JPWO2005117712A1 - 画像診断支援方法及び画像診断支援装置 - Google Patents

画像診断支援方法及び画像診断支援装置 Download PDF

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Abstract

1以上の医用画像撮影装置により同一被検体の同一部位を撮影して得られた複数の画像であって、各々が撮影された時の位置情報を有する画像を取得する取得工程と、前記複数の画像の中から第1画像と第2画像を選択する選択工程と、前記第1画像と前記第2画像とを表示する表示工程と、前記第1画像上で1以上の第1基準点を指定する工程と、前記第2画像上で前記第1基準点の各々の位置に対応する第2基準点をそれぞれ求める工程と、前記第1基準点毎にそれを内部に含む第1領域を抽出する第1工程と、前記第2基準点毎にそれを内部に含む第2領域を抽出する第2工程と、を有し、前記第1工程と前記第2工程は、何れが先か又は両方同時に行われることを特徴とする画像診断支援方法である。

Description

本発明は、画像診断支援方法及び画像診断支援装置に係り、特に複数種類の画像データに基づいて表示された被検体の同一部位における複数の画像から臓器等の領域を好適に抽出する技術に関する。本出願は、日本国特許法に基づく特願2004−165427号及び特願2004−222713号にかかる特許出願を基礎とするパリ優先権主張を伴う出願である。
一つの被検体の部位を、複数の医用画像撮影装置を用いて撮影し、表示可能とした画像診断支援システムがある。このようなシステムの目的は、診断技術の向上、特に一種類の医用画像撮影装置では観察不可能な部位を他の医用画像撮影装置において補うことにある。
例えば、特許文献1は、外部からのボリューム画像を含む複数の画像を入力可能とする画像データ入力装置を設け、特定被検体における特定診断部位のBモード像(B mode image)表示の際に、該Bモード像の断層位置に対応する位置における同被検体の同診断部位断層像を前記画像データ入力装置からの画像により得て、前記Bモード像に並べて若しくは重ねて、または一定時間間隔で交互に表示させる画像位置関係付け表示手段を具備した超音波撮影装置を開示している。
特開平10−151131号公報
しかし、特許文献1に記載された超音波撮影装置では、所望部位の位置確認等を簡単、迅速、かつ正確に行えるようにするために、現在得られているBモード像とそれと同様の部位についてのX線CT装置やMRI装置等による解剖学的画像との位置関係付け(特に位置合わせ)を自動的に行うことに留まっていて、その他の機能はなかった。
本発明の目的は、医用画像撮影装置を用いて得られた被検体の同一部位の画像を表示する際に、特に、臓器等の領域を好適に抽出することが可能な画像診断支援方法及び画像診断支援装置を提供することである。更に、本発明の目的は、領域抽出法を用いて血管の領域を求め、狭窄率を測定することである。
前記目的を達成するために、本発明に係る画像診断支援方法は、1以上の医用画像撮影装置により同一被検体の同一部位を撮影して得られた複数の画像であって、各々が撮影された時の位置情報を有する画像を取得する取得工程と、前記複数の画像の中から第1画像と第2画像を選択する選択工程と、前記第1画像と前記第2画像とを表示する表示工程と、前記第1画像上で1以上の第1基準点を指定する工程と、前記第2画像上で前記第1基準点の各々の位置に対応する第2基準点をそれぞれ求める工程と、前記第1基準点毎にそれを内部に含む第1領域を抽出する第1工程と、前記第2基準点毎にそれを内部に含む第2領域を抽出する第2工程と、を有し、前記第1工程と前記第2工程は、何れが先か又は両方同時に行われる。
また、本発明に係る画像診断支援方法は、医用画像撮影装置により被検体の血管を撮影して得られた画像であって、血液が流れる管腔領域と血管組織領域とからなる血管断面領域を含む画像を取得する工程と、前記管腔領域及び前記血管組織領域とを抽出する工程と、前記管腔領域及び前記血管組織領域とから前記血管の狭窄率を求めるために必要な複数のパラメータを抽出する工程と、前記複数のパラメータを用いて前記血管の狭窄率を算出する工程と、を含む。
また本発明に係る画像診断支援装置は、1以上の医用画像撮影装置により同一被検体の同一部位を撮影して得られた複数の画像であって、各々が撮影された時の位置情報を有する画像を取得する手段と、前記複数の画像の中から2以上の画像を選択する手段と、前記選択された2以上の画像を表示する手段と、前記選択された2以上の画像のうちの一の画像上で、1以上の第1基準点を指定する手段と、前記選択された2以上の画像のうちの他の一以上の画像上で、前記第1基準点の各々の位置に対応する第2基準点をそれぞれ求める手段と、前記第1基準点毎にそれを内部に含む第1領域と、前記第2基準点毎にそれを内部に含む第2領域とを抽出する手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る画像診断支援装置は、医用画像撮影装置により被検体を撮影して得られた画像を取得する手段と、前記画像から所望の領域を抽出する領域抽出手段と、を備えた画像診断支援装置において、前記画像は、所望の血管の管腔領域と血管組織領域とを含み、前記領域抽出手段は、前記管腔領域と前記血管組織領域とを抽出し、前記管腔領域と前記血管組織領域とから、前記血管の狭窄率を求めるために必要な複数のパラメータを求める手段と、前記複数のパラメータを用いて前記血管の狭窄率を算出する手段と、を有する。
本発明によれば、医用画像撮影装置を用いて得られた被検体の同一部位の画像を表示する際に、特に、臓器等の領域を好適に抽出することが可能な画像診断支援方法及び画像診断支援装置を提供することができる。更に、本発明によれば、血管の狭窄率を精度良く測定することができる。
