JPWO2005115614A1 - 光触媒を用いた分解浄化物、その製造方法、及びそれを用いた分解浄化方法 - Google Patents

光触媒を用いた分解浄化物、その製造方法、及びそれを用いた分解浄化方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、光触媒である酸化チタンを用いた分解浄化物、その製造方法及びそれを用いた分解浄化力法であり、特に、河川や湖沼等の水質浄化に有効に利用することができる。分解浄化物は、焼成による第1のフリット(2)の融解を介して基材(1)に強固に付着されたルチール型酸化チタンの層(3)と、焼成による第2のフリット(4)の融解を介してこのルチール型酸化チタンの層(3)の上に強固に付着されたアナターゼ型酸化チタンの層(5)とを有している。酸化チタンの層(5)は、このルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成による第2のフリット(4)の融解を介して、強固に付着されている。そのため、水の中に置かれても光触媒である酸化チタンが剥離することはない。

Description

本発明は、光触媒である酸化チタンを用いた分解浄化物、その製造方法及びそれを用いた分解浄化方法に関し、例えば河川や湖沼の水質浄化等に有効に利用することができる。
光触媒としての酸化チタンの酸化分解作用を利用して水中や空気中の有害物質の浄化を行う場合、基材に展着された酸化チタンが剥離しないように、酸化チタンを基材に強固に付着させることが望まれる。特に、酸化チタンが付着された基材を河川等の水質浄化を目的として使用する場合には、基材に付着された酸化チタンが水に触れることとなるので、酸化チタンの剥離が生じやすくなり、酸化チタンが河川に流れ出すおそれがある。このような酸化チタンの流出が生じると、酸化チタンが付着された基材の酸化分解作用が低下するばかりでなく、流出した酸化チタンによって河川の微細な浮遊物質の量が上昇することとなる。
本発明に関連する従来技術として、特開2003−71440号公報「河川や湖沼などの水質浄化方法及び装置」がある。これは、光触媒である二酸化チタンによって上面が被覆された筏板を、当該筏板の上面が水面より僅かに水没するように配置し、太陽光と光触媒の作用で発生する酸化分解力によって筏板の上面を通過する水を浄化するようにしたものである。これによれば、二酸化チタンは、接着剤を用いて筏板の上面に塗布されるか、又は、二酸化チタンのゾルを筏板の上面に塗布して焼成される。しかしながら、接着剤によって二酸化チタンを付着する方法では、接着剤の経年劣化や水の中での使用であることなどを考慮すると、二酸化チタンが比較的短期間で剥離するおそれがある。また、二酸化チタンのゾルを焼成することによって付着する方法では、ゾルの硬化によって二酸化チタンを付着させているだけであるので、硬化したゾルの経年劣化や水の中での使用であることなどを考慮すると、同様に二酸化チタンの剥離が生じるおそれがある。
従って、本発明の目的は、光触媒として機能する酸化チタンがより強固に基材に付着された光触媒を用いた分解浄化物、その製造方法、及びそれを用いた分解浄化方法を提供することにある。
請求の範囲第1項の分解浄化物は、基材と、焼成による第1のフリットの融解を介して、前記基材の全面に付着されたルチール型酸化チタンの層と、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンの層であって、この酸化チタンの層がルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成による第2のフリットの融解を介して、前記ルチール型酸化チタンの層の全面に付着されたアナターゼ型又はブルッカイト型の前記酸化チタンの層とを有している。
このような構成によれば、ルチール型酸化チタンの層が焼成による第1のフリット(ガラス粉)の融解を介して基材に強固に付着され、その上に、焼成による第2のフリット(ガラス粉)の融解を介してアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンの層がルチール型酸化チタンの層に食い込むように強固に付着される。そのため、例え水の中に置かれてもアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが剥離するようなことはなく、また、酸化されやすい物を基材として用いた場合でも、ルチール型酸化チタンの層があるので、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンによって基材が酸化されることもない。
請求の範囲第2項の分解浄化物は、基材と、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンの層であって、この酸化チタンの層がルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成によるフリットの融解を介して、前記基材の全面に付着されたアナターゼ型又はブルッカイト型の前記酸化チタンの層とを有している。
このような構成によれば、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンの層が焼成によるフリット(ガラス粉)の融解を介して基材に強固に付着され、例え水の中で使用されてもアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが剥離するようなことはない。また、酸化されやすい物を基材として用いた場合でも、フリットが存在するので、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンによる基材の酸化を防止することができる。
請求の範囲第3項の分解浄化物は、基材と、焼成による第1のフリットの融解を介して、前記基材の全面に付着されたルチール型酸化チタンの層と、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層であって、この酸化チタンの層がルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成による第2のフリットの融解を介して、前記ルチール型酸化チタンの層の全面に付着された、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンの層とを有している。
このような構成によれば、ルチール型酸化チタンの層が焼成による第1のフリットの融解を介して基材に強固に付着され、その上に、焼成による第2のフリットの融解を介して、アナターゼ型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンが混合された酸化チタンの層がルチール型酸化チタンの層に食い込むように強固に付着される。そのため、例え水の中に置かれてもアナターゼ型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンが混合された酸化チタンが剥離するようなことはなく、また、酸化されやすい物を基材として用いた場合でも、ルチール型酸化チタンの層があるので、アナターゼ型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンが混合された酸化チタンによって基材が酸化されることもない。
請求の範囲第4項の分解浄化物は、基材と、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層であって、この酸化チタンの層がルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成によるフリットの融解を介して、前記基材の全面に付着された、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンの層とを有している。
このような構成によれば、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層が焼成によるフリットの融解を介して基材に強固に付着される。そのため、例え水の中で使用されても、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンが剥離するようなことはない。また、酸化されやすい物を基材として用いた場合でも、フリットが存在するので、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンによる基材の酸化を防止することができる。
請求の範囲第5項の分解浄化物の製造方法は、粘性をもった液状の展着剤を用いて、第1のフリットとルチール型酸化チタンとを基材の全面に展着する処理と、前記第1のフリット及び前記ルチール型酸化チタンが展着された前記基材を、前記第1のフリットの融解温度以上で焼成する処理と、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリットとアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンとを、前記展着剤を用いて、焼成後の前記基材のルチール型酸化チタンの全面に展着する処理と、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記第2のフリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含んでいる。
このような製造方法によれば、基材に第1のフリット(ガラス粉)とルチール型酸化チタンとを展着した段階で一回目の焼成が行われる。この際、例えば800℃〜1000℃程度の高温で焼成することができ、このような焼成によって、ルチール型酸化チタンが第1のフリットの融解を介して極めて強固に基材に付着される。この焼成後、第2のフリット(ガラス粉)とアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンとを展着剤を用いて付着させると、高温焼成によって非常に乾燥された状態にあるルチール型酸化チタンにこれらが積極的に吸収され、ルチール型酸化チタンに食い込むように展着される。この状態で二回目の焼成が行われることにより、第2のフリットの融解を介してアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンがルチール型酸化チタンの表面に極めて強固に付着される。
請求の範囲第6項の分解浄化物の製造方法は、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットとルチール型酸化チタンとを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、前記フリットとアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンとを、前記展着剤を用いて、前記基材のルチール型酸化チタンの全面に展着する処理と、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含んでいる。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、ルチール型酸化チタンをフリット(ガラス粉)の融解を介して基材に強固に付着させることができると共に、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンをフリットを介してルチール型酸化チタンの上に強固に付着させることができる。
