JPWO2005115409A1 - 動脈硬化症発症の抑制性組成物および抑制方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すでに動脈硬化病変の血管内皮細胞から分泌され単球の遊走に関係する因子であるケモカイン、MCP-1の分泌が、D-プシコースにより抑制されること、およびサイトカインによるMCP-1の分泌促進を抑制することを報告し、D-プシコースの抗動脈硬化作用について報告している(特許文献1、非特許文献: 6,9-11, 17)。
一方、動脈硬化惹起因子である酸化LDLの受容体、スカベンジャー受容体は動脈硬化病変においてマクロファージに発現誘導され、動脈硬化病変形成の主役を演じている(図9、特許文献: 5, 13, 19)。
逆に、生体には抗動脈硬化作用としてHigh density lipoprotein (HDL)を介したコレステロール逆転送系が知られている(図10,非特許文献: 14, 16)。
我々はヒト遺伝子CLA-1が、HDL受容体であることを同定してきた(非特許文献:2, 3, 8, 12, 15)。
遺伝子導入の研究からCLA-1は肝臓においてHDLからのコレステロールの取り込みを介して、抗動脈硬化作用を示すことが知られている(非特許文献: 4, 7, 14, 15 )。
動脈硬化病変では、障害された血管内皮細胞よりMCP-1が放出され、単球の血管壁への遊走、マクロファージへの分化を促進し、動脈硬化病変の初期巣形成をおこなっている。
MCP-1の分泌刺激としては炎症性サイトカインのTNF-α、IL-1βが知られており(図8)、細胞内情報伝達系としてPI3-K/PKB(AKT)が関与し(図8)、逆にPPAR-γは抑制的に働いている。
以前の報告によれば高濃度のグルコースはMCP-1の分泌を刺激し、臨床的にも糖尿病患者ではMCP-1が高値を示すことが指摘されている。
したがって、血管内皮細胞からのMCP-1の分泌を抑制する化合物、および炎症性サイトカインIL-1βによるMCP-1の分泌を抑制する化合物は、動脈硬化症の優れた予防・治療剤となり、それらに関連する技術の開発が望まれるところである。
(1)希少糖、好ましくはD-プシコースを、抗動脈硬化作用の有効成分とすることを特徴とする動脈硬化症発症の抑制性組成物。
(2)上記の抗動脈硬化作用が、生体の動脈硬化症に関係するケモカインまたはサイトカインの発現抑制または軽減作用、および動脈硬化惹起因子の発現に影響を及ぼさず動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用、である上記(1)の動脈硬化症発症の抑制性組成物。
(3)上記の発現を促進する作用が、D-プシコースによる生体の動脈硬化症に関係する、サイトカインによるケモカイン発現誘導を抑制し、動脈硬化惹起因子であるスカベンジャー受容体CD36発現への影響を及ぼさず、動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用である上記(2)の動脈硬化症発症の抑制性組成物。
(4)D-プシコースをD-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態で用いる上記(1)、(2)または(3)の動脈硬化症発症の抑制性組成物。
(5)上記組成物が、D-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである上記(4)の動脈硬化症発症の抑制性組成物。
(6)希少糖、好ましくはD-プシコースを、生体の動脈硬化症に関係するケモカインまたはサイトカインの発現抑制または軽減作用、および動脈硬化惹起因子の発現に影響を及ぼさず動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用、である抗動脈硬化作用の有効成分として用いることを特徴とする動脈硬化症発症の抑制方法。
(7)上記の発現を促進する作用が、生体の動脈硬化症に関係する、サイトカインによるケモカイン発現誘導を抑制し、動脈硬化惹起因子であるスカベンジャー受容体CD36発現への影響を及ぼさず、動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用である上記 (6)の動脈硬化症発症の抑制方法。
(8)D-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態で用いる上記(6)または(7)の動脈硬化症発症の抑制方法。
(9)上記組成物が、D-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである上記(8)の動脈硬化症発症の抑制方法。
「希少糖」とは、自然界に微量にしか存在しない単糖と定義づけることができる。自然界に多量に存在する単糖は、D-グルコース、D-フラクトース、D-ガラクトース、D-マンノース、D-リボース、D-キシロース、L−アラビノースの7種類あり、それ以外の単糖は、自然界における存在量が少なく希少糖に分類することができる。また、糖アルコールは単糖を還元してできるが、自然界にはD-ソルビトールおよびD-マンニトールが比較的多いが、それ以外のものは量的には少ないので、これらも本発明に従う希少糖と定義される。これらの希少糖は、これまで入手が困難であったが、自然界に多量に存在する単糖から希少糖を生産する方法が開発されつつあり、その技術を利用して製造することができる。
