のレンチキュラーレンズシートの製造方法において、上記遮光層を形成するステップは、上記レンチキュラーレンズシートの光出射面側に感光性材質層を形成するステップと、該レンチキュラーレンズシートの入射面側から光を照射して該感光性材質層にレンズパターンに対応した感光部を形成するステップと、該感光部のうち隣接するもの同士が連結するように連結部に光を照射するステップを備え、該感光性材質層のうちの未露光部を該遮光層とするように構成することができる。
また、この場合において上記連結部に光を照射するステップは、上記連結方向に上記光通過部を形成する光源とは拡散性及び/又は平行度の異なる光源を用いて行うことができる。
上記感光性材質層の好適な例として、感光性粘着層や、光硬化性組成物層を用いることができる。光硬化性組成物層を用いる場合の上記感光性材質層は、第1の組成物と該第1の組成物よりも表面自由エネルギーが低い第2の組成物とからなる光硬化性組成物層であり、該光硬化性組成物層が該第2の組成物よりも表面自由エネルギーが低い媒質に接触した状態で、該レンチキュラーレンズシートの入射面側から該光硬化性組成物層に光を照射し、該レンチキュラーレンズパターンによる集光部分にある該光硬化性組成物層に光を照射し、該レンチキュラーレンズパターンによる集光部分にある該光硬化性組成物層を硬化するステップと、該光硬化性組成物層が該第1の組成物よりも表面自由エネルギーが高い媒質に接触した状態で、該光硬化性組成物層側から該光硬化性組成物層に光を照射し、該集光部分以外の非集光部分にある該光硬化性組成物を硬化するステップと、該光硬化性組成物層上に着色材料を配置し、該非集光部分に対応した遮光パターンを形成するステップとを備えるものである。
本発明に係る背面投射型スクリーンは、背面投射型プロジェクタより出射された光を一定の角度の範囲内になるように絞り込むフレネルレンズシートと、上記態様のレンチキュラーレンズシートと、該レンチキュラーレンズシートの出射面側に設けられた前面板とを備えたものである。
本発明によれば、レンズのピッチの大きさ如何に関わらず、コントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーンを提供することができるという優れた効果がある。
[実施形態]
以下、本発明を適用したレンチキュラーレンズシートの実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの主要部の構成を示す斜視図である。同図に示すように、レンチキュラーレンズシートは、第1のレンズ列12を含むレンズ層14、第2のレンズ列13を含むレンズ層15、遮光層17などを備えている。以下、レンチキュラーレンズシートに関して、遮光層17を含まない構成をレンチキュラーレンズシートA(図中符号10)、及びレンチキュラーレンズシートAに遮光層17を付与したシートをレンチキュラーレンズシートB(図中符号11)とする。
レンチキュラーレンズシートAは、第2のレンズ列13を境界面として互いに屈折率が異なる第1のレンズ層14と第2のレンズ層15とを備え、この第1のレンズ層14と第2のレンズ層15とが一体化せしめられた構成となっている。
レンチキュラーレンズシートAの光入射面、すなわち第1のレンズ層14の入射面には第1のレンズ列12が設けられ、前記第1のレンズ層14と前記第2のレンズ層15の界面には第2のレンズ列13がほぼ直交する形で配列されている。
第1のレンズ列12は、入射した投射光をレンズ媒質内で集光させる側に作用する光入射面側から見て手前側(入射側)に凸のレンズからなる複数のレンズ列で構成されている。各レンズは垂直方向を長手方向とするシリンドリカルレンズであり、互いに平行に配列されている。従って、第1のレンズ列12は、入射光をレンズ媒質内で集光させた後、出射面で水平方向に拡散させることができる。
第2のレンズ列13は、前記第1のレンズ列12と同様に光入射面から見て手前側(入射側)に凸の複数のレンズからなるレンズ列を構成している。第2のレンズ列13における各レンズは、水平方向を長手方向とするシリンドリカルレンズであり、互いに平行に配列されている。すなわち、第2のレンズ列13は、第1のレンズ列12とほぼ直交して形成されている。従って、第2のレンズ列13は各レンズ層の屈折率とレンズ形状の関係から、入射光をレンズ媒質内で集光させた後、出射面で垂直方向に拡散させることができる。
ここで、第1のレンズ列12のレンズピッチP1は、第2のレンズ列13のレンズピッチP2の2〜10倍であり、さらに好ましくは3〜5倍である。このようにすることで、第1のレンズ列12の谷部と第2のレンズ列レンズ13の頂点部同士が繋がるか又は近接させることなく、両レンズの焦点位置を近傍にすることが可能となる。この例では、さらに両レンズの焦点位置の近傍に遮光層17を設けているため、遮光層17の面積を広くとることができるので、コントラストがより向上する。