請求の範囲第7項の分解浄化物の製造方法は、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、前記フリットが展着された前記基材を、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理と、焼成後の前記基材の前記フリットの全面に、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンを前記展着剤を用いて展着する処理と、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含んでいる。
このような製造方法によれば、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンをフリットの融解を介して基材に強固に付着させることができる。
請求の範囲第8項の分解浄化物の製造方法は、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットとアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンとを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含んでいる。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンをフリットの融解を介して基材に強固に付着させることができる。
請求の範囲第9項の分解浄化物の製造方法は、粘性をもった液状の展着剤を用いて、第1のフリットとルチール型酸化チタンとを基材の全面に展着する処理と、前記第1のフリット及び前記ルチール型酸化チタンが展着された前記基材を、前記第1のフリットの融解温度以上で焼成する処理と、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリットとブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンとを、前記展着剤を用いて、焼成後の前記基材のルチール型酸化チタンの全面に展着する処理と、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンが付着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記第2のフリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含んでいる。
このような製造方法によれば、基材に第1のフリットとルチール型酸化チタンとを展着した段階で一回目の焼成が行われる。この際、例えば800℃〜1000℃程度の高温で焼成することができ、このような焼成によって、ルチール型酸化チタンが第1のフリットの融解を介して極めて強固に基材に付着される。この焼成後、第2のフリットとブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンとを展着剤を用いて付着させると、高温焼成によって非常に乾燥された状態にあるルチール型酸化チタンにこれらが積極的に吸収され、ルチール型酸化チタンに食い込むように展着される。この状態で二回目の焼成が行われることにより、第2のフリットの融解を介してブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンがルチール型酸化チタンの表面に極めて強固に付着される。
請求の範囲第10項の分解浄化物の製造方法は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットとルチール型酸化チタンとを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、前記フリットとブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンとを、前記展着剤を用いて、前記基材のルチール型酸化チタンの全面に展着する処理と、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含んでいる。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、ルチール型酸化チタンをフリットの融解を介して基材に強固に付着させることができると共に、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンをフリットを介してルチール型酸化チタンの上に強固に付着させることができる。
請求の範囲第11項の分解浄化物の製造方法は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、前記フリットが展着された前記基材を、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理と、焼成後の前記基材の前記フリットの全面に、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンを前記展着剤を用いて展着する処理と、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含んでいる。
このような製造方法によれば、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンをフリットの融解を介して基材に強固に付着させることができる。
請求の範囲第12項の分解浄化物の製造方法は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットとブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンとを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含んでいる。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンをフリットの融解を介して基材に強固に付着させることができる。
請求の範囲第13項の分解浄化物の製造方法では、請求の範囲第5項又は第6項又は第7項又は第8項又は第9項又は第10項又は第11項又は第12項の前記基材として、火成岩が用いられる。基材として火成岩を用いれば、フリットや酸化チタンの基材内部への食い込みが激しくなり、焼成によるチタン層の付着が著しく強固になる。
請求の範囲第14項の分解浄化物の製造方法では、請求の範囲第5項又は第6項又は第7項又は第8項又は第9項又は第10項又は第11項又は第12項の前記アナターゼ型酸化チタンとして、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物が用いられる。これによれば、アナターゼ型の酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度を高くすることができる。
請求の範囲第15項の分解浄化物の製造方法では、請求の範囲第5項又は第6項又は第7項又は第8項又は第9項又は第10項又は第11項又は第12項の前記展着剤として、メチルセルロース、ケミカルメチルセルロース又はラテックスの溶液が用いられる。メチルセルロース、ケミカルメチルセルロース又はラテックスの溶液は粘性をもった液体であるので、これに混入された粉状のフリットはその沈降速度が極めて遅くなり、フリットが溶液の下部に溜まることなく分散される。そのため、フリットをムラなく確実に塗布することができる。
請求の範囲第16項の分解浄化物を用いた分解浄化方法は、請求の範囲第1項又は第2項又は第3項又は第4項に記載の光触媒を用いた分解浄化物を、その光触媒作用を活性化させる自然光又は/及び人工光を受けることができるように水の中に配置し、前記分解浄化物の光触媒作用の活性化によって水を浄化する。
このような分解浄化方法によれば、分解浄化物が光触媒作用を活性化させる自然光又は/及び人工光を受けることによって光触媒作用を活性化し、水の中の大腸菌、レジオネラ菌、鯉ヘルペス等を含む有機体が酸化分解され、水質の浄化を行うことができる。
請求の範囲第17項の分解浄化物を用いた分解浄化方法では、耐火性の平面部材の一面に、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンの層、又は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層が焼成によって形成され、この平面部材の前記酸化チタンの層が形成された面に、請求の範囲第16項の前記分解浄化物が配置される。耐熱性の平面部材としては、例えばムライト等が用いられる。これによれば、酸化チタンの層が形成された平面部材の面が水を通して光触媒作用を活性化させる自然光又は/及び人工光を受け、上方の分解浄化物で酸化分解できない大腸菌等の有機体を酸化分解することができる。
請求の範囲第18項の分解浄化物の製造方法は、鉱物繊維からなる基材に、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタン、又は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンを付着させる処理と、前記酸化チタンが付着された前記基材を、前記酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で焼成する処理とを含んでいる。
鉱物繊維としては、例えば、シリカアルミナ繊維が用いられる。このような製造方法によって得られた分解浄化物は、任意の形状及び大きさに容易に形成することができるので、有機体を酸化分解する例えばフィルタ材料等として有効に利用することができる。
請求の範囲第19項の分解浄化物の製造方法は、プラスチック又は木等の基材に、メチルセルロース又はケミカルメチルセルロースの水溶液、又はラテックスの溶液を用いて、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物からなるアナターゼ型酸化チタン酸化チタンを塗布する処理と、前記アナターゼ型酸化チタンが塗布された前記基材を乾燥し、前記アナターゼ型酸化チタンを前記基材に付着させる処理とを含んでいる。