以下、これらの単糖の関係を一層容易に理解するために提案されたイズモリング(Izumoring、登録商標、以下省略)に基づき説明を加える(WO 03/097820参照)。
図11で示される生産過程と分子構造(D型、L型)により、炭素数4から6の単糖全てをつないだ連携図がイズモリング(Izumoring)の全体図である。すなわち、図11から理解できることは、単糖は、炭素数4、5、6全てがつながっているということである。全体図は、イズモリングC6の中でのつながりと、イズモリングC5の中でのつながりと、イズモリングC4の中でのつながりと、C4、C5、C6が全てつながっていることである。この考え方は重要である。炭素数を減少させるには主に発酵法を用いる。炭素数の異なる単糖全てをつなぐという大きな連携図であることも特徴である。
しかしながら、これまでの研究では上のグループ、真ん中のグループ、下のグループは酵素反応でつながっていなかった。つまり、上のグループに属しているD-グルコース(ブドウ糖)やD-フラクトースは自然界に多量に存在する糖であり安価であるが、これらから希少糖を合成することができなかった。ところが、本発明者らの研究の過程で、これを結ぶ酵素が発見された。それはガラクチトールからD-タガトースを合成する酵素を持つ菌の培養液中に、全く予期しなかったD-ソルボースが発見されたことに端を発する。その原因を調べた結果、この菌がD-タガトース3エピメラーゼ(DTE)という酵素を産生していることを発見した。
図11の下段および図12に示すように、このDTEはこれまで切れていたD-タガトースとD-ソルボースの間をつなぐ酵素であることがわかる。そしてさらに驚くことに、このDTEは全てのケトースの3位をエピ化する酵素であり、これまで合成接続できなかったD-フラクトースとD-プシコース、L−ソルボースとL−タガトース、D-タガトースとD-ソルボース、L−プシコースとL−フラクトース、に作用するという非常に幅広い基質特異性を有するユニークな酵素であることが分かった。このDTEの発見によって、すべての単糖がリング状につながり、単糖の知識の構造化が完成し、イズモリング(Izumoring)と名付けた。
この図12をよく見てみると、左側にL型、右側にD型、真ん中にDL型があり、しかもリングの中央(星印)を中心としてL型とD型が点対称になっていることもわかる。例えば、D-グルコースとL−グルコースは、中央の点を基準として点対称になっている。しかもイズモリング(Izumoring)の価値は、全ての単糖の生産の設計図にもなっていることである。先の例で、D-グルコースを出発点としてL−グルコースを生産しようと思えば、D-グルコースを異性化→エピ化→還元→酸化→エピ化→異性化するとL−グルコースが作れることを示している。
炭素数が6つの単糖(ヘキソース)のイズモリング(Izumoring)を使って、自然界に多量に存在する糖と微量にしか存在しない希少糖との関係が示されている。D-グルコース、D-フラクトース、D-マンノースと、牛乳中の乳糖から生産できるD-ガラクトースは、自然界に多く存在し、それ以外のものは微量にしか存在しない希少糖と分類される。DTEの発見によって、D-グルコースからD-フラクトース、D-プシコースを製造し、さらにD-アロース、アリトール、D-タリトールを製造することができるようになった。
炭素数が6つの単糖(ヘキソース)のイズモリング(Izumoring)の意義をまとめると、生産過程と分子構造(D型、L型)により、すべての単糖が構造的に整理され(知識の構造化)、単糖の全体像が把握できること、研究の効果的、効率的なアプローチが選択できること、最適な生産経路が設計できること、欠落部分について予見できること、が挙げられる。
本発明の製剤(医薬品)は、例えば、ケモカインやサイトカインの発現を効率良く抑制することができ、かつ毒性が低い。ケモカインやサイトカインの発現抑制には、ケモカインやサイトカインのmRNAの発現抑制、ケモカインやサイトカインの産生抑制、ケモカインやサイトカインのDNAの発現抑制、ケモカインやサイトカインの発現プロモーター抑制、ケモカインやサイトカインの分泌抑制、ケモカインやサイトカインのmRNAの翻訳抑制などが含まれる。
本発明のD-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物において、D-プシコースは、組成物中に0.1〜50重量%含まれるように配合されている。好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。組成物中において、D-プシコースが0.1重量%未満だと、サイトカインによるケモカイン発現抑制および、ケモカインの分泌(mRNAおよびプロモーター)の抑制の作用が充分ではない。また、組成物中において、D-プシコースが50重量%を越えると、経済的な意味で好ましくない。
医薬品・医薬部外品や食品等の開発において最も重要で大きなハードルは新規物質としての希少糖の安全性の検証である。変異原性、生分解度試験および3種類の急性毒性試験(経口急性毒性試験、皮膚一次刺激試験、眼一次刺激試験)が最も基本的な安全性試験として定められている。希少糖は微量ながらも自然界に存在する単糖であるので、安全であろうとの予想はできるものの、きちんとした検証が必要である。我々は希少糖のうちD-プシコース、D-アロース、アリトールの3種に対し、基本部分の安全性試験を指定機関に依頼し実施した。その結果、どの希少糖もその安全性において問題がないことが確認された。