第1のレンズ層14の入射面側には、例えば、放射線硬化樹脂が充填されることによって形成される第1のレンズ列12が設けられている。前記第1のレンズ層14は、第2のレンズ列13を界面として接触し、第2のレンズ層15を覆うようにして設けられている。また、第2のレンズ層15の出射面は平坦であり、第1のレンズ列12の主平面とほぼ平行になるように構成されている。第1のレンズ列12の主平面とは、第1のレンズ列12の最も入射側に凸である位置を結んで得られる平面である。ここで、第1のレンズ層14と第2のレンズ層15の境界面をなす第2のレンズ列13は、第1のレンズ層14に形成されているとも捉えることができる。第1のレンズ層14に形成されたレンズとして捉えれば、このレンチキュラーレンズは、光出射面側から見て凹状である。
第1のレンズ層14は、例えば、放射線硬化樹脂より構成される。放射線硬化樹脂としては、例えば、アクリル系紫外線硬化樹脂、シリコン系紫外線硬化樹脂およびフッ素系紫外線硬化樹脂などが挙げられる。
第2のレンズ層15は、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、MS系樹脂(メチルメタクリレート、スチレン共重合樹脂)、ポリスチレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いることができる。
本実施形態においては、第1のレンズ層14は、第2のレンズ層15の屈折率よりも小さいものを用いている。例えば、第1のレンズ層には屈折率が1.49のアクリル系紫外線硬化樹脂を、第2のレンズ層には屈折率が1.58のMS系樹脂を用いることができる。第1のレンズ層14と第2のレンズ層15の屈折率差は、0.05以上が好ましく、0.1以上がさらに好ましい。
上記遮光層17は、第2のレンズ層15の出射面上に設けられている。図2は、このような遮光層17の部分拡大図である。同図に示すように、遮光層17には、図中の垂直方向に連結された開口部を有している。この開口部は、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13を通過した映像光が通過可能であって、かつ、その映像光の通過形状に対応した光通過部P4と、当該光通過部P4を垂直方向に連結せしめる連結部P3とから構成されている。
本実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの遮光層パターンは、図8に示すような格子上の遮光層パターンに比して、遮光層のパターンの面積が僅かに減るため、理論上はコントラスト性能が僅かに低下することになる。しかしながら、開口部を所定方向にひとつながりに構成とすることにより、図7の形態よりコントラスト性能に優れ、かつ、図8の形態より外観欠点が少ないスクリーンを製造できる。
図3及び図4は、開口部18近傍の部分拡大図である。図3に示すように、連結方向に略直交する幅(以下単に「開口幅」という)のうち、連結部の開口幅P6の最小値の平均値を、光通過部の開口幅P5の最大値の5[%]以上、80[%]以下となるようにしている。このようにすることにより、光通過部以外に開口部が形成されていることによるコントラストの低下を抑制しつつ、点欠陥等の開口部形成不良を防止することができる。コントラストの低下をより効果的に抑制する観点から、連結部の開口幅P6の最小値の平均幅を、光通過部の開口幅P5の最大値の60[%]以下、さらに好ましくは50[%]以下とすることが好ましい。5[%]未満であると、本発明の効果を特に発揮できない場合がある。例えば、図3において、光通過部の開口幅P5の最大値が30[μm]である場合、その5[%]は1.5[μm]となり、非常に加工が困難となる可能性があるためである。なお、連結部の開口幅P6の最小値の平均値の好ましい範囲は、1.5[μm]以上である。
また、図4に示すように、隣接する光通過部の最大幅P5の端部同士を結んだ線分に囲まれる領域であって、かつ、開口部が形成されていない領域の面積S2が、隣接する光通過部の最大幅P3に囲まれる領域S1の50[%]以上であることが、特に好ましい。このようにすると、光通過部以外に開口部が形成されていることによるコントラストの低下をより効果的に抑制できるためである。
なお、本実施形態においては、開口部の連結方向が図中垂直方向に形成されている例について説明したが、これに限定されるものではなく、水平方向や任意の方向としても良い。また、本実施形態においては、垂直方向にひとつながりになっている例について説明したが、これに限定されるものではなく、連結ブロックを複数有するように構成することもできる。