図1は、第一実施形態に係る画像診断支援システムの全体構成を示す。 図2(a)は、2つの医用画像10、11のうちの一の医用画像10において基準点12を設定し、その基準点12に基づいて医用画像10において領域抽出した結果を示し、図2(b)は、基準点12に対応する基準点12aを医用画像11において設定した結果を示し、図2(c)は、医用画像11において基準点12aに基づいて領域を抽出した結果を示し、図2(d)は、医用画像10に医用画像11の抽出領域γの境界を重畳表示し、医用画像11に医用画像10の抽出領域βを重畳表示した状態を示す。 図3(a)は、血管の短軸像に基準点15、16を設定し、その基準点15、16に基づいて医用画像10において領域抽出した結果を示し、図3(b)は、基準点15、16に対応する基準点15a、16aを医用画像11において設定した結果を示し、図3(c)は、医用画像11において基準点15a、16aに基づいて領域を抽出した結果を示し、図3(d)は、医用画像10に医用画像11の抽出領域の境界を重畳表示した状態を示す。 図4は、一つの医用画像撮影装置により2つの画像が表示された様子及び領域抽出の過程を示す。 図5は、第四実施形態に係る超音波撮影装置の全体構成を示す。 図6(a)は、血管組織領域と管腔領域とに基準点を設定する例を示し、図6(b)は、血管組織領域と管腔領域との面積を計測して狭窄率を算出する例を示し、図6(c)は、血管組織領域と管腔領域との径を計測して狭窄率を算出する例を示す。 図7(a)は、血管組織領域と管腔領域とに基準点を設定する例を示し、図7(b)は、血管組織領域と管腔領域との径を計測して狭窄率を算出する例を示す。 第四実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。 図9(a)は、領域抽出結果の一利用例を示す図であって、抽出領域β、γの境界を強調して重ね合わせて表示した状態を示し、図9(b)は、抽出領域βと、抽出領域γとの質感を強調し、抽出領域βと抽出領域γとをそれぞれ個別に表示した状態を示し、図9(c)は、抽出領域βと、抽出領域γとの質感を強調し、抽出領域βに抽出領域γを重ね合わせて表示した状態を示す。 形状計測機能の実行結果を表示した状態を示す。 異角度画像93と時系列画像94とを一画面に表示した状態を示す。 管腔領域の算出方法を示す。 抽出領域γに病巣部が含まれる場合の重ね合わせ態様を示す。
符号の説明
1 医用画像撮影装置
2 医用画像撮影装置
3 基準位置
4 位置合わせ部
5 画像表示部
6 入力装置
7 制御部
8 領域抽出部
9 抽出領域表示・計測部
10 医用画像
11 医用画像
12 基準点
12a 基準点
13 表示画面
14 表示画面
15 基準点
15a 基準点
16 基準点
16a 基準点
18 医用画像
19 基準点
19a 基準点
20 医用画像
90 医用画像
91 医用画像
92 表示領域
93 異角度画像
94 時系列画像
95 サムネイル画像
96 サムネイル画像
97 サムネイル画像
100 探触子
102 送受信部
104 整相部
106 血流速度演算回路
108 B像構成部
110 DSC
112 表示部
114 操作卓
116 制御部
118 領域抽出計算部
119 血流信号判定部
120 画像データ抽出部
121 狭窄率計算部
200 病巣部
201 領域
202 領域
203 基準点
204 基準点
205 近似円
206 近似円
301 領域
302 領域
303 基準点
304 基準点
305 基準点
1300 表示画面
1301 表示画面
1302 表示画面
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態は、二以上の医用画像から対応する領域をそれぞれ抽出する実施形態である。
図1は、本発明を適用した画像診断支援システムの実施形態の全体構成を示す。ここでは、2種類の異なる医用画像撮影装置による医用画像同時形成の場合を考える。以下、便宜上画面に表示される2つの医用画像を医用画像A、医用画像Bとそれぞれ表記する。
図1によれば画像診断支援システムは、医用画像撮影装置1と、医用画像撮影装置2と、医用画像撮影装置1、2により取得された医用画像の相対的な位置合わせに必要な空間的な基準を定める基準位置3と、医用画像撮影装置1、2により取得された、それぞれの医用画像の位置合わせを行う位置合わせ部4と、それぞれの医用画像を同時に表示する画像表示部5と、抽出領域部位の選択、指示等をする入力装置6と、領域抽出を行う領域抽出部8と、領域抽出部8において得られた領域を様々な形態で画像表示部5へ表示し、また抽出された領域の長/短軸長などを計測する抽出領域表示・計測部9と、2種類ある医用画像A、医用画像Bの表示選択や、上記各抽出領域部位の選択、領域抽出法の選択、抽出領域計測事項の選択等を制御する制御部7等からなる。本実施の形態において、医用画像撮影装置1は、医用画像がリアルタイム表示可能な医用画像撮影装置である超音波撮影装置により構成する。また、医用画像撮影装置2は、撮影した医用画像の領域輪郭線が鮮明に読み取れる医用画像撮影装置であるX線CT装置又はMRI装置により構成する。X線CT装置又はMRI装置は、超音波撮影装置が医用画像を撮影する時間とは異なる時間に同一被検体の同一部位を撮影して画像データを生成する。したがって、本実施の形態では、超音波撮影装置でリアルタイムに撮影して得た画像データと、X線CT装置又はMRI装置により過去(即ち、超音波撮影装置で撮影した時間とは異なる時間)に撮影して得た画像データとに基づいて、同一被検体の同一部位を撮影した二種類の画像を画像表示部5に表示する。なお、画像データの組合せは上記の組合せに限らない。例えば、医用画像撮影装置1を超音波撮影装置、医用画像撮影装置2をX線CT装置又はMRI装置により構成し、共にリアルタイムに画像データを生成し、画像表示部5が二つのリアルタイム画像を表示しても良い。また、医用画像撮影装置1を超音波撮影装置、医用画像撮影装置2をX線CT装置又はMRI装置により構成し、それらが過去の異なる時間に撮影して画像データを生成する。そして、画像表示部5が、過去の異なる時間に撮影して得た二つの画像データに基づいて画像を表示しても良い。また、医用画像撮影装置1は、超音波撮影装置でなくてもよく、医用画像撮影装置1をX線CT装置、医用画像撮影装置2をMRI装置としてもよい。
次に、図1の画像診断支援システムの処理の流れについて説明する。
先ず、医用画像撮影装置1及び2のそれぞれにより、医用画像A、医用画像Bが得られる。例えば、医用画像撮影装置1は超音波撮影装置であり、医用画像撮影装置2はMRI(磁気共鳴イメージング)装置である。それぞれは固有の位置特定手段を持っていて、医用画像撮影装置1と2のそれぞれで得られたデータは、それぞれに共通の基準位置3を基準として(原点として)空間位置が特定される。例えば、医用画像撮影装置1が超音波撮影装置の場合では、磁気センサ等を用いて基準位置を原点とする画像の空間位置を特定する。これにより、医用画像撮影装置2のMRIで得られた同一箇所との、空間的な位置関係の特定が可能となる。それぞれの医用画像撮影装置にて得られた医用画像データは、位置合わせ部4により、その空間座標を一致させ、画像表示部5に表示される。以上により、異なる2つの医用画像撮影装置により得られる医用画像内の同一部位の、同時・同一画面上への表示が可能となる。位置合わせ手段は、例えば、特許文献1に記載されたように、任意に設定された座標空間内で被検体と探触子との相対位置及びその方向を検出し、3次元座標空間で、画像データ入力装置からの画像データと被検体の各部位の位置合わせができるようにキャリブレーションを行って診断画像内の各組織と体表(探触子の位置)との位置関係を検出することにより、超音波撮影装置で検査中の超音波断層面と、これに対応するX線CT装置の断層像やMRI装置の断層像とを超音波断層像と同一画面上に表示する手段として構成しても良い。