本発明の血管新生抑制剤の剤型としては、有効成分を医学的に許容される担体、賦形剤、滑沢剤、結合剤等の添加物を含有する種々の形態、例えば水または各種の輸液用製剤に溶解させた液剤、散剤、顆粒剤、錠剤、注射剤、坐剤、または外用製剤等が、公知の製剤技術により製造できる。
固形製剤としては活性化合物とともに製剤学上許容されている添加物を含み、例えば充填剤類や増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、または潤滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化することができる。
また外用製剤として溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、およびスプレー等を例示できる。
〈方法〉
細胞培養:ヒト肝臓由来細胞株(Hep G2)、ヒト単球由来細胞株(THP-1)およびヒト血管平滑筋細胞株(ISS10)を、既報の報告(13-15)に従い、培養液DMEM+10%FBSまたはRPMI1640+10%FBSの条件下で培養をおこなった。
HepG2, THP-1, ISS10細胞を約70%の密度で培養ディッシュに分注し以下の実験に供与した。
1. ISS10細胞およびTHP-1細胞をcontrol(5.6 mM D-グルコース)、 高グルコース(22.4 mM D-グルコース)、 D-プシコース (22.4 mM)で3日間培養し、ISS10細胞では、Scavenger receptor A (SRA)、THP-1細胞ではscavenger receptor, CD36の発現を市販のSRA, CD36に対する抗体にて既報(15)のWestern blot analysis法にて検討した。
ISS10細胞では、SRAの発現誘導positive controlとしてPMA処理をおこなった。
またコントロール蛋白としてcyclophilin Aを用いた。
2. Hep G2細胞をさまざまな濃度のD-グルコース、 D-プシコース存在下にて培養し、HDL受容体CLA-1の発現を既報(15)のWestern blot analysis法にて検討した。
検出用の抗体は、CLA-1の細胞外ドメイン185−300アミノ酸残基をGST-fusion vectorに組み込み、モルモットに免疫してえられた抗体を使用した。
またCLA-1遺伝子のpromoter領域1200 bpをluciferase reporter geneに組み込み、細胞内に遺伝子導入し、luciferase活性を測定することにより、CLA-1の転写活性とした。
1. 血管平滑筋細胞株ISS10をD-グルコース5.6 mM (control)、 22.4 mM (グルコース)、D-プシコース22.4 mM (D-プシコース)、 PMA 100 nM (PMA)で72時間処理し、SRAの発現をWestern blot analysis法にて検討した。
図1に示すように、PMAではSRAが発現誘導されるが、D-グルコース、 D-プシコースでは、影響を認めなかった。
2. 一方、CD36に関しては、単球由来細胞株THP-1を用いて検討した。
従来の報告と同様に高濃度のD-グルコースにより、CD36の発現が誘導されるが、D-プシコースではCD36の発現を増強しなかった(図2)。
3. ヒト肝臓細胞由来細胞株HepG2をD-グルコース2.8(lane 1)、 5.6(lane 2)、11.2(lane 3)、22.4(lane 4) mMで72時間培養し、CLA-1の発現をWestern blot analysis法にて検討した。図3に示すようにD-グルコース11.2(lane 3)、22.4(lane 4) mMではCLA-1の発現が低下した。
4. 次にHepG2をD-プシコース 0, 2.8, 5.6, 11.2 mMで72時間培養し、CLA-1の発現をWestern blotで検討した。図4に示すようにD-プシコースではCLA-1の低下は認められなかった。
5. HepG2をD-グルコース 2.8, 5.6, 11.2 mMおよびD-グルコース 11.2 mMにD-プシコース 2.8, 5.6, 11.2 mMを添加して72時間培養し、CLA-1の発現をWestern blot analysis法にて検討した。図5に示すようにD-グルコース 11.2 mMでCLA-1が低下するが、D-プシコースを添加することにより、濃度依存的にCLA-1の抑制が解除された。
6. CLA-1の転写活性についても検討した。CLA-1 promoterを含んだluciferase reporter geneをHepG2細胞に遺伝子導入し、そのHepG2をD-グルコース 2.8(lane 1)、 5.6(lane 2)、 11.2(lane 3)、 22.4(lane 4) mM、およびD-プシコース22.4 mMで24時間培養し、luciferase活性を測定した。高濃度のD-グルコースはCLA-1のpromoter活性を抑制した。一方、D-プシコースはCLA-1のpromoter活性には影響を与えなかった(図6)。
動脈硬化症発症の契機は、単球の血管壁への遊走およびScavenger Receptorsによるコレステロール蓄積とマクロファージの泡沫細胞化である(図7)。現在までに酸化LDLの受容体(Scavenger Receptors)としてSRA, CD36, CD68, LOX, SRC, SR-B1などがクローニングされている(図9)。今回はD-プシコースのScavenger Receptors発現への影響を検討した。SRAに関しては、血管平滑筋細胞をD-プシコースとD-グルコースで培養し、SRAの発現をWestern blot analysis法にて検討したが、明らかな差異を認めなかった。