このような分解浄化物の製造方法によれば、アナターゼ型酸化チタンが粘性をもったメチルセルロース又はケミカルメチルセルロースの水溶液、又は粘性をもったラテックスの溶液に混入分散されるので、アナターゼ型酸化チタンの粒子が溶液の下部に溜まることなく分散される。そのため、アナターゼ型酸化チタンをムラなく確実に基材に塗布することができる。また、メチルセルロース又はケミカルメチルセルロースの水溶液、又はラテックスの溶液は、アルコール系無機バインダ等と比較して接着力が高いので、アナターゼ型酸化チタンより強固に基材に付着させることができる。アナターゼ型酸化チタンとして、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化酸化物が用いられるので、基材として酸化されやすいプラスチック又は木等が用いられる場合でも、酸化防止用のアンダーコーティングを施すことなしに、基材の酸化防止を図ることができる。
図1は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第1実施例を示す断面図である。
図2は本発明による分解浄化物の製造方法の第1実施例で、図1の分解浄化物の製造方法を示す。
図3は本発明による分解浄化物の製造方法の第2実施例で、図1の分解浄化物の製造方法を示す。
図4は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第2実施例を示す断面図である。
図5は本発明による分解浄化物の製造方法の第3実施例で、図4の分解浄化物の製造方法を示す。
図6は本発明による分解浄化物の製造方法の第4実施例で、図4の分解浄化物の製造方法を示す。
図7は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第3実施例を示す断面図である。
図8は本発明による分解浄化物の製造方法の第5実施例で、図7の分解浄化物の製造方法を示す。
図9は本発明による分解浄化物の製造方法の第6実施例で、図7の分解浄化物の製造方法を示す。
図10は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第4実施例を示す断面図である。
図11は本発明による分解浄化物の製造方法の第7実施例で、図10の分解浄化物の製造方法を示す。
図12は本発明による分解浄化物の製造方法の第8実施例で、図10の分解浄化物の製造方法を示す。
図13は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第5実施例を示す断面図である。
図14は本発明による分解浄化物の製造方法の第9実施例で、図13の分解浄化物の製造方法を示す。
図15は本発明による分解浄化物の製造方法の第10実施例で、図13の分解浄化物の製造方法を示す。
図16は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第6実施例を示す断面図である。
図17は本発明による分解浄化物の製造方法の第11実施例で、図16の分解浄化物の製造方法を示す。
図18は本発明による分解浄化物の製造方法の第12実施例で、図16の分解浄化物の製造方法を示す。
図19は図1、図4、図7、図10、図13又は図16の分解浄化物を用いた本発明による分解浄化方法の一実施例を示す平面図である。
図20は図19の分解浄化方法における分解浄化物と水位との関係の一例を示す図である。
図21は図19のA−A断面図である。
図22は図1、図4、図7、図10、図13又は図16の分解浄化物を用いた本発明による分解浄化方法の別の実施例を示す断面図である。
図23は図22における平面部材の一例を示す断面図である。
図24は本発明による分解浄化物の製造方法の第13実施例で、これによって製造された分解浄化物の一例を示す平面図である。
図25は図24の部分拡大図である。
図26は図25のB−B断面図である。
図1は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第1実施例を示す断面図である。
図1において、1は基材で、焼成によって融解されない物質、例えば岩石、レンガ、鉄やステンレス等の金属又はガラス等を基材1として用いることが可能である。望ましくは、ゼオライトなどの火成岩が基材1として用いられる。火成岩を基材1として用いることにより、火成岩は多孔質であるので、基材1の内部へのフリットや酸化チタンの食い込みが激しくなり、焼成による酸化チタンの層3,5の付着をより一層強固にすることができる。なお、基材1の大きさは用途に応じて任意に選定することができ、例えば、河川の浄化などに使用される場合には20〜30cmの大きさの火成岩などが基材1として用いられる。
このような基材1の全面に、焼成により、第1のフリット2の融解を介してルチール型酸化チタンの層3が付着されている。そして、このルチール型酸化チタンの層3の全面に、焼成により、第2のフリット4の融解を介してアナターゼ型酸化チタンの層5が付着されている。アナターゼ型酸化チタンの層5は、これを形成するアナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成による第2のフリット4の融解を介して、付着されている。第1のフリット2及び第2のフリット4は、無機ガラスの原料である所謂ガラス粉である。
このような構成の分解浄化物は、以下の方法によって製造される。
図2は本発明による分解浄化物の製造方法の第1実施例であり、図1の分解浄化物の製造方法を示している。
図2の(a)の処理では、粘性をもった液状の展着剤6を用いて、第1のフリット2とルチール型酸化チタンの層3とが、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。粘性をもった液状の展着剤6としては、メチルセルロース(MC)又はケミカルメチルセルロース(CMC)の水溶液、又は、ラテックスの溶液が用いられる。このような展着剤6に粉状の第1のフリット2が加えられて攪拌され、第1のフリット2が展着剤6の中に均一に分散される。そして、第1のフリット2が分散された展着剤6が基材1の全面に塗布されることによって、基材1に第1のフリット2が展着される。メチルセルロース又はケミカルメチルセルロースの水溶液、又は、ラテックスの溶液は粘性をもった液体であるので、これに混入された粉状の第1のフリット2はその沈降速度が極めて遅くなり、第1のフリット2が展着剤6の溶液の下部に溜まることなく全体的に均一に分散される。そのため、混入された第1のフリット2をムラなく確実に基材1の全面に塗布することができる。そして、塗布された展着剤6の上に、ルチール型酸化チタンの層3を形成する粉状のルチール型酸化チタンが展着される。展着剤6は粘性があるので、ルチール型酸化チタンを容易且つ確実に展着することができる。また、基材1が本例では多孔質の火成岩であるので、展着剤6を介して第1のフリット2及びルチール型酸化チタンの層3を形成するルチール型酸化チタンが火成岩に食い込むように展着される。
次の図2の(b)の処理では、第1のフリット2及びルチール型酸化チタンが展着された基材1が、第1のフリット2の融解温度以上で焼成される。この焼成は、例えば800〜1000℃の高温で行われることが望ましい。これによって、展着剤6が焼失すると共に第1のフリット2が融解し、ルチール型酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却による第1のフリット2の凝固を介して強固に付着されたルチール型酸化チタンの層3が形成される。
次の図2の(c)の処理では、アナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリット4と、アナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンとが、上述した展着剤6を用いて、焼成後の基材1のルチール型酸化チタンの層3の全面に展着される。このとき、高温焼成によってルチール型酸化チタンの層3は非常に乾燥された状態にあるので、展着剤6を介して第2のフリット4及びアナターゼ酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンの層3に積極的に吸収され、ルチール型酸化チタンに食い込むように展着される。アナターゼ型酸化チタンとしては、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物(例えば、昭和電工株式会社製の二酸化ケイ素−二酸化チタン複合酸化物)が用いられる。これによれば、アナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度を更に高くすることができ、例えば750℃程度での焼成が可能になる。従って、第2のフリット4としては、750℃以下、望ましくは650℃程度以下で融解するフリットが用いられる。アナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンは、展着剤6によって第2のフリット4が展着された後に、展着剤6の上に塗布される。あるいは、展着剤6の中に第2のフリット4と共にアナターゼ型酸化チタンを分散することによって、第2のフリット4及びアナターゼ酸化チタンを同時に塗布するようにしても良い。
次の図2の(d)の処理では、第2のフリット4及びアナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンが展着された基材1が、このアナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、第2のフリット4が融解する温度以上で焼成される。本例では、例えば600℃〜750℃で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共に第2のフリット4が融解し、アナターゼ型酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却による第2のフリット4の凝固を介して強固に付着されたアナターゼ型酸化チタンの層5が形成される。
このように、ルチール型酸化チタンの層3が予め焼成される場合、ルチール型酸化チタンの層3を高温で焼成できるので、後述する図3の方法によって製造された場合と比較して、ルチール型酸化チタンの層3及びアナターゼ型酸化チタンの層5をより一層強固に基材1に付着させることができる。このような方法で製造された図1の分解浄化物によれば、ルチール型酸化チタンの層3が焼成による第1のフリット2の融解及び焼成後の凝固を介して基材1に強固に付着され、その上に、焼成による第2のフリット4の融解及び焼成後のを介してアナターゼ型酸化チタンの層5がルチール型酸化チタンの層3に食い込むように強固に付着される。そのため、例え水の中に置かれてもアナターゼ型酸化チタンの層5が剥離するようなことはない。また、酸化されやすい物質、例えば鉄等を基材1として用いた場合でも、第1のフリット2、ルチール型酸化チタンの層3及び第2のフリット4があるので、アナターゼ型酸化チタンの層5によって基材1が酸化されることもない。
図3は本発明による分解浄化物の製造方法の第2実施例であり、図1の分解浄化物の製造方法を示している。