この様子を図2に基づいて説明する。
まず、画像診断支援システムは、医用画像撮影装置1により得られた医用画像データと、医用画像撮影装置2で得られた医用画像データとを読み込む。そして、これらの医用画像データに基づく医用画像を画像表示部5に表示する。
ユーザは、これらの医用画像のうち、領域抽出を行うための画像を選択する。本実施形態では、ユーザは、医用画像10を選択する。
次に、ユーザは、医用画像10において基準点12を入力装置6を用いて設定する。この基準点12は、医用画像10のうち、ユーザが希望する抽出領域に含まれる一点(基準点12)である。更に、ユーザは、抽出条件αを入力する。
領域抽出部8は、入力された抽出条件αに基づいて基準点12を含む希望領域(以下「抽出領域β」と記載する。)の抽出を行う。図2(a)は、領域抽出部8によりユーザが希望する領域の抽出がされた状態を示す。
領域抽出の方法は、画像の輝度情報に基づいて領域抽出する方法と、波形データに基づいて領域抽出する方法とがある。前者の場合、先に入力装置によって選ばれた画像の輝度情報が、画像表示部5から領域抽出部8に対して送られる。
領域抽出部8は、受信した画像の輝度情報に基づいて抽出を行う。領域抽出部8は、医用画像10に設定された基準点12の近傍の画素値を所定の閾値と順次比較して抽出領域βを抽出する(リージョングローイング)。領域抽出部8は、リージョングローイングの他、スネークなどの公知の手法を用いてもよい。
一方、後者の場合、被検体からの受信信号が、医用画像撮影装置から直接領域抽出部8へ送られる。領域抽出部8は、受信した被検体からの受信信号を用いて領域抽出を行う。
次に、得られた領域データβが抽出領域表示・計測部9に送られる。ユーザが、入力装置6を用いて画面表示条件を入力して決定する。画面表示部5は、先に入力装置6により選択された画像(本実施形態では医用画像10)に抽出領域βを表示する。画面表示条件とは、例えば、抽出領域に色付けにして全体を表示する、もしくは、輪郭のみを表示するなど、表示に関する条件のことである。また、ここで抽出領域の計測を行い、面積、長軸及び短軸、長径及び短径、などの幾何学情報や抽出領域の特徴量の計測を行なうことも可能である。
同時に、自動的に医用画像11において、医用画像10で選択した基準点12と同じ部位の領域抽出が行われる。具体的には、医用画像10で選択した、抽出基準点12の位置情報(位置座標)が医用画像11へ送られる。
図2(b)は、抽出領域表示・計測部9が、送られた基準点12の位置情報に基づいて、医用画像11における基準点12に相当する点(以下「基準点12a」と記載する。)を設定した結果を示す。
次に、領域抽出部8は、基準点12aに基づいて領域抽出を実行する。実行される領域抽出方法は、ユーザが入力装置6を用いて選択することにより決定される。領域抽出方法は、各医用画像にとって最適と思われる方法を選択できる。医用画像11に対して実行される領域抽出方法及び抽出条件は、医用画像10に用いられたものと同一でも良いし、異なっても良い。
図2(c)は、領域抽出部8により、基準点12aに基づいて領域抽出を実行し、抽出領域γを抽出した結果を示す。表示画面13には、医用画像10から抽出された抽出領域βと、医用画像11から抽出された抽出領域γとが表示される。
抽出結果として得られた抽出領域γは、先と同様に抽出領域表示・計測部9に送られる。そして、画像表示条件決定の後、抽出領域表示・計測部9は医用画像10の抽出領域βに抽出領域γの境界を重ね合わせた表示用データと、医用画像11の抽出領域γに抽出領域βの境界を重ね合わせた表示用データと、を生成し、画像表示部5に送信する。画像表示部5は、これらの表示用データを表示する。
図2(d)は、一方の医用画像から抽出した領域の境界を、他方の抽出領域に重ね合わせて表示した状態を示す。表示画面14には、抽出領域βに抽出領域γの境界を重ねた画像と、抽出領域γに抽出領域βの境界を重ねた画像とが表示される。
以上の操作により、異なる医用画像撮影装置に同一被検体の同一部位を撮影して得られた同一断面像を含む複数の医用画像を、同一画面において表示することができる。更に、前述した2つの医用画像のうち、任意の一の医用画像において任意部位の領域抽出を行うと、他の医用画像においても自動的に同一部位の領域抽出が行える。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施できる。
例えば、上記実施の形態では、異なる医用画像撮影装置で撮影した複数の医用画像を用いて説明したが、同一の医用画像撮影装置で撮影した複数の医用画像(例えば、同一のMRI装置を用いて、異なる時間において撮影した同一被検体の同一部位の断面像)に基づいて、上記実施の形態と同様の処理を行なってもよい。
また。上記実施の形態では、異なる医用画像撮影装置で撮影した複数の医用画像を用いて説明したが、同一種類であって異なる医用画像撮影装置を用いて撮影した医用画像を用いてもよい。例えば、複数の超音波診断装置を用いて同一被検体の同一部位を撮影した医用画像を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、まず基準点12が設定され、基準点12に基づいて抽出領域βが抽出された。そして、基準点12aが設定され、基準点12aに基づいて抽出領域γが抽出された。しかし、両医用画像10、11で基準点12、12aを設定し、医用画像10における領域抽出及び医用画像11における領域抽出を同時に行なってもよいし、先に医用画像11から抽出領域γを抽出し、その後医用画像10から抽出領域βを抽出してもよい。
また、上記実施形態では医用画像撮影装置が2つの場合を考えたが、医用画像は3つ以上でも良い。