図5に、前面板19との積層を含めた本実施形態にかかる背面投射型スクリーンを形成するレンチキュラーレンズシートの上断面図(a)及び横断面図(b)を示す。ここで、前面板19とは、前記レンチキュラーレンズシートBの支持体を兼ねた光透過層であり、拡散層を含んだり、出射最外表面上にHC(ハードコート)、AG(防眩性)、AR(反射防止)、AS(帯電防止)等の各種の機能性膜を付与しても良い。図2では、さらに、背面投射型スクリーンに入射した光100の通過経路も示されている。図2に示されるように、この背面投射型スクリーンの全体構成は、レンチキュラーレンズシートBに加えて、前面板19及び機能性膜20を備えている。前面板19は、遮光層17の上面に接着されて一体化されたスクリーンとなる。但し、前面板19は、レンチキュラーレンズシートBに対して接着されずに独立した構成としてもよい。この前面板19は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、MS樹脂(メチルメタクリレート、スチレン共重合樹脂)、ポリスチレン等により構成される。前面板19は単層拡散板乃至は拡散層を設けた多層構造体としてもよい。機能性膜20は、前面板19上に直接コーティングされるか、又は機能性膜20をコーティングしたフィルムをラミネートすることにより形成する。機能性膜20には、HC(ハードコート)、AG(防眩性)、AR(反射防止膜)、AS(帯電防止)等の機能性膜が含まれる。
図5(a)の上断面図に示されるように、レンチキュラーレンズシートAの入射面に入射した光100は、第1のレンズ列12により水平方向に集光する形で屈折し、第1のレンズ層14を経て第2のレンズ層15の各レンズ媒質中で集光した後、出射する。図5(b)の横断面図に示したように、垂直方向に対しては第2のレンズ列13によって屈折し、第2のレンズ層15中で集光し、出射する。すなわち、遮光層17は、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の双方の焦点位置の近傍に設けられている。このように、両レンズの焦点位置の近傍に遮光層17を設けると、コントラストがより向上する。
以上、説明したように、本実施形態にかかる背面投射型スクリーンは、互いに直交する第1のレンズ列12と第2のレンズ列13を有するレンチキュラーレンズシートAの出射面側に遮光層17を形成し、第1のレンズ列12から遮光層17までの間を光透過性材質による中実構造としたので、遮光層17を精度良く形成することができる。特に、この例では、第1のレンズ列12及び第2のレンズ列13の双方の焦点位置が、遮光層17が設けられた位置の近傍に来るように、精度良く遮光層17を形成することができるため、コントラスト性能をより向上させることができる。
続いて、本実施形態にかかる背面投射型スクリーンの製造方法について説明する。
まず、レンチキュラーレンズシートAのうち、第2のレンズ列13を有する第2のレンズ層15を作製する。例えば、第2のレンズ層15の基材樹脂をTダイによって溶融押出しを行い、賦形ロールでシリンドリカルレンズを片面成形する。この場合、第2のレンズ層の最大厚みは全幅に亘りほぼ均一となるようにする。
なお、賦形ロールに対するシリンドリカルレンズの形状転写方向は、該賦形ロールの回転軸心に対し凹溝列が平行な横溝方式であってもよいし、逆に、回転軸心に対し凹溝列が直角な縦溝方式であってもよい。また、前記溶融押出し成形に代えて、片面凹溝金型により基材樹脂をプレス成形や、射出成形によりシリンドリカルレンズの片面成形を行ってもよい。
シリンドリカルレンズを片面成形した後、第2のレンズ列13上に第2のレンズ層15より屈折率が低い光透過性材質で第1のレンズ列12を有する第1のレンズ層14を成形する。この場合も、遮光層17を形成する第2のレンズ層15の出射面に対し、第1のレンズ列12の主平面はほぼ平行になるようにする必要があるが、第2のレンズ層15の原反の張力調整及び放射線硬化型透明樹脂の粘度を調節することによりに容易に達成される。一方、第1のレンズ層14の形成は内側に紫外線照射ランプを挿入した中空円筒体の透明ガラス管を用いて、平板金型に押し当てながら成形してもよい。また、上記の成形工程では、例えば第2のレンズ列13の表面をプラズマ処理するなど、易接着処理をする事がより好ましい。
さらに、上述の工程で一体化されたレンチキュラーレンズシートAの第2のレンズ層15の光出射面に感光性粘着層を形成する。そして、平行光線により入射光通過部を露光し、光線の強度(例えば、パワーや露光時間を調整して)、入射の角度等を変えて連結部の露光を行う。あるいは、光拡散板とレンチキュラーレンズシートとを組み合わせる、又は、拡散性の異なるレンチキュラーレンズシートを直交に組み合わせて、入射光通過部と連結部とを露光強度を調整しながら同時に露光してもよい。ここで、露光部とは比較的高密度の露光部をいい、未露光部とは比較的低密度の露光部をいう。従って、未露光部は全く露光されていないことに限定されない。
その後、前記感光性粘着層の表面に黒色層を形成し、ラミネート手段によって前記感光性粘着層の未露光部のみに黒色層を転写する遮光性光硬化型樹脂を塗工したフィルムを貼り合わせる。このような工程を経て、遮光層17が成形せしめられる。
なお、上記実施形態においては、連結部の形成方法として、垂直、水平方向の拡散性、平行度が異なる露光光源にて形成せしめたが、これに限定されるものではない。例えば、連結せしめたい方向に、透過光が一部拡散するようにレンズ設計してもよい。この場合、レンチキュラーレンズの映像光入射面側から、映像光と同等の集光又は拡散特性の光源を用いて遮光層17を感光することにより、開口部を形成することができる。