図3の(a)の処理では、図2の(a)の処理と同様の処理が行われる。即ち、展着剤6を用いて、第1のフリット2とルチール型酸化チタンの層3とが本例では火成岩である基材1の全面に展着される。この場合、第1のフリット2として、アナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリット4と同一のフリットが用いられる。その他は、図2の(a)の処理で述べた通りである。
次の図3の(b)の処理では、アナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリット4と、アナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンとが、上述した展着剤6を用いて、基材1のルチール型酸化チタンの層3の全面に展着される。この場合、第1のフリット2及びルチール型酸化チタンの層3は、展着剤6によって基材1の全面に展着されている状態である。換言すれば、第1のフリット2及びルチール型酸化チタンの層3は焼成されていない。
次の図3の(c)の処理では、アナターゼ型酸化チタンの層5が展着された基材1が、このアナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、第1及び第2のフリット2,4が融解する温度以上で焼成される。本例では、例えば600℃〜750℃で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共に第1及び第2のフリット2,4が融解し、ルチール型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが基材1に食い込むように付着され、焼成後の冷却による第1及び第2のフリット2,4の凝固を介して強固に付着されたルチール型酸化チタンの層3及びアナターゼ型酸化チタンの層5が形成される。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、ルチール型酸化チタンの層3及びアナターゼ型酸化チタンの層5を基材1に強固に付着させることができる。製造時間の短縮、コストの低減等を図ることができる。その他は、図2で述べた通りである。
図4は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第2実施例を示す断面図である。
図4の分解浄化物では、基材1の全面に、焼成により、フリット4の融解を介してアナターゼ型酸化チタンの層5が付着されている。アナターゼ型酸化チタンの層5は、これを形成するアナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成によるフリット4の融解を介して、付着されている。基材1、フリット4、及びアナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンについては、上述した通りである。
このような構成の分解浄化物は、以下の方法によって製造される。
図5は本発明による分解浄化物の製造方法の第3実施例であり、図4の分解浄化物の製造方法を示している。
図5の(a)の処理では、前述した展着剤6を用いて、フリット4が、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。粘性をもった液状の展着剤6については、前述した通りである。このとき、展着剤6は粘性があるので、フリット4をムラなく展着することができ、また、基材1が本例では多孔質の火成岩であるので、展着剤6を介してフリット4が火成岩に食い込むように展着される。フリット4は、アナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットである。
次の図5の(b)の処理では、フリット4が展着された基材1が、フリット4の融解温度以上で焼成される。この段階では、アナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンは未だ展着されていないので、フリット4の融解温度以上であれば焼成温度を考慮する必要はない。これによって、展着剤6が焼失すると共にフリット4が融解し、焼成後の冷却でフリット4が基材1の全面に付着される。
次の図5の(c)の処理では、前述した展着剤6を用いて、アナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンが基材1のフリット4の全面に展着される。このとき、粉状のアナターゼ型酸化チタンが展着剤6に加えられて攪拌されて展着剤6の中に均一に分散され、この展着剤6を基材1のフリット4の全面に塗布することによって、アナターゼ型酸化チタンの層5が展着される。アナターゼ型酸化チタンとしては、前述したように、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物が用いられる。
次の図5の(d)の処理では、アナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンが展着された基材1が、このアナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、フリット4が融解する温度以上で焼成される。本例では、例えば600℃〜750℃で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共にフリット4が再融解し、アナターゼ型酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却によるフリット4の再凝固を介して強固に付着されたアナターゼ型酸化チタンの層5が形成される。
このような方法で製造された図4の分解浄化物によれば、アナターゼ型酸化チタンの層5が焼成によるフリット4の融解を介して基材1に強固に付着され、例え水の中で使用されてもアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが剥離するようなことはない。また、酸化されやすい物を基材として用いた場合でも、フリット4が存在し、また、アナターゼ型酸化チタンとして二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物が用いられているので、基材1の酸化を防止することができる。
図6は本発明による分解浄化物の製造方法の第4実施例であり、図4の分解浄化物の製造方法を示している。
図6の(a)の処理では、前述した展着剤6を用いて、フリット4及びアナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンとが、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。このとき、アナターゼ型酸化チタンの層5を形成するアナターゼ型酸化チタンは、展着剤6によってフリット4が展着された後に、展着剤6の上に塗布される。あるいは、展着剤6の中にフリット4と共にアナターゼ型酸化チタンを分散することによって、フリット4及びアナターゼ酸化チタンを同時に塗布するようにしても良い。展着剤6、フリット4及びアナターゼ型酸化チタンについては、前述した通りである。
次の図6の(b)の処理では、フリット4及びアナターゼ型酸化チタンが展着された基材1が、このアナターゼ型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、フリット4が融解する温度以上、例えば600℃〜750℃で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共にフリット4が融解し、アナターゼ型酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却によるフリット4の凝固を介して強固に付着されたアナターゼ型酸化チタンの層5が形成される。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、アナターゼ型酸化チタンの層5をフリット4の融解を介して基材1に強固に付着させることができる。
図7は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第3実施例を示す断面図である。
図7の分解浄化物では、基材1の全面に、焼成により、第1のフリット2の融解を介してルチール型酸化チタンの層3が付着されている。そして、このルチール型酸化チタンの層3の全面に、焼成により、第2のフリット4の融解を介してブルッカイト型酸化チタンの層7が付着されている。ブルッカイト型酸化チタンの層7は、これを形成するブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成による第2のフリット4の融解を介して、付着されている。第1のフリット2及び第2のフリット4は、前述したように、無機ガラスの原料である所謂ガラス粉である。
このような構成の分解浄化物は、以下の方法によって製造される。
図8は本発明による分解浄化物の製造方法の第5実施例であり、図7の分解浄化物の製造方法を示している。
図8の(a)の処理では、前述した展着剤6を用いて、第1のフリット2とルチール型酸化チタンの層3とが、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。第1のフリット2及びルチール型酸化チタンの層3の展着は、図2において述べた通りである。
次の図8の(b)の処理では、第1のフリット2及びルチール型酸化チタンが展着された基材1が、第1のフリット2の融解温度以上で焼成される。この焼成は図2において述べた通りである。
次の図8の(c)の処理では、ブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリット4と、ブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンとが、前述した展着剤6を用いて、焼成後の基材1のルチール型酸化チタンの層3の全面に展着される。この場合、ブルッカイト型酸化チタンは、バインダ機能をもった溶液であり、その中にブルッカイト型酸化チタンが混入されている。このようなブルッカイト型酸化チタンとしては、例えば昭和電工株式会社製のNTB−280を用いることができる。ブルッカイト型酸化チタンはバインダ機能をもった溶液であるので、第2のフリット4が分散された展着剤6を用いることなく、ルチール型酸化チタンの層3に塗布することが可能である。しかしながら、ブルッカイト型酸化チタンをより一層強固にルチール型酸化チタンの層3に付着させる観点から、第2のフリット4が分散された展着剤6を用いて、ブルッカイト型酸化チタンを塗布することが望ましい。このとき、高温焼成によってルチール型酸化チタンの層3は非常に乾燥された状態にあるので、アナターゼ型酸化チタンの場合と同様に、展着剤6を介して第2のフリット4及びブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンの層3に積極的に吸収され、ルチール型酸化チタンに食い込むように展着される。ブルッカイト型酸化チタンは700℃程度以上に焼成されると光触媒機能のないルチール型酸化チタンに変化するので、第2のフリット4としては、このような温度以下、望ましくは600℃程度以下で融解するフリットが用いられる。