例えば、3つの医用画像撮影装置が、同一部位、同時・同一画面表示を行い、三種類の医用画像データを生成する。画像診断支援システムは、これらの医用画像データを読み込み、これらの医用画像データに基づいて医用画像を画像表示部5に表示する。ユーザは、表示された医用画像のうち、領域抽出の処理を行うための三つの医用画像(医用画像撮影装置毎に1枚)を選択する。画像診断支援システムは、上記三つの医用画像のそれぞれにおいて、他の二つの医用画像から抽出した領域の境界を重畳表示する。
具体的には、第一の医用画像は、第一の医用画像から抽出された領域を実線及び色分け表示を用いて表示する。その第一の医用画像により抽出された領域に、第二の医用画像から抽出された抽出領域の輪郭線(境界)を一点鎖線で重畳表示する。更に、第三の医用画像から抽出された抽出領域の輪郭線を点線により重畳表示する。
また、第二の医用画像は、第二の医用画像から抽出された領域を細い実線及び色分け表示を用いて表示する。その第二の医用画像により抽出された領域に、第一の医用画像から抽出された抽出領域の輪郭線を太い実線で重畳表示する。更に、第三の医用画像から抽出された抽出領域の輪郭線を点線により重畳表示する。
更に、第三の医用画像は、第三の医用画像から抽出された領域を細い実線及び色分け表示を用いて表示する。その第三の医用画像により抽出された領域に、第一の医用画像から抽出された抽出領域の輪郭線を太い実線で重畳表示する。更に、第二の医用画像から抽出された抽出領域の輪郭線を一点鎖線により重畳表示する。
第一の医用画像から抽出された抽出領域に重畳されるデータの数は3種類でも2種類でもよく、ユーザが自由に選択可能である。また、どの画像にどの画像から得られた領域抽出結果を重畳するかも自由に選択可能である。
以上、2つ以上の医用画像撮影装置に関し、同一部位を同一画面内に同時に表示し、かつ同一部位抽出を行う医用画像撮影装置の説明をしたが、図1に示す医用画像撮影装置1、2は実際の装置をそのまま取り付ける場合でなくてもよい。例えば、特許文献1に示されたように、外部からのボリューム画像を含む複数の画像を入力データとして用いて入力し、同様のことを行っても良い。
また、本実施形態では同一画面上のそれぞれの部分(左と右)に各医用画像撮影装置を用いて得られた画像を表示する場合を示したが、画面上の同一部分に複数の画像を重ねて示しても良い。例えば、医用画像10の抽出領域βに、抽出領域γを重ね合わせて表示してもよい。
また、各医用画像撮影装置で得られた画像について領域抽出する部位は同一である必要はなく、異なってもよい。例えば、超音波撮影装置により得られた画像については心臓を領域描出し、MRI装置により得られた画像については肺を領域描出し、重畳して表示するような場合でも本発明の要旨は逸脱しない。以上の実施形態により、一つの医用画像撮影装置では不明瞭な部位の領域情報を、より正確に把握することが可能となり、様々な治療・診断への応用、補助が可能となる。
<第二実施形態>
第二実施形態は、第一実施形態の領域抽出方法を用いて血管の狭窄率を求める実施形態である。第一実施形態では、最初にユーザが指定する基準点が一つであったのに対し、本実施形態では、ユーザが二つの基準点を指定する点が異なるが、その他の部分は、第一実施形態と同様である。以下、図3に基づいて第二実施形態について説明する。図3は、医用画像10から、血管の狭窄率を求める対象となる領域を抽出する処理を示す図である。
ユーザは、血管の短軸像を含む医用画像10において、血管領域を構成する血管組織領域(以下「組織領域」という。)と管腔領域(血液が流れる領域)とにそれぞれ基準点15、16を設定する。領域抽出部8は、その基準点15、16に基づいて医用画像10から組織領域と管腔領域とを抽出する。図3(a)は、この抽出した結果を示す。
次に、医用画像11において、基準点15、16に対応する基準点15a、16aが設定される。図3(b)は、基準点15a、16aが設定された結果を示す。
領域抽出部8は、基準点15a、16aに基づいて領域を抽出する。図3(c)は、この結果を示す。
抽出領域表示・計測部9は医用画像10の抽出領域に、医用画像11の抽出領域の境界を重ね合わせた表示用データを生成し、画像表示部5に送信する。画像表示部5は、これらの表示用データを表示する。図3(d)は、医用画像10に医用画像11の抽出領域の境界を重畳表示した状態を示す。
上記実施形態により、血管の組織領域と管腔領域とが抽出される。この組織領域と管腔領域とに基づいて、血管の狭窄率が求められる。血管の狭窄率の算出方法は図6に基づいて後述する。
<第三実施形態>
第三実施形態では、一の医用画像撮影装置により同一被検体の同一部位を別の角度から撮影して得られた画像データを並べて表示し、一方の医用画像で抽出した抽出領域を、他方の医用画像において自動的に抽出する形態である。図4は、本実施の形態の画面表示例を示す。
図4の医用画像18は、同一被検体のある血管断面を撮影した医用画像である。また、図4の医用画像20は、前記血管断面を有する血管を側面から撮影した医用画像である。ユーザが、医用画像18の血管組織領域の一点19を入力装置6により指定すると、19を基準とした血管組織領域が抽出される。この抽出された血管組織領域は、医用画像18において斜線部分で示される。領域抽出部8は、医用画像20において19に対応する点19aを抽出する。そして、点19aを含み、医用画像18における19を含む血管組織領域に対応する領域を医用画像20から領域抽出する。なお、本来は、点19aを含む血管組織領域に対応する領域は、医用画像20において直線(1ピクセル)領域に相当するが、点19aを含む左右数ピクセルの幅を持つ帯状の領域として表示してもよい。これにより、直線により表示する場合に比べて視認性を向上させることができる。
<第四実施形態>
第四実施形態は、医用画像撮影装置の具体例として超音波撮影装置に特化して説明する。
超音波撮影装置は、図5に示すように、被検体(図示しない。)に超音波を送信すると共に、その被検体からの反射エコー信号を受信する探触子100と、探触子100を駆動する信号を生成すると共に、前記反射エコー信号を増幅等の信号処理を行う送受信部102と、前記信号処理された反射エコー信号を整相する整相部104と、血流速度を演算する血流速度演算回路106と、前記整相された信号をB像として表示させるためのB像構成部108と、モニタの走査線へ走査変換を行うデジタルスキャンコンバータ部(DSC)110と、前記走査変換された信号を表示する表示部112と、表示部112に表示された画像に関心領域(ROI)を設定する画像データ抽出部120と、前記設定されたROIの中の領域を抽出する領域抽出計算部118と、領域抽出計算部118で求めた領域から狭窄率を計算する狭窄率計算部121と、送受信部102、整相部104、血流速度演算回路106、領域抽出計算部118、画像データ抽出部120をそれぞれ制御する制御部116と、制御部116に各種制御情報を操作者によって入力される操作卓114とを備えている。