また、別の例としては、着色塗料を塗布する際に遠心力、重力などを作用させることにより、塗料とレンチキュラーレンズ出射面との親和性に異方性を設ける方法や、黒色転写層のせん断力に異方性を設ける方法などを挙げることができる。
また、本実施形態においては感光性粘着層を用いて遮光層17を形成する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば遮光性光硬化型樹脂フィルム(光照射により硬化する樹脂)により遮光層を形成する方法を用いても良い。遮光性光硬化型樹脂フィルムによる遮光層形成方法としては、例えば、以下のような方法で遮光層を形成することができる。まず、上記レンチキュラーレンズシートAの第2のレンズ層15の光出射面に遮光性光硬化型樹脂を塗工したフィルムを貼り合わせ、レンチキュラーレンズシートの入射面側から紫外線を照射する。すると、紫外線の集光部の遮光性光硬化樹脂は硬化する。その後、フィルムを剥離せしめる。紫外線の非集光部における遮光性光硬化樹脂は、第2のレンズ層15の出射面上に未硬化のまま残り、紫外線の集光部における遮光性光硬化樹脂はフィルムに固着した状態で剥離される。
続いて、非集光部の未硬化遮光性光硬化樹脂をレンチキュラーレンズシートの出射面側から放射線照射せしめる。これにより、未硬化遮光性硬化樹脂が硬化せしめられて、遮光層が形成される。
また、露光部、未露光部の表面自由エネルギーの差を利用して遮光層17を形成しても良い。例えば、前記第2のレンズ層15の光出射面に、表面自由エネルギーが30[mN/m]以上である光硬化性樹脂組成物(a)100質量部および表面自由エネルギーが25[mN/m]以下である化合物(b)0.01〜10質量部からなる組成物の層を設ける。次いでレンズ部側から化合物(b)よりも表面自由エネルギーが低い媒質(例えば大気)に接触した状態で露光光線を照射する。照射された光はレンズにより集光し、集光部の光硬化性組成物(A)のみが選択的に硬化する。このようにして、集光部の表面エネルギーが25[mN/m]以下であるレンズシートを得ることができる。得られたレンズシートを光硬化性樹脂組成物(a)よりも表面自由エネルギーが高い媒質(例えば水)に接触した状態で、レンズシートの出射面側から光を照射することにより、未硬化の光硬化性組成物(A)のみが硬化する。表面自由エネルギーの異なる表面では各種液体の濡れ性も異なり、一般的に用いられる溶剤、塗料の場合は表面自由エネルギーの高い表面の方が表面自由エネルギーの低い表面よりも液体が濡れ易い。したがって、表面改質したレンズシートは集光部よりも非集光部の方が各種液体に濡れ易いことになる。この性質を利用して、表面改質したレンズシートに着色塗料を塗工することにより、非集光部のみに該着色塗料が付着した遮光パターンを形成することが可能となる。
そのほか、公知の遮光層の形成方法を適宜使用することができる。
次に、遮光層17の出射面側には、前面板19を積層する。積層は放射線硬化樹脂による接着や、粘着材による接着により実現することができる。
さらに、前面板19の表面に機能性膜20を積層してもよい。具体的には、機能性膜20を前面板19上に直接コーティングするか又は機能性膜20をコーティングしたフィルムをラミネートする。
このような製造方法によって、背面投射型スクリーンを製造することができる。
本実施形態に係るレンチキュラーレンズシートよれば、遮光層の開口部を入射光通過部とこの入射光通過部を所定方向に通過せしめる連結部とにより構成しているので、開口部形成不良を防止することが出来る。例えば、感光性粘着層に黒色層を転写する際に、未転写領域が所定の方向にひとつながりになっているので容易に転写せしめることができる。また、上記遮光性光硬化型樹脂フィルムを用いた場合には、硬化部を剥離する際に、剥離部が所定の方向にひとつながりになっているので開口不良を防止しつつ容易に剥離することができる。その結果、外観欠点を抑制してコントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシートを提供することができた。
また本実施形態に係るレンチキュラーレンズシートよれば、大型サイズのレンチキュラーレンズシートの製造を容易に行うことができた。また、遮光層をレンチキュラーレンズにおける映像光の非通過位置に正確に形成し、映像光の通過位置に開口部を正確に形成することができた。さらに、レンズシートをテレビセット枠に固定して輸送するなどした場合でも、シート同士がぶつかって傷が発生する等のトラブルを防止することができた。さらに、レンズピッチをファインピッチ化した場合であっても、所望の開口部を有する遮光層を得ることができ、コントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシートを提供することができた。
[変形例]