次の図8の(d)の処理では、第2のフリット4及びブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンが展着された基材1が、このブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、第2のフリット4が融解する温度以上で焼成される。本例では、例えば650℃程度で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共に第2のフリット4が融解し、ブルッカイト型酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却による第2のフリット4の凝固を介して強固に付着されたブルッカイト型酸化チタンの層5が形成される。
このような製造方法によれば、ルチール型酸化チタンの層3を高温で焼成できるので、ルチール型酸化チタンの層3及びブルッカイト型酸化チタンの層7をより一層強固に基材1に付着させることができる。このような方法で製造された図7の分解浄化物によれば、ルチール型酸化チタンの層3が焼成による第1のフリット2の融解及び焼成後の凝固を介して基材1に強固に付着され、その上に、焼成による第2のフリット4の融解及び焼成後の凝固を介してブルッカイト型酸化チタンの層7がルチール型酸化チタンの層3に食い込むように強固に付着される。そのため、例え水の中に置かれてもブルッカイト型酸化チタンの層7が剥離するようなことはない。また、酸化されやすい物質、例えば鉄等を基材1として用いた場合でも、第1のフリット2、ルチール型酸化チタンの層3及び第2のフリット4があるので、ブルッカイト型酸化チタンの層7によって基材1が酸化されることもない。
図9は本発明による分解浄化物の製造方法の第6実施例であり、図7の分解浄化物の製造方法を示している。
図9の(a)の処理では、図8の(a)の処理と同様の処理が行われる。すなわち、展着剤6を用いて、第1のフリット2とルチール型酸化チタンの層3とが本例では火成岩である基材1の全面に展着される。この場合、第1のフリット2として、ブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリット4と同一のフリットが用いられる。その他は、図8の(a)の処理で述べた通りである。
次の図9の(b)の処理では、ブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリット4と、ブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンとが、前述した展着剤6を用いて、基材1のルチール型酸化チタンの層3の全面に展着される。この場合、第1のフリット2及びルチール型酸化チタンの層3は、展着剤6によって基材1の全面に展着されている状態である。換言すれば、第1のフリット2及びルチール型酸化チタンの層3は焼成されていない。
次の図9の(c)の処理では、ブルッカイト型酸化チタンの層7が展着された基材1が、このブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、第1及び第2のフリット2,4が融解する温度以上で焼成される。本例では、例えば650℃程度で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共に第1及び第2のフリット2,4が融解し、ルチール型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンが基材1に食い込むように付着され、焼成後の冷却による第1及び第2のフリット2,4の凝固を介して強固に付着されたルチール型酸化チタンの層3及びブルッカイト型酸化チタンの層7が形成される。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、ルチール型酸化チタンの層3及びブルッカイト型酸化チタンの層7を基材1に強固に付着させることができる。
図10は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第4実施例を示す断面図である。
図10の分解浄化物では、基材1の全面に、焼成により、フリット4の融解を介してブルッカイト型酸化チタンの層7が付着されている。ブルッカイト型酸化チタンの層7は、これを形成するブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成によるフリット4の融解を介して、付着されている。基材1、フリット4、及びブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンについては、上述した通りである。
このような構成の分解浄化物は、以下の方法によって製造される。
図11は本発明による分解浄化物の製造方法の第7実施例であり、図10の分解浄化物の製造方法を示している。
図11の(a)の処理では、前述した液状の展着剤6を用いて、フリット4が、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。展着剤6については、前述した通りである。このとき、展着剤6は粘性があるので、フリット4をムラなく展着することができ、また、基材1が本例では多孔質の火成岩であるので、展着剤6を介してフリット4が火成岩に食い込むように展着される。フリット4は、ブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットである。
次の図11の(b)の処理では、フリット4が展着された基材1が、フリット4の融解温度以上で焼成される。この段階では、ブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンは未だ展着されていないので、フリット4の融解温度以上であれば焼成温度を考慮する必要はない。これによって、展着剤6が焼失すると共にフリット4が融解し、焼成後の冷却でフリット4が基材1の全面に付着される。
次の図11の(c)の処理では、ブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンが基材1のフリット4の全面に展着される。このとき、前述したように、ブルッカイト型酸化チタンはバインダ機能をもった溶液であるので、基材1のフリット4の全面に展着剤6を用いることなく塗布することができ、ブルッカイト型酸化チタンの層7が展着される。そして、ブルッカイト型酸化チタンが展着された基材1が、このブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、フリット4が融解する温度以上で焼成される。本例では、例えば650℃以下で焼成される。これによって、フリット4が再融解し、ブルッカイト型酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却によるフリット4の再凝固を介して強固に付着されたブルッカイト型酸化チタンの層7が形成される。
このような方法で製造された図10の分解浄化物によれば、ブルッカイト型酸化チタンの層7が焼成によるフリット4の融解を介して基材1に強固に付着され、例え水の中で使用されてもブルッカイト型酸化チタンが剥離するようなことはない。また、酸化されやすい物を基材として用いた場合でも、無機物であるフリット4が存在するので、基材1の酸化を防止することができる。
図12は本発明による分解浄化物の製造方法の第8実施例であり、図10の分解浄化物の製造方法を示している。
図12の(a)の処理では、前述した展着剤6を用いて、フリット4及びブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンとが、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。このとき、ブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンは、展着剤6によってフリット4が展着された後に、展着剤6の上に塗布される。あるいは、ブルッカイト型酸化チタンの溶液に展着剤6及びフリット4を加え、これを基材1の全面に展着するようにしても良い。フリット4及びブルッカイト型酸化チタンについては、前述した通りである。
次の図12の(b)の処理では、フリット4及びブルッカイト型酸化チタンの層7を形成するブルッカイト型酸化チタンが展着された基材1が、このブルッカイト型酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、フリット4が融解する温度以上、例えば650℃以下で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共にフリット4が融解し、ブルッカイト型酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却によるフリット4の凝固を介して強固に付着されたブルッカイト型酸化チタンの層7が形成される。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、ブルッカイト型酸化チタンの層7をフリット4の融解を介して基材1に強固に付着させることができる。
図13は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第5実施例を示す断面図である。
図13の分解浄化物では、基材1の全面に、焼成により、第1のフリット2の融解を介してルチール型酸化チタンの層3が付着されている。そして、このルチール型酸化チタンの層3の全面に、焼成により、第2のフリット4の融解を介して、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8が付着されている。ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8は、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成による第2のフリット4の融解を介して、付着されている。第1のフリット2及び第2のフリット4は、前述したように、無機ガラスの原料である所謂ガラス粉である。
このような構成の分解浄化物は、以下の方法によって製造される。
図14は本発明による分解浄化物の製造方法の第9実施例であり、図13の分解浄化物の製造方法を示している。
図14の(a)の処理では、前述した展着剤6を用いて、第1のフリット2とルチール型酸化チタンの層3とが、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。第1のフリット2及びルチール型酸化チタンの層3の展着は、図2において述べた通りである。