血流速度演算回路106は、送受信部102で得た反射エコー信号を入力し被検体内の血流によりドプラ偏移を受けた周波数信号を取り出すものであって、探触子100から送受信する超音波の周波数付近で発振する参照周波数信号を発生する局部発振器と、この局部発振器からの参照周波数信号の位相を例えば90度ずらす90度位相器と、反射エコー信号と局部発振器又は90度位相器からの参照周波数信号とを乗算するミキサ回路と、このミキサ回路の出力のうち低周波数成分を取り出す高域遮断フィルタとを有している。
血流速度演算回路106は、ドプラ復調回路から出力されるドプラ偏移を受けた周波数信号(以下「ドプラ信号」という)を用いて被検体内の血流速度を演算するもので、その内部には、ドプラ信号を入力して診断部位血管の血流の平均速度を求める平均速度演算部及び上記血流の速度分散を求める速度分散演算部などを有している。血流速度演算回路106を介して得られたデータを入力してその血流状態に応じた色信号に変換すると共に、ディジタル信号をビデオ信号に変換する。
表示部112は、出力される色信号(ビデオ信号)を入力して例えば赤色又は青色に色分け表示するもので、カラー表示可能なテレビモニタから成る。
血流信号判定部119は、血流速度演算回路106によって求められたドプラ信号が表示部112において画像化された画像で、色信号が存在するかどうか(ドプラ信号が存在するかどうか)を測定することにより、血流信号の有無を判定する。
画像データ抽出部120は、表示されている画像に関心領域(ROI)を設定する。これら関心領域の大きさや向き(角度)は操作者が任意に変更することができる。矩形や楕円形で関心領域を設定する代わりに、表示部112にはあらかじめ太実線で囲まれた領域のみが表示されるようにしておき、太実線領域内を関心領域としてもよい。この関心領域は、被検体の診断部位について血流速度を検出するためのものであり、B像上で例えば頚動脈血管と考えられる箇所に設定される。
次に領域抽出計算部118について図6を用いて説明する。領域抽出計算部118は、画像データ抽出部120によって設定された関心領域内で血流信号判定部119によって血流信号が有りとして判定した領域の1点を基準点204として設定する。そして、領域内の画素値の幅を認識させるため閾値、或いは閾値幅の設定を行う。例えば、表示部112に表示される基準点の画素値「3」と設定した閾値幅「47」を用いて、閾値は「3±47」で与えられる。つまり下部閾値は「−44」、上部閾値は「50」となる。制御部116は基準点204の周囲の画素を検索し、閾値の範囲内の画素値をもつ領域をつないでいく。最終的に基準点204を含み閾値の範囲内の画素値をもつ領域202が得られる。この領域202は、血管において血液が流れる管腔領域である。
そして、領域202の外側の領域に基準点203を設定する。狭窄領域の基準点の設定は、例えば領域202の1mm外側と予め設定しておく。制御部116は基準点203の周囲の画素を検索し、閾値の範囲内の画素値をもつ領域をつないでいく。最終的に基準点203を含み閾値の範囲内の画素値をもつ領域201が得られる。この領域201は、血管壁を形成する血管組織領域である。
図6(a)は、領域202とその周囲に位置する領域201及び、領域202と領域201とに含まれる基準点204、203を示す。
次に図6(b)に示すように領域201と領域202の面積S(a)とS(b)を求める。この領域の面積は、領域抽出計算部118で画素の領域面積すなわち画素数を計算する。そして、狭窄率は狭窄率計算部121で数1式により求められる。
[数1]
狭窄率=S(b)/S(a) (1)
そして、この求めた狭窄率は、表示部112に表示させる。なお、狭窄率は相対的な値であるため、近似円205、206の直径を求めてもよい。例えば、図6(c)のように面積S(a)とS(b)を求め、その求めた面積を円周率×半径×半径として円形に近似し、円の直径(半径×2)を求めて狭窄率を数2式(2)により求める。または、領域201及び領域202の各長軸を直接計測することにより、L1及びL2を求めても良い。
[数2]
狭窄率=L2/L1 (2)
そして、この求めた狭窄率は、表示部112に表示させる。頚動脈部の短軸方向の領域抽出による狭窄率の測定を説明したが、長軸方向でも狭窄率の測定は可能である。
長軸方向の領域抽出による狭窄率の測定の具体例を図7に示す。領域抽出計算部118は、画像データ抽出部120によって設定された関心領域内で血流信号判定部119によって血流信号が有りとして判定した領域の1点を基準点304として設定する。領域内の画素値の幅を認識させるため閾値、或いは閾値幅の設定を行う。
制御部116は基準点304の周囲の画素を検索し、閾値の範囲内の画素値をもつ領域をつないでいき、基準点304を含み閾値の範囲内の画素値をもつ領域302が得られる。領域302の領域が画面の端部までおよぶ領域であれば、領域302を画面の端部まで領域をつなげる。この領域302は、管腔領域である。
そして、領域302の両外側に基準点303と基準点305とを2箇所設定する。例えば、領域抽出計算部118は、基準点303と基準点305を領域302の端部から0.5mm外の点として指定する。この基準点303及び基準点305に基づいて図6と同様に血管組織領域である領域301を抽出する。図7(a)は、領域301、302及び基準点303、304、305を示す図である。
次に領域301と領域302を用いて、血管の狭窄率を測定する。図7(b)に示すように、血管の軸方向に断面の直径を測定する。そして、狭窄率計算部121は数3式に従って狭窄率を求める。
[数3]
狭窄率=L2/L1、狭窄率={L1−(L3+L4)}/L1 (3)
表示部112は、この求められた狭窄率を表示する。このように、領域抽出法を用いて血管の短軸方向或いは長軸方向の領域を求め、狭窄率を測定することができる。
また、長軸方向で狭窄率を求めた断面に探触子100をスライドさせてその断面を軸方向で狭窄率を求めることにより、狭窄率計算部121は、長軸方向と短軸方向で測定した狭窄率の平均値を計算し、平均値を表示部112に表示させることもできる。したがって、さらに精度を高めて狭窄率を測定することができる。