次に、上記実施形態のレンチキュラーレンズシートの変形例について説明する。図6は、本変形例にかかるレンチキュラーレンズシートの主要部の構成を示す斜視図である。このレンチキュラーレンズシートは、上記実施形態のレンチキュラーレンズシートと基本的な構成は同様であるが、レンズ列の構造が異なっている。すなわち、上記実施形態のレンチキュラーレンズシートにおいては、充填層を備えていないのに対し、本変形例においては、充填層を備えている点が異なる。また、上記実施形態においては、レンズ列23は、光入射面側に凸状のレンズ列を構成していたのに対し、本変形例においては、光出射面側に凸状のレンズ列を構成している点が異なる。
上記充填層26は、レンチキュラーレンズシートAの出射面側に、第2のレンズ列23のレンズ界面と接触し、これを覆うようにして設けられている。また、この充填層26の第2のレンズ列23と接触する面と反対側の面は、平坦であり、レンチキュラーレンズシートAの主平面と平行になるように構成されている。
なお、レンチキュラーレンズシートAの出射面となる第2のレンズ列23は、充填層26との界面に形成されているので、このレンズ列は充填層26に形成されているとも捉えることができる。この場合、レンチキュラーレンズは、光入射面側から見て凹のレンズということになる。
充填層26は、第2のレンズ層と異なる屈折率を有する必要がある。充填層26の材質としては、例えば、放射線硬化樹脂を用いることができる。本変形例において、レンチキュラーレンズシートAの出射面に設けられた第2のレンズ列23が光を集光させる働きをさせる凸レンズとして機能するには、充填層26の屈折率を、レンチキュラーレンズシートAの屈折率よりも低くする必要がある。例えば、充填層26には屈折率が1.49のアクリル系紫外線硬化樹脂を、レンチキュラーレンズシートAの第1のレンズ層24には屈折率が1.58のMS系樹脂を用い、第2のレンズ層25にはほぼ同等の屈折率のMS系紫外線硬化樹脂を用いることができる。
遮光層27は、充填層26の平坦な出射面上に設けられている。この遮光層27は第1のレンズ列22及び第2のレンズ列23の非集光部、すなわち光の非通過部に設けられている。遮光層及び遮光層に設ける開口部の形成方法については、上記実施形態と同様であるので省略する。
以上、説明したように、本変形例にかかる背面投射型スクリーンは、互いに直交する各レンズ列22、23を有するレンチキュラーレンズシートAの出射面側に充填層26を形成し、その充填層26上に遮光層27を形成し、第1のレンズ列22から遮光層27までの間を光透過性材質による中実構造としたので、各レンズ列22、23と充填層26との位置関係において、遮光層27を精度良く形成することができる。特に、この例では、第1のレンズ列22及び第2のレンズ列23の双方の焦点位置が、遮光層27が設けられた位置の近傍に来るように、精度良く遮光層27を形成することができるため、コントラスト性能をより向上させることができる。
続いて、本変形例にかかる背面投射型スクリーンの製造方法について説明する。
まず、レンチキュラーレンズシートAのうち、第1のレンズ列22を有する第1のレンズ層24を作製する。例えば、第1のレンズ層24の基材樹脂をTダイによって溶融押出しを行い、賦形ロールでシリンドリカルレンズを片面成形する。この場合、賦形ロールに対するシリンドリカルレンズの形状転写方向は、該賦形ロールの回転軸心に対し凹溝列が平行な横溝方式であってもよいし、逆に、回転軸心に対し凹溝列が直角な縦溝方式のいずれであってもよい。また、前記溶融押出し成形に代えて、片面凹溝金型により基材樹脂をプレス成形してもよいし、射出成形で片面成形してもよい。
次に前記工程で得られた第1のレンズ層24の原反の光出射面側に前記第1のレンズ層24の基材樹脂とほぼ同等の屈折率の放射線硬化型透明樹脂によって第2のレンズ列23を有する第2のレンズ層25を成形する。この場合、第2のレンズ列23は前記第1のレンズ列22とほぼ直交する形で第2のレンズ層25を成形する。該第2のレンズ層25は前記第1のレンズ層24の主平面とほぼ平行になるようにする必要があるが、第1レンズ層24の原反に与える張力調整と、第2のレンズ層25用の放射線硬化型透明樹脂の粘度の適正化を図ることにより、各レンズ列のレンズ間距離は精度よく均一に成形することができる。
なお、第2のレンズ列23の放射線硬化型透明樹脂による成形は、押出賦形成形した第1のレンズ層24の原反を金型賦形ロールに巻き付けて放射線照射して硬化させてもよいし、内側に紫外線照射ランプを挿入した中空円筒体の透明ガラス管を用いて、平板金型に押し当てつつ成形してもよい。また、上記成形工程で、例えば、第2のレンズ列23の表面をプラズマ処理するなど、易接着処理をすることがより好ましい。
その後、第2のレンズ列23上に第2のレンズ層25より屈折率が低い充填層26を放射線硬化型透明樹脂で成形する。この場合も、遮光層27を形成する充填層26の主平面が第1、2の各レンズ層の主平面とほぼ平行となるように、前記工程で一体となったレンチキュラーレンズシートAの張力調整及び放射線硬化型透明樹脂の粘度を調節することによりに容易に達成される。