次の図14の(b)の処理では、第1のフリット2及びルチール型酸化チタンが展着された基材1が、第1のフリット2の融解温度以上で焼成される。この焼成は図2において述べた通りである。
次の図14の(c)の処理では、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリット4と、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8を形成する酸化チタンとが、前述した展着剤6を用いて、焼成後の基材1のルチール型酸化チタンの層3の全面に展着される。アナターゼ型酸化チタンとしては、前述したように、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物が用いられる。ブルッカイト型酸化チタンの溶液に含まれるブルッカイト型酸化チタンの量は、重量比で数パーセント、例えば3%程度である。このようなブルッカイト型酸化チタンの溶液にアナターゼ型酸化チタンが、重量比で数パーセント、例えば3%程度加えられる。これによって、ブルッカイト型酸化チタンのみの場合と比較して光触媒機能を二倍程度に上げることができる。また、ブルッカイト型酸化チタンにアナターゼ型酸化チタンを加えることによって、ルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度を例えば750℃程度まで上げることができる。前述したように、ブルッカイト型酸化チタンはバインダ機能をもった溶液であるので、アナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンは、第2のフリット4が分散された展着剤6を用いることなく、ルチール型酸化チタンの層3に塗布することができる。しかしながら、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンをより一層強固にルチール型酸化チタンの層3に付着させる観点から、第2のフリット4が分散された展着剤6を用いて、ブルッカイト型酸化チタンを塗布することが望ましい。このとき、高温焼成によってルチール型酸化チタンの層3は非常に乾燥された状態にあるので、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンの場合と同様に、展着剤6を介して第2のフリット4、及びブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンの層3に積極的に吸収され、ルチール型酸化チタンに食い込むように展着される。ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンは750℃程度に焼成されてもチール型酸化チタンには殆ど変化しないので、第2のフリット4としては、このような温度以下、望ましくは650℃程度以下で融解するフリットが用いられる。
次の図14の(d)の処理では、第2のフリット4、及びブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8を形成するブ酸化チタンが展着された基材1が、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、第2のフリット4が融解する温度以上で焼成される。本例では、例えば600℃〜750℃で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共に第2のフリット4が融解し、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却による第2のフリット4の凝固を介して強固に付着されたブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8が形成される。
このような製造方法によれば、ルチール型酸化チタンの層3を高温で焼成できるので、ルチール型酸化チタンの層3及び酸化チタンの層8をより一層強固に基材1に付着させることができる。このような方法で製造された図13の分解浄化物によれば、ルチール型酸化チタンの層3が焼成による第1のフリット2の融解及び焼成後の凝固を介して基材1に強固に付着され、その上に、焼成による第2のフリット4の融解及び焼成後の凝固を介して酸化チタンの層8がルチール型酸化チタンの層3に食い込むように強固に付着される。そのため、例え水の中に置かれても酸化チタンの層8が剥離するようなことはない。
図15は本発明による分解浄化物の製造方法の第10実施例であり、図13の分解浄化物の製造方法を示している。
図15の(a)の処理では、図14の(a)の処理と同様の処理が行われる。すなわち、展着剤6を用いて、第1のフリット2とルチール型酸化チタンの層3とが、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。この場合、第1のフリット2として、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリット4と同一のフリットが用いられる。
次の図15の(b)の処理では、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリット4と、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8を形成する酸化チタンとが、前述した展着剤6を用いて、基材1のルチール型酸化チタンの層3の全面に展着される。この場合、第1のフリット2及びルチール型酸化チタンの層3は、展着剤6によって基材1の全面に展着されている状態である。換言すれば、第1のフリット2及びルチール型酸化チタンの層3は焼成されていない。
次の図15の(c)の処理では、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8が展着された基材1が、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、第1及び第2のフリット2,4が融解する温度以上で焼成される。本例では、 例えば600℃〜750℃で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共に第1及び第2のフリット2,4が融解し、ルチール型酸化チタン、及びブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンが基材1に食い込むように付着され、焼成後の冷却による第1及び第2のフリット2,4の凝固を介して強固に付着されたルチール型酸化チタンの層3、及びブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8が形成される。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、ルチール型酸化チタンの層3、及びブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8を基材1に強固に付着させることができる。
図16は本発明による光触媒を用いた分解浄化物の第6実施例を示す断面図である。
図16の分解浄化物では、基材1の全面に、焼成により、フリット4の融解を介してブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8が付着されている。この酸化チタンの層8は、これを形成するブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成によるフリット4の融解を介して、付着されている。基材1、フリット4、及びブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンについては、上述した通りである。
このような構成の分解浄化物は、以下の方法によって製造される。
図17は本発明による分解浄化物の製造方法の第11実施例であり、図16の分解浄化物の製造方法を示している。
図17の(a)の処理では、前述した展着剤6を用いて、フリット4が、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。展着剤6については、前述した通りである。このとき、展着剤6は粘性があるので、フリット4をムラなく展着することができ、また、基材1が本例では多孔質の火成岩であるので、展着剤6を介してフリット4が火成岩に食い込むように展着される。フリット4は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8を形成する酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットである。本例では、例えば750℃以下、望ましくは650℃以下で融解するフリットである。
次の図17の(b)の処理では、フリット4が展着された基材1が、フリット4の融解温度以上で焼成される。この段階では、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8を形成する酸化チタンは未だ展着されていないので、フリット4の融解温度以上であれば焼成温度を考慮する必要はない。これによって、展着剤6が焼失すると共にフリット4が融解し、焼成後の冷却でフリット4が基材1の全面に付着される。
次の図17の(c)の処理では、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8を形成する酸化チタンが基材1のフリット4の全面に展着される。このとき、前述したように、ブルッカイト型酸化チタンはバインダ機能をもった溶液であるので、アナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンは、基材1のフリット4の全面に展着剤6を用いることなく塗布することができ、酸化チタンの層8が展着される。そして、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンが展着された基材1が、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、フリット4が融解する温度以上で焼成される。本例では、例えば750℃以下で焼成される。これによって、フリット4が再融解し、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却によるフリット4の再凝固を介して強固に付着された酸化チタンの層8が形成される。
このような方法で製造された図16の分解浄化物によれば、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8が焼成によるフリット4の融解を介して基材1に強固に付着され、例え水の中で使用されてもこの酸化チタンの層8が剥離するようなことはない。また、酸化されやすい物を基材として用いた場合でも、無機物であるフリット4が存在すると共にアナターゼ型酸化チタンとして二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物が用いられているので、基材1の酸化を防止することができる。