次に図8に従って、本実施形態の動作手順を説明する。図8は、本実施の形態の処理の流れを示すフローチャートである。
S401では、血流速度演算回路106がドプラ信号を計測する。(ステップ401)
S402では、領域抽出計算部118が、ドプラ信号がある箇所に基準点を設定し、更に画素の閾値幅を設定する。(ステップ402)
S403では、領域抽出計算部118が、基準点204の周囲の画素を検索し、閾値の範囲内の画素値をもつ領域をつなぎ、基準点204を含み閾値の範囲内の画素値をもつ領域202を得て、第1領域を抽出する。(ステップ403)
S404では、領域抽出計算部118が、第1領域の外の領域に基準点203を設定し、更に画素の閾値幅を設定する。(ステップ404)
S405では、領域抽出計算部118が、基準点203の周囲の画素を検索し、閾値の範囲内の画素値をもつ領域をつなぎ、基準点203を含み閾値の範囲内の画素値をもつ領域201が得て、第2領域を抽出する。(ステップ405)
S406では、狭窄率計算部121が、第1領域と第2領域の面積又は直径を用いて狭窄率を演算する。(ステップ406)
本発明では基準点の設定を領域抽出計算部118が行うとしているが、操作卓114を用いて手動で設定を行ってもよい。また、上記において、超音波撮影装置に本発明を適用した実施形態について説明したが、超音波撮影装置の代わりに被検体を撮影して画像データを生成する他の医用画像撮影装置、例えばX線CT装置、MR装置、X線撮影装置等に本発明を適用してもよい。
以上、管腔領域と血管組織領域面積とを、独立な基準点から、それぞれ任意の領域抽出法により求め、狭窄率を求める手段を説明したが、管腔領域抽出には、前述した血流存在領域を示すドプラ信号から直接求めても良い。血流の存在を示すドプラ信号は一般に色を付けてモニタに表示される。血管組織領域を抽出するための、基準点203が定められ、例えば前述した領域抽出法により、血管組織領域が求められた場合、血流の存在する管腔領域は、血管組織領域の内側に色情報を持ってモニタ上に示される。管腔領域の抽出には、その色情報を持っているピクセル数を数えるだけでも求めることが可能である。
管腔領域の抽出に、血流有無情報をもつドプラ信号を用いた場合を示したが、血流有無情報を示すものはドプラ信号に限らない。血流、もしくは血流存在部位と、周辺組織とを識別して表示できる全ての診断手法により得られる信号が対象となる。
さらに、管腔領域は、領域抽出により直接求めなくても、血管組織領域を求めることのみからも抽出できる。例えば、血管短軸を例に説明する。図12に示すように、血管組織領域201は上述した手法により、基準点203より領域抽出法により求めることが可能である。血管組織領域と管腔領域を含む、血管領域は血管組織領域の最外郭内部1000として定義され、その面積はS(1)にて与えられる。管腔領域は、血管組織領域内部1000から、血管組織領域201、面積S(a)の差分を取ることにより求めることができる。狭窄率は、前述した図6に示す方法にて同様に求めることが可能である。この方法では、血管組織領域と管腔領域それぞれから、独立に基準点を用意し領域を求めなくても、血管組織領域にのみ、基準点を示し、領域抽出することで抽出率を求めることが可能となる。
[数4]
管腔領域面積S(b)=血管領域面積(S1)-血管組織領域面積(S(a)) (4)
これは、血管長軸に関しても、同様に行うことが可能である。
以上、血管狭窄率の導出について述べたが、狭窄率の導出が必要な他の部位に関しても、同様に求めることが可能となる。
<第五実施形態>
第五実施形態は、二つの医用画像で領域抽出した後の、領域抽出結果の一利用例である。
本実施形態にかかる画像診断支援システムは、画像表示の表示パラメータを、特に抽出領域が見やすくなるように自動調整する機能(ゲイン・ダイナミックレンジ自動調整機能)を実行する手段を有する。ゲイン・ダイナミックレンジ自動調整機能は、第一実施形態の抽出領域表示・計測部9が実行してもよいし、第一実施形態及び第四実施形態の各構成要素に加えてゲイン・ダイナミックレンジ自動調整手段を更に備えてもよい。
ゲイン・ダイナミックレンジ自動調整機能は、抽出領域の画像信号地の分布幅が、画像表示の最大階調幅に合うようにゲイン・ダイナミックレンジを調整して表示する機能である。その結果抽出領域の視認性を向上させることができる。なお、抽出領域以外の領域(以下「背景領域」という。)は、極端に白色又は黒色表示となるが、画像診断において特に問題はない。
ゲイン・ダイナミックレンジ自動調整手段は、一方の医用画像から抽出した領域を他方の医用画像の抽出領域に重ねた場合に、重ねあわせた二つの領域が明瞭に視認できるように、各種パラメータを自動的に調整する。パラメータの調整パターンは、目的別に数種類のプリセットを用意しておいてもよい。プリセットの目的としては、例えば以下のものがある。
・ ユーザ(検者)の癖に応じたプリセット。
・ 体内部位(胆嚢、肝臓、膵臓などの臓器種別)に応じたプリセット。
・ 抽出部位(腫瘍部位、治療部位などの部位種別)に応じたプリセット。
更に、抽出領域と背景領域との比較条件、又は、二つの医用画像から抽出した抽出領域の比較条件に応じてプリセットを用意してもよい。比較条件としては、例えば以下のものがある。
・ 抽出領域の画像信号が、背景領域の画像信号に比べてハイポ(低信号)である場合に応じたプリセット。
・ 抽出領域の画像信号が、背景領域の画像信号に比べてハイパー(高信号)である場合に応じたプリセット。
・ 二つの医用画像から抽出した抽出領域の輪郭線(境界)の形状を比較して病理判断を行なうためのプリセット。
・ 二つの医用画像から抽出した抽出領域の内部描出状況(周辺領域に比べてごつごつ、ざらざらしているなどの質感)に応じたプリセット。
なお、プリセットは、上記以外の各種条件によって用意してもよい。
図9は、異なる時間に同一被検体の同一部位を撮影して得た医用画像90、91である。上記第一実施形態と同様の処理を行い、医用画像90から抽出領域βが抽出される。同様に、医用画像91から抽出領域γが抽出される。
図9(a)は、抽出領域γの境界を、医用画像90の抽出領域βに重ね合わせて表示する。
図9(a)では、ユーザは、ゲイン・ダイナミックレンジ自動調整のうち上記(6)のプリセットを選択し、抽出領域β及びβの境界が強調表示される。抽出領域β、γが、腫瘍部位である場合には、ユーザは、上記(3)のプリセットを選択してもよい。これにより、輪郭線の差が明瞭になり、この差からガン組織の成長の程度が判明する。