さらに、充填層26の上面に遮光性光硬化型樹脂を塗工したフィルム等を貼り合わせて、上記実施形態において説明した方法により遮光層27を形成する。
このような製造方法によって、図8に示される構造の背面投射型スクリーンを製造することができる。
本変形例に係るレンチキュラーレンズシートよれば、遮光層の開口部を入射光通過部とこの入射光通過部を所定方向に通過せしめる連結部とにより構成しているので、開口部形成不良を防止することが出来る。例えば、感光性粘着層に黒色層を転写する際に、未転写領域が所定の方向にひとつながりになっているので容易に転写せしめることができる。また、上記遮光性光硬化型樹脂フィルムを用いた場合には、硬化部の剥離する際に、剥離部が所定の方向にひとつながりになっているので開口不良を防止しつつ容易に剥離することができる。その結果、外観欠点を抑制してコントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシートを提供することができた。
本変形例に係るレンチキュラーレンズシートによれば、大型サイズのレンチキュラーレンズシートの製造を容易に行うことができた。また、遮光層をレンチキュラーレンズにおける映像光の非通過位置に正確に形成し、映像光の通過位置に開口部を正確に形成することができた。また、レンズシートをテレビセット枠に固定して輸送するなどした場合でも、シート同士がぶつかって傷が発生する等のトラブルを防止することができた。さらに、レンズピッチをファインピッチ化した場合であっても、所望の開口部を有する遮光層を得ることができ、コントラスト性能が優れたレンチキュラーレンズシートを提供することができた。
なお、レンチキュラーレンズのレンズ単位の構成は、上記実施形態及び変形例のものに限られるものではなく、レンズ列をシートにより複数貼り合わせたものでもよいし、1枚のシート中にレンズ列を交差させて配置した形態であってもよい。また、略球面の一部からなる単位レンズを配置したいわゆるハエの目レンズ形態であってもよい。
本実施形態にかかる背面投射型スクリーンの構成の一部を示す斜視図。 本実施形態にかかる遮光層の部分拡大図。 本実施形態にかかる遮光層の部分拡大図。 本実施形態にかかる遮光層の部分拡大図。 本変形例にかかる背面投射型スクリーンの構成の一部を示す斜視図。 従来例にかかる背面投射型スクリーンの構成の一部を示す斜視図。 従来例にかかる背面投射型スクリーンの構成の一部を示す斜視図。 従来例にかかる背面投射型スクリーンの構成の一部を示す斜視図。
符号の説明
10,11 レンチキュラーレンズシート
12、22 第1のレンズ列
13、23 第2のレンズ列
14、24 第1のレンズ層
15、25 第2のレンズ層
16、26 充填層
17、27 遮光層
18、28 開口部
19、29 前面板

Claims (10)

  1. 入射光を所定方向に集光する第1のレンズ単位と、
    該第1のレンズ単位の集光方向と略直交する方向に集光する第2のレンズ単位と、
    該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位より光出射側に形成された遮光層とを備えたレンチキュラーレンズシートであって、
    該遮光層には、該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位を通過した該入射光が通過可能な開口部が形成されており、当該開口部は、該入射光が通過する形状に対応した入射光通過部と、当該入射光通過部のうち隣接するもの同士を所定の方向に連結せしめる連結部とを備えるレンチキュラーレンズシート。
  2. 上記連結部の開口部の連結方向に略直交する開口幅の最小値の平均値は、上記入射光通過部の該連結方向に略直交する開口幅の最大値の5[%]以上、80[%]以下であることを特徴とする請求項1に記載のレンチキュラーレンズシート。
  3. 請求項1又は2のレンチキュラーレンズシートにおいて、
    上記第1のレンズ単位は第1のレンズ列により構成され、
    上記第2のレンズ単位は第2のレンズ列により構成され、
    当該第2のレンズ列は、レンズ界面の入射側と出射側が互いに屈折率の異なる光透過性材質により構成され、
    該第1のレンズ列から上記遮光層までの間が光透過性材質による中実構造であることを特徴とするレンチキュラーレンズシート。
  4. 入射光を所定方向に集光する第1のレンズ単位と、
    該第1のレンズ単位の集光方向と略直交する方向に集光する第2のレンズ単位と、
    該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位より光出射側に形成された遮光層とを備えたレンチキュラーレンズシートの製造方法であって、
    該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位を形成するステップと、