図18は本発明による分解浄化物の製造方法の第12実施例であり、図16の分解浄化物の製造方法を示している。
図18の(a)の処理では、前述した展着剤6を用いて、フリット4、及びブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8を形成する酸化チタンとが、本例では火成岩である基材1の全面に展着される。このとき、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8を形成する酸化チタンは、展着剤6によってフリット4が展着された後に、展着剤6の上に塗布される。あるいは、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの溶液に展着剤6及びフリット4を加え、これを基材1の全面に展着するようにしても良い。フリット4、及びブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンについては、前述した通りである。
次の図18の(b)の処理では、フリット4及び酸化チタンの層8を形成する酸化チタンが展着された基材1が、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、フリット4が融解する温度以上、例えば750℃以下で焼成される。これによって、展着剤6が焼失すると共にフリット4が融解し、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンが基材1に食い込むように基材1に付着され、焼成後の冷却によるフリット4の凝固を介して強固に付着された酸化チタンの層8が形成される。
このような製造方法によれば、一回の焼成によって、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層8をフリット4の融解を介して基材1に強固に付着させることができる。
図19は図1、図4、図7、図10、図13又は図16の分解浄化物を用いた本発明による分解浄化方法の一実施例を示す平面図で、本例では河川の水質浄化に使用される分解浄化方法が示されている。
本例では、河川10の両岸に擁壁12,13が設けられ、河川10の底に底床14が敷き詰められており、河川10が上流aから下流bに流れている。そして、図1、図4、図7、図10、図13又は図16で述べた複数の分解浄化物15が、河川10の水の流れを受けるように設置されている。本例では、複数の分解浄化物15は袋状のネット16に入れられており、ネット16を介して例えばクレーン等によって容易に河川10に配置することができるようになっている。分解浄化物15は河川10に配置された後、ネット16が複数のアンカーボルト17を介して河川10の底床14に固定されことによって、分解浄化物15の流出が防止されるようになっている。複数の分解浄化物15を収納するネット16の下流b側には、更に流出防止部材17が設けられている。流出防止部材17は、後述する図21に示されているように、分解浄化物15が通過できない枠体であり、河川10の水の流れを塞き止めないようになっている。
図20は図19の分解浄化方法における分解浄化物と水位との関係の一例を示す図である。分解浄化物15はその上部部分が水面から露出するように設置されることが望ましく、例えば、分解浄化物15の50〜90%が水に触れるように設けられる。これによって、河川10の水面部分に接する分解浄化物15の部分が、分解浄化物15の酸化分解作用を活性化させる自然光又は/及び人工光を受けやすくなり、河川10の水質浄化をより一層促進することができる。なお、図20では分解浄化物15が一層で配置されているが、これに限定されるものではない。分解浄化物15は積層されてもよい。
図19に戻り、このように設けれた分解浄化物15の上方には、分解浄化物15の酸化分解作用を活性化させる紫外線等の人工光を照射する光源20として、本例ではブラックライトが設けられている。
図21は図19のA−A断面図である。光源20は、擁壁12,13に固定された保持部材21にアーム22a、22bを介して設けられている。河川10の土手23には給電用の支柱24が設けられ、商用電源ACが自動点灯/消灯器25及び安定器26を介して光源20に与えられるようになっている。本例では、自動点灯/消灯器25によって周囲の明暗を検知し、周囲が暗い場合に光源20を点灯し、明るい場合には消灯するように制御されるようになっている。なお、商用電源に代えて、例えばソーラーセル等を電源として用いることもできる。
このような分解浄化方法によれば、分解浄化物15が光触媒作用を活性化させる自然光又は/及び人工光を受けることによって光触媒作用を活性化し、河川10の中の大腸菌、レジオネラ菌、鯉ヘルペス等を含む有機体が酸化分解され、水質の浄化を行うことができる。
図22は図1、図4、図7、図10、図13又は図16の分解浄化物を用いた本発明による分解浄化方法の別の実施例を示す断面図である。図22において、図21と同符号の部分は同一物を示している。
この分解浄化方法では、前述した分解浄化物15が平面部材30の上に配置されている。図23は平面部材30の一例を示す断面図である。平面部材30は、耐火性を有しており、例えばムライト、レンガ等が用いられる。このような平面部材30の一面に、焼成によるフリット31の融解及び焼成後の凝固を介して、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタン、又は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層32が形成されている。そして、分解浄化物15は、平面部材30酸化チタンの層32が形成された面に配置されている。
これによれば、酸化チタンの層32が形成された平面部材30の面が河川10の水を通して光触媒作用を活性化させる自然光又は/及び人工光を受け、上方の分解浄化物15で酸化分解できない大腸菌等の有機体を酸化分解することができる。
前述した分解浄化物の製造方法では、基材として岩石、レンガ、鉄やステンレス等の金属又はガラス等が用いられているが、基材はこれらに限定されるものではなく、基材として鉱物繊維を用いることもできる。鉱物繊維としては例えばシリカアルミナ繊維が用いられ、次のような方法で分解浄化物が製造される。
先ず、鉱物繊維に、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタン、又は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンを付着させる処理が行われる。この処理では、アナターゼ型酸化チタンが分散されたバインダ溶液、ブルッカイト型酸化チタンの溶液、又は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの溶液がスプレーガンによって鉱物繊維に付着される。あるいは、これらの溶液に鉱物繊維を浸漬することによって付着される。その後、鉱物繊維は20〜30℃で乾燥される。次に、上述の酸化チタンが付着された基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で焼成する処理が行われる。アナターゼ型酸化チタンとしては、前述したように、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物が用いられる。鉱物繊維にアナターゼ型酸化チタンを付着させた場合には例えば600〜750℃で焼成が行われ、ブルッカイト型酸化チタンを付着させた場合には例えば350℃で焼成が行われ、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンを付着させた場合には例えば600〜750℃で焼成が行われる。
このような製造方法によって得られた分解浄化物は、任意の形状及び大きさに容易に形成することができるので、有機体を酸化分解する例えばフィルタ材料等として有効に利用することができる。
図24は本発明による分解浄化物の製造方法の第13実施例で、これによって製造された分解浄化物の一例を示す平面図である。図25は図24の部分拡大図、図26は図25のB−B断面図である。
図24の分解浄化物40には、焼成することのできない基材41としてプラスチックが用いられ、本例では、フィルタ等として用いる観点から平板状の網部材に形成されている。この網部材のメッシュ部分には、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物からなるアナターゼ型酸化チタンの層41が、メチルセルロース又はケミカルメチルセルロースの水溶液、又はラテックスの溶液を用いて、付着されている。基材が家屋の壁や壁紙等の木や紙などの場合でも、アナターゼ型酸化チタンの層41が同様に形成される。このような分解浄化物40は次のような方法で製造される。
先ず、プラスチック又は木等の基材41に、メチルセルロース又はケミカルメチルセルロースの水溶液、又はラテックスの溶液を用いて、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物からなるアナターゼ型酸化チタンの層42を、吹付け又は浸漬等によって塗布する処理が行われる。次に、アナターゼ型酸化チタンの層41が塗布された基材を自然乾燥又は基材41に悪影響を与えない温度以下の強制乾燥により乾燥して、アナターゼ型酸化チタンの層42をメチルセルロース、ケミカルメチルセルロース又はラテックス43を介して基材に付着させる処理が行われる。
このような分解浄化物の製造方法によれば、アナターゼ型酸化チタンが粘性をもったメチルセルロース又はケミカルメチルセルロースの水溶液、又は粘性をもったラテックスの溶液に混入分散されるので、アナターゼ型酸化チタンの粒子が溶液の下部に溜まることなく均一に分散される。そのため、アナターゼ型酸化チタンをムラなく確実に基材に塗布することができる。また、メチルセルロース又はケミカルメチルセルロースの水溶液、又はラテックスの溶液は、アルコール系無機バインダ等と比較して接着力が高いので、アナターゼ型酸化チタンの層42より強固に基材41に付着させることができる。アナターゼ型酸化チタンとして二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化酸化物が用いられるので、基材41として酸化されやすいプラスチック又は木等が用いられる場合でも、酸化防止用のアンダーコーティングを施すことなしに、基材の酸化防止を図ることができる。このような分解浄化物は、空気中のウィルスや細菌、ホルムアルデヒド、悪臭、窒素酸化物等の酸化分解に有効に利用することができる。
本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明による光触媒を用いた分解浄化物は、河川や湖沼等の水質浄化、空気清浄などに有効に利用することができ、特に、水の中に配置されても光触媒である酸化チタンが剥離することがないので水質浄化に用いるのに適している。