図9(b)は、ユーザが上記(7)のプリセットを選択し、抽出領域βと、抽出領域γとの質感を強調し、抽出領域βと抽出領域γとをそれぞれ個別に(重ね合わせることなく)表示する。これにより、二つの抽出領域の質感の違いを視認しやすくなる。
図9(c)は、ユーザが上記(7)のプリセットを選択し、抽出領域βと、抽出領域γとの質感を強調し、抽出領域βに抽出領域γを重ね合わせて表示する。これにより、質感の違いとともに抽出領域の大きさの違いも視認しやすくなる。
従来は、複数の医用画像を見比べる際、着目部位を見やすくするために手動でゲイン・ダイナミックレンジを調整していたが、本実施の形態により、最適な重畳表示画像を自動で得ることができる。
さらに、同一画面表示している各医療診断・画像装置において、抽出希望部位のみでなく、固有の情報をお互いに重ね合わせ表示することも可能である。例えば、抽出領域内の固さ、病変部位特定情報などである。
図13に、その例を示す。医用画像90と91が、それぞれ異なる診断装置から得られ、一画面上に表示されている。医用画像90では、領域βが、医用画像91では、領域βと同一部位の領域γがそれぞれ抽出されたとする。医用画像91では、抽出領域内γに、医用画像90では確認出来ない、例えば病変部200が特定されているとする。その場合、お互いの画像を重ね合わせる手段として、表示画面1300に示す。医用画像91中の病変部200の領域のみを医用画像90へ重ね合わせる方法や、表示画面1301に示すように医用画像91の抽出領域γ、および病変部200を共に、医用画像90へ重ね合わせる方法、または、表示画面1302に示すように、上述した他例同様、抽出領域輪郭のみを重ね合わせる手法などを合わせもつ。
上記は、病変部位の重ね合わせについて説明したが、これに限らず、抽出領域内の組織固さを色分けした情報などでもよい。
<第六実施形態>
第六実施形態は、抽出領域の形状計測機能を実現する手段を備える画像診断支援システムである。形状計測機能は、第一実施形態における抽出領域表示・計測部9が実行してもよいし、第一実施形態及び第四実施形態の各構成要素に加えて形状計測手段を備えてもよい。
形状計測手段は、抽出領域の特徴量、例えば実測面積値(S)、外周長(L)を計測する。更に、抽出領域が二つある場合には、各抽出領域の特徴量の比率、例えば、面積値(S1/S2)、長径比(L1/L2)を算出する。その他の幾何学情報や特徴量を計測してもよい。形状計測の実行指示は、一つの医用画像において行なうと、他の医用画像における抽出領域についても自動的に計測がされる。
例えば、図9(b)を表示している状態で、ユーザが、抽出領域β又は抽出領域γのいずれか一つを指定して、形状計測機能の実行を指示する。形状計測機能を実現する手段(例えば抽出領域表示・計測部9)は、抽出領域β及びβの実測面積値S1、S2、実測外周長L1、L2、及び面積比S1/S2、外周長比L1/L2を算出する。図10は、この算出結果を医用画像90、91とともに表示した状態を示す。図10は、医用画像90の抽出領域βと、医用画像91の抽出領域γと、形状計測結果を表示する表示領域92とを示す。形状計測結果は、表示領域92に表示される。
本実施の形態により、複数の医用画像に含まれる同一領域について、同時に自動計測することが可能となる。これにより、例えば、同一患者の治療前後などの経時的変化観察時に、診断補助情報を提供することができる。
<第七実施形態>
第七実施形態は、医用画像撮影装置が、同一被検体の同一部位を異なる時間において撮影した複数の医用画像を、画像診断支援システムが読み込む。これらの医用画像には、撮影された時間情報が含まれる。
そして、画像診断支援システムは、上記実施形態と同様の処理を行い、異なる時間に撮影された医用画像から同一部位を抽出する。本実施の形態では、同一の血管断面を抽出する。そして、本実施の形態にかかる画像診断支援システムは、これらの抽出領域(異なる時間に撮影された同一の血管断面)を時系列に沿って表示した時系列画像と、その時系列画像から任意時間を指定し、その任意時間(ユーザが所望する時点)において異なる角度から同一部位を表示した異角度画像と、を一画面に表示する。時系列画像は、複数時相画像の集合画像であって、ある血管断面の時間的変化を表す画像である。
図11は、異角度画像93と時系列画像94とを一画面に表示した状態を示す。時系列画像94は、同一部位(血管の一断面)を異なる時間で撮影した画像を、時間軸t方向に沿って並べて表示した画像である。時系列画像94は、同一の血管の断面の狭窄率が、時間によって異なることを示す。
ユーザが、マウスやトラックボールなどの入力装置6を用いて時系列画像94のうちの任意の時相を選択する。すると、その時相における同一部位を異なる角度から表示した異角度画像93が表示される。異角度画像93は、ユーザが指定した時相の断面(異角度画像93における最外円)のみを表示してもよいし、その時相よりも後の時相における断面(点線で表示された断面)も合わせて表示してもよい。異角度画像93は、シネメモリから医用画像を読み出すことにより表示することができる。
画像診断支援システムは、時系列画像94の任意時相に対応する異角度画像のサムネイル画像95、96、97を合わせて表示してもよい。
本実施の形態により、異なる時間に撮影した複数の医用画像を時系列に沿って表示した時系列画像と、その時系列画像における任意の時相に対応する異角度画像とを同一画面上に表示することができ、診断能の向上を図ることができる。
医用画像に限らず、同一被検体(又は被写体)を撮影した複数の画像を並列して表示する際に、一方の画像から領域を抽出処理を行なうと、他の画像において対応する領域を抽出する用途にも適用できる。また、血管の狭窄率を計測する他、他の管腔臓器や管腔状の被写体の狭窄率を測定する用途にも適用できる。

Claims (20)

  1. 1以上の医用画像撮影装置により同一被検体の同一部位を撮影して得られた複数の画像であって、各々が撮影された時の位置情報を有する画像を取得する取得工程と、
    前記複数の画像の中から第1画像と第2画像を選択する選択工程と、
    前記第1画像と前記第2画像とを表示する表示工程と、
    前記第1画像上で1以上の第1基準点を指定する工程と、
    前記第2画像上で前記第1基準点の各々の位置に対応する第2基準点をそれぞれ求める工程と、
    前記第1基準点毎にそれを内部に含む第1領域を抽出する第1工程と、