    該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位を形成した後に、該第1のレンズ単位及び該第2のレンズ単位を通過した入射光の出射面側に、該入射光が通過する形状に対応した入射光通過部と、この入射光通過部のうち隣接するもの同士を所定の方向に連結せしめる連結部とを備える開口部を有する遮光層を形成するステップとを備えたレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  5. 請求項4のレンチキュラーレンズシートの製造方法において、
    上記第1のレンズ単位は第1のレンズ列により構成され、
    上記第2のレンズ単位は第2のレンズ列により構成され、
    当該第2のレンズ列は、レンズ界面の入射側と出射側が互いに屈折率の異なる光透過性材質により構成され、
    該第1のレンズ列から上記遮光層までの間が光透過性材質による中実構造であることを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  6. 請求項5又は6のレンチキュラーレンズシートの製造方法において、
    上記遮光層を形成するステップは、
    上記レンチキュラーレンズシートの光出射面側に感光性材質層を形成するステップと、
    該レンチキュラーレンズシートの入射面側から光を照射して該感光性材質層にレンズパターンに対応した感光部を形成するステップと、
    該感光部のうち隣接するもの同士が連結するように連結部に光を照射するステップを備え、
    該感光性材質層のうちの未露光部を該遮光層とすることを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  7. 請求項6のレンチキュラーレンズシートの製造方法において、
    上記連結部に光を照射するステップは、
    上記連結方向に上記光通過部を形成する光源とは拡散性及び/又は平行度の異なる光源を用いて行われることを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  8. 請求項5,6,又は7のレンチキュラーレンズシートの製造方法において、
    上記感光性材質層が感光性粘着層であることを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  9. 請求項5,6,又は7のレンチキュラーレンズシートの製造方法において、
    上記感光性材質層が、第1の組成物と該第1の組成物よりも表面自由エネルギーが低い第2の組成物とからなる光硬化性組成物層であり、
    該光硬化性組成物層が該第2の組成物よりも表面自由エネルギーが低い媒質に接触した状態で、該レンチキュラーレンズシートの入射面側から該光硬化性組成物層に光を照射し、該レンチキュラーレンズパターンによる集光部分にある該光硬化性組成物層に光を照射し、該レンチキュラーレンズパターンによる集光部分にある該光硬化性組成物層を硬化するステップと、
    該光硬化性組成物層が該第1の組成物よりも表面自由エネルギーが高い媒質に接触した状態で、該光硬化性組成物層側から該光硬化性組成物層に光を照射し、該集光部分以外の非集光部分にある該光硬化性組成物を硬化するステップと、
    該光硬化性組成物層上に着色材料を配置し、該非集光部分に対応した遮光パターンを形成するステップとを備えたことを特徴とするレンチキュラーレンズシートの製造方法。
  10. 背面投射型プロジェクタより出射された光を一定の角度の範囲内になるように絞り込むフレネルレンズシートと、
    請求項1、2,3、又は4に記載のレンチキュラーレンズシートと、
    該レンチキュラーレンズシートの出射面側に設けられた前面板とを備えた背面投射型スクリーン。
JP2004193254A 2004-06-30 2004-06-30 レンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーン、及びレンチキュラーレンズシートの製造方法 Withdrawn JP2006017839A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004193254A JP2006017839A (ja) 2004-06-30 2004-06-30 レンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーン、及びレンチキュラーレンズシートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004193254A JP2006017839A (ja) 2004-06-30 2004-06-30 レンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーン、及びレンチキュラーレンズシートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006017839A true JP2006017839A (ja) 2006-01-19