Claims (19)

  1. 基材と、
    焼成による第1のフリットの融解を介して、前記基材の全面に付着されたルチール型酸化チタンの層と、
    アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンの層であって、この酸化チタンの層がルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成による第2のフリットの融解を介して、前記ルチール型酸化チタンの層の全面に付着されたアナターゼ型又はブルッカイト型の前記酸化チタンの層とを有する光触媒を用いた分解浄化物。
  2. 基材と、
    アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンの層であって、この酸化チタンの層がルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成によるフリットの融解を介して、前記基材の全面に付着されたアナターゼ型又はブルッカイト型の前記酸化チタンの層とを有する光触媒を用いた分解浄化物。
  3. 基材と、
    焼成による第1のフリットの融解を介して、前記基材の全面に付着されたルチール型酸化チタンの層と、
    ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層であって、この酸化チタンの層がルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成による第2のフリットの融解を介して、前記ルチール型酸化チタンの層の全面に付着された、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンの層とを有する光触媒を用いた分解浄化物。
  4. 基材と、
    ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層であって、この酸化チタンの層がルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下の焼成によるフリットの融解を介して、前記基材の全面に付着された、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンの層とを有する光触媒を用いた分解浄化物。
  5. 粘性をもった液状の展着剤を用いて、第1のフリットとルチール型酸化チタンとを基材の全面に展着する処理と、
    前記第1のフリット及び前記ルチール型酸化チタンが展着された前記基材を、前記第1のフリットの融解温度以上で焼成する処理と、
    アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリットとアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンとを、前記展着剤を用いて、焼成後の前記基材のルチール型酸化チタンの全面に展着する処理と、
    アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記第2のフリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含む分解浄化物の製造方法。
  6. アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットとルチール型酸化チタンとを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、
    前記フリットとアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンとを、前記展着剤を用いて、前記基材のルチール型酸化チタンの全面に展着する処理と、
    アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含む分解浄化物の製造方法。
  7. アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、
    前記フリットが展着された前記基材を、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理と、
    焼成後の前記基材の前記フリットの全面に、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンを前記展着剤を用いて展着する処理と、
    アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理と含む分解浄化物の製造方法。
  8. アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットとアナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンとを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、
    アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含む分解浄化物の製造方法。
  9. 粘性をもった液状の展着剤を用いて、第1のフリットとルチール型酸化チタンとを基材の全面に展着する処理と、
    前記第1のフリット及び前記ルチール型酸化チタンが展着された前記基材を、前記第1のフリットの融解温度以上で焼成する処理と、
    ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解する第2のフリットとブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンとを、前記展着剤を用いて、焼成後の前記基材のルチール型酸化チタンの全面に展着する処理と、
    ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンが付着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記第2のフリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含む分解浄化物の製造方法。
  10. ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットとルチール型酸化チタンとを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、
    前記フリットとブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンとを、前記展着剤を用いて、前記基材のルチール型酸化チタンの全面に展着する処理と、
    ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含む分解浄化物の製造方法。
  11. ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、
    前記フリットが展着された前記基材を、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理と、
    焼成後の前記基材の前記フリットの全面に、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンを前記展着剤を用いて展着する処理と、
    ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含む分解浄化物の製造方法。
  12. ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で融解するフリットとブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンとを、粘性をもった液状の展着剤を用いて、基材の全面に展着する処理と、
    ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された前記酸化チタンが展着された前記基材を、この酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で、且つ、前記フリットが融解する温度以上で焼成する処理とを含む分解浄化物の製造方法。
  13. 前記基材が火成岩である請求の範囲第5項又は第6項又は第7項又は第8項又は第9項又は第10項又は第11項又は第12項に記載の分解浄化物の製造方法。
  14. 前記アナターゼ型酸化チタンが二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化物である請求の範囲第5項又は第6項又は第7項又は第8項又は第9項又は第10項又は第11項又は第12項に記載の分解浄化物の製造方法。
  15. 前記展着剤がメチルセルロース、ケミカルメチルセルロース又はラテックスの溶液である請求の範囲第5項又は第6項又は第7項又は第8項又は第9項又は第10項又は第11項又は第12項に記載の分解浄化物の製造方法。
  16. 請求の範囲第1項又は第2項又は第3項又は第4項に記載の光触媒を用いた分解浄化物を、その光触媒作用を活性化させる自然光又は/及び人工光を受けることができるように水の中に配置し、前記分解浄化物の光触媒作用の活性化によって水を浄化するようにした分解浄化物を用いた分解浄化方法。
  17. 耐火性の平面部材の一面に、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタンの層、又は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンの層を焼成によって形成し、この平面部材の前記酸化チタンの層が形成された面に、前記分解浄化物を配置するようにした請求の範囲第16項に記載の分解浄化物を用いた分解浄化方法。
  18. 鉱物繊維からなる基材に、アナターゼ型又はブルッカイト型の酸化チタン、又は、ブルッカイト型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンが混合された酸化チタンを付着させる処理と、
    前記酸化チタンが付着された前記基材を、前記酸化チタンがルチール型酸化チタンに殆ど変化しない温度以下で焼成する処理とを含む分解浄化物の製造方法。
  19. プラスチック又は木等の基材に、メチルセルロース又はケミカルメチルセルロースの水溶液、又はラテックスの溶液を用いて、二酸化ケイ素と二酸化チタンの複合酸化酸化物からなるアナターゼ型酸化チタンを塗布する処理と、
    前記アナターゼ型酸化チタンが塗布された前記基材を乾燥し、前記アナターゼ型酸化チタンを前記基材に付着させる処理とを含む分解浄化物の製造方法。
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