    前記第2基準点毎にそれを内部に含む第2領域を抽出する第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程と前記第2工程は、何れが先か又は両方同時に行われる、
    ことを特徴とする画像診断支援方法。
  2. 前記第1領域と前記第2領域のうちの少なくとも一方の領域情報を、前記第1画像と前記第2画像のうちの少なくとも一方に重畳表示する工程を有することを特徴とする請求項1記載の画像診断支援方法。
  3. 前記第1画像と前記第2画像は、異なる種類の医用画像撮影装置によって撮影された画像である、
    ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援方法。
  4. 前記第1画像と前記第2画像は、同一種類であって異なる医用画像撮影装置によって撮影された画像である、
    ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援方法。
  5. 前記第1画像と前記第2画像は、同一の医用画像撮影装置によって撮影された画像である、
    ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援方法。
  6. 前記第1画像と前記第2画像とのうちの少なくとも一方は、リアルタイム撮影が可能な医用画像撮影装置により撮影されて得られた画像である、
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の画像診断支援方法。
  7. 前記第1画像と前記第2画像とは、同一断面の画像である、
    ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援方法。
  8. 前記第1画像と前記第2画像とは、前記被検体の同一部位の異なる断面の画像である、
    ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援方法。
  9. 前記第1画像と前記第2画像とは、それぞれ異なる時間に撮影されて得られた画像である、
    ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援方法。
  10. 前記複数の画像は、さらに撮影された時の時間情報を有し、
    前記第1画像は、前記部位の時間的変化を表す画像であり、
    前記第2画像は、前記第1画像の所望の時点における前記部位の画像である、ことを特徴とする請求項1記載の画像診断支援方法。
  11. 前記第1領域と前記第2領域の抽出は、前記各基準点の近傍の画素値を所定の閾値と順次比較することにより行われる、
    ことを特徴とする請求項2記載の画像診断支援方法。
  12. 前記領域情報は、抽出された領域の全体と境界のうちの少なくとも一方を示す情報である、
    ことを特徴とする請求項2記載の画像診断支援方法。
  13. 前記第1領域と前記第2領域のうちの少なくとも一方の画像信号分布に基づいて、画像表示のゲインとダイナミックレンジの少なくとも一方を変更する工程を有する、
    ことを特徴とする請求項2記載の画像診断支援方法。
  14. 前記第1領域と前記第2領域のうちの少なくとも一方において、その領域が有する幾何学情報を取得する工程を有する、
    ことを特徴とする請求項2記載の画像診断支援方法。
  15. 前記第1画像と前記第2画像は、前記被検体の同一血管を撮影して得られた画像であって、血液が流れる管腔領域と血管組織領域とからなる血管断面領域を含み、
    前記第1工程と前記第2工程は、それぞれ前記管腔領域と前記血管組織領域とを抽出し、
    いずれか一方の前記管腔領域と前記血管組織領域とから、前記血管の狭窄率を求めるために必要な複数のパラメータを抽出する工程と、
    前記複数のパラメータを用いて前記血管の狭窄率を導出する工程と、
    を有する、
    ことを特徴とする請求項14記載の画像診断支援方法。
  16. 医用画像撮影装置により被検体の血管を撮影して得られた画像であって、血液が流れる管腔領域と血管組織領域とからなる血管断面領域を含む画像を取得する工程と、
    前記管腔領域及び前記血管組織領域とを抽出する工程と、
    前記管腔領域及び前記血管組織領域とから前記血管の狭窄率を求めるために必要な複数のパラメータを抽出する工程と、
    前記複数のパラメータを用いて前記血管の狭窄率を算出する工程と、
    を含むことを特徴とする画像診断支援方法。
  17. 前記複数のパラメータは、前記管腔領域の内径及び前記血管組織領域の外径、又は、前記管腔領域の面積及び前記血管組織領域の面積、の内の少なくとも一方を含む、
    ことを特徴とする請求項15又は16記載の画像診断支援方法。
  18. 1以上の医用画像撮影装置により同一被検体の同一部位を撮影して得られた複数の画像であって、各々が撮影された時の位置情報を有する画像を取得する手段と、
    前記複数の画像の中から2以上の画像を選択する手段と、
    前記選択された2以上の画像を表示する手段と、
    前記選択された2以上の画像のうちの一の画像上で、1以上の第1基準点を指定する手段と、
    前記選択された2以上の画像のうちの他の一以上の画像上で、前記第1基準点の各々の位置に対応する第2基準点をそれぞれ求める手段と、
    前記第1基準点毎にそれを内部に含む第1領域と、前記第2基準点毎にそれを内部に含む第2領域とを抽出する手段と、
    を有することを特徴とする画像診断支援装置。
  19. 前記第1領域と前記第2領域のうちの少なくとも一方の領域情報を、前記選択された2以上の画像のうちの少なくとも一方に重畳表示する手段を更に有する、
    ことを特徴とする請求項18記載の画像診断支援装置。
  20. 医用画像撮影装置により被検体を撮影して得られた画像を取得する手段と、
    前記画像から所望の領域を抽出する領域抽出手段と、
    を備えた画像診断支援装置において、
    前記画像は、所望の血管の管腔領域と血管組織領域とを含み、
    前記領域抽出手段は、前記管腔領域と前記血管組織領域とを抽出し、
    前記管腔領域と前記血管組織領域とから、前記血管の狭窄率を求めるために必要な複数のパラメータを求める手段と、
    前記複数のパラメータを用いて前記血管の狭窄率を算出する手段と、
    を有することを特徴とする画像診断支援装置。
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