Family

ID=35792202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004193254A Withdrawn JP2006017839A (ja) 2004-06-30 2004-06-30 レンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーン、及びレンチキュラーレンズシートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006017839A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007264134A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Dainippon Printing Co Ltd マイクロレンズを有するレンズ成型フィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007264134A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Dainippon Printing Co Ltd マイクロレンズを有するレンズ成型フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7885003B2 (en) Optical diffusing sheet, optical deflecting sheet, and transmission type screen
JPWO2006009193A1 (ja) 背面投射型スクリーン及び背面投射型プロジェクション装置
US6862139B2 (en) Rear projection screen, optical component thereof, and method for manufacturing the optical component
KR100612553B1 (ko) 렌티큘라 시트 및 이를 이용하는 투과형 스크린
KR100733758B1 (ko) 렌티큘러 렌즈 시트, 배면 투사형 스크린 및 배면 투사형프로젝션 장치, 그리고 렌티큘러 렌즈 시트의 제조방법
JP3959392B2 (ja) レンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーン及び背面投射型プロジェクション装置並びにレンチキュラーレンズシートの製造方法
JP4078832B2 (ja) レンズアレイシートおよび透過型スクリーン
JP2006017839A (ja) レンチキュラーレンズシート、背面投射型スクリーン、及びレンチキュラーレンズシートの製造方法
JP4177085B2 (ja) フレネルレンズ
JP2006047784A (ja) 遮光帯を有するレンズシート及びその製造方法
JP2006065185A (ja) 透過型スクリーン及びその製造方法並びに背面投射型表示装置
JP2007178674A (ja) レンズシート及びレンズシートの製造方法
TW200304579A (en) Micro-lens sheet and projection screen
JP4706245B2 (ja) 拡散レンズアレイシート、透過型スクリーン、背面投射型ディスプレイ装置
JP2006301589A (ja) 光拡散部材及びその製造方法並びに透過型スクリーン
JPH10339915A (ja) 背面投射スクリーンとその製造方法とそれを用いた画像表示装置
JP4788405B2 (ja) レンズシート及び透過型プロジェクションスクリーン
JP2006039044A (ja) 背面投射型スクリーン及び背面投射型プロジェクション装置
JP2002014422A (ja) 透過型スクリーン
KR20070035609A (ko) 배면 투사형 스크린 및 배면 투사형 프로젝션 장치
JP2005004059A (ja) 透過型スクリーン及び背面投射型表示装置
JP2004045588A (ja) 透過型スクリーン
JP2007147831A (ja) 遮光層付きレンズシートの製造方法、光拡散シート、その製造方法及び背面投影型ディスプレイ
JP2007183389A (ja) 透過型スクリーンの製造方法及びリアプロジェクションテレビ
JP2006234981A (ja) 透過型スクリーン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070423

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20081112