CD36に関しては、単球由来細胞株THP-1を用いて検討した。報告では高濃度のグルコースにより、発現が誘導されるが、D-プシコースはCD36の発現を増強しなかった(図2)。糖尿病と動脈硬化の関連として、高血糖によるscavenger receptorの発現誘導が指摘されているが、D-プシコースはscavenger receptor誘導作用はないと考えられる。臨床的には、糖尿病患者における食事療法に関して、グルコースの代用糖としてD-プシコースを使用できれば合併症予防に有益であると考えられる。
の抑制性組成物。
(5)上記組成物が、D−プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである上記(4)の動脈硬化症発症の抑制性組成物。
[0008] 本発明は、以下の(6)〜(9)の動脈硬化症の予防または治療剤を要旨とする。
(6)希少糖、好ましくはD−プシコースを含む、その予防または治療のために、生体の動脈硬化症に関係するケモカインまたはサイトカインの発現抑制または軽減作用、および動脈硬化惹起因子の発現に影響を及ぼさず動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用、である抗動脈硬化作用が要求される患者群に経口で摂取させる動脈硬化症の予防または治療剤。
(7)上記の発現を促進する作用が、生体の動脈硬化症に関係する、サイトカインによるケモカイン発現誘導を抑制し、動脈硬化惹起因子であるスカベンジャー受容体CD36発現への影響を及ぼさず、動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用である上記(6)の動脈硬化症の予防または治療剤。
(8)D−プシコースが、D−プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態である上記(6)または(7)の動脈硬化症の予防または治療剤。
(9)上記組成物が、D−プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである上記(8)の動脈硬化症の予防または治療剤。
【発明の効果】
[0009] 本発明は、希少糖を用いた、動脈硬化症発症の抑制性組成物、(甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料)およびそれを用いた抑制方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
[0010] 本発明は、希少糖、好ましくはD−プシコースの、生体の動脈硬化症に関係する、サイトカインによるケモカイン発現誘導を抑制し(たとえばMCP−1の分泌を抑制すること
Claims (9)
- 希少糖であるD-プシコースを抗動脈硬化作用の有効成分とすることを特徴とする動脈硬化症発症の抑制性組成物。
- 上記の抗動脈硬化作用が、生体の動脈硬化症に関係するケモカインまたはサイトカインの発現抑制または軽減作用、および動脈硬化惹起因子の発現に影響を及ぼさず動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用、である請求項1の動脈硬化症発症の抑制性組成物。
- 上記の発現を促進する作用が、D-プシコースによる生体の動脈硬化症に関係する、サイトカインによるケモカイン発現誘導を抑制し、動脈硬化惹起因子であるスカベンジャー受容体CD36発現への影響を及ぼさず、動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用である請求項2の動脈硬化症発症の抑制性組成物。
- D-プシコースをD-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態で用いる請求項1、2または3の動脈硬化症発症の抑制性組成物。
- 上記組成物が、D-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである請求項4の動脈硬化症発症の抑制性組成物。
- 希少糖であるD-プシコースを、生体の動脈硬化症に関係するケモカインまたはサイトカインの発現抑制または軽減作用、および動脈硬化惹起因子の発現に影響を及ぼさず
動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用、である抗動脈硬化作用の有効成分として用いることを特徴とする動脈硬化症発症の抑制方法。 - 上記の発現を促進する作用が、生体の動脈硬化症に関係する、サイトカインによるケモカイン発現誘導を抑制し、動脈硬化惹起因子であるスカベンジャー受容体CD36発現への影響を及ぼさず、動脈硬化の改善に関与する受容体の発現を促進する作用である請求項6の動脈硬化症発症の抑制方法。
- D-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態で用いる請求項6または7の動脈硬化症発症の抑制方法。
- 上記組成物が、D-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品・医薬部外品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである請求項8の動脈硬化症発症の抑制方法。
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